予算特別委員会速記録第四号

○木村副委員長 うすい浩一委員の発言を許します。
   〔木村副委員長退席、のがみ副委員長着席〕

○うすい委員 公明党のうすい浩一でございます。どうぞよろしくお願いします。
 初めに認知症対策について伺います。
 高齢化の進展に伴いまして、今後も認知症高齢者の増加が見込まれます。二〇二五年には、都内で何らかの認知症の症状を抱える高齢者の数は、約五十六万人に達するといわれております。認知症の症状には、中核症状と行動心理症状があり、妄想や、怒りやすくなり、介護を拒否するなど、行動心理症状は本人の生活の質に影響を与えるほか、家族など介護者にとって大きな負担となり、在宅生活を続けられなくなるケースも多いと聞くところでございます。
 私はこれまで、昨年の九月の第三回定例会の一般質問でも、この行動心理症状に対応できるような人材育成が必要だと訴えてきました。
 都は、モデル事業として行動心理症状に適切に対応できる支援手法の開発を進めてきたとのことですが、その具体的内容についてお伺いをします。

○梶原福祉保健局長 お話のありましたモデル事業では、介護拒否や暴言など、認知症の行動心理症状の改善に実績のございますスウェーデンのケアプログラムをもとに、東京都医学総合研究所が開発した日本版プログラムについて、三つの区市の介護事業所で効果を検証いたしました。
 具体的には、利用者の症状等をプログラムに沿ってシステムに入力をし、数値化したデータをもとに、症状の背景にある利用者のニーズやケアの視点を職員間で共有をして、その人に合ったケアを実施することといたしました。
 その結果、例えば、デイサービス中に不安が強く外出を求める方に対しては、ゆっくり話す、静かな環境で過ごせるよう配慮するなど、職員間でケアの方法を統一したところ、二カ月後には症状が落ちつくなど、多くの事例で症状の改善や出現頻度の減少等の成果が得られております。

○うすい委員 今答弁いただいたケアプログラムでございますが、このモデル事業では、私の地元である足立区の居宅介護支援事業者も参加をしておりまして、事業所のケアマネジャーから、行動心理症状の改善に非常に効果があったという話を聞いております。この取り組みは非常に期待できます。
 来年度に向け、都は新たな取り組みを開始するとのことですが、取り組み内容と今後の目標について伺います。

○梶原福祉保健局長 モデル事業で開発をいたしましたケアプログラムの普及に向けまして、来年度から、ケアプログラムに参加する事業所の募集や、現場で推進役を担うアドミニストレーターの養成などに取り組む区市町村への支援を開始いたします。
 対象事業所につきましても、デイサービス等の在宅の介護サービス事業所に加え、特別養護老人ホームなど、全ての介護サービス事業所に拡大をいたします。
 また、東京都医学総合研究所と協働し、アドミニストレーター養成研修の講師の養成や、事業実施における区市町村への技術的な助言等を行い、二〇二五年度までに都内全域へのケアプログラムの普及を目指してまいります。

○うすい委員 人材を育成することによって、ぜひ多くの区市町村、そしてまた事業所で取り組み、行動心理症状で困っている都民やその家族が、よりよい生活を送れるようにしてもらいたいと思います。
 都は、区市町村、事業所の参加を促すような支援を行うべきと考えますが、所見を伺います。

○梶原福祉保健局長 このプログラムに、できるだけ多くの区市町村や事業所に取り組んでいただけるよう、来年度は、ケアプログラムの実施方法や効果を紹介する区市町村説明会や、モデル事業に参加した事業所の事例報告会などを開催するほか、具体的な取り組み方法等をわかりやすく紹介したリーフレットを作成いたします。
 また、広く都民の方にこのプログラムの意義を理解していただけるよう、区市町村が行う住民向けの普及啓発を支援いたしますとともに、認知症のポータルサイト、とうきょう認知症ナビに、実施事業所や取り組み事例等を紹介する専用のページを開設し、広く情報発信してまいります。

○うすい委員 認知症ナビに、ケアプログラム専用のページを設けていただき、好事例を紹介していただくということでございます。しっかりと取り組みをお願いしたいと思います。
 また、このケアプログラムに参加する区市町村や事業所はもとより、実際に取り組む介護職員に対しても、モチベーションが上がるような仕掛けを考えるべきと思います。
 本日、パネルにしてまいりましたが、例えば、研修を受けた事業所であれば、これは職業紹介の優良な事業者の認定マークでございますが、このような研修を受けた事業所を認定するマークを作成して、例えば、仮称BPSD改善促進事業所と認定をしてマークを提供することも有効だと思います。また、研修を受けられた個人であれば、これはソムリエのバッジでございますが、ソムリエは、なぜこのワインが香りがよくおいしいか、理論的な裏づけをもとに言葉にして説明できる人でございます。個人の方が、この研修を受ければ、認知症の方に対して、理論的にきちんと対応できる人になるわけでございまして、例えば、仮称BPSDエキスパートなんていうバッジを差し上げるとか、ぜひモチベーションが上がる取り組みをお願いしたいと思います。
 こうしたことで、事業所として、また個人としてケアプログラムの研修を受けて、自信と誇りを持って取り組める後押しになると思いますので、ぜひともよろしくお願いをしたいと思います。
 二〇二五年には、認知症高齢者が全国で約七百万人になるといわれております。認知症の症状を十分理解してケアできる介護職は、今でも圧倒的に足りておりません。
 今回の取り組みは全国のモデルとなる先駆的なものであり、ぜひともこの東京モデルを、まずこの東京から日本全国に広めていくべきと考えますが、知事の所見を伺います。

○小池知事 うすい浩一委員、ソムリエでいらっしゃるんですか。--違う、失礼いたしました。ご質問にお答えいたします。
 認知症の症状の中でも、介護拒否、そして抑鬱などの行動であるとか、心理症状というのは、介護する家族やスタッフにとって大変大きな負担となるものでございます。
 東京都医学総合研究所が開発いたしました認知症の方とその家族を支援するケアプログラムでございますけれども、こうした認知症の症状を見える化したものでございます。そして一人一人に合ったケアを共有することによって、行動心理症状を改善できるという、日本で初めての取り組みとなっております。
 来年度からは、区市町村と連携いたしまして、都内に普及を図ることといたしております。
 今後、ICTを活用した日本版BPSDケアプログラムとして広く全国に普及させていきたいと考えております。さまざま工夫をしてまいります。

○うすい委員 ありがとうございました。知事の前向きで力強い答弁をいただきました。ぜひすばらしい東京モデルを構築して、全国に発信をしていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に、防災対策について伺います。
 初めに、特定整備路線について質問いたします。
 首都直下型地震の発生が危惧される中で、震災時に特に甚大な被害が想定される木造住宅密集地域の防災性向上は喫緊の課題でございます。
 これまで都は、震災時に特に甚大な被害が想定される木造住宅密集地域を、燃え広がらない、燃えないまちにするため、平成二十四年一月に木密地域不燃化十年プロジェクトを立ち上げ、市街地火災の延焼を防ぐなど、極めて重要な都市計画道路である特定整備路線全二十八区間、約二十五キロの整備を推進しているところであります。
 私の地元である足立区内では、補助第一三六号線扇-梅田区間など三区間が特定整備路線に選定をされ、事業が進められております。事業を進めるためには、用地の確保とともに着実な工事の実施が必要でございます。
 そこで、足立区内の特定整備路線の進捗状況と今後の予定についてお伺いします。

○西倉建設局長 特定整備路線は、市街地の延焼を遮断いたしまして、避難路や緊急車両の通行路となるなど、地域の防災性を向上させます重要な都市計画道路でございます。
 足立区内における特定整備路線三区間の進捗状況と今後の予定でございますが、補助第一三六号線扇-梅田区間では、昨年十二月末現在、九割を超える用地を取得いたしまして、既に街路築造工事などを実施しております。
 補助第一三六号線足立区間及び補助第一三八号線興野区間では、昨年十二月末現在、それぞれ約四割、約六割の用地を取得しておりまして、新たに来年度から両区間で排水管設置工事に着手することとしております。
 今後とも、地元の理解と協力を得ながら、着実に整備を進めまして、地域の防災性向上を図ってまいります。

○うすい委員 足立区内の特定整備路線の進捗状況と今後の予定については理解しました。新たに来年度から両区間で工事に着手するということでございまして、大いに期待するところでございます。引き続き特定整備路線の整備を着実に推進をしていただくことを要望いたします。
 次に、延焼遮断帯に囲まれた市街地には狭隘な道路が多くあり、建物や電柱の倒壊が通行の障害となって救援活動ができなくなることが予想されます。
 足立区でも、そのような市街地が多く広がり、震災が発生した際に被害が拡大することを危惧しております。
 そのため、木密地域の狭隘な道路を、防災生活道路として整備する機会を捉え、無電柱化を進めていくことが必要と考えますが、見解を伺います。

○邊見東京都技監 木密地域では、地域の改善と不燃化を一層促進するため、狭隘道路を事業として拡幅する防災生活道路の整備を平成二十八年度から開始しておりまして、お話のように、この機会を捉えて無電柱化を実施していくことが、効率的、効果的でございます。
 このため、都は、今年度、木密地域を抱える全ての区とともに、無電柱化に向けた勉強会を開催し、地上機器の設置場所や地下埋設物の配置調整など、具体的な課題の解決に取り組んでございます。
 来年度は、防災生活道路の事業規模をさらに拡大し、防災生活道路を軸とした木密地域の無電柱化に積極的に取り組んでまいります。

○うすい委員 都が中心となって木密地域がある全ての区と勉強会を行っているとの答弁がございました。各区も本腰を入れて無電柱化に取り組んでいると思います。さらなる推進を期待するところでございます。よろしくお願いいたします。
 次に、都は本年二月に、地震に関する危険性を評価した地域危険度を発表したところでございます。依然として危険度が高どまりしている地域も見受けられます。
 都はこれまでも、防災都市づくり推進計画に基づき不燃化に取り組み、木密地域の改善が進められてきたところでございますが、いつ発生してもおかしくない首都直下型地震から都民の生命と財産を守るため、さらなる加速が必要と考えます。
 木密地域の不燃化を加速するためには、木密地域の権利者や借家人等の移転先の確保が重要でございます。その受け皿づくりのため、民間の力を生かし、魅力的な計画とすることが必要と考えますが、見解を伺います。

○邊見東京都技監 権利者などの移転を促すためには、近隣の都有地に、お話のように民間事業者を活用して、魅力ある移転先を整備することが効果的でございます。
 権利者などのニーズや地域特性に応じた受け皿づくりを新たに進めるために、先行して事業化を予定する地区で、来年度早期に民間事業者へのヒアリングなどを行って、柔軟なアイデアやノウハウを取り入れながら、実施方針を取りまとめてまいります。これに基づき、来年度内には、具体的な事業者募集を開始いたします。
 また、借家人などには、都営住宅へのあっせんなどのほか、今年度からは、不燃化特区において引っ越し費用の支援を行うなど、円滑な移転を促してまいります。
 燃えない、燃え広がらないまちの実現に向け、今後も工夫を加え、不燃化を強力に推進してまいります。

○うすい委員 魅力ある住宅を整備することが効果的ということで、民間事業者へのヒアリングなどを行い、柔軟なアイデアやノウハウを取り入れていくという前向きな答弁をいただきました。さらなる推進をお願いいたします。
 また、空き家問題については、新聞などマスコミで毎日のように取り上げられ、また、民間の調査機関の推計では、全国ベースで、二〇一三年、平成二十五年の空き家率一三・五%が、二〇三三年には約三〇%に上昇すると予測されており、見過ごせない問題となってきております。
 地元足立区でも空き家がふえてきていると感じており、木密地域では、まちの防災上も不安であるとの声を耳にすることが多いわけでございます。
 今後、ますます増加が見込まれる空き家への対策の中で、とりわけ木密地域においては、老朽空き家の除去を進めることが重要です。
 都はこれまで、区市町村と連携しながら、空き家対策を進めておりますが、木密対策を進めるといった視点でも、さらに取り組みを強化すべきと考えますが、見解を伺います。

○邊見東京都技監 都はこれまで、木密地域の不燃化対策として、不燃化特区において老朽建築物の除却や建てかえなどを進める区に対して、支援を行ってまいりました。
 加えて、不燃化特区以外でも、空き家対策の一環として、跡地をポケットパークなど公的に利用する場合、区市町村に対し、空き家の除却について支援を行ってございます。
 さらに、来年度からは、木密地域であれば不燃化特区以外でも、跡地の利用目的にかかわらず、無接道の老朽空き家を新たに除却の補助対象といたします。
 今後とも、区市町村と連携しながら、木密地域における空き家対策を一層推進してまいります。

○うすい委員 来年度から不燃化特区以外の木密地域において、跡地の利用目的にかかわらず、無接道の老朽空き家を新たに除去の補助対象にするという前向きな答弁をいただきました。一層の推進をよろしくお願いをいたします。
 次の質問に移ります。
 エネルギーに関する官民連携ファンドについて質問をいたします。
 我が党はかねてより、被災地支援や再生可能エネルギー普及等の観点から、民間の資金やノウハウを活用する官民連携インフラファンド及び官民連携再生可能エネルギーファンドの二つのファンドについて取り上げてきたところでございます。
 まず、官民連携インフラファンドについてでありますが、平成二十三年三月に発生した東日本大震災による電力供給不足という課題へ対応するために、平成二十四年度に都が選定した民間の事業者二者により組成されたものでございます。
 このたび、二者の事業者のうち、スパークス・アセット・マネジメント株式会社が運営するファンドについて、平成三十年一月末をもって存続期間が満了しましたが、その投融資実績、特に被災地での実績について成果を伺います。

○土渕会計管理局長 官民連携ファンドは、政策目的を促進するため、行政と民間の連携による新たな政策手法としてパイロット的に実施しているものでございます。
 本年一月末をもって存続期間が満了した官民連携インフラファンドからは、これまで十二件、約十万キロワットの発電施設へ投融資を実施いたしました。これは約三万四千世帯分の電力使用量に相当いたします。
 そのうち、東北地方の被災三県におきましては、福島県及び宮城県のメガソーラー二件に投融資を実施いたしました。

○うすい委員 このファンドが、その組成以来、発電施設の整備を通じて、電力供給の安定化に貢献しただけではなく、東日本大震災の被災地において、税収の増加など、その復興にも貢献してきたことと思います。
 そこで、投融資実績だけではなく、このファンドに対する都の出資金について、その回収実績を伺います。

○土渕会計管理局長 都は、平成二十四年度に、本ファンドに対して十五億円を出資しました。
 これまで、発電施設の売電収入を原資にしたファンドからの分配金によりまして、都の出資金の回収は着実に進んでおり、平成二十八年度末時点では約三億七千万円を回収済みでございます。
 本ファンドは、本年一月末をもって存続期間が満了しており、本年三月末に予定されているファンドから都への最後の分配金をもって、都の出資金十五億円を全額回収する見込みでございます。

○うすい委員 都からファンドへの出資金十五億円については、投資によるリスクがある中で、その全額を回収する見込みとのことでございます。官民連携インフラファンドによって、都が財政負担を負うことなく、民間の資金やノウハウを活用して発電施設の整備が進められてきたことは高く評価したいと思います。
 次に、もう一つのファンドである官民連携再生可能エネルギーファンドについてでございます。
 このファンドは、再生可能エネルギーの普及のため、平成二十六年度に組成されたものでございます。我が党としては、このファンドにおいても、東日本大震災からの復興に向けて、被災地において事業を推進すべきと考えますが、都の見解を伺います。

○土渕会計管理局長 都は、平成二十六年度に、本ファンドに対して十二億円を出資しました。
 これまで十一件、約十四万キロワットの発電施設へ投融資を実施しており、これは約七万八千世帯分の電力使用量に相当いたします。
 そのうち被災三県におきましては、福島県南相馬市のメガソーラー一件に投融資を実施いたしました。
 今後も、東日本大震災からの復興を含め、地域経済の活性化などにつなげるためにも、被災地における取り組みを拡大することが望ましいと認識しております。
 ファンド運営事業者と定期的に意見交換しており、今後、具体的な候補地が選定されるものと考えております。

○うすい委員 東日本大震災から七年が経過したところでございますが、今後も引き続き、被災地における取り組みをぜひ進めていただくことを要望させていただきます。
 次の質問に移ります。
 昨年五月に東京都公園審議会から、都立公園の多面的な活用の推進方策についての答申がなされ、民間活力を可能な限り発揮させていくということの必要性が示されたところでございます。
 都においては、これまでも公園に民間活力を導入する取り組みを進めていると思いますが、都立公園の魅力向上のために導入した民間を活用したレストラン、カフェについて、これまでの取り組みと成果について伺います。

○西倉建設局長 都はこれまで、公園ごとの個性や特性を踏まえまして、上野恩賜公園や駒沢オリンピック公園におきまして、民間を活用いたしましたカフェやレストランを導入してまいりました。
 上野恩賜公園のカフェでは、園内の博物館や美術館の来館者を初め、公園を訪れた多くの方々が気軽に立ち寄り、緑豊かな公園の開放的な雰囲気の中でリラックスしながら自由な時間を過ごしております。
 また、駒沢オリンピック公園のレストランでは、利用者のニーズに合わせまして、モーニングからディナーまで、時間帯別の飲食メニューが提供されているほか、レストラン事業者が施設内で地元産の野菜を販売いたしますファーマーズマーケットやヨガ教室を開催するなど、公園の新たなにぎわいが創出されました。

○うすい委員 都立木場公園でも、来年度、民間の飲食店事業者を公募すると聞いております。
 駒沢オリンピック公園のレストランでは、地元の農家や園芸高校と連携したイベントなどの取り組みを行っているとも聞いております。
 例えば、足立区の舎人公園には、三十年度にバードサンクチュアリー、そしてまた三十一年度にフィールドアスレチックが完成する予定でございます。また、日暮里・舎人ライナーの沿線上にあることもあり、集客的には好条件であります。そして、隣接する北足立市場という都の施設があることから、新鮮な野菜を使った料理が食べられる特色のあるレストランなどを導入していけば、公園も市場も相乗効果を生み出すと思います。
 ぜひ、足立区にある舎人公園にも、民間を活用したレストランを導入していただきたいと要望しますが、都の所見を伺います。

○西倉建設局長 民間を活用したレストランを都立公園に設置することは、新たなにぎわいの創出に効果的な取り組みでございます。
 レストランの設置に当たりましては、防災性の向上や緑の保全など、公園の本来機能を確保しつつ、利用者ニーズや事業採算性、公園ごとの個性、特性を踏まえまして、地域や公園利用者の理解を得ながら、段階的に進めていく必要がございます。
 野球場などのスポーツ施設や、バーベキュー広場などを有し、多くの方々に利用されております舎人公園におきましても、今後、民間を活用したレストラン導入の可能性を検討してまいります。

○うすい委員 次に、SNSを活用した青少年の相談体制の整備について質問いたします。
 先日の本会議一般質問におきまして、我が党の古城議員より、自殺やネットトラブルなど、青少年の悩みに応じる相談に、多くの青少年が利用するSNSを活用していくべきと訴えました。
 一方で、SNSの活用には、留意しなければならない点があることも指摘をしたところでございます。
 まず、ネットトラブル相談窓口である、こたエールについて質問します。
 一般質問では、青少年・治安対策本部長より、来年度の新学期と夏休みにかけてLINEによる相談を試行的に実施するとの答弁がございました。
 そこで、この、こたエールのLINEによる相談の期間や時間帯、人員体制について見解を求めます。

○大澤青少年・治安対策本部長 こどもネット・ケータイヘルプデスク、こたエールでは、来年度の新学期と夏休みの期間、それぞれ二週間ずつ、月曜日から土曜日までLINE相談を試行いたします。
 時間帯は、現行の相談において、子供に加え、保護者からの相談もあることも踏まえ、LINE相談では、午前十時から午後九時まで受け付けることといたします。
 相談体制は、現行の電話、メール相談に対応している二人に加え、LINE相談専任の担当者を確保し、相談に適切に対応できる体制を整えます。
 また、相談される方の状況を的確に把握して対応することが求められることから、児童心理カウンセリングを初め、LINEの特徴を踏まえた研修を行い、相談員のスキルアップを図った上で、LINEを活用して効果的な相談が実施できるよう努めてまいります。

○うすい委員 次に、自殺対策におけるLINEの活用について質問します。
 一般質問では、福祉保健局長から、今月の自殺対策強化月間、自殺防止東京キャンペーンの一環として、LINEを活用した若者向けの相談を実施するとの答弁がありました。今月実施するLINE相談について、来年度の取り組みにつなげていくべきと考えます。
 そこで、今月行う期間や時間帯、相談員のスキル等とあわせて見解を求めます。

○梶原福祉保健局長 主に若年層を対象とするLINEを活用した自殺相談は、三月に行う自殺防止東京キャンペーンの一環として実施するものでございまして、三月の十九日から三月三十一日までの約二週間、毎日午後五時から午後十時まで開設をすることとしており、十回線を確保しております。
 相談員には、心理カウンセラー、精神保健福祉士、保健師などの資格を有し、自殺相談等の経験のある方を配置いたします。
 今回の相談事業の結果を踏まえまして、相談期間や時間、体制等を検証しながら、来年度の事業実施につなげてまいります。

○うすい委員 教育委員会においても、LINEを活用して、ことし八月末から試行していくと答弁をいただいております。
 先行して実施される相談の実態や課題などを共有していくべきと考えます。ぜひとも都民にとってわかりやすく、相談しやすい相談体制を整備し、相談者に寄り添っていただくことを要望させていただきまして次の質問に移ります。
 次に、ベビーシッター利用支援事業についてお伺いをします。
 この事業については、本定例会の代表質問、一般質問と、たびたび質問が行われております。それだけ都民の注目が高く、関心のあることだと思います。
 都民本位での政策実現に邁進してきた我が会派としても、この事業を、認可保育所などへの入園がかなわず、復職したいのにその見通しの立てられない保護者に対し、希望をもたらす可能性のある施策と考えており、新たにこうした施策に取り組む都の姿勢を評価しているところでございます。
 一方、保育の質を確保することは重要です。新たな保育サービスに領域を広げ、待機児童対策に取り組むことは結構ですが、子供たちの安全、保護者の安心が確保されることが前提と考えます。
 本定例会の代表質問において、我が党、東村議員が確認をしておりますが、都は、この事業に参画する事業者に一定の要件を課し、安定的な保育の提供などを担保するとのことでございます。
 私もこの間、事業者からの声を聞きましたが、この業界は割と複雑で、ベビーシッター事業者と一口にいいましても、認可保育所を運営する大手の事業者でベビーシッターの派遣を行うところから、地域に密着したNPO法人、個人事業主まで幅があります。
 このほか、みずからは保育の担い手とならない、ベビーシッターと利用者をつなぐことを生業としているマッチング事業者というものも存在をしております。
 そこで、本事業に参画する事業者に対して、現在、都が検討している要件について、具体的にどのような要件なのか、見解を伺います。

○梶原福祉保健局長 来年度から新たに実施をいたしますベビーシッター利用支援事業に参画する事業者は、認可外の居宅訪問型保育事業者として、児童福祉法第五十九条の二に基づく都道府県への届け出を行っている事業者を想定しております。
 事業者には、都民が安心してサービスを利用できるよう、保育者が急病などの場合に代替保育者を確保できること、保育者に対する研修の実施、個人情報の保護の徹底、サービス内容の情報提供、苦情相談窓口の設置など、保育の提供体制、保育の質、事業の安定的運営、利用者支援の四つの観点から、一定の要件を満たすことを求めていく考えでございます。

○うすい委員 事業者の要件について、新たに幾つかのことが確認できました。
 さて、次に、個々のベビーシッター、保育者の養成についてお聞きをしてまいります。
 こちらも、本定例会の我が党の代表質問で確認しておりますが、来年度、都が新たに開始するベビーシッター利用支援事業においては、国のカリキュラムに沿って実施している認可型のベビーシッターに対する研修、これに準じた研修を実施するとのことでございます。
 保育の質は、個々のベビーシッターの資質に帰着するものですが、都がこうした研修を実施した上で事業を展開していこうという姿勢は評価いたします。
 一方、ベビーシッターは特段の資格を持たなくても保育を行うことができると聞いており、活動中のベビーシッターも、民間団体の認定資格を持つ方、保育士資格を持つ方など、さまざまなシッターがいるのが実情でございます。
 そこで、都が実施する研修を受講する方々は、保有する資格やその経験、経歴も多岐にわたることが想定されますが、研修内容についての都の所見を求めます。

○梶原福祉保健局長 保育サービスには、国家資格である保育士や幼稚園教諭のほか、区市町村が認定する家庭的保育者、都道府県等が実施する子育て支援員研修の修了者、公益社団法人全国保育サービス協会の認定ベビーシッターなど、さまざまな人材が従事しております。
 本事業に従事する場合には、施設での保育とは異なるベビーシッター特有の留意事項や、乳幼児の発達と心理、病気や事故への対応等を内容とする認可型のベビーシッターに準じた研修を受講していただくこととしておりますが、具体的なカリキュラムは、多様な人材を活用しながら質の確保を図るという観点から、一定の資格を有する方には科目の一部を免除するなど、個々の保育者が保有する資格や実務経験に応じて定める予定でございます。

○うすい委員 都は、個々のベビーシッターの資格やキャリアを踏まえた研修を施し、保育の質を担保していくという答弁でございました。こうした、プロセスを経ていることが利用する保護者の安心にもつながっていくものと考えます。
 一つ提案でございますが、都の研修を修了したベビーシッターに対して、受講修了証などを発行いただき、保育を行う際に保護者に提示をすることは、保護者の安心のため有効であると思いますので要望させていただきます。
 さて、最後に、利用者に対する支援などという視点で質問します。
 ベビーシッターについては、米国などでは一般的なサービスとなっておりますが、日本においては一般的といえるほど普及しているとはいえないのが実情でございます。もっとも、保育所を利用する家庭の拡大とともに、若い世代ではそれほどの抵抗はなく、利用する方もふえているとも聞いております。
 一方、今後、初めてベビーシッターを利用するという方もたくさんおります。
 そこで、都として、この事業を通じ、ベビーシッターを初めて利用するような保護者に対し、利用に際して気をつけるべきことなどを周知徹底していくべきと考えますが、見解を伺います。

○梶原福祉保健局長 国は、ベビーシッターを利用するときの留意点として、事前に保育者と面接を行うこと、児童を預けている間も電話やメールで児童の様子を確認すること、緊急時における保育者との連絡体制を整えること、保育終了時に保育の内容や預けていた間の児童の様子を確認すること、不満や疑問が生じた場合は、保育者を派遣した事業者等にすぐ相談することなど、十項目を挙げております。
 本事業の実施に当たりましては、こうした留意点も含め、ベビーシッターの利用に関するわかりやすいパンフレットなどを作成し、利用者への周知を図ってまいります。
 また、事業の窓口となる区市町村に対しましても、利用者に適切な案内を行えるよう説明会を行ってまいります。

○うすい委員 利用する保護者の支援に取り組んでいただくよう、ぜひ、よろしくお願いをしたいと思います。
 次に、前期高齢者の割合が三三%と、高齢者の加入率が高い国民健康保険について伺います。
 本年四月から、都道府県が国民健康保険の財政運営の責任主体となり、新たな国保制度がスタートします。
 新制度では、都道府県が保険給付に必要な費用の全額を区市町村に交付するとともに、区市町村が都道府県に納める納付金と、保険料決定の参考となる標準保険料率を区市町村ごとに提示することとされており、都においても、先月、各区市町村の標準保険料率が公表されたところでございます。
 今回の制度改革によって、保険料が二六%上がるといった報道が一部にありますが、都が公表した資料によれば、この二六%という伸び率は、一般会計からの法定外繰り入れを全く行わないと仮定した平成三十年度の一人当たりの保険料と、法定外繰り入れを行った後の二十八年度の実際の保険料を比べたものでございます。
 法定外繰り入れを行わない、同じベースで比較をすると、都内区市町村の平均伸び率は、二カ年で三・一%、一年当たりで一・五%にとどまっているところでございます。この伸びは制度改革によるものなのか、医療費の伸びによるものなのか、都の見解を伺います。
 続けて伺います。新たな制度において、医療費や所得の水準を反映して納付金を算定することにより保険料が高くなる区市町村に対しては、国や都道府県が負担する公費を活用した激変緩和措置が設けられておりますが、都ではこれに加えて、区市町村に対する十四億円の独自の財政支援を行うこととしております。他県では例のない対応とのことであり、評価するところであります。
 この激変緩和措置のために、国費で設けられた特例基金の活用期間は六年間とされております。今後、特例基金による激変緩和措置期間の終了後に、保険料の急激な上昇が生じることがないように、都として対応していくべきと考えますが、都の見解を伺います。

○梶原福祉保健局長 国民健康保険料の必要額は、一人当たり医療費の伸びや被保険者数等を推計して積算した保険給付に要する費用の総額から、国や都道府県が負担する公費等を差し引いて算出することとなっております。
 平成三十年度の保険料の算定に当たりましては、一人当たり医療費の伸びを年二・六%と見込みました。
 今回の制度改革では、全国ベースで千七百億円の公費拡充が行われることとなっており、これらにより算定した一人当たり保険料の伸びは年一・五%にとどまっております。
 このように、医療費が増加する中で、制度改革により一人当たり保険料の伸びは抑えられたものと考えております。
 次に、今回の激変緩和は、新制度に円滑に移行するために行うものであること、また、その財源として、国の公費により設けられる特例基金が六年間の時限措置であることなどから、国のガイドラインでは、激変緩和措置の期間について、おおむね六年以内を目安に実施することが望ましいとされております。
 一方、都道府県繰入金を活用した激変緩和措置については、期間は定められておりません。
 六年間で、激変緩和が必要な区市町村は段階的に減少していくこと、また、その規模は、医療給付費の動向や今後の国の公費のあり方等により変化することから、特例基金が終了する七年目以降の対応については、今後の状況を踏まえながら区市町村と協議していく考えでございます。

○うすい委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

○のがみ副委員長 うすい浩一委員の発言は終わりました。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時五分休憩

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