予算特別委員会速記録第三号

○鈴木(隆)委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。
 これより付託議案の審査を行います。
 第一号議案から第二十七号議案まで及び第八十六号議案を一括して議題といたします。
 昨日に引き続き総括質疑を行います。
 きたしろ勝彦委員の発言を許します。

○きたしろ委員 私は、元警視庁警察官です。職務質問にはなれておりますけれども、都議会議員としては三期十二年で、まだまだ未熟だと思っております。しかし、議会の質問は、真実を、事実を明らかにし、真相を究明することだと思っております。
 小池知事は、常々議員の質問力が問われる、特に豊洲の課題についてはと。そういう意味では、大変厳しくも心温まるご指導をいただいており、私もこれから、知事のそのようなご教授に従って質問をさせていただきたいと思います。
 昨日、改革議員団の野上ゆきえさんが、我が党の質問を、築地市場の風評被害をあおろうとしていると、ご批判されました。実は私、何年か前、当時の民主党主導の築地再整備調特のころ、この築地の土壌汚染の問題を取り上げようとしたところ、当時の野島政調会長から、やめた方がいいよ、関係者には周知の事実であったとしても、公の議会で議論すれば風評被害を招きかねない、パンドラの箱をあけるなといわれたことがあり、質問をやめたことがございました。そして、今日、築地の土壌汚染がクローズアップされました。そういう経過の中での質問です。
 私も知事に質問力を試されます。私は知事の答弁力を試します。どうぞ誠実にご答弁をお願いをいたします。
 昨日、知事は、築地は安全かつ安心であると述べられました。築地の関係者の皆さんは、本当によかったといっておられます。さらに、豊洲に対しても、知事から安全だとの宣言をぜひしてほしい、そうした声も私の耳には届いてきました。知事のおっしゃるさまざまな検証を早期に一日も早く進めていただきたい、そう願ってやみません。
 昨日の我が党の質問に対し、知事と環境局長の答弁にずれがありました。知事は、専門家の意見を尊重されています。私も同じ考えです。しかるに、環境局長の答弁のとおり、豊洲市場の敷地は、法令上の対策が築地同様になされているということになります。
 さて、私も市場開設に当たっては、安全・安心が確保されるべき、そう考えております。端的に申し上げますと、安全は科学、安心は心理学、信頼だと思います。昨日は、残念ながら、我が党の代表の質問に対し、真正面からの答弁がなかったように感じました。
 まず、知事に伺います。
 安全は科学的な検証に基づき判断をするということでよろしいですか。もし違うとおっしゃるのであれば、判断に当たって他の基準、言葉は使いたくないんですけれども、ファクトはあるのでしょうか、知事の見解を伺います。

○小池知事 市場の問題についてのご質問で、安全は科学的な検証に基づいて判断をする、このことでよいのかどうかというご質問だったかと思います。
 おっしゃるように、安全は科学的あるいは法律的な根拠に基づいて判断されるものと認識をいたしております。
 この今話し合われている課題は、卸売市場、生鮮食料品を扱う卸売市場でございます。都民の食を支える重要な役割を担っていることはいうまでもございません。そしてまた、卸売市場には、卸売市場法、食品衛生法など、食にかかわる法令を初めとして、さまざまな関係法令に適合することが求められておりまして、それらの科学的、法律的な根拠において判断されると、このように認識しております。

○きたしろ委員 築地の話ですけれども、昨日の質疑においても、本会議答弁と全く同じ見解を知事は示されました。それは、築地市場は人の健康に影響を与えることはないということです。このことがすなわち安全だということだと考えます。この安全の確保は何によってなされているか、この理由は二つあると思います。一つは、コンクリート、アスファルトで覆われていること、二つ目は、法令上に問題がないことだと明言されました。この二つのファクトのみをもって安全を宣言された、こう理解をしました。
 豊洲においても、この二つのファクトは満たされています。これはすなわち、豊洲も安全であるということになります。そうではないと主張されるのであれば、論理矛盾もしくはダブルスタンダードだと指摘されても仕方のないことだと考えます。
 このことは、SNSなどのネット上で多くの書き込みがなされ、私も、こうした声を耳にしています。こうした都民の声に応えるべきではないでしょうか。
 説明責任を果たすという意味からも、都民の皆さんにわかりやすくご説明をしてください。伺っているのは、あくまでも安全という観点ですから、安心と混同せずにお答えをいただきたいと思います。

○小池知事 ただいまのご質問で、豊洲市場の安全性、安全の確保ということでお尋ねがございました。豊洲市場というのは、土壌汚染対策法上の求めている水準をカバーしているということは、きのうお答えしたとおりでございます。
 一方で、かねてより申し上げているのは、市場の移転問題は、食の安全と安心の確保は最優先であると、このように考えていることは、私自身、何度かお伝えしているところでございます。よって、法律的、科学的根拠に基づく安全に加えまして、そこに消費者の選択、消費者の理解、そして納得、このことが確保されるということが相まって、それによって市場の価値というものが確保できるものと考えております。
 以上です。
   〔「答えてない」と呼び、その他発言する者あり〕

○きたしろ委員 まあここで、冒頭でね、一つ一つの言葉に反論をしたとしても時間ばかり食っちゃって時間がなくなるおそれがありますので、次に進みたいと思います。
 今のご答弁を、都民の皆さんはどう受け取られたのでしょうか。少なくとも私にはよく理解できませんでした。
 では、安心は、何をもって安心が得られたことになるのでしょうか。知事は、消費者の選択、理解、共感などと答弁されました。いずれも判断基準はありません。合理的な判断はどのような基準でなされるのでしょうか。知事にお伺いします。

○小池知事 先生ご指摘のように、安心は消費者の理解と納得によって得られるものと考えます。そして、それは消費者の選択によるものでもございます。
 豊洲の市場につきましては、皆様ご承知のように、これまでは、法を上回る対策を講じるという前提で市場移転を進めてきたこと、これについてはご承知のとおりでございますが、その約束について、まだ十分に果たされていないと、このように認識をしております。
 今の状況をしっかり検証するということと、都民の判断に資する十分な情報をご提供するということで、初めて消費者の理解と納得を得ることができ、そして、消費者の安心を確実なものにする、このように考えております。

○きたしろ委員 私の理解では、今の答弁では合理的判断の基準はない、こう理解をいたしました。
 では、別の聞き方をいたします。何が満たされたときに、知事は安心だという見解を示されるのでしょうか。具体的にお示しください。

○小池知事 何をもって安心だという、安心が確保されるのかという見解、これについてのご質問があったかと存じます。
 市場移転について都民の理解と納得を得たときに、まさしく安心は確保されるものと考えております。
 また、そのために、これまでの取り組みの検証、そして、都民の判断に資する情報公開を徹底しております。また、この議会におきましても、百条委員会などを通じて、そのことを明確にされようとご努力いただいているところかと存じます。
 こうした取り組みに対しましてのご意見を踏まえまして、移転ということについては、総合的に判断していくこととなるかと思います。

○きたしろ委員 知事のお言葉は、頭がよ過ぎるのでしょうね、私には理解できないです。具体的にお示しいただかないと、我々も理事者も業者の皆さんも、どこに向かって努力すればいいのかわかりません。
 では、知事、安心とは何でしょうか、端的にお答えください。

○小池知事 先ほど来、何度かお答えいたしておりますように、市場の移転問題における安心ということは、何度も、恐縮でございますけれども、一言で申し上げれば、消費者の理解と納得、そして、それによる選択ということだと思います。
 市場移転については、都民がこれを正しく理解した上で、信頼に足るものであると納得されたときに安心は確保されるものと認識をいたしております。
 さまざまな商品があります。その中で消費者がどれを選ぶかというときには、正しい情報を提供する、そしてそれによって、消費者というのは合理的にそこで判断する、私はそのように考えております。

○きたしろ委員 知事、安心とは、信頼を得ることです。
 かつて日本橋魚河岸から築地市場へ移転した際も、神田やっちゃ場から大田市場に移転した際も、賛成派、反対派のけんけんがくがくの議論がありました。移転直後には、築地の魚は買わないという買参の声もあり、一時的に取扱高が減少しました。しかし、河岸行きの皆さんが確かな目ききの力を発揮され、徐々に信頼を広げ、日本橋以上の活気が生まれてきたのは事実です。市場関係者の努力の結晶だったのです。今の築地は限界ぎりぎりです。しかし、この状態を保っていられるのも、業者の皆さんのたゆまぬ努力にほかなりません。
 築地ブランド消滅を憂う声があります。豊洲の不安の声もあります。しかし、今申し上げたとおり、かつて築地ブランドを醸成した河岸行きの皆さんの目ききなどの力を発揮していただければ、必ず豊洲も発展できる、私はそう確信をしております。
 昨日、知事もこうおっしゃいました。消費者と市場業者との信頼が大切だと。全くそのとおりです。この信頼構築こそが安心の確保なのです。
 将来のことを考えれば、国際的な衛生基準であるHACCPを十分にクリアできる豊洲市場に対し、現在の築地では、二〇二〇年大会の選手村の食材を提供することすらできない懸念があります。
 知事は、今定例会の施政方針で、意見の対立があれば調和を目指したいといわれました。ぜひ、豊洲市場の課題もそれに沿って進めていただくことを望みます。
 私の同僚の野島善司議員は常々、きたしろさん、大河呑舟、山川の浅き瀬にこそ、あだ波は立てりだよといっております。大河とは豊洲移転のことです。
 私は、責任政党の自民党の議員として、豊洲へ移転すべしという政策の大義で敗れるとすれば、バッジをつける者として本望であります。この強い決意を申し添えて、次の質問に移ります。
 小中学校における新しい道徳教育の取り組みについてお伺いをいたします。
 子供の教育は、学校だけで行われるものではありません。生まれたばかりの子供が社会的な存在として自立した個人になるために必要なのは、まず第一に家庭の教育が大切であります。
 基本的な生活習慣と社会における規範意識を身につけさせ、他者への思いやりや命の大切さを育み、さまざまな困難に立ち向かう前向きな精神を養っていくのは、家庭教育の大切な役割であります。
 しかし、日本の現状はどうでしょうか。世の中は、戦後教育の義務なき自由や、履き違えた個人主義により、行動の基準を善悪ではなく損得に置き、自分中心の利己的で刹那的に振る舞う風潮が蔓延しています。さらに、かつてない速さで進む少子高齢化や、情報通信技術の進歩など、社会の急速な変化は家庭にも大きな変質をもたらし、その結果、家庭やその生活環境の中に昔からあった大切な教育力が失われつつあります。
 また、地域の教育力の低下も否めません。地域社会は、子供たちが遊びや活動を通じて仲間づくりをする場であるとともに、行事への参加、住民との交流などを通じた社会性や郷土愛などを育む場としての重要な役割を担っていますが、子供たちの遊びの質も変化し、子供が外で遊ぶ機会が減り、地域の人々との日常的な触れ合いが少なくなっております。
 近所の大人が子供たちを親身になって叱ったり、褒めたりすることが少なくなり、子供たちが基本的な社会のルールを地域の大人から学ぶ機会は激減しています。人と人とのつながりは希薄化し、地域共同体としての力が弱体化しているといえます。
 家庭の教育力は地域の教育力の源であると同時に、地域の教育力が家庭の教育力を支える関係にあります。
 さらに、近年の高度情報化社会といわれる情報通信手段の発達は、生活を便利、快適にし、子供の能力を伸ばすよい面がある一方で、生活体験の不足による皮膚感覚の欠如や、大量の情報の中で主体性を失ってしまうといった危険性も含んでおり、人と人とがかかわる力の変化に大きな影響を与えています。コミュニケーション能力や日本人が長い歴史の中で培ってきた他者を思いやる心の発達が阻害され、人間関係のさらなる希薄化が懸念されます。
 現状を打破し、子供たちの生きる力を育むためには、学校、家庭、地域が相互に連携しつつ、社会全体で子供の教育に取り組むことが不可欠であります。
 このため、学校は家庭や地域に対し、連携協力を求めていくことが必要です。子供を地域の子として育てていく意識を広げるためにも、積極的に大人は地域でのかかわりを大事にし、人と人とのつながりを回復させなければなりません。
 そのような時代に対し、私は、小中学校が、家庭、地域社会と連携した道徳教育を一層充実すべきであると考え、さきの第四回定例議会において、都教育委員会の見解を伺ったところ、都教育委員会からは、学校が家庭、地域と一体となり、道徳教育に取り組むことが重要であり、保護者や地域の方々に向けた資料の作成を検討するなど、社会全体で、児童生徒に日本人としての心を育むための道徳教育の一層の充実に努めていくという前向きな回答を得ました。
 現在、都教育委員会では、学校が保護者や地域の方々と連携協力して、子供の豊かな心を育成することを目的とし、道徳授業地区公開講座を推進していますが、この取り組みは、実に有益であります。
 そこで、小中学校において、家庭、地域と連携した道徳教育を推進するためには、道徳授業地区公開講座における意見交換会の充実が必要であると考えますが、都教育委員会の取り組みについてお伺いをいたします。

○中井教育長 道徳授業地区公開講座の意見交換会をさらに実り多いものとするためには、参加者の多くが道徳上の課題と感じていることをテーマに取り上げるとともに、話し合いを少人数から始めて全体に広げるなど、その内容や方法を充実していく必要がございます。
 そのため、都教育委員会は、参加者が自分の考えや意見を述べやすくするために、社会生活におけるマナーなどの身近で具体的な問題に関する動画資料を、平成二十九年度に作成するとともに、都内全公立小中学校等に配布し、意見交換会で活用できるようにしてまいります。
 今後とも、区市町村教育委員会と連携し、各学校が、家庭や地域と一体となって、子供たちに思いやりの心や規範意識等の道徳性を育むことができるよう支援してまいります。

○きたしろ委員 ありがとうございます。
 やはり、日本という悠久の歴史を持っている、伝統ある日本ですから、その子供たちをしっかりと日本人らしく誇りを持って育てていっていただきたいというふうに思います。今後ともよろしくお願いをいたします。
 都議会自民党は、東京を世界で一番の都市にすることを念頭に、あらゆる分野で政策を提言しています。
 私は、水と緑の都、環境に優しいガーデンシティー東京の実現を目指し、政治活動をしてまいりました。
 そこで、品川駅、田町駅周辺のまちづくりについてお伺いをいたします。
 先日、二〇二〇年に暫定開業する品川 田町間のJR新駅と、JR車両基地跡地における土地区画整理事業の起工式が、国、区、事業者、学識経験者の出席のもと、盛大にとり行われ、私も出席してまいりました。
 品川駅、田町駅周辺が、東京の表玄関として大きな変貌を遂げる、まさにスタートが切られたものと実感を持ちました。
 車両基地跡地での建物など、実際のまちづくりは、東京オリンピック・パラリンピック開催以降と聞いていますが、今の段階から車両基地跡地の将来を見据えて、着実に取り組んでいくことが大事だと思います。
 そこでまず、車両基地跡地について、今後どのようにまちづくりを進めていくのか、都の所見をお伺いいたします。

○邊見東京都技監 品川駅周辺は、国際化が進む羽田空港に近接し、リニア中央新幹線の開業も見据え、将来の都市東京にとって極めて重要な役割を担うエリアでありまして、国際交流拠点の形成に向けたまちづくりを進めてございます。
 その中核となるJR車両基地跡地では、既にJR新駅の整備や土地区画整理事業に着手しており、新駅の二〇二〇年暫定開業に向け、国道一五号からのアクセス道路などを整備してまいります。
 さらに、こうした基盤整備の進捗に応じて、国際交流拠点の機能を担う民間開発を誘導するとともに、地域内の回遊性を高める歩行者デッキや駅前広場などの整備を促進してまいります。

○きたしろ委員 次に、泉岳寺駅の市街地再開発事業についてお伺いをいたします。
 車両基地跡地は、まさに日本の成長を牽引する国際交流拠点として開発が進められています。この大きな開発により、JR新駅に近い泉岳寺駅では、乗りかえの利便性の向上等の取り組みが急務となっています。
 泉岳寺駅の改良工事には、隣接する市街地も取り込んで整備をする必要があることから、都が市街地再開発事業を予定しており、駅とまちを一まとまりにした新たな取り組みが進められています。
 この市街地再開発事業の実施に当たっては、地元の方々の理解と協力が不可欠でありまして、都は、地権者の方々の生活再建にも留意しながら、事業化に向けて、さまざまな取り組みを進めていく必要があると考えます。
 そこで、泉岳寺駅の市街地再開発事業を都はどのように進めていくのか、具体的な取り組みについてお伺いをいたします。

○邊見東京都技監 泉岳寺駅市街地再開発事業は、お話のとおり、機能強化が必要となる泉岳寺駅の改良とあわせて、駅とまちを一体的に整備するものでございます。
 都はこれまで、再開発の計画案について、地元協議会などにおいて話し合いを重ねてきており、今月末には、都市計画素案の地元説明会を開始する予定でございます。
 来年度早期には、地元での都の相談窓口ともなる地区事務所を開設し、地権者の生活再建に関する要望などに迅速丁寧に対応できるよう、執行体制を整えてまいります。
 本年秋には都市計画決定を行い、JR新駅周辺のまち開きが予定される平成三十六年度の完了を目指し、鋭意取り組んでまいります。

○きたしろ委員 次に、品川駅西口地区についてでありますが、品川の都市の骨格となる環状四号線については、環境現況調査を経て、今後、都市計画手続に入っていくと聞いています。
 その際には、衆議院宿舎跡地などを活用するほか、ホテル街区や高輪のまちづくりとしっかり連携を図ることが重要と考えます。この地区は、東京オリンピック・パラリンピック開催時に多くの人が訪れるとともに、都会のオアシスとなる崖線も残されており、これを生かしながら、開催後も、ますます便利で使いやすいまちにしてもらいたいと思います。
 そこで、品川駅西口地区のまちづくりについて、今後どのように進めていくのか、都の所見をお伺いいたします。

○邊見東京都技監 国道一五号の西側に位置する西口地区は、JR車両基地跡地の開発などと連携して、品川駅周辺における国際交流拠点の一翼を担う地区であり、世界の人々が集う魅力あるMICE拠点の形成などを目指してございます。
 このため、京急品川駅の改良とあわせて、駅東西自由通路の国道一五号西側への延伸、駅前広場空間の拡充を行い、国際会議場や宿泊施設の機能の充実などを図ってまいります。
 これらを計画的、段階的に実現するため、今後、都が施行する環状第四号線の整備や、先月、国とともに公表した国道一五号上空活用の整備方針などとの整合を図りながら、地区計画の策定に向け、地元の合意形成を加速してまいります。

○きたしろ委員 品川は、JR新駅が開業し、リニア中央新幹線の始発駅ができ、羽田と品川を結ぶ京急品川駅がJRと同じ高さに、フラットになります。さらに、都心部から乗り入れる品川地下鉄計画の構想もあり、まさに東京の交通の要衝となります。
 現在、三田三、四丁目地区や高輪地区では、一体的なまちづくりによる複合拠点の形成などの検討が行われています。
 さらに、新駅と水再生センターとを連絡させ、港南側では、運河を活用した水辺のまちづくりが進むことが期待されます。
 品川駅、田町駅周辺を東京の表玄関につくりかえていくために、都市づくりにおける後藤新平の思いを引き継いで、今後も大局的な視点で、まちづくりにかかわる皆さんの大いなる夢を実現していっていただきたいというふうに思います。まちづくりをよろしくお願いをいたします。
 次に、オリンピック・パラリンピック競技大会について伺います。
 子供たちだけでなく、都民、国民全てに夢と希望を与えるのが、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック東京大会です。私自身も、二回目となる東京での開催を非常に楽しみにしています。
 アルゼンチン・ブエノスアイレスの総会で、次期開催都市は東京というIOCロゲ会長の発表を聞いたときは、身震いするほどの感動がありました。
 全国での大会開催の支持率も六七%まで上がり、国民の開催機運は大いに盛り上がっていました。
 しかし、今はどうでしょう。大会経費の削減ばかりに国民の関心が集まっており、全国での盛り上がりに水を差された思いが私にはあります。
 ある新聞社の調査では、開催経費の削減が大きな問題となったことなどが影響し、八二%の人が、大会の開催準備が順調に進んでいると思わないと回答をいたしました。多くの人が、大会準備が足踏みしたとの印象を持ったということです。
 昨年、都は、都政改革本部の調査チームの報告をもとに、三会場の見直しを実施しました。会場見直しは、結果として、当初の計画どおり行うことになり、知事は、これら三施設の整備費を四百億円縮減したと発表しましたが、これは真に無駄な経費を精査した結果なのでしょうか。私は疑問に思わざるを得ません。
 改めて、今回のコスト縮減を進めるに当たり、どのような視点でコスト縮減を検討してきたのか、また、今後、施設整備にどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 都はこれまでも、会場計画の再検討に取り組んでまいりましたが、IOCのアジェンダ二〇二〇が二〇二〇年大会で初めて適用されることを踏まえまして、大会までのスケジュールを考慮いたしますと、ラストチャンスであることから、会場の見直しを行ったものでございます。
 その見直しに当たりましては、従前の仕様にこだわらず、既存施設の活用も含め、さらには整備コストだけではなく、ライフサイクルコストや大会後のレガシーなども勘案し、国際競技団体や組織委員会などとの関係者と十分調整を行った上、総合的に検討したものでございます。
 引き続き、環境や持続可能性、バリアフリーなどにも配慮しながら、コスト管理に努め、着実に施設整備に取り組んでまいります。

○きたしろ委員 私も無駄遣いは嫌いです。そして、私たち世代は、もったいないと親からいわれて育った世代です。コストを減らすことは必要ですけれども、大会準備を着実に進め、大会成功に向けて取り組んでいくことが必要だと思います。
 会場見直しや大会経費削減の話ばかりでは、二〇二〇年に向け、国民の高揚感は高まっていきません。
 大会招致の際、我々都議会議員は、支援要請のため全国各地に足を運びました。そのときは、皆、我が国にオリンピック・パラリンピック大会が来るという期待感であふれていたと思います。
 大会の成功に向けては、もっと日本全体で機運が高まるような取り組みを展開していくべきと考えます。今後、全国での盛り上げに向け、どのように取り組んでいくのか、見解をお伺いいたします。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 二〇二〇年大会に向けまして、日本全体で大会機運を高めていくため、都はこれまで、全国知事会などとの協力を得て、事前キャンプ地誘致、多言語対応、ボランティアなど、各自治体が必要とするさまざまな大会関連情報を提供してまいりました。
 また、昨年十一月には、都議会とともに、二回目の全国向けシンポジウムを開催し、自治体職員や地方議会の先生方が地域を盛り上げていくための参考となる情報や交流の場を提供いたしました。
 今後、これらの取り組みを一層充実させるとともに、来年度から二カ年にわたってフラッグツアーを全道府県で展開させるなど、大会を身近に感じてもらえるような取り組みを、全国の自治体と連携して進め、オールジャパンの盛り上げにつなげてまいります。

○きたしろ委員 今、オールジャパンとおっしゃいましたけれども、それこそ、四年前、あのころの機運というのは全然感じられないんです。商工会議所にしても、町会、自治会にしても、そういう思いに水を差されたというような、そんな思いをしているんじゃないかなと私は危惧しているんです。そういった意味で、いま一度原点に戻って、オリンピック・パラリンピックを東京にという、皆さん一人一人に、その思いを持ってもらわなければいけないと思います。
 まず隗より始めよです。そういった意味で、東京都の職員の皆さん、みんなでオリンピック・パラリンピックを成功に向けて進めようではありませんか。そのことが一番大切な気持ち、心だと私は思います。
 そして、オリンピック・パラリンピックは平和の祭典です。お金だけの問題ではないはずです。必要なお金は使わなければなりません。私の住んでいるまちでも、お祭りのときには、通常の経費、町会経費だけではなく、寄附という形で奉納もして、そのお祭りを盛り上げています。そういった意味では、皆さん方の心からの支援をお願いしたいと思います。
 そして、建物だけではなく、心にもすばらしいオリンピックの遺産を後世に伝える義務があると私は思っています。
 子供たちにも夢と希望を与えるということは本当に大事なことだと思いますので、その辺のところを都民や国民の心に残る大会にするよう、さらに取り組んでもらうことを要望して、質問を終わらせていただきます。ちょっと調子が悪いものですから申しわけございません。

○鈴木(隆)委員長 きたしろ勝彦委員の発言は終わりました。

ページ先頭に戻る