○木村委員長 小宮あんり委員の発言を許します。
〔委員長退席、吉原副委員長着席〕
○小宮委員 緊急事態宣言が再び延長されまして、都民にとっては、二カ月以上にわたる大変不自由で不安な日常が続いております。昨年来、第一波、第二波、第三波と、このコロナの影響は長期に及んでおりますけれども、この間、都民の努力や医療機関、民間事業者の理解と協力を得て、何とか今日に至っているということを、私たちは忘れてはなりません。
先の見えない状況が長く続く中で、医療従事者から始まったワクチンへの期待は、大変大きいものがあります。来月から始まる高齢者への接種に向けまして、東京都は、区市町村ごとに異なる接種体制をしっかりと把握する必要があると思いますし、それに対して必要な支援を行わなければなりません。
まず、先行してワクチン接種が始まる予定の世田谷区と八王子市の状況と、今後どのように区市町村が行う高齢者へのワクチン接種の課題と向き合うのか伺います。
○初宿福祉保健局健康危機管理担当局長 高齢者への優先接種は、世田谷区と八王子市で、四月十二日の週から開始される予定でございます。
当初供給されるワクチンの量は、それぞれ九百七十五人分と非常に少なく、接種できる方は限定されます。こうしたことから、世田谷区では高齢者施設を先行させて、また、八王子市では高齢者の予約の順に、接種を行うと聞いております。
接種を開始する自治体での対象者の選定方法や実施方法、実施する中で明らかとなりました課題等は、他の自治体にとっても貴重な情報となることから、区市町村や医師会等とともに立ち上げましたワクチンチームにおいて、それらの情報を共有し、今後、本格化いたしますワクチン接種に生かしていただけるように取り組んでまいります。
○小宮委員 数が少ない中で、世田谷区は高齢者施設から、そして八王子市は先着順ということで、やり方が違うということは、今後の各区市町村にとっても大変参考になるというふうに思います。
ワクチン接種への期待が高いわけですけれども、やはり副反応に対する不安を持つ方というのも一定数おられます。
東京都は、先行して今実施している医療従事者のワクチン接種に際しまして、電話による相談センターを設置し、対応していますけれども、区市町村ではそうした実施が困難な専門的な相談体制というものを、東京都として整備すべきと考えます。見解を伺います。
○初宿福祉保健局健康危機管理担当局長 医療従事者などへの優先接種の開始に当たりまして、都は、今月一日、区市町村では対応が難しい接種後の副反応などの専門的な相談に応じます東京都新型コロナウイルスワクチン相談センターを開設いたしました。
このセンターでは、医師や看護師等が電話で相談に対応し、患者の状況に応じて、かかりつけ医等への受診勧奨や、かかりつけ医等を通じた専門的な医療機関への紹介などを行っております。
四月以降に始まります住民接種に向け、センターの連絡先をホームページ等を通じて広く周知いたしますとともに、回線数をふやすほか、外国人の方からの相談にも適切に対応できるよう、対応言語を十一カ国語に拡充いたします。
専門的な医療機関は、十二の二次保健医療圏ごとに一カ所ずつ確保する予定でございまして、ワクチン接種に起因いたしますさまざまな症状に総合的に対応してまいります。
○小宮委員 ワクチンに関するそうした専門相談を東京都が担うことによって区市町村の業務を軽減することにもつながりますし、それによって接種が円滑に進んでいくということを期待したいと思います。
また、ワクチン接種に当たっては、接種会場にみずから出向けない寝たきりの在宅の高齢者や、また障害者など支援が必要な人がおられます。
東京都は、区市町村共通の課題として、ここに関与すべきと考えますけれども、見解を伺います。
○初宿福祉保健局健康危機管理担当局長 住民接種は、高齢者や障害者も含めたさまざまな方に広く実施されるものでございますことから、希望する全ての対象者が円滑に接種を受けられますよう環境を整備する必要がございます。
このため、区市町村には、高齢者や障害者、それぞれの方の状況を適切に把握し、例えば、寝たきりの高齢者等の移動手段を確保することや、障害者の障害特性に応じました合理的配慮を行うことなどが求められます。
都は、こうした区市町村共通の課題等について、ワクチンチームの場で共有いたしますとともに、他の道府県の事例も含め、参考となる先進的な取り組み等を紹介するなど、区市町村の住民接種に向けた取り組みを支援してまいります。
○小宮委員 次のワクチンが、いつ、どの程度入ってくるか、この見通しというのは大変難しいという状況にありますけれども、区市町村の担うこの住民接種が順調に進んでこそ、都民一人一人の命や、また東京全体の安全性が高まるものとして、東京都としても区市町村をしっかりと支援していっていただきたいということを要望しておきます。
さて、緊急事態宣言が、他の道府県に比べて長期にわたっているこの東京です。時短の要請を受けている飲食店には協力金が出されておりますけれども、そうした飲食店に限らず、その取引先、酒屋さんやおしぼり屋さんや氷屋さんやいろいろな影響を受けている業種の方がたくさん、今回のこの長きにわたる自粛によっておられます。
前年同月比で売り上げが半減しているような事業者というのが、都内にどのくらいいるというふうに東京都は捉えているのか、把握しているのか、伺います。
○村松産業労働局長 都は毎月、東京の中小企業のうち約四千社について景況調査を行っておりまして、その中で、新型コロナウイルス感染症が経営に及ぼす影響を調べております。
ことし一月の景況調査に回答していただきました約一千四百社のうち、約千社は売り上げが減少したと答えております。このうち、前年同月比の売上高が五割以上減少したとの回答がございました事業者の割合は、一八・三%となっております。
○小宮委員 毎月四千社に対する調査で、一月に関しては、回答千四百のうちの千社が売り上げ減少、そしてまた半減に関しては、二割近い一八・三%ということでした。
これまで再三にわたりまして都議会自民党は、影響を受けた事業者に対して、東京都として、新たにその支援を検討するよう強く求めてまいりました。
ただ、都は、これまでのご答弁、繰り返されるばかりです。そうした中小企業支援として、制度融資によって資金繰りの支援をしている、あるいは相談体制を設けている、そしてまた感染防止策を取り組む、そうした事業者に対しては補助や助成などをという形で支援をしている、そうしたことの繰り返しであります。中小、小規模事業者の切実な声に寄り添っているとは思えません。答弁にあったように、売り上げが五割以上減少している中小事業者は二割近くに上っています。
今回の国の一時支援金の支給というのは今週から受け付けが始まっておりますが、その対象となったとしても、国から支給されるのは最大で六十万円、この金額が、一年間にわたって自粛の影響を受けてきた事業者にとって適切なものといえるのか、都の見解を伺います。
○村松産業労働局長 新型コロナウイルス感染症の長期化によりまして、営業時間の短縮を要請された飲食店と取引のある事業者の方など、多くの中小企業の経営に影響は及んでおります。
こうした影響を緩和するための国による一時支援金について、支給額の拡充や対象となる要件の緩和を一都三県で繰り返し要望しているところでございます。
○小宮委員 国任せではなく、東京都がもっと事業者に寄り添って、主体的に困窮する事業者に対して、しっかりと向き合っていってほしいと思います。
国は、地方のコロナ対策の財源として、これまで三度にわたり地方創生臨時交付金、この交付金なるものを配分してまいりまして、東京都に対しては、合計で九百四十二億円を交付してきております。この主な使い道と内容、金額について伺います。
○潮田財務局長 都には、これまで地方創生臨時交付金といたしまして、感染拡大防止協力金に充当するもののほかに、感染拡大の防止や地域経済、住民生活の支援など、各自治体が地域の実情に応じて、きめ細やかに必要な事業を実施するための交付金といたしまして、昨年の五月、六月、そしてことしの二月、計三回、合計九百四十二億円が配分されております。
都におけます主な充当先といたしましては、医療提供体制等の強化といたしまして、医療機関臨時支援金に百九十二億円、民間医療機関における患者受け入れ及び移送体制の確保に百三十一億円、医療従事者への特殊勤務手当に七十六億円、事業者や都民への支援策では、家賃等支援給付金に百三十七億円、東京都生活応援事業に百二十五億円、感染症防止と経済社会活動との両立等を図る取り組みでは、飲食事業者の業務転換支援に五十三億円などへ充当をしております。
○小宮委員 医療に充てたり、また家賃の上乗せに充てたりと、医療にも、また経済支援にも、あらゆるコロナ対策に充てられるというのが、この大変便利な交付金であります。
都は、本来なら、今お話にも出てまいりましたけれども、東京都が独自の事業として行った医療機関への臨時支援金約二百億円、こうしたものにも今回の国の交付金を充てておりますし、医療従事者への特殊勤務手当、これも一部を充てたということです。そしてまた、今年度に限らず、来年度の予算の中で、生活応援事業百二十五億円にもこの交付金が充てられたということになっております。
国は、来年度の予算に、新型コロナ対策のための使い道を事前に定めない予備費として五兆円を積んでいます。
今後、あらゆるコロナ対策に使える臨時交付金のようなこうしたものが支給される際には、これまで申してまいりました影響を受けている東京都内の中小、小規模事業者に対して、都としても支援をするよう強く求めておきます。
さて、今回、緊急事態を延長した理由である感染の下げどまりの分析について、東京都は、病院や高齢者施設で発生するクラスターを原因の一つとしています。施設での検査を集中的に行っていくということは、早期発見につながりますけれども、やはり治療や介護、こうしたことは密接にならざるを得ない業務のため、感染を完全に防ぐということは容易ではありません。
特に、高齢者施設では、施設内感染が発生しても、入所者の住まいとしてその事業を継続する必要があり、日ごろからの備えや体制づくりというものをBCP、業務継続計画として策定するべきと考えます。
そこで、都内の高齢者施設における感染症を想定したBCP策定状況と今後の支援について見解を伺います。
○吉村福祉保健局長 都が昨年七月に、特別養護老人ホームなどの高齢者施設を対象に実施した調査では、感染症発生時を想定したBCPを策定している施設の割合は約二割でございました。
高齢者施設で感染症が発生すると、感染者への対応、消毒やゾーニングなどの業務がふえるほか、出勤停止により職員が不足すると想定されることから、そうした際にも業務が継続できるよう、国は今後、施設等にBCPの策定や訓練の実施等を義務づけるとしております。
このため、都は来年度、BCP未策定の施設等を対象に、感染症の専門家の監修のもと、感染症発生時の職員体制や感染防止策などを盛り込んだBCP策定講座を演習等により開催するほか、ウエブ形式や訪問による個別相談も実施いたします。
こうした取り組みにより、今後とも、施設のBCP策定と感染症発生時の業務継続を支援してまいります。
○小宮委員 杉並の障害者団体連合会からは、それぞれの障害に応じたコロナ禍における困ったこと調査の声が届いています。
聴覚障害者にとっては、マスクで口元が見えず、意思の疎通が図りにくいといった声、肢体不自由の方や知的障害のお子さんを持つ親御さんからは、マスクの着用が難しいといった声、そして、視覚障害者の方からは、他者との距離がわからず、バス停やレジの前に並ぶ距離感がわからず困ったという声。
コロナ禍で、人との距離をとるソーシャルディスタンスが定着しつつありますが、視覚障害者は距離感がわからず、足元のマークも見えません。お店や店舗側もどう合理的配慮をしたらいいかわからないと聞いています。
こうした新しい日常に対応した障害者への合理的配慮の提供について、普及啓発を進めるべきと考えます。都の見解を伺います。
○吉村福祉保健局長 都はこれまで、障害特性や配慮すべき事項をまとめましたハンドブックやパンフレットを作成するほか、動画の制作やシンポジウムの開催など、さまざまな普及啓発を行ってまいりました。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、視覚障害者がソーシャルディスタンスを適切にとれるような誘導や、マスクを着用した会話の際の聴覚障害者への配慮など、コロナ禍での新しい日常を踏まえた障害者への合理的配慮の提供等について、社会の理解を深めてほしいとの意見が障害当事者の方から寄せられております。
都は今後、具体的な事例を取りまとめるなど、引き続き、普及啓発をしっかり図ってまいります。
○小宮委員 コロナ禍では、外出自粛などで孤立しやすい子供や家庭への支援も必要です。
これまで都は、地域の子供食堂を運営する事業者を区市町村を通じて支援してきました。それによって、子供の居場所づくりや孤食の防止、地域とのつながりをつくってきました。平成三十年に始まったこの事業、今現在、三百二十一の子供食堂を支援することとなっています。しかし、コロナの影響によって、子供食堂は休止や縮小をせざるを得ない、そんな状況が長期に及んでいます。
東京都は今年度、子供の食の確保緊急対応策を実施しておりますが、その取り組み状況と来年度の子供食堂への支援について伺います。
○吉村福祉保健局長 都は今年度、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、緊急対策として、子供食堂が、家に閉じこもりがちな子供やその保護者を対象に、調理した弁当や食材の宅配等を行う場合に、区市町村を通じて支援しており、三十八の自治体から補助の申請を受けております。
来年度からは、子供食堂のスタッフのスキルアップを図るため、区市町村が虐待の未然防止や早期発見に係る研修等を実施することを補助の要件とし、子供食堂が、食事の提供を通じて家庭の生活状況を把握して、必要な支援につなげる役割を十分に果たせるよう支援してまいります。
また、配食や宅食の際に、子供や保護者の生活状況を把握し、必要な支援につなげる子供食堂の取り組みに対して、補助率十分の十で支援することとしており、今後とも、区市町村と連携して、子供食堂の活動を支援してまいります。
○小宮委員 コロナ禍により、パートやアルバイト、派遣や契約社員など、非正規雇用で家計を支えてきた女性の雇用が、男性に比べて大きく減少しています。コロナの影響は、外食や旅行など、女性の多いサービス系の職種を直撃しています。
東京都は、年度の途中から、コロナの影響で離職を余儀なくされた方に対して、トライアル就労支援事業を実施してきました。そもそもこの事業は女性に限定したものではありませんが、女性の申し込み、ニーズが高かったと聞いています。
来年度は、この事業の規模を拡大して実施すると聞いていますが、ぜひ、都は、こうした女性の就労ニーズを丁寧に把握し、積極的に支援すべきと考えます。見解を伺います。
○村松産業労働局長 コロナ禍では、宿泊、飲食等のサービス業や非正規雇用で働く女性等が厳しい雇用環境に置かれておりまして、都は現在、トライアル就労を通じて、派遣先での正社員就職を進める事業により支援を行っております。
本事業では、カウンセリングにより把握した求職者の希望や適性を踏まえた求人開拓を行い、効果的なマッチングにつなげておりまして、これまで三百名を超える女性を含む約五百名の方々をトライアルで企業に派遣しております。
来年度は、事業の規模を拡充するほか、派遣就労によるマッチングを活用し、コロナ禍で離職した女性などを正社員として雇い入れた企業に対して、助成金を支給するなど、女性の安定的な就労に向けた支援を強化してまいります。
○小宮委員 コロナ禍の防災対策もしっかりと取り組まなければなりません。きのうで、東日本大震災から十年となりました。都では、首都直下地震や南海トラフ地震など大規模な地震がいつ発生してもおかしくないとされ、また、一昨年の台風十九号のような強力な台風による被害に常に警戒しなければなりません。
災害時に、住民が避難する避難所は、主に小中学校の体育館などが指定されていますが、コロナ禍において、密にならないよう、教室など避難スペースを拡大するこの取り組み、行われておりますけれども、都立学校など都有施設も新たに活用をして、区市町村や住民の避難先の確保や拡大を一層支援する必要があります。
そこで、都立施設を活用した避難先の確保とその円滑な運営に向けて、区市町村を支援すべきと考えます。都の見解と杉並区の取り組み状況について伺います。
○山手総務局長 コロナ禍における自然災害に備え、避難先確保に取り組む区市町村を支援していくことは重要でございます。
都は、一昨年の台風第十九号等を受け、都立施設を風水害時の緊急避難先として活用できるよう、候補となる施設のリストや協定書のひな形を提供するなど、区市町村の要望に応じた支援を行ってまいりました。また、コロナ禍における避難対策に関する留意事項や避難所運営に関するガイドラインを作成し、区市町村に示してまいりました。
こうした取り組みをもとに、杉並区では、六つの都立施設と協定を締結するなど、各自治体は、新たな避難先確保や訓練を進めており、都としても、個別調整や相談にきめ細かく応じてございます。
今後も、災害時における住民の安全な避難先確保に向け、区市町村と連携し、取り組んでまいります。
○小宮委員 杉並区内の都立学校の活用は、今までは申し合わせといった形でして、地域住民の方からは、一緒に防災訓練をしたくても、なかなかそこまでに達しないという、そんな課題の声を聞いておりました。協定の締結によりまして、いざというときに機能する施設となるよう、今後の連携に期待をします。
防災に資するだけでなく、バリアフリーや良好な景観にも寄与する無電柱化は、ちょうど十年前の三・一一の翌月に都議会に送っていただいた私にとりましてライフワークとなり、この間、阿佐谷の中杉通りの無電柱化を実現することができました。
このたび策定された無電柱化加速化戦略にある都道の無電柱化のスピードアップは、歩道の幅員が二・五メートル以上というものを対象としていますが、地域の中には、防災上重要な路線や生活道路にも、無電柱化の必要性が高い狭隘な都道が多くあります。
そうした路線についても、加速化戦略とは別に取り組むべきと考えますが、その見解とあわせて、やはり面的に無電柱化を推進するために必要なのは、区市町村道への支援ですから、区市町村道へのチャレンジ支援事業について、杉並区内の実施状況を伺います。
○中島建設局長 都は、無電柱化加速化戦略に基づきまして、お話ありましたように、歩道幅員二・五メートル以上の都道におきまして、年間の整備規模を倍増させ、スピードアップを図ることとしております。
一方、道幅や歩道幅員の狭い都道におきましては、地上機器の設置場所の確保など、無電柱化を進める上での課題を克服する必要がございます。
このため、現在、東京電力など電線管理者とともに、地上機器のコンパクト化や変圧器と一体となった街路灯の開発に取り組んでおります。
引き続き、電線管理者と連携いたしまして、さらなる技術開発を進めることで、無電柱化の一層の推進を図ってまいります。
次に、チャレンジ支援事業についてですが、都は、平成二十九年度にこの制度を創設いたしまして、道幅の狭い道路に低コスト手法を導入する事業等を対象に、区市町村に対しまして、事業費の全額補助や技術的支援を行ってきております。
杉並区内では、平成三十年度に、荻窪駅周辺など整備効果の高い区道四路線におきまして、沿道の土地利用状況や埋設物の調査に対する支援を行っております。
このうち、荻窪駅南口から環状八号線までの区間約七百メートルにつきましては、現在、予備設計が行われておりまして、来年度には、試掘調査や詳細設計が予定されております。
都は、これらに対しまして、引き続き、しっかりと支援を行ってまいります。
○小宮委員 二〇二〇年大会の事前キャンプ地やホストタウンとなっている各自治体は、現在、コロナ禍でさまざまな制約がありますけれども、杉並では、ホストタウンの協定を締結しているイタリアのビーチバレーボール選手と地域の子供たちがオンラインで交流するなど、さまざまな工夫をして相手国の選手と親交を深める、そんな努力を続けています。
しかしながら、今のコロナの状況を考えると、大会が開催できたとしても、当初目的としていた選手と地域住民の交流というものは、残念ながら、かなり制限されるものと予想されます。
そうした自治体に対しては、大会後に、コロナが落ちついた際には、相手国や海外とスポーツの交流というものを通じていっていただきたいというふうに思いますし、そうしたことには、ぜひ東京都として支援をしていく必要があると考えます。都の見解を伺います。
○中村オリンピック・パラリンピック準備局長 東京二〇二〇大会の事前キャンプやホストタウンは、大会への開催機運を高めるとともに、大会後もスポーツを通じた地域振興や国際交流の促進などのレガシーに結びつくことが期待されます。
このため、都では、区市町村に対して、事前キャンプの受け入れに際して必要となる施設整備や相手国との文化交流事業などの取り組みについて支援を行ってまいりました。
来年度、東京二〇二〇大会終了後において、区市町村がスポーツを通じた国際交流を行う場合については、スポーツ振興等事業費補助の対象となります。
今後とも、大会を契機に地域におけるスポーツ振興が一層進むよう取り組んでまいります。
○小宮委員 東京二〇二〇大会がどんな形で開催できるか、まだ明らかではありません。先が見えない不安を長く抱えながら、感染対策に努め、自粛の日々を過ごしている都民にとって、今回の緊急事態の再延長は、これ以上何を頑張ればいいのかわからない、いつになったら解除されるのか、何をもって解除をされるのかという不安と疑問を生じさせています。
東京都は、ステージツーを目指すとしながらも、解除の数値目標を決定せず、国が判断するものとしています。国任せではなく、都民が一丸となって感染対策に臨めるような目標と姿勢で、知事にはコロナとの闘いに臨んでほしいと要望いたしまして、この後の質問は、やまだ委員にかわります。ありがとうございました。(拍手)
○吉原副委員長 計測をとめてください。
ただいま、やまだ加奈子委員より関連質疑の申し出がありました。
本件は、予算特別委員会実施要領第七の規定に基づき、質疑委員の持ち時間の範囲内で認めることになっております。
やまだ加奈子委員の関連質疑を認めます。
なお、やまだ委員に申し上げます。
発言は、小宮委員の質疑の持ち時間の範囲内となっておりますので、あらかじめご了承願います。
計測を始めてください。
○やまだ委員 私からは、コロナ禍における福祉施策について、まず伺いたいと思います。
児童虐待防止、要支援家庭の把握と見守りについてです。
虐待を受けた子供のほぼ半数、四五・九%は就学前、小学校入学前という厚生労働省の統計から、この時期の対策が児童虐待防止に不可欠でありながら、コロナ禍の状況によって困難をきわめています。
乳幼児健診の受診控えで、親子の心身の問題を早期に発見する機会が減り、またコロナ禍で児童館の八割が休館を経験するなど、居場所の利用制限もありました。特に孤立しやすい状況となっています。
これらに対応するためにも、親子関係や養育環境から、養育困難となる状況が予想される家庭、いわゆる要支援家庭を早期に把握し、必要な支援につなげる、これまで区市町村が行っている乳幼児健診未受診児や未就園児、不就学児等の安全確認の取り組みとともに重要となるのが、その安全確認の結果、把握した家庭への寄り添った見守りを行うことであります。しかし、専門職である保健師さんや助産師さんなど、コロナ対応で業務に追われ、十分人が手当てできない状況であると聞いています。
この見守りの取り組みを行う区市町村への支援が必要と考えますが、見解を伺います。
○吉村福祉保健局長 子供を虐待から守るためには、区市町村の子供家庭支援センターと児童相談所が連携、協働していくことが重要であり、都は今年度、練馬区の子供家庭支援センター内に都の児童相談所のサテライトオフィスを設置し、協働して虐待に対応するモデル事業を開始いたしました。
昨年十二月の東京都児童福祉審議会からの提言を受けまして、都は来年度、二カ所目のサテライトオフィスを設置するほか、練馬区に設置したサテライトオフィスで、子供家庭支援センターとともに、内容に応じて初期対応機関を決める通告の振り分けを試行することとしております。
今後とも--失礼いたしました。ごめんなさい。
都は、子供の安全を確認するとともに、支援を必要とする家庭を早期に発見するため、乳幼児健診未受診者や未就園児、不就学児童等のうち、関係機関が状況確認できていない児童のいる家庭を訪問し、児童の状況や養育環境の把握を行う区市町村を財政面で支援しております。
来年度は、訪問を通じて把握した家庭のうち、継続的な見守りが必要な家庭を保健師などの専門職等がサポートコンシェルジュとして繰り返し訪問して、子育て広場の利用や育児支援ヘルパーの派遣など、適切な支援につなげる区市町村を支援いたします。
今後とも、区市町村と連携して、児童虐待の未然防止の取り組みを進めてまいります。
○やまだ委員 二つ目の質問もお答えいただきましたので、早目に行いますが、しっかりと区市町村の取り組みについて柔軟に対応していただきたいと思います。
現場の声は、やはり人が足らない、回る人が足らなくてできないんだというお声をよく聞きます。必ずしも専門職だけではなく、地域性に合った、実情に合った雇用ができるような環境を都としても支援していただきながら、柔軟な対応を求めておきたいと思います。
そして、ご答弁にもありましたが、児童虐待の未然防止策として最大限策を講じながらも、残念ながらこぼれ落ちてしまうケースがあります。
二〇一九年度の児童相談所における相談件数が十九万件を超え、過去最大件数を更新したことを鑑みても、今年度はさらに増加すると懸念されています。
児童虐待の通告窓口は、児童相談所と区市町村が有しております。その内容も、重篤なものから軽微なものまでさまざまであります。ふえる通告の初期対応機関を的確に判断し、迅速につないでいく振り分けが大切になってきます。
そこで、今後虐待から子供たちを守っていくために、そうした児童相談所と区市町村のさらなる連携強化が重要となると考えますが、見解と取り組みを伺います。
○吉村福祉保健局長 失礼いたしました。
子供を虐待から守るためには、区市町村の子供家庭支援センターと児童相談所が連携、協働していくことが重要であり、都は今年度、練馬区の子供家庭支援センター内に都の児童相談所のサテライトオフィスを設置し、協働して虐待に対応するモデル事業を開始いたしました。
昨年十二月の東京都児童福祉審議会からの提言を受け、都は来年度、二カ所目のサテライトオフィスを設置するほか、練馬区に設置したサテライトオフィスで、子供家庭支援センターとともに、内容に応じて初期対応機関を決める通告の振り分けを試行することとしております。
今後とも、都と区市町村が緊密に連携し、児童虐待に迅速かつ的確に対応してまいります。
○やまだ委員 二カ所目のサテライトオフィス設置ということで、児相と区市町村の連携、オフィスが一緒の場所での連携、これを試行していただきながら、設置を予定している区の、まだ設置はしていない区に関して、距離はあっても、連携としては児相と区市町村がしっかりと連携できる、そういった取り組みを、サテライトオフィスがない区に関してもしっかりと対応いただけるような広域的な取り組みにつなげていただきたいと要望しておきたいと思います。
続きまして、コロナ禍における教育の施策について伺いたいと思います。
子供たちへのサポートです。
学校サポートチームについて、まず伺いたいと思います。
都では、複雑化する児童生徒の課題解決のために学校サポートチームを全ての都立学校に設置要請し、学校、家庭、地域、専門職などの外部人材も含めた一体的な取り組みを行っていますが、ことし一月に教員向けに配布された、こちらのパンフレット、前面になりますが、グラフの方を見ていただきますと(パネルを示す)定期的な会議の回数がグラフで出ております。定期的な会議、ゼロ回が三六・二%、事案ごとの会議に至ってはゼロ回が八六・二%となっており、ほぼ開催されていないように見受けられます。
国立成育医療研究センターが実施したコロナと子供に関するアンケートでは、七割の子供にストレスがあると結果が出ています。このコロナ禍で子供たちがますます助けを必要とする状況の中、今こそ学校サポートチームの活用が必要になると思います。
そこで、学校サポートチームの取り組み状況と、小中学校における活用促進に向けた東京都教育委員会の取り組みについて伺います。
○藤田教育長 学校サポートチームは、外部の専門家の協力を得て、学校だけでは解決できない子供を取り巻く問題の未然防止や早期解決を図るため、都内全ての公立学校に設置されております。その構成員は、教員に加え、保護者代表、スクールソーシャルワーカー、警察OB、児童相談所の職員、民生児童委員等となってございます。
各学校では、ただいま、ちょっと実績の方のご紹介があったところでございますけれども、このチームを活用しまして、いじめを生まない環境づくりや問題を抱えて悩んでいる子供の家庭への支援など、課題を共有した上で解決策の立案や役割分担の確認等を行い、改善に向けて取り組んでいるところでございます。
今後、都教育委員会は、こうした学校サポートチームの効果的な活用を促すため、活用事例等について、校長対象の連絡会で共有できるようにするなど、社会全体で子供の健やかな成長を支える取り組みを一層強化してまいります。
○やまだ委員 ぜひ、設置要請いただいたのであれば、運用していただけるような働きかけを十分行っていただきたいと思います。
学校だけでは解決できない、子供たち、そして家庭を含めたさまざまな課題に、この学校サポートチームで取り組むことで、解決を一つ一つ積み上げていくことができると思っております。取り組みを十分検証し、強化していただくことを求めておきたいと思います。
あわせて、学校サポートチームの中でもスクールソーシャルワーカーは、福祉と家庭をつなぐ役として課題解決に大きな存在感を示しています。
特にコロナ禍で、家庭の状況、親の失業ですとか病気などで家庭環境が悪化しているケースが多くなっています。家庭が安定してこそ安心して子供たちは学び、遊ぶことができます。家庭と、そして子供たちを救うための取り組みとして、その中心になるのはスクールソーシャルワーカーであります。
しかし、スクールソーシャルワーカーの人員配置は、都は希望する区市町村に対し二分の一補助で導入促進を行っていますが、四十八自治体、二百四十七名の動員です。スクールカウンセラーに関しては全額補助で設置がされています。
スクールカウンセラーが区市町村負担ゼロであるのと比べると、スクールソーシャルワーカーの導入のハードルは高いといわざるを得ません。
地域によっては、福祉分野につなぐことで家庭とのかかわりをつなぐことができ、そして子供たちを助けることが多くできる、そういった地域もあります。地域ごとにその活用を希望する区市町村に対して、さらなる支援の充実を図っていただくことが必要かと考えますが、所見を伺います。
○藤田教育長 都教育委員会は平成二十年度から、区市町村に対してスクールソーシャルワーカー活用のための支援を開始し、その配置を順次拡充してまいりました。
配置の形態は地区によりさまざまでございますが、平成二十七年度からは、活用を希望する全ての区市町村の計画に沿って経費を補助しているところでございます。
学校は、スクールソーシャルワーカーを活用し、福祉等の関係機関と連携して、子供や家庭への支援を行っております。例えば、スクールソーシャルワーカーが児童相談所の職員とともに、学校に通えない子供の家庭を繰り返し訪問し、生活環境の改善を図ったことにより、登校できるようになった事例等が報告されているところでございます。
今後、コロナ禍で家庭の状況が変わったことなどにより、不安を抱えている子供に対応した事例等につきましても、スクールソーシャルワーカー同士で情報を交換する場を設けるなど、社会情勢に応じて適切に対応できる力の向上を図ってまいります。
○やまだ委員 国では、二〇一七年に児童の福祉に関する支援に従事する職員として法定化されました。全中学校区をカバーする約一万人の配置を国として目標を立てています。
ぜひ、東京都としても、中学校に一人は配置できるような目標を持って支援していただきたい、財政的な支援も二分の一とはいわず、スクールカウンセラーと同じ支援をお願いしたいと思います。要望しておきます。
次に、子供たち、児童生徒のケアの充実について、ストレスに対処できる力の育成について伺いたいと思います。
児童生徒への支援とともに大切なのは、児童生徒みずからストレスをコントロールする、対応できる力を養うことであります。社会に出た場合、必ずストレスがあります。ストレスを知り、対応、解消する技術を身につける、生きる力を育む教育を推進すべきと考えています。
学習指導要領では、小学五年生と中学一年生の保健体育の授業で心と体という項目で設けられていますが、その二学年だけであります。先ほども挙げましたが、七割の子供がコロナ禍でストレスを抱える今だからこそ、全学年に広げていただきたいと考えています。授業だけでなく、朝の朝礼の時間など工夫もできると思います。また、それに当たっては、教員への研修も欠かせません。
そこで、子供がストレスに適切に対応できる能力を高める取り組みについて所見を伺います。
○藤田教育長 各学校におきましては、日々の教育活動を通して、子供がストレスを抱え込まないようきめ細かな支援を行いますとともに、保健の授業では、不安や悩みへの適切な対処方法などの心の健康について、発達の段階に応じて指導しております。
都教育委員会は、こうした指導の一層の充実を図るため、平成二十九年度にストレスへの対処法やSOSの出し方を学ぶDVD教材を開発し、都内全ての公立学校での活用を促してまいりました。
この教材は、例えば、自分の思いを言葉にする、体を動かすなど、自分に合った方法でストレスを解消することや不安や悩みを信頼できる大人に相談することの大切さなどについて学ぶ内容となっております。
今後、これらの取り組みに加えまして、教員が子供のSOSを確実に受けとめる力を高めるための研修を充実させるなど、子供を支援する取り組みの強化を図ってまいります。
○やまだ委員 DVD、ホームページでも見られることになっておりますので、ぜひ皆さんもごらんいただきたいと思いますが、やはり教員の研修、新たに令和三年度始まるということで、大変期待をしております。先生たちのストレスも高いです。教員も含めた、ストレスをコントロールする力を学校全体で高めていく。
三・一一東日本大震災の後、子供たちのケアとして、こういった取り組みが各学校で行われました。養護教諭を中心とするそういった取り組みが、複数年にわたりケアを続けています。ケアとトレーニングが続けられています。
コロナも災害と同じです。子供たちが受けたストレスを、どのように大人と、そして子供たち自身がケアしていくことができるのか、教育委員会として、ぜひ推進していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
次に、まちづくりについて伺いたいと思います。
王子給水所の整備について伺います。
東日本大震災から十年という節目を迎え、防災への思いを新たにする時期となりました。
先日、二月十三日は福島県沖を震源とする地震で、東北地方を中心に二万六千戸を超える断水被害が発生しています。もし東京で断水となれば、その影響は甚大であります。あらゆることを想定した断水対策が求められます。
特に、給水所は平常時の役割に加え、非常時の応急給水拠点として地域に不可欠な施設です。私の地元である北区でも、現在、王子給水所を新たに整備中であり、完成すれば北区、荒川区、足立区の約二十六万人への安定給水の拠点となるだけでなく、いざ災害時になれば、地域住民への重要な給水拠点となるため、一日も早い完成が望まれておりますが、完成は現行計画の令和五年度からおくれ、令和十四年度になると聞いています。
そこで、王子給水所の完成がおくれる原因について伺います。
○浜水道局長 王子給水所の整備では、配水池築造工事の着工に当たって実施した土壌調査におきまして、土壌汚染対策法の基準値を超える物質が確認されました。このため、関係法令に基づく手続や配水池側面への鋼板の設置工事等の土壌汚染対策が新たに必要となりました。
また、地中に千八百本以上の基礎ぐいが残存していることが確認されたため、追加の撤去工事を行いました。
これらを踏まえ、今後、発注を予定しているポンプ棟築造工事の工程を再検討した結果、王子給水所の完成は令和十四年度となる見込みでございます。
今後、配水池築造工事や関連する管路工事等の複数の工事を限られた用地内で同時に施行するため、工程管理を適切に行ってまいります。
○やまだ委員 当初予見できなかった土壌汚染など、やむを得ない事情が完成時期に影響することは理解できるものの、令和十四年度の完成となれば、今後、十年以上にわたり大規模工事が続くことになります。地域住民の方のご理解とご協力を得ることが、給水所の着実な整備と早期完成のために重要な視点だと感じます。
そこで、王子給水所の整備を今後どのように進めていくのか伺います。
○浜水道局長 王子給水所の整備を着実に進めるには、地域住民の皆様に施設の重要性をご理解いただくとともに、工事へのご協力を得ることが必要でございます。
このため、引き続き整備の内容や効果を記載した工事案内を配布するとともに、現場見学会や説明会を開催するなど丁寧な広報を行ってまいります。
また、大規模な団地や保育施設、小学校が隣接していることから、今後も適切に交通誘導員を配置して安全を確保するとともに、低騒音、低振動の機械の使用や防音パネルの設置などにより、生活環境への影響を極力低減させてまいります。
こうした取り組みにより、地域住民の皆様のご理解やご協力を得て、一日も早い完成に向け整備を進めてまいります。
○やまだ委員 今お話にもありました、教育施設や住宅地に囲まれた、北区の中では王子神谷駅の近くで一等地です。これほど大規模工事が長期間にわたって実施されるからには、子供たちを初め地域住民の安全を最優先していただき、生活環境に配慮をお願いしたいと思います。
地元住民のご意見、要望を丁寧に聞き、ご理解とご協力を得ながら、一日も早い完成を要望しておきたいと思います。
この案件だけではなく、下水道局王子第二ポンプ所の整備もおくれることを報告受けています。都政全体として、こうした、工事がおくれても仕方がないという意識が蔓延していないか、そういった意識も改めて皆さんで共有していただき、技術系職員の意識の低下や技術力の劣化などはないか、いま一度、局全体で見直していただきたいと要望しておきます。よろしくお願いいたします。
最後に、観光施策について伺います。
令和三年度の新規事業である東京と近隣県の魅力再発見事業の取り組みについてです。
近隣県と連携をし、マイクロツーリズムの視点で取り組みが開始されることは、このコロナ禍の中で非常に有効だと思います。他県との連携に関しては、東京都をアピールできる資源が重要になると思います。都内にはすばらしい観光資源が多くありますが、今、まさに旬といっていいのではないでしょうか。
大河ドラマでも主人公となっている渋沢栄一翁、ご承知のとおり、近代日本社会の礎を築いた、五百を超える企業、六百を超える教育機関や公共機関などの創設にかかわり、社会貢献も尽力されてきました。生まれは埼玉県深谷市ですが、三十七歳のときに、地元北区飛鳥山に別荘の土地を設け、晩年六十一歳から亡くなるまでは本邸を構え活動の拠点となりました。区内には渋沢栄一にまつわるさまざまな足跡を感じることができます。
例えば、都内では渋沢栄一をテーマとして、区市が連携をし、観光産業が始まっています。このような動きが始まっているのを捉え、都としても、この事業に展開を進めていただければと思いますが、都の見解を伺います。
○村松産業労働局長 都は、コロナ禍において、感染症対策を徹底しつつ、国内観光を近隣地域から盛り上げるため、今年度、山梨県も参加する一都四県で、新しい旅のエチケットを守りながら旅を楽しむことを呼びかける共同キャンペーンを行ってまいりました。
来年度は、東京周辺での安全・安心な観光の魅力をアピールし、新たな観光需要の創出につなげていくため、プロモーションを強化してまいります。
具体的には、近隣県と連携いたしまして、都内自治体等のアイデアも取り入れながら、渋沢栄一などの偉人や文化等のテーマのもとに、ゆかりの地をめぐる観光ルートを八種類程度開発するほか、観光サイト等を活用したPRを実施いたします。
各自治体が互いの魅力を提供し合い、相乗効果を高めることで観光事業の着実な回復に結びつけてまいります。
○やまだ委員 ありがとうございます。幾つかのルートはあるものの、渋沢栄一をテーマにした観光を進めていただけるということで、私も地元に帰ってすぐに報告したいと思いますが、ぜひ地域と、自治体と連携をしながら、しっかりとした取り組みを行っていただきたいと思います。
そして、最後の質問に、渋沢栄一をテーマとした観光振興について、渋沢を初めとする偉人や文化、こういったテーマを取り組みの、ご答弁いただきましたが、渋沢栄一は、先般公表されました都の未来の東京戦略で、新たにその精神が都の戦略の根幹に据えられています。
新たな東京の顔として、観光施策でも積極的に発信していただきたいと考えますが、知事の見解を伺い、質問を終わります。
○小池知事 やまだ加奈子委員のご質問にお答えいたします。
ご承知のように、私たちは今、百年に一度ともいわれておりますこのコロナという危機に直面をし、また浮き彫りとなってまいりました社会の構造的な課題、これに対して克服して、明るい未来を切り開かなければなりません。
そこで、過去の幾多の困難に対して、先人たちは持続可能性を希求しながら、先見性と確固たる信念、そして絶え間ない努力で乗り越えて、現在のこの東京の礎を築いてきてくださいました。
日本資本主義の父、そして現代に引き継がれる経済の基盤づくりに尽力されたのが、ご指摘の渋沢栄一翁であります。
東京では、この偉大な先人の残しました成果の数々に触れることができる。こうした貴重な足跡を観光振興の中で活用いたしまして、都内産業の一層の活性化につなげてまいります。
○吉原副委員長 小宮あんり委員及びやまだ加奈子委員の発言は終わりました。(拍手)
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