予算特別委員会速記録第四号

○ともとし副委員長 次に、松田やすまさ委員の発言を許します。
   〔ともとし副委員長退席、委員長着席〕

○松田委員 初めに、中村ひろし委員から、昨日、予算特別委員会における東京改革議員団の総括質疑において、一会派の意向により審議時間が大幅におくれましたと事実に反する発言を行ったことは、到底容認できるものではありません。よって、予算特別委員会の場での発言の撤回及び当該議事録の削除を求めます。
 それでは質問に入ります。
 今年度も終わりに近づき、卒業式のシーズンとなりました。東京都におきましては、公立中学校、都立高校と現在全ての学校で国旗を掲揚し、国歌を斉唱されております。
 以前の学習指導要領では、国旗を掲揚し、国歌を斉唱させることが望ましいとしていた表記が、平成元年から、入学式や卒業式などにおいては、その意義を踏まえ、国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう指導するものとするという表記へと改訂されました。
 これを踏まえて、適切な指導がなされているものと思いますが、教育長の見解を伺います。

○中井教育長 現在、都内の公立学校では、学習指導要領に基づき、入学式や卒業式等において、国旗掲揚及び国歌斉唱を実施しております。

○松田委員 ありがとうございます。
 しっかりと行われていることを確認させていただきました。
 一方で、同じ都立の学校教育施設であっても、福祉保健局所管の都立の看護学校七校では、国旗掲揚はされているものの、国歌の斉唱はありません。また、独立行政法人ではありますが、公立大学首都大学東京の入学式、卒業式においても同様であると伺っております。
 平成二十七年六月には、当時の下村博文文部科学大臣が、国立大学長を集めた会議で、各大学の自主判断としながらも、長年の慣行により国民の間に定着をしていることや、国旗・国歌法が施行されたことを踏まえ、適切な判断をお願いしたいと事実上の実施要請をしたことによって、今年度の入学式では、新たに六校で国歌斉唱が行われました。
 都立の看護学校、首都大学東京と、どちらも学習指導要領の法的拘束力が及ばない教育施設ではありますが、広い意味での学校教育施設として、入学式、卒業式において、国歌斉唱をされるのは自然であると考えますが、小池知事の見解を伺います。

○小池知事 教育に関してのご質問でございます。国旗・国歌、国民の自覚と誇りを呼び起こすものとして、いずれの国でも尊重されていると、このように認識しております。また、グローバル人材の育成の観点からも、国旗や国歌を大切にする心を育むということこそ重要かと考えます。
 小学校から高等学校までの学習指導要領におきましては、今、お話ありましたように、入学式、卒業式において、その意義を踏まえ、国旗掲揚、そして国歌斉唱を指導すると規定をされております。特に小学校においては、国旗・国歌の意義を理解させ、尊重する態度を育てるというふうに明記をされているところでございます。
 次の世代を担う子供たちが、国旗・国歌の歴史、そして由来を学んで、日本の象徴として、これらを尊重する心を持ちながら、この国の未来を紡いでいってほしいと願っているところでございます。
 今ご指摘がございました都立の看護専門学校、そして首都大学東京でございますが、ご指摘のとおり、学習指導要領の適用が及ばないことにはなります。
 しかしながら、いわゆる国旗・国歌法の趣旨を踏まえますと、例えば、都立の看護専門学校におきましては、国旗掲揚は行われているが、国歌の斉唱は行われていない、しかしながら、国歌の斉唱を進めることを望みたいと思います。
 それから、首都大学東京におきましても、国旗の掲揚は行われているけれども、国歌の斉唱については行われていないという報告を受けておりますが、これも国歌斉唱についても行うよう望んでいきたいと思っております。

○松田委員 保守政治家としての小池百合子都知事、さすがです。ありがとうございます。前向きな答弁、本当にありがとうございます。
 私としても、全面的にバックアップしていきたいというふうに思っております。
 という雰囲気の中、豊洲と築地のお話に参ります。
 では、パネルお願いします。この表をごらんいただきたいと思います。
 知事は、築地市場は、コンクリートとアスファルトに覆われており、土壌汚染対策法上問題もなく、安全であるという認識を示されました。
 既にご答弁いただいておりますが、豊洲市場におきましても、コンクリートとアスファルトで覆われており、土壌汚染対策法上法令上の問題もないということで、これは既にご答弁いただいておりますが、豊洲市場においても、安全は確保されているという認識でよろしいでしょうか。知事、お伺いいたします。

○小池知事 先日ご答弁したとおりでございます。
 豊洲市場につきましては、法的に求められている点につきましては、カバーされていると。しかしながら、豊洲市場について、安全性をめぐる長年のご議論がございました。そして、法律を上回る対策をするということを、これまでの知事や、また都自身が、方針として掲げてこられたわけでございます。
 それに対して、都民、市場関係者に約束した、この法を上回るような対策が従前にされていないということから、今、専門家会議が検証を行い、地下水の再調査も行われているということでございまして、都民の理解、そして納得を得ていくためには、これらの検証などを待ちたいと思っております。

○松田委員 今、知事ご答弁いただいたのは、安心という部分について、最後ご答弁いただいたと思いますが、コンクリート、アスファルト、そして土壌汚染対策法上適合ということで、安全ということでよろしいでしょうか。よろしいですね。

○小池知事 さまざまな安全の基準ということにつきましては、カバーしていると考えます。ただ基本的に、安全ということについても、これ年々改正なども行われて、それも変わっていくということも申し添えておきたいと思います。

○松田委員 年々変わってきている中で、今、安全でしょうか。

○小池知事 今申し上げたとおりでございます。

○松田委員 明快なご答弁ありがとうございます。
 知事から今、安全というふうにいただきましたので、安全と書かせていただきます。小池知事より、安全というご答弁をいただきました。
 そして、安心に移りたいんですが、安心に移る前に、一つ築地の安心について、ちょっと、一旦立ちどまって考えてみたいと思います。
 パネルをお願いいたします。これは、築地市場内の写真でございます。ごらんのように、こちら、ひび割れがあります。そして、こちら、土が見えております。
 知事に伺います。これ、コンクリート、アスファルトで覆われているといえるでしょうか。

○小池知事 私も、先日、市場を訪れたところでございます。
 長い間、八十年にもわたる歴史を紡いできた、この市場でございます。さまざまな改修しなければならないような点などもございますし、何よりも豊洲への移転をお考えになっていたわけでございます。しかし、この市場が、築地の市場が長年にわたって使われていて、そして、さまざまな課題があるということは、石原知事のころからもわかっていたわけでございまして、この間にも、改修などは行われてまいりましたが、歴史を語るものでもあると、このように感じるところでございます。

○松田委員 覆われていないという、コンクリート、アスファルトで覆われていないかどうか伺ったんですが、この写真を見て覆われていないということでよろしいでしょうか。

○小池知事 このように長い間の年月を経て、さまざまな問題点があることについては、大きな課題だと、このように思います。ましてや、移転の延期をしていたわけでございますので、その時点からさまざまな改修、修理等につきましては、市場の方にも指示をしてきたということでございます。

○松田委員 長い間経てきたからこうなっているのは、私もよくわかっておりますし、今まで議論してきました。この状態で、コンクリート、アスファルトで覆われているといえますかと私は伺ったんです。知事、お願いします。

○小池知事 幾つかのクラックがあることは、その写真が示しているとおりでございます。ひびがあることは確かでございます。

○松田委員 これは土です。これはアスファルトです。これはコンクリートです。コンクリート、アスファルトで覆われていると、こちらの写真を見て、ご所見を伺います。

○小池知事 長い間使われて愛されてきたがゆえに、幾つか課題はあるということを申し上げております。先ほどから申し上げているとおりでございます。

○松田委員 先ほどから質問しているとおり、こちらの写真でコンクリート、アスファルトで覆われているかどうかということを聞いているんですが、知事、お願いします。

○小池知事 ですから、これらを含めて、この築地の市場につきましては、その古さから、同じように、古さから来るさまざまな課題はあるということは認めているわけでございます。しかし今、これからの再調査の結果待ち、そしてまた、専門家の会議が開かれるということで(松田委員「聞いていない、聞いていない」と呼ぶ)いえいえ、ここは重要なところでございます。長年にわたって使われてきたものでありますし、ましてや今、移転の判断をするのかどうなのか、その判断材料を待っているところでございます。ここをこれからどのようにしていくかということについても総合的な判断を待ちたい、このように思っています。

○松田委員 委員長、全く答えていただけないんですが(発言する者あり)委員長、知事にしっかり答えるようにお願いします。お願いします。

○鈴木(隆)委員長 はい。
 今、委員から適切な答弁を求められておりますが、もう一度、簡明な答弁で知事にお願いをしたいと思います。

○小池知事 適切な答弁というのは何を指すのかよくわかりませんけれども、私は、この問題があるということは認めているわけでございます。

○松田委員 わかりました、質問をかえます。
 この写真を見て、この場所がコンクリートに覆われている--はい、いいえでお答えください。

○小池知事 さまざまな課題はございますが、これをどのようにして今後どうするかについては、判断をする、その材料待ちということでございます。

○松田委員 さまざまな課題があるということは、これはコンクリート、アスファルトで覆われていないと認識してよろしいでしょうか。

○小池知事 課題があるということは認めているわけでございます。そして、その課題をどのようにして克服するのか、そしてまた、大きな判断をするのかというのは、まさしくその材料であったり、分析であったり、検証であったり、その上で総合的な判断をするということは、ずっと申し上げているわけでございます。

○松田委員 課題があるということで、こちら覆われていないというふうに私は受け取らせていただきました。そして、先ほどの知事のご答弁の中で、クラック、この裂け目、割れ目については明快にご答弁をいただきました。あるということを認識しているということでございました。
 では、環境局長にお伺いをいたします。
 コンクリート、アスファルトによって覆われていない場合、例えばこうした裂け目、切れ目がある場合、ベンゼン等は揮発性の物質でありますし、封じ込められないという点からも、土壌汚染対策法を満たしているとはいえるのでしょうか。土壌汚染対策によってコンクリートの封じ込めについて伺います。

○遠藤環境局長 ただいまのご質問につきましては、大変申しわけないんですが、その写真だけでは、その土壌の状態が確認できませんので、ベンゼンの有無等も含めまして、土対法上の問題の有無についてお答えすることは差し控えさせていただきます。

○松田委員 土壌汚染対策法で定められていると。この写真は、じゃあ、なしにしましょう。この写真抜きにして、一般論として伺います。土壌汚染対策法として、コンクリート、アスファルトで覆われるということがあると思いますが、クラックでしたっけ、クラックがあることによって、土壌汚染対策法は満たされるんでしょうか。お願いします。

○遠藤環境局長 一般的に表層土壌に汚染があった場合につきましては、速やかに立入禁止の措置やアスファルト等による封じ込め措置などを施せば足りるものでありまして、それをもって直ちに土壌汚染対策法上に違反している、違反していないということを、この場で断定することはできません。

○松田委員 では、環境局長、こちらの写真、大きく穴があいているこちらの写真、土が見えている写真について土壌汚染対策法上カバーできているかどうか、ご答弁お願いします。

○遠藤環境局長 右の写真も左の写真も、お答えにつきましては同じことになると思います。

○松田委員 答えられないと。土壌汚染対策法上、コンクリートで、アスファルトで覆われていなくても満たしているということでいいのかな。

○遠藤環境局長 そちらの土壌がどのような土壌であるかがわからない以上、場合によっては、汚染されていない土壌が盛り土としてそこに機能している場合もあるわけですから、それについてはお答えができません。

○松田委員 お答えいただけないので、次に進みます。
 築地市場においては、土壌を調べることもしないで、小池知事はコンクリート、アスファルトがあるから安全だとおっしゃられました。築地は土壌の汚染のおそれがあると、東京都が公表をされたところであります。
 また、次の写真をごらんください。ここが築地の土壌汚染の地歴でございます。ここが米軍のソルベントタンクがあった位置でありまして、環状二号線の工事によって発見された環境基準の二・四倍、そして一・六倍のフッ化物が出た場所はここ、こんなに離れている。非常に土壌汚染の蓋然性が高いと、東京都が蓋然性が高いといっている土地であります。
 こういった状況がある中で、土壌汚染、今議論になっておりますが、土壌汚染の蓋然性が高いということをまず築地に関しては申し上げておきます。
 そして、安心の話に移ります。
 安心については、知事は先ごろ、おとといの質疑で、今まで培ってきたレガシー、それから昨日のご答弁で、消費者の理解、納得というふうにおっしゃいました。そして、その質疑に対して、具体的な基準は示されませんでした。
 もう一度伺いますが、知事の、この消費者の理解、納得というところの基準を教えてください。

○小池知事 何かワイドショーをやっているみたいですね。松田委員、私は、それにつきましては、消費者の理解と納得、張りつけていただいてありがとうございます。ここは、じゃあ、どういう目盛りなのかというのは、なかなか難しゅうございます。消費者によって判断の基準も違うかもしれません。
 しかしながら、相対的にやはり安全だ、安心だ、この両方がそろって消費者は選択をするわけでございます。まさしく総合的なものであり、そして、そのためにも安心の基準、安全の基準、両方をですね、市場の、失礼しました、安心の基準でなくて、安全の基準をベースにしながら、消費者にとって安心な説明、情報の提供ということをすることが必要だと、このように思っております。
 築地につきましては、その点、安心という部分は既にかち得ているものであり、よって、業者の方々も、連日、現に営業されているということだと思います。

○松田委員 やはり今の答弁で、この消費者の理解、納得というのは、知事の主観であることがよくわかりました。
 では、先ほど鈴木錦治議員から質問がありました。築地市場における水産卸の六棟の耐震基準を満たしていないというお話がありました。
 知事、この地図上で、(パネルを示す)どこが耐震基準を満たしていないかご存じですか。

○小池知事 築地の今の課題につきましても、豊洲の今の例えば採水など再調査の動きなど、連日のように市場の方から報告は受けておりますが、今の耐震性が確保されていない施設についても報告は受けております。

○松田委員 今、吉村部長からメモが入りまして、おわかりになったようですので、次に進みたいと思います。
 ではなぜ、さっきの比較表--一応いっておきます。非常に大きなところが耐震性を満たしていないんですね。丸をつけさせていただきます。六カ所なんですが、そのうちの一カ所は、ここ非常に大きなところでありまして、六棟といわれると非常に、このたくさんある中で少ないというふうに思われる方がいらっしゃると思いますが、そのうちの一棟は、この仲卸の場所、非常に大きなところであります。命がかかっていることでありますので、先ほどのご答弁のように、これから考える、今一歩一歩進めていくという牛歩戦術のようなことでは、これは本当に困るんです。喫緊の課題でありますので、しっかりと取り組んでいただきたいというふうに要望いたします。
 安心・安全の話に移ります。
 では、豊洲の安全というのはどうしたら確保できるのでしょうか、お伺いをいたします。ごめんなさい、豊洲市場の安心について伺います。

○小池知事 これまでの法的な基準ということにつきましては、カバーをしている。しかし、これまで長年のご論議を通じまして、また、経まして、その法的な基準を超える安全を求めてこられたというのが、これまでの歴史だと理解をしております。その部分については、まだ十分ではないということから、専門家会議が近々というか、あさって開かれることとなっておりますし、地下水の再調査につきましても行われているということでございます。よって、法的、科学的、これらの基準を満たしているかどうかということについての、この判断ということがまさしくこれから行われようとしていると、このように理解しております。

○松田委員 今、知事の発言は看過できないんですが、法的、科学的について、これから議論されるって今おっしゃったんですが、それは担保されていると前段でおっしゃいました。どちらですか。

○小池知事 ですから、これまで、その法的な基準ということについてはカバーされているが、これまで東京都が都民の皆様方にお約束をし、また希求されてこられたことは、その法律を上回るぐらいのことであり、それは、これまでの石原知事の発言などにも既に出ているわけでございます。
 それはなぜかというと、ひとえに生鮮食料品を扱う場所だからということでございます。これによって、これまでさまざまな努力が行われてきたというところでございまして、総合的な判断を行っていきたいと考えております。

○松田委員 期待どおりの答弁、ありがとうございます。
 今おっしゃったとおり、豊洲に関しては非常に高い基準を求めている。ただ築地に関しては、地下水、調べてもいないんですね。これは、ある一方で高い基準を求めるとともに、こちらでは一切調べもしていない。ダブルスタンダードといわざるを得ません。
 安心は、先ほど知事の主観と申し上げました。どうしても豊洲に行きたくない理由がほかにあるとしか、私には思えません。圧倒的に豊洲の方が安全であります。閉鎖型、こちらの方が衛生的だと。それから耐震基準六棟、これ全て豊洲の方が上回っております。これあけてあるのは、もし反論があるんでしたら、後で書こうと思っていたんですが。
 それから、豊洲の方が安全面で上回っているにもかかわらず、安心宣言が出せない。どうしてもこれを、安心をつくっているのは知事自身であります。
 ほかの豊洲の盛り土の問題、ないところは、知事が知ってから一時間後に緊急記者会見を開き、豊洲の検査済み証の発行、こちらは、十二月二十八日に出たにもかかわらず、我が党、高木幹事長の二月二十八日の代表質問まで発表しない。築地の汚染のおそれは、昨年三月に発覚をして、八月に就任以来、その汚染の可能性を知りながらも、みずから聞くことをせず、二月に国会議員からの開示請求で初めてオープンにする。明らかに豊洲に関して優位な情報は隠蔽をして、不利な情報は発信をする。情報操作、印象操作といわれても仕方ないと思います。
 ここにいる理事者の方々も、そして、このやりとりを見ている都民の方々も、おかしいと思っています。
 安全な豊洲市場をとめているのは知事自身であります。知事自身が豊洲市場の風評被害を拡大させていることを指摘して、知事の一刻も早い豊洲の安心宣言を期待して、次の質問に移ります。
 次も、豊洲です。
 昨年十一月十四日、一般社団法人築地市場協会から知事宛ての要請文が出されましたが、知事、こちらをごらんになりましたでしょうか。十一月十四日、一般社団法人築地市場協会。

○小池知事 築地市場のほぼ全ての事業者団体で構成されております築地市場協会から、これまでさまざまなご要望いただいております。そして、ことし一月に視察をいたしました際に、早期移転の判断、それから安全宣言、適切な補償の実施というご要望をいただいたところでございます。
 こうした声もしっかり受けとめて、皆さんが安心して働ける市場を実現するように、専門家による安全性の検証、四月からの補償に向けた相談の受け付けなど、必要な取り組みを着実に積み重ねているところでございます。
 先ほど、安心については主観である、知事の主観といっておられますが、私は、かねてより、消費者の選択であるということをいっているわけで、その点については、私の主観で今これまでのことをやってきているのではないということを申し上げておきたいと思います。

○松田委員 定義が曖昧なことであることは間違いないと思います。
 その市場協会からの文書には、知事の緩慢な対応に不安を募らせずにはおられません、その検討姿勢や検討プロセスは許容しがたいものがあります、今の築地では先の展望が開けない、私どもの置かれた状況、心情を、知事、PTの方々にご理解いただきたい、知事及びPTに届いている市場業者の声は偏りがある、広く声をお聞きいただき、かつ、十分な配慮をお願いしたい。前文で、こうした内容を述べられて、かなり具体的な要望が記されております。
 その要望内容について一つ一つ確認をさせていただきたいと思います。
 一つ目、十一月二日、小島座長を初めPTの方々がかねてよりPTとの接触を図った特定の主張を持つ業者の方とのみ企画し、動線検証等を実施された、このテストは、事前の発表は一切なく、いわばクローズの状態で行われた、これまでの情報開示が不十分と批判され、今後はオープンにしていくのが小池知事の方針ではなかったのか、PTがおやりになっていることは、これまで知事が最も批判されてきたやり方そのものではないでしょうか、このことを知事はどのようにお考えでしょうかと、市場協会の方は問われています。
 どういうお考えでしょうか。

○小池知事 先ほどの協会のご要請文も含めまして、さまざまな方々からお話を伺っているところでございます。時には、おすし屋さんに行ってお話を直接伺うこともございます。流通の業者の方々からのお話も聞くこともございます。そのうちのご意見として、しっかりと受けとめたいと思っております。

○松田委員 十一月十五日、PTによる業界関係者のヒアリングを行うとの通知がありました、わけがあり、日時の変更をお願いしたが聞き入れられず、ヒアリングの会が強行されることになった、PTは、こうした事情も酌み取ってもらえない、市場で働く私どものこうした事情、心情はご理解いただけないのでしょうか。市場の方は、こう訴えられております。
 知事、いかがでしょうか。

○小池知事 今ご指摘の会以外にも、これまでも何度かヒアリングの機会を設けておられると聞いております。よって、これまでも何度も行われて、さらに広く声を受けとめていると、このように考えております。

○松田委員 市場業界の声、しっかりと受けとめていただきたいと思います。
 ヒアリングの会に先立つ十一月十四日、市場業者向けに内覧会を行うとの通知がありました、建設物がほぼ完成して以降、見学会や訓練等を四カ月以上にわたって行ってきましたが、なぜ今さら内覧会なのか、内覧会には何か特別な意味があるのか、ヒアリングも内覧会も形式的なセレモニーではないのか、見方によってはアリバイづくりとしか見られないのではないか、こうも述べられております。
 何か特別な、この意味があったんでしょうか。十一月十四日の内覧会です。

○小池知事 そのときの状況をちょっとよく記憶はいたしておりませんが、さまざまなご要望をいただき、それらのご要望にかなうような改善を重ねてきていると、このように考えております。

○松田委員 最後に、こう締めくくられております。豊洲市場の安全性の早期確認、移転期日の早期決定、移転延期にかかわる補償の早期実施について、知事みずからがリーダーシップを発揮され、私どもとともに、解決の道を歩んでくださいますよう心から願ってやみません。知事、これが業界の皆さんの切実な願いであります。このことを真摯に受けとめて、解決の道を歩むべきであります。知事の受けとめをお伺いいたします。

○小池知事 先ほどからの御党、御会派のご質問にも何度かお答えさせていただきましたけれども、今、移転問題を、判断を下すという観点からは、築地、豊洲、双方に関係するさまざまな全条件を全体的に把握して、鳥の目で考えていかなければならないと思っております。
 そのために今、専門家会議、先ほどから申し上げておりますように、再調査、安全性の確認、そして法的なチェックなどなど、まさしく総合的に判断する、その要因を一つずつステップとして踏まえていきたいと、このように考えているところでございます。
 これは、全てが、やはり都民そして市場関係者の理解と納得を得るための一つ一つの作業であるということでございます。

○松田委員 このお話をいただいたのは十一月です。今三月です。十二、一、二、三、四カ月もたっています。着実にというのは大切なことかもしれませんが、スピード感を持ってやることが、この喫緊の課題に対する答えだと私は考えます。市場業者の方も、一刻も早い解決の道を歩んでくださいといっております。
 さて、昨年十二月の十四日、市場問題PTによる築地市場青果部へのヒアリングが行われました。この中で、泉会長と小島座長のやりとりがあります。泉会長から、座長の立場、権限、責任は何ですかとの問いに対して、小島座長は、行政上のラインには位置しない、知事に対して報告するのみ、知事自身が行政判断をするための参考、そういう立場と答えております。
 知事、こういう認識でよろしいでしょうか。

○多羅尾総務局長 市場問題プロジェクトチームの役割でございますけれども、PTは地方自治法上、第百七十四条に規定する専門委員で構成されております。専門委員は法や規則により、知事が委託する事項について調査研究し、知事に報告するとされております。
 現在の市場問題PTは、築地市場の豊洲市場への移転及び市場のあり方に関し、調査研究し、知事へ報告を行っているところでございます。

○鈴木(隆)委員長 知事、答弁ありますか。--よろしいですか、はい。

○松田委員 きのうも、PTメンバーの権限についてやりとりがありましたが、総務局長の答弁は、非常に歯切れの悪いものでありました。PTメンバーの立場、権限について、改めて局長に伺います。

○多羅尾総務局長 ただいまのご答弁とダブる部分ございますけれども、PTのメンバーは東京都の専門委員でございます。でございますので、知事から委託を受けたテーマにつきまして、調査研究し、知事に報告する役割を持っております。

○松田委員 相変わらずのご答弁でありますね。
 専門家会議というのは、客観性のある立場の方々が指名をされた、ある意味、第三者の公的機関であります。その専門家会議にオブザーバーとして、PTの小島座長も参加をされております。なぜ正式なメンバーではないのでしょうか。知事が信頼をされ、顧問として指名をされた小島座長を正式メンバーとして組み入れたならば、専門家会議の見解をもって判断し得るはずです。
 しかし、現状を見ると、PTメンバーの立場は単なる助言者であります。専門家会議のメンバーの意見とPTのメンバーの意見、どちらに重きを置いているのでしょうか。私には、よくわかりません。専門家会議を形骸化させてはなりません。ともすれば側近政治といわれないよう、それぞれの立場をしっかり明確にされることを望みまして、市場関係の質問を終わります。
 次に、環境保護という観点から、食品ロスについて伺います。
 福祉保健局では、今年度、防災備蓄倉庫に保管分の食料のうち、二月と四月に賞味期限を迎える六十七万食を、社会福祉法人やフードバンク、子供食堂に配布するとともに、街頭での配布を行ったと聞いております。毎年、こうした災害備蓄食料が五十万食出ると伺っております。
 また、東日本大震災を踏まえ、それまで二日分であった備蓄を三日分にふやした、平成二十七年に購入をした食料は、平成三十二年に賞味期限切れを迎え、災害が起こらなかったときに、さらなる食品ロスに対する対策が必要となってまいります。
 私の地元板橋区でも、今月三日にフードバンクいたばしが立ち上がり、食品ロスに対する都民の関心は高まっております。
 この立ち上げの会のときに静岡県のフードバンクの事務局の方に伺ったところ、備蓄品から出る食料は五十人分と大変大きなものが多く、いただけるのであれば、小分けのものの方が助かるということでございました。
 私も先日、五目ご飯を福祉保健局で試食をさせていただきましたが、大きな段ボールの中にあるアルファ化米に五目ご飯のもとをまぜてお湯を加える、こういったものでありました。こういったものは、食品ロスという観点でも、小分けのもの、できれば検討を進めていただきたいと思っております。
 また、この五十人分の備蓄食料の活用として、小学校などの授業中の、例えば午前中最後の授業で、防災教育の一環として炊き出しを行って、給食のときにみんなで、子供たちで食べるといった取り組みを進めるべきと考えますが、所見を伺います。

○梶原福祉保健局長 都は、本年二月と四月に期限を迎える、災害救助用に備蓄しているクラッカー、アルファ化米、約六十七万食につきまして、社会福祉法人やフードバンク、子供食堂など、都民に広く配布する取り組みをモデル的に実施をいたしました。
 委員、今ご指摘のとおり、小学校などでの防災教育への活用も有効であり、今後、区市町村立の小中学校に対して、周知、協力を依頼してまいります。

○松田委員 昨年十二月に発表された二〇二〇年に向けた実行プランでは、来年度から防災備蓄食料の有効活用に向けた仕組みをつくると書いてあります。
 ぜひこれはデータベース化して公開されるべきと考えますし、具体的には、その大きさ、商品名、賞味期限、分量など、データ化するときには、なるべく受け取る方にわかりやすい、詳細なデータをオープンにして伝えるべきと考えますが、環境局の見解を求めます。

○遠藤環境局長 食品ロスの削減に向けて、防災備蓄食品の配布等の事業を行ってまいったわけですけれども、賞味期限の近づいた食品を無駄にすることなく資源化していくためには、不要となる食品の情報と、それを必要とするニーズとをマッチングさせていく必要がございます。
 それをシステムとして行うかどうかについては、今後の検討になるとは思いますが、今後、社会福祉法人やフードバンクなど、食品の寄贈を受ける側のニーズも十分に把握した上で、現場の実態に即して検討を進め、同時期に、大量に賞味期限を迎える防災備蓄食品が食品ロスにつながることのないようなシステムづくりに取り組んでまいります。

○松田委員 老朽化マンションがふえていく中、分譲マンションの管理組合に対して、適正な管理に取り組むことや将来のことも考えて、建てかえや改修などの再生を検討することについて、将来的には条例化も見据えて啓発活動をしていくべきと考えますが、都の取り組みについて伺います。

○邊見東京都技監 高経年マンションの増加や居住者の高齢化がさらに進む見込みであることから、管理不全の予防や改善とともに、建てかえなどの再生を促進することが重要でございます。
 このため、マンション管理ガイドラインの改定を年度内に行い、管理組合が将来の再生について、大規模修繕とあわせて検討することや、運営情報を開示することの重要性、専門家の活用が効果的であることなどを具体的に示し、周知をいたします。
 また、適正な管理や再生を促進するため、セミナーの開催や、リーフレットによる普及啓発を行うほか、アドバイザー制度などにより、管理組合の取り組みを後押ししてまいります。
 今後とも、区市や関係団体と連携して、マンションの管理組合を支援し、良質なマンションストックの形成に取り組んでまいります。

○松田委員 最後に、職員評価について伺います。
 東京都では、全職員を対象にして、職責、能力、業務実績に基づいて、職員の努力と成果に報いる給与制度や表彰制度を行っておられます。その中でも特に知事の推奨されるライフワークバランスに着目をして質問を行います。
 私も妻と共働きですが、子供を保育園に預かっていただいていて、ふだんは送りが私、迎えは妻であります。こういった家庭は、どうしても仕事時間に制約ができてしまいます。だからといって仕事をおろそかにするのではなくて、その限られた時間の中で目標を達成する職員に対して、さらなる評価をしていくべきと考えます。それが知事のいわれるライフワークバランスへとつながっていくのだと思います。
 確かに職種によっては、時間をかけることによって達成できる仕事もありますが、限られた時間の中で生産性の高い仕事に対して、評価をしていく仕組みをさらに推進していくべきと考えますが、ライフワークバランスの観点から、都の見解を伺います。

○小池知事 私は、これまでの……

○鈴木(隆)委員長 どうぞ答弁お願いします。

○小池知事 大丈夫、そうですか、はい。--長時間労働は当たり前という認識を改めまして、生産性を上げていく、そして、一人一人の意欲と能力を引き出せる、そういった生活、そういったライフスタイルということを定着させていきたいと、このように考えております。
 ワークライフバランスといいますけれども、私は、ライフこそ前に来るべきだということ、観点から、このライフワークバランスと名づけて、イクボス宣言を初め二十時完全退庁など、まずは隗より始めよということで、この都庁から始めているところでございます。
 都全体、そして日本全体に広がればと、このように願っております。

○鈴木(隆)委員長 松田やすまさ委員の発言は終わりました。

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