予算特別委員会速記録第二号

   午後五時二十分開議
○上野副委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 まつば多美子委員の発言を許します。

○まつば委員 都議会公明党を代表して総括質疑を行わせていただきます。
 三月十一日、東日本大震災から十年を迎えます。改めて、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、今なお避難生活を余儀なくされていらっしゃる方々に心よりお見舞いを申し上げます。
 都議会公明党は、微力ではありますが、この十年間、全力を挙げて被災地の支援を行わせていただいてまいりました。震災の記憶を風化させることなく、今後も引き続き支援に尽くしてまいります。
 質問に入ります。
 初めに、都財政について質問いたします。
 令和三年度予算案は、都税収入が約四千億円減少する中、一般会計の一般歳出を、前年度比七百九十億円増の五兆六千百二十二億円の予算案を組んでいます。
 そこで、まず、税収減の中でこのような一般歳出予算を組めた都の具体的な財源確保の取り組みについて、知事の説明を求めます。

○小池知事 お答えいたします。
 まず、都税の収入は大きく減少しております。その中で、令和三年度予算で、都民の命を守り、その先の東京の未来をつくる施策を積極的に展開する予算とするために、事業の見直しはもとより、基金、そして都債など、これまで着実に培ってまいりました財政の対応力を最大限駆使し、編成したものでございます。
 具体的には、新たな公会計手法も活用した事業評価の取り組みによって、過去最高となる約一千百十億円の財源を確保いたすとともに、三つのシティー実現に向けました基金や財政調整基金など、合計で八千二百九十億円の基金を取り崩して活用するものであります。
 また、金融分野からSDGsの実現を後押しするという観点から、東京グリーンボンドのさらなる増額、ソーシャルボンドの新規発行といったESG債の発行を大幅に拡充することも含めまして、都債を五千八百七十六億円発行し、必要な財源を確保いたしております。
 一方で、令和三年度末の基金残高でございますが、約七千億円確保するとともに、起債依存度を七・九%と、国や地方全体と比べまして低い水準に維持するなど、現時点におきまして、持続可能な財政運営の観点から、一定の財政対応力を有しております。
 今後も、より一層無駄をなくす取り組みを徹底するとともに、税収の動向を注視しつつ、都債、そして基金を計画的に活用するなど、戦略的な財政運営を行って、厳しい財政環境の中にありましても、都政に課せられた使命を確実に果たしてまいります。

○まつば委員 今、知事のご説明で、財源確保のために基金の取り崩しを行って繰入金をふやしたとありました。令和三年度は、東京二〇二〇大会が開催される年度であり、従来にも増して大会経費が支出される年となります。さらに、大会延期に伴う経費や新型コロナウイルス感染症対策の追加経費も支出されます。
 そこで、令和三年度に支出される大会経費と、その関連経費の合計額のうち、都が負担をする金額とその財源の確保について、都の具体的な説明を求めます。

○潮田財務局長 東京二〇二〇大会の開催に当たりましては、従来より、将来に負担を残さないという考え方に基づきまして、東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金に積み立てを行い、その活用により財源確保を図っております。
 令和二年度最終補正予算におきましても、新型コロナウイルス感染症対策も含め、大会延期に伴う都の追加経費に充当するため、決算剰余金や歳出の精査により生み出された財源を活用いたしまして、千百九十五億円を基金に積み立てました。
 令和三年度に都が負担する大会経費は二千八百九十億円でございまして、基金を取り崩すことでその全額を確保いたします。
 また、行政目的で実施し、大会にも資する事業の経費である大会関連経費は、当初見込みから経費精査がされておりますとともに、令和三年度の四百七十九億円は、その財源の一部に、三つのシティー実現に向けた基金を活用しております。

○まつば委員 東京二〇二〇大会の令和三年度の大会経費については、東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金を取り崩して対応すると、こういう答弁がありました。
 今後、都は、追加負担が生じないように、組織委員会と共同で、これから支出される経費を大会終了後に行うのではなく、毎月清算を行い、チェックを行っていく体制を整えていくべきと申し上げまして、次の質問に移ります。
 また、知事の答弁で、金融分野からのSDGsの実現を後押しする観点から、東京グリーンボンドの拡充やソーシャルボンドの新規発行を行うとありました。
 そこで、この東京グリーンボンドやソーシャルボンドの対象事業について具体的な説明を求めるとともに、その社会的効果について、都の見解を求めます。

○潮田財務局長 令和三年度予算では、年々需要が高まっている東京グリーンボンドについて、その発行額を四百億円に増額しまして、河川護岸や調節池の整備のほか、都有施設への再生可能エネルギー導入などの事業に充当いたします。
 また、新たに国内自治体として初めてソーシャルボンドを六百億円程度発行し、新型コロナウイルス感染症対応を目的とした中小企業制度融資の預託金や、特別支援学校の整備などの財源として活用してまいります。
 こうしたESG債の発行を拡充することで、環境施策や、感染症終息後も影響を受ける都民や事業者を支援する取り組みを一層強力に推進するなど、金融分野からのSDGsの実現を後押しするとともに、国内におけるESG投資のさらなる促進につなげてまいります。

○まつば委員 我が党は平成十三年度に、従来の会計手法を抜本的に改める企業会計並みの新たな公会計手法を提案し、都は平成十八年度から、バランスシート、行政コスト計算書、キャッシュ・フロー計算書を作成することになりました。
 これにより、各事業部門において費用対効果の検証による事務事業評価を行うことができるようになりました。今年度もこういった手法を活用し、約一千百十億円の財源を確保しております。
 そこで、新公会計制度は平成十八年度より適用されていますが、それ以降の年と今年度分を含めて、累計で幾らの事務事業評価により財源が確保されたのか、都の説明を求めます。

○潮田財務局長 事業評価は、財政再建期に集中的に実施した事業見直しの成果を踏まえ、財政再建達成後も見直し努力を継続する仕組みとして再構築したものでございまして、限られた財源の中、都政の諸課題に的確に対応していくため、事業の効率性、実効性の向上、無駄をなくす取り組みの徹底へとつなげております。
 評価に当たりましては、従来の官庁会計に欠けていた資産、負債等のストック情報、金利、減価償却費を含めた真のコスト情報を明らかにする新公会計制度を分析のツールとして活用するなど、予算編成の過程で多面的な検証を行い、毎年度、創意工夫を凝らしながら、着実に実績を積み重ねてまいりました。
 こうした取り組みで、財源確保額は令和三年度予算編成で約一千百十億円、事業評価の取り組みを開始した平成十九年度以降十五年間の合計では、約六千五百億円となってございます。

○まつば委員 昨年来の新型コロナ対策で、都は国からの支出金を除き、総額一兆三千八百三十九億円の財政的支出を行っております。これが可能になりましたのも、新公会計手法等の取り組みを通じて、長期間にわたり着実な財源確保に努めてきたからにほかなりません。
 コロナ禍がさらに続く状況の中におきましても、引き続き財源確保に全力を挙げるよう求めておきます。
 次に、新型コロナウイルス感染症対策について質問をいたします。
 さきの本会議代表質問におきまして、さまざまな観点から質問をさせていただきました。その際、新型コロナウイルスに感染し、回復したものの、だるさや息苦しさ、気持ちの落ち込みといった後遺症に苦しむ人がふえていることを取り上げさせていただきました。
 後遺症と見られる症状を訴える患者九百人以上の診療に当たってきた都内のクリニックの院長は、後遺症で悩む方が医療機関をたらい回しにされる現状や、仕事への影響が大きい実情を踏まえれば、専用の相談窓口も必要であると述べていることを紹介いたしまして、後遺症の対策を講じるべきと質問いたしました。専用の相談窓口設置について、その後、都において検討を進めていただいてきたと考えております。
 改めてお伺いいたしますけれども、都は、本会議で都議会公明党が指摘をした相談窓口の設置など、コロナ後遺症で苦しむ方に対する対策を速やかに行っていくことが重要と考えますが、知事の見解を求めます。

○小池知事 ご質問にありました、新型コロナウイルス感染症の後遺症の実態でございます。現段階では明確になっておりません上に、確立された治療法もないというのは現実でございます。
 一方、東京iCDCの専門家ボードでは、この後遺症の現状を把握するための調査に取り組んでまいりまして、この調査におきまして、発症後二カ月で約五割、四カ月たっても約三割の方が何らかの後遺症に悩んでおられること、特に呼吸困難、倦怠感、嗅覚障害は、四カ月たっても約一割の方で認められたといった指摘がされております。
 そして、今月から医療機関と連携しまして、だるさ、目や口の乾燥、鼻炎などの症状の有無、症状が継続している期間などについて詳細なオンライン調査を実施いたします。
 あわせまして、都立、公社病院の患者支援センターに、今月をめどにいたしまして、新たにコロナ後遺症相談窓口などを設置いたし、息苦しさやせきなどの呼吸機能を初めとした後遺症の相談に応じるとともに、その知見を蓄積してまいります。
 こうした取り組みによって、後遺症の実態把握を進め、その結果なども踏まえまして、後遺症に悩む方への対応策を検討してまいります。

○まつば委員 今、知事から、都立病院、公社病院の患者支援センターにコロナ後遺症相談窓口の設置を今月をめどにされるということでお話がございました。どうぞよろしくお願いいたします。
 続いて、医療機関への支援について質問いたします。
 都議会公明党は、緊急事態宣言が発せられた一月八日、都に対して、緊急事態宣言に伴う対策についての緊急要望を行いました。その要望の一番目に掲げたのが、新型コロナウイルス感染症の影響で経営への影響が大きい医療機関への支援でございました。
 都は、都議会公明党の要望を踏まえ、新たに医療機関への利子補給を開始したということでございますが、新たに開始した利子補給事業の取り組み状況について見解を求めたいと思います。

○吉村福祉保健局長 都は、新型コロナウイルス感染症の流行により減収等となった医療機関を支援するため、令和二年度最終補正予算が成立した翌日の三月五日から、法人の従業員数や減収割合の要件を満たす医療機関が今年度中に申し込んだ融資に係る利子補給事業を開始いたしました。
 医療機関が速やかに本事業を活用できるよう、一月二十九日の予算案公表後、対象要件や融資申し込みの流れ、スケジュール等を事前に情報提供しており、これまでに複数の医療機関から問い合わせをいただいております。
 事業開始後も東京都医師会等を通じて、医療機関に改めて事業内容等を周知するとともに、必要に応じて早期に取引金融機関等へご相談いただくよう働きかけているところでございます。

○まつば委員 今後もしっかりと、コロナ対応をしていただいている医療機関を支援していただきたいと思います。
 続いて、都議会公明党が来年度予算編成に向け特に要望し、その上で計上されました東京都出産応援事業と生活応援事業について質問をいたします。
 まず、東京都出産応援事業です。
 この事業は、お子さんが生まれたご家庭に十万円分の育児用品やサービスを提供する事業であります。東京都の出産費用は全国平均を大幅に上回っていること、また、コロナ禍で不安を抱えておられる妊婦さんを応援すると、こういう意味からも、その実施が待たれているところであります。
 先日の代表質問でも取り上げさせていただきました。その際、知事からは、利用しやすいように、紙おむつやベビー服などの消耗品や日用品など、二百点以上をそろえて、分割して申請できることなどやっていきたいと、こういう趣旨のご答弁をいただいたところです。
 そこで、さらに、きょうは二点確認させていただきます。
 一点目は、対象家庭の皆様が手軽に申請ができる方法で、なおかつ、出産後早い時期にサービスが提供されることが極めて重要であると考えます。準備状況も含めて答弁を求めます。

○吉村福祉保健局長 東京都出産応援事業の実施に当たりましては、本年一月一日以降に子供が生まれたご家庭に、区市町村の協力を得て配布された個別のIDとパスワードを用いて専用サイトにアクセスし、希望する育児用品や子育て支援サービスなどを選択する仕組みとする予定でございます。
 また、サイトへのアクセスが困難な家庭に対しましては、紙媒体のカタログを配布するなど、きめ細かな対応を図ることとしております。
 現在、区市町村とID、パスワードの具体的な配布方法等について調整するほか、専用サイトの構築や育児用品、子育て支援サービスの提供を委託する事業者の選定を進めており、四月から事業を開始する予定でございます。

○まつば委員 区市町村にご協力いただくということでございますので、しっかりと連携をとっていただきたいと思います。
 二点目は、アンケートについてであります。
 東京都出産応援事業においては、アンケートを実施し、具体的な子育てニーズを把握し、今後の施策に反映するというふうに聞いております。
 そこで、妊娠期から出産、そして子育てに至るまで、どのようなサービスを必要としているのか、そういったお声を伺って、今後の施策へつなげていくべきと考えますが、見解を求めます。

○吉村福祉保健局長 お尋ねのアンケートでございますが、対象家庭が専用サイトに最初にアクセスした際に、匿名で回答していただく予定でございます。初めに、家族構成や年代、居住地域など、基本的な項目をお聞きし、その上で、子育てに関する情報をどこから得ているのか、妊娠中から出産前後に利用したかったサービスはどのようなものか、また、今後、産後ケアや家事、育児支援、保育サービスなど、どのようなサービスを利用したいかなどについてお聞きする予定でございます。
 回答結果につきましては、今後の効果的な施策展開につなげられるよう、妊娠期や出産前後、子育て期など、それぞれのステージに応じたニーズを把握するため、定期的に集計、分析してまいります。

○まつば委員 利用される方々の応援になるように、ぜひ事業を着実に進めていただきたいと思います。
 もう一つ、東京都生活応援事業について質問をいたします。
 新型コロナウイルスの影響が長期化する中で、都民の家計を応援し、低迷する都内の消費も喚起するために、プレミアムつき商品券の発行を区市町村と連携して行うべきであると、定例会や予算要望も含めて、昨年来、都議会公明党は要望をしてまいりました。
 令和三年度補正予算案にデジタル生活応援商品券の予算を計上し、その上で、さきの代表質問におきまして、区市町村が紙の商品券の発行を望むのであれば柔軟に対応すべきであると求めたところ、デジタルと紙の併用実施について答弁があった、このことについては評価をいたしております。
 そこで、改めてデジタルと紙の併用実施の具体的な仕組みについて答弁を求めます。

○山手総務局長 東京都生活応援事業は、原則としてデジタル技術を活用した取り組みに対して支援を行うものでございまして、デジタルのみで実施する場合は、プレミアム率の上限は三〇%で、都補助率は四分の三としています。
 地域の実情等によりデジタルのみでの実施が困難である場合には、区市町村と事前協議を行い、デジタルと紙の併用についても、デジタル実施分の占める割合が二分の一を超えることを条件として認めていくこととしております。
 その場合、デジタル実施分のプレミアム率の上限は三〇%で、都補助率は三分の二、紙実施分のプレミアム率の上限は二五%で、都補助率は二分の一といたします。

○まつば委員 紙の商品券と併用の場合には、デジタル商品券分の実績が二分の一を超えることを条件に認めていくということであります。区市町村が事業実施をする際に、事務処理など余計な労力を強いることになるのではないかと私は懸念をしております。
 実施主体の区市町村が予算編成の段階でデジタルについて二分の一を超えるように組んだとしても、最終的な実績として紙の商品券の活用が多かったという結果も考えられます。
 区市町村が実施主体であるのであれば、デジタル実施分の占める割合が実績ベースで二分の一を超えることを条件とすることは見直すべきと考えます。区市町村が柔軟に対応できることが必要だと思いますが、見解を求めます。

○山手総務局長 本事業は、新しい日常における生活応援を図るとともに、デジタルの力を活用した地域経済の活性化に向け、区市町村の取り組みを支援するものであります。
 そのため、原則デジタルで実施することとしており、地域の実情等により、デジタルのみでの実施が困難な場合においても、本事業の趣旨に鑑み、デジタル実施分の占める割合が二分の一を超えることを条件といたしました。
 また、交付金額の確定に当たりましては、補助金等の交付に関する法令等において、実績報告書を審査し、付した条件に適合するものであるかどうか、その内容を確認することとされております。
 事業の実施に当たっては、デジタル実施分の実績値が二分の一以下とならないよう、個別の事情をお聞きしながら、区市町村に対し、きめ細かく助言等を行ってまいります。

○まつば委員 見直しをしないというご趣旨の答弁であったというふうに思います。実施主体は区市町村であります。地域の実情に合わせて実施できるのが望ましい形であると、このことは申し上げさせていただきます。
 その上で、そうなりますと、どう区市町村を支援していくのかということが大変重要になってくると思います。
 これまで紙で行ってきたプレミアムつき商品券事業については、全ての都内区市町村が実施した経験があり、運営のノウハウも有しておられると考えております。
 しかし、今年度キャッシュレス決済のポイント還元事業などを行った都内の区市町村は、十七と聞いております。多くの区市町村は、新たな取り組みであるデジタル技術の活用の仕組みや運用方法などについての情報も十分でないと考えております。
 都は、デジタル方式での実施を必須とするのであれば、しっかりと区市町村の支援を行っていくべきだと考えます。
 また、紙との併用につきましては、先ほど答弁がありましたが、実績報告書でデジタルが二分の一を超えていることを審査、確認するということであります。併用を希望する区市町村には、計画どおり事業が実施されるよう、きめ細かい支援が必要になってくると、そのように思います。
 この事業を実施するに当たっての区市町村への支援について見解を求めます。

○山手総務局長 東京都生活応援事業の実施に当たりましては、財政的な支援だけではなく、各区市町村の取り組みに応じたサポートを行っていくことが重要でございます。
 そのため、区市町村ごとの状況を把握することを目的とした事前調査を実施し、問い合わせへの対応や導入事例の紹介など、ニーズに合った支援を行ってまいります。
 また、紙と併用する場合において、事業計画の内容について十分に意見交換を行うとともに、実施段階においても、計画どおり進捗するよう、個別の事情をお聞きしながら適宜助言をしてまいります。
 今後、四月に設置されるデジタルサービス局を初め関係各局と連携し、こうしたきめ細かな支援を行い、区市町村の取り組みを後押ししてまいります。

○まつば委員 実施主体が区市町村ということでございますので、支援といいますか、協力をして、都民の皆様の生活応援、そして地域経済の活性化に向けて取り組んでいただきたいと、このように申し上げておきます。
 続いて、子供政策について質問をいたします。
 私は、平成十七年、二〇〇五年に都議会議員とさせていただいてより十六年間、チルドレンファースト社会の実現を目指してまいりました。子供にとって優しい社会は、全ての方々にとって優しい社会になる、そういう信条で参りました。
 私は昨年、この予算特別委員会におきまして、子供施策について、従来の枠組みを超えた新たな会議体のもとで幅広く議論を進めていくべきと提案をいたしました。この提案を受けとめて、今年度新たに、こども未来会議が立ち上がりました。
 私もウエブで会議を視聴いたしましたが、未来を担う子供という視点とともに、社会の一員としての子供に光を当て、さまざまな観点から忌憚のない闊達な議論が展開をされており、非常に期待をしております。
 そこで、まず、これまでのこども未来会議の議論の状況について答弁を求めます。

○中嶋政策企画局長 こども未来会議はこれまで計三回開催いたしまして、第一回は、コロナ禍による子供、子育てを取り巻く環境の変化と課題、第二回は、海外の先進事例やエビデンスに基づいた少子化対策、子供政策、そして第三回は、居場所や遊び場など子供を育む環境、まちづくりと、各回テーマを設定し、専門的見地から議論が行われました。
 議論を通じまして、子供の笑顔のために真に求められるものは何かという視点や、家族との時間を大切にした働き方への変革、社会全体で子供の遊びや学びを支える観点など、示唆に富んださまざまな意見、提案をいただいております。

○まつば委員 答弁にございましたが、第一回目は、コロナ禍による子供、子育てを取り巻く環境の変化と課題、第二回は、海外の先進事例やエビデンスに基づいた少子化対策、子供政策、第三回は、居場所や遊び場など子供を育む環境、まちづくりと、各回テーマを設定し、専門的見地から議論をされたということでございます。
 その中で私が強く感じましたのは、都庁においては局横断的に課題解決に取り組む施策が大事であるということと、子供の意見を都政に反映をさせていくこと、これが重要であると感じたところです。
 そこで、まず、子供の意見を都政に反映させるという点であります。
 先般公表された未来の東京戦略におきましても、子供の目線に立った政策を柱の一つとしております。子供の意見を都政に反映していくこの視点は、こども未来会議においても重視されており、まずは子供との対話を進めていくべきとの意見がありました。
 そこで、こうした議論を生かしながら、来年度、子供との対話など、子供目線に立った取り組みを推進すべきと考えますが、見解を求めます。

○中嶋政策企画局長 こども未来会議での議論を踏まえまして、来年度、子供が楽しみながら東京の魅力や都政に接することができる新たな情報プラットフォームとしまして、子供向けホームページを立ち上げます。各局の子供向けの事業やコンテンツとも連携し、映像やイラストなどを効果的に活用して、わかりやすい発信に努めてまいります。
 こうした掲載するコンテンツやホームページの名称などにつきまして、子供の意見を取り入れるなど、子供との双方向コミュニケーションを図りながら進めてまいります。
 また、こども未来会議におきましても、子供との対話の機会を設けるなど、子供の目線に立った視点からの議論をより深めてまいります。

○まつば委員 ただいまご答弁いただきました子供向けホームページにつきましては、こども未来会議の中で実際に委員から提案されたものであります。子供との対話の機会も設けるとのことでありますが、子供の意見を都政へと反映させる取り組みを進めていただきたいと思います。
 もう一点は、局横断的に課題解決及び施策展開を進めるということであります。
 今後の子供政策におきましては、子供を中心とした総合的な視点が一層重要になってくると思います。子供が直面している課題は複雑化、複合化しており、従来の行政分野では対応できない事案がふえてきていると実感しています。さまざまな行政分野に横串を通した子供政策の重要性が高まっています。
 こども未来会議における議論を大きな推進力として、従来の枠組みにとらわれることなく、子供との対話を重視しながら、組織横断的に子供政策に取り組んでいくべきと考えますが、知事の見解を伺います。

○小池知事 子供の笑顔のための戦略、これは、未来の東京をつくり上げる長期戦略のまさに一丁目一番地だと考えております。昨年のご提案を踏まえまして、この戦略の中核を担って、子供政策をリードすることを目的に、従来の枠組みにとらわれることなく、専門的な見地から多角的に議論をするこども未来会議を今年度新たに立ち上げております。
 議論を通じまして浮き彫りになりました課題につきましては、庁内の各局で共有するとともに、組織横断のチームにおきまして子供に寄り添った政策として反映させるなど、全庁を挙げまして総合的な子供政策に取り組んでまいります。
 また、子供の目線に立った政策を展開するため、来年度、子供向けホームページを新たに立ち上げる−−今ご指摘のあったとおりでございます。そして、中学生、高校生が都の政策について研究をして意見を表明する子供シンポジウムも開催するなど、子供と都政をつなげる取り組みを推進してまいります。
 加えまして、未来の東京戦略の推進に向けて、未来を担う子供たちから幅広く意見を聞く、さまざまな形で子供との対話を創出してまいります。
 これらの取り組みを通じまして、子供政策をバージョンアップさせてまいります。子供が笑顔で生き生きと活躍できる、そんな東京の実現に向けて、全力で取り組んでまいります。

○まつば委員 チルドレンファースト社会実現に向けて、私もさらに取り組ませていただいてまいります。
 続きまして、都議会公明党は、一貫して都立高校段階の生徒一人一台端末の整備を求めてまいりました。そして、先日の第一回定例会代表質問においては、世帯の所得状況によって保護者への支援に差異がないよう求めたところです。
 都からは、令和四年度入学生からのCYOD方式による端末整備を着実に進めていく、また端末購入に向けた保護者支援のあり方を検討していくとの答弁がありましたが、令和四年度の導入に向けてのスケジュールについて見解を求めます。

○藤田教育長 高校段階の一人一台端末は、学校が推奨する端末を保護者負担で生徒が所有する方法により整備を行う予定でございます。このため、各学校は、中学校三年生の進路検討が本格化いたします令和三年の夏季休業中の学校見学会で、保護者に対し、入学時の端末購入の詳細を説明する必要がございます。
 都教育委員会では、学校が行う見学会に間に合うよう、高校段階の学習にふさわしい端末の詳細な性能及び想定される価格帯、保護者負担に十分に配慮した支援策について検討を行い、案を取りまとめ、令和三年七月上旬を目途といたしまして、学校に示してまいります。
 これと並行いたしまして、購入の仕組みを構築し、令和四年度入学生が入学後、端末を速やかに活用できるよう準備を進めてまいります。

○まつば委員 令和四年度、都立高校と特別支援学校高等部に入学する全ての生徒が高校段階の学習に必要となる端末を所有することができるよう、具体的な支援策を早急に検討すべきと考えますが、見解を求めます。

○藤田教育長 高校段階で整備する端末は、その学びにふさわしい一定の性能が必要でございますことから、義務教育段階のGIGA端末よりも高額となることも踏まえ、端末購入に対する保護者負担を考慮し、適切な支援が必要であると考えてございます。
 今後、都教育委員会は、家庭の経済的な状況にかかわらず端末購入ができるよう、既存制度の活用に加え、都独自の支援策について、その対象世帯や支援額などの検討を行ってまいります。

○まつば委員 義務教育である小中学校では、GIGAスクール構想のもとで、国が全ての児童生徒への端末を配備しております。都立学校においては、都が全ての生徒に端末を配備するべきだと考えております。
 コロナ禍で経済的に厳しいご家庭が増加している中、繰り返し申し上げますが、世帯の所得状況によって保護者への支援に差異がないように、対象は全世帯に、端末の購入費は全額を支援すべきと強く要望をさせていただきます。
 続きまして、学校トイレの洋式化について質問いたします。
 最初に、都立学校について伺いたいと思います。
 都議会公明党は、学校トイレの洋式化について、繰り返しその推進を要請してまいりました。都教育委員会は、我が党の提案を受けまして、今年度末までを計画期間として、洋式化率八〇%を目指すという目標を掲げ、洋式化を進めてきております。
 都立学校において、現在の洋式化率の状況と、令和三年度以降の取り組みについて見解を求めます。

○藤田教育長 都立学校におけるトイレの洋式化率は、令和二年四月一日時点で七七%でございます。
 本年度も、校舎の改築等に際し、計画的な整備を行ってきたところでございまして、年度末時点におきましては八〇・二%と見込んでおります。その内訳は、高校が七六・七%、特別支援学校が九二・九%となっております。
 こうした状況を踏まえ、都教育委員会は、学校の実情に応じた整備が着実に進むよう、令和三年度予算において、引き続き二百十二件の工事を予定しておりまして、都立高校等におけるトイレの環境改善に向けて、洋式便器の設置等に取り組んでまいります。

○まつば委員 教育長より、都立学校につきましては、年度末時点には八〇・二%まで洋式化が進むということでご答弁をいただいたところであります。
 しかしながら、区市町村にとっては、本年度は新型コロナウイルス感染症の影響で工期の確保ができないなど、厳しい年度となったことは、この間、我が党が指摘してきたところであります。
 そこで、区市町村立小中学校について、現在の洋式化率の状況と、令和三年度以降もトイレの洋式化への支援を継続すべきだと思いますが、見解を求めます。

○藤田教育長 都内区市町村立小中学校におけるトイレの洋式化率でございますが、令和二年四月一日時点で七〇・二%でございます。
 本年度は、お話のように、夏季休業期間を短縮したことによりまして、予定していた工事を見送る事例が生じたことなどから、年度末までに洋式化率八〇%以上を達成することは困難な状況となってございます。
 都教育委員会は、こうした状況を踏まえ、区市町村の取り組みを支援するため、東京都公立学校施設トイレ整備支援事業の期間を令和四年度まで延長することといたしたところでございます。

○まつば委員 今、教育長からご答弁いただきました東京都公立学校施設トイレ整備支援事業を令和四年度まで延長するということでございました。ぜひとも区市町村と連携をとって支援していただいて、区市町村立小中学校のトイレの洋式化が進みますようよろしくお願いいたします。
 次に、女性活躍推進について質問をいたします。
 昨日、三月八日の国際女性デーに合わせ、東京都とIOC、IPC、組織委員会、国は、東京二〇二〇大会を、競技会場の内外でジェンダー平等について画期的で、より平等で包摂的な社会への道を開くものとするとの誓いを改めて表明いたしました。
 その共同ステートメントでも指摘をしておりますが、東京オリンピックにおける女子選手の参加割合は約四九%で、史上最も多く女性アスリートが参加する大会となります。
 オリンピックに女性が初めて参加したのは一九〇〇年のパリ大会で、当時はわずか二・二%でした。それから百二十年を経て、二〇二〇東京大会では、男女がほぼ同数参加する大会となります。パラリンピックについても同様に過去最大で、女性アスリートの割合は四〇・五%となります。
 また、大会の運営主体である東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会においては、先日、新たに各分野で活躍されている女性を理事に加え、理事の女性割合を二〇%から四〇%にまで高めました。これは、大会の理念である多様性と調和につながる取り組みだと考えております。
 昨日、小池知事は、女性活躍推進を重要課題の一つとして位置づけており、今後とも幅広くさまざまな施策に取り組んでいくと表明をされています。
 大会を契機に、ジェンダー平等に向けた取り組みを大会後の社会全体のムーブメントとしていくことが東京大会のレガシーにつながっていくと私は考えております。特に開催都市である都は、みずから率先して取り組んでいくことが求められます。
 この組織委員会は、都が展開する政策の一部を担う事業協力団体の一つとなっています。また、都との関連性がより高い団体については、都とともに政策実現を目指す都庁グループの一員として、政策連携団体に位置づけられています。
 そこで、これらの都の関連団体に対しても、女性役員の割合を大幅に引き上げる取り組みを拡大していくべきと考えますが、都の見解を求めます。

○山手総務局長 都政との関連性が高い政策連携団体及び事業協力団体におきましては、団体の意思決定を行う経営層に女性を積極的に登用し、団体経営に女性の力が最大限反映されることが重要でございます。
 しかしながら、令和二年度における各団体に占める女性役員の割合は、政策連携団体全体で一四・八%、事業協力団体全体で七・二%となってございます。
 このため、都は、各政策連携団体に対して、女性役員割合向上に関する数値目標を設定するよう指導いたしますとともに、その進捗を管理し、公表してまいります。あわせて、事業協力団体に対しても同様の取り組みを働きかけてまいります。
 こうした取り組みにより、団体経営層の意識変革を促すとともに、女性の力を一層反映した団体経営の実現を目指してまいります。

○まつば委員 理事会や取締役会など、団体の意思決定の場における女性の参画を拡大していくことは大きな意味を持ちます。
 これと同様の観点から、私はかねてより、とりわけ都の政策形成の場である審議会等への女性の参画は重要であると申し上げてきました。
 都は、東京都男女平等参画推進総合計画において、平成十六年より審議会等における女性委員の任用率三五%を目標としてきたものの、長らく二〇%台で推移をしてきました。
 そこで、平成三十年三月の予算特別委員会におきまして、審議会等への女性委員の任用率について局別の一覧を私はつくらせていただきまして、知事に質問させていただき、知事から力強い答弁をいただきました。それ以降、知事のリーダーシップのもと、令和二年四月には三二・九%に達したということであります。
 この中で、審議会等の一つである東京都防災会議があります。地域防災計画など都の防災対策に関する重要事項を決定するため、防災対策に女性の視点を反映するためには、この会議に女性委員をふやすべきであると指摘し、要望してまいりました。
 これを受けて、都は、東京都防災会議条例を二度改正いたしまして、学識経験者や自主防災組織の代表の枠をつくり、人数も四名に拡大し、その枠に女性委員を任用することで、任用率の向上に努めてきたことを評価いたしております。
 一方で、総数七十三名のうちの多くの委員の方々は、都の局長や関係防災機関の特定ポストについておられる方が務めておられまして、全体で見ると女性委員は七名であります。
 ただし、二〇一三年に私がこの問題を初めてこの都議会で取り上げさせていただいたときには、東京都防災会議には女性委員は一人もいませんでした。一人もいなかったところから現在七名というのは、東京都防災会議としては、今一番人数が多いということであります。
 ですので、その意味では、これについては評価をしているところですけれども、ただ、女性視点を含めたさまざまな立場、専門的な見地からご意見をいただくということは極めて重要でありまして、こうした、いわば指定席となっているところも含めて、女性委員の任用数を一層向上させていくことが必要であると考えます。見解を求めます。

○山手総務局長 防災対策に女性の視点を取り入れるためには、政策、方針決定過程における女性の参画が不可欠でございます。
 このためには、防災対策における重要事項等を審議する防災会議に、より多くの女性委員にご就任をいただきまして、女性委員の比率が向上するよう、さらに取り組みを進めていく必要がございます。
 具体的には、都の委員について優先して女性の任用を進めますとともに、区市町村、防災機関等の委員についても、男女平等参画の観点も踏まえた人選が進むよう、人事異動など改選の機会を捉えて、関係機関等と調整を図ってまいります。
 こうした取り組みを速やかに進めまして、都の防災対策に女性の視点が反映されるよう、関係機関等と連携して取り組んでまいります。

○まつば委員 先日の第一回定例会におきまして小池知事は、審議会等における女性委員の任用率を四〇%以上とする目標を前倒しすると発言をされました。
 そこで、審議会等への女性委員の任用率について、これまでの取り組みと、また今後、女性委員の任用率を四〇%とする目標の実現のための方策や方向性について、知事の見解を伺います。

○小池知事 新型コロナを乗り越えたサステーナブルリカバリー、この言葉は何度か使わせていただいております。この言葉だけではありません。これをあらゆる政策分野で実現すること。そして、持続可能な社会を築き上げる。そのためには女性の力を最大限生かしていかなければなりません。
 このため、私自身、知事に就任してから、都の政策形成に幅広い視点を取り入れる場であります審議会等の女性委員の任用促進に取り組んでまいりました。
 庁内の意識改革を図るとともに、審議会等ごとの目標を設定いたしまして、関係団体に対しましては協力要請などを進めて、任用率三〇%台を、ご指摘ありましたように実現しているところであります。
 今後ですが、二〇三〇年までに男女それぞれが構成員の四〇%以上としていた目標ですが、これを二〇二二年度末までに達成するように大幅に前倒しをいたしております。
 審議会ごとに女性委員の任用状況を確認しております。そして、必要な専門知識や知見をお持ちの女性を公募するなどの工夫によりまして、主に任期が二年ごととなっているわけでありまして、その委員の改選期において必ず目標を達成していきたいと考えております。
 いつの時代も未来を切り開いていくのは、これは何度も申し上げておりますけれども、やはり人であります。政治、経済、地域における意思決定、これらに女性の参画が広がっていくことで、さまざまな分野で女性の視点が反映される、社会全体の生産性が高まる。
 女性も男性も、みずからの希望に応じて輝ける社会の実現に向けまして、引き続き取り組みを加速してまいります。

○まつば委員 知事就任以来の取り組みについて、また、目標は、二〇二二年度末までに男女それぞれが構成員の四〇%以上ということで、審議会ごとにきちっと見ていかれるというご答弁をいただいたところです。大変に大きな前進ということで私も受けとめさせていただいております。
 ここで知事にちょっとお伺いさせていただきたいということがあります。
 本来、こういう議場でなかなか取り上げにくい話題でありますけれども、女性知事である小池知事ということで、あえてきょうは質問させていただきたいと思います。
 先日、公明党の女性委員会は、生理をめぐる悩みについて、二十代、三十代の女性からオンラインでお話を伺いました。その際、任意団体#みんなの生理の谷口歩実共同代表から講演をしていただきました。
 海外で社会問題として注目され始めている、いわゆる生理の貧困について、国内の実態を調べようとアンケート調査を行ったということです。過去一年間に、経済的理由で生理用品を買うのに苦労したことがある、買えなかったことがあると答えた人は合わせて二六%、生理用品を交換する頻度を減らしたことがある、三七%、トイレットペーパーなどで代用したことがある、二七%と、大変に深刻な状況が浮き彫りになっております。
 今、初潮を迎える年齢も低年齢化してきているともいわれておりまして、そうなりますと小学校とか、中学、高校も含めてですけれども、そういった意味で、影響も大変心配いたしております。
 例えば、学校のトイレに生理用品を置いて無料で使えるようにするなど、そのようなことも考えられるのではないかと思っております。
 こうした生理の貧困について、知事のお考え、そして思いをお伺いしたいと思います。

○小池知事 年齢も、性別も、国籍も、そして障害の有無も関係なく、誰もが輝く多様性あふれる東京を実現していくことは重要であります。知事就任以来、さまざま取り組みに力を入れてまいったわけでございます。
 今、ご指摘もありましたように、新型コロナウイルスの影響を受けて、女性は経済的に厳しい環境に陥りやすい状況にあると、このように考えております。そうした中で、お話にありました生理の貧困という深刻な問題が生じていると認識しておりまして、さきの参議院においても議論が行われたということを聞いております。
 都といたしましても、関係する局の中で、何ができるのか今後検討してまいります。

○まつば委員 今、知事から、深刻な問題が生じていると認識をされていらっしゃる、また、都としても、関係する局の中で、何ができるか今後検討していきたいと、こういうご答弁をいただきました。
 関係する局といいますと、例えば福祉保健局とか、教育庁とか、生活文化局ということになるのかなとも思いますけれども、知事がこのようにご発言していただいて、この課題解決へ向けて取り組みが進むように、ぜひお願いをさせていただきたいと思います。
 また、次に、女性の再就職支援についてお伺いをさせていただきます。
 都議会公明党は、これまで一貫しまして、育児や介護等で離職し、再就職を目指す女性に対する支援の重要性を訴えてまいりました。
 都は、しごとセンターの女性しごと応援テラスにおきまして、こうした女性への支援を行っており、我が党の要望に応える形で、セミナーの充実や多摩ブランチの開設など、随時その取り組みを強化してこられました。私もたびたび現場を訪れ、支援の状況を直接確認しております。
 一方、コロナ禍は、多くの女性が働いている飲食業や小売業などサービス業を直撃しておりまして、女性の雇用環境に深刻な影響を及ぼしております。
 こうした状況下においては、女性の再就職支援をさらに強化していく必要があると考えておりますが、都の見解を求めます。

○村松産業労働局長 都は、女性しごと応援テラスにおいて、キャリアカウンセリングの実施や再就職支援セミナーの開催など、女性のニーズを踏まえたさまざまな支援を行っております。
 来年度は、育児中の女性等が応援テラスの多様な支援メニューを自宅で利用できるよう、ニーズの高いセミナーをオンラインで配信いたします。
 また、コロナ禍で増加したウエブによる就職面接への対策として、テレビ会議システムを活用した双方向型のトレーニングを導入いたします。
 あわせて、多摩地域に住む女性が、都心に通勤することなく、身近な地域で働けるよう、多摩ブランチと各市町村が連携し、地元企業との交流会や職場見学を行う新たなプログラムを実施するなど、女性の再就職を積極的に支援してまいります。

○まつば委員 女性の活躍推進ということで、さまざま質疑をさせていただきました。知事が就任をされて、女性知事ということで、女性活躍というのは非常に進んできたと、このように思っております。先ほどの生理の貧困という課題も含めて、またさらにご尽力をお願いできればと思っております。
 続きまして、外堀の水質改善について質問をいたします。
 上野和彦議員が中心となりまして、水と緑の回廊・国際都市東京の実現プロジェクトチームが旧江戸城外堀などの水質改善を目指してきておりまして、きょうは、五つの局にまたがり質問をさせていただきます。
 昨今の地球温暖化の影響を受けまして、最高気温が三十度以上の真夏日が連続するなど、都心におきましても暑さ対策が求められる中、外堀などにおいてアオコが大量に発生し、周辺環境に悪影響を及ぼしています。
 外堀の主な水源は、降雨時の汚れた下水であります。下水道局では、アオコの発生原因となる水質悪化を改善するため、降雨初期の特に汚れた下水が外堀へ流入するのを抑制するため、外堀通り地下に一万四千八百トンの貯留施設を現在施工中であります。
 そこで、着実な整備が望まれますが、施工状況と完成時期について答弁を求めます。

○和賀井下水道局長 下水道局では、雨天時に合流式下水道から放流されます汚濁負荷量を削減するため、合流式下水道の改善に取り組んでおります。
 外堀の流域では、一万六千六百立方メートルに及ぶ下水を貯留する施設の整備を進めており、そのうち千八百立方メートルの貯留施設を平成二十六年度に稼働させております。
 残る一万四千八百立方メートルにつきましても、外堀通りの地下、約五十メートルの大深度に整備しておりました貯留管本体は、昨年九月に完成をしております。
 今後は、降雨初期に外堀へ放流されております下水をこの貯留管へ取り込む施設を整備し、令和五年度末までに完了させる予定でございます。
 引き続き、合流式下水道の改善に積極的に取り組み、外堀の水質改善に貢献してまいります。

○まつば委員 先日公表されました未来の東京戦略案によりますと、外堀へ導水する水源として、荒川の河川水や下水再生水を検討しているとのことですが、現在、都は、下水再生水を活用し、玉川上水や城南河川に水を流すことを通して、身近に親しめる水辺空間をよみがえらせる清流復活事業を実施し、多くの都民に親しまれています。
 そこで、清流復活事業は、都市の水辺再生における重要な事業であります。引き続き、令和三年度におきましても、都民に親しまれる取り組みが行われるものと考えますが、見解を求めます。

○栗岡環境局長 清流復活事業は、関係局と協力し、水再生センターの高度処理水を城南三河川や玉川上水等へ導水する事業で、水量の確保等によりまして水辺環境の回復を目的としてございます。
 淀橋浄水場の廃止で水の流れの途絶えた玉川上水等につきましては、接続する野火止用水下流の埼玉県等の要請を受けまして、新たな導水管の敷設など、多くの課題を当時の庁内七局で協議し、各局が協力しながら施設整備等を実施し、昭和五十九年に高度処理水の導水を実現いたしたところでございます。
 令和三年度も関係局と協力しまして、オゾン殺菌などを行う高度処理施設やセンターから放流先までの導水管の維持管理を行い、安定した送水を実施してまいります。
 今後も、計画的に大規模設備更新を実施するなど、関係局と緊密に連携協力して水量や水質を確保し、都民に親しまれる水辺環境を提供してまいります。

○まつば委員 外堀の水質改善の取り組みは、玉川上水に下水再生水を流すということから、現在実施している清流復活事業と共通部分もあります。今後、環境局は関係局と連携し、協力し、これまでの知見や経験を生かして取り組んでいくことを要望しておきます。
 一方、荒川の河川水を外堀に導水するに当たりまして、我が党は、工業用水事業廃止後の施設活用が、費用的にも工期的にも合理的と考えております。
 令和三年度において、荒川から外堀への導水に向けて、具体的な検討が行われるものと考えますが、水道局の見解を求めます。

○浜水道局長 外堀の水質の効果的な改善方策につきましては、これまで関係五局による庁内検討会で幅広く検討し、河川水等の導水の有効性などを確認してまいりました。
 この庁内検討会の役割分担に基づきまして、水道局では、今年度、水質改善策の一つとして、荒川からの導水の可能性を視野に、玉川上水の現況調査等を行っております。
 令和三年度は、先月公表した未来の東京戦略に掲げられた詳細調査及び基本計画につきまして、関係局と連携し、庁内検討会の中で検討を進めてまいります。

○まつば委員 未来の東京戦略案においても外堀の水質改善が明記され、さきの我が党の代表質問に対し、知事から外堀の浄化に向けた水源、水量の確保や導水路の整備手順を示すとともに、玉川上水の構造物の調査などの展開について答弁がありました。
 そこで、本年度から始動しました外堀浄化プロジェクトの継続的な取り組みを着実に進めるべきと考えますが、令和三年度における外堀への導水に向けた取り組みについて見解を求めます。

○上野東京都技監 外堀への導水に向けましては、現在、関係局が役割分担し、玉川上水等の活用可能な既設水路の現況調査や、玉川上水終点の四谷大木戸から外堀までの新たな導水路整備に関する調査検討を実施中でございます。
 令和三年度は、これらの施設などにつきまして詳細調査を実施し、外堀への導水に向けた基本計画の検討を進め、取りまとめてまいります。
 あわせて、多摩川からの通水の可能性も展望し、玉川上水中流域の開削区間につきまして、上部のり面におけます樹木の成長が進んでいることなどから、玉川上水の構造物の健全度調査等を実施する予定でございます。
 引き続き、関係局はもとより、国や地元区とも連携し、水質改善を着実に進め、人々が憩う外堀の水辺を再生してまいります。

○まつば委員 さて、先ほど述べましたが、外堀通りの雨水貯留施設が完成した後の令和六年度以降は、外堀がたまり水と同様になり、環境問題にもなりかねません。一刻でも早く外堀への新たな水源の導入など、早急な対応が必要であります。
 例えば、設計と工事の一体発注など工夫を凝らし、スピード感を持って外堀の水質改善の早期実現に向け、積極的に取り組むよう要望をいたします。
 ところで、二〇三〇年に向けた未来の東京戦略13、水と緑あふれる東京戦略には、防災や都市再生など、さまざまな施策とも連動、また、自然災害の猛威などに直面しても適切に対応できるよう、ハード、ソフト両面からの対策を進めるとあります。
 また、玉川上水からの導水実現により、防災面での活用を検討と記載をされています。
 そこで、総務局長に答弁を求めますが、首都直下地震などの災害が発生したとき、玉川上水を軸とした水は、延焼拡大の防止や緊急時の飲料水、トイレ用水に利用することも可能であると考えます。
 その意味でも、玉川上水に環境、防災のために安定的な流量が保たれれば、防災水利としての活用ができるのではないかと考えますが、見解を求めます。

○山手総務局長 大規模地震発生時には、迅速な消火活動のための消防用水や断水時の飲料水等の確保が重要でございます。
 首都直下地震における都の被害想定では、火災によって木密地域を中心に二十万棟を超える建物焼失と、都全域の四五%で断水が発生すること等が見込まれてございます。
 このため、都は、国や区市町村、防災機関等が持てる能力を発揮し、災害の予防対策や応急対策を実施できるよう地域防災計画を策定し、それに基づき消防水利や飲料水の確保など、ハード、ソフト両面にわたる防災対策を推進しております。
 現在、検討を進めている外堀浄化に向けた導水が実現し、安定的な流量が確保された際には、震災時にも防災水利としての活用が想定されます。
 今後も、関係局等と連携し、都の防災対策強化に取り組んでまいります。

○まつば委員 外堀への導水が実現されれば、防災水利としての活用の検討も進むことになります。環境のみならず、防災の視点も踏まえた新たな水と緑豊かな国際都市東京の実現に向け、積極的に取り組むよう強く要望いたします。
 次に、小笠原航空路対策について質問をいたします。
 小笠原は東京から南に千キロ、船で二十四時間かかり、おおむね六日に一便運航されています。
 平成二十三年には、小笠原が世界自然遺産に登録をされました。平成三十年六月、小池知事は、小笠原諸島返還五十周年記念式典において、小笠原に飛行場を建設することは必要だと認識をしていると明言をされました。
 また同じく、より実現性の高い洲崎地区を活用する案に絞り、集中的に検討すること、さらに、一千メートル以下の滑走路で運用可能な航空機について調査、分析をするよう指示したと発言をされました。
 これを受けて都は、平成三十年七月に開催された小笠原航空路協議会において、洲崎地区に航空路をつくることに集中的に検討することを都と小笠原村とで確認をいたしました。
 そこで、都は、洲崎地区において、これまでさまざまな調査を実施してきていますが、これまでの調査の実施、検討状況と今後の取り組みについて見解を求めます。

○山手総務局長 都は、洲崎地区における飛行場の建設に関して、基本構造や工法の実現性を確認するための調査等に昨年度から着手しております。
 このうち初年度は、地盤強度の確認を行うボーリング調査や、陸上及び海底の精緻な地形データを収集する測量調査を終了いたしました。
 今年度は、周辺海域における波の高さと向き等を観測する海象調査や、不発弾などの残存危険物の状況を把握する磁気調査を終了する予定でございます。
 来年度は、気象調査や自然環境調査を継続するほか、これまでの調査で把握した基礎的な情報やデータを活用し検討を進めてまいります。

○まつば委員 続いて、令和二年七月に開催された小笠原航空路協議会におきまして、都は、小笠原まで飛行することが想定される航空機として、プロペラ機のATR42−600Sと、ティルトローター機のAW609の二つの機種を提示しました。
 改めて、二つの機種それぞれの性能と今までの検討状況について見解を求めます。

○山手総務局長 二機種については、現在ともに開発中でございまして、このうちATR42−600Sは、国内での運航実績があるプロペラ機の派生型機でございます。座席数は最大四十八席であり、現行機よりも短い滑走路での離着陸ができるとされ、小笠原においても、一千メートル程度の滑走路で離着陸が可能とのことでございます。
 もう一機のAW609は、垂直離着陸性能と固定翼飛行機の速度や高度をあわせ持つティルトローター機でございます。座席数は最大九席であり、滑走離着陸の場合でも四百メートル程度の滑走路で離着陸が可能とのことでございます。
 引き続き、航空機の検討に当たりましては、メーカーや運航事業者の知見等を得ながら進めてまいります。

○まつば委員 さらに、航空路の開設には財政的な課題が大きいものと考えます。
 都の島しょ地域における空港では、大島空港や八丈島空港で、都が滑走路を拡張した際、費用の八割について国の財政支援を受けたと聞いております。
 そこで、都は、小笠原諸島においても、航空路開設について、国からの財政支援が得られるよう、積極的に取り組むべきと考えます。見解を求めます。

○山手総務局長 小笠原航空路の開設に当たりましては、まずは自然環境への影響、航空機の確保や飛行場の建設などに関するさまざまな課題の解決に向けて、着実に調査検討を行うとともに、関係者間の合意形成を図っていくことが重要でございます。
 財政支援については、こうしたプロセスを経て、航空路整備に向けた具体的な調整を進める段階において、国との協議を進めていくことになります。
 都は現在、国に対し、財政措置も含め、特段の配慮を講じるよう、最重点事項として提案要求を実施しており、今後とも国との連携を図りつつ、航空路案の取りまとめに向け、引き続き積極的に取り組んでまいります。

○まつば委員 小笠原に航空路を建設することは、島民の長年の悲願であります。都議会公明党も、長年この問題に取り組んでまいりました。特に藤井一議員は、都議会議員として二十八年間、この問題に取り組んできたところであります。
 小池知事は、歴代の知事の中で長年の検討に検討を続けてきた航空路案に道筋をつけたことを大いに評価しています。島民の多くが希望と期待を持ち、一日も早い航空路開設を待っています。
 早期の航空路開設に向けた知事の決意を伺います。

○小池知事 小笠原航空路の開設についてであります。
 島民生活の安定、そして国境離島であるという小笠原諸島の自立的な発展を図る上で、極めて重要でございます。村民の皆様の切なる願いであるということも強く感じております。
 そのため、都は現在、より実現性の高い洲崎地区活用案に絞りまして、令和元年度から予算を大幅に増額し、集中的に調査検討を実施しております。
 その一方で、航空路の開設を早期に実現するためには、小笠原の自然環境の保全との両立、そして財政面などの課題の解決に向けて、国からの支援、協力を得ることは不可欠であります。
 そこで、これまで実施しております国への提案要求に加えまして、昨年十月には私自身、赤羽国土交通大臣、小泉環境大臣と直接お会いいたしまして要望を行っております。
 世界自然遺産であります小笠原です。貴重な自然環境と調和した実現可能な航空路案が取りまとめられますように、国、そして小笠原村とも緊密に連携を図りまして、検討を着実に進めてまいります。

○まつば委員 ぜひとも実現をお願いいたします。
 それでは、中小河川の整備について質問をいたします。
 近年、豪雨が激甚化し、毎年のように全国各地で浸水被害が発生をいたしております。このような豪雨に対応するためには、護岸の整備を着実に推進するとともに、一昨年の台風十九号においても、浸水被害の防止に大きな効果を発揮した調節池などの整備を早期に実現することが必要であります。
 そうした中、先月公表いたしました未来の東京戦略案において、新たな中小河川整備の達成度を示す指標として、河川の安全度達成率が示されたわけであります。
 そこで、新たに河川の安全度達成率という指標を導入した目的と今後の目標についてお伺いをいたします。

○中島建設局長 都はこれまで、時間五十ミリの降雨に対応した中小河川の整備状況を示す指標といたしまして、護岸整備率に調節池などの効果を加えた治水安全度達成率を使用してきました。
 新たな指標でございます河川の安全度達成率は、レベルアップした目標整備水準に対応するとともに、河川の能力をわかりやすく示すため、河川断面の流下能力などに着目いたしまして、護岸の整備や河床の掘削、調節池などの効果をより的確に表現できるものとしております。
 今後の目標といたしましては、未来の東京戦略案におきまして、神田川や境川など、対策強化流域における河川の安全度達成率を二〇二〇年度の六二%から二〇三〇年度には七〇%に向上させることを掲げております。
 水害に強い都市東京に向け、護岸や調節池などの整備を推進してまいります。

○まつば委員 次に、具体的な事業について質問いたしたいと思います。
 令和三年度予算案においては、善福寺川上流における調節池整備を事業化する経費が計上されております。
 杉並区を流れる善福寺川では、平成十七年九月四日、集中豪雨において川があふれまして、約一千七百棟の床上、床下浸水という大変甚大な被害が発生したわけであります。
 私も初当選直後でありましたけれども、現場に直行いたしまして、夜でしたけれども、停電をしておりました。
 また、川からあふれた水で、道路が腰まで水につかるほど川のように流れているという状況でありまして、住民の皆様方の避難というようなことも少しお手伝いをさせていただく中でありました。
 その後、お見舞いに歩かせていただきましたけれども、どこにこの怒りをぶつけていいかわからないというような住民の皆様のその思いを全身で受けとめさせていただきながら、水害被害がない、そういう善福寺川、また神田川をつくっていきたいと決意をしたのが平成十七年であります。この十六年間、質問に立つたびにこの水害対策を取り上げてまいりました。
 そこで、善福寺川における調節池等の整備を上流部でも進めるべきと考えますが、見解を求めます。

○中島建設局長 善福寺川におきましては、令和三年度に神通橋、大成橋付近など三カ所で護岸整備を進めますとともに、平成二十八年度から整備を進めてまいりました和田堀公園調節池で取水を開始いたします。
 また、新たに杉並区立関根文化公園や都立善福寺川緑地、青梅街道の地下などを活用した総容量約三十万立方メートルの地下トンネル式の調節池を事業化し、基本設計に着手するとともに、関係機関との協議等を進めてまいります。
 今後とも、善福寺川の安全性の向上を図るため、区と連携し、地元にも丁寧に説明しながら、護岸や調節池の整備を着実に推進してまいります。

○まつば委員 住民の皆様に丁寧にご説明をしていただき、また、ご理解とご協力を得ていただきながら、調節池の整備、護岸整備、進めていただきたいと思っております。
 続いて、調節池などのハード面に加えまして、事前の避難のためのソフト対策も大変重要でございます。
 都では、住民の避難行動につながる河川の画像や水位などの情報について、東京都水防災総合情報システムで公開をしています。令和元年東日本台風の際には、多くの都民がシステムにアクセスをされたと聞いております。
 先日の第一回定例会議で、我が党の一般質問に対し、現在、静止画で公開している河川監視カメラの映像を動画で配信するとの答弁がありました。映像をライブ配信するなど、河川の状況をできるだけわかりやすく伝えることは、速やかな避難行動に向けた判断に大きく寄与するものと考えられます。
 そこで、動画配信の開始時期と取り組み内容について見解を求めます。

○中島建設局長 水害から都民の命を守るためには、迅速な避難行動につながる河川の情報をリアルタイムにわかりやすく提供することが重要でございます。
 このため、河川監視カメラの画像につきまして、これまでの静止画に加え、本年の六月には、動画による配信を開始いたします。配信に当たりましては、より多くの都民が容易に閲覧でき、あわせて、アクセス集中時においても安定的に情報を得ることができるよう、外部の動画共有サイトを活用してまいります。
 これにより、市街地における中小河川の特性でございます豪雨時の急激な水位上昇等の状況を確実かつ速やかに伝えてまいります。

○まつば委員 一般質問の際には、国や区市町村の所管する河川の画像や水位等の情報の共有化につきましても、リンクを活用して提供していくと答弁がありました。
 私の地元杉並区でも、夏ごろまでに区内五カ所の河川監視映像をリアルタイムに配信することを予定していると聞いています。このような情報にも容易にアクセスできるようにすることは、住民の避難判断の材料として大きく寄与するものと考えます。
 そこで、情報共有化に向けた具体的な取り組みについて見解を求めます。

○中島建設局長 住民の迅速な避難行動に向けましては、国や区市町村など関係機関の発信するさまざまな水防災情報についても、容易に取得できることが重要でございます。
 このため、都は、現在進めております水防災総合情報システムのリニューアルにあわせまして、都の観測地点が図示されているページから、関係機関が公開する水防災情報のサイトにワンクリックで直接アクセスできる機能を本年の六月までに追加していきます。
 今後とも、より多くの情報をリアルタイムに提供できるよう、水防災情報のさらなる充実に努めてまいります。

○まつば委員 次に、ラムサール条約湿地登録地の保全や利活用について質問します。
 葛西海浜公園は、世界でもまれな大都市の中にあるラムサール条約湿地であり、東京の豊かさをアピールできる目玉の一つであります。
 このすばらしい葛西海浜公園の価値についてのPRや環境学習などの利活用の重要性を我が党は再三にわたって主張してまいりました。
 そして、ようやくその取り組みの第一歩として、今後の取り組みの指針ともなる葛西海浜公園保全活用計画の検討が進み、現在パブコメ中です。
 そこで、まず、この計画の中で、我が党が主張してきたPRや環境学習がどのように位置づけられようとしているのか、お尋ねをいたします。

○古谷港湾局長 ラムサール条約に基づき策定いたします葛西海浜公園保全活用計画は、この公園が、野鳥等の生息を支える国際的にも重要な湿地となったことを踏まえ、保全と利活用の両立を実現する上で、公園の目指す姿と必要な取り組みを明らかにするものでございます。
 計画案では、湿地を保全することはもとより、この公園が国内外から注目され、多くの人々でにぎわう交流の場となるよう、PRや環境学習等の取り組みを位置づけております。
 具体的には、公園の魅力を発信する映像の配信やイベントの開催など、PRのためのプログラムを充実させ、この貴重な自然環境の周知に努めてまいります。
 加えて、現地にビジターセンターを開設することで、環境学習や研究活動、各種のレクリエーションが活発に行われるよう取り組んでまいります。

○まつば委員 この葛西海浜公園のビジターセンター、この具体的なイメージについて見解を求めます。

○古谷港湾局長 ビジターセンターは、このラムサール条約登録湿地の価値や魅力を多くの人に知っていただくために設置するものであり、誰もが気軽に利用でき、さまざまな活動が可能となる施設として整備してまいります。
 このため、施設の中には、沖合まで一望でき、干潟に飛来する野鳥を間近に観察できる展望室や、ノリづくりなどの里海の文化に関する展示を初め、各種学習会等のスペースを確保することを計画しております。
 こうしたスペースを活用し、公園の持つ豊かな自然環境のみならず、地域の人々による多様な活動を幅広く紹介するとともに、湿地の保全を担う次世代の人材育成や、各種団体等の交流拠点としても活用してまいります。

○まつば委員 この葛西海浜公園に隣接しまして葛西臨海公園が広がっております。ここを一体として、その魅力向上を図っていくことが重要であると考えますが、今後の取り組みについて、知事の見解を求めます。

○小池知事 葛西臨海公園の一帯には、ラムサール条約登録湿地であります葛西海浜公園の干潟、そして百種類以上の野鳥が観察できます鳥類園などの貴重な自然環境が保全、創出されております。
 また、都民がこうした海と陸の自然を身近に感じながら、葛西臨海水族園と相まって多様なレクリエーションを楽しめる場となっております。
 このような特性を生かしまして、より幅広い方々に楽しんで、親しんでいただけますように、葛西臨海公園の魅力や価値をさらに高めていくことが重要でございます。
 このため、公園には、花の名所として、スイセンやヒマワリなど四季折々の花々が楽しめる大規模な花壇を整備いたしておりまして、今後は、水鳥が飛び交う東なぎさを展望できますデッキを設置いたしてまいります。
 また、老朽化に伴って新設する水族園でございますが、人々を引きつける臨場感あふれる展示に刷新をするとともに、既存の施設につきましても、新たな水族園や公園と連携した利活用の検討を行ってまいります。
 こうした取り組みを進めることで、海浜公園、そして水族園とが一体となった地域全体の魅力向上を図りまして、都市と自然が調和する東京の魅力を広く世界に発信してまいります。

○上野副委員長 まつば多美子委員の発言は終わりました。(拍手)
 この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。
   午後六時四十九分休憩