予算特別委員会速記録第五号

○鈴木(隆)委員長 これより締めくくり総括質疑を行います。
 順次発言を許します。
 山崎一輝理事の発言を許します。

○山崎委員 都議会自由民主党を代表して、締めくくり総括質疑を行いたいと思います。
 それでは初めに、市場問題についてお伺いをさせていただきます。
 さきの代表質問に始まり、予算特別委員会での総括質疑を通じて、一つずつ確かな事実の確認を積み重ねてまいりました。また、各常任委員会においても、さらに多面的に市場問題を取り上げさせていただきました。それは、都民の関心が極めて高い市場問題において、都民の方々が客観的に判断できるようにしていくことが都議会の責務である、その使命感からであります。
 初めに、築地市場の現状について確認をいたします。
 築地市場には、随所にアスベストが使用されていることが確認をされています。
 アスベストとはどのようなもので、どのような健康被害があるのか、福祉保健局長にお伺いいたします。

○梶原福祉保健局長 アスベストは、熱や摩擦などに強く、丈夫で変化しにくいという特性を持っていることから、過去、建材などに広く使用されてまいりましたが、その発がん性が指摘されたことなどから、平成十六年には、代替が困難な一部の製品を除き、製造、使用等が原則禁止となっております。
 アスベストは、肉眼では見ることができない極めて細い繊維から成っており、吸い込むことにより、人の肺の奥にとどまることが知られております。
 アスベストを吸い込むことによって生じる疾病としては、肺がんのほか、胸膜や腹膜等の悪性腫瘍である中皮腫、肺が線維化する石綿肺などがございます。これらの疾病は、アスベストに暴露されてから、場合によっては三十年以上の非常に長い潜伏期間を経て発症することが大きな特徴でございます。

○山崎委員 アスベストの健康被害というもの、大変な被害が出てくるということが今の答弁でわかりました。
 先日、築地市場を、私たち都議会自民党、改めて視察をし、現状を見てまいりました。今もなお築地の場内には、随所にこうした建材等が残されていることが確認ができました。できるならば即時撤去すべきということは、いうまでもありません。
 しかし、そのためには、まず建物全体の飛散防止策をとらなくてはなりません。その間は当然営業ができません。売り場や通路を封鎖しなくてはならないからであります。市場を動かしたままでは、現在のアスベストの処理を行うことは極めて困難であり、現実的には不可能だと考えます。
 そこでお聞きをします。アスベストの処理について、誰が義務を負うのでしょうか。市場長、お答えください。

○村松中央卸売市場長 都有施設につきましては、設置者が義務を負っております。

○山崎委員 今、設置者と市場長はいわれました。設置者、一体誰ですか。お答えください、市場長。

○村松中央卸売市場長 東京都知事になります。

○山崎委員 今、設置者、やはり東京都知事というわけであります。小池知事、おわかりですよね。--はい。
 それでは、我々の認識では、アスベストの処理は極めて困難であるとの認識ですが、容易に施せるものなのでしょうか。市場長、見解を伺います。

○村松中央卸売市場長 営業しながら吹きつけアスベストやアスベスト含有建材の撤去を行う場合ですが、工事区画を密閉するなど徹底した飛散防止対策が求められることから、売り場や通路を部分的に封鎖する必要が生じます。このため、営業を継続しながら工事を実施することは極めて困難と考えております。
 こうしたことから、都といたしましては、引き続き、定期的な大気中の濃度測定や日々の監視を行い、市場で働く方々の労働環境にも配慮しながら、営業に支障のないように取り組んでまいります。

○山崎委員 私は、容易であるかどうなのかって聞いているんですよ。容易であるかないか、イエスかノーか。容易であるかないか、それだけ答えてください。

○村松中央卸売市場長 営業を継続しながら工事を、処理工事を行うことは、極めて困難だと考えております。

○山崎委員 今、営業しながらは困難である、そういう認識を持っている。もちろん、今、答弁でいいました。なぜ今まで放置をしていたのですか。市場長、お答えください。

○村松中央卸売市場長 先ほどご答弁申しましたように、営業をしながらの工事が極めて難しいことから、事業者との調整、そういったところで問題があったと考えております。

○山崎委員 つまり、市場長が営業しながら困難である、非常に極めて難しいという、そういうことを、この答弁をまとめますと、つまり、仮移転先なくして築地の再整備、そして築地の市場の継続はできないということが、今の答弁でよく確認ができたわけであります。私はそう捉えております。
 次に移ります。
 次に、築地市場の土壌汚染について、土壌について確認をします。
 平成二十八年三月二十五日、土地利用の履歴等の調査届け出書によりますと、その調査結果には、対象地内において土壌汚染のおそれがあるため、土壌汚染状況調査を実施との記載がありました。また、東京都環境局が土壌汚染の可能性があると位置づけていることも確認をされました。
 改めて伺いますが、一年前に確認された後、調査はどのように、調査は実施されたのでしょうか。市場長、お答えください。

○村松中央卸売市場長 現在、環境確保条例に基づく届け出漏れが判明いたしました八件の工事につきまして、今後、環境局への届け出あるいは概況調査、詳細調査、こうしたことで取り組むこととしております。

○山崎委員 調査実施されているのかいないのか。いないということですね。--はい。
 それでは、ことしの二月の末から三月にかけてマスコミ報道にもありましたが、その後、小池知事から具体的な指示はありましたか、この件について。市場長、お答えください。

○村松中央卸売市場長 知事からは、速やかに届け出するように指示がございました。

○山崎委員 それは、いつ、どんな指示だったんですか。口頭ですか、文書ですか。お答えください。

○村松中央卸売市場長 環境確保条例に基づく届け出漏れがあった、そういった事案を知事にご説明させていただいた際に、知事の方からご指示がございました。口頭でご指示がございました。

○山崎委員 今、知事から口頭で指示があったと答弁しました。しかし、それからもうおよそ一カ月たっています。結果として、現場に指示、出ていないんじゃないですか。どうですか。それでこの都政、動くのですか。課題は解決するんですか。都民が期待する安心につながるんですか。全くスピード感を私は感じられません。本当にこのようなことでいいんでしょうか。
 そして、一年以上が経過し、また、小池知事が突如移転の延期を決断されてからも、もう既に七カ月が経過をするところです。なぜ速やかに調査に着手ができないのか。調査に着手がなぜできないのか、伺います。市場長。

○村松中央卸売市場長 この間ご説明しておりました環境確保条例に基づく届け出漏れにつきましては、それが明らかになりましたのがことしに入ってからでございます。知事にご説明させていただいた際に、知事の方から、速やかに届け出るように、またその後も折に触れて、迅速な調査を行うようにという指示がございました。現在、知事の指示を受けまして、三月十七日に環境局に届け出を行っております。
 また、今月の、まあ最初にですね、環境局に届け出を行い、環境局の方で、汚染のおそれがあるとされたところにつきましては、まず表層五十センチの調査に入りますけれども、それにつきましては、五月を目途に調査の結果をまとめて、公表したいと考えております。

○山崎委員 今、五月--五月って、そんな時間ないと思いますよ。そこまでずっと引き延ばしするということですか。そういうふうに都民の皆さんは受けられてしまう、私はそう思いますよ。
 次の質問に移ります。
 先日の経済・港湾委員会で、事業部長の答弁で確認ができましたが、要するに、開場以来さまざまな工事を重ねてきた中で、築地市場全体の地下の様子を把握できる断面図、作成ができていない。また、詳細かつ正確な位置を示した図面がないということが答弁でありました。汚染が確認された場合、原則十メートルまでのボーリング調査が必要となるのに、断面図や図面がない中、どうやって速やかに調査をするのでしょうか。
 築地の土壌は、土壌調査を行っていないにもかかわらず、小池知事は、何を根拠に築地は安心・安全と都民に対していい切れるのでしょうか。知事、お答えください。

○小池知事 お答え申し上げます。
 老朽化、狭隘化、衛生面など、これまでもこの予算委員会の方でも、特別委員会の方でもご議論をいただいてまいりました。さまざまなご指摘も賜ってまいりました。事業者の協力を得た適切な対応によりまして、これまで市場としての安全性の確保を図ってまいったところでございます。
 今ご指摘の点なども踏まえまして、また、安全性の確認については、さらに進めてまいりたいと考えております。

○山崎委員 知事ね、端的に答えていただきたいんですよね。知事のそれは思いというか、考え方。でも、私が聞いているのは、小池知事は何を根拠に築地は安全・安心と都民に対していい切れるのでしょうか、このことを聞いてるんですよ。もう一回答弁ください。

○小池知事 改めてお答えをさせていただきますが、さまざまな課題があるということは認識をいたしておりますが、しかし法的に安全性は確保されている。
 例えば土壌の点でございますけれども、一定のカバーがされているということから、人が土壌に直接触れることはないということ。
 それから、アスベストの点につきましては、先ほどもございましたように、ご指摘を受けました点などについての改修などを進めているということでございます。

○山崎委員 じゃあちょっと違う観点からお聞きします。
 知事は、平成三年にアセスの際にボーリング調査を行っていること、平成三年、これご存じですか。知事、お答えください。
   〔発言する者あり〕
   〔山崎委員「いや、おかしいでしょう、委員長、今の。知事に答弁を求めているのに、何でああいうふうになっているんですか」と呼ぶ〕

○鈴木(隆)委員長 計測をとめてください。(小池知事「ちょっとお待ちください」と呼ぶ)
 いいですか、知事。答えられますか。(山崎委員「おかしいでしょう、そういうのは。これで時間がどんどんどんどん……」と呼ぶ)とめている。計測とめています。(山崎委員「いや、知事、知らないでいいんですよ、それはそれで別に」と呼ぶ)
 答弁できますか。(発言する者あり)答弁できますか。
 計測を始めてください。

○小池知事 ご質問のご確認をさせていただきたいんですが、平成三年の環境アセスについての報告があったのかないのかということでよろしいんでしょうか。

○山崎委員 じゃあもう一回いいますよ。平成三年にアセスの際にボーリング調査を行っているかどうか、報告受けていますか。その事実、どうぞ。

○小池知事 平成三年の際に行われた環境アセスについての一つ一つの詳細な報告ということについては、受けておりません。

○山崎委員 じゃあこれ、アセスですから環境局長に聞きます。
 平成三年にアセスのボーリング調査、行いましたか、どうですか。

○遠藤環境局長 どの程度のボーリング調査の内容であったかについて、詳細に把握してはおりませんが、当時の基準に照らしまして、土壌の調査を行ったことについては把握しておりますし、知事にもご説明をしてあります。

○山崎委員 今、環境局長は知事に報告されているっていわれてましたけど、もちろん、平成三年の話ですよ。そこまで知事がどれだけご理解をしているか、なかなか難しいこともあると思います。しかし、今、環境局長は知事に報告をしている。しかし、知事自身は、今、報告を受けていない、知らなかった。知らなかった。そのようにいっています。(小池知事「違います」と呼ぶ)いやいやいや、そういうことになっちゃうんですよ。(発言する者多し)なりますよ。(発言する者多し)

○鈴木(隆)委員長 ご静粛に願います。ご静粛に願います。

○山崎委員 ですから、しっかりとそういう連携が、もっととっていただきたい、そのように私は思います。
 それでは、次の質問に移ります。築地市場内の建物の耐震性の観点から、次は確認します。
 さきの財政委員会にて、場内の建物のうち五棟が十分な耐震性が確保されていない、つまり既存不適格であることが確認をされました。それはすなわち、首都直下地震で予測されている震度六強では、倒壊または崩壊する危険性があるということを指します。
 それでは、万一、大型地震などの災害によって市場内の建物が倒壊をし、死傷者や、倒壊した建物からアスベストが飛散したりした場合、その責任は誰がとるのでしょうか。市場長、お答えください。

○村松中央卸売市場長 施設の管理上ということでございますれば、開設者の都知事になります。

○山崎委員 そのことについて、既に、耐震性やアスベストといった観点で、築地市場の課題は科学的に根拠を持って明確になっています。当然、市場移転の延期判断の前に、市場当局から知事にレクをしていると思いますが、確認します。いかがですか、市場長。

○村松中央卸売市場長 都として延期の判断がされた八月の末までのお話だと思いますけれども、どこまでご報告したかは、ちょっと詳細には、今手元に資料がございませんのでわかりかねますが、その築地市場の状況についてはご報告していると考えております。

○山崎委員 今のでも市場長がちょっと、いささか答弁ね、どうなっているかって、いまいちよくわからないんですよ。レクをいつどこでしたんですか。また、レクしていないんですか。どうなんですか。市場長、それだけでいいですからお答えください。

○村松中央卸売市場長 知事への説明でございますが、八月中では、豊洲市場の整備につきまして、また、築地市場の現状等につきまして、八月中にご説明をさせていただいております。
 また、知事には、築地市場の現地の視察にも行っていただいております。

○山崎委員 レクを八月中と。知事はたしか八月、築地の市場と豊洲の市場、視察をされていると思います。そのあたりなのかなと思うんですが、レクをした、しない、有無にかかわらず、知事も、首都直下型地震や築地の老朽化については、当然、築地市場についても触れた本を知事は出されておりますよね。そういう認識、あったと思います。それでもこの七カ月間、この七カ月間、対処をおざなりにしてきた。こういったことは、いわゆる不作為の責任は誰にあるのか。七カ月ですよ。いろんなことを知事、いわれていましたけれど、もう既に七カ月たっている。
 市場長、その不作為の責任は誰にあるのか伺います。

○村松中央卸売市場長 知事からは、築地市場の現状の調査、そういったことを踏まえて、補修なり日々の安全点検に努めるよう指示をいただいております。

○山崎委員 今、補修とかそういう話、出ました。また後で聞きます、これは。
 それでは、次に進みます。先日の総括質疑において、小池知事もお認めになられていましたが、次は衛生面の課題について伺います。
 厚生委員会での質疑を通じて、やはり開放型の築地では、食品衛生の管理が市場業者、業界の皆さんの努力とマンパワーに依存することが、ある意味そこで確認ができました。
 例えばネズミ対策については、巣をつくりにくい環境づくりを指導し、粘着シートを活用した駆除や、侵入口の閉鎖などを実施するとの答弁もございました。
 しかし、実情はどうでしょうか。先日、私たち視察をした際、こうした指摘も踏まえて再確認をしてまいりましたが、老朽化した築地市場の建物には、そこかしこにすき間が生じております。
 現在、時代の要請に応え得る市場。その食品衛生環境という意味においては、やはり老朽化も著しく、開放型の築地市場では、衛生環境の品質維持や確保は、いずれ限界が来るように思います。
 閉鎖型の豊洲市場と比較して、どちらが科学的、客観的に、食の品質管理、衛生環境としてすぐれているのか。先日の総括質疑において、市場長からは、一般論として、閉鎖的な施設は自然の影響を受けないため、環境が保持されるとの回答をいただきました。それはすなわち、閉鎖型の豊洲市場が優位にあることをはっきりと示されたわけであります。
 知事が推進する観光政策、私たちももちろん大賛成であります。東京の魅力を、全国はもとより、世界中の方々に知っていただきたい。特に我が国には、世界に冠たる食文化があります。また、その食を楽しみに日本へ、東京へ、多くの外国人観光客が足を運ぶのです。こうした観点からも、閉鎖型市場でなければ、今後対応し切れないと考えます。
 築地の安全性の根拠として、知事がお示しになられたのは、コンクリートとアスファルトに覆われて、土壌汚染対策法上問題がないということでありました。しかし、改めて築地場内を見回すと、場内の至るところに亀裂の箇所が散見されるのです。(パネルを示す)このように……(発言する者あり)あります。場当たり的な対処には限界があることを痛烈に感じました。
 先日、環境局長からのご答弁では、こうした築地のアスファルト、コンクリートの状態に対して、土対法上の問題の有無については、答えていただくことはできませんでした。その後、十日余りが経過をいたしました。
 環境局長、現地を見ていただき、現状を確認していただけたでしょうか。環境局長、お答えください。

○遠藤環境局長 今のお答えする前に、先ほどの私の答弁に関して一言申し添えますが、私は、調査の結果を知事にご報告申し上げましたが、調査の仕方、内容まではご報告をしておりませんので、お含みおきいただきたいというふうに思います。
 なお、この現場については、私自身の目では見ておりません。

○山崎委員 改めて伺います。先日、松田委員の質疑において、築地市場で撮影されたコンクリートに裂け目の入ったパネルを示した上で、これですね、土壌汚染対策法上、コンクリートやアスファルトに覆われていなくても法律を満たすのかとの問いに対し、環境局長から、汚染されていない土壌がそこに盛り土として機能している場合もあり、答えられないと、そのような答弁をなされました。
 改めて確認しますが、築地市場は、汚染されていない土壌を敷地全面に盛り土されているのでしょうか。環境局長、お伺いしたいと思います。

○遠藤環境局長 先日の私のお答えの場合は、その写真から離れてお答えをくださいというご質問でしたので、一般論として、盛り土がされている場合もあるということでお答えをさせていただいたものでございます。

○山崎委員 その後にも再質問してもう一度聞いています。環境局長、もう一回お答えください。ちゃんとお答えしてくれないと前へ進めないですからね。

○遠藤環境局長 重ねてのお答えになると思いますが、そのような土壌が、仮にですね、汚染された土壌が表に出ていた場合であっても、さまざまな方法で土対法をクリアすることができます。
 また、築地について全面的な盛り土があったかどうかについては、承知をしておりません。

○山崎委員 なかなか答弁がかみ合わない、そういうところがあります。
 じゃあ次の質問に移ります。
 このほかにも、多発するターレ、フォークリフトなどの事故についても看過することはできません。過去五年間では、年平均三百八十一件もの事故が築地市場内で起きております。何とそのうち人身事故が一年間で百三十件以上あるのです。人身事故ですよ。いつ何どき、取り返しのつかないことがあるかわからない事態だと思いませんか。
 ましてや、そうした現実を都は十分把握しているわけであります。市場の開設者として、極めて重く受けとめなければなりません。ライフワークバランス以前に、働く人の職場環境の安全性を整える責務があります。そのことを申し上げて、また次の質問に移ります。
 今、築地市場において、諸課題をさまざま確認してまいりました。こうした山積する課題、背景を踏まえて、行政手続を着実に進め、それぞれに異なる立場や主張の方々の意思を集約するなど、一つ一つ丁寧に積み重ね、ようやく、ようやくたどり着いた豊洲市場移転でありました。ようやくたどり着いたわけです。
 しかし、小池知事は、急転直下で移転延期の判断を下しました。移転延期を決断された際には、さまざまな考慮や試算が行われ、総合的に判断を下されたのだと思います。当然、東京都の経営者として、市場の開設者として、延期に伴う試算も十分されたと思います。
 そこで伺いますが、これまで確認をしてまいりました築地市場におけるさまざまな対策によって生じる改修費用等について、どのくらいかかると試算をされているのかお示しください。市場長、お願いします。

○村松中央卸売市場長 改修費用の全体像につきましては、現在まだ推計中でございますので、本日、はっきりした金額をお示しすることはできません。
 しかしながら、昨年十一月、築地市場内の都の施設の劣化状況につきましては、臨時の点検を実施いたしました。このうち、緊急を要するとされた箇所が約百カ所、また、その後詳細な設計が必要な箇所、これが約三百カ所となっております。
 こうした緊急を要するところにつきましては、五月末までに全箇所の対応を行うこととしておりまして、詳細な設計が必要な箇所につきましては、今後、費用を精査の上、順次対策を講じていくこととしております。
 修繕費用につきましては、例年、実施規模として約三億円を見込んでおりますけれども、こうした詳細な調査をしまして、必要な場合には補正予算の措置により適切に対応してまいります。

○山崎委員 今、市場長から、急を要するところが百カ所、そして、詳細に決めていかなきゃいけないところが三百カ所で計四百カ所、そういうことですよね。予算もそれだけ積まなきゃいけない。大きなことだと思います。
 そして五月に、それを発表していく。
   〔村松中央卸売市場長発言を求む〕

○村松中央卸売市場長 もう一度、正確にご答弁させていただきます。(山崎委員「五月のところだけ」と呼ぶ)はい。
 昨年の十一月に調査をした結果、緊急を要するとされた、これは百二カ所になりますが、その中で、約五十カ所の補修を現在終えておりまして、五月末までには、そのほか、残りの箇所の対応を行うこととしております。

○山崎委員 百二カ所、で、三百カ所、五月まで対応していく。そういうようにいっています。
 これまで、小池知事の答弁で一貫して、築地市場は安全・安心と繰り返し述べてきました。しかし、市場の耐震性や衛生面、土壌汚染やアスベストなどのさまざまな課題がクリアできていないことが、今の答弁によって確認をさせていただきました。
 つまり、今、築地市場には安全性に疑義が生じているといえます。これでも、これでもですよ、安全だといい切れるのでしょうか。知事、見解を伺います。

○小池知事 お答えする前に、先ほど、平成三年の環境アセスについてのご質問がございました。私はそのボーリングについての調査について、幾つもの項目がございますので、一つ一つは詳細には覚えていないということを申し上げましたので、委員のご質問の中に、その後のご認識と若干違うことを訂正というか、ここでしっかりと修正して……(発言する者あり)ごまかしではございません。改めて、これ記録に残りますのでね、私とは認識が違うということを申し上げました。
 それから、築地の問題でございますけれども、建物、設備、適切に管理運営していくわけでございますが、そのためにも、また、現に毎日営業しているという、その実態に伴いまして、日常的な補修、それから、それに関しての必要な費用、こういったことを市場当局の方にはしっかりと指示をしているところでございまして、安全性の確保については、心して努めているところでございます。

○山崎委員 今の答弁でもなかなかちょっとわからないんですよね。心して、これからやっていく。僕が聞いているのは、そういういろんな状態がある中で、安全だといい切れるんですかと聞いているわけですよ。安全ではないんです。そういうことですよね、知事。もう一回、じゃあ聞きます。

○小池知事 安全の確保については、これは責任者として、当然努めるべきでございますし、また、現実、連日の営業を続けておられる業者の方々に不利益、不便がないように努めているのは当然でございます。

○山崎委員 全く私の質問に答えていらっしゃらないと思います。不誠実な答弁だと思いますよ。ここまでですよ、科学的に実証されているんですよ。殊さら曖昧な根拠で、何の対処もせずに、安全だと明言されるんですか。都民にとって、今の答弁は本当に不誠実だと思いますよ。そのことだけいいたいと思います。
 それでは次に、豊洲市場についての確認をいたします。
 豊洲市場の建屋の検査済み証が去年の十二月二十八日に発行されました。また、専門家会議において、地下ピットについても、構造上問題はなく、換気がなされていけば危険性はなく、むしろ堅牢であることが明らかになりました。
 こうした確認から、当初、小池知事が懸念を示されました建屋の危険性について、払拭ができたものと思いますが、市場長、いかがでしょうか。

○村松中央卸売市場長 豊洲市場の建築物につきましては、昨年十二月に建築基準関係規定に適合していることを証する検査済み証が交付されたことから、建築基準法に基づく市場施設の構造安全性が確認されたものと認識しております。

○山崎委員 このほかにも、地下水についても懸念を示されました。こちらについても、地下水は市場業務に用いることはなく、摂取経路が遮断されている状態であれば、市場の運営や人の健康に影響を与えることはないというご答弁でありましたが、その認識でよろしいですか、市場長。

○村松中央卸売市場長 地下水につきましては、そのとおりでございます。

○山崎委員 豊洲市場は築地市場よりも、さらに厚いコンクリート、アスファルトで覆われているということが、先日の常任委員会でも確認をされました。そして、土対法上も必要な対応がなされている。また、場内の大気についても、水銀は含まれていない。ベンゼンに至っては、築地市場と比較しても少ない。また、ここ新宿の都庁周辺並みのレベルです。当初、小池知事が掲げた豊洲市場の安全性におけるさまざまな懸念は払拭されたものと思います。
 次に、衛生面について確認をいたします。
 いうまでもなく、豊洲市場の特徴はコールドチェーン、閉鎖型市場、そのような形であります。さきの総括質疑で、知事からご答弁をいただいたように、さまざまな衛生面の改善が行われる、それを豊洲で実現しようということにあるように、衛生面の工夫がなされた、衛生面の工夫がなされた市場であります。
 低温管理の実現によって、葛西市場の売り上げは一・四倍に伸びたとの実例もあります。閉鎖型市場、コールドチェーンによって、海外輸出の拡大など、市場の可能性の広がりが期待されると思いますが、市場長、見解を伺います。

○村松中央卸売市場長 生鮮食料品の輸出に当たりましては、輸出先国の定める品質保持や衛生的な取り扱いなどの衛生基準等を満たす必要がございます。
 閉鎖型施設で低温管理ができる、そのことは、商品の品質、衛生管理の向上に資することから、輸出を促進させる上で効果的であると認識しております。

○山崎委員 築地市場のすばらしい歴史と経験、それは築地ブランドと呼ばれる、いわゆる業界の皆さんの目ききの力でありますが、それらを踏まえつつ、将来展望を見据えて築いた市場こそが豊洲市場であるということの確認が、今の答弁によって、私はできたと思います。
 次に、先週突如公表された、市場のあり方戦略本部について伺ってまいります。
 先週、突如発表されたものです。市場長の経験もある中西副知事がリーダーを務められるということでありますが、市場長と戦略本部長との役割分担及び安藤副知事との役割分担について、中西副知事にお伺いいたします。

○中西副知事 豊洲市場の移転の問題は、中央卸売市場だけではなく、都庁全体で検討すべき課題だと思いますので、私は、中央卸売市場長とほかの関係局長にも話を聞きながら、議論を進めていきたいと考えております。
 また、知事からは、私は専任で仕事をするようにというご指示もいただいておりますので、今後の副知事の事務分担については、見直しが現在行われているのではないかというふうに考えているところでございます。

○山崎委員 安藤副知事との役割分担についても聞いたんですけれど、それをお答えください。

○中西副知事 安藤副知事との役割分担につきましても、副知事の専担事項につきましては、政策企画局で担当しておりますので、整理をつけるという形で検討していただいているものと考えております。

○山崎委員 小池知事は、都内十一の市場をつかさどる村松市場長を筆頭とする中央卸売市場や、平田座長の専門家会議に加え、去年の九月には市場プロジェクトチームを、そして、新たに、新たに今回、市場のあり方戦略本部を立ち上げられました。
 専門家会議があり、そして、市場長、中央卸売市場、そして市場PTがある中、それぞれの関係性、役割分担について、三人の方にお伺いをします。
 まずは市場長、その次に中西副知事、安藤副知事、それぞれお答えください。

○村松中央卸売市場長 市場のあり方戦略本部につきましては、私も、恐らくそのメンバーとなることと思います。また……(山崎委員「なっているんだよ」と呼ぶ)失礼いたしました、中央卸売市場だけではなくて、官房三局、関係局が入ると聞いておりますから、そうした中でさまざまな検証、検討が行われることと考えておりますし、また、市場問題プロジェクトチームあるいは専門家会議の成果につきましても踏まえて、戦略本部の中で検討が進められるということとなると考えております。

○中西副知事 専門家会議や市場問題PTにおきましては、それぞれ専門的な知見を持つ第三者の方が、専門的な観点から既に相当な議論が行われている状況でございます。戦略本部は集中的に活動するということとしておりまして、これまで行われました専門家会議や市場問題PTでの議論を踏まえて検討していきたいと考えております。

○安藤副知事 これまで、PTや専門家会議等でさまざまな議論が行われてまいりました。そこでは、今後の課題というようなものも出てきているわけでございまして、知事から私に対しましては、今後、総合的な判断につなげるための検討の組織を設けよという指示がございました。
 そこで、私どもとしては、庁内でやはり総合的に検討するための材料という意味では、市場のあり方も含めた大きな戦略本部を設ける方がよかろうということになって、最終的に知事のご判断で、そのような形になったわけでございます。
 メンバーといたしましては、政策企画、総務、財務局などの官房三局も加わりまして、集中して議論をするということになってございます。
 また、副知事四人の役割分担につきましては、中西副知事からお答えもございましたけれども、現在検討中でございます。
 いずれにいたしましても、市場の問題、オリンピックの問題、その他プラン等でさまざまな課題がございますので、こうしたものをしっかり進めることのできる副知事の体制をつくってまいりたいと思います。

○山崎委員 なぜ今さらなんですかというところは、私の率直な感想です。
 先日の総括質疑において、小池知事に、豊洲なのか築地なのかという二者択一で検討しているかをお尋ねしました。翌日の新聞各紙には、第三の道はない、第三の道はないという大きな見出しが載りました。知事は、現時点ではとの限定つきであるものの、第三の道は考えていないという答弁であったと思います。
 ところが、先週の三月二十四日、知事の記者会見の中で、突然、先ほど聞きました市場のあり方戦略本部という名称の組織を立ち上げると発表されました。知事はその際に、記者会見でこのようにいっています。
 市場のですね、将来的なあり方がどうあるべきなのかということで点々々、この辺は省略します。豊洲、築地のみならず、全体的な形で、市場がどうやって今後うまく回っていくのかと。物流が大きく変わっている中で、どうあるべきなのかということで点々々、省略します。市場のあり方戦略本部を立ち上げたと知事は記者会見で説明されました。
 今まで、豊洲新市場に移転するのか、それとも築地の再整備かという議論をしていたと思います。市場関係者の皆さんも、その前提で賛否を議論してきたと思います。
 しかし、ここになって知事の市場のあり方戦略本部を受けて、市場関係者からは、知事は市場不要論や市場民営化の議論をするつもりではないのかと市場の業界の皆さんは騒ぎ始めております。
 豊洲新市場への移転の是非であれば、本来であれば、例えば豊洲新市場移転検討本部とか、そういう名前にすればよかったんじゃないですか。市場のあり方というネーミングを、つまり、移転にイエスかノーということではないと皆さん感じたんですよ。
 小池知事が信頼する上山信一特別顧問は、中央卸売市場について独自の考えと成功体験があると聞いています。
 それでは、パネルをごらんください。
 上山特別顧問は大阪府でも特別顧問を務め、その際、大阪府改革本部で中央卸売市場の改革を手がけられていました。上山氏は、大阪府でこのように報告をしています。
 そもそも、大阪府内に中央卸売市場が三つ存在しなければいけない絶対的な理由はない上、これまでも市場が有していた価格形成機能の低下がうかがわれる現状において、地方公共団体が市場を管理運営し続ける必要性自体についても、この機に再検討すべきであるとの報告をまとめられているんです。
 そして、その後、大阪府はどうなったかというと、大阪府は中央卸売市場を民間委託に切りかえています。
 上山氏は、平成二十八年八月十七日付で、小池知事から東京都の顧問に任命をされました。そして、その翌日のブログでは、築地は、豊洲移転については、かつての大阪中央卸売市場と同じ問題が起きているが--ここからです。大阪府は、民間委託に切りかえ、成功しました。成功しましたと語っているわけです。築地市場についても、民間委託への切りかえが有用であることを、ある意味示唆をしております。
 小池知事は、上山氏の大阪府改革での実績を買われて、東京大改革の特別顧問に任命をされました。築地市場でも、民間委託の切りかえを考えているのですか。
 知事は三月二十四日の定例記者会見で、物流が大きく変わっているともいいました。インターネット利用で物流が大きく変わったことから、そもそも市場不要だとの考えがあるのではないかと不安に思う市場関係者が多数いるわけです。
 実際、上山特別顧問は、大阪で、大阪府内に中央卸売市場が三つ存在しなければいけない絶対的な理由はないといっております。この東京都の中央卸売市場には、築地以外にも十の市場があります。築地市場の存廃を検討されているんですか。
 築地市場関係者にしてみれば、築地か豊洲移転かという二者択一の中で経営戦略を考えてきたのであり、市場廃止や民間委託などの選択肢は考えておりません。もし、そのような第三の道の検討に入るとするのであれば、私は事前に市場関係者に説明するべき義務があると思います。
 そこで、知事にお尋ねします。
 知事が新たに設置された市場のあり方戦略本部では、民間委託や市場不要論などの議論をされることはありませんね。はい、ないということだけを確認をしたいので、ないと約束をいただけますか、どうですか。

○小池知事 今回の市場のあり方戦略本部におきまして、検証すべき事項といたしまして、三つ設定をいたしております。都民の理解と納得、豊洲、築地市場の課題、市場の将来的なあり方と定めております。
 まず、これを三つの柱にしながら、これからの時代の流れなども考えながら、と同時に、東京には十一の市場がございます。もう議員の方々ご承知のように、それぞれの地域における卸売市場をどうすべきかという課題については、長年もうご議論いただいていることかと思います。そういったことを含めまして、市場の将来的なあり方を検討していくということでございます。民営化にいきなり飛ぶという考えは全くございません。

○山崎委員 今、民営化にいきなりと知事はおっしゃいました。いきなりということは、その先には、民営化を考えていらっしゃるんですか。もうちょっとお答えください。そこだけでいいですから。

○小池知事 いきなりという言葉にこだわってのご質問だったかと思いますけれども、それについては、民営化ありきで議論をするということではないということを明確に申し上げた、そういう点でのいきなりでございます。

○山崎委員 いや、これね、非常に大事なんですよ。市場の皆さん、業界の皆さん、第三の道はないと知事がいわれた中で、知事、要するに、二者択一で今までずうっと議論してきたんです。築地に残るのか、豊洲に行くのか、そういう二者択一で、市場の働く皆さんは、そういう議論をずうっとしてきた、今まで。
 そういった中で、知事が先日、この戦略本部を立ち上げた中で、今はっきりいってくださいよ。民間委託、市場不要論などの議論をされることはありませんね。ないということだけ確認をしているんですよ。ないと約束いただけますか。はっきりいってください。どうぞ。

○小池知事 民営化、それを前提として、この戦略本部を打ち立てているものではございません。その点だけはっきりさせておきたいと思います。

○山崎委員 いや、ですから、民間委託、市場不要論、こういったことを議論されることはあるのか、ないのか、それだけでいいですよ。議論されるんですか。どうぞ。

○小池知事 AかBかということのみならず、今、市場はどうやって持続可能性を確保できるかということが、市場のあり方でございます。それによって、まず、民営化の話ありきでは全くございません。否定しておきます。

○山崎委員 じゃあ民営化は全くないと、今、知事いわれましたよね。そのことをしっかり約束できますか、ここの場で。もう一回約束できるか、できないか、どうぞお答えください。

○小池知事 今、ご答弁したとおりでございます。

○山崎委員 なかなか、知事が明確に、今のご質問、約束されない。そのように私は今認識していますよ。あしたの朝刊、どうでしょうか。知事、市場不要論を否定せず、こういう見出しが出るかもしれませんよ。(発言する者あり)もう一度……

○鈴木(隆)委員長 ご静粛に願います。

○山崎委員 知事、もう一度--あさの委員、ちょっと静かに、委員長、静かにさせてください。

○鈴木(隆)委員長 ご静粛に願います。
   〔発言する者あり〕

○山崎委員 もう一回、知事、よろしいですか。

○鈴木(隆)委員長 委員長を指したらだめだよ、あさの君。

○小池知事 まず、そのような見出しになるような答弁を私は今いたしておりません。現在のメディアがフェイクニュースを載せるとは思いません。

○山崎委員 はっきり否定すればいいことなんですけれど、何かいまいちかみ合いませんね、この辺が。議論の前提や範囲を決めるのは、知事、あなたですよ。築地の人たちは、二者で選ぶという議論だったんです。そして、築地の業界の人たちは、今、民営化、不要論などを語る議論をすることは、まさに寝耳に水ですよ。
 今ここで、知事がはっきりといわないと、また、東京都の信用、そして知事の信用を失っていく形になってしまいます。市場の関係者の不安をまたあおってしまう、そういうことになってしまうんですよ。
 もう一回、知事、どうですか。民営化、民間委託、市場不要論、このようなことをその場で議論をするのかどうなのか。もう一回お答えください。

○小池知事 先ほどご答弁したとおりでございます。ただいまのご質問については、委員と私との間に認識の差異があるようでございますけれども、先ほどご答弁したとおり、それ以上でも以下でもございません。

○山崎委員 否定されないということを、どういうふうに市場の関係団体、業界の皆さんは思われるでしょう。この民営化だとか不要論とか、そういったことをもし戦略本部の中でお話をされた場合、業界の皆さんはどう思うでしょうか。私たちがどうやってきたかということが認められていない。そういうことを本当に思ってしまうんです。
 ぜひそういった点は、知事、よくご理解をいただいて、よくご理解をいただいて、お願いをしたいと思います。
 それでは、今の戦略本部本部長の中西副知事にも、今の件、お聞かせいただきたいと思います。

○中西副知事 知事の先ほどのご答弁を受けて、しっかり対応してまいります。

○山崎委員 本当にどうなるのか、市場の、本当に業界の皆さんや--東京都は大家ですよ、大家。ですから、あの人たちは、大家の東京都の皆さんの意向にしっかりと応えていかなきゃいけない。本当にかわいそうなんですよ、そういったところが。
 ですから、私はここではっきりと、はっきりとこのことを明確にいっていただきたい。知事、よろしいですか。

○小池知事 逆に、業者の皆様方の不安をあおるようなことはしてはいけないというふうに思っております。
 そして、私も業者の方々からいろいろお話を伺っております。それはまさしく現場の声としてしっかりと受けとめ、そのためにも市場の継続性、持続可能性と事業の継続性を考えることが、知事としての責任だと。だからこそ、市場のあり方をしっかりと戦略を持って進めていこうということでございます。

○山崎委員 あと、知事の記者会見の中で、こういうことも知事はいわれました。専門家会議では、そういった会議の中で声を出せなくなってしまっている人たちもいるから、丁寧に拾って、できるだけ見える化をしていくといわれましたよね、記者会見でね。
 専門家会議、見える化になっていないんですか。知事、お答えください。

○小池知事 最初の専門家会議をスタートした時点から公開ということについては、非常に大切にされ、そして再度、専門家会議が開かれたときも、一回目のその方式を踏襲して、そしてネットによる公開が行われてきて、これは好ましいことだと思います。
 一方で、そういった集団の中でなかなか声を上げにくいという方々も、中にはおられます。そういった声も拾っていきたいと、またそれが務めであるということでございます。その旨で、記者会見にてそのような発言をしたと記憶をいたしております。

○山崎委員 インターネット中継、私も何回も拝見させていただいておりますし、よく存じています。そういった中で、見える化、私はしていると思いますよ、その専門家会議はね。
 その中で、発言ができない人がいると。しかし、そのことを、内容を知事、インターネット中継、見たときありますか。平田座長はどういう思いであの専門家会議に臨まれているか。いろんな人たちがいますよ。推進派の人たちも、反対派の人たちも、そして一般消費者の人たちもいます。そういう人たちを集めて、専門家会議をオープンにしてやっているわけです。
 その中で、いろんな意見が来る中で、専門家会議平田座長は、丁寧に一人の質問に対して、また次の人の質問に対しても、丁寧にずっとお答えをしています。そういったこと、おわかりですか。
 ですから、なぜ専門家会議では、会議に声も出せない人がいる、声を皆さん出していますよ。あのインターネット中継を見れば、六時間も七時間もやっている。あれを見れば、皆さん声を出していますよ、いろんな発言を。
 ですから、私はこういったことは、今の現時点の専門家会議の人たちにも失礼ですし、こういった内容はおかしいと、私は認識をしています。
 それでは、次の質問に移ります。
 本年二月十日に、東京都卸売市場整備計画第十次が公表されました。この計画は、小池知事となって初めての、卸売市場の将来を見据えた整備計画であります。ということは、戦略本部と十次の計画とは、十分整合性がとれているものと認識をしております。
 十次計画には、市場外流通の増大と卸売市場経由率の長期低落傾向が動向として示されているものの、生鮮食料品などを円滑かつ安定的に供給するための基幹インフラとして、極めて公共性の強い役割を担っており、その重要性は変わるものではありません。また、災害時における生鮮食料品等の流通確保、国内外からの多種多様な品や食に関するプロが集まる市場の特性を生かした、情報発信などの多機能についても目標に掲げております。まさにその基幹を担うのが、豊洲市場であります。
 戦略本部のリーダーとして、基幹市場である豊洲市場への期待を中西副知事に伺います。

○中西副知事 現在の築地市場は、特に水産の基幹市場として、都民のみならず、関東近県にお住まいの皆様、それから、建て値市場という意味合いからすれば、全国にも影響を及ぼす非常に重要な市場であると思います。
 また、長年支えてこられた伝統によって、日本の魚食文化をつくってきた重要な市場だと思います。
 そういった市場の伝統をしっかり生かしつつ、安全・安心な市場にしていくことが重要だというふうに考えております。

○山崎委員 改めて、また幾つか伺っていきます。
 昨年八月に、知事が突如、移転延期を表明しました。最も混乱し、戸惑ったのは、決意した市場業者の皆さんにほかなりません。豊洲への移転決定に至るまでの間、移転の推進派の皆さん、そして移転の反対派の皆さん、そして築地場外で働いている皆さん、そして数多くの買参人の方々を初め、市場に関係するさまざまな方々が多くの議論を積み重ね、長い年月をかけて積み上げてきたのであります。
 その間、都の職員の皆さんも多大な時間をかけながら、営業継続のための支援、引っ越し支援なども含め、まさに夜討ち朝駆け、膝詰めで業界の皆さんと丁寧なやりとりを続け、本当に苦労に苦労を重ねて移転の合意形成に至ったことは、知事、ご存じでしょうか。
 こうした多くの方々との血のにじむような努力、苦労の上に導かれた覚悟や決断を、誰にも、誰にも相談しないで、議会にまた諮ることもなく、議会にまた諮ることもなく、ましてや業界の意見を一切聞くこともなく、たった一人で無にしたのであります。
 就任後、延期決定までの間に--就任後ですよ、知事、当選した後、業界の方とは、どなたともお会いをしていないとの発言もございましたが、誰とどんな話をして決定をされたのでしょうか。知事、お答えください。

○小池知事 私が豊洲移転の延期を決めたわけでございますが、これはそもそも安全性、巨額なコスト、情報公開の三つの点での疑問が解決されていないということを判断したからでございます。
 その上で、これまでも専門家会議、そして市場問題プロジェクトチーム、これら専門家会議を再開して、市場問題プロジェクトチームを立ち上げて、そして数々の検証に取り組んできていただきました。そして、現在、ロードマップにも沿った形でのステップ、一つずつ踏んできております。
 そして、今後、市場のあり方戦略本部で集中的に検討するという流れは変わっておりません。新しく、市場のあり方戦略本部をつくるものの、集中的な検討ということで進めてまいります。
 今の直接のご質問でございますが、前回、他の議員でしたでしょうか、ご質問いただきました際に、急なご質問だったためですか、その際はどなたと会ったか記憶していないといったようなご答弁をさせていただきました。これまでは、業界、事業者とその間、意見交換もいたしておりまして、そしていわゆる反対をされる方とも推進をされる方とも、両方からお話を直接伺ってまいりました。そしてもちろん、築地市場、豊洲市場ともに現地を視察してまいりまして、そういった方々と面談の上、お話を伺うということでございます。
 そしてまた、数々のさまざまなご意見につきましては、私自身、いろんな形で入手をしてきたところでございます。

○山崎委員 じゃあそれでは、先日は会っていないと知事はいわれたんで、きょうは会っていると。業界、事業者、業界の事業者、推進派も反対派の皆さんともお会いをして、築地と豊洲、視察したのは私も存じています。
 じゃあ、推進派のまた皆さん、反対派の皆さん、いつお会いになったんですか。わかりますか。お答えください。

○小池知事 余り推進派、反対派と識別することはよくないとは思いますけれども、いろんな方がおられて、また中間派の方もおられるというのもよくご存じのとおりでございます。実際に意見交換いたしましたのは、八月の十二日でございます。現地視察を行いましたのは八月の十六日となっております。

○山崎委員 八月の十二日と十六日と。これ、推進派、反対派、中間派、何かいまいちよくわからないんですけれど、何人の方と大体お話しされましたか。大体、想像でいい、想像というか、知事がお話をした人の数ぐらい、まあこのくらいだったかなというのはわかると思うんですよね。あと、時間。どのくらい話したか、そんなような時間も多分、お答えできると思うんですけど、いかがですか、知事。

○小池知事 八月十二日にお会いしたのは、まず、築地市場の水産仲卸の方、そしてその後、業界代表ということでございまして、このメンツについては委員の方がよくご存じだと思います。
 こういった方々とそれぞれ直接、これ都庁でしたね、都庁でお目にかかったということでございます。そのほか、さまざまなご意見等について、私のところに直接お寄せいただいているということでございます。
 人数--人数については、直接来られる方々は、人数は少のうございますけれども、代表者として来られているということでございます。

○山崎委員 代表者の方、八月十二日にお会いをして、時間はどのくらいだったのかと、ちょっと今、お答えいただけなかったんですけれど、ほかにもさまざまなところから、ご意見が知事のところに寄せられてきた。メールなんですか、電話なんですか、そういうものって一体残っているんですかね。
 知事はそういうものに、一枚一枚、例えばメールとか電話とか、電話出て、メールを読んで、そんなような時間って、知事あるんですか。どうなんでしょうか。なかなかそのような、知事、お忙しい方ですから、そしてまたオリンピック、就任されてすぐに、リオに行っていましたよね、あの八月というのは。
 そういった中で、この議論、築地、いろんな人たちの業界の話を聞いたといいますけれど、私はちょっと到底理解できません。
 代表者の方一人に会っただけじゃないんですか。それが、さまざまな人からご意見をいただいているというところには、私は結びつかないんじゃないのかなと。一回だけ聞いただけで、それで、この数十年、今まで業界の皆さんと我々は、そして東京都の中央卸売市場も、膝詰めでいろんな話をしてきました。それが、その一回もしくは代表者の人に会った、そういったことだけで、この移転を知事がお一人で、移転延期を知事がお一人で決められたのは、この話は皆さん、知事のことを信じられるのか、私の今の意見を信じられるのか。都民の皆さんもそうだと思いますよ。どうでしょうかね。そういった、私は思いを今しております。
 それでは、移転見直し判断から七カ月が経過をしました。先日、築地市場の、ろ過海水の施設が老朽化のため破損したことが発覚をした際に、おざなりにしてきたのはこれまでの都政だと、知事が責任転嫁したような発言がありました。しかし、移転延期を決断した時点で調査していれば、八月三十一日以降に調査をしていれば、先ほどあった、あのろ過海水の施設が壊れることなど、私はなかったのではないかと思います。ほったらかしにしていたのは、小池知事ご自身ではないんですか。
 ろ過海水の施設の故障で済んだのはまだ幸いです。三月十六日に我が党の鈴木錦治委員が指摘をしましたが、人の命にかかわる事故等が発生したらどうするんですか。過去の責任にするのは余りにも無責任です。過去の責任にするのは余りにも無責任であります。現在、責任者は小池知事、小池知事ご自身ではないでしょうか。
 いうまでもなく、本来の予定であれば、現在、市場は豊洲にありました。老朽化した築地の現状のことをご存じの上で判断されたはずであります。今、対応のために指示をしていることは、本来、移転延期の判断時にすべき対応であります。ほったらかしの責任は小池知事にある。延期は、行政プロセスを経ず、一人で決めたものであります。知事一人が決めたことです。
 市場移転が中断し、迷惑をこうむったのは、市場業者だけではありません。買参人を初め、多くの人たちに多大な影響を与えました。それ以外にも、全国には各地の漁港、漁協、配送を担う予定だった運送事業者、運輸関係者、豊洲の管理をするために研修を重ねてきた警備会社、既に店舗営業を始めているガソリンスタンド、そして築地の解体を請け負った業者、またいまだに手つかずの千客万来施設、挙げたら数え切れない。これだけの人たちが迷惑をこうむっているわけです。
 そして、忘れてはならないのが、環状二号線が使えない状態で開会を余儀なくされた二〇二〇年大会です。こうした損害をこうむっている方々はどうされるのか。損害賠償請求の手続を始めるといった話も、私のところに来ています。聞いております。
 どう対応するのか。どうそういう人たちに対応するのか、知事に見解を伺います。

○小池知事 これまで専門家会議、そして市場問題プロジェクトチームなど、市場問題につきましては、さまざまな観点から検証していただきました。
 それと同時に、これまで高いハードルを敷いたという安全の確保、そのために、科学的、法的な問題と同時に、地下水の二年間にわたるモニタリングを続けるということでやってこられたわけでございます。
 私はやはり、このモニタリングの問題も……(山崎委員「委員長、全然関係ない答弁しています」と呼ぶ)いえ、これからです。これについてしっかりと行うということを、これを続けるということであって、ただ、私は移転を延期した理由はそこにあるわけでございまして、移転延期後に出てきたさまざまな数値が、残念ながら、かつて付帯決議などで設けられたその値には、それは値には入って、届いていないという現実があるわけでございます。(山崎委員「いやいや、そんなこと聞いていない、損害賠償の話」と呼ぶ)そういう中で、今、損害賠償の話をされましたけれども、まだ損害額も何も決定しない中で、そういったことは成立をしないものと、このように考えております。
 しかしながら、この移転を延期したということに伴いますさまざまな課題については、補償にしっかりと真摯に当たる、そうしたことは当然のことで考えているところでございます。

○山崎委員 いや、知事、その補償の話じゃないんですよ。損害賠償請求の手続、こういうことにどう対応するのか。出てきたときに、どう対応するのかということだけ聞いているんで、知事のその前の前段の話はもう何回も聞いていますから。何回も聞いています。ですから、損害賠償手続、出てきた場合にどう対応されるのか。その質問であるから、ちゃんとお答えください。お願いします。

○鈴木(隆)委員長 小池知事、明確な答弁をお願いします。

○小池知事 今後とも、行政の手続、一つずつしっかりとステップを踏んでいき、そしてまた法的な判断、これを踏まえて対応していきたいと考えております。

○山崎委員 じゃあ損害賠償請求出てくる可能性があるということは、知事もご認識をいただきたいと思いますよ。本当にそれだけ、業界の皆さんも含めて、そして築地の関係者の皆さん、全国の生産者もそうだと私は思いますよ。皆さんがいろんな意味で、こういった被害をこうむっている。このことは、知事は明確にご認識をいただきたいと思うわけであります。
 次、移りたいと思います。
 小池知事は、機会あるごとに、平成二十八年十一月、移転に向けたロードマップ、先ほどもいわれておりましたけれど、ロードマップに沿って進めているだけとの発言をされております。環境アセスメント審議の判断次第でありますが、一体、市場業者が移転を完了させるまでには、再アセスが不要な場合でも、最短どのくらいの期間がかかるのでしょうか。また、それまでの補償の総額はどのくらいになる見込みなんですか。市場長、お答えください。

○村松中央卸売市場長 移転の決定から開場までの間には、専門家会議等の議論を踏まえた対策工事や、農林水産大臣の認可手続が必要となるほか、円滑な移転に向けて、市場業者の移転準備のために十分な期間を確保する必要がございます。また、開場日につきましては、引っ越しに要する期間や休業日の設定なども勘案いたしまして、市場業者と調整した上で取り決める必要がございます。こうした不確定な要素が多いことから、現時点で具体的な期間をお示しすることは難しいものと考えております。
 したがいまして、補償の金額につきましても、現時点で総額幾らかかるということにつきましては、この場でお示しすることはできません。

○山崎委員 市場長、そういう認識なんですか。まず、再アセス不要な場合でも、最短どのくらいの期間がかかるのか。最短ですよ。だって、ロードマップに示されているんじゃないですか。そこをお答えくださいませ。

○村松中央卸売市場長 昨年の十一月、ロードマップを示したときにつきましては、さまざまな行政手続を踏まえまして、二〇一七年の冬から二〇一八年ですので、二〇一八年の春という見込みを、ロードマップ上、お示ししてございます。これにつきましては、豊洲市場への移転に向けた環境が整うという時期を示しておりまして、具体的な移転時期は、業界団体と調整の上決定していくと。そういうことをお示しいたしております。

○山崎委員 それでは、知事、移転延期決定時に、損害賠償のことやさまざまな補償のこと、築地の改修費用、さまざまなリスクを、知事ご自身は想定されて判断をされたのでしょうか。お伺いします。

○小池知事 あらゆるケースを想定いたしまして判断を、政治判断をいたしました。

○山崎委員 今、知事に聞く前に、市場長に、補償の総額は大体どのくらい見込んでいるんですかとか、そういう話をさせていただきました。聞きました。そういう額も何も出ていない。要するに、いつになるかわからないから出ないわけですよね。(「全然想定していないんじゃない」と呼ぶ者あり)そういうことですよ。
 ですから、そういうことも考えないで、知事は移転延期決定、こういったことを判断されているのは、私には全く理解できない。知事は言葉ではそうやっていいますよ。先ほどの答弁みたいにいいますよ。どういう形でやってというのかが、全くこういったところがわからないんですよね。私には理解できないです、そういった点は。
 ぜひ、この点はまた再度、聞いていきたいと思いますので、お願いをしたいと思います。
 この間、我々は築地市場で働く、また利用している数多くの皆さんから、いろんな話を聞きました。水産、青果、卸、仲卸初め、買参人の方々にも直接的、間接的に話を聞いてまいりました。もちろん、市場移転賛成、反対、どちらの方にもであります。むしろ反対される方の声にこそ、真摯に耳を傾けてきたわけであります。
 皆さん、さまざまな思いを抱きながら、一様に口をそろえておっしゃるのは、これまでも再三申し上げてきましたが、一刻も、一刻も早い決断。知事、聞こえていますか。一刻も早い決断なのです。
 移転推進派は、当然、早期移転を望んでいるわけですが、反対される方はどうか。その大半は、知事による移転決定があればそれに従うと。大半の方々は、知事による移転決定があればそれに従うと、反対派の人たちもいっておられます。
 中央市場における取扱高が年々減少している。このことをもってして、市場の将来のあり方を議論する声があります。現在の物流の変化も加わり、ともすれば市場不要論を唱える声に変わる。果たしてどうなのでしょうか。
 十年前、葛西市場の青果部に冷蔵施設が導入されました。その結果、翌年には、取扱高が何と一・四倍に急増しました。一・四倍です。このことは事実です。コールドチェーン化がいかに重要であるかという証明でもあったわけです。
 市場の議論の中で、HACCPという言葉があります。いうまでもなく、国際的な衛生管理です。この管理体制の構築によって、市場流通は爆発的増加となる可能性を秘めているということです。
 実際、アジが一匹三十円だとして、三枚におろして、そして骨を取り除いて、あとは切るだけという加工をしてパッケージする。これを現在、輸出できるアジア諸国へ輸出すると、それが三十円のものが、百円、二百円という価格に化けていくわけです。
 既にこうした商売は成り立っています。現在の築地では到底不可能な状況を、豊洲では可能にする。豊洲ではできる。まして、水産仲卸棟には、加工パッケージ施設が設備されています。閉鎖型、定温管理による品質の確保は、市場にとって新たな大きな飛躍が望めます。
 過去、さまざまな紆余曲折があった末に移転を決意をした業者の皆さんは、こうしたことに希望を抱き、新たな挑戦こそ決意をしたのであります。彼らの心意気を踏みにじる権利が誰にあるのでしょうか。
 ゼロからのスタートはありません。過去にとらわれても結論は出ません。知事は、第三の道はないと明言いたしました。豊洲か、築地か、二択です。もはや限界にある築地市場には未来はありません。
 市場業者はもとより、今、多くの都民は、知事による、知事による豊洲移転の決断を待っておられます。待っています。知事の移転決断こそが、消費者の理解、すなわち安心への第一歩なのです。安心への第一歩なんですよ。
 改めて申し上げます。豊洲への一刻も早い決断、このことをしっかり受けとめていただきたいと思います。
 それでは、次の質問に移ります。二元代表制の件についてお伺いをさせていただきます。
 地方自治の原則は、知事も議員も同じ都民に選ばれる二元代表制です。二元代表制において、知事と議員、議会は役割が違います。知事に予算編成権と執行権があり、議会には議決権及び予算修正権があります。知事には予算編成権があり、予算が政策の裏づけであることを考えれば、政策の方針を示すのが知事の役割ということになります。それには、つまり、議会に方針を説明し、議会の理解と議決が必要です。知事は、今までそうしたプロセスに真摯に、誠実に取り組んできたんでしょうか。
 市場移転の議論を進めれば進めるほど、私たちは、二元代表制に対する知事の姿勢に疑問が募ります。疑問が募ります。それは、昨年八月三十一日の移転延期の決定は、議会にも業界にも、ましてや執行機関である市場当局にも全く相談なく、一方的に記者会見で発表されました。みずから組織した市場PTの小島座長など、ある意味外人部隊ともいわれる、いわゆる側近の意見のみを重視し、重大な方針を決めてしまうこと、こうした手法は独裁的な側近政治ともとられかねず、民主主義の根幹にかかわると考えます。
 知事は、民主主義と二元代表制を本当にご理解されているんでしょうか。疑問を感じます。都議会の役割をどう考えているのでしょうか。そしてどのような機関であるとお考えなのか、知事に伺います。

○小池知事 二元代表制、それについての私の考え方についてご質問がございました。
 おっしゃるとおり、都政は、議会そして知事が、ともに都民のための都政を実現する、それを目指すということで、それぞれ共通した役割があろうかと思います。そして、それが相まって、この都民に対して、また都政の改善ということが、一歩一歩進めて、前に進むものと理解をいたしております。
 議会と知事というのは、時に協調、時に緊張関係のもとで、互いに都民の代表として切磋琢磨していくということ、そして真に都民目線に立った都政を実現すること、これはお互い共通の目的ではないかと、このように思っています。
 今、このようにして、今、ご質問を受けている、そしてそれにお答えをしているということを、またテレビを通じてごらんいただいていると。これまで都政ということが余り知られていなかったという過去と比較しますと、余り関心は持たれていなかったですね。それが今、大いに関心を持たれているということは、その意味でお互いに切磋琢磨するという、その舞台はさらに整ったといえると、このように思います。
 そして、施政方針表明でも述べましたとおり、東京を取り巻く環境は、内外ともに大変厳しい状況の中でございます。私も実行プランなどに、皆様方からのご意見も受けながら、そしてまた、私がこれまでずっと温めてきたさまざまな政策、それを盛り込ませていただき、その一部が今回の予算案の中に反映されているということでございます。そして、その予算案なるものを皆さんがご議論いただいているのが、この予算委員会ということでございます。
 お互いに役割をしっかりと、時に共有しつつ、時に切磋琢磨しつつ、より都民のための都政ということを築き上げていきたい、そう思っております。

○山崎委員 今、知事が答弁の中で、今までになく都政が注目されている。知事、おっしゃいましたね、そういうふうにね。それは知事が、昨年、東京都知事選挙で当選されて、いろんなことをいわれて、そして今、現時点で知事がどう思われているか。それは築地なのか豊洲なのか、その二者択一、どう皆さん、知事が判断をするかって、今、そのことで、この東京都政は全て注目をされているんです。知事が当選されたときとは、今、違いますよ、知事。そのことだけは知事にご理解をいただきたいと思います。
 二元代表制は、それぞれが、それぞれ立場を尊重することから始まります。お互いの権限を侵さず、立場をわきまえて、それぞれが都民の代表として役割を果たす。果たしていくことが基本であります。豊洲移転延期の決定は、繰り返しになりますが、議会にも業界にも、ましてや執行機関にも諮られることなく、知事みずからが独断で決めたことであります。つまり知事お一人の責任であることは明白であります。
 したがって、この問題に決着をつけられるのも、知事自身でしかありません。知事ご自身でしかないわけです。
 今、参考配布資料をお配りさせていただきました。三月三日付の都政新報には、知事がご自身の主催する希望の塾での講演で、ここからです--市場移転は、私が結論を出すわけではない、都民が時には判断に参加をしていただく。都民が時には判断に参加をしていただくと強調したことが書かれておりました。
 この報道、知事、どうですか。正しいですか、正しくないですか。どうぞ。

○小池知事 余り都政新報は読んでおりません。

○山崎委員 この報道、正しいですかという問いなんですよ。文章の内容、もう一回いいますか。市場移転は、私が結論を出すわけではない、都民が時には判断に参加していただく。今、配布資料、知事、今ありますよね。それを見て、この報道、知事読んでみて、どう思います。正しいですか、正しくないですか。

○小池知事 報道の方向性についてはよくわかりませんけれども、しかしながら、消費者としての判断ということも大切な判断材料だと思います。
 しかしながら、この今回の築地、豊洲、そして市場のあり方ということについては、私が判断してまいります。

○山崎委員 今、知事がそういうご答弁されて、そういう思いがあってご答弁をされていますから、知事はこの都政新報さん、読んでいなかったということを、先ほどおっしゃっておりましたけれど、今、要するに初めて、ある意味知ったわけですよね、その新聞報道はね。そういうことですよね、その報道はね。で、今、知事はそれに対しての、正しくないのかどうなのかということをいわれた。私の質問にお答えになっていただいた。
 であるならば、この都政新報さんに対して、私はこういう思いじゃないんですよ、訂正したらどうですか。申し入れ、入れたらどうですか。私と今、こう質問をしている、こういった内容を都政新報さんにお話ししたらどうですか。どうですか。

○小池知事 これからも都政新報はしっかり読んでいきたいと思っております。
 そして、その上で、判断ということでございますけれども、かねてより私は、総合的な判断を下すということを申し上げてきているわけでございます。そして、消費者の判断ということも、これは日々、いろいろな形で消費者、私も消費者ですし、皆様方の奥様も消費者でございましょう。そういったことについては、都民の皆さんもお一人お一人、お考えになっていることはありますよ。そういったことも判断の材料にすると、判断の指針にするということでございます。

○山崎委員 同紙はさらに、知事は豊洲移転の是非を住民投票、住民投票によって判断する可能性についても言及しています。そうした考え、あるんですか。あるいは知事みずからの責任で判断されますか。いま一つ、市場のあり方戦略本部に決定を委ねるといった発言は、知事として責任放棄でありませんか。
 知事と議会との関係において、私たちはもう一つ懸念をしていることがあります。それは、知事の理事者に対する信頼についてです。二元代表制を正常に機能させるには、知事と理事者の信頼関係も重要です。
 知事は理事者を信頼されておりますか。お答えください。

○小池知事 先ほど決定をあり方戦略本部に委ねるというふうにおっしゃったけれども、これは間違いであります。正しておきたいと思います。
 そして、総合的な判断をいたしますということは、これはかねてから申し上げているわけで、その総合的な判断の中に、このあり方戦略本部でのご議論ということも、これを参考にするということでございます。
 そして、肝心のご質問、何でしたかしら。(山崎委員「理事者」と呼ぶ)理事者。理事者は大切にしております。そして、それは、やはり現場を踏んでこられる方たちですから、その皆さんの声を生かさないというのは、これはあり得ない話でございます。どういうふうにお聞きになっているかは存じません。

○山崎委員 ありがとうございます。
 知事は以前、職員の皆さんに対して、粛正という言葉を使われました。それを聞いた理事者は、この言葉をどう受けとめたのでしょうか。
 目安箱の意見の中に、知事に対する不平不満の声は届けられていないのでしょうか。リーダーがなすべきは責任を負うこと、そして部下のモチベーションを高めることであります。真逆な状況と認識をしている不満の声が聞こえます。
 このような中で、多岐にわたる都政の課題を解決し、これからの難局を乗り切れるのでしょうか。知事と理事者の関係はうまくいっているのでしょうか。
 職員を統括する執行機関の責任者として、安藤副知事に伺います。

○安藤副知事 知事と私ども理事者側といいますか、信頼関係のもとに仕事を進めているというふうに、心から思っております。

○山崎委員 今、安藤副知事の目を、私、ずうっと見ていたんですけれど、一回も目が合わなかったですね。ずうっと下向いて答弁をされていた。何か非常につらい質問だったのかなと、今、思っております。
 最後に、この間の質疑を通じて、知事及び理事者、そして都民の皆様に申し上げます。
 ことしの予算審議は、知事の不十分な答弁により、本質的な議論を欠く、極めて充実感の足りない予算委員会となりました。また、市場問題に多くの時間を割かざるを得なかったことで、所定の時間内ではほかの案件の議論を深めることができませんでした。こういったことは大変残念であります。
 私たちは、事前の理事会において、予算審議のもう一日の、もう一日の延長、またはその時間がとれないのなら、せめて三時間の延長を各会派に申し入れさせていただきましたが、公明党、そして共産党、都民ファーストなどの、現在の小池知事与党といわれる会派連合に阻まれ、実現することができませんでした。
 しかし、多くの都民の皆さんは、現下の都政において何が起こっているのか、都議会はどのような問題をどのように審議をし、議論を深めようとしているのか、非常に関心が高いものと考えます。それを、時間の工夫をすれば、せめて三時間程度の審議時間の延長ができるにもかかわらず、はなから一顧だにしない姿勢は、まさに都民が願う都政改革を阻んでいる、改革勢力とは名ばかりの政党がどこなのか、極めて鮮明にあぶり出したものと考えます。
 さらに申し上げておきたいのは、豊洲移転を決めた前期、第十八期都議会、これは平成二十一年から二十五年の市場関係を含む全ての予算は、民主党、自民党、そして公明党の三党が中心となって決定をしてきたものであり、当時の都議会第一党は、いうまでもなく民主党、今の東京改革議員団であります。今、公明、改革の両会派の皆さんは、議決の責任を放棄しているような状況でいるのも、不思議でなりません。
 私たちは、都政の課題解決に取り組むためにも、都民への説明責任を果たすにも、残念ながら、残ってしまった質問については、議会のルールにのっとって、文書質問によって理事者の答弁を求めることとします。それが都議会議員及び都議会の責任であることを申し上げます。
 そして、次の質問に移りたいと思います。
 次に、オリンピック・パラリンピック関係の質疑をさせていただきたいと思います。
 まず、三者協議について伺います。
 大会準備業務の役割分担、そして経費負担の問題について伺います。
 残り三年余りの歳月を考えれば、遅滞なく進めていくのは当然であります。
 昨年、小池知事は、会場見直しのラストチャンスと称して、海の森水上競技場ほか、三会場の見直しを実施しました。結局、全ての会場変更に至らなかったこの見直しのため、各種の準備業務は延び延びとなり、その中でも最も重要な大会経費の負担問題は、いまだ解決に至っておりません。
 ことしになり、都外の競技会場のある自治体との作業チームが設置されたと聞きましたが、我々にはその進捗状況は全く知らされておりません。
 そこで、この作業チームと三者協議のこれまでの経過について、オリ・パラ局長に確認をします。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 平成二十八年三月に、都知事、オリンピック・パラリンピック大臣、組織委員会会長の三者で会談し、大会準備の役割分担のあり方について見直していく方向で一致いたしました。その後、三者で事務的な協議を重ね、平成二十八年十二月には、組織委員会が費用分担の議論の出発点となる全体経費を公表したところでございます。
 現在、大会経費は一兆六千億円から一兆八千億円を上限額として、その分担について事務的に協議、調整を行っております。
 また、作業チームにつきましては、昨年末、都が提案して、会場が所在する道県ごとに設置され、大会にふさわしい競技会場とするため、仮設や輸送、セキュリティーなどの業務と経費について検討を重ねているところでございます。

○山崎委員 トップの合意が昨年の三月、そして事務方の三者協議も四月から始まったはずなのに、一体これまでの間、どのような姿勢で、何をどう調整してきたのか、都議会に対する具体的な説明がないと思います。
 都は、この三者協議に一体どのような方針で臨んでいるのか。オリ・パラ局長、伺います。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 大会準備を万全に行い、大会を成功に導くためには、都、国、組織委員会、関係自治体が緊密に連携し、しっかりとそれぞれの役割と責任を果たしていくことが重要でございます。
 協議に当たりましては、これら関係者が常にコストとレガシーを念頭に置くとともに、負担を軽減し、都民施策に影響を及ぼさないよう検討しております。
 開催都市として、役割、経費分担の議論は最大の課題と認識しておりまして、昨年十二月に、大会の業務と経費について説明する資料を公表いたしました。費用の分担に当たりましては、広く都民に理解の得られる根拠や理由があるかなどを、現在、十分に検証しているところでございます。

○山崎委員 知事は昨年末、年度内には負担の大枠を決めたいと発言をされております。知事、覚えていらっしゃいますか。--はい。
 知事みずからが提案をして設置された作業チームではありますが、その状況は、積極的な情報公開を是とする小池知事のもとでも、いまだに、いまだに公とならず、関係自治体との間でさえ、合意が図られたという話は聞きません。加えて、都と国、組織委員会の三者での協議が進んでいるかも不明であります。
 一体、大枠の合意は年度末まで--年度末って今月ですよ。年度末までに間に合うのか、オリ・パラ局長、教えてください。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 関係自治体との間で設置いたしました作業チームにおきましては、丁寧に議論を進めておりまして、会場となる施設の使用期間や仮設の内容、レベルなど、さまざまな課題を現在、詰めております。その上で、こうした課題を丁寧に掘り起こし、三者協議の関係者がさらに情報を共有し、きめ細かく協議するなどの対応をしっかりとることが、解決に向けた土台となるものでございます。
 年度末までの合意は難しいことは否めませんが、今、前向きの議論を尽くすことが重要でありまして、よりよい結論を得られるよう、最大の努力をしているところでございます。

○山崎委員 力強い、最大の努力。オリ・パラ局長の決意を感じられましたが、あと何日でしょうかね。ちょっと厳しいんじゃないんですかね。
 神奈川県の黒岩知事さんが、先日の会見で、一日も早く結論をと強く要望しておりました。局長からは、年度末までの合意は今、難しいという答弁がありました。年度末までの合意という期限は、知事ご自身が約束をされたことなのであります。
 ですから、知事みずからが国に働きかけるなど積極的に、知事みずからが積極的に動くべきだったと思いますが、知事は、ご自身はこれまで何をやってきたんですか。お答えください。

○小池知事 今、担当局長の方からご答弁もさせていただきました。作業チームで丁寧かつ熱心な作業が続いております。
 業務内容、経費など、一つ一つ検討してきていると聞いておりますが、その業務がかなり膨大なものになっていると。さらには、その課題が明らかになっているという状況でございまして、引き続きさらに精査する必要があるとの報告を受けたところでございます。受けております。
 今後、これらの各自治体とのやりとりでありますけれども、これが施設などハード面の工事やソフト面の計画などの土台になるものですから、ですからこそ、大会費用の負担をめぐる三者協議の中でも、これをベースに共有していくということが必要かと思います。それによって、積極的な動きを加速させて、よりよい結論を得るために、三月末はなかなか厳しいというのが現実だと思います。しかしながら、時間をかけつつも、きめ細かく関係者間で協議を進めるべきと考えております。
 そして、これについて、三者協議においても主導的な役割を果たし、関係者の合意につなげてまいるように、国にもしっかりと働きかけてまいります。
 先ほどの件についてちょっとよろしいでしょうか。--じゃあ後で。

○山崎委員 今、知事、三月末にこのお答えを出すと、知事みずからがいっておられたんですね。そうですよね。もう少し、三月末を超えてももう少し時間をかけて、きめ細かく協議を進めていきたいと、知事今、こうおっしゃいました。三月末までに決めると知事はおっしゃっていたわけです。それに対して、もう一回、知事、なぜ三月末、守れなかったのか。いろんなこと、あるかもしれません。いってください。教えてください。

○小池知事 先ほどお答えいたしましたように、業務がかなり膨大に上る、課題が明らかになるなどなどございます。
 これまで協議を詰めてやってまいりました。事務方の方もそれぞれ自治体が異なりますので、それらのところと詰めてやってきているということでございます。物理的に三月は難しいということではございますが、しかしながら、このベースをきちっと決めていくことによって加速をさせる。そして、これから仮設などの設計などに現実に入りますので、それがさらに加速をさせるということになろうかと思います。

○山崎委員 三月末を超えてもう少し時間をかけてって、その膨大ないろんな作業があったから。でも、知事みずからが何で動けないんですか。人のせいにしないでくださいよ。だって知事がおっしゃったんですよ、三月末までだって。やっぱりそういうことは知事が、例えば、三月末には守れませんでしたけれどとか、何でそういう一言、いっていただけないんですかね。私はそういうところが、都民の皆さんも見ていると思います。知事がそこで、三月末で間に合わなかった、申しわけない、何でそういうことをいえないのかなって、私は不思議でなりません。
 結局は、知事は事務方に任せてみずからが汗をかかない。そして決められなかったということが今の形でよくわかりました。年度末までに負担の大枠を決めるといったのは、知事ご自身です。黒岩知事からは、年度末には決められないのであるならば、ほかの関係自治体と次の行動を起こす、ここまでいわれているんですよ。
 お願いする立場なら、頭を下げて、膝詰めでも交渉することなど、これから全くやらないおつもりですか、やるんですか。これでは、オリンピック・パラリンピックも、立ちどまっているだけで結論を見出せないということが、都民の皆様にも、ここに聞いていらっしゃる皆様にも、認識されたのではないでしょうか。私はそのように思います。
 次の質問に移ります。経済波及効果の件についてお伺いします。
 三月六日、都は大会開催に伴う経済波及効果を発表しました。しかしながら、このニュースは都民、国民には全くといっていいほど知られておりません。フラッグツアーのようなイベントのPRももちろん結構ですが、こうした都民、国民にとっても真に前向きな話こそ、知事の強力な発信力をもってPRできていないことが非常に私は残念であります。全国で三十二兆円ですよ、都内では二十兆円、そういうことです。
 知事は、大会の経済波及効果というものを一体どのように受けとめているのか、見解を伺います。

○小池知事 この二〇二〇年大会の開催に伴います経済波及効果についてのご質問で、今、ご指摘ありましたように、都内では二十兆円、全国で三十二兆円、大変大きな数字が出ております。そのためにも、都は大会の成功に向けて、オールジャパンでの取り組みを進めているところでございまして、また先ほどからもご質問ありましたが、事務方で今、しっかりとこの協議を進めているところで、一歩一歩、確実に進めているところでございます。
 大会の効果というのは、東京都のみならず全国に波及する、経済活性化に大きく寄与するということが明らかになったわけでございます。
 また、選手、役員など大会関係者、それから観戦者の支出などを含めますと、大会の開催に直接的にかかわる効果、これが大体五兆円と計算されております。それからバリアフリー対策であるとか、国際ビジネス拠点の形成なども進めてまいりますので、その後の大会後のレガシーを見据えた取り組みによります効果として二十七兆円という、そのような数字をはじき出しているということでございます。これによって投資の部分の重要性が明らかになると、このように考えております。
 こうした大会開催による大きな効果については、しっかりとアピールしてまいりたいと考えております。

○山崎委員 今、知事が私の質問、細かく答弁いただきました。そういうことを、三十二兆円ですよ、二十兆円ですよ。何で全国民、東京都民、こういうことをいっていただけないんでしょうかね。
 記者会見でこの話、知事、されましたか、どうですか。

○小池知事 オリンピックの件につきましては、そのたびにいろいろと報告をさせていただいております。

○山崎委員 この件です、知事。この三十二兆と二十兆の話、知事みずからが記者会見でお話しされましたか。

○小池知事 この数値が、予測が集計されましてから、直ちに公表いたしております。

○山崎委員 知事みずからが記者会見でこのお話をされましたか。だから、されたかされていないかだけでいいです、どうぞ。

○小池知事 オリンピック・パラリンピックについてはさまざま報告もし、フラッグツアーなどに出かけております。数字そのものは申し上げておりません。

○山崎委員 本来は知事の口からぜひいってもらいたい、そのように私は思います。
 フラッグツアー、行った場所で知事がいろんな挨拶されます。経済波及効果三十二兆円ですよ、そういうところでもお話ししてもらいたいんですよ、知事の強い情報発信能力で。そういうことをいうことによって、皆さん方が、いやオリンピック・パラリンピック、そんな経済波及効果があるのか。さらにいろんな意味で、皆さんが、またオリンピック・パラリンピック、みんなで盛り上げていこう、成功に導いていこうと、そういう形になるんですよ。ですから、知事みずからがそういうことをしていただきたい。
 知事は以前、このようにいっておられました。大会に向けたわくわく感には、経済の活性化も含まれるとおっしゃいました。であるならば、何でこの経済波及効果のことを前面に押し上げていかないのですか。なぜ知事自身が、もっとメディアやマスコミや、都民や国民の皆様にもっとアピールしないのですか。私には到底理解できません。
 昨年、競技会場の見直しの件で、今の一般の都民の皆さんや国民の皆さんの声は、もうオリンピックなんて、もうパラリンピックなんてという後ろ向きな声を聞きます。決定のあのときの、九月の七日、八日、あの一体感の喜びはどこにいってしまったのでしょうか。知事の情報発信能力で、今こそ再び風を起こさせるぐらいのことをするべきと、私は強く求めておきたいと思います。
 そして、今回公表された経済波及効果は、もとよりこれにとどまるものではないと、私は考えております。一例を挙げれば、既に大会組織委員会では、ビジネスチャンス・ナビの仕組みを使い、日本中の中小企業が五輪関係のビジネス需要に参画していく取り組みが始まっているところです。
 知事には、大会を契機として、より大きな経済効果が、東京そして日本に波及していくよう、改めて都内の経済活性化に取り組むことを強く要望しておきたいと思います。
 続きまして、環状二号線についてお伺いします。
 開催まであと三年余りとなった東京二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック大会を成功させるためにも、都市計画道路の整備を確実に進めていく必要があります。中でも、環状第二号線は、選手村と競技会場を結ぶ大動脈となる重要な道路であり、東京二〇二〇大会の運営に欠かせない基盤であると考えます。
 そこで、築地市場の移転を早期に決断し、四月から市場の解体を始めたとすると、始めたとすると、東京二〇二〇年大会までに環状第二号線を開通させることは可能なのでしょうか。建設局長、お答えください。

○西倉建設局長 築地から豊洲への市場移転後、中央卸売市場によります建物解体に要する時間を含めまして、約三年半で環状第二号線の本線工事を行う予定でございました。
 二〇二〇年東京大会までに残された期間は三年程度でございまして、大会までの本線開通は間に合わないと考えておりますが、市場移転の動向を踏まえ、適切に対応してまいります。

○山崎委員 現時点での環状二号線の整備見込みは、本線は開通せず、地上部の道路だけだとすると、真っ先に影響があるのは二〇二〇年大会の輸送であります。選手村が晴海にあることから、環状二号線が大会関係者の輸送をする上で極めて重要な道路であることは、誰の目にも明らかです。
 臨海部は、現時点で渋滞しているエリアであり、それこそ歩いた方が早いという事態になりかねません。
 そこで伺いますが、大会時においてこの環状二号線地上部だけでは、選手や関係者の輸送に間違いなく大きな影響が出ることは明らかだと思いますが、オリ・パラ局長、所見を伺います。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 二〇二〇年大会では、東京の交通事情や競技会場の配置等を踏まえまして、選手などを輸送する際に利用する道路の設定を、現在進めているところでございます。選手村からは、主に晴海線を経由した首都高速道路の利用を考えてございます。
 また、環状二号線の活用につきましては、大会時の整備見込みとともに、晴海通りや周辺交差点等の交通状況などを踏まえまして、今後、検討を進めてまいります。
 輸送は、大会の成否に直結する重要な要素であることから、組織委員会と連携してしっかりと取り組んでまいります。

○山崎委員 昨日の日経新聞でも報道されていましたが、そもそも環状二号線は、当時の都知事が、立候補ファイル提出時に、その整備をIOCに対して約束した路線です。これはまさしく国際的な公約、今でも続いているはずです。
 そしてこの国際公約、どうなってしまうものでしょうか。このことについて、IOCとの調整状況について、オリ・パラ局長、教えてください。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 環状二号線は、立候補ファイルにおいて、大会時には、選手村などから各競技会場などへ、選手など大会関係者を輸送する路線の一つであると位置づけられておりまして、その整備状況等につきましては、適宜IOCに報告しているところでございます。
 この中でIOC側は、環状二号線が置かれた現状について、一定の理解を示しております。また、今後の大会関係者輸送の全体につきましても、着実な計画策定を求められているところでございます。
 今後、二〇二〇年時点での整備状況を見きわめまして、組織委員会とともに、関係者輸送ルートの設定や運用方法、周辺交通量の抑制策など計画の具体化を進め、それらを適宜IOCに丁寧に説明してまいります。

○山崎委員 臨海部は、東日本の生活と産業を支える重要な物流の拠点であり、日々、多くの車両が通行しております。
 港湾局長、端的に教えてください。毎日、どのくらいの車両が通行しているのか、伺います。

○斎藤港湾局長 臨海部の当局における交通量調査で申し上げますと、レインボーブリッジを通行する車両は一日当たり約三万四千台、臨海トンネルでは約四万四千台、東京ゲートブリッジでは約二万九千台であり、なお、この中には一般の車両も含まれております。
 また、コンテナ取扱個数から推計をいたしますと、一日当たりのコンテナ車両台数は約一万台と見込まれるところでございます。

○山崎委員 先ほど建設局長の答弁で、環状二号線の本線の整備は、二〇二〇年大会まで間に合わないという答弁がありました。このような中で、大会期間中、港湾物流に悪影響が出るのではないでしょうか。港湾局長、お答えください。

○斎藤港湾局長 臨海部には、選手村や競技会場が多く配置されますことから、また大会開催期間中は、関係者輸送ルートが設定される予定でありますことなどから、港湾物流に一定の影響が出るおそれがございます。大会を成功させるためにも、開催期間中に東京港の物流機能がとまることのないよう、関係機関等と調整、連携し、大会と港湾物流との調和を図ってまいります。

○山崎委員 続いて都市整備局長にお伺いをいたします。
 仮に築地市場が移転した場合、まずは速やかにいわゆる暫定道路を整備するというお話もありましたが、この都心と臨海副都心を結ぶBRT、この暫定道路で運行できるんですか。都市整備局長、教えてください。

○邊見東京都技監 暫定道路の運行につきましては、その整備形態に合わせて、適切に対応してまいります。

○山崎委員 二〇二〇大会に欠かせない道路が開通できないのは大問題です。築地市場の移転がはっきりしない現在の状況で、東京二〇二〇大会を迎えた場合、築地市場内の環状二号線についてどのような状態なのか、建設局長、はっきりとお答えください。

○西倉建設局長 環状第二号線の整備は、築地市場の移転を前提とした計画であるため、市場移転の動向を踏まえ、適切に対応してまいります。

○山崎委員 今の答弁でもおわかりのように、建設局、オリ・パラ局、港湾局、都市整備局の各局から答弁をもらいました。これをまとめると、環二の本線も暫定道路も、結局、築地市場が移転をしなければつながらないということがよくわかりました。
 知事、この現況をおわかりですか。交通ネットワーク、都心部、臨海部のアクセス、BRT、そして渋滞緩和、こういったことが全て実現しないということと、全てが無駄になってしまうということです。
 繰り返しますが、国際的な約束をほごにする重大性を、知事はしっかりとご認識をいただきたい。このことを申し上げておきたいと思います。
 私に残された時間はわずかとなってしまいました。都政の課題は、市場関係や二〇二〇年大会だけではありません。その市場問題でさえも、多くの時間を費やしたにもかかわらず、結局、決められない知事の存在が、今回の予算審議の中で明らかになったとはいえ、都民の皆さん、とりわけ市場業者の方々が求めていた先の見通しは、明らかにならずじまいでした。
 ほかにも重要な課題は、山積しております。この予算特別委員会の限られた時間では、さまざまな諸課題の議論ができずに終わります。これでは到底、都民の皆さんへの説明責任を果たしたとはいえない状況であり、じくじたる思いです。
 この先、残された問題解決のために、私たち議会に与えられた権能をもってなせることは、各常任委員会や、そして豊洲市場移転問題特別委員会などの審議に限られてまいります。したがって、必要に応じて知事にご出席を願う場面もあろうかと思います。その際には、ぜひともご快諾いただきますようお願いしておきます。
 地方自治において、政治手法にはさまざまな形態があると考えます。しかし、共有しなければならない理念と制度は、民主主義であり、二元代表制です。今でも、そしてこれからも、我々都議会自民党は、議会の権能をフルに発揮し、議員としても責務を果たしていくことを最後に申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)

○鈴木(隆)委員長 山崎一輝理事の発言は終わりました。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
   午後三時四十二分休憩

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