予算特別委員会速記録第三号

○鈴木(隆)委員長 野上純子委員の発言を許します。
   〔委員長退席、ともとし副委員長着席〕

○野上(純)委員 最初に、子供をいじめから守る取り組みについて質問いたします。
 いじめられていることを家庭や学校で相談できないまま、また、気づいてもらえない子供に対し、都は積極的に救いの手を差し伸べていくべきです。現代のいじめ問題は、学校現場だけではなく、SNSなどネット上での仲間外れや誹謗中傷といったように、目に見えにくいのも特徴の一つです。
 こうした中、いじめられている子供は、親に心配をかけたくないとの思いや、他人にいじめられていることを知られたくないとの思いで、ますますいじめを発見することが困難な状況にあるといえます。
 さらに、学校の先生に相談することで余計にひどいいじめになるのではないかと心配し、親や教師の対応のおくれにもつながるケースもあります。
 いうまでもなく、いじめが起こらないように教育に力を注ぐことは不可欠でございます。都教育委員会は、我が党の主張も反映した新たないじめ総合対策を策定し、教育現場でのいじめ問題に関する対応方針などを示しました。
 いじめを受けている子供や、周囲でいじめが行われているのを見たり聞いたりした子が、信頼できる大人に相談し、助けを求めることができる、そうした環境の構築に向けた都教育委員会の取り組みについて、まず最初にお伺いいたします。

○中井教育長 都教育委員会はこれまで、子供が大人に相談しやすい環境を整えるため、教員やスクールカウンセラーによる面接など、学校の取り組みの充実を図るとともに、子供に対し、定期的に外部の相談窓口を周知するなどしてまいりました。
 このような取り組みの成果を踏まえ、本年二月に策定いたしました新たないじめ総合対策には、各学校がすぐれた実践を共有できるよう、子供が教員に相談したことにより、学校が早期に対応し、いじめの解消が図られた事例等を掲載いたしました。
 また、本年度中にスマートフォン用のアプリケーション等を開発し、子供が親しみやすいイラストの画面を通して、いじめを受けたり、見聞きしたりした場合は、すぐに大人に相談するよう促すとともに、いつでも都教育相談センターに電話がつながる仕組みをつくってまいります。

○野上(純)委員 子供のいじめ自殺も全国で起きております。悲惨な結果にならないように、いじめ防止に対して、少しでも役に立つスマートフォンのアプリの開発と、都の教育相談センターにつながる仕組みの構築を早急にお願い申し上げます。
 小中学校で教育管理職に当たる副校長について、業務負担が重く、なり手不足が課題になっております。
 私は、二十五年と五カ月、教育現場におりました。昔の名前の教頭、今の副校長をしていたときには、五時五十五分にゴーゴーゴーで家を出て、業務を終えて帰り着くのが大体十時過ぎでございました。
 これ、何をしていたかというと、まず、いじめへの対応もしておりました。それから不登校の子供の家庭訪問、それから給食費の取り立て、これは生活保護を受けている子供が、生活保護費をもらった翌朝早く行って、この徴収をしてくるという仕事とか、教職員の健康管理、それから、産休代替教員の確保、これがとっても大変なんです。この人員確保がとても大変でございました。それから保護者の苦情処理とか、休日に地域行事たくさんあります、餅つきとか夏祭りとか、そういった行事への参加、これも全て副校長の役目でございました。かなめとなるのは、管理職でございます。
 三月九日に、総合教育会議で教育管理職の確保について、知事は会議を持たれました。現場の声をキャッチして、すぐに対応してくださる姿勢に私は大変感動しております。この総合教育会議で、どのような感想を持たれたのか、ご所見についてお伺いいたします。

○小池知事 まず、副校長のなり手不足の問題についてのご質問でございます。
 実際に、そのことを心配する声が私のところにも直接届いてまいったし、それから、いろんな声もお聞きし、また、今のゴーゴーゴーも大変なお仕事だったんだなということをしみじみと痛感したところでございます。
 三月九日に、総合教育会議を開催いたしました。学校現場の先生方の参加で、直接ご意見を伺ったところでございます。その意見交換を経まして、教育管理職の確保のためには、いかに副校長職を魅力あるものにするか、このことが大切であるということ、業務軽減の支援をして、副校長がもっと専門性を十分に発揮できるようにすることが大切だということを痛感いたしました。
 また一方で、女性活躍の視点からも、男女を問わず誰もが働きやすい職場の環境づくりは重要だなと改めて感じたところでございます。
 よって、一般の教員も含めた学校における働き方そのものを変えていくため、重層的、複合的な対応が必要であると、このように認識を新たにしたところでございます。
 これからも教育委員会の方と力を合わせまして、子供たちの輝く未来を創造する教育の実現に向けて迅速に取り組んでまいりたいと思います。
 野上先生のように、もう直接そうやって--ご本人、生徒、そしてご家庭、直接接しられた方々は幸いだったと思います。

○野上(純)委員 ありがとうございます。
 副校長の業務をサポートする制度が、副校長の秘書的なモデル事業ができるということで、一歩前進だと思っております。
 先生方一人一人は、使命を感じて子供の教育に真剣に取り組んでおります。働き方改革を通して、多くの先生方が教育管理職を目指していただきたい、そういうふうに要望しておきます。
 次に、グローバル人材についてお伺いいたします。
 今の時代、さまざまな職業がありますけれども、最終的に生き残っていけるのは三〇%以下だといわれております。
 学校教育現場にはアクティブラーニング、二〇二〇年に導入が検討されているプログラミング教育、同じく教科としても導入が決まっております道徳とか、あるいは英語、その他、もういろいろあるんです、金融教育、法教育、年金教育、ESD、もうさまざまな教育内容が学校への導入を期待されているわけでございます。
 小学校五、六年生で、教科として英語が本格導入するのが二〇二〇年です。あと三年ぐらいしかございません。その中で、現場の先生から、小学校教諭の免許を持っているけれども、英語の免許は持っていないのに本当に上手に教えられるんだろうかとか、中高の英語の免許は持っていますけれども、長年使っていないのでさびついてしまって--私もそうですけど、発音に自信がないとか、さまざまな現場の声がございます。
 そこで、小学校英語の先行実施に向けて、昨年、予特で質問をしてできた制度でございますが、英語教育推進リーダーを配置しております。この成果と今後の取り組みについてお伺いいたします。

○中井教育長 都教育委員会は、平成三十年度から実施する小学校英語教科化の先行実施に向けて、今年度、都内二十五地区に、三十八人の英語教育推進リーダーを配置するとともに、十地区を英語教育推進地域に指定し、教員の指導力向上と教材の開発等に取り組んでまいりました。
 推進リーダーが配置された地区では、推進リーダーによる模範授業の公開や教員への指導助言、教材やカリキュラムの作成などの取り組みにより、英語の指導方法や評価に対する理解が深まるなど、教科化への準備が着実に進行しているといった成果が報告されております。
 来年度は、推進リーダーを七十六人に拡充するとともに、推進地域における取り組みの成果を、報告会などにより全都に普及するなどして、小学校英語の教科化に向けた対応のさらなる充実を図ってまいります。

○野上(純)委員 七十六人に拡充をして、それぞれの区市に取り組みも支援をしていくということだと思います。
 今まで小学校五、六年生で行われてきた外国語活動というのがあるんですが、それが小学校三、四年生におりてくるわけです。新たに導入されます。教材づくりが、これがとても大事でありまして、都教育委員会としても支援をするべきではないかと思っております。
 現在できているのは、持ってまいりましたけれども、Welcome to Tokyo、これはエレメンタリー、小学校です。ベーシック、これ中学校でございます。インターメディエート、これ高校で使っております。この三冊が今あるわけでございますが、実は新たに導入される三、四年生は何もないわけでございます。
 そこで、新規事業としてWelcome to Tokyo、ビギナー、これを作成するということでございますが、その狙いと活用に向けた取り組みについてお伺いいたします。

○中井教育長 都教育委員会はこれまでも、国際理解教育を推進し、日本や東京の文化等の理解を促進するとともに、英語で発信できる力の育成を目的として、都独自の英語教材、Welcome to Tokyoを作成し、都内公立学校の小学五年生以上の全児童生徒に配布をして、外国語活動や英語の授業の充実を図ってまいりました。
 今、委員のお話にもありましたとおり、これに加えまして、来年度は、小学校三、四年生の児童が、身近な題材を通して楽しみながら外国語活動に取り組むことができるビギナー版を新たに作成し、配布をしてまいります。
 また、小学校教員が、授業でビギナー版を教材として有効に活用できるよう、内容に関連する映像や実際の授業場面等を収録したDVDを各学校に提供するとともに、教員研修会を開催するなどして、小学校における外国語活動の一層の充実を図ってまいります。

○野上(純)委員 小学校における取り組みはよくわかりました。これは、いずれ将来的には小学校一年生ぐらいから、ちょっと早まっていくんじゃないかなと私は思っております。
 では、中学校ではどうかということで、中学校英語におけるパフォーマンステストの実施の取り組みについてお伺いいたします。
 中学三年生を対象とした文部科学省の英語力調査の結果によると、聞く、話す、読む、書くといった四技能の中でも、特に聞く力、話す力については課題が大きいと聞いております。
 そこで、生徒に聞く力、話す力を確実に身につけさせるためには、教員が生徒の学習状況を把握した上で適切な指導を行うべきと考えますけれども、学習活動の内容も含めて、都の所見をお伺いいたします。

○中井教育長 中学校の英語の指導では、聞く、話す、読む、書くの四技能を総合的に育成することが求められており、その中でも、特に聞く力、話す力を向上させるためには、スピーチやインタビュー等を活用した学習活動の充実が重要でございます。
 そのため、都教育委員会は、生徒の聞く力、話す力の定着状況を適切に把握するため、昨年度からスピーチやインタビュー等の表現することを中心とした力を育成するための指導資料や評価の手引を作成し、全ての中学校英語科教員に配布することを通して指導の改善充実に努めてまいりました。
 今後、来年度からの三カ年で、中学校英語科教員約千八百人を対象に、生徒の聞く力、話す力を育成するための実技講習会を実施するなどして、教員の指導力を高め、中学校英語教育の一層の充実に努めてまいります。

○野上(純)委員 教員の指導力や英語力を高める、こうした取り組みを行って、自信を持って子供たちに指導を行い、グローバル人材の育成を図っていただきたいことを要望いたします。
 次に、語学ボランティアについて質問いたします。
 外国人おもてなし語学ボランティアというのがございまして、まち中で外国人が困っているときに、積極的に声をかけて、道案内などの手助けをしてもらうボランティアを育成していくのがこの事業でございます。
 実績を聞いたところ、一万三千人の人がボランティア登録をして、講座の申し込みも、六倍とまだ高いとのことでございます。
 二〇二〇年に向けた実行プランでは、計画を五万人に変更するとしております。オリンピック・パラリンピックまであと三年という今日、都民に人気の高いこの講座の受講者数をふやすことは、大会やボランティアの機運を高めるためにも、とても有意義であると思います。
 しかし、時間的な制約もありまして、講座を受講できない人も多いと思います。実行プランでは、eラーニングを開設するとあります。いつでも、どこでも、誰でも学べるようにするべきですけれども、これはいかがでしょうか。

○桃原生活文化局長代理次長 外国人おもてなし語学ボランティア育成講座は、外国人とのコミュニケーションのとり方や中学校程度の英語を、グループワークを中心に学ぶ実践的なものでございます。
 一方で、来年度開始いたしますeラーニングは、この講座のエッセンスを抜き出し、短時間でみずから学習できるものとしてまいります。
 また、外出先でも学べるよう、スマートフォンなどでも学習可能といたしまして、アクセス時の登録も不要とすることで気軽に受けられるものといたします。
 講座を受講し、ボランティアとして登録する人をふやすことに加え、時間がなく講座を受講できない方でも、おもてなしの心を学べる環境を整えることで、二〇二〇年東京大会に向けた機運醸成やボランティアの裾野拡大を図ってまいります。

○野上(純)委員 eラーニングを開設し、パソコンに加えてスマホでも見られるようにし、アクセス時の登録なしで誰でもが学べることは、すばらしい取り組みだと思っております。
 次に、防災対策について質問いたします。
 三・一一東日本大震災から六年目を迎えました。二百五十四人の消防団の皆様が東日本大震災で犠牲になりました。住民を安全な場所に避難させて、水門を閉めるために海岸に向かい、津波にのみ込まれ命を落とした人もいます。
 私自身、災害に弱い地域に住んでいることもあり、何か自分の立場で防災に役立つ行動ができないかとの思いで消防団に入団し、六年が経過をいたしました。昨年は、防災士の資格を取得いたしました。また、日ごろから、いざというときのための救急救命、あるいはAEDの講習や、訓練を中学生に教えたり、地元の町会等で実施するなど、訓練のお手伝いをしております。
 消防団組織は定年がありませんが、消防団員は高齢化しております。自分が動けなくなったときや体力の限界を感じたときにやめていく人が多いです。女性や学生、地元の企業のサラリーマン等々の加入促進が大事であると思います。東京消防庁の所見をお伺いいたします。

○高橋消防総監 東京消防庁では、女性や学生の消防団員をモデルとしたポスター、リーフレット等による募集広報のほか、学生消防団活動認証制度や消防団協力事業所表示制度を活用した募集活動等を行っております。
 また、消防団活動に対する関心や魅力の度合いは、年齢や性別、職業等により異なることから、現在、広く都民に対しアンケートを行うなど、入団促進方策に関する委託調査を実施しております。
 今後とも、委託調査の結果等を踏まえ、若者や女性、サラリーマンなど、対象に応じた効果的な募集活動に取り組んでまいります。

○野上(純)委員 この委託調査というのは、入団した人がやめたときに、なぜやめたのか、また、なぜ入団したのかという理由を分析して、入団促進の一助にしていくということだと思います。
 若い人の入団促進を図っていくためには、例えば消防少年団というのは、小学校、中学校、高校生まで入団が可能になりましたけれども、消防少年団を卒業した青年を消防団に入団できるように何らかのインセンティブを与えることも大事だと思います。
 入団のきっかけは大体人間関係でのつながりが大きいと思いますので、消防団が開催している楽しい行事、カラオケ大会とかボウリング大会とか、そういうところに入れさせたいなと思う人を招いて入団を促進することも大事ではないかと思っております。
 それから、消防団倉庫の建てかえ促進についてでございますが、大切な機材を入れている消防団倉庫、この耐震化が大事だと思っております。
 いざというときにチェーンソーとかスタンドパイプとか消火機材の入っている分団倉庫が地震で倒壊をしてしまったら、何も取り出せません。計画的に分団倉庫の建てかえをしてきた消防庁でございますが、四百三十九分団のうち、あと残り九十二分団となりました。いつ来るかもしれない首都直下に備えて、一〇〇%を目指して、消防庁としては、来年度八棟分の予算が計上されておりますけれども、条件が整えば、早急に整備するように要望しておきます。
 いつ来るかもしれない首都直下地震、今後三十年以内に震度七を超える地震が来る確率は七〇%といわれて久しいわけでございます。日ごろより地域防災活動にかかわる女性の裾野をふやしていくことが大事です。
 先日、葛飾区では、高齢の女性の防災活動という視点で、明治大学の特任教授であります中林一樹先生の講演会が開催されました。その中で、耐震対策や家具の固定などの自助が共助を可能にする、自助と共助が公助を有効にする、災害に強いまちとはどういうまちか、まちの全員が自助に取り組んでいるまちであるということがございました。なるほどなと思いました。
 女性が避難所運営にかかわっていくためにも、地域の防災活動に多くの女性が参加できるようにするとともに、女性防災リーダーの育成が大事であります。所見を求めます。

○多羅尾総務局長 避難所における授乳や着がえスペースの確保など、災害時の女性のニーズにきめ細かく対応するには、多くの女性が地域防災活動に参画することが重要でございます。
 しかし、地域防災活動のリーダーはもとより、地域防災関係事業の参加者にも女性は少ないという現状がございます。
 このため、都は来年度、女性の参加を促す取り組みとして、被災地での活動経験豊富な女性を講師として招いたシンポジウムや、地域防災の初歩を学ぶウーマンセミナーを実施し、あわせて地域防災や災害医療等の研究者や、女性の視点を生かした活動を実践している方により、リーダー育成のためのカリキュラム等を検討いたします。
 このような事業や検討に基づき、人材の裾野を広げ、女性防災リーダーの育成を積極的に推進してまいります。

○野上(純)委員 我が党の代表質問にもありましたけれども、来年度の予算で、女性の視点を取り入れた防災ブックの作成にも、この女性の防災リーダーの意見を取り入れて作成していただけますよう要望いたします。
 次に、水害対策について質問いたします。
 東部低地帯は、地盤層が海水面より低く、過去に高潮や洪水により、水害に見舞われてきた場所でございます。昨年も取り上げましたが、葛飾区の中心を流れている中川の七曲がりにつきましては、現在、東日本大震災後に策定した整備計画に基づいて着々と耐震工事が進められておりまして、下流の防潮堤区域の耐震化が完成をいたしました。
 また、地震時の津波等が中川上流の七曲がりへ遡上するのを防ぐ役割を持つ上平井水門の耐震補強も行っております。
 中川七曲がり区間の耐震対策の来年度、二十九年度の取り組みについて最初にお聞きいたします。

○西倉建設局長 約三百万人の都民が生活する東部低地帯では、最大級の地震が発生した際にも、堤防や水門などの機能を確保し、津波等による浸水を防止できるよう、耐震対策を早期に完了させることが重要でございます。
 中川七曲がり区間では、堤防前面に連続して鋼管矢板を打ち込むとともに、河床の地盤改良を行うことで、堤防の損傷や沈下に対する補強を行っております。平成二十九年度は、奥戸橋上流左岸など四区間、約〇・七キロメートルで工事を実施いたします。
 上平井水門では、門扉の製作、交換、門柱や堰柱等コンクリート躯体の補強を実施いたします。門扉の交換に際しましては、材質を鋼鉄製から、さびに強いステンレス製に変更し、施設の長寿命化と維持管理コストの低減を図っております。

○野上(純)委員 耐震工事に合わせて護岸前面にテラスを整備し、川沿いを人々が散策できるようにしております。これまで、東京スカイツリーやかつしかハープ橋が眺めるビュースポットも設置をいたしました。
 次に、中川七曲がり区間の二十九年度のテラスの修景整備についてお伺いいたします。

○西倉建設局長 中川では、耐震補強工事に合わせまして、人々が水辺を散策できる幅約四メートルのテラスを整備しており、都と葛飾区が連携して、ベンチや植栽帯、照明などを設置しております。
 これまでに、上平井橋から本奥戸橋上流までの連続する区間など約四・七キロメートルが完成し、既に開放しております。
 平成二十九年度は、葛飾区の総合スポーツセンター運動公園が隣接する区間におきまして、テラスの整備に合わせまして、公園と一体的な利用が図れるよう、スロープでテラスと公園を結びますとともに、眺望の開けた良好な水辺空間を望むビュースポットを設置するなど修景整備を進めてまいります。
 引き続き、必要な耐震対策を着実に進めるとともに、水辺に親しめる中川の整備に取り組んでまいります。

○野上(純)委員 (パネルを示す)これが工事をする前のかみそり堤防でございます。これが工事をした後に、約四メートルの遊歩道を散策できるように変わりました。こういうふうに変わりました。ビュースポットもいろいろな箇所でつくっていただいて、富士山とスカイツリーが両方眺める場所がつくってあったんですけれども、ちょっとマンションが建って富士山が見えなくなりまして、そういうこともありますけれども、こういうすばらしい景観が形成されております。
 それから、二枚目でございますけれども、これ、ここですね、散歩をしたり、ベンチに腰かけたりして、くつろぎの空間になっておりまして、日よけとしてこのパーゴラとかも設置をしております。このテラスの整備なんですけれども、この階段をつけたり、あるいは転落防止の柵をつけたり、植栽等を今やっております。
 それから、葛飾区の場合は、水害対策として、それぞれの学校に船が一そうずつ配備されております。それから町会や消防団にもボートが設置されつつあります。常日ごろより、そのボートを使っての訓練も、こうしたなだらかな防災公園等を利用して行っているところでございます。
 この水害対策としては、ボートによって緊急物資を輸送したり、それから緊急避難とかにも、こうしたなだらかなところにボートを浮かべて練習をしているところでございます。
 区内の耐震対策として、この綾瀬川も含めて、平成二十九年度七十四億円という多額の予算を使っての工事が行われます。葛飾のまちを守る大事な政策です。景観の形成とまちの防災の観点から、この事業の必要性がますます認識されると思っております。
 次に、高齢者対策について質問します。
 幸せな老後を送りたい。私たち公明党は、高齢社会の高という字を、幸せという漢字を当てて幸齢社会としてまいりました。いろいろな政策を打ち出してまいりました。今現在、四人に一人が高齢者でございますが、二〇四〇年には三人に一人が六十五歳以上の高齢者、そのころには高齢者の定義も変化しているかもしれません。
 二〇二五年には団塊の世代が七十五歳になります。公益財団法人日本ライフ協会が高齢の方々が安心して過ごせるように、将来の身元保証や通院の付き添い、納骨も含む葬儀代金としての預託金を集めたお金約三億円を流用した事件が昨年ありました。責任者も逮捕、起訴されたようでございます。
 高齢者の課題としてはたくさんありますけれども、今回は三点だけ取り上げます。
 まず、ひとり暮らしの高齢者の増加、二番目は、多死社会、多くの人が死ぬ社会、三つ目は、認知症の増加によって、成年後見人制度の課題でございます。
 最初のひとり暮らし高齢者の増加での課題といたしましては、居住の確保がございます。特に自宅を持たないひとり暮らしの高齢者がアパート等を借りるのは大変難しいです。大家さんからすると、貸していた部屋で亡くなったり、あるいは認知症を発症してトラブルになったりすると困るからです。
 これに対して、東京都防災・建築まちづくりセンターが、都と連携して運営しているあんしん居住制度は、見守りや、万が一の場合の葬儀、残存家具の片づけなどのサービスを提供しております。
 利用者の方からは、身寄りがないため、死亡後の手続等への不安から解放されたなどの多くの声が寄せられていると聞いております。
 高齢者の住まいの安心を確保するため、あんしん居住制度の、これはまだまだ認知度が低いと思いますので、一層の普及促進に努めるべきと考えます。都の見解を伺います。

○邊見東京都技監 あんしん居住制度については、昨年度の実績として、高齢者からの相談が約千二百件あり、このうち、このサービスの提供について、約百三十件の新規契約を行ってございます。
 都は、お話の東京都防災・建築まちづくりセンターと連携し、区市町村等との意見交換の場や居住支援協議会を通じ制度内容を周知するなど、積極的な活用を促してございます。
 まちづくりセンターでは、利用者の契約に当たって一時的な負担を軽減するため、月払い方式を導入する工夫も行っており、また一部の区では、この制度の活用に向け、利用料への助成など、独自の取り組みを行ってございます。
 今後とも、幅広い連携を通じて、制度の活用を一層促進してまいります。

○野上(純)委員 こうした行政の取り組みがあると、ひとり暮らしで身寄りのない高齢者の方々は、安心して生活ができると思います。
 二点目は、多死社会、多く死ぬと書く、多死社会でございます。最期をどう迎えるのか、終活、つまり人生の終わりの活動のことでございますが、エンディングノート等を活用して、病気になったときの延命治療をどうするのか等の希望を家族や周りの人々に伝えておくことも大事でございます。
 また、自宅で訪問介護や訪問医療でみとってもらうのか、あるいは特別養護老人ホームや介護老人保健施設などで過ごすのかも、そういった対策も重要な課題でございます。
 現在、国の人口動態調査によると、八割弱の方は病院で亡くなられております。また、民間の調査によると、ついの住みかであります特別養護老人ホームでは、死亡で退所した人の八〇%を超える方のみとりに対応できているのは約二五%、つまりほとんどの方がみとりの対応をされていないということがわかります。
 特別養護老人ホームなどにおけるみとりへの対応を一層促進していくことが必要と考えますが、都の取り組みについてお伺いいたします。

○梶原福祉保健局長 都は今年度から、特別養護老人ホームなどでみとりを行うために必要となる終末期のケアを提供するための個室や、家族のための宿泊室の確保など、環境整備に要する改修経費を補助する区市町村への支援を開始いたしました。
 来年度は、予算規模を二件から十件に拡大いたしますとともに、事業者向け説明会で工程や経費も含めた具体的な改修のモデルケースについて紹介するなど、より多くの施設でみとりに取り組んでいただけるよう働きかけてまいります。
 また、施設等で働く医療、介護職の方々に、みとりに対する理解を深めていただくため、今月、人生の最終段階におけるケアに関する基本的な考え方や、みとりに必要な手順や留意点など基礎的な内容の研修を実施することとしておりまして、来年度はカリキュラムに事例検討を加えるなど、より実践的な内容としてまいります。

○ともとし副委員長 野上純子委員の発言は終わりました。(拍手)
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
   午後二時五十九分休憩

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