予算特別委員会速記録第三号

○伊藤(ゆ)副委員長 小松大祐委員の発言を許します。
   〔伊藤(ゆ)副委員長退席、三宅副委員長着席〕

○小松委員 きょうはよろしくお願いいたします。
 先日の本会議、都民ファーストさんの代表質問の中で、市場は民営化も視野に入れたと考えるのかという代表質問に対しまして、小池知事の方からは、外部有識者による市場運営の検証を改めて行う、経営計画の策定にスピード感を持って取り組むとのご答弁がありました。
 都には、東京都卸売市場審議会があります。外部の識者も、業界の代表の方もいらっしゃいます。外部有識者とはこの審議会のことを指しているのか、また、それとも別の会議体を設ける、そうしたことを示唆されているのか、小池知事、お答えいただければと思います。

○小池知事 ご質問にお答えをさせていただきます。
 まず、中央卸売市場の今後につきましてでありますが、これからの計画を策定するに当たりましては、企業経営、そして財務、会計の専門家など、外部有識者を含めました検討の場を設けて集中的に議論をしていくと、このことを述べたところでございます。
 これに加えまして経営計画でございますけれども、財政運営や政策課題など全庁的な観点から検討する必要があると、このように認識をいたしておりまして、庁内の関係部署ともしっかり連携をしながら、市場経営の抜本的な改善に取り組んでいく、このことを申し述べたところであります。

○小松委員 全庁的なというお話もありました。まず、スピード感を持って取り組むのであれば、新たにこうした組織を設けるよりも、やはりこの審議会をどう生かしていくのか、また、その審議会と都庁がしっかりとどうやったら連携することが一番スムーズに円滑に進むのか、そうした考え方の方が望ましかったんじゃないかなというふうに思います。
 ご存じだとは思いますけれども、この審議会では、当然、第十次の整備計画もさることながら、市場の経営計画についても扱っているわけでありまして、屋上屋を架すようなやり方ではない、その方がより見えやすくなるのではないかなと。また、いつもの、さまざまな会議体を設けて、よく、どこが判断していくのか、どこで決まったのか、こうしたことが見えなくなるのではないか、そうしたことを危惧するわけであります。
 また、三月四日の経済・港湾委員会では、共産党さんの外部有識者の知見を生かした検討はいつから行うのかとの質問に対しまして、市場当局の方からは、平成三十二年度中には一定の結論を出したい、PFIの導入なども含めて幅広く検討する予定とのご答弁がありました。
 そこで知事にお伺いいたしますが、知事も同じお考えということでよろしいですか。
   〔村松中央卸売市場長発言を求む〕
   〔小松委員「いや、小池知事、よろしくお願いいたします」と呼ぶ〕

○小池知事 まず、平成三十二年の六月に、取引ルールや卸、仲卸業などの許可制の見直しなど、大幅な規制緩和を盛り込んだ卸売市場法が施行されることにつきましては、ご質問なさっておられる委員もよくご存じのことだと、このように思います。
 これは(「関係ないよ」と呼ぶ者あり)いや、関係があるんですね。都では、現在、こうしました法改正、これはとても大きな法改正であります。これまでの卸売市場法を大きく変えていくという、大変エポックメーキングな瞬間をこれから迎えるわけでございまして、そうした法改正の趣旨を踏まえて、東京都中央卸売市場条例の改正に向けて、卸売市場内における、例えば取引ルールの見直し、国内外への新たな販路の拡大など、活性化の方向について鋭意検討をしているということでございます。
 経営計画の中には、こうした条例改正の内容を踏まえた具体的な事業計画、これらを盛り込む予定でございまして、より実効ある計画とするために、平成三十二年度中の策定を予定し、さまざまな議論がそこで行われていくということでございます。

○小松委員 エポックメーキングだとか、そういうこともあるんでしょうけれども、私の質問というのは、知事が先日の共産党さんへの市場当局のご答弁と同じ考えかどうかの確認でありましたので、今後はそのことに的確にまずお答えいただければ大変ありがたいなと思います。
 それで、経営計画、また経営手法について幅広く検討されるということでありました。これは使用料にも言及をされるのかどうか。まさか使用料の値上げをするということはないですよね。小池知事、お答えください。
   〔村松中央卸売市場長発言を求む〕
   〔小松委員「いや、小池知事に聞いております、小池知事。委員長」と呼ぶ〕

○三宅副委員長 計測をとめてください。
 小池知事、どうですか。
 計測を始めてください。

○小池知事 地方公共団体が経営する市場事業でございます。これは、ご承知のように、地方財政法で公営企業として位置づけられていること、これについては委員ご存じのとおりでございます。そして、経営に当たりましては独立採算で行うということが原則とされているわけでございます。
 使用料についてのご質問でございますが、直ちに引き上げるということは考えてはおりません。平成三十二年度に、今申し上げましたように卸売市場法が改正をされます。そして条例が改正、そして、その後の流通形態の変化、これらを見ながら総合的に判断をしていくというのが必要ではないかと考えているところでございます。

○小松委員 今、平成三十二年以降のさまざまな諸変化を捉まえながら、いろいろ総合的に判断するというご答弁でありました。これは、だから、時期はまだ具体的に明確ではないけれども、十二分に使用料の値上げを示唆するのかなということも危惧するわけであります。
 これは当然のことながら、これまで豊洲市場の移転を待っていたのは、築地から豊洲に行かれる事業者、また、都民の方だけではなくて、都内に数多くある、さまざまな市場の関係者の皆さんも、いよいよ私たちの市場も老朽化対策に取り組んでくれるのかなとか、さまざまな思いがあるわけであります。
 そうした方々にとっては、経営計画の中で、いつかわからないけれども、もしかしたら近い将来、PFIのことや市場の使用料の値上げ、そうした話が具体化されていくのかなということを危惧しますときに、本当に寄り添って考えていくということが、なかなか事業者の皆様方にご理解いただけるのかどうか、そういうことを大変危惧するところであります。
 これは当事者にとっては大変死活問題でありまして、先ほどは直ちには行わないという話がありましたけれども、約束でありますから、しっかりと値上げは予定していないということが今いえるのかどうか、改めて知事にお答えをいただきたいと思います。

○小池知事 お答えをさせていただきます。
 今申し上げましたように、使用料については直ちに引き上げることは考えておりませんが、平成三十二年度の卸売市場法の改正や条例改正、その後の流通形態の変化がございますので、総合的に検討していくということを改めてお答えさせていただきます。

○小松委員 改めてお伝えしますが、豊洲市場の移転騒動がようやく落ちついたわけでありまして、この市場の民営化、こうしたことが、知事も携わっていらっしゃいます第一党の都民ファーストさんからも再三質問の中で言及もありますし、皆さんかなりご心配というか、気にされているということを改めてお伝えするとともに、知事にはいつもしっかりと寄り添っていただきたいというふうに思います。
 次に、築地のまちづくり方針の素案についても幾つか伺いたいと思います。
 今、この素案についてパブコメの取りまとめをされていらっしゃると聞いております。二月二十一日が締め切りであったわけですが、実際には何件ぐらいこのパブコメは集まったんでしょうか。これは局長、よろしくお願いします。

○佐藤都市整備局長 一月二十三日から三十日間、パブコメを実施しておりまして、二百二通のご意見をいただいております。(発言する者あり)二百二通のご意見をいただいております。

○小松委員 二百二通が大変多いのか少ないのか、ちょっと判断は比較ができるわけではありませんけれども、少なくとも、そうした方々がご協力をいただいたわけでありまして、このまちづくり方針の大変貴重な情報、また貴重な声だと思います。
 ゆえに、これはやはり、どんな意見があったのか、さまざまあるでしょうから、ぜひ全て開示をいただくべきだと考えますが、小池知事、いかがでしょうか。

○小池知事 今お答えさせていただいたように、二百二件の貴重なパブリックコメントを頂戴することができました。内容を精査いたしまして、年度内に公表する予定といたしておりますまちづくり方針に適切に反映させていく、そのためにも、このパブリックコメントを頂戴したわけでございます。
 いただいた意見をどうするのかというご質問かと思いますが、東京都の計画等の策定に係る意見公募手続に関する要綱というものがございます。これに基づきまして、公表しない部分を除いて、原則として全ての意見は公表させていただくということでございます。
 例えば、同趣旨の意見は適宜整理をするとか、誹謗中傷に当たるような情報などについては非公表になるなどなど、今申し上げました計画等の策定に係る意見公募手続に関する要綱、これに基づいた形で公表させていただきます。

○小松委員 知事もこの数カ月余り、特に熱心にPRをしていただいておりますし、我々にとっても大変注目の事業であります。これは都民も同じ思いだと思います。
 ゆえに、特定の声だけ反映するんじゃないのかとか、恣意的に、または体裁のためだけにこのパブコメを使ったんじゃないの、そんなふうな誤解が、この事業がいわれなき誹謗中傷にさらされないためにも、ぜひとも、公文書でもあるこのパブリックコメントについてはどんな意見があったのか、これはありのままに全て開示をすべきだというふうに考えますが、総務局長、いかがでしょうか。

○遠藤総務局長 ただいま知事がお答えしたとおり、要綱に基づいて開示されるものと判断されます。

○小松委員 随分都合のいい情報公開だなというふうに思います。そういうことをいっている場合なのかなというふうに思うわけであります。世間とまさに乖離をしています。
 逆に、情報公開に積極的な小池知事のもとで、開示しますということがいえない理由の方がよくわからないわけであります。
 さて、この三月末に、まちづくり方針を策定、公表されるわけでありますが、現在示されている素案から、また突然、都政にも大きな影響を及ぼすプラン変更、そうしたことが新たに追加される可能性というものはあるんでしょうか。知事、よろしくお願いします。

○小池知事 済みません、先ほどからのご質問、ちょっとよくわからない点があるんですが、お答えをさせていただきますと、素案に対しては、パブリックコメントの意見などを踏まえて、まちづくり方針に反映させることになろうかと、このように思います。
 そこで、まちづくり方針に対してのパブリックコメントを頂戴したわけですから、それらを反映される形となると、このように考えております。それが普通だと思います。

○小松委員 大変僣越ですけれども、知事はご自覚がないようなので改めて申し上げますけれども、今までも、この都政の中で突然思いつきのプランが示されることもありましたし、本会議が閉じて議会と議論が十分できない、そのようなタイミングに、入札制度の改革だとか都政に影響の大変大きな判断を示されたこともありましたので、今回のこの方針についても我々は危惧するわけであります。
 以前ならともかく、最近の報道を見ますと、多くの都民も、小池知事、あれほど輝いていたのに、最近の知事は、言動に対して思いつきだったり、行き当たりばったりだったり、そのときの判断、変節を平気で繰り返されているんじゃないのといったような報道もあるわけでありまして、これはやはり払拭していきたいなというふうに思うわけであります。だからこそ、そうしたことを危惧しているわけであります。
 現在示されている素案から大きな方針変更や、プランが新たに追加される可能性はないですね。知事、改めてお願いします。

○小池知事 パブリックコメントで頂戴いたしましたさまざまなご意見をしっかりと反映させる、それらについて検討を進めてまいります。

○小松委員 大変、パブコメを反映という言葉が繰り返されました。ぜひとも、できる限りこのパブリックコメントをしっかりと開示していただいて、我々も、このコメントなどもしっかりと反映されているんだな、そんな確認をしたいと思います。
 ご存じのとおり、豊洲への移転が二年間延期をされたために、環状二号線の片道二車線化、地下化は予定されていた二〇二〇大会までに間に合うことができなくなりました。
 知事が二年間の延期を決めた二〇一六年の八月の時点で、既に東京が開催地になることは決まっていました。既に環状二号線の本線開通というのは国際公約でありました。
 延期の判断を下す際、整備が間に合わない可能性、そのことによる交通渋滞の影響、こうしたことも当然十分に検討されたんだと思いますが、いかがでしょうか。小池知事、お願いします。

○小池知事 お答えをさせていただきます。
 東京二〇二〇大会の成功、そのためには円滑な大会の輸送の実現、さらには、ふだん行われている経済活動が停滞しないように維持するという二つの項目が両立してこそ、成功ということでございます。
 選手、そしてメディアなどの大会関係者は、バスや乗用車を使用して選手村、そしてまた競技会場などに主に首都高を利用して輸送することとしております。高速道路でございますが、一般道路に比べますと事故率は低い、また所要時間の見通しが立てやすいということから、多くの競技会場への輸送ルートといたしたわけでございます。
 そして、大会時の交通混雑の緩和に資しますTDMの取り組みを進めて、物流、そして都民生活の維持を図るということと、働き方改革につながるテレワーク、快適通勤の実現を図る時差ビズなど、総合的にこれをスムーズビズと呼んでおりますけれども、一体的に推し進めるということでございます。
 組織委員会、そして関係機関とも連携をいたしまして、これらさまざまな手だてを総合的に講じまして、円滑な大会輸送の実現を図って、大会を成功に導いていくということでございます。
 環状二号線につきましても、今回地上の道路が通ることとなっておりまして、これらも含めまして総合的にスムーズな交通を確保してまいりたいと考えております。

○小松委員 では、これ例えば、この二年間の、市場移転の延期によって、具体的に交通渋滞が引き起こす経済的な損失額というのは幾らと見込んだんでしょうか。小池知事、お願いします。

○小池知事 今、突然の数字についてのご質問でございましたので、担当者の方からお答えさせていただこうと思います。

○小松委員 経済の損失額というのは大変大きな数字だと思いますから、これはお答えできるものだというふうに思っておりますし、先ほど一個前の知事のご答弁の中では、たった一つも具体的な数字でお示しいただくことはできなかったわけであります。
 これ、本当に具体的に、この移転を決める際、さまざまな大会への影響のこと、また、そこから引き起こす近隣住民への影響、大会関係者への影響、さまざまなことが十分想定されたのかどうか、大変危惧するところであります。
 渋滞で懸念されることというのは、経済的な影響等々もありますけれども、ほかにもあるわけです。
 例えば、この近隣で交通事故が起こった場合、また、バスなどの乗客の方で体調の変化があって、緊急車両が出動しなければならないケースがあると思うんですけれども、こうした場合の出動態勢はどうなっているんでしょうか。小池知事、お願いします。

○小池知事 総合的なご質問だったと思います。これも関係者、それぞれの部局がございますけれども、関係者としっかりと連携をとりながら、万全を期してまいりたいと考えております。

○小松委員 じゃ、済みません、消防総監に伺います。
 この緊急車両が出動しなければならなかったケースの想定はどのようになっているのか、お答えください。消防総監。

○村上消防総監 緊急車両の出動につきましては、道路事情等をふだんから研究しているところでございます。
 環状二号線開通時につきましても研究をしておりまして、その際、年間の渋滞状況を判断しながら、救急車の配置等を考えてまいりたいと思っております。
   〔西倉東京都技監発言を求む〕
   〔小松委員「じゃあ、先に局長……」と呼ぶ〕

○西倉東京都技監 昨年十一月四日に、築地市場跡地におけます暫定迂回道路の整備により、環状第二号線が暫定開通いたしました。
 開通後の状況についてですけれども、朝八時から十時過ぎまで二時間程度渋滞は発生しておりますが、一日を通じておおむね円滑な交通が確保されているというふうに認識しております。
 今後、東京二〇二〇大会に向けましては、先ほど知事から答弁ありましたように、地上部道路の整備によりまして完成をさせます。その後、本線整備については二十二年度を目途に整備を進めまして、でき上がった暁には、往復四車線、側道を含めますと六車線、約四車線で大動脈が完成いたしますので、円滑な交通が確保されるというふうに認識しております。

○小松委員 もうびっくりしました。今、私が聞いたのは、消防総監に聞いたことに対して補足の答弁があるのかと思って、先に局長を指名したわけでありますけれども、そんな、オリンピックの後に大動脈ができるのは存じ上げていますし、もともとは、私たちみんな、そのことを目指して整備をしていただいているわけですから、今さらそれを聞くまでもありません。
 消防総監も詳しい話はおっしゃられませんでしたけれども、日々そうして研究をされているようでありましたら、これ、まれにある話ではなくて、あれほど都心の中心地にあるところでありますから、よく起こることが幾らでも想定される場所でありますので、しっかりと関係各位と、また特に最高責任者である小池知事にもしっかりレクを入れていただいて、有事のときに困らないようなことを、しっかりと準備をしていただきたいというふうに思います。
 もう一つ、この話の関連で、車の利用の自粛だったり、高速料金の値上げかみたいな、オリンピックの大会期間中ですけれども、そうした報道もよく目にするようになりました。
 こうなりますと、都民のみならず、他県や海外の観光客の方や車両輸送、移動、こうしたものをなりわいにされていらっしゃる事業者からしたら、何で私たちがこのために被害をこうむらなければいけないのか、ちゃんと準備しておいてよという思いに駆られると思います。
 そういった方々にはどのようにご説明されるのか、小池知事、教えてください。

○小池知事 先ほども申し上げましたように、大会の交通の混雑緩和に資する交通需要マネジメント、いわゆるTDMと呼んでおりますが、そして働き方改革、テレワーク、快適通勤、時差ビズと幾つか種類はございますが、これを総合的に総称いたしまして、このたびスムーズビズと、このように総称することといたしました。
 と同時に、それぞれ一つ一つ何があって、何月何日、大会時にはどこの駅が、またどこの道路が、何時から何時まで、どれぐらい混むのかといったような詳細についてのご説明など、さまざまな機会を設けてお伝えをしているところでございます。
 この夏に……(発言する者多し)よろしいでしょうか。よろしいでしょうか。よろしいでしょうか。(発言する者多し)いいですか。続けてよろしいですか。

○三宅副委員長 続けてください。

○小池知事 この夏は……

○三宅副委員長 静粛にお願いします。

○小池知事 来年の七月二十四日から本番が始まるわけでございますから、この夏、二〇一九年の夏というのは大変貴重な夏でございます。
 この夏にTDMの試行、予行演習とでも申しましょうか、これを行います。これによってどのような効果、どのような問題が出てくるのかという、試行を行った上で検証を行い、そして、それを踏まえて対策の実効性を高めていくという、このようなスケジュール感でございます。
 そして、大会組織委員会、そして関係機関と連携をいたしまして、円滑な大会輸送の実現と、そしてまた、今ご心配されている、いろんな関係の企業の方々、これによって経済の停滞が起こらないかどうかということについてご懸念の方々に対して、情報をしっかりと前もってご提供させていただく、そのことによって経済活動の維持との両立を図って、そして、その暁に大会が成功に導かれるというように、皆様方へご理解を深めていく、そのための周知徹底ということは、これから積み重ねてまいりたいと考えております。

○小松委員 今、ご答弁いただきましたけれど、私たちが危惧するのは、知事がおっしゃるとおり、うまく計画どおりこのスムーズビズが、それぞれの細かな事業が、一つ一つ予定どおりに進めばいいですけど、知事が大きな目標を掲げたLEDの事業もそうですけど、想定どおりにいかないのが世の中じゃないですか。そういうことを危惧して、私たちも大丈夫ですかということを心配しているわけでありますし、東京都だけで全てが成り立っているわけではない、それは知事もよくご存じだと思います。そうしたステークホルダーがたくさんいる事業だからこそ、さまざま懸念をするわけであります。
 ましてや、この環状二号線、これは、本線開通というのは国際公約でありました。先ほど西倉局長は、でき上がれば大変な大動脈になるといいましたけれども、少なくともオリンピックのときにはそうなっていないわけであります。
 知事も力を入れていただいていますけど、外資企業の誘致とか稼ぐ力、こうした事業を、本当の意味で力を発揮していくには、さまざまなこういうステークホルダーとの約束や信用といった意味でも、交通渋滞ということや、国際公約とそごがあるということの影響は、悪い意味で大変大きいものと思います。今からできることを迅速かつ丁寧に行うようにお願いをしたいというふうに思います。
 そして、この問題の最後に述べますけれども、そもそも市場の移転の延期、このことが大会計画の変更を余儀なくされ、ロードプライシングであったり、大会輸送計画にも大変大きく影響を及ぼしました。これは大会関係者のみならず、都民、または都内に来るさまざまな方々への影響も及ぼすことになったわけであります。そのことへの責任を感じているとはおよそ思えない、そのように心配を伝えまして、次の質問に移ります。
 次は、工業用水道事業について伺いたいと思います。
 我々は、予算の裏づけがある支援策と一緒に廃止決定をすべきだというふうに申し上げてきました。だからこそ、第三回定例会での議決は時期尚早であると申し上げてきました。平成三十五年三月末に全ての処理を終えなければなりませんが、幾つものハードルがあります。それらを乗り越える実行策に乏しいといわざるを得ません。
 さて、ここに工水有識者委員会報告書等についてと題されたVレクのメモがあります。(パネルを示す)これは開示請求により手に入れたものであります。平成三十年四月二十四日、出席者は、当時の川澄副知事、長谷川副知事、財務局長、水道局長となっております。この中で、にわかには信じがたいやりとりが行われておりますので、ご紹介をしたいと思います。ちなみに、場所は川澄副知事の部屋でありました。
 担当部長が、工水存続を望む声があるといいました。そうすると、川澄副知事は、要望するのは自由であると。そして、その後、やりとりがあって、水道局長、地下水でかなりの部分に対応できる。川澄副知事は、地下水は反対だ、工水の話は金で済む話と述べました。
 川澄副知事はその後、十年もたてば、ユーザーは事業をやめるのではないか、中小企業は後継者がいないという状況があり、工水廃止ということになれば廃業が加速するのではないか。そして、長谷川副知事は、今のままでは継承は無理だろう。そして、最後に川澄副知事は、普通の中小企業でも継承は難しいのに、工水廃止となればさらに厳しい。そうした驚くべき会話がなされていました。
 長谷川副知事、ご同席されていますが、このやりとりは事実でしょうか。

○長谷川副知事 ただいまご指摘をいただきました発言は、実務的な打ち合わせの場におけるものでありまして、議論の過程ではさまざまな意見が交わされております。
 そのうちの一つ、東京都の工業用水道事業につきましては、地盤沈下対策として、地下水揚水規制の代替水を供給しているということで、利用者からは、事業を廃止するのであれば、地下水揚水規制を緩和すべきとの声も寄せられておりました。
 しかし、地下水につきましては、今後とも現行の揚水規制を継続しながら、慎重に対応していく必要があるということから、工業用水道事業の廃止が事業継続を望む利用者の経営断念につながらないよう、地下水利用以外の手厚い支援策を策定すべきという趣旨であったというふうに考えております。
 また、議論の過程でさまざまな意見が交わされる中でそういうこともございました。その趣旨については今申し上げたとおりであります。
 また、事業の継承に関してのお話もありましたけれども、現在、工業用水道事業では利用者数が減少傾向にあり、また後継者不足という課題を抱える中小企業が少なくないという現実がございます。当時の川澄副知事のご発言は、こうした状況を踏まえて、工業用水道事業の廃止が事業継続を望む利用者の経営断念につながらないよう、地下水利用以外の手厚い支援策を策定すべきとの趣旨があったものでございまして、その後の議論、検討を経て、利用者の皆様のご意見も聞いて、支援策を構築したということでございます。

○小松委員 支援策の中に、利用者の事業経営等への影響を最小限にとどめるというフレーズが出てまいります。昨年の連合審査会では、実にこのフレーズが二十一回、答弁で繰り返されました。連合審査会では、円滑な廃業を進めるための支援をするとの水道局の答弁もありました。
 そもそも工水廃止で廃業する企業があるのはやむを得ない、こうした認識なのでしょうか。廃業者が複数いても影響は最小限とお考えなのかどうか、水道局長、簡潔にご答弁ください。

○中嶋水道局長 今回の工業用水道事業の廃止は、支援策を充実させることで初めてできたものでございます。この支援策の中身は、この該当でございます中小企業の皆様の経営を存続させるということを念頭に置いて策定したものでございますので、お話のようなことは毛頭ございません。

○小松委員 このやりとりの中で、工水の話は金で済む話と、川澄副知事、当時の副知事ですけれども、いい切っています。連合審査会の場でも有識者の方からは、都の怠慢だとまでいわれたこの失策に、一千億にも及ぼうかという一般会計、つまり都民の税金をつぎ込もうということをどう受けとめているのか。
 先ほど長谷川副知事からもご答弁いただきましたけど、結局、この事実については否定もされませんでしたので、恐らく川澄副知事と同じ見解なのかなと思わざるを得ません。
 工水は金で済む話、十年もたてば事業をやめる、こうしたことが事務方のレベルの話だからといって平然と答弁されるような、こうした状況を知事としてはどう受けとめるのか、小池知事の見解を承ります。

○小池知事 今、工業用水道事業についてのご質問が続いております。
 需要が減少する、そして、それによる経営状況が悪化する、そしてまた施設が老朽化するというようなことで、この問題は抜本的な経営改革が必要と長年の懸案であり、これまで十四年間にわたって検討をされてきたと聞いております。
 そして、昨年六月に、これらの長い検討の一つとして、有識者委員会の提言をいただいたということでございます。そこから事業の廃止に向けた動きというのを進めることといたしたわけであります。
 その後も、個々の利用者の皆様方のところに担当者は足を運んでおります。そして、都の検討状況などをご説明いたしまして意見交換を行うということで、丁寧な対応を重ねてきたところでございます。このように、利用者の皆様のご意見を十分にお聞きした上で支援計画案を取りまとめたものでございます。
 工業用水道の事業の廃止ということを判断し、そして昨年の第三回定例会において廃止の条例案を、十四年間かかった検討でございましたけれども、可決をしたということでございます。十四年間かかったことが拙速だとは思いません。

○小松委員 知事がおっしゃる工水の事業の経営悪化とか老朽化とか、そうした事業構造の問題と、私たちが今指摘している金で済むというような発言が事務方レベルで平然とされる、こうしたことは併存しないというふうに思っております。
 この話を、業界団体はもとより多くの都民の方が、自分たちが納めている税金をそういう目で都の幹部職員は論じているのか、そうした思いに至ったときに、今の小池知事の答弁からは、その任命責任、そうしたことが一切お感じになっていらっしゃらない、そのようなことを感じておりますので、大変衝撃を受けました。
 次の質問に移ります。
 二〇二〇年パラリンピック大会も近づいてまいりました。さまざまな分野でバリアフリーの取り組みなどの機運醸成が生まれています。しかし、まだまだ課題は山積しているのはいうまでもありません。
 知事も、誰にでも優しいまちづくりを一層加速していきたい、そんな思いを述べられておりますし、そのことには深く共感をしています。
 そうした中、昨年末、JR駒込駅前の横断歩道で、早朝の四時半、視覚障害の方が車にひかれて亡くなるという事故がありました。現場の信号は音響式の信号でありました。しかし、この信号機は日中しか誘導音が鳴らない設定でありました。
 横断者が遠隔操作で音を鳴らせる装置、これはシグナルエイドという装置があるようなんですが、全く普及をしておらず、そのご家族も、ご当人も存在すら知らなかったというのが実情だそうであります。
 都内における音響式の信号、これは当たり前のようにあるのかなと思ってはいたんですが、思えば、夜鳴らないこともあるな、朝方、そういえば鳴っていないな、そんなふうにも思い返したわけであります。
 これは警視総監に伺いたいんですけれども、都内における音響式信号の設置数は全体の約何割ぐらいなのか、そのうちシグナルエイド対応の音響式信号の割合はどの程度なのか伺います。

○三浦警視総監 音響式信号機の設置数と全体に占める割合ということでございますが、平成三十年三月末現在、都内に整備されている信号機一万五千八百十二カ所の約一五%に当たる二千四百十九カ所が、音響式の信号機となっております。
 また、そのうちの約八六%に当たる二千七十カ所が、シグナルエイドに対応しております。
 今後の増設予定についてもあわせて申し上げますが、バリアフリー法に基づき、区市町村が定める重点整備地区を中心に、音響式信号機の整備を進めることとしております。

○小松委員 今、一万五千八百を超える信号機が都内にはあって、わずかに、やはり音響式信号というのはその一五%にすぎないということがわかりました。
 バリアフリーを考える中で、視覚障害の方にとっては、やはり音というのが唯一のアンテナなわけであります。実際に日中であれば、誰かほかに歩行者がいる場合は、信号機が見えていなくても、あっ、今動けるのかなと、そうした判断もできるわけでありますけれども、夜の七時から朝の八時まで音響がとめられた設定にされているというものの方が圧倒的に多いという今、これはまだまだバリアフリーの観点からすれば課題が大変多いのかなと思います。
 そして、ここでの問題は、横断者が遠隔操作で鳴らせるシグナルエイドといった、ある意味、視覚障害の方にとっては極めて必要性が高いと思われる装置すらが十分に周知されておらず、普及もしていない、こんな実態があったわけであります。こうしたことは、障害を抱える方の生活、また障害児の学習支援器具にも同様のケースが見られます。
 平成三十年、障害者福祉施策の概要には、各区市町村のさまざまな支援の補助のものが記載をされているわけでありますけれども、学習補助の器具、また生活支援用具、こうしたものは居住地の自治体によって給付される品目が全く異なります。
 一方で、こうした器具というのは大変高額でもあります。そのため、特別支援学校の同じクラスの生徒でも、住んでいる場所やご家庭の経済力等によって使用できる学習補助器具にも差が生じているのが実態です。そのことが学習効果の差にもつながり、ひいては子供たちの成長、そして今、小池知事を初め多くの都政関係者の方が悲願でもあります障害者雇用の拡大、こうしたことにもやがて影響を及ぼすものと考えています。
 このような自治体間の障害福祉サービスの実施の状況の差を解消すべきというふうに考えますけれども、都の見解を伺います。福祉保健局長。

○内藤福祉保健局長 障害者総合支援法が定めます障害福祉サービスは、地方自治体が全国一律の基準に基づいて実施する自立支援給付と、それぞれの地域の実情に応じまして実施する地域生活支援事業があり、お話の学習補助のための器具の給付は、区市町村が実施する地域生活支援事業の中の日常生活用具給付等事業に位置づけられております。
 都は、区市町村が地域生活支援事業を実施するに当たり、その取り組みの参考となるよう、地域における事業の実施状況を取りまとめて周知しているところでございます。
 また、地域生活支援事業は、国庫補助金を財源として実施しておりますが、実績に見合った額の交付がなされておらず、区市町村に超過負担が生じていることから、国に対しまして十分な予算措置を講ずるよう要望しているところでございます。

○小松委員 このことを触れさせていただくに当たって、昨日、小池知事が本当にいいなと思う答弁をされたのでご紹介させていただきますが、先日、伊藤ゆう議員の教育に関する質問に際して、小池知事は、教育への投資は未来への投資だ、個々の状況に応じたきめ細かな対応が重要だというふうにおっしゃっていただきました。
 知事のことをおもんぱかれば、このことというのは、あくまでも通常学級の子供たちのみならず、東京都の子供たち全員に述べているんじゃないかというふうに思うわけであります。
 そうした中で、教育基本法の第三条にもございますとおり、これはさまざまな自治体の経済力によってさまざまサービスが違う部分もあるのは十分承知をしておりますし、福祉保健局さんからも、東京都と区市町村とのさまざまな役割分担があるということは重々承知をしておりますが、これから、やがて成長して自立をされていく。自立というのは、一人で生活をできるということのみならず、やはりタックスペイヤーになっていただく必要があるんだろうと。
 そういうことを目標にしていただくためにはやはり、必要な教育を得て、経験をしていただく、そうした東京都政にしていくべきだと私は考えておりますが、知事、目を見ていただけると大変ありがたいんですけれども、そうした思いがありますということであります。
 時間が少し差し迫ってまいりましたので、一題、もう一つ触れさせていただきたいと思います。
 公共物に落書きをされているケースがありまして、それはどんな罪になるのか、そして、その場合、具体的にどのような処罰が下されるのか伺いたいと思います。警視総監。

○三浦警視総監 あくまで一般論として申し上げますけれども、落書き行為、対象物を汚す行為によって、そのもの本来の効用を害するに至ったかなどを踏まえまして、軽犯罪法違反または刑法の器物損壊罪等の成立について検討することとなります。
 それぞれの罰則につきましては、軽犯罪法違反については、同法第一条第三十三号の規定により拘留または科料に、刑法の器物損壊罪は、同法第二百六十一条の規定により三年以下の懲役または三十万円以下の罰金もしくは科料に処すると規定されております。

○小松委員 建造物損壊罪、また器物損壊罪ということでありましたけど、これ、例えば有名な方、例えばアーティストが描いた場合でも同じものなのかどうか、警視総監、お願いします。

○三浦警視総監 警視庁では、個々の事案に応じて、法と証拠に基づき適切に対処しているところでございまして、被疑者が有名人であるか否かで取り扱いに差異はございません。

○小松委員 港湾局長に伺います。
 先日、東京都港区の東京臨海新交通臨海線の「ゆりかもめ」の日の出駅付近にある東京都所有の防潮扉に、著名な方の絵ではないかという報道がありました。
 この扉には事前に絵を描きたいと、そういう許可申請のようなものがあったのかどうか、そこだけお答えください。

○斎藤港湾局長 公共施設等への落書き等は容認しておらず、許可したものではございません。

○小松委員 ということは、あの絵は落書きだということだと思います。
 ここにツイッターと写真がありまして、パネルで掲示させていただきますが、この中で知事がこうつぶやいているんですね。あのバンクシーの作品かもしれないかわいいネズミの絵が都内にありました、東京への贈り物かも、かばんを持っているようです。
 何と東京都知事が公共物に無断で描かれた落書きを前に記念撮影をした後、東京都はその落書きを撤去して保管をしている、そうした状況であります。
 本来、知事は、あの落書きの前で、落書きはやめていただきたいというべき立場の人であります。描いた人が有名であろうがなかろうが、落書きは落書きです。それが法治国家だと思います。東京都のトップを務める知事が、落書きの前で嬉々として写真を撮ってツイートをするなんていうのはしちゃいけないことであります。
 東京都知事は、ケースによって犯罪を認めるということなんでしょうか。知事の見解を伺います。

○小池知事 さまざまなご質問をいただくものだなと改めて思うところでございますが、もちろん公共施設への落書きについては、容認はしておりません。そして、落書きについては予算の範囲内で、例えば機能を損なわせたり、または大きく落書きがあったり、それから差別的なものであったりする場合には、優先的に対応しているものでございます。
 一方で、今回の絵の……(発言する者あり)お静かにお願いいたします。一方、今回の絵でございますが、保全すべき価値があるとして、国立近代美術館の館長から直々に都に情報提供があったものでございまして、これは極めて信頼度が高い情報ということで認識を持ったところでございます。
 それから、今回絵が描かれました場所でございますが、こちら防潮扉という防災上重要な施設でございまして、その施設の特性も踏まえまして、その機能を守るため、取り外し、当面の対応として保管をしているものでございます。
 落書きに対してのご批判がある一方で、この絵を見たいという都民の声が、一方でございます。
 今後の取り扱いにつきましては、何らかの工夫をしてまいりたいと、このように考えているところでございます。

○小松委員 反省がないということだけはよくわかりました。
 そして、最後に質問させていただきます鉄道ネットワークについてであります。
 六路線には位置づけられておりませんが、都心部・臨海地域地下鉄構想も、築地、豊洲を通るだけではなく、都心と臨海地域を鉄道で結ぶことで臨海地域全体の発展に大きく寄与する重要な路線であります。
 構想段階である本路線について、今後、都としてどのように取り組んでいくのか、また、最後に、地下鉄八号線についてでありますが、都は昨年六月、本路線の事業化に向けて、今年度中に事業スキームの構築に取り組むことを江東区に説明しています。
 年度末が近づく中で、どこまで検討が進んでいるのか、現在の状況について伺います。

○佐藤都市整備局長 都心部・臨海地域地下鉄構想は、臨海地域の拠点機能を一層強化し、ネットワークの面からも東京全体の公共交通のさらなる利便性向上に寄与することが見込まれております。
 一方、国の答申では、この路線は事業性に課題があり、検討熟度が低く、関係者間において事業主体を含めた事業計画について十分な検討が必要とされております。
 今後は、答申を踏まえるとともに、開発動向などを勘案しながら、構想をより具体化するため、国や地元区など関係者間で連携して取り組んでまいります。
 また、地下鉄八号線の延伸は、東西線の混雑緩和はもとより、臨海地域のさらなる発展にも寄与する重要な路線でございます。都は今年度、国が立ち上げた検討会に参画いたしまして、最新の人口動態に基づく新たな需要予測を進めております。
 本路線は、東京メトロの二つの路線間を結ぶ計画であるとともに、その両端の駅となる豊洲駅、住吉駅は既に乗り入れ可能な構造にもなっており、都としては、東京メトロによる整備、運行が合理的と考えております。
 一方、新規路線の整備は、事業主体や費用負担のあり方などの課題について関係者間でのさらなる調整が必要であり、さまざまな角度から検討を進めております。
 国と東京都の実務者協議会の場も最大限活用しながら、引き続き、関係者との協議、調整を加速し、本路線の実現に向けて取り組んでまいります。

○三宅副委員長 小松大祐委員の発言は終わりました。(拍手)
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時十五分休憩

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