予算特別委員会速記録第五号

○のがみ副委員長 小松大祐委員の発言を許します。
   〔のがみ副委員長退席、吉原副委員長着席〕

○小松委員 小池都政がスタートして一年七カ月がたちました。小池劇場ともいわれた都政運営には、今やゆがみとほころびが生じていると思います。まやかしとごまかし、行き当たりばったり、小池知事による都政運営はこうした悲しい現実の上にあると思います。
 こうした現在の都政運営は、結果的に都民を愚弄し、都民に不誠実であるということにお気づきになりませんでしょうか。一刻も早く処置を施す必要があることはいうまでもありません。そのためにこそ、我々都議会自民党は本会議場で、委員会で、機会があるごとに警鐘を鳴らし、具申をしてまいりました。
 では、都政のどこがゆがみ、ほころんでいるのか、これまでの質問と答弁を踏まえつつ、確認と指摘をしてまいりたいと思います。
 三月十三日の山崎委員の質問と答弁、速記録で確認をしたのですが、お答えいただけていなかった部分がありましたので改めて確認をしたいと思います。各種団体への予算要望の回答書類、それを公文書と明確にご答弁をいただきました。
 もう既に予算委員会でも何度か上がりましたが、昨年六月に小池知事のもとで制定された東京都公文書の管理に関する条例の第七条、こちらと照らしてみますと、この文書が本当に公文書なのだとすれば、この文書には、件名やその重要性によって保存期間が示されているはずでございます。それを明らかにしていただきたい、その質問に対してご答弁いただけていませんでしたので、お示しいただければと思います。財務局長、お願いします。

○武市財務局長 各種団体にお渡しした資料につきましては、東京都文書管理規程に基づく資料文書として、平成三十年度当初予算案及び平成二十九年度最終補正予算案の提出についての起案文書と一体として事案決定を行っております。文書番号は、二九財主財第一九六号、分類記号はB420110、予算編成事務処理方針の決定、保存年限は長期でございます。

○小松委員 ありがとうございます。前回、スムーズにご答弁いただければ大変よかったかなというふうに思います。
 秋の予算要望ヒアリングの会議については、議事録がホームページに掲載をされています。しかし、知事査定後に行われた会議、つまり先ほど局長がご答弁いただいたこの書類を回答する際の議事録というのがホームページに見当たらないわけでありまして、それがなぜなのかなというふうな思いがあります。
 ちなみに、昨年度の分もどうやら見つからないわけであります。公表できない理由があるのかなというふうに考えています。ましてや、公文書とされる文書が提示された場でありますし、小池知事は常々、情報公開が一丁目一番地と都民に約束されております。
 十月にヒアリングをされた部分については丁寧に議事録が全て残っているにもかかわらず、こうした状況、これは密室政治なんじゃないかなと、あらぬ誤解を招かないためにも、早急に議事録を開示していただきたい。または、ここにありますということを教えていただければというふうに思います。
 今年度予算なので、昨年の予算要望で各団体が小池知事に要望した案件というのは二百十八件で、このうち予算措置をしたのは、減額したものも含めますと二百二件、九三%もの案件を業界の要望に応えているわけであります。予算編成権というのは、知事の持つ強大な権力を有するものでありますので、政治利用ではないかなと誤解を招くようなことを危惧しておきます。その懸念をお伝えして、次の質問に移ります。
 知事は、都政改革本部の顧問、参与について、さまざまな成果を生み出したとの答弁をされています。顧問団の担ってきた全ての仕事を把握しているわけではありませんが、例えば、五輪施設--長沼でも大変トラブルがありました、入札制度改革や築地再開発を含む市場移転などは、いずれも関係者を振り回しただけで、いたずらに都民を混乱させ、都職員に多大な徒労を強いたということが実態ではないのかなというふうに思っています。こうした実態を知事はご存じなのでしょうか。大した働き方改革だなというふうに思います。
 知事はこれまでも、都政改革に本当に多大に寄与していただいたと顧問団を評価されているわけですが、私どもとしては、そこが理解できないわけであります。
 豊洲市場移転、築地再整備に限って伺いますが、どんな点で役に立ったとお考えなのか、都職員だけでは生み出せなかった成果、どんなレベルの高い成果が顧問団によってもたらされたと考えているのか、知事に伺います。

○小池知事 顧問団の皆様方からは、専門的な知識、そして、これまでの経験などを通じてさまざまなご意見を頂戴いたしました。今のご質問は豊洲市場をめぐっての、この顧問団の役割が何であったか、どういう点で役に立ったのかというご質問であったかと存じます。
 豊洲市場をめぐりまして、さまざまな課題が明らかになる中で、小島顧問を座長といたしまして、市場問題プロジェクトチームが編成されました。そして、その際に、豊洲市場の建物の構造の安全性について詳細に検証していただくとともに、豊洲市場開場後の市場会計の持続可能性の課題など明らかに分析などをしていただいたところでございます。
 さらには、築地ブランドの価値、そしてまた将来的な展望につきましても多大な示唆を頂戴したところでございます。また、ほかの顧問の方々からもそれぞれの専門を生かしたアドバイスをいただいております。
 これらは移転問題を前に進める上で大変に有益であり、今後の市場運営の改善にも資するものと考えており、感謝しております。

○小松委員 そういう評価の仕方もあるのかなというふうに思いますが、実際には、例えば、上山顧問からしますと、六月の時点で、豊洲に一時移転、暫定利用というのが正しいという発言や、市場は複数に分散することもある、仲卸業者の方に対して、五年後に築地に戻ったらこういう経営ができるというイメージを示すべきといった発言をされています。
 当時の小島顧問も、七月に築地市場内で開催されたこの勉強会で、仲卸はこのままでは自然廃業するだとか、築地の再開発の時期を二〇二二年の九月だとか、市場機能は分離させて、市場内取引は築地、物流機能は豊洲とまで発言をしているわけで、業界団体の方からも、組合員の中で理解が食い違い、混乱しているという発言も出ています。
 知事は、これはあくまで個人的な案でしょうということでお話を返されていたと思いますが、出席者の方が、知事はこの案をご存じなんですかといえば、知っているというふうに答えられた以上、相手の受け手はそう理解しないんじゃないかなというふうに思うわけであります。知事が改めて、今、評価をされている発言をなさっているんですが、到底理解することができません。
 さて、先週の段階では、都政改革本部の顧問、参与を退任される方の中に、都顧問として今後も都政に携わられる方がいらっしゃるのかどうか確認をしました。検討中ですとのご答弁でありました。たしか、先週、二十三日の知事の記者会見でも検討中ですとのご回答だったと思います。新年度まで一週間を切ったわけですが、いかがでしょうか。

○小池知事 東京都の顧問についてでございますが、今後どのようにしていくかということで、前回、検討中とお答えさせていただきました。そして、現時点で引き続き検討中でございます。
 昭和五十年に創設されましたのが東京都顧問の制度でありまして、この制度そのものは都政の発展に寄与するもので活用されてもまいりました。制度の廃止や見直しは考えておりませず、むしろ、どのような方々をどのような形で、このアドバイスを頂戴できるのか、検討中でございます。

○小松委員 いつもの決められない知事の面目躍如といったところだと思います。もしくは、我々議会を軽んじていらっしゃるのかなというふうに思います。昨年のこの予算特別委員会でも、実際には閉会したその翌日に、入札契約制度の改革という大変、都政にとっても大きな制度の変更をいきなり発表されたわけであります。都政の重要テーマを議論を尽くす場がこの場だというふうに思います。そのことで、一年間、都政に混乱と不信感を生み出したという反省に返るべきだと思います。そして、ことしもまた、入札監視委員会が、この一定の、第一回定例会議の閉会日に設定されていたりします。議会との議論を避けていらっしゃるのかなと思わざるを得ません。
 今度は、川澄副知事に伺いたいと思うんですが、小池知事は、三月九日の記者会見とその会見資料で、改革マインドが浸透し、改革の土台が完成した、今後は実践的に都政改革に取り組む段階と明言をされています。そして、新年度の都政改革本部の進め方として、三人の副知事のもと、推進部会を設けて改革を推進するとのことでありました。
 来週から新年度がスタートするわけでありますが、当然、四月一日以降の取り組みは決まっていらっしゃると思います。具体的に何をなされるのか、説明をお願いします。

○川澄副知事 先般、これまでの都政改革の取り組みの成果と今後の進め方を示した二〇二〇改革プランの素案を公表いたしました。
 同プランは、今後の東京都の都政改革の方向性を示したということでございますので、これに従って仕事改革、見える化改革、仕組み改革、それぞれ実践の場で進めていきたいと、それを三人の副知事で分担をして、しっかりと取り組んでいきたい、そういうふうに思っております。

○小松委員 一度、三月九日の段階で、特別顧問制度を廃止するといったにもかかわらず、舌の根も乾かぬうちに、二十三日の記者会見では、新たな形で外部登用を示唆するような知事の発言が出てきました。知事の発言は、いつも詭弁にしか聞こえなくなってしまいます。やはり副知事以下、都職員は信用ができないということなんでしょうか。(発言する者あり)いや、失礼なってお話が今出ていますけれども、実際に二十三日の記者会見の原稿をお読みであればよくわかると思うんですが、仕組みであったり、要綱の検討、そんな言葉も知事の口から出ていますし、不用額の話まで出ているわけであります。
 都の顧問は無報酬であって、たしか交通費も自己負担だというふうに聞いています。そんな中で、この不用額の話や仕組みや要綱の検討みたいな話が出るということは、特別顧問や参与にかわる、また、都顧問でもない新たな役職ができるのではないかなというふうに危惧をするわけであります。
 改めて伺いますけれども、小池知事はやはり外部の方を積極的に登用されるということでしょうか、知事に伺います。

○小池知事 都政を進める上で、第三者の、また、外部のアドバイスを頂戴するということは有益だというふうに考えております。都政改革をしっかりと前に進めるためには、高度な専門的知識を持つ方など、必要性に応じて外部の第三者からのアドバイスをもらうことも検討をしていきたいと考えております。

○小松委員 いや、そうなると、三人の副知事を初め、都の役職者の方、どう思うのかなというふうに思いますが……(発言する者あり)ちょっとうるさいんです、不規則発言。都顧問制度はもちろん、知事がおっしゃるように、外部の有識者や専門家の方の知恵を知事が参考にされて、そしゃくして都政に反映させる、そのこと自体、否定するものでもないですし、とてもすばらしいことだというふうに思います。しかし、必要以上に、そうした方が都政に入ったことで、実際には混乱をした一年七カ月があるのではないかと思います。過去に学べば、今回の知事のこの二週間での言葉の変節には正直がっかりするものであります。
 続いて、先日も、川松委員の方から質問させていただきました文化プログラムについて伺いたいと思います。
 小池知事は、その後の記者会見、一般質問後のぶら下がりの会見で、我が党のこの問題提起に対して、東京キャラバンやTURNと仕組みは同じですとお答えになっていました。実際に事業のスキームは同じなのか、生文局長、お願いします。

○塩見生活文化局長 これらの事業スキームにつきましては、都と東京都歴史文化財団との共催協定のもと、都が同財団に対して負担金を支出し事業を展開することや、同財団から民間事業者などへの業務委託を行っている点において、同様の仕組みであると考えておりまして、局から知事に対し、こうした点を説明しております。

○小松委員 ただいま局長からは、同じですというようなご答弁がありました。本当にそうなのか、改めて、事業の仕組みが大変複雑でございますので、フリップをご確認いただければと思います。皆様には、お手元に資料をお配りしたいと思います。きょうお配りする資料は、先日の川松委員の質問の際にお示ししたものを、さらに独自に調査をさせていただいて、まとめたものでございます。
 さて、このフリップの中にありますTTF、これTokyo Tokyo FESTIVAL運営調整会議というものだと思います。これは、何回これまで開催されたのか、生文局長、教えてください。

○塩見生活文化局長 運営調整会議につきましては、Tokyo Tokyo FESTIVALプロモーションブランディング事業の円滑な実施を目的とし、都が責任を持って事業を実施するために設置したものでございまして、重要事項について協議を行う会議体であり、本年二月九日に第一回を開催してございます。

○小松委員 ただいまの答弁で、一回開催されたということがわかりました。なぜ、今回はこのTTF運営調整会議なるものを設けたのか、生文局長にお尋ねします。

○塩見生活文化局長 Tokyo Tokyo FESTIVALプロモーションブランディング事業は、東京キャラバン、TURNを含みます東京文化プログラム全体の発信力強化を行うための事業でございます。
 このため、東京文化プログラムの事業実施に責任を持つ東京都と東京都歴史文化財団、統括プロデューサーで重要事項について協議や情報共有を行う必要があることから、特に運営調整会議を設置したものでございます。

○小松委員 ちなみに、このTTF運営調整会議の議長は、この間もお名前挙がってましたが、川上量生さんでありますので、この議長のシールを張らせていただきます。
 もともと、このリオ大会の後に、東京文化プログラムはスタートしたわけであります。TTF運営調整会議とこの東京文化プログラムの推進部会、これ違いは何ですか、生文局長、お願いします。

○塩見生活文化局長 東京芸術文化評議会に設けました東京文化プログラム推進部会は、都が東京文化プログラム全体を通じた目標や取り組み方針を定めるに当たりまして、芸術文化などの有識者により専門的な見地から議論、検討をいただくものでございます。
 運営調整会議でございますが、この運営調整会議は、この部会での議論を踏まえまして、都が定める方針に基づき実施されるTokyo Tokyo FESTIVALプロモーションブランディング事業の重要事項についての協議や情報共有を行うものでございます。

○小松委員 重要事項の協議や情報共有をされるという会だということがわかりました。
 ちなみに、この東京文化プログラムの統括プロデューサーは、こちらも川上量生さんが務めていらっしゃるので、こちらも張らせていただきます。
 続きまして、改めて生文局長に伺いますが、Tokyo Tokyo FESTIVAL、Road to Tokyoの実施概要というのは誰が決めるのでしょうか。

○塩見生活文化局長 東京文化プログラムの発信力強化に向けたこれらの取り組みの概要につきましては、昨年十一月十四日の東京芸術文化評議会に諮った上、都として取り組みの方向性を決定してございます。
 この方向性に基づく具体的な事業案につきましては、運営調整会議で協議し、その結果を、東京芸術文化評議会に諮り、都が責任をもって決定するものでございます。

○小松委員 都が決めるということは、知事が決めるということで理解してよろしいですか。それともこれまで名前が挙がっている川上量生さんが決めるんですか。それとも局長が決めるんですか。

○塩見生活文化局長 都として決めるものでございます。したがいまして、その決定権限とか、文書管理上の問題とかありますけれども、都として決定するものでありますが、当然、知事の了解を得て都として決定するということでございます。

○小松委員 よくわからない、自信なさげなご答弁でありました。
 この一番上にあります芸術文化評議会の、今ご答弁の中にも挙がりましたが、この評議員も川上量生さんは務めていらっしゃるわけであります。
 今、局長からのご答弁まとめますと、こうした仕組みになるわけであります。この事業は、小池知事肝いりの事業だというふうに伺っていました。しかし、実際にこうして見ますと、さまざまな協議や決定の場面に川上量生さんが存在するわけでありまして、実態は川上量生さんがつくった事業のように思えてならないわけであります。
 知事、これは一体誰がつくった事業ですか。

○小池知事 先ほど生活文化局長からご答弁がございましたが、まず、誰が決めるのかということです。具体的な事業案は、運営調整会議で協議をいたしまして、その結果を、東京芸術文化評議会に諮り、そして、都が責任を持って決定をするということを明確にお答えをさせていただきたいと思います。
 まず、何でこの東京文化プログラムをやるんですかという話ですけれども、ロンドンなどもですね……(小松委員「聞いていない。それは聞いていないです」と呼ぶ)いえ、ここは重要なところですから、私からお答えをさせていただきます。何のためにやるかということ、都民にとって一番重要なことではないでしょうか。これは、これから二〇二〇年オリンピック・パラリンピックも、この東京がホストシティーとなって開かれます。そして、それに対して、例えば二〇一二年のロンドン大会でも、スポーツに加えて文化の発信というのを、ずっと計画的にやってきました。
   〔発言する者あり〕

○吉原副委員長 知事、質問が違いますので。

○小池知事 いえいえ、これ必要なことなので。

○吉原副委員長 簡潔にお願いします。

○小池知事 はい、じゃあ簡潔にお答えをさせていただきます。
 そういったことで、文化を発信するということをベースにしてこの東京文化プログラムを行う、そして、そのブランディングやプロモーションを担うプロデューサーが必要になるわけでございます。そして、そのプロデューサーには斬新な発想力と強力な実行力が求められるということは皆さんも想像がつくと思います。
 そして、川上氏でございますけれども、川上氏は、ネット配信にいち早く着目をされた人でございまして、また、超会議など大型イベントとの複合によりまして、全く新たな情報発信を実現させたという実績がございます。そして、Tokyo Tokyo FESTIVALの実施に当たりましては、こうした実績のある川上氏を芸術文化評議会に諮った上で、都として、統括プロデューサーとして選任をしたものでございます。
 以上です。

○小松委員 全く私が聞いた答弁になっておりません。今……(発言する者あり)ちょっと委員長、委員長、私……

○吉原副委員長 静粛にお願いします。

○小松委員 こちらの方も余計なこといっていますけど、私が聞いたのは、一体誰がこの事業をつくったのかと聞いたのであって、東京文化プログラムの意義、こんなことは--重要なことはよく存じ上げております。本当……(発言する者あり)わかっていないとか、もう、ちょっと不規則発言多いですよ、こっち。本当に不思議なことは……

○吉原副委員長 ご静粛にお願いします。

○小松委員 TTFの方向性を決定する、この運営調整会議、大変重要な会議だということをお示しいただきました。しかし、ただ、一回しか開かれていないのに、その実務を担う事務局の、この左側ですね、事務局の委託先のコンペが行われること、これに大変違和感を覚えるわけであります。
 改めて、知事や川上氏と近い距離になる方が、この再委託先に入る可能性はありますか。知事に伺います。

○小池知事 今もご答弁させていただきましたが、Tokyo Tokyo FESTIVALの成功、これは都民の皆様が納得していただいて初めて成功するといえると思います。そのために必要な方策をとってまいらなければなりません。
 ご質問の委託契約についてでございますけれども、手続の透明性を高めながら、適正に進めてまいる所存でございます。
 なお、委託契約につきましては、手続の透明性を高めるために副知事のもとで点検を進めているところでございます。

○小松委員 適正に透明性を持って進めるというご答弁いただきました。改めてフリップを見ますと、この事業スキームの中に幾つもの川上さんの名前が出てくるわけであります。これ見る人が見ると、川上量生さんの川上量生さんによる川上量生さんのための事業なのではないかと、あらぬ誤解を招きかねません。再委託先の決定には、今、知事に述べていただいた十分な配慮と徹底した情報開示を強く求めておきたいと思います。
 それはなぜかといえば、法的やコンプライアンス的には問題がないとおっしゃるかもしれませんが、ここまで来ますと、知事や川上さんの関係者が、この今回の件で再委託を受けたりでもすると、出来レースなのかなという要らぬ誤解を招くんじゃないかなということを我々は危惧をしているわけであります。そう……(小池知事「根拠」と呼ぶ)根拠はこの絵でございます。そうあってほしくないと思うからこそ指摘をしておきます。(塩見生活文化局長「ちょっとその図の訂正をさせて……」と呼ぶ)お願いします。

○塩見生活文化局長 そこの東京文化プログラムの推進部会には、川上さんは入ってございません。(発言する者あり)その上の芸術文化評議会の中には評議員で入ってますけど、その部会……

○吉原副委員長 答弁わかりましたから、どうぞ。

○小松委員 じゃ、確認しますけれども、東京文化プログラムの統括プロデューサーではありませんね。

○塩見生活文化局長 東京文化プログラムの統括プロデューサーということです。

○小松委員 今ので確認ができましたので、この問題がなかったということが確認できたと思います。
 続きまして、豊洲市場と築地再整備について伺いたいと思います。
 まず初めに、質問ではありませんが、先日の予算特別委員会で、我が会派の川松委員から、昨年の臨時会における都民ファーストの会ひぐち委員の質問に際し、当時東京都顧問であった小島敏郎氏が原稿を渡し、それを忠実に演じたのではないかと疑念を示したところであります。
 同日、我が会派より、当該事項について正式に情報開示を求めさせていただきました。都の開示請求では、開示、非開示の決定は請求があった日から十四日以内に行うことになっております。既に十一日が経過をいたしました。早急にご対応いただくことを市場長に改めて強く要望させていただきます。
 さて、千客万来施設について伺います。
 江東区や万葉倶楽部から大変強い憤りの声があるわけですが、その後どうなっているのでしょうか。昨年十二月、長谷川副知事が江東区を訪問した際、千客万来施設事業について、年度末までに事業者の確約を得られるよう努力をすると江東区長と議長に対してお話をされているわけです。きょうは三月二十六日です。今年度も残り五日、どんな決着になったのか、長谷川副知事に伺います。

○長谷川副知事 千客万来施設事業は、豊洲ならではの活気やにぎわいを生み出す大変重要な事業でございます。都はこれまでも、事業実施に向け、事業者に対して千客万来施設の最優先の整備に向けて取り組むことや、築地再開発について民間からの提案募集の際、先行する千客万来施設事業のコンセプトとの両立や相乗効果が図れるよう十分配慮することなどを丁寧に説明をしてきております。
 江東区から、お話のとおり、年度内に事業実施のめどが立つよう、事業者と調整してほしいとの要望をお受けしておりまして、これにつきましては、副知事としてしっかりと受けとめている旨、江東区長及び議長にお話をさせていただいております。
 引き続き、事業者から事業実施の確約が得られるよう、年度末が迫っていることは承知してございますが、しっかりと取り組むとともに、区への説明をきめ細かく行うなど、知事、市場当局と一体となって誠実に対応しているところでございまして、最大の努力をしてまいります。

○小松委員 今の副知事の答弁では、確約が得られるようこれから努力すると。余り、要は、具体的にこの二週間も特段動きがあったとはご答弁いただけませんでした。
 しかし、きのう、小池知事は豊洲市場のぶら下がりの取材で、千客万来施設の事業者との交渉についての問いに対して、具体的な詰めに入っているとご答弁をされていたようであります。どっちが本当なんでしょうか。
 具体的な詰めに入っているのであれば、具体的に、隠さずに、どんな詰めをしているのか示すことが本来のあるべき姿だと考えます。これも知事が動いていない、お任せ主義ということになってしまうわけであります。
 何度もいいますが、この事業の最終的な責任者は小池知事であります。最終的に知事の責任になりますので、肝に銘じていただきたいということを申し上げたいと思います。
 これ、十三日の山崎委員の質問から二週間たったわけでありますが、実際何も動かれていないわけであります。この千客万来施設というのは、そもそも東京都と江東区が行政同士で交わした市場移転、それの必須条件であります。東京都、そして小池都政のもとでは、行政同士で交わした条件をこんなにも不誠実にほごにする気なのか、残念でなりません。
 二週間前でも、山崎委員の答弁に対して、市場長は、事業実施の確約が得られるよう、江東区にもきめ細かく誠実に対応すると実際には答えてらっしゃるわけです。これまで、江東区も万葉倶楽部も、知事の一言一言に振り回されてきたわけであります。
 この責任は誰がとるのか、また、誰が決着をつけるのか、改めて長谷川副知事に伺います。

○長谷川副知事 事業者との調整につきましては、事業にかかわることでございますので、ここでつまびらかにすることはできない、現時点ではできない状況でございますが、引き続き事業者とのコミュニケーションを図りながら、知事、市場当局と一体となって、東京都として江東区と交わした約束、そういう三つの約束の一つであるということも、きちんと念頭に置いて、事業実施の確約が得られるよう努力を重ねてまいります。

○小松委員 残り五日になっているということの緊迫感を全く感じない、そのことを強く訴えて、次に、環状二号線の質問に移らせていただきます。
 環状二号線の整備について確認しますが、この環状二号線というのは、東京の骨格を形成する幹線道路網の一翼を担い、東京の都市活動、そして都民の生活を支える重要な道路であります。都心部と臨海部を結ぶ区間については、広域的な交通、そして物流ネットワークを強化するだけではなく、臨海部の新たなまちづくりを支え、地域の防災力の向上にも寄与するものであります。この認識で、知事よろしいですか。質問ではないですが、第一回の定例会で、知事がみずからご答弁をいただいた内容であります。
 同時に、選手村からの輸送、そして東京二〇二〇大会の国際公約でもありました。そして、豊洲市場、市場の事業者からも強く要望がありました。こうした幾つもの役割を担い、将来にわたって大きな経済波及効果が期待される事業であります。そうした重要な事業であることを、まず、共通認識のもと質問を進めさせていただきます。
 極めて重要な事業であるんですが、市場移転の延期によって整備計画には幾つもの支障が生じました。そのため、大変複雑な事業計画になっています。今日に至るまで確認された内容とも重複する部分があるかもしれませんが、あえて順を追って丁寧に確認を進めたいと思います。
 知事は、六月の二十日の記者会見において、築地市場の豊洲への移転を表明されました。その中で、環状二号線は、オリンピック前に開通させると発言をされました。この言葉を聞いて、多くの都民が、環二の本線が開通するはずだと思ったわけであります。
 環二の本線、環状二号線の本線とは、トンネル、側道合わせて六車線の通りです。しかし、実際に二〇二〇大会の前の段階では、片側一車線の地上部道路と呼ばれる仮設の道路による暫定的な開通であるということが、これまでの答弁でわかっております。トンネル、側道合わせ六車線になる本線に比べ、輸送能力がはるかに劣る状態の通りであります。それをもって開通とするのは、ごまかしであると強くいわざるを得ません。
 オリンピックの前に開通する道路は、あくまでも暫定的な道路であり、本来の環状二号線ではないことを繰り返し強調したいと思います。
 まず、建設局長に伺います。
 市場移転の延期に伴い、環状二号線の本格開通が大幅におくれるわけであります。今後の見通しについて伺います。

○西倉建設局長 環状第二号線の開通の見通しですが、まず、暫定迂回道路につきましては、豊洲市場への移転完了後約二カ月後に開通させることとしておりますが、環状第二号線の整備効果を早期に発現させるため、また、築地市場の業界団体の皆様などから早期開通の要望を受けていることも踏まえまして、現在、工事手順を見直すなど、工事工程の短縮につきまして検討を進めております。
 次に、地上部道路につきましては、既存の建物が解体された後、東京二〇二〇大会に向けまして、平成三十一年度末を目途に整備を完了させます。本線トンネルにつきましては、大会後、早期に完成させまして、江東区有明から千代田区神田佐久間町に至る東京の骨格を形成いたします幹線道路として、環状第二号線全線を開通させます。

○小松委員 ただいまのご答弁で確認されたことを、こちらもフリップを使いまして、振り返りながら確認したいと思います。
 小池知事も、二月の十七日、築地大橋の上から現場をごらんになっていると伺ってます。そのときに説明も恐らく受けていらっしゃるんじゃないかなと思います。
 まず、こちらが築地大橋でございます。この先に、晴海の選手村、そして豊洲新市場並びに臨海部と呼ばれる地域があります。そして、このパネルのちょうど中央、貫いている赤いというか、ピンク色の線、これが環状二号線、市場の移転の延期がなければ、東京二〇二〇大会で使用する、その約束をしていたその通りがこの中央部の環状二号線になります。つまり、知事の市場移転の判断によって整備が間に合わなくなった道路といえます。この道路は、現在の築地市場の中を通って、先ほどいった築地大橋を抜けて晴海や豊洲の方へつながります。
 もう一つ、これまでの答弁の中に再三出てきた地上部道路、この地上部道路というのが肝でございまして、先ほどの答弁によりますと、二〇二〇大会の前に、二〇二〇大会のためにつくられる道路ということがわかるわけですが、地上部道路とは一体どんな道路なのか、正しく理解されていますでしょうか。
 実際、いろんな方に聞いてみたんですけれども、皆さん、この地上部道路がどんな道路か、理解が違うわけであります。一体何なんだろうと。
 そこで、改めて確認しますが、地上部道路とは一体どんな目的で、また、どこを通る道路なのか、建設局長に伺います。

○西倉建設局長 地上部道路は、本線トンネルが開通するまでの間、交通をさばくための平面の道路として整備するものでございます。その道路線形につきましては、築地市場の解体工事の状況や、本線トンネルの工事手順を踏まえまして定めてまいります。

○小松委員 地上部道路と聞いて、実は私は、環状二号線のこの側道のことなのかなと思っていた時期もありました。今の答弁でいくと、本線トンネルが開通するまでの間ということは、あくまで暫定的な通りだということだと思います。交通をさばくための平面の道路ということです。つまり地上部道路というのは、最終的に整備される環状二号線の側道といわれる道路のことではないということですよね。建設局長に伺います。

○西倉建設局長 地上部道路は、本線トンネルが開通するまでの間、平面の道路として整備するものでございますが、その構造物の一部を環状第二号線の本線構造物として使用するなど、極力手戻りのないように工事を進めてまいります。
   〔発言する者あり〕

○小松委員 質問が悪いとか、余計なこといわなくていいですから。私がいっているのは、環状二号線の側道、この環状二号線というのは、お示ししているこの赤色の、正しく通る通り、この環状二号線の側道といわれる道路のことを指すのか、それとも違う通りなのか、地上部道路はどういった道路なのか、伺っております。

○西倉建設局長 地上部道路の線形でございますけれども、築地市場の解体工事の状況や、本線トンネルの工事手順を踏まえまして定めていくこととしておりまして、現在、線形が定まっておりません。一部、将来の側道等、使えるように検討をしてまいりたいというふうに思っています。

○小松委員 念のための確認を進めてきたわけですが、実際には、いただいている資料によると、さまざまな工期のステップを踏みながら、徐々に移動しながらこの線形をつくっていくということなんだと思います。
 実際には、東京二〇二〇大会の開催のタイミングでは、今、山崎委員がお示ししているように、緑色の線形、こういった形で、これ正しくは、もっと予定している赤の通りに近づくのかもしれないし、より直線的になるのかもしれない、もう少し膨らむのかもしれないし、それは、この市場の解体によっていろいろあるんだとは思いますが、実際には、二〇二〇大会の輸送に間に合わせるためには、恐らくこのピンク色のように直線的な側道としてではなく、緑色になった形で迎えるだろうという可能性が高いというふうに伺っています。
 そもそも東京二〇二〇大会の選手輸送には環状二号線を使う、この赤色の通りを使うという予定でありました。それが急遽、市場の移転を延期したことによって、本線トンネルの開通が間に合わない。そして、それでは、せめて本線の側道部分だけでも先に開通させて、二〇二〇大会の際に使用する、そうした構想に一度なったはずです。
 しかし、それすらも間に合わないことがわかり、結局、この地上部道路という、東京二〇二〇大会に対応するべく、通りをつくったわけであります。であれば、地上部道路というのは、本線の側道とは明らかに違う趣旨の道路というふうに確認ができました。
 この仮設の地上部道路ですが、環状二号線の本線が完成されたら、当然、解体するものと思いますが、いかがでしょうか。建設局長に伺います。

○西倉建設局長 地上部道路は、本線トンネルが開通するまでの間、平面の道路として整備するものでございますが、その構造物の一部を環状第二号線の本線構造物として使用するなど、極力手戻りのないように工事を進めてまいります。

○小松委員 無論、できる限りの工夫をされるんだと思いますが、実際に、これより詳細な実際の工事図面を見ますと、利用可能な場所というのは取りつけ部分などごく限られた場所であって、ほとんどは解体するということになりますよね。市場の移転の延期が判断されるまでには、環状二号線、新橋-豊洲間の整備というのは、本来、二〇二〇年の早期に全線が開通していた。二〇二〇年の早期には、この赤い通りが本来は開通していたわけであります。
 地上部道路という名称なので、ずっと使う道路なのかなと思いきや、環状二号線の側道のことを指すわけでもなく、こちらもまた、暫定的な仮設の迂回の道路だということがわかったわけであります。あえてつくって、やがて壊すという通りであります。
 市場の移転の延期がなければ、この地上部道路は本来存在していません。私たちは、それが無駄ではないかといっているわけであります。しかも、本線開通までの、使用するこの地上部道路というのは、わずかに、本来の計画の三分の一の輸送能力しかないわけであります。しかも、接続する新大橋通りや、その先の交差点は慢性的に渋滞をするわけであります。輸送能力はさらに低下する可能性が危惧されます。
 知事に伺いますが、知事は就任後、市場移転延期の判断の前に、当時のオリンピック局や、市場、また建設局からも、この環状二号線の重要性、また、東京二〇二〇大会の影響について説明を受けていると思います。
 その認識でよろしいですか。知事に伺います。

○小池知事 ご指摘のとおりです。

○小松委員 改めて知事に伺います。
 本来約束していた本線開通はもとより、その側道部利用すらも東京二〇二〇大会には間に合いません。輸送能力が本来通す予定だった本線の三分の一の仮設の道路で大会を迎えるわけであります。移転延期後、このように環状二号線の整備計画を変更し、現在に至るわけであります。
 最終的な現在の計画、そして責任者として、小池知事は了承しているわけですが、いつ、誰に、この計画についてご報告を受けて、いつ、このゴーサインを出されたのか、伺います。

○小池知事 前もってそのご質問いただいておりませんので、正確にお答えはできかねます。

○小松委員 いずれにしても、この大きな事業計画、小池知事は説明を受け、そして、その責任のもとで整備計画が判断されたということであります。
 一昨年夏の突然の市場移転の延期、この判断の際には、業界、地域住民の困惑、市場業者への補償、それによる新たな費用負担の発生、国際公約であった東京二〇二〇大会の輸送計画の甚大な影響、物流ネットワークや関連する都市基盤整備事業の影響なども、いずれも十分に予見できたものであります。
 知事は、当然、それらを全て把握し、理解した上で、この市場移転の延期を一人政治決断されたということで理解していますが、いかがでしょうか。知事に伺います。

○小池知事 まず、豊洲市場をめぐりましては、そもそも土壌汚染を初めとするさまざまな課題が次々と明らかになってまいりました。そしてまた、その一つ一つの課題につきましては丁寧に検証してきたわけでございます。これによりまして、主要建物の下に、地下に、盛り土がなされていなかった問題が明確になりました。
 そしてまた、市場会計の持続可能性なども分析をしたところでございます。つまり、これまで議論の対象とならなかった課題に光を当て、都民にオープンな形で検討がなされたことによりまして、市場移転に係る問題の議論を深めることができたと、このように考えております。そしてまた、食の安全を守り、都民の理解と納得を得るためには必要なプロセスだったと、このように考えております。
 その結果といたしまして、まずは、豊洲市場への早期移転を実施した上で、築地市場の跡地は環状二号線の整備、そして、今、全くご指摘ございませんでしたけれども、東京二〇二〇大会の車両基地として活用することと、その準備を今しているところでございます。そしてその後、築地の再開発を進めるという手順でございまして、一つ一つステップを踏んで取り組んでいくことといたしているところでございます。
 ご指摘の環状二号線につきましては、暫定迂回道路を豊洲市場への移転完了後、約二カ月後に開通させることといたしておりますけれども、現在、築地市場の解体工事との調整など、工程の短縮について、市場のご協力を得るなどを含めて検討及び調整を進めているところでございます。
 また、地上部道路につきましては、平成三十一年度末の整備完了に向けまして着実に取り組んでまいりたいと考えております。

○小松委員 改めて、市場移転の延期を決めた際の記者会見を見ました。知事はご自身の決断に自信をみなぎらせながら、移転の延期を判断された経緯、理由を述べられておりました。ただいまの答弁でも、盛り土の話なども出ておりました。
 しかし実際に、あのとき一度立ちどまったことで、一年半以上経過した今、実際には、時間もお金も大きな損失を生じてしまった。市場移転のおくれは、都政のさまざまな面に影響を及ぼし、結果として多大な損失が生じています。
 また、今後も、輸送能力が本線に比べて脆弱な暫定の地上部道路で、オリンピック・パラリンピック大会を迎えざるを得ない、このことや、知事が業界を混乱、分断したことで、市場の建物が計画どおり解体できるかどうか、今後も、不安も大きいままであります。
 知事は、いつも、総合的に判断するとよくおっしゃいます。市場移転のときもそうでありました。実際にはそうではなかった。豊洲市場にばかり実際には気をとられ、連動する全ての事業への影響にまで考えが及んでいなかったのではないか。正確な判断ができていなかった、そのてんまつが現在の混乱の原因と考えます。
 皮肉にも、結果として、賢い支出ともレガシーを残すこととも対極的な結果となりつつある。そのことを真摯に受けとめて、今後の都政に生かしていただきたいと思います。
 安全宣言についても伺いたいと思います。
 知事は、六月二十二日に、築地市場の業界の代表者の方々を前に、風評被害の払拭のため、みずから先頭に立つ、安全宣言をしなければ、農林水産大臣開設の認可はお願いができないと述べられています。が、ここから安全宣言のタイミングについては幾つもの変遷が生じました。
 その農林水産大臣への開設認可の前に安全宣言をするといったところから、昨年十二月の第四回定例会では、開場に必要な行政手続を経た上で認可の話をすることになっています。その数週間後、十二月二十日には、記者会見で、農水大臣の認可申請、それこそが安全宣言と以前から申し上げているというふうになっています。認可のタイミングをもって安全だということだというふうにいっております。そして、知事の安全宣言が移転の最低条件とする団体の皆様に対して、二月十七日、視察で、その安全宣言の要望に対しては、小池知事からは返事をいただけなかったとお話が出ています。そして、三月一日、第一回定例会では、手続も整った上でというふうに発言が変わっています。ということは、全て認可申請も含め、その認可がおりた後に安全宣言をするというふうになっています。そして十三日には、総合的に判断をするということで、タイミングが具体的ではないわけであります。
 知事のおっしゃる安全宣言は、一体どのタイミングなのか。都議選の前に、業界団体と交わした、それは六月二十二日に、安全宣言を経て農林水産大臣に開設認可をするといった話から、その後ぶれているわけですから、撤回されたのであれば、都民と交わした約束をほごにしたともとられかねません。
 総合的な判断の上だと思いますが、変わったのであれば、変わったなりの理由を明らかにするべきだと思います。不誠実な姿勢で、都民の理解を得ることはできないと思います。知事、いかがでしょうか。

○小池知事 お答えいたします。私は、いつも誠実にご答弁させていただいているところでございます。
 豊洲市場の安全性の確保につきましては、これまでもさまざまな議論がなされてきた経緯については、委員ご存じのとおりでございます。
 一昨年九月に、盛り土問題が発覚したということを先ほども述べさせていただきました。そうした経緯を経て、改めて専門家会議を設置したことについても、委員ご承知のとおりでございます。さまざまな検証をしていただいた上で、法的、科学的安全性が確保されているということを確認をしていただいた。そして、将来のリスクに備えた追加対策についてもご提言をいただき、現在、まさにその追加対策工事が行われようとしているわけでございます。
 そして、この専門家会議による検証を踏まえました上で、環境影響評価書の変更届も提出をいたし、環境影響評価審議会に報告をしたところでございます。
 豊洲市場への移転につきましては、都民の理解と納得を得て進めるために科学的な検証、そして妥当な対策の実施、法的な手続といったステップを一つ一つ丁寧に進めていくことが重要と考えております。
 食の安全・安心の問題でございます。こうしたさまざまな角度からのアプローチなしには進めていくことはできないと考えております。
 このため、追加対策工事をまず着実に進める、そして対策完了後の専門家会議による確認、今ご指摘がございますような農林水産大臣への認可手続などを進めまして、手続面も含めた条件が整い、安全・安心な市場であるということについて発信をしていくということでございます。これについては、かねてよりご答弁させていただいております。

○小松委員 誠実かどうかというのは相手が感じることでありますので、ご自身は誠実に回答されているつもりかもしれませんが、そうかどうかは相手が受け取ることだと思います。
 実際に……(発言する者あり)不規則発言は勘弁してくださいよ。実際には、知事が寄り添ってとおっしゃる市場業界、市場の団体の皆さんが誠実な答弁がいただけていないというふうにいっているから、我々は代弁をして、不誠実なんじゃないかというふうにここで取り上げているわけであります。
 二月十七日の際にも、同じように、先ほどの暫定迂回道路、環状二号線の暫定迂回道路の早期整備とあわせて、この安全宣言のお願いが市場移転の最低条件だというふうに団体の方々はいわれていらっしゃるわけであります。さまざまな観点をしっかりと丁寧に取り組んでいただくという知事のお考えは、それ自体否定するものではありませんが、業界は、この安全宣言を速やかに行っていただくことを望んでいる以上、よりそのことに対して真摯に向き合っていただきたいというふうに思います。
 知事は、詳しい説明が不要な程度の話なのかなとご認識されているのかもしれませんが、当事者にとっては死活問題であります。そのことをどうかご理解をいただきたいと思います。
 このように、前言撤回が繰り返されて、市場開設者としての責任を回避し、国へ責任転嫁するかのようなさまざまなこの発言の変遷は、そして風評被害の払拭を先送る、そうした姿勢は、都民や特に市場関係者の方に寄り添っているとはいえない、極めて不誠実な対応だと忠告をしておきたいと思います。
 同様に、言葉が何度となく入れかわってくる築地の再整備について伺います。
 これまで、さまざま築地の再整備の絵が変わり続けてまいりました。知事自身は、ご自身の発言であり、お考えもあるでしょうから、十分その認識もイメージもあるのかもしれませんが、知事の言葉を通して理解する我々には、いろいろと混乱が生じております。
 先日の予算特別委員会で、我が会派より、中央卸売市場とは何ですかというふうにお尋ねした際、知事は、卸売市場法に基づいて設置された市場であり、都内の市場は全て中央卸売市場だとお答えになりました。私はこの言葉を聞いて、知事は市場について何もご存じない、市場そのものを理解できておらず、認識が曖昧だからこそ言葉が変遷したり、混乱を招いているのだなと愕然としました。
 知事が発する市場とは、幾つかの意味が混在しているんです。時に中央卸売市場であり、地方卸売市場も含む卸売市場全般のことを指したり、いわゆる市場、定期的に買い物客を寄せるマーケットのことであったりといったぐあいであります。知事の理解や認識が曖昧なので、いたし方ないのかもしれませんが、昨年の六月には、食のテーマパーク機能を有する新たな市場、このように述べられたわけであります。そして、築地へまた復帰される際には、お手伝いさせていただきますと、築地の事業者さんにご発言されたわけです。この発言を聞けば、知事の認識はどうであれ、当初、築地に市場機能を一部戻すとされていた知事の発言に対して、関係者の方は、少なくとも築地にまた戻るのだと思ったはずであります。
 そして、知事が都政改革に多大に寄与されたとされる顧問の方々も、先ほどいったとおり、同様の発言を繰り返してきたわけであります。それを三月一日の代表答弁によれば、つくらないと発言を変更されたわけであります。それは、これ以上なく大きな大きな方針転換であります。
 こうした知事の発言によって、関係者や業界団体は右往左往し、混乱を来しているわけであります。そして、その尻拭いをするのはいつも現場の職員と市場の事業者であることをお忘れなきようにお願いします。
 さて、築地再整備の前提条件はよくわからない、百六十億円の収益を確保するということでありました。売却と長期貸付どちらが市場会計にとって望ましいのか、その根拠や妥当性の検証はいまだに示されることはありません。築地再開発検討会議が昨年設置され、これまで四回開かれていますが、ここでも一切議論はされていません。
 築地再開発検討会議のこの予算、五千四百万円だけが市場会計に計上されています。このことに我々は大変大きな違和感を覚えています。市場会計にのせるということは、すなわち、ほかの十一市場全体に係る話であります。市場長、これをどう考えていますか。

○村松中央卸売市場長 中央卸売市場会計は、公営企業会計として独立採算を原則として運営しておりまして、市場業者が負担する市場使用料を主な収入としております。
 今後の市場の財政運営につきまして、まずは徹底したコスト削減や収入確保などの経営改善に取り組んで、安定した事業運営を目指していくべきものと考えております。

○小松委員 いうまでもありませんが、築地と豊洲だけが中央卸売市場ではありません。これ質問じゃないですけど、知事は、都知事就任以後、この都内の中央卸売市場に足を運ばれたことありますかね。いや、質問じゃないですけど、ありますか、うなずいてもらえればいいんですけど。--はい、じゃあもういいです。どの市場も、実際には老朽化が進んで、毎年改修工事の依頼がやまない、このことは存じだと思います。しかし、豊洲市場の移転の完了まではと、ほかの市場関係者の方にもご理解いただきながら進めてきた事業であります。そのこともお忘れなくと忠告しておきたいと思います。
 私たちは、このほかの十一の市場にも、経営に影響を及ばすべきではないという観点から、現時点で築地再整備を拙速に検討すべきではないことを申し上げたいと思います。
 都政のどこがゆがみ、そして、ほころんでいるのか、さまざまな点を指摘させていただいてまいりました。都民に誠実な都政を希求する我々都議会自民党にとっては、やはり現在の都政運営は看過できません。
 知事が特別顧問等を廃止することを明確にした都政改革事務に係る経費を含む総務管理費四千三百万円の減額並びにいまだに基本姿勢も曖昧、財政スキームも不明瞭な築地再整備の検討に係る経費五千四百万円を含む中央卸売市場会計における営業外費用の減額は不可欠と考えます。よって、我々都議会自民党は、平成三十年度予算に対し、編成替えを求める動議を提出いたします。
 以上で私からの質問を終わります。

○吉原副委員長 小松大祐委員の発言は終わりました。
 この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。
   午後五時四十八分休憩

ページ先頭に戻る