予算特別委員会速記録第四号

○両角委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。
 この際、オリンピック・パラリンピック準備局長から発言の申し出がありますので、これを許します。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 発言の機会をいただきましてまことにありがとうございます。
 一昨日の本委員会におきまして、山崎委員の質疑に際し、確認せず不適切な発言を申し上げ、山崎委員に対しまして多大なるご迷惑をおかけしましたことを心より深くおわび申し上げます。
 あわせまして、本委員会におけます議事録から、当該発言及び関連する発言につきまして取り消しをお願いいたします。
 今後、発言に際しましては、十分気をつけるようにいたします。このたびは、まことに申しわけございません。

○両角委員長 発言は終わりました。
 ただいまオリンピック・パラリンピック準備局長から、三月十三日の委員会での発言について、一部取り消しの申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件は、申し出のとおり取り消しを許可することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○両角委員長 異議なしと認めます。よって、本件は、申し出のとおり取り消しを許可することを決定いたしました。

○両角委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第一号議案から第二十八号議案まで及び第百二十号議案を一括して議題といたします。
 昨日に引き続き総括質疑を行います。
 米川大二郎委員の発言を許します。

○米川委員 まず初めに、自助、共助の取り組みの向上について伺います。
 我が会派の増子幹事長の代表質問で、災害対策は、自助、共助の担い手である都民の目線に立って、都民の理解と共感を得ながら効果的に防災対策を進めていくことが重要という質問に対し、小池都知事は、セーフシティ東京防災プランによりまして、公助の取り組みをスピード感を持って進めるとともに、自助、共助の取り組みをさらに促進していくとの答弁がありました。
 セーフシティ東京防災プランの計画期間は二〇二〇年までとなっております。その二〇二〇年に行われる東京オリンピック・パラリンピック競技大会を目指してトレーニングに励むアスリートのことを考えると、大会を無事に開催するためにも、セーフシティー東京を実現しなければならないとの思いは強くなります。
 東京二〇二〇大会で安心して競技に専念し、国民全体が応援できる状況をつくるためにも、セーフシティ東京防災プランの計画期間に、防災対策をより一層進めていくことが重要で、中でも、都民一人一人の理解と共感が必要になる自助、共助の取り組みを促進していくことが必要と考えております。
 そこで、防災対策のうち、自助、共助の取り組みを促進していくために、自助、共助の意識醸成とオリンピック・パラリンピックの機運醸成を結びつけることで、都民の理解と共感を得ることができると考えますが、所見を伺います。

○多羅尾総務局長 東京二〇二〇大会の成功のためには、お話のように、東京の安全・安心の確保が重要でございます。安全・安心に向けた自助、共助の取り組みは、各地域において、自分たちのまちを守るという意識を高めていくことであり、そのことによって東京の魅力が向上し、ひいては大会の成功にもつながるものと認識しております。
 都はこれまで、例えば、毎年、都内各地で開催する防災展で、都市鉱山からつくるみんなのメダルプロジェクトのボックスを設置するなど、防災イベントとオリンピック関連事業との連携を図ってまいりました。
 今後も、大会機運の醸成と安全・安心な東京のまちづくりに対する都民の意識の向上との相乗効果を高める事業推進に努めてまいります。

○米川委員 ありがとうございます。
 今後三十年以内に、南関東でマグニチュード七クラスの大地震が発生する確率は七〇%とされております。平成二十四年に公表されました東京都の被害想定は、東京湾北部を震源のマグニチュード七・三の地震が、冬十八時、風速八メートル毎秒で発生すると、死者九千七百人となっております。
 私の明治生まれの祖母は、生前、関東大震災で被災後の混乱の状況の中、妹の手を握り、必死に隅田川を渡ったことを私によく話してくれました。その思いを常に持ちながら今も活動しております。常に震災前だという思い、東京が大震災に見舞われても都市機能や都市活動が続けられるよう、災害に強い東京を実現しなければなりません。
 二〇二〇年、万全の体制で世界中から大勢のアスリートや観戦客を東京に迎える必要があります。
 そのためにも、将来、この二〇二〇年までの取り組みが、災害に強い東京の基盤を確立したといわれるようにすることが必要と考えますが、安全・安心の東京を実現するための決意を知事に伺います。

○小池知事 米川大二郎委員のご質問でございます。
 東京の安全・安心は、まさしく都民の活力の基盤でございます。そして東京二〇二〇大会成功の大前提でございます。いよいよ開催まであと二年となりました今、首都直下地震など、さまざまな災害を念頭にいたしまして防災対策をさらに加速していくこと、これは何よりも重要と認識しております。
 そのために都は、防災対策で二〇二〇年度までの事業計画、セーフシティ東京防災プランを新たに策定をいたしまして、スピード感ある対策の推進、そして都民の理解、共感に基づく自助、共助のさらなる進展で、安全・安心の一層の確保を図ることといたしております。
 このプランでありますけれども、わかりやすさを追求すると同時に、地震、風水害などの災害ごとに取り組みを網羅いたしております。また、女性視点の対策も盛り込んだり、熊本地震の教訓の具体化など新たな施策も実施していくことといたしております。
 それから、この議会でもご議論いただいておりますように、無電柱化のさらなる推進、そして不燃化、耐震化、帰宅困難者対策などなど、積極的に取り組む中小企業の認定も含めまして、ハード、ソフトの両面で具体的な施策を推進してまいります。
 こうした取り組みによって、ご指摘の自助、共助、公助によります防災対策を総合的かつ迅速に進めまして、東京二〇二〇大会を見据えました安全・安心、そして元気なセーフシティーの実現を強力に進めてまいります。

○米川委員 知事の力強い発言、ありがとうございます。
 次に、地域の防災リーダーであります特別区消防団員について伺います。
 日ごろの地域防災能力の向上や災害時の活躍が期待されているのが消防団員です。
 さて、新規団員の確保とともに、現団員の方が団活動で得た知識、経験を生かし続けていただくため、できる限り長く活動していただくことが必要と考えております。
 しかし、団の中の人間関係や雰囲気になじまなかったり、団活動と仕事や家庭との両立に悩む方も少なからず存在するのではないでしょうか。この悩みやストレスは、危険も伴う団活動では公務災害などへつながりかねません。
 そこで、特別区消防団員が団活動に関する相談しやすい環境の整備について、消防総監に伺います。

○村上消防総監 特別区消防団には、さまざまな職種や年齢の消防団員がおり、それぞれ不安や悩みなどを抱えている場合があると認識しております。そのため、東京消防庁では、各消防団や消防署で、消防団員が相談しやすい環境を整えてまいりました。
 来年度はさらに相談体制を充実させるため、消防団員が直接電話や電子メールにより外部機関のカウンセラーに対しまして、気軽に相談できる窓口を開設する予定でございます。
 今後とも、消防団員が活動しやすい環境づくりに努めてまいります。

○米川委員 ありがとうございます。さらに風通しのよい組織となることで、現団員に加えまして新規団員の確保に寄与することを期待しております。
 次に、東京都職員について伺います。
 警察、消防、学校職員を含めますと十六万人を超える職員数を抱え、全会計の合計で十四兆円を超える予算を効果的に執行していくためには、現場の事業に精通した都職員が、都民ファーストの視点で、日々都民サービスを適切に提供していく必要があります。
 私自身、二十年近く前になりますが、この都庁の総務局人事部人事課というところで、服務担当として都職員の服務規律の確保に従事した当時から、一貫して、公務職場のあるべき姿、理想づくりを考え続けてまいりました。
 そこで、都民サービスの担い手である都の職員について何点か質問いたします。
 都のような大きな組織では、職員の意見は埋もれてしまうこともあります。埋もれる意見には、自浄作用につながる意見もあれば、建設的な意見もあると考えます。
 自浄作用につながる意見を吸い上げる仕組みとして、小池都知事は、平成二十八年十一月に、職員の法令違反などについて、新たな公益通報制度を開始しました。本来、組織内の自浄作用を働かせるべきですが、できない場合のセーフティーネットとして必要な制度だと考えております。
 また、建設的な意見を吸い上げる仕組みとして、小池都知事は、平成二十八年十月、職員からの意見を知事が直接受け取る職員目安箱を設置いたしました。これはそれぞれの職場に埋もれていた職員からの建設的な意見を広く都政に反映するために設置したものだと理解しております。
 そこでまず、職員目安箱の実績について伺います。
 また、職員目安箱を設置してから一年以上が経過しましたが、職員から職員目安箱に寄せられた提案をもとに新たな取り組みとして実現したものはどのようなものか伺います。

○多羅尾総務局長 寄せられた意見の趣旨が実現したものの代表例といたしましては、例えば、職務効率向上の観点から、夜間に執務している事業所などに配慮したシステムメンテナンスの時間の変更、柔軟な働き方推進の観点から、昼休みを弾力的に運用する昼休みの分散化、また、予算編成過程において広く都民、職員の意見を募り事業構築に生かす、都民による事業提案制度、職員による事業提案制度の導入などが挙げられます。

○米川委員 次に、大きな組織において埋もれがちな職員の声を拾うためには、職員目安箱へ提案を届けてもらうことも重要であり、職員目安箱の制度趣旨などを職員にしっかりと伝えるべきであると考えます。
 職員への周知について今後の取り組みを伺います。

○多羅尾総務局長 事務の改善や働き方の改革などの建設的な提案をしていただくという職員目安箱の制度の趣旨や、職員から寄せられた意見の趣旨が実現した主なものについては、これまでにも知事から全職員に宛ててメールを発出し、周知を図っております。
 また、平成二十九年九月には、知事から職員に向けて、庁内放送により直接メッセージを発信しております。
 今後とも、引き続き全職員に向けて、制度の趣旨やこれまでの取り組みの成果をメール等で周知してまいります。

○米川委員 ありがとうございます。このような制度により、なかなか映像くらいでしか見ることのできない小池都知事が直接意見に目を通してくれることで、組織のトップが職員にとって、とても身近な存在になったと考えております。
 次に、勤務実績がよくない職員について伺います。
 大多数の都職員は、真面目に日々の職務に取り組んでいるものと思っています。しかしながら、ごく一部の職員の中には、公務員の身分保障に甘んじ、努力を怠り、十分に職務をこなせていない者もいるのではないでしょうか。
 東京都では、職員に対して、業績評価制度を実施していますが、この制度で、勤務実績がよくない職員に対して、どのような指導を行っているのか、また、時間をかけて適切に指導を重ねても改善されない職員についてはどのように対応しているのか伺います。

○多羅尾総務局長 職員がその持てる能力を最大限発揮できるよう、業績評価に基づき、各職場において個々の職員に応じたきめ細かな育成や指導を継続的に行うことが重要でございます。
 その上で、指導を繰り返しても勤務実績が著しく悪い状況が続く場合には特別指導を行っております。この特別指導では、所属長による指導状況の詳細な記録を随時、人事担当部局とも確認した上で、重点的、効果的な指導に反映させるほか、集合研修により、電話や来訪者への応対など、職務に関する基本的な知識などの再確認を行っております。
 これらの取り組みを行っても一向に改善されなければ、降給や免職といった分限処分を行う場合もございます。
 今後とも、適切な育成指導を行うことで、職員の資質向上が図られるよう努めてまいります。

○米川委員 東京都では、指導しても勤務実績が改善されず、著しく悪い状況が続く職員を対象としました特別指導の制度が整備されており、その指導を行ってもなお改善が図られない場合には分限処分を行っていることもわかりました。
 私は、先ほどもいいましたが、多年にわたり、どのようにしたら自律改革や自浄作用のある組織になるのかを考えてきましたので、平成二十八年十月に、職員目安箱が始まったとき、都庁の自律改革は大きく前進するとの期待を持ったものです。
 また、組織の論理を優先したり、不正が行われることが発生するため、コンプライアンス部という組織も必要となります。私自身、都庁に勤務し、職員の服務規律の確保のために従事しましたが、当時から、都の膨大な事業や職員全ての業務をチェックすることは難しく、真面目な職員や都民の方たちに協力してもらうことが必要と考えておりました。
 本来は、組織、職員みずからが都民ファーストの視点で業務を行うことが理想です。小池都知事のもと、自浄作用のある都庁組織、自律改革に努める職員が確実にふえているように感じております。
 そこで、より一層、都民に信頼される都職員、都政とするためにはどうあるべきか、知事の見解を伺います。

○小池知事 ご指摘のように、私は、都民ファースト、情報公開、そして賢い支出の三つの原則を掲げまして都政の改革に取り組んでまいりました。また、職員の皆さんには、常に心にとめるべき三つのミッションとして、以下、求めております。
 一つ、都民ファーストの視点を常に持つこと、二つ、視野を広げて常にチャレンジすること、三つ、ライフワークバランスを実践するということでございます。
 三つの原則とミッションを着実に実践することによって、すなわち組織そして個々の職員が自律改革を絶えず行っていくことによりまして、都民から信頼される都政、都庁の人材育成につながっていくものだと確信をいたしております。
 それぞれの職場の管理職の職員には、この視点を共有しながら、職員一人一人のさらなる成長を促して、やりがいやチャレンジ精神に満ちた活気ある職場環境をつくり上げてほしいと、このように望んでおります。
 これからも全庁一丸となって都政改革を進めて、都民に信頼され、さらに期待される都政を目指してまいる所存でございます。
 なお、先ほどお触れになりました目安箱には、多くの皆さんから、都庁の職員の皆さんから、さまざまなご提案いただいております。一通一通に私自身が目を通しているということをお伝えしておきたいと思います。

○米川委員 ありがとうございます。そういったことはとても大変だと思いますが、本当に職員と一体感を持って、都民ファーストの都政を実現できると思いますので、よろしくお願いいたします。
 また、組織は人なりといわれます。どんなに立派な組織がつくられ、大量の資金や機材が用意されても、これらを十分に使いこなせるかどうかは、そこに働く人次第であるといえます。
 これは、私の都庁の先輩でもあります、私の父親が学陽書房の地方公務員法の要点という著書の中でも、はしがきに書いたものであります。ぜひ真面目な職員の力を生かしまして、都民ファーストの視点で、事業を執行することを期待しております。
 続きまして、エシカル消費について伺います。
 エシカル消費は、倫理的消費とも呼ばれ、環境への配慮、社会への配慮、地域への配慮と大きく三つに分類される、さまざまな消費活動の総体をあらわします。
 環境への配慮とは、グリーン購入や自然エネルギー利用、エコマークつき製品購入などが含まれます。社会への配慮とは、児童労働や環境問題を引き起こしていない製品やフェアトレード製品、障害者がつくった製品購入などが含まれます。地域への配慮とは、地産地消や応援消費などがあり、東日本大震災以降、応援消費が活発になっています。
 このように、エシカル消費とは、非常にさまざまな分野にわたる大きな消費のあり方を指し示す言葉であります。そこには、原料調達から生産、流通、販売、廃棄まで多くの問題や課題を含みます。
 そこで、既存の都の事業には、既にエシカル消費の視点のものも幾つかあります。環境分野を初め、さまざまな都の取り組みについて伺います。

○塩見生活文化局長 今月、改定をいたします東京都消費生活基本計画におきましては、持続可能な社会の形成に貢献する消費行動の促進を、施策の基本的な方向性の一つとして掲げております。
 このうち、当局における施策としましては、エシカル消費の理念について、広く都民に対して普及啓発を行う取り組みを盛り込んでいます。
 また、福祉保健局におきましては、福祉施設の自主製品の普及、総務局においては、産直市の開催など被災地支援につながる商品等の購入促進、環境局におきましては、食品ロスの削減などを掲げているところでございます。
 これらの各局の取り組みは、まさにエシカル消費に資するものであると思います。

○米川委員 ありがとうございます。
 次に、例えば、鳥取ではエシカルマルシェの開催やエシカル事業者紹介事業、学校におけますエシカル消費啓発授業なども行われております。京都では、エシカルフェアの開催、エシカル消費推進ネットワークの設立などをもって官民一体で積極的にエシカル消費の普及推進を進めております。
 そこで、東京都では、啓発講座の開催、また具体的なエシカル消費行動例の紹介の取り組みについて検討されているのか、また、都においても、民間団体と連携した普及啓発イベントを行っていく必要があると考えますが、都の見解を伺います。

○塩見生活文化局長 エシカル消費に関する講座につきましては、消費生活総合センターにおきまして、都民向けにエシカル消費をわかりやすく解説する講座や、授業でも取り上げやすいように教員向けに解説する講座を実施しております。
 また、ホームページ上に、新たにエシカル消費に関する特設ページを設け、誰もが身近に感じて実践できる具体的な事例を掲載するなど、情報発信にも取り組んでまいります。
 今後、こうした取り組みに加えまして、都民の一層の理解促進に向けて、エシカル消費の普及にノウハウのある民間団体等との連携も検討し、幅広い取り組みを展開してまいります。

○米川委員 ありがとうございます。取り組み、期待しております。
 さて、ロンドンは五輪前、国際的な基準に沿ってフェアトレードタウンになりました。また、リオデジャネイロも五輪開催に伴い、フェアトレードタウン認証をされております。
 フェアトレードとは、商品の生産者がその商品の生産により生活を維持できるように適正な対価を支払い、生産者の生活向上、健康や安全な労働環境の維持、生産地の環境保全なども重視して貿易を行うという取り組みです。
 例えば、西アフリカのカカオ生産では、とても多くの子供が農園での労働に従事しているため問題となっております。このような児童労働をなくすための取り組みとして、フェアトレードは世界的にその認知度を高め続けております。
 そこで、日本においては、フェアトレードタウンを目指す動きは、まだ一部の自治体にとどまるなど限定的となっておりますが、世界都市ランキング第三位という東京が、みずからフェアトレードタウンを目指すことで、日本におけるエシカル消費の機運を高めていくことができると思います。ぜひ検討していただきたいと考えております。
 また、エシカル消費の推進には、フェアトレード製品の普及のみならず、自然エネルギー利用やグリーン購入、省エネや低炭素製品の普及、リサイクルの推進や持続可能な森林認証、物品調達など幅広い施策を展開することが必要です。
 東京都においても、エシカル消費の理念啓発に加え、実際の施策の展開に関係する局が全庁にわたります。
 今後、エシカル消費の理念の普及啓発にとどまらない、実効力あるエシカル消費の推進に当たっての知事の決意を伺います。

○小池知事 私が目指しております、活力があふれ、持続可能な都市東京の実現のためには、今ご指摘のございましたフェアトレードであるとか、リサイクル、障害者支援、被災地支援など、こういった視点を持った消費行動でありますエシカル消費を都民に普及することが極めて重要でございます。
 このため、都民の皆さんがエシカル消費の意義を理解して、日常の消費行動に結びつけられるように、今回、東京都消費生活基本計画で、エシカル消費を重要な柱として初めて位置づけたところでございます。
 今後、この計画に基づきまして、エシカル消費の理念がさらに広く都民の間に浸透いたしますように、わかりやすいPRの冊子であるとか動画をつくりまして、広報番組なども活用し、普及啓発を進めてまいります。
 そして、エシカル消費の推進につながる施策を全庁的に掲げまして着実に実行すること、そして何よりも、主役であります都民の皆さんとともに、持続可能な新しい東京をつくり上げていきたいと、このように考えております。

○米川委員 ありがとうございます。東京都の消費者数は全国で最大であり、影響はとても大きいのは明らかであります。消費者が世界を変える瞬間が今まさに目の前に来ております。東京都の取り組みに期待して、次の質問に移ります。
 続きまして、主体的、対話的で深い学びについて伺います。
 今、人工知能の急速な進化が人間の職業を奪うのではないか、今、学校で教えていることは時代が変化したら通用しなくなるのではないかといった不安の声や未来予測が発表されております。
 高等学校、特に普通科においては、みずからの人生や社会のあり方を見据えて、どのような力を主体的に育むかよりも、大学入学者選抜に向けた対策が学習の動機づけとなりがちであることが課題となっております。
 現行の学習指導要領で、学校図書館を計画的に利用し、その機能の活用を図り、生徒の主体的、意欲的な学習活動や読書活動を充実することと学校図書館の利活用が示されております。さらに、新学習指導要領の案では、生徒の主体的、対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に生かすという文が新たに追加されました。
 このように、全ての学校に設置してあります学校図書館は、子供たちの言語能力、情報活用能力などの育成を支え、主体的、対話的で深い学び、アクティブラーニングの視点からの学びを効果的に進める基盤としての役割に期待が高まっております。
 そこで、都立高校におけます学校図書館を活用するための計画の策定と、各教科での活用状況はどのようになっているのか伺います。

○中井教育長 都教育委員会は、生徒の言語能力の向上を図るため、全ての都立高校において、総合的な教育計画である教育課程の重点項目に、学校図書館を積極的に活用した読書活動の推進を位置づけるよう指導しております。
 各学校では、この教育課程に基づき、司書教諭や学校司書が中心となり、読書月間の設定や書評合戦の校内予選の実施など、学校図書館の機能を活用した教育活動の充実に組織的、計画的に取り組んでおります。
 また、国語科や地理歴史科、公民科、理科を初め、各教科等において、学校図書館を有効に活用し、読書紹介文等の作成や探求活動における文献調査、主権者教育における複数の新聞記事の読み比べなどの言語活動を充実させ、生徒の思考力、判断力、表現力等の育成を図っております。

○米川委員 学校図書館に期待されている役割を果たすために、文部科学省は、図書館資料の充実、司書教諭、学校司書の配置充実など、学校図書館の充実に取り組んできましたが、都立高校はいずれも他の教育委員会設置の学校と比べてどこよりもこの点について既に充実、充足していると考えております。
 そこで、都はこれまで、学校図書館の充実についてどのような取り組みを行ってきたのか伺います。

○中井教育長 都立高校の図書館については、平成十五年度から十二学級以上の学校に司書教諭を配置し、学校図書館を活用した学習活動を支援しております。
 また、司書業務を担う専門職員を複数配置し、学校図書館の開館時間を生徒の下校時刻以降まで延長するとともに、長期休業日の間も開館する等、利用環境の向上を図っています。
 さらに、司書教諭と専門職員が連携し、図書資料の展示方法の工夫や読書感想会の開催などを行い、生徒の読書活動の推進にも取り組んでおります。

○米川委員 学校図書館、これを計画的に、そして全ての教科で活用するには、学校長が学校図書館長としてリーダーシップを発揮し、教員が学校司書などの専門職員といかに連携協力していくかが重要となります。
 また、学校図書館の運営について、外部の視点を取り入れ、評価、結果等を公表していくことも必要です。
 いよいよ平成三十四年四月一日施行に向けた高等学校学習指導要領の改訂も見据え、都は、生徒の主体的、対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に生かしていくことが期待されている学校図書館をどのように活用していくのか伺います。

○中井教育長 都立高校の図書館は、生徒の読書活動や主体的な学習の場であるとともに、学習活動の支援や授業の内容を豊かにし、その理解を深めるなど、多くの機能を有する重要な学校施設であります。
 また、高等学校の次期学習指導要領案においても、学校図書館の機能を生かした授業改善が示されるなど、さらにその重要性を増しております。
 そのため、都教育委員会は、来年度、アクティブラーニング推進校に対して、教科指導と学校図書館の活用を関連づけた実施計画の作成を求め、その実践事例を全都立高校対象の報告会で周知してまいります。
 加えて、都立高校の学習活動において、学校図書館を有効に活用できるよう、年間を通した活用指導計画モデルを検討してまいります。

○米川委員 ありがとうございます。
 続きまして、島しょ部の都立高校について伺います。
 小池都知事は、これまで、私の地元葛飾にあります都立農産高校を初め、さまざまな都立学校を精力的に訪問し、授業を視察し、また、直接生徒と懇談を重ねています。
 私自身、平成五年に東京都に入って初めて配属された職場が伊豆諸島の三宅島にあります三宅高校でした。島の高校が元気でいてほしいという思いを常に持ち続けております。
 島しょには、大島海洋国際高校を除きます都立高校が六校設置され、将来の地域を担う人材の教育を行っております。平成二十八年度からは、島しょの町村と連携し、都内の中学生が島しょの都立高校に進学できる仕組みができて、現在、神津高校、八丈高校で生徒が学んでおります。
 そこで、小池都知事は、本年二月五日、神津島村を訪れ、都心の中学校を卒業して神津高校に入学しました生徒と交流されましたが、この交流を通じての感想をお聞かせください。

○小池知事 島を一つずつ訪れておりますが、十番目の島として、先月の二月、神津島に伺いました。そして、島の外から神津高校に入学した四人の生徒さんと交流する機会を設けました。生徒の皆さんは、大変夢を持っておられる。それから、何よりも、みずからの意思で神津高校を選んで入学されたということで大変感銘を受けました。
 東京にありましても、都心とは違いまして自然に恵まれた環境がございます。それから、高校三年間を学んで、そこで生活するというのは、長い人生の中でもとても貴重な経験になることでありましょう。また、夢を持った意欲ある生徒を島外から受け入れるということは、島の生徒の皆さんにとっても大きな刺激となりますし、島の活性化にもつながるものと考えます。
 これからも、島しょの高校への入学を希望する生徒さんたちを応援していきたいと考えております。

○米川委員 ありがとうございます。島外の生徒は、ほかの生徒にとって刺激になるとともに、高齢化の進む島しょ地域にとって、生徒がたくさんいることは必ず活性化につながるものと考えております。
 しかし、例えば、先ほどの私が勤務していた三宅高校ですが、その平成五年、六年当時、百名を超える生徒が在籍していましたが、二〇〇〇年の噴火以降、生徒数が著しく減っております。現在の小学生、中学生の在籍人数から、この傾向は今後も固定化するものと考えております。
 島しょの高校は、いずれも生徒数が少ない状況が続いております。また、大島、三宅、八丈高校には、普通科のほかに併合科が設置されていますが、さらに生徒が少ない状況となっております。
 このような課題を踏まえた上で、島しょの重要な教育機関であります高校を生かしていくための検討を行っていくべきと考えますが、都の考えを伺います。

○中井教育長 大島海洋国際高校を除く島しょの都立高校は、生徒が高校進学の際、郷土から離れることなく高等学校教育を受けることができるとともに、地域産業の将来の担い手を育成するために設置しているものでございます。
 それぞれの高校では、学習環境を生かし、生徒一人一人の学力に応じた学習指導を行うとともに、島の特性や産業を踏まえた教育活動を実践しています。
 都教育委員会は、今後とも、各島の状況を踏まえつつ、生徒が生き生きと学べる教育環境の確保に努めてまいります。

○米川委員 ありがとうございます。
 続きまして、都立高校のスポーツ特別強化校、部活動について伺います。
 平成三十年度より三年間、新たにスポーツ特別強化校が指定されました。全国大会や関東大会への出場を目指したり、競技人材の少ない運動部活動の普及、活性化に取り組むとしております。
 一方で、都立高校の二〇一八年一般入試一次・前期で倍率が低下しております。また、二次・分割後期の最終応募倍率は、記録のある一九九四年度入試以降で初めて倍率が一倍を切るなどとの報道もあります。
 これは、私立高等学校等特別奨学金補助による授業料実質無料化も一因と考えられるとの報道もありますが、私立高校と健全な競争を行う上で、今後、特色ある学校づくりを進めていくことはとても重要であります。その観点で部活動を活用していくことも必要と考えております。
 そこで、それぞれの種目によりまして事情は異なりますが、各学校に明確な目標を持たせるとともに、教育委員会として、教員人事、外部指導員の活用や施設改修など、総合的、戦略的に取り組むことが必要と考えますが、都の見解を伺います。

○中井教育長 都教育委員会は、第一期強化校に対して、練習用具、器具の充実や、他県で行う交流試合の遠征費補助等の支援を行うとともに、当該部活動を定期的に視察し、管理職、顧問教員との情報交換等を通して把握した課題をもとに、改善充実に向けた指導助言を行ってまいりました。
 今後、第二期強化校に対して、第一期における取り組みに加え、各部の実力に応じた具体的な目標設定と、その達成に向けた三年間の段階的な活動計画の作成、実施を義務づけ、全国大会等に出場する部をふやしてまいります。
 さらに、当該校の校長の中長期的な人事構想を踏まえた指導者の配置や、改修計画に基づく施設の整備、また、外部指導員の積極的な活用などを総合的に進めることにより、それぞれのスポーツ特別強化校がさらに特色化を図ることができるよう支援をしてまいります。

○米川委員 ありがとうございます。
 続きまして、島しょへのアクセスについて伺います。
 伊豆諸島南部地域の三宅村、御蔵島村、八丈町及び青ヶ島村は、有人国境離島法に特定有人国境離島地域として定められました。これを受け、昨年十二月、都は、東京都特定有人国境離島地域に係る地域社会の維持に関する計画を策定しております。
 この離島地域は、移動手段である航路、航空路の運賃低廉化が課題となっております。
 そこで、今年度より有人国境離島法が施行され、伊豆諸島南部地域において島民運賃割引が拡充されました。また、来年度からは、北部地域においても島民割引運賃が予定されておりますが、それぞれの仕組みについて伺います。

○斎藤港湾局長 有人国境離島法におけます特定有人国境離島地域に指定されました伊豆諸島南部地域の三宅島、八丈島と本土を結ぶ航空路におきましては、法に基づく交付金制度により、今年度から島民運賃割引を拡充しております。
 離島振興の観点からは、南北に長い伊豆諸島を一体的に支援していくことが重要でありますことから、この機会を捉え、離島振興に関する国の補助制度を活用し、地域に指定されていない北部地域の大島、新島、神津島と本土とを結ぶ航空路につきましても、南部地域と同様に、現行の普通運賃を約四〇%割り引く新たな島民運賃割引を導入するものでございます。

○米川委員 また、島しょの間を結ぶ足として、平成五年八月からヘリコミューターが運行されております。都は、来年度、ヘリコミューターについて、現在は設定されていない島民割引運賃の導入を図るとしております。
 伊豆諸島南部地域及び北部地域において、どのような仕組みを活用するのか伺います。

○多羅尾総務局長 都は、ヘリコミューターについて、島民がより利用しやすい環境を整えるため、来年度から、路線の就航する島の島民を対象に約四〇%の運賃引き下げを図ることとしております。
 ヘリコミューターの路線のうち、有人国境離島法に基づき特定有人国境離島として指定されている伊豆諸島南部地域である青ヶ島、八丈島、御蔵島、三宅島に発着する区間については、同法に基づく国の交付金を活用した運賃引き下げを予定しております。
 また、伊豆諸島北部地域で適用可能な国の補助制度がない大島-利島間については、都の補助で、他の区間と同様に運賃引き下げを予定しております。

○米川委員 ありがとうございます。
 次に、離島航路の就航率向上策への取り組みについて伺います。
 東京宝島推進委員会の提言では、天気、天候によっては、常に欠航のリスクと隣り合わせであり、訪島計画が立てづらいとの、交通アクセスの制限が島しょ特有の課題として挙げられております。
 島しょにおける港は、本土や他の島へのアクセス拠点であり、島民の生活や産業、観光などを支える重要な役割を担っております。
 我が会派では、先月、八丈島を訪れ、現地の声も聞いてまいりました。これまでの施設整備による港内の静穏度は確実に高まり、各島と本土を結ぶ定期船の就航率は確実に向上してきていますが、厳しい自然条件などもあり、いまだ十分とはいえない状況にあります。
 そこで、就航率を向上させていく取り組みをさらに進めていくべきと考えますが、見解を伺います。

○斎藤港湾局長 伊豆諸島の各島は、我が国の中でも厳しい気象、海象条件のもとにあり、港湾の整備に当たりましては、風向きや波の大きさに応じて接岸する岸壁を使い分けるなど、島の特性に応じた取り組みを進めてまいりました。
 これらによって、就航率の向上など一定の成果が上がっておりますが、小離島を初め、島民の生活や島の振興のために、今後も継続的な整備が必要でございます。
 加えて、今後は、航路、航空路の現状を踏まえ、新たな視点、発想からのアクセス向上策等についても検討調査を行ってまいります。

○米川委員 ありがとうございます。
 私も港湾局の港湾整備部というところで仕事をさせていただきました。その際には、離島を経験した技術の職員の方と一緒にいろんな話を伺いまして、島の課題や何かを伺ってまいりました。静穏度の上昇とかというのはなかなか難しいんですが、しっかりとやっていただきたいと思っております。
 そしてまた、伊豆諸島の一番南にある、例えば、港湾設備が貧弱で大型貨客船が接岸できない青ヶ島や、黒潮の影響を受ける御蔵島など、伊豆諸島の島々は、それぞれ特色や事情が異なっております。
 ぜひ各島の状況に応じまして、きめ細かく対応していくことが必要と考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
 以上で質問を終わります。(拍手)

○両角委員長 米川大二郎委員の発言は終わりました。

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