予算特別委員会速記録第三号

○石川委員長 村松一希委員の発言を許します。

○村松委員 私からは、まず、水道局並びにその監理団体である東京水道サービス株式会社についてお伺いをいたします。
 東京水道局発注の浄水場排水処理施設運転管理作業委託をめぐり、情報漏えいがあった疑いで、昨年、公正取引委員会が調査に入り、現在も調査中です。そんな中、水道局の監理団体である東京水道サービス株式会社の不正が先月、特別監察の結果報告書により明らかになりました。
 我が会派では、今後このようなことが起きないよう提言すべく、公営企業等の不適正事案を踏まえた東京大改革検証チームを早々に立ち上げたところであります。
 東京水道サービス株式会社に対する総務局による特別監察の結果報告書では、東京水道サービス株式会社と土木系協力会社との会合が定期的に行われ、東京水道サービス株式会社側の出席者の飲食費を交際費から支出していたことや、貯蔵品業務委託における巡回点検を、点検に行っていないのに行ったことにして報告をしたり、工事受注者に竣工写真を改ざんするよう指示したりと本当に驚く結果でした。
 平成二十九年度決算で見ると、百六十億円もの委託費が水道局から東京水道サービス株式会社に支払われており、東京水道サービス株式会社の売り上げのほとんどを占めております。
 平成三十一年度の予算の審議に当たり、このままでよいのかという問題意識から質問をさせていただきます。水道局にかかわる不正案件は過去にも聞いており、これを機に抜本的な課題解決に向けた答弁を期待いたします。
 来年度、水道局の監理団体であり、今回特別監察が行われた東京水道サービス株式会社と、同じく監理団体の株式会社PUCとの統合に向けて検討を進めるという方針が打ち出されております。
 その水道局と監理団体を一つにまとめたパネルをご用意いたしました。水道局の監理団体として、株式会社PUCと今回課題になっている東京水道サービス株式会社があります。東京水道サービス株式会社につきましては、宅地内への水道引き込み工事の審査、検査等と、それから浄水場等運転管理業務、配水管工事の設計審査、工事監督等業務というのを担当しており、株式会社PUCでは、お客様センター運営業務、水道料金等徴収業務と、こういうような分けになっているということであります。
 東京水道サービス株式会社の子会社としては、東京水道インターナショナル株式会社があって、海外事業展開を担う主体となっているということでありました。
 この機会にこの組織の強化をといいたいところではありますが、今回の特別監察の結果からすると、多くの心配がございます。特別監察の結果でも、内部統制やコンプライアンスに対する意識の低さ、主体性の衰退、水道局のガバナンスの甘さが指摘されております。このままの体制で統合しては、本質的な解決は難しいと感じます。
 過去の不正や、今まで外部機関からの指摘を受けてきたにもかかわらず現在の状況であります。統合までに問題を解決できるのか、水道局長の考えをお伺いいたします。
   〔委員長退席、伊藤(ゆ)副委員長着席〕

○中嶋水道局長 今回の特別監察におきまして、東京水道サービス株式会社及び水道局に対し、厳しい指摘がなされたことを局長として大変重く受けとめております。
 指摘を受け、直ちに同社に対し再発防止策を含む内部統制体制を見直すよう指示いたしますとともに、当局では、指導監督やガバナンスのあり方などを根本的に検証し、東京水道グループ全体での改善に向けた取り組みを現在進めております。
 一方、東京水道サービス株式会社と株式会社PUCとの統合は、都の水道事業の基盤強化を図る上で不可欠な取り組みでございまして、来年度中の実現に向けて着実に実施していく必要がございます。
 そのため、統合までに両社が抱えるあらゆるコンプライアンスに関する課題を改善していくことが必須であると認識しており、今後、有識者による外部の視点からの検証などを通しまして、局として責任を持って取り組んでまいります。

○村松委員 来年度中に統合を目指すとともに、統合までに課題を改善していくことは必須であるというご答弁をいただきましたので、課題について伺っていきたいと思います。
 特別監察の結果報告書には、社員構成や人事システムについても危険性を示唆する評価がなされております。平成三十年八月一日現在では、課長ポストのほとんどが都派遣職員と都OB職員で、固有社員の人数はわずか七名で割合は三%ということであります。
 退職者数を見てみますと、平成二十五年から毎年採用者数の半分程度退職されております。
 先日の総務委員会で、今後、管理監督職に固有社員をふやしていくという答弁をお伺いいたしましたけれども、具体的にどのようにふやしていくのか水道局長に伺います。

○中嶋水道局長 東京水道サービス株式会社における現行の昇任制度は、管理監督職になるまでに必要な社内での就業年数が都の制度の場合よりも長く設定されております。一方、固有社員の現在の人員構成を見ますと、就業年数が比較的短い若手の社員が大半を占めていることから、管理監督職への昇任選考の有資格者が少ない状況にございます。
 このため、能力と業績に応じて早期に上位職層へ任用できる昇任制度への見直しを行い、有資格者をふやしてまいります。
 また、固有社員自体のモチベーションを高めるため、会社を支える意識の高い社員の当局への研修派遣や、計画的な配置管理を行い、管理監督職にふさわしい人材を輩出してまいります。
 さらに、会社のポスト管理のあり方についても検証し、必要な見直しを行うことで、管理監督職への固有社員の登用を推進してまいります。

○村松委員 昇任制度の見直しや会社ポスト管理のあり方についても検討、見直しを行うこと、また管理監督職への固有社員の登用も推進していくと、具体的な見直しの検討状況についてわかりました。
 人事給与制度についてもお伺いをしたいと思います。
 東京水道サービス株式会社の人事を調査する中で、役職が都の役職で決まることもわかりました。都で課長代理だった方は東京水道サービス株式会社では課長になり、都で課長だった方は部長になり、都で部長だった方は取締役になると。そして、給与制度も、固有社員と別に都のOBなどに対する別の給与表があるという実態もわかりました。
 東京都監理団体指導監督基準では、団体職員の任用、給与について都の横並びを廃し、能力や実績等を反映した制度とすることを要請しております。
 総務局長に確認をしたいんですけれども、このような運用で問題ないのか、また、ほかの監理団体も同様の仕組みなのかお伺いいたします。

○遠藤総務局長 東京都では、監理団体の人事給与制度につきまして、職責や業績を的確に反映した制度となるよう、単なる都の横並びなどではなく、各団体の特性も十分に踏まえながら、所管局を通じ、適切な指導に努めてまいりました。
 東京水道サービス株式会社における制度は、事業内容や職員構成、都退職者の在職中に培った技術力の活用などの視点を踏まえて構築されたものとは認識しております。
 類似した運用を行う他の団体も一部にはございますが、いずれにしても、意欲ある固有職員のモチベーションを低下させてしまう、あるいは都関係者を厚遇しているといった疑念を抱かせるような制度であってはならないと考えております。
 人事給与制度は社会情勢の変化に応じまして不断に検証を行うことが重要であり、今後とも引き続き、団体の自律的な改革を促しながら必要な指導を行ってまいります。

○村松委員 監理団体に水道局OBの技術力の高い人材を多く登用することは理解できます。しかし、管理職の割合は考えるべきで、給与も仕事内容によって評価されなければ、固有社員はやる気がなくなってしまいます。都のOBだからと別の給与表があってはいけないと思います。固有社員がふえない理由も、会社内でチェックが甘くなった理由も、この人事制度が原因の一つにあると感じます。
 監査室の体制についても特別監察で指摘されております。
 内部監査の実施や社内コンプライアンス充実、社員の服務指導及び処分の実施などを担っている監査室でありますが、監査室長は総務部長が兼務。また、平成二十七年に発生した給水管撤去工事における不適正処理事案を受けて、その予防を検討するために設置された受託業務委員会のメンバーは、全員が都のOB、もしくは水道局の派遣職員であります。しかも、その受託業務委員会で検討された再発防止策は、監査室所管のコンプライアンス推進会議において議題になっていないという報告もあります。
 先日の総務委員会で、我が会派の藤井あきら議員の質問に対する答弁で、第三者を含めた検討委員会を立ち上げるとありました。その検討は今後の株式会社PUCとの統合も含めて、さらには、子会社である東京水道インターナショナル株式会社を含めて東京水道グループ全体に及ぶ検討でなければ意味がないと考えます。水道局長の見解をお伺いいたします。

○中嶋水道局長 今回の特別監察の指摘を初めとする一連の課題は、東京水道グループ全体で取り組む必要がございまして、株式会社PUC及び東京水道サービス株式会社の子会社であります東京水道インターナショナル株式会社も第三者コンプライアンス委員会の検証対象でございます。

○村松委員 ぜひグループ全体の検証をお願いいたします。
 東京水道サービス株式会社の売り上げ推移を見てみますと、平成十八年度は五十四億円だったものが平成二十九年度には百六十一億円と、十年ちょっとで三倍以上になっております。それに伴って職員数も三百八十八人から千五百四十一人と約四倍になっております。売り上げが三倍で職員数が四倍、適正な職員数についてここでは論じませんが、いずれにしてもすごい伸び率です。通常の会社であれば、相当な経営手腕が求められると思います。
 東京水道サービス株式会社の管理職の方々、つまり、都のOBの方々や都派遣職員の方々ですけれども、大変ご苦労されたと思います。
 経営面のフォローについてはどのように考えているのか、水道局にお伺いいたします。

○中嶋水道局長 水道局では、平成十八年度から多摩地区水道の都営一元化に伴う事務委託解消にあわせまして、それまで市町村の職員約千百名が担ってまいりました水道業務を順次、監理団体に委託してまいりました。
 その結果、東京水道サービス株式会社は、水道事業における役割が増大し、規模も急激に拡大してまいりました。
 これに伴い、当局では、有識者会議による助言や経営者連絡会を開催いたしますとともに、平成二十八年度から取締役の増員や執行調整会議の設置などを通じて、会社への指導監督を強化してまいりました。
 しかし、会社の規模拡大に伴うガバナンスなど、経営面での課題について局の関与が不十分であったと認識してございます。
 そのため、団体の統合に合わせまして、会社の経営面のフォローのあり方を抜本的に見直し、第三者コンプライアンス委員会の検証を経まして、改善を行ってまいります。

○村松委員 会社の経営面へのフォローのあり方を抜本的に見直していくということでございました。
 次に、協力団体について確認をさせていただきます。
 東京水道サービス株式会社の売り上げのほとんどが水道局からの委託事業ですが、その委託事業を東京水道サービス株式会社が再委託する際に、決まった協力会社があるという指摘がございます。
 特に、土木系協力会社は四社となっており、競争性を疑わざるを得ません。しかも、飲食を伴う会合を毎年していたとのことです。業者が四社と決まっていれば、入札時の不正を助長してしまうおそれもございます。
 ほかにも、浄水場運転監視作業等を行う協力会社は七社、管路図面等の作成は三社と指摘があります。
 より競争性、公平性を担保するためには、入札参加者をふやす必要があると思いますけれども、水道局長の見解を伺います。

○中嶋水道局長 東京水道サービス株式会社は、昭和六十二年に当局が新たに実施することといたしました管路診断業務の受け皿として設立され、当初から、その現場調査などを協力会社に再委託して事業を進めてまいりました。
 この管路診断業務の再委託は、透明性や競争性の観点から、当初の随意契約を平成二十五年に、施工能力を保持する業者をあらかじめ登録の上、プロポーザルで競争させ、落札者に五年間の契約優先交渉権を与える契約に改善してまいりました。しかし、入札参加者が少ないなど、競争性の観点から、いまだ課題が残っておりました。
 そのため、来年度は、この一連の契約方式を改め、事前の業者登録制度と五年間の契約優先交渉権を廃止し、参加業者を広く募ったプロポーザルによる契約を試行することで、その後の抜本的な見直しにつなげてまいります。

○村松委員 一連の契約方式を見直して、参加業者を広く募ったプロポーザルによる契約を試行するというご答弁をいただきました。契約方法についても大きく改善に取り組むと理解をいたします。
 さて、次に、個別の事業についても伺います。
 直結切りかえ見積もりサービスについてですけれども、この事業は、特別監察において課題は指摘されておりません。しかし、私は、幾つか疑問を感じますので、質問をさせていただきます。
 こちらの事業に平成二十八年度は七百八十七万円、二十九年度には五百九十七万円を委託料として東京水道サービス株式会社に支払っております。
 ビルやマンションなどは、貯水槽に一度ためてから建物の利用者に給水する方式が以前は主流でしたけれども、より安全でおいしい水を提供するため、貯水槽にためずに建物の利用者に直接給水する直結給水方式への切りかえを水道局として推奨しているということで、水道局の水道水への自信がうかがえるのではないかと思います。
 しかしながら、通常こうした見積もりは、設置者、建物管理者が直接工事業者に頼むものであり、水道局が行う事業には合わないと思います。
 この事業の意義について、水道局長のお考えをお聞かせください。

○中嶋水道局長 平成十三年の水道法改正により、ビルやマンションなどの貯水槽の適正管理にも水道事業者が関与することが規定されましたため、水道局では、貯水槽水道の点検調査を行い、管理が不十分で水質が劣化した設備に対しましては、抜本的な改善策として、直結給水への切りかえを促進してまいりました。
 ご指摘のとおり、切りかえに伴う見積もりは、貯水槽水道を設置管理するお客様がみずから取得するものでございます。しかし、直結給水の見積もりにつきましては、工事の施工業者や適正な工事内容の情報を得ることが難しいお客様もいらっしゃいますことから、本サービスは、そうしたお客様に対して無料で見積もりを行える業者の一覧表を送付するなど、必要な情報提供を行いますとともに、取得された見積もり内容に対する相談を受け付けております。
 このような取り組みを通しまして、直結給水化の促進に寄与していると認識しております。

○村松委員 直結給水化の促進のためということは理解ができます。
 直結給水率の目標値は、東京水道経営プラン二〇一六によりますと、平成三十七年度までに七五%となっております。二十九年度には七四%を達成しているということです。
 さらにいうと、一概に直結給水にすればいいというわけでもないと聞いております。
 この見積もりサービスについては、今後見直しの必要があると思いますけれども、水道局長の見解を伺います。

○中嶋水道局長 直結切りかえ見積もりサービスは、平成十九年度の事業開始以来、累計で約一万一千件の実績があり、過去五年間を見ましても、年間平均五百件程度で推移しており、直結給水化の促進に現在も効果があると考えております。
 一方、直結給水率は、切りかえのPRや本サービス等を積極的に実施してまいりました結果、ご指摘のように、経営プランに掲げる目標値七五%に近々に達する見込みでございます。
 そのため、直結切りかえ見積もりサービスは来年度も実施してまいりますが、目標値達成後は貯水槽水道の管理状況などを注視しながら、次期経営プランを策定する中で見直しを行ってまいります。

○村松委員 直結切りかえ見積もりサービスについても今後見直しを図ることを確認させていただきました。
 次に、東京水道あんしん診断について伺います。
 都営水道給水区域内の水道使用者七百五十万件に対して、漏水調査や水質調査等を行うとともに、水道局の取り組みへの理解を深めていただくために、平成二十七年度から診断員が全戸を個別訪問して、今年度で五百七十五万件を訪問終了予定と聞いております。そして、来年度は、百七十五万件の診断を予定しているということであります。
 来年度は、その調査業務委託費として一億八千万円余、診断業務の委託費として九億一千四百六十万円を計上しています。
 これまでの成果についてお答えいただきたいと思います。

○中嶋水道局長 東京水道あんしん診断では、平成三十一年一月末までに延べ約五百五十万件のお宅を直接訪問し、在宅の場合は、お客様立ち会いのもとで蛇口からの水道水の水質調査を実施いたしまして、適正な水質であることをじかに確認いただいており、その数は約百二十六万戸に上ります。
 また、不在者も含め、宅地内の水道メーターを確認し、約五千件の宅地内漏水を発見して、即時の修理につなげております。
 さらに、診断に合わせまして、都内全域のお客様から水質やサービス、危機管理に至るまで多岐にわたる項目のアンケートを約四十八万件いただいており、これをもとに地域別や用途別のニーズなどを詳細に把握してございます。
 また、これらを通して把握いたしましたお客様からの声を踏まえ、これまでに検針票の文字サイズや様式の変更、局ホームページによるお客様センターの混雑状況の見える化などの改善を行ってまいりました。

○村松委員 この事業の成果をどのように判断するべきか非常に頭を悩ませます。数値的な目標がないからであります。
 一つの数値として、漏水発見率を見るならば、今年度までに五百七十五万件を調査して漏水を五千件発見ということですから、単純に計算すると、漏水発見率は〇・〇八七%です。そもそも漏水を発見するのは、検針時の差異であったり、別の事業で管路維持管理業務というところでも見ております。余りにも費用対効果がないと感じます。
 東京水道サービス株式会社へは、この四年間で六億円、民間の組合へは三十億円、合わせて三十六億円が委託費であり、このほかに水道局と監理団体職員が診断に行っている六万五千件というのは、人件費として別計上ですから、三十六億円には含まれておりません。水道局員や監理団体職員が研修の一環として個別訪問をするという規模であれば納得もいきますが、事業者への委託金額の方が圧倒的に高いのは課題であると考えます。
 このあんしん診断業務については、効果を一層発揮できるよう、見直しすべき点は見直した上で実施すべきだと考えますけれども、水道局長の見解を伺います。

○中嶋水道局長 法令に基づく電気やガスの保安点検と同様に、水道につきましても個別にお客様宅を直接訪問し、水質調査や漏水調査を行うことは、基幹ライフラインの安全性への都民の信頼確保の上で大変意義があると認識しております。
 水道局では、十年以上前にも同様の調査を実施いたしましたが、この間に高度浄水処理の全面的な導入が完了したことから、その効果の確認も踏まえ、平成二十七年度から東京水道あんしん診断を実施してまいりました。診断の実施に当たりましては、局職員や監理団体社員に加え、専門的な知識を有する民間事業者に委託をしてございます。
 平成三十一年度の診断に当たりましては、事業の最終年度となりますことから、これまでの成果も踏まえまして、アンケートの内容を見直し、都民ニーズの一層の把握に努めるとともに、水道事業への的確な反映にさらにつなげてまいります。

○村松委員 実施の中身の見直しを図っていくということを確認いたしました。
 今後、事業の実施に当たっては、エビデンスベースで評価できるように行っていただきたいと要望いたします。そうでなければ、よいとも悪いともデータで判断できず、効果測定できない事業に、見直しをすることもできず事業費を投入し続けなければなりません。
 今回は特別監察の結果を受けて、水道局と所管の監理団体について伺いましたけれども、ほかの局所管の監理団体についても、人事体制や事業のあり方について同様の事例がないかチェックをお願いしたいと思います。
 今後、特別監察をほかの監理団体にも実施していくと聞いていますが、問題がないことを願っております。そういう観点からも、今回は質疑をさせていただきました。各局長には、監理団体の指導監督に努め、より効率的な事業運営と都民ファーストの視点に立ったサービスの向上を目指していただきたいと要望いたします。
 水道局関係の質疑の最後に、知事に監理団体の今後のあり方についてお答えをいただきたいと思います。

○小池知事 このたび、都庁グループの一員である監理団体で不適正事案が発生いたしまして、再発防止策が不十分だということで、今ご指摘にもございましたように、内部統制上の課題は明らかだということで、知事として重く受けとめているところでございます。
 私の都政運営に対する基本姿勢でございますけれども、いうまでもなく都民ファーストの都政、そして都民に信頼される都政の実現をして、新しい東京をつくっていくということでございます。
 そのため、都と監理団体が一つの大きな経営体としてその機能をより高める、その総力を結集する、そして東京が抱えている課題を一つ一つ解決していかなければならない、こう考えております。
 今回明らかになりました事案を踏まえまして、東京水道サービス株式会社については、まず抜本的な組織構造改革を行う、そして、今後、全ての監理団体を対象に点検を実施いたしまして、内部統制の充実強化を図ってまいります。
 また、団体の役割やあり方の見直し、役員への民間人材登用など役職員構成の最適化を初めといたします、監理団体改革の実施方針で掲げた取り組みを着実に前へ進めてまいります。
 都とともに都政を支える監理団体でございます。その機能強化に向けて、改革を幾重にも積み重ね、都民に信頼される都政を目指してまいりたいと考えております。

○村松委員 監理団体と協力して行うことで、より都民サービスの向上につながるものがあることは理解をしております。しかし、民間でできることは民間にしっかりと分離をし、透明性を確保した運営をお願いしたいと思います。
 全ての監理団体を対象に点検を実施し、内部統制の充実強化を図っていくと知事からご答弁をいただきましたので、我が会派の検証チームといたしましても、その動向を注視してまいりたいと思います。
 水道局長にも、今回質疑の中で、新たな見直し方針をたくさんいただきました。その改革に取り組む姿勢とご努力は高く評価をしております。今後もさらなる改革に取り組まれるよう要望をいたします。
 次に、公共交通ネットワークの強化についてお伺いをいたします。
 今年度、都は、鉄道新線建設等準備基金を創設するとともに、国の答申において、事業化に向けて検討などを進めるべきとされた六路線について検討を進めていると聞いております。この中で、大江戸線の大泉学園町への延伸は最も取り組みやすい路線であると考えており、早期に事業化すべきという観点から伺わせていただきます。
 平成二十八年四月の交通政策審議会が示した答申においては、東京圏の都市鉄道が目指すべき姿を実現する上で意義があり、地域の成長に応じた鉄道ネットワークの充実に資するプロジェクトと位置づけられております。
 都営大江戸線の延伸は、昭和六十年の運輸政策審議会第七号答申から、三十年以上にわたる練馬区民の悲願であり、交通空白地域の改善や地域の活性化に大きく貢献する路線であります。
 導入空間である補助二三〇号線の建設が進んでおり、駅の位置イメージもあります。
 本年一月二十二日には、練馬区担当者や延伸地域の町会、商店会から成る大江戸線延伸期成同盟の皆様が都へ要請活動にお越しになり、私も同席をさせていただきましたが、延伸実現に向けた長きにわたる活動と思いを伺いました。
 早期の事業化を目指し、地元自治体である練馬区とより密に連携をし、大江戸線延伸実現に向けた検討を進めるべきと考えます。大江戸線延伸の検討状況について伺います。

○山手交通局長 交通局では、地元区や関係局と連携いたしまして、大江戸線の大泉学園町への延伸について検討を進めてございます。
 事業化に当たりましては、将来的な需要の見通しや収支採算性の確保につきまして、十分な見きわめを行うことが必要でありますことから、今年度、鉄道の利用実態や沿線まちづくりの将来計画等を踏まえた需要予測を実施いたしました。この結果、延伸により、一日約三万人のお客様が増加する見込みとなりました。
 また、お客様の増加に伴いまして、朝ラッシュ時の混雑率が一八〇%を上回る区間が発生するため、さらなる混雑対策が必要となることも明らかとなりました。
 今後、トンネルや駅の構造等に加えまして、混雑対策についても検討を行い、改めて事業費を算出し、収支採算性を検証してまいります。

○村松委員 需要予測の結果が出たということで一歩前進と捉えさせていただきます。
 国立社会保障・人口問題研究所の人口推計によりますと、練馬区の人口は今後二十五年で六万人以上ふえると予想されております。練馬区内のどこにということはわかりませんが、大江戸線延伸予定地域には、まだまだ人口増加が期待でき、今回の需要予測を上回る可能性は十分にございます。
 私が子供のころに有楽町線や大江戸線が開通をいたしました。駅ができたことにより、畑が宅地化し、マンションが建ち、商店がどんどんできたことを覚えています。
 大江戸線が延伸することにより、公共交通空白地域の改善につながるとともに、まちづくりがさらに進んでいくことは間違いありません。
 当然、混雑対策は必要となります。我が会派から提案をしております時間別料金制の導入などの混雑対策も有用と考えます。
 課題として確認をされた混雑対策の具体的な方策を伺うとともに、延伸に向けて早期に検討を進めるべきと考えますが、交通局長の見解を伺います。

○山手交通局長 延伸に伴います混雑を緩和するためには、朝ラッシュ時の列車の運行本数をふやす必要がございます。このため、交通局では、混雑対策に必要な車両編成数を算定した上で、車両の留置施設等の整備につきまして引き続き検討をいたしますとともに、列車の増発に対応するための電力設備増設の必要性などについても検討に着手することといたしました。
 今後とも、地元区や関係局と連携をいたしまして、大江戸線延伸の事業化につきまして、引き続き具体的な検討を進めてまいります。

○村松委員 大江戸線延伸は、三十年以上の長きにわたる練馬区民の悲願であります。早期事業化を目指し、さらなる検討を進めていただきますように改めて要望いたします。
 次に、都立公園の池のかい掘りについてお伺いをいたします。
 かい掘りというと、テレビ番組が組まれるなど注目を集める事業だと思います。平成三十一年度予算では、都立公園における水辺の再生事業のうち、かい掘りについては一億七千八百万円が計上されております。
 水質改善はもちろん、外来生物を駆除し固有生物を守るという生態系保全の効果と、きれいにすることで来園者の不快感がなくなり、憩いの場としての公園価値が上がり、また来たいと思う方がふえるのではと考えます。
 今年度、平成三十年度は、八公園十カ所の池のかい掘りを実施したと聞いております。その効果をどのように評価しているのか、所見を伺います。

○西倉東京都技監 都立公園の池本来の生態系を取り戻し、生物多様性を確保することを目的といたしまして、今年度は、石神井公園、神代植物公園、野川公園などにございます十カ所の池でかい掘りを実施いたしました。この結果、外来種を捕獲することによりまして、在来種が生息する池の状態に戻すことができました。
 また、かい掘りを多くの方々に知っていただくことで、生態系に関心を持つ人々がふえ、公園でのボランティア活動が活発となるなど、さまざまな効果が発揮されております。
 こうした取り組みを行うことによりまして、公園を核とした豊かな生態系の回復につながるとともに、美しい水辺景観が形成されるなど、首都東京の魅力向上に寄与するものと考えております。

○村松委員 今年度、かい掘りを実施した池の中で、私の地元の石神井公園の池も含まれておりました。当日、私も拝見をさせていただきましたけれども、池から保護した固有種を展示して説明するなど、来園者へもわかりやすくされておりました。しかし、残念ながら、地域の巻き込み力という点では物足りなさを感じました。
 ただ池をきれいにするだけではなく、そのプロセスが重要と考えます。イベントとして地域を巻き込み、子供たちを巻き込むことで思い出づくりにつながり、公園への愛着が増すことで地域への愛着が増すと考えられます。
 一億七千八百万円かける事業であるからには、よりその効果が上がるように実施すべきであります。地域との連携が重要であると考えますが、所見を伺います。

○西倉東京都技監 かい掘りを実施するに当たりましては、地域の理解と協力が必要でございます。
 これまでも、地元自治体や公園周辺の高校等に、かい掘りの開催やボランティア募集などの情報を提供いたしまして、地域での機運醸成を図ってまいりました。
 また、かい掘りを実施する際には、地域の方々が多く訪れ、ボランティアから池の生き物に関する説明を聞くなど、池の生態系に対する理解を深めていただきました。
 引き続き、地域にとってより身近な公園となりますよう、地元と連携を図りながらかい掘りを行うなど、公園の魅力向上を図ってまいります。

○村松委員 ぜひよろしくお願いいたします。地元の石神井公園の池を今年度実施していただいたんですけれども、実施したのは小さい池でありまして、メーンのボート乗り場がある池は手つかずであります。今年度は調査が行われていると聞いておりますので、こちらも早期に実施していただけるよう要望をいたします。
 次に、都立公園の中にあるバーベキュー広場の活用について質問をいたします。
 都立公園内にバーベキュー広場がある公園は十九カ所あり、場所代は無料で、基本的に道具や食材は各自が持ち寄り実施するといった、場所を提供する事業だと理解をしております。より利用しやすくすべきと感じております。
 バーベキュー広場の特性に応じた運用をしていると聞いておりますけれども、まず、予約方法についてです。
 私の地元の光が丘公園では、前月の五日の十時が申し込みの開始となります。申し込みは窓口か電話のみ、夏場の土日などは定員オーバーになることもあることから、五日の朝から窓口に並ばなければなりません。
 ある団体で、私が予約をとる担当になりまして、先日朝七時から並びました。タッチの差で一番先頭をとることができましたが、八時になりますともう五人が並んでおりました。予約開始の十時前には十人以上と。当日は雨も降っておりまして、体力が奪われる中、もっとよい予約方法はないものなのかと思いました。
 少なくても、ウエブで確認ができるようにするか、窓口が開く九時には整理券を配るなどの配慮があってもいいのではと感じました。
 立地によっては、洗い場がなく、全て汚れたものを持ち帰らなければならない公園があったり、有料で食材を販売している公園があったり、予約方法もまちまちです。地域事情もあると思いますが、よい事例は広げて、より使いやすくすべきと考えますが、いかがでしょうか。

○西倉東京都技監 都立公園におけますバーベキュー広場は、都民のレクリエーション需要に応えまして、身近な公園で気軽にバーベキューを楽しめるよう、広場の一部を活用した施設でございます。
 平成二十九年度は、光が丘公園を初め十九公園で、延べ約六十万人もの多くの方々に利用されております。
 これまで、大島小松川公園では、バーベキュー広場におきましてケータリングカーによる食材の販売や有料のごみ回収、また、木場公園では、インターネットによる予約受け付けを行うなど、指定管理者が創意工夫によりサービス向上に向けた取り組みを行ってまいりました。
 今後とも、利用者の利便性向上につながるよい取り組みにつきましては情報共有を図るなど、バーベキュー広場をより快適に利用できるようにしてまいります。

○伊藤(ゆ)副委員長 村松一希委員の発言は終わりました。(拍手)

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