予算特別委員会速記録第四号

○両角委員長 細田いさむ委員の発言を許します。
   〔委員長退席、のがみ副委員長着席〕

○細田委員 私からは、まず、豊洲市場についてお尋ねいたします。
 市場の開場への取り組み状況についてです。
 豊洲市場への移転について、昨年の夏の臨時会都議会で成立いたしました補正予算に基づいて、豊洲市場の安全性をより確かなものにするための追加対策工事の入札が、新しい制度のもとで行われました。契約手続は不調が続いて、関係者や都民に、開場が予定されていました十月中旬までに間に合うのか不安の声も聞かれました。結果として、全九件の工事契約が十二月中には成約し、追加対策工事は年初より順調にスタートが切れました。
 その間、市場業界の精力的な取り組みによって、本年十月十一日が移転の開場日に決まり、ようやく豊洲市場への移転に向けて本格始動ができる体制が整ったわけであります。
 こうした中、我が党は引き続いて、豊洲市場の空気や地下水の調査を注視し、そして風評被害対策など、豊洲市場における食の安全・安心の確保に向けた取り組みを継続的に確認をしていきたい、このように考えています。
 そこで、豊洲市場移転、開場日が半年後に迫る中、都は、食の安全・安心を担保する追加対策工事を着実に進めるのと同時に、市場関係者と連携をして入念な移転準備に取り組み、にぎわいの施設の整備を含めて、豊洲市場の開場に向けて全力を傾けていくべきでありますけれども、現在の取り組み状況と今後の見通しについて、所見を伺います。

○村松中央卸売市場長 円滑な開場を実現するには、追加対策工事の着実な実施や、開場後の市場運営に係る課題の整理、にぎわいの場の整備等を関係者と調整しつつ進める必要がございます。このため、まず追加対策工事につきましては、契約締結後、受注者と調整し、詳細な工事工程を作成したところであり、この工程に基づきまして着実に工事を進めてまいります。
 また、開場後の市場運営を円滑に行うため、これまで街区別幹事会等において、施設管理等に関するさまざまなルールづくりや、豊洲市場の使い勝手の向上に向けた施設の改善などにつきまして、実務的な協議を積み重ねており、引き続きこうした場を活用し、業界との調整を進めてまいります。
 さらに、にぎわいの場の整備につきましては、都と事業者との間で締結した基本協定にのっとって事業が進捗しますよう、事業者に誠意を持って対応してまいります。

○細田委員 今、市場長より、開場後の市場運営にかかわります課題の整理を関係者と調整をして、そしてにぎわいの場の整備も事業者に誠意を持って対応を進める、この答弁に期待して、そして、今度は習熟訓練を踏まえた業界の声への対応についてお聞きします。
 開場に向けての取り組みをしっかりと着実に進めていただきたい。まず、これを求めるわけですが、移転に向けての準備は、業界団体においても徐々に本格化してきております。それぞれ習熟訓練も精力的に実施されていますが、こうした習熟訓練の結果を踏まえて、業界からはさまざまな意見が寄せられている、このように伺っています。私のもとにも、直接声は届いています。
 例えば、通勤や買い出しに来るお客さんのための駐車場を確保してほしいとか、地方から荷を積んできた大型のトラックがスムーズに荷おろしや着車をすることができるように、待機駐車場の施設を改善してほしい、このような意見も出されています。そして、このほかにも、ターレの充電設備の改善を求める声もあります。
 改めて申し上げるまでもなく、市場施設を活用し、その機能を十分発揮させるのは、市場で働く業者の方々であり、現場の声を生かして、円滑な開場を目指していくべきであります。
 そこで、習熟訓練の結果を受けて業界から寄せられた声に対して、都としてどのように真摯に取り組んでいくのか、見解を求めます。

○村松中央卸売市場長 開場後の豊洲市場の運営を円滑に行うためには、業界の意見を踏まえながら、施設の使い勝手の向上に取り組んでいく必要がございます。
 このため、都では、業界から寄せられた意見を受けとめた上で、今後の対応について検討を進めております。
 具体的には、駐車場の確保に向けた、市場周辺の土地所有者等との調整を進めるとともに、待機駐車場について、施設改善に係る技術的な課題の洗い出しや運用方法の検討等を行っております。また、ターレの充電については、充電コードを購入する方向で準備を進めているところでございます。
 こうした検討、調整を踏まえまして、今後、業界団体と意見交換を行いながら、具体的な対策を講じ、より使い勝手のよい豊洲市場を目指してまいります。

○細田委員 市場長、よろしくお願いしますね。今が大事なときで、よく声を聞いて、着実な実施をお願いいたします。
 さて、安心への施策の拡充についてをお尋ねします。
 豊洲市場のある東京臨海部は、首都東京を象徴する水彩都市であり、この清新な環境こそが本当の意味での豊洲ブランドであります。市場と隣接する風光明媚なふ頭の外周の部分は、私も質問、提案をしておりますが、我が党の主張を受けて、隣接の区立公園とあわせて、名称、ぐるり公園用に、今春より完全に地元区が管理をしていくということになりました。今までは、ところどころ歯抜けのように抜けていたんですが、この春からそのようにつながっていく。
 そして、豊洲市場の移転の延期の後には、不安をあおるような風評被害が広がりましたが、我が党は、この払拭を求めて、都民の安心を築くために、これまで一貫して安心の確立の施策を、市場見学会の実施、拡充、そして提案して、見える化の促進を進めてまいりました。市場見学会も、昨春より十四回を数えて、千六百人の方が訪れました。親子見学会も開かれ、児童からは、すごくきれいで清潔なところだとよくわかったとの声も聞こえています。
 そして、先日の、これは市場見学会という、親子見学会じゃありませんけれども、毎日新聞の二月によりますと、ある方が、土壌汚染に関してはかなり考えて対策されたという印象を受けた、築地市場も見学したことがあり老朽化を体感していたので、豊洲に移転した方が食の安全をより守れると思うと。小池知事は、思ったままを発言していただければと話されたというようなこともありました。
 この三月には、都民への一般開放のイベント、豊洲市場魅力発信プロジェクトも開かれる予定であって、探検しながら市場を学んだり、クイズ大会や小型の運搬車のターレの試乗など、子供連れの家族など多くの来場者が予想されています。私も、我が会派の仲間も、ぜひ視察させていただきたいと思っております。
 さて、四月以降のこの平成三十年度は、さらなる安心に向けて見える化を進めていかなければなりませんが、施策の拡充と今後の取り組みについて、知事の見解を求めます。

○小池知事 豊洲市場への円滑な移転の実現のためにも、豊洲市場の持つさまざまな魅力については広く発信をして、そして都民に理解していただくことは重要でございます。
 都はこれまで、市場見学会を毎月開催してまいりました。加えまして、屋上緑化広場の一日開放、そして市場施設を生かしたイベントを実施いたしまして、多くの方々に豊洲市場を体感していただいております。
 私も先日、目ききワークショップにおいて、市場関係者の方々が培ってきた目ききの力を実感いたしました。いろいろノウハウを教えていただいたところでございます。そのすばらしさを、参加者の皆様と共有できるようにしてまいりたいと考えております。
 これらの取り組みを通じまして、豊洲市場の開場に期待する声が、今も議員のお話からも受け取ることができました。来年度は、こうした成果を踏まえまして、市場用地を活用したイベントの開催、ぐるり公園も含めた見学ルートの充実などなど、さまざまな取り組みをさらに発展させてまいります。
 今後とも、多彩な魅力を広く発信するということで、新しい豊洲ブランドの確立へとつなげ、豊洲市場を日本の中核市場へと育ててまいりたい、このように考えます。

○細田委員 今の知事のご決意と行動を大いに期待しております。次年度は、移転できてよかったねと都民の皆様にいってもらうよう、決着をつけていく年であります。期待をしております。
 さて、続きまして、森林循環のことで、多摩産材の利用の拡大についてお尋ねします。
 皆様もよくご承知のとおり、木材には殺菌のパワーもあり、また木のにおいがリラックス効果があったり、森林の間はリラックスの空間であったり、また触れれば木の温かみがわかりますし、夏は涼しくて冬は暖かいという快適な空間は、コンクリートではできない、木材を使用してできていくものであります。空気や水と同じように、木がないと人間は生きてはいけないわけであります。
 さて、この森林循環の中で、潜在的に木材需要の大きい東京において、収穫期を迎えた多摩産材が大いに利活用されるべきときが訪れています。まさに東京において、この多摩産材の利用拡大を強力に推し進めていくべきと考えますが、知事の見解を求めます。

○小池知事 ご指摘のように、東京の森林は、木材の供給を初め、水源の涵養、災害の防止、二酸化炭素の吸収による地球温暖化の緩和などなど、世界有数の大都市である東京の活動と暮らしを支える、かけがえのない財産でございます。
 多摩の人工林の多くは、植林から五十年を経ておりまして、まさに今、収穫期とおっしゃいました、木材として利用可能な成熟した森林となっております。この森林を健全に維持していくためには、木材の大消費地であります、ここ東京のポテンシャルを生かして、公共、民間の双方から木材の利用拡大を図って、森林循環を促進していく必要がございます。
 このため、都といたしまして、率先をして都営住宅、美術館など、広く都の関連施設で多摩産材の利用を進めているところでございます。
 また、来年度からは、区市町村におけます木材利用推進方針の策定、公共施設への多摩産材の活用、これらを一体的に進めていく取り組みを開始いたします。
 さらに、多くの都民が訪れます民間の商業施設などでも、多摩産材の活用をPRいたしまして、住宅展示場に多摩産材のモデルハウスを設置するなど、新たな住宅需要の開拓を図ってまいるなど、民間利用を促進してまいります。
 そして、ご承知のように、ことしの十一月、全国育樹祭を開催いたします。それを契機といたしまして、公共、民間での多摩産材のさらなる利用拡大を図ってまいります。

○細田委員 木材利用推進方針に基づく支援について伺います。
 都内で法に基づく木材利用推進方針を樹立している区市町村はまだまだ少ない、こういうのが実情です。昨年の第四回定例会で、私は、江東区や港区などの自治体が、都の利用推進方針に基づき、区として独自の木材利用推進方針を定めて、公共施設の建築や改修において木材の使用に取り組んでいることを例に挙げ、推奨をいたしました。
 そして、都内で法に基づく木材利用推進方針を樹立している区市町村が少ない実態のもと、多摩産材の利用拡大の推進に向けて、自治体が木材利用推進方針を作成して、この多摩産材の消費を拡大するよう、区市町村に対して積極的に支援すべきと提案し、訴えました。
 これに対して、都は、区市町村における方針の策定と公共建築物への多摩産材の活用を一体的に進める具体的な支援策を検討するなどして、区市町村での多摩産材のさらなる利活用の拡大を図っていく等々、力強い答弁をされましたが、区市町村に木材利用推進方針の策定を促し、多摩産材のさらなる利用拡大を図っていくべきと考えますが、都の具体的な取り組みについてはいかがでしょうか。答弁を求めます。

○藤田産業労働局長 都は、区市町村の主体的かつ積極的な多摩産材の利用を促していくため、これまでも説明会等を通じまして、木材利用推進方針の策定を働きかけてきたところでございます。
 来年度からは、この方針を策定した区市町村による保育園や児童館等の公共施設の内装の木質化、木製什器の導入など、多摩産材活用のモデルとなる取り組みに対しまして、一千五百万円を上限とし、二分の一の補助を新たに開始いたします。
 こうした支援により、区市町村での多摩産材の継続的な利用拡大を図ってまいります。

○細田委員 いい答弁です。具体的な前進、確かな一歩だと思います。本年の予算は三千万円の予算となっていますから、一千五百万上限ということは、二つのケースを成功させていく、こういうことだと思いますが、これがさらに次年度以降もつながって発展していくことを望んで、次の質問に移ります。
 東京オリンピック・パラリンピックでの情報発信について伺います。
 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック大会における緊急時の対応について質問します。
 先日、内閣官房のオリ・パラ事務局の平田竹男事務局長の講演を伺いました。東京では、三十年以内に七〇%の確率で想定される首都直下地震等が危惧されております。
 オリ・パラ開催中の緊急時の災害などに対して、会場周辺、駅やターミナルの施設等、また、訪都外国人や障害者を含めた観客が安全に避難できるよう、万全の準備が必要であり、そのための施策を探求しているとのことでした。まさに、人々に避難場所等のほかさまざまな情報提供を適切に行っていくことが必要となるわけですけれども、都はどのように対応していくつもりなのか、このことについて説明を求めます。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 首都直下地震等の災害を想定し、避難場所や行動ルールなどの情報を、観客等に対しあらかじめ提供するとともに、発災時には、観客等が競技会場内外における安全な場所へ速やかに避難できるよう、被害状況を踏まえた的確な情報発信が重要であります。
 そのため、ホームページやSNSなどを活用した情報提供に加えまして、競技会場周辺において、警備員などによる多言語での案内誘導が適切に行えるよう、自動翻訳機能などICT技術の活用も検討しながら、大会準備を進めてまいります。
 これらの取り組みにより、災害時に観客等が安全に避難できるよう、組織委員会とともに連携して取り組んでまいります。

○細田委員 それでは、通信遮断時の情報提供についてということを伺いたいんですが、都は、我が党の求めに応じて、会場の周辺自治体とも連携して、適切な無料のWi-Fiの利用環境の整備を進めておりますが、観客等には、インターネットを通じたSNS等を活用し、避難場所等の情報発信を行っていく、このように理解しますけれども、万一、これらの通信手段が遮断、またはトラブルによって使用できなくなった場合には、想定外という言葉をなくすためにも、いかなる対応をしていくつもりなのか、所見を求めます。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 万が一、通信手段が遮断され、インターネットを通じた情報提供が困難となった場合におきましても、観客等に対する的確な避難誘導を継続的に行うことが求められます。
 そのため、会場の放送施設による多言語での適切な案内、警備員による無線を活用した避難誘導などに加え、必要に応じ、警察車両等を活用した現場広報と連携するなど、警察の支援も得ながら、避難場所等に関する正確な情報を観客等に提供できるよう、関係機関とともに取り組んでまいります。
 また、デジタルサイネージ等でテレビ映像の配信を行うなど、使用可能な広報媒体をできる限り活用し、最新の避難情報の提供に努めてまいります。

○細田委員 災害時に、停電やアクセスの集中により通信手段がうまく機能しなかったという過去があります。都を挙げて、関係局や区市町村と連携して、万全の体制で取り組んでいくんだと思いますけれども、通信手段が遮断されているときのために、さらに万一のさまざまな状況を想定した対応を準備しておくべきであります。
 競技会場や駅、空港、宿泊施設などで、災害情報の伝達や避難誘導は効果的に行われなければなりません。
 実は三月六日、参議院の総務委員会で総務大臣の所信表明というものがありました。ここでは、防災拠点へのWi-Fiの環境の整備や放送ネットワークの強靱化を進めるとともに、非常用通信手段の活用を推進しますと。また、二〇二〇年を目標に、空港、駅等のターミナル施設等における災害情報の多言語化、視覚化、一一九番通報や救急搬送の多言語化対応、競技会場におけるICTの利活用の促進などに取り組みますと、国は答弁をしております。
 そこで、私は、資料にお配りをさせていただいておりますオメガコードというものを導入すべきであるということを提案します。
 聞きなれない言葉だと思うんですが、オメガコードという画期的なコードで、通信をせずに、事前にアプリをスマートフォン等にダウンロードしておきますと、QRコードや音声コードと同じ正方形の二センチメートルほどの中のデジタル化された情報を、スマホ等で、アンドロイドとかアイフォンとかありますよね、あれで読み取って、視覚障害者には音声、聴覚障害者にはテロップを、映像とともに情報提供する多言語バリアフリー情報システムです。昨年に開発されて、長崎市の軍艦島の観光等に四カ国語、日本語と英語と中国語とハングル語で使われており、大好評のようであります。
 これは使用時に通信の必要がないんですね。ちょっと同じような二センチ角のこういう、見た目には普通のコードなんですけれども、このコードは、例えるならばDVDの円盤の素材で、スマホをプレーヤーとして再生します。音声は、ネーティブスピーカーと間違うような言葉で、多言語が対応可能な容量があります。Wi-Fiの整備維持よりはるかにローコストであります。
 昨日、我が党のまつば議員の質問の総務局長の答弁では、来年度に多言語の、女性の視点の「東京くらし防災」に取り組むとのことですので、総務局長、ぜひ多言語のオメガコードも、活用できるかどうかということも検討していただきたいなと思います。
 防災、観光、交通等その他の必要な情報に向けて、都は早期にオメガコードの導入の検討を開始するよう、私は強く要望して、次の質問に移ります。
 さて、次は、納税通知書の音声コードについて伺います。視覚障害に対応する情報バリアフリー、納税通知書の音声コードの対応について質問いたします。
 現在、平昌で開催されているパラリンピックでは、障害のあるアスリートたちが限界に挑み、活躍しています。パラリンピックは、誰もが個性や能力を発揮し、活躍できる場であり、障害のある人もない人も互いに尊重し、支え合う、共生社会実現の契機ともなる大会であります。
 真の共生社会を実現するためには、行政においても、障害者が直面する社会的障壁を可能な限り減らしていく取り組みが必要であります。
 視覚障害者の情報バリアフリーのためには、音声コードがありまして、私も江東区議会で、九年前にこの普及を訴えました。
 さて、都では、都議会公明党の提案を受けてできた、三月一日から配布されている、先ほどもいいました「東京くらし防災」には、全ページに音声コードがついています。このように、視覚障害者に対して行政情報を確実に提供する観点から、納税通知書の情報を音声で案内することは重要な取り組みであります。
 都議会公明党は、昨年の第四回定例会においても、約六百万通に上る固定資産税、自動車税、個人事業税の納税通知書全てに音声コードを添付するよう質疑し、提案をさせていただきました。
 そこで、都税の納税通知書への音声コード添付に向けた具体的な実施内容や導入時期など、今後の取り組み状況について伺います。

○目黒主税局長 視覚障害をお持ちの方が納税通知書の内容を正確に把握し、理解する上で、音声による情報提供は大変重要でございます。
 このため、都は来年度から、納税通知書の音声コード対応を新たに実施いたします。
 具体的には、全ての納税通知書の封筒に音声コードを添付し、納税通知書の内容を音声で取得できる旨を、まずご案内いたします。その上で、希望者には、税額、納期はもとより、納付方法、減免の適用等、納税通知書に記載されております重要な情報を音声コード化した文書を、個別に送付いたします。
 開始時期は、平成三十年八月の個人事業税の定期課税からの実施を予定しており、平成三十一年度には、固定資産税、自動車税の納税通知書にも拡大をしてまいります。
 今後とも、納税者の情報アクセシビリティーの向上に一層努め、税に対する理解と信頼の確保につなげてまいります。

○細田委員 よろしくお願いいたします。
 さて、次に、高齢者の肺炎予防について伺います。
 高齢者用肺炎球菌ワクチンの接種のことなんですが、平成二十五年の国の予防接種基本部会の資料によりますと、肺炎は第三位の死因になっています。六十五歳以上の方に特に多くなります。肺炎の予防に積極的に取り組んでいく必要があります。特に高齢者において高い死亡率となっており、肺炎のうちの四分の一から三分の一は、肺炎球菌が原因による感染症であります。
 そして、これについては予防接種で予防することができます。今、定期接種となっていて、一生に一回、二分の一の助成が受けられます。
 今、お手元に資料を配っております。国によりますと、厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会というんですが、ワクチン評価に関する小委員会の報告書というものが、くしくも平成二十三年の三・一一の日に出されております。
 そして、このときは死亡率第四位というふうになっておりましたが、今は三位なんですけれども、(3)のところの、医療経済的な評価についてのところなんですが、ワクチン接種による費用よりも、ワクチン接種によって削減が見込まれる肺炎球菌性肺炎関連の医療費が上回る、一例として、毎年六十五歳の方全員へのワクチン接種を行い、ワクチン接種の効果が五年間持続するとした場合、一年当たり約五千百十五億円の保険医療費が削減される、このような効果が推計されているんですね。
 これ、一年当たり五千百十五億円って、六十五歳のその単年次の方で、じゃあ都にはどのぐらいの人口がいますかというと、都は、平成二十一年度は百七十四万七千人でした。この五千百十五億円を百七十四万七千人で割って、そしてこの約十五万人を掛けますと、四百三十六億円を上回る医療費の削減効果がある。そして、高齢者が健康で長生きできる、このような国の一つの医学的な知見が示されているわけであります。
 そして、現在は三割ぐらいしか接種されていないんですけれども、この高齢者の肺炎球菌ワクチンの接種を進めていくべきと考えるんですが、東京都の見解、これをお尋ねします。

○梶原福祉保健局長 お話のように、肺炎による高齢者の死亡率は高く、肺炎のうち四分の一から三分の一は肺炎球菌が原因となっております。
 国は、予防接種法で、個人の発病またはその重症化を防ぐとともに、蔓延を防止するため、予防接種を行う必要がある疾病の一つに、高齢者の肺炎球菌感染症を定めており、平成二十六年十月から、六十五歳の方などを対象として定期接種が行われております。
 予防接種は、感染症の予防や症状を軽度に抑える上で効果的な対策の一つであり、高齢者の方に正しい情報を伝え、肺炎球菌ワクチン接種を進めることが重要であると認識をしております。

○細田委員 都も私と同じ認識だと、そういうふうに理解します。
 定期接種に位置づけられた高齢者の肺炎球菌ワクチンですけれども、今の実態、直近の二十八年度だと三一・七%という、こういうような接種率であります。
 そして、二十六年度から定期接種化されているんですが、平成三十年度でこの五年間の措置が終わるんですね。二十六年度は、六十五歳から百歳までの五歳刻みの方が接種して、そして百歳以上の方も接種しました。そして、その後五年間かけて、新たにその六十五歳になる人、七十歳になる人と、五歳刻みの方々がみんな接種して、接種は全員が、六十五歳以上終わるよね、終わっていますよねという、理論的にそれが本年度で終わると、こういうようなことになっています。
 生涯に一回の定期接種のチャンスがあったんですが、この制度が複雑なこともあって、対象者が、いつ自分が接種の対象なのかわからないうちにチャンスを逃がしている、これも大変多いのが、三〇%ぐらいという接種率にもつながっているんじゃないか、このように思われます。住民への周知や啓発を進める必要も、これからあります。
 そして、先進的な自治体であります千代田区や品川区などでは、独自に接種対象者を広げて、いわゆる打ち漏れている人を、さらに接種を実施して区民福祉に寄与していて、国では、肺炎球菌ワクチンの接種対象者についてさらなる検討が次年度に行われていく、こんな状況に今、なっているわけであります。
 こうした動向を踏まえ、有効性の高い肺炎球菌ワクチンの接種を進めるために、都民には、最新の情報を提供していくべきと考えますが、見解を伺います。

○梶原福祉保健局長 定期予防接種につきましては、実施主体である区市町村が住民に対し、さまざまな媒体を通じて、制度の周知や啓発を行っております。
 都は、ホームページで予防接種の制度や区市町村の担当窓口一覧、定期予防接種の種類などを紹介しており、その中で、高齢者の肺炎球菌ワクチンに関する情報提供も行っております。
 現在、国は、高齢者の肺炎球菌ワクチンについて、平成二十六年度からの接種状況などを踏まえ、平成三十一年度以降の定期接種の対象者等の検討を行っており、都は、こうした国の動向を踏まえながら、都民に対して最新の情報を提供してまいります。

○細田委員 わかりました。最新の動向を踏まえて、高齢者のワクチンの対象者に状況を知ってもらうように努めていただけるということで、前提として、健康寿命の延伸、何よりであります。
 そして、医療費の削減にも資することから、独自の取り組みを行う区市町村を、今後、支援していっていただきたい、そのように都に要望したいと思います。
 定期接種になったので、二十六年の十月以降は国費でありますけど、九月以前は市区町村の任意接種で、四十四以上の自治体で、この任意接種、行われていた、このように理解をしております。
 そして、今それがないんですね、現在はしていない。平成三十一年度以降の定期接種は、また六十五歳だけという単年次になるので、今申し上げたように、七割近い方々が、接種漏れの方がいることになります。
 また、さっき申し上げたように、再接種に取り組む自治体などを対象に、任意接種と同等の包括補助事業--今ないですよ、このワクチンに関しては--補助事業を都内の区市町村に実施すべきであって、早期に事務事業として予算化すべきであります。このことを強く要望して、次の質問に移ります。
 都立公園について伺います。
 木場公園の民活の飲食施設についてです。先ほども、うすい委員、二名の方から出ていますので、トリプルになってしまうかもしれないんですが、木場公園、江東区なのでやらせていただきます。
 ちょうど一年前の昨年三月十五日に、駒沢オリンピック公園内に、都立公園では公募事業者による初めての飲食施設が設置され、オープンいたしました。
 売り上げの一部が都立公園の魅力アップに活用されるなど、あくまで公園施設という考えのもと、民間活力を活用したおしゃれなレストランであります。ランチタイムには行列のできるほどの人気でにぎわう大好評な施設となっており、大地震の際には帰宅困難者支援の施設となり、地域の方も喜ぶ、女性や子供に優しいレストランとして、我が党の要望も大いに受け入れられたわけであります。
 そして、先ごろ、上野公園、駒沢公園に次いで三番目となる飲食施設が、地元江東区の都立木場公園に設置されることが公表されました。
 今回決まった木場公園は、北側には都立現代美術館があり、深川江戸資料館や書店、絵画ギャラリー、カフェなど、深川の文化が活況を呈しており、南側のすぐ近くには東京メトロ木場駅がある好立地です。そして、木場公園で毎年行われる江東区民まつりでは、二日間に四十万人ほどの人が集まります。
 設置予定箇所を改めて確認してきましたが、都立木場公園の飲食施設についても、これまでと同様に、利用者を含めて多くの都民に喜んでいただける価値的な施設に必ずしていただきたい。そして、次の都立公園にもつながらなければなりません。
 喜ばしく、大変に待ち望んでいたことでありますが、選定対象に多くの都立公園がある中、どういう経緯で木場公園に決まったのでしょうか、お伺いをいたします。

○西倉建設局長 都立公園におきまして、民間を活用いたしました飲食施設を導入するに当たりましては、公園の本来機能を確保いたしますとともに、民間の事業採算性が見込める公園を選定することが重要でございます。
 そのため、公園の選定に当たりましては、公園の規模や立地、来園者数など、あらかじめ定めました要件などにつきまして、学識経験者の意見も聞きながら、対象となる公園を抽出いたしまして、民間事業者にヒアリングをいたしました。
 その結果、木場公園は、民間の参入意欲も高く、委員お話しのように、地域の特色ある歴史や文化などを生かした提案も期待できますことから、事業の実施公園として選定いたしました。

○細田委員 わかりました。
 来年度に、民間を活用したこの飲食施設の導入に向けた事業者の公募を行う、このように聞いていますが、こうした取り組みにおいては、地域の、地元の意見もよく聞きながら、都民に大いに喜んでいただけるよう進めるべきと考えますが、都の所見をお聞きします。

○西倉建設局長 都立公園の魅力や価値を高めるために、民間事業者の柔軟なアイデアやノウハウを活用いたしますことは、効果的な取り組みでございます。
 来年度、事業者公募を予定しております木場公園では、飲食店を中心に、周辺の広場の一部も活用いたしまして、誰もが居心地よく過ごすことができ、多様な人々を引きつける場を創出いたします。こうした取り組みによりまして、公園における過ごし方や使い方の幅が一層広がることが期待されます。
 今後、事業を進めるに当たりましては、既に設置されております連絡協議会を活用するなど、地域住民やボランティア等の意見も聞きまして、理解と協力を得ながら、木場公園のさらなる魅力向上に取り組んでまいります。

○細田委員 続きまして、舟運関係について伺います。
 東日本大震災を受けて、我が党は、防災・減災ニューディール政策を掲げて、点検、耐震化、改修の促進等に取り組んで、この政策を推し進めてまいりました。
 東京都では、今後発生が予想される大地震や津波等に対して、東京をより安全で安心な都市とするため、平成二十四年十二月に、東部低地帯の河川施設整備計画を策定いたしました。
 計画の対象となる堤防八十六キロメートルのうち、防潮堤約四十キロメートルと水門や排水機場など全二十二施設を平成三十一年度までに、また、水門より内側の護岸約四十六キロメートルを三十三年度までに対策するとしております。
 私の地元の江東区にも、計画の対象となる多くの河川が流れております。特に小名木川、これは昔は塩の道といって、江戸に塩を運んだんですけれども、この小名木川は、新小名木川水門などの重要な施設があることから、首都直下地震の切迫性を踏まえれば、耐震、耐水対策を着実に進めていくことが重要であります。
 そこで、小名木川における耐震、耐水対策のこれまでの進捗状況と今後の取り組みについて伺います。

○西倉建設局長 都は、平成二十四年の計画策定後、東部低地帯を津波等から守ります水門や護岸などの耐震、耐水対策に速やかに着手いたしました。
 小名木川では、これまでに新小名木川水門及び扇橋閘門の二施設と、計画の対象となります護岸約二・七キロメートルのうち約一・一キロメートルの区間で工事を進めております。このうち、約七百メートルの区間につきまして、今年度末までに完了する見込みでございます。
 平成三十年度は、引き続き新小名木川水門などの施設と護岸の工事を進めますとともに、新たに、西深川橋から東深川橋間で、約五百メートルの護岸につきまして耐震工事に着手いたします。
 今後とも耐震、耐水対策の完了に向けまして、着実に事業を推進してまいります。

○細田委員 さて、今後、この整備工事を予定している区間は、多くの不法係留船があります。このような不法係留船は、治水、船舶航行の支障、環境、景観への悪影響を及ぼします。河川整備の支障ともなっています。整備工事を着実に進めるためにも、この不法係留船対策が重要であります。
 そこで、この不法係留船対策に対する取り組みについて伺いまして、私の質問を終わります。

○西倉建設局長 都は、東京都船舶の係留保管の適正化に関する条例に基づきまして、不法係留船の所有者に対する指導警告を行いながら、あわせまして、受け皿となります係留保管施設を整備することによりまして、適正化を進めております。
 小名木川におきましては、平成三十年度以降に工事を予定している区間に、現在、三十隻を超える不法係留船があり、江東区と連携いたしまして、船舶の自主撤去や廃棄処分などを指導しております。
 また、再三にわたる指導に従わない場合に備え、平成三十年三月一日に、小名木川を、条例に基づき強制移動が可能な重点適正化区域に指定いたしました。
 引き続き、不法係留船の所有者に対しまして、都の係留保管施設への移動を促すなど、工事の円滑な施行も見据えつつ、適正化を推進してまいります。

○のがみ副委員長 細田いさむ委員の発言は終わりました。(拍手)
 この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。
   午後五時五十八分休憩

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