予算特別委員会速記録第二号

   午後七時十分開議

○中山副委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 高倉良生理事の発言を許します。

○高倉委員 ことしはオリンピック・パラリンピック大会が開催をされる記念すべき年でございます。また、国連の持続可能な開発目標、SDGsや、都の未来の東京戦略ビジョンが示しました目標の二〇三〇年に向けた新たな十年の幕あけの年でございます。
 その中で私どもが直面しているのが新型コロナウイルスの感染でございます。
 感染拡大は都民生活や経済活動に大きな影響を及ぼしております。予算案に計上された税収が確保できるかどうか、こういったことも大きな課題でございます。
 一方で、待ったなしの感染症対策には、ちゅうちょすることなく、基金や予備費なども適切に活用し、新たな財源措置を講じていかなければなりません。
 今後の財政運営と感染症対策に立ち向かう知事の見解を求めます。

○小池知事 新型コロナウイルス感染症対策を初めといたしまして、都が直面をいたしております課題に迅速に取り組んでいくためには、施策の展開を支え得る強固で、そして弾力的な財政基盤の確保が不可欠でございます。
 このため、都といたしまして、令和二年度の予算編成において一千二百六十六件の評価結果を公表いたすとともに、約一千三十億円の財源を確保した事業評価の取り組みや、予算執行時の精査によって無駄の排除を徹底することで財源を生み出して、令和二年度末時点で財政調整基金についての九千三百四十八億円の残高を確保して、財政基盤の強化を図ってきたところでございます。
 そして、今般、今ご指摘がございましたように、喫緊の課題に浮上いたしましたのが新型コロナウイルス感染症対策でございます。この対策に対しまして、財政調整基金を活用して機動的に補正予算を編成することができますのも、こうした蓄積のたまものでございます。
 新型コロナウイルスに関する情勢につきましては日々刻々と変化をいたしております。学校や企業を初めとして都民生活に大きな影響が生じているところでございます。
 都といたしましても、今後、策定が予定されている国の緊急対応策なども踏まえまして、ちゅうちょなく--そのままの言葉を使わせていただきますと、ちゅうちょなく必要な対策を実施してまいります。
 今後も、税収動向を注視いたしながら、より一層無駄の排除を徹底するとともに、都債や基金を戦略的かつ計画的に活用するなど、健全な財政運営に努めてまいります。

○高倉委員 令和二年度予算案の編成に当たりまして、都議会公明党は昨年十二月、知事に予算要望を行いました。その中で特に私立高校授業料の世帯年収約九百十万円未満までの拡充を求めました。この拡充は、公明党の推進で国が来年度から実施をする年収約五百九十万円未満までの無償化の財源により可能になりました。
 国の五百九十万円未満までの実施は、昨年の消費税アップを踏まえて確保された財源によるものです。都が無償化を拡充できた背景について知事の見解を求めます。

○小池知事 家庭の経済状況によって子供たちの将来の希望が閉ざされてはならないと考えます。誰もが希望する教育を受けることができますように、子供たちの学びたいという気持ちに応えていく必要がございます。
 今、理事からお話がございましたように、国が就学支援金制度を拡充いたしました。これによって、年収約五百九十万円未満の世帯を対象に授業料を実質無償化するわけでございますが、このことで都としての負担が減少をすることなどから、この財源を活用いたしまして、都の特別奨学金の対象を、年収約九百十万円未満の世帯までに拡大することといたしたものでございます。

○高倉委員 今定例会の都議会公明党の代表質問に対しまして、知事からは、年収が九百十万円を上回る世帯でも、扶養する二十三歳未満の子供が三人以上いる場合、私立だけでなく、都立に通う生徒にも一人当たり公立高校授業料の半額相当を軽減していくという答弁がございました。
 今後は、授業料軽減の手続など、具体的な内容をまとめていくことになりますけれども、都立学校における現在の検討状況について答弁を求めます。

○藤田教育長 都教育委員会では、令和二年度から、年収が約九百十万円を上回り、扶養する二十三歳未満の子供が三人以上いる世帯において、都立学校に通う生徒の授業料の半額を減額することといたしておりまして、現在、事務手続等について検討を進めているところでございます。
 具体的には、東京都立学校の授業料等徴収条例に定める減免規定を活用することによりまして、全日制、定時制、通信制高校や特別支援学校高等部等、それぞれ定められております授業料の半額を減額することといたします。
 今後、多子世帯において、都立学校授業料の軽減措置を確実に利用ができるよう、リーフレットを作成し、広く周知を図りますとともに、具体的な認定手続等について、さらに準備を進めてまいります。

○高倉委員 私立高校在学の生徒を対象にしました就学支援金でありますけれども、一定の所得を超える世帯、具体的には、住民税の所得割額を年間五十万七千円以上納めている場合、これは対象外になるわけであります。住民税額により判定をしているわけでありますけれども、この就学支援金について、全く同じ年収世帯の同級生であっても支給されないケースがあるといった声が寄せられております。
 こうした不公平が生じる背景には、支給基準である住民税の税額に影響する扶養控除について適用されるか否かが要因になっているわけであります。
 そこで、住民税の算出方法と扶養控除について概要を説明していただきたいと思います。

○塩見主税局長 住民税は、地方税法により、前年の一月から十二月までの所得に基づいて課することとされております。その税額は、給与所得者の場合、収入から社会保険料や給与所得控除、扶養控除等を差し引いた所得に税率を乗じて算出いたします。
 このうち扶養控除は、前年の十二月三十一日において、年齢が十六歳以上であって、年間所得額が一定以下などの要件に該当する扶養親族がいる場合に、所得金額から一人当たり三十三万円を控除するものでございます。

○高倉委員 パネルをごらんいただきたいというふうに思います。扶養控除の額は、前年の十二月三十一日時点の年齢を基準にされるため、ここでいうと早生まれの高校二年生は、ここですけれども、早生まれの高校二年生は、十六歳から適用される扶養控除が適用されないわけでございます。
 そのために、同じ年収、家族構成であっても、生徒が早生まれの場合、税額が異なるために、受給できるかどうかといったことの差が出てきてしまうわけでございます。
 生徒たちのことを考えますと、生まれ月によって差が生じない制度にすべきと考えますけれども、見解を求めます。

○浜生活文化局長 私立高校授業料の実質無償化は、一定の所得要件を満たす世帯について、国の就学支援金と都の特別奨学金補助を合わせて、都内私立高校の平均授業料額まで支援する制度でございます。
 国の就学支援金につきましては、扶養控除が反映された額を所得要件の審査基準としており、都の特別奨学金におきましても、国の就学支援金と同様の審査基準としております。
 ご指摘の課題につきましては、国においても認識していると聞いておりまして、今後、国の動向を注視してまいります。

○高倉委員 今、答弁で、国の動向を注視していくと、こういうお話があったわけであります。
 しかしながら、都の今やっている仕組みは、国の制度よりも先んじて、そして充実させて進めているわけであります。そうした都だからこそ、こうした課題についても国に先んじて、また国に先鞭をつけてやっていくと、こういったことが私は必要ではないかというふうに思っておりまして、強く要望しておきたいと思います。
 そして、私立高校授業料の実質無償化の大きな課題が通信制高校であります。
 国は、都道府県認可の全ての通信制高校を五百九十万円未満世帯までの無償化の対象にいたしました。
 都では、今回実施予定の九百十万円未満までの世帯については、都認可の八校のみとし、他の道府県認可は対象外になったままであります。他の道府県認可とはいえ、都内にみずからの学校施設があるなど、同じ通信制高校であります。
 都議会公明党は代表質問で、他の道府県認可の通信制高校も都が実施する実質無償化の対象にするように求めました。知事からは、新たな仕組みが必要であり、今後、その方策について検討するという答弁がございました。
 今後、その方策についてどう検討を進めていくのか、見解を求めます。

○浜生活文化局長 通信制高校では、履修単位数に応じて生徒一人ずつ授業料が異なっているため、これらを正確に把握する必要がございます。
 しかしながら、都認可以外の通信制高校は都の指導監督権限が及ばないため、特別奨学金の支給に必要な生徒一人一人の授業料等の情報を得ることが困難でございます。
 また、特別奨学金の算出に必要となる国の就学支援金の交付額を都が把握しておらず、他道府県による審査結果が必要となります。このため現行の仕組みはそのまま適用できず、新たな仕組みを検討する必要がございます。
 まずは、都認可以外の通信制高校における都民の在籍状況等を把握する必要がございますが、認可権限の及ばない学校に関するこのような調査を行ったことがないため、協力いただく他道府県等への丁寧なご説明など、その手法も含め、具体的な進め方について検討してまいります。

○高倉委員 今、非常に大事な答弁をいただいたというふうに思っております。私どもは、この無償化については他の道府県の通信制高校についてもしっかりと対象にしていくと、このことをこれからもしっかり求めてまいりますけれども、今ご答弁にあったとおり、きちっと対処をお願いしたいというふうに思います。
 令和二年度予算要望で都議会公明党は市町村総合交付金の増額を求めましたけれども、昨年の台風災害による被害等を考慮すれば、災害対策などの施策をさらに強化する必要があります。
 交付金の増額を決めた判断と交付金の使い道について知事の見解を求めます。

○小池知事 市町村総合交付金でございますが、地域の発展に向けて市町村が取り組む各種の施策に要する一般財源の補完としての役割を果たしているものと認識いたしております。
 これまで道路や公共施設の整備、そして産業の振興などの政策課題に対して活用していただくなど、各市町村の取り組みをきめ細かに支援してきたわけでございます。
 先般行いました市町村長の皆様との意見交換の場でございますが、各市町村が地域の課題解決に向けまして創意工夫を凝らして取り組まれている状況、これを直接伺ったところでございます。
 また、ご指摘にございましたように、昨年の台風被害は大変激しいものがございましたが、昨年の台風被害を踏まえた防災対策のさらなる強化や都市のデジタル化、スマート化、働き方改革への取り組みなど、時代の変化に即した新たな課題も生じているところでございます。
 こうした各市町村の課題の解決に向けまして、自立的、主体的な取り組みを後押ししていく、そして多摩や島しょ地域のさらなる振興を図っていくためにも、今回、市町村総合交付金につきまして、令和元年度の予算から二十億円の増額で五百八十億円、予算案として提案をさせていただいているところでございます。
 今後とも、市町村の皆様のご意見を十分に伺いつつ、総合交付金を有効に活用していただいて、新たな課題に対しまして市町村が積極的に取り組んでいくように支援をしてまいる所存でございます。

○高倉委員 次いで、新型コロナウイルス対策について質問をいたします。
 連日の報道で、三十七度五分以上の熱が出て呼吸器症状のある人が新型コロナウイルス感染症の受診相談窓口に相談をしたところ、感染の有無を確認するPCR検査が受けられなかったという事例が取り上げられています。
 そこで、なぜこのような事態が起きているのか、一つ一つ丁寧に都に確認をしていきたいと思います。
 相談に応じる帰国者・接触者電話相談センターは二月二十八日、都民にわかりやすいネーミングであります新型コロナ受診相談窓口に変更されました。
 まず、東京都が特別区、八王子市、町田市と共同設置している新型コロナ受診相談窓口や都内の各保健所に感染の疑いがあると思って相談をしてきた件数は何件あったのか、また、PCR検査を受診できたのは何件であったのか、説明を求めたいと思います。

○内藤福祉保健局長 新型コロナ受診相談窓口は、平日日中には都内の全保健所で開設し、平日夜間及び土日祝日には特別区、八王子市、町田市と共同で運営してございます。
 寄せられた相談件数は、二月七日の開設から三月五日までの合計で二万一千六百二十四件でございます。
 また、東京都健康安全研究センターにおける検査実績は、三月五日までの集計で、都内発生分千四百八十五件、その他、武漢市からのチャーター便やクルーズ船の関係者六百三十四件、合計二千百十九件でございます。

○高倉委員 今後、都民の相談件数は増加をしていくと思われます。
 そこで、一般相談を受け付ける新型コロナコールセンターや新型コロナ受診相談窓口に都民が相談をしていただく目安について見解を求めたいと思います。

○内藤福祉保健局長 新型コロナコールセンターにおきましては、具体的な予防法や心配な症状があらわれたときの対応など、新型コロナウイルス感染症に関するさまざまな相談に応じております。
 また、新型コロナ受診相談窓口では、風邪の症状や三十七度五分以上の発熱が四日以上続いている場合、強いだるさや息苦しさがある場合、これらの症状が二日程度続いている高齢者や基礎疾患等がある方からの相談を受け付けております。
 コールセンターに寄せられた相談のうち、専門的な助言が必要な場合には受診相談窓口をご案内しているところでございます。
 都は、それぞれの窓口の対応内容や対象者の目安等を都民に周知し、ニーズに応じた適切な相談窓口の利用を呼びかけてまいります。

○高倉委員 今、答弁をいただきましたけれども、しかしながら、マスコミ報道等にもあるように、新型コロナ受診相談窓口に相談をして、三十七度五分以上の熱があり、せきなどの呼吸器症状があっても、新型コロナ外来を紹介してもらえないと、こういう事例が実は幾つも出てきているわけであります。
 パネルをちょっとごらんいただきたいと思います。これは、二月二十七日付、国の通知、新型コロナウイルス感染症に関する行政検査について、この検査の流れをもとに、なぜこうした事態が出てくるのか解明していきたいと思います。
 まず、検査対象者について、国は流行状況を見きわめながら、その都度変更をしているというふうに聞いています。このパネルのAからDの対象について、初めは中国の武漢市、あるいは湖北省への渡航歴、あるいは滞在歴がある、またはそうした方との濃厚接触歴などのかなり厳しい縛りがあったと聞いております。
 そこで、この対象者の変遷について時系列で説明をいただきたいと思います。

○内藤福祉保健局長 国は一月二十三日に、患者が三十七度五分以上の発熱かつ呼吸器症状があり、発症前二週間以内に武漢市内を訪問した場合や武漢市への渡航歴があり、発熱かつ呼吸器症状を有する人との接触歴がある場合について、インフルエンザ等の検査を行いつつ、医療機関と保健所が相談した上で検査対象とするといたしました。
 二月四日には、検査対象とする患者の要件として、発熱または呼吸器症状があり、確定患者との濃厚接触歴がある場合、集中治療その他これに準ずるものが必要であり、かつ直ちに特定の感染症と診断することができないと判断した場合などが定められました。
 次いで二月七日には、この基準をもとに、新型コロナウイルス感染症を強く疑う場合には、より柔軟に検査を行うよう要請があったところでございます。
 これを受けまして都は、二月十二日に都内の保健所を設置する自治体と改めて申し合わせを行いまして、国の要件に合致しない場合でも、感染が強く疑われる場合には検査を実施することといたしました。
 次いで二月十七日には、これまでの検査対象に加えまして、国からは、発熱かつ呼吸器症状を有し、入院を要する肺炎が疑われる場合や症状や患者の接触歴の有無など、医師が総合的に判断した場合などについても検査対象とすることとされました。
 さらに二月二十七日には、病状や患者の接触歴の有無にかかわらず、患者を診察した医師が総合的に判断した場合についても検査対象とすることとされたところでございます。
 このように国は、国内外の発生状況等を踏まえながら、検査対象を数次にわたり見直しており、都内の保健所では国の考えを踏まえながら、実情に合った対応を行っていると考えております。

○高倉委員 したがいまして、このパネルのCのところ、入院を要する肺炎が疑われる、これがとても大事になってくるわけであります。この判断を一体誰が行うのか説明を求めたいと思います。

○内藤福祉保健局長 入院を要する肺炎が疑われると判断いたしますのは、患者を診察した医師でございます。こうした症状であると判断した医師から新型コロナ受診相談窓口に連絡をしていただき、新型コロナ外来の受診を案内することとなります。

○高倉委員 このパネルを見ますと、いわゆるAからD、そして、医師が総合的に判断をした結果においても、さらにこの下に矢印がありまして、ここの検査が必要になると。この検査がなぜ必要になるのか、このことについても説明を求めたいと思います。

○内藤福祉保健局長 患者を診察した医師が総合的に判断するに当たりまして、基本的には季節性インフルエンザに係る検査、その他一般的な呼吸器感染症の病原体の検査を行った上で、陰性になった場合に新型コロナウイルスのPCR検査を実施することとされております。
 国が示したそのフローチャートでは、このことを医療機関と保健所が確認できるよう、検査について入念的に明示したものと認識してございます。
 なお、検査結果の判明までに時間がかかる場合には、結果を待つことなくPCR検査を並行して行うこととされております。

○高倉委員 先ほども質疑をしましたけれども、新型コロナの受診相談の流れについては、この流れのように対象者の変遷がありまして、その都度変更があったということ。その一方で、これを厳格に判断してきたと。そのことによって、新型コロナの患者外来を紹介されない事例があったというふうに思うわけであります。
 東京都健康安全研究センターでの検査件数を当初より大幅にふやし、民間の検査機関での検査を行っている現状では、もう少し柔軟な対応をして検査に結びつけていく必要があると思いますけれども、この点について知事の見解を求めたいと思います。

○小池知事 感染の有無を確認する検査でございますが、対策の重要な柱の一つでございます。都は、健康安全研究センターで検査を独自に実施できる体制をいち早く整備いたしております。
 国におきましては、段階的に検査対象を拡大するなど見直しを行ってこられました。
 都においては、国の要件に合致しない場合でも、都内の保健所と申し合わせを行いまして、感染が強く疑われる場合には検査を実施することといたしました。
 検査対応力を高めるために、民間の検査機関も活用して検査体制を強化いたしまして、さらに、来年度には検査機器等を追加整備して、一層体制を強化する予定となっており、この予算案に入っております。
 今後、流行状況を見きわめながら、保健所や医療機関とも連携をしながら、患者さんを診察された医師が総合的に判断した結果、感染を疑う場合も検査対象となることなども改めて徹底いたしまして、必要な対象者に検査を確実に実施をしてまいります。

○高倉委員 今、知事からのご答弁をいただきましたけれども、診察をした医師が総合的に判断をした場合に検査をすることができる、こうしたことをぜひ区市町村にも再度徹底をお願いしたいと思います。
 そして、症状があったとしても検査を受けられない、こうした多くの声に、情報を正確に伝えながら、また、柔軟な対応で検査に結びつけていくようによろしくお願いをしたいというふうに思います。
 新型コロナウイルスの感染症の拡大を受けまして、都が主催するイベントを初めとしてさまざまな行事が取りやめになっています。それに伴って、出演者を初め、直接的、間接的な関係者が予定をしていた収入が得られないと、そういった大きな影響が出てきているわけであります。
 あす三月十日には、国が緊急対応策を出すということでありますけれども、都としてのこうした方々に対する対応について知事の答弁を求めたいと思います。

○小池知事 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴いますイベントの自粛、そして学校休業の影響は経済活動にも波及いたしております。
 都の特別相談窓口にも、受注や売り上げが減少したこと、それから、資金繰りに困っているなど、大変切実な相談が寄せられているとの報告も受けております。多くの個人事業主の方々が日々不安を抱えながら事業活動されているものと認識をいたしております。
 そうした不安を取り除けますように、先週、新型コロナウイルス感染症に対応した新たな融資制度等によります支援を立ち上げたところでございます。
 加えまして、都内中小企業の経営や従業員の雇用と生活の安定が図られますよう、さらなるセーフティーネット対策の検討開始をいたしました。
 そして、あす国が打ち出します予定の対策の内容も踏まえまして、都が独自に取り組むべき支援策を速やかに取りまとめて、都内のさまざまな事業者の方々を全力で支えてまいります。
 済みません、加えてよろしいですか。

○中山副委員長 はい。

○小池知事 加えさせていただきます。
 今、対応が喫緊の課題になっているというふうに申し上げました。
 そして、感染の拡大を抑制して都民生活などへの影響を少なくするために、各局横断的な検討組織として、梶原副知事をリーダーとして新型コロナウイルス対応緊急東京チームを三月四日付で設置いたしております。
 そして、都内区市町村の代表の皆様と意見交換もいたしました。遠隔会議で、中にはウエブ会議でございました。そして、感染症などの専門家の方々からも、ご意見も丁寧に伺いました。都議会でのご議論もございます。今回取りまとめる緊急対応策の検討に生かしてまいりたいと考えております。
 今申し上げましたように、国がまとめます、あす出てまいります緊急対応策の内容を踏まえて、都として都民の不安要素の解消に努めてまいります。失礼いたしました。

○高倉委員 感染症の拡大はさまざまな事業活動にも大きな影響を与えているわけであります。
 小規模な観光バスの会社、あるいはイベント会社などでは、仕事がほとんどキャンセルになって、経営が立ち行かなくなっていると、こういう事例がありまして、新たな対策が急務であります。また、これは勤めている社員の雇用にも影響する事態であります。
 国は、雇用調整助成金の制度を活用して支援も行うというふうにしておりますけれども、雇用保険に入っていない個人事業主にとっては、これは支援にならないわけであります。
 都としても支援を行うべきと考えますけれども、知事の答弁を求めたいと思います。

○小池知事 先ほどのご答弁と重なりますけれども、今ご指摘ありましたように、イベントの自粛や学校休業の影響が経済活動にも波及している件でございます。
 そこで、特別相談窓口を都が設けておりますが、実際に受注や売り上げが減少している、資金繰りに困っているなど切実な相談が寄せられておりまして、多くの個人事業主の方々が日々不安を抱えながら事業活動をされておられるわけでございます。
 先週、新型コロナウイルス感染症に対応した新たな融資制度による支援を立ち上げておりますことと、都内中小企業の経営や従業員の雇用、生活の安定が図られますように、さらなるセーフティーネット対策の検討開始もいたしております。
 何度も申し上げて恐縮ですけれども、あす国が緊急対策を打ち出すと。その内容も踏まえまして、都が独自に取り組むべき支援策を速やかに取りまとめて、都内のさまざまな事業者の方々、働く方々をそれぞれ全力で支えてまいります。

○高倉委員 緊急融資の取り組みはしっかりと私どもも高く評価をするわけでありますが、一方で、事業への影響が広がる中で、事業者は、これまで受けた融資の返済にも苦しんでいるわけであります。
 都は、中小企業との特に関係が深い地域の金融機関に対して、影響を受ける中小企業への返済猶予を検討するように、私は強力に働きかけるべきではないかというふうに思います。
 また、中小企業からの相談体制の強化を図るべきでありますが、知事の見解を求めたいと思います。

○小池知事 新型コロナウイルス感染症に伴いまして、インバウンドの減少、今、激減といった方がいいのかもしれません、そして中国との輸出入の停滞、そしてイベントの中止などによって、都内中小企業のさまざまな活動に影響が既に生じております。東京の経済の活力低下が懸念をされるところでございます。株価については先ほども申し上げましたように、二万円をあっさりと切ってしまったという状況でございます。
 こうした影響を最小限に抑えるために、先般、都議会の皆様に可決していただきました令和元年度の補正予算によって緊急融資制度を創設いたしまして、中小企業に対する金融支援を速やかに開始いたしております。
 そして、今後ですが、この支援策が中小企業に着実に届きますように、地域の金融機関に対しまして、緊急融資制度の積極的な活用を依頼いたしてまいります。
 また、中小企業の資金繰りの逼迫が見込まれます年度末でございますが、既存の債務の返済の猶予や借りかえなど、個々の実情を踏まえた対応が求められているところでございます。私みずから地域の金融機関に対しまして、中小企業に寄り添った柔軟な対応を要請してまいります。
 こうした取り組みに加えまして、中小企業からの融資相談の増加が見込まれます年度末でございますが、資金繰りに関する特別相談窓口の開設時間を延長して、多忙な方でも相談しやすい体制を整えてまいります。
 今後とも、感染症によります影響を受けている都内の中小企業が早期に経営の安定化を図ることができますように、金融支援に全力で取り組んでまいります。

○高倉委員 今、知事が、私みずから要請をしていくと、こういうお話がありました。これは大変力強いメッセージになるんじゃないかなというふうに私は思っております。ぜひしっかりとお願いをしたいというふうに思います。
 今、国からの要請を受けまして、都内の学校が休校になっているわけであります。
 特に小さなお子さんたちがいらっしゃる小学校、あるいは中学校が休校になっておりまして、さまざまな課題が指摘をされておりますが、私はこの中で、学業への影響といったことについての対応について質問したいと思いますけれども、今、インターネットの環境を活用した、例えばeラーニングといったようなものが普及しているわけであります。
 子供さんたちは今、スマートフォン等もかなり持っていらっしゃるということもありまして、私は、こういう時期にこそ、こうしたインターネットの環境を生かした学習手法を積極的に活用していくべきではないかというふうに思います。教育長の答弁を求めます。

○藤田教育長 今般の臨時休業に当たりましては、都内公立学校では、児童生徒が家庭で学習に取り組めるよう、児童生徒の実態等を踏まえ、年間を通じて計画的に使用している教材に加えて、教科ごとに新たな教材などを配布して対応を行っております。
 また、学校のホームページ上に学習課題や連絡事項を掲載するなど、さまざまに工夫をしているところでございます。
 今後、都教育委員会は、ホームページ上に児童生徒の学びを支援する臨時休業に当たっての新たなサイトを開設し、これまで都が独自に開発した自己採点機能を有する東京ベーシック・ドリル等を提供してまいります。
 さらに、民間事業者による学習支援コンテンツの情報も掲載し、児童生徒の家庭学習の充実を図ってまいります。

○高倉委員 今、教育長からの答弁で、新たなサイトを開設していくということでありました。
 また、その中には民間事業者による学習支援コンテンツの情報も掲載をしていくということで、これは非常に私は有効ではないかと思いますので、大至急お願いをしたいと思います。
 そして、ことしの四月から会計年度任用職員制度が開始されますが、それに伴う教育現場の時間講師につきまして、私どもは、制度移行の説明会を開催するように求めてまいりましたけれども、残念ながら感染症防止対策の中で中止をされております。
 教育委員会は、制度に関するわかりやすい資料の配布や電話相談に対応できる人員配置など、説明会にかわる方策を検討すべきと考えますけれども、答弁を求めます。

○藤田教育長 今月下旬に、区部と多摩地域で五回にわたり開催を予定しておりました約六千七百名を対象といたしました時間講師制度の説明会でございますが、今般の新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、中止することといたしました。
 このため、都教育委員会は、当日使用予定でございました説明資料に加えまして、改正内容のポイント集を新たに作成いたします。これらとともに、制度に関する最新の情報を盛り込んだ質疑応答集もホームページに掲載をしてまいります。
 また、電話相談に加え、専用の電子メールによる受付窓口を新たに設けまして、職員の体制を整えた上で個別に対応してまいります。
 都教育委員会は、新年度から時間講師の皆様が安心して質の高い授業が行えるよう、制度改正による勤務条件の改正内容等について丁寧な周知に努めてまいります。

○高倉委員 今回、マスクや消毒液といったものが非常に不足をしております。私どもは、学童保育、あるいは幼稚園、保育園、さらには高齢者施設や障害者施設などで必要な量を、自治体の備蓄なども活用して優先的に配布するように求めてきたわけでございます。それを受けて、都は、既に各自治体に対して要請をしたというふうにも聞いております。
 今回のマスク等の不足の事態において明らかになりましたのは、都としての備蓄が決定的に不足をしていたということであります。感染が流行しても業務の継続を図らねばならない施設等のために、都は、マスクなどの衛生資材の確保に全力を挙げるとともに、備蓄についても抜本的に検討すべきと考えますけれども、答弁を求めます。

○内藤福祉保健局長 医療機関では、マスクや消毒液など基本的な衛生資材につきましては日常的に確保しており、都においてはこれまで、新型インフルエンザ等、予期しない感染症の流行に備え、医療従事者用の防護具を備蓄してまいりました。
 今般の新型コロナウイルス発生に伴い、マスクや消毒液等の資材が不足したことから、都は、これらの安定的な流通につきまして、国に緊急要望を行ったところでございます。
 今後は、感染症の流行により衛生資材の入手が困難となることを想定することが必要であると考えております。
 このため、対象となる資材の種類と量、区市町村との役割分担等の考え方を整理するなど、必要な衛生資材の備蓄に向けて検討してまいります。

○高倉委員 特に医療機関においてサージカルマスクなどの不足が深刻であるということを私どもはたくさん聞いているわけであります。
 国はこのほど、医療用のサージカルマスクなどの安定供給のスキームといったものを発表してはおりますけれども、医療マスクについては、都道府県などの備蓄の活用がまず求められている中で、備蓄として都が独自に購入をし、医療機関の安定供給をすべきであるというふうに思うんですね。
 私は、備蓄として購入をするということについてはできるのではないかというふうに思うわけですね。これ、ご答弁はどなたになりますか。福祉保健局長でよろしいですか。

○内藤福祉保健局長 現在、委員ご指摘のようにマスク等の衛生資材の入手が非常に困難、入手しにくい状況になっております。
 今後、関係各局とも連携しながら、さまざまな手だてを尽くして対応してまいりたいと考えております。

○高倉委員 それから、東京都が発注をする事業があるわけですね。感染の拡大によってサプライチェーンが寸断をされ、部品供給の滞りなどによって影響を受ける事業者に対して、工期を延ばすといったような柔軟な対応が必要ではないかというふうに思います。
 感染拡大の防止は都の工事全体にかかわる問題であります。都は事業者からの要請を待つのではなく、全ての工事発注案件について、受注事業者に声をかけ、要望調査をして必要な対応をすべきというふうに思いますけれども、見解を求めます。

○武市財務局長 新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するためには、東京都発注工事の現場等におきましても適切に予防を行っていくことが重要でございます。
 このため、都は、国の対応に準じて工事現場等でのアルコール消毒液の設置による感染予防対策でございますとか、感染者判明時におけます連絡体制の構築などの徹底を図ることといたしました。
 さらに加えまして、工事の一時中止や工期の延長等につきまして、こちらの方から受注者の方々に意向確認をいたしまして、申し出がある場合には一時中止等を行うことといたしまして、感染拡大の防止に努めてまいります。
 その際、必要に応じて契約変更を行うなど、受注者が過度の負担を負うことのないよう適切に対応してまいります。

○高倉委員 次に、都の設計等の委託について一問質問したいと思います。
 昨年、品確法が改正をされまして、ことし一月には各発注者が取り組むべき運用指針も改正をされました。改正は品質確保とあわせて、将来の担い手確保に資する働き方改革などが大きなテーマであります。また、測量、地質調査、設計など、設計等委託が法の対象として広く位置づけられました。
 都の工事でも品質確保や事業者の働き方改革は大事な観点です。それを踏まえ、設計等委託のダンピング受注の防止に積極的に取り組むべきと考えますけれども、今後の取り組みについて見解を求めます。

○武市財務局長 設計等委託につきまして、品質確保や事業者の働き方改革を推進するため、東京都はこれまでも、適正な予定価格の設定や発注の平準化等に取り組んでまいりました。
 こうした取り組みに加えまして、今回の品確法改正の趣旨を踏まえ、ダンピング受注の防止策といたしまして、設計等委託を対象に、新たに最低制限価格制度の導入を検討し、本年二月に実施した入札監視委員会制度部会におきまして、その方向性をご審議いただいたところでございます。
 今後は、取り組み内容を具体化し、業界団体の意見も踏まえながら、十分に周知を図った上で、来年度の下半期から財務局契約の一部案件で試行を開始し、順次、対象範囲を拡大していきたいと考えております。

○高倉委員 次いで、マンション管理について質問します。
 マンション管理条例に基づきまして、都道府県初となる管理状況届け出制度が四月から開始されます。届け出が円滑に進むよう、相談体制が重要であり、都議会公明党は先般、総合相談窓口を視察いたしました。
 相談件数は月に約六十件程度と聞いておりますけれども、さらにふえることが想定されます。十分対応できるよう窓口の充実を図るべきと考えますけれども、見解を求めたいと思います。

○榎本住宅政策本部長 昨年九月に開設をいたしました分譲マンション総合相談窓口では、マンション管理士がマンション管理条例等の問い合わせに対応いたしますとともに、管理や建てかえ、改修についての相談を一元的に受け付けております。
 条例に基づきまして、届け出義務の対象となるマンションの数は約一万四千棟に上りますため、四月から対応人員を二名にふやし、毎週水曜日は開設時間を延長するとともに、月一回、土日も開設するなど、窓口体制を拡充いたします。こうした相談体制の整備によりまして、要届け出マンションからの問い合わせや相談に的確に対応し、届け出制度の円滑な運用を図ってまいります。

○高倉委員 この届け出制度を促進していく手だてが必要であるというふうに思います。
 適正管理に意欲的でない管理組合に課題解決の端緒を開いていただく意味でも、専門家による入門的な派遣は無料にするといったようなことをこれまで提案してまいりました。管理状況の届け出におきましても、インセンティブとなる専門家の派遣を実施すべきと思いますけれども、答弁を求めます。

○榎本住宅政策本部長 管理状況届け出制度では、昭和五十八年以前に建築されたマンションを対象としておりまして、これらのマンションでは、老朽化等に伴って修繕積立金の不足などのさまざまな課題を抱えていることが想定されます。
 このため、届け出を行った管理組合がこうした課題に対し、マンション管理士等の専門家によるアドバイスを受けられるよう、その派遣費用を一回全額助成する制度を新たに整備することにより、管理組合による届け出を促し、管理の適正化につなげてまいります。

○高倉委員 管理組合のないマンションでは、まず、組合の設立や管理規約の策定が不可欠であります。また、修繕が滞っているマンションでは、修繕積立金や長期修繕計画の見直しなどの課題が多くありまして、専門家による支援を丁寧に行っていく必要があります。
 こうした管理不全の兆候があるマンションについて継続的な支援を行うべきと考えますけれども、見解を求めます。

○榎本住宅政策本部長 お話の管理不全の兆候があるマンションに対しましては、行政による助言や指導等とともに、管理状況の改善に向けて、専門家を継続的に活用することが重要であると認識しております。
 このため、届け出を行ったマンションに管理不全の兆候があった場合には、繰り返し助言等を受けられるよう、専門家の派遣に当たり、その費用を最大五回まで全額助成いたします。こうした取り組みにより、適正管理に向けて、管理組合等をしっかりと支援してまいります。

○高倉委員 マンションは、適正な管理だけではなく、耐震化や建てかえも重要な課題であります。
 管理状況届け出制度は、それらの合意形成にも資するものであります。このため、建てかえなどのマンション再生についてアドバイスできる建築士などの派遣も必要であり、私ども都議会公明党は、昨年の第二回定例会でも提案をしてきたところです。
 都は、管理状況届け出制度を契機に、管理組合等が建てかえ検討を進めるに当たり、専門家を活用しやすい制度となるよう検討するという答弁をいただいておりましたけれども、その後の検討状況について見解を求めます。

○榎本住宅政策本部長 管理状況届け出制度の対象はおおむね築四十年以上のマンションでございまして、お話のとおり、建てかえ等を検討する時期のものも多く存在すると認識しております。
 このため、専門家の派遣につきましては、管理だけではなく、建てかえの初期段階において検討を進めていくために必要な、例えば管理組合内の検討体制の整備や、関係する法律、税制、公的な支援などについてアドバイスを行う建築士等も無料派遣の対象といたします。
 管理組合の状況に応じて適切な助言を実施することにより、適正管理のみならず、円滑な再生につながる切れ目ない支援を展開してまいります。

○高倉委員 次に、都営住宅の風呂釜について質問をしたいと思います。
 お風呂は生活の中でとても重要なものであります。さきの代表質問においてもこのことを取り上げました。風呂釜の都による設置を住棟単位で効率的、効果的に更新をするといったようなお話でありましたけれども、例えばエレベーター設置に二人以上の反対がありますと、共益費などの観点から設置ができないといったような問題があります。今回の風呂釜更新に例えば反対者がいるような場合、これはどうなるんでしょうか。

○榎本住宅政策本部長 エレベーターの設置につきましては、住宅の共用部分の電気代など共益費の負担増を伴うことから、反対者がいる場合には事業を推進する上で支障となります。
 一方、浴室の設備更新につきましては、居住者による設置から都による設置に切りかえるというものでございまして、共益費には影響いたしません。ただし、これまで空き家修繕の際に都が浴室設備を設置してきた場合と同様に、公営住宅法に基づき使用料が改定されます。
 そのため、こうした制度の内容を丁寧に周知した上で、居住者お一人お一人の意思を確認し、承諾をいただいた住戸について都設置に切りかえてまいります。

○高倉委員 代表質問の答弁では、さらに事業を計画的、効果的に進めるための住棟単位の更新と故障した場合の住戸ごとの更新をあわせて行っていくと、こういったことでございました。
 それぞれの事業についていつごろから行う予定でしょうか。

○榎本住宅政策本部長 まず、住棟単位の更新につきましては、事前に都内全域から幅広く住棟を選定いたしまして、新年度のできるだけ早い時期に各居住者の意思を確認した上で、効率的に浴室設備を更新してまいります。
 また、故障した場合の個別更新につきましては、平成二十八年に公社住宅において公社が浴室設備の設置を開始いたしましたけれども、その際、申し込みが集中したと聞いておりますことから、当面、居住年数等を踏まえ、優先順位を設ける予定でございます。
 ことしの八月を目途に受け付けを開始いたしまして、現地の設備機器の状態などを確認した上で適切に実施してまいります。

○高倉委員 今回のこの取り組みにつきましては、公営住宅法のルールによって、家賃に影響するということでもありました。しかしながら、入居者が高齢化をしておりまして、年金暮らし、あるいは無年金の方も多いといったようなことに十分配慮をして、また、故障枠についてもできる限り丁寧な対応をするようにお願いをしておきたいと思います。
 次に、オリ・パラの公式練習会場についてお伺いをいたします。
 二〇二〇オリンピック・パラリンピック大会について、都は公式練習会場となる都立施設の練習風景の見学に取り組むとしております。
 この練習会場には区の施設もありまして、地元区と協力して、よりよい形になるように調整をしていく必要があります。私の地元の中野区も新しい区の体育館ができますけれども、ここは卓球の公式練習会場にもなるわけであります。
 都立施設については都が組織委員会と調整をしますけれども、区立施設は区と組織委員会が調整をすることになります。都立施設の見学を積極的に実施をしていくとともに、区立施設でも見学が実現できるように組織委員会に働きかけていくべきと思いますけれども、答弁を求めます。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 練習会場は、世界各国のトップアスリートが集い、ハイレベルな練習が繰り広げられる場となりますことから、練習風景の見学は、地元での機運醸成や、子供たちに夢や希望を抱かせるすばらしい機会となります。
 そこで、都はこれまで、組織委員会を通じまして、都立五施設での実現に向け、国際競技団体と調整を進めてまいりました。その結果、指定された時間、会場において、都内小中学生によります練習風景の見学等が可能となる見込みでございます。
 今後、各国チームやアスリートの意向を踏まえた見学スケジュールとするとともに、選手との交流につきましても、可能な範囲で具体的な検討を進めてまいります。
 区立施設におきましても、その実現を図ることは重要でございまして、今後、都の取り組み状況を関係区に周知するとともに、都として組織委員会に働きかけるなど、後押しをしてまいります。

○高倉委員 次に、デフリンピックについてお伺いします。
 私ども公明党は、聴覚障害者の世界的スポーツイベントでありますデフリンピックの二〇二五年東京招致を目指して、公明党東京都本部の中に支援委員会を置きまして、当事者団体と意見交換を行ってきたところでございます。
 デフリンピックは、四年に一度の開催都市を決定するのに毎回時間を要しておりまして、二〇二一年の次回大会開催地がことしの二月、ようやくブラジルに決定をしたところであります。
 東京招致に向けては、本格的な議論を重ねる必要があると思いますが、まずは二〇二一年のブラジルでの開催までの取り組みについて、都としても十分に関心を持って調査を進めるべきというふうに思いますが、見解を求めます。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 障害者スポーツの振興におきまして、身近なスポーツの機会の確保や環境整備に加え、国際的な大会が開催されることも重要でございます。
 国際的な障害者スポーツ大会につきましては、これまでまとまった資料がなかったことから、今年度、基礎資料を整備する調査を実施し、現在、結果を取りまとめているところでございます。
 来年度は、お尋ねのデフリンピックを初めとして、大会実施の主体となる競技団体等の運営体制や今後の大会招致の意向等を把握するための調査を実施いたします。
 また、直近で開催が予定されております国際大会につきましても、ヒアリング等により、可能な限り情報収集に取り組んでまいります。
 こうした調査結果などを踏まえまして、デフリンピックなど国際的な障害者スポーツ大会の支援を含めまして、障害者スポーツが社会に根づくよう取り組んでまいります。

○高倉委員 次に、災害対策についてお伺いをしたいと思います。
 災害があったときに、被災者の救援等の活動を行う場合に、もちろん陸路から行う、それから空からヘリコプターで行うといったこともある一方で、海から支援をしていく、あるいは川の水面を使って支援をしていく、こういうことも極めて重要であります。
 東京は当然、海に面している都市でもありますので、災害に当たっては、そうしたことも十分に考えておく必要があるというふうに思います。
 まず、東京都地域防災計画では、都所有の防災船着き場において、災害時の最優先の運用として、傷病者の搬送が挙げられています。その実効性を担保するには、船舶があらかじめ確保されていなければなりませんけれども、この状況について答弁をいただきたいと思います。

○古谷港湾局長 災害時における船舶による輸送を適切に実施するためには、船舶を所有する民間事業者と緊密に連携し、より多くの船舶を確保する必要がございます。
 このため、都は、旅客船の運航事業者の団体等と船舶による輸送等に関する協定を締結いたしまして、災害対策本部から船舶の提供について要請があった際には、被災者及び傷病者の搬送等に対応できるよう、可能な限り船舶を提供していただくこととしております。
 これらの団体が保有する船舶のうち、防災船着き場に係留できる小型船は約百四十隻でございますが、より多くの船舶を確保できますよう、ほかの舟運事業者団体とも新たな協定を結ぶことで、災害時に確保できる船舶数の拡大を図ってまいります。

○高倉委員 今、答弁で、防災船着き場に係留できる小型船が約百四十隻というお話がありました。
 ただ、これは災害時にどれだけ確保できるか、こうした見込みは必ずしも十分に立っていないわけでありまして、特に今、答弁の中でも、新たな協定を結んでいくとお話もありましたので、しっかりと推進をしていただきたいと思います。
 防災船着き場の今度は運用ですが、この運用に当たっては、地元区や関係機関と十分に事前に協議をし、傷病者の搬送も含めた協定やマニュアルの整備が必要であると考えます。
 防災船着き場の設置状況とあわせて、現状を明らかにしていただきたいと思います。

○遠藤総務局長 首都直下型地震等が発生した際、応急対策活動を迅速に行うためには、陸路だけでなく、河川や運河など複数の緊急輸送ルートの確保を図ることが重要でございます。
 水上ルートの拠点となる防災船着き場は、都内で百六カ所設置をされております。
 この防災船着き場は、それぞれ国や都、地元区など管理者が異なっているため、関係者による検討会を設置し、船着き場の安全管理や船舶の確保手順などを定めた共通の運用マニュアルを作成して運用しております。
 一方、発災時の負傷者等の船舶による搬送については、負傷者等の体調の急変への対応や防災船着き場から病院等への搬送手段の確保などの課題が残されており、引き続き、検討会による議論を重ね、対策の実効性の確保に努めてまいります。

○高倉委員 今、答弁で、共通の運用マニュアルを作成していると、こういうお話がありました。
 その一方で、非常に大事な傷病者の搬送については、負傷者等の体調の急変への対応、あるいは防災船着き場から病院等への搬送手段の確保などの課題があると、こういうお話でありました。
 今、共通の運用マニュアルというお話があったんですが、共通だとすれば、これは同じものであると思うんですが、そこの中に、非常に災害時に大事な、最も重要と私は思いますが、傷病者の搬送ということが、実は恐らく触れられていないのではないか。今答弁にもありましたけれども、そういうものが共通してあるということは、傷病者の搬送について、しっかりとしたマニュアルが一つもないということになってしまうんじゃないかと思うんです。
 これは本当に、今、引き続きやっていくというお話でありましたけれども、これは早急にやらなきゃならないことですよ、早急に。今、マニュアルの中に傷病者の搬送ということが書かれていないんですよ。そういうものが共通のものとして使われている。こういう状況を私はそのままにしておくことはできません。これはしっかり早急にやっていただくようにお願いをしたいと思います。
 それから、陸路が遮断をされた場合に、救急車での傷病者の搬送が難しくなりますけれども、その場合に、防災船着き場も活用して、船舶での搬送も必要となりますけれども、東京消防庁は民間船舶を活用した搬送も検討すべきというふうに思いますけれども、消防総監の見解を求めます。

○安藤消防総監 震災等の大規模災害時に陸路が寸断され、車両による傷病者搬送が困難となった場合には、消防ヘリコプターや消防艇を活用することとしております。
 また、多数の傷病者が発生し、搬送手段が不足する場合には、事前の協定等に基づき、関係機関と連携することとしております。
 ご質問の民間船舶を活用した搬送につきましては、地域防災計画に基づく協定を新たに締結し、東京二〇二〇大会時に医療従事者等が乗船する民間船舶による搬送体制を確保したところでございます。

○高倉委員 今ご答弁で、消防ヘリコプター、あるいは消防艇といったお話があったわけであります。いわば私たちが日常的に目にしている救急車というのがあるわけですけれども、実は東京には、救急艇というのはないんですね、救急艇。消防艇じゃありません、救急艇です。救急車と同じような機能を備えた救急艇、これは全国どこにもないというわけじゃなくて、かなりいろんなところに実はあるものであります。
 私は、海に面した東京では、救急車のような船舶である救急艇の導入も検討していくべきと思いますけれども、消防総監の見解を求めます。

○安藤消防総監 東京消防庁では、海上等で傷病者が発生した場合には、消防艇や消防ヘリコプターを活用し、迅速に救助、救急活動を実施しております。
 特に大型化学消防艇「みやこどり」は、船内に十四床の寝台を有し、除細動器や人工呼吸器等の救命資器材を備え、救急車と同様の措置が可能でございます。
 今後とも、傷病者を搬送する船の有効性について検討するなど、海上等で発生した傷病者の搬送体制の充実強化に努めてまいります。

○高倉委員 今、「みやこどり」のお話がありました。救急車と同じ処置が可能であると。そして、さらに傷病者を搬送する船の有効性についても検討していくということでありますので、先ほど来、質疑をしてきましたけれども、海の上、あるいは川の水面、こういったところを活用して、特に災害時が私は重要であるというふうに思っておりますけれども、傷病者の搬送、救急搬送、こうしたことはとても重要であると思いますので、引き続き検討を進めていただければと思っております。
 そして、建設局では水上バスを所有しておりまして、防災船着場整備計画によりますと、災害時の傷病者などの搬送で、医療スタッフを伴う輸送機能として想定をされております。
 水上バスは建造から数十年が過ぎておりまして、昇降口は狭く、段差もあります。
 更新時期を迎えている水上バスは、想定される傷病者搬送の実効性を高められるように、改めて検討すべきと思いますが、見解を求めます。

○三浦建設局長 建設局が所有する水上バスは、都民に広く水辺環境との触れ合いの機会を提供するほか、東京都地域防災計画におきまして、発災時の物資の輸送及び人員の搬送のための必要船舶として位置づけられております。
 平常時は、隅田川、荒川、臨海部を中心に運航しており、定期便やイベント便のほか、水上バスを活用したインフラツアーや環境学習を実施するなど、水辺のにぎわい創出に寄与してまいりました。
 発災時には、災害対策本部からの要請を受け運航することから、地元区や東京消防庁を初め、関係機関と連携した防災訓練を定期的に実施するなど、災害対応力の強化に努めております。
 今後、水上バスがさらなる水辺の魅力向上に寄与するとともに、バリアフリーを充実するなど、発災時にもより有効に活用できるよう検討してまいります。

○高倉委員 次に、LGBTなどの性的マイノリティーのことについて質問したいと思います。
 このことについては、特に私は、性的マイノリティーの方々に対する理解を深めること、また権利を保障することは大変大事な課題でありまして、昨年の予算特別委員会でも取り上げたところであります。
 その際に、事業主体である都の取り組みについて質問したのに対しまして、職員向けのマニュアルを作成するということでしたが、その後の取り組みや今後の対応について答弁を求めたいと思います。

○遠藤総務局長 昨年十二月には、性自認及び性的指向に関する基本計画を策定いたしまして、施策の四つの柱の一つとして職員理解の推進を掲げ、職員向けのマニュアルを作成することといたしました。
 マニュアルの作成に当たっては、性的マイノリティーの支援団体にも協力をいただき、性自認及び性的指向に関する正しい知識、窓口等における接遇の際の留意点や職場における具体的な配慮事例、職員自身が多様な性のあり方を尊重するための基本的な心構えなどについて記載をしてまいります。
 年度内にマニュアルを作成し、新年度からは職員研修等で活用していくことなどを通じ、性自認及び性的指向について職員の理解をより一層深めてまいります。

○高倉委員 まさに隗より始めよということであって、都の職員にあられましては、多様な性についての理解を深めていくという、そして人権尊重の担い手になっていくことが大変に重要であるというふうに思います。
 一方で、民間企業などでも性的マイノリティーの当事者がいらっしゃるわけであります。職場環境における性自認や性的指向に関する困り事やハラスメントに対しても適切な対応が求められていますが、都の対応について答弁を求めます。

○遠藤総務局長 都では、職場において性的マイノリティー当事者が抱えるさまざまな困り事につきまして、カウンセラー等による専門電話相談で受けており、相談内容に応じては、適切な関係機関へとつなげております。
 また、当事者が働きやすい職場づくりには、事業者の理解促進が重要であることから、年度内に都民向けの啓発冊子を新たに作成し、事業者団体等を通じて広く配布するほか、イベント等において活用してまいります。
 加えて、民間企業の人事採用担当者等を対象として、性自認及び性的指向に関する無料の研修を新たに実施いたします。この研修を受講した企業には、仮称ではありますが、LGBTフレンドリー宣言を行っていただき、それを都が公表することを通じまして、企業イメージの向上を図るとともに、事業者の主体的な取り組みを後押ししてまいります。

○高倉委員 昨年の八月に、同性をパートナーとする東京都職員二名から、職員の処遇改善に関する行政措置要求が出されております。
 同性パートナーの都職員の場合、休暇制度、あるいは互助組合の各種事業、それから職員住宅の使用といった処遇について、他の職員と同じようになっているのでしょうか。

○遠藤総務局長 今回、措置要求があった項目のうち、育児時間及び子供の看護休暇につきましては、パートナーの子と養子縁組を行うことにより、取得が可能となっております。
 一方、その他の休暇制度、結婚祝い金や弔慰金などの互助組合の各種事業、職員住宅における家族住宅の使用は、法律婚、事実婚のみが制度の対象となっておりまして、同性パートナーは対象外となっております。
 なお、この措置要求については、現在、人事委員会で調査中でございます。

○高倉委員 都内では、渋谷区が昨年、同性パートナーがいる区の職員も、パートナーを対象にした福利厚生を使えるようにしたということであります。ほかの区でもこうした動きがあるというふうに聞いております。
 私は、都としても、同性パートナーがいる都職員も、パートナーを対象にした福利厚生を使えるようにすべきというふうに思います。現在、今答弁にありましたが、措置要求については人事委員会で調査中ということでありますので、これは結論を待ちたいというふうに思っております。
 また、都として新たな条例をつくったわけでありますけれども、この条例は、いってみれば、申し立てをすることを条文の中では保障されていない、こういう内容になっておりまして、もちろん十分な議論は必要だというふうに思いますけれども、今後、そうしたことの検討もしていくべきであるというふうに思っております。
 もう一つ、このことについては、都が取り組むべき課題として、都営住宅への入居機会を同性パートナーにも広げるということがあります。
 都の都営住宅条例には、入居要件としての親族が入っておりますけれども、時代状況を踏まえた運用を図り、同性パートナーの都民への入居機会の平等を図るべきと考えますけれども、見解を求めます。

○榎本住宅政策本部長 都営住宅では、使用者の資格の一つとして、東京都営住宅条例で、現に同居し、または同居しようとする親族があることと規定しておりまして、入居の際、親族関係につきましては、住民票により確認しておりますが、同性パートナーにつきましては、親族関係の記載がないため、入居資格を確認できません。
 今後、東京都性自認及び性的指向に関する基本計画も踏まえ、他の自治体における動向や課題等を調査するなど、都営住宅の管理制度等における取り扱いについて検討してまいります。

○高倉委員 今、答弁で、取り扱いについて検討していくということでありました。早急に結論を出していくように強く要望しておきたいと思います。
 次いで、中央卸売市場について質問したいと思います。
 昨年の第四回定例会で、都議会公明党の質問に対しまして、不安や戸惑いを感じている仲卸業者に対しまして、創意工夫ある先駆的な取り組みの後押しや、経営相談を活用した適切な事業展開への支援を、運用上の改善を図りつつ積極的に推進するといった答弁がありました。
 市場業者の意欲的な取り組みを支援していくには、補助率の引き上げや手続面での負担軽減など、具体的な改善を進めるべきと考えますけれども、見解を伺います。

○黒沼中央卸売市場長 都は今年度から、中央卸売市場の活性化に資する市場業者の先駆的な取り組みを支援しておりまして、都内の十一市場全てにおきまして、さまざまな取り組みが行われてございます。
 来年度は、資金的な余裕が少ない市場業者でも取り組みやすくなるよう、中小事業者等に対する補助率を現在の二分の一から三分の二に引き上げをいたしまして、より多くの市場業者の取り組みを促してまいります。
 また、新たな販路開拓に向けた国内外への展示会の出展など、いわゆる事例が多く申請内容が定型化された取り組み、こういうものにつきましては審査手続の簡素化を図りまして、市場業者が機を逸することなく取り組みを開始できるように改善をしてまいります。

○高倉委員 より多くの市場業者の取り組みを促進するためには、資金的に余裕のない事業者が多い仲卸業者に対する補助率が引き上げられなくてはならないと考えますが、中小事業者の定義と、どのくらいの割合の仲卸業者が補助率の引き上げ対象となるのでしょうか。

○黒沼中央卸売市場長 中小事業者とは、中小企業基本法の規定に基づきまして、卸売業では、資本の額または出資の総額が一億円以下の会社、あるいは常時使用する従業員の数が百人以下の会社及び個人としてございまして、都内の全十一市場の全ての仲卸業者が補助率引き上げの対象となると見込んでございます。

○高倉委員 仲卸業者は中小零細が多く、新規事業のアイデアを持っていたとしても、事業を企画する人材がいなかったり、日々の仕事が忙しく、時間的な余裕がなかったりすることがあります。
 より多くの仲卸業者が活性化に資する取り組みを加速させていくためには、資金面以外での支援も必要であるというふうに思います。
 来年度の都の取り組みについて、答弁を求めたいと思います。

○黒沼中央卸売市場長 仲卸業者の取り組みを一段と加速させるためには、個々の事情に即した丁寧なサポートが必要でございまして、人材不足等のさまざまな問題に直面する業者に対し、経営相談事業を活用し、個別具体的に助言をしていくことが有効でございます。
 来年度は、より多くの仲卸業者の相談に迅速かつ的確に対応できますよう、公認会計士や中小企業診断士を増員いたしますとともに、仲卸業者の関心の高い衛生管理や労務管理の分野にも対応するため、食品衛生コンサルタントや社会保険労務士を新たに加え、体制を充実いたします。
 また、同業他社の取り組みが参考になるという仲卸業者からの意見を踏まえまして、都からの情報発信方法を工夫し、今年度実施した取り組み内容とその効果を共有してまいります。

○高倉委員 卸売市場を取り巻く環境が厳しさを増す中、仲卸業者が時代の変化に即した適切な事業展開を図り、経営を安定化させていくためには、計画段階での相談に対応するだけではなく、仲卸業者の取り組みの進捗状況に応じて適宜サポートしていくべきと考えますけれども、来年度の都の対応について答弁を求めます。

○黒沼中央卸売市場長 仲卸業者の経営課題は複雑化、多様化しており、個々の状況を踏まえてさまざまな角度から対応するとともに、取り組みの進捗に即して丁寧に支援することが重要でございます。
 このため、来年度は、先ほど答弁をいたしました相談体制の拡充に加えまして、相談後においても、都の職員が直接相談者にヒアリングを行って状況を把握するとともに、相談者からの求めに応じまして専門家を再度派遣し、複数回の相談を実施するなど、これまで以上にフォローアップを行い、仲卸業者の経営安定化に向けて継続的に支援を行ってまいります。

○高倉委員 次に、障害者の雇用について質問いたします。
 都議会公明党の推進によりまして、都は、二〇一七年度の障害者採用選考から、初めて精神障害者、知的障害者に対象を拡大しました。二〇一八年度からは、知的障害者の一般就労の非常勤職員であるオフィスサポーターの採用も始めました。また、障害者の新たな職場として、教育庁サポートオフィスが開設されています。
 そこでまず、都や教育庁における障害者雇用の今年度の状況について、それぞれ明らかにしていただきたいと思います。

○遠藤総務局長 都は、障害者を対象とした常勤職員の採用選考を実施しており、今年度の合格者は五十二名となっております。このうち精神障害者が三十七名、身体障害者が十五名となっており、平成二十九年度に精神障害者、知的障害者に対象を拡大して以降、三年間で精神障害者が八十四名、身体障害者が四十三名合格しております。
 また、昨年度から、総務局において、知的障害者を対象とする非常勤職員であるオフィスサポーターの雇用を開始しており、現在の四名に加え、来年度から新たに四名を採用する予定でございます。各種庶務事務や軽作業を担っており、職域の拡大も図っております。
 今後とも、障害者の方々がその能力や適性に応じて働くことができるよう、都における障害者雇用の促進に努めてまいります。

○藤田教育長 都教育委員会は、障害に配慮した教員採用選考や、就労支援を目的とするチャレンジ雇用の実施に加え、昨年度、障害者雇用を推進する独自の取り組みとして、教育庁サポートオフィスを開設いたしました。
 現在、非常勤である教育事務サポーターとして障害者を四十九名雇用しており、そのうち知的障害者は十二名でございます。
 採用は随時実施しておりまして、本年四月には新たに十三名、そのうち知的障害者は五名採用する予定でございます。
 担っている業務は、印刷などの簡易なものから、報告書等の製本や説明会等でのアンケートの集計、各種会議の議事録作成など多岐にわたっておりまして、また、職員と協働して作業を行う業務などもございます。
 こうした業務を一人一人の障害特性に応じて割り振り、教育事務サポーターがその能力を発揮することで、働く意欲を高め、自信をつけてきているところでございます。
 来年度は、教育庁サポートオフィスの規模を拡大するとともに、障害者の就労支援機関と積極的に連携し、採用PRをより一層充実するなど、知的障害者を含めた障害者雇用をさらに推進してまいります。

○高倉委員 今答弁をいただきました障害者雇用は着実に前進をしているわけでありますけれども、一方で、残念ながら、この三年間で知的障害者の常勤職員選考の合格者はゼロでございます。
 オフィスサポーターについては、新年度からは会計年度任用職員として期末手当の支給対象になるといったことも、私ども都議会公明党の二〇一八年の第四回定例会や、あるいは総務委員会の質疑で確認をしているところでございます。
 しかしながら、それも任期は一年といったことが基本でありまして、雇用はいわば不安定であります。
 今後、知的障害者のさらなる雇用拡大に向けまして、新たな取り組みを創出していくべきというふうに考えますけれども、知事の見解をお伺いしたいと思います。

○小池知事 誰もが生き生きと活躍できる社会に向けまして、都は、隗より始めよと、障害者雇用にみずから率先して取り組む、そのことは重要と考えております。
 私は、知事に就任して以降、身体障害者のみ対象としていた採用選考でございますが、ご指摘のように精神障害者、知的障害者にも拡大をし、そして知的障害者を対象とした非常勤職員の採用を開始するなど、さまざま取り組みを進めてまいりました。
 昨年策定いたしました新たな都政改革ビジョンにおきましては、二〇三〇年に向けた取り組みとして、ダイバーシティー・アンド・インクルージョン、この推進の観点から、障害者の活用の場をさらに拡大することといたしております。
 このため、これまでの取り組みに加えまして、知的障害者が非常勤職員から常勤職員にステップアップすることを可能とする新たな雇用の枠組みの創設に向けて検討を進めてまいります。
 障害者が一人一人の特性や個性に応じまして能力が発揮できますように、積極的に取り組んでまいります。

○高倉委員 大変ありがとうございました。最後も知事から力強いご答弁をいただきました。
 さまざまな課題を取り上げさせていただきましたけれども、ぜひともしっかりと取り組んでいただくようにお願いをいたしまして、質問を終わりたいと思います。(拍手)

○中山副委員長 高倉良生理事の発言は終わりました。
 この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。
   午後八時三十八分休憩

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