予算特別委員会速記録第五号

○高橋副委員長 山内晃委員の発言を許します。
   〔高橋副委員長退席、委員長着席〕

○山内委員 都民ファーストの会東京都議団を代表いたしまして、締めくくり総括質疑を行います。
 最初に、本日も多数の質問が出されている中央卸売市場について一言申し上げます。
 ほかの委員からも指摘があったとおり、私たちは、築地ブランド、それを支える人々、消費者の信頼と安心、これら全てが市場に必要不可欠な要素であると考えます。
 一方、豊洲新市場は、土地売却時から存在する土壌汚染により、残念ながらマイナスからのスタートでした。だからこそ、前期の都議会で付帯決議を行い、法で定められた基準よりも手厚く、土壌汚染の処理、盛り土、地下水モニタリングを約束したはずであります。
 約束を履行し、安全上に安心を重ねなければ豊洲市場への移転はできないからこそ、都はもちろん、都議会も、土壌汚染対策工事に万全を期すことを了解してまいりました。
 それが一転、法に定める基準をクリアしているから、安全・安心は判断基準になり得ない、このような主張をし始めるのはどうしてか。環境基準値以上の汚染物質が地下水から検出されたり、あるはずの盛り土がないなど都合の悪い事実が幾つも出てきた状況に目をつぶり、都民、都議会との約束がなかったかのように、最低基準をクリアしているから、消費者の理解と共感、安心のないまま、急いで豊洲市場を開場すべきといわんばかりの主張は看過できるものではありません。
 付帯決議を行った会派がこうした主張を行うことはダブルスタンダードであり、都民ファーストの発想ではないことを指摘し、質問に入ります。
 まずは職員改革について伺います。
 施政方針では、知事は、同じ志を持つ皆様とともに、東京大改革を邁進させると述べられました。これは、都政にかかわる全ての人に対するメッセージであり、私もその志を持つ一人であります。
 改革を遂行していくには、都政にかかわる者一人一人が、その置かれている立場を自覚し、志をともに一つにしなくてはなりません。なぜ今、改革が必要なのか。豊洲新市場に盛り土がされなかったこと、そして地下ピットの存在に関する隠蔽工作などにより、都政に対する都民の信頼は大きく損なわれ、旧態依然とした都の体質、まさにブラックボックスといわざるを得ない、そうした都政に対する怒りが頂点に達し、爆発したこと。都議会議員として都政に携わってきた者として、私自身、非常に残念な思いをいたしました。
 都政の隠蔽体質を抜本から是正し、その透明化を求めるのであれば、そこで働く職員の意識改革が必要ではないかと考えます。巨大組織、十六万七千人が働くこの東京都で、職員同士の縦横のコミュニケーションは十分されてきているのか、情報の共有、闊達な議論、意思決定の明確化が、ひいては都政が誤った方向へ進まない抑止力になるのではないかと考えます。
 これまで、環境大臣、防衛大臣として組織のトップを歴任され、そして現在、大都市東京のリーダーとしてご活躍をされていらっしゃる小池都知事、この間、多くの信頼できるスタッフに支えられ、今があると思いますが、これまでのご経験を踏まえ、知事就任以降、都庁職員の意識をどのように変革し、コミュニケーションが活発で、かつ風通しのよい組織へと変容させるべく取り組んでこられたのか、お聞かせをいただければと思います。

○小池知事 知事に就任して以来、東京大改革、この五文字が書かれた旗を掲げまして、まずは情報公開の徹底、そして都民とともに進める都政、都民ファーストの都政を実現すべく、職員の意識の変革、そこから手をつけ始めたところでございます。
 昨年九月に都政改革本部を設置いたしております。そこで、職員に対しまして自律改革、みずからで律する、その改革を呼びかけましたところ、それに呼応いたしてくださった都庁の職員の皆様方から、都民サービスの向上、事業効率化に向けた現場での改善策がどんどんと上がってまいりました。いわれたからやるのではなくて、これまでできなかった、こんなこともやってみたいという、いろんな意見が上がってまいりました。今後は、そのレベルを経営戦略改革へと進めてまいりたいと考えております。
 また、職員目安箱も設置をいたしました。これまでに約六百件の提案が寄せられております。それをきっかけといたしまして、細かな話かもしれませんけれども、昼休みの分散化を進めているところでございます。十二時から一時、もう集中するということで、エレベーターを待つ時間がかなりかかるなどなど、普通、企業であったら少し考えればわかるようなことなども、これをきっかけに始めたところで、昼食ぐらいゆっくり食べてほしいという思いでございます。
 みずからが提案する、そして都庁ひいては東京をよりよく変えていけるといった意識が職員に芽生えていくこと、これをさらに期待するところでございます。
 それから、管理職が部下や同僚に評価される三百六十度フィードバックの導入、外部の弁護士によるハラスメント相談窓口の設置、こういった形で風通しのよい組織づくりにも努めて、誰もが安心して職務に専念できる職場環境の確保も進めているところでございます。
 今後とも、こうした取り組みを継続いたしまして、都政の透明化、それからこれまでの単なる延長ではない、新たな発想を生み出す改革の意識を職員に根づかせ、そして冒頭申し上げました東京大改革をさらに推進していきたいと考えております。

○山内委員 二〇二〇年に向けた実行プランの実現に向けて、各局各職員が取り組むことが都民ファーストの新しい都政につながると思います。職員の意識改革とあわせて、都の組織のあり方、仕事の進め方も改めて見つめ直すことが必要だと考えております。
 都では、平成二十六年度に都庁組織・人事改革ポリシーを策定し、世界一の都市東京実現のための組織、人事政策を示したところでありますけれども、都政のパラダイムが大きく転換をしている今だからこそ、これまでの人事政策や組織のあり方を再検証し、改革すべきは過去にとらわれることなく見直していくこと、そして都政に対する都民からの厳しい声も踏まえ、みずから律する取り組みを進めていくことが求められていると考えますけれども、所見を伺います。

○多羅尾総務局長 都はこれまで、職員定数削減や給与構造改革などに取り組み、スリムで効率的な執行体制や職責、業績に応じた人事給与制度の確立に努めてまいりました。
 今後、さらに複雑化、高度化する都政課題を迅速に解決していくためには、これまでの改革から一歩先に踏み出し、都庁の一層の機能強化を図る、質を主眼とした改革を進めることが不可欠でございます。
 このため、これから策定作業を開始する、仮称でございますが二〇二〇改革プランにおいて、既存の枠組みにとらわれることなく、業務の効率化や時代に合った人事制度、執行体制の見直しなどに取り組んでまいります。
 こうした取り組みで、都庁の課題解決力をさらに磨き上げるとともに、努力した者を評価する人事制度を徹底し、都民の理解を得られる都政運営に努めてまいります。

○山内委員 職員の意識改革、組織のあり方や人事政策の検証とあわせ、職員の能力やモチベーションを最大限に引き出していくためには、働く環境も大変重要であります。
 ライフワークバランスの推進、女性の活躍支援、ハラスメントの防止などを含め、職場環境の改善、向上に係るこの間の取り組みと、今後についての都の所見を伺います。

○多羅尾総務局長 職員の能力やモチベーションを最大限に引き出していくためには、良好な職場環境やマネジメントが重要でございます。
 都ではこの認識のもと、昨年九月、知事を先頭に全ての管理職がイクボス宣言を行い、女性活躍の観点も含めて、職員一人一人が仕事と生活との調和を図りながら高い成果を上げられる職場づくりを推進しております。
 また、ハラスメントの防止についても、職員への教育、啓発を行うなどハラスメントが発生しない職場づくりに取り組むとともに、ことし二月に外部の弁護士による電話相談窓口を新たに設置し、対策を強化しております。
 先般、働き方改革に関する施策体系として、東京都職員「ライフ・ワーク・バランス」推進プランを策定いたしました。
 今後、職員の力を一〇〇%引き出せる良好な職場環境の確保に全庁を挙げて取り組んでまいります。

○山内委員 引き続き、人材の育成、そして意識改革等にご尽力いただくことを要望して、次の質問に移ります。
 都の危機管理体制のあり方について伺います。
 首都東京は、これまで経験したことのないほどの大きくかつ多様なリスクにさらされております。
 いつ何どき訪れるかもしれない首都直下型地震、津波あるいは大規模火災といった災害はもとより、テロや感染症、サイバー攻撃、さらには他国からの武力攻撃などから都民の命を守っていくことが喫緊の課題であります。
 現在、都の危機管理体制は、危機管理監のもと、総務局内の総合防災部がその中心を担っておりますが、いうまでもなく有事の際には、総務局のみならず、庁内各局あるいはさまざまな関係機関との連携を欠かすことができません。
 そこで、有事における庁内の連携体制や関係機関との協力体制について伺います。

○多羅尾総務局長 大規模災害などの発生時には、知事を本部長とする災害対策本部を直ちに設置し、知事を補佐する危機管理監のもと、総合防災部が中心となり、情報収集等を行うとともに、関係する各局や機関が連携し、全庁を挙げて災害対応を行う危機管理体制を構築いたします。
 また、総合防災部内に、自衛隊、警察、消防の管理職等を配置し、平時から各機関と情報共有や各種計画の運用の具体化を図るなど、緊密に連携し、応急対策活動を迅速に行う体制を構築してまいりました。
 さらに、危機管理体制の強化を図るため、総合防災訓練や図上訓練等を実施し、各局や関係機関との連携強化に取り組んでおります。

○山内委員 大規模テロが現実のものとなった際には、政府機関はもとより、電力、ガス、通信、交通インフラなどの事業者、都民の暮らしや生活を支えるさまざまな団体、そして自衛隊など、多様な主体の総力を結集し、迅速な救援、復旧活動等を展開する必要があります。
 大規模な災害時やテロの際には、知事を本部長とする東京都災害対策本部が立ち上がります。一分一秒を争う事態において、知事の強いリーダーシップのもと、情報を一元的に管理し、明確な指揮系統のもとで、機動的に組織を運営できる強固な体制と、その体制をスピーディーに立ち上げることが不可欠と考えます。
 二〇二〇大会を控えた今こそ、知事の公約であるセーフシティーを具体化すべく、まずは現在の危機管理体制が緊急時に有効かつスピーディーに機能するのかを検証することが必要と考えます。
 その上で、緊急時の際にも機能する体制を構築すべきと考えますけれども、知事の見解を伺います。

○小池知事 治にいて乱を忘れず、兵に常勢なし、後者は孫子の兵法に出てくるんですが、これら、もっとわかりやすくいうと、元ガールスカウトとして、モットーで、備えよ常にという言葉がございます。平時から、災害時を想定した万全の対策を講ずると、このことと、有事の際は臨機応変に対応していくという必要が危機管理の要諦と考えております。
 地震、風水害、それから北朝鮮の弾道ミサイルの発射、これも大変気になるところでございます。それから、国際的なテロ、先日もロンドンで起こりました、残念でございます。
 危機が多様化する一方でございまして、一方で、SNSの普及によって、誤った情報やデマが拡散しやすいというような現状、これら東京都を取り巻く環境、世界を取り巻く環境は大きく変化をしているといっても過言ではないかと思います。
 そして、人口や経済機能が集積する東京で災害対応がおくれましたならば、首都東京のみならず、国内外に多大な影響を及ぼしかねないわけでございます。よって、危機感を全庁的に共有をする、オール都庁で防災体制に取り組む、このことが必要だと肝に銘じているところでございます。
 このため、知事のリーダーシップのもとで全庁的な危機管理体制を強化する、そして的確な初動の対応を行う、都民の生活、命、財産を守るとともに、迅速な復旧、復興を実現して、その取り組みを力強く国内外へ発信していく必要があると考えております。
 こうした認識のもとで、今後、熊本地震の教訓なども踏まえまして、危機管理体制のあり方を検証して、訓練などを通じて不断の見直しを図ることで、セーフシティーの実現を目指してまいりたいと、このように考えております。

○山内委員 ありがとうございます。都民の生命、身体、そして財産を、できる限り最前線で守っていくことは、行政に携わる者の務めだと思っております。知事を先頭に、その思いを一つにして、私も今後努力をしてまいりたいと思っております。
 次に、オリンピック・パラリンピックについて伺います。
 二〇二〇大会まで、残すところ約三年となりました。二〇一三年に招致が決定をし、都民ファーストを掲げる小池都政が誕生して以降、さまざまな角度から二〇二〇大会の見直しがなされております。具体的には、都が整備する恒久施設三会場で四百億円の縮減、これが実現をされました。
 しかしながら、競技会場の座席数の見直しなど、今からでも対応できる部分があるかと思います。引き続き不断の見直しを実施し、大会経費の縮減に努めなければならない、このことはコーツ副会長も言及をされております。アスリートファーストは当然でありますけれども、後世に負のレガシーを残さないこともまた大変重要であります。
 総予算が一兆六千億から八千億ともいわれているこの大会経費の縮減が、まさにオリンピックに対する都民の信頼と納得につながるものであり、また将来世代への責任でもあります。
 都民ファーストの視点に立って、引き続き不断の見直しを行うとともに、民間も含めたさまざまな主体の英知を結集して、創意工夫を図っていくことが求められると思います。
 今後の二〇二〇大会の予算のあり方について、知事の所見を伺います。

○小池知事 二〇二〇大会の経費でございますが、一兆六千億から一兆八千億と見込まれているところでございます。これを上限額として、さらにコストを縮減していくには、計画、予算、執行、それぞれの段階におきまして、強力なガバナンス、これを確立することが必要であります。
 そのために、都、国、組織委員会の三者が緊密に連携をいたしまして、効率的な調達の実施、統一的に執行をチェックしてマネジメントしていくことが肝要でございます。
 常にコストとレガシーを念頭に置きながら、国、組織委員会、関係自治体、さらには民間も含めて、関係者が一致協力をして総費用の削減に努めていく、そのためにも、情報公開などで都民の皆様方にしっかりとその状況をお知らせするということも重要だと考えております。

○山内委員 今後のこの大会について、いろんな形で加速をさせていただいて、そしてすばらしいオリンピックにするといったことに期待をいたします。
 ゴルフ競技について伺います。
 リオ五輪では、百十二年ぶりにゴルフがオリンピックの種目に復帰をいたしまして、世界ランキング上位の選手が、メジャー大会とは違う国の威信をかけた試合が繰り広げられ、大いに盛り上がりました。
 二〇二〇大会の競技会場については、霞ヶ関カンツリー倶楽部に決定したものの、その後、女性正会員に関する規約問題が浮上いたしましたが、世界的な時代の流れを鑑み、女性にもっと道を開くことを自主的に判断をしたとの判断から問題が解決をされ、これを受け、知事も歓迎の意を表明をいたしました。
 ゴルフ人口は、二〇〇〇年に一千三百万人弱いるといわれましたけれども、二〇一五年には七百六十万人まで減少し、減少傾向に歯どめをかける対策を講じていかなくてはならず、ゴルフをこよなく愛する私といたしましては、東京五輪がそのきっかけになればと思っております。
 一方、一部の有識者からは、霞ヶ関は厳格なプライベートコースであり、一般のプレーヤーはプレーができないためレガシーにはならないとの指摘が聞かれております。
 そこで、ゴルフ競技は子供からお年寄りまでなれ親しむことができる競技ですが、霞ヶ関で開催をされるオリンピックのこの競技について、このオリンピックのゴルフ競技のレガシーを、オリンピック・パラリンピック準備局長に伺いたいと思います。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 霞ヶ関カンツリー倶楽部は、大規模大会の開催実績のある日本有数のゴルフ場であり、二〇二〇年大会において、トップアスリートによる世界最高のプレーが展開されることにより、日本中にゴルフの魅力が伝わり、競技の普及や競技力向上に資するものと考えております。
 また、女性も正会員になれるよう規約が改正された今回のことも、ダイバーシティーの実現を促し、大会のレガシーとなるものでございます。
 さらに、この倶楽部は、既にジュニアゴルフ教室や日本ジュニアゴルフ選手権などの会場として、世界に羽ばたく有名選手の輩出に貢献しておりまして、大会後も、こうした取り組みを積み重ねることがオリンピックのレガシーにつながっていくものと考えております。

○山内委員 私も、二〇二〇年、大変にこのゴルフ競技、楽しみにしております。ともにしっかりと力を合わせて、これを成功に導いていければなと思っております。
 次に、商店街についてお伺いをさせていただきます。
 地域のコミュニティの観点で、大きな役割を果たすのが商店街であります。最近では、空き店舗を活用した高齢者交流支援、子育て支援施設の設置、買い物代行、宅配サービス、地域の特色を生かしたイベントの実施など、各商店街の創意工夫した取り組みが行われております。
 私の地元であります戸越銀座商店街は、区民はもとより、わざわざ観光バスを利用して遠方から来訪される方もおり、大変にぎわっている商店街であります。
 一方で、商店街が抱える課題も多く、売り上げの減少、後継者の担い手不足などから、やむを得ず閉店をする店舗が年々増加傾向にあることは、商店街存続にとって大きな痛手であることはいうまでもありません。
 地域経済のかなめとして位置づけられており、地域住民の生活やコミュニケーションの核として重要な役割を果たす都内二千五百余りある商店街について、知事はどのようにお考えになられているのか、所見を伺います。

○小池知事 ご指摘のように、商店街は人々の日々の生活を支えているとともに、まちの中心として多くの人々が集い、そして新たな交流が生まれる場所となっております。お地元の戸越銀座は、非常に長い通りの中でいつも人がにぎわっているという印象を私も持っております。
 また、商店街の一軒一軒の明かりが地域の安全・安心につながっていく、そして古くからの伝統行事を継承する活動などにも積極的に商店街が取り組んでおられる、地域におけるコミュニティの中核として大変重要な役割を果たしていると認識をいたしております。
 そしてまた、ご質問の中にもございましたけれども、最近は、後継者の不足、そしてコミュニティが希薄化していること、消費者のライフスタイルが変化していることなどなど、商店街を取り巻く環境は年々厳しさを増していることも存じ上げております。
 それぞれの商店街が目指すべき将来像、ビジョンを明らかにして、創意工夫あふれる取り組みに果敢に挑戦をする、そのことによって、将来に向けて発展していくことが可能になると、全国の他のさまざまな成功例から、こういったことがいえるのではないかと思っております。
 そこで、今回、予算についても、団体のご要望を伺う、そういう機会もございました。そこで、都といたしまして、商店街が行うイベントなどのにぎわいづくりや防犯、防災の取り組み、さらにはエコ活動といった地域貢献をしていただいているわけでございますし、またインバウンドの需要の取り込みなど、新たな課題についても支援を行うことといたしました。今回の予算案にそれが組み込まれております。また、空き店舗の活用や次代を担う若手女性リーダーの育成にも取り組んで、商店街に新たな息吹を吹き込んでいきたいと、このように考えております。
 まちの顔である商店街の活性化を進めることは--すなわちその持続的な発展を導いていかなければならない。都は力強く、この商店街の活動について後押しをしてまいりたいと考えております。

○山内委員 都は、商店街が抱える課題克服のため、活性化に向けたさまざまな支援を継続しており、今ご答弁いただきましたけれども、その結果によって、にぎわいを維持しているところがあります。その支援策は、イベント事業、施設整備費事業、人材育成を目的とした事業、起業支援事業など、多岐にわたります。
 しかしながら、こうした都の施策には、事業執行上の課題もあるのかなと思っております。例えば、イベント事業は商店街でも取り組みやすいといったところから、執行率は比較的高いと聞いております。
 一方、今後の超高齢化を鑑み、高齢者の買い物難民を救う手段として、都は、商店街買物弱者支援事業という事業を展開しておりますけれども、平成二十七年度の予算の執行率はゼロ%でありました。買い物弱者問題が各地で深刻な問題となっているにもかかわらず、こうしたミスマッチが発生しているのは、なぜでしょうか。
 今後、増加傾向の買い物弱者について、都の所見を伺いたいと思います。

○藤田産業労働局長 都は来年度、高齢者を初めとした利用者の利便性向上につながる宅配や送迎サービスの提供などに取り組む商店街への支援を充実させてまいります。
 具体的には、商店街に対する補助率を五分の四とし、宅配サービスに係る人件費等を三年間にわたり支援することで、より積極的な取り組みを促しますとともに、その定着を図ってまいります。
 加えまして、本事業の周知を図ることで、商店街が行う地域貢献の取り組みを後押ししてまいります。

○山内委員 買い物弱者については、これは高齢者対策の一環として考えていただきたいなと思っております。産業労働局のくくりだけではなくて、これは福祉保健局との連携をしていただいて、今後も取り組んでいただきたいなと思っております。
 また、ほかにも低い執行率の事業については検証し、より効果的な施策となるように再構築を図っていくべきと考えますけれども、その見解を伺います。

○藤田産業労働局長 都はこれまでも、地域や商店街の実情を踏まえながら、適宜、施策の見直しや充実を行ってきたところでございます。
 来年度につきましても、意欲ある商店街の主体的な取り組みを後押しするための支援を充実させるなど、商店街振興施策の再構築を図っているところでございます。
 引き続き、予算の効率的、効果的な活用に努めてまいります。

○山内委員 これ、最後になると思いますけれども、小規模商店街の存続について伺います。
 小規模商店街の存続は、産業振興の大きな課題だと私も認識をしております。一たびシャッター通りと化してしまうと、人の往来やにぎわいというものが失われ、その中で幾ら頑張っても、店舗を存続させようとしても、結局、代がかわる際、閉店という選択を余儀なくされるケースが多いのが現状ではないでしょうか。
 もちろん店舗側の努力は必要でありますけれども、それだけでは限界があると思います。意欲ある商店街を伸ばしていく施策だけではなく、このまま衰退をしてしまうかもしれない、地域の暮らしを支えるこうした小規模商店街を産業施策の観点から押し上げることが重要であると考えます。
 こうした小規模商店街が再び活力を取り戻すための取り組みについて、最後見解を伺い、質問を終わります。

○藤田産業労働局長 都は、来年度の商店街施策の見直しにおきまして、財政的に厳しい小規模商店街が、新たにイベントや地域の活性化を図る取り組みを実施する際の経費助成の限度額を引き上げることといたしております。
 加えまして、来年度より新たに商店街への専門家派遣を開始することといたしておりますことから、小規模商店街に対して派遣制度についての周知を図ることで、その積極的な活用を促してまいります。

○鈴木(隆)委員長 山内晃委員の発言は終わりました。(拍手)

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