予算特別委員会速記録第三号

○高橋副委員長 北久保眞道委員の発言を許します。
   〔高橋副委員長退席、委員長着席〕

○北久保委員 初めに、築地市場の豊洲移転問題についてですが、連日申し上げているとおり、いわゆる推進派といわれる方も、反対派といわれる方も、一刻も早い知事の決断を望まれています。ぜひこのことを受けとめていただきたく、よろしくお願いいたします。
 それでは、質問に入ります。
 初めに、観光施策について伺います。
 私は、平成二十七年第三定例会において、地域の観光振興について一般質問させていただきました。
 東京オリンピック・パラリンピック大会の開催に向け、国内外の多くの観光客が東京に観光で訪れます、このようなときこそ、自治体の区域を超えた観光振興が必要であると質問させていただき、局から、東京の観光振興を効果的に進めるため、各地域が協力し、さまざまな観光資源を組み合わせ誘客に結びつけることは重要であります、広域的に連携し、観光振興に取り組む地域の意欲が高まっていることから、そうした状況に適切に対応できるよう、支援の充実について進めてまいります、複数の地域が連携して行う広域的な取り組みを積極的に後押しするとの答弁をいただきました。
 多摩・島しょ地域には広大な自然公園が広がっています。こうした自然公園を活用した観光振興の充実が必要であります。
 しかし、問題は、各観光資源を結ぶアクセスであります。観光スポットまでのアクセスがない、駐車場もない状況であります。観光スポット間を歩くには遠過ぎる、帰りのアクセスが確保できない。例えば、電動自転車の活用なども考えてよいかと思います。
 こうした状況の中、多摩・島しょ地域の観光振興のため、自然公園を生かした取り組みや観光スポットをめぐる交通手段の充実を図っていくことが重要であると考えますが、都の見解を伺います。

○藤田産業労働局長 これまで都は、多摩の豊かな自然を生かし、森林の散策ルートの途中に眺めのよい広場を設けるほか、小笠原諸島の自然に親しむエコツーリズムのニーズ調査を行ってまいりました。
 来年度は、多摩と島しょに広がる自然公園をモニターが訪れる四回のツアーを実施し、旅行者の誘致に結びつけてまいります。
 また、多摩・島しょの観光スポットをめぐる交通手段の充実に向け、都は、西多摩や島の観光協会等が電動アシスト自転車を購入する経費の三分の二について、一団体百万円を上限に助成を行っております。
 今後は、自転車を用いて快適に周遊できる地域を調べ、多摩で助成の対象となるエリアの拡大を図ってまいります。
 こうした取り組みによりまして、多摩・島しょ地域の観光振興を着実に進めてまいります。

○北久保委員 次に、インフラツーリズムの促進事業について伺います。
 都内の各地域には、観光客の誘致を図る上で大きなポテンシャルを持ちながら、いまだに十分に活用されていない観光資源が数多くあります。これらを掘り起こし、観光資源として集客の力を高める取り組みを確実に後押ししていくことが重要と考えます。
 巨大なダムや河川にかかる数々の橋は、都市活動を支える重要な役割を担っています。観光ツアーにより、都民が公共インフラに触れることで、改めてインフラの意味や東京の持つ技術力の高さを理解することは重要であると考えます。小河内ダム、村山上貯水池、村山下貯水池、山口貯水池など、そのよい例であります。
 東京にはまだまだ多くの公共インフラが存在しています。このようなインフラツーリズムのさらなる充実が必要と考えますが、都の見解を伺います。

○藤田産業労働局長 都が保有をいたします公共インフラを活用して旅行者の誘致を進める地域のアイデアについて、都は今年度、民間のノウハウにより観光ツアーをつくり上げる支援を行ったところでございます。
 こうしたツアーの数をふやしていくため、来年度は、都のほかに、国や区市町村の持つ公共インフラを含め、それらをモニターがめぐる観光コースについて旅行会社等から提案を募ってまいります。その中からすぐれたコースを選び、旅行会社とともに、都が一千万円を上限に負担を行い、ツアーを作成し、アンケート調査等を行いまして、ニーズ把握や効果検証を行ってまいります。
 また、こうしたサポートによる公共インフラのツアーをウエブサイトで紹介し、民間の旅行会社による新たなコースの作成に結びつけてまいります。
 このような取り組みによりまして、公共インフラを活用したツアーの広がりを着実に後押ししてまいります。

○北久保委員 横田基地の軍民共用化について伺います。
 国では、二〇二〇年の訪日外国人数を四千万人とし、それ以降もさらに六千万人に増加させようとしている中で、どこにそれらの人をおろすのかという点などから、横田基地の軍民共用化が必要だと考えます。
 軍民共用化に向けた都の取り組みについて伺います。

○邊見東京都技監 横田基地の軍民共用化は、首都圏西部地域の航空利便性の向上や、多摩地域の観光など、産業の振興にも資するものでございます。
 また、二〇二〇年大会やその先を見据えると、お話のように、海外からの来訪者のさらなる増加が見込まれるところでございます。
 この問題は、外交、安全保障にかかわることから、国と連携して取り組んでいくことが不可欠であり、今後とも、さまざまな地元の声も聞きながら、国に日米協議の進展を働きかけてまいります。

○北久保委員 多摩・島しょ地域のまちづくりに資する道路整備の推進について伺います。
 都議会自民党は、多摩・島しょ地域の産業振興や防災性向上に寄与し、地域のまちづくりに資する道路整備を推進するため、市町村との連携や支援について一層の充実を図るよう求めてきました。
 さきの第四定例都議会で、我が党の一般質問で、まちづくりに資する地域に密接に関連した都道を、都と市町村が連携協力して整備することを求めたのに対し、建設局は、新たに第三次みちづくり・まちづくりパートナー事業を計画策定すると答弁しました。
 そこで、多摩地域において、都と市町村が連携して地域のまちづくりに資する道路をどのように整備していくのかお伺いいたします。

○西倉建設局長 委員お話のみちづくり・まちづくりパートナー事業は、地元市町村から特に要望が強く、地域のまちづくりに寄与する都道を、都と市町村が連携協力して整備する極めて重要な事業でございます。
 今回、第三次みちづくり・まちづくりパートナー事業を新たに平成二十九年度から十カ年、総事業費約二百九十億円で実施いたします。
 本事業では、市町村からの要望を踏まえまして、現在事業中の八路線、約三キロメートルに加えまして、市役所や公園など公共施設へのアクセス向上、駅周辺におけるまちづくりの促進や交通の円滑化等の視点から、新たに十路線、約四キロメートルを選定し、全体で十一市十八路線、約七キロメートルを整備いたします。
 今後とも、市町村と連携し、多摩地域のまちづくりに資する都道の整備を積極的に推進してまいります。

○北久保委員 また、昨年の予算特別委員会で、国土強靭化の視点から道路整備の重要性を取り上げ、都道や国道に比べ整備がおくれている市町村道への新設や改良費の補助とともに、橋梁やトンネル等の老朽化対策への補助金拡充を求めてきました。
 そこで、多摩・島しょの市町村道に対する老朽化対策の新たな取り組みについて伺います。

○西倉建設局長 市町村道は、都道や国道と一体となって地域交通を支え、災害時における避難、救援など防災性の向上にも寄与する重要な都市基盤でございます。
 しかしながら、橋梁やトンネル等の老朽化への対応のおくれが不測の事態を招き、地域に大きな影響を及ぼすことも懸念されます。
 このため、都は、従来からの市町村道の新設や改良に加えまして、今年度より、橋梁の老朽化対策である長寿命化につきまして財政的支援を行っております。
 さらに、来年度より、トンネル等道路施設につきまして新たに補助対象とするとともに、橋梁やトンネル等の点検及び計画策定につきましても補助を拡充することとし、市町村に対しまして、一層の取り組みを促してまいります。
 今後とも、都道の整備推進とともに市町村道への支援を着実に実施し、多摩・島しょ地域の振興に貢献してまいります。

○北久保委員 私は、平成二十六年第三定例会において、都市計画道路について一般質問させていただきました。
 魅力にあふれ、活力に満ち、安全・安心が確保された多摩の実現に向けては、多摩地域の豊かな潜在力を引き出し、新たな発展を加速させる必要があり、そのためには、人と物の流れをスムーズにする道路ネットワークの充実が不可欠であります。
 しかしながら、多摩地域における都市計画道路の整備率はいまだに六割に満たず、とりわけ私の地元東村山市では二割にも満たない状況であります。道路ネットワークは道半ばであり、早期の整備を望む声が高まっています。
 そこで、東村山市の都市計画道路にかかわる取り組みについてお伺いいたします。

○西倉建設局長 都は現在、東村山市内におきまして、多摩南北主要五路線の一つであります府中所沢線の東村山三・三・八号線を初め、三路線五カ所、延長約五キロメートルにつきまして事業を進めております。
 さらに、昨年三月に策定いたしました第四次事業化計画の優先整備路線では、都と埼玉県を連絡する東村山三・四・三五号線などを、また、今回策定いたします第三次みちづくり・まちづくりパートナー事業では、都と市が連携協力して整備する都道としまして、東村山駅へのアクセスを強化いたします東村山三・四・五号線など、合わせて五路線五カ所、延長約二・一キロメートルを新たに選定し、事業化に向け取り組んでまいります。
 今後とも、地元市と連携し、東村山市内の道路整備を積極的に推進してまいります。

○北久保委員 次に、無電柱化について伺います。
 東京都は平成三十六年度までに、計画幅員で完成した都道の第一次緊急輸送道路の五〇%を無電柱化する計画ですが、多摩と区部の現在の整備状況を伺います。

○西倉建設局長 無電柱化は、都市防災機能の強化、良好な都市景観の創出、安全で快適な歩行空間の確保を図る上で重要でございます。
 都は現在、第七期の無電柱化推進計画に基づきまして、センター・コア・エリアはもとより、都市の防災力を高めるため、周辺区部や多摩地域の第一次緊急輸送道路、主要駅周辺などを中心に無電柱化を進めますとともに、都市計画道路を整備する際には、同時に無電柱化を図っております。
 平成二十八年度末の計画幅員で完成した都道の地中化率は、区部で五八%、多摩地域で一八%、都内全体では四〇%となる見込みでございます。

○北久保委員 多摩は歩道も狭く、狭い中に埋設物も多いために無電柱化は難しい部分もあります。また、災害用の緊急輸送道路も無電柱化が難しいのが現状です。
 今後の多摩地域での無電柱化の取り組みについて伺います。

○西倉建設局長 多摩地域では、第一次緊急輸送道路であります東八道路などを中心に無電柱化事業を実施しておりまして、平成二十九年度から新奥多摩街道で新たな区間に着手するなど、着実に事業を推進してまいります。
 また、都市計画道路の整備に合わせました無電柱化につきましては、多摩南北主要五路線の一つでございます府中所沢線の国分寺三・二・八号線などで事業を進めてまいります。
 今後とも、都市防災機能の強化に向けまして、道路の新設や拡幅を行う場合など、さまざまな機会も捉えまして、無電柱化の推進に積極的に取り組んでまいります。

○北久保委員 次に、高速道路ネットワークの構築も重要な課題であります。
 これまで東京都は、三環状道路の整備を推進してまいりました。高速道路の整備が進み、利便性が向上することは大変喜ばしいことであります。
 一方、北多摩地域は、関越道と中央道のはざまに位置し、高速道路利用が不便な地域であります。都民感覚としては、十分、十五分走れば高速道路は使えるものという感覚が、特に区部にはあると思います。
 東村山から新宿までは、一般道を利用し、朝の通勤時間帯ですと二時間を要するときもあります。同じ都心からの圏域である府中などでは中央高速を利用できるために、四、五十分で到着できます。
 多摩地域の高速道路利用不便地域の解消に向けた道路ネットワークをどのように考えるのか、見解をお伺いいたします。

○邊見東京都技監 多摩地域の発展や地域の利便性向上のためには、高速道路網とそれにアクセスする一般道を一体的に整備して、全体として効果的に機能させることが重要でございます。
 現在、外環につながる東八道路など、高速道路にアクセスする都市計画道路の整備を推進してございます。
 北多摩地域では、昨年十二月に、中央道の国立府中インターチェンジにつながる立川東大和線の整備に向けた環境アセスメントの手続に着手してございます。加えて、この地域の利便性を向上させるには、将来、東西方向の新五日市街道線が大きな役割を担うことになります。このため、第四次事業化計画で優先整備路線に位置づけ、現在、福生市区間の都市計画変更手続を進めてございます。
 今後とも、多摩地域の交通利便性の向上に資する道路ネットワークの形成に向け、積極的に取り組んでまいります。

○北久保委員 多摩地域には、多摩新宿線や核都市広域幹線道路といった自動車専用道路の構想もあると聞きます。抜本的にはそのような道路も必要だと理解していますが、合意形成も含め、時間がかかると思います。
 また、骨格となる道路の整備もおくれているのが現状であります。できることから部分的に取り組み、効果を早期に発現させるといったこともアイデアの一つと考えます。二〇四〇年代に向けたグランドデザインを検討している今だからこそ、柔軟な発想で検討していただきたいと思います。
 次に、連続立体事業について伺います。
 西武新宿線東村山駅付近連続立体交差事業における高架下利用について、鉄道の連続立体に伴うまちづくりについては、都は、橋げたと橋梁をつくることですが、完成後のまちづくりにこれまでのノウハウを生かし、市等にアドバイス等を行うべきではないのでしょうか。市単位でまちづくりをするのは限界を感じるところであります。有効利用をお互いに考えるべきではないでしょうか。
 そこで、何点かお伺いいたします。
 都の連続立体事業における利用事例等をお伺いいたします。

○西倉建設局長 連続立体交差事業によりまして新たに創出される高架下は、貴重な都市空間でございます。このため、まちづくりの観点から有効に活用することが重要でございます。
 これまで都が行ってまいりました連続立体交差事業では、駐輪場や公園、商業施設、保育所などさまざまな地域ニーズに沿った利用がなされております。
 例えば、保育所はこれまでに十カ所で開所し、約五百人分の定員確保につながっておりまして、駅に近いことから利便性が高く、保育士の確保がしやすいとの声もあるなど、利用者や運営者から好評を得ております。

○北久保委員 地元市が利用できる高架下面積はどのくらいになるのか、お伺いいたします。

○西倉建設局長 連続立体交差事業に伴います高架下利用につきましては、国が定めた要綱によりまして、地方公共団体等は、鉄道事業者の業務に支障がない限り、高架下に公共の用に供する施設を設置可能と規定されております。
 この要綱におきましては、都市側が一五%、鉄道事業者が八五%の利用割合となっております。

○北久保委員 西武新宿線東村山駅付近の連続立体交差事業における高架下利用について、東京都はどのように有効利用を図るのか、伺います。

○西倉建設局長 西武新宿線東村山駅付近の連続立体交差事業は、鉄道を高架化することによりまして、府中街道など五カ所の踏切を除却することで道路ネットワークの形成を促進し、交通渋滞や地域分断を解消するとともに、地域の活性化に資する極めて効果の高い事業でございます。
 都は、東村山駅付近の貴重な都市空間である高架下を有効利用するため、高架橋工事の進捗に合わせまして、地元市及び鉄道事業者とともに高架下利用検討会を設置する予定でございます。この検討会におきまして、地元要望や多様なニーズを踏まえました利用計画を作成してまいります。
 今後とも、地元市や鉄道事業者と連携し、地域の理解と協力を得ながら本事業を着実に推進いたしますとともに、高架下が有効に利用されるよう積極的に取り組んでまいります。

○北久保委員 次に、震災対策の広域的な連携体制にかかわる課題について伺います。
 東京都はこれまで、知事会や九都県市等の枠組みによる相互応援協定を締結し、大規模災害発生時の広域的な連携体制を構築してまいりました。
 大規模災害が発生すれば、職員自身も被災するため、都単位で災害対策に当たることは非現実的であると思われます。
 熊本地震でも十一万人を超える全国の自治体職員が被災地支援に当たりましたが、首都直下地震が発生すれば、さらに膨大な支援ニーズが発生する。首都直下地震等発生時の膨大な災害対応業務を踏まえ、都の広域連携体制を強化し、発生時に有効に機能させる必要があると考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○多羅尾総務局長 首都直下地震等の大規模災害発生時には、被害が広範囲に及ぶとともに、膨大な災害対応業務が生じることが想定されることから、自治体間の広域連携体制を強化し、発災時に有効に機能させることが重要でございます。
 このため、都は、全国知事会や関西広域連合等との間で、災害時に相互応援を行う枠組みを確保するなど、連携強化に取り組んでまいりました。
 一方、熊本地震の被災自治体では、支援を受ける体制が十分ではなく、初動調整が混乱するなど、受援の具体的な仕組みづくりの重要性が浮き彫りとなりました。
 今後は、全国知事会などの広域連携の枠組みを有効に活用し、発災時に円滑な支援を受けられるよう、二十九年度中を目途に、受援のルールや手順を明確化するなど、広域応援体制の強化に取り組んでまいります。

○北久保委員 次に、水害、豪雨対策について伺います。
 昨年夏の局所的集中豪雨や台風により、東大和市、立川市、武蔵村山市の三市にまたがる空堀川流域では、床上、床下浸水や道路冠水など大きな被害が発生しました。この流域では、過去にも繰り返し浸水被害が発生し、地元からも抜本的な対策が強く求められています。
 これまでは、雨水排除については、市ごとに雨水浸透や雨水管の整備を行ってきました。空堀川の南側に位置する流域では、地盤条件から、市が整備する公共下水道による空堀川への雨水排除が困難なため、関連三市が協力して雨水排除を行わざるを得ない状況にあります。
 地元市からは、三市にまたがる雨水整備を行うには、流域雨水幹線だけでも約百五十億円の事業費がかかると聞いています。これまで流域雨水幹線として、下水道局は、多摩川上流雨水幹線や黒目川雨水幹線など雨水幹線を整備した実績があります。
 国、都、市町村の負担割合について、改めてお伺いいたします。

○石原下水道局長 これまで流域下水道として雨水幹線を整備した際の費用負担の割合は、国が二分の一、都が四分の一、市町村が四分の一となってございます。

○北久保委員 ただいま伺った負担割合から試算すると、単純計算で一市当たり十億円強となり、市にとっての財政負担は厳しいと考えられます。
 これまで下水道局では、多摩の市町村に対し、さまざまな技術支援を行ってきていますが、市には広域的な雨水対策の経験がないことから、この地域でも効果的に進めるためには、都としての支援が重要であります。
 今後、どのように技術支援を進めていくのかお伺いいたします。

○石原下水道局長 下水道局ではこれまで、浸水被害を早期に軽減できる段階的整備や、あるいは暫定貯留など、さまざまな手法を活用して雨水対策を効果的に行ってまいりました。
 そこで、これらの技術的ノウハウを生かし、まずは、昨年夏の被害状況や原因の分析を連携して行うなど、関係市に対して技術支援を行ってまいります。

○北久保委員 野山北・六道山公園における豪雨対策について伺います。
 狭山丘陵は、立地的には、かつては広く田畑等に囲まれていましたが、近年は宅地開発などで、住宅等が丘陵の際や谷戸の奥にまで広がっているところが多くなってきています。丘陵地に降った雨は、周囲に流出する際に、近隣の道路、住宅に影響が生じやすい状況にあります。
 当該公園でも、丘陵特有の地形により、大雨時には雨が道路や住宅地側へ流れ出やすい状況です。昨年八月の台風九号では、青梅市で一時間当たり百七・五ミリの降雨量を記録し、武蔵村山市でも、床上、床下浸水の被害が発生しました。三ツ木地域でも道路冠水等の被害がありました。
 豪雨対策は、下水道整備などインフラ整備の地域全体の課題でもあります。近年は豪雨が増加傾向にあり、公園と住宅地は近接していることから、公園における豪雨対策の検討が必要であると考えますが、都の見解を伺います。

○西倉建設局長 野山北・六道山公園は、狭山丘陵の西端に位置し、高低差約四十メートルに及ぶ起伏に富んだ地形の公園でございます。
 これまで、その斜面が住宅地に近接することから、雨水等の流出を防ぐため、谷戸ごとに水田やため池等の貯水機能を活用した雨水処理計画を定め、整備を進めてまいりました。
 しかしながら、平成二十八年八月には、台風九号の想定を上回る豪雨によりまして、園外へ土砂や雨水が流出いたしました。
 このため、平成二十九年度は雨水処理対策を強化する取り組みといたしまして、のり枠や植生マット等により、のり面を保全いたしますとともに、展望デッキ南側の谷戸におきまして、貯水機能の改善等を検討するための地質調査や測量を実施してまいります。
 今後とも、野山北・六道山公園の豊かな自然を保全するとともに、土砂や雨水の流出防止等の豪雨対策に努め、地域に親しまれる公園づくりを進めてまいります。

○北久保委員 次に、産業労働施策についてお伺いいたします。
 まずは都市農業について伺います。
 都市農業を取り巻く環境も大きく変化してきていますが、農家の大きな悩みは、多くの農産物をつくっても販売先がない、売れない、もうからない、市場が遠い等、問題が山積しています。
 一部農家は、スーパーなどに直接卸したり、また、学校給食と契約を結んだり、レストラン、飲食店に毎日宅配便で直納している農家もあり、さまざまでございます。それぞれ創意工夫して、ルートを開拓しているようであります。
 後継者ができる、もうかる、夢のある農家を目指して頑張っているところでありますが、農業者みずからが生産した農産物の加工品開発やブランド化など、創意工夫を凝らした取り組みにより、経営力の向上を目指す女性農業者も増加しています。
 しかし一方で、将来に向けた農業展開ビジョンや目標があっても、みずから抱えるさまざまな課題や問題を解決することができずに、ビジョンや目標が実現できずにいる場合があります。
 したがって、六次産業化や販売促進に向けた取り組みなど、意欲的にみずからの経営の多角化を目指す女性農業者を支援する事業を充実することが必要であると考えますが、都の見解を伺います。

○藤田産業労働局長 近年、都内の農家では、果実を使ったジャムや新鮮な卵を使ったケーキの製造販売など、女性の感性を生かした六次産業化等の取り組み事例が数多く見られてきております。
 こうした新たな付加価値を生み出す取り組みは、農家の所得向上につながりますことから、女性農業者の創意工夫ある取り組みを後押しするため、都は来年度、新たに六次産業化等に挑戦する女性農業者への支援を充実してまいります。
 具体的には、六次産業化等の取り組みに必要な事業計画の策定や商品開発、流通販売など、多岐にわたる事項のノウハウ等についてきめ細かく助言するため、経営コンサルタント等の専門家を派遣する回数の上限を、従来の五回から十回に引き上げたメニューを新設いたします。
 こうした取り組みにより、女性農業者の意欲ある事業展開をより一層支援し、農家の経営力強化を図ってまいります。

○北久保委員 次に、商店街振興について伺います。
 都内商店街数は一貫して減少傾向にあります。また、商店街における平均店舗数も減少傾向にあります。
 商店街の衰退原因としては、後継者問題があると考えます。少子高齢化などにより、後継者不足が商店街にとって最大の課題になっているのが実情です。
 平成二十五年度東京都商店街実態調査では、後継者不足を問題に挙げた商店街は五五・三%と第一位になるほどでございます。
 後継者不足により、商店街組織の担い手がいなくなり、結果として、活動自体が困難になってしまう。将来にわたる商店街の発展のため、担い手の確保が重要な課題となっています。特に、新たな視点や柔軟な発想を持った若手や女性の活躍が求められています。
 都は、商店街での開業や事業継承の希望者に対して、開業時の資金面での支援をどのように提供しているのか、また、商店街での開業等をさらに強力に後押しするため、若手や女性といった新たな担い手を育成することが重要であると考えます。
 若手や女性を対象とした起業や事業継承に対する支援が必要であると考えますが、商店街の活性化に向け、商店街での開業等の希望者に対する支援を充実させるとともに、若手や女性の開業を後押しする取り組みが重要であると考えますが、都の見解を伺います。

○藤田産業労働局長 都は来年度、商店街での開業等を促進するため、店舗の新装や改装等に必要となる経費の実態を踏まえ、開業希望者等に対する助成限度額を、これまでの百万円から百五十万円に引き上げてまいります。
 さらに、若手や女性の柔軟な発想を生かした魅力ある店舗がふえることで商店街の活性化が期待できますことから、これまでの開業支援に加え、若手や女性に特化して支援する事業を新たに開始をいたします。
 具体的には、都内商店街での開業希望者を対象に、開業時の経費助成の限度額を四百万円まで増額して助成いたします。また、開業に向けて商品を試験的に販売できるチャレンジショップを都が設置いたしますとともに、各地の繁盛店を訪問して、その経営手法等を学ぶ研修を実施してまいります。
 これらにより、商店街の新たな担い手を育成してまいります。

○北久保委員 次に、人材育成について伺います。
 若者のものづくり離れを背景に、東京のものづくり産業は、次代を担う後継者不足に直面しています。現場で働く若年技術者のスキルアップを推進していくことが必要であると考えます。
 そのような若者が、みずからの技能のレベルを図るとともに、より一層のレベルアップを動機づけるものとして、技能検定があります。
 しかし、技能検定は若者の動機づけに効果的ではありますが、実技試験のための受験手数料が約一万八千円と負担が大きいと聞いています。ものづくり産業を支える若者の技能向上には、技能検定の手数料の負担軽減が有効であり、支援すべきと考えます。
 また、技能検定で合格しても、あくまで、技能を習得したとはいいがたく、就職しても、職人として使えるまでには時間を要します。
 しかし、中小企業には育てるだけの時間と人がいないのが現実であります。
 このような実情を見るに、技能向上のための講座が必要と考えます。
 東京のものづくり産業が持続的に発展していくためには、次代を担う若者が意欲的に技能向上に取り組み、ベテランの熟練した技能を継承できるように支援することが重要であると考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○藤田産業労働局長 技能検定は、技能の習得レベルを評価するものであり、その受験を奨励することで、企業の人材育成にも役立っております。
 その一方で、若者には費用負担が大きいという声もございまして、若者のものづくり離れが進む中、さらなる受験を促すため、来年度、国の支援措置を活用いたしまして、負担を軽減してまいります。
 具体的には、ことしの十月から、若者の受験者が多い二級及び三級の実技試験を対象にいたしまして、国の基準をもとに、三十五歳未満の方について、手数料を九千円減額いたします。
 また、熟練した技能者を講師として企業に派遣する現場訓練支援事業や、企業の要望に応えるオーダーメード訓練など、多様な職業訓練をあわせて実施することで、従業員の技能の向上にみずから取り組むことが困難な中小企業を人材育成面から支援してまいります。

○北久保委員 次に、水道事業について伺います。
 多摩地域の水道は、市町営時代の施設を引き継いだ経緯から小規模な施設が点在しており、配水区域の多くがそれぞれの市町域内で設定されております。
 第四回定例会代表質問においても、我が党は、多くの施設が点在している中、より効率性を重視した施設の再構築を進めていく必要があると指摘いたしました。
 これに対し、水源や地形、地盤の高低差や給水人口等の地域特性を踏まえ、多摩地域を山間部や市街地などの四つのエリアに分けて、配水区域の再編を行っていくとの答弁がありました。
 確かに多摩地域は、山間部や丘陵地などの変化に富んだ地形に加え、人口の分布も地域によりさまざまであり、それぞれに最もふさわしい配水区域となるよう、エリアごとに再編を進めていくことは重要であります。
 再編に当たっては、住民の理解と協力を得ていくことが不可決であり、そのためには、自分が住んでいる地域の将来像を住民がイメージできることが重要と考えております。
 そこで、四つのエリアの内容と、例として、私の地元東村山市を含むエリアについて位置づけ及び具体的な施設整備の進め方について伺います。

○醍醐水道局長 多摩水道につきましては、多摩水道運営プラン二〇一七に基づきまして、その地域特性に応じて、多摩川を中心に、その上流地域、左岸の西部地域、同じく東部地域、さらには右岸地域の四つのエリアに分け、市町域にとらわれない合理的かつ適切な配水区域への再編を進めていくことといたしました。
 このうち、東村山市を含む多摩川左岸東部地域は、平たんな地形の上に市街地が形成されており、比較的給水人口が多いなど、区部に近い地域特性を有するエリアであります。
 このため、区部並みの大規模な配水区域への再編を目指し、区域の拠点となる多摩北部給水所の新設や深大寺浄水所の配水池の拡充など、計画的な施設整備を推進してまいります。

○鈴木(隆)委員長 北久保眞道委員の発言は終わりました。
 この際、議事の都合により、暫時休憩をいたします。
   午後六時八分休憩

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