午後三時十六分開議
○吉原副委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
小松大祐委員の発言を許します。
○小松委員 COVID-19は、まだわからないことが多いということは事実であります。しかし、この一年で得られた知見もあるのもまた事実であります。長期化するコロナ禍を乗り越えるために、この間に得た教訓を踏まえて、実効性を高めていくことで、この都政の危機をともに乗り越えていきたいと思います。こうした観点から質問を進めさせていただきます。
ワクチン接種や変異株、医療体制や検査体制の拡充、保健所との連携などやるべきことはめじろ押しであります。この間、都民を支えてくださってきた医療従事者、エッセンシャルワーカーの皆様方に改めて敬意と感謝を表したいと思います。
さて、今述べた多くのことをともに支えてきたのは、いうまでもなく、都の職員であり、特にコロナ対策の事務局機能を担ってきた総合防災部、コロナ感染症対策本部の皆様には心から感謝を申し上げます。
初めに、この総合防災部、コロナ感染症対策本部の月間百時間以上の職員数について伺います。
○山手総務局長 福祉保健局感染症対策部を設置した令和二年七月におきまして、月の超過勤務時間が百時間以上の職員数は、総務局総合防災部で対象職員八十一人中十人、感染症対策部百二人中十七人の合計二十七人でございました。
また、直近で把握してございます令和二年十二月は、総合防災部で八十五人中三人、感染症対策部で百十九人中十四人の合計十七人でございます。
○小松委員 ただいまのご答弁は、一般の職員の方の数でありまして、残業の概念のない管理職に至っては、多くの方が今と同様の百時間を超えるような勤務状況であったとも聞いています。こうした状態が一年にわたり常態化をしてきたのが実態です。
コロナ対策として、人員増強や体制強化などの改善をどのように図ってきたのか、取り組みを伺います。
○山手総務局長 新型コロナウイルス感染症対策につきましては、感染症対策部の設置や人事異動による増員、局組織を超えた一千四百名規模の応援職員による対応など、業務の性質や緊急度、恒久的な人員措置の必要性などを勘案しまして、人員を確保し、全庁を挙げて取り組んでまいりました。
また、長期化している感染症対策に係る執行体制を支えるため、非常勤職員や業務委託の活用等を拡大することに加えまして、令和三年一月には、約二百名の任期つき職員を採用し、マンパワーの拡充も実施したところでございます。
○小松委員 応援のための人員を補充したとのご答弁でありました。しかし、こうした超過勤務状態が慢性化してきたのが実態であります。加えて、知事勉強会の資料作成に追われているだとか、新たな取り組みが次々とふえるのに人の補充はないとの現場の声も耳にしています。
実は、こうした勤務状況が、直接の原因かは断定ができませんけれども、パネルを用意してください。こちらは、実は予算委員会の冒頭、共産党さんの資料要求の中にあった数字をグラフにしたものであります。
知事部局の常勤職員の精神疾患による三十日以上の病気休暇者のグラフなんですが、これ以前の九年間でいくと三百六十六名という平均だったんですけれども、この数年で極端に数字が伸びているということであります。
コロナ禍という特殊事情である前に、ここ数年間の都庁の組織というのは、重大な労務上の課題、またメンタルヘルス上の課題といったことが生じていた可能性が否定できません。加えて、コロナ禍はまだ終わりが見えません。ゴールは一体何キロ先にあるのか、都職員の置かれた現場の疲弊感を解消するということに対してもっと注力しなくては、都のコロナ対策の実行力は担保できないものと思います。
小池知事も、東京大改革二・〇を掲げ、二期目を当選されました。その公約には、危機に即した迅速な人員配置、都庁組織再編による業務の効率化を掲げていらっしゃいます。
労働環境の改善に向けて、働き方の改善はどのように都として取り組むのか伺います。
○山手総務局長 長期化いたします感染症対策においては、状況の推移に応じた都庁全体の人材マネジメントが重要でございます。
令和三年度は、令和二年度当初と比較いたしまして、感染症対策に係る職員定数を約百五十名増員いたしまして、感染症対策等を本務とする職員を中心とした体制を構築いたします。
また、非常勤職員や業務委託の活用をより一層促進いたしますとともに、短期、中期の応援職員も引き続き活用しまして、感染症の状況に応じて、全庁的な応援対応を確保してまいります。
さらには、メンタルヘルス対策として、心の健康に関する相談窓口を改めて周知いたしますとともに、繁忙職場の長期在職を避けるなど、職員にもより一層配慮してまいります。
今年度の超過勤務の状況も踏まえ、今後ともさまざまな手だてを講じまして、労働環境の改善に努めてまいります。
○小松委員 ただいま、さまざまな手だてを講じて、労働環境の改善に努めるという山手局長の決意が確認できました。
使命感だけで乗り越えろというには、余りにも苛酷であります。都庁の組織づくり、人材マネジメントは、今ここにいらっしゃるトップの皆様方の責任であります。
一般会計ベースの都職員の人件費率は二二%です。我が会派は、都職員こそが都最大の資産だと考えています。しっかりと生かしてこそ、未曽有の危機にも、都民福祉に応えることができるものと信じています。このことを強く申し上げておきたいと思います。
さて、都庁組織の課題について指摘をしましたが、医療提供体制など、専門家の間では、今回のコロナの制圧にたとえ成功したとしても、将来別のウイルスとの格闘も既に予見がされています。
保健所も含め、平時と有事との状況に応じた伸縮性と機動性に富む体制づくりは急務と考えますが、検討状況について伺います。
○初宿福祉保健局健康危機管理担当局長 都は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に備え、組織対応力を強化するため、令和二年七月十三日、福祉保健局に感染症対策部を設置いたしました。
また、保健所の機動的な体制を確保するため、積極的疫学調査の業務を担いますトレーサーを採用し、都の保健所に配置するほか、保健所設置区市に対しては、看護師の雇い上げ経費の支援などを実施しております。
感染症対策部の発足以来、新型コロナウイルス感染症の感染状況や対策の実施状況等に応じて、各局からの応援も得ながら、順次、組織体制を拡充するとともに、保健所支援についても、現場のニーズ等を踏まえながら充実を図っており、今後とも感染状況等に応じて適切に体制を確保してまいります。
○小松委員 我が会派の主張のとおり、状況に応じた体制確保を行うという旨、ご答弁をいただきました。大変重要であります。よろしくお願いします。
続きまして、第四波、そして高齢者クラスター、そしてことし二〇二一年の秋冬への万全の備えこそが、都民の安心・安全につながるものと思います。
病床確保の中でも、特に重症病床の確保は、患者の命に直結する最も重要な部分であります。ICUなどの施設だけではなく、医療スタッフ、人工呼吸器やECMOなどの医療資機材がそろわなければ条件が整わず、軽症、中等症の病床に比べ、確保はより困難と考えますが、これまで重症病床は適切に確保され、運用されてきたのか、確認します。
○初宿福祉保健局健康危機管理担当局長 都は、感染拡大の状況に応じまして、段階的に病床確保を行いますとともに、患者の重症度や特性に応じまして、確実に受け入れるための体制整備を図っております。
重症者用病床につきましては、医師や看護師の配置を含めました受け入れ体制確保のための病床確保料のほか、人工呼吸器やECMOの整備費を補助しており、現在三百三十二床確保してございます。
第三波の感染拡大時には、都の入院調整本部におきまして、緊急度等を踏まえました入院調整を行いました。
○小松委員 危機対応というのは、シナリオどおりにいかないのが、この一年間の教訓だったと思います。第四波に備えて、しっかりと病床確保に向けて取り組みを進めていただきたいと思います。
また、こうした重症病床も含めて、病床の確保のためにオペレーションの改善など、こうしたことも踏まえ、これまでどのような対策を講じてきたのかも伺いたいと思います。
○初宿福祉保健局健康危機管理担当局長 都は、都内の感染症対策の中核を担います感染症指定医療機関のほか、都立、公社病院や公的医療機関、特定機能病院、指定二次救急医療機関等に対し、繰り返し説明会を開催し、新型コロナ患者を受け入れる病床の確保を働きかけてまいりました。
また、入院重点医療機関を指定し、病床確保料や設備整備費等を補助するなど、受け入れ体制確保のための支援を進めてまいりました。
さらに、新たな入院患者を円滑に受け入れるため、新型コロナ感染症から回復した患者で、慢性疾患などにより、引き続き入院が必要な方を受け入れる病院を支援してございます。
○小松委員 これは、墨田区の地域完結型モデルというものが参考になったんだと思います。地域の医療機関の協力を得るために、墨田区長や保健所長が頭を下げて回りながらつくったと、こういうことを川松議員からも伺っています。こうした成功モデルを、スキームだけまねするのではなくて、地道なこうした姿勢こそ学んでいただきたいと思います。
一方で、入院の必要がない感染者の方は、原則として宿泊療養となっていますが、現実には自宅を選択される方も非常に多いと伺っています。子育てや介護のためなどやむを得ないケースもあると思います。家族と同居している方は、どうしても家庭内感染のリスクというものから逃れることができません。また、人によっては、療養期間中に外出をして他人に感染させる可能性も否定できないわけであります。
こうした中、宿泊療養の活用を進めていくために、検査を行った医療機関の医師が、検査結果の告知とともに宿泊療養を勧奨すべきという意見もございます。
保健所の対応だけではなく、都として、宿泊療養への入所を働きかける取り組みが一層必要と考えますが、所見を伺います。
○初宿福祉保健局健康危機管理担当局長 都では、入院の必要のない軽症者等につきましては、家庭内などでの感染拡大を防止する観点から、宿泊療養を原則としてございます。一方で、患者に対します役割を担う保健所からは、宿泊療養よりも自宅を希望する方が多く、宿泊療養の調整に時間を要すると聞いております。
そのため、保健所にかわり、患者への説明や問い合わせに都が対応するとともに、宿泊施設での療養がイメージできる動画を作成し、インターネット上で公開いたしております。
また、診療、検査医療機関に対しまして、検査を受ける方に宿泊療養を紹介するリーフレットをあらかじめ渡していただくよう協力を求めており、今後、繁華街等で行いますモニタリング検査でも、対象者にリーフレットを配布するなど、宿泊療養の利用促進に向けて取り組んでまいります。
○小松委員 春先、宿泊療養がスタートした際も、隔離されるんじゃないか、そうした懸念の声もありましたが、今、初宿局長からご答弁いただいたとおり、少しずつ現場の声を拾いながら改善がなされている、そうしたことをしっかりとPRしていくことも大事だと思います。
家庭内感染を今後防ぐためには、宿泊療養が必要な方には安心してこの療養を選んでいただけるように、引き続き取り組みを進めていただきたいと思います。
さて、ワクチンについて幾つか伺ってまいりたいと思います。
ワクチン接種を円滑に進めていくためには、国と区市町村との間に立つ東京都の役割は大変大きく、これまで我が党は、その連携の重要性を主張してまいりました。都は、さきの予算特別委員会の質疑においても、情報収集や連携を担うリエゾンを三月十五日から派遣するとの答弁をなされました。
まず、このリエゾンの派遣の状況と求める役割について確認します。
○初宿福祉保健局健康危機管理担当局長 都は、人員が逼迫する中で、十分な連携が可能であると考え、これまで派遣を見合わせておりました。
現在、国におけますワクチン確保の見通しなどの状況が刻々と変化していることなどを踏まえ、ワクチン接種に関します情報の詳細や関係者との事前調整が必要な課題等について、国に直接確認し、さまざまな情報を迅速に入手できるよう、今月十五日から厚生労働省に職員を派遣しております。
現在、国の取り組み状況を早期に把握するほか、他の道府県の実施状況や先進事例、課題等も積極的に収集しており、今後本格化するワクチン接種の円滑な実施につなげてまいります。
○小松委員 川松委員の質疑から前進したということがわかりましたので、よかったと思います。
予算特別委員会の代表質問では、区市町村と連携して、ワクチン接種を進めるべきとの指摘をし、情報共有や意見交換を重ねていくとの答弁がありました。あれから二週間が経過し、区市町村が主体となる住民接種がいよいよ迫りつつある中、これまで具体的にどのような意見交換を行い、また、さまざまな課題や混乱が予想されるこの住民接種に向けて、今後どのような連携を考えていらっしゃるのか伺います。
○初宿福祉保健局健康危機管理担当局長 都は先月、区市町村や医師会等の関係団体とワクチンチームを立ち上げまして、ワクチン接種の円滑な実施に向け、それぞれの現場で生じている課題の共有や区市町村別のワクチンの配分に関する調整などを行っております。
今後、ウエブも活用して、こうした情報交換を定期的に開催する予定であり、各区市町村におけます進捗状況の把握のほか、実際に接種を進める中で生じた課題やその対処方法、他の区市町村の参考となる取り組みなどを広く共有してまいります。
○小松委員 誰もそうですが、区市町村も初めてのことでありまして、大変不安を持っているわけでありますので、ぜひこうした取り組みについても、広く共有するなどして安心をつくっていただければと思います。
最近、LINEの個人情報管理の不備が大きな問題となりました。このLINEを使ったワクチン接種の予約システムを全国で約二百の自治体で進めているとの、以前、公表もあったわけです。
都内でLINEを活用した予約システムを導入されている自治体があるのかどうか、把握しているのであれば、その数を教えていただきたいと思います。
○初宿福祉保健局健康危機管理担当局長 都は、LINEの国内利用者の個人情報の取り扱いに関する報道を受けまして、都内の全区市町村に対し、ワクチン接種の予約システムにおけるLINEの活用予定を調査いたしましたところ、システムの導入を予定している五十二の自治体中、十の自治体が活用するとのことであり、今後とも適切に状況を把握してまいります。
○小松委員 まだどのような推移を、経過をとるのかというのはちょっとわかりませんが、国の動向をしっかりと注意をしていただいて、一番大事なことは、住民接種がスタートした後工程におくれるなどの影響を及ぼさないように、しっかりとまずは市区町村は現場として、多分かなり追われていると思いますので、国の動向を拾いながら、情報提供することは、東京都の役割として、ぜひ協力をお願いしたいというふうに思います。
これから住民接種が本格的に始まります。住民にワクチン接種を行う立場の医療従事者の方自身の接種がおくれていると聞いています。私は世田谷区に住んでいるわけですが、世田谷の区議会でも、このことが大変問題になっていて、本当に住民接種、スタートできるのかどうか、こうした不安の声が上がっています。医療従事者の接種のおくれによって、住民接種、世田谷がトップバッターだと聞いているにもかかわらず、日程がしわ寄せにならないだろうかという心配の声なわけです。
こうしたケース、どのように取り組んで、対応していくのか伺います。
○初宿福祉保健局健康危機管理担当局長 新型コロナウイルスワクチンにつきましては、当初、医療従事者等への接種がおおむね終了した後、高齢者への接種を開始する予定でございましたが、国からのワクチン供給がおくれましたことから、医療従事者等への接種と一部並行して高齢者への接種が行われることとなってございます。
担当の大臣は、先日の記者会見で、高齢者の接種前に医療従事者の接種が終わっていない場合には、高齢者用のワクチンを使用し、接種会場で、住民接種を行う医療従事者に先に接種してから、高齢者の接種を実施して差し支えないとの考えを示されました。
都は、今後の国の動きも踏まえながら、住民接種の日程に影響を及ぼさないよう、医療従事者のできるだけ早期の接種に向け、関係機関と調整してまいります。
○小松委員 国の機動的な対応がとられているということで一安心したわけですが、いずれにしてもこのワクチン接種は、まだまだ流動的な部分があり、都内自治体での接種が滞ることがないように、特に、やはり広域自治体としてしっかりと各区市町村の動きを目くばせしながら、丁寧なサポートを願っています。
それを踏まえて、次の質問に移ってまいりたいと思います。
もはや形骸化しているとの批判の声もありますが、この三月八日以降、人流の抑制についての取り組みと結果について伺いたいと思います。あわせて、都は、この現状をどのように評価されているのか確認します。
○山手総務局長 緊急事態宣言の発出以降、都は、新規陽性者数をしっかりと減少させるため、外出自粛や営業時間短縮の徹底、都立公園等の利用制限の順次強化、テレワーク等の徹底などにより、人流の抑制を推進してまいりました。
これらの取り組みにより、本年一月以降、地域によっては一割から二割程度減少するなど、人流の抑制に一定の効果があり、新規陽性者数も減少傾向にございましたが、三月八日以降については、人流は、地域によっては増加傾向となってございます。
現在においても、都内の感染状況はいまだ厳しく、感染はおさまってございません。感染の再拡大を招かないよう、外出自粛や営業時間短縮の要請等を引き続き実施することに加えまして、検査、医療提供体制の強化などのリバウンド対策を徹底する必要があると考えてございます。
○小松委員 一月以降は、一定程度の効果があった、しかし、再延長に入った三月八日以降については、増加傾向があるということでありました。きょうの報道でもありましたけれども、上野の方でも、繁華街が大変な人のにぎわいになってしまったといった記事も見かけたわけであります。
これ、もはやいろんな人と話していると、独自の、それぞれ個人個人で、ここまでオーケーというようなガイドラインが、この一年間の中でできてしまっているんじゃないかなということを危惧しているわけであります。
こうした中で、段階的なこの緩和措置を進めていくわけであります。先ほど都民ファーストさんの方でも、このことについて確認をしていただいたので、私の方からは主張だけさせていただきますけれど、やはり感染拡大の抑制をしながら、段階的緩和に移るわけであります。こうなってくると、事業者の方の負担が過度とならないことにもしっかりと配慮をしながら、この段階的な緩和、そして感染拡大の抑制について両立をしていただきたいと思います。
同時に、とことんからもわかるように、科学的根拠のないパッションだけで押し切るような、この都からの浅薄なメッセージに対する批判の声は非常に多いわけでありまして、こうした点についてもしっかりと考慮して臨まれたいと思います。
お花見や歓送迎会のシーズンを迎えます。コロナ禍の長期化に協力を続ける都民に対して、改めて理解を得ていくためには、第一波から第三波まで得た知見をもとに、より制限を強化していくべき行動と、緩和をしても感染の影響が少ない行動について、しっかりとエビデンスを示していかなければ、理解を得られないものと思います。
都民に対してエビデンスを示し、共感と理解を得た上で、今後の取り組みを行っていくべきと考えます。どのような協力要請を行うのか、また、抑制のための取り組みについて確認します。
○小池知事 国の分科会におきまして、飲食を介しての感染が感染拡大の重要な要素の一つとして提示をされてきました。そして、会食、飲食による感染の拡大リスクを徹底的に抑えることが必要との提言が何度もなされているところでございます。
これを踏まえまして、感染の再拡大を防ぐために、都民に対しまして、不要不急の外出自粛のほか、このシーズンであります謝恩会、歓送迎会、飲食を伴う花見などについて、自粛の要請を行っております。
そして、この要請に当たりましては、例えば、世代やまた活動の場面などに応じまして、行動変容につながるメッセージを、都民目線に立って、わかりやすい言葉で丁寧に伝えてまいります。
都民の皆様方には、引き続きのご負担をおかけしておりますが、リバウンドを防ぐためにも、ぜひともご協力をお願いしたいと存じます。
○小松委員 続きまして、先日の予算特別委員会の我が会派の代表質問において、知事は、たび重なる要請に応じず、営業を続ける店舗には、命令等の実施に向けて必要な手続を進めていくとご答弁されました。
その後、都は、緊急事態宣言の終了を目の前に控えた今月十八日と十九日、都内計三十二施設に対して、特措法第四十五条第三項に基づく命令を行いましたが、今回、命令を受けた事業者の一つである飲食店チェーンが、昨日、都による命令は違法として都側を提訴するなど、周辺の動きが大変慌ただしくなっています。
こうした動きに対する都民の反応はさまざまですが、この事業者が、今回の命令の前段階で行われた特措法第四十五条第二項の要請に従わないことを公言していたために、都が宣言終了直前に、ある種見せしめ的に命令を行ったのではないかとの声も聞かれます。
命令や罰則といった強い措置については、公平性はもとより、多くの都民が納得できる運用が行われるべきですが、都は、今回命令を行った三十二店舗をどのような基準で絞り込んだのか伺います。
○山手総務局長 特措法第四十五条第三項に基づく今回の命令は、特措法にのっとりました手続どおりの流れで丁寧に進めてきたものでございます。営業を継続し、客の来店を促すことで、飲食につながる人の流れを増大させ、市中の感染リスクを高めていることに加えまして、緊急事態措置に応じない旨を強く発信するなど、他の飲食店等、二十時以降の営業継続を誘発するおそれがある店舗を今回対象としてございます。
都としては、こうした状況等が確認できた店舗について命令を行いました。
○小松委員 これも東京都の調査の結果ですが、都内各地域を合わせて約二千店舗が閉めていなかった可能性があるとも聞いています。そのうちの三十二店舗であります。この実態こそ、飲食店当事者の方からしたら、命令措置の公平性が担保されていないじゃないかということになります。こうした声をもっと真摯に受けとめなくては、いつまでも飲食店の共感は得られないものと強く指摘をしておきたいと思います。
この一年間、時短協力金を初め各種財政的支援を講じてきました。しかし、申請手続が煩雑だとか、支給が余りにも遅いなどの厳しい指摘も寄せられています。
各種申請手続の迅速化の取り組みと成果、現状の課題について確認します。
○村松産業労働局長 都はこれまで、協力金の迅速な支給を図るため、必要な対策を講じてまいりました。申請手続面では、オンライン申請を受け付けるサイトを構築するとともに、必要書類を簡素化し、事業者の利便性向上や負担軽減を図ってきたところでございます。また、進捗状況に応じた担当職員の増員など審査を速やかに行える体制を整備してまいりました。
現在の支給状況についてですが、先月二十六日に受け付けを終了した協力金は、申請件数の七割を超える約四万四千事業者に支給いたしました。また、申請受け付け中の協力金につきましては、約一万三千店舗に支給しておりますが、支給の迅速化に向け、あらかじめ特に間違えやすい事例をポータルサイトに掲載するなど、丁寧な周知を図っているところでございます。
こうした必要な改善に取り組むことで、協力金の早期支給につなげてまいります。
○小松委員 都がこれまで協力金の支給事務を行う中で、申請手続の面や審査の面において、改善を重ねながら取り組んでいるということは理解をいたします。ただ、まだまだ足りないという認識に立たないと、小池知事がいっている都民へのQOSというのは上がってこないんじゃないでしょうか。
迅速な支給に向け、申請手続に当たっては、事業者の皆さんとの対話を絶えず重ね、ニーズを把握し、改善に取り組んでいくという視点が重要であります。
スピードアップとともに、公平性の観点からも、規模や業績に応じた金額など柔軟な支援策を求める声が大きいわけであります。このことは、他の会派からも主張があったと思います。
ただ、手続が煩雑になることなどから、まずはスピードを重視としてきたのがこの一年だったと思います。ただ一年間やる中で、より効率的で、また公平性も兼ねた仕組みへの転換がそろそろ期待をされています。
産労局は改善に向けて、戦略政策本部とどのようなやりとりを進めているのか伺います。
○村松産業労働局長 協力金の円滑な支給に向けて、ウエブ上で申請が可能となるサイトの見直しに取り組んでまいりました。
具体的には、戦略政策情報推進本部と意見交換を行い、助言を得て、申請者からの改善提案を受け付けるフォームをサイト上に設置いたしました。申請者からの意見を踏まえて、わかりやすく使い勝手のよいサイトへと繰り返し改善を図ってきたところでございます。
また、こうしたユーザー目線による改善に加えまして、審査を行う際の注意事項を画面上際立たせるなど、審査の迅速化に向けたシステム改善にも取り組んでまいりました。
今後、さらに利用者の声を丁寧に受けとめ、申請者側及び審査側の両面から必要な改善を重ね、支給の迅速化を図ってまいります。
○小松委員 村松局長からも、利用者の声を丁寧に受けとめという大変真摯な答弁をいただきました。厳しい経営環境の中にあっても、時短要請に協力をいただいた事業者の方に対し、やはり協力金をスピード感を持って、迅速に支給をするということは極めて重要であります。
現実問題、さまざま資料に不備があることも伺っておりますし、そうした意味で、この一年間、ある種都庁の職員の方々初め、外部の委託事業者の方々も大変な思いをされているのは十分承知をしていますが、やはりこうしたスピードアップ、また効率化ということについては、引き続き努力に努めていただきたいと思います。
一方で、それと同時に公平性の観点ということも、やはり忘れてはならないわけであります。事業者によっては、売り上げや固定費が大きく異なります。支給額に、事業の規模を考慮する視点も今後強く求められてくると思います。多くの事業者が、迅速に受け取れるとともに、公平で納得感のある協力金制度となるよう、バランスのとれた制度に引き続き見直すとともに、システム面におけるさらなる改善も求め、次の質問に移ります。
感染のおそれから、受診控えがふえているという報道もございます。今後、その影響が出てくることが懸念されます。特に重症化しやすい高齢者の方こそが、定期的な受診というのが必要であります。厚労省からも、そうした要請が昨年の四月には示されました。
都もこの間、オンライン診療への取り組みを支援されましたが、その成果について伺いたいと思います。
○吉村福祉保健局長 都は本年度、かかりつけ医等がオンライン医療相談、診療等を行うための専用の情報通信機器等の整備を進めるための支援を開始し、これまで都内の五百三十三カ所の医療機関に対し、補助を行っております。
オンライン診療は、アクセスが容易で、待ち時間がなく、受診の際の感染リスクを避けることが可能である一方、十分な情報セキュリティー対策が必要であるほか、対面診療に比べ、医師が得られる患者の心身の情報が限定されるなどの課題がございます。
国は、オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会で、医療機関等からの実績報告に基づき、実用性や実効性の確保、医療の安全性の観点から、改善のための検証を行っており、都は、その結果も踏まえながら、オンライン診療のための環境整備を進めてまいります。
○小松委員 五百三十三の医療機関に対し、補助したという実績が確認できましたが、まず都内には、六百を超える病院を初め、一万三千以上の医療機関があるということからすれば、まだまだごく一部の医療機関でしか導入がなされていないということがわかります。
この事業は、都独自の補助事業であります。国がこうした検証をされているというふうなご答弁もいただきましたが、そうしたことも踏まえつつも、やはり都独自の補助事業として、やはり推進に向けた課題の分析や検証、そして改善に向けた取り組みについても、引き続き進めていただきたいと思いますし、別の問題でも上がっている、特に高齢者の方のデジタルデバイドみたいな対策もセットだと思いますので、しっかりと横の連携を図っていただいて、解消に向けて取り組んでいただきたいと思います。
そして、この受診控えによって心配なのが、がんであります。
新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっておりますが、昭和五十年代以降、都民の死因の一位は、依然としてがんであります。令和元年においても、都民の約三割の方が、がんで亡くなられています。
がんの早期発見、早期治療は、医療費の抑制、そして健康寿命の延伸にもつながることは、今や周知の事実であります。がん検診の受診率を上げていくということは大変重要です。コロナ禍での受診控えは、今後の影響が懸念をされます。
こうした課題の解消には、市区町村だけではなく、国保組合も含めた職域の対策や連携が重要だと考えます。事業者、関係団体、保険者等との連携と、その支援についての見解を伺います。
○吉村福祉保健局長 事業者や就業者数が多い東京では、職域でがん検診を受診できる機会の確保を図ることが、受診率向上につながると考えられることから、都は、東京商工会議所が養成いたします健康経営アドバイザーを通じ、企業経営層に、がん検診の重要性の普及啓発を行い、従業員の健康に配慮した企業の取り組みを支援しております。
また、コロナ禍でも安心してがん検診が受診できるよう、東京都医師会にご協力いただき、定期受診の重要性や検診会場での感染症対策を周知するポスターを作成し、国保組合や商工会などの関係団体に配布しております。
今後とも、関係団体と連携した企業や働く世代への普及啓発等を通じまして、受診率向上に取り組んでまいります。
○小松委員 商工会議所への支援ということですが、これだけでは職域に対する支援が十分とはいえないと思います。また、保険者へのポスター配布では、周知のみで、連携や支援が十分ともいえません。がん検診の受診率向上に向けては、周知や啓発にとどまらない職域、保険者などとのより具体的な連携や支援策を求めて、次の質問に移りたいと思います。
オリ・パラにちょっと触れたいと思いますが、前回大会のレガシーとして、日本武道館や代々木競技場、江の島ヨットハーバーなどは、今もなお多くの人に愛されています。
今回、海の森公園では、総合馬術のクロスカントリーコースとして使用されます。クロスカントリーは、起伏があり、不整形を走るため、マラソンなど陸上長距離競技のトレーニングとしても、非常に効果が高いと期待されています。都民にとっても、ランニングコースとして期待ができるのではないでしょうか。
今後の海の森公園の利用計画について伺います。
○古谷港湾局長 海の森は、都民との協働により森づくりを進めており、海に囲まれた緑豊かな公園として、東京二〇二〇大会後の開園を目指し、整備を進めております。
開園後は、東京二〇二〇大会のレガシーとなります水上競技場とも連携し、多くの方々が来訪する新たなにぎわいの拠点として、その魅力を高めていくことが重要でございます。
そのため、海の森の理念に賛同いたします企業、団体のアイデアやノウハウを最大限活用しながら、この公園の持つ豊かな自然環境や特徴のある地形などを生かしたランニングイベントの開催など、このエリアのにぎわい向上を図ってまいります。
○小松委員 都議会に来た八年前に、この造成中の海の森公園に行ったときからの悲願でありますので、ランニングイベントを楽しみにしたいと思います。
次に、パラ大会後の障害者スポーツの振興について伺います。
障害者スポーツは、障害の有無や年齢にかかわらず、誰もが親しめるスポーツであります。多様な人々がともにプレーし、喜びや感動を分かち合える、それが障害者スポーツの大きな魅力です。
都は、国に先駆けて、スポーツ専管部門を設置し、今日まで精力的かつ重層的に取り組みを進めてきました。その成果もあって、パラリンピック競技を含む障害者スポーツは、メディアで大きく注目をされるようになり、障害のある人がスポーツに親しむ環境も整備をされてきました。これまでは認知をしてもらう段階でありました。パラリンピック大会後は、社会に根づかせていく段階です。
東京二〇二〇大会のレガシーとして、この先も継続して障害者スポーツを振興していくために、今後どのように障害者スポーツ施策に取り組むのか、方針及び具体的施策について伺います。
○中村オリンピック・パラリンピック準備局長 都は、障害者スポーツの振興に向け、魅力発信や身近な地域における場の確保、支える人材の育成を柱に、大会後も見据え、さまざまな取り組みを展開しております。
来年度は、新たにパラリンピック競技以外も含めました競技スポーツの魅力を動画等を活用して発信するとともに、ケーブルテレビなどにより障害者スポーツ大会の中継を行うなど、より多くの人の関心を高めてまいります。
また、活動の場として、都立特別支援学校の体育施設の活用対象校を二十五校から二十七校に拡大するほか、支える人材をふやすため、ボランティア向けサイトで、活動の魅力の発信やニーズに応じた活動先の紹介等を行ってまいります。
こうした取り組みを通じまして、東京二〇二〇大会のレガシーとして、障害者スポーツを社会に根づかせてまいります。
○小松委員 人材育成、魅力の発信、場の拡充など、我が会派がここ数年間、取り組みを提案してきたものを踏まえ、社会に根づかせていくための取り組みが整いつつあるということも確認ができました。これからが本番であります。まずは、この二〇二〇大会の成功、ともにさせていただきたいと思います。
続きまして、教育関連で幾つか伺ってまいりたいと思います。
GIGAスクール構想を進めていく中で、特別支援学校に通う児童生徒に対しても、教育環境の整備を強く訴えてきました。その結果、学校施設へのネット環境の改善や障害種別に応じた端末の整備など大きく前進をしてまいりました。
これまで、障害児の学習資機材については、国の日常生活用具給付等事業によって支えられてきました。しかし、区市町村によって、支援の範囲や支給額が乖離しており、その問題点は再三指摘をしてきたところです。都内には、私立や区立、そして国立など多数の特別支援学校があり、生徒の多くは東京で生活をしています。障害児の学習資機材は、必要性が高いにもかかわらず、大変高額であり、経済的負担も大きいものです。
誰ひとり取り残さない社会の実現というSDGsの崇高な理念に照らせば、こうした児童生徒への日常生活用具給付等事業による支援の拡充について、教育のICT化が大きく進んだ現状に合わせて見直すべきではないか、そのように思うわけであります。都の見解を伺います。
○吉村福祉保健局長 日常生活用具給付等事業は、障害者総合支援法に基づき、区市町村が地域の実情に応じて、給付の対象となる品目、基準額、要件などを定めて実施しております。
教育分野でデジタル機器の活用が進む中、学校で使用する機材とは別に、自宅等で学習のために活用する補助器具の給付をこの事業に位置づけている自治体もございますが、その取り組みはさまざまでございます。
国は今月、定期的に当事者の意見を聴取することなどにより、ニーズを把握し、日常生活用具給付等事業の給付対象を適切に見直すように示しており、都としても、本事業が利用者のニーズ等を踏まえて実施されるよう、区市町村に周知してまいります。
○小松委員 今、適切に見直す旨の確認ができました。これは大きな前進だと思います。この八年間強く訴え続けましたけれども、いよいよこのICT化のことも相まって、こうした答弁に結びついたということは、感慨深いものであります。
このただいまの質問、そして答弁を踏まえまして、誰ひとり取り残さない社会の実現、小池知事も再三おっしゃられております。こうした知事の決意を改めて伺いたいと思います。
○小池知事 ただいま局長から、障害児の日常生活における器具の給付につきましてお話をさせていただいたところであります。
私は、障害のあるなし、性別、国籍など関係なく、一人一人が自分らしく、生き生きと活躍できる多様性に富んだ真のダイバーシティー都市の実現を目指していることは何度も申し上げてまいりました。
障害児に関して申し上げるならば、本人とそのご家族が、身近な地域で安心して生活をしていく、そのためには、子供の成長段階や障害の特性に応じましたきめ細かな支援を行う必要がございます。
さらに、時代の変化がますます激しくなっている中で、不確実性も増している。その中で、子供たちが個性や特徴を生かして、生き方、働き方を、みずから学び、さまざまな困難を乗り越えて、それぞれの人生を生き抜いていける、そのように一人一人を社会全体で大切に育てていくことは重要であります。
引き続き、区市町村と連携しまして、障害のある児童の自立、そして社会参加を進めるために、時代のニーズを踏まえながら、保健、医療、福祉、保育、教育、就労支援など、分野を横断しまして、ライフステージに応じました切れ目のない支援対策を構築してまいります。
○小松委員 知事の決意、大変感銘を受けたところであります。(発言する者あり)いや、受けますよ。何がいいたいかというと、再三いっているのは、やはり障害を持つ方の家庭というのは、どうしてもご両親のどなたかが、やはりその児童の方にかかりきりになってしまう時間が多くて、経済的にかなり厳しい方は多いというのも実態であります。
今、そうした意味で、知事が先頭に立ってその決意を示していただいたのであれば、教育の分野、福祉の分野、しっかり連携しながら、こうした児童生徒を初め、その家庭にまでしっかりときめの細かい支援を取り組んでいただきたいと思います。
世田谷に、実は成育医療センターというものがあるんですけど、ここの調査結果が先日公表されました。児童生徒の一六%がこの間、自傷行為などを行っていたというデータでありました。
コロナ禍の長期化によって、子供の情緒の課題が表面化しつつある今、学校の教員の方々には、一層、子供と向き合う時間をふやしてほしいなと思います。
一方で、小学校では、英語教育に加えてプログラミング教育の必修化がスタートいたしました。教員、家庭ともに不安の声が大きいのが実態です。また、現場の教員の方々の負荷も大変大きなものになっています。
こうした背景を踏まえつつ、教育の質を高める上でも、こうした専門性が問われる分野については、外部人材の活用など効果的な施策を進めるべきと考えますが、教育長の見解を伺います。
○藤田教育長 小学校において、プログラミング教育や英語など新たな教育内容に対応するためには、専門性を有する外部人材を適切に活用していくことが有効でございます。
現在、学校では、プログラマー経験者、海外勤務経験のある地域人材や在京外国人等を教員とともに授業を行うゲストティーチャーとして活用しているところでございます。加えまして、都教育委員会は、来年度、専門性の高い外部人材の活用を促すため、区市町村教育委員会が、単独で授業を行える講師として任用するための補助事業を開始いたします。
これらの取り組みを通して、多角的な視点や専門的な知識に基づいた授業を展開し、教育の質の向上と教員の負担軽減の両立を図ってまいります。
○小松委員 日本の情報セキュリティーは、国際的に見ても大変脆弱なものであり、その意識の低さも指摘をされています。ソサエティー五・〇社会を担う子供たちには、学校現場でも丁寧に指導をされたいと思います。
あわせて、教員の中には、いまだこのITを不得手とする方も大変多いわけであります。技術面だけではなく、この情報管理についても、しっかりと研修に取り組んでいただきたいと思います。
次に、コロナ禍での保育について伺います。
コロナ禍で、働き方が変化し、一時預かり保育の需要も変わりつつあります。一方で、待機児童の減少とともに、小規模保育事業所や企業主導型保育施設、認可外保育施設などでは定員が埋まらないといった状況も見られます。
空き定員を活用して、一時預かり事業を実施していくなどの施策を講じるべきと考えますが、見解を伺います。
○吉村福祉保健局長 都は、日常生活上の突発的な事情や社会参加などにより、一時的に家庭での保育が困難となった児童を保育所等で預かる区市町村を支援しているところでございます。
一時預かりに当たっては、保育所等で専用のスペースを確保する場合のほか、通常保育の利用定員の空きを活用する場合等も補助対象としており、今年度は五十五の自治体で実施しております。
今後とも、地域で安心して子育てができるよう、待機児童対策協議会などの場を通じて、区市町村に対し、小規模保育事業所や企業主導型保育施設等のさまざまな資源も活用した一時預かりの取り組みの推進を働きかけてまいります。
○小松委員 これ、何年も前からやっているっていう人がいるんですけど、実態を伴っていなくて、やってはいるんですが、事前に、大分前に予約をしないといけなかったり、突発的な対応の面でまだ課題があるということをいいたいわけであります。タイムリーにマッチングするということからすれば、オンライン化が進んだ中で行けば、今後期待されるものだと思いますので、こうしたことについても、他の自治体の事例なども参考にしながら、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
続いて、社会基盤整備について、二、三、伺いたいと思います。
踏切道改良促進法が施行された昭和三十六年から令和元年度までの約六十年で、踏切の数というのは七万カ所から三・三万カ所にまで半減をしました。しかし、事故や渋滞は依然として多いわけであります。特に高齢者の踏切事故は後を絶ちません。都内には、京王線の二十五カ所を初め、西武新宿線などいまだに多く残されています。
平成三十年六月に起きた大阪府北部の地震では、踏切が閉じたままの状態が続き、救急車などの救急車両の通行にも影響が及びました。
都はこれまで、踏切解消を図るため連立事業などを進めてきており、交通渋滞の解消や災害時の救急車両の円滑な通行も確保されてきたと認識をしています。しかし、一方で、緊急輸送道路には、いまだ除却をされていない踏切も多く存在していると思われます。こうした踏切は、災害時の長時間遮断により、救急車等の通行が阻害されるおそれがあります。
そこで、緊急輸送道路の災害時踏切遮断に備えた都のこれまでの取り組みについて伺います。
○中島建設局長 緊急輸送道路は、震災時における避難、救助や物資供給等の応急活動に資する重要な路線でございます。
お話ありました平成三十年六月に発生した大阪府北部の地震を受けまして、国は、全国の踏切を対象として緊急点検を行い、救急活動や物流等に影響を及ぼす可能性のある緊急輸送道路等の踏切約二百カ所を抽出いたしました。その上で、国は、鉄軌道事業者に対しまして、道路管理者等と協議して、優先的に開放する踏切の指定等を行うよう指導しております。
このうち、都道につきましては、三十二カ所が抽出され、その全てが緊急輸送道路上にあり、現在、鉄軌道事業者が、都や関係機関と踏切の指定に向けた協議を進めております。
都は引き続き、災害時における踏切の長時間遮断の解消に向けまして、これらの協議に速やかに対応し、緊急輸送道路の機能確保に努めてまいります。
○小松委員 ただいまの答弁は、踏切がある状態での、いわゆる対症療法的な対応でありまして、しかも、答弁によると三十二カ所、都道にはまだ存在しているということが初めて確認されたわけであります。
そもそも踏切がなくなりますと、こうしたこの長時間の遮断というものの問題自体が生じません。
我が党はこれまで、踏切による課題の抜本的な対策として、連続立体交差事業の早期実現、早期整備を訴えてまいりました。連続立体交差事業は、道路整備の一環として実施されており、数多くの踏切を同時に除却することで、交通渋滞や地域分断を解消し、地域の活性化にも資する極めて効果の高い事業であります。
私の地元の世田谷区でも、京王線笹塚駅から仙川駅間において、連続立体交差事業が今進められています。
そこで、連続立体交差事業における来年度の取り組みについて伺います。
○中島建設局長 連続立体交差事業の令和三年度の予定につきましては、西武新宿線東村山駅付近を初め六路線七カ所で事業を実施し、そのうち京王線の笹塚駅から仙川駅間では、本年四月から、下高井戸駅付近と桜上水駅付近の二つの工区で工事に着手するなど整備を推進いたします。
また、東急大井町線戸越公園駅付近では、鉄道と交差する補助第二九号線の事業実施や地元区のまちづくりの進展を踏まえ、新規着工準備採択を行うよう国に要望しておりまして、事業化に向けて一歩踏み出すこととなります。
今後とも、地元区市や鉄道事業者と連携し、連続立体交差事業に着実に取り組んでまいります。
○小松委員 来年度、この京王線においては、下高井戸駅周辺、そして桜上水駅周辺と、二つの工区での新たな着工整備の推進、初めて伺ったわけであります。杉並区と世田谷区と二つの区をまたいでいることもあって、大変この整備には、時間と負担、いろいろかかると思いますけれども、しっかりと着実に取り組んでいただくことを期待したいと思います。
あわせて、国から新規着工準備採択を受けるということは、この事業化に向けた必要不可欠なステップであることを改めて確認しておきたいと思います。そして、それが確認ができたということは、その意味で、大変意義のある質問になったなというふうに思います。
今後、都市計画手続などを着実に進めていただき、改めて連続立体交差事業の一層の推進を要望したいと思います。
続きまして、デジタルガバメントについて、二つほど質問をしたいと思います。
今回、公表されたシン・トセイ戦略案では、DXの推進をてことして、制度や仕組みを変えていくとし、二〇二五年度を目途にデジタルガバメント都庁の基盤を構築するとして、さらには、未来の東京戦略案においても、二〇四〇年には、都庁、国の機関、そして都内全区市町村は、名実ともにデジタルガバメントとなって、例えば、行政手続は自宅からオンラインで、ワンスオンリー、ワンストップで完了できる東京の姿を目指すとされています。
そこで、まず、行政サービスのデジタル化を進め、区市町村を含めたデジタルガバメントを実現していくために、どのような課題があると認識しているか、宮坂副知事に伺います。
○宮坂副知事 かつては、携帯電話もパソコンもつながる力を持っていませんでしたが、平成の間にインターネットは広く一般に普及し、現在、都民の九〇%が利用する時代となりました。また、コロナ禍のこの一年で、日本のトラフィック量は約一・六倍となるなど、社会経済活動のリアルからバーチャルへの移行が進んでいます。行政分野でも、積極的にデジタルを活用してサービスを練り上げていく必要があります。
しかし、サービスがデジタルの力で便利になったとしても、公約数としての画一的なサービスの押しつけでは、都民の皆さんに満足感を得てもらうことはできません。都内でも、自治体それぞれに、規模や地域特性が異なり、行政のニーズも異なります。デジタル化に当たっては、セントライズを図りつつ、地域ニーズや個人の特性を踏まえたローカライズやパーソナライズが不可欠であり、今後はその最適なバランスを見出すことが重要な課題になると考えております。
○小松委員 未来の行政の姿であるこのデジタルガバメントの実現については、国や都がリーダーシップを持ってセンタライズすべき部分と、区市町村における地域のニーズに見合ったローカライズをして、これらのバランスをとっていくことの重要性というのは、今、宮坂副知事からのご答弁、理解できますが、そのためには、国、都、区市町村が、それぞれの役割を認識した上で連携していくということが重要です。
また、インターネットサービスが開始され、世界中の情報と人がリアルタイムで結ばれるまで、わずか二十数年しかかかっていません。次の世代が活躍する時代には、どのような世界になっているか見通すということは大変困難ですが、それでも、リアルな視点でイメージをして、それを都と区市町村が共有していくということが、大胆な東京の都市戦略の展開につながるものと考えます。
そこで伺いますが、これまでインターネットの世界で経営者として活躍されてきた宮坂副知事の目には、未来の都政、デジタルガバメントがどのような可能性を持って、これが実現したとき、自治体の役割はどのようになっていくと想像しているのか伺います。
○宮坂副知事 行政のDX推進に向けた今後の大きな方向としては、デジタル化で申請手続や給付の自動化、省力化が進むとともに、技術とデータに基づいた政策イノベーションが進展していくものと考えています。これらにより、職員が定型的な仕事から解放されると、その分、人でなければできない創造的な仕事、例えば相手の話を聞く、共感をするといったことに業務を振り向けることで、住民の皆さんに寄り添った、より上質なサービス提供につなげることが可能となります。
都の使命は、地域の魅力を生かし、都民の皆さんに幸せを感じてもらえる行政サービスを提供していくことであり、どんなにデジタル化が進んでも、地方自治体としての役割は普遍であると考えています。
私は、これまでの知見や人脈なども総動員して都政のDXを推し進め、クオリティー・オブ・サービスを高めることにより、誰ひとり取り残さない社会の実現に向け、力を尽くしてまいります。
○小松委員 地方自治体の役割は普遍であるとの宮坂副知事の見解は、その認識は理解できるものでありますが、国は、区市町村の業務の標準化とデジタル化が進んで、いわゆるセンタライズ化が進んでいく中で、都道府県を含めた地方自治体が担うそれぞれの役割というのは、おのずと変わってくるものと思います。
未来の東京戦略で描いているこのデジタルガバメントの実現を目指していくに当たっては、こうした点についても区市町村と連携の上、検討を行い、目指すべき方向を共有していっていただきたいと思います。
つまり、何がいいたいかというと、都庁、そして東京都と区市町村というものの役割が変わっていく中で、それぞれのこの機構の問題についても言及をしていかなければいけないと思います。
この特別区のあり方の検討も、この間、一切進んでこなかった歴史があります。特別区はどういうあり方になるのか、また、市町村と東京都の関係はどうなっていくのか、こうしたことも踏まえて、ぜひ、未来の東京戦略についても示していっていただきたいし、議論を深めていっていただきたいなと期待するものでありますが、まだ、シン・トセイ戦略にも、未来の東京戦略の方にも、そうした具体の組織論であったり、行政機構論であったり、そうしたものが足らないように思っておりますので、こうした議論を今後深めていただくことに期待をしておきたいと思います。
続きまして、予算委員会でございますので、都財政についても確認をしたいと思います。
都の発表資料によりますと、令和三年度予算は、コロナ禍にあって、都民の命を守ることを最優先としながら、東京の経済を支えるということを基本に編成したとしています。
また、財政面では、持続可能な財政運営に努めることを方針に掲げ、基金については、一定の残高を確保するなど、一時期に比べて少なくなったとはいえ、まだ余力は残っているかのように思えます。
そこで、改めて、令和三年度予算編成を終えた段階における現状の基金残高と国や他団体と比べた都債の状況がどうなっているのか、確認の意味で伺います。
○潮田財務局長 現時点におけます令和三年度末の基金残高見込みでございますが、財政調整基金が二千五十二億円、特定目的基金が五千八百二十九億円、合計で七千八百八十一億円でございます。
また、令和三年度予算の起債依存度でございますが、七・九%となっておりますが、地方全体では一二・五%、国は四〇・九%となっております。
○小松委員 先人の努力で、現在においても、都は、こうした厳しい環境下であっても、財政基盤を堅持できているということの確認が改めてできました。
一方で、コロナの長期化かつ深刻化によって、我々が守るべき都内事業者はもとより、都民の家計は傷んでいます。コロナ禍を乗り越えるためには、思い切った打ち手が期待をされます。
さきの代表質問において、財務局長からは、事業環境の変化に応じて、必要性や緊急性を見きわめて的確に対応するとの答弁をいただいています。百年に一度の危機ともいわれる緊急事態が一年以上続いています。
先日、川松都議からも質問させていただきましたが、総務省の全国消費実態調査をもとにした国土交通省の中間層世帯の経済力分析によれば、東京都は、四十七都道府県の中で最下位であったわけであります。トップの三重県に比べて、一カ月当たり十万円以上低い。これはつまり、都民の可処分所得が低いということにほかなりません。担当者からは、徴収システムとして、都民税だけの減税は難しいだとか、東京富裕論につながるだとか、さまざま課題は伺っております。そして、システムとしての課題なども伺っています。それらを踏まえても、こうした未曽有の危機にあって、東京都民の窮状を踏まえれば、さまざまなこれまでにない施策についてもしっかりと検討すべきタイミングだと思います。
そこで、コロナ終息までの時限的な個人都民税の減税を改めて提言したいと思いますが、その見解を伺います。
○砥出主税局長 個人都民税の減税につきましては、高額所得者ほど減税額が大きくなる一方で、地方税法の規定により非課税となる所得が一定以下の方に対しては、減税の効果が及ばないことになります。
こうしたことから、個人都民税の減税につきましては、税の公平性の観点などさまざまな課題があるものと認識しております。
○小松委員 つまり、法律上は可能だということが確認できたのと同じ意味だと思います。
そもそも、東京都はさておき、都民は決して富裕ではありません。感染者の数が最も多くて、社会活動を一番制約されているのもまた都民であります。実質的に、都民税減税同様の効果を得られるさまざまな施策を講じる、こうしたことも含めて、具体的に現在の窮状に応える施策の検討を始めるべきだと思います。
また、答弁の中にはありませんでしたけれど、これまでやりとりをさせていただく中で、区市町村との徴税のシステム上の課題などについても教えていただいたわけであります。
しかし、東京都は、今、デジタルガバメントを目指されているわけであります。まさにこのデジタルガバメントというのは、こうしたときに、機動的に、先ほどの時短協力金の申請や受給のこともそうですけれども、スピーディーで、かつ機動的な対応がフレキシブルにとれるようになってくる社会が、これからのデジタルガバメントなんだというふうに思うわけであります。
今後も、経済情勢に応じて、機動的に支援ができるような徴税システムに、やがて改修されるんだと思います。そうした意味でも、いろいろ進めるとなれば、区市町村との協議だったり、そうした課題もあるでしょうけれども、まさに、これからガブクラウドが進んでいくこうしたタイミングも捉えて、やる、やらないのことも含めてですけれども、その前に、あわせて、このことについてもしっかりと検討を進めていただきたいと思います。
ここまで、事業者の経営、そして、多くの都民の家計が逼迫している中で、COVID-19との闘いはまだまだ続きます。冒頭にお示ししたグラフのこともありますけれども、あれは令和元年度までの数字でありまして、この一年間闘い続けた都職員の方々の心労たるや想像を絶するものであります。こうしたメンタルヘルスについても、都庁のトップマネジメントである皆様方にはしっかりと受けとめていただき、改善に向けて尽力をしていただきたいと要望したいと思います。
あわせて、この厳しさは、都内事業者や東京都民も同様でございます。この厳しい闘いをこれからもさらに乗り越えていくためには、前例にとらわれない大胆な政策も講じていくべきと思います。
我が会派は、改めてこのコロナ禍を乗り越えるまでの時限的な都民税の減税も提言をしておきたいことをしっかりと受けとめていただきたいと思います。
危機管理とは、瞬時に変わる事象に対して、速やかに、そして柔軟に対応しなければならないわけであります。どんな感染症の流行も、いずれは終息するでしょう。しかし、必ずいつかは新たな感染症の脅威にさらされます。
我々人間は忘れやすい生き物であります。喉元過ぎれば熱さ忘れる、こんな愚行を繰り返さないよう、そうしたことが繰り返されては、都民が疲弊するだけではなくて、感染症の危機管理に対する都政の信頼を失いかねません。
この火中のクリを拾うのは、やはり都政のトップである小池知事以外にはないはずであります。我々もこの火中のクリをともに拾う覚悟で、都民、そして事業者の方の安心・安全のために、ともに飛び込む覚悟で対峙をしていきたいと思います。
そして最後に、大事なことは、多くの生活者の方の声なき声にしっかりと耳を傾ける。生活費全般に苦しむ、そうした現役世代の方への支援を踏まえて、小池知事の施政方針表明からもあったように、なすべき投資には果敢に推し進めていくとの決意を信じ、都民生活を守るため、しっかりと、これからも取り組むことをお約束を申し上げまして、都議会自民党を代表しての質問を終わります。(拍手)
○吉原副委員長 小松大祐委員の発言は終わりました。
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