予算特別委員会速記録第二号

   午後一時開議

○鈴木(隆)委員長 休憩前に引き続き委員会を開会いたします。
 委員会の要求資料について申し上げます。
 先ほど委員会として要求いたしました資料は、お手元に配布をしてあります。
 これより総括質疑を行います。
 この際、一言申し上げます。
 質疑に当たりましては、さきにご決定をいただいております委員会実施要領等に従いまして運営をしてまいります。委員の皆様方には、円滑かつ充実した審議が行われますよう、ご協力をお願い申し上げます。
 なお、持ち時間につきましては、電光表示盤に残り時間を表示いたします。さらに、振鈴で五分前に一点、時間満了時に二点を打ち、お知らせをいたします。
 この際、委員の皆様に申し上げます。
 質疑に際しましては、持ち時間の範囲内で答弁まで行えるようご協力をお願いいたします。
 次に、理事者に申し上げます。
 答弁に際しましては、委員の質疑時間も限られておりますので、簡潔明瞭にご答弁をされるようお願いいたします。
 なお、発言の際には、必ず職名を告げ、委員長の許可を得た上で発言されますようお願いいたします。
 これより順次発言を許します。
 三宅正彦理事の発言を許します。

○三宅委員 都議会自民党を代表いたしまして、総括質疑に臨ませていただきます。
 これから行う質疑は、いうまでもなく、知事から提案されました平成二十九年度予算案に関してであり、議会での質疑後、議決を経て予算執行されます。議会として、都民に対する責任を果たすため、時には知事に対し、厳しい指摘もすることもありますが、これは都民から負託を受けた者としての責務であり、都民福祉の向上に向けた決意、責任感のあらわれであるからでございます。私の場合は、ちゃんと紳士的にやってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 今、都民の関心はまさに食の安全・安心に向けられていると思います。百条委員会が開かれました。これは過去の経緯を審査するもので、食の安全・安心への答えは導き出せません。
 豊洲新市場への移転に至るプロセスは、業界の努力はもちろんのこと、市場審議会、新市場建設協議会、都議会などでの長時間にわたる議論を経て、また、数多くの議決によってまとめられたものです。にもかかわらず、知事は昨年、開場時期の延期を都議会に報告しないまま、記者会見で発表しました。
 豊洲移転につきましては、今、さまざまな論点が出ていますが、その中には科学的な問題、また手続上の問題、さらには政治的な問題などが混在しております。
 まず、その中で、安全の検証には科学的な問題が一番重要であると考えますが、これについて、まずは知事のご認識をお伺いいたします。

○小池知事 三宅議員におかれましては、大変熱心に諸所の課題に取り組んでおられまして、まことにありがとうございます。また、今回の予算審議のトップバッターとして、早速、豊洲問題に切り込んでいただきました。まことにありがとうございます。
 お尋ねでございますが、市場の移転問題を解決するためには、ご指摘のように科学的な根拠に基づく安全の確保、これはもちろんでございますが、同時に、消費者の理解と納得による安心を確保することも重要と考えております。
 このため、まずは、いわゆる専門家会議、そしてまた、市場問題のプロジェクトチームにおきまして、科学的な知見に基づきまして、さまざまな角度から市場の安全性等を検証していただいているところでございます。ご承知のとおりかと思います。
 こうした科学的な議論の成果などを踏まえました上で、消費者の信頼を得る努力をこれからもしっかりと積み重ねていく必要があると認識をしているところでございます。

○三宅委員 ご答弁ありがとうございます。
 まずは、その科学的根拠に基づいて、しっかりと冷静に判断していただけるということで、安心しました。また、知事の答弁の中で、消費者の理解と納得という言葉がありましたが、これはまさに知事の発信力で安全性を消費者に伝えていただければ、そういうふうに希望いたしております。
 次に、土地取得といった手続上の問題についてお伺いいたします。
 先ほども申しましたとおり、土地取得等の手続上の問題につきましては、移転の可否には私は影響を及ぼさないものと考えておるんですが、この点、知事はどのようにお考えであるか、ご意見を伺います。

○小池知事 お尋ねの豊洲市場用地の取得の問題でございますが、まさしく本件につきましては、この議会においてさまざまな取り組みをしていただいているところでございます。
 そして、その取得の経緯につきましては、用地の選定、そして、土地の購入契約などの経過が不透明であるといった認識がされているところから、今、議会の皆様が大変ご苦労されているところかと、このように認識をしているところでございます。
 そこで、土地の取得にかかわります事実関係、それにまつわるそれぞれの責任について、都民の前に明らかにすることも重要だと考えております。
 さらに、東京ガスとの交渉記録の開示、住民訴訟に対します特別チームの編成などによりまして、ご指摘の土地取得に関します経過、そして問題の所在が明らかになるものと考えておりますし、皆様方のご努力に期待をするところでございます。

○三宅委員 済みません、知事、私が今お尋ねしたのは、手続上の問題が移転の可否にどのように影響を及ぼすのか、移転の可否にイエスかノーかといういい方じゃないですけれども、どのような影響を及ぼすのかということをお答えいただきたいと思っておるんですが、よろしくお願いいたします。

○小池知事 再度のご質問でございますけれども、この用地の選定、土地の購入契約などの経過が不透明であるということから、どのような経過で取得に至ったのか、このことを明確にすることが都民の皆様方の信頼にもつながると、私はこのように考えているわけであります。
 だからこそ、この議会におきましても、その経過についてのさまざまなご質問、そして、その経緯を明らかにするというご努力がされているものと考えております。
 豊洲の移転につきましては、これは、先ほどからご指摘ありましたような科学的な信頼性はどうなのかという観点、それから土地の取得がどういう経過であったのかという観点、さらには安全性がどうなのかという観点、まさしく総合的に判断すべきものだと、このように考えております。

○三宅委員 移転の可否に土地取得の経緯というのがどのようにかかわっているのかというのを具体的に教えていただければと思うんですが、その辺、よろしくお願いいたします。

○小池知事 恐縮でございますけれども、もう少し具体的にご質問、再質問をしていただけませんでしょうか。

○三宅委員 だから、何度もいいますが、これは手続上の問題なんですよ。これが豊洲の移転の可否、豊洲がどうして、移転するのか、移転しないのか、それについてどのようにかかわっているのか、それをお聞きしているんですが、ちょっとわからないですかね。

○小池知事 土地の取得につきましては、いろいろな選択肢の中から豊洲ということに収れんされていったと、このように、これまでの歴史的な経過から伺っているところでございます。
 そして、その取得におきまして、幾らで、どのような形で購入をするのかといったようなことを今、ご議論していただいているわけでございます。
 先ほどから申し上げておりますのは、そういったことも総合的に豊洲に対しての信頼性を高めるということにつながっていくわけでございますので、現在、この議会で行われているさまざまなご活動については、それらを高めていくためにも必要な活動であるということで、皆様方に多くを期待しているところでございます。

○三宅委員 正面からお答えいただけないようですので、これはまた次の機会にお聞かせいただきたいと思っております。
 次に、先ほどいった手続上の問題というのは、これは真相解明にはとっても重要なことだと思いますよ。結局は、移転の可否の判断は、最後は知事が政治的な課題として判断すべきものといえると思います。移転賛成派といわれる方々も、また反対派といわれる方々も、一様に声を大にしていっているのは、一日も早く結論を出してほしい、このことなんです。
 議会も、知事を先頭とする理事者の皆さんも、このことをしっかり受けとめ、特に知事には一刻も早く決断をしていただきたいと思っております。
 私たちは、これまでの議論の結果から、築地か豊洲かという二者択一であり、第三の道はないと、この前の高木幹事長の代表質問でも伺わせていただいたんですが、改めて知事のお考えをお聞かせいただければと思います。

○小池知事 先ほどのご質問の、一日も早く結論を出してほしいというそのお気持ち、しっかり受けとめさせていただきたいと思います。
 そしてまた、かねてより申し上げているところでございますけれども、市場の移転につきましては、都民の食の安全・安心、この確保ということも大きな課題でございます。都民の理解と納得を得るためにも幅広い検討が必要だと、このように考えております。
 だからこそ、専門家会議、そして市場問題プロジェクトチームを立ち上げているわけでございまして、何度も申し上げて恐縮でございますが、豊洲市場の安全性の検証、市場の事業の継続性の観点、そしてまた築地市場の施設の現状などについて、さまざまな検証を行っているところはご承知のとおりでございます。
 築地か豊洲かという二者択一ということ、そしてまた第三の道はないと、このご質問でございますけれども、私の考え方といたしましては、今いろいろな検証を行っているところでございまして、第三の道については現時点では考えておりません。

○三宅委員 ありがとうございます。
 移転の可否については、知事のおっしゃったとおり、総合的に判断するというのが全くそのとおりだと思います。今、第三の道はないとおっしゃられましたので、ぜひ、築地か豊洲かで、早いところ決断いただければと思っております。
 続きまして、二〇二〇年大会の件について伺わせていただきます。
 二〇二〇年大会に向けた機運醸成について伺います。
 都は現在、二〇二〇年大会に向けた開催機運を盛り上げるため、オリンピック・パラリンピック両フラッグを活用したフラッグツアーを市区町村と連携し展開しています。
 昨年十月の小笠原村を皮切りに、現在、全六十二市区町村を巡回中です。また、被災地にも元気を届けるため、東日本大震災の被災三県での実施に加え、今後は熊本でも実施されると聞いています。
 この取り組みを一過性のものとせず、継続、発展させるとともに、東京だけではなく日本全国の各地で実施すべきと考えますが、今後の都の取り組みについて、知事の見解をお伺いします。

○小池知事 二〇二〇東京大会も迫ってまいりました。大会に向けまして、都民、国民一人一人の期待を高めていく、そして、これはみんなの大会なんだ、自分たちの大会なんだという、そのような実感をしていただく。それに対して努力をしていかなければならないと考えております。
 小笠原村からフラッグツアーをスタートいたしました。都内各地、そして東日本大震災の被災三県でも旗を振ってまいりました。そして、同時にセレモニーなども行い、展示などを通じて、子供からお年寄りまで多くの方々とオリンピック・パラリンピックの魅力を分かち合ってきたと、こういうふうに思っております。
 六月までには都内全ての市区町村を巡回いたします。お尋ねの熊本県でも実施をいたしまして、これを一つの区切りとする考えでございます。そしてその上で、次のステップへと発展させていきたいと考えております。
 例えば、大会三年前というのがことしの七月二十四日になるわけでございますが、こちらの都民広場で記念イベントを開催する予定でございます。そして、都内の市区町村から、連携できるイベントをさらに募集いたします。そして、それをフラッグツアーの盛り上がりにつなげていきたいと考えております。
 また、全国全ての道府県を一巡するフラッグツアーを競技会場都市を皮切りに開始いたします。日本全体での参加、応援機運を高めていきたいと考えております。
 このように、都が旗振り役となって、これから二カ年かけまして、全国津々浦々、オリンピック・パラリンピックのわくわく感を届けてまいりたいと考えております。
 そしてまた、各地、特色あるイベントがございます。それからさまざまな企画やアイデア、そしてまた文化、教育プログラムなど、各地でいろんな声も上がっているところでございますので、積極的にそれらの各地と連携をいたしながら、オール東京、そしてオール日本の盛り上げを加速していきたいと考えております。

○三宅委員 フラッグツアー時の小池知事の活動力は本当に目をみはるものがありましたので、また引き続き、二〇二〇年大会に向けて頑張っていただきたいと思っております。
 このフラッグツアーとともに、二〇二〇年大会に向けた開催機運を高める象徴的なイベントに聖火リレーがございます。聖火リレーのコースについては、都内市区町村の関心も非常に高く、ぜひとも我がまちを通過してほしいという多くの声が我が党に届いております。
 都内全域で機運を盛り上げていくためにも、聖火リレーはフラッグツアーと同様に、六十二ある市区町村全てを巡回してほしいと思います。
 現状では、IOCの規定で、百日以内に巡回すること、聖火は分けて運んではならないなど、時間やコースの設定に条件があるとも聞いています。都には、開催都市としてこのような制約を取り除く努力をしていただきたいと思います。
 聖火リレーについては、都内市区町村を巡回するとともに、被災地にも届けることができるよう検討をお願いするものですが、都の所見を伺います。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 聖火リレーは、ランナー、観衆、地域住民、ボランティアなど多くの人々が参加することで、大会に向けた機運を高める象徴的なイベントでございます。
 組織委員会は、都、国、全国知事会、JOC、JPC、外部有識者等で構成する聖火リレー検討委員会をことし二月に設置し、聖火リレーの議論を開始したところでございます。第一回検討委員会におきまして、都といたしまして、都内全市区町村の聖火の巡回をぜひとも実現させたいと主張したところでございます。
 今後、都内全市区町村はもちろんのこと、被災地を含めた全国を巡回できる方法を検討し、その実現に向けまして、検討委員会を初めとするあらゆる場を活用し、関係者に働きかけてまいります。

○三宅委員 ありがとうございます。
 実は、フラッグツアーは小笠原村から始まりました。小笠原村にはもう一つ、硫黄島という島があります。この島は、皆さんご存じかどうかわからないですが、バロン西さんという、昭和七年、一九三二年のロサンゼルス・オリンピック馬術金メダルの選手なんですが、その方が戦死なされたところでございます。
 また、今、硫黄島に帰りたくても帰れない、そういった旧島民の方々がたくさんおりますし、また、小笠原村全体も、前回のオリンピック時はまだ日本本土に復帰していなかったという面で、ぜひ、硫黄島から母島、父島と回っていただいて、聖火を巡回させていただきたいとご要望しておきます。
 次に、パラリンピックについてお伺いいたします。
 この東京大会の招致決定から三年半が経過し、開催まで折り返しの地点を迎えています。昨年九月に都が実施した世論調査では、パラリンピックの認知度は八割を超える高いものでしたが、実際にパラリンピックを競技会場で観戦したいという人は約一八%にとどまっています。
 かねてから我が党は、パラリンピックの成功なくして二〇二〇年大会の成功はないと主張してまいりました。残された三年半、さまざまな取り組みを通じてパラリンピックの各競技の魅力を継続的に発信していく、そして、多くの都民、国民が大会への興味、関心を持ち、実際に競技会場に足を運んでもらうことが重要と考えます。
 都は、二〇二〇年大会に向け、さまざまな機会を捉え、工夫を凝らしながら、パラリンピックの開催機運の醸成に向けた取り組みを継続していくべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 パラリンピックの会場を満員の観客で盛り上げていくため、さらに開催機運を醸成していく必要がございます。
 そこで、来年度は、競技体験プログラムを、これまで開催していない市区町村を中心に、未実施の競技も積極的に取り入れ、三十七カ所で行うほか、特別版として全競技を紹介する大規模イベントを五月の大型連休でにぎわう上野恩賜公園で開催いたします。
 また、障害者スポーツファンサイト、チームビヨンドを活用して、情報発信やイベントの開催を行っていくほか、新たなプロモーション映像の制作などを行ってまいります。
 さらに、大会が近づくことへの期待感を高めるよう、大会の三年前と千日前に節目イベントを開催いたします。
 パラリンピックの成功に向けまして、既に担当理事を設置しておりまして、四月にはパラリンピック部を新設いたします。今後一層開催機運を盛り上げ、準備を加速してまいります。

○三宅委員 私も、昨年九月のリオのパラリンピックを視察してまいりました。その際感じたことは、本当にいろんな方が一緒になって選手を応援している、そういう光景を目にしたわけでございますが、ぜひ二〇二〇年大会、東京でもそれ以上の盛り上がりでやっていただけるようお願いしておきたいと思います。
 続きまして、教育関係についてお伺いしたいと思います。
 知事は、一月に東京都の教育施策の根本を定める新たな東京都教育施策大綱を策定されました。
 知事は、大綱策定に当たって、オリンピック・パラリンピックの先を見据えて、国家百年の計として、子供たちの未来を切り開くために、知事と教育委員会が一体となって取り組むといった趣旨を記されています。また、給付型奨学金の創設や、教師力、学校力の強化などの項目も追加されています。
 この大綱策定後、初めての予算特別委員会です。給付型奨学金などの各種施策を反映させることも重要ですが、東京で学ぶ子供たちの夢や希望をどのように育んでいくのか、小池知事の教育施策にかける思いをお聞かせください。

○小池知事 教育は、子供たちの将来の可能性を限りなく引き出す、その力を持っております。ご指摘のように、一人一人の夢、そして、その希望の源泉となるべきものだと考えております。
 また、希望あふれる東京の実現というのは、人によってなされて初めて意味があると考えます。その人をつくる教育の充実こそが、東京、そして日本の明るい未来を切り開くものと考えております。
 これをベースに考えまして、今般、教育施策大綱を策定いたしました。特に優先的に取り組む事項を示しております。
 具体的に申し上げますと、全ての子供さんが将来の希望を抱く、生きる基盤となる力、これを身につけられるように、都独自の給付型奨学金を創設いたします。それによって、きめ細かな教育による基礎学力の定着の徹底で、学びのいわばセーフティーネットを構築していきたいという考え方でございます。
 二つ目に、グローバル社会を生き抜くために必要な一人一人の強みをつけていく、強みとなる力を伸ばしていく。そのためにも、生きた英語を学ぶ環境を充実する、そして創造的、論理的な思考力を育成する教育などを推進してまいりたいと考えております。
 さらに、学校の現場でございますけれども、喫緊の課題が、実は副校長のなり手不足でございます。これをテーマといたしまして、先週、総合教育会議を開催いたしました。意見交換を通じまして、また現場の声をお届けいただくことによって、副校長をどうやって支援すればいいのかというその策を充実していくこと、それから、一般教員も含めました学校全体の働き方改革の推進が必要、これらの思いを強くしたところでございます。
 そして今後も、教育委員会と力を合わせまして、ご指摘の子供たちの夢、そして希望をかなえる、またかなえられる教育の実現に、スピーディーに、そして具体的に取り組んでまいる所存でございます。

○三宅委員 それでは、今、知事の発言の中でありましたグローバル人材の育成についてお尋ねいたします。
 都議会自民党は、東京の、そして日本の未来を築いていくために、日本人としての自覚と誇りを持ち、世界と渡り合える若者を育てることを求め、さまざまな施策を提案してまいりました。
 若者の内向き志向を打破し、国際感覚を備えたたくましい若者を育成することを目的に、都教育委員会は平成二十四年度から、都立高校生を対象とした次世代リーダー育成道場を実施し、これまでに約千人が本事業に参加したと聞いております。
 この生徒たちは、自国の歴史を知り、みずからのよって立つべき価値観を理解した上で、育ってきた環境が異なる者同士が議論し、相互理解に到達する力が必要なことを痛感したはずです。そして、この力こそ世界一の都市東京の将来を担うグローバル人材に必須の能力であり、留学しない高校生にも身につけさせる必要があると思います。
 都立高校生を広く、そして真のグローバル人材として育てていくために、単なる語学力の習得にとどまらず、世界を相手に主張できる力を伸ばすことが必要だと考えますが、都の見解を伺います。

○中井教育長 これまで都教育委員会は、グローバル社会で求められる生きた英語力を育成するため、JET青年の全校配置やオンライン英会話等の導入により、都立高校生が授業で外国人と英語で会話する機会を充実してまいりました。
 今後、JET青年の複数配置校をふやすとともに、都独自の英語による映像教材をインターネットで配信するなどして、生徒が昼休みや放課後に、文化や歴史、自然科学等の内容や、時事、社会問題等の幅広い話題について、JET青年と会話したり生徒同士が英語で意見を交換したりする、仮称でございますが、東京イングリッシュ・エンパワーメント・プロジェクトを都立高校二十校に導入してまいります。
 こうした取り組みを通して、高校生が英語を用いて積極的にコミュニケーションを図り、みずからの考えや意見を論理的に説明することができる資質、能力を育成してまいります。

○三宅委員 ぜひ子供たちが、将来、世界で渡り合えるように、学生の間に試行錯誤して体験を積めるよう準備するのが我々大人の責任だと思いますので、日本の将来のために私たちがなすべき責務だと考えております。力強く政策を進めていただきたいと思います。
 続きまして、済みません、地元ネタで申しわけないんですが、島しょにおける超高速ブロードバンド整備についてお伺いします。
 離島での生活環境の向上を考える上で、超高速ブロードバンド環境は必須であり、遠隔医療の環境改善や産業振興など、島しょ振興に果たす役割は非常に大きいものです。
 我が党は、いまだ光ファイバーが通っていない島しょ地域における、例えば利島、新島、式根島、神津島、御蔵島、青ヶ島、これ五村六島なんですが、この整備を速やかに進めることをずっと政策提言の中で要望してまいりました。
 これまで、超高速ブロードバンドの早期整備実現を都に対して強く訴えるとともに、国の財政支援を求める緊急要望を行うなど、国に対する働きかけを実施し、国の平成二十七年度補正予算において補助財源が確保されました。
 その結果、海底光ファイバーケーブルの敷設に着手し、今年度は御蔵島及び神津島の二島への整備工事が始まり、順調に進んでいると聞いております。
 島民にとりまして、この超高速ブロードバンド整備への期待は非常に大きく、できるだけ早期の整備を切望する声も数多く届いております。
 そこで、早期の全島整備に向けた今後の都の取り組みについて伺います。

○多羅尾総務局長 超高速ブロードバンドの整備については、島民生活の向上及び産業振興等の観点から、早期の整備が必要と認識しております。
 平成二十八年度から着手した御蔵島、神津島の海底光ファイバーケーブルの整備は、今月末の完成を予定しており、その後の通信試験等を経て、七月以降、超高速ブロードバンドの利用が開始できるようにしてまいります。
 また、平成二十九年度は、予定していた新島、式根島に加え、利島についても、国の財政支援を受け、海底光ファイバーケーブルの整備に着手する方向で、現在準備を進めております。
 残る技術的課題の多い青ヶ島についても、引き続き国の財政支援を求めるなど、平成三十年度以降の早期全島整備に向けて着実に取り組んでまいります。

○三宅委員 ただいまの答弁におきまして、御蔵島、そして神津島への光ファイバーケーブルの整備に着手し、この七月以降、使えるということを伺いましたが、実は七月以降になりますと、観光客もふえて利用率が高まるので、ぜひ、必ず七月で通していただければ幸いでございます。
 我が党の政策提言がこのように実現できたことは本当にうれしいことなんですが、平成二十九年度につきましては、予定していた新島、式根島に加えて、利島についても前倒しで海底光ファイバーケーブルの整備に着手するとのことでありました。
 できるだけ早期の環境改善を求めている島民の声に応えるため、整備を加速させること、これは地元も望んでおりますので、よろしくお願いいたします。
 島しょ地域における海底光ファイバーケーブルの整備については、冬の季節風の影響により、年間で整備工事を行える時期が限定されています。今年度は神津島、御蔵島の二島を整備しましたが、来年度は三つの島で整備を進めるということになり、当然、事業量もふえ、迅速に工事を進める必要があります。
 一方で、島民生活や地元産業などに与える影響のないように留意しながら整備を進めていくことも忘れてはなりません。
 そこで、整備における都の取り組み姿勢についてお伺いいたします。

○多羅尾総務局長 海底光ファイバーケーブルの整備に当たっては、水産業に支障を来さないなど、地元産業等に配慮しながら工事を進めていくことは重要であると認識しております。
 来年度整備に着手する三島においては、今年度の神津島、御蔵島における工事実績を生かしながら工程短縮等に努め、早期完成を目指し、地元に対しては、村役場を初め漁業協同組合や観光協会などの関係各所と事業内容に関して綿密に調整するとともに、島民の方々への広報を適切に行ってまいります。
 今後とも、地元の理解と協力を得ながら、海底光ファイバーケーブルの整備を着実に推進してまいります。

○三宅委員 力強いご答弁ありがとうございました。ぜひよろしくお願いいたします。
 続いて、小池知事に島しょ振興についてお伺いいたします。
 我が党はこれまで、伊豆諸島、小笠原諸島地域について、定住の促進と持続的発展を目指し、地域の振興に全力で取り組むよう都に政策提言をし、島民生活のより一層の安定を実現すべく、島しょ振興を強力に推し進めてまいりました。
 知事は、就任以来、島しょ地域に積極的に足を運んでおられる経験から、島の状況はよくご存じかと思います。厳しい自然環境の中で必死に生活している島民にとりましては、まだまだ多くの課題があり、都は、港湾施設などの社会基盤の整備や、観光を初めとした産業振興に引き続きしっかりと取り組んでいく必要があります。
 加えて、今後、島しょ地域においても、多くは人口減少や高齢化が一層進展し、より厳しい状況になっていくことは想像にかたくありません。
 これらの課題を解決するためには、島しょ振興のための十分な予算措置を行うべきです。都政に寄せる島民の思い、要望を十分に受けとめ、島しょ地域の振興にさらに力を入れて取り組んでいただきたいと思います。
 そこで、このような点も含め、今後どのように島しょ地域の振興を図っていくのか、小池知事の決意をお伺いいたします。

○小池知事 お尋ねの島しょ地域に関してでございますけれども、お地元の大島を含めまして、豊かな海洋資源、そして自然環境に恵まれた個性豊かな島々から成っております。
 そして、もう一つ重要な点として、我が国の排他的経済水域の確保という観点からも、国益の維持という上でも重要な役割を担っていると、このように考えております。
 ご指摘のように、私自身も島しょ地域には何度か足を運ばせていただきました。一つ一つ訪問するのは大変楽しみでございます。そして、その島々には、きらりと光る宝物が数多く埋もれているんですね。私はそう確信しております。
 そこで、知事に就任いたしましてからこれまで、小笠原諸島、三宅島、御蔵島、大島、利島を訪れました。それぞれ抱えている問題は微妙に違います。大きな共通する課題もございます。ご要望も受けとめてまいりました。
 そして、今週末でございますが、フリージア祭りが行われます八丈島、そして青酎で有名な青ヶ島、こちらを訪問する予定といたしております。青酎を飲みたいところですが、七月まで我慢したいと思います。
 こうした地元の声も十分伺いまして、産業振興、医療対策のほか、島民生活の安定とともに観光客の利便性の向上にもつながる、先ほどからの話題となっております光ファイバーなどの情報通信網の整備、港湾施設の整備など、社会基盤の整備に必要な予算をこのたびの予算案で編成したところでございます。
 加えまして、来年度からは、電気自動車の普及に向けたモデル事業、そして、先週立ち上げたばかりでございますけれども、東京宝島推進委員会の取り組みなどを進めていきたいと考えております。
 今後も、東京の島々には足を運ばせていただいて、そして、実際に自分の目でその実情、そして子供たちの様子など、それから高齢者の方々の課題など、しっかり自分の目で拝見をさせていただきながら、地域の秘めた可能性を十分に引き出せますように、島しょ地域の振興には積極的に取り組んでまいる所存でございます。

○三宅委員 積極的なご答弁ありがとうございました。
 電気自動車等の再生可能エネルギーのお話がありましたが、実は江戸時代から、大島あたりは、まきとか炭とかを江戸に燃料として運んでおりました。今後、大きな海域とか、また自然を生かした再生可能エネルギーの可能性もありますので、実は自分の夢なんですが、それを東京の本土に電線でつなげてエネルギーを供給したい、それぐらいの気持ちで今、活動しているところでございます。
 自分も常々、島は東京の宝だといっておりまして、そういった意味でも知事に積極的に島しょ振興に加わっていただいて、今週末、青ヶ島に行かれるということですが、お酒を断っているところだと思うんですが、少しなめるぐらい、よろしくお願いしたいと思っております。
 次に、中小企業支援について伺います。
 都は、昨年発表した実行プランにおいて、GDP百二十兆円の達成を掲げられました。この野心的な目標の達成には、都内産業を支える中小企業の活性化が不可欠になります。
 とりわけ、設備投資は景気循環を促し、経済成長を下支えするとともに、企業の生産性向上や競争力強化にも貢献する点において極めて重要です。東京が新たな富を生み続ける持続的な成長を果たすためにも、景気が回復基調にある今を逃すことなく、中小企業の前向きな投資を加速的、集中的に促していかなければなりません。
 こうした積極的な政策展開を求めた我が党のさきの代表質問に対し、都は、設備導入の支援策を強化することを明らかにされました。この新たな施策により、都内中小企業の投資を幅広くかつ強力に喚起するとともに、企業活動のスピードに合わせた迅速な事業展開を図っていくべきと考えますが、具体的な支援内容について伺います。

○藤田産業労働局長 都は来年度から、中小企業の競争力強化に向けた投資を加速的に促すため、生産性向上や成長産業分野への参入を目指す中小企業に対し、ニーズに合わせた的確な支援を行ってまいります。
 具体的には、中小企業振興公社に五十億円の基金を創設し、製造業やサービス産業を初めとする全業種を対象に、労働力不足に対応した介護ロボットや自動精算機など競争力強化を目指す設備導入について、一億円を上限に二分の一、小規模企業については三千万円を上限に三分の二の経費助成を行います。また、医療や環境など成長産業分野における設備導入につきましては、企業規模にかかわらず、助成率を三分の二とし、参入を促進してまいります。
 事業実施に当たりましては、幅広い企業の利用を可能にするため、公募を年二回実施することといたしまして、百七十件の採択を目指してまいります。

○三宅委員 GDP百二十兆円を実現するためには、中小企業による前向きな投資活動を、一部の企業だけではなく産業全体に広げていくことが必要です。
 特に、コストダウンや短納期化などの厳しい取引環境に置かれている下請企業をしっかりと支えることは重要な課題であります。
 各社が価格競争に巻き込まれない独自の強みを持ち、生き残りを図るためには、競争力の強化に向けた意欲的な投資を促していくことが必要ですが、下請企業に対する都の支援策について伺います。

○藤田産業労働局長 都は、取引環境の変化に対応し、受注機会の拡大等を図る下請中小企業の取り組みをより幅広く後押しするため、製品、サービスの付加価値を高める設備導入等への支援を来年度から充実いたします。
 具体的には、受注型中小企業競争力強化支援事業において、従来の技術開発に要する経費に加え、例えば、生産能力を一層高めるための新規設備の導入など、事業展開に必要な設備等を新たに助成対象といたします。
 また、大型の生産設備など思い切った投資案件に対応するため、助成限度額を一千五百万円から二千万円に引き上げるとともに、助成金の総額を約三億八千万円から約六億円に増額いたします。加えて、小規模企業の確実な利用を図るため、専用の助成枠を新たに設けて対応してまいります。
 こうした取り組みを通じまして、東京の経済成長につなげてまいります。

○三宅委員 助成対象の拡大、またその限度額等の引き上げに積極的に取り組んでいただきたいと思っております。
 次に、商店街の振興について伺います。
 商店街は、地域商業の拠点であると同時にコミュニティを支える基盤でもあり、それがゆえに、我が会派は、都内商店街の持続的発展に向けた取り組みの重要性を訴えてまいりました。
 例えば、夏祭りのイベントなどの集客力の向上を図るさまざまな活動も、その効果を継続的な来街者の確保にどうつなげていくかという視点での検証が必要であります。また、住民の高齢化やコミュニティの希薄化など、各地域の課題に向き合った新たな活動に活路を見出す商店街もあると考えます。
 しかし、こうした一歩進んだ取り組みを組織基盤の脆弱な商店街が独力で進めるには、さまざまなハードルが存在することもまた事実であります。
 都はさきの本会議において、専門家を活用して商店街の活動を支援する新たな支援策を開始することを明らかにしましたが、こうした実情を踏まえ、どのように支援を実施されるのか伺います。

○藤田産業労働局長 都は、商店街がみずから課題を乗り越え、創意工夫あふれる取り組みを進めていけるよう、新たな支援を実施いたします。
 具体的には、にぎわい創出のための新たなイベントや魅力向上のためのさまざまな取り組みを行う意欲ある商店街に対して、中小企業診断士やイベントプランナーなど、希望する分野の専門家を派遣し、専門知識やノウハウを提供する事業を開始いたします。
 さらに、本事業の活用を促進するため、区市町村や関係団体が巡回相談を実施し、商店街が抱える課題の発見や解決に向けた提案をアウトリーチで行ってまいります。
 また、区市町村と連携して、市場調査や活性化計画づくりを行う商店街に対し、必要な経費を助成いたします。
 これらの支援により、商店街の持続的な発展を強力に後押ししてまいります。

○三宅委員 商店街は、まちの顔なんです。ぜひ強力に後押ししていただきたいと思います。
 続きまして、農業についてお伺いいたします。
 安心・安全な農畜産物の提供に加え、緑の保全による快適な住環境の創出にも東京農業は貢献しております。しかし、相続時の多額な税負担などにより、農業者の営農意欲が減退し、後継者も将来に不安を感じていることから、高齢化と後継者不足が進み、農地も毎年約百ヘクタール減少しています。
 このまま農地が減り続ければ、近い将来、東京から農業がなくなってしまうのではないかとの危惧さえ抱いてしまう状況であり、東京農業は今、重要な局面を迎えています。この現状を打開するためにも、都はこれまでにも増して、東京農業の継続、発展に向けた取り組みを展開していく必要があると考えます。
 都では現在、実効性のある中長期計画を策定しているとのことですが、東京農業の一層の振興を図るため、大都市東京の強みを生かした新たな視点から農業施策を展開すべきと考えますが、知事の見解を伺います。

○小池知事 ご質問の東京の農業についてでございますが、都民にとって身近な場所で、そして消費者のニーズに合った新鮮な農畜産物を生産するということは極めて重要でございます。まさしく地産地消、それを地でいくものだと考えております。ましてや近年、食の安全・安心への意識が高まっている中におきまして、東京の農業に対する都民の期待も大きいものと考えております。
 一方で、ご指摘のように、都市農業は、収益性の悪化、そして後継者がいない、後継者の不足、それから都市化の進展ということなどで、農地の減少など喫緊の課題を抱えているところでございます。それを克服して、後世にしっかりと引き継いでいかなければならない、これが私の基本的な考え方でございます。
 じゃあ、どうするかでありますけれども、古くから伝わっております江戸東京野菜、これを東京の、また宝物として磨きをかけていく。京野菜などは非常に戦略的に取り組まれたものであります。つまり、どのようにして付加価値をつけていくかということ、これもポイントになります。
 私自身も練馬の地で練馬大根を、種まきから、間引き、引っこ抜き、腰を痛めるんじゃないかと心配しながらやりまして、そして土に触れる大切さ、そしてまた土に触れることによって食育ということにも大変重要な要素を持っていると思います。
 それから、ご指摘にありましたように、女性の参画ということを促していくというのも、新たな視点となるかと思います。そういった農業経営を後押しすることで、多様な担い手の確保や育成を図っていくことが肝要でございます。
 それから、都民の貴重な財産である、この農地の減少に歯どめをかけるためには、来年度は、都みずからが農地を買い取りまして、モデル農園を設置する事業も実施しようと、このように考えているところでございます。
 こうしたさまざまな取り組みを通じまして、農業者が将来に夢と希望を持てるような、そして、まさしく持続可能な東京農業を展開したいと考えております。

○三宅委員 東京農業の振興を図る上で、その担い手の確保、育成が何より重要だと思います。特に、東京都の農業就業人口の四割を占めている女性農業者、知事も触れられましたが、その感性を生かした農産物の販売企画や加工品の開発などにより、農業経営の収益性向上に大きく貢献しています。
 その一方で、女性農業者が活躍できる環境はまだ十分に整備されているとはいえない状況であります。就業間もない女性農業者の支援から、女性農業者の経営力向上に至るまで、あらゆる場面において、これまで以上に東京農業の重要な担い手として活躍できる環境が重要となります。
 こうした観点から、都は今後の東京農業を一層振興していくため、女性農業者の活躍推進に向け、一歩踏み込んだ支援に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。

○藤田産業労働局長 近年、農業分野でも、女性がその感性を生かした商品開発を行うなど、新たな担い手として活躍が期待をされているところでございます。このことから、都は来年度、就業から事業拡大まで、それぞれの段階とそのニーズに応じたきめ細かな支援を開始いたします。
 具体的には、就業希望者向けに、女性が活躍する農家の見学ツアーを実施いたしますほか、青年農業者等育成センターの相談窓口に女性の就農コンシェルジュを配置いたします。
 また、就業後間もない女性農業者には、仲間づくりやマルシェ等の開催を支援することで、その定着を図ってまいります。
 さらに、六次産業化等の新たな取り組みに挑戦をする女性農業者に対しましては、専門家派遣による経営面からの助言や加工施設等の整備の支援を拡充いたします。
 このような取り組みを通じまして、将来の東京農業の担い手でございます女性農業者が活躍できる環境を整備してまいります。

○三宅委員 次に、ユニバーサルデザインのまちづくりについて伺います。
 都は、区市町村とも連携しながら、ユニバーサルデザインのまちづくりを進めてこられました。
 世界中から多くの人が訪れる二〇二〇年大会に向けて、大会会場はもちろん、道路や公園などの身近な施設や設備についても、全ての人に、より使いやすい整備が求められています。それには、高齢者や障害者などの利用者の視点による意見を踏まえて整備を進めていくことが重要であります。
 この点につきまして、我が党が昨年十二月の第四回定例会の代表質問におきまして指摘したところ、区市町村に対するさらなる支援策について検討しているとの答弁がありました。
 つきましては、来年度の取り組み内容について伺います。

○梶原福祉保健局長 ユニバーサルデザインのまちづくりのために、都は現在、高齢者や障害者などを含めた地域住民の方が、利用者の視点で施設や設備の使いやすさ等を調査する区市町村を包括補助で支援をしております。
 来年度は、こうした取り組みを促進するため、ユニバーサルデザインのまちづくり緊急推進事業を新たに実施いたします。
 この事業では、さまざまな地域住民の方が参加して、利用者の視点からきめ細かな調査ができますよう、参加者への研修や取りまとめへの助言を行う専門家等への謝礼のほか、調査時に同行する手話通訳者やヘルパー等に係る経費について、二百万円を上限に全額補助をいたします。
 さらに、調査に基づいて区市町村が実施する建築物、道路、公園等の段差解消や手すりの設置等のバリアフリー改修に要する経費につきましても、基準額を六千万円とし、その三分の二を都が補助することとしております。

○三宅委員 利用者の視点は本当に重要になってきますので、また今後ともよろしくお願いいたします。
 次に、ホームレスの地域生活への移行支援について伺います。
 都は、全国に先駆けて、平成十三年度から特別区と共同し、緊急一時保護センター、自立支援センター及び巡回相談などによる自立支援システムを構築し、ホームレスの地域生活への支援を実施してまいりました。
 都が昨年公表した平成二十八年夏期路上生活者概数調査の結果によれば、都内のホームレス数は千四百六十三人と、ピークだった平成十六年の六千七百三十一人から五分の一程度にまで減少したことは、こうした取り組みの成果があらわれていると思います。
 しかしながら、いまだ都内には千四百名を超すホームレスが存在し、その九割が区部に集中し、特に近年は路上生活の長期化、高齢化が進んでいるとの話であります。
 早急に対策を講じるべきと考えますが、長期化、高齢化したホームレスの地域生活に向けた都の今後の取り組みについて伺います。

○梶原福祉保健局長 都は、路上生活が長期化したホームレスに対しまして、医師、保健師等の専門職によるアウトリーチを重点的に行い、地域生活への移行を図る区市を支援しておりまして、現在、三つの区が実施をしております。
 来年度は、区が実施しているこうした取り組みを特別区との共同事業に位置づけ、二つのブロックで四区ずつ、計八区で実施をいたします。
 この事業では、専門職によるアウトリーチに加え、高齢化などにより就労での自立が困難なホームレスに対して、まず住まいを提供し、健康管理や訪問相談など自立生活に必要な準備を最長六カ月行います。
 その後、適切な福祉サービスにつなぎ、アパート等に転居していただいた上で、一年間アフターフォローを行い、地域生活への移行を進めてまいります。

○三宅委員 長期化、高齢化したホームレスの方だけに、個別の対応は難しい点もあると思いますが、健康状態が悪化するおそれもあります。答弁にあったように、新たな取り組みを着実に進め、一刻も早く路上生活からの脱却を促し、一人でも多く地域移行できるようお願いいたします。
 また、ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法は、本年八月に失効を迎えます。引き続きホームレス対策を推進していくためには、期限の延長が必要です。
 我が党といたしましても、国に対し要望活動を精力的に行っています。都としても国に対し強く働きかけていくことを求め、次の質問に移ります。
 中小河川の整備について伺います。
 一昨年の茨城県における鬼怒川の決壊や、昨年八月は相次ぐ台風上陸により北海道や岩手県で甚大な被害が発生するなど、全国で毎年のようにすさまじい水害が起こっています。
 都内では、平成二十二年に石神井川下流部において大規模な浸水被害が発生しており、これを受けた我が党の代表質問に対し、現在建設中の白子川地下調節池へ、白子川に加え、石神井川からの洪水を取水する施設を整備していくとの答弁がありました。
 平成二十六年第四回定例会では、二十八年度末からの取水開始を目指すとの答弁があり、また、これ以外でも複数の河川の調節池において二十八年度末までに取水を開始できるよう取り組んできたと聞いています。
 そこで、これら施設の整備状況について伺います。

○西倉建設局長 平成二十二年七月に大規模な浸水被害が生じた石神井川では、緊急豪雨対策といたしまして、建設中の白子川地下調節池に石神井川の洪水を流入させる石神井川取水施設の整備に取り組んでまいりました。これら施設の整備をおおむね完了させまして、二十八年度末から取水を開始いたします。これにより、二十二年と同様の豪雨が発生した場合におきましても、河川からの溢水を防止することが可能となります。
 同じく二十八年度末に取水を開始いたします黒目川黒目橋調節池の第二期事業や、昨年より稼働しております古川地下調節池、善福寺川調節池の効果もあわせまして、流域の治水安全度は大幅に向上いたします。

○三宅委員 都は、本定例会において、我が党の代表質問に対し、時間五十ミリまでの降雨は護岸整備で対応し、それを超える降雨には新たな調節池等で対応していくとの答弁をしましたが、幾つもの調節池を具体的にどう進めていくのか伺います。

○西倉建設局長 激甚化する集中豪雨等に対処するためには、道路や公園などの公共用地を活用し、ピーク時の洪水を貯留する調節池などを整備することが効率的、効果的でございます。
 このため、近年洪水による被害のありました神田川など五流域で、新たな目標整備水準に対応する五つの調節池の工事を本格化いたします。このうち、環七地下広域調節池につきましては、本定例会での議決を経まして本体工事に着手したところでありまして、平成三十七年度の事業完了を目指してまいります。
 これら五施設に加えまして、新たに谷沢川では分水路を整備することとし、本年二月には沿川の三カ所で説明会を開催いたしました。今後、都市計画等の手続を経まして、二十九年度の工事着手を目指してまいります。
 現在二十六の河川で進めている護岸整備とあわせまして、調節池や分水路の整備を推進し、都民が安全・安心に暮らせるセーフシティーの実現に向け、全力で取り組んでまいります。

○三宅委員 今後も着実にその事業を進めていただくよう要望しておきます。
 次に、船の話をさせていただきます。
 今、伊豆諸島には高速ジェット船が就航しておりますが、特に大島では来島者の約七割の人々が利用しているなど、重要な交通手段となっています。
 このうち一隻は、建造後三十五年を経過し老朽化が進んでいますが、建造に莫大な費用がかかり、更新が進まない状況にあります。
 高速ジェット船は、公共性、公益性が高く、この航路が維持できない場合は、島民の生活や経済に多大な影響を与えます。
 高速ジェット船の更新に向け、都の積極的な取り組みが必要でありますが、見解を伺います。

○斎藤港湾局長 都はこれまでも、離島航路維持のため、大型船の運航費の補助などさまざまな支援を行ってまいりました。
 伊豆諸島北部地域を運航する高速ジェット船は、島民にとってなくてはならない交通手段でございますが、ご指摘のとおり、建造費が課題となり、老朽化した船舶の更新が進まない状況となっております。
 このため、都はこれまでの取り組みを一歩進めまして、島民の足を長期的に確保する手段の一つとして、高速ジェット船の建造費の四五%を補助する制度を全国で初めて創設し、これにより更新を促進してまいります。

○三宅委員 次に、二〇二〇年に向けた都営地下鉄のバリアフリー化について伺います。
 都営地下鉄では、平成二十五年度にエレベーター等による一ルートを確保し、バリアフリーを進めてきたことは承知しています。ただ、駅によっては、他社線との乗りかえ経路等において、依然としてバリアが存在しているので、乗りかえ駅等へのエレベーター整備を急ぐ必要があります。
 高齢社会への対応や誰もが利用しやすいユニバーサルデザインの観点からも、バリアフリーに対する社会的要請は高まり、とりわけ二〇二〇年大会に向け、大会会場周辺の都営地下鉄の駅は、障害者を含む多くの観客がアクセスすることが想定されております。
 国立競技場駅など会場周辺駅につきましては、大会開催期間中には利用者が集中するとエレベーターの乗降に時間を要する事態も生じることが想定され、車椅子利用者が集中する場合であっても円滑に移動できるよう、エレベーター整備を積極的に進めることが必要となります。
 昨年末の第四回定例会代表質問で、大江戸線国立競技場駅においてエレベーターの増設を具体的に検討していくとの答弁を得ておりますが、その後の状況を含めた都営地下鉄における今後のエレベーター整備について見解を伺います。

○山手交通局長 交通局では、二〇二〇年東京大会に向け、競技会場周辺駅でのエレベーター整備に鋭意取り組んでございます。
 国立競技場駅につきましては、組織委員会など関係機関との協議を踏まえまして、ホームから改札、改札から地上を結ぶエレベーターをそれぞれ増設することとし、特に改札から地上までは二十四人乗りの大型エレベーターといたします。
 また、九段下駅では、エレベーターを三基増設し、新宿線、半蔵門線と東西線間の新たなバリアフリールートを整備するなど、東京メトロと共同で駅の大規模改修を実施してまいります。
 このほか、神保町駅では、三田線と新宿線の乗りかえエレベーターの新設工事に着手しておりまして、青山一丁目駅、両国駅でも増設に向けた準備を進めております。
 今後とも、二〇二〇年東京大会とその後も見据えまして、都営地下鉄のバリアフリー化に積極的に取り組んでまいります。

○三宅委員 九段下駅での新たなルートの整備をするとのことですが、他の駅でも着実に整備していただくよう要望しておきます。
 この後、崎山理事より関連質疑がありますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

鈴木(隆)委員長 計測をとめてください。
 ただいま、崎山知尚理事より関連質疑の申し出がありました。
 本件は、予算特別委員会実施要領第七の規定に基づき、質疑委員の持ち時間の範囲内で認めることになっております。
 崎山知尚理事の関連質疑を認めます。
 なお、崎山理事に申し上げます。
 発言は、三宅理事の質疑の持ち時間の範囲内となっておりますので、あらかじめご了承願います。
 それでは、計測を始めてください。

○崎山委員 都議会自民党の崎山でございます。三宅理事の関連質問をさせていただきます。
 私からは、市場問題についてお伺いをさせていただきたいと思いますが、豊洲市場に対する議論が今かまびすしい中で、そもそも、なぜ市場移転が都政の議論になったのか、この部分の理解が深まらないとおかしな結論になりますので、予算特別委員会の初日に当たって、その原点に立ち返った議論をさせていただきたいというふうに思っております。
 まず冒頭、先ほどの三宅理事の質問で、知事は、第三の道はないというふうに答弁がありましたけれども、はっきりと、はいかいいえか、イエスかノーかで、まずお答えをいただきたいというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。

○小池知事 お答えを申し上げます。市場の移転は、これまでの長い経緯をたどってこられたことは、皆様方の方がよくご存じのとおりだと、このように思っております。
 まず、豊洲市場への移転について議論すべきは、第三の道があるか否かではないと基本的には思っております。だからこそ、今これだけの時間をかけて、どのようにして科学的な、法令的な問題をクリアしていくのか、そしてまた安全、そして一方で(崎山委員「はいかいいえかでお答えいただきたいと思います」と呼ぶ)今お答えしているところでございますので、お待ちください。(崎山委員「質問者は私です」と呼ぶ)はい。そして、私は、この第三の道があるか否かという議論もさることながら、市場を取り巻く流通環境の大きな変化も見据えながら、総合的な視点に立って検討を進めることが何よりも重点だと考えております。
 まず、この豊洲、そして、これまでの築地の課題などなど、これらを総合的に判断するということで、鳥の目になって考えていきたいと考えております。

○崎山委員 第三の道はないというふうにお答えになりました。先ほどの我が党の三宅理事の質問の答弁とは、今、違いますが、もう一度お答えをいただきたいと思います。はいかいいえか。

○鈴木(隆)委員長 端的にお答えください。

○小池知事 第一、第二、第三、全て総合的に判断をしてまいりたいと考えております。そして、今この時点では、第一の道、そして第二の道と、この二つ、築地と、そして豊洲ということでございますので、今考えるべき点は第三ではないということでございます。

○崎山委員 済みません、ちょっと答弁をすりかえないで、さっき、ちゃんとはっきりお答えになったので、改めて確認をさせていただいたわけであります。
 もう一度聞きます。はいかいいえかで。

○小池知事 今お答えしたとおりでございます。今これについて、消費者にとって、そして都民にとって、業者にとって、何が必要なのかを総合的に考えているところでございまして、第一、第二の道を、これに集中して今考えているところでございまして、今、第三の道を考える時点ではないということでございます。

○崎山委員 済みません、答弁が違っているんですよね。総合的になんておっしゃってなかったと思いますけれども。第三の道はないというふうにはっきりいい切ったのですよね。ですから、築地か豊洲か、どちらかだというふうに私は理解をしておりますが、議事録とっていませんけれども、第三の道はないというふうにはっきりお答えしたと思いますが、いかがでしょうか。

○小池知事 再度申し上げます。先ほど申し上げましたのは、現時点で第三の道はないと、このように申し上げたわけでございます。この予算審議をする特別委員会においても、百条委員会においても、これについて今ご議論いただいているのは、第一、第二の道、この点について集中して今ご議論いただいているということでございますので、現時点では第三の道はないと、先ほど申し上げたとおりでございます。

○崎山委員 答弁が違っています。きょうから始まる予算特別委員会でありますから、二月二十八日に我が党の代表質問でははっきりとお答えになりませんでした、あのときは。で、きょうは、さっき、第三の道はないということで、現時点でというふうにおっしゃいましたけど、どこか、何だかよくわからない答弁になってしまいましたけど、三宅理事の答弁ではっきりお答えをしたというふうに私は理解をしましたけれども、それでは、豊洲か築地、築地か豊洲かということでございますから、築地のことを中心にお伺いをさせていただきたいというふうに思っておりますので、ご答弁をよろしくお願いいたします。
 まず初めに、築地の現状について確認をさせていただきたいと思いますが、そもそも、豊洲移転は今から三十年前の昭和六十一年までさかのぼり、築地市場の狭隘化、老朽化があり、それに加えて、食品衛生面での課題があり、待ったなしだからこそ、この議論が始まったわけであります。
 まず初めに、建物の安全性ですが、阪神・淡路大震災もあり、平成八年から二十五年までに耐震診断を行っているはずです。まずは、その結果をお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○村松中央卸売市場長 平成八年度から二十五年度にかけまして、築地市場の都有施設のうち、三階建て以上及び床面積の合計が一千平方メートル以上の建物を基本に、地震で被災した際に市場機能が麻痺する可能性の高い建物などを選定いたしまして、十六棟の耐震診断を実施いたしました。
 これらの十六棟のうち、五棟は耐震基準を満たしており、また五棟は工事を行うことで耐震基準を満たしました。残りの六棟は、市場業者の店舗の移動が必要となる場合や、売り場が筋交いで分断されてしまうなど、市場業者の営業継続に支障が生じることとなり、十分な工事を実施できなかったものでございます。

○崎山委員 確認をしたいと思いますが、この耐震診断が必要な六棟、ある意味でこれは、いわゆる既存不適格というふうに理解をしていいわけですか。いかがでしょうか。どなたか担当部署の方、お答えいただきたいと思います。

○村松中央卸売市場長 先ほど申し上げました都有施設のうち、三階建て以上等につきましては、防災上重要な施設ということで選定いたしまして耐震診断を行い、その結果に基づきまして、現在六棟が耐震基準を満たしていないと、そういうことでございます。

○崎山委員 この六棟、耐震基準を満たしていないということは、いわゆる既存不適格だというふうには理解はしない。耐震補強ができないという建物だというふうに理解をしていいわけですね。

○村松中央卸売市場長 市場業者の店舗の移動が必要になる場合だとか、売り場が筋交いで分断されてしまう場合だとか、いろいろそういった経緯がございまして、十分な工事を実施できなかったものでございます。

○崎山委員 耐震補強ができない建物が、六棟、築地にはあるということで理解をいたしました。
 次に、毎年、施設の補修を、ある意味で、だましだまし続けながら築地は使われていますが、過去五年間のこの補修費の決算額をお示しいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○村松中央卸売市場長 築地市場の過去五年間の修繕費の概算でございますが、平成二十三年度が三億一千六百万円、二十四年度が三億一千五百万円、二十五年度が三億二千八百万円、二十六年度が三億七百万円、二十七年度が一億五千万円でございます。

○崎山委員 二十七年度だけ耐震補修費が落ちている、その理由は何ですか。

○村松中央卸売市場長 要因といたしましては、電気通信関係の改修工事などの機械及び装置補修が減少していると、そういうことが主な要因でございます。

○崎山委員 もう一つ、築地市場には数多くのターレ、そしてフォークリフト、バイク等が交錯して、まさに早朝の築地は、ほぼ毎日事故が発生するような危険な状態であると聞いています。
 私も何回か早朝の築地の視察をさせていただきましたが、実際に年間三、四百件、三百件、まあ四百件を超えることもありますけれども、交通事故が発生しておりまして、そのうち、これ、人身事故ですけれども、実に四割が人身事故となっています。(パネルを示す)知事は一月十二日に築地市場を視察されましたけれども、知事が現地視察を行った際に、こうした状況をごらんになりましたか。

○小池知事 知事就任後、二度ほど築地市場に参りました。実際に、ご指摘のように、大きな荷物を載せたターレが元気よく勢いよく走り回るさま、自分でも見てまいりました。逆にいえば、大変活気があふれる、そういう市場であるということを目の当たりにしたわけでございます。
 一方、スペースが狭いという観点もございます。そして同時に、同じような時刻に多くの車両が集中するわけでございますので、残念ながら事故も多いというのが現状かと聞いております。
 そういったことを考えますと、安全確保の取り組みということを適切に講じていくことが、何よりもまずは重要だと考えております。

○崎山委員 この四百件という数が多いか少ないかというと、開場日も含めていえば、一日一件以上の事故が起きているわけでありますが、やはり危険な状態だというふうに思っています。
 なおかつ、築地市場は車線もないですし、観光客もいますし、歩行者もいますし、いろんな意味で、もう本当に混雑をしているというふうに思います。やはりしっかり安全対策をとらなければいけないんですが、やっぱり築地市場は狭隘で狭いということがいえるんだろうというふうに思っています。
 また、築地市場は、閉鎖型としての整備はされていません。開放型ゆえに猫やネズミ、カラスやカモメなどの侵入を防ぐことができません。
 パネルをお願いいたします。実際に場内を撮影したのがこれですが、ごらんをいただき、ゆっくり--これはカラスですね、これはネズミ。これがオープンエアの築地でございますけれども、そういった環境にありますけれども、知事の、この築地の老朽化した状況をどういうふうに思われるのか、感想をお聞かせいただきたいと思います。

○小池知事 ネズミの前でお答えするのも何なんですが、築地の現場は何度も拝見をいたしました。改めて、これまで積み重ねた歴史も感じるところでございます。伝統も感じるところでございますが、ご指摘のように、今ここでお示しのように、衛生面での課題も抱えているということは、業界の、業者の方々もよくご存じでございますし、また、私自身も現場に出向きまして、状況は理解できたところでございます。
 ましてや生鮮食料品を提供するということでございますので、都民に安全な食品を提供するためには、市場業者の協力も得ながら、衛生確保に向けた取り組みを着実に進めていく必要があると思います。
 一方で、現に今、営業しておられるということから、これらの衛生の確保ということについては、しっかり取り組みたいと考えております。

○崎山委員 さっきも耐震補強ができないのが六棟あると。営業しながらなんですね。しかも狭隘でできないということでございますが、こういう衛生管理、開放型ですが、やはり誰でも入ってこられる環境にあります。
 水産売り場、仲卸売り場以外で、ネズミの数が五百匹確認をされたというふうな話も聞いておりますけれども、知事が一月十二日に築地市場に視察に行ったときに、ちょろちょろでしたっけ、きょろきょろでしたっけ、ちょろちょろしたのを拝見したということでございますが、どんなネズミですか。(小池知事「そんなネズミ」と呼ぶ)えっ、どういう意味ですか。済みません、答弁席で。大きい、こんなネズミですか。どうぞ。

○鈴木(隆)委員長 答えられますか。

○小池知事 これが答えになるかどうかわかりませんが、そこまでは大きくなかったです。

○崎山委員 わかりました。本当にネズミがたくさんいて、カラスはいて、いろんな面で衛生面で問題があるというのがこの築地。しかも、なおかつ市場業者が努力をしても対処できないような環境にあるということも申し上げておきたいというふうに思っています。
 次に、近年、集中豪雨の被害が各地を襲っておりますけれども、大雨の際には、場内にいろんな影響を及ぼしているとも聞きます。
 その実態をお示しいただきたいと思いますが、いかがですか。

○村松中央卸売市場長 近年の集中豪雨などの大雨の際、築地市場では、売り場や駐車場等におきまして、雨どいから水があふれたり、また路面が冠水するなど、市場機能に影響がございました。
 雨どいや排水管等につきまして、日々の点検や清掃を小まめに行うなど、大雨による被害の防止に努めてまいります。

○崎山委員 聞くところによりますと、最近、ゲリラ豪雨も多発をしていますけれども、下水マンホールからオーバーフローすることが年に何回かあるというふうにも聞いておりますけれども、そのことについてはどういうふうに把握されて、どういうふうに対処していて、これから対処しようとしてきているのかお伺いしたいと思うんですが、いかがですか。

○鈴木(隆)委員長 誰ですか、答弁。

○村松中央卸売市場長 今ご質問の、マンホールから水があふれ出すと。正確な件数は把握しておりませんけれども、そういったことがあるやに聞いておりますが、その場合につきましても、日々の点検あるいは清掃、こうしたものに取り組んで被害の防止に努めていくこととしております。

○崎山委員 やはり下水管の老朽化も含めて、こういう課題があるんだろう、こういう問題が出ているんだろうというふうに思っています。
 食品衛生の観点からいうと、築地は開場から八十年以上経過しています。開放型で観光客も自由に入れます。食品テロや、今も写真でごらんになったようにネズミ、カラス、ハトも出入りして、ふんにはウイルスや病原菌が含まれ、食中毒のリスクが高いことは自明のことです。その高いリスクの中で、市場業者の皆さんはしっかりと、ある意味でソフト面で頑張っていらっしゃいます。
 一方、豊洲は閉鎖型であります。どちらが衛生的なのか知事に所見をお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。端的にお答えをいただきたいと思います。

○小池知事 さまざまな調査をし、また、日々の衛生管理等、築地におきましても、市場として努力をしているところでございます。
 まだ豊洲の方は開場しておりませんので、そことどのように比較をするかというのは難しい話だと思います。

○崎山委員 市場長、閉鎖型と開放型とどちらが衛生的だと思いますか。お答えをいただきたいと思います。客観的にお答えください、科学的に。

○村松中央卸売市場長 開放型につきましては、一般的に、施設が開放型になっておりますので、さまざまな自然の影響があると。閉鎖的な施設につきましては、そういったことがございませんので、空間の中では環境が保持されていると、一般的にはそのように考えております。

○崎山委員 知事、今、市場長がそういうふうにお答えになりましたけれども、いかがでしょうか。

○小池知事 豊洲におきましては閉鎖的な空間を確保すると、また、この間に法令が変化をしてきている、それに適合させるための建築と、このように聞いております。
 また、閉鎖的な、法令等につきましては日々--日々とは申しませんが、徐々に変わっていくということでございまして、それに適合するような、そのような建築を進めてきたというふうには聞いております。
 一方で、築地には長い歴史があり、そしてまた、愛されてきたということも事実でございまして(発言する者あり)そういった意味で、開放型、閉鎖型--済みません、今答弁中でございますので、よろしくお願いいたします。これらについて、それが、これまでの築地の経験を重ねた上での、その豊洲ということを求めておられる、このように聞いております。

○崎山委員 知事、答弁をはぐらかさないでください。衛生面ではどちらがいいか、閉鎖型か開放型か。市場長はお答えになりました。お答えください。
   〔発言する者あり〕

○鈴木(隆)委員長 静粛に。

○小池知事 先ほどお答えさせていただきましたように、これまでのさまざまな衛生面の改善が行われる、それを豊洲で実現をしようということでございます。

○崎山委員 知事、答えてください。答えてください。比較をしているんですから、今。築地の市場業者は頑張って、やはりこういう施設、古い施設の中でもしっかり頑張って、人の口に入る食品は、衛生面も気を使ってやっている。ただ、今、施設の話をしているんですからね。どちらですか。

○小池知事 閉鎖型ということにつきましては、諸所の法的な安全性の、衛生面の確保ができるものと、そのために巨額なお金を投じられたものと、このように感じております。

○崎山委員 お答えになりませんね。お答えになりませんね。お答えになっていないんですよ。委員長、お願いします。ちゃんと答えるように。どちらが衛生的なんですかと私は聞いているんです。お答えください。委員長、お願いします。

○鈴木(隆)委員長 端的にお答えください。

○小池知事 先ほどから申し上げていますように、衛生面での基準、法的な基準等も年々変遷をしてまいりました。それらに適合するように豊洲が閉鎖的な衛生面での確保を狙ったと、このように考えております。

○崎山委員 ありがとうございます。
 豊洲の方が衛生的だというふうに答弁したと私は理解をします。多分、皆さんもそういうふうに理解をしているんだと思います。
 さて、次に、平成二十八年三月二十五日付で土地利用の履歴等調査届け出書、いわゆる地歴の調査結果が発表されています。
 その別紙に、履歴によると、かつて築地の場内には洗濯工場、修理工場、ガソリンスタンド、ソルベントタンク、これは私も知りませんでしたけど、ドライクリーニングの揮発性の溶剤を入れたタンクだそうでありますが、など過去に存在した施設とともに、土壌汚染の可能性があるというふうに指摘をされておりますが、この内容について確認をした環境局にお伺いをいたしたいと思います。
 この三月に、新聞社から情報公開請求により明らかになったものですけれども--環境局にこの内容についてまずお伺いしたいと思います。

○遠藤環境局長 環境局に対しまして建設局から提出された届け出書によれば、築地市場用地には過去には海軍の武器の製造所でございます造兵廠、アメリカ軍のドライクリーニングの工場、病院などがございまして、現在も市場衛生検査所、ターレの整備工場、ガソリンスタンド等があったことが記載されていることを確認しております。
 これらの施設には、土壌汚染の原因となる物質が使用されているものがあり、市場用地内には土壌汚染のおそれのある区域が存在することが推定されております。

○崎山委員 わかりました。
 次に、この三月に、今月ですね、プレス、新聞社から情報公開請求により明らかになった市場敷地内の土壌汚染なんですが、環境基準を超過した有害物質の調査結果が出たというふうに理解をいたしておりますが、ここでお答えをいただきたいと思います。

○西倉建設局長 平成二十五年の築地大橋の橋台工事で、掘削した土砂から環境基準の一・六倍のフッ化物と二・四倍のヒ素が確認されました。
 なお、当該現場では、土壌汚染対策法の規定に基づき、アスファルトや五十センチメートル以上の普通土で覆うなど対策を講じておりまして、人の健康に影響を与えることはございません。

○崎山委員 では、環境局と建設局さんにお伺いしたいんですが、この結果が出て、局として知り得てなんですけれども--知事だな、ごめんなさい、いつ、その結果を、報告を受けられましたか。(小池知事「もう一度、恐縮ですが」と呼ぶ)
 今、過去の地歴の話、去年の三月二十五日付で明らかになりました。それで、この三月にプレスから報道された、情報開示請求で明らかになった、これもこの三月で明らかになった話ではなくて、情報開示請求によって明らかになったものですが、このことの報告は、知事はいつお知りになりましたか。

○小池知事 正確な地歴についての情報は、情報開示請求があったときに報告を受けたところでございます。

○崎山委員 土壌汚染の、築地の敷地内の基準値を超える土壌汚染のことについて報告を受けたのはいつですか。

○小池知事 ただいま申し上げましたように、情報公開の請求に伴って報告を受けたその日でございます。

○崎山委員 ごめんなさい、今、過去の地歴が明らかになったのが、去年の三月二十五日なんですね。明らかになったのは、去年の、一年前。で、知事は八月二日にご就任なされましたから、それ以降、いつお知りになったのかお伺いしたいと思います。

○小池知事 先ほどから申し上げておりますように、情報公開請求があり、それに対しての答えを用意する、そのための報告でございました。
 今ご指摘の昨年の三月の時点では、私はまだ国会議員でございましたが、しかしながら、築地市場についての歴史の本については、以前より知っておりました。

○崎山委員 知事、聞いていることにお答えください。

○小池知事 ちょっとお待ちください。

○鈴木(隆)委員長 よろしいですか。

○小池知事 正確にお答えをしたいと思います。そして、その何月何日という、それについてまず確認をいたしますけれども、今、この情報公開に伴うその結果を出す、その前にきっちりと情報の内容について伺った、それが三月三日ということで、今、事務方から報告がありました。

○崎山委員 済みません、私の質問が悪かったですか。一つは、情報開示請求があったのでそれを公開した。そうではなくて、建設局が去年三月二十五日、地歴の調査をしたんです。で、土壌汚染の可能性があると、おそれがあるというふうに判断をしたんだというふうに私は理解をしています。それがいつでしょうかというふうにお聞きをしているんです。地歴です、情報公開じゃありません。

○鈴木(隆)委員長 質問わかりますか。

○小池知事 正確な日付の確認をただいまさせていただいておりますが、先ほど三月三日と申し上げましたけれども、三月一日に建設局に開示請求があり、三月七日に開示をしたということでございますが、その前に報告を建設局から受けたということで、先ほどご答弁したとおりでございます。

○崎山委員 じゃあ、それぞれの局長にお伺いしたいと思います。地歴の報告と環二の予定地の土壌汚染について、いつ知事に報告したのか、市場長、建設局、環境局、どうぞお答えください。

○遠藤環境局長 三月二十五日の届け出に関することに関しましては、二月二十日に知事にご報告を申し上げております。(崎山委員「何年か」と呼び、その他発言する者あり)昨年三月に、二十六年の三月に届け出られた届け出書に関しましては、開示請求等に伴いまして二月二十日に私の方で知事に報告をしております。

○崎山委員 環境局長、何年か。日にちだけいってもわかりません。

○遠藤環境局長 失礼いたしました。年度を正確に申し上げておりませんでした。本年の二月二十日にご報告を申し上げております。

○崎山委員 済みません、三人にまとめて質問したんですが。お願いします。

○西倉建設局長 お答えいたします。新聞社から二十九年三月一日に、当局が行いました土壌調査につきまして開示請求がございました。その内容について三月三日に知事にご報告し、三月七日に開示をしております。

○崎山委員 現在の築地は、そもそも、鉄道による流通に主眼が置かれて整備されてきました結果、トラック輸送が主流である現在、さまざまな支障が出ています。屋根のない駐車場で荷さばき等が行われています。さっきのパネルをごらんいただけるとわかりますけれども、こんな状況であります。
 鮮度保持や作業効率にも大きな影響が出ていると聞いています。市場業者の声を知事はお聞きでしょうか。いかがでしょうか。

○小池知事 先ほどご答弁させていただきましたが、知事就任後にも二度、市場の方に足を運ばせていただき、そして、それぞれの組合の方々からもお話を伺ったところでございます。
 特に、年明けにマグロの競りを視察いたしました。市場関係団体の方々とはある種、膝詰めのような形で意見交換もさせていただきました。率直なご意見、直接伺うことができて、大変よい機会だったと思います。
 また、築地市場の老朽化、それから狭隘化ということについての話も、これも以前から伺っております。それから、衛生面の課題についても何とかしてほしいという声も、切実な声も伺っているところでございます。
 それらのことも含めまして、しっかりとこの皆さんの声を受けとめながら、今後とも適切に対応をしていくという所存でございます。

○崎山委員 移転の問題も含めて市場業者とどのように向き合っているのかを含めてお伺いをさせていただきたいと思いますが、どのぐらいの頻度で、どういう方たちとお会いになっているのか。例えばそれなりの、特定の、ある組織の団体の皆さんなのか、そうではなくて個人的なおつき合いなのか、そこら辺も含めてお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○小池知事 それぞれ、年末の予算の際にも、市場関係者の方々、ずらっと都庁の方にお越しいただいて、ご要望も、そしてまた切実な現状についてもお伺いをさせていただきました。
 それぞれの立場でいらっしゃいますので、それぞれの業界において、青果ならこう、仲卸ならこうと、それぞれございます。それらは、私が直接というよりは、さまざまなルートを通じましてお話を伺っているところでございます。団体の代表の方、そして一人一人のお声、それぞれ別々、そしてさまざま伺わせていただいて、それを参考にさせていただいているところでございます。

○崎山委員 一つ一つ確認をさせてください。それは、知事は就任をして、八月三十日以前に、そうした団体の皆さんといろんな意見交換をされたことがあるかないか、お答えいただきたいと思います。

○小池知事 ご質問は、就任前か否かということ、就任前にも会ったかということでしょうか。そうでしょうか。(崎山委員「就任後」と呼ぶ)就任後につきましては団体……(発言する者多し)八月ですか。七月ですか。
   〔崎山委員「済みません、委員長、八月の二日から……」と呼ぶ〕

○鈴木(隆)委員長 崎山理事、ちょっと……。もう一度、崎山理事から質問をしてもらいます。

○崎山委員 済みません、質問の仕方が悪かったようですね。八月二日以降、八月三十一日の間、団体の方とお話をお聞きになったことがありますかという話です。
   〔発言する者多し〕

○鈴木(隆)委員長 わかりますか。--崎山理事、もう一度質問してください。

○崎山委員 八月二日から八月三十一日の間に、築地市場の団体の皆さんと意見交換をなさったことがありますかという話を聞いているんです。

○鈴木(隆)委員長 よろしいでしょうか。

○小池知事 就任をしてから八月三十一日までの間に直接関係者と会ったかというご質問、このように受けとめてよろしゅうございますでしょうか。--私は、直接お目にかかってということではなかったと記憶をいたしております。

○崎山委員 わかりました。
 それでは、もう一つ築地の問題があります。
 築地再整備が施行された際、大きな問題となった一つにアスベスト含有の大屋根の危険性がありました。アスベストを除去するためには、まず建物全体の飛散防止策をとらねばなりません。その間は当然、今の法律の縛りの中では営業できないので、営業を続けながら処理をするのは大変難しいというふうに思っております。
 これが築地の空から見た、空からというか上空から見た写真ですけれども、知事、どの部分がアスベストかわかりますか。

○小池知事 アスベストが大きな問題になりました際に、アスベスト法をつくった際の環境大臣を務めておりました。そのようなさまざまな分野で使われていたということでございます。ここのどこでというよりは、非常に広い範囲で使われていたと、このように認識をしておりますが、それに対しまして、例えば駐車場等の部分などの屋根のすぐ下であるとか、当時はアスベストが多用されていた。
 しかしながら、アスベストの法案ができました。それに対応して、この築地においても、それに改修の方法等も法律で決められております。適切にその対応をされたと、このように聞いているところでございます。

○崎山委員 パネルをごらんのように、このグレーになっているところ、これがアスベストの部分なんですね、屋根の。(発言する者あり)屋根ですよ。ほぼ全体がアスベストで、もちろん壁面も、アスベストがやっぱり使われている築地市場であります。
 大変厳しい状況でありますし、もちろんこれ、流通される品物の品質確保はもちろんのことですけれども、働く、仕事に従事する人たちの労働環境、健康の問題も課題となると思いますが、その対応はどのようにされているのか、市場長にお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○村松中央卸売市場長 営業しながらアスベスト含有建材の撤去を行う場合、工事区画を密閉するなど、徹底した飛散防止対策が必要となります。そのためには、売り場や通路を封鎖する必要が生じるなど、営業に支障を来すことから、相当困難を伴う工事となります。
 都としては、引き続き日々の監視を行いまして、市場で働く方々の労働環境にも配慮しながら、営業に支障のないように取り組んでまいります。

○崎山委員 今、築地の現状についてさまざまな、知事とも関係者とも、質問をしてまいりました。多くの課題を抱えていることは事実です。
 重ねて申します。今の築地の設備では、やはり限界があるんだというふうに思っています。私も事業者の方と直接、最近会ってお話をいたしましたけれども、もう施設の限界というのは本当に大変な状況だという生の声をお聞きいたしました。
 それで、築地市場における安心・安全の確保、これは知事も大前提だとおっしゃいましたけれども、築地は安心・安全が確保されているというふうにお考えでしょうか。

○小池知事 記者会見などでもたびたび申し上げてまいりました。
 安全と安心、この議論になりますと、途中、神学論争にもなりがちでありますが、少し整理をいたしますと、安全というのは、法的、そしてまた科学的な根拠に基づくものと、このようなものでございます。
 一方で、安心というのは、消費者の選択もしくは理解と共感ということが必要になってくると、このように思われます。
 これらのことにつきましては、しっかりと安全性の確認と、そしてまた消費者の選択の観点から、十分な情報を出していくことによって、この二つが確実なものになってくると思います。
 一方で、今この議会におきましても、いろいろとこれまでの経過などについてのご議論が行われている。一方で、今後どうすべきなのかということについては、市場の会計制度、そしてまた市場の持続可能性、すなわち、私が何度も申し上げているのは、総合的な判断をしていくと。そのために必要な再調査、モニタリング再調査なども含めて進めているところでございます。
 改めまして、総合的な判断に基づいて進めていきたいと考えております。

○崎山委員 済みません、知事、私、今、移転の話をしているんじゃないんです。築地の安心・安全の話をしていて、総合的な判断というのは安心・安全の、築地の総合的な判断というふうに理解をするんですが、豊洲と何かごちゃごちゃに答弁なさいますので、両方の話をされているのかなというふうに思いましたけれども、築地のことでということですか。安心・安全なんですかということの見解をお伺いしているんです。

○小池知事 築地の安全・安心という観点におきましては、安全性という観点では、先ほどのアスベストの問題などもございますが、議会でもご審議いただいて、そしてそのアスベスト対策というのは、予算もつけて、そして築地の安全を守るご努力を皆様方もされてこられたと、このように考えております。
 安心につきましては、消費者の築地に寄せます、レガシーといってもいい、何というんでしょうか、安心というものは既に確保されているものと、このように考えております。
 現に、今、きょうも営業しているということはまさしく消費者の安心を証明しているのではないかと、このように思いますが、一方で、先ほどいろんな動物の話もございました。これらの問題については、適切に市場で対応すべきだと、このように思っております。

○崎山委員 ちょっとわかりづらい答弁でありましたけれども、時間もないので。
 今、限界のある築地は、市場関係者のたゆまぬ努力によって支えられているんです、ある意味で。かつて日本橋魚河岸から築地に移転したときも、あるいはまた神田から大田にやっちゃ場が移転した際も、同じような不安があったというふうに私は聞いています。
 築地も、日本橋からの移転直後には売り上げの減少が続いたそうであります。それでも、業界の皆さんが河岸行きの目きき、その力を発揮して、当初の安心を、この今の安心を積み上げてきたんだろうというふうに私も理解をいたしております。
 今の築地の皆さんも、建物の限界があるというふうにはいわれておりますけれども、安心をソフト面で保持していただいているんだというふうに思っております。
 安心を形成するための努力を惜しむことがあってはならないというふうに思っておりますので、今までの議論を踏まえ、次の視点から質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 フリップをお願いいたします。
 平成二十八年八月三十一日の記者会見において、知事は豊洲移転の延期を決められました。移転延期の理由として挙げられたのが三点あります。
 (1)、安全性への懸念、(2)、巨額かつ不透明な費用の増加、(3)、情報公開の不足ということで、三つ挙げられています。
 まず、二番目から行きましょう。巨額かつ不透明な費用の増大というものがありますが、これは、先ほど三宅委員もおっしゃっておりましたけれども、刑事事件など不適切なものがあればしっかりと司直に委ねればいい話であり、建設コストが巨額という疑問は建屋の問題であります。移転延期の理由にはならないというふうに私は考えています。
 次に、情報公開の不足を挙げられております。知事も先ほど三宅理事の質疑でもお答えになりましたけれども、百条委員会でしっかりと情報公開をしながら、今、調査をしているというふうに私も理解をいたしております。土地の売買のことですから、何も延期する理由は見当たらないというふうに私は理解をいたしております。
 これに対して、安全性への懸念、一番でございますが、これは、都民の食の安全の観点から懸念があれば延期をするということが、ある意味で妥当な措置だというふうにも思われます。
 そして、知事は、懸念の理由を、後日の記者会見で明らかにされたものを含めると、三つ挙げていらっしゃいます。
 一つは、豊洲施設の建屋の危険です。いいですか。これについては、去年十二月末に検査済み証が交付されました。建物の安全が公的に確認をされました。
 二つ目は、揮発性ガスの発生を防ぐために盛り土をしたところ、一部盛り土がされずに地下ピットになっていることが挙げられましたが、しかし、これは専門家の調査によって、換気がなされれば危険性は、問題がないということが明らかになりました。
 このように、三つ挙げた懸念のうち、二つは安全性が確認できたというふうに私は理解しています。
 続いて、残ったのは地下水の問題です。環境基準の七十九倍のベンゼンが検出されるなど、地下水の汚染こそが残された懸念だというふうにいえます。
 しかし、地下水の問題は食品の安全とどのような関係があるんでしょうか。市場長、いかがでしょうか。

○村松中央卸売市場長 地下水は、飲み水として利用したり、市場業務に用いたりせず、摂取経路が遮断されている状態であれば、市場の運営や人の健康に影響を与えることはないと考えております。
 築地市場におきましては、地下水は飲用に利用されておらず、敷地を覆うなど、法令上の措置を適切に講じております。

○崎山委員 現在の築地において、水産部や青果部ではどんな水を使用しているんですか。端的にお答えください。

○村松中央卸売市場長 築地市場におきましては、主に水道水を使用しておりまして、その他、ろ過海水を市場内洗浄の一部及び活魚用水に使用しております。
 地下水については使用しておりません。

○崎山委員 地下水は今、利用していないという答弁がありました。
 今、市場長の答弁にあったように、市場では地下水は使用しておりません、築地市場では。水産部で使用している水は、ろ過海水と上水道だけであります。
 知事は二月二十八日のぶら下がり会見で、昨年三月に築地市場の土地利用の履歴で土壌汚染のおそれがあるという都の報告について、こういうふうにおっしゃっていますね。(パネルを示す)築地はコンクリートでカバーされ、汚染はないという認識です。豊洲は築地と同じ観点であるわけにはいかないというふうにおっしゃっていますけれども、科学的な考えで判断される知事ですから、そもそも食品に地下水を使っていないのだから、地下水が食品に触れないようにきちんとふたをしていれば大丈夫だというふうにご認識ですか。

○小池知事 まず、今のご質問は豊洲ということでよろしゅうございますでしょうか。築地でしょうか。(崎山委員「築地。さっきからきょうは築地の問題を中心に。済みません」と呼ぶ)わかりました。
 築地に関しましては、コンクリートで覆われているということで、中にはひび割れているところもあるかもしれませんけれども、しかしながら、法的な問題とすれば、それはカバーはされているということでございます。
 そういったことで、ぶら下がりでもって、法的な基準は満たしているということを申し上げたわけでございます。

○崎山委員 で、これから聞くんです。
 そうすると、築地も豊洲と同じぐらい土壌汚染のおそれがあるものの、土壌がコンクリートでカバーされているから食品の安全には問題ないというふうに理解していいですか。(発言する者あり)もう一度質問しましょうか。築地も豊洲も同じく土壌汚染があるものの、土壌がコンクリートでカバーされているから食品の安全に問題はないというふうに理解をしてよろしいでしょうかということです。

○小池知事 今度は豊洲のことでよろしゅうございますね。(崎山委員「はい」と呼ぶ)豊洲市場、コンクリートで覆われているから法令上の安全性も確保されているじゃないかと、築地市場と同じ理屈じゃないかと、こういうご質問だったかと思います。
 豊洲市場については、建物の地下というのは、いわゆる捨てコンになっているわけでございます。その上にコンクリートの一階の床があるというのでコンクリートで覆われているという理屈ではないかと思いますが、土対法の汚染土壌の上の遮断のためのコンクリートではないということで、豊洲と、それから築地と、コンクリート問題で一体として扱うというわけにはいかないと、このように考えております。

○崎山委員 今、知事のご答弁では土対法上は違うというふうにご答弁があったというふうに私は理解をしたんですが、これが築地と豊洲の図面です。簡単にポンチ絵、つくりました。
 築地の場合は、これはもちろん開放型です。コンクリートやアスファルトで、これ、覆われています。
 豊洲の場合は、これがコンクリートやアスファルト。地下ピット、これは閉鎖されていますから、しかも、なおかつ、ここの換気をちゃんとすれば問題がないというふうに私は理解をしておりますけれども、関係者の皆さん、いかがでしょうか。

○鈴木(隆)委員長 誰、誰に聞きますか。
   〔崎山委員「担当者。環境局なのかな」と呼ぶ〕

○遠藤環境局長 豊洲市場用地につきましては、盛り土、アスファルト、コンクリート等により、土対法上必要な措置はされているというふうに考えております。

○崎山委員 知事、担当局長と知事のご答弁が違います。再び聞きます。いかがでしょうか。知事にお伺いいたします。

○小池知事 今、私の方から申し上げましたように、建物の地下に遮断のためのコンクリートを敷けば、土壌汚染対策に定める、豊洲市場もコンクリートで覆われているということになると、私はこのように理解をいたしております。

○崎山委員 土対法上に問題があるかという話を私はしたので、環境局長、もう一回、答弁をお願いします。

○遠藤環境局長 土壌汚染対策法上は、適切な盛り土、それから一定の厚さでのコンクリート、アスファルトによる遮断が必要とされており、豊洲市場用地につきましては、基本的にそれらの措置が講じられているものというふうに考えております。

○崎山委員 重ねてお伺いをいたします。
 市場長、いいですか。関係局長にお伺いをいたしますが、土対法上、問題ない。労働安全衛生法だとか、食品衛生に関係する法律があると思いますが、それも基本的には国の基準はクリアをしているというふうに、豊洲は理解をしていいのでしょうか。お答えをいただきたいと思います。
 全てクリアしているのかということをお答えいただきたいと思います。これは国会でももう質疑があって、しっかりと国の方で見解を示しておりますから、しっかりと現場の東京都もお答えいただきたいと思います。お願いします。

○村松中央卸売市場長 豊洲市場につきましては、建築基準法や土壌汚染対策法など、さまざまな関連法令にのっとりまして、適切に整備を進めてまいりました。
 設備につきましても、労働安全衛生や食品衛生の観点から、法令に基づいた措置を講じております。
 昨年末になりますが、検査済み証の発行によりまして、施設の安全性について、改めて確認したところであります。
 また、都民の安心の確保に向け、地下水モニタリング調査も行っております。

○崎山委員 知事、もう一度お答えいただきたいと思います。

○鈴木(隆)委員長 何を。

○崎山委員 国の関係法令上は何にも問題がないというふうにそれぞれの担当の局長がお答えになっておりますが、何かわかりづらい答弁なんですよ。イエスかノーでお答えをいただきたいと思います。
 答弁が長過ぎて、ちょっとわかりづらい。はっきりとお答えいただきたいと思います。
   〔「法令をクリアしているかどうか」と呼び、その他発言する者あり〕

○崎山委員 もう一回質問します。国等の法令は全てクリアしているんですよね、豊洲はということの確認です。

○小池知事 これまで土対法対策ということが豊洲においてもとられてまいりました。それがゆえに八百億円ものお金をかけて、今、最後のチェックをしておられるということだと思います。
 先ほどから、国の法律と、そして都の流れとお話ございました。豊洲市場は、都みずからが定めた、法令を上回る措置を講じるという方針をこれまで求めてこられたのではないでしょうか。ましてや、ここは卸売市場であり、生鮮食料品を扱うという、このことが土対法の中でも最もレベルが高いことを求められるものではないかと、このように思います。
 そして、それが科学的にどういう影響があるのかということを現在、専門家に調査してもらっているところでございまして、それを含めまして、法律が求める安全性の確保、それに加えて都民、そして国民が安心できる市場を実現していこうということでございます。
 法的な問題については、それを、法令を上回る措置を講じるというのが東京都のこれまでの意思ではなかったかと、このように私は理解をいたしております。

○崎山委員 知事、聞いたことだけにお答えをいただきたいと思います。国の法令上の問題は全てクリアしているというふうに理解をしていいんですか、お答えをいただきたいと思います。端的に、イエスかノーかでお答えをいただきたいと思います。
   〔発言する者多し〕

○鈴木(隆)委員長 静粛にしてください。

○小池知事 今、同じご質問をいただきましたので、同じお答えになってしまいます。
 私も、土壌汚染対策法ということにつきましては、これまでもかかわってまいりました。そしてまた、まだ豊洲が何も建っていないときにも、しっかりと現地を訪れて、そしていかにして浄化していく、その作業をしているか、つぶさに見てまいりました。
 しかし、あくまでもここは生鮮食料品を扱うということをベースにしながら、国の法律を超えて、そして法令を上回る措置を講じるというのが、東京都の皆様方、この議会でも、また都庁でもお決めになったことではないでしょうか。
 それを徹底していくことと、そしてまた、この間に地下水、先ほどから地下水のモニタリングは関係ないというお話ございますけれども、しかしながら、これを決められた形で進めていくことによって、そして信頼を得るという一番大きなことを確保しようとしたのが私の決意でございましたので、そこをよくご理解いただきたいと思います。

○鈴木(隆)委員長 知事、ちょっといいですか。知事、今、これ、もう三回目になりますから、もう一度理事に質問してもらいますが、端的に答えてください。よろしいですか。端的に聞いてください、理事。よろしいですか。

○崎山委員 今は食品の関係もお話をしましたけれども、知事は、ご答弁がありましたけれども、国の法令上の問題、基準、いろんなところがありますけれども、それは全てクリアされているんですねという確認をさせていただいているんです。いかがでしょうか。端的にお答えください。
   〔発言する者あり〕

○鈴木(隆)委員長 ちょっと黙っていて。

○小池知事 それらのことを確認するために、専門家会議、来週にも開かれます。そしてまた、モニタリングの結果も出てまいります。それらを総合的に判断をしてまいりますと、このことを再三再四お伝えしているところでございます。

○崎山委員 違います、知事。もうちょっときちっと答えてください、はぐらかさずに。
 国会の議事録も、私、読みました。国会の答弁で、委員会の答弁ですけど、全てクリアされているというふうに国の方で答弁が出ております。ですから、知事のお答えは違うんだと思いますし、認識を改めていただきたいと思います。
 次に、(パネルを示す)三月二日の一般質問について、知事は、築地市場の敷地はコンクリートやアスファルトで覆われておりまして、土壌汚染対策法等の法令上の問題はなく、人の健康に影響を与えることはないと考えておりますというふうに、我が党の三月二日の一般質問にお答えになっておりますが、この考えにお変わりはありませんよね。

○小池知事 法令上の問題ということにつきましては、この築地市場の敷地はカバーができているということでございます。

○崎山委員 では、この件で幾つかお伺いいたします。
 この答弁から読み取れることは三つあります。
 一つは、コンクリートやアスファルトで覆われております。
 二つ目は、土壌汚染対策法等の法令上の問題はなく、人の健康に影響を与えることはないというふうにおっしゃっております。
 そこで知事にお尋ねします。人の健康に影響を与えないということについて、コンクリートやアスファルトで覆われていること、土壌汚染対策法等の法令上の問題はないこと、そのほかに理由はありますか。
   〔小池知事「もう一度よろしいですか」と呼ぶ〕

○崎山委員 この三つのこと、この三つのことを聞いておりまして--法令上の問題はない、そのほかに、ほかに、築地の土壌汚染の問題はないというふうに、土壌汚染の問題に対して心配ないということ……
   〔発言する者多し〕

○鈴木(隆)委員長 静粛にしてください。

○崎山委員 人の健康に影響を与えないということについて、コンクリートやアスファルトで覆われていること、土壌汚染対策法等の法令上の問題はないということ、この考え方に変わりありませんね。

○小池知事 ご指摘のとおりでございます。

○崎山委員 覆われていることプラス法令上問題はないということ、すなわち人の健康に影響を与えないということを、知事の考えを確認させていただきました。
 安全ということでよろしいですね。築地は安全ということでよろしいですね。

○小池知事 土対法上、安全と考えております。

○崎山委員 これで築地市場の事業者の皆さんは安心するというふうに思います。
 さて、豊洲のことに移ります。
 コンクリートやアスファルトで覆われています。これはある意味で、ファクトです、豊洲の。コンクリートやアスファルトで覆われています。知事、正しいですか。

○鈴木(隆)委員長 知事、今の質問、理解して……(小池知事「もう一度いいですか」と呼ぶ)はい。(発言する者多し)静粛に。静粛にしてください。

○崎山委員 さて、さっき豊洲のことでお伺いをいたしましたけれども、豊洲の問題でですね--人の健康に影響を与えることはないと考えております。この築地市場の敷地は、コンクリートやアスファルトで覆われています。土壌汚染対策法等の法令上の問題はないというふうにいわれています。豊洲についても同じことがいえますよねということをお聞きしているんです。
   〔発言する者あり〕

○鈴木(隆)委員長 ご静粛にお願いします。

○小池知事 確認をいたします。今度は豊洲の件でよろしいんでしょうか。(崎山委員「はい、そうです」と呼ぶ)豊洲市場につきましては、法的に求められていることを、これまではそれに対応してまいりました。一方で、この土対法をクリアするためには盛り土をせよということが専門家会議で決められていたわけでございまして、そのことが守られていないということが今、この専門家会議を改めて続けているということで、このように私は理解をしているところでございます。
   〔発言する者多し〕

○鈴木(隆)委員長 ご静粛に。

○崎山委員 それでは、担当部署の方にお聞きをしますが、土対法上、盛り土をしなくてはいけないですか。盛り土をしなくてはいけないのか。端的にお答えくださいね。

○遠藤環境局長 土壌汚染対策法上、封じ込めその他行わなければいけない措置は幾つかありますが、その中で行われている盛り土は行われております。
 今、知事がお答えになりましたのは、専門家会議の中で、土対法を上回る措置としての盛り土をすることについてのお答えかというふうに存じます。

○崎山委員 さっきはお答えになりませんでしたが、改めてお伺いをさせていただきたいと思いますが、土対法上、豊洲は問題ないんですね。
   〔発言する者多し〕

○鈴木(隆)委員長 ご静粛に願います。ご静粛に。

○小池知事 先ほどもお答えいたしましたけれども、法的に求められている点につきましては、これはカバーをしていると。しかし、土対法を上回る目標にするために盛り土もするといった専門家会議のお話があったと。それがまだ十分でないということから、改めて専門家会議、そして市場プロジェクトチームが、そのために必要な対策は何があるのかということをご議論いただいている最中だということでございます。

○崎山委員 築地と豊洲は土対法上、いろんな法令上の問題はクリアされているというふうにお答えをいただきました。わかりました。
 それでは、先ほどの問題にまた戻らせていただきたいと思います。地歴の問題ですね。
 地歴の問題でありますけれども、地歴は--去年の三月二十五日で、知事は去年の八月二日の日に就任をされました。二月二十日の日に局の方から報告があったということです。
 もう一つは、環状二号線の土壌汚染についてでありますけれども、これも、この三月に(「三日」と呼ぶ者あり)三日ですか。三日の日に、プレスからの情報開示請求によって、築地市場の敷地の中で基準値を上回る有害物質が出たということをおっしゃっています。
 二つとも前の話でありまして、何がいいたいかというと、知事は八月二日の日に、当選をされまして、ある意味で知事選のですね、いろんな意味で、築地から豊洲への移転の問題はおっしゃっていらっしゃいました。知事は情報公開が一丁目一番地だというふうにおっしゃっていらっしゃいましたけれども、このタイムラグというのは、私はどういうふうに理解をすればいいのでしょうか。

○小池知事 報告を受けた時期につきましては、先ほどご答弁したとおりでございます。情報公開請求をきっかけに受けたということでございます。
 ただ、地歴につきましては、もう築地に関する本はこれまでもいろいろと出ております。アメリカ人も、こんな分厚い本を出しています。ある種、業界の中でも知られていること、そしてまた、これまでの歴史でわかっていること等々は、これは一般常識として踏まえておりますが、それについて、改めて都として出す書類についての報告を受けたのは、先ほどお答えした日付でございます。

○崎山委員 環境局長にお伺いします。なぜ二月二十日になって知事に報告をしたんですか。

○遠藤環境局長 築地市場に限らず、土地の改変につきまして、さまざまな民間事業者も含めまして、土地利用の履歴調査に基づく届け出が行われております。これらの土壌汚染の有無に関する届けについては、その段階での公表は通常いたしておりません。
 今回、築地市場の土地利用の履歴届については、開示請求があったことや、記者説明などで、さまざまな、都民やマスコミなど、質問が寄せられている中、築地市場における過去の土地改変工事について公表することとなったため、あわせてお知らせすることとしたものでございます。

○崎山委員 やはりある意味で、知事は選挙中に築地市場の近くに行って遊説をしたりしながら、立ちどまって考えますとか、いろいろおっしゃっていたわけでありますから、関係局は、それはやっぱり知事はそのことについては大変興味があって関心が高いというふうに理解をしているんだと思っております。
 その中で、なぜこのように報告がおくれたのか、私は知事のガバナンスの問題だと思っていますが、ご見解をいただきたいと思います。いかがでしょうか。

○小池知事 選挙中も築地の方に参りました。これは、かねてより関心があったからでございます。そしてまた、それによって、いろいろな築地の関係者の方々からもお話を聞いてまいりました。環境関係のお話も聞きました。建築関係のお話も聞きました。
 そこで一回、立ちどまるということにさせていただいたのは、これはひとえに、いつ誰がどこで何をどう決めたのかということについて確認をする必要がある、このように考えたからでございます。なぜあのように建築費が膨らんでいったのか、そしてまた、なぜ、どのような形で移転が決まっていったのか、これについて、私は、都の責任者としてもう一度見ておく必要がある、そのことが都民にとっての説明責任につながると、このように考えたわけでございます。
 情報をとるのが遅かったのではないかというご指摘かと思いますけれども、それは、それぞれ豊洲及び築地に関する情報につきましては、日々報告を受けております。そういった中で、情報公開の請求があったということもきっかけとして、先ほどの日程での報告を受けたこととなっております。
 いずれにしましても、日々、この関係の情報については接する、また報告を受けておりますので、それはガバナンスの問題にはつながらないと、このように考えております。

○崎山委員 この築地から豊洲移転の問題に関して、大変重要な情報が知事に上がっていなかったというようなご答弁がありましたけれども、もう一個、大きな問題があります。
 何かというと、豊洲市場の検査済み証、これは十二月二十八日に出されているようなんですね。この検査済み証が出されたことの公表はいつされたかというと、我が党の先日の代表質問、高木幹事長の代表質問で初めて明らかになったわけですけれども、十二、一、二、三--ほぼ三月、豊洲の市場の建物の、建屋の検査済み証というのは三月、公表されていないんですね。
 やっぱりこれ、今、都民の関心が高い問題なんですね、移転問題。なぜ知事にも上げずに、しかも緊張感もなく三月も置いておいたのかということはやはり大きな問題だと思っておりますが、知事のガバナンスの問題だと私は思っておりますが、端的にお答えいただきたいと思います。

○村松中央卸売市場長 検査済み証につきましては、昨年末、特定行政庁から得ておりまして、その時点で豊洲市場の建物の安全性については確認されたところでございます。
 しかしながら、公表につきましては、私ども、これは行政手続の一環という認識のもと、とりたててその時点では公表をしていなかったと。さきの代表質問を受けまして、現在、中央卸売市場のホームページでも公表してございます。

○崎山委員 うっかりミスだというふうにいっていますけれども、検査済み証ですよ。これは、建築基準法上の、いろんな意味で建物の法令は守られていますよときちっと認定される証明書なんですね。それが十二月二十八日に出されて、なぜ我が党の代表質問まで明るみにされなかったのか。やはりこれ、ガバナンスの問題ですよ。責任者の問題ですよ。
 いかがですか、知事。知事就任後の話なんですからね。知事就任前のいろんなことは、知事、いろんなことをおっしゃいますけど、知事就任後の話ですからね。

○小池知事 今、豊洲問題、そして豊洲市場問題、そして築地についても総点検をしているところでございます。それはずうっと続いております。これをパッケージといたしまして、今後の総合的な判断につなげていきたいと、このように考えております。
 都の職員には、緊張感を持って、そして仕事に当たるようには、これは日々伝えているところであり、これからもしっかりとこの都政の運営に努めていきたい、これまでとは違う都政を必ずやっていきたい。ご協力をください。よろしくお願いします。

○崎山委員 ですから、こんな大事な情報を知事に上げなかったということは、やっぱりガバナンスの問題だというふうに私は理解をいたしております。
 何度もきょうは質疑をいたしましたけれども、本当に何ていうんだろう、まともに真正面からお答えにならないことが多いというふうに私は感じております。ぜひ、あと十分ありますから、質疑にお答えをいただきたいと思います。
 それで、築地を、豊洲のように土壌汚染が出たわけですから、可能性もあるというふうに、基準値を超える土壌汚染が出て、それでまた、地歴の問題からその可能性が高いというふうにいわれておりますけれども、これは今後どうするつもりなんですか。

○村松中央卸売市場長 築地市場の土壌汚染につきましては、環境確保条例に基づきまして、本来、環境局に届け出を行わなかった工事が八件ございます。過去に届け出漏れをしておりまして、現在、早期に環境局の方に、まずその届け出をする予定になっております。
 その後、環境局の方の判断で汚染のおそれがあるとされた箇所につきましては、具体的に調査に入る予定になっております。

○崎山委員 知事にお伺いしますが、この情報が入って、どのような指示をなされたのかお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○鈴木(隆)委員長 よろしいですか。

○小池知事 報告を受けまして、かつ、市場は築地だけではございません。そういったところで、全体をもう一度総点検するようにと、このような指示をさせていただいたところでございます。

○崎山委員 いや、私は築地の話をしているので、全体の話ではなくて、築地にどのような指示をなさったのか、即、ボーリング調査をしなさいということをいったのか、どういうようなご指示をなさったのかということをお聞きしています。

○小池知事 まずは、指示をしたことが、第一に届け出の完遂でございます。これは、都庁内でなすべきことでありながらそれが行われていなかったということで、速やかにその届け出、手続をするということでございます。
 第二に指示をいたしましたのは、改めて総点検をするようにということでございます。
 そしてまた、その安全・安心の確保のために必要なボーリング調査などを進めるようにと、このような指示をしたところでございます。

○崎山委員 私もこの間、築地の事業者の皆さんと話をしたんですけれども、ボーリング調査なんか、そんなのできないよというふうにいわれましたけれども、なぜだと思いますか。地下のいろんな配管図とかあるんですか、築地には。

○村松中央卸売市場長 築地市場の敷地に埋設されております給水管あるいは雨水管等につきましては、おおよその位置を示した図面はございますが、詳細かつ正確な位置を示した図面はございません。正確な位置を示した図面はございません。

○崎山委員 (パネルを示す)これ、じゃあどうやってボーリング調査をなさるおつもりなんですか。地下の埋設物がどこに何が埋まっているのかというのがわからない中でボーリングができますか。

○村松中央卸売市場長 今後、ボーリング調査が必要となる場合につきましては、改めて地下埋設物の調査を行う必要が出てくるのではないかと考えております。

○崎山委員 知事からどういう指示を受けたのかという話とか、ちょっとお答えがよく理解できませんが。

○遠藤環境局長 知事からは、中央卸売市場と環境局に対して、よく連携をとり、必要な届け出と調査を行うようにという指示を受けております。
 調査につきましては、まず第一段階としましては、地歴の調査を改めて行った上で、表土五十センチについて調査をし、その結果に基づき、必要があればボーリング調査をする手続になります。その間に、配管等についても調査が行われるものだというふうに承知をしております。

○崎山委員 今、環境局長の所感なんですが、現場はどういうふうに受けとめていらっしゃいますか。もう一回、お答えください。

○村松中央卸売市場長 環境局長が答弁したとおり、まず環境局に届け出をして、その後、汚染のおそれがあるとされた地域につきましては、概要調査の表層五十センチのところの調査をいたします。そこで汚染物質が確認されれば、さらに十メートルのボーリング調査をしますので、その期間には、期間がかかりますから、その間に必要な調査を行うことになります。

○崎山委員 築地の、土壌汚染のおそれがあるというふうにもいわれて、地元の業者の方は大変心配なさっているんだというふうに思っております。やはり、相当調査は難しいんだろうというふうに思っています。その中で、やはり本当に悲鳴を上げているのが業者の皆さんで、ある意味で風評被害も受けているということも含めて、本当に悲鳴の声を上げておりました。
 その中で、やっぱりしっかり、まず築地の皆さんを安心させるために、知事には築地の安全宣言を出していただきたい。安心ですよということをおっしゃっていただきたい。それがやはり、まずはとりあえず築地の確認できるまでの間の安全宣言であって、それでなおかつ、やはり一日も早い結論を出していただきたいということも現場の声でありますから、しっかりそこら辺もめり張りのついた判断をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○小池知事 築地ということでよろしゅうございますね。(崎山委員「はい」と呼ぶ)
 築地につきましては、先ほど来のさまざまな課題を抱えておりますものの、安全と、このように考えております。かつ、築地ブランドを長年にわたって消費者と業者の信頼によってかち得た、このような安心がございます。これによりまして、築地につきましては、私は、安全だからこそ、現在、営業しているということでございます。
 市場というのは基本的に、先生もご存じだと思いますけれども、都が安全だということを確認した上で市場としてお認めいただくという作業が必要でございます。現に営業している、現に毎日、都民の、そして国民の胃袋を安心して満たしているこの築地というのは非常に、私はこれからも元気に活動していただきたいと、業者の方々にも元気に活動していただきたいと思っております。
 つきましては、安全というのは市場立地に当たりましての法的な定められた範囲の必要条件でございますが、安心は、業者の方、消費者の方が使っていただけるように信頼され、理解と納得をいただいてこそ市場として機能している。その意味で、築地は安心・安全であると、このように申し上げたいと存じます。

○崎山委員 私の質問時間より知事の答弁時間の方が長いようで、本当にもう時間がなくなりました。これから、きょうから始まる予算特別委員会で、さまざまなこの問題、課題についての質疑をこれから我が党でしたいと思います。

○鈴木(隆)委員長 三宅正彦理事及び崎山知尚理事の発言は終わりました。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
   午後三時三十九分休憩

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