予算特別委員会速記録第三号

   午後六時三十九分開議

○三宅副委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 伊藤しょうこう委員の発言を許します。

○伊藤(し)委員 それでは、建設残土の処分場における安心・安全対策について伺います。
 一昨年秋の台風二十一号に伴う豪雨により、私の地元八王子市内の上川町では、都が自然保護条例に基づき開発を許可した残土処分場で、大規模な土砂崩落事故が発生しました。
 幸い、人的な被害はありませんでしたが、付近を通る都道六一号美山通りは、約二カ月間通行どめになるなど、都民生活に多大な影響を及ぼしました。
 この残土事業を行った会社が実質的に解散状態であり、事故防止の安全措置が行われなかったため、その後、都は昨年十一月に行政代執行法に基づく土砂の撤去工事に着手し、当面の緊急対策は完了しました。
 しかし、こうした長期間にわたり埋立工事をしている残土処分場は、事前に確認をしたところ、都内全域の中で、八王子市内にしか存在せず、しかも九カ所もあります。
 近年頻発する異常な豪雨があった場合、再び土砂崩落事故が発生する可能性も極めて大きいです。
 そこで、都は事故発生後、こうした残土処分場に対して、どのような対応を行ってきたのか伺います。

○和賀井環境局長 都は、自然保護条例に基づきまして、土砂による埋立事業を含む開発行為につきまして、一定の緑地の確保などを求める開発許可制度を運用しております。
 今回の事故を受けまして、都は、自然保護条例の開発許可を受けて、土砂の埋立工事を行っていますお話の九カ所の残土処分場全てに対しまして、土砂災害の専門家による緊急点検を実施し、おのおのの現場において差し迫った危険性はないことを確認いたしました。
 現在、これらの事業者に対し、排水設備の補修などについて文書指導等を行うとともに、随時現場の監視を行い、工事を早期に完了するよう指導を継続しているところでございます。

○伊藤(し)委員 こちらのパネルをごらんください。下が土砂災害発生後すぐの現場の写真です。上が復旧後ということになります。都道の西側から一万立米に及ぶ土砂崩落事故が発生をいたしました。
 ほかの九カ所の残土処分場で安全点検を実施したとのことで一安心しましたが、なぜ事故が起きたのか、制度の問題点などを洗い出し、改善を進めるべきです。
 そもそも、東京における自然の保護と回復に関する条例では、自然回復が目的ですから、極論すれば、最終的に植樹をすればいいことになります。
 本来、この条例は、都市計画法など他の法令と重層的に規制を行い、技術的な基準や多角的に工事の安全性や計画性を担保するものですが、事故を起こした処分場は、他の法令の要件をくぐり抜け、自然保護条例のみの指導となっていたとのことです。
 すなわち、現場での指導方法とともに、同時に制度面の改善が必要不可欠です。今回の事故による都民生活の甚大な影響や人的被害の可能性があったことを鑑みますと、残土処分場における事故再発防止対策の徹底は都の重要な責務であります。
 そこで、都は今回の事故を踏まえ、今後どのように再発防止に取り組んでいくのか伺います。

○和賀井環境局長 今回の事故現場や都が緊急点検を行いました残土処分場では、事業者が土砂の埋立工事を長期化させるなど、土砂災害の未然防止や自然再生を進める上で、さまざまな課題があると認識をしております。
 現在、こうした残土処分場の現状や課題を整理しておりまして、その解決に向け、今後、監視指導手法の見直しを行うとともに、地元自治体との連携強化を図ってまいります。
 あわせまして、自然保護条例の改正を含めた制度面の見直しの検討にも着手し、効果的な開発規制のもと、開発現場における安全の確保はもとより、早期に自然の保護と回復が図られるよう取り組んでまいります。

○伊藤(し)委員 残土事業者の中には、行政職員を恫喝する者や、ずさんな工事をする事業者もいると聞いており、現場の実際の指導は難しい面もあろうかと思います。
 しかし、一部の悪質な事業者による不適切な工事によって、都民の生命、財産が危機にさらされることは、絶対あってはなりません。
 地元自治体との連携や協力を行いつつ、都が局を超えて問題点や課題を共有し、開発規制や事業者の指導の見直しに着実に取り組むことを要望いたします。
 続きまして、首都大学東京の名称変更に関連して伺います。
 総務局長に伺います。首都大学東京は、東京都立大学などが平成十七年に再編統合され、誕生いたしました。今定例会では、名称変更の議案が上程されています。どの名称がふさわしいかは議論もあるでしょうが、いずれにせよ、首都大学東京は、都民と地域に開かれた貴重な知的財産であります。
 それでは、平成十七年に現在の名称変更を行い、それ以前と比較して、受験者数、就職内定率、研究の成果など、プラスもマイナスも含めて、どのような影響があったのか伺います。

○遠藤総務局長 首都大学東京は、平成十七年度に四つの大学を再編統合して発足いたしました。開学以来、従来より多彩な学問分野を持った総合大学として、都市の課題に焦点を当てた課題解決型の研究を推進するとともに、幅広い視野と専門性を持った人材の育成に取り組んでまいりました。
 一方、こうした取り組みにもかかわらず、昨年行った見える化改革の過程におきまして、社会一般での認知度が不十分であることなどが改めて明らかになっており、この点は課題であると認識をしております。
 なお、入試倍率についてでございますが、統合前の平成十六年度が七・二倍、首都大学東京の平成三十年度が五・六倍でございます。また、学部卒業者の就職率は、平成十九年度の都立大学卒業者が九七・三%、平成二十九年度の首都大学東京卒業者が九八・二%となっております。

○伊藤(し)委員 首都大学東京への名称変更前も後も、入試倍率も就職率もほぼ変わらずと、相変わらずしっかりと成果を上げている大学であるんだろうと思います。卒業生も優秀な方が多いと聞いております。
 知事に伺います。大事なことは、学生に望まれるような魅力あるカリキュラムを編成することや、さまざまな研究成果を社会に還元することなど、名前を変えるより、都民生活や都政の発展に資する大学へ中身を充実させることであります。
 それでは、大学の名称を変える意図は何なのか、知事に伺います。

○小池知事 まず、流れを改めて見ておきたいと思います。
 昨年七月に都政改革本部会議を開きまして、総務局と公立大学法人が行った見える化改革、それについて報告がございました。中身は、首都大学東京の持つ教育研究水準に比べて、認知度、ブランド力偏差値が低いことなどが課題との報告でございました。
 私自身も首都大学東京のこのような現状については、いろいろな方から、これまでもお話を伺ってまいりました。都庁の職員も出身者が多いですし、また都議会でも、出身者は多々おられると伺っております。
 中でも、二十九年の春でしたか、ご退任になった川淵三郎さんが知事室をお訪ねになられまして、最後に一言だけいっておくと。名称を変えなさいということもおっしゃって去られたのは大変印象的でございました。
 このような形で、その後、公立大学の大学法人首都大学東京、改めて都立の大学であるということを、都民の方々にわかりやすく発信をすること、教育研究成果を都民、都政に還元していくという大学の存在意義をこれまで以上に明確にしていくということで、名称変更についての方針を決定したところでございます。
 この名称変更を契機といたしまして、開学以来の実績を土台とし、教育研究をさらに充実をさせていく、そして名実ともに都立の大学としてのプレゼンスの向上を図れるように、都としても支援をしてまいりたい、このように考えております。

○伊藤(し)委員 いろんな人から聞いたというようなお話もありましたが、要は、一昨年、平成二十九年六月の都議選の際に、当時知事が代表を務めていた都民ファーストの会の政策集には、首都大学東京の名称を再検討し、都民に身近な大学へ改革と掲げていました。
 その結果、知事のご答弁にもありましたが、昨年の七月の都政改革本部会議で、知事が、東京都立大学への名称変更を提案し、約一カ月後の八月二十四日には正式プレス発表と、都民の意見も聞かずにたった一カ月で決めたわけです。
 今回、大学の名称を変更するに当たり、きちんとしたプロセスを経ずに、都民の声も聞かず、知事の鶴の一声で決めるのは、都民ファーストではなく、都知事ファーストということになりますよね。
 それでは、総務局長にお尋ねをいたします。実際の名称変更は、来年の四月一日と聞いております。本部キャンパスがある八王子市に聞いたところ、道路標示や各種看板、またパンフレットなど、名称変更に係る経費は数百万円とお聞きをいたしました。
 こちら、パネルにありますけれども、例えばこういった道路標示とか、あるいは避難所の表示、こういったこと、そのほかにも印刷物とか、いろんなものがあります。名称変更には、大学や東京都以外にも、さまざまな影響があるということをしっかり認識してもらいたいと思います。
 地域との連携や貢献は、私立でも公立でも欠くことのできない大事な要素であります。すなわち、地元の理解や協力なしで、今のキャンパスはあり得ません。
 それでは、名称変更について、地元八王子市にも事前に話ぐらいは、これから変えようと思っていますと、話ぐらいはしていると思いますが、地元市にいつごろお話ししたのか伺います。

○遠藤総務局長 首都大学東京におきましては、名称変更の手続に着手することを発表した翌月には、学長を初め幹部職員が、メーンキャンパスの地元である八王子市や関係団体に赴き、この間の経緯や今後のスケジュール等を説明いたしました。
 引き続き、それぞれのキャンパスのある地元区市には丁寧に説明し、ご理解をいただくよう活動すると聞いております。

○伊藤(し)委員 要は、知事が提案をしてから、たった一カ月ぐらいしかありませんでしたから、地元市に説明する暇もなく発表してしまったと、こういうことだと思います。
 この大学のある南大沢の本部キャンパスといいますのは、多摩ニュータウン事業の二十住区というところになりまして、平成三年にキャンパスが移転をしました。
 このときに、地元の住区につきましては、小学校二つと中学校一校と、住居と、あるいは会社とか、しっかりとした都市計画ができていたのを、当時、都立大が移転するのを受け入れるために、わざわざ都市計画まで変更して、地元は受け入れました。
 ですから、もちろん大学がいろんなことをやるのに、一々全部地元に相談をしろとはいいませんけれども、名称変更とか、とにかく大きいようなことが起きるときには、少なくとも、そういった思いをしょった地元にも本当は心を寄せるのが、私は真の都民ファーストだと思っております。
 ぜひこういった首都大学の名称、もちろん、いろんな名称に変える賛否両論あるかと思いますけれども、大事なのは、大学の中身をしっかりしてもらうことだと思います。
 首都大学に統合して、たった十三年しかたっていないにもかかわらず、大学の情報発信の努力不足を棚に上げて、そして、知事の自分の公約を拙速にトップダウンで決める手法には全く理解ができません。こうした自分ありきの知事の姿勢、都民不在の姿勢であることを指摘しまして、私の質問を終わります。(拍手)

○三宅副委員長 計測をとめてください。
 ただいま、川松真一朗委員より関連質疑の申し出がありました。
 本件は、予算特別委員会実施要領第七の規定に基づき、質疑委員の持ち時間の範囲内で認めることになっております。
 川松真一朗委員の関連質疑を認めます。
 なお、川松委員に申し上げます。
 発言は、伊藤委員の質疑の持ち時間の範囲内となっておりますので、あらかじめご了承願います。
 計測を始めてください。

○川松委員 さて、本年一月、厚生労働省は基幹統計であります毎月勤労統計調査に関して、不適切な調査が行われていたことを公表いたしました。このことについての都の立場は、厚労省から法定受託事務として委託を受ける立場であり、都が行ってきた調査の実務自体には何も問題がなかったことは明らかでございます。
 しかしながら、今回問題となっている規模五百人以上の事業所の、日本全国で見たときの主たる所在は、当然、この首都東京都であり、この母体数が多い東京での調査が不適切なものだとわかった今、都はどうすべきかということを今回考えさせていただきました。
 一次的には、法定受託事務として厚労省からいわれてきた、そのことをきっちりと仕上げたのはよく理解できますけれども、二次的には、自分たちがかかわっている事案がどのように活用され、どういう環境にあり、そしてどうやってデータとして出てきたのかということを、それぞれの立場の皆さん、調査をされた皆さんが、興味を持って事に当たっていたんだろうか、言葉をかえれば、自分の仕事に対して、都政への愛情というのがあったんだろうかというふうに思ったわけですね。
 事前に私が総務局の担当者とこの件についてお話をしましたら、サンプル調査なのか、全数調査なのかということでありますけれども、抽出調査をした後に、復元しているのかどうなのかということは、どう見ても見抜けないということでありました。
 出てきたデータがそれなんだ、正しいものなんだという認識しかできないということは、よく総務局の担当者の方と話をしてわかったわけですけれども、そこで、ちょっとここを見ていただきたいんですが、これが一連のこの今回の平成十五年からの流れなんですけれども、平成二十八年の十月に、厚生労働省は総務省に対して、調査のやり方を変更しますよという申請をしています。
 このことは、実は総務省のホームページにおきまして、調査方法の変更についての諮問の審議をチェックできる状態にあったんです。少なくとも、愛を持った調査をした都の職員が、誰か一人でもこのときに気づいていれば、ここまで傷は大きくならなかったのではないかなという考え方もできるわけです。
 去年六月に厚生労働省が出した各都道府県宛ての名簿で、去年六月の時点で、神奈川や愛知、そして大阪というこの三府県もサンプル調査にしますよという、厚労省が話をしていたんですけれども、今回の問題発覚後に、この三府県に対しては厚労省から、この事前の約束は撤回ねと、やっぱり全数調査でやってくださいねという話がありました。
 しかし、この前言撤回というのは三府県に対してだけでありまして、東京都にはなかったんです。
 今述べた、この三府県も東京都も、本来は三分の一ではなくて、全数やらなきゃいけなかったという前提なんですけれども、厚労省は東京都に対してだけ、三分の一は東京都、三分の二は国と、そういう方向性を示されているということでありますが、ここで私は提案させていただきたいんです。厚労省と東京都で意見の一致があって、東京都が全数調査するという形で意見の一致、方向が一致すれば、法定受託事務ですから、東京都が三分の一を調査しようが、三分の三調査をしようが、費用は国から出るわけです。
 その意味でいくと、今、厚生労働省はこの件の対応に当たって、ほかの部署からも人を寄せるぐらい大変なぼろぼろな状態にありますから、ここで三府県に対しても足並みをそろえる、あるいは厚労省を助けるという意味でも、ここは率先して、知事、東京都が三分の三を調査しますよというふうに提案すべきだと思いますが、見解をお聞かせください。

○小池知事 まずは、基本的には厚生労働省がこの事務の責任を負って進めてこられたわけでございますので、一義的な問題はそこにあるということ、それから、総務省もかかわってくる話になりますけれども、こことの連携がどうであったか、同じように、都との連携というのも必要だった、コミュニケーションが必要ではなかったかなと、このようにも、私は個人的にもそう感じた流れでございます。
 厚生労働省は、今回の事案に関連して全数調査を実施すべきという、統計委員会が指摘をしたわけですね。そこで、調査を実施していない五百人以上規模の都内の約一千事業所がありますけれども、それは国が直轄で調査をするということを、もう決定されているわけであります。
 一方で、毎月勤労統計調査ですけれども、先ほどから委員がおっしゃっておられるように、これは法定受託事務でございます。よって、厚生労働省との間で、各種の負担の調整が整った場合においては、都で全数調査を行うことは可能かと存じます。
 ただ、基本的にこれは法定受託事務ということで、この原則というのはしっかり守っていただきたいと存じます。

○川松委員 別に東京都がお金を出してということではなくて、今ぼろぼろになっている厚労省を助ける、あるいは厚労省はもう自分たちの責任を感じていますから、それは三分の二、私たちが責任持ちますよということですけれども、ここはいろんな今後の厚労省との関係、国との関係もありますから、知事が提案されてみてはいかがかなという提案でございました。
 さて、次ですね、ブロックチェーン技術について述べていきますけれども、今日の激化する国際的都市間競争の時代におきまして、ブロックチェーンの技術など、新たなICTを活用していくことは、今後の成長戦略にとって必要不可欠であります。
 特にこのブロックチェーン技術というのは、これまで金融の分野において発展しまして、仮想通貨、これは暗号資産ともいわれますけれども、全く新しい価値を生み出した画期的技術でございます。
 この仮想通貨における活用は、金融システムとしての信頼性の低下など多くの問題は出ていますけれども、データ改ざんが極めて難しい、そしてあるいは既存のシステムより廉価でできるということにおいて、商業や流通産業など幅広い分野での活用が期待され、新しいビジネスモデルを生み出す鍵となる可能性があることは誰もが承知であると思います。
 真に成長戦略のツールとして活用していくためには、これを中小小規模企業における活用として、これは重要だというふうな認識を捉えて、資金決済の分野など、このブロックチェーン技術を前提とした暗号資産などの法制化に取り組んでいる国家もあるわけであります。
 国際的にも先進性が高いと評価されている技術でありまして、都としても、世界に先駆けて、世界の都市に先駆けて、国際金融都市構想もありますから、特区的な考え方の中で、ブロックチェーン技術を成長戦略の一つの重要なツールとして位置づけるべきではないかなと思います。
 例えば、都がブロックチェーン技術のシンポジウムなどを主導しながら、機運醸成とともに、世界から人材や技術を集め、そうした情報の集積を中小小規模企業などが利用できるビジネスマッチングや、コンサルティングサービスなどを提供しながら環境整備を進めることは有意義だと考えますけれども、知事の所見を伺います。

○小池知事 ブロックチェーンにつきましては、お話のように、分散型ネットワークとして、まずデータ改ざんのリスクが少ないという点が挙げられます。それと同時に、低コスト化も期待ができるということで、安全で利便性の高い情報管理が可能になるポテンシャルは保有をしているという状況でございます。
 一方で、それに加えまして、金融取引だけではなくて、最近は、再生エネルギーの調達元を証明するようなサービス、それから原材料がどこから来ているのかというトレーサビリティーに関する実証実験が行われるなどなど、事業構築に向けた民間の取り組みも活発に始まっているということでございます。
 今後、これら中小や小規模企業など、さまざまな事業活動で、これらの技術が活用されることによって、新たなビジネスチャンスが生まれてくるという可能性もありますし、また、生産性の向上につながるということが期待されている。
 そういうことから、都が来年度から行いますソサエティー五・〇の実現に向けた取り組みでは、最新の技術動向、そして活用の可能性など、この内容を含んだシンポジウムを開催するなど機運醸成も図っていきたいと考えております。
 さまざまな可能性を含んでおりますこのブロックチェーンなど先端技術を活用した施策の方向性の検討をしっかりと進めていきたいと考えております。

○川松委員 つまり、そのソサエティー五・〇というのは、まだよくわからない。第一世代から始まって、狩猟時代から始まり、そして、この産業の時代になって、何なのかわからないんですけれども、今のままだと、どうも今回の件も政策企画局の担当の方と話をしてきましたけれども、自分たちの既存の概念にとらわれている。
 それを飛び越えて--局長、首振っているけど、大分この時間、長い間やりとりしてきましたよ。それを乗り越えていくための提案があるんですよ。
 それは、知事の海外出張について。この海外出張の予算……(発言する者あり)よく聞いていてくださいね。つまり、これ、ぐんと、二十七年度、二十八年度はぐんと上がっているんですが、上がっているのは、皆さん方が批判してきた舛添都政時代の海外出張の予算、そして小池都政になって、これが大分がくっと、十分の一から九分の一ぐらいまで下がっているわけですけれども、よくよく調べてみると、舛添都知事は豪華出張だ、豪華出張だといわれていましたが、舛添都知事時代に九回海外に行っているんですが、ご指摘のように、ファーストクラスで行ったのは三回だけなんです。あとはビジネスクラスでした。
 そして、何がその金額が高いかというと、一緒に行った職員の数が多いんです。このことは、例えばソサエティー五・〇にしても、新しいものを東京がチャンスとして目指していくのであれば、新しい世界に飛び込んでいく、そして学んでいく職員の数も一緒になって僕はふやさなきゃいけないと思う。
 これをまやかし的に、オリンピックのときみたいに、知事の出張ではなくてほかの予算につけて、海外に実際には行っているわけですから、それじゃなかったら、やっぱり堂々と、どんとやることが、僕は、知事のためでもあるし、都の職員のためでもあるし、東京都のためだと思うんですよ。
 霞が関の官僚の皆さんだって、新しい技術や新しいまちづくりはみんな海外で学んできたというじゃないですか。そういうことを皆さんと一緒になって考えていきたいと思うんですが、特に、先ほども、あかねがくぼ議員からもありましたけれども、ベンチャーを支援するとか、新しい技術を身につけようというのは、例えばシリコンバレーであったり、イスラエルであったり、e政府のエストニアだったり、いろんなところに広がっているわけですから、ここを皆さんと一緒になって盛り上げるためには、僕はこの予算では少し足りないと思うんです。
 あんまり難しいこと聞かないから、ばたばたしなくて大丈夫ですよ。それで、それと同時に、新しい、特に二〇一九年、二〇二〇年というのはオリンピック・パラリンピックを控えて、東京がシティーセールスをする大きなチャンス、このPRに、前年度と同じような予算で、幾ら日程があるからとかって小さくならないで、どんどんどんどん皆さんも、知事、海外行かせたらいいじゃないですか。これが東京の宣伝のためになるんですよ。だから、僕はこの予算は少ないと思いますけれども、知事の見解を教えてください。

○小池知事 海外への出張は、その時々の都政の重要課題の解決など明確な目的を持って、限られた時間、経費を最大限に活用して成果をおさめる、このようにしております。
 昨年秋はロンドン、パリの出張、金融街の中心のロンドンでは、プロモーション活動を実施いたしまして、シティーのトップでありますロード・メイヤーと連携強化で合意をいたしております。それから、ロンドン大会の関係者とも会場視察をしてまいりまして、さまざまな先行事例を実地に学ぶことができました。
 パリでは、イダルゴ市長と会談し、オリ・パラの成功、環境、文化、観光などの分野において連携を深めていくということでございます。
 出張経費を大幅に削減し、かつ大きな成果を上げられたと、このように自負をいたしております。
 それから、お尋ねでございますけれども、職員にはできるだけ海外を見るようにということで、よく、今度の予算書をお読みいただきたいと思います。一気に五百人の海外出張、視察ということ、これを予算として設けているところでございまして、東京の中に引きこもっていないで、海外を見るべきだということで予算をつけておりますので、どうぞご賛同いただければと、このように思います。

○川松委員 それはよくわかっているんです。だから、全体を知事の政策と一致するんだったら、予算を別立てにするのはおかしいんじゃないのという話をしているんです。
 だって、その五百人だって、知事と同じ目的で行く人もいればそうじゃない人も当然いますよ。そこはあんまりお金がかかっているとか、海外だって、後ろめたく--今のように、効果があるんだったら、どんと行けばいいんですよ。風呂敷に包まないで、そうやって……(発言する者あり)いや、こういうことをいう人たちがいるから、職員の皆さんが海外で勉強する機会がなくなっちゃう。
 これからはもう知事がやるといって、皆さん応援してくれるというから、どんどん皆さん海外で学んで、本当に世界で一番の東京、ダイナミックな東京を皆さんとつくっていけると思ったら、きょうはうれしくなりました。皆さん、光輝く東京をつくってまいりましょう。
 さて、これは未来志向の質問をしましたけど、ちょっと過去を振り返ってみます。
 築地は守る、豊洲は生かすというキャッチフレーズについて触れます。
 都知事が築地現地再整備を捨てた。今回の有償所管がえの予算案が決定した時点で、築地市場を信じていた人たちの心を傷つけ、そして、知事はこの論争で何をいっても、誰もが信じられなくなる、そういう状況に陥ったわけであります。
 私もいろいろと言葉の変遷をチェックしましたけれども、小池知事が今主張されている築地活用案、あるいは築地ブランドを守るということは、なかなか、二年前の六月の時点では、多くの人たちとの理解の差は相当激しかったんじゃないのかなと思います。
 今後、この土地を売却するかという私たちの主張、あるいは貸し付けのまま再開発するかという、ここの議論はまだこれからですから、それはさておき、民間が築地の地を再開発として手を入れていくということは、まさに都議会自民党がいっていたことなんですよ。
 僕は、オリンピックの三会場見直しもそうですし、この豊洲移転に関しても、あるいはTTFのことに関しても、小池知事はいつも素直になると、都議会自民党のもとの案に戻っていくというのが私の主張であります。で、(発言する者あり)これは思い込みじゃなくて、実際そうなんですよ。ですから、じゃ、どうしてその中で、女将さん会や多くの人たちが小池都知事に不信感を持つのか考えてみました。そこに浮かび上がるのは、小島敏郎氏の存在です。
 築地を守るというのは、イコール築地市場を守ることだと世の中に知らしめてきたのは、まさに小島氏の言動にあります。
 二〇一七年四月の当時PT座長案といわれた計画もそうですし、私が世に公開させていただきました七月の業者向け勉強会もそうです。あるいは今回の女将さん会の要望書にあるように、あわせて都民ファーストの会の中央区選出の都議会議員の言動にも原因があるのかもしれません。
 きょうはちょっと確認したいことがありますので質問させていただきますが、過去のことです。市場問題PTの第二回というのは、豊洲市場の構造についてというのがテーマでありました。
 ここには、構造設計のテーマということで、今川先生という先生が呼ばれていて、その資料が提出されていたんですが、ここで小島座長はどんな発言をされたのか教えてください。

○遠藤総務局長 第二回の市場問題プロジェクトチームでは、豊洲市場の建物の構造安全性について議論を行いました。ただいまのご質問は、今川氏との関係での小島座長の発言かと思いますが、小島座長が開会前に出席者に対してどのような指示を、あるいは議論をしたのかについては、我々は存じ上げません。
 開会後に議論を始めるに当たって、発言者はメーンテーブルに座っている方々に限りたい旨の発言を行っているのが、公式な発言でございます。

○川松委員 では、この市場問題プロジェクトチーム第二回終了後、今川氏はどんな態度でお帰りになられたか、記録があれば、教えてください。

○遠藤総務局長 その際、今川氏が帰られる際に、どのような状態であったかとか、どのような発言をなされたかということについては、事務局として把握した記録がございません。

○川松委員 何でこんなことをいうかといいますと、この第二回PTの過去の資料など、議事録を見ていただければわかるんですが、この今川先生から出された資料がパネルとして掲示されて、皆さんに説明はされているんだけれども、今川さんの発言の機会はなかった。
 漏れ伝わるところによりますと、あの市場問題PTというのは、事前に打合会のようなものをやっていて、その場には今川さんというのは呼ばれて、発言をしていたと。
 あと、ほかにも、当時、小島氏は、マスコミの皆さんを集めて勉強会というのをやっていたり、仲卸の皆さんたちと会って、いろんなことをいっていたんですが、そこの発言が一つ、築地は守るイコール築地市場は守るということにつながっていくので、ご説明しますが、なぜ構造の先生にその話を触れさせなかったか。
 これは、もし皆さん方がちゃんと参考人招致に賛同していただければ、証言する方がいっぱい出てくると思いますけれども、豊洲の構造については触れるなという指示があったそうです。
 なぜ、触れるな--もし何かそこで出てきたら、豊洲市場を将来高く売らなきゃいけないのに値段が下がってしまうからと。そういうやりとりが市場問題PTの打合会でもあったと。仲卸の皆さんもその話を聞いている。あるいは築地再整備側の皆さんもそれを聞いていて、やっぱり、小島座長は築地に戻ってくるんだ、豊洲を売却するんだと信じたそうです。
 その時点で、知事はどう考えられるかわかりませんけれども、小島氏イコール小池知事という認識で話を聞いていたということであります。知事がどう考えるかはわかりません。
 時間も少ないので、最近の話に行きますが、特に、今は市場問題PTの座長から外れて都民ファーストの会というところに小島氏はおられるわけでありますけれども、今回、中途議決で、最終補正案ということで、この有償所管がえのことがありましたが、この最終補正案について、小島氏がこれを取り下げるように、理事者側に、あるいは都民ファーストの議員と一緒に働きかけたということはございますか。答えられる方がいたら教えてください。どうですか、いかがですか。

○武市財務局長 財務局に対しましては、そのようなことはございません。

○川松委員 財務局に対してはということは、ほかの局はあったんですか。いかがですか。

○村松中央卸売市場長 中央卸売市場当局に対しても、そのような話はございませんでした。

○川松委員 いいんです。こういうことがあるかどうかわからないんですけれども、実は私のところに、Q一からQ五と書いてある書類が今週届きました。
 これ、見えます。(資料を示す)委員長、見せに行っていいですか。

○三宅副委員長 はい。計測をとめてください。

○川松委員 こういう書類が私のところに今週届いたんですが。
   〔発言する者多し〕

○三宅副委員長 計測を始めてください。

○川松委員 私は時計のことは何もいっていませんからね。つまりこれは、じゃあ財務局長、この書類は何ですか。

○武市財務局長 都民ファーストの会の皆様との意見交換会で使用した資料の一部でございます。

○川松委員 この中のQ四というところを見てみますと、これ、Qの方が、経営計画には民営化や合理化も含めた抜本的な対策を盛り込むべきであるというふうに記されていて、その答えに経営の合理化、民間経営手法の導入など本質的な課題に切り込みというふうに書かれているんですが、財務局長、このQと、このアンサーというのは、これは何なのか教えてください。

○武市財務局長 それにつきましては、何度か勉強会を重ねている中で、そういうご質問をいただきまして、それに対する私ども財務局、中央卸売市場、都市整備局の見解として、下の丸がついている部分をお示ししたものでございます。

○川松委員 ということは、今、これ、三局でつくられたということなんですね。済みません、去年の予算特別委員会で、まさに武市財務局長の発言として、公文書とは実施機関の職員が職務上作成し、または取得した文書など、いわゆる電磁記録も含めて、当該実施機関の職員が組織的に用いるものが公文書だという発言がございましたから、これは公文書であるということ、しかも、私は財務局長に聞いたら、都市整備局と市場も絡んでいるということでありますので、できればこの後、これにまつわる、書類にまつわる一式に関して、情報公開請求をかけさせていただきたいと思いますが、問題は、これ、じゃあいつ開かれたんですか、この勉強会、都民ファーストとの勉強会は。

○武市財務局長 二月二十五日でございます。

○川松委員 この勉強会は何度か重ねるうちの、さっき財務局長が、何度かやりとりを重ねるうちのこのペーパーだといっていましたけれど、勉強会はその二月二十五日、一日だけですか。

○武市財務局長 二月五日と二月十二日、それに二月二十五日の三回でございます。

○川松委員 その勉強会の中身をお聞きしたいんですが、例えばその勉強会の中で、当該三局というお話がありましたが、答えられるところで答えていただきたいんですけど、市場の将来について、民営化だとか、民間の知恵を活用など言及された職員の方はいらっしゃいますか。

○武市財務局長 財務局職員があらゆる可能性を検討すると、そういう趣旨の中で申し上げた部分はございます。

○川松委員 その後の経済・港湾委員会のやりとりなどを見ていますと、その場で、民間経営手法の事例などをこの勉強会で示されたことはありますか。

○村松中央卸売市場長 かつてですね、かつてというか、あり方戦略本部という会議体でさまざま議論しておりましたが、そのときにいろいろ民間経営形態に関する分析等も資料として公開しておりました。
 そういったことを勉強会の素材として提供させていただいて、議論をしたことがございますが、ただ、今回は具体的な会派とのやりとりでございますので、詳細については、答弁を差し控えさせていただきます。

○川松委員 では市場長、聞き方を変えます。この勉強会ではなくていいです。市場の皆さん方が外部に対してこれまで述べてきた民間経営手法の実例ってどんなものがあるか、全て答えてください。

○村松中央卸売市場長 民間経営手法、いろいろ幅広く考えておりまして、例えば先ほど、あり方戦略本部の議論の中では、例えば、PFI事業だとか、指定管理者というお話も、分析もしました。
 また、民間の経営の目線から、民間経営の目線からいろいろな施策を検討するという広い意味で民間経営手法ということを私ども捉えておりまして、例えば、遊休施設の利用による増収策だとか、経費の圧縮だとか、そういったことも、民間の目線からいろいろ工夫をするという意味で、さまざまな手法等を考えております。

○川松委員 それは、この間出ていたPFIとかはどこに行ってしまったんですか。つまり、経済・港湾委員会ではそこまで全部詳しくいわなかったわけですよね。端的にポイントでいってきたから、みんな、この間も混乱しているわけですよ。
 何をいいたいかというと、例えば二月二十五日にこの勉強会があって、しかも民営化に踏み込んだような発言もあった。そして、先ほど示したように、文言もあった上で、二月二十五日なら、その翌日が代表質問なわけですよ。
 代表質問で、都民ファーストの会の代表質問では民営化にも踏み込んだ発言もあったし、そして、その日の朝には、朝日新聞にもそのことが書かれているわけですね。(「誤報だよ」と呼ぶ者あり)でも、誤報だといって、全くこれ、皆さん方が配って勉強会をやっていたのと同じような内容が出ているわけじゃないですか。ということですよ。(「将来的に」と呼ぶ者あり)これも、こっちの書類も将来的にって書いてありますよ。
 ですから、こういうことのやりとりの中で、いろんな、むしろ今、財務局長、いろんな考え方がありますよ。いろんな考え方がありますけれども……

○三宅副委員長 静粛に。

○川松委員 民営化ということを、どういう視点で、例えば市場会計の将来的なあり方とか、このままで本当に市場会計がもつんだろうか心配だ、だから民営化なんだみたいな、そういう議論は財務局はしていませんか。

○武市財務局長 そのような形での議論はしておりません。

○川松委員 何で僕が今こういうことをいっているかというと、市場の皆さんは、例えばこういうやりとりだとか、実際に都議会最大会派から民営化みたいな言葉が出てきたことで、市場の業者が、皆さんどうなっちゃうのかと心配しているわけですよ。
 じゃ、この話は一回やめにして、違うことを聞きますけど、今回、五千四百二十三億円の有償所管がえの費用、そして、きのうあった建設局の五百億円と合わせて、大体約六千億円がぼおんと入るわけですよ、市場に。借金が三千八百億円だとすれば、あと二千二百億円あります。これはどのようにして、今後使っていくつもりなんですか。

○村松中央卸売市場長 今お話しのとおり、まずは、企業債の償還に活用していくということが一番ですけれども、卸売市場は、都民に生鮮食料品を円滑、また安定的に供給しなきゃいけないという社会的使命、規範を持つ基幹的インフラでございます。引き続き、この機能を継続的に維持していかなければいけません。
 したがいまして、今回、その有償所管がえに伴い、一般会計から市場会計に繰り入れられる収入につきましても、有効に活用していく必要があると考えております。
 先ほど申し上げたように、企業債を順次償還する財源とするほか、市場施設の維持更新対応などに加えまして、市場の活性化につながる施策、こういったところにも活用していきたいと考えております。

○川松委員 では、市場長、その市場の使用料というものに関しては、今、市場として、今のお金を原資にして、向こう何年まで上げないとか約束できますか。

○村松中央卸売市場長 今の時点で、何年まで上げるとか、逆に上げるなら何年以降とか、そういったことは分析もしておりませんし、お答えするような具体的な案を今、有しているわけではございません。

○川松委員 分析もしないで多額のお金を受け入れると。そっちの方が無責任じゃないですか。この二千二百億円をどう使っていくんですかと、その将来的なビジョンを聞かせてくださいといっているんですよ。
 しかも僕は、だって、こういうことをいっている、据え置きにしろなんてあほなこといっていませんよ。そこは市場として、どういうシミュレーションをしているのかっていっているのは、今の段階で何も分析もしていませんっておかしいじゃないですか。
 それでお金だけ受け入れるんですか。そういう発想で市場の経営をするんですか、市場長。二千二百億円を原資にして、ほかの市場の整備あるいは使用料をこのまま守っていくということに関して何で触れない、触れられない。分析もしていないって、おかしくないですか。何かあるならいってくださいよ。

○村松中央卸売市場長 今のお話でございますけれども、この間、何回か議論になっておりますけれども、私どもといたしましては、今後、さまざま民間の有識者、経営的な視点を持たれる方、会計の専門家、そういった方の知見も活用しながら経営計画をつくることとしております。
 そうした経営計画の中で、市場の、市場会計の持続性、これも当然踏まえた上で、実効性ある経営計画を策定していきたい、そのように考えております。

○川松委員 いずれにしましても、この件についてはしっかりと議論していかなければなりません。
 さらに、いろいろ市場の皆さんが混乱する原因は、市場問題PTにあるわけですから、きのう、我が党の鈴木議員から小島氏の参考人招致が求められましたけれども、改めて再度、私からも、小島氏の参考人招致を求めます。
 また、本日、出てまいりました財務局長からいわれた財務局、都市整備局、市場がつくられました、この勉強会の資料及びそれに関するメモ等がありましたが、この情報公開を求めさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 そして、最後になりますが、ダイバーシティーを掲げる小池都政でありますけれども、都は、平成二十七年に定めました人権施策推進指針におきまして、十七の課題を挙げております。この課題を二〇二〇年までにどこまでクリアしていけるかというのは、担当者の皆さんの課題だと思いますけれども、現在、国会ではアイヌ新法というものが議論されております。
 この法案では、官房長官を本部長とするアイヌ政策推進本部を内閣に設置して政策を進めることになっておりますが、このアイヌの人々というのは十七の課題にも挙げられておりますけれども、二〇二〇年大会に向けて、都は新法について理解を深めるべきであると私は考えますけれども、この新法についての知事の所見を伺いまして、私の質問を終わります。

○小池知事 多様性が尊重されて、温かく優しさにあふれる、そして、誰もがあすに夢を持って活躍できる東京、まさしくこれはダイバーシティーだと、このように表現できるかと思います。そのために、全ての人の人権も尊重されなければなりません。
 都といたしまして、平成二十七年八月に、東京都人権施策推進指針を策定しているところでございまして、今ご指摘の中の十七の人権課題を掲げて、それぞれの現状と施策の方向性をお示しいたしました。
 そして、その中の一つに、十七の一つに、アイヌの人々と明記をされているわけでございまして、アイヌの歴史、伝統、文化などについて正しく理解をすること、差別や偏見をなくすということにつながるとの認識のもとで、さまざまな普及啓発を行ってきたところでございます。
 国において、今、ご指摘のように、先住民族であるアイヌの人々が、民族として誇りを持って生活することができ、その誇りが尊重される社会の実現を目指して、アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律案が、現在開会中の国会に提出をされているとのことでございます。
 そこで、都はこれまでも、啓発の冊子であるとかリーフレットを発行し、アイヌの方々が参画するイベントの実施などで、この問題に対する普及啓発も進めております。国の動向も踏まえまして、今後は、アイヌの歴史や文化などに対しての理解と認識を深めるための取り組みを一層進めてまいります。

○三宅副委員長 伊藤しょうこう委員及び川松真一朗委員の発言は終わりました。(拍手)

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