予算特別委員会速記録第四号

○鈴木(隆)委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。
 これより付託議案の審査を行います。
 第一号議案から第二十七号議案まで及び第八十六号議案を一括して議題といたします。
 昨日に引き続き総括質疑を行います。
 ほっち易隆委員の発言を許します。

○ほっち委員 質問に先立ちまして、三月十四日の当委員会において、日本共産党東京都議会議員団の曽根はじめ議員より、豊洲新市場移転の決定は、あたかも当時の石原知事と都議会自民党だけで進めてきたかのような、都民に重大な誤解を与える発言がありました。
 都政の重要事項は、知事と議会の二元代表制のもと、精力的な審査及び議論を重ねた上で決定することを原則としており、本件についても、当時、第一党であった民主党及び自民党、公明党の大多数の賛成で議決されたものであります。
 よって、一昨日の不正確な発言について抗議するとともに、本委員会での発言の撤回及び当該議事録の削除を改めて求めさせていただきます。
 それでは、知事、よく聞いていただきたいと思います。
 連日、築地市場の豊洲新市場移転の議論が続いております。これは、都政の重要課題であるとともに、都民の皆さんが大きな関心事として結果を見守っております。いいかえれば、知事の判断を待っている、そんな状態だというふうに思います。
 それは、市場開設者としての責任が問われていることではないでしょうか。知事、この予算委員会を都民の皆さんはしっかりとごらんになっていることでしょう。これからの都政運営の行方がどうなるのか、どうすべきか、きちんと議論を重ねていきたいと思います。
 それでは、質問に入りたいと思います。
 人づくりなくしてまちづくりなし、私は、よい人をつくらなければ、よいまちはできないとの信念で、東京の教育現場について質問をいたします。
 社会をつくる基盤は人づくりであり、教育のあり方は、未来の社会を決める大変重要なものであります。そのため、教育においては、どのような家庭環境にあっても、全ての子供がひとしく教育を受けられ、将来の目標を持てるよう取り組みを進めていくことが必要であると考えます。
 また、昨年末の第四回定例会本会議での私の一般質問において、教育について知事に見解をお伺いしたところ、小池知事は、いつの時代にあっても子供は社会の宝であり、人づくりである教育は未来への重要な投資であり、次代を担う子供たちの教育の機会は平等であるべきであるとの答弁をいただきました。
 果たして、現在の子供たちの学びの場はどうでしょうか。都内公立小中学校の学級崩壊について質問をいたしますが、学級崩壊の基準がないとのことですので、まずは都内公立小中学校における子供の暴力行為の実態についてお伺いをいたします。

○中井教育長 昨年度における都内公立小中学校の児童生徒による暴力行為の発生件数の合計は、小学校が四百四十七件、中学校が一千七百八十七件でございます。そのうち、生徒間暴力の件数の合計は、小学校が二百四件、中学校が千六十三件、また、対教師暴力の件数の合計は、小学校が百九件、中学校が二百二件となっております。
 長期的な傾向としては、感情を抑え切れず乱暴をするなどの軽微な暴力が増加している一方で、集団での悪質な暴力は減少している状況が見られます。
 具体的には、小学校の児童が他の児童への乱暴を制止しようとした教員に暴力を加えた事例や、中学生が他の生徒とささいなことから口論になり暴力に及ぶとともに、指導を行った教員に反抗的な態度をとった事例などがありますが、その実態はさまざまでございます。

○ほっち委員 それでは、次に、生徒間の暴力や教師への反抗などが発生する原因や背景として、どのようなことが考えられるかお伺いをいたします。

○中井教育長 生徒間の暴力や教師への反抗等の問題行動が発生する原因については、学校における指導上の課題や子供たちを取り巻く環境の問題など、さまざまな要因や背景が考えられます。
 学校の課題としては、子供たちに約束や社会の決まりを守るなど、規範意識を身につけさせる指導や、互いを認め合うなど子供たち同士の望ましい人間関係づくりを促す指導が、教職員の十分な共通理解のもとに行われていないところがあるなどが挙げられるかと思います。
 また、子供の環境の問題としては、家庭でのしつけが適切になされていなかったり、子供がさまざまなストレスを抱え、自尊感情が高まらなかったりする場合などに問題行動が発生するケースが見られます。

○ほっち委員 そこで、現在、暴力行為等の子供の問題行動を改善するために、都教育委員会はどのような取り組みを行っているかお伺いいたします。

○中井教育長 都教育委員会は、小中学校の子供による問題行動の改善に向け、子供たちの規範意識や自尊感情を高めるための指導事例を示した資料の配布や、これらを活用した研修の実施を通して、学校における道徳教育や生活指導等の充実を図ってまいりました。
 また、全ての小中学校にスクールカウンセラーを配置し、一人一人の子供が抱える問題を解決するための学校教育相談体制の確立に向けた支援も行ってまいりました。
 こうしたことにより、学校からは、教員が子供同士で互いのよさを認め合うことを通して、人間関係や信頼関係を深める活動を授業の中に取り入れるとともに、スクールカウンセラーが、暴力を繰り返す子供に対して感情を抑制する方法を指導するなど、学校全体の組織的取り組みによって、子供たちの暴力行為の改善が図られた事例などが報告されております。

○ほっち委員 私は、教員に暴力を振るうなどの暴力傾向や非行傾向のある子供に対して、これまでの教員だけでの対応というのには限界があるというふうに考えております。教員にこれ以上の負担をかけることは大変厳しい。
 それであるならば、ぜひ学校は、警察官や警察官OBなどの外部人材を積極的に活用して問題行動の改善に向けた指導を行うことが必要というふうに考えますが、都教育委員会の取り組みをお伺いいたします。

○中井教育長 都教育委員会は、学校が関係機関等と連携して暴力や非行等の子供の問題行動を改善できるようにするため、学校に対し、教職員、保護者代表、児童相談所職員、警察職員等から構成される学校サポートチームの設置を促してまいりました。
 現在、全ての小中学校において、その体制が確立しており、教職員だけでは解決が困難な子供の問題等については、学校サポートチームのメンバーが、それぞれの専門性に基づいて適切に役割を分担し、子供への指導やその家庭への支援を行うこととしております。
 今後とも、都教育委員会は、区市町村教育委員会と一体となって、犯罪につながるおそれのある子供の行為について、警察等と緊密に連携して対応し、問題の重篤化を防ぐよう、学校への指導や助言を強化してまいります。

○ほっち委員 小中学生に規範意識等の道徳性を身につけさせるためには、保護者の協力とともに、保護者である親への教育も大変重要であると考えます。
 そこで、保護者への啓発に関する都教育委員会のこれまでの取り組みについてお伺いをいたします。

○中井教育長 都教育委員会は、小中学校等が保護者と連携して児童生徒に思いやりの心や規範意識等の道徳性を育む取り組みとして、これまで道徳授業地区公開講座を実施してまいりました。
 この公開講座を活性化させ、保護者との連携や協力を一層図るため、事前のアンケートにより、話し合いのテーマを設定するなどのすぐれた取り組みを掲載した実施の手引書を毎年作成し、各学校に配布しております。
 さらに、約束や社会の決まりを守ることの大切さについて、保護者が家庭で子供と話し合うことができるよう工夫した道徳教育教材集を全ての児童生徒に配布するとともに、その活用のためのリーフレットを作成するなどして、学校と保護者が一体となって取り組む道徳教育を推進してまいります。

○ほっち委員 そこで、暴力や非行等の問題を繰り返す小中学生に対しては、別室指導や出席停止などの方策により、他の子供の教育を受ける権利を保障する必要があると考えますが、都教育委員会の認識をお伺いいたします。

○中井教育長 学校は、いじめなど他の子供に危害を加える行為を繰り返す子供の問題行動の改善を図るとともに、他の子供とともに望ましい集団生活を送ることができるよう、きめ細かい指導を行うことが不可欠でございます。
 こうした指導にもかかわらず、改善が見られない場合には、学校や所管の教育委員会は必要最低限の期間、別室指導や法令に基づく措置により、他の子供が安心して教育を受けられる環境を確保することも必要でございます。
 また、これらの対応を行う場合には、学校サポートチーム等を活用し、学習指導や反省を促す支援を十分に行うことができる体制を構築することが大切であります。
 今後とも、都教育委員会は、区市町村教育委員会と連携し、問題行動等の未然防止に向けて、学校の取り組みを支援してまいります。

○ほっち委員 続きまして、医療、子育て環境の充実から、不妊治療についてお伺いをいたします。
 私、今現在、四十一歳なんですけれども、私の同級生、いろいろと今悩みを持っています。その中でも、結婚をして、欲しくても授かれない方というのが非常に多くいる。私も結婚してからなかなか授かれなかったという自分自身の体験もありまして、今回このテーマをやらせていただきたいというふうに思っております。
 不妊を心配したり、検査や治療経験のある夫婦の割合は増加傾向にあると聞いていますが、都が実施している特定不妊治療費助成の内容と実績についてお伺いをいたします。

○梶原福祉保健局長 都は現在、高額な不妊治療の経済的負担の軽減を図るため、保険適用とならない体外受精及び顕微授精等の特定不妊治療費の一部を助成しております。
 具体的には、妻の年齢が四十三歳未満の夫婦を対象に、通算六回まで助成しており、新鮮胚移植や凍結胚移植の場合は、初回に三十万円を助成しております。また二回目以降は、国基準の十五万円に都独自にそれぞれ五万円、十万円を上乗せしております。
 これに加えまして、特定不妊治療の一環として行った男性不妊治療費についても、十五万円を上限に助成をしております。
 特定不妊治療費の助成世帯数は年々増加しておりまして、助成を開始した平成十六年度では千六百四十組でございましたが、平成二十七年度では一万三千二百五十四組、延べ二万五百六件となっております。

○ほっち委員 続いて、不妊の原因の約半数は男性にあるというふうにいわれていますが、女性が先に検査を受け、その後、男性が受診をするということが多いというふうに聞いております。
 新たに不妊検査等助成事業を開始するとのことですが、開始に当たっては、男性にも早期に受診をしてもらって、男性と女性、夫婦が一緒になっていろいろと受診をするというふうにしていっていただきたいというふうに思っております。
 この事業の普及啓発をしっかりとやっていく必要があるというふうに考えておりますが、そこで、新たな事業の内容と普及啓発についてお伺いをいたします。

○梶原福祉保健局長 来年度から都が開始をいたします不妊検査等助成事業は、妻が三十五歳未満の夫婦を対象としており、卵巣や子宮の状態を確認する超音波検査、ホルモンの値を測定する血液検査、精液検査等の不妊検査のほか、薬物療法や人工授精等の一般不妊治療に係る費用について、五万円を上限に助成をいたします。
 また、不妊の原因の約半数は男性にもあることから、夫婦がそろって検査を受けることを要件とする考えでございます。
 この事業を広く知っていただくため、今後、ホームページやツイッターで情報を発信するとともに、区市町村の保健センター等の窓口や医療機関を通じてパンフレットを配布してまいります。

○ほっち委員 やはりこういう問題になりますと、女性の方が抱えて悩んでしまうという傾向が多くありますので、できるだけ男性の方にも周知徹底をしていただきたいというふうに要望しておきます。
 続いて、待機児童対策についてお伺いいたします。
 認可保育所など、施設型の保育サービスは、土地の確保や建設費に多くの費用を要し、さらに、計画から開園までに対しても、時間なども多くかかります。また、保育所は、四月開設がほとんどであり、年度途中の入所需要に十分応えられていないというふうに感じております。そして、中には四月から保育所に入所させるため、本来取得できる育児休業を途中で切り上げてしまう保護者も多くいるというふうに伺っております。
 保護者が育児休業をしっかりと取得をし、その後スムーズに職場復帰できるよう、子育てを支援するためには、施設型の保育サービスだけではなくて、機動性、柔軟性のある多様な保育サービスの拡充が必要であるというふうに思っております。
 育休明け保護者の子供たちはゼロ歳から一歳が多く、集団保育よりも家庭的な環境での保育が適した年齢ともいわれます。
 家庭的保育事業が有効な受け皿であるというふうに考えますが、そこで、家庭的保育事業の意義と都の支援策についてお伺いをいたします。

○梶原福祉保健局長 家庭的保育事業は、ゼロ歳から二歳児を主な対象といたしまして、保育者の自宅など家庭的な雰囲気のもとで少人数の乳幼児に対し、同一の保育者によるきめ細かな保育を提供するものでございます。昨年四月一日現在、六百五十九人の方が千九百四十五人を保育しております。
 都は現在、家庭的保育事業の開設を支援するため、保育環境を整えるための改修費や備品購入費等を補助しております。また、保育者の休暇取得時に代替の保育の場を確保する場合や、複数の保育者が共同して保育を実施する場合の支援も行っているところでございます。

○ほっち委員 次に、在宅系の保育サービスとしては、家庭的保育だけではなく、ベビーシッターの活用も有効であるというふうに考えておりますが、ベビーシッターの活用について、都の取り組みをお伺いいたします。

○梶原福祉保健局長 いわゆるベビーシッターの活用についてのお話でございますけれども、区市町村が認可する居宅訪問型の保育サービスは、障害や疾病等により集団保育が困難な場合や、ひとり親家庭で夜勤がある場合などのほか、やむを得ない事由により保育所等での保育を受けることが困難な場合にも利用できることとされております。
 都は来年度から、この事業が積極的に活用されますよう、保護者が負担をしている保育者の交通費を区市町村が軽減する場合、児童一人当たり月額二万円を上限に、その二分の一を補助いたします。また、区市町村が認可外の居宅訪問型の保育サービスを利用する保護者の負担を軽減する場合、児童一人当たり月額四万円を上限に、その二分の一を補助することとしております。

○ほっち委員 次に、保育サービスの拡充を図っていく中で、保育士の確保というのは年々厳しくなってきております。
 保育士の確保、定着に向けた支援も重要ですけれども、地域には、保育資格を持っていなくても子育て経験のある主婦や高齢者など、保育や子育て支援の現場で育児経験を生かして働きたいと、頑張っていきたいという方もいらっしゃいます。
 ぜひ多様な人材の活用について、都の取り組みについてお伺いをいたします。

○梶原福祉保健局長 都は現在、保育や子育て支援サービスの担い手を確保するため、地域で保育や子育て支援の事業に従事することを希望する方を対象に、子育て支援員研修を実施しております。
 そのうち、小規模保育や家庭的保育などに従事する方を対象とした地域保育コースは、今年度、子育て経験のある主婦や高齢者を初め約千六百人の方が受講しておりまして、来年度は受講定員を千八百四十人とする予定でございます。
 また、昨年度から、保育所などでの遊びや絵本の読み聞かせなど、高齢者がその経験を生かすことができる仕組みづくりを行う区市町村を支援しております。

○ほっち委員 続いて、家庭的養護の推進についてお伺いをいたします。
 都における養育家庭の登録数は、緩やかながら増加しているというふうに聞いていますが、家庭的養護の一層の推進が求められる中、さらにふやしていくことが必要です。
 そのため、さまざまな人材に働きかけることも有効であると考えますが、養育家庭の登録の拡大を図るため、都の取り組みについてお伺いをいたします。

○梶原福祉保健局長 都は、養育家庭の登録数をふやすため、毎年十月、十一月の里親月間を中心に、区市町村や民間団体と連携いたしまして、体験発表会を開催いたしますとともに、ホームページ、広報誌、フリーペーパーを活用し、養育家庭制度を広く都民に周知をしております。
 こうした取り組みに加えまして、今年度から、里親支援機関に里親開拓コーディネーターを配置し、教育委員会や企業と連携しながら、高校の教員や子育て支援に関する社会貢献活動を行う企業の社員に向けた説明会を開催するほか、小中学校のPTAに対して制度の周知を行うなど、子育てに関心のある方を対象とした普及啓発を行っております。

○ほっち委員 次に、養育家庭の登録数をふやすことは必要ですけれども、養育家庭をふやすだけでは委託の促進にはつながりません。登録している養育家庭の中には、子育て経験のない家庭が多いと聞いていますけれども、委託された児童が安心して生活するためには、養育力の向上が不可欠というふうに考えます。
 そこで、養育家庭の養育力向上のための都の取り組みについてお伺いをいたします。

○梶原福祉保健局長 都は、養育家庭の養育力の向上を図るため、登録時や二年ごとの更新時等に、養育の基本知識や技術を習得するための研修を行っております。また、乳児の受託を希望する方への研修や、虐待や障害等により個別的な支援を必要とする児童を受託する専門養育家庭への研修、思春期の児童への対応や自立に向けた支援など、児童一人一人の状況に応じた接し方を学ぶための課題別研修を実施しております。
 さらに、今年度から新たに、里親支援機関に里親トレーナーを配置いたしまして、児童を委託していない登録家庭に対して、個別に養育力向上のためのプログラムを作成し、子供の発達に応じた対応や乳幼児の病気の際の対処法等についての研修を行いますとともに、乳児院や児童養護施設での実習を行っております。

○ほっち委員 続きまして、都施行の土地区画整理事業であります足立区の六町地区の事業進捗について、まずはお伺いをしたいと思います。

○邊見東京都技監 六町土地区画整理事業については、都は、つくばエクスプレスの導入空間を確保し、六町駅を中心とした地域の拠点を形成し、周辺市街地の秩序ある発展を図る、これらを目的として、鋭意事業を進めてきてございます。
 事業進捗については、権利者に新たに整備した宅地、すなわち仮換地を引き渡した面積は、本年一月現在で約二十四ヘクタール、面積ベースの進捗率は約四九%となってございます。

○ほっち委員 権利者の多くは、新しい換地先での速やかな生活再建というものを求めております。しかしながら、事業全体として進捗が見られる一方で、一部の区域においては、権利者から、仮換地の整備がおくれ、換地先での生活再建のめどが立たない、予定どおり進んでいないというふうなことをよく耳にします。
 そこで、一部の地域で事業が遅延している要因についてお伺いをいたします。

○邊見東京都技監 本地区では、各年度の工事区域の一部で、土壌汚染の処理や建物基礎などの地中障害物の撤去など、当初想定していなかった工事が必要となってございます。また、権利者の移転に時間を要し、工事着手におくれが出るケースもございます。
 これらのことが、道路や下水道などの整備や、新たに引き渡す宅地の整備のおくれなどにつながってございます。

○ほっち委員 例えば、手続に時間を要する土壌汚染の存在が発覚しても、仮換地の引き渡しを初めとする事業のスケジュールがおくれないよう、その処理を計画的に進める対策が必要であるというふうに考えます。
 そこで、早期の事業完了に向けてどのように進めるのか、お伺いをいたします。

○邊見東京都技監 事業の長期化が懸念されたことによりまして、平成二十六年度から年間の建物の移転件数を約百件から約二百件に倍増させ、事業のスピードアップを図ってございます。
 また、土壌汚染の地歴調査につきましては、これまで工事の実施年度ごとに行ってきましたが、今年度は、今後工事を予定する全ての区域を一括して行っており、汚染のおそれがある箇所をより早期に把握し、工程のおくれの防止に努めてございます。
 これらの取り組みにより、着実な事業の進捗を図り、平成三十二年度末の工事の概成に向け、鋭意取り組んでまいります。

○ほっち委員 次に、都が現在力を注いでいる無電柱化についてお伺いをいたします。
 無電柱化については常々、区画整理事業のような面での整備事業で、新たに道路を整備する機会を捉えて無電柱化に取り組むことが効率的に進められる方法だというふうに考えております。
 まさに、今質問をさせていただきました六町地区というのは、都みずからが区画整理事業を実施している貴重な現場であります。
 そこで、六町地区における無電柱化の取り組みについてお伺いをいたします。

○邊見東京都技監 六町地区では、補助第一四〇号線など全ての都市計画道路や地区の表玄関である六町駅前の交通広場について無電柱化を進めてございます。
 また、区画道路につきましては、地中化を実施した都施行の他の事業地区を参考事例といたしまして、将来の道路管理者である地元区とも協議しながら、地上機器の設置場所や施工方法など、無電柱化の実施に向けた検討を進めてございます。
 これらの取り組みにより、安全で歩きやすく、景観にすぐれたまちを目指してまいります。

○ほっち委員 よろしくお願いをいたします。
 続きまして、ホームドア、バリアフリーについてお伺いをいたします。
 ホームドアについて、都のこれまでの取り組みについてお伺いをいたします。

○邊見東京都技監 利用者の安全性確保のため、ホームドアの整備を促進するには、鉄道事業者の積極的な取り組みが不可欠でございます。
 都は、こうした取り組みを支援するため、地下鉄の駅、あるいはJRや私鉄の利用者十万人以上の駅を対象として、補助を実施してございます。
 その結果、事業者の自主的な取り組みも含めて、これまでに都内の約三割の駅でホームドアが設置されてございます。

○ほっち委員 私の地元足立区内を走るつくばエクスプレス、日暮里・舎人ライナーには既にホームドアは整備済みですが、東武線や東京メトロ千代田線については未整備であります。
 これら区内区間の各駅への見通しはいかがでありましょうか、お伺いをいたします。

○邊見東京都技監 足立区内の東武スカイツリーラインにおいては、北千住駅の一部のホームで、平成三十二年度までに、相互直通運転している東京メトロ日比谷線に合わせてホームドアを先行的に整備をいたします。
 これに続き、北千住駅のその他のホーム及び小菅駅から竹ノ塚駅まで、区内に残る五つの駅全てで整備に着手する予定でございます。
 同じく東京メトロ千代田線においては、北綾瀬駅では既に整備が完了しており、残る北千住駅及び綾瀬駅についても、平成三十二年度までに整備が完了する予定でございます。

○ほっち委員 引き続き、都として鉄道事業者に働きかけを行っていただきたいというふうに強く要望させていただきます。
 また、区が駅を中心にバリアフリー化を重点的に進める地区を指定し、ホームドアやエレベーター等の整備計画を含むバリアフリー基本構想を策定することも重要だというふうに考えます。
 区におけるバリアフリー基本構想の促進に向けて、都はどのような取り組みを行っているのか、お伺いをいたします。

○邊見東京都技監 区市町村が、駅とその周辺地区においてバリアフリー基本構想を策定し、重点的かつ一体的にバリアフリー化を進めることは、お話のように重要でございます。
 このため、都は、区市町村が設置する基本構想策定のための協議会に参画し、鉄道事業者等との協議、調整が円滑に進むよう技術的支援を行うとともに、策定に係る経費について区市町村への補助を実施してございます。
 足立区に対しては、平成二十七年度から支援を行っておりまして、今年度中に梅島駅及び五反野駅を含む区役所周辺地区の基本構想を策定する予定でございます。
 引き続き、他の地区につきましても、基本構想の策定が進むよう支援してまいります。

○ほっち委員 我が区の玄関口でもあります重点整備地区に指定されている北千住などについても、今後計画を策定できるよう、引き続き区への支援をお願いしたいというふうに思っております。
 続きまして、緊急運搬体制の充実、高齢者施設からの運搬要請についてお伺いをいたします。
 都における救急車による患者の搬送件数は年々増加しており、平成二十七年には過去最高の六十七万三千件となっております。特に、高齢者の救急搬送は大きく伸びており、全体の約五〇%となっております。
 また、入院患者が他の病院に転院する際の救急車での搬送も増加しており、救急搬送全体の約六%に当たる約四万件となっていますが、都が行った調査では、約半数は緊急性に乏しいという結果と聞いております。
 今後、救急需要がますます増大することが予測される中で、都民に迅速に救急医療を提供するためには、救急車の適正利用の促進が重要であるというふうに考えますが、都の取り組みをお伺いいたします。

○梶原福祉保健局長 今お話しのとおり、転院搬送件数は増加傾向にございますが、平成二十六年に都が行いました実態調査では、その半数以上は緊急度が低いという事案でございました。
 今後も、高齢化により救急搬送件数の増加が見込まれておりますことから、緊急度の高い患者に迅速に救急医療を提供するためには、転院搬送についても救急車の適正利用を促進することが必要でございます。
 このため、都では来年度、東京消防庁や東京都医師会等と連携して、転院に際し、医療機関が救急車を要請する場合のルールを作成いたします。
 また、医療機関が所有する、いわゆる病院救急車や民間の事業者を活用して転院搬送を行う医療機関に対して、医師などの医療従事者が同乗するための費用や民間救急車の利用に要する費用等の補助を開始することとしております。

○ほっち委員 また近年、高齢者施設からの救急要請も増加していますが、施設において入所者が体調を崩した際に、かかりつけ医や持病などの入所者の情報が円滑に救急隊に伝えられないことにより、搬送先の医療機関の選定に時間を要するなど、搬送時間が長くなるケースもあるというふうに聞いております。
 高齢者施設の入所者を緊急度に応じて適切に医療機関へ搬送することが求められると考えますが、所見をお伺いいたします。

○梶原福祉保健局長 先ほど申し上げました調査では、高齢者施設から医療機関に搬送した事案の約四分の一で、入所者の既往歴や服薬状況など搬送先を選定する際に必要な情報提供が不十分であったと救急隊は回答しておりまして、情報が不十分な場合、医療機関への照会回数が多くなる傾向も見られました。
 こうしたことを踏まえまして、都は来年度、東京都医師会、東京消防庁、高齢者施設等の関係機関と協力をして、高齢者施設における救急対応の手引を作成いたします。
 手引には、救急車を要請する際のポイントや救急隊に伝えるべき情報などを盛り込む考えでございまして、高齢者施設が緊急時の対応を適切に行えるよう、地域救急会議等を通じてその活用を働きかけてまいります。

○ほっち委員 ありがとうございます。
 次に、避難所における応急給水の強化についてお伺いをいたします。
 首都東京で一たび地震が起これば、甚大な被害が発生をし、発災時の避難所には水を求める多くの人々が集まるため、避難所で確実に飲み水を確保する公助の取り組みは極めて重要であります。
 大規模な震災等発生時に建物などの倒壊が多数生じれば、都民が蛇口から飲み水を確保することができず、自助、共助の取り組みが限界となることも想定をされます。そのため、より確実に飲み水を確保する都民の命をつなぐ仕組みが重要ですが、避難所における応急給水の強化についてお伺いをいたします。

○醍醐水道局長 お話のとおり、命に直結する水の確保は東京水道の使命でございまして、発災時に多くの人々が集まる避難所におきまして、可能な限り給水を継続するための公助の取り組みは極めて重要でございます。
 このため、水道局におきましては、発災時でも避難所で飲み水を確保できるよう、供給ルートの耐震継ぎ手化を進めるとともに、今年度からは順次、区市町と覚書を締結し、避難所の敷地内に蛇口つきのスタンドパイプが取りつけられる応急給水栓を設置することといたしました。
 この取り組みによりまして、避難所建物内の給水管に万が一被害が生じたとしても、区市町の迅速な応急給水が可能となります。
 これまで既に八つの区と覚書を締結しており、引き続き他の区市町とも覚書を締結し、平成三十一年度末までに区市町が指定する都内全ての避難所施設約二千六百カ所への設置完了を目指してまいります。

○ほっち委員 ぜひ震災等の非常時においても、命に直結する水を提供できる体制の強化に向け、今後も区市町と連携して取り組みを推進していただくことを強く要望させていただきます。
 続いて、都立駒込病院におけるがん医療への取り組みについて質問をさせていただきます。
 日本人の二人に一人はがんにかかり、三人に一人はがんで亡くなるといわれております。私の父も、私が中学三年、十五歳のときに胃がんで亡くなりました。だからこそいうのではないんですけれども、都民が安心した生活を送るためには、がん医療の充実が必要であるというふうに私自身は思っております。
 そこでまず、がんのリーディングホスピタルである都立駒込病院におけるがん医療の取り組みについてお伺いをいたします。

○内藤病院経営本部長 都立駒込病院は、都内に二カ所しかない都道府県がん診療連携拠点病院の一つでございまして、がんの専門診療科を設置するとともに、放射線診断や病理など中央診療部門を充実して、高度で専門的ながん医療を提供してございます。
 治療に当たりましては、手術、放射線治療、化学療法を効果的に組み合わせた最新の集学的治療に取り組みまして、合併症を初め困難な症例にも積極的に対応しております。
 特に放射線治療では、副作用を抑え、治療効果の高い三種類の高精度放射線治療装置を病態に応じて使い分けており、来年度はさらに一台の増設を予定してございます。
 また、病態に応じた適切な医療を提供できるよう、複数の部門が横断的に連携、協働するキャンサーボードをいち早く設置するとともに、豊富な症例を活用した臨床研究も積極的に推進しております。

○ほっち委員 駒込病院では、都内でもまさにトップレベルのがん医療が提供されており、都民にとって非常に心強い存在であります。
 そこで、駒込病院においては、患者に最適な治療方法をどのように提案しているのか、お伺いをいたします。

○内藤病院経営本部長 がん治療におきましては、複数の治療法を組み合わせて対応することが求められ、単一の診療科の知識や経験だけでは必ずしも最良の医療が提供できない状況がございます。
 また、痛みのコントロール、食事療法、心理ケア、退院後の療養生活、経済的問題等、生活の質を考慮した治療法を患者の状況に応じて総合的に提案する必要もございます。
 このため、駒込病院では、担当する診療科のみならず、関係する診療科の医師、さらにはチーム医療を行う看護師、薬剤師、栄養士、医療ソーシャルワーカーなど、多職種の医療スタッフも加わりましたキャンサーボードを常設しており、年間四百回以上開催してございます。
 このキャンサーボードを活用して個々の患者の治療法を議論することで、病状や患者さんの心情に応じて治療選択肢を広げるとともに、治療レベルの向上を図っております。

○ほっち委員 こうしたさまざまな職種のスタッフが協力をして、それぞれの専門スキルを発揮することで、患者の生活の質の維持向上、さらには患者の人生観を尊重した治療の実現をサポートしているというふうに思います。
 そこで、駒込病院では、臨床研究によって得られた知見をどのように活用しているのか、お伺いをいたします。

○内藤病院経営本部長 都立病院は、高い医療水準と豊富な症例を有していることから、臨床研究を適切かつ十分に行うことができる環境にございます。特に、さまざまながん症例が得られる駒込病院は、極めて有用な立場にあるといえるとも考えております。
 こうした都立病院の持つ医療機能や診療実績を生かし、特色ある臨床研究を行うことは、都民へ提供する医療の一層の向上に役立つとともに、優秀な人材の確保、育成にもつながるものと考えております。
 さらに、臨床研究で有効性や安全性が確認された治療法を保険外診療として提供し、その症例数を積み重ねることで保険診療が拡大される可能性もございます。
 このことは同じ病気で苦しむ多くの患者の負担軽減にもつながるものでございまして、駒込病院では、現在、手術支援ロボットを活用した大腸がんの手術の臨床研究を進めてございます。

○ほっち委員 ありがとうございます。
 患者のニーズを踏まえた質の高い医療を継続して都民に向けていただきたいということを強く要望させていただきます。
 続いて、多摩産材の利用拡大についてです。
 私も昨年あたりから発症しておりますけれども、花粉症というのになっております。都民の三・五人に一人が花粉症というふうな話もありますけれども、本当にまさに社会的問題だなというふうに思っております。
 そこで、花粉症の抜本的対策としては、花粉症の発生源の削減というのが不可欠であります。削減をしても、その中でも、そこで多摩産材のさらなる利用拡大というものも図っていかなければいけない。削減しただけでは、その使い道を考えなければいけないというふうに思っております。
 都民が多摩産材のよさを実感できるような新たな取り組みを展開することが必要と考えますが、都の取り組みをお伺いし、私の質問を終わります。

○藤田産業労働局長 現在、都では、多摩産材の利用拡大に向け、多くの都民の目に触れ、PR効果が高い公共施設や民間施設に多摩産材を使うことで、認知度向上を図る取り組みを進めております。
 来年度は、都民の日常生活の中での多摩産材の利用を進めるため、新たに家具や什器等の製品開発や、その普及に対する支援を開始いたします。
 また、住宅の購入希望者に多摩産材を直接体感していただくため、民間の住宅展示場に多摩産材を使ったモデルハウスの整備を進めるとともに、ハウス内に設置するPRコーナーで、家具等の木製品の展示や木材利用への理解を深めるための情報発信を行ってまいります。
 こうしたさまざまな取り組みを進めることにより、東京の木、多摩産材のさらなる利用拡大に努めてまいります。

○鈴木(隆)委員長 ほっち易隆委員の発言は終わりました。

ページ先頭に戻る