予算特別委員会速記録第三号

   午後六時五分開議
○福島副委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 内山真吾委員の発言を許します。

○内山委員 初めに、今回のウクライナ危機に伴う雇用や生活面での支援についてお伺いをいたします。
 原油価格等の高騰は、これまで賃上げも十分でない中で、蓄えもままならず暮らしてきた都民の雇用や生活にも大きな影響を及ぼすことが想定をされます。
 昨日、我が会派から、今回の危機において、事業者への支援に加えて、雇用と生活の両面からの対策も講じるべきと求めたことに対し、知事からは、就職特別相談窓口や緊急生活相談窓口の設置などの対策に取り組んでいく旨の答弁がありました。
 そこで、まず、就職特別相談窓口の設置による雇用支援について、その具体的な内容についてお伺いをいたします。

○坂本産業労働局長 都は、今回のウクライナ危機等に関連し、離職を余儀なくされた方々の支援に向け、速やかに就職特別相談窓口をしごとセンターに設置いたします。
 この特別相談窓口では、専門のアドバイザーがカウンセリングを実施し、求職者の希望や経験等を踏まえ求人を紹介するなど、早期の再就職につながる支援を行います。
 また、窓口においては、最大六か月間の派遣就労を通じ、正社員として就職できるよう支援する事業の案内も行います。
 同事業は、派遣期間中の賃金を都が負担し、離職者の方の就職活動を生活面も含めてサポートできる仕組みとしてございまして、これによりまして、きめ細かく効果の高い支援を実施してまいります。

○内山委員 続いて、緊急生活相談窓口の設置による生活面での支援について、その具体的な内容についてお伺いをいたします。

○中村福祉保健局長 ウクライナ危機の影響によります物価上昇や失業などにより、仕事や住まいを失うなど、生活に困窮する方が増えるおそれがあります。
 このため、都は、緊急生活相談窓口を速やかに設置し、生活に困っている方の相談を幅広く受け付けることといたしました。
 電話や対面での窓口で、相談員が個別の状況を丁寧に聞き取りまして、福祉事務所や生活困窮者自立相談支援機関など、適切な支援へとつなげてまいります。

○内山委員 ありがとうございます。
 コロナ禍で経済状況等が悪化し、まだ回復の途上にある中で、今回のウクライナ危機による影響も加わり、都民の雇用や生活などへの不安も高まってくるものと思います。
 こうした状況だからこそ、都が迅速に対応を図ることで危機を乗り越え、都民が希望を持って暮らしていけるよう、都として全力を挙げるべきと考えますが、知事の見解を伺います。

○小池知事 感染症の影響が長期化する中で、今般のこのウクライナ危機が重なっているわけです。都民の皆さんは、雇用、そして今後の生活に対して、先の見えない不安を抱えておられます。
 このため、都は、今回、事業者への支援とともに、雇用や生活を守るサポートを一体的に行うなど、必要な施策を先手先手で打ち出して、都民の不安を払拭してまいります。
 これらの取組によって、東京の経済の早期の回復を図り、働く方の所得向上につながる環境を整えるなど、都民の安定した暮らしの確保に向けて、総力を挙げて取り組んでまいります。

○内山委員 ありがとうございます。ぜひ迅速かつ丁寧な対応をお願いしたいと思います。
 それでは、三十五人学級の導入に伴う課題について質問させていただきたいと思います。
 いよいよ実質的には今年の四月から、三十五人学級が本格的に導入されます。二年生からの、今年度から順次導入ということでしたが、もともと小学校の一年生、二年生に関しては三十五人学級が入っていましたので、この四月から、新三年生からのいよいよ導入ということになります。
 そういった中で、昨年の予算特別委員会でも指摘をさせていただき、また、議論、提案もさせていただきましたが、大きく分けて二つの懸念、課題が私はあるというふうに思っています。
 まず一つ目は、三十五人学級に必要な教員の定数を、新規で補充するのではなくて、これまで何らかの理由で加配をされている教員を一旦引き揚げて、そちらの三十五人学級の定員の方に振り分けるんだというような、一部そういうことをするんだということを国はいっているわけで、これをされてしまうと、東京都も今、五、六年生で習熟度別の少人数、例えば算数だとか、そういったところの指導をしている教員が引き揚げられて三年生の三十五人学級に行ってしまうということであれば、これは現場からすると、本当にこの三十五人学級、いいのかという、こういう、柔軟性を問われる、また、独自性が問われる状況になると思うんです。
 そういった中で、国はそういった主張を変えないまま、今度、この四月を迎えるというわけでありますが、来年度、小学校三年生の三十五人学級の導入に伴って、都の習熟度別指導の実施に影響が生じるのかどうか、まずは伺いたいと思います。

○藤田教育長 都教育委員会では、国が、各自治体において指導方法を工夫できるように追加的に措置している教員を活用し、小学校において算数の習熟度別指導を実施しておるところでございまして、これまで成果を上げてまいりました。
 来年度につきましては、小学校三年生への三十五人学級の導入を着実に実施いたしますとともに、この習熟度別指導についてもこれまでどおり継続できる見込みでございます。
 引き続き、都において必要な職員定数が確保できるよう、国に強く要望してまいります。

○内山委員 来年度については、三十五人学級の導入と併せて習熟度別の定員も確保できるということでありますので、ひとまず安心をいたしました。しかし、国から出されている文書に関しては、ここは予断を許さないところだと思いますので、引き続き国には強く要望していただきますようお願いしたいと思います。
 もう一つの、やはり課題としては、そもそもの教員確保の取組というもの、これはまさに保育人材であるとか、介護人材であるとか、そういった皆さんが、ある種、東京都は周辺の県と獲得競争をしていかないと人材を埋めていくことができないということがありまして、これは教員の世界でも例外ではないというふうに思います。
 そういった中で、昨年も申し上げましたが、文部科学省の調査によると全国的には教員の定年退職者のピークは過ぎたので、今後、採用者数も減少していくということが見込まれている。これは前向きな一つポイントかなと思っています。
 もう一つは、国の法令が改正されて、教員を含む公務員の定年退職となる年齢の引上げも決まったため、今後、二年に一度は定年退職者がいなくなるということから、採用者数はさらに減少するということも想定がされます。
 そういった意味合いでは、今後、採用選考倍率は緩やかに上昇していくのかなという期待もあるわけです。
 一方で、三十五人学級を順次導入していくということもあり、また、東京都では、中学生の数もまだまだ増加が見込まれるということから、しばらくは教員の確保に力を入れていくことが必要かと思います。
 そこで、東京都教育委員会の教員採用選考受験者確保のための取組について伺いたいと思います。

○藤田教育長 都教育委員会はこれまで、幅広い層に教職の魅力を伝えるため、パンフレットやメールマガジン、SNSを活用し、学校の様子や現職教員の声などを発信してまいりました。
 今年度からは、都の教員になることに関心を持つ方それぞれにマイページを開設いたしまして、登録された学校種別や教科、関心事項に合わせ都の教育に関する情報を配信しておりまして、現在、登録者数は、開設から三か月を経過いたしますけれども、二千名を超えております。
 また、説明会もオンラインへ変更し、参加者からチャットで寄せられた様々な質問に答えるほか、アーカイブ配信も行い、それぞれのニーズに合わせた視聴を可能とするなど、きめ細かな対応を行っております。

○内山委員 ありがとうございます。
 今ご答弁いただいたのは、広報というところを中心にご答弁をいただいたのかなというふうに思っています。こちらも、地道な取組として、私は大変重要だなというふうに思っています。
 一方で、教員の働き方改革というところが、やはり教員の魅力向上というところにおいては、私は本丸だと思っておりますので、処遇改善等も含めて、根本的な人材獲得競争に勝ち抜いて、しっかりと現場に先生方が配置できる、こういった取組を進めていただきたいというように思っています。
 続きまして、都立高校における中途退学の実態調査についてお伺いをいたします。
 こちら、昨年の予算特別委員会におきましては、このコロナ禍において、経済的な理由で学校、高校を中退せざるを得ない子供たち、生徒たちの数がかなり増えるんじゃないかという、こういう民間の調査結果というものがあり、その懸念の中で質疑をさせていただきましたが、秋の決算特別委員会の中で、令和二年度の都立高校で、経済的な理由で中退をされた方々が何人ぐらいいるのかという質問をさせていただいたところ、都教育委員会の答弁では、令和二年度はゼロ名ということでした。
 このコロナ禍において、もしくはコロナ禍であってもなくても、経済的な理由で高校を中退せざるを得ない子供がゼロ名というのは、これ、民間の様々な活動や調査と比較すると、かなり実態と乖離しているのではないかと思いまして調べたところ、これは決特でも指摘させていただきましたが、主たる理由を一つだけ、報告で上がっているために、例えば、退学する、中途退学の最後のトリガーとなったのが、学力不振であったり人間関係であったり、そういったものが出てきた場合、前提にある経済的な理由というものは出てこないというものがいわれました。
 そういった中で、私は、まず様々な政策を講じていく前段において、その現状把握というのはまず基本的なことなのではないかなというふうに思っています。
 そういった中で、都立高校等を中途退学する理由は複合的であり、都教育委員会は、その実態をより丁寧に把握する必要があると考えますが、見解を伺います。

○藤田教育長 各都立高校等は、担任や養護教諭、スクールカウンセラーなどが面談等を通して、様々な理由から学業を継続することに不安や悩みを抱える生徒一人一人に対して、きめ細やかな相談や助言等を行い、中途退学の防止に努めているところでございます。
 都教育委員会は、文部科学省が実施する、今お話ございました調査でございますが、生徒が中途退学する主たる理由ということで先ほどの内容を把握しているところでございました。
 一方で、中途退学の理由は、お話のように、より一層複雑化、多様化しておりますことから、今後、同調査に加えまして、より詳細な実態を把握し、中途退学を防止するための取組につなげてまいります。

○内山委員 文科省の調査に加えて、より詳細な実態把握に努めていくということでありました。あわせまして、学業が継続しているとなると、そこに関しては調査があまり行かないということが決特でも答弁ありました。具体的には、全日制から定時制に経済的な理由で移るときも、ここに関しては経済的な理由というものがここでカウントされないということもありますので、総合的にぜひここは把握をしていただきたいというふうに思っています。
 続きまして、具体的な学びを継続していくために、給付型奨学金というのを東京都は独自でやられています。これも決特の中で、私は、この給付型奨学金が執行率が極めて低いという現状を指摘させていただきました。大体二割から三割ぐらいということでありました。
 この給付型奨学金ですが、所得によって金額が多少違うんですけど、全て満たしても年額で五万円ぐらい。五万円なんですね、マックスで。ですから、一月、一番高くても五千円に満たない奨学金なわけですが、それでもそれが執行率が二割から三割しかないという、こういう現状なんです。ということは、これは需要と供給というものがミスマッチが起きているんではないかというふうに感じています。
 改めて、ここの対象というものをしっかりと広げていく。年額マックスで五万円という、ここをしっかりと活用していただくために、この対象項目というのを広げていく必要があるのではないかと考えますが、改めて、執行率向上のための対応策についてお伺いをいたします。

○藤田教育長 給付型奨学金でございますが、家庭の経済状況にかかわらず、生徒が希望する進路に挑戦できるよう、支援するために設けた制度でございまして、これまでも、体験型英語学習施設でございますTOKYO GLOBAL GATEWAYの利用料や、ソーシャルスキルなどを学校外で学ぶコミュニケーションアシスト講座等を対象に加えてきたところでございます。
 今後は、学校におけるデジタル活用の進展に伴い、学校指定の学習コンテンツの利用料等についても、増加していくことなどが見込まれます。
 引き続き、対象経費について、学校や生徒、保護者に周知し、より一層の活用を促してまいります。また、対象とする経費の在り方について検討してまいります。

○内山委員 対象とする経費の在り方について検討していくという、重要な答弁をいただきました。
 私は先ほど、経済的な理由で中途退学をする生徒の実態把握ということを申し上げました。経済的な理由で学びを続けられないという子供たちの支援もしたいし、私は、例えば経済的な理由で、高校に通えているんだけど、例えば部活を続けたいのに続けられない、こういう子供たちも、続けたいんだったら、ぜひ続けてもらいたいなというふうに思っているんです。そこにこの制度がもしはまるのであれば、こんなにすばらしいこと私はないと思っています。ぜひ、これはもう早急に対象とする経費の在り方について検討していただきながら、必要に応じては、その増額についても、私は求めていきたいなというように思っています。
 続きまして、子供を笑顔にするプロジェクトについてお伺いをしたいと思います。
 この子供を笑顔にするプロジェクト、私、本当に画期的な取組、新しい試みではないかなというふうに思っています。
 前段としては、コロナ禍において子供たちの体験活動が二年間にわたってその機会が失われてきた中で出てきた事業だとは思いますが、コロナ禍であろうとなかろうと、子供たちの体験活動の機会というのはどんどんどんどん減少して、その重要性というのが文科省をはじめ各種団体から指摘をされている中で、これまで東京都というのは、そういうのをやりましょう、やりましょうと口ではいうんですけど、そこにはお金もつけないという、こういう状況が続いた中で、今回、ここに四十四億円という大きな予算がついたというのは、本当に私は、これ、都の決断、知事の決断について高く評価をしていますが、この事業に対する知事の思いについて、まずお伺いしたいと思います。

○小池知事 いつも申しております、子供たちは、かけがえのない存在であって、社会の宝だと。全ての子供たちが、将来への希望を持って伸び伸びと健やかに成長できますよう、全力でサポートしてまいります。
 コロナ禍にあって、楽しみにしていた学校行事の中止など、子供たちはやりきれない思いを抱えています。こういう子供たちに再び笑顔を取り戻してほしいという思いであります。
 そのため、ご指摘の子供を笑顔にするプロジェクトで、自然体験活動や芸術、文化など、見る、聞く、触れるなどの体験を通じて、豊かな感性を養ってもらいたいと思います。
 ここでの体験が、自ら学び続けていくきっかけの一つとなって、次の時代を切り開く子供たちの成長の糧となることを期待しています。

○内山委員 ありがとうございます。
 まさにそういった思いの中で、この子供を笑顔にするプロジェクトというのが今回、新年度予算にのっかってきたということなわけですが、その思い、もしくはその前提ということを考えると、ここで、まあ体験活動だったら何でもかんでもいいやという、こういうわけではないんだと思うんです。
 そういう中で、具体的に提供するプログラムの内容というのは、かなり、これは私、重要だと思っています。そういった中で、プログラムの作成に当たっては専門家等からも助言をもらうなどして、プログラムの質を高めるべきであると考えますが、見解を伺います。

○藤田教育長 本プロジェクトのプログラム作成に当たりましては、友達と共に心を動かされる体験や思い出に残る様々な機会を創出するとともに、子供の主体性を育み、協働して学べるようにすることが大切だというように考えてございます。
 今後、質の高い体験活動となるよう、様々な専門家や関係団体と連携して、多様なプログラムを作成してまいります。
 また、作成したプログラムを学校に提供するに当たりましては、その特徴や狙いが確実に伝わるよう、丁寧な周知を行ってまいります。

○内山委員 ありがとうございました。安心をいたしました。
 なかなか、こちらの方に出されている体験活動の例だけだと、今ご答弁いただいた子供の主体性を育み、協働して学べるものであったり、そういった質の高いプログラムというところまでは読み解くことができませんでしたので、そこをしっかりと私は担保していっていただきたいなというふうに思っています。
 一方で、この意向調査を学校現場の方にしているということでありました。ともすると、この段階で、新年度のものに関して、何か東京都の方でこれをやりなさいみたいな形でいくと、我々としては、やはりいいもので、子供たちのため、現場のために用意しているプログラム、予算をつけたプログラムであっても、何か押しつけられているような、そんな思いを持ってしまうことも往々にしてあるかなと思っています。
 コロナ禍の様々な支援事業についても、何とか都民の皆さんのためにといいながら、やり方を間違えてしまうと、それが感謝ではなくて、何か批判につながってしまうというのも、残念ながらあるのではないかと思います。
 私は、今回のこの事業については、本当に子供たちが笑顔になって、学校現場から感謝されるというか、本当によかったといってもらえるような事業にしていただきたいなと思っています。
 規模に関しても、一校当たり最大二回までというのもありましたが、これも目安としながらも、しっかりと、そこに縛られずに、ぜひ各学校からの意向を聞きながら組み立てていっていただきたいなというように思っています。こちらは質問いたしません。
 続きまして、一時保護所の支援改善についてお伺いをしたいと思います。一時保護所というのは、児童相談所と女性相談センター、二つの一時保護所です。
 まずは、児童相談所の一時保護所についてお伺いしたいと思います。
 こちら、私もこの予算委員会の中で、児童相談所の、虐待等の理由で一時保護されている子供たちが、またこの一時保護所で、ある種、少年院のような運用を受けているという、こういう指摘がある問題について取り上げさせていただきました。
 体育館を百周させるとか、パーティションで隔離をして、一人で朝から晩まで辞書の書き写しをさせるというような個別指導に関しては即時中止ということが、平成三十一年の予特の中でも答弁いただきましたし、また、ほんの数日一時保護される子供たちだけでも黒染め指導があるような現状というものも即時改善ということも、この間、行われてきました。
 そういった中で、第三者委員の皆さんから支援改善に関する意見書が出されて、都でも支援改善検討会を立ち上げて、令和二年度より様々な支援改善の取組を進めています。この進捗状況についてお伺いをいたします。

○中村福祉保健局長 都は昨年度から、子供が一時保護所で安全・安心に過ごせるよう、私物や私服の持込み、ルールに関する子供と職員との意見交換の実施や余暇時間の充実など、保護所の支援環境の改善に取り組んできております。
 今年度は、子供たちがくつろげるよう、ソファーやカフェテーブルを置くなど居室空間を改善したほか、アプリ等を活用した学習の導入や在籍校への通学など、学習環境の充実にも取り組んでおります。
 また、支援手法の改善のため、一時保護所の職員全員を対象に、各保護所の取組事例を紹介するなどの研修を実施いたしました。

○内山委員 着実に支援の改善というものが図られているということで、引き続きお願いしたいと思います。
 また、一方で、都の一時保護所では、毎月、第三者委員が訪問して、児童との面談や職員との意見交換を行っています。
 令和二年度では、都の第三者委員からは、会話は一切駄目だと認識している児童がいまだに多いという指摘があり、また、相談内容では、児童間のトラブルが最も多かったというふうに報告書で出されています。
 令和三年度はどうだったのか、また、対応状況についてお伺いいたします。

○中村福祉保健局長 一時保護所へ入所する際に、児童には、互いのプライバシーに関する話は控えるよう説明しておりますが、自由な会話が制限されていると受け取ったと思われる相談が多かったため、今年度は、プライバシー保護の重要性の趣旨をより丁寧に説明したところ、同様の相談は減少いたしました。
 また、情緒面での課題を抱える児童に対応するため、心理職を増員するとともに、児童相談センターの医師が一時保護所を定期的に訪問し職員に助言することで、心理治療的な対応力を強化しております。
 こうした取組により、児童間のトラブルの相談件数は減少してきておりますが、いまだに一番多いことから、引き続き、職員の支援力向上を図ってまいります。

○内山委員 ありがとうございます。
 私、この児童相談所の一時保護所の支援改善の取組について、効果測定が二つあるかなというふうに思っています。
 一つは、第三者委員からの意見というか評価、ここに関してはかなり改善が見られてきたのではないかなというふうに思っています。
 一方で、その中で、子供の調査結果ということで、こういった十八項目の調査があり、例えば、食事の時間は楽しみですかとか、職員はあなたに対して丁寧に接してくれましたかとか、こういうアンケートがあります。これ、令和元年度と二年度を比較してみると、よくなったというふうにも見えるし、あまり変わっていない、一長一短かなというのも感じます。ぜひここをしっかりと改善が図れるように、引き続き取組を進めていっていただきたいなというように思っています。
 また、あわせて、令和三年は常勤の心理職を三名から四名に増員したということでありましたが、全保護所八か所ありますので、ぜひここから一気に全保護所、すなわち、三名から四名まで来ましたけど、ここから八名に常勤の心理職を増やしていただきたいということも要望させていただきたいと思います。ぜひ、これまでの更生施設のような位置づけからケア施設になっていくような生まれ変わりを期待しておりますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、今度は、女性相談センターの方の一時保護所についてお伺いをしたいと思います。
 こちらも昨年の予算委員会で質疑をさせていただいて、その中で、なかなかイメージしづらいかと思うんですが、婦人保護施設、子供でいえば児童養護施設に当たるこの婦人保護施設に入所するためには、一旦、女性相談センターの一時保護所に入所しなければならないというのがあるんですが、これがなかなか負担が大きかったり、そもそも定員が、子供も含めて三十名定員しかないということもあって、ここがかなりボトルネックになっていて、婦人保護施設、今、本当にコロナ禍で必要とする女性の方々が多いのに、その入所率が二割前後ぐらいしかないという、こういう問題も指摘をさせていただきました。
 また、この一時保護所で携帯電話を使用できないということも課題の一つとなっていて、昨年の予算委員会で、これは検討していくんだという答弁がありました。
 その後の検討状況についてお伺いしたいと思います。

○中村福祉保健局長 都は、婦人保護施設に一時保護委託した女性が、女性相談センターの一時保護所を経由せず、直接施設に入所する仕組みの整備を進めております。
 現在、女性相談センターが中心となりまして、入所希望者の把握、保護期間中の生活や心理状況等の情報共有、入所判断のポイントなどについて、来年度の実施に向けて区市の婦人相談員や一時保護委託先と調整しております。
 また、一時保護所での携帯電話の使用につきましては、安全性を確認するアセスメントシートや基本的な使用ルールを作成し、来年度から、区市の婦人相談員などと連携しながら、個別に使用の可否を判断してまいります。

○内山委員 ありがとうございます。
 昨年の予特で検討していくという答弁があって、一年かかるかというのもありますが、なかなか携帯電話の使用というのも、これ、どううまくやっていくかというのは悩まれたことだと思います。
 そういう意味では、ぜひ来年度からはスピード感を持って対応していっていただきたいなというふうに思っておりますし、婦人保護施設の利用率を私は上げていってほしいなと思うんです。必要とされている方がこれだけいる中で、そこの定員がまだ二割程度しか使われていないというのは、どこかがボトルネックになっているわけです。
 例えば、女性相談センターの電話相談も今増やしたりとか、相談はどんどんどんどん増やしているんですけど、その受皿のところまでなかなかたどり着かない。そういう意味では、例えばこの一時保護所に入所しなければ入れないというところが、一時保護委託からも入れるようになれば、そこで一つのボトルネックが解消されてくると思いますし、携帯電話が使えないの、じゃ、ちょっとという方も、携帯電話が場合によっては使えるとなれば入所できるというふうになれば、またここのボトルネックも解消されていくと思いますので、ぜひスピード感を持った対応をお願いしたいというように思っています。
 続きまして、具体的な、女性の中でも若年女性等支援事業についてお伺いをしていきたいというふうに思っています。
 こちらも、今年度から本事業になって、来年度も、今度は予算もかなり増額をされて取組を進めていくということでありました。
 そういった中で、若年女性を支援する団体の中には、小規模でありながら、夜間の見回り、声かけなどアウトリーチ支援を地道に活動しているところもあります。
 現在、そういう小規模のところはこの若年女性等支援事業として委託を受けられていないという現状があるんですが、こうした団体も本事業の委託に加えるべきだと考えますが、見解を伺います。

○中村福祉保健局長 都は、様々な困難を抱えた若年女性の自立を図るため、民間団体と連携し、SNSを活用した相談や一時的な居場所の提供などを行う事業を実施しております。実施に当たりましては、自立に向けた支援が円滑に進むよう、相談から居場所の確保、自立支援まで一貫して行っております。
 また、若年女性の抱える課題は多岐にわたっており、その支援に当たっては、地域で活動している民間団体の多様なノウハウを活用することは有効であります。
 本事業においても、様々な団体と協力しながら、若年女性の自立に向けた支援に取り組んでまいります。

○内山委員 ありがとうございます。
 この若年女性等支援事業、私も何度か現場に足を運ばせていただきましたが、本当に支援されている団体によって、ターゲットとされる、支援の対象となる女性はかなりグラデーションがある中で、本当に多種多様な支援の在り方というのがあるんだなというふうに実感をしています。
 そういった中で、小規模であっても、例えば、大きく展開しているところと連携をしながら、都の支援を受けて、こういったことが、活動が継続できるというのであれば、それで救える方々が出てきますので、ぜひこちらは取り組んでいっていただきたいというように思っています。
 続きまして、昭島市内における道路事業、都道の整備について伺いたいと思います。
 現在、JRの青梅線の東中神駅付近では、立川基地跡地昭島地区土地区画整理事業に合わせて、昭島三・二・三号線及び昭島三・二・一一号線を東京都が整備をしています。
 三・二・三とか三・二・一一といっても、どこだか、なかなか市民の皆さんもぴんとこないと思うんですが、三・二・三号線というのは、昭島の青梅線の北側を東西につながっているところです。三・二・一一号線というのは、東中神駅の東側のアンダーパス事業です。
 ここの中で、三・二・三号に関しては令和元年、三・二・一一、アンダーパスに関しては令和三年度、すなわち、まさに今ですね、三年度末までに事業認可期間が設定をされていたわけですが、これが延伸をされたということであります。すなわち、事業が遅れている状況であります。
 なぜ事業期間の延伸となったのか、その理由についてお伺いしたいと思います。

○中島建設局長 道路整備に当たっては、丁寧な説明などを行い、地域の皆様や関係機関の理解と協力を得ながら進めております。
 お尋ねの二路線につきましては、これまで、用地取得や埋設物の撤去、JR青梅線の交差部の道路構造の検討を実施してまいりましたが、用地取得に関わる関係権利者との折衝や建物移転の調整などに時間を要したことから、事業期間をそれぞれ七年延伸したところでございます。

○内山委員 ありがとうございます。用地取得の調整に時間を要したということでありました。
 そういった中で、この二路線に関しては、本当に地元としては早期の整備が期待されているわけでございますが、令和四年度の取組と完成の見込みについてお伺いをしたいと思います。

○中島建設局長 令和四年度は、昭島三・二・三号線では、用地取得を進めますとともに、下水道など埋設物管理者との調整や、交通管理者との協議を実施してまいります。
 また、昭島三・二・一一号線では、既存道路との接続方法の検討や、交通管理者との協議、鉄道交差部における施工方法等についての検討を進めてまいります。
 事業認可の期間は、昭島三・二・三号線が令和八年度、昭島三・二・一一号線が令和十年度となっておりまして、期間内での完成を目指して取り組んでまいります。

○内山委員 ありがとうございます。
 昭島三・二・一一号、青梅線のアンダーパスのところは、青梅線との踏切を解消して、東中神駅周辺道路の交通渋滞の緩和に寄与する路線です。一日も早く開通させることを要望しておきます。
 一方、この路線の南端、江戸街道のところから福島交番を通って新奥多摩街道までの約一キロの間には、同じく都市計画道路の昭島三・五・一二号が計画をされています。この路線については、事業化計画の優先路線には選定されておらず、現時点での事業化のめどは立っていません。
 この路線の計画位置には、現在、都道福島通りが通っておりますが、ほとんどの区間で歩道もない狭隘な道路です。こちら、東中神駅付近につながることもあって、朝夕は、特に自動車や自転車、歩行者の通行量が多くて、この路線の一部は近くの小学校の通学路にもなっており、事故のリスクも高いといわざるを得ません。多くの地元市民の皆さんからは、こうした状況を何とかしてほしいと要望も出されています。
 昭島三・二・一一号、この青梅線のアンダーパスが開通すれば、福島通りの交通量が増加することは明白です。ですので、渋滞や事故を未然に防ぐためにも、三・二・一一号に遅れることなく、昭島三・五・一二号についても早期に事業化することを強く要望したいと思います。
 昭島は、実は今、青梅線の北側は激動、激震が走っていまして、この開発も、道路もそうなんですが、昭島の昭和の森ゴルフコースというところが、今、民間の流通の倉庫ができるという計画が発表されて、交通量も劇的に変わってしまうのではないかという、こういう懸念が市内でも出ています。
 そういった中で、この都道の整備というのは、私は、一刻も早く進めていただきたいというふうに思っておりますし、あわせて、中神駅の北側は、都市計画事業が見直しになって、これまで全く進んでこなかったところが整備になりながら進んでいくという、こういう状況にもなっています。
 今後の計画では、こちらも、よりよいまちづくりを目指すために、様々な制限や規制をかけたことによって、事業の長期化にならないように、ぜひ地域住民の声を反映して柔軟な対応をしていっていただきたいというふうに思っています。
 まちづくりに大切なことは、地域の安全・安心を確保するために、住民の意見を取り入れ、地域の実情に応じて整備をすることが求められていると思いますので、最後にこちらをお願い申し上げまして、私の質疑とさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。(拍手)

○福島副委員長 内山真吾委員の発言は終わりました。

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