午後一時開議
○木村委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
この際、委員外議員の発言の申し出について申し上げます。
上田令子議員から、会議規則第六十三条の規定により、三月十二日の委員会に出席して発言したい旨の申し出がありました。
本件については、過日の理事会において協議の結果、必要なしとの結論になりました。
お諮りいたします。
本件については、理事会の協議結果のとおりとすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○木村委員長 異議なしと認め、そのようにいたしました。
次に、委員会の要求資料について申し上げます。
先ほど委員会として要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
これより総括質疑を行います。
この際、一言申し上げます。
質疑に当たりましては、さきにご決定をいただいております委員会実施要領等に従いまして運営してまいります。委員の皆様方には、円滑かつ充実した審議が行われますよう、ご協力をお願いいたします。
なお、持ち時間につきましては、電光表示盤に残り時間を表示いたします。さらに、振鈴で五分前に一点、時間満了時に二点を打ち、お知らせいたします。
この際、委員の皆様に申し上げます。
質疑に際しましては、持ち時間の範囲内で答弁まで行えるようご協力をお願いいたします。
次に、理事者に申し上げます。
答弁に際しましては、委員の質疑時間も限られておりますので、短時間で明快に答弁を行い、また、マスクの着脱をされる場合には、速やかに行っていただけますようお願いいたします。
なお、発言の際には、必ず職名を告げ、委員長の許可を得た上で発言されますようお願いいたします。
これより順次発言を許します。
伊藤ゆう副委員長の発言を許します。
○伊藤委員 それでは、都民ファーストの会を代表いたしまして、予算特別委員会において質疑をさせていただきたいと思います。
まず、コロナと新年度予算並びにこれまで一年間の知事の取り組みについて伺いたいと思います。
東京を、世界を一変させた新型コロナウイルスが人類に襲いかかり、東京でも対策が急がれるようになったのが昨年一月末であります。
私たち都民ファーストの会も、昨年一月三十一日に検査体制の強化などを求める要望書を提出したのを初め、昨年二月十日には新型コロナウイルス対策プロジェクトチームを立ち上げ、専門家からの知見を集めて、通算五十一回にわたって知事に要望を重ねてまいりました。
小池知事もまた、戦後最大の有事に直面した首都東京の知事として、経済と人命の両立を図るという重圧の中で、難しい決断を迫られてきたことと思います。この一年間で組まれた補正予算の回数は二十一回、総額二兆九千億円に上るといわれております。
中には、都の貯蓄が底をつく、歴代知事が積んできた財産を使い切っていいのかとの声もありましたが、私たちは、都が緊急事態宣言の必要性を訴え、そして協力金の創設に踏み切り、また医療従事者への支援を断行したことで、国の感染症対策を牽引し、ひいては感染拡大の食いとめに貢献してきたと考えております。
小池知事、この一年間を振り返って、新型コロナウイルス感染症への取り組みについて、まず伺いたいと思います。
○小池知事 伊藤ゆう副委員長のご質問にお答えいたします。
まず、何よりも大切な都民の命を守り抜く、この知事として最も重要な使命を果たすべく、この間、実効性ある手だてを先手を打ちながら実施するために補正予算を編成してまいりました。その額、総額二兆九千億円規模の対策となり、全庁一丸となって取り組んでまいったところでございます。
具体的には、全国に先駆けまして、今ご指摘ありましたように感染拡大防止協力金を創設したほか、検査体制や患者さんの受け入れ体制の強化、現場の最前線に立つ医療従事者を支える取り組みなど、感染の拡大を阻止する対策を切れ目なく実行してまいりました。
また、ひとり親家庭への支援や、中小企業の資金繰り対策などのセーフティーネットの強化、テレワークの促進、感染症防止と経済社会活動の両立を図るという取り組みも積極的に展開をしております。
こうした取り組みに当たりましては、国に対して、私みずから先頭に立ち、都の実態を十分反映した財政措置を行うように強く訴えるなど、財源の確保も図っております。
見えざる敵との闘い、気を緩められる状況にはございません。今が正念場でございます。
引き続き、都民、事業者の皆様のご協力を心からお願いをするとともに、国はもとより、一都三県、そして区市町村との緊密な連携のもと、さらには都議会の皆様のご理解をいただきながら、全力を尽くしてまいります。
○伊藤委員 私どもは、小池知事が積極果敢に予算を投入し、そしてコロナ対策に当たってきたことを評価したいと思います。同時に、今お話のように長引くコロナ禍において、都民、あるいは国民の皆様方、まさに正念場であり、また長く続いたことによって大変疲弊されているところもございます。
そういう意味で、最も今期待を寄せられているのがワクチン、このゲームチェンジャーともなるワクチンであり、そしてまた、重症化も抑える効果が見込まれているワクチンでございます。
きょうはまず、このワクチンについて伺いたいと思います。
一方で、高齢者用として都に届いたのは、実は二万一千人分、箱にして四十四箱ということでありますから、決して多くない量であることがわかります。円滑なワクチン接種に向けて、甚だ心配な数で、都民の不安要因にもなっております。
こちらは、都道府県別の人口に対するワクチンデータでありますけれども(パネルを示す)例えば高齢者という意味でも、そしてまた、累計感染者という意味でも、また死亡者という意味でも大変多い東京都にあって、実は四十四箱、他の県では二十二箱、または四十四箱ということなんですが、やはりこうした高齢者人口との比較の中でいえば、四十三番手の、そういう意味では、高齢者に対するワクチン対象者のパーセンテージ、つまりは高齢者〇・七%にしか行き届かない量しかまだ東京都に来ていないということになります。
これら多くの皆様方が関心を寄せ、また不安に感じていらっしゃるワクチンの準備状況についても伺いたいと思います。
まずその前に、高齢者ワクチンの前に、医療従事者に対して優先的にワクチン接種をしていくということでありますが、まず、医療従事者においては、ワクチン接種、いつ、誰がどのように受けられるのかお伺いをしたいと思います。
○初宿福祉保健局健康危機管理担当局長 医療従事者等に続きますワクチン接種の順位でございますが、重症化のリスクを踏まえ、満六十五歳以上の高齢者、続いて、基礎疾患を有する方や高齢者施設等の従事者、その後、それ以外の十六歳以上の方となってございます。
高齢者向けの接種は四月十二日の週から開始予定でございまして、今後、高齢者を含めた住民向け接種が円滑に進むよう、都は、区市町村、医師会などと先月立ち上げましたワクチンチームで、国から示される供給量等を踏まえまして、区市町村への配分数や配分のスケジュールに関する調整を速やかに行うなど、実施に向けました準備を着実に進めてございます。
○伊藤委員 今もお話にありましたけれども、高齢者に対しても着実に進むように準備を進められるということでありますが、まず、都における医療従事者に対するワクチン接種、こちらも、聞くところ、六十万人の都内医療従事者が十分に今受けられる状況にはないというふうに伺っております。三月上旬までに十万人程度の接種が見込まれているというふうに聞いています。
この医療従事者向けのワクチンも、予定よりも大幅に少ない量にとどまると聞いていますが、六十万人の都内医療従事者は、いつまでに接種を完了できるのでしょうか。今後の医療従事者に対するワクチン接種を着実に進めるべきですが、知事の見解を伺いたいと思います。
○小池知事 お尋ねの医療従事者などへのワクチン接種でございますが、新型コロナウイルス感染症と日夜闘っている医師、そして看護師の皆さんを守る、そして医療提供体制を確保していくため、最優先で行う必要がございます。
都といたしまして、都内約六十万人と推計しております対象者への接種に向けましては、現時点で約六百八十カ所の接種施設を確保しております。そして、実績のある運搬事業者と協同したワクチン搬送の仕組みも整備しております。
また、都独自の予約システムを構築いたしまして、接種を希望する方が円滑に予約できる環境も整えております。
さらに、ワクチンの輸送、そして医療人材の確保などですが、接種に向けた課題を有する島しょ地域におきましても、地元の町村と連携をいたしまして、個別の交通事情を考慮した輸送方法を調整するなど準備を進めております。
都におきましては、医療従事者等への一回目の優先接種を先週開始したところでございますが、ワクチンの供給につきましては、当初のスケジュールから大幅におくれているのが現状であります。
現在、都に割り当てられているワクチンでありますけれども、都内医療従事者の六分の一の約十万人分、そして、全国で一人二回分の接種に必要な数量の出荷が完了するのは五月前半と聞いております。
今後、医療従事者へのワクチン接種が円滑に進められますように、国においては、必要な量のワクチンを速やかに確保するように求めてまいります。
その上で、都は、ワクチンチームを核といたしました関係機関と一丸となって、見えざる敵との闘いに備えてまいります。
○伊藤委員 今、知事の答弁にあったように、全国で一人二回分の接種に必要な数量の出荷が完了するのは五月前半ということでありますので、打つのはもっと後になるということを考えますと、より一層、国には、早期のワクチン確保に取り組んでいただきますように、ここでもお願いを申し上げておきたいと思います。
そして、まず、高齢者よりも医療従事者が先に接種をするわけですけれども、その次に来るのがまさに高齢者接種であります。
高齢者の優先接種については、これは区市町村の業務を東京都がフォローするというたてつけになっていますが、現場では、そもそもいつ届くかは不明、接種するための医療従事者の確保など、いつ行うべきかがわからないなど多くの課題が指摘をされております。
都内の高齢者接種の対象人口は、先ほど申し上げたように約三百十万人でありますが、四月中に届くのは二万人分、先ほども指摘をした〇・七%にしか行き渡らない計算となります。
また、区市町村へのワクチン配分も、感染実態、公正性を踏まえたものにならなければなりません。都が先行して実施する医療従事者対応の過程で得た経験、ノウハウなどを提供するなど、区市町村の業務が円滑に進むように、都としてしっかりと区市町村をサポートする必要があると考えます。
例えば、都が医療従事者用に構築した予約システムを区市町村用にカスタマイズできるよう提供する、医療従事者が足りない地域に調整するなどが考えられます。
区市町村のワクチン接種業務に関し、都としてしっかりサポートすべきと考えますが、知事の見解を伺います。
○小池知事 今般のワクチン接種についてのお尋ねでございます。
これは、国の主導的役割のもとで、都道府県、区市町村が一体となって実施するものであります。そして、関係機関が連携しながら情報を共有した上で、対応していく必要がございます。
都は、ワクチンチームの先日の会議におきまして、区市町村の意見を聞きながら、国から四月中に供給されますワクチンの配分方法などについて決定をいたしました。
今後、本格化する住民の接種に向けまして、引き続き、区市町村と緊密に連携しながらワクチンを適切に配分をするほか、接種会場としての都有施設の活用意向に応えるなど、広域的な立場から、都として区市町村をしっかりとサポートしてまいります。
○伊藤委員 まず、サポートを今お約束いただきましたが、やはり何といっても、国の準備状況がわからなければ、区市町村も、医療現場も、準備のしようがございません。
そこで、知事には改めて、国に対して、ワクチンの確保と、そしてまた、合理的な都への配分を働きかけるようにお願いしたいと思います。知事の見解を伺います。
○小池知事 都はこれまで、全国知事会を通じまして、国にワクチンの供給量を十分確保するように求めてまいりました。
また、昨日の時点、一都三県におきまして、医療従事者等に向けたワクチンの配分について、医療従事者数だけによる割り当てではなく、陽性者数や入院患者数、新型コロナ患者の受け入れ病床の確保数を勘案するように、また、四月からの高齢者への優先接種に際しましても、ワクチンの供給量を十分に確保することなどをまとめまして、国に求めたところであります。
今後とも、ワクチンの供給量や現場の接種体制なども見きわめながら、国に対しまして、ワクチンの十分な確保、そして供給を求めてまいります。
○伊藤委員 ぜひ働きかけを強めていただきますようにお願いを申し上げたいと思います。
私たちの代表質問において、今後、社会経済活動を徐々に再開するに当たり、再びの感染拡大を防ぐためにも、検査体制を再構築すべき点を指摘いたしました。積極的疫学調査も再開されると聞いております。
そして、施設内感染が頻発していることから、高齢者施設の全職員に対して検査を実施し、重症化リスクの高い高齢者の感染拡大防止を図る旨の答弁が得られました。
加えて、高齢者施設以外にも、感染リスクが高い集団、場所というのがございます。そういった場所を中心に、積極的にPCR検査を実施すべきと考えますが、都の見解を伺いたいと思います。
○初宿福祉保健局健康危機管理担当局長 都は、特別養護老人ホームなどの高齢者施設や障害者入所施設での検査を支援するほか、グループホームや通所施設等の検査は区市町村を通じて支援しており、来年度は、訪問看護ステーションや訪問系の介護サービス事業所等の検査につきましても、新たに対象としてまいります。
また、先月二十六日に変更されました国の新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針では、感染拡大の予兆や感染源を早期に探知するため、感染リスクの高い場所を中心に、無症状者に焦点を当てました幅広いPCR検査などを実施することを重要事項の一つとして掲げてございます。
東京iCDCでは、歓楽街などで感染拡大の予兆を早期に探知する方策を検討しており、その議論も踏まえ、検査に関する効果的な対策を検討してまいります。
○伊藤委員 ぜひ検査拡大をお願いしたいと思います。
続いて、変異株について伺いたいと思います。
世界は今、変異株の研究にしのぎを削っているといっても過言ではありません。変異株は、ゲームチェンジャーであるはずのワクチンそのものの有効性を変えてしまうかもしれないという中において、ゲームチェンジャーのゲームチェンジャーになりかねないものであります。
しかし、変異は多様で、その症状も多様化している可能性が十分あります。都でも変異株の実態調査や分析を行っていると聞いていますが、まず、その調査、分析状況を伺いたいと思います。
○初宿福祉保健局健康危機管理担当局長 変異株の感染状況を把握するため、東京iCDCの専門家ボードでは、昨年十二月にゲノム解析検討チームを立ち上げまして、保健所から健康安全研究センターに持ち込まれました新型コロナウイルス感染症の陽性者の検体から変異株の有無を確認いたします変異株スクリーニング検査をいち早く開始いたしました。本年二月からは民間検査機関を活用しましたスクリーニング検査も実施してございまして、現在までに都の実施分と合わせまして二千五百件を超える検体を検査してまいりました。
これまでに国が公表しております都内の変異株の検出例は十四例でございまして、うち海外渡航者やその濃厚接触者など、海外との関連があるものが八例あり、残り六例が海外との関連がない市中感染が疑われるもので、いずれもスクリーニング検査をきっかけとして判明したものでございます。
○伊藤委員 今、都内では十四例ということでありますが、やはり潜在化している可能性も十分にあり、都民の皆さんの不安は絶えません。変異株は正しく恐れるのではなくて、むしろ十分に恐れるべき対象ではないかとさえ思います。
情報誌「選択」三月号に大変まとまった記事が載っていましたので、少し引用しながら質問をさせていただきたいと思います。
この変異株ですけれども、特徴が幾つかあるかと思います。南半球で昨年末からことしにかけて、つまりは南半球における夏場に大流行をしているというのがまず一点あろうかと思います。
ブラジルは、ことし一月、つまり真夏のピーク時の感染者数が、昨年七月、昨年七月ですからブラジルの真冬と同じレベルに達しております。急速にこの変異株が広がり、既に五万人の死者を出している南アフリカでは、ジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンの予防効果が五七%にとどまっていると、ジョンソン・エンド・ジョンソン社が公表をしております。
アメリカでは、この同社のワクチンの予防効果は七二%あったそうです。つまり変異株が広がっている南アフリカにおいて、その変異株の影響で効果が薄まっているのではないかといわれています。
南アフリカ政府のムキゼ保健大臣は、ことし二月七日、南アフリカが採用していた、こちらは、南アフリカが採用していたのはアストラゼネカのワクチンの臨床試験の結果を再解析したところ、変異株に対する効果はわずかに二二%だったと発表したそうです。南アフリカ政府は、早速アストラゼネカ製からジョンソン・エンド・ジョンソン社に切りかえを図っています。
ファイザーも、変異株に対して感染予防効果はあるとしながらも、変異株に対応できるようにワクチンを改変する方針を既に表明しています。
イギリスで最初に変異株が見つかったのは、何もイギリスで変異株がたくさん発生をしたという理由にとどまらず、十五万サンプルをイギリスでは既にゲノムシークエンスにかけていたということであります。ゲノムシークエンスというのは、変異株かどうかを確認する遺伝子情報解析ということであります。十五万サンプル。
国は地方の衛生研究所などを中心にこの解析を行うとしてきましたが、今後は地方の衛生研究所である東京都の健康安全研究センターによる調査だけではなくて、知見を有する大学や民間検査機関との連携を進めて実態を明らかにしていくべきと考えますが、所見を伺いたいと思います。
○初宿福祉保健局健康危機管理担当局長 変異株の市中での感染拡大を防いでいく上で、発生状況を広範かつ的確に把握することは重要でございまして、そのために大学や民間の検査機関と連携していくことは効果的でございます。
都は保健所に対し、健康安全研究センターでの変異株スクリーニング検査のための検体搬入に引き続き協力を求めることに加えまして、変異株スクリーニング検査を実施していない民間検査機関に働きかけて、四月までに累計四千件を目指して規模を拡大し、変異株の監視体制のさらなる強化を図ってまいります。
また、大学や研究機関等との連携により変異株の実態把握を進め、その結果について積極的に情報発信をしてまいります。
○伊藤委員 今、四千件を目指していくという、そういうご答弁がございました。本来は、もちろん国全体でこれ取り組んで解析を進めていくべきものとは思いますけれども、ぜひ東京の総力を挙げて、四千といわずに、さらに多くの検体を集めていただきたいというふうに思います。
なお、バイデン政権は、二月十七日に変異株の検査体制強化として、頭金二億ドル、約二百十億円相当を投じると決定し、シークエンス能力を現在の週七千件から二万五千件に強化するというふうに表明をしています。
改めて、この変異株対策については、東京都の総力を挙げてシークエンス機能の強化に取り組むべきと考えますが、知事の見解を伺いたいと思います。
○小池知事 お尋ねの変異株につきましてのご質問でございます。
都民や事業者の皆様のご協力のおかげで、新規陽性者数、ここのところ減少傾向にはありますけれども、従来のウイルスよりも感染力が強いとされます変異株によって、状況は一変するということが懸念されております。
これまでのところ、都内で変異株が広がっているということは確認はされておりませんが、他県ではクラスターが発生している例もございます。今後、変異株によって感染が急速に拡大するおそれもございます。
感染の再拡大を防ぐ、そのためにはこの変異株による感染をいち早く探知をしまして、徹底して抑え込む必要がございます。
このため、健康安全研究センターに加えまして、民間の検査機関も活用し、スクリーニング検査を拡充することで監視体制を強化、感染の抑え込みに全力で取り組んでまいります。
○伊藤委員 全力でよろしくお願いしたいと思います。
これらワクチン接種を初め、コロナ対策においては、何といっても医療従事者や、また保健所で働いてくださる人材あってのことでございます。
そこで人材確保の観点からも、私たち都民ファーストの会は、この議会において東京都のコロナ条例を修正する形で議員提案条例を提出しております。
ポイントは三つです。一つは差別の禁止、二つ目は自宅、宿泊療養者への支援とともに、三つ目、保健所の機能強化を盛り込みました。
これまでに都は、区市が設置する保健所に対しても、延べ四百七十八名に上る都庁職員を派遣し、区市の支援に当たってきましたが、保健所は急増する感染者の対応に追われておりました。
そこで、私たちは保健所に伺い、要望事項を聞いて回りました。するとその一つに、公衆衛生医師の不足が深刻であるということが判明をいたしました。
公衆衛生医師とは、医師の資格を持った上で、保健所の所長や区の感染症対策課長などを務める方々で、いわば感染症対策の現場の指揮官でございます。
現場からは、職員派遣はありがたいが、一方で、兵士は派遣されるが、指揮官が不在のような状況では闘い切れないという嘆きの声が聞かれました。
病院勤務の臨床医などと比べても公衆衛生医師の給料が低いということも、公衆衛生医師の確保困難の要因になっていると伺います。
現在、まず都内の公衆衛生医師の定員は何人で、そのうち何名に欠員が生じているのか。また、欠員の根本的な原因、要因はどこにあると考えるのか伺いたいと思います。
○吉村福祉保健局長 都内の公衆衛生医師配置数は、本年三月一日現在、都の定数に特別区、八王子市及び町田市の配置希望数を合わせた百七十三名に対し、五十二名少ない百二十一名となっております。
公衆衛生医師の確保に向けては、平成二十八年度に給与の改善を行っており、その後の採用人数は増加傾向にございます。
公衆衛生医師の不足は全国的な課題であり、原因といたしましては、医師全体のうち行政機関に勤務する者が一%にも満たないなど極端に少なく、医師の勤務先として意識されづらいこと、国の制度改正で平成二十二年度から臨床研修医の保健所実習が必修でなくなり、公衆衛生分野の職務の認知度が低下していることなどが考えられております。
○伊藤委員 五十二名少ないということがわかりました。今、保健所の業務が逼迫をする中で、この五十二名、本当に貴重な本来戦力であったはずであります。
そういう意味で、ぜひ都にはこの改善を支援していただきたいと思います。
公衆衛生医師の確保には待遇の改善が有効であることも今わかりました。区市の保健所が感染症対策に的確に対応できるように、改めて都として公衆衛生医師の確保のために積極的に取り組んでいくべきと考えますが、所見を伺いたいと思います。
○吉村福祉保健局長 都は、医学生などに公衆衛生分野の職務を理解する機会を提供するため、大学での公衆衛生医師による講義、保健所での現場実習の受け入れや業務説明会を実施するとともに、国に対し、医師養成等において、保健所での研修を改めて必修にすることなどを提案要求しております。
また、医師求人情報サイト等への採用案内、業務紹介動画の掲載や、研修医を対象とした病院説明会への出展など、さまざまな手段によるPRも行っております。
今回のような健康危機に保健所が迅速かつ機動的に対応していくためには、公衆衛生医師の安定的な確保は必要不可欠でございまして、引き続きこうした取り組みにより、その確保に努めるとともに、来年度実施予定の医学生等に対する意識調査の結果も踏まえまして、今後関係機関と連携して、効果的な対策を検討してまいります。
○伊藤委員 今回の指摘をもとに、来年度、医学生に対する意識調査を行うということもあり、この調査結果の中で、やはり待遇面など、お給料がやっぱり大きいんだということがあれば、ぜひそこは東京都としてサポートしていただきたいというふうに思います。
さて、都立、公社病院のあり方についても伺いたいと思います。
感染力の強いウイルスの治療に当たる病院運営の難しさをこの新型コロナウイルスは浮き彫りにいたしました。当初、都立病院においても、コロナ入院患者と一般病棟双方の患者が、例えば使用できるトイレが一つであったというようなことがあったため、コロナ患者は病室内で災害用トイレを使って、そのし尿の処理を余儀なくされるなど、その困難さは病院、患者双方にありました。
そこで、都は、都立広尾病院など三病院をコロナ患者を積極的に受け入れる重点病院化し、コロナ治療に専念できる体制整備を行いました。
また、府中では新たに新型コロナ専門医療施設が開設をされ、百床のベッドを用意しております。これらの大工事によって、多くの命が救われていることと思います。
一方で、都内の病院の多くは、この二十年間で急性期治療というよりも、回復期、慢性期治療といった高齢者向けの治療に経営を転換していった結果、コロナ患者を受け入れることができない病院がふえてきたともいわれています。
今後、コロナに限らず、災害などにより、突発的に急性期医療を必要とする患者が発生した場合に、都内で受け入れることができる病院がどれほどあるのか、都民は不安を覚えています。
今回の件を機に、コロナ患者を積極的に受け入れる重点病院となった都立、公社病院や新型コロナ専門医療施設の一部を新たな感染症や災害時の急性期医療に備えた施設として、コロナ終息後も確保すべきと考えますが、所見を伺います。
○小池知事 新型コロナウイルス感染症との闘いにおきましては、あらゆる事態を想定して万全の医療体制を確保、そしてこの難局を乗り越えていかなければならない、この認識を有しております。
都は、新型コロナウイルスの感染拡大で重症者用病床が逼迫しないように、中等症以下の患者を速やかに受け入れていく。そのため、旧都立府中療育センター施設を活用いたしまして、専用医療施設を昨年十二月に設置をいたしました。
また、入院が必要な患者を一人でも多く受け入れられるようにと、広尾、荏原、豊島の三病院につきましては、行政的医療や地域医療の休止、また縮小によって実質的な専門病院として、ことしの二月一日には、十四の病院、合計で千七百床を確保することで体制の強化を図ったところでございます。
コロナとの闘いはまだまだ続いております。これに打ちかった後において、今回講じた対策やノウハウを今後の危機管理等に十分生かせるように、医師会、区市町村などの関係機関と連携しながら検討してまいりたい、このように考えております。
○伊藤委員 今、医師会などと連携しながら、そのあり方については検討されるということですので、ぜひ一部でもそうした急性期医療のために確保していただきますようにお願いを申し上げたいと思います。
後遺症対策についても伺います。
深刻なコロナの後遺症が今報道でも多く見受けられますし、実際に多くのコロナ患者の方々が後遺症に苦しんでおられます。中には、例えばお料理をされることを職業とされている方もいらっしゃいますし、においを扱う職業の方もいらっしゃいます。
こうした方々は罹患した後、二週間程度で治るとネットなどでは書かれていますけれども、治らない、一カ月たっても治らない。不安になって、そして、それがまた、例えば精神的な鬱の症状につながってしまうというようなことも報告されております。
そういう意味では、私たち五感がありますけれども、このにおいとか味覚を失うということの恐怖というのは甚だしいものであろうというふうに想像をいたしますし、治療法が確立していないということがさらに不安を助長しているところがございます。
そういう意味で、ネットを見ましても、さまざまな情報が飛び交い、さまざまなクリニックがある中で、やはり東京都として、このコロナの後遺症の症状を持つ方々に対してしっかり対応できる窓口をつくるべきではないかというふうに考えます。
今、都立病院の中には、パネルのように患者支援センターというものがあって、さまざまな症状に対して、そのご案内をする窓口が設置をされています。
そこで、都はコロナ後遺症に苦しむ方々に対する相談窓口を設置するなど、コロナ後遺症に適切に対応すべきと考えますが、知事の所見を伺います。
○小池知事 今ご指摘ございましたように、この新型コロナウイルス感染症の後遺症の実態は、現段階では明確になっておらず、また確立された治療法もないということでございます。
東京iCDCの専門家ボードにおきまして、後遺症の現状を把握するために、新型コロナから回復をして退院された方々を対象にした調査を行っております。この調査におきましては、七割以上の方が呼吸困難、倦怠感といった何らかの後遺症をお持ちになっていることがわかりました。
今月からは、医療機関と連携しまして、集中力の低下、そしてせき、たんなどの症状の有無、そして症状が継続している期間などにつきまして詳細なオンライン調査を実施いたします。
私自身も、これまで新型コロナ感染症にかかった経験のある若い方から、治療終了後も後遺症に苦しんだんだという、そのような話を直接伺っております。今、動画にもその点、上がっております。
今月を目途といたしまして、新たに新型コロナ感染症への対応を行っている都立、公社病院の患者支援センターに、今出ておりますけれども、コロナ後遺症相談窓口などを設置いたしまして、息苦しさや呼吸機能を初め味覚や嗅覚の障害などの症状への相談に応じるとともに、知見を蓄積してまいります。
こうした取り組みによって後遺症の実態把握を進めまして、その結果なども踏まえ、後遺症に悩む方への対応策を検討してまいります。
○伊藤委員 大変前向きな答弁をありがとうございました。後遺症に悩む方々にとっては、一つの安心材料になると思いますし、また知見がここに蓄積されることによって、傾向など把握をし、適切な患者さんへの指導を行うことができるものと期待をしているところでございます。
コロナ禍で一躍注目を集めたのが、今度は飲食業界の一助となりました宅配、デリバリーサービスでございます。
都民ファーストの会はいち早くこの宅配、デリバリー導入支援を都に求め、事業化した結果、多くの飲食店事業者から宅配事業者を使うきっかけとなったなどの声をいただきました。
一方で、目立つようになりましたのが、自転車などで危険走行を伴う一部の配達員であります。特にウーバーイーツなどは配達員と雇用契約を交わしているわけではないなど、事故発生時の責任の所在が社会問題化しております。
都からは、これまでに宅配事業者に対してこのように講習を行うなど、安全な宅配を促す努力を続けているというふうに聞いております。(パネルを示す)しかし、車に接触しそうになった、あるいは信号無視を平気でしていたなど、冷やっとする場面が都内にはあふれています。
問題は、危険走行を見つけても、車などと違ってナンバーがないため、通報もできないというようなことであります。
そこで、宅配員に安全な宅配を促すためにも、ナンバーのない車両などでの宅配の際には、例えば配達バッグなどにナンバープレートにかわるナンバーをつけるように促すべきと考えますが、所見を伺いたいと思います。
○國枝都民安全推進本部長 自転車利用の各種デリバリーの増加に伴いまして、一部の配達員による交通ルールを無視した走行が社会問題化しており、危険な走行を行った配達員を特定し指導することは、都民の安全を守ることにつながると思料されます。
そのため、配達バッグへの番号表示など識別性を向上させる取り組みは、配達員の安全意識の向上や、危険走行への早急な対応に有効な一つの手段であると認識しております。
都では、デリバリー事業者各社に対して、安全教育の徹底や相談窓口の充実など、実効性ある対策の実施を促すとともに、配達員の識別性の向上についても働きかけてまいりました。
さらに、今後は個別事業者のみならず、事業者が設立した団体とも協議の場を設定し、配達バッグへの番号表示など識別性の向上について具体的な提案を行うなど、事業者による対策の強化を促し、都民の安全を確保してまいりたいと考えております。
○伊藤委員 いわばナンバーを背中につけていただくというような取り組みを事業者に促すということでありますので、それによって都民の安全がさらに確保されるよう、お願いを申し上げたいと思います。
さて、このコロナ禍においては、多くの財政出動回数がございました。戦後最大の財政出動を決断したコロナ禍の都財政運営は、決して余裕のあるものではありません。
そこで、私たち都民ファーストの会は、昨年九月の代表質問にて増子ひろき幹事長から次のように指摘をさせていただきました。
東京都のいわゆる外郭団体ですが、政策連携団体など外郭団体の中には、都が出捐、これは出資という意味ですけれども、都が出している資金が積み上がっているものもあります、都庁での取り組みに加えて、都財政の状況を踏まえ、これらの出捐金のうち、返還できるものは返還を求めていくべきと指摘いたしておきますと、このように申し上げました。
この指摘を受けて、都は、外郭団体に対し、返還可能な資金がないか働きかけを行い、このほど成果を上げたと聞いております。具体的な状況を産業労働局、また、環境局それぞれに伺いたいと思います。
○村松産業労働局長 産業労働局では、政策連携団体が複数年度にわたって事業を実施できるよう、必要な資金を出捐金として拠出しております。出捐金の返還については、これまで、事業終了の翌年度、残額の確定後に一括して行ってきたところでございます。
来年度は、財源の有効活用の観点から、団体とも積極的に調整を図り、事業期間の終了前であってもコロナ禍に伴う社会情勢の変化等を踏まえて事業計画を見直し、後年度の所要額を改めて精査することで、残余が見込める部分につきまして返還を行うことといたしました。
また、来年度末に終期を迎える事業につきましても、年度内に概算で残額を算出し、前倒しで返還いたします。
こうした対応等によりまして、令和三年度歳入予算に出捐金返還収入として約七十七億円を計上いたしました。
○伊藤委員 環境局にお願いいたします。
○栗岡環境局長 環境局におきましても、政策連携団体が複数年度にわたって事業を実施できるよう、必要な資金を出捐金として拠出し、その返還については、残額の確定後に一括して行ってまいりました。
令和三年度におきましては、コロナ禍に伴う社会情勢の変化等も踏まえまして、財源の有効活用の観点から団体と積極的に調整を図り、当年度に終期が到来する事業について、残額の確定を待たずに交付決定額等をもとに見込まれる不用額を十分精査し、前倒しして返還することといたしました。
こうした対応などによりまして、出捐金返還収入として約八十八億円を令和三年度歳入予算に計上してございます。
○伊藤委員 今、両局にご答弁をいただきました。
全体として百五十億円を超える百六十五億円程度にもなる外郭団体からの返還金は、都と各団体が連携して捻出した貴重な財源です。都財政の厳しい状況を踏まえれば、団体も含めたオール都庁でのこうした一つ一つの歳入確保が大変重要だと考えます。
これらの返還に対し、都としてどのように受けとめ、活用を図っていくのか伺います。
○潮田財務局長 都税収入の減少に直面する中にありましても、都に課せられた使命を着実に果たしていくためには、施策展開を支える財源の確保が不可欠であり、歳出の精査はもとより、歳入確保にも積極的に取り組むことが重要でございます。
そのため、令和三年度予算編成では、事業評価の取り組みの強化などに加えまして、政策連携団体に対する出捐金の早期返還にも取り組んでまいりました。
具体的には、事業の原資として都が過年度に支出した出捐金について、各局と団体とで積極的に調整を図りまして、現時点で残余として見込める部分を精査することにより、前倒しでの返還を実現いたしました。
こうした前倒し分も含めまして、令和三年度当初予算には、政策連携団体に拠出していた資金の返還金として百六十五億円を計上しており、コロナで影響を受けた都民のための施策などの貴重な財源として適切に活用してまいります。
○伊藤委員 次に、コロナ禍の影響で危機に瀕した事業者にとっての制度融資について伺いたいと思います。
私が確認したところ、この新型コロナ対応融資、制度融資は昨年の四月から十二月までの貸付件数が約十八万件にも上り、その額は五兆円に迫ろうという額であるということであります。これまでの制度融資の貸付額に比べても四倍にも上っているということでございました。
さらに伺っていきますと、この制度融資の借り方ですけれども、融資のメニューとして、しばらくその元本を返さなくても結構ですよ、二年後でも三年後でも結構ですという借り方があるということもわかりましたが、昨年借りた多くの事業者の方々が、すぐに元本の返済に入ります、あるいは来年から入りますという方々が大半でありました。
しかしながら、これだけコロナ禍が長引くと思っていなくて、そういう借り方をしたという事業者も決して少なくないと思います。
そういう意味では、事業者を救うという目的においても、この借りかえ、例えばあしたから、あるいは来月から返済しなければいけない事業者に対して、来年からでも結構ですよ、再来年からでも結構ですよということを働きかけて、事業者の資金繰りを楽にしてあげる、そういう方策が必要ではないかと思います。
そういう意味で、この借りかえなど返済を猶予できる道をつくり、事業者の皆さんに都として、こうした借りかえの道をお伝えすべきと考えますが、所見を伺いたいと思います。
○村松産業労働局長 事業者にとって、これまでに受けた融資の借りかえを行うことができれば、元本の返済を要しない据置期間が改めて設定されるため、実質的に返済猶予の効果が得られることとなります。
このため、昨年三月に新型コロナ対応融資を開始して以降、既存の融資からの借りかえを融資メニューの一つとしてまいりました。
さらに、先月からは、コロナ対応融資そのものの借りかえも可能としているところでございます。
今後とも金融機関や業界団体とも連携しながら、この制度の周知を図るとともに、SNSによる発信や、区市町村を通じたPRの強化により、一層の活用を促進してまいります。
○伊藤委員 ぜひ、苦しむ事業者に借りかえやすいようなお声がけ、働きかけをお願いしたいと思います。
さて、この感染症、多くの日本の課題、あるいは東京と国のかかわり方の課題も浮き彫りにしました。知事はよく、備えよ常にと口にされておられます。新型コロナウイルスについては、医療、補償、あるいはまた検査体制の課題のみならず、まさに法的な不備も浮き彫りにしたのではないでしょうか。
例えば、昨年四月の緊急事態宣言のときであります。小池知事は、特措法に基づき、休業要請をかける対象事業者の検討を行い、速やかに公表しようとしていました。そのさなかに、国から待ったがかかり、どこにどのような休業を要請するかは国と協議を行うようにと基本的対処方針が改定されたわけであります。
国とよく調整を図りながら有事対応するのは、当然のことであります。しかしながら、法律が知事の権限と定めていることに対して、特措法に規定される基本的対処方針により、知事の権限を不明瞭にするということは、政策決定者が結局は誰だかわからなくなる、不特定にすることであり、責任の所在も不明瞭になると考えます。
私たちは、現場を預かる知事の権限を明確にすべきとの意図を込めて、都民ファーストの会、新型コロナ条例案を当初策定し、世に訴えかけてきたことはご承知のとおりでございます。
このコロナ対策に際し、小池知事がこの一年間で感じた国と地方の権限のあり方について伺いたいと思います。
○小池知事 ご指摘のように、昨年一月、都内で初めて新規陽性者が確認されましてからというもの、この一年間、新型コロナウイルス感染症の早期終息を目指して全力で取り組んでまいったところであります。そして、その感染症の対策を進めるに当たっては、国と地方の役割分担は重要であります。そして、これまでも、西村大臣を初め、この件について、国とは緊密に連携を図ってきたところであります。
感染症対策ですが、都民、国民の暮らし、そして、命を守るということにおいて、都政の最重要課題であります。そして、その対策は機を逸することなく的確に実行することが何よりも必要でございます。
そこで、このため−−それぞれ役割を整理していきますと、国は、国全体の動向を見定めて方針を決定する。都道府県は、地域の実情に応じた対策を責任を持って実行する。そして、対策に必要な財源については、国がしっかりと支援をする。この国と地方の役割分担が改めて重要であると、このように考えております。
今後とも、国との適切な役割分担を踏まえまして、一都三県でも連携をしまして、あらゆる手段を講じて感染拡大、これを何としてでも食いとめていくということであります。
○伊藤委員 連携するところはしっかり連携をしていただき、また権限、そして責任を明確化するところはしっかり明確化できるように、国にも働きかけていただきたいと思います。
さて、今まで補正予算のことについても触れてきましたが、まさに今提出されている予算案についても伺いたいと思います。
この間、私どもは、東京都医師会の尾崎会長のもとを訪れ、このコロナ対策についての意見交換などもさせていただきました。その際に、医師会の尾崎会長は、有事の際に、迅速に法律を変えられるのは政治家なんです、政治家は真価が問われている、コロナがおさまっても十年後に新しい感染症が来るかもしれない、特に都会型の感染症ですから、都議会の政治家の役割が非常に重要、こういうときに働いてほしい、このように述べられておりました。
都民の多くも、有事においては都議会の垣根を超えて、一致協力して、国に先駆けた有事対応をしてほしいと願っているはずであります。
私たち都民ファーストの会には、心がけてきたことがあります。それは、批判ではなくて提言を、理念よりも具体策を、口よりも手を動かして、時には都民ファースト版ニューディール政策やロードマップを知事に手渡し、必要があれば議員提案条例を練り上げ、コロナ対策にも当たってまいりました。
今回の予算案には、私たちの提言を多く盛り込んでいただきました。私たち四十六名の議員一人一人の目、耳、足が、まちの声を確実に小池知事に届けていると信じております。
そこで、本予算案を通じて実現したい東京の絵姿について伺いたいと思います。
○小池知事 誰もが希望と活力を持って安心して生活をする、そして、日本の成長のエンジンとして、世界の中でも輝き続けるサステーナブル、持続可能な首都東京、これをつくり上げていくこと、このことを私は知事就任時に申し上げたところであります。
今、我が国は、まさにコロナ禍に直面をしているわけでございまして、この闘いを乗り越えて、早期に終息させる、そのことが何よりも重要であることはいうまでもありません。
その上で、傷ついた経済を再び成長軌道に乗せる、そして、さらなる高みへと導いていかなければなりません。
そのために、東京が国際舞台で再び飛躍する未来の姿を見据えまして、サステーナブルリカバリー、この理念を実現すべく、このたびの令和三年度の予算案を編成いたしたところでございます。
そして、具体的に申し上げますと、まず、コロナ禍を乗り越える。そのために、医療提供体制、そして、セーフティーネットを強化する。実効性の高い対策を迅速に実施をしていく。感染症に強い東京の実現に向けて、対策の中核となります東京iCDCの情報基盤を強化する。
また、都民ファーストの会派からご提案を、計五十二回だったと思いますけれども、受けております。そして、それらをベースにもしながらも、東京版ニューディールを展開して、二万人を超える雇用を創出、そして、東京都出産応援事業や高齢者のデジタルデバイド対策など、人に焦点を当てました施策に力を入れてまいります。
加えまして、安全・安心な東京二〇二〇大会の開催に向けて万全の準備を進めていくというものであります。
さらには、グリーンファイナンス市場の拡大に向けましたESG投資の推進など、国際金融都市の実現に向けました取り組みを加速するとともに、行政のデジタル化を初めとする東京の構造改革を積極的に展開をしてまいります。
こうした来年度の予算に掲げました施策を着実に実行していく、そのことが成長への導きとなり、未来の東京戦略で描きました東京の将来像を実現させていくことになる、このように考えております。
○伊藤委員 少し古い話ですけれども、大震災の復興に当たった、内務大臣となった後藤新平氏が、次のように当時述べております。
帝都の災厄は空前の惨禍なり、しかもこれを従前の状態に復旧することをもって満足するがごときは、時代の要求に適せざるにとどまらず、後世の子孫に再び同一の惨禍に遭遇させる危険がないとはいえない、今にして、断行せずして、こそくなる復旧は、一見、財を要すること少なきに似ているも、将来において実は多額の浪費と化すこと必然、帝都は単なる地方都市にあらずして、国家の中心なりと、このように述べております。
後藤新平大臣は、一に救護、二に復旧、三に復興を唱えました。
時に都の貯金を使い切ったとの批判はあろうかと思います。思いますが、都議会第一会派として、都民ファーストの会は、国家の中心たる首都東京の復旧ではなくて、ここはもう復興を目指して、小池都政を支えていく覚悟であります。
後藤新平の志に照らして、知事の思うところを伺いたいと思います。
○小池知事 今、引用をされました後藤新平氏でありますが、私は、知事に就任してから、この後藤新平氏の示唆に富む思想にたびたび言及もしてまいりました。誰もが希望と活力を持って安心して生活できる持続可能な東京をつくり上げるべく、この後藤新平氏の言葉、また実績を参考にしながら、都政運営に邁進をしてきたところでございます。
例えば、社会活動の中心たる重要物は三つあると、このように後藤新平氏は述べて、一にいわく人、二にいわく人、三にいわく人、このように述べた後藤と、その思いは同じでございます。
私もこの間、何度も申し上げておりますけれども、人に焦点を当てまして、常に都民ファーストの姿勢で、人が輝き、活気あふれる東京の実現に向けました多彩な施策を進めてきたところであります。
また、大風呂敷といわれながらも、後藤がすぐれた先見性を持って手がけた震災からの復興事業、これは東日本の大震災のときにもいち早く、この後藤新平のこれまでの実績ということに着目されたのを思い出すところでございますし、この震災からの復興事業は、従前への復旧ではなく、幅広の幹線道路、行幸通りなどそうですね、近代的な橋梁、橋、数々の公園など、現在の東京の骨格を形成するものでありました。
これらは、震災への備えの強化や、来るべき自動車時代への対応など、首都東京の都市力を大きく高めることになったわけであります。
そして、今、私が目指しておりますのは、コロナ禍からただもとに戻ればいいというものではありません。未来を俯瞰して、持続可能な回復を実現する、サステーナブルリカバリー、これによって、誰もがいつまでも安心して幸せに暮らすことのできる都市へと進化していくことであります。
まさに後藤新平がいうところの復興事業と理念を同じくするものだと、このように考えております。
今後とも、先々を見据えた大胆な発想、そして、実行力を兼ね備えた後藤の精神を受け継ぎながら、首都東京の知事といたしまして、東京大改革の旗のもとで、東京、ひいては日本の持続可能な発展につながる未来への行動を加速してまいりたいと考えております。
○伊藤委員 今、後藤新平氏の言葉を引き合いに人に焦点を当てるという話がありました。
特に、重要な子育てについて伺いたいと思います。
子は社会の宝と知事も表明をされております。一方で、コロナ禍の影響ははかり知れず、産み控えという言葉まであらわれるほど、妊娠、出産への不安感、警戒心が広がったことは否めません。
そこで、私たちは、早くから女性活躍推進本部を立ち上げ、子育てに悩む親の声をたびたび都に提言してまいりました。その中で、出産時の負担が大きいという声がありました。そこで、都民ファーストの会は、昨年十二月、予算要望の最重点項目に、出産に対する十万円規模の経済的支援を置き、小池知事に強く要望を申し上げたところです。結果、要望は実現することとなりました。
都は、本年一月一日以降に出産した子供を持つ家庭に、子供一人当たり十万円分の子育てサービスや育児用品などを提供し、経済的負担軽減を図る東京都出産応援事業を実施することといたしました。こうした支援は、妊娠、出産を控えた親にとって一助になるものと考えます。知事の所見を伺いたいと思います。
○小池知事 私は、この東京を子供の笑顔と子供を産み育てたい人であふれるまちとしていきたい、このようにずっと考えてまいりました。そうした思いも込めまして先月公表いたしましたのが未来の東京戦略でございます。
その中で、合計特殊出生率二・〇七を二〇四〇年代に目指す姿として掲げまして、子供や子育て世帯に焦点を当てた戦略を最優先課題と位置づけたところでございます。
お話の、昨年の質疑も踏まえて立ち上げましたこども未来会議でございますが、子供が笑顔で子育てが楽しいと思える社会の実現に向けまして、幅広い視点で議論を進めており、今後、さまざまなプロジェクトを推進してまいります。
コロナ禍という未曽有の危機の中であります。その中で、子供を産み育てることに対する不安は高まっており、経済的な面も含めまして、子供を持ちたいという思いを諦めざるを得ないと考えているとも聞いております。
こうした状況から、都として、出産、そして育児に臨む方々への経済的な支援、応援を行うとともに、社会全体で皆様を応援しているというメッセージを届けることが必要と考えたところであります。
そして、御会派のご要望も受けて、プロジェクトの最重要施策の一つとして、来年度、新たに東京都出産応援事業を開始することといたしました。速やかに事業を開始するために、現在、子育て支援サービス、そして育児用品などの提供を担う事業者の選定などを進めているところでございます。
コロナ禍におきましても、安心して子供を産み育てられますよう、出産、育児に臨む方々の気持ちに寄り添って進めてまいります。
○伊藤委員 今答弁をいただいた支援事業も、これから期待をしておりますが、その事業も含めて、一つ明らかになったのは、例えば、紙あるいは現金など、紙を伴う支援というのは、やはり行政的に広域的な東京都の大きな行政という意味では、時間がかかるということでございます。
今回も、給付金あるいは協力金、さまざまございましたが、やはり手に届くところまでに時間が非常にかかってしまうという点が課題として挙げられるかと思います。
もしこれがデジタルであれば、多くのことが瞬時に解決できるのではないでしょうか。あるいは、本人特定されている口座がデジタルでひもづいていれば、所得や世帯状況に応じた給付を瞬時に行うこともできると考えます。
一足飛びにそこまでとはいいませんが、テレビがあるからできることと同様に、スマホがあるからできることを、私たちは、子供から高齢者まで、世代を問わず広める必要があると考えます。
そこで、仮定の話で大変恐縮ですが、もしもデジタルの力で協力金や支援金などを支給できる環境が整っていたならば、支援までにかかる時間とコストは大幅に減らせると考えていいのでしょうか。その場合に必要となる社会のデジタル環境についても宮坂副知事に伺いたいと思います。
○宮坂副知事 協力金や支援金を初めとした給付手続のデジタル化を進めることにより、手続にかかわる時間的、地理的制約や添付書類の提出コストが大幅に削減され、また、行政の処理の簡素化や迅速化がなされるなど、都民、企業の利便性を飛躍的に向上させることができると考えています。
一方、今般の新型コロナウイルスの対応では、デジタル化に向けて、主に二つの課題が顕在化しました。
一つ目は、マイナンバーや法人番号といった全国共通のIDを軸とした、データ、システム連携基盤整備の必要性であり、今後、クラウドサービスを初めとした民間との連携も行っていかなければなりません。
二つ目の課題は、スマートフォンなどのデジタル機器を使いこなすことにより、誰もがデジタルの利便性を享受できる社会を実現していかなければならないということでございます。
○伊藤委員 今の宮坂副知事の答弁のとおり、デジタルの力を遺憾なく発揮するには、子供から高齢者まで、誰もがスマホなどのデジタル環境を備え、なれていることが必要です。特に高齢者の中には、パソコン、スマホは苦手という方が少なくなく、さわったこともないという方もいる一方で、コロナ禍でもスマホで友達とつながれたなど、コロナ禍で始めたスマホの利便性を実感する高齢者もいらっしゃいました。
そこで、生活文化局は、町会、自治会の取り組みを支える地域の底力事業に新たにデジタル応援事業を加え、町会、自治会を通じてのスマホ教室などへ積極的に支援することといたしました。この取り組みの狙いと達成目標を知事に伺います。
○小池知事 コロナ禍によって、人と人とをつなぐ役割を果たしておられる町会、そしてまた自治会の活動が制約を受けております。こういう中で、町会などにおいて、新たなコミュニケーションツールとしてデジタルが活用され始めております。
私も先日、東京都の町会連合会のオンライン会議、オンライン会議ですよ、それに参加しました。そして、地域の会長の方々とモニター越しで会話したんです。感動しました、正直。そして、こうした取り組みが多くの町会などに広がることで、地域コミュニティの活性化につながるのではないかと、その可能性を実感させていただいたところなんです。
地域活動におけるデジタル化の進展というご質問でございますが、自宅での会議の参加による新たな交流が促進をされたり、また、電子回覧板を活用した情報共有であるとか、災害時の安否確認など、多くの効果も期待できます。
このため、来年度から、地域の底力発展事業助成に、新たにデジタル活用支援事業を設けております。多くの町会、自治会の皆様方に積極的に利用していただけますように、デジタルツールを使用した事例を紹介したり、スマホ教室の講師の依頼先などを情報提供するなど支援をしてまいります。
今後、多くの町会、自治会にデジタルの利便性を実感していただいて、コロナ禍を乗り越えたその先に、リアルとデジタル双方のコミュニティが広がる社会を目指してまいります。
○伊藤委員 今、知事が感動したといわれていましたけれども、その感動がまた横に広がって、多くの方々が実感をして、デジタルに触れる機会が広がることを期待したいと思います。
都は、生活応援商品券を発行する区市町村に対し、百二十五億円の予算を積んで支援するといたしました。私たち都民ファーストの会は、この支援事業を通じて、デジタル社会の推進を都に求めてきました。
その結果、従来の紙でクーポン券を発行する区市町村よりもデジタルポイントで住民にクーポン券を発行する区市町村に対し、都は重点的に支援を行う仕組みとして公表をいたしました。
東京都生活応援事業、この狙いについて知事に伺いたいと思います。
○小池知事 お尋ねの東京都生活応援事業でございますが、新しい日常における生活応援を図るとともに、デジタルの力を活用した地域経済の活性化に向けまして、キャッシュレス決済によるポイント還元などの取り組みを行う区市町村の支援を目的といたしております。
キャッシュレスは、非接触型の衛生的な決済手段でございます。それは、感染拡大の防止につながるとともに、生活の利便性の向上や売り上げデータの収集、活用など、利用者、そして事業者双方にさまざまなメリットがございます。
先日公表いたしました未来の東京戦略案におきましても、二〇二五年におけるキャッシュレス決済比率につきましては、国が目標とする四〇%を上回る五〇%を目標といたしております。
社会全体でのキャッシュレスの推進のためには、一人でも多くの方々に実際にご利用いただき、デジタルの利便性を実感してもらうことが重要でございます。そのため、都におきましては、新年度から新たにデジタル機器にふなれな方々に対しまして、地域でのサポート、そして通信事業者と連携をしました普及啓発などの取り組みを実施してまいります。
今後、これらの施策を総合的に実施しまして、多くの都民、そして事業者の皆様が、キャッシュレスのメリットを享受できますように取り組んでまいります。
○伊藤委員 このキャッシュレスあるいはまたデジタルポイントでありますけれども、逆にこれまで紙で行っていたこのプレミアム商品券のような発行に当たっては、偽造防止の観点などから印刷コストなどに相当な経費がかかってきたのではないかと思います。
そこで、紙による具体的な課題、そしてまたデジタル技術を活用するメリットを伺いたいと思います。
○山手総務局長 プレミアムつき商品券事業では、販売に係る人員の配置やホログラム等偽造防止を講じた商品券の発行などを行うこととなります。
こうした事務経費の事業費に占める割合は、平成二十七年度に全国で実施された際の国の調査によれば、約一七・八%でございました。
デジタル技術を活用した事業では、実施方法によって必要となる経費は異なりますが、今年度、キャッシュレス決済によるポイント還元事業を実施した自治体にヒアリングしたところでは、印刷費などの事務費削減や窓口設置等に係る人的負担の軽減などの効果があったとの声が寄せられました。
さらに、事業実施の過程でさまざまなデータが確実に蓄積されていくため、事業実施後の成果検証が容易であるなどの声も聞かれました。
○伊藤委員 もちろん、紙でしかなかなか使えないんだという方もいらっしゃると思います。
一方で、これまでにコロナ禍になって以来、都内十七の自治体では既に紙ではなくデジタルポイントで発行をされているということも事実としてございます。
こうした課題、そしてまたメリット、双方をよく検討していただきまして、より多くの方々がこうした機会にデジタルになれ親しんでいただけるように働きかけていただきますようお願いを申し上げたいと思います。
そして、こうしたデジタルポイントでの給付事業を通じて、将来的には今回のような特別給付金などが迅速にデジタルの力で給付できるよう、社会のデジタル環境を整備していくとともに、都としても、そのためのシステム上の準備を宮坂副知事のもとに検討会を立ち上げ、準備していくべきと考えますが、所見を伺います。
○宮坂副知事 お話のような特別給付金等を迅速に支給していくためには、スマートフォンによる本人確認機能を支えるなどのシステム連携基盤の整備等が必要であり、そのためには、多岐にわたる課題を総合的に整理し、解決していく必要があります。
このため、デジタルサービス局の発足を契機に、既存の枠組みにとらわれないプロセス等により、年齢や経歴を問わず、さまざまな分野で活躍する気鋭の有識者やスタートアップなどの経営者からの、提案や意見を聞く場を新たに設けます。
そして、新たに得られた知見や提言を施策にフィードバックするなど、都政のQOS向上に向けて、次なる展開を国とも連携を図りつつ、推し進めてまいります。
○伊藤委員 意見を新たに聞く場を設けるということでございますので、ぜひ都において、積極的に検討していただきたいと思います。
そして、都税事務所についても伺いたいと思います。
コロナ禍で、タッチレスやキャッシュレスなど非接触型のサービス拡充が求められている中、都税事務所で発行する各種証明書についてもオンライン申請を導入すべきと考えますが、所見を伺いたいと思います。
○砥出主税局長 都では、納税者の来庁負担の軽減や利便性を向上させる観点から、キャッシュレス納税の拡充を図るなど、税務に係る各種手続のデジタル化を推進しております。
加えて、コロナ禍からのサステーナブルリカバリーを見据え、現在、都税事務所の窓口において紙で行われている納税証明書等の発行申請や手数料収納についても、御会派のご要望も踏まえ、積極的に電子化を進めてまいります。
具体的には、都と区市町村が共同で運用する東京共同電子申請・届出サービスを活用し、納税証明書などの発行申請や手数料収納について、オンライン上で対応できるよう、令和三年中の稼働に向け、準備を行っております。
今後、さらに、申告や納税、証明書の発行申請など、税務に係るさまざまな手続のデジタル化を推進し、納税者へのQOS向上を図ってまいります。
○伊藤委員 島しょ振興についても伺いたいと思います。
一年前の予算特別委員会で木村基成議員から、神津島村の星空保護区認定を目指す取り組みについて都として後押しすることを知事に伺いました。その際に小池知事からは、東京宝島のブランド化の取り組みとして応援する旨の答弁をいただき、昨年十二月一日には、神津島村が星空保護区の認定を受け、新たな観光ブランド化につながりました。
小池知事は、知事就任以来、全ての島を訪問し、島しょ地域に目を向けてこられましたし、私たちも、多くの魅力あふれる島しょ地域について、観光資源の魅力向上、要望を行ってまいりました。
今後とも、国境離島の維持保全の観点を含め、島しょ地域の振興に取り組むことが必要と考えますが、知事の見解を伺いたいと思います。
○小池知事 東京の島しょ地域についてのお尋ねでございます。
東京の島しょ地域、それは、豊かな自然環境と海洋資源に恵まれた個性豊かな島々から成っているわけであります。そして、ご指摘ありましたように我が国の排他的経済水域の確保という観点からも極めて重要な役割を担っております。
私は、各島を訪れるたびに、点在するきらりと光る宝物の存在を実感してまいりました。神津島の美しい星空、まさにきらりと光るそのものでございますが、きらりと光る島の宝物であり、御会派のご要望のございました村の星空保護区認定、これは、都として積極的に支援をしてまいりました。
また、豊かな水産資源も魅力の一つであります。三宅村におけます定置網漁業の再開や東京産クロマグロのブランド化を後押しするなど、島しょ地域の水産業活性化につなげております。
さらに、昨年十月でございますが、私自身、海洋政策を担う小此木大臣、そして赤羽国土交通大臣、小泉環境大臣と直接お会いをいたしまして、沖ノ鳥島、南鳥島につきましての緊密な情報共有、また、小笠原航空路の開設などにつきまして、都と国との連携協力を要望しまして、新たな取り組みへの第一歩を踏み出したところでございます。
今後も、国、島しょ町村、そして関係機関などと緊密に連携をしながら、島しょ地域の持続的な発展、そして国境離島の維持保全に、より一層尽力をしてまいります。
○伊藤委員 島しょについては、私どもは、島の景観形成について、島しょ地域の方々と意見交換を重ね、その重要性についても申し上げてきたところであります。
令和三年度予算に、新規事業として島しょ地域における景観形成に関する調査費の計上に至ったことを評価いたします。そこで、今回計上された調査費の目的と内容についてご説明をいただきたいと思います。
○上野東京都技監 島しょ地域は、美しい海岸線など豊かな自然の宝庫でございまして、各島に固有の自然景観を生かした良好な景観を形成していくことが重要でございます。
島しょ地域のポテンシャルを生かし、さらなる魅力の向上、観光振興にも資するよう、島しょ地域にふさわしい景観形成のあり方などを検討するため、新島村を対象といたしまして調査を開始いたします。
新島では、特産品のガラスなどの原材料となります抗火石が産出され、また、白砂の浜や海食崖の見られる海岸がございます。
来年度、村と連携し、こうした島の特性や建築物、まち並みなどの現況の確認、住民意向の把握など、基礎調査を行う予定でございます。
○伊藤委員 さて、次に、国際金融都市とデジタル通貨について伺いたいと思います。
先ほどの復旧からまさに復興、強い東京をつくっていくための戦略の一つであります国際金融都市東京についてであります。国際金融都市政策の推進のために、さきの代表質問で、私どもはその国際金融都市推進条例の必要性も訴えました。知事はこの条例化についても言及をされております。
私たちが考える国際金融都市というのは、まずは国際的なビジネスマンにとって不自由のないまちをつくるということに尽きるかと思います。その一つには、生活もそうですけれども、みずからの資産の保全という、この点について不自由がないかどうか、いま一度、東京あるいは日本を再チェックしなければいけません。
そういう意味で、今回、仮想通貨について伺いたいと思っております。
これは、三年前のこの仮想通貨、ビットコインがまず挙げられるわけですけれども、ビットコインを初めとした仮想通貨における、どの通貨が仮想通貨を持っているかという円グラフになります。(パネルを示す)三年前の二〇一八年当時は、円が五二%を占めていたこのビットコインにおける円の保有比率、これがたった三年間の中で六%まで落ち込み、USDTあるいはUSドルというのは、USDTがドルにかわる仮想通貨ですから、ドルと思っていただいても結構です。つまりは、日本の円が完全にドルにとってかわられたという、たった三年でございます。
そういう意味で、当初、仮想通貨において、東京、日本は最先進国ともいわれていましたが、今や、こちらは、今度は国別の暗号資産取引業社数の各国比較になりますが(パネルを示す)世界で九百三十四社ある中で日本にある暗号資産の取引業者というのは二十五社にすぎません。他国を見ていただければ、おくれをとっていることがよくわかります。
これは大変残念なことではないでしょうか。テスラのCEOのマスク氏は、先月二月九日、約一千六百億円分のビットコインを購入し、近い将来、同社の製品に対する支払いにビットコインを受け入れる準備を検討していると明かして世界を驚かせました。こうしたビットコインなど暗号資産が不滅の金融資産であるとは誰も断言できませんが、今から国際金融都市を目指す東京として、この暗号資産を世界が注目する金融商品、または通貨と見て、研究を進めておくことは無駄ではないと考えます。
暗号資産についての見解を宮坂副知事に伺います。
○宮坂副知事 暗号資産は、銀行等の第三者を介することなく、財産的価値をやり取りすることが可能な仕組みであり、国内、海外を問わず決済や送金に利用できるなどの利便性があります。
また、暗号資産のベースとなっている分散型台帳の一種であるブロックチェーンは、多数の参加者に同一のデータを分散保持させることでデータの不正改ざんが困難になる仕組みであり、エネルギーなど、金融以外の分野も含め、今後の産業構造を一変させる可能性があるテクノロジーです。
実際、海外では、暗号資産の将来性に注目し、企業による投資や決済手段として採用する動きが存在しております。
ポストコロナにおける東京の成長のためには、あらゆる分野でデジタル技術の活用推進が不可欠です。暗号資産やブロックチェーンのような新しい情報技術についても、目を離すことなく、その特性を詳細に分析、把握した上で、都としてその活用の可能性について研究を進めていくことが必要だと考えております。
○伊藤委員 今お話にあった産業構造を一変させる可能性があるという、まさにこの暗号資産でございます。一方で、日本あるいは東京といってもいいかもしれませんが、大きな課題は税制です。
これは、英国、韓国、シンガポールなどを並べてありますけれども、いずれも、例えばビットコインを買う、そして売ったときに差額が出る、それに対する税制は、大方ゼロ%のところもありますが、一〇%から二〇%です。(パネルを示す)そしてまた、このビットコインは売るというだけじゃなくて、使うということにおいても同じ税制がかかってきます。一方で、日本の場合は、所得税五%から四五%まで所得に応じて課税されますが、プラス地方税も合わせると、最高課税パーセンテージは五五%になります。
これでは大量のビットコインを持っている方々、あるいは暗号資産を持っている方々が東京に住まいを移す、あるいはビジネス環境を移して売買をするということにはならないんじゃないでしょうか。
これは当然、国の政策であります。しかし、国際金融都市を目指す立場からすれば、この潜在力の高い暗号資産に対する税制は大変重要な問題であると思います。
そこで、東京都の国際金融都市実現に向けて、暗号資産を今後、検討項目に加えるべきと考えますが、見解を伺いたいと思います。
○寺崎戦略政策情報推進本部長 都では平成三十年から、デジタル通貨の活用などについて幅広く検討を行ってまいりました。デジタル通貨の中でも暗号資産は、決済手段として活用するには価格変動が激しいなどの課題が存在し、金融政策に及ぼす影響も懸念される一方、その将来性や有用性が注目を集めているところでございます。
また、暗号資産に関する税制について、副委員長お話しのように、日本ではその利益が雑所得となり、他の所得と合算して課税されますが、海外では株式等の譲渡益に対する課税と同様に、申告分離課税を採用する国も存在してございます。
都は来年度、国際金融都市の実現に資する取り組みとして、キャッシュレス推進に向けた調査を行う中で、暗号資産の有用性やその活用の可能性についても、ご指摘を踏まえまして、外部有識者の知見なども得つつ、課題等を調査してまいります。
○伊藤委員 ありがとうございます。ぜひ、しっかり検討していただきたいと思います。
次に、里親養育について伺いたいと思います。
児童相談所、特に子供の意見の尊重について伺います。
この意見の尊重、二〇〇九年に国連総会がもう既に決議をしており、児童の代替的養護に関する指針というものを定めております。その中に、児童の意見を十分に聞くように、尊重するようにということが定められております。
我が会派では、かねてより、子供たちの権利を守るため、児童相談所とは別の中立の第三者が子供たちや里親の意見を調整する仕組みが必要であると要望してきました。これを受けて、都は新たに、里親子のサポートネットの創設を予算案に盛り込んでいます。
里親のもとで生活する子供への支援を一層強化すべきと考えますが、見解を伺います。
○吉村福祉保健局長 都はこれまで、里親や民間の里親支援機関等と連携して、子供が安心して生活できるよう支援してまいりました。子供の最善の利益を実現するためには、お話のように、子供の意見を丁寧に聞くことが何よりも重要でございます。
来年度、児童福祉審議会に里親等から相談を受ける新たな仕組みを設け、弁護士や心理士等の専門相談員が子供や里親、児童相談所から意見を聞いて調整いたします。
その調整の際には、子供の発達状況等に応じてその意見を聞き取るとともに、子供の権利擁護の視点から、審議会が必要と判断した場合には、児童相談所長に意見具申することとしております。
調整結果を関係機関と共有することで、支援に生かし、里親のもとで生活する子供の最善の利益を確保できるよう、一層取り組んでまいります。
○伊藤委員 この仕組みができたことは評価したいと思います。
しかし、私たちがかかわったケースではこんな例がありました。三歳から五歳までの最も多感な時期のお子さんを里親として育てたAさん夫妻と、そのまさに里子さんのケースの話です。
ある日、その里子さんの親権者が、ご自分で養育されたいと申し出られて、それまで幸せに里親さんと暮らしていた里子さんは、これは五歳ですけれども、里子ちゃんは、里親のもとから引き離され、措置変更となりました。この里親さんに、最初に児相から連絡があったときにいい渡されたのは、引き取る日までに与えられた時間は二週間だけですということです。
余りの短さに驚き、子供の心情を考え、延ばしてくださいとお願いをして、ようやく一カ月間延ばしてもらったそうです。その一カ月後、児相がお子さんを引き取りに行く中で、Aさん夫妻に念を押したのは、あした児相が行きますので、それまで事情はお子さんに一切話さないでほしいということでした。ずっと一緒に暮らせると信じてきた里親子にとって、ある日突然措置変更が行われた上に、別れ際にも何も事情も説明しないでくれというのはあんまりではないでしょうか。
憤りつつも、Aさん夫妻は限られた時間でお子さんに、やっぱり事情を説明しておいた方がいいと事情を説明し、翌日引き渡されました。泣く泣くです。
さて、この間に、五歳のお子さんの意見を都や児相はちゃんと聞いたのでしょうか。その後、利発なこのお子さんは、一年以上にわたって再三、親権者や預けられた児童養護施設に対し、里親に会いたい、里親のもとに戻りたいと訴えたそうです。私たちはその後、そのお子さんから直接その話も聞いています。
お子さんは一生懸命、里親夫妻に対し、手紙を何度も書いたそうです。ところが、里親夫妻のところに届いた手紙は、児相の検閲を受けたもので、かつ一通しか届かなかったそうです。お子さんの記憶では十通近く書いているそうです。それでもお子さんの声は、親権者や児相を動かし、異例の措置変更となって、一年後に里親A夫妻のもとに戻ることができて、今は里親のもとで本当に幸せそうに暮らしております。
第三者が関与する仕組みをつくることは評価いたしますが、制度ができても、制度が活用され、機能していくためには、児童相談所の里親に対するこれまでの考え方を変える必要があります。
児童相談所は、里親が子供を育てていく中で、親ならば湧き出る当然の感情などにも十分に配慮しながら、里親子に寄り添ったケースワークに励んでいただきたいと思います。
このような児童相談所の対応については、振り返る面があるのではないでしょうか。子供自身の意見を十分に聞くとともに、里親子間で築かれた愛着形成も踏まえて、丁寧なケースワークを行うべきと考えますが、所見を伺います。
○吉村福祉保健局長 児童相談所では、担当の児童福祉司が里親への訪問や面談を通じてコミュニケーションを図りながら、子供が健やかに成長できるよう、さまざまな支援を行っております。
しかしながら、里親からは、子供自身の意見を丁寧に聞いてほしい、里親子にもっと寄り添ってほしいなどの声があることや、今お話がありましたご指摘のような子供を里親のもとから一時保護する際の説明が十分でなかったケースがあったということは承知しております。
こうしたことを大変私どもは重く受けとめまして、都としては、児童相談所がこれまで以上に里親とのコミュニケーションを図り、子供の意向や里親子の関係性、家庭での生活状況等を踏まえた、より丁寧なケースワークを行っていくため、今後、テーマ別研修や事例検討を行うなど、子供と里親家庭への支援のさらなる充実に取り組んでまいります。
○伊藤委員 一方で、本当に里親から暴力を受けたりするといったような事件もこれまでにはありました。ですからこそ、本当に丁寧に一個一個のケースを児相の皆さんには対応していただきたいというふうに思います。
こうした相談援助に関する個別案件については、まさに今いったようにデリケートな問題ですから、当事者から相談を受けた際に、私たち議員の立場でどのようにかかわるかは慎重に考えなければいけないテーマであると思っております。と同時に、目の前の子供の幸せが著しく損なわれている中、何が最善であるかが問われた場合に、今後とも、個々の事情を丁寧に酌み取り、制度のあり方や運用のあり方をしっかり提言させていただかなければいけないと申し上げておきます。
それでは、次に、ソーシャルファームについて伺いたいと思います。
障害者、ひとり親の方、ひきこもりを経験された方など、多様な就労困難者の方々の雇用機会を拡大するソーシャルファームが先週、都の認証を得て、東京都に初めて誕生をいたしました。今回、二十八の事業所が認定を受け、百名近い就労困難者の雇用が創出される見込みとなったところです。
そこで、今回、都が初めてソーシャルファームを認証した意義と、ソーシャルファームのさらなる普及に向けて、事業に賛同するさまざまな団体を巻き込んだ今後の事業展開について知事の見解を伺います。
○小池知事 私はかねてより、就労に困難を抱える方々が企業的な形態の中で必要なサポートを受け、そして生き生きと働いて活躍できる、そんなソーシャルファームを東京に誕生させたい、このように考えてまいりました。
そうした思いから条例を昨年度制定いたしまして、その後、具体的な基準、支援策などの制度設計を進めて、今回、障害者のほか、ひとり親、ひきこもりを経験された方々など多数雇用する事業所をソーシャルファームとして初めて認証いたしました。
コロナ禍の厳しい環境の中で、ソーシャルファームという新たな枠組み、それは雇用創出という面からも大変意義のあるものと考えております。また、今回認証いたしましたソーシャルファームでございますが、規模、そして事業内容も多岐にわたっております。多様なモデルが誕生したことで、さまざまな業種、業態の事業者によりますソーシャルファームの創設が進むことを期待をいたしております。
そして今後、ソーシャルファームのさらなる普及に向けまして、新たに専用のポータルサイトを作成するなど、広く都民にPRをするほか、事業の理念に賛同する経営者団体などとソーシャルファームが交流する場を新たに設定いたします。そして、先駆的な事業モデルを広く発信するなど、ソーシャルファームの創設に向けましたムーブメントを起こしていきたいと考えております。
○伊藤委員 ありがとうございます。ぜひお願いいたします。
そして次に、選択的夫婦別姓について伺いたいと思います。
選択的夫婦別姓に関し、都議会では、令和元年第二回定例会で、選択的夫婦別姓制度の法制化を求める意見書の提出に関する請願が採択されました。ただ、残念ながら反対の会派もあり、全会一致ではありませんでした。
ジェンダー平等や多様性と調和はオリンピック憲章の大事な精神です。一方で、現職のオリ・パラ担当大臣、女性活躍担当大臣、男女共同参画担当の大臣が、ご自身は政治家として旧姓を使用しながら、選択的夫婦別姓に反対の立場から地方議員に文書で呼びかけを行っていたことに疑問の声が上がっています。
小池知事は、女性初の都知事として、女性活躍、少子化対策など多くの対策を強化されてこられました。改めて、選択的夫婦別姓制度を含め、女性活躍、ジェンダー平等に関する知事の見解を伺います。
○小池知事 あらゆる分野で女性が活躍すること、それは社会全体の生産性を高めるとともに、サステーナブルリカバリーの観点から状況の変化にしなやかに対応して、新たな価値を生み出す、強靱で持続可能な社会の創出につながると考えております。
このため、私自身、知事就任以来、女性の活躍の推進を都政の重要課題として位置づけてまいりました。さまざまな施策を積極的に展開するとともに、オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例、この制定、働き方改革など、人が輝いて多様性あふれる東京の実現に取り組んでまいりました。
今後とも、あらゆる分野で多様な方々が活躍できるように取り組んでまいります。
お尋ねの選択的夫婦別姓制度でございますが、内閣府が、五年ごとに調査を行っております。国民の意識は、容認という形にふえているのではないかと存じます。
いずれにしましても、法改正は重要な事項でありまして、司法の判断、さまざまな方の意見も踏まえながら、国会において必要な議論がなされるものと認識をいたしております。
○伊藤委員 次に、災害時における都立公園の機能強化について伺いたいと思います。
都立公園内では、自衛隊の車両が駐留できるような駐車場がない、物資を保管できる建物が少ないなど、災害対策が十分とはいえない都立公園もあります。
こうした公園においては、早急に災害対策の整備を図るべきと考えますが、所見を伺いたいと思います。
○中島建設局長 都は、震災時の避難場所となり、また、自衛隊などが救出救助等を行うための活動拠点となる防災公園の整備を進めております。
このうち、大型ヘリコプターの離発着が可能となる大規模救出救助活動拠点の公園では、自衛隊などの車両が集結できる駐車場や広場等を整備してまいりました。
また、防災公園において、避難場所の運営を担う区市は、応急対策物資のための備蓄倉庫を設置してきております。
今後、林試の森公園や高井戸公園を初め、拡張整備等を予定している都立公園では、周辺の道路幅員も考慮しながら、自衛隊等の車両動線や活動空間のさらなる確保に努めますとともに、備蓄倉庫の設置について地元区市と連携を強化するなど、防災機能の向上を図ってまいります。
○伊藤委員 あわせて、消防団についても伺いたいと思います。
昨年、私はこの予算特別委員会で消防団について伺いました。携帯がつながりにくい状況でも、ネットを通じて情報を送受信できるように、消防団の分団本部施設にWi-Fiを設置すべきと申し上げました。
そこで、消防庁は、全分団に送受信可能なアイパッド型のタブレットを整備する予算を計上しました。オンライン会議が可能なタブレットの整備で、消防団活動の負担軽減にもつながっていくべきと考えますが、所見を伺います。
○安藤消防総監 東京消防庁では、災害発生時の情報収集及び共有体制を強化し、より安全かつ効果的な消防団活動を実施するため、来年度、分団本部等に携帯型端末及びモバイルWi-Fiの整備を予定しております。
これにより、早期災害情報システムを初めとする災害の指揮活動に必要な情報を、団本部及び分団本部間で共有し、効果的な指揮及び消火、救助活動につなげることで、より一層の被害軽減が可能となります。
さらに、コロナ禍で集合形式による活動が制約される中、オンラインによる会議での活用を図るとともに、動画などの映像を取り入れた教育訓練を実施することにより、消防団員の負担軽減にもつながる効果が期待できます。
今後、消防団活動の効率化を図るため、携帯型端末のさらなる効果的な活用に努めてまいります。
○伊藤委員 最後に伺いたいと思います。知事に伺います。
私たちは、古い議会を新しく、東京大改革を標榜して、四年間活動をしてまいりました。都民ファーストの目線に立った議員特権の廃止や議員提案条例によって、古い議会を新しくする試みを続けてきたところであります。
これまでの都政ではなし得なかった、国に先駆けての受動喫煙防止条例の制定を小池知事とともに成し遂げ、東京大改革に貢献してきたと自負しております。
五輪憲章に基づく人権条例も、子どもを受動喫煙から守る条例も、反対する会派がある中で、私たち都民ファーストの会は、小池知事の理念と政策に共感し、さらなる政策進化のために、小池知事への要望を重ねてまいりました。
今、コロナで苦しむ都民の皆さんから不満の声が漏れるのは当然のことであります。私たちはそういう声を受けとめなければいけません。しかし、受けとめるだけでいいんでしょうか。不満を伝えるだけでいいのでしょうか。
真に必要とされているのは、不満を解消するための建設的な提案であり、不安を払拭する具体的な提言です。提言なくして、都民の信頼する議会はあり得ません。私たちは、これからも、旗幟鮮明に小池知事の責任与党として、そしてまた、国の顔色をうかがうことなく、都民ファーストの視点に立った政策をしっかり発案できる地域政党として、政策集団たり得たいと思っております。
そこで、知事にとって、都民ファーストの会がいかなる存在であるか、伺っておきたいと思います。
○小池知事 先ほども暗号資産についてのご質問をいただきました。
この間、世界は大きく大転換をしつつある。それにおくれをとっては、東京、首都、アジアの中の雄である首都東京では、持続可能な存在ではあり得ない、そう危機感を抱いているところでもあります。
そういう中で、ITや金融などの専門分野を歩んでこられた方々が幅広い見識を持ち、また、女性の議員も三割おられるということで、まさに多様性を体現しておられるかと、このように思います。
皆様方のこの会派は、この四年間、都民が第一であると、都民ファースト、まさしくその旗印に精力的に活動されてこられた。子どもを受動喫煙から守る条例が、その後の受動喫煙防止条例の成立にもつながったことは、一つの象徴でもあろうかと思います。
これからも、まさに東京大改革を大車輪で進めていかなければなりません。
これからも、東京大改革の信念のもとで、都民のための都政を力強く前へ進めていく、そのための同じ志を共有している皆さんだと、このように認識をいたしております。
○木村委員長 伊藤ゆう副委員長の発言は終わりました。(拍手)
この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後二時四十八分休憩
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