予算特別委員会速記録第三号

   午後三時二十分開議

○早坂委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 清水孝治委員の発言を許します。

○清水(孝)委員 都議会自民党の清水孝治でございます。休憩前に引き続きまして、平成二十八年度予算につきまして、総括的に質問したいと思います。
 さて知事、舛添知事は、私ども都議会自民党の代表質問に答える形で、多摩の発展なくして東京都の発展はあり得ないという決意を述べていただきました。私、多摩出身の議員といたしまして大変頼もしく、そして楽しみな気持ちがしたわけでございますが、常々思うんですけど、今まで多摩地域の発展といいますと、どうも都心部のまねや、あるいは追いかけっこみたいな形のまちづくりに専念していたような気がしてなりません。
 しかしながら、多摩地域には、持っているポテンシャルですとか、あるいは歴史やこれまでの取り組み、そういったものを生かした多摩地域独自の発展をしていかなければならないのかなというふうに感じております。
 そういったことを念頭に、きょうは幾つか多摩地域のことにつきましてお伺いをしたいと思います。局長の答弁がほとんどでございますけど、知事も、もしよろしければ、思うところございましたら、何か発言していただければと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、まず多摩地域の自治、振興のあり方についてお伺いしたいと思います。
 本格的な人口減少、そして超高齢社会を迎えてまいりました。先般、公表となりました、国で実施をいたしました国勢調査の速報値、これはやはり驚くべき数値が出たのかなと思っている次第でございます。
 私の地元立川市は、常日ごろ周りの市の方から、立川市は多摩の中心の都市であるというふうにお褒めの言葉のようなものをいただいているわけでございますが、その立川市が、何とこの速報値によりますと、減少率では二十六市の中で、国立市に次いで二番目に激しいと。そして、減少数、実数におきましては、何と多摩で一番減少してしまったという、こういった結果が、この多摩の中心といわれているところでも出てしまったわけでございます。まさに人口減少ですとか、超高齢社会の兆候が如実にあらわれているわけでありまして、今後の自治体経営に暗い影を落としているんだなと思っているわけでございます。
 こうした中なんですけど、国の方では、今、審議が行われております第三十一次地方制度調査会の中で、行政サービスの持続可能性を求めるため、地方自治法の事務の共同処理の仕組みを利用いたしまして、自治体間の連携を推進していくんだと、こういう旨の方向性が示されたわけであります。
 共同処理の仕組みにつきましては、一部事務組合ですとか、あるいは広域連合といった手法がございますが、一方で、そういった手法は、なかなか住民によります監視ですとか統制がききにくい、責任の所在がわかりにくいといった課題も多いのも事実でございます。
 そこでまず、地方自治法の共同処理の仕組みの活用について、どのように認識なさっているのか、これは局長でお願いしたいと思います。

○中西総務局長 人口構成の変化に伴いまして、各市区町村を取り巻く行財政運営の状況は極めて厳しい局面を迎えるものと想定されます。
 こうした状況下にありましても、変化増大する行政需要に的確に対応し、安定的な行政サービスを提供していくためには、自治体間で共同処理の仕組みを活用し、規模のメリットを生かした執行体制の効率化や専門人材の有効活用を図ることも選択肢の一つになると考えられます。
 一方、ご指摘のように、地方自治法の共同処理の仕組みは、迅速な意思決定が困難であったり、責任の所在が曖昧であるなど、手法ごとにさまざまな課題が指摘されております。
 今後は、こうした課題に留意しつつ、連携する事務事業の性質に応じて最適な方法を各自治体が主体的に選択し、有効に活用していく必要があると認識しております。

○清水(孝)委員 ありがとうございました。広域自治体でございます東京都が、規模のメリットということを認識、評価されていることというのは重要な答弁だったと思うわけでございます。
 現在、広域連携は広く活用されております。もっといえば、事業連携にまで視野を広げた場合は本当にたくさんあるわけでございまして、例えば現在行われております自転車のシェアリング、千代田区、中央区、港区、そして江東区と、そして東京都が連携をとって、このシェアリングをやっているというふうなことでございまして、こういった例を挙げますと、枚挙にいとまがないわけでございます。
 しかしながらなんですが、先ほど申し上げましたとおり、現在の東京の現状を考えますと、今後は自治体間の連携だけでは限界が私はあるんではないかなと思うわけでございます。
 そういった中、昨年の四月、八王子市が都内初の中核市として新たなスタートを切ったわけであります。今後の本格的な人口減少の到来を見据えまして、みずからが長期的な視点に立って地域のあり方を考えて、みずからの手で実現をしていく、これはまさに地方自治の原点だと思うわけでございまして、私は八王子市の果敢な挑戦にエールを送りたいと思うわけでございます。
 この中核市への移行によりまして、これまでさまざまな権限が東京都から八王子市の方に移ったのかなと思います。例えば保育所ですとか、特別養護老人ホームの設置認可ですとか、あるいは宅地開発行為の関係、そして屋外広告物の制限など、ありとあらゆる権限が移譲されておりまして、みずからの裁量と判断により執行する余地が大幅に拡充されたのかなと思っている次第でございます。
 そこでお伺いしたいと思いますが、基礎自治体が、その規模に応じまして中核市などの大都市制度を活用し、住民に身近な事務をみずからの手で処理することについて、都の見解をお伺いしたいと思います。

○中西総務局長 指定都市及び中核市は、一定規模以上の市に都道府県の権限の一部を一括して移譲する地方自治法上の大都市制度でございます。
 市がこうした大都市制度を活用することにより、住民に身近な事務をできるだけ基礎自治体が行うという地方自治の理念の実現に資するとともに、地域の実情を踏まえた行政サービスの提供や、地域の特性を生かした独自のまちづくりなどを行うことが可能となります。
 今後、中核市などの大都市制度の活用を希望する市があれば、都はできる限り協力してまいります。

○清水(孝)委員 ありがとうございました。東京都の協力姿勢というものが明らかになりました。
 その中核市制度は、実は昨年の四月から人口要件が緩和になったわけでございます。これまでの三十万人から二十万人になったということです。
 しかしながらなんですが、一方で、都内にはこの要件すら満たしていない区市がいまだに二十五団体もあるわけでございまして、これから長期的な視野に立ってみますと、思い切って合併による自治体運営の効率化を具体的に検討していくことが、まさに私は求められているのかなと思う次第でございます。
 こういった合併によりまして、施設の共同利用といった住民側のメリットもございますし、あるいは行政側からいいますと、現場の担当の職員の削減というのは難しいかもしれませんが、管理職の職員の削減など、これは行政の効率化にも大きく役立つわけでございます。
 昨年の第二回定例会におきまして、私の質問におきまして、既存の行政体制の維持存続にとらわれない具体的な検討を行うことについて、大変、都の方から前向きなご答弁をいただいたわけでございます。
 自治のあり方の抜本的な検討は当然時間がかかることでありまして、都におきましても、まさに今検討の途上であることは承知しているわけでございますが、広域連携の課題も含め、改めて今後の行政体制のあり方について、どのような認識のもと、検討を深めてまいりますのか、ご見解をお伺いしたいと思います。

○中西総務局長 将来の東京を取り巻く厳しい状況を見据えれば、既存の行政体制の維持存続にとらわれることなく、合併等も視野に入れ、東京の自治のあり方を抜本的に検討していくことも重要な課題であると認識しております。
 こうした認識のもと、都はこれまで、東京の自治のあり方研究会の最終報告なども踏まえつつ、市区町村への権限移譲、広域連携、さらには合併等の効率的、効果的な行政体制のあり方などについて検討を進めてまいりました。
 合併等は、関係市区町村の申請に基づき行われるため、まずは各団体による主体的な検討が求められますが、都もこうした取り組みを支援していく必要がございます。
 このため、今後は必要に応じて外部有識者の知見等もかりながら、将来の東京の自治のあり方について、引き続き具体的な検討を深めてまいります。

○清水(孝)委員 ありがとうございます。ぜひとも東京都の協力もお願いしたいと思うわけでございます。
 さて、これまで多摩地域の振興の仕組みについて伺ってまいりました。具体的な取り組みについても振興策は必要でございます。
 その大切な一つの柱が、やはり文化振興なのかなと思っている次第でございまして、多摩地域には多様で魅力的な文化資源が豊富にございます。例えば、私の地元にもファーレアートというパブリックアートがまち全体を彩っているわけでございます。
 また、多摩地域には府中の森芸術劇場ですとか、あるいはパルテノン多摩といった文化施設を持つ地域、そして獅子舞など、民俗芸能の継承や発信に熱心な地域も数多く存在しているわけであります。
 そこで、文化の力で多摩地域を盛り上げていくためには、こうした特性を踏まえ、文化振興に取り組むべきと考えますが、知事のご所見をお伺いしたいと思います。

○舛添知事 今、清水委員がおっしゃったように、多摩には本当に文化的な資源がたくさんあると思います。
 美術館、これは鈴木錦治委員の先般の質問にお答えして、府中はあります。それから大國魂神社もあります。しかし、芸術系の大学、たくさんいろんなところ、武蔵美から多摩美からあるわけでありますので、ぜひこういうのを生かしたいというふうに思っております。
 いろんな文化団体とも協力しながら、この資源をいかにして生かすかということで、具体的に、この四月から始まります来年度は、東京都交響楽団の公演とか郷土芸能をやる。それから、芸術系の大学の方々と組みまして、伝統文化フェスティバルをやるというようなことをまち中でやりたいというふうに思っています。特に、今パブリックアートの話をなさいましたけれども、これをぜひ多摩で広めたいというのは、どうしてもパブリックアートというのは二十三区が中心になるような感じがするんです。
 だけど、そうではないよということと、これはぜひ皆さん方の協力を得て、ぜひ実現したいと思っていますのは、多摩に大きな芸術家村をつくって、世界中の若者のすばらしい芸術家の卵をそこに集めて、日本の文化と各地の文化を融合したような中からすばらしい芸術家が生まれれば、例えば昔でいえばピカソとか、今だとアンディ・ウオーホルとか、日本でも村上隆なんていうのがいますけれども、それが多摩芸術家村から生まれたよというだけで、物すごい人が訪れるというふうに思います。
 これはぜひ地元の自治体の皆さんとも協力して、何とかこの芸術家村構想を実現したいと思っておりますので、ぜひ清水委員には先頭に立ってご協力を願いたいと思います。

○清水(孝)委員 舛添知事から本当にご丁寧に文化振興の話をいただきました。これからも多摩振興につきましては、ぜひとも地元自治体と協力をしていただきまして、取り組んでいただきたいと申し上げ、次の質問に入りたいと思います。
 次に、防災力の向上についてお伺いしたいと思います。
 先日の本会議での我が党の質問に対しまして、総務局長の方から、消防団員の安全確保のため装備を充実させていくなど、積極的に取り組むとのご答弁を頂戴いたしました。
 実は、私もまだ地元の消防団員として活動しているわけでございまして、専らホース片づけなんでございますが、地域の消防団の活動は、まさに本職でございます消防署隊と比べても遜色ないような、そのような立派な活動をしているわけでございまして、そういった意味におきましては、装備品ですとか、あるいは消防資器材、この充実というものが求められているわけでございます。
 そこで、改めてお伺いしたいと思いますが、市町村におけます消防団活動支援の具体的な取り組み内容についてお伺いしたいと存じます。

○中西総務局長 消防団は、発災時には、初期消火、地域住民の避難誘導や倒壊家屋等からの救出救助活動など、地域における防災活動の中核となる重要な役割を担っており、その活動の充実に向けた多面的な取り組みが不可欠でございます。
 このため、都は、これまでも市町村の団員に対し技能向上を図るとともに、救出救助用資器材や消防救急無線機のデジタル化への補助を行うなど、消防団活動の強化に取り組んでまいりました。
 来年度は、消防団員の、より一層の安全を確保するために、防火服を更新しようとする市町村に対し、その費用の一部を補助することなどにより、東京の防災力向上に全力で取り組んでまいります。

○清水(孝)委員 ご答弁いただきました。局長、消防団の行っている初期消火というのは、まさに消防署隊よりも先に到着することが多うございます。したがって、まさに炎と対峙するような場面が数多く見受けられますので、この防火着というのは重要でございますので、ぜひ早急にお願いしたいと存じます。
 続きまして、このたび国から取得となります旧立川政府倉庫につきましてお伺いしたいと思います。
 実は、この倉庫の敷地を以前から私ども地元の消防団も貸していただきまして、訓練を実施しておりました。しかしながら、さきの政権交代の後、なぜか突然として倉庫としての役目を終え、その後、何ら活用されることもなく、もう五年ほど経過がしているわけでございます。この旧政府倉庫は、立川広域防災基地のまさに中心的な施設でございまして、私は再び防災対策で活用すべきと常々考えていたわけでございます。
 このたび東京都が前面に出て、広域的な防災力を向上させるためということで、地元のみならず、これは多摩地域、いや近隣他県にとっても大変心強いことだろうと私は思います。
 知事の決断を改めて評価したいと思うわけでございますが、そこで、今回の政府倉庫の取得という決断に至った知事のお考えをお聞かせ願いたいと思います。

○舛添知事 この倉庫は、知事就任後の視察で最初に訪れた現場でありました。一緒に見まして、これだけの立地にありながら全く活用されていない、これは何だねということで強い問題意識を持ったわけでありまして、視察の後、直ちに、これは国に対して、今おっしゃったようにほっておいてあるので、防災目的に活用すべきじゃないかということを要望しまして、都と国で合同検討チームをつくろうということで立ち上げて精力的に検討を進めてきたんです。
 しかし、国はみずから活用するということには極めて消極的でありました。
 そうした中で、昨年九月一日、またもう一遍、総合防災訓練で訪れて、やっぱり非常に立川の広域防災基地全体、訓練で見ましたけれども、極めていい立地にあって、そして空からも入れますね。こういうすばらしいところをやっぱり都みずからが取得して活用すべきではないかと、そういう思いを強くしたわけでございます。
 それで、予算編成の過程におきましても、多摩地域の市町村、それから都議会の会派からも強いご希望をいただいたこともありまして、来年度の予算への計上を決断しました。
 その間、あそこはマンションにしたいとか、いろいろ民間からの声もありましたけど、これはやっぱり公共のために使うものである、こういう思いで決断をしましたので、取得するからにはすばらしい防災の拠点として活用して、皆様のご期待に沿えるようなものにしたいと思いまして、これは多摩地域だけじゃなくて東京全体の防災力、もっというと関東全体の防災力を高めることになる施設になると思いますので、積極的に活用していきたいと思いますので、ぜひ予算の審議の方、よろしくお願い申し上げます。

○清水(孝)委員 ぜひ知事、東京のためだけでなく、近隣他県のためというふうな考え方を忘れずに、この防災倉庫、活用していただければなと思うわけでございます。
 次に、この立川広域防災基地のアクセス網についてお伺いします。
 この立川防災基地は、立川市域のちょうど中心にあるわけでございますが、お世辞にもそのアクセス網というのが、つまり道路整備が完全に行われているとはいいがたいものがあるわけでございます。
 そこで、今回示されました計画道路の新たな整備方針におきまして、立川広域防災基地周辺の都市計画道路をどのように位置づけていらっしゃるのかお伺いしたいと存じます。

○安井東京都技監 災害時におきまして、立川広域防災基地の機能を十分発揮させるためには、広域的な救援救護活動や物資輸送を担う防災基地周辺の道路ネットワークを形成していく必要がございます。
 今回の整備方針案では、基地の北側に位置し、多摩地域の東西方向の主要な幹線道路である新五日市街道を優先整備路線に選定し、基地周辺へのアクセス性を高めることとしてございます。
 また、立川三・一・三四号線なども選定いたしまして、多摩川を挟んで基地の対岸にある日野、八王子方面とのつながりも強化することといたしました。
 今月末には整備方針を策定し、立川広域防災基地周辺の都市計画道路網の早期完成に取り組んでまいります。

○清水(孝)委員 ありがとうございました。技監からご答弁いただきました。
 技監、特にこの立川三・一・三四号線というのをぜひともお願いしたいと思います。この立川三・一・三四号線は、ただいまご説明がありましたとおり、広域防災基地を南北に貫く道路でございます。
 しかしながら、私は忘れもいたしませんが、三・一一、東日本大震災の際には、この南北の道路が電車の踏切で遮断をされてしまいまして、車による物資の搬送ができなかったと。全て人海戦術になってしまったという苦い思い出がございます。まさにこの立川防災基地が陸の孤島と化してしまったというふうな現状でございました。首都直下型地震も切迫いたしまして、防災、減災対策は待ったなしでございます。
 そこで、この広域防災基地を南北に貫く立川三・一・三四号線の南側区間の延伸につきまして、早期に事業化する必要があると思いますが、今後の取り組みについてお伺いしたいと思います。

○佐野建設局長 立川三・一・三四号線は、首都直下地震など広域的な災害が発生した場合に、災害応急対策活動の中枢拠点となる立川広域防災基地や、今後、災害対策としての活用が期待される旧立川政府倉庫へ直接アクセスし、新奥多摩街道などの主要な幹線道路にも接続することから、広域的な防災性向上に寄与する重要な路線でございます。
 南側区間の整備に当たりましては、多摩川に向かって約十五メートルの高低差がある地形的な条件のほか、JR青梅線や複数の都市計画道路と交差する計画を考慮する必要がございます。
 これらの点を踏まえまして道路構造の検討を進めるなど、早期事業化に向けて取り組んでまいります。

○清水(孝)委員 この政府倉庫が思ったような機能を発揮するためにも、特に立川三・一・三四号線の整備につきましては、あらゆる整備手法を排除せず、ぜひとも早期に行っていただければと思うわけでございます。
 次に移りたいと思います。
 続きまして、マンションの施策の新たな取り組みについてお伺いしたいと思います。
 多摩地域にもマンション住宅が大変ふえてまいりました。
 そこで、先月公表されました良質なマンションストックの形成促進計画案につきましては、マンションの適正な管理と老朽マンションの再生を柱として、今後十年間に取り組むさまざまな施策が示されているわけでございますが、その中に、まず、東京都優良マンション登録表示制度についてというのがございましたので、お伺いしたいと思います。
 この制度は、建物の性質と管理組合による維持管理の取り組みの両面において、一定の水準を確保するマンションを優良マンションとして認定、登録し、その情報を公表することで、都民が安心してマンションを購入できる市場を整備することを目的として、平成十五年から実施されているというふうなことでございまして、私も都議会議員になってやっとわかりました。まだこの認定、登録を受けたマンションは多くないようでございます。
 しかしながら、この制度が都民の皆さんに認知されて、そして広まっていけば、これは購入者にとっても安心なだけでなく、日ごろから適正な維持管理に努めている管理組合にとっても、自分たちのマンションは安全ですよというふうな優良性をアピールできるわけでもございます。
 そこでお伺いしたいと思いますが、今後、優良マンション登録表示制度の普及促進に向けまして、どのように取り組んでいかれるのかお伺いをしたいと思います。

○安井東京都技監 お尋ねの優良マンション登録表示制度は、市場における認知度が必ずしも高くなく、これまで十分普及しているとはいえないと受けとめてございます。
 このため、今後は不動産業界団体と連携いたしまして、販売広告や物件紹介のホームページなどを通じて、消費者に優良マンションの情報提供を行うことを検討いたします。
 また、制度が市場に普及定着するまでの間、認定取得に対します優遇策についても検討いたしまして、運用の改善を図りながら、平成二十九年度から新たな登録制度をスタートさせてまいります。

○清水(孝)委員 最近マンションの安全性というのが疑問視されている中でございますので、この制度、普及に努めていただきたいと思うわけでございますが、ぜひとも業界団体の皆さんとよろしくやっていただければなと思うわけでございます。
 次に、マンションの耐震化について端的にお伺いしたいと思うわけでありますが、都は、マンションの耐震化に向けた普及啓発の取り組みとして、平成二十四年度より、マンション啓発隊活動を実施してきたわけでございます。
 今年度で一通り終了するというふうな見込みと聞いておるわけでございますが、そこで、啓発隊のこれまでの成果と今後の取り組みについてお伺いしたいと存じます。

○安井東京都技監 管理組合による耐震化への取り組みを促すため、都内に約一万二千棟あります旧耐震基準のマンションを対象に、マンション啓発隊による個別訪問を行ってまいりました。
 その結果、たとえ耐震化に関心があっても、費用負担や居住者の高齢化などによりまして合意形成が難しい、あるいは設計図書がない、こういったことで耐震診断ができないなど、耐震化を進める上でのマンション所有者の課題が明らかになってございます。
 来年度は、耐震化に関心のあった約二千棟を対象に啓発隊が再度訪問いたしまして、例えば金融機関と連携して費用面での相談に具体的に応ずることといたします。
 また、設計図書のないマンションにつきましては、図書の復元等についても支援するなど、個々のマンションの課題に応じたきめ細かな対応により、耐震診断や耐震改修の実施へとつなげてまいります。

○清水(孝)委員 ありがとうございます。このマンション啓発隊の皆さん、一万二千件の訪問、そして二千件の再訪問ということで、私もこの個別訪問、知らないわけではございませんので、その大変さがよくよくわかっている次第でございます。ぜひとも、皆様方の足で稼いだご努力、それが成果につながりますよう願っているわけでございます。
 さて、この啓発隊活動を通じまして改めてわかったとおり、耐震化の促進に当たりましてはさまざまな課題が存在しておるわけであります。
 本来、マンションの耐震化は管理組合みずからが行うことが基本であると思うわけでありますが、倒壊によります道路の遮断防止や、あるいは区分所有者の合意形成の困難性から、これは行政による支援の必要性を私は感じているわけであります。
 安全・安心な市街地環境の実現に向けまして、マンションの耐震化のさらなる促進が必要と思いますが、都の取り組みについてお伺いしたいと思います。

○安井東京都技監 旧耐震基準で設計されてございますマンションの約一割が特定緊急輸送道路の沿道に立地しておりますが、これらの耐震診断はほぼ完了してございます。
 今後、診断結果に基づきまして、補強設計や耐震改修につなげていくため、来年度から改修計画の作成を支援する制度を創設いたしまして、沿道マンションの耐震化を加速させてまいります。
 また、緊急輸送道路沿道には立地していないマンションにつきましては、いまだ耐震診断に至っていないものが多く、先ほどお答えいたしました約二千棟を対象といたしました啓発隊による再度の訪問に加えまして、耐震アドバイザーの派遣や助成制度の活用などによりまして、耐震診断の実施を強く促し、その結果を踏まえた改修が進むよう、管理組合の取り組みを促進してまいります。

○清水(孝)委員 ぜひとも粘り強い活動をよろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、質問を移ります。観光施策についてお伺いをしたいと思います。
 海外からの旅行者をふやすための方法の一つとして、いわゆるMICEへの注目が集まっております。このMICEの誘致に向けましては、世界的にも競争が激化する一面もあるかと聞いておりまして、東京都としても、これからも、これにも増してさまざまな対応を行うことが大切じゃないかなと思っている次第でございます。
 特に東京でのMICEの開催は、規模の大きい会議スペースやホテルの多い都心が中心になるだけに、会議に合わせた観光が重要になるかと思うわけでございまして、そういった意味では、東京のすぐそばに、観光スポットでございます多摩の魅力あふれる自然ですとか、島しょの自然、そして文化、伝統があるのかなと思いまして、こういった魅力に触れる機会を設けることが、私は効果的ではないかと思うわけでございます。
 多摩や島しょであれば、これは都心とすぐそばにあるわけで、また、都心とは打って変わって異なるような雰囲気が味わえるだけでなく、農林水産業なども体験できるグリーンツーリズムみたいなこともできるのかなと、いろいろなアイデアが浮かんでくるわけでございます。こういったことが国際会議の主催者には極めて魅力的に映るんではないかと思うわけでございます。
 こうした考え方に先立ちまして、東京都は来年度の事業の中で、多摩・島しょ地域の力を生かしたMICE誘致をどのように進めていくのかお考えをお示しいただければと思います。

○山本産業労働局長 都はこれまで、MICEの参加者を対象といたしまして、都心エリアの観光地や文化施設を訪れるツアーや、日本の伝統文化を体験するメニューの提供などを行ってまいりました。
 来年度は、多摩・島しょにおいて、豊かな自然や産業施設をめぐるツアーに加え、農作業や伝統工芸品の制作を体験するメニューなど、地域の持つ魅力的な観光資源を生かした十五のプログラムを新たにつくり、MICEの参加者に提供いたします。
 こうした取り組みにより、外国人旅行者が多摩・島しょ地域で観光できる機会を設けて、MICEの誘致に役立ててまいります。

○清水(孝)委員 よろしくお願いしたいと思います。
 次に、農業振興についてお伺いしたいと思います。
 東京産のブランド豚でありますトウキョウXの生産拡大についてお伺いしたいと思いますが、私は、皆さんご案内のとおり、この課題につきまして、トウキョウXの生産力をどうして上げていくのか、そしてどうブランド力を向上させていくのかというふうな取り組みをしているわけでございます。
 そして、舛添知事自身もみずから、まさにこれは先頭に立って全力を尽くしていただいているわけでございまして、さまざまな食のイベントで事あるごとに知事みずからトウキョウXの魅力をPRしていただいているわけでございます。
 そこでお願いなんですが、ぜひとも、どのような魅力があるのか、どのようにおいしいのか、この場で知事からご説明をいただければと思うわけでございます。

○舛添知事 まず食べていただきたいと思いますけれども、まずしゃぶしゃぶにして食べますと、普通の豚肉の四倍値段はするのですけれども、味は十倍以上においしいというふうに思っております。
 それから、今、ハムとかベーコンとかの生産もやっていただいていますけれども、先般、テーストオブ東京、東京の食の祭典でスペイン大使にお見えいただいて、イベリコ豚と競争しました。そして、本当に差がないということでありますし、ことしの正月、在京大使の皆さん方、百人以上お集まりいただいたところでも食べていただきましたけれども、イベリコ豚と並んで皆さんおいしくいただいていて、いろんな食べ方があると思いました。
 スペインの方も、こういうハムにすればいいということを教えてくれておりますので、トウキョウXとイベリコ豚が姉妹豚ということでお互いに、姉妹都市じゃない、姉妹豚という関係を結んでおりますので、ぜひまた清水委員にも、そういうところにお呼びいたしますので、姉妹豚の生産地の代表として頑張っていただければと思います。
 ぜひ、まだお食べになっていない方、皆さん方、お食べいただくとともに、東京都のホームページにどこで売っているかって書いてありますので、売っている場所を教えてくれという問い合わせがたくさん来ておりますので、今後ますますセールスをしたいと思っております。

○清水(孝)委員 ありがとうございました。ある意味、舛添知事は東京都で一番の情報発信力がある方だと思うわけでございますので、これからも、ぜひとも知事みずから先頭に立ってPR方お願いしたいと思います。
 本来ならば、この場にトウキョウXをお持ちすれば一番よかったのかなと思いましたけど、それがかなわないわけでございますので、これから知事を先頭に、そして執行機関の皆様、ぜひともよろしくお願いしたいと思うわけでございますが、生産量を上げるため、年間八千頭から二万頭目標にするためには、やはり種豚をつくっております青梅の畜産センターの整備、改編が必要だと思うわけでございますが、そこで、まずは、この整備に当たっての現在の進捗状況をお伺いしたいと存じます。

○山本産業労働局長 都が再編整備を進めております青梅畜産センターは、繁殖のための親豚に当たる豚でございますいわゆる種豚の安定供給や繁殖技術などの試験研究に加えまして、畜産農家への技術指導を行うなど、将来に向けて東京の畜産振興の拠点となる施設でございます。
 センターの整備に向けまして、現在、畜産農家などで構成する検討会におきまして、種豚の安定供給のための施設規模や衛生対策などを協議するとともに、設備業者から最新の作業機器に関するヒアリングを行っているところでございます。
 これらを踏まえまして、年度内には高い生産効率と衛生対策を備えた具体的な施設配置や工事スケジュールなどを盛り込んだ基本計画を策定いたします。その後、関係法令に基づく手続を進めまして、実施設計、本体工事に着手するなど、計画に沿った着実な施設整備を進めてまいります。

○清水(孝)委員 ありがとうございました。再編整備、よろしくお願いしたいと思います。
 それと同時に、生産量を高めるためには、やはり新たな生産者を確保することが不可欠なのかなと思うと同時に、既存の生産者の飼育頭数の拡大も重要かと思うわけでございます。
 一方で、このトウキョウXの流通というのは特殊でございまして、指定された食肉加工場においてのみ品質評価がされるという関係上、生産者から、そこまで運ぶまでの輸送のコストが大変負担感があるというふうなお話を聞いておるわけでございます。
 今後、生産拡大を加速させていくためには、こうした課題にも対応し、生産者の新規参入や規模拡大の意欲を向上させる取り組みが必要であるかと考えますが、ご所見をお伺いしたいと存じます。

○山本産業労働局長 都では、新たな青梅畜産センターの稼働を見据えまして、来年度からセンターの体制を拡充し、東北地方などの都外生産者の開拓を強化するとともに、生産頭数の増加に意欲のある既存生産者への支援も開始いたします。
 具体的には、畜産農家とかかわりが深い流通業者と連携をいたしまして、生産者への個別訪問を強化するなど、積極的に新規開拓を行ってまいります。
 また、生産者がセンターから種豚を購入する際の経費や、養豚場からと畜場、食肉加工場までの輸送にかかる経費を助成いたしまして、生産者のコスト負担を軽減することで新規参入や既存生産者の規模拡大を促進してまいります。
 こうした取り組みにより、トウキョウXの生産拡大を加速させてまいります。

○清水(孝)委員 ありがとうございました。ぜひともよろしくお願いしたいと思います。
 急ぎ足になりましたが、今回の多摩地域の発展につきまして、つれづれと質問をさせていただきましたが、最後に、縁の下の力持ちでございます下水道事業につきまして、立川市単独処理区の流域下水道への編入についてお伺いしたいと思います。
 多摩地域の立川市や八王子市などは、古くから単独処理区というのを維持していたわけでございますが、順次、流域下水道に編入をされているわけでございます。やはり単独ですと非常にコストがかかるということでございますので、この流域にぜひとも早く編入したいということでございます。
 今年度は八王子市の一部を流域下水道に編入いたしましたが、引き続き立川市の編入を進めることが多摩地域の下水道の効率化に向けて大きなステップアップになるのかなと思っているわけでございます。
 そこで、立川市単独処理区の編入に向けた取り組みをお伺いしまして、私の質問を終わりたいと思います。

○石原下水道局長 都と立川市では、平成十四年度から検討会を設けまして、編入に伴う送水方法や受け入れ側の水再生センターの水量増に対応するための施設計画を検討してまいりました。
 二十四年度は施設整備に係る役割分担等を定めた基本協定、二十五年度は汚水の受け入れ量や受け入れ時期等を定めた実施協定を締結し、今年度は計画、設計協議を行い、都や市が建設する施設や管渠の規模や位置を定めたところでございます。
 今後、都では、水量増に対応するため、水再生センターの設備能力の増強を図り、市では、錦町処理場から北多摩二号水再生センターへ下水を送水する施設や下水道幹線を建設し、平成三十四年度に編入する予定でございます。

○早坂委員長 清水孝治委員の発言は終わりました。(拍手)

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