予算特別委員会速記録第三号

   午後六時四十分開議

○上野副委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 まつば多美子委員の発言を許します。

○まつば委員 東日本大震災から十一日で五年となります。お亡くなりになられました方々のご冥福を心よりお祈りいたしますとともに、今なお、避難生活をされていらっしゃる方々に心からお見舞いを申し上げます。
 この間、微力ではございますが、私も被災地支援、取り組ませていただいてまいりました。その私の被災地への思いの原点となりましたのは、発災間もない時期に、福島県の相馬市の避難所を訪れたことでございます。
 津波で息子夫婦が流されてしまった、残されたのは、私と孫の二人だけです、これからどうやって生きていったらいいかわからないといって、その場で泣き崩れられてしまうご高齢のご婦人の姿に私も涙がとまりませんでした。また、原発事故に対する深い深い憤りのお声もいただきました。
 そのお一人お一人のお声に胸をえぐられるような思いで、私は、福島の復興を見届けるまでは、東京から支援をし続けていかなければいけないと深く思いました。
 私たち都議会公明党は、この五年間、岩手、宮城、福島の三県にチームを分けながら訪問させていただき、繰り返し繰り返し現地の皆様からお声をいただき、そしてそれを会派内で検討し、東京都に提案をしてまいりました。その中で生まれましたのが、被災地応援ツアーでもございます。
 先月も福島県のいわき市に訪問をさせていただきました。小名浜漁港にも行かせていただきましたけれども、今なお試験操業の大変な状況でございまして、悲痛なお話も伺いました。また、沿岸部の津波対策の現場にも行かせていただき、福島県の皆様方からは、東京都からの派遣職員に対しての感謝のお言葉が何度も何度もございました。
 舛添知事は、知事ご就任二年となられますけれども、一日も早く被災地を訪問していただきたいと思っております。被災地の復興なくして二〇二〇年の東京大会の成功はないと、私は一貫して考えております。その思いは知事も同じであると思っております。
 知事は、昨年の第四回定例会の我が会派の東村議員の質問に対しまして、今春、福島を訪問されるということを、お約束していただきました。
 聞くところによりますと、知事は、五月の福島で行われる九都県市の首脳会議にご出席をされると聞いておりますけれども、会議も重要でございますけれども、それ以前に福島を訪問していただいて、津波被害や原発事故の災害があった沿岸部の浜通りの現場を訪れていただいて、現地の皆様から、被災者の皆様から、直接お話を聞いていただきたい、そのことを私は念願をいたしております。
 知事の福島訪問についてのお考えについてお伺いいたします。

○舛添知事 今、まつば委員おっしゃいましたように、大変悲惨な状況であることは、私は国会議員としてこの被災地へ行きまして、特に福島、原発事故から三、四十キロメートルの地点まで、ぎりぎり入れるところなので入りました。そういうのをつぶさに見ておりますし、それから仮設住宅、何年たっても出られないと。ぜひ先生、次の年は正月を自分のうちで迎えたい、こういう状況をつぶさに見てまいりましたけれども、知事に就任以来、なかなか時間がとれずに参ることができませんでした。
 しかし、我々はこれまで電力、食料、この東北に支えられてきたわけでありますので、何としてでも支援を続けたいというふうに思っております。春、今さまざまな日程調整をやっておりますけれども、福島をぜひ訪問して、知事として新たな目で現状をしっかりと見てまいりたいというふうに思っております。
 そして、二〇二〇年の東京大会の成功は、やっぱりこの東北の復興なくしてあり得ないと、そういう思いでありますし、昨日も申し上げましたけれども、リオにおきましても、東京と東北、これを一緒にPRするということをやりたいというふうに思っております。
 そして、都民が、自分に今できる支援をするということが復興の後押しをする。例えば、風評被害があれば、福島県産の物を、もう安全ですから食べると、こういうことも大事だというふうに思いますので、震災五年になりますので、一月に都内で風化防止のイベントを開催しまして、そのことを--残念ながら雨でしたけれども、各県の皆さんが物産品持ってこられて、皆さんで励まそうということをやりました。公明党の先生方もおいでくださったのをよく覚えております。
 こういうイベントを実施して、広く都民に、この災害を忘れちゃいけないんだと、支援を続けるべきだということを呼びかけていきたいというふうに思っております。
 何度も申し上げますけれども、やはり復興なくして日本の再生はないし、東京二〇二〇年大会の成功もないというふうに思っておりますので、まつば議員がおっしゃった、福島の中でもいろんな地域があります、浜通りを含めて、できるだけ時間を調整してつぶさに現場を見ていきたいというふうに思っております。

○まつば委員 今、知事から、福島に対しての深い思いを伺い、私も知事の思いを深く受けとめさせていただきました。
 やはり今、被災地は、風化と風評という二つの風と闘っていらっしゃいます。そういう意味では、東京のリーダーとして舛添知事に、福島の皆様と同じ思いに立っていただいて、この復興支援取り組んでいただければと思っております。そしてまた、世界の諸都市からさまざまな支援を被災地にはいただいたわけでもございますので、知事には、つぶさに見た、現実に見ていただいた復興の姿を、世界の諸都市のリーダーにも知事の言葉で語っていただきたいと、そのように念願をしております。
 続きまして、この福島の復興支援について、観光の観点から質問したいと思います。
 先月、先ほど申し上げましたいわき市を訪問した際には、重要な産業分野である観光の面で、復興への足取りが遅いことを改めて実感をいたしました。観光団体関係者との意見交換では、観光客の方は六割程度しか戻っていない。東京を訪れる外国人が急増しているのに、福島には外国人の観光客が全く訪れないという深刻なお話を伺いました。
 水族館のアクアマリンふくしまなどが展示の工夫をされていらっしゃったり、また、マラソン大会というものをイベントとして開催をしたり、地元の皆様もご努力をされていらっしゃいます。ですけれども、風評被害というのは大変大きいものがございます。不安を募らせていらっしゃるという状況でもございます。こうしたいわき市のような観光の復興が進んでいないエリアこそ、都として重点を置いて支援を進めるべきと考えます。
 都では今年度から、東京を訪れた外国人旅行者が東北にも出かける観光ルートづくりを始めております。これは外国人目線で東北の魅力を発信する取り組みとなっています。こうした取り組みを活用して観光客をふやす対応を進めるべきと考えます。
 福島の観光の復興に向けて、東京と東北地域を結ぶ観光ルートをつくる施策の中で、来年度は、いわき市などのエリアを対象に含めて事業展開を行うべきと思いますけれども、いかがでしょうか。

○山本産業労働局長 都は今年度から、東京と東北地域を結ぶ観光ルートを設け、海外に影響力を持つメディアなどを招き体験旅行を実施し、ウエブサイトでその内容を発信する取り組みを開始いたしました。この取り組みでは、都と東北の自治体がおのおのの異なる魅力を生かして、外国人旅行者の誘致につなげていくこととしております。
 東北各県内の観光ルートにつきましては、地域として独自の魅力を持つ観光エリアをめぐることができるよう県が選定を行う仕組みとなっております。ご提案のいわきのエリアを対象に含めた観光ルートにつきまして、福島県と都で意見交換を行い、検討いたします。

○まつば委員 今のこの観光ルートでございますけれども、実際に、外国人の観光客の皆様が足を運んでいただけるよう取り組みをお願いしたいと思います。
 続きまして、一人一人が輝く社会をテーマに質問をさせていただきます。
 どんな生き方を選択しても自分らしく生きることができる社会、これが一人一人が輝く社会であると私は考えております。きょうは、東京都福祉財団の東京子育て応援事業の二十七年度助成団体の中間報告会が行われました。これは東京子育て応援基金を活用して、NPOや企業等による先駆的、先進的な取り組みを支援するものであります。
 この中で、出会い、結婚支援事業に取り組むNPOや企業も助成対象とされまして、一つの団体が報告を行ったと聞いております。これは、二〇一二年の予算特別委員会において、我が党公明党の栗林のり子議員が婚活支援について質問をいたしました。その後実施をされたものであります。その際に提案をいたしましたアウトドア婚活in海の森というのも実施をされたところであります。
 我が党は一貫いたしまして、この間、結婚、妊娠、出産、子育て支援を、切れ目のない支援をしていくべきだということを私も含めて質問をさせていただいてまいりました。
 結婚につきましては、いうまでもなく、するもしないもご本人の自由ではあります。その上で、望む方には結婚していただける環境を整備することは大事だと考えております。こうした前提のもとに質問をさせていただきます。
 公明党はこれまでも、結婚支援について必要な施策を実施するように提言を行ってまいりました。国も結婚支援の取り組みを進める中、東京都の結婚活動の支援について、改めて基本的な考え方について、大事な問題でありますので、舛添知事にご答弁をお願いいたします。

○舛添知事 誰もが輝ける社会を実現すると。そのためには、東京で暮らす一人一人が人生の充実、それから幸福を実感できることが不可欠でございます。今、まつば委員おっしゃったように、結婚や出産を希望する全ての人がその願いをかなえて、家庭を築き子供を持つことができるよう、これは支援していかなければならないと思っております。
 そのため、都はこれまでも、安心して子供を産み育てることができる環境の整備に向けまして、子育て支援、それから雇用、住宅さまざまな施策を実施しております。今度、都庁の中にも保育所をつくる、これは外の方にも開放すると、こういうこともその一環でございます。
 昨年十月策定しました東京都の総合戦略では、希望出生率一・七六、これは本当は二超えないといけないんですけど、余りに今低いですから一・七六と、こういう数字ですけど、この実現を将来的な展望として、都民が結婚し、出産し、子育てする、こういうあらゆる段階での希望が実現できるように全施策を総動員したいというように思っております。
 国の取り組みの動向なども踏まえまして、個人の価値観や人生観などに十分配慮しながら、そういう前提だということをおっしゃいましたので、その上で、結婚支援について、都としての取り組みを検討して前に進めてまいりたいと思っております。

○まつば委員 今、知事から結婚支援についての都としての取り組みを検討するというお話がございました。これは都の政策の考え方の大きな転換であると私は受けとめました。長年の我が党の主張を受けとめていただいたということで大いに期待するものでございます。ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、働き方改革、ワークライフバランスについて質問いたします。
 ことし八回目を迎えましたワークライフバランスフェスタに先月私も参加をいたしました。会場では、多くの参加者の真剣な取り組みがありました。私も直接お話を伺いました。その一つのビストロパパという、父親の家事、育児への参加を広めようとしている団体では、個人生活と家庭生活に加えてソーシャル、つまり地域社会とのバランスという視点から、地域活動への参加を支援する活動をしておられました。
 私は、こうした考えも、ワークライフバランスを推進していく際に重要だというふうに感じた次第であります。ワークとライフとソーシャルです。地域活動やさまざまなボランティアなど、地域社会に貢献していくことができるという働き方も大事な視点だと思います。
 都は、第一点は、育児や介護など、さまざまなライフイベントと両立できる働き方、第二点は、地域社会にも貢献していけるような視点、こうした、より柔軟な働き方ができる雇用環境の実現に向けて、企業に対して働きかけていくべきと考えますけれども、都の見解を伺います。

○山本産業労働局長 ワークライフバランスのさらなる普及に向けまして、ワークライフバランスフェスタなどの取り組みに加え、企業に対して、より実践的な情報を提供することで理解を広め、行動を促してまいります。
 来年度は新たに、仕事と育児、あるいは仕事と介護といったさまざまなテーマで、企業向けの研修会を年間十八回開催し、実例を交えて社内制度導入のノウハウを解説するとともに、人事担当者など、参加者同士の意見交換を行ってまいります。
 また、フェスタや研修会の実施に当たりましては、地域活動に参加するための休暇制度など、社会参加の視点を加えた情報を紹介してまいります。

○まつば委員 積極的な取り組みをお願いしたいと思います。
 きょうは、知事、何の日かご存じですか。きょうは、国際女性の日でございます。その観点から女性という視点でお話ししたいと思います。
 私は、政策、方針決定過程における女性の参画を訴えてまいりました。東京都防災会議に女性委員がおりませんでしたので、二〇一三年の予算特別委員会で取り上げさせていただいて、その後、条例改正の上、複数の女性委員が誕生いたしました。
 また、昨年の第二回定例会の代表質問におきましても、審議会委員等につきまして、都では、二十八年度末までに三五%と目標がございますので、それについて、知事に対しても質問をさせていただき、力強い答弁をいただいたところでございます。
 こうした中、先日公表されました女性活躍推進白書につきましては、四十七都道府県の中で初の白書でありまして、私も一気に読ませていただきました。
 白書では、女性の活躍推進に向けて、東京の強みと弱みを分析されております。また、働く女性たちの声も伺いながら、今後の取り組みの方向性を提言しており、高く評価するものであります。
 この中にある提言を施策として立ち上げ、早期に実行することを望んでおります。白書の提言が、実際の取り組みとして社会に根づいていくよう、企業や都民の取り組みも重要であります。
 そこで、企業や都民の取り組みを促進するため、今後、この白書を効果的に活用していくべきと考えますが、局長いかがでしょうか。

○多羅尾生活文化局長 東京には、企業数で九九%、従業員数でも約六割を占める中小企業が集積しており、それらの企業の経営者や管理職の意識改革を促し、女性の登用や職域拡大など、女性が活躍できる機会の拡充につなげていくことが重要になってまいります。
 このため、白書を活用して、中小企業のマネジメント層を対象としたパネルディスカッションや説明会を開催し、取り組みの具体化に結びつけていくほか、経済団体との連携により、傘下の企業の取り組みも促してまいります。
 さらに、幅広い都民を対象としたシンポジウムを開催し、働く場での女性の多様なチャレンジや柔軟な働き方の実現、地域活動における女性の活躍など、白書の提言の内容について、知事みずからも発言いたします。
 これらにより、白書をより効果的に活用してまいりたいと考えております。

○まつば委員 知事みずからというお話もございました。ぜひ、よろしくお願いいたします。
 女性の再就職支援について伺います。
 女性の活躍を推進するには、働き続けられる環境を整備するとともに、結婚や出産等を理由に離職しても、再就職できるように支援していくことが重要であります。
 東京都では、しごとセンターに設置をされております女性しごと応援テラスにおきまして、キャリアカウンセリングやセミナーなど、さまざまな再就職支援を行っております。
 一方、国におきましても、子育てしながら働きたい女性を支援するために、マザーズハローワークを渋谷と日暮里と立川の三カ所に設置をしておりまして、仕事と家庭の両立を目指す方を支援しております。
 都は、昨年二月に、国との間で雇用対策協定を締結し、国との連携を進めております。国と連携して女性の再就職支援を強化していくべきと考えますけれども、いかがでしょうか。

○山本産業労働局長 女性の再就職支援の強化に向けまして、国との連携をさらに緊密なものとし、就職に向けた意識の醸成と活動の後押しを図るため、来年度は、家庭と両立しながら働きたい女性などを対象として、マッチングやセミナー等を行う新たなイベントを年四回開催いたします。
 このイベントにおきましては、子育て中の女性の採用に意欲的な企業を国が確保し、求職者との合同就職面接会を実施するとともに、これにあわせて、女性しごと応援テラスの講師によるセミナーやマザーズハローワークによる相談コーナーの設置、行政機関のブース出展などを行います。
 こうした国との連携をさらに強化した取り組みによりまして、女性の再就職に向けた支援を充実させてまいります。

○まつば委員 希望する女性が、家庭と仕事を両立しながら生き生きと働ける環境ということで、ぜひ一層の推進をお願いしたいと思います。
 続きまして、トイレという課題について取り上げたいと思います。
 今から、私、十年前に初めて議員になりましたときに、一番最初に、住民の皆様からご要望いただいた件が、都立善福寺公園の男女共同トイレを男女別々にしてもらいたい、そういうご要望でございまして、建設局に要望し、その後、男女別にしていただきました。
 その際に、女性トイレには、ベビーベッドを備えつけてくださったんです。そうしましたら、その後、男性トイレにもベビーベッドが欲しいというお声がありました。お父さんが、子供を連れて遊びに来るということだったんですけれども、検討していただいたんですが、男性トイレの方が小さかったので、スペースが狭く設置はできませんでしたけれども、先日も公園に伺いましたらば、大変きれいにトイレは使っていただいておりました。
 一つトイレを整備するといいましても、このように考え方、生活習慣、社会の変化によって、設備など変えていく必要があるというふうに考えております。
 昨日、内閣府の有識者検討会は、災害時のトイレ確保や管理に関する基本的な考え方を示したガイドライン案を取りまとめました。そうした意味では、この防災という視点というのもあります。また、福祉的な要素の充実といった観点からのトイレということもあります。
 ですけれども、その議論は、次の機会にするといたしまして、きょうは、外国人旅行者の視点からのトイレについて取り上げたいと思います。
 昨年一年間に日本を訪れた外国人旅行者は、過去最高の千九百七十三万人を数え、前年から四七%も増加をいたしました。
 訪日外国人旅行者の方々が、トイレでトラブルになるといったこともあるということをよく耳にいたしております。
 世界のトイレ文化というのは、さまざまでございまして、トイレは、誰もが使う場所で、そうしたことから、文化や生活習慣の違う方でも、戸惑わずに安心して使える配慮というものが求められております。
 図を見ていただきたいんですけれども、これは、あるトイレメーカーの世界各国からの来訪者への調査であります。訪日当初、日本の公共トイレで困ったことは何ですか、これは複数回答ですけれども、一番多かったのは、和式トイレの使い方がわからなかった、そのほか、操作がわからないということのほかに、トイレが狭くて困った、日本語表示しかなかった、トイレットペーパーを流してよいかわからなかった等のお困りのお声があったわけであります。
 そこで、きょうは、まず都庁舎について取り上げたいと思います。
 都庁舎も、展望室を訪れる外国人旅行者を含め、来庁者が増加をされておりまして、今年度は、二百万人を上回る勢いであります。
 都庁舎の展望台のトイレを拝見させていただきましたが、日本語、英語、中国語、韓国語で、イラストつきの利用方法を示したサインが掲示をされていました。
 しかし、都議会議事堂の一階のトイレなど、一般の来庁者の方も多く利用しているんですけれども、そこには、そうした対応はございませんでした。
 そこで、多言語サインを掲示すべきであるということを総務委員会で申し上げました。早速、都議会議事堂、第一、第二本庁舎の一般利用者が見込まれる一階、二階のトイレにも、多言語サインを掲示していただきました。
 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックに向けて、多言語サインを充実することに加えまして、洋式トイレの整備も取り組むべき課題と考えております。
 そこで、都庁舎のトイレ整備について見解を求めます。

○長谷川財務局長 現在進めております都庁舎改修におきまして、外国人旅行者を初めといたします来庁者の増加に対応するため、第一、第二本庁舎一階の女性トイレの面積を拡大して、ブースの数をふやしております。
 また、各フロアのトイレにつきましては、和式をフロアに一つ残しまして、他は全て洋式化いたしますとともに、ベビーベッドやベビーチェア、オストメイト対応の水洗器具を増設するなど、ユニバーサルデザインに配慮した改修を行っております。
 さらに、お話のありましたトイレの案内誘導サイン、あるいは、その使用方法の説明、こういったことについての多言語化対応の充実なども進めております。
 今後とも、外国人旅行者を含めました全ての来庁者が、都庁舎に快適に滞在できますよう環境整備を進めてまいります。

○まつば委員 この都庁舎を、外国人の旅行者の方にとっても一層魅力的な観光拠点とするために、さらに整備を進めていただきたいと思います。
 次に、もう一つ、図を見ていただきたいんですけれども、これは、訪日当初、日本の公共トイレで困った経験のある施設です。一番多いのは駅、次が公園、次がお寺、神社というふうになっております。
 そこで、上位に挙がった施設について質問をしたいと思います。
 初めに、駅でございますが、これは、JR、私鉄各社も当然含むアンケートでございますけれども、都議会でございますので、交通局に質問をいたします。
 都営地下鉄は、一日に二百五十万人を超える利用者がおり、浅草や六本木など、外国人観光客にも人気のスポットを沿線に抱えています。さらに、東京二〇二〇年大会期間中においては、輸送の主力を担い、より多くの外国人旅行者に利用されるものと考えます。
 交通局では、切符売り場やトイレなど、駅の主要施設を四カ国語で案内したり、また、トイレの洋式化にも取り組んでおられるということは理解をしております。
 しかし、今も多くの和式トイレがあり、今後、外国人旅行者等の利便性を高めていくためには、和式トイレの使用方法について多言語で表示するなど、きめ細かな案内を行うとともに、洋式化についても、さらに取り組みを推進させていく必要があると考えますけれども、交通局の取り組みについて伺います。

○塩見交通局長 都営地下鉄のトイレでは、四カ国語表示やピクトグラムによって、便器洗浄ボタンや非常時の呼び出しボタン等の案内を行っております。
 今後は、外国人旅行者にトイレの使用方法をより正しく理解していただくために、和式トイレの使用方法についてもわかりやすく案内してまいります。
 現在、都営地下鉄では、トイレのグレードアップ事業を計画的に進めており、その中で、和式トイレの洋式化に既に取り組んでいるところでございます。大江戸線におきましては、東京二〇二〇大会までに、環状部の全駅で洋式化を完了させてまいります。
 今後とも、外国人旅行者等を含め、全てのお客様が、より一層快適に都営地下鉄をご利用いただけるよう取り組んでまいります。

○まつば委員 二〇二〇年に向けての取り組みについてのご答弁、交通局の今後の取り組みに期待をいたしております。
 次に、公園でございますけれども、公園のトイレは以前は五Kといわれていました。臭い、汚い、暗い、怖い、壊れているということなんですけれども、近年は、大分改善をされてきたというふうにいわれています。
 東京都の公園も、建設局所管の都立公園、港湾局所管の海上公園、環境局所管の自然公園というふうに、都の公園といってもさまざまでございます。この海上公園のうちの四つは、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会での競技場の予定にもなっております。多くの外国人の方も利用されるものと思っております。また、都立公園も多くの外国人の方が訪れております。
 きょうは、この三局の中で代表しまして、建設局所管の都立公園について、トイレの洋式化の取り組みについてお伺いをいたします。

○佐野建設局長 都立公園では、生活様式の変化に応じて、公園を利用する高齢者、障害者などにも配慮し、トイレの洋式化を進めております。
 現在、約三千基ある便器のうち半数以上が洋式となっており、引き続き、トイレの新設や改築にあわせ、洋式便器の設置に取り組むこととしております。
 平成二十八年度は、代々木公園や神代植物公園など十一公園で、十四棟のトイレを整備し、この中で、新たに洋式を二十一基設置するほか、三十基を和式から洋式へ転換いたします。
 今後とも、トイレの洋式化を着実に進め、誰もが快適に利用できる公園づくりを推進してまいります。

○まつば委員 着実に推進されている旨のご答弁をいただきました。今後も、着実な推進、また、三局ともよろしくお願いいたします。
 次に、都内の観光地のトイレの充実について質問いたします。
 都内の観光地においても、いまだにトイレに満足はいかないという利用者の声を聞くことがあります。
 しかし、トイレを含めたハード整備は費用がかかるだけに、地元自治体ともしっかりと協力しながら取り組みを進めるべきだと考えております。
 観光地のトイレのレベルを質的に高めていくことが、旅行者を快適に東京に迎え入れるための基本になるものと考えます。
 都として、観光地のトイレの質の向上を図るため、地元の自治体と連携して対応を進めるべきと考えます。産業労働局長の答弁を求めます。

○山本産業労働局長 都では、西多摩や島しょ地域の自治体が、観光地の屋外トイレの質を高めるため、新規の整備や改修を行う場合に、その経費の二分の一について、上限一千万円の助成を実施しております。
 こうした支援の中で、内外装を清潔感のあるものにする改修や自動水栓などの最新の機能を持つ設備の導入を後押ししてまいります。
 また、外国人旅行者の受け入れ環境整備に向け、区市町村がトイレの洋式化や多言語表記の導入など、さまざまな対応を取りまとめ、計画を策定し実施する場合に、必要となる経費の二分の一につきまして、平成三十一年度までの合計で一億円を上限に助成をいたします。
 これらの取り組みにより、観光地のトイレのレベルを高めて、旅行者の確実な誘致に結びつけてまいります。

○まつば委員 補助事業のご答弁がありました。ぜひ、活用していただけますように周知も含めてお願いをいたします。
 さて、トイレについての質問の最後に申し上げたいと思いますけれども、東京都福祉のまちづくり条例の施設整備マニュアルについてであります。
 トイレを整備する際に、福祉のまちづくり条例の整備基準に基づいているという話を伺いました。そこで、このことにつきまして、条例を所管する福祉保健局に確認をさせていただきました。
 整備基準では、高齢者など、下肢機能が低下している者にとって、和式便器の利用は困難を伴うため、腰かけ式のものを設けるとしており、洋式が原則であるとのことでありました。
 なお、基準ではないけれども、施設整備マニュアルには、こういうふうにあります。一カ所を除き、残りの全てを腰かけ式とするとの記載があります。
 これは、多数のトイレを整備する際に、一つは和式にすることが望ましいという趣旨であり、和式を必ず一カ所設けなければならないということではなく、外国人観光客など、利用者の状況に応じて、全て洋式トイレにしても問題はないというような見解を福祉保健局からいただきました。
 ただ、この一カ所を除き、残りの全てを腰かけ式とするという記載がありますと、例えば二つあったときに、一つは和式、一つは洋式というふうに誤解を与える、そういうような表現でもあるというふうに私は感じたところです。ですので、そういう意味では、この誤解をするという場合もありますので、今後、そうした表現というものについては検討していただきたいと思います。
 また、このまちづくり条例は、便所というのが欄として書いてあります。便所の項になっています。これも、トイレでいいのではないのかなと、私はちょっと思っております。
 実は、国連も、二〇一三年に世界トイレデーというのを定めて、世界の公衆衛生の改善へメッセージを送っております。
 東京は、下水道というのは、大変に充実して完備をしているわけでございますので、そうした意味では、トイレのさまざまな施設というのが充実できれば、トイレ先進都市というふうにも位置づけていただける、世界の皆様のおもてなしという意味でも非常に有効であると思っておりますので、ぜひともトイレ問題、一つの課題として受けとめていただければというふうに思っております。
 次に、水害対策について質問をいたします。
 善福寺川の整備についてお伺いいたします。この善福寺川の整備についての質問は、私は、本会議一般質問、そして、予算特別委員会で、きょうで十回目の質問となります。
 二〇〇五年九月でございますけれども、一時間当たり百十二ミリの集中豪雨がありました。杉並区も、床上床下浸水二千三百三十七世帯という、大変甚大な被害がございました。私も、その水害の際に、現地に急行させていただき、住民の皆様と救助活動をさせていただきました。そして、翌日からは、被災された方々のお見舞いに上がらせていただいたところでございます。
 そして、その中で、建設局、この善福寺川整備、この十年間取り組んできていただきました。河川激甚災害対策特別緊急事業、また、和田堀第六調節池の増強、そして、今は、善福寺川調節池の工事を行っている最中であります。今後、上流域についても整備を加速し、行っていくべきと私は考えております。
 そこで、善福寺川調節池の整備状況と今後の取り組みについて伺います。

○佐野建設局長 善福寺川調節池は、都立善福寺川緑地内の広場の地下に三万五千立方メートルを貯留する調節池であり、その量は小学校のプールおよそ百二十杯分に相当いたします。
 平成二十八年二月には、直径六十メートル、深さ二十七メートルとなる円筒形の本体の構築が完了いたしました。引き続き、管理棟の建築工事及び排水ポンプ、高圧受電設備、監視制御設備などの設備工事を実施し、本年八月末の取水開始を目指してまいります。
 取水開始後には、その効果により、調節池上流区間の護岸整備が可能となります。そこで、この区間の整備に速やかに着手し、既に実施中の済美橋上流及び和田堀公園内とあわせて、三つの区間で並行して護岸整備を進め、治水安全度の早期向上を図ってまいります。

○まつば委員 昨年十二月に、この調節池の現場を私も視察させていただきました。調節池本体と取水施設を見させていただきましたけれども、施設の有効性や効果がよくわかったわけであります。
 しかし、この調節池といいますのは、完成後は地中に埋めて、上部は公園広場に復旧することになるために、地域の皆様にとってみれば、ここに大規模な水害から守るための大きな施設があるということがわからなくなってしまうわけです。
 私は、これについて、しっかりと都民の皆様にわかっていただけるようなPR、必要じゃないかなというふうに考えております。
 ですので、この善福寺川調節池の完成した模様というのを映像で撮っていただいて、また、模型等もつくっていただいて、これを、環状七号線地下調節池の善福寺川取水施設の管理棟、知事も視察をしていただきました、そこに、ぜひともそういうものを展示していただいて、この善福寺川調節池というのが、こんな機能なんだよということを、都民の方にわかりやすく説明していただきたいと思いますけれども、この地下調節池の都民へのPRについてお伺いいたします。

○佐野建設局長 都では、神田川・環状七号線地下調節池や白子川地下調節池などで、毎年七月の河川愛護月間に施設見学会を行うとともに、小学校の総合学習、地元の町内会を含めたさまざまな団体への施設案内を随時実施しており、平成二十六年度の見学者数は、年間で約五千人となっております。
 施設見学では、パネルや映像、模型を使った説明を行っているほか、実際に地下におりて施設の大きさを体感していただいております。
 善福寺川調節池につきましても、川から取水し貯留する仕組みや本体を構造的に安定した円筒形としていることなどの特徴について、先生ご指摘のように、イラストや工事中の写真を利用したわかりやすいPR方法を検討してまいります。
 今後とも、地下調節池の効果を含め、都の河川事業への都民の理解が深まるように努めてまいります。

○まつば委員 ぜひとも、よろしくお願いいたします。
 最後に、循環型社会についてお伺いいたします。
 東京スーパーエコタウン、都有地を活用した廃棄物処理、リサイクル施設が整備をされております。ここに、食品廃棄物の処理施設もございます。これは大変すぐれた施設でございます。
 こうしたスーパーエコタウン事業を活用して、食品リサイクルについての情報発信をしていくべきだと思います。また、こういう施設も、さらにふやしていくべきだと思いますけれども、都の取り組みについて伺います。

○遠藤環境局長 スーパーエコタウンにおいて、これまで二つの食品廃棄物のリサイクル施設が稼働しております。
 これらの施設に加え、現在、飼料化とバイオガス化を同時に行う三つ目の施設の建設が進められており、都は、施設整備事業者に対して、計画全体の調整などについて指導助言を行っております。
 また、スーパーエコタウンでは、都及び事業者が見学会を実施しており、昨年度は、国内はもとより東南アジアを初めとする諸外国から、九千人を超える見学者が訪れております。
 今後とも、このような見学会の充実を図るなどして、都内の事業活動を支える食品廃棄物のリサイクル施設の意義について、広く情報発信し、理解を深めてもらう機会としてまいります。

○上野副委員長 まつば多美子委員の発言は終わりました。(拍手)

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