予算特別委員会速記録第五号

   午後四時開議

○ともとし副委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 東村邦浩委員の発言を許します。

○東村委員 それでは、初めに、豊洲市場の課題について何点か質問しながら議論をちょっと深めたいと思います。
 都民の皆さんがちょっと誤解されているのが、地下水のモニタリング調査、これが、法定でやらなければならないんじゃないかと、こういうことを非常に、法が定めたもとでやらなきゃいけないんじゃないかということを信じている方がいらっしゃいます。
 そこで、この二年間の地下水モニタリング調査、これ、私は法上の義務はないと考えているんですが、そもそも土壌汚染対策法上、何のために実施するのか、これについて環境局長にまず聞きたいと思います。

○遠藤環境局長 土壌汚染対策法に規定される二年間の地下水モニタリングにつきましては、健康被害のおそれがある要措置区域に指定された場合に、汚染土壌の除去等の措置の実施後に二年間以上の地下水基準適合を確認することが義務づけられております。
 また、形質変更時要届け出区域に指定された場合においても、土地の所有者等がみずからの意思に基づき、区域指定の解除や台帳の記載事項の変更をする場合には、汚染土壌の除去等の措置の実施後に地下水モニタリングを実施し、二年間以上の地下水基準適合を確認する必要がございます。
 豊洲市場用地は形質変更時要届け出区域でございますので、地下水モニタリングは、台帳の記載事項変更の場合に、土地の所有者等がみずからの意思に基づいて行っているものだというふうに認識をしております。

○東村委員 今、ご答弁ありました、みずからの意思、つまり任意で、この台帳の記載事項を変更するために二年間やらなければならないんだと。そのための地下水モニタリング調査と、こういうことでございました。
 ただ、市場は、そうであれば、どの時期にやっても構わないんですが、どうも土壌汚染対策が終了したタイミングでこの地下水モニタリング調査を始めたということは、そこにもう一重、安全ではなくて安心という部分を担保しようとしたのではないかと私は思っております。そうでなければ、どの時期から始めても問題なかったわけなんですね。
 知事は、これを都民の安心の一つの判断材料とされて、最終回まで結論を待ちたいと、こういうことがありました。その中で九回目の調査結果が芳しくなく、また、一者が非常に低い価格で落札をして調査もしたということで、我が党は再調査の申し入れを知事にさせていただきました。できれば複数者でやっていただきたいという話もしまして、知事は即座に複数者でやっていただきました。
 ただ、結果的には、九回目の数字とほぼ変わらないし、一カ所については九回目の調査の結果と同じような状況でございました。そこで、三月十九日、専門家会議が開かれて、平田座長が豊洲市場の地上部分は安全であると、こういうことをもう明言されました。ただ、地下は、この地下水の一部汚染がある、有害物質が出てきている。こういうことがあるので、これについては科学的な知見で対応が可能だと、こういう評価をされました。
 知事は、前から専門家会議の判断を一つの総合的な判断の判断根拠にしたいと、こういう話もされております。そこで、地下のこの科学的知見によって対応可能という、具体的にどのような対応をするのか、これについて質問したいと思います。

○村松中央卸売市場長 今月十九日の専門家会議では、将来、建物一階部分の床面にひび割れ等が生じた場合、地下ピットに滞留した水銀等が建物内部に侵入する可能性があることから、地下ピットにおいて、こうした物質の滞留を防ぐ換気や、コンクリート等による床面の防護といった対策の方向性が示されました。
 また、地下水については、地下水管理システムの浄化機能を活用することで、将来、環境基準を目指すことは可能であり、揚水機能を強化するといった方向性が明らかにされております。
 都といたしましては、専門家会議における議論を踏まえまして、今後、具体的な対応策を検討してまいります。

○東村委員 今、専門家会議における議論を踏まえて、今後、具体的な対応策を検討するという話がありました。ただ、一度裏切られておりますので、ぜひとも真摯に、この専門家会議が出した結論を丁寧に、そして市場が責任を持って対応していただきたいと、このように思います。
 その上で、知事はもう一つ、市場の持続可能性という話をされていました。その根幹をなすのは、私は、財政的な裏づけ、つまり財政的な基盤がしっかりしていないと市場の持続可能性というのは保たれないだろうと思っています。
 そこで、皆さんにも資料を配らせていただきました。(パネルを示す)これはもう多くの方がご存じの状況だと思います。過去十年間の水産物取扱数量の推移でございますが、平成十九年には六十二万二千トンあったこの取扱数量、これが平成二十八年には四十三万四千トンに減少してきております。十年間で三〇%減少してきていると。これは大きな理由として、産直というスーパー等の時代の流れが一つあるんじゃないかと思っておりますが、そういう具体的な今後の市場はどうあるべきかという議論については、先ほど議論もありました。あり方戦略本部でさらに詰めていくと、そういう話がありました。
 これはそこでしっかりと議論していただきたいと思うんですが、この過去十年間の市場の財政状況、これもちょっと表にまとめてみました。
 それで、一つ私が疑問に思ったことなんですが、今申し上げましたように、市場の水産物の取扱数量が三〇%激減しているんですね。ところが、ここの売上高の案分による使用料、これが全く減っていないんです。議員の方には手元に資料を配らせていただきました。全く減っていないんです。若干上がり下がりはありますけど、大体平均して三十億から三十二億の間でずっと推移しています。
 普通、取扱数量が減ったら、この売上高割の使用料は減るだろうと、こう私は思うんですが、市場にこれ値上げしたのかと聞いたら、そうじゃないんだというんですけれども、どうしてこういった状況になったのか。つまり、安定して収入が確保されているんですね、十年間。どうしてこういう安定した収入が確保できたのか。これは過去の数値ですから答えられると思いますので、答えてもらいたいと思います。

○村松中央卸売市場長 売上高割使用料は、取扱金額に品目ごとに定められた率を乗じて課されるものでございます。取扱数量は減少傾向にあるものの、取引単価は上昇しておりまして、取扱金額自体の総額はおおむね横ばいで推移しております。このため、売上高割使用料の収入額はほぼ同程度で推移してございます。

○東村委員 今説明ありましたように、これはまさに経済の原理が働いているんだなと思いました。取扱数量が減った分、販売単価を上げていると。結果的に売上高が変わらないので、割合を掛けた売上高割使用料も減少しないんだと。つまり、取扱数量は減っても、一つ当たりの、取引当たりの販売単価が上がれば、これは市場の数量、売上高、売上高割使用料、これは減ってこないということなんですね。
 その上で、私は、今後十年間、これは先の話です、十年間のこの市場の財政状況、どうなっていくのかということを今の状況も踏まえて議論をしていきたいんですが、築地市場の仲卸の業者の数も今減ってきております。事業者数は、ことしの七月一日、これは築地全体です、全体の事業者数が七月一日で八百五十社、これが十一月七日、開業予定という予定段階でしたけれども、この時点で既にもう七百五十九社に減っている。つまり九十一社減っております。
 今後さまざまな状況から、先ほどは取扱数量が減ってきているという話をしましたが、事業者の数が減ってくるんじゃないかと、こう思いまして、この中央卸売市場が市場PTの皆さんに提出した資料があります。あれをちょっと見させていただきまして、私なりに分析して、一部わかりやすいように加工しました。それがこの表です。
 ここで、先ほどもいったように、売上高割使用料というのは大体三十から三十二の間で、これは変わらない。これは先ほどご説明いただいたとおりだと思います。ただ、施設使用料、これも今いったように、今度は事業者の数が減るということは、その利用する施設が減るわけですから、面積が減るわけですから、当然これは推定値を出すときに減らして出さなきゃいけないんじゃないかと。これはそのまま出してはいけないんじゃないかと私は思うんですけど、これについて、市場長どうですか。

○村松中央卸売市場長 施設使用料は、事業者が使用する面積に応じて課されるものでございます。業者数は減少傾向にございますが、廃業等であきが生じた店舗などは、他の事業者が業務拡大のために使用することも多く、使用料を徴収する総面積は大きく変化しておりません。このため、施設使用料の収入額自体は安定的に推移しております。

○東村委員 これは今、見込みだと思いますけれども、今までの経験値で、業者数が減ったら、その減った分だけ別な業者が統合してくるという、こういう今までの経験値から、今後も減った分だけ、逆にもっと広げたいという事業者がそこを借りたいと、こういうことでよろしいんですか。これが本当に当たれば、この数字で推移するわけなんですね。
 そこで、いろんなところでいわれているのが、ここに出ています経常損益が大体百億ぐらいずっと毎年赤字になるんじゃないかと、こういう話がありました。経常損益が赤字になって一番困るのは、累積損失がたまるということなんですね。つまり、究極はバランスシートが資産よりも負債の方が多くなって債務超過になる。これが一番危ないわけです。その原因が累積の赤字なんです。
 これが本当に累積赤字になるのかどうかというのを見たところ、当年度損益ってちょっと見ていただきたいと思うんですが、ここをずっとたどっていくと、途中で、これは当年度損益は黒になっています。最終的に四十年度、いわゆるバランスシート上の余剰金がどれだけあるかと見たときに、これ二千八十二億ありました。
 さらに細かく未処分利益を見ると、千三百五十九億になります。平成二十七年度は、実はこれ、当期未処理損失で赤だったんですね。この未処理損失が最終的に四十年度は未処分利益千三百五十九億円に変わる。
 この最大の原因は何かというと、築地市場の売却なんです。真ん中の段に特別利益で黄色く塗った線のところがあります。築地市場の売却収入を五年間にわたって分割で入金してもらうという計画なんです。これはいいですね、それで。そういう--市場長が今うなずいてくれましたので、五年間にわたって分割して入金してくるという、このトータル金額が四千三百八十六億円だと、こういうことなんです。
 これがあるがゆえに、平成四十年度は、これは累積損失ならず、むしろ余剰金が出て、当期未処分利益まで出てくる。これが一千三百五十九億です。さらに大事なことは、今、銀行が各会社の経営判断をするときに、昔は損益で見ていましたが、今はキャッシュ・フローで見ているんです。どれだけの、資金繰りがちゃんとできるかということを見ていきます。
 それで私は、この中央卸売市場が市場PTに出した資料を加工して、足し引きをしながら、公営企業会計の資金の概念に基づいて足し引きをして、会計の保有資金残高というのを出しました。これが一番下から二段目の黄色い線でございますが、これを見ますと、平成二十七年度のこの決算のバランスシートをもらいましたので、バランスシートの残高にその当年度の収支差額を加算、減算していきました。
 出た結果が、ほとんどの年度みんな、これ、資金がしっかりと黒になっています。最終的に四十年度になっても千七十九億円になるんです。これも最大の原因が、築地市場を四千三百八十六億円で売却するという前提があるからこの数字が出てくるんですね。これが崩れれば、恐らくこの十年間の、先ほどいいました累積の黒字の問題、さらには資金残がきちっと残るという問題も解決しないんです。
 そこで、この築地市場の売却収入の四千三百八十六億、これをどうやって出したかが物すごく大事で、これを市場はどう算定したのかということをまず聞きたいと思います。

○村松中央卸売市場長 試算に当たりましては、既に評価しております環状二号線の例を引きまして、その平米単価を、もう既に出ていますので、それを当該の築地の用地に掛けまして、約四千三百という数字を出しております。

○東村委員 その上で、どういう形で処分していくのか、これについても答えていただけますか。

○村松中央卸売市場長 大田市場へ移転いたしました神田市場跡地の事例でございますけれども、このときは普通財産として市場会計から一般会計に有償で引き継ぎました。収支試算におきましては、神田市場の事例を踏まえて、市場施設を解体し更地化した後、公有財産規則にのっとり、一般会計へ有償で所管がえがなされることを想定しております。
 また、処分収入額につきましては、土壌汚染対策や埋蔵文化財調査を考慮いたしまして、二百億円を控除して計上しております。

○東村委員 今、土壌汚染対策費、埋蔵文化財の調査を二百億とおっしゃいましたが、豊洲市場の土壌汚染対策費は八百六十億かかっているわけです。仮にですよ、仮に、築地市場が今いろんな議論されている中で、土壌汚染があった場合には--これは仮にの話ですから、あった場合には調査して、土壌汚染があった場合には豊洲市場と同等の対策をしていかなきゃいけないだろうと。
 そうなると、八百六十億の半分、少なくとも面積が二倍ですから、これ単純計算で申しわけないんですけど、面積二倍ですから、八百六十億の半分、やはり四百三十億ぐらいは、これは保守的に見積もっておかないと、こういう十年間の持続可能性というのは見積もれないと思うんですね。したがって、四百三十億、五百億ぐらいを私は見積もるべきだと思っています。
 ただ、仮にそれを見積もったとしても、先ほど申し上げました額がどれくらい変わるかというと、そんなに大幅に変わりません。資金も、これは五百億ぐらい、三百億追加ですから、七百億ぐらい残ります。さらに、黒字の部分も、一千億ぐらい当期未処分利益が出る。こういう私、試算しました。
 したがって、これは少々土壌汚染対策費がかかったとしても、築地の処分の費用というのはある程度見込めるんじゃないかと。そうなったときに、十年間というスパンです。これは私はこの先のデータをもらっていないので何ともいえませんけど、十年間とスパンを考えたときには、ある意味で財政的には、市場全体としてこれは持続可能性があるんじゃないかと私は思っています。
 安全性についても、専門家会議がある意味でしっかりと地下の部分も科学的な知見で対応できる、それを市場がしっかり対応すればの話ですが、担保できると思います。
 そういう一連のこれから作業をしていかなきゃいけないと思いますが、知事はしっかりとスピード感を持って市場のあり方を整理し、豊洲市場への移転に関するロードマップというのを発表されましたので、この豊洲市場への移転に関するロードマップをやはり着実に工程どおり進めていただいて、そして、しっかりと前に進めていただきたい。このように考えますが、知事の見解を求めます。

○小池知事 大変数字にお強い東村委員のさまざまなご提案もございました。今、ロードマップを昨年十一月に私が示したということをお述べいただいたかと思います。豊洲市場移転、そしてまた築地を考えるというそのための総合的な判断をするために、ステップを一つずつ踏んでいくということを示したものでございます。その間に地下水のモニタリング、九回目ということの中において、驚くべきような数字が出てきたりということがございました。
 ただ、法的な観点から申し上げると、最初のご質問からの答弁のとおりでございます。しかしながら、やはり生鮮食料品を扱うということから、先ほど八百億、豊洲には土壌対策でかけた、かかったというお話ございました。それほど皆さんも議会の中でもご議論があって、そして安全・安心を確保しようという、そういう話だったと思います。そういう中で、専門家会議で再調査、採水のクロスチェックもした上で専門家会議で必要な対策、今ご検討いただいているところでございます。方向性を示していただいた上で。
 それで、お話が先ほどから市場会計の収益構造についてご指摘があったわけでございます。そして長期的な収支を含めた事業の継続性でございますけれども、まさしく市場問題プロジェクトチームもこれまでも多面的な検証を行ってきたわけでございます。
 こういったさまざまな検証を、その成果をそれぞれでやっておりましたものを一つに集めて、そして市場のあり方戦略本部に一旦集約をすると。その上で市場の将来を見据えた戦略的な視点を持とうということでございまして、集中的に検討を行いまして、総合的な判断につなげていく。これが変わらぬロードマップでございます。

○東村委員 ロードマップを変えることはないんですけれども、できればこれスピード感を持ってお願いしたいと、このように思います。
 その上で、今回、百条委員会が立ち上がりまして、いろいろわかったことがございます。そういう中で、ぜひともやっぱり制度として変えていただきたいなという点が一点ございまして、それは、今回の豊洲の用地取得に至るまでのプロセスに関して、土壌汚染対策費用の負担合意が報告されたのが土地売買契約の締結後二カ月半後の二〇一一年六月十五日の経済・港湾委員会です。
 つまり、締結して中身を、詳しい中身、つまり瑕疵担保です。瑕疵担保の中身を報告したのは経済・港湾委員会が初めてなんです。締結した後に報告された。それから議論しても、それはもう締結した後なので、訂正のしようがないわけでありまして、市場当局と財務局はこういう協議しているんですね。公営企業に係る契約締結の特例により議会に付する必要はないと。資産の取得終了後、直近の経済・港湾委員会で報告すると、こういうやりとりの議事録も出てきました。
 私は、公営企業案件だからといって、高額な土地を購入する際に議会に事前に報告しないで済んでしまう今の地方公営企業法自体が問題あるんじゃないかと思っています。変えるべき点は変えていく必要があると思います。
 これから恐らく病院経営本部はこの広尾病院の、同じように現在地再整備か移転かという議論がまた出てきます。莫大な土地の取得費用が出てまいります。
 こういうことを考えたときに、都民からの理解や納得を得るためには、契約の締結や財産の取得、管理及び処分について、一般会計はやっています、一般会計のみならず、公営企業会計においても、議会に事前に報告して承認を得る。やはり都政改革をするという東京独自のルールを決めていったらどうかと思うんですが、知事、いかがでしょうか。

○小池知事 公営企業の財産の取得などについてのご質問でした。ご指摘のように、地方公営企業法によりますと、議決を要しないと、このようになっているわけでございます。ご提案で、都独自のルールを設けたらどうかという話でございます。
 まず、関係法令とどういうふうに絡んでくるのか。それから、それぞれの公営企業の運営にどういった影響が出てくるのかなどなど、さまざまな要素も勘案しなければなりません。そこで、慎重に検討すべきだということではございますが、ご指摘の趣旨については十分受けとめさせていただきたいと思います。

○東村委員 ぜひともこれは、本当に二度とこういうことがないようにしていきたいという、本当我々の強い思いでありますので、受けとめていただきたいと思います。
 次いで、オリンピック・パラリンピック大会の組織委員会の経費について質問したいと思います。
 来年度、東京都から大会組織委員会へ大勢の人が都から派遣をされます。組織委員会は、当初東京都が出捐金を五十八億五千万円出していましたが、これを返しました。だから、そんなにもう東京都の関与はないよと、こういういい方をしている人がいるんですけれども、そうじゃなくて、これだけの職員を派遣しています。そこで、来年度派遣する職員の数と、この人たちの総額の人件費、これは幾らなのかということを教えていただきたいと思います。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 来年度、都から組織委員会へ派遣を予定している職員数は約四百名となっております。また、人件費につきましては予算額で約三十五億円となっております。

○東村委員 四百名、三十五億円、恐らくこれ、また年をステップアップしていけば、さらに人がふえるだろうと。単純に三十五億円、三年間掛けると百五億円なんです。もう既にこれだけの実際はお金をかけて、東京都は一生懸命、組織委員会を支えている。ところが、いざ中身を教えてくださいとなると、全く教えてもらえないわけなんですね。決算書だけはしっかり提出をしていただいております。
 そこで、きょうはパネルをつくっていませんが、皆さんに表は配らせていただきました。この組織委員会の決算書から、事業費と、その事業費の中で一番かかっているお金、これをピックアップしました。
 最大にかかっているお金は支払い手数料です。二十七年度決算で百十二億七千九百万円、事業費のうち、支払い手数料は九十億一千八百万円、七九・九五%、八割が支払い手数料です。二十八年度の予算では、六五%が支払い手数料です。だんだん減っていきます。それは事業費の総額がふえてくるからです。二十九年度の予算では、事業費が三百六十二億八千五百万円で、支払い手数料は百五十六億九千二百万円です。四三・二五%。三年間トータルで、支払い手数料は三百八十七億六千百万円、三年間の経費に占める五六%が支払い手数料なんです。
 しかもこれは、先ほど経済効果という話がありました。三十二兆円の経済効果。あれの出し方は、組織委員会の経費の具体的な項目に産業連関表の係数を掛けて出すんですね、だから、産業連関表の係数を何に充てるかによって、これ、経済効果って実は物すごく変わってくるんです。
 そういう中で、支払い手数料は、実はこれは経済効果を生まないということを組織委員会が抜いて出してきているわけです。つまり、支払い手数料がふえてもふえても、これは経済効果が一切生まれないお金なんです。そこで、これは決算特別委員会で我が党のまつば議員も質問しましたけれども、そのときには何に幾らかかっているまではいわないけど、項目だけは大体教えていただきました。
 いよいよこれ、二十九年度の予算、そのときに、塩見局長はIOCと協議を進めて、組織委員会に対して、より一層の情報公開を求めていく、取り組んでいきますよと決意を述べられましたが、その後どうなったか。今回の二十九年度予算の内訳、これについて明確に示していただきたいと思います。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 支払い手数料の内訳は、組織委員会が契約するスポンサーからの協賛金収入に伴うIOCなどへの権利使用料、JOCに対する共同マーケティング活動に伴う支払い、株式会社電通との専任代理店契約に伴う支払いなどでございます。
 個々の支払い額につきましては、相手先との契約上、守秘義務にかかわる事項ではございますが、都としては情報公開を行うことが重要と考えておりまして、組織委員会に対し、できる限り公開するよう働きかけを行ってきたところでございます。
 具体的には、開催都市契約に規定されておりますIOCの権利使用に関しては、現在、開催都市契約そのものの公開を組織委員会、JOCと連携し、IOCに公開を求めているところでございます。
 JOC、電通に対する支払いにつきましては、公表が可能か組織委員会が確認を行ったところでございますが、守秘義務により公表には了解をいただけませんでございました。
 このような状況ではございますが、今後とも、組織委員会には最大限の情報公開を要請し、透明性を確保していくよう引き続き求めてまいります。

○東村委員 私がなぜこの問題を取り上げているかといいますと、組織委員会が大体一兆六千億から一兆八千億かかる。そして、入ってくる収入はどんなに頑張っても五千億と。そうなると一兆三千億のお金は、一兆八千億だったら大体一兆三千億ですね、このお金は誰が持つのかと。国が全額負担すれば、してくれれば何も問題ありませんが、恐らく国だけというわけにいかないと思います。そのうちの一部は、どれだけの額になるかわかりませんが、東京都が負担しなきゃいけない。
 三千億でも四千億でも負担するとなったときに、じゃあ都民にどう説明すればいいのか。議会はチェックしていたのかということは必ずまた同じようにいわれます。だから、早目にチェックして、別にオリンピックの前向きなところを阻害しようとしているわけじゃないんです。やはり両輪なんです。進むということとチェックをかけていく、この両輪がなければ、いい大会にはできないんです。そういう意味で、ここはしっかりとやってほしい。
 ただ、私たちが乗り込んでいって見るわけにはいきません。今度、六月に決算が発表されると聞いています。二十八年度の決算が発表されると聞いています。そこには評議員である安藤副知事と川澄副知事が出席をされます。ぜひとも内容をチェックして明らかにしてほしいんです。それができるのは唯一評議員しかないんです、決算チェックは。川澄副知事、どうですか。

○川澄副知事 今後、大会準備が加速していく中で、都民、国民の信頼を得て支援していただくためには、最大限情報を公開し、準備状況を丁寧に説明していくことが不可欠でございます。
 ご指摘のように、私は組織委員会の決算状況を確認する立場にあり、決算書類等について、今後ともしっかりと確認をして意見を述べるとともに、より透明性を確保するため、できる限りの情報公開を働きかけるなど、評議員としての責務をしっかりと果たしていきたいと思っております。

○東村委員 ぜひとも安藤副知事にもよろしくお願いしたいと思います。
 本当、我々は乗り込んでいって見られないので、唯一見られるのは両副知事しかいないと思いますので、お願いしたいと思います。
 そこで最後に、現状ではなかなか組織委員会の情報公開が進んでいません。これに対して、さらなる情報公開を進めてもらうためにはどうしたらいいかと、こういうことを非常に悩んでいるわけでありますが、知事の見解を伺いたいと思います。

○小池知事 都民の皆様方の二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会への参加意識と申しましょうか、それは例のメダルの材料となる都市鉱山、携帯電話など、この都庁にわざわざ持ってきていただくなどなどして、非常にご理解をいただいているところではございますが、いよいよ大会準備が本格化してまいります。
 そういう中で、都民、国民にさらに祝福されて、そして共感の高い大会にしていくという、そのためには、大会に関しての情報をオープンにするというのは、これは一つの基礎だというふうに思います。理解、納得を得ていくことが不可欠だと思います。
 そのためには、都はもちろんでございますけれども、組織委員会においても情報公開の重要性をご認識いただいて、みずから情報を積極的に出していくという姿勢で取り組んでもらいたいものと考えます。委員ご指摘の決算状況などについても、個別の課題はあるかとは思いますが、できるだけ公表していくべきだと、こう考えております。
 IOCとの関係では、都と組織委員会が連携をいたしまして、今は非公開とされている開催都市契約について公表する方向で協議を進めております。そして、情報公開に向けた取り組みは、これらを含みまして進みつつあると感じております。
 二〇二〇年大会まであと三年余りでございまして、組織委員会との連携を一層強化し、より積極的な情報公開を進めていきたいと考えております。
 また、ちなみにロンドン大会におきましては、準備段階から定期的にその財務状況などは公表されていたと、このように聞いております。CEOは経済人、そしてまたそれを支えていたのは会計コンサル会社でございました。

○東村委員 開催都市の契約が公開されるって、これはかなり画期的なことなんで、局長も含めて副知事、知事、頑張っていただきたいと思います。
 次いで、被災地支援について質問したいと思います。
 冒頭、被災地応援ツアーについて質問しようと思ったんですが、これ、もう常任委員会で取り上げられたということなので、ここでは省かせていただきたいと思います。
 そこで、被災地の子供たちのスポーツ交流事業について質問したいと思います。
 発災から六年がたち、三月十一日で六年がたちました。震災の風化と、いまだ風評被害に被災地は苦しんでおります。発災後すぐに、我々は現地に入ったときに、その最初のファーストコンタクトのときで、既に現地のさまざまな団体は、都にこうしてほしい、ああしてほしいという要望を出してくれました。
 その一つが、体育協会から、子供たちが外で遊べないんだと。ぜひとも夏休みぐらい思う存分遊ばせてあげたいので、被災地の子供たちを東京に呼んで、そして東京の子供たちと交流をさせてほしいと、こういう提案がありまして、被災地の子供たちのスポーツ交流事業が始まりました。
 これ、八王子に関しては最初の段階で手を挙げて、サッカー協会と軟式少年野球連盟が受け入れてくれました。そして、二泊三日、ホームステイで福島の子供を受け入れてくれました。お母さん方が、何がよかったかというと、私たちは偏見な目でやっぱり見ていた部分があったと。でも、子供たちが本当、もううそ偽りなく、一緒におふろに入って、食事をして楽しんで、今の苦労話を聞いていくうちに、ああ、子供たち同士は恐らくこうやって交わることによって、何のわだかまりもなく過ごしていけるんだなということを感じたといってくれました。
 恐らく今いじめの問題も、本人が直接情報を収集したというよりも、親からの影響だと私は思っています。そういう歴史ある被災地の子供たちのスポーツ交流事業、来年度もぜひ続けていただきたいと思いますが、塩見局長、いかがでしょうか。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 お話のスポーツ交流事業は、東日本大震災によりスポーツをする機会が減少した被災地の子供たちを招待し、東京の子供たちとスポーツを通じた交流を行うために開始したものでございまして、平成二十三年度より都内各地で三十六回の交流を重ねてまいりました。
 この事業は、いまだ復興途上にある被災地の子供たちと東京の子供たちとの間に思いやりと友情を育み、かけがえのない心の財産となっております。
 来年度も今年度と同規模の回数の事業を実施する予定でございます。
 今後もスポーツの力で被災地を勇気づけるという目的のもと、着実に取り組んでまいります。

○東村委員 ぜひとも、福島で野球とソフトボールの予選が決まりました。知事も尽力していただきました。こういうときには、今度は東京の子供たちが福島に行って、今度は福島に行って交流できる、そういう事業も考えていただきたいと思います。
 次いで、これは福島の農家の方から強い要望があったんですが、いまだ福島の米は売れないか、売れても物すごい安い値段でしか買ってくれない。例えば会津若松なんかは本当全く問題もないし、今、福島の米は全袋検査をやっているんです。全部検査やっているんです。だから、日本の中で放射能の高い地域ってあるんですね。そういう自然由来の高い地域に比べても、全く放射能を検知しないところまで来ているにもかかわらず、売れないし、買ってもらえない。
 ぜひともこれは何とかできないかということで、苦肉の策で、防災備蓄用のアルファ化米、これをつくろうということで、一生懸命自分たちで努力をしてアルファ化米をつくってこられました。ただ、東京都が防災備蓄するアルファ化米については、いわゆる特定調達契約ということで、福島の米を優先的に買うというわけにはいかないんだと。みんな競争させるしかないんだと、こういわれました。
 そこで、私はぜひとも、職員用の非常用備蓄をやっていると思います。これは特定調達契約の対象にはならないと聞いていますので、優先的に福島産の米、特にこのアルファ化米を努力してつくってきた人たちのこの尽力に報いるためにも使ってやっていただけないかと思うんですが、総務局長、いかがでしょうか。

○多羅尾総務局長 東日本大震災の被災地福島では、福島県産の食材の風評被害にいまだ苦しんでいる実態があり、被災地の復興に向け、一大消費地である東京都が被災地産品を積極的に活用し、消費拡大に貢献していくことが重要でございます。
 都職員の非常用食料としてのアルファ化米の購入に際しては、全体の数量の約五分の一ずつを毎年入札により契約しており、安全確保や食品ロス防止の観点から、製品開発から五年以上経過の上、微生物検査等に合格し、賞味期限が五年以上であることを要件としております。
 福島県産の米の活用については、流通している商品が少ない場合の競争性確保や、福島県産の米が確実に使用されているかどうかなどの課題もございますが、被災地復興に向けて福島県産の米の活用を入札条件に反映していくことについて、今後、積極的に検討してまいります。

○東村委員 ぜひともよろしくお願いします。
 最後に、この震災、六年たって、先ほどいいました風化と、そしていまだ風評被害に苦しんでいる被災地の皆さん、何よりも東京が招致をするときに復興五輪という言葉を掲げて招致をしたわけであります。この被災地の皆さんに対する都の継続的な支援について、知事の決意を伺いたいと思います。

○小池知事 私は、知事に就任以来、被災地の方々の思いを受けとめまして、都民の代表として支援の気持ちを伝えようと東北三県を訪問いたしました。被災地で頑張る方々のお話を直接伺ってまいり、また、お励ましもさせていただいたところでございます。
 震災から六年がたった今、東北では被災地の方々の懸命な努力で復興は着実には進んでいる。しかしながら、その道のりはいまだ途上にあるという認識でございます。そして、震災記憶の風化、風評被害も懸念されているところでございます。
 これまでも委員のさまざまなご努力で被災地の子供たちとの交流なども進んでまいりましたが、例えば、私も現地で、派遣された職員の皆さんも激励していますが、継続的に職員を派遣すること、それから、都内に避難されている方々への住宅の確保、これについてきめの細かい対応をさせていただいていると考えます。それから、被災地応援ツアー、スポーツ交流事業の実施、風化防止などを都民に広く呼びかけるイベントの開催など、さまざまな取り組みを行ってきたところでございます。
 ちょうどきょうの産経新聞に私の拙稿が出ておるかと思いますけれども、私はやはり二〇二〇年東京大会は復興五輪、パラリンピック、これを一本テーマにして、そして被災地の復興なくして大会の成功はないと、この思いを国民みんなで共有して進めていくのが道だというふうに思っております。
 引き続き被災地の声に耳を傾けまして、ニーズを的確に把握し、そして一日も早い復興に向けて全力で支援していきたいと考えております。

○東村委員 産経新聞は後で読ませていただきたいと思います。
 次いで、福祉政策について質問したいと思います。
 地域包括ケアについて、私は、緊急事態が発生した場合の新たな地域包括ケアシステムというのが必要になってくるんじゃないかということで、一点提案したいと思います。
 資料を配らせていただきました。(パネルを示す)それはどういうことかといいますと、介護老人保健施設を活用するということなんです。特養と介護老人保健施設、これは都民の人は知っているようで知らないんですが、特養というのは、ある意味でついの住みかになってまいりますが、介護老人保健施設というのは、例えば医療的ケア、リハビリ、介護ケアをして、何カ月後かには一旦自宅に一回戻すという人もいれば、また、そこを通過点として次の特養に行く人もいます。さらには、どうしても行き先がなくて、老健に最後までいらっしゃる。三パターンがあるんですが、その戻るというシステムがあるがゆえに、比較的空きベッドがあるという、こういうことを東京都老人保健施設協会の役員の皆さんと意見交換したときにいわれました。
 私はそのとき思ったんですが、老老介護をしていて、例えばお父さんが要介護者、お母さんが介護していたけれども、例えば、がんになったと。入院しなきゃいけない。手術しなきゃいけない。そうすると、あしたからお父さんを誰が見てくれるんだという話になるんですね。結構そういう相談を我々議員って受けるんです。ケアマネさんがかなり専門的な知識を持って能力が高いと紹介はしてもらえますが、どうしてもできない場合もあります。
 そこで、例えばヘルパーさんやご本人、また家族からケアマネさんに依頼があって、ケアマネさんが--緊急入所情報センターというのを東京都でつくって、ここに東京都の老人保健施設協会の皆さんが協力するといっています。ここで情報を集約して、例えば当番老健、これ、東京がいろんな、救急で使っているシステムと同じようなシステムなんですが、当番老健をつくって、どうしてもこの当番老健がだめだったら、情報センターで、情報を持っていますから、老健A、B、Cに当たっていって入れるところを決める。そして、情報をもらったら、今度はその人の主治医とも連携をとって、緊急ですから、緊急的にどう対応したらいいかということを情報をもらう。落ちついたら別なところに、病院に入院してもいいですし、家に戻ってもいいですし、また引き続きその老健にいて、何カ月後かに戻ってもいいと思います。
 こういうシステムをつくっておかないと、いざというときに--通常時はいいんです。緊急時に本当に困るんじゃないかと思いますが、これについて、ぜひとも新たなシステムを組んでもらいたい。福祉保健局長、いかがでしょうか。

○梶原福祉保健局長 現在、都内には介護老人保健施設が百九十四カ所ございますけれども、嚥下障害、胃瘻交換等の医療ニーズへの対応体制や夜間、休日の受け入れ体制はそれぞれ異なっております。
 そのため、お話の介護老人保健施設の空床を利用した緊急入所の仕組みを構築するためには、必要な場合に、各施設の最新の対応状況を的確に把握できるか、また、空床がある施設を容易に確認できるかなどの課題がございます。
 一方、区市町村では、現在、地域の実情に応じて緊急時の短期入所サービス事業を実施しておりまして、その中には介護老人保健施設を活用している例もございます。
 こうしたことを踏まえながら、今後、区市町村や事業者団体等と意見交換を行い、緊急時における介護老人保健施設の活用について検討してまいります。

○東村委員 対応できる大きな区市町村はいいと思うんですけれども、できないところもあると思いますので、このシステムをぜひとも検討していただいて、今検討していくという話がありましたので、お願いをしたいと思います。
 次いで、認知症グループホームについて質問しようと思ったんですが、時間がありませんので、アレルギーについて質問したいと思います。
 日本では、国民の約二人に一人が何らかのアレルギー疾患にかかっております。ぜんそく、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎など、患者は年々増加しております。さらに、食物アレルギーによるアナフィラキシーショックなど、緊急時の対応を要する疾患もあります。都議会公明党はこれまで、たび重ねてこのアレルギー対策について本会議、予算特別委員会で取り上げ、議論をしてまいりました。
 国はこうした状況を踏まえ、アレルギー疾患対策基本法を二十七年十二月に施行いたしました。同法には基本的対策が明記されているんですが、その中に、都道府県における対策の推進に関する計画を策定することが可能だと明記されています。都も、検討委員会でいろいろ、これから計画をつくろうかどうか今まで検討してきたと思いますが、これだけアレルギー、特に東京は花粉症という大きな悩みを抱えております。この早急な計画策定と対策が必要だと思いますが、局長の見解をいただきたいと思います。

○梶原福祉保健局長 平成二十六年六月のアレルギー疾患対策基本法の成立を受けまして、都は現在、専門医や医師会、患者家族会等から成る検討委員会で、重症化の予防と症状の軽減、ニーズに応じた適切な医療やケアの提供、生活の質の維持向上を柱に今後の施策の方向性を検討しておりまして、今月二十一日に示された国の指針も踏まえ、来年度の早い時期に総合的な対策を盛り込んだ計画を策定する予定でございます。
 また、保育施設等におけるアレルギー対応の体制強化を図るため、職員向けに実施している緊急時の対応研修に加え、管理者向けにリスク管理や医療機関との連携など、新たなリーダー養成研修を実施するほか、平成二十二年に策定をいたしました食物アレルギー対応ガイドブックにつきましても、最新の知見を踏まえて改定し、都内全ての保育施設等に配布する予定でございます。

○東村委員 早い時期に策定ということですので、ぜひともよろしくお願いします。
 その上で、アレルギーの場合は、かかる医療機関によって重症化する場合もあるんです。やはり専門的な医療というのが必要なんですが、都民は自分の地域にどういう専門的な先生がいるかということがわからないんですね。本当にアレルギーというのは、何にアレルゲン、起因するかによって、対応を間違うと大変なことになる。それをしっかりとやっぱり都民に情報を周知していくための取り組みが私は必要だと思います。これについて局長の見解を伺いたいと思います。

○梶原福祉保健局長 アレルギー疾患には、ぜんそく、花粉症、食物アレルギーなどさまざまな種類がございまして、患者はもとより、保健医療等の関係者が正しい知識を持つことが重要でございます。
 このため、都は、アレルギー疾患に関するさまざまな情報を総合的に提供するポータルサイトを、専門医の監修も受けまして、来月開設をいたします。
 このサイトでは、疾患を持つ方やその家族に向けて、疾患の基礎知識や症状の軽減方法など自己管理に役立つ情報、専門医や医療機関の情報などを提供するほか、保健医療関係者向けに、標準的な治療方法や研修の情報に加え、研修教材なども提供をいたします。
 また、より多くの方々に活用されるよう、疾患別、目的別の分類メニューを設けて利用者が知りたい情報を探しやすくするなど、使いやすいサイトとしてまいります。

○東村委員 次いで、教育について質問したいと思います。
 通信制については、ちょっと時間がないので飛ばします。
 不登校の特例校について質問したいと思います。
 国は、昨年十二月に義務教育段階における教育機会確保法というのを成立させました。東京都は、教育支援センター等充実方策検討委員会におきまして、二月九日に最終報告をまとめました。この中では、最終のまとめの中で、不登校の特例校を設置促進していくと、こういう話がありました。私の地元八王子には平成十六年四月、高尾山学園というのが開設され、公立の小学校、中学校の生徒百二十名が通っております。私も視察をいたしました。
 ほとんどの生徒が、ここに来てから上級学校へ進学しているんです。また、地域の外部講師と連携をして、さまざまな、地域の外部講師が教えているものを学んで、情緒豊かに子供たちは成長していっています。ただ、東京にこれ一カ所しかないんです。私立になると、やはり物すごい高い授業料と施設整備費というのが取られるんです。ぜひとも公立の小中学校で不登校の特例校を、東京に一校しかないんです、ふやしてほしいと思うんですが、教育長、いかがでしょうか。

○中井教育長 不登校特例校は、さまざまな理由で学校へ通えなくなった児童生徒の実態に配慮した柔軟な教育課程を編成して教育を行う学校でありまして、都内公立学校では、ご指摘のとおり、現在、八王子市立高尾山学園が指定されております。
 この学校では、始業時刻をおくらせるなどゆとりのある時間割を工夫し、児童生徒が通いやすい環境を整えたり、地域とかかわる学習の時間を多くして、さまざまな人々と直接触れ合い、社会性をより一層育む教育を行ったりしております。このような取り組みにより、児童生徒が上級学校への進学意欲を高めるとともに、望ましい人間関係を構築しようとする態度を身につけてもらうようにしております。
 今後、都教育委員会は、不登校特例校の設置が進むよう、区市町村に対し、高尾山学園への見学を奨励するなどして、その成果の普及啓発を積極的に行ってまいります。

○東村委員 百聞は一見にしかずですから、見ていただくとどうなのかということがわかりますので、やっぱりここが今おくれているところですから、ぜひとも力を入れてください。
 その上で、盲学校の生徒の通学環境の整備について質問したいと思います。
 ホームドアの話をいろんなところでしたら、あるお母さんから、自分の娘が盲学校に通っている、乗りおりが多いところから優先的にやるというのはわかるけれども、ぜひとも、こういった盲学校の生徒が通っている最寄り駅から積極的にホームドアをつけてくれないかということをいわれたんですね。私もはっとしたんです。いろんなことをいっているけど、やっぱりこういう本当に現実に利用している人たちの視点というのは抜けていたなということを反省して、すぐこれ取り上げていきますということを申し上げまして、実態を調べました。それがこの一覧表です。
 文京盲学校、葛飾盲学校、久我山青光学園、八王子盲学校。それぞれ、文京は六十九名、葛飾二名、久我山は二十五名、八王子は四十名通学されています。ホームドアが設置されているのが比較的多いのは文京なんです。ただ、久我山や八王子、こういったところはありません。文京も、飯田橋はJRとか東西線はありません。こういうところこそ、しっかりとホームドアをつけるべきだと。これは、都市整備局にお願いするとなかなかそういう観点からは発想が出ないと思いますので、ぜひとも教育長から申し入れをしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○中井教育長 そこにもございますが、都立八王子盲学校等の都立の視覚障害特別支援学校では、児童生徒に対して、卒業後の自立と社会参加を目指し、障害の状態に応じて一人で通学できる力を身につけさせております。
 具体的には、一人通学に際し、学校では、線ブロックや点ブロックの違いの識別や、改札からホームまでの安全な移動など、個に応じた段階的な歩行に関する指導を行うとともに、都教育委員会では、交通安全指導を行う学童交通擁護員を配置することで、通学の安全を確保しております。
 今後、児童生徒の通学の安全性を一層高めるため、都教育委員会は、関係局と連携して、視覚障害特別支援学校の最寄り駅など、必要性の高い駅に優先的にホームドアを設置するよう鉄道事業者に対し要望してまいります。

○東村委員 ぜひとも教育長、よろしくお願いします。
 次いで、首都圏の交通政策について質問したいと思います。
 (パネルを示す)圏央道の内側の高速道路上に、実は本線上、つまり入り口、出口じゃなくて、高速道路のど真ん中に料金所があるのが、二十九カ所あります。実はこれが全てではありませんが、渋滞の一つの要因になっています。ETCをつけても、百キロで走っていても、八十キロで走っていても、二十キロに落とすということはそれだけ詰まるわけです。
 この本線上の料金所をぜひとも私は撤廃すべきだと思うんですが、今、首都高ではETCを使っている人が九五%だと聞いています。じゃあ五%の人は困るじゃないかと、社会的弱者でクレジットカードがつくれない人はどうするんだと、こういう話があるんですが、今、SuicaやPASMOみたいな形で、JRだってああいう前払いのプリペイドのカードでやっているわけです。それをETCと同じように読み込ませられれば、これ可能なんですね。できないことはないんです。
 こういうところに国も補助を出してほしいですし、私は国交省にもこの前申し入れをしたところですが、しっかりとこれ、都としても、やはり首都圏の高速道路ですから、知事が先頭に立って、このことを声を上げていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○小池知事 先ほどの盲学校に近い駅のホームドアの整備の話もそうでございますが、生活者のニーズに即したご質問をいただきました。
 高速道路の渋滞対策として、道路ネットワークの整備とともに、一体的でわかりやすい料金体系の導入も進められていることはご存じのとおりでございます。これらに合わせて、本線料金所について、利用者の安全性、それから快適性の向上に向けまして、首都高速道路の区間の中に残る料金所が順次撤去される予定となっております。
 それから、異なる高速道路会社間の境目にあります本線料金所の撤去に当たりましては、現金利用者の料金徴収方法などの課題がございますが、今も一つ具体的な解決案を出していただきました。
 このため、高速道路会社ではETCの普及促進に向けた取り組みを行っておりますが、都としては、高速道路の渋滞解消、それから利用者にとって使いやすい高速道路となるように、引き続きまして、国、高速道路会社にしっかり働きかけてまいります。

○ともとし副委員長 東村邦浩委員の発言は終わりました。(拍手)

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