予算特別委員会速記録第五号

○伊藤(ゆ)副委員長 宮瀬英治委員の発言を許します。
   〔伊藤(ゆ)副委員長退席、委員長着席〕

○宮瀬委員 では、よろしくお願いいたします。
 最初に、命を守る取り組みであります。
 子供食堂について伺いますが、私は平成二十九年第一回定例会より子供食堂への支援を訴えてまいりました。都は、昨年度予算で五十カ所への直接補助など一千二百万円の予算を計上いたしましたが、実績はそれを大きく上回り、百十八カ所に上ったと伺っております。
 実態に対しまして、まだまだ予算が足りておりません。さらに拡充すべきと考えますが、まず所見をお伺いします。

○内藤福祉保健局長 都は今年度から、地域の子供たちに食事や交流の場を提供する民間団体等の取り組みを支援してございまして、その実績は予算規模を大きく上回っております。
 来年度は、こうした取り組みを支援する区市町村を包括補助を通じて支援することとしており、区市町村の実施意向を踏まえ、百六十五カ所分に規模を拡大してまいります。

○宮瀬委員 規模を拡大していただけるということで、よろしくお願いします。
 次に、児童虐待について申し上げます。
 私の地元板橋区で三月十三日、添田和希ちゃん六歳が母親に首を絞められ亡くなりました。ここに謹んで哀悼の意を申し上げます。
 いろいろ調べてまいりますと、学校が日常的に唯一、子供の状態を確認できる行政機関でございました。この虐待死をどうして都は防げなかったのか。学校との窓口が母親から父親にかわるなど、母親が鬱状態など精神的に不安定であったことを学校は事前に把握していたと聞いております。今後検証が進みますが、早期発見のためのチェックリストや体制を見直し、以後、子供が命を落とすことが絶対にないようにすべきであります。
 そして、局からいただいた、お手元に配らせていただいた表をごらんいただければと思います。(パネルを示す)実は、この十年で八十五名の子供が虐待によって命を落としております。
 内訳を見ますと、行政の関与が、東京都ですとか区市町村の関与がある場合が二十六人、関与がない場合が五十九人でありまして、今回のケースは、まさに関与がなかったということでありますが、虐待を把握できていた子供より、虐待を把握できていない子供の方が、実は二倍も子供の命が失われているのであります。
 では、全ての子供の実態を行政が把握しているのかということで、もう一枚の紙でございます。パネル裏側になりますが、実際、生まれてから子供が小学校に上がるまで、健診、歯科健診、予防接種など五回、行政が子供と直接会う機会がありますが、ごらんのとおり九割五分、九割ということで一〇〇%ではありません。つまり、この一割の中に虐待で苦しんでいる子がいるのではないかと私は思っております。
 〔1〕から〔4〕のところに関しましては、さきの代表質問で福祉保健局に、全ての子供の状況を確実に把握し、区市町村の取り組みを支援する旨の答弁がありましたので一〇〇になっていくと思いますが、しかし、この中の〔5〕、就学時健診の健診率は、教育庁は全く把握をしておりません。つまり、率がわからないのであります。
 他の道府県へ引っ越しや海外移転などいたし方ない一部を除きまして一〇〇%、直接子供に会って、虐待がないかどうかの実態も把握すべきと考えますが、所見をお伺いいたします。

○中井教育長 就学時健康診断は、学校保健安全法に基づき、区市町村教育委員会が、就学事務の一環として実施しております。
 就学予定者の受診結果は、就学決定の判断の際に重要なことから、各区市町村は全員の受診を目指しており、転居予定や私立学校への進学など特別な事情がある者を除き、おおむね受診している状況にございます。
 都教育委員会は、就学時健康診断の受診状況を把握するとともに、区市町村と連携し、特別な事情がある者を除く全員が受診するよう働きかけてまいります。

○宮瀬委員 今ご答弁で、受診状況を今後把握していくと。つまり、このパーセンテージが今後出ると思います。また出た後に、一〇〇にはなっていないと思いますので、全員を受診させるよう働きかけていくというご答弁でございました。ここは命がかかっているところでありますので、ぜひお願いしたいと思います。
 虐待の全体像を分析しますと、生まれてから就学前まで、〔1〕から〔5〕のところまでが全体の実に四割に上っておりますが、実はその後、小中学校では五割、全体の虐待の五割を占めるとのことでございます。
 二〇一五年、NHKによる千三百七十七の児童養護施設等への全国調査によりますと、この十年間で保護されただけでも千三十九名の子供が親の事情で社会との接点がなく、確認できていなかったそうでございます。いわゆる消えた子供たちとの報道もございました。
 また、何と現在も都内で所在が確認できない子供が百名以上いるのではないかとも漏れ聞いております。小中学校入学後も一〇〇%、すなわち全子供の状態を直接行政が確認すべきだと考えますが、所見をお伺いいたします。

○中井教育長 入学式に出席せず、それ以降も登校しない児童生徒がいる場合には、校長を初め教職員は自宅を訪問し所在を確認するとともに、学校を所管する区市町村教育委員会に対してその状況を報告いたします。
 報告を受けた教育委員会は、学校はもとより警察、子供家庭支援センター、児童相談所、民生児童委員等といった関係機関と連携して、当該児童生徒の所在を確認するよう努め、保護者に対して児童生徒の確実な就学について指導いたします。
 なお、国は本年二月に、安否不明の児童生徒に関する全国調査を実施しており、都教育委員会としても、都内全公立学校の状況を把握したところでございます。
 今後、調査結果を分析するなどして、全ての子供たちの安全の確保に取り組んでまいります。

○宮瀬委員 今後、子供の状態を確認すると。生まれてから学校に入るまでが四割、学校に入ってから中学生までで五割、それで九割、所在が確認できるわけであります。
 今も外に出られなくて泣いている子供がいると思うと、胸が締めつけられる思いでありますので、ぜひ一人の子供も残さず、実態を把握し、助け出していただきたいと思います。
 次に、知事の公約でありました満員電車ゼロについて伺いたいと思います。
 満員電車ゼロは、時系列でまとめたものがございまして、(パネルを示す)一年前に、我が会派の西沢けいた都議会議員が質疑をさせていただきました。お手元の紙もご用意させていただいております。
 まず、平成二十八年、知事が就任する前に、国は、実は答申で主要区間の平均一五〇%、個別区間を一八〇%以下にすると、混雑率を明確に表示していたわけであります。その後、小池知事が満員電車ゼロといった公約を掲げまして、その後、都は二〇四〇年代までにピークの解消ということがございました。
 私は、さきの都市整備委員会で、満員電車とは何か、満員電車ゼロとは何なのか、なぜ国は答申を出しているのに、都は具体的な混雑率の数字がないのか全くわからないという旨を問いただしました。しかし、局からのご答弁は、数字は都として目標数値を示さない旨のご答弁がございました。
 知事、知事はかねがね全ての事業に終期を設ける、エビデンスベースでの事業評価をしっかりと行うとおっしゃっていたじゃないですか。このパネルを見ても、都のところには数字--満員電車というのはもう間違いなく混雑率ですよ。どうしてその数字が入っていないのか、端的にお伺いします。

○小池知事 満員電車ゼロへ、この目標につきましては、都市づくりのグランドデザインに二〇四〇年代の都市づくりの挑戦の一つとして盛り込んでおります、鉄道のピーク時の混雑を解消するということで提示をいたしております。
 満員電車というのは、皆さん、快適に思う人はなかなかいないんじゃないかと思うわけでございますけれども、その解消のためには、ハードとソフト両面からの総合的な取り組みが必要になってくる。ということで、例えば時差ビズを進めております。二〇二〇年度に向けてのムーブメントとしての定着を目指しております。
 この取り組みを評価するということでございますが、これまでも把握してまいりました取り組みの認知度や参加企業数、改札データの分析から見た混雑の分散状況など、これらが参考になると考えております。
 先ほどパネルになさっていた国の答申で示された数値でございますが、混雑の緩和に向けた一つの目安と、このように受けとめております。

○宮瀬委員 都として目標数値を出してほしいということで、国の答申が目安の一つということでありましたが、知事、その際の選挙公約は、待機児童ゼロ、これは実際に二〇二〇年のプランの中に、二〇二〇年三月までに解消、ゼロとなっておりました。殺処分ゼロは、同様に二〇二〇年三月までにゼロ頭と明確であります。どうして満員電車ゼロだけ、そこが明確ではないんでしょうか。

○小池知事 満員電車の定義というのはさまざまございますようでございますけれども、なかなかそれをはかるのは難しかろうということでございます。
 二〇二〇年までということよりも、今申し上げましたように、二〇四〇年を目標にして、総合的な合わせわざでもって満員電車ゼロへ進めていきたいと、このように考えております。

○宮瀬委員 満員電車の定義はさまざまあるというご答弁でありましたが、満員電車はもう間違いなく、簡単でございまして、混雑率ではないんでしょうか。箱の中に何人、人が乗っていてぎゅうぎゅうなのかという率を国が出しているわけであります。
 改めて聞くんですが、混雑率が指標にならないのはなぜなんでしょうか。

○佐藤都市整備局長 満員電車の混雑率が指標にならないのはというお話でございますけれども、満員電車ゼロを目指すべき姿といたしまして、それに向けて、例えば取り組みの一つで、時差ビズでムーブメントの輪を広げるということで、個々のライフスタイルに応じた通勤時間の選択ということで柔軟な働き方が浸透し、ひいては社会全体の生産性が向上するとともに、鉄道の混雑も緩和されて快適な通勤が可能になると、このようにさまざまな要素が関係しておりまして、混雑率のみで捉えられるものではないというふうに考えてございます。
 なお、おおむね二〇三〇年ごろを念頭に置いた国の答申では、先ほど来ありましたとおり、東京圏におけるピーク時間の主要区間の平均混雑率を一五〇%にする、個別区間の混雑率を一八〇%以下にするということを目指しておりますので、この数値も一つの目安というふうに考えてございます。

○宮瀬委員 国の答申で主要区間一五〇、個別区間一八〇が混雑率の目安云々という話ですが、じゃあそれは、すなわち都の目標数値でいいんでしょうか。

○佐藤都市整備局長 先ほど来申し上げたとおり、鉄道の混雑緩和というのは、さまざまな要因、例えば人口動態ですとか企業の立地、あるいは時差出勤とかテレワークなどの働き方改革の進展、また鉄道の輸送力増強や他の交通手段への転換といったさまざまな要因が複合的に作用しております。
 その中で、中長期的な取り組みというのをこれまでも取り組んでまいりましたし、これからも取り組んでまいりたいと考えてございます。
 例えば新線建設、既存路線の複々線化、相互直通化、あるいは車両の増備、長編成化といった輸送力の増強、さらにはソフト対策といたしまして、今般、時差ビズなど、そういったことも取り組んでまいっております。
 こういった取り組みを続けていることによりまして、二〇四〇年代、かなり先にはなりますけれども、混雑を解消するということを目標として考えてございます。

○宮瀬委員 ちょっと答弁がわかりづらかったんですけれども、公約は満員電車ゼロと書いてあって、皆さん有権者の人は、満員電車が楽になるとみんな思うわけじゃないですか。それは、端的に混雑率であって、私、ちょっと一個確認したいことがあって、このパネルでございます。
 これ、知事が選挙の際に、選挙公報に書いてある満員電車ゼロという表現でございますが、その後、知事就任後、二〇二〇年に向けた実行プランの中では、選挙公報に書いてあったものが、満員電車という表現がなくなって、快適通勤に向けた取り組みの推進になっているわけですよ。平成三十年、その強化版が出ましたが、快適通勤に向けた取り組みの推進となっているわけですよ。
 何でここは満員電車ゼロになっていないんでしょうか。端的に伺いたいです。

○佐藤都市整備局長 満員電車ゼロ、これは目指すべき姿というふうに認識してございます。
 それに向けまして、東京都では、先ほど来申し上げておりますが、都市づくりのグランドデザインにおきまして、二〇四〇年代の長期的な目指すべき姿といたしまして、混雑の解消というのを掲げてございまして、それを目指して取り組んでおります。

○宮瀬委員 全くわかりませんでしたので、この件は我が会派も追及してまいります。
 以上でございます。

○石川委員長 宮瀬英治委員の発言は終わりました。(拍手)
 以上をもちまして付託議案に対する締めくくり総括質疑は終了いたしました。
 お諮りをいたします。
 第一号議案から第二十八号議案までに対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石川委員長 異議なしと認めます。よって、本案に対する質疑はいずれも終了いたしました。
 なお、明日は午前十一時から理事会を控室一で、また、午後一時から委員会を本委員会室で開会をいたしますので、よろしくお願いをいたします。

○石川委員長 この際、理事会の協議結果について申し上げます。
 本日の理事会において委員長として申し上げた私の発言メモにつきましては、理事の方からの求めに応じ、理事会の皆さんにお配りをすることにいたしました。
 つきましては、ただいまから理事会の皆さんにお配りをいたします。書記、よろしくお願いします。
   〔資料配布〕

○石川委員長 以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後八時一分散会

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