予算特別委員会速記録第六号

平成二十九年三月二十八日(火曜日)
第十五委員会室
午後一時開議
出席委員 三十九名
委員長鈴木 隆道君
副委員長ともとし春久君
副委員長野上ゆきえ君
副委員長高橋 信博君
理事島田 幸成君
理事山崎 一輝君
理事三宅 正彦君
理事橘  正剛君
理事崎山 知尚君
理事清水ひで子君
小林 健二君
西沢けいた君
栗林のり子君
菅野 弘一君
小松 大祐君
山内  晃君
田中 朝子君
和泉なおみ君
松田やすまさ君
柴崎 幹男君
鈴木 錦治君
神野 次郎君
北久保眞道君
高椙 健一君
栗山 欽行君
両角みのる君
西崎 光子君
あさの克彦君
中村ひろし君
上野 和彦君
野上 純子君
ほっち易隆君
きたしろ勝彦君
田中たけし君
桜井 浩之君
植木こうじ君
曽根はじめ君
東村 邦浩君
大山とも子君

欠席委員 なし

出席説明員
知事小池百合子君
副知事安藤 立美君
副知事川澄 俊文君
副知事中西  充君
副知事山本  隆君
警視総監沖田 芳樹君
教育長中井 敬三君
東京都技監都市整備局長兼務邊見 隆士君
政策企画局長長谷川 明君
青少年・治安対策本部長廣田 耕一君
総務局長多羅尾光睦君
財務局長武市  敬君
主税局長目黒 克昭君
生活文化局長中嶋 正宏君
オリンピック・パラリンピック準備局長塩見 清仁君
環境局長遠藤 雅彦君
福祉保健局長梶原  洋君
病院経営本部長内藤  淳君
産業労働局長藤田 裕司君
中央卸売市場長村松 明典君
建設局長西倉 鉄也君
港湾局長斎藤 真人君
会計管理局長浅川 英夫君
消防総監高橋  淳君
交通局長山手  斉君
水道局長醍醐 勇司君
下水道局長石原 清次君
選挙管理委員会事務局長福田 良行君
人事委員会事務局長松山 英幸君
監査事務局長猪熊 純子君
労働委員会事務局長土渕  裕君
収用委員会事務局長砥出 欣典君

本日の会議に付した事件
付託議案の審査(決定)
・第一号議案 平成二十九年度東京都一般会計予算
・第二号議案 平成二十九年度東京都特別区財政調整会計予算
・第三号議案 平成二十九年度東京都地方消費税清算会計予算
・第四号議案 平成二十九年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計予算
・第五号議案 平成二十九年度東京都母子父子福祉貸付資金会計予算
・第六号議案 平成二十九年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
・第七号議案 平成二十九年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
・第八号議案 平成二十九年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
・第九号議案 平成二十九年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
・第十号議案 平成二十九年度東京都と場会計予算
・第十一号議案 平成二十九年度東京都都営住宅等事業会計予算
・第十二号議案 平成二十九年度東京都都営住宅等保証金会計予算
・第十三号議案 平成二十九年度東京都都市開発資金会計予算
・第十四号議案 平成二十九年度東京都用地会計予算
・第十五号議案 平成二十九年度東京都公債費会計予算
・第十六号議案 平成二十九年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算
・第十七号議案 平成二十九年度東京都病院会計予算
・第十八号議案 平成二十九年度東京都中央卸売市場会計予算
・第十九号議案 平成二十九年度東京都都市再開発事業会計予算
・第二十号議案 平成二十九年度東京都臨海地域開発事業会計予算
・第二十一号議案 平成二十九年度東京都港湾事業会計予算
・第二十二号議案 平成二十九年度東京都交通事業会計予算
・第二十三号議案 平成二十九年度東京都高速電車事業会計予算
・第二十四号議案 平成二十九年度東京都電気事業会計予算
・第二十五号議案 平成二十九年度東京都水道事業会計予算
・第二十六号議案 平成二十九年度東京都工業用水道事業会計予算
・第二十七号議案 平成二十九年度東京都下水道事業会計予算
・第八十六号議案 平成二十九年度東京都中央卸売市場会計補正予算(第一号)

第一号議案、第十一号議案及び第二十五号議案に対する編成替えを求める動議、第十八号議案及び第八十六号議案に対する編成替えを求める動議の提出理由説明
・鈴木 錦治君
・植木こうじ君

討論
・和泉なおみ君
・菅野 弘一君
・西崎 光子君
・小林 健二君
・西沢けいた君
・山内  晃君

○鈴木(隆)委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。
 これより付託議案の審査を行います。
 第一号議案から第二十七号議案まで及び第八十六号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了いたしております。
 ただいま、第一号議案、第十一号議案及び第二十五号議案に対し、和泉なおみ委員外四名の方から編成替えを求める動議が、また、第十八号議案及び第八十六号議案に対し、菅野弘一委員外十七名から編成替えを求める動議がそれぞれ提出をされました。
 案文はお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

   〔編成替えを求める動議は本号末尾に掲載〕

○鈴木(隆)委員長 本動議を本案とあわせて議題といたします。
 この際、編成替え動議の趣旨説明のため、それぞれ発言を求められておりますので、これを許します。
 鈴木錦治委員。

○鈴木(錦)委員 本特別委員会に付託された議案中、第十八号議案、平成二十九年度東京都中央卸売市場会計予算及び第八十六号議案、平成二十九年度東京都中央卸売市場会計補正予算(第一号)の編成替えを求める動議について、提案理由の説明を行います。
 豊洲市場への移転は、これまで、都と市場関係者及び都議会の長年の努力により、平成二十八年十一月七日と決定していたにもかかわらず、急遽、小池知事の独断で期限を定めず延期をしたため、市場関係者は豊洲と築地の両方に重複投資をしなければならず、経営を圧迫され、非常に困惑しています。
 築地か、豊洲か、いまだに知事の責任において果たすべき判断が下されない中、我々東京都議会自由民主党は、今回、提案のあった中央卸売市場会計の当初予算及び補正予算案について、編成替えを求める動議を行うものであります。
 まず、築地の安全性確保についてです。
 今回の議論の中で、築地市場内の建物に関する既存不適格の問題やアスベスト問題、土壌汚染の可能性などが明らかになりました。
 しかしながら、豊洲新市場への移転時期が明確にされていない中、平成二十九年度予算案では、築地市場内で働く方々、市場を訪れる観光客の皆様などの安全性を確保するための費用が十分に確保されているとはいえません。
 さらには、今回の議論を通じて浮かび上がった築地市場の土壌汚染に関する調査経費が、知事が指示を出したと答弁されたにもかかわらず、一円も計上されていません。市場当局の本気度を疑います。築地市場の安全面での調査や施設の安全性を確保するための予算について、増額を図るべきであります。
 さらには、豊洲新市場への移転延期により、多くの市場関係者に生じている損失の補償を実施するための予算についても問題があります。
 市場関係者への補償金については、現段階で全体像を把握できていないという理由により、現時点での予算措置として五十億円が計上されています。
 しかし、個別の積算が行われておらず、まさに腰だめの数字となっています。市場当局の積み上げた試算である九十七億円と比較しても、年度途中で不足することは明らかであり、市場関係者の皆様からは不安の声が上がっています。
 知事の判断のおくれにより、不安定な状況に置かれている市場関係者の安心感を確保する観点からも、補償費を増額すべきであります。
 この措置は、豊洲新市場への移転延期が明確にされない中で、都民の食の安全・安心、市場で働く方々の安全・安心を確保するために必要な措置であり、真の、真の安全・安心を得るためにも、知事の早期の決断を求めるものであります。
 組み替えの概要は、中央卸売市場会計予算のうち、築地市場に係る土壌汚染の調査経費、安全性を強化する営繕費及びアスベスト対策工事費をそれぞれ強化し、合わせて六億円の増額を求めるものです。
 また、中央卸売市場会計補正予算では、豊洲市場への移転延期に伴う市場関係業者に対する補償金について、四十七億円の増額を求めるものです。
 いずれも、財源は、地方公営企業法施行令第二十四条第二項に基づく建設改良積立金の目的外使用により対応するものです。
 皆様にご賛同をお願いし、提案理由の説明を終わります。どうぞよろしくお願いいたします。

○鈴木(隆)委員長 鈴木錦治委員の発言は終わりました。
 次に、植木こうじ委員の発言を許します。

○植木委員 第一号議案、平成二十九年度東京都一般会計予算外二会計予算の編成替えを求める動議について、提案理由の説明を行います。
 小池知事が初めて編成した二〇一七年度東京都予算案は、我が党が要求してきた保育園の待機児解消のための増設計画や保育士の給与の引き上げ、保育園建設の用地の減税措置が盛り込まれています。
 また、子供の貧困対策として、都立高校生への給付制奨学金や私立の授業料無償化の拡大、鉄道事業のバリアフリー化などを進めていることなど、福祉、教育の分野などで都民要求を反映した施策の一定の前進があることは評価できます。
 一方で、問題点もあり、投資的経費は十三年ぶりに減額されたものの、外環道や住民の反対の強い特定整備路線など不要不急の幹線道路予算は従来どおり継続されています。
 知事は、我が党の質疑への答弁で、都市インフラについて、事業の必要性や経費の内容など厳しく検証、見直すべきは見直すと表明したことは重要です。投資的経費の中身を精査して是正していくことが求められています。
 我が党は、提案されている二〇一七年度予算案については、全体としては評価できるものと考えております。
 同時に、さらによりよい予算にすることが求められています。
 都民は、貧困と格差の拡大、年金の削減、医療や介護の切り下げと負担増、生活保護の切り下げなどで苦しんでおり、福祉、暮らしの施策をより一層拡充することが求められています。
 こうした立場から、日本共産党都議団は、住民の反対の強い特定整備路線などの事業費の削減や財政調整基金の一部活用などにより財源を捻出し、都民の暮らし、福祉と営業を守る対策などの施策を拡充し、また、首都直下地震などの大災害から都民の生命と財産を守る対策などの拡充を図るため、必要最小限の予算組み替え提案を行うものです。
 予算組み替え提案の主な内容について説明します。
 多数の待機者がいる特別養護老人ホーム整備促進やシルバーパスの拡充など、高齢者福祉を拡充します。
 ことしも二万八千人を超える子供が保育園の第一次の入園選考で不承認になっている中で、待機児解消のための公立保育園建設整備費補助を行います。
 また、多摩地域のNICUの整備を促進するなど、子育て支援を拡充します。
 高過ぎる国保料を減免する区市町村への補助を実施し、障害者医療費助成を拡大するなど、都民生活を守る施策を強化します。
 三十五人学級を小学三年生まで拡大する、私立学校の入学金、施設費への補助制度を創設するなど、教育条件の整備と教育格差解消を前進させます。
 若者を使い捨てにするブラック企業対策や中小企業振興策を充実します。
 耐震診断、改修助成制度を都内全域に拡大するなど、防災対策を強化します。
 住民の反対の強い特定整備路線や外環ノ2など、住民の合意のない計画は削除します。
 これらの予算の組み替えの規模は、一般会計予算案の二・八%に当たる一千九百五十三億円で、三十一項目を削減し、六十三項目、八百三十億円を都民施策に充てるとともに、都債発行を五百二十二億円抑制するものです。
 皆さんのご賛同をお願いし、提案理由の説明を終わります。(拍手)

○鈴木(隆)委員長 説明は終わりました。

○鈴木(隆)委員長 これより討論を行います。
 順次発言を許します。
 和泉なおみ委員。

○和泉委員 日本共産党都議団を代表して、第一号議案、平成二十九年度東京都一般会計予算外二十一議案に賛成し、第十六号議案、平成二十九年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算外五議案に反対する立場から討論します。
 まず、一般会計予算についてです。
 小池知事が初めて編成した来年度東京都予算案は、福祉、教育などで都民要求を反映した施策の一定の前進がありました。
 我が党が要求してきた保育園の待機児解消目標の大幅引き上げや保育士給与の引き上げ、二十三区内で保育園に土地を貸し出す方への固定資産税、都市計画税の減免措置が行われることは評価できます。
 高齢者福祉に関しては、特養ホームなどの整備費補助が減額となっている一方、知事は、できる限り住みなれた地域で暮らしたいと望む都民の気持ちに応えるために、特養ホームなどの整備と地域包括ケアシステムの構築が必要だと答弁しました。そのための土地の確保、都営住宅建てかえ時の創出用地のさらなる活用や介護職員の処遇改善を求めます。
 私立高校生の三割を占める年収七百六十万円未満の世帯の授業料を実質無償化すること、都立高校生への給付制奨学金なども重要です。
 また、商店街対策として、専門家派遣、巡回相談などの新規事業が立ち上げられ、医工連携事業、福祉用具や環境分野の技術など、都民の福祉や暮らしに役立つ分野への中小企業の参入を支援する予算が倍増されました。
 防災対策では、無電柱化は私たちが求めていた区市町村道への支援を含めて促進され、救急隊も増強されます。
 環境対策では、一般家庭の照明をLED電球に無償交換することも評価できます。
 我が党は、本予算特別委員会において、石原都政以来、東京都が、多摩格差は解消したとして、二十三区との間のさまざまな格差の解消に取り組んでこなかったことを指摘するとともに、二十三区と多摩地域の市町村の間の財政力の格差が大きいことから、施策としても数多くの多摩格差があることを示し、都が広域的自治体としての税の再分配機能を発揮して、格差解消に力を尽くすよう求めました。
 これに対し、知事が、多摩格差ゼロを目指すような政策、これを立案、そして実践していきたいと、石原知事以来、初めて多摩格差解消の立場を表明したことを歓迎するものです。答弁したとおり、NICU、子供の医療費助成、幼稚園の入園料補助、中学校給食の実施率など、一つ一つ格差を解消する取り組みを進めることを求めます。
 予算は、一方で問題点も多々あります。
 一つは、安倍内閣による介護、医療、年金などの社会保障制度の切り捨てから都民生活を守るという課題です。
 我が党は、本予算特別委員会において、高過ぎる国民健康保険料、税の引き下げを求めました。
 知事は、国民健康保険が皆保険制度の基礎であり、所得が低く医療需要の高い人が多く加入していることから、構造的問題があるという認識を示し、国にしっかりと要望していくと答えました。このこと自体は重要ですが、今後、ぜひ、都の財政負担で高過ぎる保険料の負担を軽くし、都民の暮らしと医療受診を支える方向を強めるよう、重ねて申し述べておくものです。
 我が党はまた、国保加入者への新規差し押さえの件数に応じた交付金を交付することにより、都が区市町村に差し押さえをあおり、滞納している国保加入者のさまざまな条件を顧みない強引な徴収が広がっている状況を示し、是正を求めましたが、是正の立場は示されませんでした。今後、ぜひ、実態を把握して是正していくことを求めておくものです。
 投資的経費についても、都民の立場に立った是正、改革が求められています。
 投資的経費については、知事が、めりとして十三年ぶりに減額したことを強調されました。今後、投資的経費の中身を精査して必要な見直しを進めていくことを求めます。
 すなわち、福祉関連施設の整備などに係る投資的経費についてはふやす必要がありますが、大型開発にかかわる投資については、精査し見直すことが重要です。
 特に問題なのは、外かく環状道路や特定整備路線など大型開発です。不要不急の路線、余りにも巨額の予算を伴うもの、そして何よりも、いかなる理由があろうとも、問答無用に住民生活を破壊し住民を追い出すものや、貴重な自然を破壊する幹線道路の建設は同意できません。
 そのような幹線道路は、共通して住民の強い反対運動があります。都民ファーストというのなら、現場の実態、住民意見を把握し、見直していくことが強く求められています。
 この問題については、本会議や予算特別委員会などにおける質問、質疑を通して、知事から、事業の必要性や経費の内容などを厳しく検証していくこと、その中で見直すべきは見直しを行うという立場が表明されました。この答弁に基づき見直しを進めることを求めます。
 以上、我が党は、予算の前向きな面を評価するとともに、小池知事の今後に生きる重要な答弁を踏まえて、来年度予算案に賛成するものです。
 同時に、住民の強い反対がある幹線道路などにメスを入れ、都民施策のより一層の充実を図るという立場から、二〇一七年度東京都予算案に対する予算組み替え提案を行いました。我が党が提案した組み替え動議への賛同を、ぜひお願いするものです。
 なお、第十八号議案、平成二十九年度東京都中央卸売市場会計及び第八十六号議案は、豊洲移転経費が含まれておらず、市場運営を保障するものであることから、賛成することを表明します。
 一方、第十六号議案、臨海都市基盤整備事業会計は、臨海部開発を一層促進するために巨大道路建設に莫大な投資を行うものであり、反対します。
 最後に、築地市場の東京ガス豊洲工場跡地への移転問題について申し述べます。
 今議会で設置された百条委員会における審議の中で、石原元知事が、最悪の土壌汚染地であることを顧みず、築地市場の豊洲新市場移転を強行し、都民と市場業者に多大の損害と困難を押しつけてきたにもかかわらず、既に決まっていたことだった、部下がやったことで自分は知らなかったなどと、みずからの責任を回避する立場に終始したことは断じて容認できません。我が党は、百条委員会などあらゆる機会を通じて、引き続き真相を明らかにしていく決意です。
 また、今、土壌汚染において、全くレベルの違う豊洲新市場と築地市場を同列に置いて、あたかも築地市場の方が危険であるかのような論調があります。
 しかし、築地市場は、例えばガソリンスタンドが十年程度あり、ガソリンにベンゼンが含まれていることからベンゼン汚染となり得ますが、ベンゼンは揮発性があり、土壌中に残留しているものは少ないといわれています。
 一方、豊洲新市場は、三十年にわたってコールタールが直接地面に流れていたため、大量のベンゼンが土壌や地下水に深く残留したものであり、量的にも質的にも全く違うということを指摘しておくものです。
 なお、自民党が築地市場の土壌汚染調査や安全性の強化、業者への補償のため、編成替えなどを求めていますが、必要になったら補正を組めばよいことであり、反対です。
 豊洲新市場は、第九回目の地下水モニタリングと再調査によって環境基準の百倍のベンゼンが検出されるなど、豊洲新市場の地下が有害物質に汚染されていることが明らかになりました。
 地上も地下水も環境基準以下にして市場の安全・安心を守ることが、東京都の都民と市場業者に対する約束です。これが実現できなかった以上、豊洲新市場移転はきっぱり中止し、石原都政以来十八年の長きにわたり怠ってきた築地市場の改修などを急ぐとともに、築地市場再整備について本格的な検討を行うべきことを申し述べて、討論を終わります。(拍手)

○鈴木(隆)委員長 次に、菅野弘一委員。

○菅野委員 東京都議会自由民主党を代表し、第十八号議案、第八十六号議案の編成替えを求める動議に賛成をし、そのほかの知事提案にかかわる議案に賛成する立場から、また、共産党提出の予算編成替えを求める動議に反対する立場から討論を行います。
 初めに、第十八号議案、平成二十九年度東京都中央卸売市場会計予算について申し上げます。
 築地市場は、昭和十年の開設以来八十年以上が経過し、毎日が施設の老朽化との闘いと伺っています。現在の環境は、市場関係者の努力、つまりは市場のマンパワーによって保たれています。
 先日、ろ過海水送水ポンプの停止など、市場機能の根幹を揺るがす事故も起きています。これは市場設置者としての知事の責任でもあります。放置は許されません。これ以上の事故は起こしてはなりません。
 よって、老朽化対策を充実させた予算の組み替え動議に賛成するものです。
 次に、第八十六号議案、平成二十九年度東京都中央卸売市場会計補正予算(第一号)では、豊洲市場への移転延期に伴い市場関係者に生じている損失に対する補償を実施するための経費について申し上げます。
 その経費の把握方法は、個別事業者の豊洲市場に導入した設備の状況であり、事業者の損失額を詳細に見積もったものではありません。当面の補償金の支払いだけで、補償額の総額には到底及ばないものです。
 よって、対策を充実させた組み替え動議に賛成するものです。
 以上のように、豊洲移転延期による、本来必要のない補償などの経費は相当な額となっています。また、環状二号線の完成までの遅延など、その損失ははかり知れないものがあります。市場関係者の努力や負担は並大抵のことではありません。
 また、予算審議においては、多くの時間が豊洲市場移転延期問題に費やされ、都民生活の課題に関して深掘りした審議ができなかったことはまことに残念であります。これら審議できなかった内容につきましては、文書質問で知事の見解を伺うことといたします。
 さて、平成二十九年度一般会計予算案について申し上げます。
 私たち都議会自民党は、前回の都議会議員選挙で、東京を世界で一番の都市にを公約に掲げ、多くの都民の信託をいただきました。この目標を実現するため、三百四十八項目に及ぶ提言を取りまとめ、その実現に取り組んでまいりました。
 その結果、昨年の森記念財団による世界都市ランキングでは、長年世界第四位であった東京は、第三位へとランクアップしました。私たちの政策提言とその取り組みが着実に効果を出し始めたあかしだと思います。
 また、知事が昨年十二月に公表した二〇二〇年に向けた実行プランは、都民の与党である都議会自民党の提言のほとんどが反映されたものとなっています。
 こうしたことから、実行プランに掲げられた目標をいかに実現していくのかという視点で、知事の目標の実現に向けた最初の予算案が真に有効なものなのか、都民目線でチェックをし、東京を世界で一番の都市への歩みを着実に前進させるという姿勢で審議に臨みました。
 本予算案では、待機児童対策、高齢者介護やオリンピック・パラリンピックの競技施設などの着実な準備など都政が直面する重要課題に財源を適切に配分し、積極的な施策を展開しています。
 また、将来に向けて安定的な財政運営を行うため、都債の発行額を抑制し、将来に向けて発行余力を培うなど、強固で弾力性のある財政基盤の構築を図っています。
 将来を見据え、真に必要な施策の充実を図りながら、それを支える財政基盤を堅持するという財政運営の方向性は、私たち都議会自民党の主張と軌を一にするものであります。
 それでは、本予算案の各分野の重要事項について申し上げます。
 まず、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会についてであります。
 かねてから我が党は、パラリンピックの成功なくして二〇二〇年大会の成功はないと主張してきました。残された三年半、パラリンピックの魅力を発信し、実際に競技会場へ足を運んでもらえるよう、多くの都民、国民の関心を喚起する取り組みを継続して行っていくことを求めます。
 次に、安全で安心な東京の実現に向けた取り組みです。
 無電柱化は、災害時の電柱倒壊による道路の閉塞を防ぐなど、防災、減災とともに、美しい都市景観の形成を図る上で重要な事業です。今後、都道はもとより、道幅の狭い区市町村道においても、地域の実態に即した無電柱化の取り組みを支援し、無電柱化をさらに進めていくことを求めます。
 また、都内の木密地域の不燃化や特定緊急輸送道路の沿道建築物耐震化についても、さらに取り組みを強化することを求めます。
 そのほか、集中豪雨などによる水害から都民の生命と財産を守る取り組みや、地域防災の担い手となる消防団員の増加に向けた取り組みなど、ハード、ソフト両面にわたり、都民の安全・安心を守る取り組みを着実に進めていくことを求めます。
 次に、福祉政策について申し上げます。
 まず、保育サービスの拡充です。保育を担う保育人材の確保、定着を図ることが重要です。来年度は、これまで実施してきたキャリアアップ補助を大幅に拡充し、保育の実施主体である区市町村と連携し、保育人材の確保、定着に向け、さらなる取り組みを進めることを求めます。
 また、都は、高齢化の進展に伴う施設サービス需要の増加を見据え、平成三十七年度末までに特別養護老人ホームの定員を六万人分確保する目標を設定していますが、介護サービス基盤のさらなる整備促進を求めます。
 次に、産業労働政策について申し上げます。
 商店街は、地域商業の拠点であると同時に、コミュニティを支える基盤でもあり、我が党は都内商店街の持続的発展に向けた取り組みの重要性を訴えてきました。都は、専門家を活用して商店街の活動を支援する新たな支援策を開始することを明らかにしました。商店街が持続的な発展ができるよう、強力に後押しをしていくことを求めます。
 また、東京の農業の振興を図る上で、その担い手の確保、育成が何よりも重要です。特に、東京都の農業就業人口の四割を占める女性農業者は、その感性を生かした農産物の販売企画や加工品の開発などにより、農業経営の収益性向上に大きく貢献しています。女性農業者の活躍推進に向け、支援策を強化していくことを求めます。
 最後に、多摩・島しょ振興について申し上げます。
 多摩地域には、豊かな自然、商業施設や住宅街、企業や大学、さらには農地が広がるエリアなどがあり、多様性に富み、豊かな潜在力を持った地域です。都は、今後、多摩の振興プランを検討していくに当たり、市町村や学識経験者、民間事業者などから幅広く意見を聞き、地域ごとの特性や課題を踏まえた検討を進めていくことを求めます。
 また、島しょ五村における超高速ブロードバンド整備に当たり、都は、海底光ファイバーケーブルの整備に着手するとしています。早期の環境改善を求めている島民の声に応え、整備を加速させることを求めます。
 以上、都政には、多岐にわたり解決しなければならない課題が山積しております。我々都議会自民党は、着実かつ確実にこれらの解決に取り組むべく、これからも、二元代表制のもとで建設的な議論をなし、都政を前進させるとともに、議会の権能である行政の監視、建設的な批判、修正、対案の提案など、精力的に活動していくことをお約束申し上げまして、討論を終わります。(拍手)

○鈴木(隆)委員長 次に、西崎光子委員の発言を許します。

○西崎委員 都議会生活者ネットワークを代表して、予算特別委員会に付託された東京都水道事業会計予算に反対、その他の知事提案の全ての予算原案に賛成の立場から討論を行います。
 小池知事が編成した初めての予算案は、先行き不透明な経済状況で企業収益の減少や長引くゼロ、マイナス金利の影響を受け、都税収入は六年ぶりに減少、五兆九百十一億円を見込んでいます。それに対して、必要な投資と無駄の排除によって、一般会計の予算規模を〇・八%減の六兆九千五百四十億円とし、めり張りをきかせた予算としました。
 東京大改革を掲げる知事は、予算編成プロセスについても見直し、情報公開や予算編成過程の見える化を進めました。今回の予算案には、子供への教育予算の増額、女性の再就職や起業への支援など、生活者ネットワークがこれまで要望してきたものが盛り込まれました。
 初めに、豊洲市場移転問題について一言申し述べます。
 この間の百条委員会で明らかになったのは、石原元知事の、部下に一任という発言にあらわれる濱渦副知事への丸投げという無責任体制です。職員全体の士気の低下状態を生み、都政のゆがみをつくり出しました。石原知事がもたらした歴史的な都政の停滞の責任は重大だと考えます。
 そして、東京ガスとの不透明な水面下の交渉の結果、護岸工事費の全額負担、さらには瑕疵担保責任の放棄という東京ガスに対する法外な優遇策をとり、豊洲への移転を都が強引に進めたことです。土壌汚染対策をないがしろにし、食や環境の安全より移転が優先であったという当時の都の認識は本末転倒であり、環境汚染や盛り土問題にあらわれるように、暗黙の土壌汚染隠しという都政の闇をつくり出したのではないでしょうか。
 先日報告されましたモニタリング再調査で環境基準の百倍のベンゼンが検出されても、地下水と地上を分割して安全だとする専門家会議について、メンバーを変更するなど、リスクコミュニケーションのあり方を抜本的に検討すべきと考えます。
 また、これまで多大な費用を施設整備に投じてきましたが、さらに今後、維持管理費や修繕、改修費など、どれくらいかかるのかを試算すべきです。知事は、豊洲への移転だけではなく、コスト情報も含めた代替案を複数提示し、情報を都民に提供する必要があると考えます。
 子供の貧困について、都が昨年実施した調査によれば、生活困窮層に該当する世帯は二割に及んでおり、単に経済的な困窮だけではなく、親子の社会的な孤立や健康面など生活全般にわたって問題が重層していることがわかりました。しかし、当該の困窮世帯に必要な行政情報が届いていません。
 このような状況の中、子供の食や学習環境の貧しさを補う取り組みとして、子供食堂が地域に根づいてきています。子供の居場所創設事業の中に子供食堂への支援が盛り込まれていますが、区市町村が活用しやすいように、現場に即した支援となることを要望します。
 新年度予算には、医療的ケアが必要な子供について、保健、医療、福祉の連携強化や保育サービスへの支援などが盛り込まれています。
 学齢期になった医療的ケア児は、特別支援学校だけではなく住んでいる区市町村立の小中学校にも通っています。地域の学校で受け入れる場合に都の支援はなく、実際の受け入れはハードルが高いのが現状です。今回、学童クラブへの補助も始まることから、地域の学校で受け入れが進むよう、都として自治体に支援することを要望します。
 最後に、水道事業会計について申し述べます。
 昨年、八ッ場ダムの基本計画が変更され、事業費が四千六百億円から五千三百二十億円に引き上げられました。当初は二〇〇〇年度に完成、事業費二千百十億円だったものが、計画変更で工期延長と事業費増額を繰り返しています。
 そもそも、八ッ場ダムを建設する根拠は、水道水源が足りないというものです。しかし、水需要は二十年以上減少しているのに、都はまだ水需要がふえる予測を出し、実績との乖離はどんどん開いています。昨年の渇水も、ダム運用の方法が問題だと指摘されているところであり、都民生活への影響はありませんでした。
 八ッ場ダムの無駄な水源開発を進めていく水道事業会計予算には反対です。
 生活者ネットワークは、人への投資こそが重要と考えます。二〇二〇年大会の開催を機に、東京が子供、高齢者、障害者など、人に優しい生活のまちへと変えていくことを求め、都議会生活者ネットワークの討論といたします。

○鈴木(隆)委員長 次に、小林健二委員の発言を許します。

○小林委員 私は、都議会公明党を代表して、本委員会に付託された議案中、知事提出の全議案に賛成し、自民党と共産党それぞれが提案の予算の編成替えを求める動議に反対する立場から討論を行います。
 平成二十九年度の一般会計当初予算案は、都議会公明党の強い要請に応え、高等学校の公私間格差の是正に向けて私立高校授業料を実質無償化する措置が盛り込まれたことを初め、喫緊の課題である待機児童解消に向けた取り組みや無電柱化の推進など、都民福祉の向上や安心・安全の確保のため必要な施策に大胆に財源を振り向けています。
 まず、教育施策についてであります。
 都議会公明党の提案を受け、平成二十九年度予算案に盛り込まれた私立高校授業料の実質無償化措置に関して、さきの本会議における代表質問に引き続き、本委員会の代表総括質疑においても、改めて、今回無償化の対象から外されている東京都認可の通信制高校への支援拡大を訴えたところです。早期の適用拡大に向けて、都の迅速な対応を強く求めます。
 また、来年度から実施される小中高の児童生徒を対象としたがん教育に関しては、大きな前進がありました。指導の充実に有効な外部講師の活用に向け、我が党ががん教育を担う関係者間の連携の仕組みが不可欠であると主張したのに対し、都教育委員会は、がん教育推進協議会を設置すると表明しました。今後、東京都医師会と連携し、二十三区と比較して医師が少ない多摩地域など、都内全域において格差のない事業が行われるようにしていただきたいと思います。
 次に、障害者施策について申し上げます。
 都議会公明党は、かねてから、都庁における障害者採用選考について、身体障害者に限らず、精神障害者や知的障害者にも門戸を開放するよう検討すべきと主張してきました。さきの我が党の代表総括質疑の中で、都が来年度から精神障害者、知的障害者を採用選考の対象に加えることを検討すると述べたことは、精神障害者、知的障害者の長期的、安定的な雇用の確保に向けて大きな前進です。今後は、門戸開放の検討とあわせて、障害特性や程度に応じたきめ細かな職場環境整備などのさらなる検討を求めます。
 次に、地域包括ケアの新たな仕組みについて、昨日の締めくくり総括質疑で、我が党は、地域包括ケアにおいて、緊急事態が発生した場合に対処するため、介護老人保健施設の空床を活用した緊急入所のシステムを構築していくべきと主張したのに対し、都は、区市町村や事業者団体などと意見交換を行い、緊急時における介護老人保健施設の活用について検討していくと答えました。区市町村の実情に応じた早急な対応を求めておきます。
 また、鉄道駅のホームドア設置について、視覚障害のある児童生徒が通う都立盲学校の最寄り駅などに優先的にホームドアを設置すべきと求めたところ、都は、今後、児童生徒の通学の安全性を一層高めるため、都教育委員会は関係局と連携して、視覚障害特別支援学校の最寄り駅など必要性の高い駅に優先的に設置するよう鉄道事業者に対し要望すると述べました。一刻も早く盲学校の最寄り駅にホームドアが設置されるよう期待しております。
 一方、都議会公明党はこれまで、一貫して防災対策における女性の視点の重要性を主張し、数多くの政策提言を行ってきました。発災時における避難所運営に女性がかかわっていくため、また、地域の防災活動に参加する女性の裾野拡大のため、女性防災リーダーの育成が重要であるとの我が党の提案に対して、都は来年度から、女性防災リーダーの育成を進める方針を示しました。都議会公明党の要望を受け、来年度予算案に盛り込まれている女性視点の防災ブックの作成においても、この女性防災リーダーの意見を取り入れていただきたいと思います。
 豊洲市場移転問題について申し上げます。
 昨日の締めくくり総括質疑では、三月十九日の地下水モニタリング再調査の結果を受け、専門家会議の平田座長が、豊洲市場の地上部分は安全、地下は科学的知見で対応可能との見解が示されたことを踏まえ、地下部分の具体的な対応策について、都の対応をただしました。
 また、市場全体としての持続可能性について、財政的に問題がないことも質疑を通じて明らかになりました。
 小池知事が昨年十一月に公表した豊洲市場への移転に関するロードマップに関して、我が党は、スピード感を持って市場のあり方を整理し、工程表どおり着実に進めるべきだと訴え、知事の見解を確認、これに対して知事から、新たに設ける市場のあり方戦略本部で、市場会計の収益構造や長期的収支を含めた事業継続性などを検証し、市場の将来を見据えた視点を持って集中的に検討するなど、総合的な判断につなげていくとの答弁がありました。重ねて、知事はスピード感を持って、ロードマップの着実かつ確実な推進を強く要望しておきます。
 最後に、自民党提案の第十八号議案、平成二十九年度東京都中央卸売市場会計予算の編成替えを求める動議と、第八十六号議案、平成二十九年度東京都中央卸売市場会計補正予算の編成替えを求める動議について反対する立場から意見を述べさせていただきます。
 第十八号議案では、築地市場内の土壌汚染に関する調査等及び安全性の強化を行うため、営業費用を四億円増額するとしていますが、築地市場の修繕費については、十一市場全体の枠で約八億五千万円の予算を計上しています。修繕工事については発生の都度、予算の枠内で執行するものであり、築地市場の修繕費は、過去の実績を踏まえると約三億円となっています。
 また、土壌汚染に関する調査などについては、まず初めに表層調査を行った後に、環境確保条例上の基準を超える土壌汚染が明らかになった場合にのみ、詳細なボーリング調査の必要な箇所などが確定します。このため、現時点においては、土壌汚染に関する調査の全体経費は確定していません。
 さらに、第十八号議案には、築地市場の老朽化対策などを行うために建設改良費を二億円増額するとあります。築地市場の老朽化対策として一定規模の改良工事を行うに当たっては、事前に設計などを行い、工事概算額を算出する必要があります。建設改良費は、原則として工事ごとに計画した上で、必要額を見積もり、予算計上するものでありますが、二億円の予算額については、具体的な工事ごとの計画が示されていないため、賛成することはできません。
 一方、第八十六号議案では、豊洲市場への移転延期に伴う市場関係者に対する補償金として、四十七億円増額するとしています。
 補正予算の五十億円は、個別事業者に係る補償金額を積み上げたものではなく、当面の補償金の支払いに充てるための現時点での予算上の措置として計上したものです。また、さきの経済・港湾委員会において、市場当局は九十七億円について、さまざまな仮定を設けて試算したもので、仮定の置き方により金額も大きく変動するものであり、予算の積算根拠としては用いることはしなかった旨を答弁しております。
 補償費用は、平成二十九年四月以降、できるだけ速やかに市場業者に支払われることになりますが、実務的に支払いを進める中で、毎月の執行状況について確認し、必要な場合は追加の補正予算で対応するべきであると考えます。よって、第八十六号議案には反対する考えを表明し、討論を終わります。(拍手)

○鈴木(隆)委員長 小林委員の発言は終わりました。
 次に、西沢けいた委員の発言を許します。

○西沢委員 私は、東京改革議員団を代表して、本委員会に付託された知事提出の全議案に賛成し、都議会自民党並びに日本共産党による予算の編成替えを求める動議に反対の立場から討論を行います。
 まず初めに、本特別委員会の質疑を通じて、豊洲市場移転問題に関して、疑惑解明、都民の不信、不安の払拭とは別に、築地市場への不安を殊さらあおり、問題の本質から論点をずらそうとする議論があったことは大変残念です。
 これまで安全・安心を標榜し、さまざまな約束をしてきたにもかかわらず、それをほごにしてでも強引に移転しようとしているのは誰なのかが明らかになってきました。
 もし仮に、都民の信頼を損ねてしまっているという現実から目をそらし、法の基準を満たしているから安全だ、都民の安心と納得などはもはやどうでもよい、さっさと移転すればいいといわんばかりの姿勢であるならば、それは決して許されることではありません。
 真相と原因の究明、再発防止策もないまま、なし崩しに豊洲市場を開場してしまえば、不透明な建設費の膨張や土地購入の経緯、都民との約束不履行、このような問題が再び繰り返されてしまいます。ここで都政の闇を明らかにしなければ、一体いつできるのか。信頼の回復なしに、豊洲に移転することなどあり得ないと断言いたします。
 都議会自民党による編成替えを求める動議も、知事に対して早期決断を求めていながら、開場延期に伴う補償費の増額を求めるといった理屈に合わないものであるなど、編成替えありきの内容です。こうしたことから、都議会自民党の動議に反対するものです。
 さて、平成二十九年度一般会計予算案についてですが、当該予算案は、小池知事就任後初の本格予算となります。
 予算規模は、前年度比〇・八%減となりました。税収の下ぶれなどの懸念材料を踏まえると、東京改革議員団が繰り返し提案をしてきた、徹底した無駄の排除と行財政改革の推進など、より一層の財政基盤の強化を進めていかなければなりません。
 また、成長戦略をしっかりと描き、新産業の育成や環境、エネルギー施策の充実、子育て、福祉の充実などに集中して予算を投じ、めり張りをつけることが重要です。
 平成二十九年度予算案は、財政の健全性を維持し、将来への負担にも配慮したものとなっており、保育士の処遇改善、高校生を対象とした給付型奨学金の創設、働き方改革の推進など、都政改革、子育て支援、労働分野での積極的な取り組みは、私たちが提案をしてきた内容もしっかりと盛り込まれていると考えます。
 それでは、予算の各分野について申し上げます。
 まずは、行財政改革です。
 監理団体、報告団体のあり方については、指定の要否も含めた見直し、一斉点検を行い、二〇二〇改革プラン(仮称)の策定作業を進めることを求めるものです。また、退職管理制度についても、天下りにお墨つきを与えているだけではないかといわれることがないよう、その紹介等において、職員の所管事務や職務遂行の実態を精査するとともに、就職後においても勤務内容などについてしっかりと確認するなど、その適正性を担保する取り組みを推進することを求めます。
 次に、未来への投資、貧困と格差是正にかかわる子供、子育て支援、教育についてです。
 家庭の経済力にかかわらず高校教育を受けられるよう、高校無償化に通信制課程を対象として加えること、日本語支援が必要な子供の都立高校での受け入れ、そしてエンカレッジスクールでの学び直し指導体制の充実に取り組むこと、また、医療的ケアを必要とする子供の保育、教育、通学保障を早急に実現すること、さらには、保育所の安全対策など必要な施策をしっかりと推進するよう求めておきます。
 また、働き方改革の実現に向けて、非正規雇用労働者の待遇格差の是正のための同一価値労働同一賃金の徹底、仕事の仕方を見直すなど残業抑制マネジメントの推進により働く人が改革の効果を実感できる取り組み、テレワークの導入促進など多様な働き方ができる環境整備を行うことを求めます。
 多摩産材の活用を進めるため、加工技術の向上、デザイン力やマーケティングなど活用企業への支援、民間施設での活用方策の充実に加えて、多摩産材を活用した保育、教育施設における木育を一層推進すること、さらには、明治以来、都が守ってきた奥多摩地域の水源林についてのPRなど、多摩の森林の価値を高め、世に送り出す取り組みを総合的に推進することを求めるものです。
 危機管理対策については、東京二〇二〇大会に向けて、一たび感染症が発生した場合、一刻も早く拡大防止措置を講じることができるよう対策の充実に取り組むことに加え、災害や感染症のパンデミックに十分な対応をとるため、地域を越えた連携体制の充実に向けて取り組みを推進することを求めます。
 加えて、東京二〇二〇大会開催期間中に首都直下型地震が発生した場合をも想定し、会場やその周辺のバリアフリーや無電柱の実現はもちろんのこと、周辺宿泊施設の防火安全対策を徹底すること、各種対処要領の策定と実践的な訓練の実施を求めます。
 団塊世代が全て七十五歳以上となる二〇二五年問題、超高齢社会の到来に備え、介護予防への取り組みに地域差が生じないよう区市町村を支援すること、また、介護離職の防止、仕事と介護の両立支援を推進するとともに、介護離職した場合の再就職支援にも取り組むことを求めます。
 高齢者の居住支援については、都営住宅の高倍率、世帯数を上回る都内住宅戸数の現状などを鑑み、民間住宅を活用した公平な制度の導入に向けて検討を進めることを求めます。
 原発に頼らない社会を実現するため、再生可能エネルギーの利用拡大、太陽熱利用促進など電力消費そのものを削減する取り組みの推進、都有建築物のさらなる環境負荷低減、CO2フリー水素技術の普及など、あらゆる取り組みを行い、環境施策を推進することを求めます。
 オリンピック・パラリンピックについて、新たに整備する恒久競技施設については、大会後も都民が長く使うものであり、負の遺産とならないものとして維持管理、運営するよう整備することを求めます。また、組織委員会の情報公開、コスト縮減、そしてさまざまな取り組みを行い、増収を図るよう強く求めるものです。
 最後に、私たちは、これからも正々堂々とした議論を行い、都民の負託に応える議会として再生するため、抵抗勢力と全力で対峙していくことを申し上げ、討論を終わります。(拍手)

○鈴木(隆)委員長 西沢委員の発言は終わりました。
 次に、山内晃委員の発言を許します。

○山内委員 都民ファーストの会東京都議団を代表して、知事提出の全議案に賛成し、予算組み替えを求める動議に反対の立場から討論を行います。
 平成二十九年度の予算は、小池知事が編成した初めての予算案であります。本予算は、知事が掲げるワイズスペンディング、賢いお金の使い方の視点に立ち、都民ファーストの理念のもと編成された予算であり、まさに新しい東京の実現に向けた改革を推し進め、明るい未来への確かな道筋を紡ぐ予算であると評価いたします。
 加えて、復活予算の廃止を初めとする予算編成過程の透明化、知事査定におけるITを活用したペーパーレス化、わかりやすい予算関係資料の発行など、予算編成プロセスの随所に知事が掲げる都民ファーストの視点が盛り込まれている点も、これまでの都政にはなかった大転換として評価をいたします。
 めり張りのある予算を端的に表現したメリーちゃんとハリーくんの親しみやすいキャラクター、これこそ、都政は、一部の限られた人による閉ざされたものではなく、都民のためのオープンなものだという、まさに都民ファーストの一つの象徴であると考えます。
 以下、予算案について申し述べます。
 一般会計は総額で六兆九千五百四十億円と、前年度に比べ〇・八%の減額となり、歳入の基幹となる都税収入は昨年度より二・三%、一千百七十二億円の減と、今後の日本経済の若干の陰りを反映したものとなっております。
 そこで、知事は全ての事業総点検を実施し、事業の必要性、経費の内容を厳しく精査することから無駄を排除する取り組みを行い、一方で、未来ある東京づくりに必要な事業に対しては積極的に投資をすることで、三百八十二件の新規事業を立ち上げる大胆かつ有効な取り組みをされ、めり張りのある予算配分を行いました。
 次に、分野別に述べていきます。
 財政運営について申し上げます。
 都税収入の減少の主な要因は、景気変動の影響を受けやすい法人二税の減少であります。今後の景気動向を俯瞰しながら適切な財政運営に努めていかなくてはなりません。都債については、昨年度より一五・六%、五百五十一億円減の二千九百八十三億円に抑えることで、将来にツケを回さないことを十分に勘案した取り組みだと思いますが、依然、都債残高については五兆六千億円あるということを今後も踏まえていただきつつ、さらに健全財政に取り組んでいただくことを要望いたします。
 都は、平成二十八年度予算で不用額となる三千九十二億円を新たに基金として積み立て、知事肝いりの無電柱化に向けた無電柱化推進基金に七百億円、ほかにも待機児童解消のための福祉先進都市実現基金に二千三十五億円など、基金への積み立てを実施するとしており、また、防災、福祉などさまざまな観点から三つのシティーを着実に展開されることを求めていきます。
 二〇二〇大会についてですが、オリンピック・パラリンピック開催を通じて得られる経験や感動、そして有形無形の財産を、ソフト、ハードの面から後世にレガシーとして継承していかなくてはなりません。誰もが世紀の一大イベントの成功を心から喜べるような大会にするには、今から都庁内を含めた関係者の不断の努力、そして大会にかかわる全ての人たちの理解と共感を得ることが必要であります。
 大会を契機としたスポーツ、文化、教育の振興などソフト面の充実、競技施設を中心としたハード面の整備、膨らむ大会経費を着実に抑え、適切にマネジメントをしつつ、二〇二〇年、そしてその先に、一層東京が羽ばたくことができる環境や体制の創造が求められると考えます。
 ライフワークバランスについてですが、子育て、介護、働き方など、幅広い分野でダイバーシティーの取り組みを加速させることが必要であります。
 二〇二〇年に向けた実行プランでは、保育所の整備促進、人材確保、定着の支援、利用者支援の充実で保育サービス利用児童者数七万人分の確保が掲げられておりますが、知事の公約の一丁目一番地、待機児童解消に向けた強い思いが、この予算案には込められております。
 子供を安心して産み育てられる環境が飛躍的に整備され、これまで以上に女性の社会進出が加速されること、そして、ひいては働き方改革と相まって、真のダイバーシティーが実現することを期待いたします。
 危機管理について申し上げます。
 二〇二〇大会の開催で世界中から東京に向けられる関心や注目度は年々高まっております。ソフト、ハード両面での安全・安心の取り組みに終わりはなく、都民の生命、身体、そして財産を守る知事の強いリーダーシップに都民は大いに期待をしております。
 ハード面でいえば、例えば、無電柱化の推進、住宅密集地域の不燃化対策など、三十年で七割の確率で起こるといわれる首都直下型地震に備え、倒れない、燃えないまちづくりを着実に推し進めていかなくてはなりません。
 また、ソフト面でいえば、自然災害はもとより、テロやサイバー攻撃などさまざまな種類のリスクに備える一層の取り組みが不可欠であります。都民の生命、身体、財産を責任を持って守るため、都庁一丸となって今後も取り組んでいただくべく、都の危機管理体制を一層強化し、真のセーフシティーの実現を図っていくことを求めます。
 最後に、市場問題について申し上げます。
 もとより中央卸売市場は、消費者に対し、安全な環境下で安全な食品を提供し、消費者の食卓における安心を確保することが最大のミッションであります。豊洲市場の土壌汚染問題に関連して、盛り土がされておらず、地下空間が存在していたこと、意思決定のプロセスについて、まさにブラックボックスといわざるを得ない無責任体質が都政に蔓延していたこと、今や都民の信頼を失った都政、そして都民からの安心を損ねることとなった豊洲市場については、私たち都議会は、真摯に反省すべきは反省をし、正面から向き合っていかなくてはなりません。
 こうした中にあって、我々がなすべきことは、現在稼働している築地市場に対する都民の不安をあおることでもなく、また、都民の安心を失った豊洲市場の相対的な安全性を主張し続けることでもないはずであります。
 都民の信頼、安心を失ってしまったこうした状況であるからこそ、我々は真摯に都民や市場関係者の声に耳を傾け、既得権やしがらみにとらわれない、都民の理解、共感、納得に基づく総合的な判断がなされるべきであります。
 我が会派は、結論ありきではなく、十分な検証に基づく都民本位の選択をしようとする小池都知事の姿勢を強く支持いたします。
 きょうよりもあすがいい、あすよりもあさってがもっといい、誰もが希望を持って毎日生き生きと過ごせる東京を実現するために、東京大改革を邁進していくと知事は強く宣言をされました。平成二十九年度の予算が、多くの都民の支持と共感のもと、誰もが希望を持つことができる明るい未来への礎となること、そして都民ファーストの新しい東京の実現に向けた確かな一歩となることを期待し、我々都民ファーストの会は、全身全霊をかけて汗を流していくことを、そのことをお誓い申し上げ、賛成討論といたします。ありがとうございました。(拍手)

○鈴木(隆)委員長 山内委員の発言は終わりました。
 以上をもちまして討論は終了いたしました。

○鈴木(隆)委員長 これより採決を行います。
 初めに、和泉なおみ委員外四名から提出されました第一号議案、第十一号議案及び第二十五号議案に対する編成替えを求める動議を一括して採決をいたします。
 本動議は、起立により採決をいたします。
 本動議に賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○鈴木(隆)委員長 起立少数と認めます。よって、本動議はいずれも否決されました。

○鈴木(隆)委員長 次に、菅野弘一委員外十七名から提出されました第十八号議案及び第八十六号議案に対する編成替えを求める動議を一括して採決をいたします。
 本動議は、起立により採決をいたします。
 本動議に賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○鈴木(隆)委員長 起立少数と認めます。よって、本動議はいずれも否決されました。

○鈴木(隆)委員長 次に、第二十五号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○鈴木(隆)委員長 起立多数と認めます。よって、第二十五号議案は、原案のとおり決定をいたしました。

○清水委員 ただいま廃棄されました我が会派の意見は、少数意見として留保いたします。

○鈴木(隆)委員長 ただいま清水理事から、少数意見として留保したい旨の発言がありましたが、本件は、会議規則第六十七条第一項の規定により、二名以上の賛成者を必要といたします。
 清水理事の発言に賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○鈴木(隆)委員長 賛成者二名以上であります。よって、本件は、少数意見として留保されました。
 なお、少数意見報告書は、議長に提出をいたしますので、速やかに委員長までご提出を願います。

○鈴木(隆)委員長 次に、第十一号議案、第十六号議案、第十九号議案、第二十号議案及び第二十三号議案を一括して採決をいたします。
 本案は、起立により採決をいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の諸君の起立を願います。
   〔賛成者起立〕

○鈴木(隆)委員長 起立多数と認めます。よって、第十一号議案、第十六号議案、第十九号議案、第二十号議案及び第二十三号議案は、いずれも原案のとおり決定をいたしました。

○清水委員 ただいま廃棄されました我が会派の意見は、少数意見として留保いたします。

○鈴木(隆)委員長 ただいま清水理事から、少数意見として留保したい旨の発言がありました。本件は、会議規則第六十七条第一項の規定により、二名以上の賛成者を必要といたします。
 清水理事の発言に賛成の方はご起立を願います。
   〔賛成者起立〕

○鈴木(隆)委員長 賛成者二名以上であります。よって、本件は、少数意見として留保されました。
 なお、少数意見報告書は、議長に提出をいたしますので、速やかに委員長までご提出を願いたいと思います。

○鈴木(隆)委員長 次に、第一号議案から第十号議案まで、第十二号議案から第十五号議案まで、第十七号議案、第十八号議案、第二十一号議案、第二十二号議案、第二十四号議案、第二十六号議案、第二十七号議案及び第八十六号議案を一括して採決いたします。
 お諮りをいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木(隆)委員長 異議なしと認めます。よって、第一号議案から第十号議案まで、第十二号議案から第十五号議案まで、第十七号議案、第十八号議案、第二十一号議案、第二十二号議案、第二十四号議案、第二十六号議案、第二十七号議案及び第八十六号議案は、いずれも原案のとおり決定をいたしました。
 以上で付託議案の審査は終了をいたしました。

○鈴木(隆)委員長 なお、委員会審査に関する委員長の口頭報告につきましては、理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木(隆)委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

   〔発言する者あり〕

○鈴木(隆)委員長 この際、小池知事から発言の申し出がありますので、これを許します。
 静粛に。

○小池知事 ただいまは、平成二十九年度予算案をご決定いただきまして、まことにありがとうございました。
 これまでの審議の過程で賜りました貴重なご意見、ご提言等につきましては、十分に尊重させていただき、今後の都政運営に万全を期してまいりたいと存じます。
 委員長を初め委員の皆様の熱心なご審議に対しまして、心より感謝を申し上げます。
 ありがとうございました。

○鈴木(隆)委員長 発言は終わりました。
 この際、私からも一言ご挨拶を申し上げさせていただきます。
 本委員会は、三月二日に発足して以来、平成二十九年度予算につきまして、連日、長時間にわたり、さまざまな角度から、大変精力的に審査を重ねてまいりました。限られた時間ではありましたが、都政の諸課題に深く踏み込んだ、極めて有意義で実りのある質疑が尽くされましたことは、また心から敬意を表しますとともに、深く感謝を申し上げたいと思います。
 予算の審査に当たりましては、都民生活の向上や都政のさらなる発展、また、豊洲市場移転問題やオリンピック・パラリンピック東京大会など、さまざまな視点から審査を行い、極めて重要な意味を持つ委員会となったと思っています。
 本日、最終日を迎えるに当たり、三副委員長を初め、理事並びに委員の皆様方のご理解、ご協力に心から感謝を申し上げたいと思います。
 また、小池知事を初め、理事者の皆様には、連日、長時間にわたる質疑にもかかわらず、極めて真摯な姿勢でご答弁をいただきました。改めて御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
 また、審査の過程で提起されました問題点や意見などにつきましては、今後の都政運営に十分に反映をしていただき、都民の期待に応えられますよう心からお願いを申し上げます。
 最後に、本委員会における審査の成果が、必ずや将来の都政運営に大きく貢献することを確信いたしまして、私の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時十四分散会


   第1号議案  平成29年度東京都一般会計予算、
   第11号議案 平成29年度東京都都営住宅等事業会計予算及び
   第25号議案 平成29年度東京都水道事業会計予算の編成替え
   を求める動議

 第1号議案平成29年度東京都一般会計予算については、知事は、これを撤回し、別記要領により速やかに編成替えをするよう求めるとともに、関連する第11号議案平成29年度東京都都営住宅等事業会計予算及び第25号議案平成29年度東京都水道事業会計予算についても併せて編成替えの上、再提出することを求める。
 上記の動議を提出する。
  平成29年3月28日

(提出者)
 和泉なおみ  植木こうじ  曽根はじめ  清水ひで子  大山とも子

予算特別委員長 殿


一般会計
 歳入
1 分担金及負担金、繰入金等を422億7,100万円減額する。
2 国庫支出金を178億6,900万円減額する。
3 都債を522億2,400万円減額する。

歳出
1  議会費を6億5,000万円減額する。
 (1) 議員報酬の20%削減及び費用弁償の廃止などで得られる財源を都民のために使うため、6億5,000万円を減額する。
2 総務費を2億5,900万円減額する。
 (1) 震災時の主な出火原因である電気火災を防止するため、感震ブレーカー・コンセントに対する助成制度を創設する経費として1億5,000万円を計上する。
 (2) ため、公契約条例の制定に向けた検討会を設置する経費として500万円を計上する。
 (3) 豊洲新市場への移転を中止し、築地市場の現在地再整備等についての検討会を設置する経費として5,000万円を計上する。
 (4) 外国企業の誘致よりも都内の中小企業支援に力を入れるべきであるため、特区の推進に要する経費4億6,400万円を減額する。
3 生活文化費4,000万円増額する。
 (1) 東京都公衆浴場振興計画を策定するため、調査・検討を行う経費として2,000万円を計上する。
 (2) 「東京都平和祈念館(仮称)」の建設凍結を解除し、建設に向けた検討等を開始するため、2,000万円を計上する。
4 スポーツ振興費を1,500万円増額する。
 (1) 都民の自主的・広域的なスポーツ大会やスポーツ活動への助成を行うため、1,000万円を計上する。
 (2) 特別支援学校のプールを温水化し、地域の障害者スポーツの場として活用できるようにするため、500万円を計上する。
5 都市整備費を2億4,700万円増額する。
 (1) 有楽町駅周辺まちづくり調査は、更なる超高層の建物を整備し、一極集中を加速させるためのものであるため、3,300万円を削除する。
 (2) 神宮外苑地区まちづくり調査は、風致地区の貴重な景観を破壊する危険性がある計画を策定するためのものであるため、2,000万円を削除する。
 (3) 北青山三丁目地区まちづくり調査は、都営住宅の建て替えを契機に都民の貴重な財産である都有地を民間の大型開発に提供するためのものであるため、1,700万円を削除する。
 (4) 品川駅・田町駅周辺整備計画策定調査等は、超高層ビルを一層乱立させ、環境破壊をもたらす計画を策定するためのものであるため、1,300万円を削除する。
 (5) 危険な欠陥機であるCV-22オスプレイの配備計画を撤回させるため、情報収集や調査・研究、関係自治体・住民との連絡・調整等の経費として1,000万円を計上する。
 (6) 横田基地の軍民共用化は、基地の固定化につながり、推進すべきでないため、6,100万円を削除する。
 (7) 外環に係わるまちづくりに関する調査は、住民の合意のない外環の地上部に関するものであるため、4,000万円を削除する。
 (8) 品川駅周辺交通基盤整備計画策定調査は、ビル開発を促進する品川駅・田町駅周辺整備計画と連動するものであるため、1,300万円を削除する。
 (9) 財産収入の社会資本等整備基金積立金への計上を取りやめ、一般財源化するため、64億9,600万円を削除する。
 (10)外環の地上部街路の整備を検討するための調査は、住民の合意のい道路計画に関するものであるため、4,900万円を削除する。
 (11)臨海地域開発におけるアクセス道路の建設であり、本来、開発者が負担すべきものであるため、臨海都市基盤関連街路(放射第34号線(築地))の整備に要する経費4億8,900万円を削除する。
 (12)自然環境の破壊を進め、周辺住民の反対が強い事業があるため、組合等が行う土地区画整理事業への助成費41億4,600万円を減額する。
 (13)地域住民の合意が得られていない事業があるため、公益財団法人東京都都市づくり公社への助成費5億9,900万円を減額する。
 (14)住民の合意のない道路開発と一体となって、沿道の建築物の整備を進めるものであるため、沿道一体整備に要する経費24億7,500万円を減額する。
 (15)特定整備路線には、不要不急の路線があるため、地域と連携した延焼遮断帯形成事業に要する経費63億4,000万円を削除する。
 (16)住民の合意のないままに大型開発を進めようとしているため、市街地再開発事業への助成費9,800万円を減額する。
 (17)木造住宅密集地域の住宅の難燃化改修への助成制度を創設するため、1億6,200万円を計上する。
 (18)耐震診断・改修の補助対象地域を都内全域に拡大するとともに、高齢者世帯等への上乗せ助成を実施するため、13億円を増額する。
 (19)住環境の改善、住宅の長寿命化・省エネ化・バリアフリー化等を促進するため、住宅リフォーム助成事業を創設する経費として15億円を計上する。
 (20)マンションの耐震改修への助成を拡充し、改修を促進するため、1億6,400万円を増額する。
 (21)都営住宅2,000戸を新規に建設するため、都営住宅等事業会計への繰出金を168億円増額する。
 (22)若者の経済的自立を支援し、生活環境の改善を図るため、東京都若者・子育て家賃助成事業を創設する経費として12億円を計上する。
6 環境費を24億3,000万円増額する。
 (1) 緑地保全を目的とした緑地の公有化を拡充するため、15億円を増額する。
 (2) 住宅用太陽光発電システムに対する助成制度を復活させ、設置を促進するため、9億円を計上する。
 (3) 羽田空港の機能強化に伴う騒音、大気汚染及び健康に及ぼす影響について調査するため、3,000万円を計上する。
7 福祉保健費を429億2,100万円増額する。
 (1) 整備の遅れた多摩地域においてNICUの整備を促進するため、1億4,000万円を増額する。
 (2) 義務教育就学児医療費助成における通院に係る医療費を無料化するため、1億9,300万円を増額する。
 (3) 75歳以上の高齢者の医療費窓口負担の無料化を図るため、55億円を計上する。
 (4) 国民健康保険の保険料(税)の法定減額の対象世帯に、更に独自の減免を実施する区市町村に対し補助を行うため、75億円を計上する。
 (5) 低所得者の後期高齢者医療保険料の負担を軽減するため、8億6,100万円を計上する。
 (6) 心身障害者(児)医療費助成の対象に精神障害者(児)を加えるため、25億円を増額する。
 (7) コミュニティバスの運行費補助の期間を延長するとともに、適用基準を緩和するため、3億円を増額する。
 (8) 介護職員の確保・定着を促進するため、介護事業所への人件費補助制度を創設する経費として63億円を計上する。
 (9) 特別養護老人ホーム経営支援事業を拡充するため、6億8,700万円を増額する。
 (10)3,000円のシルバーパスを所得に応じて発行し、住民税課税者の負担を軽減するとともに、多摩都市モノレール及びゆりかもめも適用の対象とし、バスの通用区間を拡大するため、52億円を増額する。
 (11)ひとり親家庭等の児童を扶養している者又は障害児を扶養している者に支給されている児童育成手当を月額1,000円増額するため、3億7,000万円を増額する。
 (12)子供の居場所創設事業の実施場所を増やすため、1億7,800万円を増額する。
 (13)公設公営学童クラブの時間延長等の充実を図るため、同クラブを都型学童クラブの補助対象に加える経費として9,000万円を増額する。
 (14)盲ろう者支援センターを多摩地域にも設置するため、1,100万円を増額する。
 (15)心身障害者福祉手当を増額するとともに、65歳以上の者に対する新規認定を再開するため、22億3,000万円を増額をする。
 (16)大気汚染健康障害者医療費助成制度において、18歳以上の者に対する新規認定を再開するため、4億3,400万円を増額する。
 (17)公立保育園の増設を促進するため、都独自の整備費補助を実施する経費として10億円を計上する。
 (18)待機者の解消に向け、特別養護老人ホームの整備を促進するため、整備費補助を行う経費として80億円を増額する。
 (19)認知症高齢者グループホームの不足を解消するため、整備費補助を行う経費として10億2,400万円を増額する。
 (20)遅れている小規模多機能型居宅介護施設や小規模特別養護老人ホームなどの地域密着型サービスの整備を促進するため、4億300万円を増額する。
8 産業労働費を10億3,600万円増額する。
 (1) 関係者の意見を反映させた小規模企業振興プランを策定するため、500万円を計上する。
 (2) 都の公共事業における下請取引相談センターを設置する経費として、500万円を計上する。
 (3) 小規模製造業者が借用している工場の賃料に対する助成制度を創設するため、4億8,000万円を計上する。
 (4) 中小製造業者の製造機械等のリース代に対する助成制度を創設するため、1億5,000万円を計上する。
 (5) 中高年就職サポート事業を拡充し、就職氷河期世代に対し長期的な伴走型の就職支援を行うため、3億4,600万円を増額する。
 (6) 若者の使い捨てが疑われる企業への対策に係る事業を拡充するため、5,000万円を増額する。
9 土木費を1,437億8,100万円減額する。
 (1) 市町村における生活密着型の防災対策を促進するため、市町村土木補助経費を28億700万円増額する。
 (2) 骨格幹線道路の整備には、住民の合意のない道路建設があり、大企業のための超高層ビル化を進める「都市再生」に連動し、自動車交通量と環境破壊を増大させるものがあるため、408億1,100万円を減額する。
 (3) 外環の地上部の整備は、住民の合意のない道路建設であるため、5億8,600万円を削除する。
 (4) 地域幹線道路の整備には、住民の合意のない道路建設があり、また、自動車交通量と環境破壊を増大させるものがあるため、18億6,700万円を減額する。
 (5) 木造住宅密集地域における特定整備路線には、延焼遮断帯の形成を名目にし、住民の合意のない道路建設を進めている部分があるため、546億円を減額する。
 (6) 国道の建設は、本来、国の負担で賄われるべき事業であるため、道路橋りょう費の国直轄事業負担金417億8,100万円を削除する。
 (7) 新規大型開発は抑制すべきである上、東京外かく環状道路の整備は、沿道住民の合意もなく、巨額の公費を投入するものであるため、整備推進費1億7,800万円を削除する。
 (8) 白山通りの無電柱化は、住民の合意がなく、貴重な街路樹を伐採するものであるため、3億4,300万円を削除する。
 (9) 区部との格差の解消を図るため、多摩地域における歩道整備を促進する経費として10億円を増額する。
 (10)河川海岸費のうち、国直轄事業負担金は、本来、国の負担で賄われるべきものであるため、74億2,200万円を削除する。
10 港湾費を224億6,000万円減額する。
 (1) 埋立廃棄物の処分量が大幅に減少している中での新海面処分場の過大な建設計画は、全面的に見直す必要があるため、55億6,300万円を減額する。
 (2) 国内の外貿コンテナ取扱量が減少している中、中央防波堤外側のふ頭整備に伴う道路整備計画は中止すべきであるため、臨港道路南北線等の整備に要する経費のうち、国直轄事業負担金54億1,300万円を削除する。
 (3) 国内の外貿コンテナ取扱量が減少している中、中央防波堤外側のふ頭整備に伴う道路整備計画は中止すべきであるため、臨港道路南北線等の整備に要する経費のうち、受託事業分27億6,500万円を削除する。
 (4) 超大型クルーズ客船の寄港に対応するふ頭の整備を中止するため、新客船ふ頭整備に要する経費88億1,900万円を削除する。
 (5) 離島航路への貨物運賃補助対象品目を拡充し、離島の物価安定を図るため、1億円を増額する。
11 教育費を56億8,800万円増額する。
 (1) 行き届いた教育を推進するため、小学校1年生、2年生及び中学校1年生に加え、小学校3年生においても35人学級を実施する経費として20億円を計上する。
 (2) 区市町村の財政力により生じている就学支援の格差を是正し、小中学校の就学援助費の充実を図るため、区市町村を支援する経費として4,100万円を計上する。
 (3) 小中学校における給食費負担を軽減するため、区市町村を支援する経費として8億1,000万円を計上する。
 (4) 小中学校における養護教諭、副校長及び事務職員の複数配置基準を国基準に引き上げ、配置を拡大するため、4億8,600万円を増額する。
 (5) 小学校の特別支援学級及び特別支援教室の教員配置基準を改善し、教員の増配置を行うため、9億6,700万円を増額する。
 (6) 都立高校における養護教諭の複数配置基準を国基準に引き上げ、配置を拡大するため、2,900万円を増額する。
 (7) 夜間定時制高校における生徒の負担軽減を図るため、給食費助成制度を創設する経費として6,400万円を計上する。
 (8) 特別支援学校の進路指導、センター的機能の充実のための教員配置基準を国基準に引き上げ、配置を拡大するため、8,100万円を増額する。
 (9) 特別支援学校の重度重複学級を児童生徒の実態に合わせて増設するため、1億1,600万円を増額する。
 (10)介護人材を導入している肢体不自由特別支援学校の自立活動担当教員等を基準どおりに配置するため、6,400万円を増額する。
 (11)生徒増に対応するため、都立高校の新増設を図る経費として、3,000万円を計上する。
 (12)特別支援学校における深刻な教室不足を解消し、新設、増改築による教室の確保を促進するため、10億円を増額する。
12 学務費を55億9,800万円増額する。
 (1) 公立大学法人首都大学東京における授業料を引き下げ、学生の負担軽減を図るため、運営費交付金を4億7,800万円増額する。
 (2) 東京都出身の低所得世帯の大学生向けの給付制奨学金制度を創設し、負担軽減を図るため、30億円を計上する。
 (3) 私立高校の入学時の負担軽減を図るため、入学金を助成する経費として4億2,000万円を計上する。
 (4) 私立高等学校等授業料軽減助成金事業について、対象を授業料のみから学校納付金まで拡大するため、6億円を増額する。
 (5) 私立幼稚園の入園料を助成し、入園時の負担軽減を図るため、11億円を計上する。
13 諸支出金を31億8,900万円減額する。
 (1) 社会資本等整備基金への積立てを都民施策に活用するため、14億1,400万円を削除する。
 (2) 過大な水需給計画に基づく八ッ場ダムの建設を進めるものであるため、水道事業会計への支出金のうち17億7,500万円を減額する。

都営住宅等事業会計
 歳入
1 一般会計からの繰入金を168億円増額する。
 歳出
1 都営住宅等事業費を168億円増額する。

水道事業会計
 収入
1 一般会計からの支出金を17億7,500万円減額する。
 支出
1 資本的支出を17億7,500万円減額する。

   第18号議案 平成29年度東京都中央卸売市場会計予算の編成替えを求める動議

 第18号議案平成29年度東京都中央卸売市場会計予算については、知事は、これを撤回し、別記要領により速やかに編成替えを行い、再提出することを求める。
 上記の動議を提出する。
  平成29年3月28日

(提出者)
 菅野 弘一  小松 大祐  松田やすまさ 柴崎 幹男  鈴木 錦治神野 次郎  北久保眞道  高椙 健一  栗山 欽行  ほっち易隆
 きたしろ勝彦 田中たけし  鈴木 隆道  桜井 浩之  山崎 一輝
 三宅 正彦  高橋 信博  崎山 知尚

予算特別委員長 殿


中央卸売市場会計
収益的支出
1 営業費用を4億円増額する。
 (1) 築地市場内の土壌汚染に関する調査等及び安全性の強化を行うため、増額する。
 資本的支出
1 建設改良費を2億円増額する。
 (1) 築地市場の老朽化対策等を行うため、増額する。

(注)財源については、地方公営企業法施行令第24条第2項に基づく建設改良積立金の目的外使用により対応する。

   第86号議案 平成29年度東京都中央卸売市場会計補正予算(第1号)の編成替えを求める動議

 第86号議案平成29年度東京都中央卸売市場会計補正予算(第1号)については、知事は、これを撤回し、別記要領により速やかに編成替えを行い、再提出することを求める。
 上記の動議を提出する。
  平成29年3月28日

(提出者)
 菅野 弘一  小松 大祐  松田やすまさ 柴崎 幹男  鈴木 錦治神野 次郎  北久保眞道  高椙 健一  栗山 欽行  ほっち易隆
 きたしろ勝彦 田中たけし  鈴木 隆道  桜井 浩之  山崎 一輝
 三宅 正彦  高橋 信博  崎山 知尚

予算特別委員長 殿


中央卸売市場会計(補正)
収益的支出
1 特別損失を47億円増額する。
 (1) 豊洲市場への移転延期に伴う市場関係業者に対する補償金を増額する。

(注)財源については、地方公営企業法施行令第24条第2項に基づく建設改良積立金の目的外使用により対応する。

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