予算特別委員会速記録第五号

○鈴木(隆)委員長 西崎光子委員の発言を許します。

○西崎委員 都議会生活者ネットワークを代表して、締めくくり質疑を行います。
 まず初めに、女性の活躍推進について伺いたいと思います。
 ダボス会議で知られます世界経済フォーラムは、昨年の十月、各国の男女格差報告書を発表しました。日本は、世界の百四十四カ国中百十一位となり、主要七カ国で最下位、前年度の百一位から大きく順位を下げています。
 国会議員や官民の高位職における女性の比率が低く、政策決定の場に女性が少ないことはとても残念なことです。北欧やフランスなどでは、女性の大臣がふえたことによって、子育て支援も進んだと聞いています。
 都庁においても、管理職の女性の数は増加していますが、例えば、本会議に出席する局長級の女性はお一人と、寂しい状況です。
 小池知事になって、東京のトップは初めての女性になったわけですから、ぜひ女性の管理職を拡大し、とりわけ最高幹部への登用を積極的に行っていく必要があると考えますが、知事の決意を伺いたいと思います。

○小池知事 ご承知のように、私は三つシティーを目指しております。そのうちの大きな柱がダイバーシティーでございます。女性の活躍ということも大きな課題でございます。
 そこで、一言でいうと、世界的に見ると、議論する段階は過ぎていて、それをどうやって実現していくかが問われていることと考えております。そこで、都庁みずからが率先して女性職員の能力を最大限に活用、かつ生かしていこうということが重要なポイントだと考えております。
 そこで、能力や業績に基づく公平、平等な選考によって幹部職員を選抜して、そして実力本位の任用管理を実施してきた結果、行政系の女性管理職の割合は、平成二十八年度で一九・三%となっております。国や民間、他の道府県を大きく上回る、この数字となっております。
 私が知事に就任した後も、女性管理職の登用を進めております。現在、女性の局長級職員でございますが、先ほど一人とおっしゃいましたけれども、四名となっておりまして、過去最多でございます。
 さらに、残業ゼロへの職場づくりを契機として、仕事の進め方の見直しを含めました働き方改革を推し進めておりまして、女性職員のキャリア形成を支える環境づくりに努めているところでございます。
 女性管理職の割合を高め、より上位の役職への登用拡大を図るということはもちろんでございますが、男女を問わず、意欲と能力のある職員が一層活躍できるよう積極的に取り組んでいく、それができることが都民ファーストの都政ではないかと考えております。

○西崎委員 四名になったということですけれども、ぜひ二桁を目指して、知事には先頭に立って進めていっていただきたいと思います。
 きょうも、この予算委員会、局長は全て男性の方が答弁なさって、都政も女性がふえれば、特に上位職に女性が加われば、また変わるのではないかと思いますし、都議会側も半分が女性になれば、またその議論の角度も随分変わってくるのではないかと思いますので、ぜひ今後、積極的に取り組んでいってほしいと思います。
 総括質疑では、働き方の見直しについて伺いました。ほかの会派からも、働き方改革ということで随分出たと思うんですけれども、やっぱり働き方の見直しを行うには、無駄な仕事や制約をなくして、仕事の進め方に工夫を凝らすことやワークライフバランス、知事がいうライフを先に持ってきたワークバランスの推進が必要だと思います。
 しかし、東京都が行った調査でも、これは女性活躍推進計画をつくる際に、舛添知事、前知事のときに行った調査ですけれども、子育てや家事などを行っているのは、仕事を両方が持っていたとしても女性が担っているという、そういったデータも、結果も出ています。
 そこで、男性が積極的に子育てや育児に参加していくことが求められます。
 まず、都庁の職員が率先してお手本になる必要がありますが、都庁における男性職員の育児休暇取得状況についてお聞かせください。

○多羅尾総務局長 都はこれまで、男性職員が積極的に育児に参加できるよう、さまざまな支援を実施しております。
 具体的には、男性職員の育児休業を初め、関連休暇の活用促進はもとより、仕事と育児を両立させた体験談を積極的に紹介したり、育児休業者向けの講座に夫婦で参加する会を設定するなど、男性職員の積極的な育児参加を促しております。これらの取り組みもあり、男性の育児休業取得率は、平成二十五年度から平成二十七年度の三カ年で、二・七%から五・九%まで向上いたしました。
 さらに昨年九月、知事を先頭に全ての管理職がイクボス宣言を実施し、育児や介護を初め生活と仕事が両立できる職場づくりを徹底しており、今後とも、育児休業を取得しやすい環境づくりに積極的に取り組んでまいります。

○西崎委員 都庁内の男性の育児休業取得率が二・七%から五・九%に向上したということです。今後もさらに育児休業を取得しやすい環境づくりに積極的に取り組んでいただくことを要望しておきます。
 次に、豊洲市場移転問題について伺いたいと思います。
 生活者ネットワークは、これまで土壌汚染のある豊洲への市場移転は反対してまいりました。先日、専門家会議は、地下水の汚染状況を指摘したものの、地下水と地上を分割して安全だとしています。もちろん専門家の専門性や科学的知見について、一定の尊重は必要だと考えています。しかし問題は、都民とのリスクコミュニケーションにおいて、専門家会議は十分でないと考えられることです。科学的理論は一つとは限りません。専門家も一様ではありません。
 新たな専門家メンバーを加えるなど、市場移転をめぐる抜本的なリスクコミュニケーションのあり方を検討すべきと考えますが、知事の見解を伺います。

○小池知事 ただいまのご質問にありましたさまざまなご指摘、まさに今回立ち上げます市場のあり方戦略本部におきましては、業界の方、消費者の方、それぞれのヒアリングを行います。集中的に実施をいたします。さまざまな声を丁寧に聞き取ってまいります。
 そしてまた、わかりやすい説明ということについてもいろいろな工夫をしていきたいと考えております。

○西崎委員 市場会計についても、この予算委員会の締めくくり質疑で、他委員から行われましたけれども、市場会計の収支の前提となる豊洲市場における取扱量は、平成十六年の豊洲新市場基本計画策定時に計画目標を定め、水産物一日二千三百トン、青果一日千三百トンとしました。しかし、築地市場の取扱量は、水産、青果とも減少傾向で、平成二十六年には、水産物千六百七十六トン、青果千九十五トンとなっております。
 豊洲の取扱量が現在の築地に比べて非常に多いと仮定されており、減少しないことになっているこの目標は、現実的とはいえず、見通しが非常に甘いものになっているのではないかと考えますが、見解を伺います。

○村松中央卸売市場長 豊洲市場における取扱数量は、平成十六年の豊洲新市場基本計画策定時に、それまでの築地市場における取扱数量の推移を勘案した上で定めたものでございます。
 築地市場の水産物や青果の取扱数量は減少傾向にございますが、その要因としては、国内漁業生産量の減少や市場外流通へのシフトなどのほか、駐車、荷さばきスペースの不足、加工等の新たな業務需要に対応できない開放型施設であるため、品質、衛生管理が難しいことなどが考えられております。
 豊洲市場では、築地市場が抱える施設上の課題を踏まえまして、効率的な物流や高度な品質、衛生管理等を実現するべく施設整備を図ったところでございます。

○西崎委員 豊洲市場の取扱量を予測したのは平成十六年、既に十年以上が経過しています。また、流通方法が変わり、市場外流通がふえている。また、消費者の魚離れ、さらには、今後は人口が減少し、豊洲に移転すれば取扱量が大きくふえるという予測は勘案していかなければならないのではないでしょうか。
 豊洲の維持管理費は毎年約七十六億円、そして現在の築地市場の約五倍になります。そういったことや、あるいは、さらに建物や設備の修繕費、改修費もかかる、こうした情報をもっと都民に提供していくべきだと思います。
 予算委員会でも、市場移転問題について知事の見解が数多く求められています。私はこうした案の検討には、まず第一に、欧米の建物や道路、公共施設などのビッグプロジェクトの検討においては、いわば常識となっている複数の代替案を提示して検討すべきと考えます。
 土壌汚染の環境対策、建設費さらに事業収支などを明らかにした複数案の計画案を示して提案すべきと考えますが、知事の見解を伺います。

○小池知事 建設コストや環境への負荷、長期的な事業収支など幅広い視点から検討するということについては重要である。これは認識を共有したいと思います。
 また、豊洲市場でございますが、あれだけ多額の費用をかけて整備されながら、都民との約束がいまだ十分果たされていない、理解と納得を得られるための方策を考えていく必要がある。
 そうしたことから今回、市場の将来的なあり方も見据えながら、戦略本部で豊洲市場、築地市場の課題も整理をして総合的な判断につなげてまいります。

○鈴木(隆)委員長 西崎光子委員の発言は終わりました。(拍手)
 以上をもちまして付託議案に対する締めくくり総括質疑は終了をいたしました。
 お諮りをいたします。
 第一号議案から第二十七号議案まで及び第八十六号議案に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木(隆)委員長 異議なしと認めます。よって、本案に対する質疑はいずれも終了をいたしました。
 なお、明日は午前十一時から理事会を控室一で、また、午後一時から委員会を本委員会室で開会いたしますので、よろしくお願いをいたします。
 これをもちまして本日の委員会を閉会といたします。
   午後十時一分散会

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