予算特別委員会速記録第四号

○鈴木(隆)委員長 鈴木錦治委員の発言を許します。
   〔委員長退席、高橋副委員長着席〕

○鈴木(錦)委員 私から、まず初めに、去る三月十四日、三宅理事の質問に対する答弁で知事は、第三の道は現時点では考えておりません、こう明確にお答えになりました。二者択一ということです。この選択肢に見解の相違があると我々も議論できませんし、知事のおっしゃる都民の判断もできなくなってしまうので、確認をさせていただきます。
 二者択一とは、すなわち豊洲か築地か、このことに疑義を挟む方はいません。そこで、一つ目の選択肢は明快です。築地市場から豊洲市場へと移転すること。二つ目は何でしょうか。知事にお伺いをいたします。

○小池知事 今お話がございました二者択一の課題でございますけれども、豊洲市場につきましては、かねてより法令を上回る対策を講じるということをこれまでの知事を含めて都民に約束をしてまいった。まだ果たされていないという課題もございます。そこで、専門家会議などで検証を進めておられます。そしてまた、事業の継続性なども課題となっていると、この委員会でも指摘をさせていただきました。
 一方で、築地市場でございますが、老朽化、狭隘化などの課題がある中で、都と市場の業者が長年にわたる努力でかち得たブランド、安心がございます。現に都民の信頼を得て運営されているものと考えております。
 市場を取り巻く流通環境は激変をしておりますことから、この大きな変化も見据えながら、都民の食の安全、そして安心を確保できる市場について、さまざまな観点から検討していくということでございまして、第一、築地、第二、この豊洲、この二者択一ということの、今一つ一つの議論を重ねていると。
 そして、科学的な判断、それの材料を、間もなく新しい検査、調査も出てまいりますので、それらを総合的に判断していくという選択でございます。

○鈴木(錦)委員 二者択一のお話で、第三の道は現時点では考えておりませんというご答弁をいただいた確認でございます。知事の答弁には、私の確認に明確にお答えをいただいていないと思います。
 先日の知事の答弁に対しまして、明確に、新聞紙上、またマスメディアでは、第三の道は現時点ではないという答弁が知事からあったということがされております。
 もう一度伺います。(パネルを示す)築地市場から豊洲市場へ移転することは一つだと思います。二つ目は何でしょうか。よろしくお願いいたします。

○小池知事 お答えいたします。
 現時点で第三の道はないと、このようにお答えをしたところでございます。過日申し上げましたとおりでございますけれども、築地にとどまるか豊洲に移るか、いずれをとるに当たりましても、現時点では判断する段階ではないと、このように認識をしているところでございます。
 その理由については、先ほど既に申し述べたとおりでございます。

○鈴木(錦)委員 小池知事から、やはり明快な答えはいただけない、そのように私は感じるところでございます。
 築地で営業を継続するという部分は間違いがないかと思うところでございます。
 一昨日、知事の発言がございました。一つは、事故多発の実態に対しては、安全確保の取り組みを着実に進めていく必要がある、また、二つ目には、衛生面については、衛生面に向けた取り組みを着実に進めていく必要がある、加えて、市場長からは、一つ、耐震性について、六棟の耐震工事が実施されていない、その上で営業を継続していると、必要な工事は実施ができない、また、近年の修繕費は、毎年おおむね三億円以上かかっている、そして、大雨が降った際等、下水のオーバーフローも防止策をとる必要がある、こうしたお話がございました。
 日々の営業を安心して続けてもらうためには必要経費がかかる、このことを否定しているわけではありません。しかし、現状維持のためだけであっても、相応の、相応の予算が必要だということは事実です。まして、現状維持を上回る工事が必要でございます。
 築地存続の場合のコストについて、知事はどのようにお考えでしょうか。

○小池知事 築地は、現に本日も早朝から営業しているわけでございます。ご指摘のように、築地の市場の施設は、昭和十年の開設以来八十年以上が経過してございますけれども、現在も営業しているという、この事実がございます。
 そして、一方で、この築地市場の老朽化施設、そして、その設備については、点検の頻度を上げるなどして監視の強化を行っていかなければならないと考えております。
 加えて、把握いたしましたふぐあい箇所に対して迅速な補修を現場の職員、日々実施をしているところでございます。
 さらには、今ご指摘のようなさまざまな危険性など、市場の業者とも連携をしながら、避難誘導などのソフト対策も強化をしながら、市場運営に支障のないよう対応してまいりたいと考えております。
 経費につきましては、現時点でもう既にそれぞれ市場関係者にご負担もいただいておりますし、都として負担するところは負担をしているということでございます。

○鈴木(錦)委員 知事からのご答弁、コストについての部分、これは築地を存続する部分。今、現状では、当然のことながら通常の経費がかかっておるわけですが、これからかかる経費について、知事はどのようにお考えですかということでお伺いをさせていただきました。よろしくお願いいたします。

○小池知事 今申し上げましたように、築地市場の老朽化した施設、そして設備につきましては、市場の開設者としての責務もございます。
 それに対しまして、かかる費用につきましては、これまでと同様、そしてまた、さらに幾つか改修等が必要な部分につきましては、市場としての費用がかかってくるということで、総額幾らになるかというのは、ただいま調査中でございますので、今この場でお答えすることは不可能かと思います。

○鈴木(錦)委員 コストについてはただいま調査中というところでございますけれども、その調査は、市場の方の担当に指示をされているんでしょうか。

○小池知事 既に指示をしているところでございます。

○鈴木(錦)委員 その指示がされているということで、市場長にお伺いをいたしたいと思います。
 コストが積み上がる、その具体的なスケジュール、それをお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○村松中央卸売市場長 築地市場につきましては、開業以来八十年以上過ぎていることから、さまざまな補修、あるいは維持管理経費がかかっておるところでございます。
 その経費につきましては、先ほどもお話がございましたが、ならして大体年間三億円程度の修繕費がかかっております。

○高橋副委員長 市場長に申し上げます。簡潔にお願いいたします。

○鈴木(錦)委員 市場長、今私が市場長にお伺いしたのは、小池知事が、コスト、これからかかる部分、経常経費ではなくて、それをということで、指示出しをされたということで、その指示の部分とそのタイムスケジュール、どの程度かかってコストが積み上がるのかお伺いをしたところでございます。(小池知事発言を求む)正確な答弁をお願いしたいと思います。市場長、よろしくお願いします。

○村松中央卸売市場長 失礼いたしました。現在、市場につきましては、豊洲市場もそうですが、築地市場も含めて市場の事業継続性ということで、知事から調査を検討ということで議論をさせていただいておりまして、例えば、市場問題プロジェクトチームの方にも市場ごとの収支につきましても把握いたしまして、お示ししたところでございます。

○鈴木(錦)委員 市場長、知事からの指示ですから、きちんと対応していただかないと、これから先の築地市場の存続の部分についても、また、一千三百万都民の胃袋も満たしていて、なおかつ判断もいただく部分で、その答弁では私は納得できません。
 これ以上続けていても時間がございませんから、次に移ります。
 もう一つ懸念がございます。大屋根を初め随所にアスベストが使用されています。知事は、アスベスト法をつくった際の環境大臣だったわけでございますから、アスベストの危険性や取り扱いの困難さを十分に熟知されていらっしゃるはずです。先日も質疑をしたとおり、市場で働く人たちの労働環境問題にもつながることでございます。
 知事の言葉どおり、適切な対応が求められます。老朽化が刻一刻と経過する中で、今後どう対処されますか。知事にお伺いをいたします。

○小池知事 これまでもアスベスト対策は、築地市場におきましてさまざまな方法で対処してこられたと聞いております。また、築地市場全体が老朽化しているということでございますので、改めまして点検の頻度を上げるなどして、ふぐあい箇所に対しましての迅速な補修については、現場の職員、日々実施をしているところでございます。

○鈴木(錦)委員 知事、アスベスト法をつくった際の環境大臣でございますから、この部分は十二分に理解をされていると思いますので、適切な処置を、そして、先ほど耐震補強について申し上げましたが、一昨日、市場長は、六棟は店舗の移動が必要となる場合や、売り場が分断されてしまうなど、営業継続に支障が出ることとなり、十分な工事を実施できないと答弁をされました。いま一度、市場長にご答弁をお願いいたします。

○村松中央卸売市場長 平成八年度から二十五年度にかけまして、築地市場の都有施設のうち、防災上重要な建物などを十六棟選定いたしまして、耐震診断を実施いたしました。
 これらの十六棟のうち、五棟は耐震基準を満たしており、五棟は工事を行うことで耐震基準を満たしております。
 残りの六棟でございますが、市場業者の店舗の移動が必要となる場合や、売り場が筋交いで分断されてしまう、こうしたことから市場業者の営業継続に支障が生じることとなりまして、十分な工事を実施できず、現在、既存不適格となっております。
 築地市場の施設におきましては、点検の頻度を上げるなど、監視の強化に加えまして、把握したふぐあい箇所に対する迅速な補修や避難誘導などのソフト対策も強化いたしまして、市場運営に支障のないように対応してまいります。

○鈴木(錦)委員 市場長に先日の部分のご答弁をいただきました。
 いつ起こるかわからない、また、いつ起こってもおかしくないといわれています首都直下地震、その防災、減災は、都政の最重要課題なのはいうまでもありません。都民の命と財産を守ることは、政治、そして行政の第一義であります。知事の言葉をかりるなら、まさに一丁目一番地です。
 築地継続だとすれば、いえ、移転をするしないにかかわらず、即刻、即刻、耐震補強を行うべきだと考えますが、知事はいかがですか。

○小池知事 先ほど市場長よりお答えをいたしましたように、耐震性につきましては調査を行って、そしてまた、それに対してのお答えも出ている部分もございます。
 今後、このようなふぐあい箇所のみならず、耐震性についても調査をしっかりと行いまして、対策を練っていきたいと考えております。

○鈴木(錦)委員 現実的に、知事、これからちょっとお話をさせていただきますが、現在、都有施設のうち防災上重要な施設の耐震化率は、平成二十八年度末の統計で九九・四%です。一年後の現在は、それ以上に一〇〇%に近い数字かと思います。
 市場長がいった六棟のうち一棟は、防災上重要な施設に位置づけられていないようですが、〇・六%に当たるのが二十九棟。そのうち五棟が築地だということです。
 残りの二十四棟は、職員住宅、また、警察の寮でありまして、二十四棟全てが建てかえを予定されております。残るところが、この築地の五棟だけなんです。
 この現状を明確に、私お伝えさせていただきましたが、これはなぜこうなったのか。豊洲の移転が前提だったからこその措置だったわけでございますから、その前提が崩れることになったとすれば、事は重大であります。
 いかに対応するのか、改めて知事にお伺いをさせていただきます。

○小池知事 先ほどからお答えをしていると考えておりますが、築地市場の老朽化、狭隘化など、課題については指摘をさせていただいておりますし、また、それに対しましても、これまでもさまざまな対策も講じてきたところと聞いております。
 都と市場業者が長年にわたる努力で都民の食の安全と安心を確保できる市場ということで確保してまいりました。(発言する者あり)これをしっかりと……

○高橋副委員長 ご静粛にお願いいたします。

○小池知事 この築地市場の安全性をしっかりと守ってまいりたいと考えております。

○鈴木(錦)委員 知事、非常に残念です。一千三百万都民の命と財産を守る知事が、そして、私たち都議会百二十七名、今欠員一で百二十六ですけれども、私どもも都民の命と財産を守る義務が議会としてございます。
 しかしながら、現実をきちっとお伝えをした上で、今答弁をいただいたわけでございますが、知事のその答弁には、私も、また議会の多くの皆さんが納得ができないと思います。これは都民の皆さんも納得ができないと思います。非常に残念です。
 築地市場は、先ほど小池知事がおっしゃったとおり、また明確に、昭和十年に建設がされました。既に八十二年が経過しています。一般論で伺いますが、建築物の主要構造物の耐久性やコンクリートの寿命は、どう考えられているのでしょうか。財務局長に伺います。

○武市財務局長 私どもは、都有建築物を新たに整備するに当たりましては、適切な維持管理を行った上で、目標使用年数は六十五年以上ということで設定をしてございます。

○鈴木(錦)委員 私たちは繰り返し申し上げていますが、市場移転問題で、業者の皆さんはもとより、都民の皆さんが望んでいるのは早期決着です。
 豊洲移転を目指すのであれば、知事が先頭に立って安心が得られる努力を重ねること。築地にとどまる結論だとするならば、即刻、即刻大規模改修を行い、安全・安心を確保すること。このいずれかが求められているのです。だからこそ、だからこそ、一刻も早い決断が必要なのです。
 知事、いかがですか。総合的に判断することは否定はしません。否定はしませんが、スピード感が重要だと考えます。知事の見解を伺います。

○小池知事 早期の判断をお求めになるご意見は承知をいたしております。一方で、都民の食にかかわる市場の移転については、先ほど来もご指摘があります安全性、そして市場の事業継続性の検証など、着実に踏むべきステップがございます。今、たった今、このステップを一つ一つ踏んでいるところでございます。
 こうしたプロセスを進めることが都民の理解と納得を得る、そしてまた、市場業者の方々が安心して働くことができる、そのような市場の実現につながると、このように考えております。
 まさしく総合的な判断、それを導くためのステップは、日々進んでいるということでございまして、この議会におきましても、そしてまた百条委員会などなどにおきましても、さまざまな過去の検証(発言する者あり)それを踏まえながら、安全性……

○高橋副委員長 お静かにお願いします。よく聞いてください。

○小池知事 この専門家会議も間もなく開かれてまいります。これらが一つ一つのステップとなって、そして総合的な判断に結びつけていこうというのが私の考えでございます。

○鈴木(錦)委員 私の質問は、築地市場の現状、非常に大変な状況をどう知事がスピード感を持って進めるかということ。もしも何かがあったら、知事、やはり知事としての責任は問われますよ。これは間違いないと思います。
 知事にちょっとお伺いしたいんですが、築地の再整備、例えば建てかえなどの選択肢の部分については、ご弁明はございますが、現在地の再整備は長年にわたって検討されてきたというのは、よくご存じだと思いますが、これまで四百億をかけて一度失敗している。そんなことを、この事実を知事はご存じでしょうか。よろしくご答弁をお願いいたします。

○小池知事 この長年にわたるご議論におきまして、さまざまな検証、そしてさまざまな試み、これが行われたことについては存じ上げているつもりでございます。
   〔発言する者あり〕

○高橋副委員長 静かにしてください。ちょっと聞いてください。よく聞いてください。

○鈴木(錦)委員 市場業者の皆さんは、今のままでは生殺しの状態だと悲痛な声を上げています。決断の目途をお示しいただけないでしょうか。このことを都民は望んでいます。ぜひ明快なご答弁をお願いしたいと思います。よろしくどうぞお願いします。

○小池知事 早期の判断を求めるご意見については、先ほども伺いました。
 一方で、都民の食にかかわる市場の移転でございますので、一つずつステップを踏んでいるところでございます。
 また、実際に築地市場で働いておられる方々にもいろんなご意見があることにも私は耳を傾けているところでございますし、また、消費者の安心を求める声、これについてもしっかりと耳を傾けていきたいと考えております。
 そして、これらの一つ一つのステップを踏んでプロセスを進めることが都民の理解、納得、加えれば信頼を得るという方向につながっていくものと考えております。

○鈴木(錦)委員 知事は東京大改革、また、都政改革ということで、本当にこの半年間、私が思うにも全速力で走っているように思います。
 しかし、事この部分について、どうもスピードが減速しているような気がしてしまいます。
 また、答弁についても、常々、歯切れがとてもよい答弁をお伺いしているんですが、どうも一貫してこの件に関して明快にお答えはいただけませんでした。
 まさか、まさかですけれども、ちまたでうわさになっている住民投票などという、みずからの責任回避の道を歩むことはないと思っています。
 ワイズスペンディングを標榜されている知事が、この件で五十億円もの税金を使い住民投票を行うことはあり得ない。そう思います。決断がおくれればおくれるほど、公費負担がかさんでいきます。このことを都民の皆様方がどう評価するでしょうか。
 改めて申し上げます。都民の皆様方が望んでいるのは、一刻も早い知事の決断ですと申し上げて、次の質問に移らせていただきます。
 安心・安全な東京について、昨年末に新潟県糸魚川市で発生した大規模火災は、約四万平米、約百五十棟の家屋が焼失するという、木造密集地域を抱える東京でも発生する可能性があるものであります。
 私も二十年にわたる消防団活動の中で、多くの火災現場に出動し、火災の恐ろしさや、その被害の大きさは十分理解をしているところであります。
 さて、糸魚川市の火災では、急激な火災現場の広がりに消火用水が足りなくなり、コンクリート会社のコンクリートミキサー車が水を補給したとのことです。多くの木密地域がある東京でも、対岸の火事とはいえないところであります。
 都では、震災時の大規模火災に備えて、生コンクリート業者などの協同組合とミキサー車による消火用水の充水作業について協定が締結されています。
 そこで、震災時にコンクリートミキサー車による消火用水を確保するため、連絡体制などの事前計画はどのようになっているのか、また、その計画を実効性あるものにするための取り組みについて、東京消防庁に伺います。

○高橋消防総監 東京消防庁では、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、平成八年に、三多摩生コンクリート協同組合など八団体と震災時における消火活動業務に関する協定を締結しております。
 この協定に基づきまして、震災時に大規模火災における消火用水が不足した場合には、消防署からの要請により、コンクリートミキサー車が出場し、充水作業に当たることとなっております。
 今後とも、震災消防訓練等において協定内容を確認するとともに、事業者が参加した実戦的な訓練を実施するなど、協定の実行性の確保に努めてまいります。

○鈴木(錦)委員 続いて、大規模地震等発生時には、警察、消防、自衛隊などの防災機関と連携することはもとより、発災後七十二時間における的確な初動対応体制を構築することが重要であります。
 そのため、都は、救出救助活動拠点と本部との通信手段確保や、情報収集にかかわる設備の整備等を平成二十九年度も引き続き実施していくと聞いています。
 一方で、発災時において、関係業界団体や事業者との協力も不可欠であります。
 都は、これらの団体等と災害時応援協定を締結しておりますが、発災時は被害状況等、さまざまな場合が考えられ、一律的な対応では的確な初動体制を構築できないと考えます。
 そこで、特に災害時応援協定団体との連絡調整において、バックアップ体制も含めた柔軟な対応が必要と考えますが、所見を伺います。

○多羅尾総務局長 発災時において、都は、さまざまな応急復旧活動を担う民間の協定団体等と密接に連携し、被害状況に応じた活動を行う必要があることから、都と協定団体等との連絡体制の確保が重要でございます。
 このため、固定電話など従来の連絡方法に加え、業務用無線を配備し、連絡手段の多様化を図ってまいりました。
 さらに、協定団体等との間で定期的に通信訓練を実施するとともに、さまざまな災害を想定し、道路障害物除去や物資搬送の訓練等を連携して実施してまいりました。
 今後とも、無線運用に関するマニュアルの見直しや関係者への周知徹底を図っていくなど、連携体制の確保等に向けたさまざまな取り組みを通じ、災害対応の実効性を向上させてまいります。

○鈴木(錦)委員 続きまして、東京スタジアムについて伺います。
 ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会開催まで二年となった本年、東京スタジアムの改修は喫緊の課題であります。
 また、フィールド面の芝の耐久性は、常日ごろ行われているサッカーとは違い、国際的にも望ましいとされているハイブリッド芝の導入も含めて、十分な対応をすべきと考えます。
 そして、開幕式、開幕戦が行われる東京スタジアムには、世界中から多くのVIPが訪れることは、これまでの大会開催を通じて理解していることであり、同様以上に充実したホスピタリティー施設の確保が必要不可欠であります。
 そこで、ラグビーワールドカップ二〇一九に向けて、会場となる東京スタジアムでのホスピタリティー施設の確保や、芝フィールドの対応、スタジアム改修など、会場準備の状況について伺います。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 二〇一九年大会の会場につきましては、東京スタジアムの敷地や既存施設を活用する会場運営計画を、今般、組織委員会と協議して取りまとめました。
 まず、広い空間を必要とするホスピタリティー施設につきましては、大規模な仮設施設を建設せず、隣接する武蔵野の森総合スポーツプラザ、メーンアリーナ棟を有効活用して経費の節約を図ることといたしました。
 また、芝フィールドにつきましては、天然芝と人工芝を組み合わせて耐久性を向上させたハイブリッド芝の導入が可能かどうか確認するため、実証実験を行ってまいります。
 スタジアム改修につきましては、競技用照明の改良や二〇二〇年大会も見据えた施設のバリアフリー化などの対応について現在検討を進めておりまして、今後、工事内容や工事時期を改修整備計画として取りまとめてまいります。

○鈴木(錦)委員 試合会場などの準備とともに、テストマッチの開催に合わせて、開催都市の役割としてファンゾーンの準備も必要です。
 六月に行われるテストマッチでは、昨年と同様にラグビーワールドカップの成功に向けて、ファンゾーンの充実を図るため、イベントを開催し、今後に生かすべきと考えます。
 そのイベントでは、地元の例大祭でみこしの先払いを務める直径三メートルを超える世界で一番の大太鼓を試合の選手入場やファンゾーンでのイベントに参加していただき、地域の宝を上手に活用して、機運醸成を強力に推進すべきであると考えます。
 二〇一九年大会の開催の認知度がとても低い中で、他のテストマッチ開催会場、熊本、静岡や全国の開催都市が連携してPRに取り組む必要があります。
 そこで、ラグビーテストマッチ日本代表対アイルランド代表戦は、二〇一九年大会に向けてファンゾーンの準備や機運醸成のよい機会と考えるが、都の取り組みについてお伺いをいたします。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 都は、テストマッチを二〇一九年大会の開催準備の一環として位置づけて、会場周辺でイベントを行い、ファンゾーン運営の実施検証や機運醸成の場としてまいります。
 具体的には、ラグビーを通じて誰もが気軽に集い、楽しみ、交流できるイベントになるよう、パブリックビューイングやラグビー体験、地元の伝統芸能、アイルランドの食と文化の紹介、飲食ブースなどを展開してまいります。
 また、昨年六月のテストマッチの際に課題となりましたイベント会場への動線や案内誘導、ボランティアの活用に改善を加え、ファンゾーンの計画策定に生かしてまいります。
 さらに、同時期にテストマッチが開催される熊本、静岡を初め、各開催都市と連携して大会PRを行い、二〇一九年大会に向けて開催機運を一層高めてまいります。

○鈴木(錦)委員 二〇一九年大会を成功させるためには、東京スタジアムへの公共交通アクセス面での課題を解決することが必要です。
 そこで、東京スタジアムへの公共交通アクセスについて、都の取り組みについて伺います。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 二〇一九年大会の公共交通アクセスにつきましては、昨年、テストマッチなど、東京スタジアムにおける大規模イベントで交通輸送調査を行い、現在、地元自治体や交通事業者など関係機関と対策の検討を進めております。
 東京スタジアムに訪れる観客は、京王線に集中する傾向がございます。特に二〇一九年大会の開会式、開幕戦は、平日金曜日に開催され、通勤通学の時間帯と重なる可能性があることから、西武多摩川線多磨駅やJR中央線各駅を活用して来場ルートの分散を図る必要がございます。
 今後、駅とスタジアムを結ぶシャトルバスの活用、観客に対する複数ルートの周知など、京王線への集中緩和策について検討を深め、ことし六月のラグビーテストマッチでさらに検証を行い、交通輸送の具体的な計画につなげてまいります。

○鈴木(錦)委員 ラグビーワールドカップ及びオリンピック・パラリンピックの競技会場周辺の鉄道駅について伺います。
 二〇一九年に開催されるラグビーワールドカップでは、五万人の観客が日本のみならず世界中から訪れます。最寄り駅は京王線飛田給駅ですが、府中市に西武多摩川線多磨駅もあります。その駅東側にはバスロータリーなど交通広場はありますが、改札口がありません。
 大規模商業施設の建設計画もあり、駅利用者が増加していく中で、駅の改良に向けた地元府中市や鉄道事業者はどのような取り組みをしていますか。また、今後の都の取り組みについて伺います。

○邊見東京都技監 西武多摩川線の多磨駅については、お話のような駅東側の利用者の大幅な増加に対応するため、府中市と西武鉄道とが昨年から駅舎の改良に向けた検討を進めてきており、都はこれまで技術的な助言を行ってまいりました。
 その結果、二〇二〇年東京大会なども踏まえ、府中市と西武鉄道とで東西自由通路の整備や駅舎の橋上化などを行うこととし、現在、基本協定の締結に向けて手続を進めてございます。
 整備の早期実現に向けて、引き続き両者に対する支援を行ってまいります。

○鈴木(錦)委員 続いて、障害者スポーツについて伺います。
 世界で初めて二度目となる二〇二〇年、平成三十二年パラリンピック開催に向けて、障害のある方々の健康増進と社会参加を促進するため、気軽にスポーツやレクリエーションを楽しんでいただく障害者スポーツセンターは、重要な役割を持つ施設であります。
 我が党はこれまで、利用者の目線に立って、使いやすい施設とすることや競技力向上の拠点として活用すべきであると要望してまいりました。
 昭和五十九年に開設された多摩障害者スポーツセンターは、現在、改修に向けて設計中ということですが、その内容について、どのようになるのかお伺いをいたします。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 多摩障害者スポーツセンターの改修工事につきましては、利用者ニーズ調査も踏まえ、平成二十六年度に改修計画を策定し、老朽化対策、利便性向上及び競技力向上の三つの改修方針を定めました。
 具体的には、老朽化対策として、外壁や内装の修繕、屋上防水、空調設備の更新、照明のLED化などを予定しております。
 次に、利便性向上のため、エントランスなどの内装改修、家族更衣室や宿泊室の間取りの改善、駐車場の通路部への屋根の設置などを行ってまいります。
 さらに、競技力向上のため、プールを五コースから六コースに増加、屋外にスポーツ器具庫を設置し運動スペースを拡大、障害のある方が移動しやすいよう、サウンドテーブルテニス室を地下から移設するなどの工事を行っていく予定でございます。

○高橋副委員長 鈴木錦治委員の発言は終わりました。

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