予算特別委員会速記録第四号

○木村副委員長 おときた駿委員の発言を許します。
   〔木村副委員長退席、委員長着席〕

○おときた委員 総括質疑、最後の質問者となりました。
 あれほどの支持を集めた小池都政への期待が、なぜここまで一気にしぼんでしまったのか。これまでの質疑を聞いていると、これはやはり私は、小池知事の一貫性のない姿勢と言行不一致、これに原因があると思えてなりません。
 いま一度、都民からの信頼と期待を取り戻すために、特に市場移転問題について、本日は知事のお考えをはっきりとしていただきたいと思います。
 今回の予算案では、中央卸売市場会計に築地市場再開発の検討予算が五千四百万円計上されています。結論から申し上げると、これは一般会計に計上されるべき予算であり、市場会計にあるのは極めて不適切です。
 中央卸売市場会計はいうまでもなく、市場関係者から納められた使用料等を原資としており、公的な市場運営のために使われるものです。
 知事は既に、築地には中央卸売市場はつくらないと何度も明言されているわけですから、これは一般会計に速やかに計上し直すべきであります。
 なぜこの予算が中央卸売市場会計にあるのか、まず確認のため伺います。

○村松中央卸売市場長 築地市場用地は、現在、中央卸売市場が保有しておりまして、その再開発の検討に要する経費でございますことから、市場会計に計上したものでございます。

○おときた委員 土地を所有しているからという答弁でしたが、そんなむちゃくちゃな話はありません。
 その理屈でいえば、例えば都立病院が移転して、もう病院にしない跡地の活用を議論するときには、その検討費用、病院会計から支出するんでしょうか。医療関係者や患者さん、とてもじゃないですけど納得しないでしょう。
 本来の目的で使わないことが確定している土地は、有償所管がえをして一般財源に繰り入れて、それにかかる費用は一般会計から出すべきことは明らかです。知事査定を経た後も、この予算、市場会計に残っています。
 知事、これは一般会計に計上すべきではないでしょうか。知事のお考えもお聞かせください。

○武市財務局長 築地の再開発に向けた検討経費につきましては、築地市場用地を中央卸売市場会計が保有しておりまして、その土地を、貸し付けを行う場合でありましても、あるいは売却を行う場合でありましても、その利活用に対する収益は市場会計に帰属することになるから市場会計に計上しているものでございます。

○おときた委員 私は知事の答弁を求めました。次回以降、知事が答弁をされない場合は、時計をとめていただくことを要求いたします。
 一般会計にすることをかたくなに否定されると。知事がそうせざるを得ないのは、昨年六月二十日に示された基本方針、これを外形だけでも守るためなんでしょう。しかしながら、その基本方針は、既に原形をとどめないほど変節しています。
 これまでの質疑でも、築地を守るという点について何度か言及がありました。私は耳を疑いました。知事が以前に記者会見で言及した食のテーマパークのみならず、築地に市場機能を残すという最重要の点についても、一つの考えと明言してのけたからです。
 これ、曽根委員もパネルにしたものに近いですが、こちら、基本方針発表時の資料です。ここに方針一として、競り、市場内の取引を確保、発展と明記してあります。
 さらに、知事は発言の中で、築地は新たな市場として、新たな市場としてと明確に述べています。記録にも当然残っています。
 つまり、築地を守るという知事の基本方針は、築地に市場機能を残すことだと私は理解していました。多くの都民もそうだと思います。
 知事、改めて、築地を守るの正確な意味を教えてください。

○小池知事 私が申し上げております基本方針の趣旨は、今もお話ございましたように、豊洲、そして築地、この両方を生かすという大きな方向性について述べたものでございます。
 これまでも申し上げてきたように、築地には、銀座など都心に近接いたしましたロケーション、そしてまた、培ってきた伝統がございます。そして周辺にはあのすばらしい浜離宮、そして水辺の魅力、さらには築地本願寺など、さまざまな宝物がちりばめられている、都内におきましても最高のロケーションでございます。
 築地は守るという基本方針の表現は、まさしくそうした宝物、そして長年培ってきたブランドを生かして、築地をさらに発展させていきたいという思いを表したものでございます。
 なお、豊洲につきましては、中核的な市場であるということは何度も申し上げているところでございます。

○おときた委員 これ、私、簡単に見過ごせないんです、知事。大きな方向性だとか、思いなんて、そんなことどこにもニュアンスなかったじゃないですか、去年の六月二十日に。その三日後に選挙が始まっているんです。知事が代表だった都民ファーストの会、これを選挙公約にして選挙をしているんですよ。私自身もです。私もです。
 だから、見えないところで勝手に変えたらだめなんですよ。そういうことをしてきたから、政治が信頼を失ってきたんでしょう。そういうのが嫌だから、新しい政治を始めようっていっていたんじゃないですか。
 変えることが悪いといっているわけじゃないんです。できないと思ったら謝って、変える勇気も必要です。私自身は、この築地再開発は困難だと、昨年、撤回して謝罪をいたしました。でも、見えないところで勝手に変える、これは私は許されないことだと思いますよ。
 知事が基本方針を変えていないというのであれば、先ほどのパネルに書かれているとおり、そして、六月二十日に発言されたとおり、築地に市場機能は残すんでしょうか。それとも、基本方針は変更して、もう残さないんでしょうか。改めて知事に伺いますので、はっきりお答えください。(発言する者あり)知事に聞いています。
   〔邊見東京都技監発言を求む〕
   〔おときた委員「知事に聞いていますよ」と呼ぶ〕
   〔「とめた方がいいよ」と呼び、その他発言する者あり〕
   〔おときた委員「時間をとめてください。私は知事に聞いているんです。委員長、時計をとめてください」と呼ぶ〕
   〔発言する者多し〕

○両角委員長 速記をとめてください。
   〔速記中止〕

○両角委員長 速記を再開してください。

○小池知事 築地の市場跡地に都が中央卸売市場を改めて整備をするということではございません。まず、豊洲市場への移転を円滑に行って、豊洲市場での事業が軌道に乗るように全力で取り組むというのが、今、一番重要なことでございます。
 そして、これも何度も申し上げておりますが、築地につきましては、民間の知恵を生かして将来にとって重要な役割を担う、そんな新たなまちづくりにつなげてまいります。
 そのために、今、検討会議におきましても幅広い議論をしていただいているところでございます。

○おときた委員 答えられていないので、もう一つ別の角度から伺います。
 六月二十日の発表の際、知事は、築地へ復帰する事業者に対して、経営支援については検討してまいりたい、築地へまた復帰される際はお手伝いはさせていただくと、はっきり述べています。これもまさか一つの考えだったんですか。多くの事業者の運命と人生がかかっています。よく考えてお答えください。(村松中央卸売市場長発言を求む)知事です。
   〔発言する者あり〕

○小池知事 どうぞお静かにお願いいたします。
 今申し上げましたように、豊洲市場への移転を円滑に行って、豊洲市場での事業がまず軌道に乗るように全力で取り組んでいくというのが最優先事項でございます。
 そして、市場の関係者の方々が、その中で、いろいろな思いがあるのも十分熟知いたしております。まずは……
   〔発言する者あり〕

○両角委員長 ご静粛にお願いいたします。

○小池知事 豊洲市場への移転ということを最優先にすべきだと、このことを申し上げているわけでございます。

○おときた委員 知事、基本方針が変わっていないというんであれば、これ、お答えできない、支援するって断言できないのはおかしいじゃないですか。知事のあのときの基本方針、信じた人がたくさんいるんですよ。都民ファーストの会、それで選挙をやったんですよ。自分たちの支援者に、有権者に、あれは一つの考え方でした、今は優先順位違うんですっていえる人いるんですか、いえる議員いらっしゃいますか。私はいえません。私はいないと思いますよ。
 実際、都民ファーストの会のとある都議の方、知事が築地市場の関係者との懇談会で、築地に市場はつくらないとおっしゃって、さまざまな報道が出た直後、SNSでこう発信されています。
 今後の築地再開発に市場機能を残せるかが、まさに築地を守ることになります。会派内でもしっかり議論を重ね、私は、築地を守る、豊洲は生かすを実現します、びっくりマーク。
 はっきりと、市場機能を残すことが築地を守ることだと書いてあるんです。公約を守ろうとされているんですよ。この都議の方、汗かいて、よく築地に行かれていると私の耳にも入ってきます。基本方針を守ろうとして、築地を守ろうとして努力されているんでしょう。その姿を見て、築地に市場機能を残してくれる、築地に帰れるって、まだ期待している人もいるんですよ。
 そういう人たちを全員、知事、置き去りにして、知事はもう市場機能を残すことから、いつの間にか勝手に一歩引いてしまった。はしごを外しちゃったんですよ、知事。市場機能を残すことが難しいんだと理解されたんだと思います。それはよいです。だったらすぐに、はっきりそう認めましょう。知事が曖昧な態度をとり続ける限り、いろんな人が振り回されて、動いて、期待して、失望するんです。
 知事、基本方針は既に大きく変節しています。ならば、今ここではっきりと、関係者や都民のためにも、市場機能は残さない、築地に残せないとはっきりと認めるべきです。知事の所見を伺います。

○小池知事 基本方針は、まさしく基本的に何ら変わっておりません。大きな方向性、それは豊洲と築地の両方を生かすということでございます。この方向性については何ら変わりがない。そしてまた、築地を守るという意味では、まさしく、今、民間の方々の知恵、アイデアなどを盛り込みつつ、検討会議が行われているところでございます。
 そして、すばらしいロケーションを最大限生かしていくということが、そしてまた、培ってきた伝統を生かす、そのことが豊洲と築地の両方を生かすということにつながっていく、私はそのように確信しております。

○おときた委員 その検討会議に市場関係者は入っていないじゃないですか。検討会議が市場機能を残す、残さないを決めるんじゃないですよ。それは政治の仕事です。政治が決めなきゃいけないと思います。
 ここまでいっても知事は残すのか、残さないのか、お決めいただけませんでした。知事はこれ、決められないんです。決められない。なぜでしょうか。
 ここで築地市場、機能を残すと断言すれば、食のテーマパーク構想に難色を示している千客万来施設との関係が悪化して、また、市場が二つに分かれることはあり得ないと反発している市場関係者の態度が、さらに硬化するおそれがあります。
 一方で、逆に、ここで知事が築地に市場機能を残さないとすれば、基本方針を支持した都民、築地に残れると信じた事業者たちを裏切ることになります。
 つまり、知事は、意見の異なる双方によい顔をするために、曖昧な姿勢をとり続けているんです。
 それが明確にあらわれているのが、まさにこの予算案です。市場会計に五千四百万円、検討予算を残しながら、市場機能以外の議論が進められている。まさにこのありさま、豊洲と築地に二股をかけている姿勢のあらわれじゃないですか。
 ちょうど一年前も、この予算特別委員会の場で、豊洲移転か築地再整備か、先延ばしにしていた知事は、決められない知事と強い批判を浴びていました。その状況、実は今も全く変わっていません。残念ながら、今度は私がいわなきゃいけません。知事は今も決められない知事になっています。
 知事が先延ばしにしようとしていることは明白です。しかし、目の前の現実は深刻です。知事が基本方針を貫徹するために必要な条件というのを、こちらに簡単にまとめました。時間がないので、全ての読み上げは省略しますけれども、大事なのは二点目です。年間百六十億円の収益を五十年間継続的に生み出すという点です。
 知事は、基本方針発表時に、築地市場の土地は売却せずに保有して、むしろ有効活用することでキャッシュを継続的に創出できると述べています。その根拠となっているのがこの数字です。そもそも市場会計にとってプラスにならなければ、市場会計が土地を保有し続ける意味は全くありませんから、売却より収益を高く上げることは、現状のスキームにおける築地再開発の絶対条件です。
 そこで確認ですが、あり方戦略本部で示された築地の土地を貸した場合の賃料収入百六十億円はどのように試算されたのか伺います。

○武市財務局長 市場のあり方戦略本部におきましてお示しした、築地市場用地を長期貸付する場合の賃料収入につきましては、まず、築地全体の面積から道路整備を想定した部分、環状二号線でございますとか、その他取りつけ道路、それを除いた上で、土地価格調査の中で試算した区割りごとの売却価格に対しまして、直近の都有地の貸付事例をもとに、事業用用地は三・六%、住宅用用地は二・七%を乗じた額をベースとしてございます。
 その上で、公共施設の設置など、一般的な貸付条件の制約を想定いたしまして、一〇%を減額し、年間百六十億円と試算してございます。

○おときた委員 このように財務局が試算した一つのパターンですけれども、既にこれは崩壊しています。
 例えば、この数値には、住宅用地が約六万平米あると仮定されていますが、中央区が住宅政策については方針転換を表明していますし、検討会議の中でも、住宅用地への用途は完全に否定されています。
 では、今現在、この土地を貸した際の百六十億円の賃料収入について、財務局は新たに具体化する検討は行っているんでしょうか、伺います。

○武市財務局長 築地の再開発につきましては、現在、築地再開発検討会議の中で、まちづくりの大きな視点から、さまざまな検討が行われておりますので、まずはこうした検討の推移を確認しております。

○おときた委員 財務局は、もう財源を検討していないんです。では、今、名前が上がった検討会議の中で、収益性や収益確保の具体的方法は議論されているんでしょうか、都市整備局に伺います。

○邊見東京都技監 築地再開発について、検討会議において、まちの魅力と、そして、付加価値をそれぞれ高めていく、こういう観点から、幅広い意見をいただいておるところでありまして、まちづくりについて、引き続き当会議の運営を着実に行ってまいります。

○おときた委員 収益の話に正面から答えられないんですよね。収益性の議論はされていないんです。実際、第四回までで、そういった具体的な議論はしていないことは、これは議事録を読めば誰にでもわかることです。
 じゃあ、念のため聞きますけど、土地を所有している中央卸売市場は、百六十億円の収益確保の方策を検討されていますか、伺います。

○村松中央卸売市場長 昨年の第四回都議会定例会でご答弁申し上げましたけれども、市場の財政収支につきまして、市場のあり方戦略本部等で試算いたしました前提条件をもとに、豊洲市場開場後、おおむね十年間の試算を改めて行いました。
 その結果、有償所管がえの場合は、平成四十二年度の正味運転資本は約一千百億円となり、その後、逓減していきます。
 一方、長期貸付の場合は、平成四十二年度の正味運転資本は約百九十億円となり、その後、資金収支が断続的にマイナスとなる時期を経て、正味運転資本は逓増していきますが、一定期間、資金収支のマイナスを補う財政上の方策が必要と想定されると試算しております。

○おときた委員 今、質問と全然かみ合ってなかったんですけれども、中央卸売市場は収益性の議論はされていないんですよ、収益性の議論は。だって、執行委任しているんですもの。
 一応、図にまとめました。今、中央卸売市場は会計予算を都市整備局にやって、百六十億円をどう稼ぐか、どう収益を生み出すかという話は議論されていない。もともと百六十億円という数字をたたいた財務局も、今はもう議論されていない。じゃあ、この都市整備局で何をやっているかというと、収益性の議論はしていないんです。
 これ、すごい状態ですよ。財源論、誰も責任持って議論していないんです。何ですか、これ、知事。基本方針発表から九カ月です。ここで知事に聞いたら、再開発検討会議でこれから議論する、検討する、そういうんだと思います。でも、財源論は検討の結果ではなくて、前提なんです。
 前提として--実際、第三回築地再開発検討会議の議事録を見ますと、委員の方々、次々にこんな発言をされています。
 前提として考えるべき枠をある程度与えていただくと、それに応じたいろいろなものが議論できる、都の姿勢として売却するかどうかってわかりませんけど、ここでどれだけの財源が投入できて財源が返ってくるのかという議論は、かなり重要な開発の大きな点になるんじゃないかと、このように前提条件や財源に対する懸念を述べています。
 これを受けて、座長は、商業施設か文化施設かというのは、都がまず決めてほしい。あるいは、どれくらいの財政的な措置をとるのか、民間に任せるのか、それを決めていただかなければ、なかなか詳細が詰めていけないというご意見もありましたとまとめています。
 これ、一回目の議事録じゃなくて、もう折り返しに差しかかる三回目の内容です。有識者会議は定められた枠組みの中で具体案を検討するのが役割ですから、委員の方々の懸念はもっともです。議論が具体化できないで、皆さん困っているんです。ましてや、財源を考えることなんてできませんし、彼らの役割ですらありません。
 ここでもう一つ、決定的な点を指摘しておきますけれども、百六十億円の収益を生み出す、これは見通しすら立っていないんですが、仮に百六十億円の収益性で長期貸付した場合にどうなるかという試算は既に出ていますよね。さっきの点もここで聞きたかったんです。
 売却よりも長期貸付が収益性において上回らなければ、市場会計が土地を持ち続ける意味は根本的にありません。この点、第四回の定例会で市場長が既に答弁されていて、先ほども答弁いただきましたので、ここは質問を省略します。
 先ほど決定的な答弁を市場長はしていました。皆さん、聞き逃したと思いますが、長期貸付では、資金収支のマイナスを補う財政上の方策が必要と想定と述べているんです。もう損することがわかっているわけですよ、長期貸付。仮に百六十億円の賃料が取れても、売却スキームより不利なんです、長期貸付。しかも、その百六十億円には根拠がなくて、収益性を上げるための議論すらされていない、することができない。もはや市場会計が土地を所有し続けるメリットは全くありません。
 知事、これはもう将棋の言葉でいえば、既に状況としては詰んでいます。知事が何をしなければならないか、もうおわかりのはずです。
 速やかに築地市場跡地を有償所管がえすることです。そうすれば、長期貸付による百六十億円の賃料という不可能な呪縛から解放されて、築地再開発検討会議の議論も活性化します。市場が使わない土地を持ち続けて損をする必要もなく、再開発検討予算は一般会計から支出することになりますから、予算の理屈としても一本筋が通るんです。
 知事、有償所管がえの決断を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。所見を伺います。

○小池知事 お答えいたします。かなり、委員とは認識の相違があるということを前提にお答えをさせていただきます。
 まず、築地市場の跡地、どうするのかということでありますけれども、市場会計の持続可能性を担保するために、まずは経済合理性を確保しながら、民間主導で再開発する方向で検討を進めている、それが基本的に検討会議のベースでございます。
 そして、市場会計を長期にわたって持続させていくには、そのためにはコストの削減であったり、収入確保などの経営の改善策を具体化する必要がございます。
 また、築地市場の跡地を長期貸付する場合、そして、一般会計に有償所管がえする場合、さまざまなケースを想定して精査することが必要であるわけでございます。
 そして、これにつきましては、市場会計が継続的に運営できる財政収支の観点から、今後とも多角的に検討してまいります。

○おときた委員 丁寧にご答弁いただいたんですけれども、ですから、その収益性の議論が行われていない留意点を指摘してきたんです。
 これは、知事は、もう豊洲市場が開場してから有償所管がえを、ほとぼりが冷めたらするつもりなんだと私は思っています。でも、それが最悪の選択肢なんですよ、最悪の。
 知事、ここまで攻めておいてなんですけど、私、知事の味方ですよ、本当に。最悪の選択肢を避けてほしいんです、都民のためにも、知事のためにも。
 これ、安全宣言もそうですけれども、豊洲市場の開場後まで先送りをして、それから有償所管がえをしたら、そこまで関係者も都民もまた振り回されて、失望して、人心が今以上に離れてしまいます。
 でも、ここで今はっきりと認めて方針転換をすれば、理解してくれる人は必ずあらわれます、たくさんあらわれます。ですから、市場関係者のために、都民のために、一刻も早い決断をされるべきであることを、ここで指摘をしておきます。
 時間がなくなりましたので、千客万来施設については一言だけご意見を(小池知事「答えは要らないの」と呼ぶ)答えは結構です。ありがとうございます。
 千客万来施設については、またこれも私がいうと逆効果な気がしますので、ご意見だけ申し上げます。
 予算特別委員会で、知事、大変お疲れのことと思います。小田原にとてもよい温泉があると聞いております。ぜひ折を見て小田原の方に、湯河原じゃないですけれども、温泉に行かれてはいかがかと、私はお勧めをしておきます。
 最後の項目に、駆け足で行きます。特別顧問についてお伺いいたします。
 三月九日、突然、知事が特別顧問を今月いっぱいで解任されることを発表されました。私もびっくりしました。知事は、顧問に多大に寄与していただいたなどと持ち上げておりましたけれども、それを額面どおりに受け取る方はおりません。明確に政治的な意図がある、事実上の更迭ではないかと私は感じています。
 そこでまず、総務局から特別顧問に三月いっぱいでの解任を伝えたタイミング、これはいつなんでしょうか。なるべく具体的な時間まで教えてください。

○多羅尾総務局長 三月九日の定例記者会見とほぼ同時に、会見内容を統括特別顧問等へ私から説明をさせていただきました。

○おときた委員 発表された記者会見と同時、同時ですよ、直前ですらないんです。私はこれ信じられません。この日はまだ特別顧問、いつものように打ち合わせなどが予定されていたとも聞いています。寝耳に水だったんじゃないでしょうか。それで、いきなり記者会見が行われていたわけです。これ、普通の人だったらどう感じられるでしょうか。
 知事にも聞いておきたいんですけれども、知事ご自身が、では、特別顧問にこの意思をお伝えしたのはいつになるんでしょうか、伺います。

○小池知事 記者会見でお伝えする、そのかなり前でございます。そして、またご相談という意味でお話をさせていただきました。

○おときた委員 今のは上山顧問のことだと思うんですが、では、他の顧問、十一人いらっしゃいます。この方々にも知事から直接、あるいはお電話などでお伝えされたんでしょうか。それも教えてください。

○小池知事 たくさんいらっしゃいます。そして、その皆様方には、私からのご連絡もさしあげた方もおれば、また、特別秘書の方からもお伝えをしたということでございます。

○おときた委員 たくさんいらっしゃいますって十一名じゃないですか。多大に寄与したという特別顧問に対して、余りにも非情な対応じゃないでしょうか。総務局長からいったのは記者会見と同時で、人間はボタン一つでリセットしたり、排除できるものじゃないんですよ、知事。そうされた人間がどう思うか、あるいはそれを周りで見ている人間がどう感じるのか、知事はそれをお考えになっているんでしょうか。
 幾ら都職員を中心に、新たな体制を構築しても、そういうリーダーに部下がついてくるのかどうか、私は非常に心配です。--総務局長、後で出番ありますから。
 自律改革が進むかどうかも大変私は不安であります。民間企業でも、普通は退職まで一カ月なり何なり引き継ぎの猶予があるものです。これほど急な展開で、特別顧問の業務引き継ぎは大丈夫なんでしょうか。総務局長に伺います。

○多羅尾総務局長 基本的な役割ということについてちょっと申し上げたいんですけれども、特別顧問というのは、それぞれに専門的知見や経験を有されておりまして、客観的な第三者の視点から、各自の識見に基づいて、随時助言、提言することをお願いしている職でございます。
 一方、改革の主体、イニシアチブを持つのは、知事を本部長とする都政改革本部のもと、都職員でございます。したがいまして、このタイミングというお話でございますけれども、適切なタイミングであったのではないかと、このように思っております。(おときた委員「引き継ぎは」と呼ぶ)ですから、随時助言、提言することをお願いする職でございますから、個々の職務の引き継ぎというものを想定している職ではございません。

○おときた委員 あれだけ莫大な資料をいろいろ要求されて所有して、あれだけの提言をした顧問が引き継ぎをしないなんていうことが、にわかには信じられません。あらゆる面から準備不足、場当たり的な対応で事が進行しているんじゃないかという懸念がますます拭えなくなりました。
 これまで指摘があったとおり、特別顧問たちにかかる費用は今回の予算案の中にしっかり計上されているんです。それを予算審議中に、提出した知事サイドが突然変えてしまう。これはちょっとおかしいんじゃないかと私は思います。
 こういう事例は一般的にあり得るのかどうか、財務局長、簡潔に教えてください。

○武市財務局長 予算案発表から議決をいただくまでの間に生じた事情変更につきましては、従前より、予算執行段階で不用額として管理を行ってございます。
 平成二十九年度予算で申し上げますと、二十九年二月二十二日に成立いたしました東京都議会議員の議員報酬等の特例に関する条例による議員報酬の減額につきましては、予算への反映は行っておりません。

○おときた委員 それは、そういう外部要因があるのはしようがないと思うんです。国の政策が変わったりとか、やむを得ない外的要因で変わったんじゃ、今回ないじゃないですか。
 今回は知事が自分で予算計上をされて、これで予算審議をお願いしますと都議会に提出しておいて、そうしたら、その後に知事が勝手に変えてしまったんですよ。これじゃ、明らかに予算審議をお願いした議会に対して軽視している、議会軽視の象徴なんじゃないかと私は思います。
 知事、もう時間がありませんから最後の質問になると思いますけど、このままだと、私、予算に、改革を応援したいんです、でも、この予算に軽々に賛成ができません。一旦、予算案は撤回をして、修正して再提出という形で手続をとるべきだと考えます。
 最後に知事の所見をお伺いいたします。

○小池知事 考えに相違がございますので同意できません。

○おときた委員 もうあと十秒になりましたけれども、このような予算案に軽々に賛成することはできず、今後も引き続き厳しく精査をしていくことを申し上げまして、私の質問を終わります。(拍手)

○両角委員長 おときた駿委員の発言は終わりました。
 以上をもちまして、付託議案に対する総括質疑は終了いたしました。

○両角委員長 次に、部局別質疑について申し上げます。
 部局別質疑は、本委員会設置要綱の定めるところにより、各常任委員会の調査をもってかえるものとなっておりますので、所定の手続を議長に申し入れます。ご了承願います。
 この際、各常任委員長に申し上げます。
 部局別質疑に関する調査報告書は、三月二十二日の午後五時までに提出されますよう、特段のご配慮をお願いいたします。
 なお、来る三月二十六日については、午後一時から委員会を本委員会室で開会し、締めくくり総括質疑を行っていただきます。
 また、三月二十七日に予定しております討論等の委員会運営につきましては、理事会にご一任願いたいと思います。ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後八時十二分散会

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