予算特別委員会速記録第五号

○中山副委員長 三宅正彦委員の発言を許します。
   〔中山副委員長退席、山崎副委員長着席〕

○三宅委員 それでは、まず初めに、築地まちづくりについてお伺いいたします。
 我が会派は、築地まちづくりの全体計画や有償所管がえに要した五千四百二十三億円の回収見通しなどの問題を指摘し、拙速に築地まちづくりを進めることは、責任ある再開発とはいえないと主張してまいりました。
 また、東京二〇二〇大会の延期は現実味を帯びつつあります。仮に、大会延期となった場合は、築地全体のまちづくりに大きな影響を与えることは間違いないと思います。
 今年度に事業実施方針を策定し、来年度に事業者募集を予定している船着き場周辺エリアの先行整備の実施地区ですが、このまま予定どおり進めるのは困難になると想定されるため、一旦立ちどまり再考すべきと考えますが、いかがでしょうか。

○小池知事 築地まちづくりでございますが、長期的な観点に立ちまして、民間の力を最大限に活用、そして価値の最大化を目指すものでございます。
 築地まちづくりの先行整備事業の実施方針につきましては、今年度策定の予定でございました。一方、今ご指摘がございましたように、東京二〇二〇大会の開催につきまして、ここへ来ましてIOCは大会の延期も含めて四週間以内に結論を出すといった状況の大変化がございます。よって、この状況の変化を踏まえまして、その動向が明らかになって以降、その結果を踏まえながら、内容を見直し、公表することといたします。

○三宅委員 ただいまの小池知事の答弁から、築地再整備計画は内容を見直すということが確認できました。
 続きまして、新型コロナ対策についてお伺いいたします。
 きのう、小池知事が、くしくも都市の封鎖の可能性まで示唆したその日、都としては最多となる新たに十六人の感染が発表されました。都のこれまでの取り組みについては、検査体制が十分でないのではないか、つまり感染者の正確な把握ができていないのではないかといった指摘があります。
 都議会自民党といたしましても、これまでの質疑を通じて、一千四百万都民の命を守るために、都の検査能力が二百四十検体で十分とはいえないと主張してまいりました。都の感染者数は、この一週間で六十四人ですが、そのうち感染経路を特定できていない人が三十六人にも上ります。五六%、つまり感染者の半数以上の感染経路が特定できていないことになります。
 感染経路の不明が多いということは、感染者を把握できていないということですから、都の調査に反映されない感染拡大が放置された状態にあるとも考えられます。こうした状態を放置すれば、ある日、小池知事のいうオーバーシュート、感染者の爆発的増加が起こってもおかしくはないのです。にもかかわらず、小池知事は危機管理が全く不足しているといわざるを得ません。
 都に検査を断られたといった報道や、東京は本当に検査をちゃんとやっているのかといった指摘があります。現在の検査数、検査体制で患者の把握が十分と考えるのか、知事に伺います。

○小池知事 新型コロナウイルスのPCR検査についてのお尋ねでございます。
 PCR検査は、発熱等の症状があって、医師の総合的な判断によって感染が疑われる方、そして保健所の積極的な疫学調査によって把握された濃厚接触者などを対象といたしまして実施をしているところでございます。
 都の健康安全研究センターにおきましては、いち早くこのPCR検査体制を整えまして、感染が疑われる方や、また濃厚接触者の方以外にも、ご記憶のように、チャーター機での帰国者、またクルーズ船の乗客の方々の検査も実施をいたしてまいりまして、これまでに三千三百件を超える検査を実施してまいりました。
 現在、センターにおきましては、一日最大百二十件、さらに、これに加えまして、民間検査機関の活用で一日約百件の追加検査が現在実施可能となっております。
 加えまして、来年度でございますが、センターに検査機器等を追加整備いたしまして、検査能力を増強し、民間検査機関への委託分と合わせますと、一日最大約三百四十件の検査が実施可能となります。
 また、今月、PCRの検査が保険適用となったわけでございますが、この保険適用に合わせまして、新型コロナ外来を設置する医療機関等が民間検査機関を活用できるようになりました。そして、都は、医療機関、保健所、検査機関等の関係者の皆様方から成る会議体を設置いたしました。効率的に民間検査機関の能力を活用する、そのための体制構築を進めているところでございます。

○三宅委員 北海道知事は、国の指示によらずに緊急事態を宣言し、これは既に解除されておりますが、感染拡大を阻止しています。
 和歌山県では、検査方針について、国の考え方によらずに積極的にPCR検査を実施し、徹底した疫学調査を行いました。
 大阪では、感染拡大期に備え、入院フォローアップセンターを立ち上げ、感染者を一元管理して、症状やリスクに応じ、適した病床に振り分けることで医療崩壊を防ぐために、自治体として先を見据えた独自の判断と対策を打ち出しています。
 それに比べて、小池知事は、二月二十七日、安倍総理が全国の学校休業を要請したことについて、もっと早く出してもよかったと不満気に述べられ、その影響に対処するのみでした。
 この三連休は、各地で都民の自粛傾向が弱まり、小池知事が自粛を要請した公園や、あるいは遊園地など都内各所で多くの人出があったことが問題視されています。自粛の効果が弱まって、感染者も特定できず、ある日突然、大規模な感染拡大が起こってからの対処ではならないのです。都市の封鎖を現実にしてはなりません。
 国においては、三月十三日に緊急事態宣言を可能とする改正特措法も成立し、既に十四日から施行されています。今後、万が一、国から緊急事態宣言が出されると、都道府県は私権を制限することも可能になります。
 緊急事態宣言に際して、都としての検討状況を総務局長にお伺いいたします。

○遠藤総務局長 都では、新型インフルエンザ等対策特別措置法の適用対象となる感染症が蔓延した場合を対象に、東京都新型インフルエンザ等対策行動計画を策定し、基本的な対応方針や対策を定めております。
 今後、新型コロナウイルス感染症に関しまして、国が都内を対象区域として緊急事態宣言を発した場合、宣言と同時に示される国の基本的対処方針及びこの行動計画に基づきまして、緊急事態措置を実施することになります。
 措置の実施に当たっては、都民や事業者にさまざまな影響があることから、感染拡大防止と社会経済活動の維持のバランスを図りながら、迅速かつ的確に対策を講じてまいります。

○三宅委員 つまり、緊急事態宣言への対応は、国の方針や計画に基づく措置の実施ということで、都の主体性はなかなか見えないと思います。一千四百万都民を抱える首都として、独自の感染症危機管理対応も見えない中で、今後の都の対応が万全といえるのか、危機感を覚えます。
 さて、今回のコロナウイルス対策の中で、知事に対し、大変不審を覚える事案があります。都民の備蓄である防護服の配布に関してです。
 小池知事は、一月二十七日以降、中国に対し、五回にわたり防護服を計三十三万六千着提供してきました。もちろん、最初にコロナウイルスの感染が拡大した隣国、中国に対する国際協力として、都民のための備蓄に余力のある防護服を都として自発的に、あるいは政府からの要請など公益性を考慮して提供した場合は、都民に対しても理解を得やすいと思います。
 しかしながら、小池知事が二月四日に自民党の二階幹事長を訪問した際に、依頼を受けて、ここに依頼がありますが、(資料を示す)二月七日に提供した都民の防護服十万着、一億五千万円相当については、報道によれば、二階幹事長から中国のIT企業アリババに提供されたとしています。
 これまでの我が会派の質疑に対して、都はアリババへの提供については一切回答せず、十万着は、一般社団法人日本医療国際化機構から北京市に送られたとしか答弁をしておりません。
 この一般社団法人日本医療国際化機構とは一体どのような団体か、政策企画局長に確認いたします。

○山手政策企画局長 一般社団法人日本医療国際化機構は、日中間の健康、医療に関する交流をプロモートし、もって、そのほかのアジア諸国にその成果を伝えていく役割を担う団体であるというふうに認識してございます。

○三宅委員 それでは、これまで都は、この一般社団法人日本医療国際化機構と契約などの取引をした実績はございますでしょうか、政策企画局長、教えてください。

○山手政策企画局長 私が知る限りは、こちらとは契約の事実はございません。

○三宅委員 ホームページでしか情報のない、また、これまで都として何の取引もない、そうした団体から中国のIT企業アリババに防護服が渡ったということでしょうか、教えてください、政策企画局長。

○山手政策企画局長 これは先ほど、委員の方からもお話がありましたように、自由民主党の二階幹事長から知事宛てに文書によって防護服提供の依頼があった際、具体的な提供先として、中国の衛生所管局や病院が提示されました。その提供に当たって、この窓口になったのがこの団体ということでございます。

○三宅委員 いや、じゃなくて、その企業、アリババに渡ったかどうかを聞いているんですけど。

○山手政策企画局長 これは、医療国際化機構から、ここに福祉保健局からお渡しをして、その後、中国国内の方の衛生管理局、国内の衛生管理局や医院の方には渡っておりますけれども、その間のことについては関知してございません。

○三宅委員 それでは、今度、知事にお伺いしますが、この一般社団法人日本医療国際化機構を通じて、アリババに防護服が渡ったことを存じでしょうか。

○小池知事 それは御党の幹事長からのご依頼を受けまして、そして、そのご指示のもとで行われたものでございます。
 今、ご答弁させていただきましたように、衛生所管局、そして病院など、それらの配布先については、むしろ中国側の方で行われたと、このように聞いているところでございます。

○三宅委員 この一般社団法人日本医療国際化機構についてですが、実は小池知事が二階幹事長から防護服十万着の提供を要請された二月四日の前日、二月三日に登記が変更されております。団体名、役員、事業目的が大幅に入れかわっています。(パネルを示す)こっちがそうなんですけれども、団体名はもともとヒューマンヘルス・アンド・アースヘルスであり、事業目的は、これサプリメントの販売とか、再生可能エネルギーのコンサル、環境保護活動などでした。しかも、ホームページに記載された役員と登記上の役員は異なっているそうです。
 十万着の都民の防護服の提供が小池知事と二階幹事長のトップ会談で決まったとはいえ、日ごろ都として取引のない、都が実態を把握できていない、そうした団体に対し提供されたということですが、都は、アリババとの関連を答えていませんが、アリババグループを通じてかどうか不明ですが、多分中国に配送されたらしいということです。
 東京都は、来年度の予算に、新たに防護服五十万着など二十億円を計上しています。都民のための都民の備蓄品が、国際協力の名のもとに、小池知事のゴーサインだけで、その使途が把握できないような不審な使われ方をすること、これは強く抗議しておきます。
 次の質問に移らせていただきます。
 小池知事のカイロ大学の学歴詐称問題について伺います。
 小池知事は、自分の学歴はネットなどでもオープンになっているとご答弁されていますが、知事ご自身の著書に書かれた情報も含め、情報が全て異なっているため、どれが正しいのかわからないからお尋ねさせていただきます。
 知事は、ご自身の著書、三日で覚えるアラビア語の奥付で、カイロ大学文学部社会学科を、日本人として二人目、女性では初めて、しかも首席で卒業したとだけ書かれています。
 一方、知事の著書、振り袖、ピラミッドを登るの著者略歴の中では、カイロ大学に入学する前、一九七一年に、カイロ・アメリカ大学東洋学科に入学し、翌年修了し、一九七二年にカイロ大学文学部社会学科に入学し、一九七六年に卒業したと書かれています。
 そして、このパネル、これはネット上でオープンになっているものですが、これには、昭和五十一年、つまり一九七六年に卒業したのはカイロ・アメリカ大学東洋学科と書かれています。
 このように、オープンになっている知事の経歴は三つとも異なった内容となっています。
 では、事実を確認させていただきたいと思います。既に議会でご答弁いただいていると思うのですが、再度確認させてください。首席で卒業したというのは間違いであるということでよろしいでしょうか。

○小池知事 まず、ご質問にお答えをいたしますと、私が卒業いたしました際に、教授の方から大変いい成績であった、トップであったということを聞きまして、大変うれしく思って、その旨を書いたところでございます。
 なお、こちらでございますが、その経歴については、私自身が書いたものではございません。
 カイロ・アメリカ大学で一年間学んだ後、カイロ大学の方に移って学び、そして七六年に卒業したということでございます。

○三宅委員 再度確認させていただき、首席ではないということで確定させていただきますが、また、今、知事がおっしゃいましたカイロ・アメリカ大学東洋学科に一九七一年入学し、七二年にその学科を修了した。そして、七二年、カイロ大学文学部社会学科に一年生として入学し、七六年に同大学を卒業したということでよろしいでしょうか。

○小池知事 繰り返し申し上げますけれども、七一年にカイロに参りまして、最初に、アラビア語を英語で学ぶ、それがカイロ・アメリカ大学でございます。
 カイロのほかに、ベイルート・アメリカ大学という大学がありまして、両方、大変中東におけます大学として有名でございます。そこの中のミドルイーストスタディーズセンターだと思いますけれども、そこに付設されております語学校がございます。そちらの方で一年間、アラビア語を英語で学んだということでございます。その上で、カイロ大学に移りまして、七六年に卒業したと、先ほどお答えしたとおりでございます。

○三宅委員 今ご答弁ありましたミドルイースト何とかとおっしゃいましたが、これ、東洋学科とは違うということでよろしいんでしょうかね。これが間違っているという……。

○小池知事 それは訳し方の問題だと思います。

○三宅委員 じゃあ、日本語で何て訳せばいいんでしょう。済みません、教えてください。

○山崎副委員長 小池知事、手を挙げてから、挙手をしてから、お願いいたします。

○小池知事 今申し上げましたように、ミドルイーストというのは中東でございます。スタディーズ、学ぶ。センターであります。略しまして、MESCといいます。そして、これをどう訳すかは、それぞれ、先生は英語もおできになるでしょうから、訳していただければと存じます。

○三宅委員 では、次の質問に移りますが、先日、我が党の田村委員が卒論の有無に関して質問いたしました。小池知事は、私の卒業した文学部社会学科では卒論はございませんでしたと、そのように答弁されています。
 この知事答弁に関して、ネット上では、議会答弁でさらに深まった小池都知事の学歴疑惑と題して、小池氏が卒業したと称している一九七六年と同じ年に同学科を卒業した現役の社会学科の教授に会って、そのことを確かめたところ、同教授は、カイロ大学文学部社会学科、当時一学年百五十名ぐらいいたそうですが、ここでは全員が卒論を書かなくてはなりませんと発言されています。こうした記事が掲載されています。
 知事、再度お伺いいたしますが、一九七六年にカイロ大学文学部社会学科を卒業されるに当たり、卒論は書かなかったのでしょうか、お答えください。

○小池知事 お答えいたします。
 まず、七六年卒業の際に、卒論という形では書いておりませんし、また、全ての者に求められていたものではないと、このように記憶をしているところでございます。
 例えばその後、アカデミズムに進む人などが卒論を書くということはございますけれども、いわゆる日本の大学でいうところの卒論というようなシステムはなかったと記憶いたしております。
 カイロ大学を卒業された方で、日本に留学される方などは、卒論はどうしたかというと、卒論はないというふうに答えて、ああ、そうなのかと、カイロでは、またエジプトではないのか、また、それは学部や学科などによって違うというふうに聞いております。

○三宅委員 じゃあ、この記事で、この教授も同じ学科を卒業されているんですが、全員が卒論を書かなくてはなりませんといっていることは、これは間違いということでよろしいんでしょうか。

○小池知事 それはその方にお聞きください。

○三宅委員 では、後ほど聞いておきますが、次に、マスコミへの対応について伺います。
 知事は、我が党の川松委員の質問に対し、マスコミを訴えないのは、権力者は抑制的であるべきだと諸先輩に教えられたからだと答弁されていました。しかし、実際には、知事は週刊新潮、日刊ゲンダイなどを訴えた過去があります。
 その一方で、これまで学歴詐称について書いてきた文藝春秋や黒木氏や石井さんを訴えていません。なぜでしょうか、お答えください。

○小池知事 法的な対応につきましては、先ほどというか、先日来お答えいたしておりますように、政治家たるものは抑制的でなければならないという、先輩方のこのようなご示唆、ご教示を得て、形でいるわけでございます。

○三宅委員 知事、マスコミ等が、小池知事が都知事就任以来、一貫して、この学歴詐称の疑いがあると追及しているのは、今お尋ねしたことを明確かつ客観的に証明する卒業証書もしくは卒業証明書そのものを確認できないからなんです。
 知事は、我が党の質問に対しても、五十年前の話だと再三お話しになっていますが、我々が指摘しているのは、三年八カ月前の都知事選挙において、小池知事が都民に示した学歴が確認できない、そういったことなんです。
 (パネルを示す)知事は、かつてテレビカメラに映されたほとんど判読できない不鮮明な画像を理由に、これまで何度も明らかにしたといい逃れを続けていますが、ことしは都知事選挙の年でございます。知事が前回の都知事選で、都民の方々にお示しした経歴に偽りはない、都知事の資格にうそはない、そのことを明らかにするために、知事のお手元にある卒業証書、証明書をご提示いただけないでしょうか。知事の考えを伺います。

○小池知事 卒業証書、卒業証明書がよく判読できない、アラビア語で書いてあるからであります。それからまた、これも非常に鮮明でございます。そして、それについてアラブの専門家の方々は既に判読もしておられ、これは正しいということを述べておられる方々もおられます。
 これだけ、今パネルでお出しになっているわけでございますので、既に公開していることは、これをもっても、一つをとりましても、明らかでございます。

○三宅委員 これを見て鮮明というのはすごいわからないんですけど、我々いっているのは出していただければそれで済む話なんです。それだけ一言いっておきます。
 次に、オリンピック・パラリンピックについてお伺いしたいと思います。
 東京二〇二〇大会は今、新型コロナウイルスという大きな課題に直面しています。IOCは、昨日二十三日、関係者全員の健康を保護し、新型コロナウイルスの封じ込めに貢献するため、延期を含めた東京大会のシナリオの検討を四週間以内に行うと発表いたしました。
 今後、都は、IOCや組織委員会、国などの関係機関と一緒に、延期を含めたシナリオの検討を行っていくことになります。都は、開催都市として、大会の成功はもとより、厳しさを増す日本経済への影響を考えるとともに、都民生活、都市活動の維持にも配慮する必要があります。
 延期される場合の想定として、数カ月、半年、一年、二年など、さまざまな報道がなされていますが、今後、延期も含めた検討を行うに当たり、都としてどのような期間を想定しているのか、お伺いいたします。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 都は、新型コロナウイルスの感染拡大を最小限に食いとめ、都民生活や経済活動への影響をできる限り緩和するため、全庁を挙げて取り組んでいるところでございます。
 一方、海外での感染が急速に深刻化している中、安全で安心な大会の実現という開催都市の責務を果たすため、さまざまな案を検討することが求められております。
 このため、都は、現行のスケジュールで大会を開催する場合の条件や必要となる対応、大会を延期する場合は、期間に応じた課題やコストなど具体的に検討し、国や組織委員会など関係機関と十分調整を行ってまいります。その上で、都として組織委員会とともにIOCと協議をしてまいります。

○三宅委員 この東京二〇二〇大会は決してゴールではありません。我々都議会自民党は、大会の招致段階から五輪大会を跳躍台として、その先の東京、日本の発展を見据えて大会の準備に取り組んでまいりました。
 これまで交通ネットワークの整備を初め、バリアフリーの対策の充実、観光や産業振興、地方との共存共栄のための各都市行脚など、あらゆる視点から活動を展開してまいりました。
 いよいよ今後は、大会を通じたさまざまなレガシーを残していくべきとなりました。そのために都は、来年度どのように臨むのか、オリ・パラ局長に具体的にお伺いいたします。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 来年度に向けましては、これから大会のまさに総仕上げの段階でございますので、しっかりと組織委員会、あるいは国等とも十分に連携をしながら、具体的に取り組みを進めていきたい、かように考えております。

○三宅委員 具体的にお答えくださいということでお願いしたんですが、よろしくお願いします、再度。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 これから、まずは一番最初には聖火リレーがございます。聖火リレーに向けましては、二十六日の日までに組織委員会の方で具体的に方針を決めるというお話も伺っております。そうした対応も、しっかりとしながら、また、組織委員会とともに、さまざまな対策について詰めていきたいというふうに考えております。

○山崎副委員長 速記をとめてください。
   〔速記中止〕

○山崎副委員長 速記を始めてください。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 東京二〇二〇大会を契機に、成熟した都市として新たな進化を遂げるため、都はこれまで、二〇二〇年に向けた東京都の取り組みを取りまとめまして、大会の成功はもとより、大会後のレガシーを見据えた取り組みを進めてまいりました。
 具体的には、大会を契機にバリアフリーを推進するほか、テレワークなどのスムーズビズの取り組み、ボランティア文化の定着、持続可能な資源循環型都市の実現など、ハード、ソフトの両面で、大会を通じて価値あるレガシーを残していけるよう取り組んでまいりました。
 昨年十二月に策定されました未来の東京戦略ビジョンに基づきまして、来年度は、これらの取り組みを加速させるとともに、大会のレガシーを未来へと着実に結びつけていくため、具体的な調査検討を進めてまいります。

○三宅委員 局長、ありがとうございました。
 大会の円滑な交通に必要な臨港道路南北線の整備について伺いたいと思います。
 この路線は、東京ビッグサイトの西側の有明ふ頭と中央防波堤外側埋立地とをつなぐ道路であり、首都圏約四千万人の生活と経済活動に必要な物資を安定的に供給するアクセスとして、大変重要な路線です。
 また、本路線は、東京大会の会場への輸送ルートとしても位置づけられています。
 我が党は、以前から、東京港の物流のかなめとなるこの南北線の整備を積極的に進めるべきと主張してきました。
 都は、大会開催を見据え整備を推進してきましたが、改めて整備の意義と進捗状況及び完成時期について、港湾局長にお伺いいたします。

○古谷港湾局長 臨港道路南北線は、中央防波堤地区の新たなコンテナふ頭の貨物需要に適切に対応し、東京港全体の物流機能を強化していくために必要な路線でございます。
 また、本路線は、臨港道路青海縦貫線に加わる新たな南北方向の路線として、東京港の道路ネットワークの充実に寄与するものでもございます。
 整備につきましては、国と都が連携して進めておりまして、国は、トンネル部本体の整備を終え、照明など内部の設備工事を実施中でございまして、都は、橋梁工事を完成させ、側道などの附帯工事を実施しております。
 今後とも、国と連携いたしまして、工期末であります五月下旬の完成を目指して着実に整備を推進してまいります。

○三宅委員 五月下旬の完成、それを目指して順調に工事が進んでいるとのことですが、この南北線を大会時に着実に活用することが重要です。我々都議会自民党は、再三再四訴えてきたところですが、輸送対策が大会成功の鍵となります。
 特に臨海部の海の森周辺には、ボート、カヌー、馬術のクロスカントリーが行われる会場が集中しています。その会場に向かう重要路線となるこの南北線の具体的な交通対策についていまだに示されておりませんが、港湾物流事業者からは、円滑な物流の確保と交通混雑解消のため、大会時にもいろいろと制約はありますが、この南北線を通行したいとの声が上がっています。
 我が党は、大会時の交通対策を適切に行い、大会輸送と港湾物流の両立を図るべきと主張してまいりました。その両立に向けて、臨港道路南北線をどのように活用していくのか、オリ・パラ局長にお伺いいたします。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 整備中の臨港道路南北線は、海の森水上競技場や海の森クロスカントリーコースの大会関係者輸送ルート及び観客シャトルバスルートになっております。
 このため、昨年十二月に公表いたしました会場周辺交通対策では、有明側のフェリーふ頭入り口交差点から東京港臨海道路までの区間について、通行規制エリアと位置づけております。
 その具体的な運用につきましては、大会時の円滑な輸送と港湾機能との両立が図れますよう、組織委員会や港湾局等と協力し、検討を進めております。
 今後、規制内容や期間などの交通対策を取りまとめまして、関係者や地元のご理解が得られるように丁寧に説明をしてまいります。

○三宅委員 今、最後の、ぜひ関係者や地元の理解を得られるよう、それは重要ですので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、築地問題について伺います。
 小池知事の任期四年を改めて振り返ると、自分ファーストの判断、いかに自分に有利になるかといった無責任な判断に都民も都政も振り回されてきました。
 市場移転問題では、都議選直前に、築地は守る、豊洲を生かすとして、小池知事は、築地と豊洲に二股をかけ、移転推進派に対しても反対派に対してもいい顔をして都民をごまかしてきました。
 二年おくれで開場した豊洲市場は、現在では見学者も含めて多くの都民が訪れる施設として運営されていますが、当時、小池知事は、みずからが考えたという三つの基本方針の発表に際し、豊洲に移って五年後に築地に戻ってくるとか、豊洲市場は総合物流拠点となる中央卸売市場となるなど、意味不明の、結果的には築地にも豊洲にも市場機能が残るかのような表現で、推進派、反対派に期待を抱かしてきました。
 しかし、過日発行された元東京都中央卸売市場次長の回顧録によれば、知事は、この基本方針の会見直前に、当時の副知事を初め数名の幹部職員に対して、築地はローリングしませんから、つまり、築地市場の現在地再整備はしないと断言していたというのです。
 当時の村松市場長に確認したいと思います。
 知事の基本方針では、あたかも築地に市場が再整備されて五年後に戻ってくるような、そういった表現になっていましたが、当時、既に再整備しないことを知事から聞かされていましたでしょうか。

○村松産業労働局長 ご質問ではございますが、現在、私は、産業労働局長として新型コロナウイルス対策等に全力を尽くしているところでございます。
 市場行政に関することに関しましては、お答えを差し控えさせていただきたいと存じます。

○三宅委員 今忙しいのは大変よくわかっておるんですよ。ただ、当時の市場長なんですよ。だから答えられない、今、ポジションが違うから答えられない、そういった、ちょっと理解しがたいんですが、もう一度お聞きします。
 当時、既に再整備しないことを知事から聞かされていましたでしょうか。

○村松産業労働局長 重ねてのご質問でございますけれども、基本的にはお答えを差し控えさせていただきたいんですが、私、当時、今の本を書いた、著作された澤さん、その二人で市場の行政を、責任者として担当しておりました。
 専門家会議を初め市場のあり方戦略本部、そして、今お話のあった基本方針が出てからの関係局長会議、全て資料も議論もオープンな形で広く公開しながら進めてきました。
 もちろん議会にもご報告させていただいて、ご質疑も受けてきたわけでございます。
 したがいまして、非常に透明性の高い運営をしておりましたので、ここでの受け答えは、もうこれ以上のお答えは差し控えさせていただきたいと思っております。

○三宅委員 かつて我々がいろいろいわれたのは、あなたたちブラックボックスだっていわれたんですよ。村松さん、当時の市場長だったので、村松さんね、知事の基本方針で、あたかも築地に市場が再整備されて五年後に戻ってこられるような、これ表現となっていましたかと。いましたね、これは。
 当時、既に再整備しないことを知事から聞かされていましたかと聞いているだけなんですよ。大した話じゃないじゃないですか。記憶はないんでしょうか。

○村松産業労働局長 その基本方針の公表の際に、知事は、あわせて記者会見でも、豊洲市場は中央卸売市場として開場するというお話、そのようなお話をされていたと思いますので、そのことに尽きるのではないかと思います。

○三宅委員 違うんですよ。局長、違うんですよ。会見直前に、会見直前の話なんです。当時の副知事初め数名の幹部職員、村松さんはそうですけど、築地はローリングしませんから、つまり、築地市場の現在地再整備はしないと断言していた、ここに、本に書いてあるんですが、これは本当でしょうかというふうに聞いている。

○村松産業労働局長 当時、基本方針の発表の前に、中西副知事、私、知事からお話がございましたが、豊洲市場は中央卸売市場として開場するということでお話をいただきましたので、これはもう私の感覚としては本格移転だと考えておりました。

○三宅委員 ということは、築地市場は再整備しないということでよろしいんでしょうか。豊洲市場の話をしているのではなくて、築地市場は再整備しないと。

○村松産業労働局長 先ほども申し上げましたとおり、豊洲市場は中央卸売市場として開場するというお話でございましたので、豊洲市場は、何というのですか、中央卸売市場として、これは本格的な移転だと私自身は受けとめたところでございます。
 築地を再整備するかどうかというのは、それは何ていうんですか、私のお答えする話ではない、今の段階で私のお話する話じゃないと思います。

○三宅委員 再整備はしないというのは、築地は、これローリングしないということなんですよ。ローリングしない、築地はローリングしない、そういうふうにいっていたのかと聞いているんです。

○村松産業労働局長 それは、移転をして、豊洲市場は中央卸売市場ですから、同時に築地をローリング再整備することはないと私は受けとめておりました。

○三宅委員 小池知事は、基本方針発表に当たり、移転反対、築地に戻りたいという方々に対して、あたかも五年後に築地に戻れるかのような幻想を抱かせたんです。みんなにいい顔をしてごまかしたのは選挙のため、そう思われてもいたし方ないと、そういう結果だと思います。
 小池知事は、常に選挙に勝つことだけ、全方位でいい顔して、記者から情報公開を求められても、最後は、私がAIだからなどといってごまかして済ます。そんな無責任な小池知事のもとで何とか豊洲市場を移転できたのは、専門家会議の平田座長を初め、責任ある関係者たちがひたすら熱心に丁寧に市場関係者との話し合いを続け、豊洲市場の安全性を科学的かつ客観的に説明し続けたからなのです。これは村松さんもそうだと思います。改めて、平田座長を初め、そうした責任ある関係者の皆様には、私は心から敬意を表したいと思います。
 小池知事就任直後、豊洲市場は、土壌汚染対策だけでなく、整備費の高騰についても巨額で不透明だと疑問視され、その後の小池知事と顧問団らによる入札制度改悪にもつながりました。当時、小池知事肝いりの都政改革本部の内部統制PTの調査活動では、特別顧問が、豊洲市場や五輪施設の整備に関する入札において、一者入札で落札率が九九%以上の施設があることを問題視していましたが、その後、この調査チームは、これらの事案についてしっかりと検討したのでしょうか。総務局長にお伺いいたします。

○遠藤総務局長 今、お話にありました内部統制プロジェクトチームは、その検討の範囲として、各案件個別の民事上の契約の適否等を問うことを主目的とするものではないと定めておりました。
 プロジェクトチームでは、入札契約制度の適正化に向けて、個別の事案をケーススタディーとして制度上の課題等を分析し、新しい制度運用のあり方について検討を行ったものでございます。

○三宅委員 つまり、今のご答弁では、東京都が、あるいは個人名で指摘された者もおりますが、あたかもゼネコンとよろしくやっているのではないかというような風評を世の中に与えておきながら、その事実については検証していないということでしょうか。
 小池知事が公約で掲げた利権追及チームなんていうのもありましたけど、つまり、疑惑がありそうだとだけ吹聴しておいて、その後の検証はなしということです。選挙さえ終わってしまえばよしという、余りにも無責任な態度といわざるを得ません。
 それでは、入札契約制度を所管する財務局にお伺いいたします。
 当時、一者入札で落札率が九九%以上であることが問題視された豊洲市場や五輪会場については、制度上、不正や問題があったのでしょうか。

○武市財務局長 都政改革本部会議におけます内部統制プロジェクトチームは、一者かつ落札率九九%の入札結果のケーススタディーといたしまして、豊洲市場やオリンピック施設の工事を取り上げたものでありまして、個別案件の入札に不正などの問題があったかどうかを調査することを目的とはしてございません。
 プロジェクトチームでは、将来にわたりまして都民に疑念を抱かせることがないよう、より多くの入札参加者を確保し、競争性や透明性を高めることを主眼に、入札契約制度について検討を行ったものであります。当該案件につきましては、当時の入札手続に沿って適正な入札がなされ、公平性は担保されているものと従前より認識をしております。

○三宅委員 不正や、そういった問題はないという局長の答弁でした。
 豊洲市場の追加対策工事においては、小池知事と顧問団が試行した新たな入札制度により、不調が続発して工事すらできないといった、先の見えない事態が生じたことも申し添えておきます。
 きれいごとや聞こえのいいことばかりアピールして、その結果に責任を持たないというのは、小池知事の常套手段です。
 オリンピックの三会場見直し騒動も、まさにその類でした。小池知事は就任早々、ボート、カヌーは、海の森水上競技場をつくらずに宮城県の長沼ボート場で、バレーボールは、有明アリーナをつくらず横浜市の横浜アリーナでなど、マスメディアを引き連れて現地を訪れるなど、派手なパフォーマンスで世の中をにぎわせましたが、結果はゼロ。小池知事は都民のお金を浪費しただけではなく、被災地、宮城県長沼の皆さんに大きな失望を与えました。そもそも長沼案も横浜アリーナ案も、知事就任前に会場として使用できるかが既に検討され、それが困難と判断されていた場所でした。
 都民ファーストの会などは、組織委員会の文書を残すことばかりにこだわっておられますが、小池知事のオリンピックを利用した、こうしたパフォーマンスこそ、しっかり検証しなければなりません。
 さて、もうすぐ新年度、七月五日投開票で行われる都知事選挙の日程も近づいてきました。五月中旬には立候補届け出書類が配布され、六月上旬には事前審査が始まるとのことです。
 来年度以降の都の大方針となる二〇四〇年に向けたビジョンまで示しておいて、あとはよろしくということがあるのかないのか。本来でしたら、知事がつくった都民ファーストの会から、都民に対して、知事の進退を明らかにするように求めるべきですが、何事も知事のいいなりのようですので、あえて伺います。七月の都知事選挙に立候補されるお考えはありますか。

○小池知事 自民党さんから、そういう質問が出るとは思いもしませんでした。
 今はコロナの感染症対策を一生懸命やるのが私の仕事でございます。そして、何よりも、今オリンピック・パラリンピック、もう目の前に来て、このコロナ感染症禍に見舞われ、都民の皆さんの健康を守ると同時に、世界で起こっているこのコロナウイルス感染症の広がりの中で、どうやって東京大会が完全な形で、安倍総理がいわれるところの完全な形で行われるかどうか、これにしっかり取り組むのが私の仕事ではないでしょうか。
 先ほどから、るる述べられておられますが、まず認識がかなり異なっております。そしてまた、やはり都民の皆様方にしっかりとお伝えすることはしていくという新しい都政を、皆様方とこれまで築いてきたこと、大変うれしく思っているところでございます。
 先ほどのストレートなご質問でございますが、私は今取り組むべきことに邁進をしていく、これが私の今の仕事だと、このように考えているところでございます。

○三宅委員 もう一個、大事なことを確認しておかなければなりません。小池知事は、知事就任後にもかかわらず、平成二十九年に、みずからが代表を務める政党、希望の党を立ち上げました。自身の国政への転身も公示直前まで話題となりましたが、そのときの世論をたんたんと見分けながら、最終的には都政に専念するなどといって総選挙には出馬しませんでした。女性初の総理大臣を狙って、都知事は踏み台で、今後、再び国政選挙に挑むのではないかといったうわさが絶えません。
 小池知事の国政への思いについて伺います。

○小池知事 何を目的とされたご質問なのか、さっぱりわかりません。
 そしてまた、今、この平成の三十年間を振り返りますと、非常にDX、デジタルトランスフォーメーションがおくれ、そしてまた、さまざまな国際的な地位というものも、経済のランキングとともに沈みつつある。それは、この東京都という、日本の中枢、そして首都、経済の集積地、ここと、しっかりと国の政策が、改革的な政策が合わさってこそ、有効な策が出るのではないかということでございました。
 そしてまた、国政にそのまま私が出るかどうか、マスコミは随分騒いでおりましたけれども、冒頭から、私はそのようなことは一切いっておりません。都知事として成長と成熟が両立した東京、ひいては日本の明るい未来を切り開いていく、この使命を果たすべきことであり、国に主張すべきことは主張し、連携すべきは連携しながら、なすべきことに邁進をしていく、その姿勢には変わりがございません。

○三宅委員 小池知事は、四年前、過去の都政を批判して世論を味方につけてきました。その際、よくおっしゃった一つに、団体や業界とのしがらみ政治への批判がありました。しかし、今どうでしょう。小池知事は、都議会自民党の政党復活予算二百億を廃止したと誇っておられますが、一昨年から、知事は業界団体からのヒアリングをみずから実施するようになり、あげく、各団体への予算づけを公式発表前に行った上、それらの団体に対して、みずからのパーティー券購入依頼を、何と元特別秘書で、現在の東京水道株式会社の野田数社長に任せていた、させていたというではありませんか。各団体からしたら、とんでもない恐ろしい圧力、そういうふうに思われても仕方ありません。
 過日の本会議において、そうやって開催した政治資金パーティー券購入団体のうち、予算ヒアリングを行った団体があったかなど、情報公開を求める質問がなされましたが、小池知事は、法に基づいて政治資金収支報告書に掲載をしてまいりますとだけ答弁しております。
 知事の政治団体である、これは百成会というんですかね、収支報告書が公開されるのは都知事選挙終了後の秋口です。また、政治資金規正法によれば、パーティー券二十万円を超えないものについては、氏名、住所などを収支報告書に記載しなくてもよいことになっていますが、情報公開、都政の透明化を公約とした小池知事、都知事選挙にお出になるならば、昨年二月十九日と十一月二十八日に都内のホテルで開催した政治資金パーティーについて、しがらみ政治といわれないように、また、二十万円未満も含めた都知事選挙前の情報公開を求めますが、知事の見解を伺います。

○小池知事 私は、しがらみということではなく、まさに現場の声を伺って、それを都政に反映をしているということでございます。そして、今ご指摘がございました会合でございますが、支援者に対して都政の報告を行った、昼食勉強会のことを指しておられるかと存じます。これらは法に基づいて政治資金収支報告書に掲載をする予定といたしております。

○三宅委員 二十万円以下だと公開しなくていいんです。だから、積極的に、疑いを持たれないように、疑惑を持たれないように情報公開していただければと思っております。
 予算編成権を持つ小池知事が、みずからが業界団体への要望聴取をし、パーティー券の購入を迫るのは、これ大問題ですよ。改めていただきたいと思います。
 次に、口腔ケアについて伺いたいと思います。
 新型コロナウイルスについては、いまだ未知の部分が多いのですが、インフルエンザ対策では、個人個人で気をつけるべきは、やっぱり手洗い、うがい、消毒、こういったことだといわれています。中でもインフルエンザ対策では、国際歯科衛生士雑誌、インターナショナル・ジャーナル・オブ・デンタル・ハイジーンでの論文を見れば、口腔ケアはインフルエンザウイルスを抑制する、つまり、口腔ケアはインフルエンザ感染予防効果があることのエビデンスが示されています。今こそ歯科医師、歯科衛生士による口腔ケアの重要性を訴えたいと思います。
 パネルがありますが、香川県がまとめた歯の健康と医療費に関する調査によると、歯が残っている本数が多いほど、医科の医療費が安くなっています。日ごろから歯の健康に留意して、歯科健診を国民全員が年一回でもやっていれば、健康長寿の国ができるのではないでしょうか。国でも実際に、骨太方針二〇一七から三年続けて歯科の重要性が明記されています。その中には、生涯を通じた歯科健診の充実という言葉も入りました。都民の健康長寿を後押しする生涯を通じた歯科健診の充実というものを、都は後押しすべきと考えますが、見解を伺います。

○内藤福祉保健局長 歯周病などの歯科疾患は、糖尿病、心疾患など全身の健康と深くかかわるとされておりまして、その予防や早期発見のため、歯科健診を定期的に受診することは重要だと認識してございます。
 都は、健康増進法に基づく歯周疾患検診に加えまして、独自に歯科健康診査に取り組む区市町村を支援しているところでございます。
 また、東京都歯科保健推進計画では、乳幼児期から高齢期までのライフステージに応じ、かかりつけ歯科医を持ち、定期健診を受けることの大切さなどにつきまして普及啓発を行うこととしております。
 都といたしましては、定期的、継続的に口腔衛生管理等を行うかかりつけ歯科医の機能や、かかりつけ歯科医を持つ重要性について解説したリーフレットを、東京都歯科医師会の協力も得て作成しておりまして、区市町村にその活用を促すなど、都民の歯科保健に関する理解促進を図っているところでございます。

○三宅委員 ぜひ、それは全都でよろしくお願いしたいと思っております。
 次に、スマート東京についてお伺いいたしたいと思います。
 スマート東京を進めることについては、世界の都市間競争の中で東京の存在感を高めるために必要なものだと思います。しかし、スマート、ソサエティー五・〇など、都民生活にどのようにかかわるのか具体的に示してほしいとの声もあります。
 都が総力を挙げて、このスマート東京実現に邁進していくというのならば、例えばウエルネスのデータ活用など、将来は都民の健康問題にかかわる話であり、しかも、今現在、新型コロナ対策に国民総出で努力している最中なのだから、ウエルネスなどの都民の関心事には、しっかりと説明責任を都は果たしていくべきだと思います。
 都が、より具体的に、都民のデータがどのように扱われ、どんなメリットがあるのか明確にすべきです。こうした議論をしていくことが、私たち都議会の務めであると考えますし、都側の責任は都民の疑問に明確に答えていくことだと思います。
 そこで、スマート東京におけるウエルネスデータの活用は、データがどのように扱われ、どのようにその安全性が確保され、そしてどんな都民生活の質の向上があるのか宮坂副知事にお伺いいたします。

○宮坂副知事 スマート東京の実現に当たっては、データが非常に大切になります。そして、都民の皆様の理解や、都民の皆様の参画が成功の鍵となりますし、特に、生活に密接にかかわるウエルネス分野の取り組みを具体化、加速することも、やはりとても大事ではないかというふうに思っております。
 ウエルネスの分野には、例えば健康診断や検査の結果、それから例えばですけど、いろんな画像の、診断をしたときの画像のデータとか、あと日常的なあれでいいますと、例えばお薬の服用のデータであったり、心拍数とか日常生活で体重をはかったりとか、食事の記録、睡眠の記録、最近ではいろんな方がスマートウオッチをつけていらっしゃいますけど、運動の記録とか、さまざまなデータがこのウエルネスの分野にはたくさんあります。
 一方で、それらのデータが非常にたくさんあるのでございますが、さまざまな種類のデータが、現状では紙の形で残っていたり、または別々の情報システムとか別々のアプリの中に、ばらばらで保存されているのが多分現状だというふうに思っております。こういったばらばらなものを、できるだけ統一的に保存したりしていくということが非常に重要ではないかというふうに思っております。
 ただ、そのためには、やはりこのデータというのは、個人の方にとっては非常にセンシティブなデータになりますので、提供者の方の同意とか、そもそもちゃんと理解した上での同意なんかも非常に大事になります。
 また、センシティブな病歴に関する情報なんかもあるかもしれませんので、特定の個人を識別することができないような加工を行うような必要も出てくるかもしれないと。こういった多くの課題があり、非常にデータを使えば人々の健康を増進できるんじゃないかという可能性はありながらも、今まではなかなか進んでいなかったかなというのが現状だと思います。
 ウエルネスの分野におけるデータの活用は、都民の健康とか長寿を情報技術の力で実現することにほかならないというふうに思います。私自身もいろんな自動運転とか、いろんな技術のことをやりたいと思いますけど、やはりそういったものができる前提として、都民の方々が健康で幸せに生きていく、体の健康というのは非常に重要ではないかというふうに考えております。
 こういったデータができるようになると、食生活や生活習慣などのデータを大量に収集し、そのデータを分析して、その方々にぴったりの食事のメニューのご提案とか、あと運動のメニューのご提案などなんかも可能になるかと思います。
 安全性の確保はもう何よりも大事でございますけど、都が来年度設置する官民連携データプラットホームの構築において、都の人間だけではなく、外部の専門家等も活用しながら、セキュリティーについてはしっかりやっていきたいと思います。
 また、情報のデータの収集や提供、利活用に係るそのルール、ポリシー、これも匿名加工等の個人情報保護のもと、適切にデータを取り扱うとともに、第三者委員会なども設けて、適切に我々が運用できているのかと、そういったチェック・アンド・バランスも重要ではないかと思います。
 さらに、区市町村、大学、企業等が連携したモデルプロジェクトの支援に当たっても、安全性に係る点については、しっかりモニタリングを行ってやっていきたいと思います。
 こうした安全性の取り組みについて、都民の皆様に丁寧に説明した上で、データの活用を推進し、人生百年時代においても健康で生き生きと暮らせる社会を、情報技術で少しでもお役に立てればと思っております。

○三宅委員 ウエルネスデータの活用、これは大変重要なことになると思いますが、一方で、その安全性、これをいかに担保していくのか、これも重要になりますので、ぜひ進めていただきたいと思います。
 余談ですが、私の選挙区で新島はまだ3Gなんです。ぜひ5Gに、これは要望だけしておきます。
 次に、島しょ地域の中学校の特別支援学級、ここに在籍している生徒たちについて質問したいと思います。
 島の中学校の特別支援学級に在籍している生徒は、中学校を卒業後、都立特別支援学校の高等部に進学しようとした場合、都立特別支援学校の寄宿舎に入舎することになります。
 入舎した児童生徒が島に月に二回帰省することになっていますが、その際、寄宿舎や学校に親が迎えに行かなければならず、保護者にとって、時間的にも経済的にも大変負担が大きい。また、これらの負担から、親も現在の島での仕事をやめ、こちらの内地で職を探すことになるかもしれない、そういったことも考えられます。
 例えば八丈町では、令和二年度末、中学校を卒業する障害のある生徒がふえることが見込まれていますが、八丈町には、都立八丈高校に特別支援学級を設けてほしいとの要望が強くあります。
 この要望に応えることはできるのか、お伺いいたします。

○藤田教育長 特別支援教育におきましては、障害のある児童生徒一人一人の教育的ニーズに応え、その能力を最大限に伸長することが求められ、島しょ地区において特別支援学級の高等学校への設置のご要望があることは承知をしております。
 しかしながら、高等学校における特別支援学級の設置につきましては、義務教育段階と異なりまして、特別の教育課程を編成することができないという現在の制度上の制約がございます。
 都教育委員会といたしましては、島しょ地区における特別支援教育を充実することは重要であるというふうには認識しておりまして、そのあり方につきまして、さまざまな観点から検討する必要があるというふうに考えているところでございます。

○三宅委員 検討していただきたいんですけど、もう来年度末で、令和二年度末で結構ふえてきますので、これ八丈町だけではなくて、新島も、また小笠原もこういったことが考えられていますので、ぜひ各島の実情に応じた対応を求めたいと思います。
 最後に、島しょ地域の再生可能エネルギーについて伺います。
 最近、洋上風力発電が、アジアでは台湾とかでも盛んに行われておりますが、私の地元大島でも、民間事業者が洋上風力発電の開発を念頭に、海底の状況調査などを行っていると聞いております。
 都は、令和二年度の予算案で、再生可能エネルギーの拡大についても積極的な提案をしていますが、こうした洋上風力発電を含めた島しょ地域における再生可能エネルギーの拡大に向けた都の考えを伺います。

○吉村環境局長 島しょ地域においては、エネルギー調達コストや輸送における天候リスクなどの面からも、再生可能エネルギーの導入拡大は重要でございます。
 このため、都は、小笠原母島で、一年のうち半年程度を太陽光発電のみで電力供給を行う実証に向けた取り組みや、島しょでの再エネ導入の余地について調査等を実施しております。
 洋上風力発電については、国内でも再エネ海域利用法が制定され、長崎県五島市沖では、この法律による区域指定を受け開発が進むほか、東京電力が千葉県銚子沖で三十七万キロワットの洋上風力発電導入の動きを見せるなど、導入拡大に向けた期待が高まっております。
 都は、こうした洋上風力発電の導入の可能性も含め、国や事業者の動きを注視していくとともに、島しょ地域における再エネの普及拡大に向けた取り組みを進めてまいります。

○山崎副委員長 三宅正彦委員の発言は終わりました。(拍手)
 この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。
   午後五時四十五分休憩

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