予算特別委員会速記録第四号

   午後八時十分開議

○石川委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 白石たみお理事の発言を許します。

○白石委員 質問に先立ち申し上げます。
 我が党は、代表総括質疑で、豊洲市場の黒い粉じんについて、東京農工大学の渡邉泉教授に成分分析を依頼した結果、アンチモンや亜鉛、カドミウムなど毒性の強い重金属類が、自然環境や一般の道路粉じんではあり得ない高濃度で検出されたことを明らかにしました。
 そして、知事に対し、働く人たちの健康を守るため、直ちに黒い粉じんの調査を行うよう求めました。これに対し、市場長は、建築物衛生法に基づく大気中の浮遊物調査を行ったという答弁を繰り返しました。昨日には、豊洲市場における建築物衛生法に基づく空気環境測定結果という文書を発表し、浮遊粉じんの測定結果は建築物衛生法等の基準値以下だとしています。
 しかし、ここでいう浮遊物調査は、建築物衛生法により一定面積以上の建築物に義務づけられているごく一般的な空気環境測定にすぎません。豊洲市場独自で行ったものでもなければ、黒い粉じんの調査が目的でもありません。したがって、その測定結果は、空気中に何らかの浮遊物がどれぐらいあるかという量を調べるだけで、浮遊物にどういう物質が含まれているのか、ましてや、重金属類が入っているかどうかを調べるものでもありません。要するに、東京都が黒い粉じんの調査分析をしていないことは明らかです。
 豊洲市場の黒い粉じんの成分分析を都として行い、発生源をなくし、働く人たちの健康を守るための万全の対策をとるよう、改めて強く要望しておくものです。
 それでは質問に入りたいと思います。
 羽田空港の機能強化に伴う新飛行ルート案について質問します。
 国は、二〇二〇年までに、これまで原則として飛行しなかった都心上空を低空で飛行できるようにする新ルート計画を計画しています。この都庁もある新宿区、目黒区、渋谷区、港区など、新たに十三区が飛行ルート直下となり、区部の約七割の自治体が低空飛行の直下になります。膨大な数の都民が影響を受けるということになります。
 私の地元品川区の大井町駅上空では、東京タワーよりも低い三百メーターと超低空飛行となります。その上を、朝の山手線のラッシュ時よりも多い一分二十秒に一機が轟音を響かせ、飛んでいきます。当然、住民からは、騒音、落下物や墜落事故、大気汚染、資産価値の低下など、命と暮らしが脅かされることへの不安、そして計画の撤回を求める声が上がっています。
 みなとの空を守る会による住民アンケートでも、我が党の品川区議団のアンケートでも、中止や反対は八割を超え、都議会には、延べ七千人以上の都民の方々から、計画の撤回を含めて、都が国に強く迫るよう求める請願陳情が提出をされています。
 まずお尋ねをしますが、都心上空を低空で飛行する新ルートの安全・安心について、知事はどのように考えていますか。

○小池知事 まず、東京が国際的な都市間競争を勝ち抜くことの重要性、これについては幾度か述べております。そして、その勝ち抜くためには、東京二〇二〇大会や、その後の航空需要にも応えまして、国際線の増便を可能とする羽田空港の容量の拡大というのは必要不可欠と考えております。
 また、都民の安全・安心の確保、こちらは申すまでもなく重要でございまして、都は、国に対しまして丁寧な情報提供、そして安全管理の徹底、騒音影響の軽減について求めてきたところであります。
 これを受けて、国の側も動いております。五期にわたってオープンハウス型の説明会を開催したり、航空機のチェック体制の強化をし、そして航空会社への落下物防止対策基準の制定と、それに基づく対策の義務づけ、防音工事の助成制度、これら拡充などを進めてきています。
 都は、引き続き、国に対しまして安全・安心に関する取り組みを強く求めながら、二〇二〇年までの機能強化が実現できますように積極的に取り組んでまいります。

○白石委員 都は、安全・安心の確保が重要でありと、国に働きかけを行って、国も説明と対策を進めてきたと、このようにいいますけれども、国が説明会を繰り返し行っても、また、先ほどいわれた対策を発表しても、都民のこの不安や、そして怒りの声、弱まるどころか、むしろどんどん強まっているのが今の実情であります。私は、この声に応えることこそ都の役割であると、このように強く思っております。
 そこでまず、騒音問題についてお尋ねをいたします。きょうパネルを持ってきました。皆さんには資料もお配りをしております。国交省は、どの説明会においても、飛行高度ごとの最大瞬間騒音値をあらわしたこの図を使って騒音について説明をしてきました。
 ここで質問をいたしますが、どういう気象条件のときにこの最大騒音が発生するのかは、皆さんが今見ているこの説明資料には書いていないと思うんですけれども、知事見ていただいて、実際、この最大騒音がどういう気象条件のときに発生するかということが、記述があるかどうか、ごく簡単な事実確認です。知事、お答えいただきたいと思います。

○佐藤都市整備局長 先ほどお示しの騒音の予測状況でございますが、標準的な昼間の時間帯の予測だと考えてございます。

○白石委員 標準を聞いたわけじゃないんですよ。ここに、どこにこの気象条件、最大騒音量が発生する、国が示すこの計算のもとになる気象条件というのはどこに書いてありますかと。見ればわかります、書いていないんですよ。どういう条件のときにこうなるのか、記載するのは科学の基本中の基本なんです。この説明資料は、基礎条件をもう既に欠いているといわざるを得ないと思います。
 そこで国交省に聞きました。晴れの日、気温二十五度、大気圧一、無風という条件のもとで起きるであろう最大騒音瞬間の計算値だということなんです。実測値ではないんです。音が空に突き抜けていく晴れの日と雲で空が覆われている曇りや雨の日、これ騒音が、晴れの日の方がぐんと小さくなるのは誰でもわかるというふうに思います。
 今の日本の気象の特徴というのは、曇りや雨の日がとても多いんです。そこで、天候が悪いときに最大瞬間騒音はどうなるのか、実際にはかった値、実測値を国交省に出してもらったのが次の資料です。これです。(パネルを示す)江戸川区の測定局の上空、高度約三千フィート、約九百十五メートル、着陸時、測定日二〇一八年九月四日、最大騒音レベルは七十八・一デシベルと、このように資料が出てきました。
 国交省が住民説明会で、これが三千フィート着陸時の最大瞬間騒音ですよというふうに説明しているのが先ほどのところで、三千フィート、大体七十デシベルだと、このように書いてあります。この数字よりも実測値は何と八デシベルも大きいということなんです。そして環境大臣を経験した知事はよくご存じだと思いますけれども、八デシベル違えば、音の大きさというのは大きく違ってくるんです。東京都環境局に確認しました。何と八デシベル違うと六・四倍にもなるんだと。これだけ違うと。国が示した数値と実測ではこれだけ違っていると。
 羽田新ルートでは、着陸時の三千フィートというのはちょうどこの都庁の上空にあります。この都庁上空でも既に何と七十デシベルの六・四倍となる七十八デシベルと、どんどん高度を下げていって、渋谷、目黒、そして品川と、大井町上空、八十デシベルと品川上空ではいっていますけれども、九十デシベル近くになることは、もうこれ誰が見たって当然だというふうに思います。
 国交省が説明で出していた騒音と、同じ国交省が計測して把握していた実際に発生している実測値は、今いったように大きく食い違っていると。音は相当な大きさでした。
 知事は、環境大臣を務めていたんですから、これは大変重大な問題だと、実際示しているよりも大きく大幅に違う数字が実測値としてはあらわれていると。これ重大な問題だと思いますけれども、知事の認識、伺いたいと思います。

○佐藤都市整備局長 国土交通省として一定の条件のもとで推計した数字でございまして、実測値というのとは若干違うことはございますけれども、これはあくまでも国交省として適切に推計したものだと考えてございます。

○白石委員 適切に推計だといいますけど、実測値がしっかりあるんです。それをこれまで住民にも説明をしてこなかったと。しかもそれを、資料を提出してもらったら、何と八デシベルも違うと、六・四倍の違いなんだと。
 知事、今私もいいましたけれども、知事に聞いているんです。住民の安全と健康に最大限配慮するのが知事の立場なんですから、お答えいただきたいと。これだけ食い違っている数字が出てきていると、これ重大な問題じゃないかという認識ありますか、どうですか。

○佐藤都市整備局長 先ほども申し上げましたが、国の方は標準的な推計値ということでございます。今回、国の方で新たにお示しした数字は、ある特定の日のある特定の測定値でございまして、さまざまな日の測定値によって、さまざま数字が異なると考えてございます。

○白石委員 いいですか、計算の推計値だと、このようにいいますけれども、住民が知りたいのは、騒音がどういう影響があるのか、どのぐらいになるのかと。実測値があるんですから、計算値と実測値では、どっちがより実態に即すかといったら実測値になるでしょう。当たり前の話を、これを計算で推計で適切だと、こんなことを繰り返している。本当に資格問われますよ。
 国が住民説明会で最大瞬間騒音レベルを示していたものが、実際に起きている音と大きく食い違っていたと。しかも、その音は相当な騒音レベルだったという問題についてただしているのにもかかわらず、知事は立ちもしないと、答弁もできないと。いや、今、笑われたんだったら、ぜひいってください、知事。これ重大な問題でしょう。ぜひお願いします。

○小池知事 先ほどもご答弁させていただいた内容かと思いますが、今回、国が提案した飛行経路が見直されることによって、新たな騒音影響が生じるということでございます。この事業主体は国でございますので、東京都といたしまして、その軽減に取り組むこと、国に対しまして求めてきたということでございますし、今後とも求めていきたいと考えております。

○白石委員 正面から答えられないということなんです。知事は、本当に住民の安全と健康に最大限配慮するというのが知事の本来の立場なんですから、しかも丁寧な説明を求めてきたといいますけれども、国がやっていることは計算上の話で実測値は出さないという立場なんです。これほど重大な問題はないと改めて強く私、指摘したいと思います。
 騒音は、国交省のコンピューターの中で発生しているんじゃないんです。この騒音は東京の空の下で現実に発生して、住民を苦しめているものなんです。その現実が新ルートのもとでも起こるんだという、まずこの認識が問われるんです。
 江戸川区の発表データを見れば、物すごい騒音が発生する悪天候は、ここ五年間を見ても、少ない年でも年間六十二日、多い年では八十一日間にもなります。四、五日に一回はこのような騒音にさらされると。特に湿気の多い夏場はどうか、二〇一五年七月、この一カ月間で十六日間あったんです。実に、二日に一回は騒音が激しい日になるんです。こういうところが実測値を見ればわかってくると、その実測値を国は出していないと、とんでもない事態だと思います。
 なぜ、瞬間最大の騒音が問題になるのかということなんです。騒音研究の第一人者で、北海道大学の松井利仁教授からお話を伺ってきました。
 大きな音こそ、睡眠を妨げ、睡眠障害を引き起こし、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす要因になるから、この瞬間最大の騒音が大きな問題なんだと、このようにいっています。また、会話も妨げます。日常生活を困難にもすると。乳幼児は、生まれたての赤ちゃんや乳児は日中でもよく寝なければなりません、乳児にはお昼寝が必要です。
 松井先生のお話では、人間は誰でも寝てから九十分間の間に成長ホルモンが出るが、このときに睡眠妨害にさらされると、その後、幾ら寝ても成長ホルモンが出ないことは理論的にわかっていることなんだと。騒音により乳児の発育に影響が出ても医学的にはおかしくないと、このようにおっしゃられていました。
 ところがどうかと。その大切な瞬間最大騒音について、実際にはかった値、実測値を国は把握をしていながら、住民には明らかにしてこなかったというのが今の実態なんです。そして、晴れの日という騒音が低い条件下で、しかも無風で気圧が一と、まあこんな条件、余りにも、標準といいますけれども、実際はないんです、そんな条件は。そういう計算値であることも、この説明会の資料には一切記述をされていないと。そのまんま、住民に説明をしてきたというのが、国が丁寧な説明をしているという実態なんですよ。これだけでも新ルートを進める資格が問われる大問題ではないかといいたいと思います。
 飛行高度ごとの実測値を覆い隠したまま、いざ新ルートで飛行が始まったら、都民が想定外の騒音で苦しめられるのは断じて許されない。
 知事は、国交省に飛行高度ごとの、まず実測値を出して、全ての地域でもう一度説明会をやり直せと求めるべきですが、知事、いかがですか。

○佐藤都市整備局長 騒音の値につきましては、各高度ごとの国の推計値というのを説明会では丁寧にわかりやすく説明しております。それは、あくまでも目安ではございますけれども、一定の目安ということで理解を求めているというところでございます。
 その説明会につきましては、これまでも第五フェーズまで繰り返し説明をしておりまして、その中で、住民の方々もかなりの人数いらっしゃっていただいて説明を聞いていただいているというふうに考えてございます。

○白石委員 質問に全く答えないんですね。わかりやすく丁寧に説明していると。いやいや、実際にやっていることはわかりやすく丁寧じゃないです、印象操作ですよ。実測値を出していないんですから。だから、知事はしっかりと、国はデータを持っているんですから、まず、その実測値を都民に示すようにというのは当然の知事の姿勢のあり方じゃないですか。
 知事、いかがですか、しっかりと国に、実測値を持っているんだから示しなさいよと、知事がしっかり国にいうというふうに思うんですけれども、どうですか。

○佐藤都市整備局長 オープンハウス型の第五フェーズまでの説明会では、実際に、ほかの空港ではございますけれども、ほかの近傍の空港の飛行機の実際の音を体験するという形で聞いていただく場もございます。そうしたものを聞いていただくことは、聞いていただく機械の前にはかなりの列ができるなど、実際に聞いていただいた方には実感していただいているという状況がございます。

○白石委員 いや本当に、知事、これ答えられないと。実際、国が持っているのに示しもしないという状況の中で、丁寧な説明や安全・安心と知事いわれたんだから、だったらちゃんと示しなさいと。しかも、江戸川区の高度九百十五メーター、都庁と同じぐらいの高さ、ここの実測値があるんだから、まず出して都民に説明をする、当然のことだと。改めて、知事、しっかりと国に求めていただきたいというふうに思います。
 騒音の問題では、昨年十月に、欧州WHOが、環境騒音から人の健康を保護するために最新の科学的知見に基づいて、航空機騒音など騒音基準を定めた環境騒音ガイドラインを改定して、新しい基準を勧告しているというのが明らかになっています。
 知事は、先ほどもいいましたけれども、環境大臣もやられていたので、当然知っていると思いますけれども、この環境騒音ガイドラインを承知しているというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○小池知事 昨年十月に、WHOが環境騒音ガイドラインということを、改定版を公表したということでございますが、昨年十月は既に知事になっておりましたので、環境大臣として知っているわけではございません。

○白石委員 承知をしているかというふうな答弁を求めたので、承知をしているということでよろしいですね。知事、お答えください。

○小池知事 ですから、昨年十月の時点では私は環境大臣ではございませんでした。
 国土交通省では、ガイドラインがあくまで欧州向けであるということから、今後の日本での取り扱いにつきまして、関係各省庁の動向を注視しているというのが国の今の姿勢でございます。

○白石委員 知ってはいるけど、理解はしていないということがよくわかる答弁なんです。ガイドラインがあくまで欧州向けだと、このようにいわれました。このガイドラインの勧告を裏づける、このガイドラインですね、要約版を見ればわかるんです。このガイドラインの勧告を裏づける根拠の大部分は、欧州だけでなくアジアの研究も含まれており、健康影響の観点から、勧告の基準は欧州以外の地域にも適応されてしかるべきだと、このように書いてあるんです。先ほど知事は、あくまで欧州向け、ヨーロッパだけなんですよというようなことをいいましたが、そんなことないんです。
 そして、強い勧告は、ヨーロッパのみならず、ほとんどの環境で行われるべきであり、大抵の場合、政策としてそのまま採用できる、すなわち、各国の環境基準に取り入れることができるとまで書いてあるんです。
 しかもこのガイドラインは、科学者、専門家のみでつくられたわけじゃないんです。利害関係者として、世界約百二十カ国、航空全体の八割以上を占める約二百九十社が加盟する国際航空運送協会、世界百七十六カ国で千九百五十三の空港を運営する六百四十一団体が加盟する国際空港評議会なども参加してまとめられていたという重要な特徴を持っています。
 つまり、騒音規制が強化されれば、事業に悪影響が出るかもしれないという、その航空業界も含めて、国際組織も参加をして了承したのがこの基準なんです。
 都は、引き続き国に対して地域への騒音影響の軽減を国に求めていくと、このようにいいながら、最新の科学的知見、病理調査に基づいて、世界のどこでも取り入れられるとされているこの重要な欧州WHOのガイドラインについては、国にしっかりとやれと、このようにもいえないと。国のいっていることをうのみにすると。これで都民の健康を守れるのかと、このことを強く私、いいたいと思います。
 この航空機騒音の基準を、人の健康を守るために一日平均の騒音指標度の一つであるLdenを四十五以下にすることを強い勧告としてガイドラインは示しています。ところが現在のところ、国の説明会資料では、国の環境基準としてWHOの勧告値を十七も上回るLden六十二以上の区域がどこになるのかしか現在、国は示していないんですね。
 ここで、知事に聞きたいと思いますけれども、最新の知見に基づいてつくられた改定欧州WHOガイドラインが出された以上、まずは勧告に示されているLden四十五、これ以上の地域が東京のどこにあるか国に示してもらい、これも住民の説明会を開いて説明をするように求めるべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○佐藤都市整備局長 WHO環境騒音ガイドライン欧州の基準はございますけれども、日本の基準は環境省の告示による基準がございます。
 平成十九年に告示されまして、平成二十五年から適用開始されたものでございまして、地域類型がⅠとⅡに分かれております。地域類型Ⅰでは五十七デシベル以下、地域類型Ⅱでは六十二デシベル以下、いずれもLden値でございますが、こちらの数値に基づく基準というのが日本における環境基準でございます。

○白石委員 世界の最新の知見、研究に基づいて、この環境基準以上にしたら健康被害があるんだと、このガイドラインに書かれているんですよ。このガイドラインというのは改定版です。もう一九八〇年から九九年、二〇〇九年、そして今回と研究が進められて、この騒音以上になったら健康被害、心疾患であったりとか、本当に脳疾患など、こういうような病気になるこのリスクが高まると、だからそれ以下にするべきなんだと、ガイドラインは示しているんですよ。それに基づかないで、今の日本のいっていることだけを基づいてやれば、都民のこの健康、命を守れないということになるんじゃないですか。
 しかも、実測値も示さないでこれまで説明をしてきたと。実際にこれから一年後にやろうと、強行しようとしている、本当に許されないと。もう本当に、知事初め都市整備局長を含めて、この問題を国に真っ正面から、実測値を出しなさいと、そして今現状、このLden四十五以下の地域はどこなんですかと、そこも含めて調査をして、都民に説明をしてからでなければ、こんな新飛行ルートを飛ばすということは断じて認められないというふうに思います。
 騒音だけじゃないんです。落下物の問題、それから資産価値は低下する問題、さまざまあります。しかし、きょう時間がないんです。だから、これからも追及をしていきますけれども、最後に、この羽田の機能強化というのはこれまでも段階的にやられてきました。しかし、その原則というのは、地域の負担軽減、大田区や江戸川区、江東区も今も飛んでおります。そういう人たちを、さらに負担軽減していくにはどうすべきかというのがこれまでの航空政策だったのが、今後、新飛行ルートをやって、新宿や、そして渋谷、目黒、品川と都心上空を解禁するということは、この負担軽減のあり方を百八十度変えるという、ほごにするという大転換だと、こんなことを絶対に認められないということを厳しく指摘をして、次の質問に移りたいと思います。
 中小企業振興対策審議会について質問したいというふうに思います。
 中小企業振興対策審議会の現在の委員名簿というのはあるのかどうなのか、示していただきたいと思います。

○藤田産業労働局長 中小企業振興対策審議会につきましては、現在、委員の委嘱を行っておりません。

○白石委員 中小企業振興対策審議会は、かつて東京都のものづくりの振興のあり方や産業集積のあり方について検討して、ものづくりの集積地域支援事業の創設につながるなど、重要な役割を果たしてきました。ところが、何と石原都政時代の二〇〇四年五月から十四年間開かれていない、そして委員名簿もないということを今確認いたしました。
 知事に伺いたいと思いますが、中小企業振興対策審議会を再開すべきだと思いますが、いかがでしょうか。知事ですよ、知事。

○藤田産業労働局長 都は、社会経済状況の変化を踏まえ、その時々の中小企業の経営環境を取り巻く変化に適切に対応した多様な施策を迅速に展開してきておるところでございます。
 一方で、中小企業の経営は、経済のグローバル化や人口減少などにより、中長期的に大きな構造変化に対応することも求められております。こうした変化に計画的かつ機動的に対応するため、有識者会議を立ち上げ、今後のおおむね十年間を対象とした中小企業振興ビジョンを作成したところでございます。
 今後は、このビジョンに基づき、さまざまな施策を適切に進めてまいります。

○石川委員長 白石たみお理事の発言は終わりました。(拍手)

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