予算特別委員会速記録第五号

○ともとし副委員長 田中朝子委員の発言を許します。
〔ともとし副委員長退席、野上(ゆ)副委員長着席〕

○田中(朝)委員 まず最初に、築地市場の豊洲移転問題について幾つかお伺いをいたします。
 小池都知事は、三月二十四日に市場のあり方戦略本部の立ち上げを表明なさいました。昨年十一月に公表した豊洲市場への移転の課題と行政手続のステップの中で、地下水モニタリングや専門家会議、市場問題PTの審議など、都民の納得と理解を得るプロセスが示されている中で、新たに戦略本部を立ち上げられたことは評価するものです。
 私たちは、現在営業を続けている築地市場で、風評被害を起こさんばかりの発言を繰り返し、豊洲の方が安全だから移転しろという立場はとりません。築地と豊洲のどちらの市場機能が上かという課題設定自体、論点のすりかえであり、一旦招いてしまった不信をどう打ち払うのかということこそが課題であります。
 今行わなければならないことは、豊洲市場に黒く渦巻くさまざまな疑念、すなわち意思決定のプロセスから、盛り土問題を初めとする土壌汚染対策、市場経営の継続性を揺るがしかねない膨大な事業費など、都民の不信を招いた事態の収拾であり、疑念を払拭することが必要です。
 小池知事は、市場のあり方戦略本部においてどのように取り組んでいかれるのか見解を伺います。

○小池知事 田中委員にお答えいたします。
 市場の移転問題でございますが、ご指摘のように、これまでも専門家会議、市場問題プロジェクトチームにおいてさまざまな角度からの検証が進められてまいりました。
 一方で、豊洲の事業継続性の問題、市場の将来的なあり方など、まだまだ議論は尽くされていない部分もございますが、行政でございますので、踏むべきステップ一つ一つ着実にクリアしていく必要があると考えております。
 こうしたことから、市場のあり方戦略本部を設置いたしました。新たにというか、包括した形での本部にしたいと考えております。そして、そこで集中的に検討した上で、都民の理解と納得がしっかりと得られるように総合的な判断を下してまいりたい、そう考えております。

○田中(朝)委員 豊洲市場ですけれども、豊洲市場は確かに土壌汚染対策法はクリアをしています。しかし、土壌汚染対策法というのは最低限の対策を求めるものです。今の問題は、対策後も環境基準値を超える汚染が検出されて、都民の安心が得られていないということにあるわけです。
 先ほど都議会自民党さんは、豊洲市場の移転について、自民党だけでなく、当時第一党であった民主党及び公明党の大多数の賛成で議決されたと、他会派を巻き込んで、みずからの正当性を主張しようとしています。
 しかし、当時第一会派であった民主党は、平成二十三年度予算案には反対をしています。そして、ほかの年度の予算案でも付帯決議を付しています。特に平成二十二年度は、民主党、自民党、公明党の三会派共同で、無害化された安全な状態での開場を可能とすることなどとした付帯決議を付しています。自民党は、みずからが提案者となり、豊洲の無害化を条件としていたことは自覚すべきです。
 私は、都議会での付帯決議にある無害化は都民との約束であったと考えています。小池知事は、都民との約束についてどのようにお考えになるのか、ご見解を伺います。

○小池知事 これまでもこの議会において、長い時間かけていろいろとご議論をいただいてきたことと承知をいたしております。そして、ご指摘の付帯決議について、これは石原都知事時代になされたことでございます。それから後に当時の市場長の答弁にも、無害化した状態についてございまして、無害化した状態とは、土壌も地下水も環境基準以下になることというように答弁があると、これも承知をいたしております。
 当時、法律を超える高いレベルの対策が必要との共通認識があったと理解をするものでございます。専門家会議の再調査の結果で、先日も環境基準を大きく超える箇所が幾つも存在していることが確認をされております。
 付帯決議をつけた都議会も、そして執行機関も、この問題はともに向き合わなければいけない課題ではないでしょうか。だからこそ私は、これまで積み重ねられてきたハードルをクリアしようとする、そのための検証を重ねているわけでございまして、そのために半年間を費やしてきたということでございます。
 皆様方のこれまでの議会の積み重ねの中で、なすべきことをなし、それが都民の理解と信頼につながると考えております。そのためにも、専門家会議での議論を踏まえまして、現実を見据えながら、一歩一歩ステップを進めていく必要があるかと思います。それが都民の安心へとつながっていくと確信をいたしております。

○田中(朝)委員 今、都民の安心へとつながるとおっしゃいましたけれども、問題は豊洲市場の安心というのは何をもってはかるべきかということだと思います。法的に安全と繰り返しても、消費者の皆さんは納得はしません。現実に、築地から豊洲に移転したら、取引をやめますといわれた仲卸業者さんは幾つもいらっしゃいます。私もお話をお聞きしました。
 先日、水産仲卸業者の七割に当たる三百九十三業者が豊洲市場への移転中止を求めていることが報じられました。安心というのは、なかなか数値化するのは難しいと思いますが、これを何の提案もなく明確にしろという方に無理があると思います。
 私は、移転の可否に当たっては、仲卸業者など関係者初め、消費者の声にも十分耳を傾けながら判断すべきと考えますけれども、知事の見解をお伺いいたします。

○小池知事 ご指摘のように、市場の移転問題については、消費者である都民、そしてまた、市場で働く業者の方々、そしてまた、その業者から品物を買う方々、こういった方々の理解と納得なくして前に進めることはできないと考えております。
 よって、多くの関係者の声をしっかりと改めて受けとめることが求められていると考えます。私自身も、築地市場の業者の皆様と膝詰めで意見交換もさせていただいているところでございます。戦略本部において実施するヒアリングでございますが、よって、業界団体、消費者団体、生産者団体、経営者、そして団体のみならず個人、そういった方々の幅広い声を直接伺いまして、総合的な判断につなげてまいりたいと考えております。

○田中(朝)委員 確かに消費者の皆さんの声というのは、本当に重要だと思います。知事も私も女性ですけれども、女性の皆さんの声というのが、やはり豊洲は、もう、ちょっと微妙じゃないか、危ないというようなことをおっしゃる方が非常に多いです。
 そして、次に行きますけれども、私の記憶が確かでしたら、先ほどもちょっとほかの会派のご質問の中にも出てきました建築確認申請に対する検査済み証の交付について、これについて、知事が情報を隠していた、緊急記者会見すべきであったというような主張が以前聞かれたように思います。
 この建築基準法に基づく建築確認は、建築物に関する最低基準を遵守しているか、申請どおりに建てられているかを確認する書類であって、それ以上でもそれ以下でもありません。
 検査済み証は、建築計画概要書という公開の文書に付随するものです。公開の情報について緊急会見の必要があるのか。これをあたかも情報隠しかのように殊さらいい募ることに一体何の意味があるのか、理解に苦しみます。
 豊洲の課題は、検査済み証という事務手続とは全く別の次元にあります。都が万全の対策の一つとして繰り返し答弁していた盛り土をしていなかったこと、地下水から基準値を上回る汚染物質が検出されたこと、これらは間違いなく大問題であり、緊急会見しなければならない異常事態だと、私たちも都民の多くも感じていると思います。
 逆に、事務手続の一環として交付される検査済み証がもし仮に出なかったら、これは大問題であり、知事が緊急会見を行うような事態だと思います。知事の所見をお伺いいたします。

○小池知事 ご指摘の検査済み証でございますが、建築物が建築基準関係法令に適合しているものを示すものでございまして、行政手続の一環でございます。豊洲市場の主要な施設が、建築基準法に基づいて安全性が確認されたとして、交付を受けたものでございます。
 お話のとおり、一般的に行政手続の内容については個別の公表を行っておりませんが、都民の関心の高いものにつきましては、迅速に公表していくべきものと考えております。隠すといったような意識は全くございません。

○田中(朝)委員 失われた信頼の回復、それから安全をどう取り戻すかというのは、もちろんこれも大事ですけれども、先ほど来から議論にも出ているとおり、市場の経営、事業の継続性というのも、それにも増して大きな問題だと思いますので、今回の市場のあり方戦略本部の中でぜひそういったことをご検討いただければと思っております。
 都政の課題は、豊洲やオリンピックだけではありません。我が会派は、ほかの重要な課題に対する質疑もいたします。
 次に、救急搬送、救急医療体制の整備についてお伺いをいたします。
 高齢社会の進展などにより、救急車の要請は急増し、一一九番通報から医療機関に搬送するまでの救急搬送時間は五十一・四分となっています。
 東京消防庁は、この間、救急隊の増強を図り、今年度は八部隊の増強、来年度予算でも二部隊の増強が見込まれています。
 昨年の予算特別委員会では、七十六万件にも及ぶ出動件数に関するビッグデータを活用することで、より効果的な運用を図るよう提案してまいりました。
 そこで、救急隊の増強及びその効果的な運用についてご見解を伺います。

○高橋消防総監 東京消防庁では、増大する救急需要に対応するため、救急隊の計画的な増隊に取り組んでおります。
 また、効果的な救急隊の運用を図るため、昨年六月に救急機動部隊を創設したほか、今年度は救急活動にかかわるビッグデータをもとに、気候、時間帯、人口構成等の要因により、各地域における救急需要がどのように変動しているかについて、分析調査を実施しているところでございます。
 今後は、この結果等を踏まえ、救急隊のさらなる効果的な運用や計画的な増隊について検討を進めるなど、救急活動体制の充実強化に努めてまいります。

○田中(朝)委員 昨年の予算特別委員会では、頻回救急患者の対策も求めてきました。救急車を一年間に三十回以上要請した方は、平成二十六年の数字では百七人で、その出動件数は六千五百六十件になっております。これは、救急二隊分の出動件数に相当しています。
 救急要請を繰り返す人に対しては、区市町村の福祉関係部署などとの適切な連携が欠かせませんが、平成二十九年度予算では新たに、効果的な救急需要対策に資する分析調査委託が計上されています。
 そこで、不要不急の通報を繰り返す方、頻回救急要請者らを減らしていくための消防庁の取り組みについて見解を伺います。

○高橋消防総監 当庁では、不要不急な一一九番通報を繰り返す方、いわゆる頻回救急要請者に対して、地域の福祉部門や保健所、地域包括支援センター等と連携し、個々の実態に合わせて対応しておりますが、通報を繰り返す事情はさまざまでございます。
 そこで、平成二十九年度に過去の救急活動データを用いて効果的な救急需要対策に資する分析調査を行う予定であり、その中で、頻回救急要請者の要請事情を分類し、その事情ごとに効果的な対策を検討することとしております。
 今後とも、頻回救急要請者の減少に向け、関係機関と連携したきめ細かな取り組みを推進してまいります。

○田中(朝)委員 そしてまた、救急車につきましては、民間の病院が保有する救急車などもあり、その有効活用は医師会からも要望が出されています。
 来年度予算案においては、転院搬送体制等整備事業として、新たに医療機関からの転院搬送について体制を整備する取り組みを始めるとお聞きしておりますけれども、その目的及び内容についてお伺いをいたします。

○梶原福祉保健局長 都が来年度開始をいたします転院搬送体制等整備事業は、限りある医療資源を有効に活用し、緊急性の高い患者に迅速に救急医療を提供するために、転院搬送における救急車の適正利用を促進することを目的としております。
 本事業では、緊急性は低いが継続した呼吸管理等の医療処置が必要な患者の転院搬送に当たりまして、いわゆる病院救急車や民間事業者を活用する医療機関を支援するため、医療従事者が同乗する際の費用や民間救急車の利用に要する費用等を補助することとしております。
 また、消防機関が救急業務として行う転院搬送は、原則として、緊急性が高く、専門医療等の必要性がある場合とする国の通知を踏まえまして、転院に際し救急車を要請する場合のルールを東京消防庁や東京都医師会と連携して策定いたします。

○田中(朝)委員 今おっしゃられたように、救急搬送時間の短縮というのには、救急車の適正利用を進めていくことが欠かせないと思います。
 東京消防庁は、不要不急の一一九番通報をなくすために、二〇〇七年六月には東京消防庁救急相談センター、いわゆるシャープ七一一九を立ち上げて、救急要請抑制に役立っています。
 また、救急搬送時間の短縮は、東京都医師会など、さまざまな関係機関が連携して、受け入れ側の病院の体制強化に取り組んでいくことが重要です。
 そこで、受け入れ体制の強化や救急車の適正利用など、救急医療体制の充実に向けて、知事のご見解をお伺いいたします。

○小池知事 どんなときでも、誰もが症状に応じた適切な医療を受けられる、そんな体制をつくることが救急医療の基本でございます。
 そのため、都といたしまして、初期、二次、三次の救急医療体制を整備して、三次救急を担う救命救急センターを、現在、都内で二十六カ所指定しているところであります。
 また、救急患者用のベッドの確保のために、休日・全夜間診療事業、そして地域の救急医療機関が相互に協力、連携いたしまして、救急患者を迅速に受け入れる体制も整備しております。
 東京消防庁救急相談センター、いわゆるシャープ七一一九でございますが、これを通じて相談対応できるように取り組んでおり、来年度は対応する看護師さんの増員も図りまして、センターの体制を強化いたしてまいります。
 今後、高齢化によりまして、救急需要はますます高まることが予想されます。医療現場の声を聞きながら、関係機関としっかり連携いたしまして、さまざまな対策を講じ、救急医療体制の一層の充実を図ってまいりたいと思います。

○田中(朝)委員 ありがとうございます。
 次に、働き方改革について幾つかお伺いをいたします。
 日本では、上司や同僚がパソコンに向かっている中、お先にと帰りづらいような構造がありますし、また、遅くまで残っていることが頑張っていると評価されるなどということがありますことから、労働後進国、生産性後進国といわれることがあります。
 一方で、労働力不足がいわれる中、働き方改革を総合的に鑑みると、少し前に盛んにいわれていたワークシェアリングなどというのもあると思います。限られた人が猛烈社員をやるのではなくて、生産性を高めて、誰もが人間らしく働くというあり方です。
 働き方改革に欠かせないのが、先日、知事より意欲的な答弁をいただいた同一労働同一賃金であり、また、知事が進めていらっしゃる意識改革、都庁の八時退庁などでございますけれども、真の意味での働き方改革を実現するには、加えて、仕事を減らしたり、効率性の観点から業務を見直す、残業抑制のマネジメントも欠かせない取り組みです。
 小池知事は、ライフワークバランスの実現に向け、東京から働き方改革を牽引していくとされていますけれども、私たちは、働く人が実際に改革の効果を実感できる取り組みが行われることが重要と考えます。働き方改革を進める企業をどう支援していくのか、知事の見解を改めてお伺いいたします。

○小池知事 働き方改革は、私は、国会議員時代から一番大きな日本のテーマだと考えてまいりました。
 その上で、社員一人一人が能力を発揮し、生き生きと働ける、そんな職場づくりをこの東京で進めたいと考えてまいりました。それによって、企業が人材を確保しやすくなったり、働く方々のまさしくライフワークバランスの実現にもつながると考えます。
 そこで、民間企業における働き方改革を一層加速していくためにも、今月の十日から私が先頭に立ちまして、働き方改革推進キャンペーンを展開しております。俳優の別所哲也さんと対談を行ったり、経営者の方々に向けたメッセージをさまざまなメディアを通じまして発信しているところでございます。
 それから、長時間労働の削減など、実際に働き方改革に取り組んでおられる、それをまた宣言している企業を支援する。そして、今年度宣言が見込まれる企業の数は千社とされていまして、そして、それは二〇二〇年度までに五千社を達成しようという意気込みを持っております。
 成果が上がった企業の好事例を広くPRしていくことで、改革に向けた企業のさらなる意欲を喚起する。長時間労働イコール高利益ではないと。逆に働き方改革を進めて、そして高利益を上げている企業を紹介するということでございます。
 こうした取り組みを通じて、社会全体に働き方改革の輪を広げて、東京から大きなムーブメントを進めていきたいと考えております。

○田中(朝)委員 短時間勤務や、また在宅勤務など、多様なワークスタイルを広げて定着させていくことは、育児や介護などと仕事の両立、ライフワークバランスの推進や女性活躍など、誰もが活躍できる社会づくりの一環として取り組むべき重要課題だと思います。
 子育て期などの女性を対象とした就業支援を展開して、また、多様な働き方への取り組みを推進すべきと考えますけれども、都の見解をお伺いいたします。

○藤田産業労働局長 まず、子育て中の女性の就業支援でございますが、しごとセンターの女性しごと応援テラスで、家庭との両立に向けました助言や就職活動のサポートを行うなど、きめ細かな支援を行っております。
 また、多摩地域の求職者の状況を踏まえまして、身近な地域で働きたいという希望をお持ちの女性をセミナーと職場体験によりまして就職に結びつける事業を、来年度、国と連携して実施をいたします。
 一方、多様な働き方の推進に向けましては、今年度創設いたしました働き方改革宣言企業制度によりまして、短時間勤務や在宅勤務制度の導入等、働き方の見直しに取り組む企業をしっかり支援してまいります。
 また、来年度新たに、国と連携をいたしまして、テレワーク推進センターを開設いたしまして、企業に対して情報提供や相談、また、実際に体験をしていただくといった支援をワンストップで提供することで、テレワークの普及を図ってまいります。

○田中(朝)委員 ありがとうございます。
 このテレワーク、在宅で働くということは、ちょっと往々にすると、介護や育児をなさっている方々が、例えば、保育園に入れない方とかがおうちで仕事ができるのならいいんじゃないかというようなこともあるんですけど、実際は、自宅でもお仕事をなさるわけですので、やはり同じように介護サービスとか、それから保育サービスというのは必要となりますので、そういったところもちょっとご認識していただければなというふうに思います。
 今議会で、知事は、テレワークの推進を働き方改革の起爆剤にしたいと述べられ、先日、都は、ICTを活用して自宅で働く在宅型テレワークを四月に導入すると発表されたところです。
 また、民間企業でも富士通が、ことし四月から全社員を対象としてテレワークを導入すると発表し、大きく報道をされました。多様で柔軟な働き方ができるようにし、仕事と生活の両立や生産性向上を目指す取り組みとして、非常に評価できると思います。
 在宅勤務やテレワークを導入した企業からは、退職か継続かの二者択一に新たな選択肢がふえ、女性の雇用継続、通勤時間が不要になり疲労も軽減、残業が減ったなどのメリットが挙げられています。
 しかし、それにもかかわらず、今、全労働者数に占める週一日以上の終日在宅で就業する雇用型在宅型テレワーカーの数の割合は二・七%と伸び悩んでいます。今回の都の在宅型テレワークの導入が、都内の企業のテレワーク導入のモデルとなることを期待するところです。
 同時に、テレワークの都庁への導入、活用については、これまでの仕事の進め方を一つ一つ見直すなど、さまざまな工夫も必要だと考えますけれども、知事の見解を伺います。

○小池知事 時間、そして場所にとらわれない柔軟な働き方を可能にするのがテレワークでございます。育児、介護、そして仕事、これらの両立をどうするのか、災害、そして突発事態が起こった際にはどうやって連絡をとるのか、どうやって必要な場所に行くのか、そういったことでも有効に働くのがこのテレワークでございます。
 私は、それ以上に、このテレワークの導入というのは、働き方改革の起爆剤そのものになるのではないかと考えております。
 例えば、都庁では、ご承知のように管理職全員がイクボス宣言を行いまして、二十時完全退庁、これを突破口として働き方改革を進めておりますが、加えて、今後は時間、場所の壁を超えて、生産性を高める、ライフワークバランス向上にも資するように徹底して、このテレワークによる新しい働き方を推進してまいる所存でございます。
 既に都庁でも、タブレットを活用したペーパーレス会議、大分定着してまいりました。それから、全局長が既にテレワーク体験をしております。テレワークの第一歩を全庁挙げて展開することで、まず、このテレワークを都庁からという実績をつくっていきたい。さらに、来月からは在宅型のテレワークも順次実施をしてまいります。
 今後、テレワークの実践など、都の各現場の業務改革を加速させまして、誰もが活躍できる柔軟な働き方をこの都庁から確実に前進をさせていきたいと考えております。
 なお、先ほどのロンドン・オリンピック・パラリンピック、幾つもレガシーを残しましたが、ロンドン大会のレガシーの一つがテレワークを着実に進めたということだと聞いたことがございます。

○田中(朝)委員 今のご答弁をお聞きしていても、ぜひ進めていただきたい、東京都が牽引者となって進めていただければと思います。
 次に、子供、子育て支援についてお伺いをいたします。
 子育てと仕事の両立を支援するために欠かせない保育サービスとして、急に発熱した子供や病気の回復期の子供を預かる病児、病後児保育サービスを都内でふやしていく必要があります。
 国は、今年度予算で施設型の病児保育の施設整備の補助を初め、看護師の配置基準を一部見直しました。しかし、施設型病児保育は、当日利用のキャンセルが多い、利用者がいないときも看護師や保育士を施設に配置しなければならないなど、保育所運営の採算が難しく、サービスがなかなか広がってはいません。
 一方、保育スタッフを家庭に派遣して病気の子供たちを見る訪問型病児保育は、病気の子供を施設まで連れていく必要もないことから、施設型よりも利用しやすいという利用者さんもたくさんいらっしゃいますが、こちらも人材、担い手の確保が難しいという課題があります。
 利用者のさまざまなニーズに応えられるよう、都として、施設型や訪問型など、病児保育の多面的な拡充を積極的に進めるべきだと考えますけれども、ご見解を伺います。

○梶原福祉保健局長 都は、区市町村の病児保育の取り組みを促進するため、病児保育施設の整備費や改修費を補助いたしますとともに、複数の区市町村で利用する施設の整備費等の区市町村負担分を全額補助するほか、賃借料への支援も行うこととしております。
 また、病児保育は利用者数が季節や病気の流行に左右されるなど、安定的な経営が難しいことから、病児の利用の少ない日に地域の保育所等への情報提供や、巡回相談などを行う施設への運営費補助の加算を行っております。
 来年度からは、訪問型の病児保育を担う人材を育成するため、居宅で病児保育を行う上で必要な知識や技能、プライバシーへの配慮等の研修を開始する予定でございまして、場と人材の確保という両面から区市町村における病児保育の取り組みを支援してまいります。

○田中(朝)委員 ありがとうございます。
 病児保育、ふえてはいると思います。ただ、まだまだ本当に足りないということを地域のお母さん方からお聞きをいたしますし、また私自身もずっと働きながら子育てをしてきたときに、これ、そのときはありませんでしたけれども、一番欲しかったサービスの一つです。
 東京では、核家族で子育てをなさっている方が多いので、地方だとちょっと病気になったらおばあちゃんに見てもらおうとか、そういうことができるのかもしれないですけれども、東京は核家族が多いことから、やはり社会で子育てを支えていくという環境づくりが都や自治体の責務だと思っておりますので、どうかよろしくお願いをいたします。
 次に、医療的ケアが必要なお子さんについて幾つかお伺いをいたします。
 小児医療が進歩する一方で、日常的に人工呼吸器やたんの吸引などの医療的ケアが必要なお子さんたちがふえています。現在、こうした子供たちを預けられる保育所が少なく、家族はなかなか働くことができません。
 昨年十二月に行われた毎日新聞の医療的ケア児の保育所の受け入れに関する自治体アンケートによりますと、東京二十三区の中でも、看護師を配置できない、安全確保が困難、待機児童対策が優先などの理由で、八つの区が医療的ケア児を受け入れないと回答をしています。
 国は来年度から、自治体が看護師を雇い、保育所へ派遣する事業を始めますが、都においても、もう一つの隠れた待機児童対策として、医療的ケア児を受け入れる保育所を支援し、都内でふやしていくべきと考えますけれども、ご見解を伺います。

○梶原福祉保健局長 都は現在、医療的ケア児を含め、障害児に対する保育サービスが適切に提供されるよう、必要な施設の改修経費への補助や都独自の子育て推進交付金などで区市町村を支援しております。
 また、保育サービス推進事業に障害児加算を設け、障害児を受け入れる事業者の取り組みを支援しております。
 来年度からは、事業者が保育所等に看護師を配置する取り組みを支援する区市町村を包括補助で支援し、医療的ケア児の保育所等への受け入れを進めてまいります。

○田中(朝)委員 大分、保育園の方は進んできたようですので、またよろしくお願いをいたします。
 次に、医療的ケア児の通学や教育の機会の保障、また、社会参加の保障の観点からお聞きをいたします。
 私の地元杉並区には、全国で初めてできた障害児専門保育園ヘレン荻窪があります。知事もごらんいただいたと思いますけれども、こういった重症心身障害児や医療的ケア児を受け入れる専門保育園は、今少しずつふえています。
 しかし、医療的ケア児が保育園を卒園すると、特別支援学校に通うことが多いわけですけれども、現状では、肢体不自由児以外の特別支援学校における受け入れ体制は十分とはいえません。
 特別支援学校の医療的ケアを充実すべきと考えますけれども、教育長のご見解をお伺いいたします。

○中井教育長 近年、医療技術の進歩等に伴い高度な新生児医療が可能になっており、退院後も医療的ケアを必要とするケースが増加しております。そのため、肢体不自由特別支援学校以外の特別支援学校においても、医療的ケアを必要とする児童生徒が在籍する状況になっております。
 こうした状況を踏まえ、今後は、医学的見地や医療安全の確保の観点から専門家の助言を受けながら、対象となる児童生徒が在籍している全ての特別支援学校で非常勤看護師を配置し、安全かつ適切な実施が可能な体制を整備してまいります。

○田中(朝)委員 今おっしゃった特別支援学校に通うために、スクールバスに乗車できなければ、親が毎日送迎をしなければならないわけですけれども、働いている保護者にとって毎日の送迎は非常に難しくて、結果、送迎ができないと特別支援学校に行けないということになってしまって、週三回ほどの訪問学級しか受けられない。そうなれば、仕事もやめなければならなくなってしまいます。
 スクールバスを利用することができない医療的ケア児は、通学の保障がなされていません。スクールバスでの医療的ケアが困難ならば、その代替案を検討して、できない理由ではなくて、できる方法を考えて通学を保障すべきと考えますけれども、教育長の見解をお伺いいたします。

○中井教育長 都教育委員会はこれまで、継続的にバスの台数をふやし、スクールバス乗車時間の短縮を図ってまいりました。平成二十九年度からは、肢体不自由特別支援学校の全ての子供の乗車時間を順次六十分以内とすることを目指し、バスの小型化やコース設定の工夫など、効果的に乗車時間を短縮することといたしました。
 また、医療的ケアが必要な児童生徒であっても、スクールバス乗車中に医療的ケアが必要ないことを、主治医や学校医の意見により確認された場合は乗車を認めております。
 医療的ケアが必要な児童生徒の通学については、生命と安全の確保を第一に、適切に対応してまいります。

○田中(朝)委員 ぜひ早急な対応をお願いしたいと思います。
 この質問を申し上げたときに、何回もできないという答弁を出していますということをおっしゃったんですけれども、何回も出しているということは、何回もこれを必要としている人の要望があるということだと思うんですね。
 ですからこれは、なかなかできないということではなくて、バスが難しいのならば、何とかほかの方法を考えてさしあげないと、今から五年後に実現するといっても、お子さん、今、小学校一年生、もう中学に入るころになってしまって、その間の通学の保障というのは全くなされなくなってしまうわけですから、これ、早急にお子さんに関することは全てですけれども、ご対応をお願いしたいと思います。
 また、医療的ケアが必要であっても、ほかに知的障害や身体障害のない、いわゆる動ける医療的ケア児の普通学級での親の付き添いなしの受け入れもできていません。
 大阪府では、二〇〇六年から小中学校に看護師を配置する自治体に経費の一部を補助する事業を始めて、二〇一五年度には百八人の看護師が配置されています。
 国は、二十八年度、特別支援学校に限っていた看護師の配置補助事業の対象に公立小中学校を加えましたが、都としても、動ける医療的ケア児が普通学級に通えて、社会参加の保障がなされるよう、受け入れ体制の整備を支援すべきと考えますけれども、教育長にご見解を伺います。

○中井教育長 ご指摘のとおり、国は、公立小中学校に看護師を配置するために必要な経費の一部を区市町村に補助するとともに、区市町村負担分について地方交付税措置をする仕組みを今年度から整備しております。
 また、看護師配置を含め、公立小中学校の管理運営に必要な経費は、設置者でございます区市町村の権限と責任において措置するものでございます。
 なお、都教育委員会は、公立小中学校の特別支援教育に関するさまざまな課題に対応するため、区市町村教育委員会の要請に基づき、専門的な支援を行ったり、医療的ケアについての技術的な助言も行っているところでございます。

○田中(朝)委員 この医療的ケア児の問題というのは、いずれも、特別支援学校も普通学級も学校に通いづらいという状況に今なっています。
 杉並の先ほどいいました障害児専門保育園のヘレンでは、医療的ケアが必要だったお子さんが小学校に上がってしばらくしたら、お子さんというのは成長しますから、医療的ケアが必要なくなって、普通に学校に通えるようになったというお子さんがもう何人か出ていらっしゃるそうですので、適正なときに適正な医療的ケアが行われれば、お子さんでもそういうのが必要なくなる方というのが実際いらっしゃるわけですから、ぜひこの通学の保障というところは都としても力を入れていただきたいと思います。
 次に、保育園の施設の課題について伺います。
 現在、ビルの四階以上の中高層階に設置されている保育園が東京都では百十七カ所あると、以前行われた読売新聞の調査で明らかになりました。
 都の認証保育所などは、交通の便がよい駅前の雑居ビルの中高層階に設置されていることも多いですが、一方で、災害時の乳幼児の避難の難しさが指摘をされています。避難時に利用するビルの階段の多くは、手すりの高さや階段の段差が幼児に配慮されたものではないため、子供たちの全員の避難には時間がかかり、容易ではありません。
 自治体によっては、四階以上に認可保育園を設置したいという申請があった場合は、設置しないように指導しているところもありますけれども、これから国の基準緩和もあり、特に二十三区内においては、中高層階の設置は今後も増加が見込まれています。
 既存施設での避難訓練の徹底とともに、中高層階への保育所新設に当たっては、子供の安全を最優先として対応すべきと考えますけれども、都の見解を伺います。

○梶原福祉保健局長 都におきましては、認可保育所や認証保育所の設置に当たりまして、非常口を二方向確保することや、保育室等を二階以上に設ける場合は耐火建築物または準耐火建築物とし、避難用の階段等の設備を設けること、三階以上の場合は調理室を防火扉などで区画することなどを、条例や規則等で基準として定めております。
 また、避難、消火訓練を毎月一回以上実施することを義務づけるほか、訓練に当たっては、火災や地震等の災害の種類、発生する時間帯や場所といったさまざまな状況を想定して実施することなどを求めておりまして、今後の保育所整備に当たっても、子供の安全を最優先に、ハード、ソフト両面から対応の徹底を図ってまいります。

○田中(朝)委員 この中高層階、要するに保育所がビルの何階にあるかということは、東京都として把握をしていらっしゃらないということをお伺いいたしましたので、まず、その把握も必要ではないかと思います。
 そしてもう一つ、保育園の施設についてなんですけれども、こちらの方はちょっと要望として申し上げます。
 待機児童対策として今、保育施設が鉄道の高架下とか大きな幹線道路沿いにふえているわけですけれども、その中には、子供が長時間過ごす場所としてはふさわしくないレベルの騒音がある施設もあり、音響面や騒音面の配慮が求められます。
 学校や幼稚園の教室内の騒音については、文科省が五十から五十五デシベルの上限値を定めていますけれども、厚労省が管轄する保育施設にはその基準がありません。東京都では、こういった騒音のあるところにできる保育園もふえると思いますので、これから施設の立地や設計の参考になるような騒音の基準を都でも定めるべきと考えておりますので、ここについてもぜひご検討をお願いしたいと思います。
 今申し上げましたビルの中高層階にある保育園とか、それから鉄道高架下や幹線道路沿いにある保育園というのは、東京都ならではの保育施設の課題だと思っておりますので、ぜひ都として万全の安全最優先の対応をしていただきたいと思っております。
 次に、困難を抱えた子供の教育について伺います。
 本委員会の中でも、知事はたびたびダイバーシティーを目指すため取り組みを進める旨、答弁をされていらっしゃいます。多様性と格差是正に向けた施策が再び動き出していくことに大変希望が持てると感じております。
 まず、外国籍を持った日本語を母国語としないお子さんたちの問題についてお伺いをいたします。
 日本人の子供の高校進学率が毎年一〇〇%に近い現在において、国内に暮らす外国人の子供の高校進学率は、場合によっては六〇%前後にとどまるような状況が続いており、国の有識者会議などでも課題の一つとして挙げられています。
 都では、今年度、多摩地域に一校新設し、在京外国人入試枠を持つ都立高校を六校にふやしました。十年前には二十五名だった定員を百三十五名にまでふやしているのは評価できるところです。
 しかし、今年度の受検者数は約二百十六名で、倍率は一・九六倍にも上り、九月募集があるとはいえ、受検者の半数が入学できていません。都立高校普通科の実質倍率一・六倍程度に比べると、在京外国人入試枠を持つ都立高校はまだまだ足りないのが明らかです。
 また、普通科だけでなく、商業科、工業科、定時制の高校にも在京外国人入試枠を広げたり、在京外国人入試枠を持つ高校の設置を進めるなど、一般の日本人受検生と同じく多様な選択ができる条件を整える必要があると思います。
 在京外国人入試枠を持つ都立高校をさらに拡充すべきと考えますけれども、教育委員会のご見解をお伺いいたします。

○中井教育長 都教育委員会は、都内に居住する外国人中学生が都立高校に入学し、その能力を適切に伸長できるよう、都立高校改革推進計画に基づき、在京外国人受け入れ枠を拡充してきております。
 これまでの取り組みにより、在京外国人枠の応募倍率と全日制普通科の平均倍率の乖離は年々改善されてきております。
 今後も、都内全域の公立中学校に在籍する外国人生徒の動向、在京外国人枠を設置した学校の入学者選抜の応募状況等を十分に見きわめるとともに、都立高校卒業後、多様な進路選択が可能となるよう、適正な募集枠の設定を検討してまいります。

○田中(朝)委員 また、日本語がわからない子供たちが日本語の日常会話がスムーズにできるまでには、一、二年近くの時間が必要だといわれており、学校の勉強についていく日本語の力を身につけるためには、さらに五年以上の年月が必要とされています。
 例えば、中学一年生のときに来日した子供の場合でも、中学三年生までの間に日本語ネーティブの受検生と同じ問題を日本語で理解して答えることは困難で、幾ら出身国で優秀な成績をおさめてきた子供であっても、日本で制度上の配慮がなければ、本来のその子の能力に見合う高校への進学が難しくなってしまうのです。
 現在、都立高校在京外国人入試枠の入試の内容は、英語か日本語の作文と面接となっていますが、生徒の出身国は多様であり、英語圏出身者だけが学力とは無関係に有利になる入試方法は改善すべきです。生徒の学力や能力に見合う入試方法にするためには、語学の余り必要ない、例えば数学などの基礎学力をはかれる検査問題も必要です。
 生徒本来の能力に見合う高校への進学ができるよう、日本語を母国語としない生徒の都立高校入試制度を改善すべきと考えますけれども、教育長のご見解をお伺いいたします。

○中井教育長 都教育委員会は、学習意欲がありながら日本語に十分習熟していない外国籍生徒のより一層の進路実現を図るため、平成二十八年度都立高校入学者選抜から、一般の学力検査において、平仮名のルビを振る措置に加え、辞書の持ち込みと時間延長も認めております。
 さらに、これを含めた外国籍生徒に対する特別措置のあり方等について検討を行うため、平成二十九年度入学者選抜検討委員会に外部有識者や日本語学級の教員などで構成する特別部会を設置いたしました。
 現在、都教育委員会では、特別部会において実施した外国籍生徒に対するアンケート調査等の結果を踏まえ、日本語指導が必要な生徒の受検に関するさまざまな課題や、在京外国人生徒対象の選抜方法等について検討を行っているところでございます。

○田中(朝)委員 今後、二〇二〇年大会も控えております。在京外国人もふえていくと思いますし、また、もう一つ課題は、日本語を母国語としていない日本人というのも今ふえているんですね。そういう方への支援もよろしくお願いをいたします。
 都の教育委員会は、さまざまな要因から力を発揮できなかった生徒を受け入れるエンカレッジスクールを指定しています。都立の高等学校ですけれども、義務教育段階の学習内容の習得が不十分であったり、学習習慣が定着していない生徒に対応して、三十分授業、二人の担任制、学び直しなど、きめ細かい指導を行っています。
 中退率の低下など成果も上げてきていますけれども、義務教育の内容を早期に定着させて高校段階の内容にステップアップするのは難しく、課題にも直面していると聞いています。
 二十九年度予算では、エンカレッジスクールサポート事業が新規に計上されております。都として、生徒のやる気を育て、頑張りを励ますエンカレッジスクールにおける指導体制を充実すべきと考えますが、ご見解を伺います。

○中井教育長 都教育委員会が指定しているエンカレッジスクール五校では、可能性はありながら力を発揮し切れずにいる生徒が、社会生活を送る上で必要な基礎的、基本的な学力を身につけられるよう、義務教育段階の内容を学習する学び直しの授業を設けております。
 来年度は、学び直しの授業における個別の指導において、小学生への指導経験等がある外部人材を活用するエンカレッジスクールサポート事業を二校で試行的に実施し、指導体制の充実を図ってまいります。
 これにより、個人差のある義務教育段階での学習上のつまずきに対し、生徒一人一人により丁寧に対応した指導を行い、確実に学習内容を身につけられるようにしてまいります。

○田中(朝)委員 私たちは、不登校の組織的対応、中途退学防止と退学者へのフォロー、それから学校、家庭、専門家による子供が抱える問題へのパッケージでの支援の必要性を訴えてまいりました。
 都教育委員会では、来年度予算において、教育支援センターの機能強化に向けた事業を新たに計上していますけれども、機能強化に向けた取り組みをお伺いいたします。

○中井教育長 各地区の教育支援センターでは、不登校児童生徒の学校復帰に向けて、集団生活への適応や基本的生活習慣の改善等のための相談指導などが行われております。
 こうした中、都教育委員会が今年度設置した有識者による検討委員会からは、不登校児童生徒の家庭環境や情緒的不安等の要因が複合化していることから、これまで以上に的確な対応が行えるよう、教育支援センターにおける支援機能の充実を図ることが求められております。
 このため、都教育委員会は、来年度から各地区の実態に合わせ、心理の専門家や指導員の拡充、体験教室など、児童生徒にとって魅力ある講座の設置、個別指導を可能とする学習環境の整備など、教育支援センターの機能強化を図るモデル事業を十地区程度で行い、その成果を都内区市町村に広げてまいります。

○田中(朝)委員 都は、二十九年度予算において総合的な不登校、中途退学者対策を実施するとしています。ぜひ子供が社会からドロップアウトすることのないよう、しっかりと支援を行っていただきたいと思います。
 最後に、冒頭申し上げた豊洲の問題について一言申し上げます。
 私たちは、冒頭申し上げたとおり、築地ブランド、それを支える人々、消費者の信頼と安心、この方程式は揺るがないものと確信をしています。
 一方、豊洲は、土壌汚染で既にマイナスを背負っています。だからこそ、法に上乗せをした汚染土壌の処理、盛り土、地下水モニタリングを約束したのではないでしょうか。約束を誠実に履行し、安全の上に安心を重ねなければ豊洲市場をつくれないからこそ、東京都はもちろん、都議会自民党も含めた都議会も、土壌汚染対策工事に万全を期すことを了としてきました。
 それが突如として法に定める基準をクリアしているから安全・安心は判断基準になり得ないかのような主張をし始めるのは一体なぜなのでしょうか。検出されないはずの汚染物質が地下水から検出され、あるべき盛り土がないと都合の悪いファクトが次々出てきたからではないでしょうか。
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○野上(ゆ)副委員長 ――(五字削除)――

○田中(朝)委員 ――(四十四字削除)――

○野上(ゆ)副委員長 ――(十五字削除)――

○田中(朝)委員 ――(三十七字削除)――

○野上(ゆ)副委員長 田中朝子委員の発言は終わりました。
 この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。
   午後五時五十七分休憩

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