○鈴木(あ)委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。
これより付託議案の審査を行います。
第一号議案から第二十七号議案までを一括して議題といたします。
十三日に引き続き総括質疑を行います。
遠藤守委員の発言を許します。
〔委員長退席、小磯副委員長着席〕
○遠藤委員 公明党遠藤です。質問に入ります。
予定では、五輪パラリンピック、そして福祉保健局関係、都市整備と、この順序で行く予定でありましたけれども、質問の順序を入れかえて、オリ・パラの後に都市基盤整備、鉄道の話をしたいと思いますので、準備のほどをよろしくお願いいたします。
初めに、史上最高の五輪パラリンピック、これを無事故、大成功に迎えるために、何点か質問したいと思います。
初めに、都におけるサイバーセキュリティー、この対策についてであります。
昨年の十一月、サイバー攻撃に対する国や自治体の責務などを定めた、サイバーセキュリティ基本法が成立をいたしました。このサイバー攻撃、さまざまな定義があると思いますけれども、ここでは、重要インフラの基幹システム、こうしたものに対するインターネット等を利用した電子的な攻撃と、こういうふうに位置づけて議論をスタートしたいと思います。なお、この法律は、サイバー攻撃対策の初の法的根拠を持っていると、こういうことであります。
けさの日経新聞にも、このサイバー攻撃がどれほどのものかということで記事が出ておりました。政府機関、さらには企業等々に対して、昨年二〇一四年に二百五十六億回のサイバー攻撃が起こっていると、これは一昨年に比べて倍増していると、こういう報道でありました。
そこで、この法律には、地方自治体、これがこのサイバー攻撃にどう取り組むのか、自主的な施策の策定、またそれに基づいた実施が求められていると思いますけれども、都としていかなる視点で、方針で策定していくのか、まず答弁を求めたいと思います。
○中西総務局長 高度化、多様化するサイバー攻撃の急増を踏まえると、攻撃や事故を未然に防ぐだけでなく、発生した際に迅速に対処し、影響を最小限に抑えていくことの重要性が増してきていると認識しております。
そこで、法に基づきます施策の策定に当たりましては、攻撃や事故を未然に防ぐことを中心としたこれまでの対応に合わせ、それらが発生することも前提とし、影響を最小限とする対応に重点をシフトいたします。
今後、関係機関との連携をさらに強化するとともに、発生する事故や事象、いわゆるインシデントに関する情報を即座に収集し、迅速な対応を図るなど、サイバーセキュリティー体制を万全なものとする施策を策定してまいります。
○遠藤委員 都庁のシステム、これは本庁はもちろんでありますけれども、特にこのサイバー攻撃ということで、都民の皆さんが最も不安に思うのは、やはり飲み水、水道と、多くの方々が利用する鉄道、地下鉄であると思います。
そこで、まず最初に水道局にお伺いいたします。
サイバー攻撃に対するこれまでの取り組みと、こうした時代状況を踏まえて、今後どう取り組んでいくのか答弁を求めたいと思います。
○吉田水道局長 水道施設をコントロールするシステムにつきましては、現在考え得る最大限のセキュリティー対策を講じているところでございます。
主な対策といたしましては、インターネットからシステムに接続ができない仕組みとしているほか、外部記録媒体を使用する際には、事前にウイルスチェックを行うとともに、システムを設置しています施設や計算機室は、関係者以外入場できないよう厳重に管理をしております。
このほか、専門機関によるセキュリティー監査を定期的に実施し、安全性を強化するとともに、万が一に備え、国や警視庁との合同訓練の充実を図っているところでございます。
今後とも、日々巧妙化するサイバー攻撃に対し、これらの取り組みを充実させるとともに、状況に応じて必要なさらなる対策を講じ、セキュリティー対策に万全を期してまいります。
○遠藤委員 それでは交通局、先ほど申し上げましたとおり、さまざまなシステムがありますけれども、特に重要なのは基幹システム、ここが攻撃を受けたらばミゼラブルであると、こういうことで、交通局のこの対応、甚大な影響を受ける危惧は現時点でないのか、お答えいただきたいと思います。
○新田交通局長 都営地下鉄におきましては、列車の制御など運行に係る全てのシステムにつきまして外部のネットワークに接続しておらず、ネットワークを通じたサイバー攻撃は受けない仕組みとなっております。
さらに、運行制御装置などの機器は、関係者以外の立ち入りが厳しく制限された場所に設置されておりまして、許可された者以外はアクセスできないよう厳重に管理しているところでございます。
今後とも、都営地下鉄の安全で安定的な運行のために、全庁的な取り組みとの連携を図りつつ、サイバーセキュリティーの確保に万全を期してまいります。
○遠藤委員 今答弁ありました水道局、交通局、いずれも現時点では最大限のセキュリティー環境を整えていると、こういうことでありました。しかしながら、日進月歩でありますので、不断の努力をしっかりと重ねていただきたいと思います。
これは、きょうは質問しませんけれども、やはり多くの病院、患者さんが入院されている、また大きな事故等々がかかることになると、都立病院も大事なこの基幹システムを持っていると思います。患者さんのさまざまなデータ、または医療機器等々はコンピューターでいろいろ動くことになっておりますので、病院経営本部もこの辺しっかり対応していただきたいと、このように思います。
先ほど答弁ありました、今後の都の基本的な方針ということで、こうしたサイバー攻撃は、起こることを前提にして、起こった場合、その影響を最小限にとどめると、これが基本の考え方、このように重点を、軸足をシフトしたと、こういうような答弁でありました。
こんな中で大事になってくるのは、都が来年度設置予定といわれています都庁版CSIRT、これはコンピューター・セキュリティー・インシデント・レスポンス・チームということで、コンピューターのセキュリティーが緊急事態に陥った場合の対応するチームと、こうしたことであります。英語の頭文字をとってCSIRTということであります。これを設置することになると。
先ほどの繰り返しになりますけれども、起こることを大前提として影響を最小限にする対応と、このCSIRTは非常に重要な役割を担ってくるんだろうと思います。これは、オリンピックの大会の開催時はもちろんのこと、終了後もしっかりと見据えて、いわゆる都庁を横串で、先ほど両公営企業のトップからお話がありましたけれども、こうした局もしっかりとお互い連携しながら、機動的かつ実効的な取り組み、またこの体制を築いていくべきと考えますけれども、いかがでしょうか。
○中西総務局長 巧妙化、高度化する攻撃手法に対して、全庁が強固に連携して迅速に対応していくことが、影響を最小限に抑える上で不可欠でございます。
そこで、CSIRTの設置に当たりましては、二〇二〇年大会開催時のみならず、大会のその先を見据え、全庁で発生しているインシデントを統括し、連絡調整に加え、指導指示が可能となる体制を構築することで、都庁全体として有効に機能する組織的な実行力を持たせてまいります。
○遠藤委員 今答弁ありました連絡調整のみならず、指導指示が可能となると、こういう強固な体制を築いていくと、こういうことであります。
さあ、ここまでは、いわば都庁のシステムについて聞いてまいりましたけれども、オリンピック・パラリンピック大会、これはこうしたサイバーテロにとっては最大の大きな標的になり得る可能性があるわけであります。
大会運営の中核を担う組織委員会、ここと都庁のシステム、体制、この連絡が不可欠であると思いますけれども、大会組織委員会と都庁との協力協調体制、どう築いていきますか。
○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長 二〇二〇年の大会時は、世界中から多くのアスリートや大会関係者、観光客が東京を訪れます。
こうした過去に例のない状況のもと、サイバー攻撃により、通信やセキュリティーなど、大会を支える基幹的なシステムはもとより、電気、水道などの周辺インフラに障害が発生すれば大きな混乱を招くことになり、開催都市東京の信頼を揺るがすことにもなりかねません。
現在、都は、国が設置したサイバーセキュリティワーキングチームに、組織委員会とともに参画し、課題などの共有を図っております。
また、組織委員会の担当部署であるテクノロジーサービス局、警備局と実務者レベルでの協議を行っております。
今後も巧妙かつ高度化するサイバー攻撃に備えるため、国や組織委員会を初め関係機関と緊密に連携をして対策を推進してまいります。
○遠藤委員 答弁ありましたとおり、国やまた組織委員会がしっかりと連携協調して、システム、強固なものをつくっていっていただきたいと思います。
さきの東京大会、オリンピック大会ではさまざまなレガシーが残されました。例えば、試合結果を各方面に伝えるコンピューターのシステム、これは今日の日本企業における生産管理システムの向上に飛躍的に貢献をしたと。さらには選手村等々で多くの方々が食事をされる。この食事も、多くの方が提供されるということですから、後に結婚式の披露宴ですとか等々の、多くの人たちが一堂に会して会食をする、こうしたことにも貢献をしたと、こういう歴史があるわけであります。
ぜひこのサイバー攻撃の対策のシステムについても、あの二〇二〇年大会があったらこそと、このように後世の人にいわれるようなシステムを構築をしていただきたいと、このように思います。
次いで、障害者スポーツ競技団体の強化についてお伺いをいたします。
さきのIPC、国際パラリンピック委員会、こちらにおきまして、既に東京大会での競技が全二十二競技ということで決定をいたしました。知事は、このパラリンピックについて、二〇二〇年大会の成否の鍵を握るのはパラリンピックの成功にあると、このようにいわれております。実際、その知事の考えに基づいてパラリンピック部門の体制を強化されると、こういうことを聞いております。
ところが、調べてみますと、障害者スポーツの競技団体の状況がなかなか厳しいわけであります。マスコミでも一部報道されておりますけれども、例えば、全国レベルでは競技団体があるものの、都道府県レベルではその団体がないケースや、専用の事務所がなかなか見つからず、ご自宅が連絡先になっている。このような組織的にも、さらに資金的にも非常に脆弱な体制であると、こういうことであります。私もショックを受けました。
そこで、これは私の認識ですけれども、都レベル、都道府県レベルの都レベルということであります、都レベルの障害者スポーツ競技団体の現状、そして、その現状に対して都はどう認識をしているのか、お答えいただきたいと思います。
○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長 都は、都内で活動しております障害者スポーツ競技団体を対象に、選手強化の取り組み状況について、現在聞き取り調査を行っております。
これによりますと、パラリンピック二十二競技のうち、東京都レベルの競技団体があるのは半数以下となっております。しかも、こうした団体におきましても、財政面の厳しさから、専用の事務所や専従職員を置くことは難しいとの声を聞いております。
また、競技力向上につきましては、国内大会に向けた強化練習の実施にとどまりまして、国際大会出場に向けた取り組みまで行っておりますのは、車椅子バスケットボールなどごく一部の団体に限られております。
このように、障害者スポーツの競技団体につきましては、組織体制の整備や競技力向上への取り組みが進んでいないというのが現状であると認識しております。
○遠藤委員 今、都の団体の状況を聞きましたけれども、四十七都道府県、都がこういう状況ということは、恐らく他の道府県もなかなか厳しい状況なんじゃないのかなと、これは推察ですけれども思います。
実は、私の知人にボッチャの日本ナショナルチームのメンバーがいらっしゃいます。かつてご本人にも、また家族の方、また仲間の方にもお話を聞いたことがあります。全国への遠征費、これは国内のみならず、海外もそうだと思います、こうしたものも財政的に厳しいので、有志の方に寄附を募っておられる、不安定な状況だということをお伺いしました。さらに、一人じゃなかなか動けませんので、介助者を頼むにも、ほかの方を頼めない、家族が仕事を休んだり等々でついていくと、こういう状況であります。
私は、この二〇二〇年大会でこうしたパラリンピアンの方々が持てる力を十全に発揮していただくには、この競技団体、ここをしっかりと強化をする、またそのための支援、これが必要だと思いますけれども、準備局長どうでしょうか。
○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長 二〇二〇年東京パラリンピック大会に向けまして地元東京の選手の競技力向上を図っていくためには、競技団体の担う役割が重要でございます。
このため、都は来年度から、東京都レベルの競技団体に対しまして、経験豊富な指導者を招いての強化練習会や合宿の実施など、選手の競技力向上に係る取り組みを支援してまいります。
一方、東京都レベルの団体がない競技につきましては、全国レベルの障害者スポーツ競技団体や健常者の競技団体などの協力を得まして、東京の選手の競技力向上を図るべく、現在検討を行っております。
都は、競技団体への支援や競技団体との連携強化を着実に前に進め、選手の育成を図ってまいります。
○遠藤委員 やはり本家本元の東京都の取り組み、これを他の自治体は期待をしているし、待っているんだと思います。しっかりやっていただきたいと思います。
ところで、先ほど申し上げましたとおり、知事は、オリンピック、この大会の成否はパラリンピックの成功にあると、このようにいわれました。さらに、ロンドン大会を超えるパラリンピック大会にしたいと、このような決意も語られております。
今、準備局長からさまざまな答弁がありましたけれども、知事のこの意気込み、そもそもこのパラリンピアン、選手の強化は、日本パラリンピック委員会の役割でありますけれども、だからといって、決して都が手をこまねいていてはいけないと、やるべき仕事はたくさんあると思います。
このように発言をされている知事、先ほど局長からありました現状を踏まえて、ぜひパラリンピアンに安心して当日迎えてくださいと、大丈夫ですと、こう安心していただけるような答弁をいただきたいと思いますが、どうでしょうか。
○舛添知事 パラリンピックの理念をあらわす言葉、それは失われたものを数えるな、残された機能を最大限に生かすということでありますけれども、これは万人が心に刻むべき考え方でありますし、パラリンピック選手は、みずからの肉体をもって見る者にこの言葉の真意を伝えてくれます。
このパラリンピックのすばらしさを都民、国民と共有するために、来年度の予算、人員体制を強化し、障害者スポーツの裾野拡大、パラリンピック競技の普及啓発のさらなる推進に加えまして、二〇二〇年大会に向けた選手の競技力向上に本腰を入れてまいります。
ロンドンの組織委員会のCEOでありましたダイトン卿からは、ロンドンでは、オリンピックのスター選手に人々が憧れを抱き勇気づけられることに着目して、パラリンピックでスター選手を生み出すため、さまざまなアプローチを行ったと伺いました。
東京におきましても、障害者アスリートの発掘、育成、強化を都が主体的に取り組んでいく事業として、長期ビジョンに位置づけております。そして、それに向かって、二〇二〇年に向けて計画的に進めてまいりたいと思っています。
大会まで、もうあと五年です。全力で選手の競技力向上に取り組むとともに、アクセシビリティーを高めるなど開催に向けた準備を万全にし、大会の主役でありますパラリンピック選手に最高の舞台を用意していきたいと考えております。
○遠藤委員 知事から、パラリンピアンに最高の舞台を用意すると、そのために十全の努力をすると、こういう趣旨であると思います。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
次いで、オリンピックの項の最後に、オリンピックと平和、これについて質問をしたいと思います。
知事は、本定例会の施政方針演説で、五輪開催都市として平和創出への責任、これについて知事のお言葉として初めて言及をされました。
我が党も、代表質問において質問をさせていただきました。その折、知事から改めて、オリンピック憲章を引用しながら、自身がオリンピックムーブメントの先頭に立っていくと、このような決意も披瀝をされました。
一月の二十三日でありますけれども、私は、高島議長の代理として、厚生委員会の委員長でありましたけれども、硫黄島で行われました東京都の戦没者追悼式に、福祉保健局長梶原さん、また、何より遺族の方五十数名の方と行かせていただきました。
本当に荒涼とした大地、ここで二万数千人の方々が命を落とされました。本当にこの荒涼とした大地から声なき魂の声が聞こえたような、そんな思いをいたすと同時に、今日の日本の繁栄とそして平和は、さきの大戦でとうとい命を落とされた、こうした方々のとうとい犠牲の上に立っているということを改めて痛感をいたしました。
戦後生まれが、都民の、そして国民もそうでありますけれども、大多数を占めるようになりました。こうした中で過去の記憶を次の世代に受け継いでいく、こうしたこれまでの都の取り組みに加えて、平和の祭典オリンピック・パラリンピック、この開催都市にふさわしい、平和創出へ向けた、平和を強固にするための新たな取り組みを私は展開するべきときに来ていると、このように思いますけれども、いかがでしょうか。
○小林生活文化局長 都は、三月十日を東京都平和の日と定め、東京空襲の史実を語り継ぎ、平和を祈念するため記念行事を実施しております。
さきの大戦で戦争の惨禍をこうむった都民の方々にとって、恒久平和の実現は最大の願いでございますが、これはオリンピック憲章にうたわれている平和な社会の確立と共通をしております。
平和の実現には、過去の記憶を未来への糧にするとともに、平和希求という普遍的な価値を世界と共有することが、オリンピック開催都市としての役割であると考えております。
それには、人類の共通語ともいえる文化の持つ力を最大限発揮させることも重要であり、文化の祭典としてのさまざまな取り組みが平和の希求という価値の共有につながっていくと考えます。
今後、二〇二〇年大会に向けまして、世界中の芸術家が東京で創造活動をともにする中で、地球規模の連帯の重要性を世界に発信する取り組みや、将来を担う子供や障害者が芸術文化を通じて交流し、平和の大切さを共有する活動などを展開してまいります。
○遠藤委員 IOCのホームページを見ますと、昨年の時点で、世界に三十九カ所、IOC公認のオリンピック研究センター、こうしたものがあります。四年前、実は日本、我が国においても、筑波大学を拠点にしてオリンピック研究センター、これはもちろんIOC公認でありますけれども、設立をされまして、オリンピックを通じた国際理解や平和に貢献する意識を養う教育、こういったものの研究や教育活動が行われていると、こういうことであります。
先ほど生活文化局長の答弁ありましたけれども、オリンピックと平和構築、創出、これについては、招致決定前、そして招致決定した以降も含めて、都から出されているさまざまな文書、または幹部の皆さんの発言等々をお聞きしていると、私は率直にいって、この平和創出ですとか平和構築という、こういったくだりというか、発信というか、哲学が、私はいささか少ないのではないのかなと、このように率直に感じます。
質問はしませんけれども、ぜひオリンピック・パラリンピック準備局、さらには将来に向けてということで、教育庁も関連があるんだと思います。先ほど申し上げた、こうしたオリンピック研究センター等ともよく連携をしながら、私の質問に沿った形でぜひしっかり対応していただきたい、このことを要望して次の質問に移ります。
次は、鉄道の広域ネットワークのテーマであります。
知事は、三月六日の記者会見で、国の次期交通政策審議会答申に向けた検討の中間まとめを発表されました。その概要を会見で述べられました。以下、中間まとめと、このようにいわせてもらいます。
この中で、整備効果が高いと見込まれる、整備効果が高いと見込まれる五つの路線に、現在の十八号答申、現在の答申、国の答申ですけれども、この答申にはないJR東日本羽田アクセス線、JR東日本羽田アクセス線という、こういう路線が突如、私にいわせれば突然明記をされました。
そこで聞きます。このJR東日本羽田アクセス線がこの中間まとめの中に記載されるに至った都の内部における議論の経過と、どういった理由でこれが入ってきたのか、その判断の結論、理由について答弁を求めたいと思います。
○安井都市整備局長 国は、現在の審議会答申が平成二十七年を目標年次としていることから、交通政策審議会におきまして、来年度中に新たな答申を取りまとめるとしてございます。
都におきましても、国の次期答申に向けまして、現答申で未着手となっている路線を中心に、今後の鉄道ネットワークについて検討しておりまして、その中でも空港アクセスの向上は重要な課題でございます。
JR東日本羽田アクセス線につきましては、現答申に位置づけられておりませんけれども、昨年、国の審議会におきましても検討対象路線とされていたこともございまして、都としても同路線を検討対象に含めたものでございます。
検討に当たりましては、国におけます議論の動向にも明るい外部の専門家の意見も聞きながら、利便性の向上や都市の活力の維持向上など四つの政策目標のもとに、混雑率の低下や移動時間の短縮などの指標を設定した上で整備効果などを検討しております。
その結果、同路線は、既存のネットワークと接続することで路線整備の便益が東京圏に広く及ぶことなどから、整備効果が高いことが見込まれるとしてございます。
○遠藤委員 今、種々答弁ありました。昨年八月だったと思います。JR東日本が、この羽田アクセス線について、構想について公表をされました。以来、この都の検討会は、この中間まとめの発表まで開催されたのは二回、このように理解をしております。今回中間まとめですから、さらにしっかりと議論をしていただきたいと、このように思います。
一方、この中間まとめには、これまで国、東京都、大田区、鉄道事業者間で検討してきた新空港線、いわゆる蒲蒲線、これについては整備効果が見込まれると、こういう表現はあるものの、さきに挙げました五つの路線に次ぐ扱いとなっております。
蒲蒲線は、いうまでもなく、JR・東急蒲田駅と京急蒲田駅間の八百メートル、これを結ぼうとするラインであります。東京圏の西部の弱い鉄道網を補完、補強する、こういう位置づけもあるわけであります。
そこで、新空港線、蒲蒲線ですけれども、現在の十八号答申の中にはこう書いてあるんですね。平成二十七年までに整備着手することが適当と、このように蒲蒲線は位置づけられております。
ところが、今回の中間まとめの中には、先ほどの繰り返しになりますけれども、他の五路線と比べて別の扱いになっております。十八号答申と今回の中間まとめ、この整合性について説明いただきたいと思います。
○安井都市整備局長 現答申は平成十二年に取りまとめられてございまして、来年度、国におきまして新たな答申が出される予定でございます。
都といたしましても、この間の社会経済情勢や今後の人口動態の変化、国の動向などを踏まえまして、改めて今後の鉄道ネットワークについて検討を行っており、中間まとめはこれまでの状況を取りまとめたものでございます。
お話の新空港線も含めました現答申で未着手となっている路線などにつきましては、鉄道ネットワークの強化や周辺路線の混雑緩和、沿線地域の利便性向上などの整備効果が見込めるとしてございます。
○遠藤委員 まだ中間の段階なので、局長が答弁できるのはこれが限界だろうと思いますので、しっかりと夏に向けて議論をしていただきたいと、このように思います。
ところで、舛添知事、知事は昨年二月六日、JR蒲田駅前で行われた都知事選の街頭演説で、新空港線を念頭に以下のように話されております。この演説会は、投票日の三日ぐらい前だったと思います。当時自由民主党の幹事長石破先生、そして我が党井上幹事長、そして地元の平先生、石原先生、そして我々推薦する自公の都会議員が全員一堂に会しました。多くの大田区民もこの席におられました。
知事は何といわれたかというと、この地域、特に先ほど蒲蒲線の問題がありましたけれども、先ほどというのは、知事が話される前に、地元の代議士、また区長についても、この蒲蒲線について整備が必要である、こういう訴えをされました。これに続いて知事はこういわれております。
路線の延伸の問題、新線の開発の問題、そしてこの駅の--この駅というのは蒲田であります。開発をしっかりやっていきたいと思っています。こういわれました。
この知事の発言を聞いた、私も聞きましたし、また多くの大田区民は、舛添知事が誕生することで、長年の整備促進活動をしてきた新空港線、さらには、戦災復興で蒲田のまちというのはごちゃごちゃしているんですね。それが新しく生まれ変わって、より防災、災害に強いまちに生まれ変われるだろうと、このように確信をいたしました。少なくとも私は。
この知事のご発言と今回の中間まとめの記載について、知事はどのようなご所見をお持ちでしょうか。
○舛添知事 私は、基本的には考え方は一貫しております。東京が今後とも持続的に発展していくためには、やはり国内外の交流を活発化させて活力を高めていくことが重要でありまして、そのためにも羽田空港へのアクセス向上が不可欠であります。
よく都市ランキングで、一位がロンドン、二位がニューヨーク、三位がパリ、四位が東京と。なぜ四位になっているかというと、その足を引っ張っている要因というのは、空港へのアクセスが悪いということが、一番点が低いわけです。ですから、都市間競争に勝つためにも、どうしても空港へのアクセスをよくしないといけない。これは、私はそのときの演説でも強調したと思います。羽田空港へのアクセスをしっかりやろうと。
しかも、三月七日に開通しました中央環状線、これのおかげで、この新宿都庁から四十分かかっていた羽田に二十分で行くようになりました。道路もこれは非常に大きく貢献するところがあるわけであります。
国は、昨年、国際競争力強化という観点から、空港アクセスについて活発に議論をしております。
都としましても、こうした国の動きを踏まえまして、それから外部の専門家の意見を聞きながら、今後の鉄道ネットワークについて検討を行っております。
私自身、その後、蒲田駅周辺、蒲蒲線の予定されているところも実際に歩いて見ています。公表はしませんでしたけれども、行っております。
先日、都としてのこれまでの検討状況を、あくまで中間まとめとして発表したわけでございまして、引き続き検討を深めていって、来年度、都の考えを国に示していきたいというふうに思っていますので、羽田空港へのアクセス向上、そして蒲田地区の開発、このことについて私の熱意は全く変わっておりません。
○遠藤委員 知事、蒲田を見られたと、こういわれました。ぜひ、我々も応援しているので、来られるときには、行きますよと、こういっていただければ、しっかり体制整えて、しっかりとご説明をするわけですので、こっそり行かないでいただいて、また二度目でも三度目でも、来ていただければご説明を申し上げたいと思います。
もう時間ないですから、くどくどいいませんけれども、知事はこの同じ演説で、政治家の発言の重み、私、これ発言するので、ユーチューブ何回も繰り返し見ました。ユーチューブ、知事のスピーチ全部載ってますので、政治家の発言の重さというものを強調されておりました。さらには、都議会との協議の必要性、これにも言及をされておりました。
これ何も、私は大田区の選出ですから大田区がどうこうといっているのじゃないんです。知事も報告を受けられたとおり、この新空港線、この早期整備、着手、これについては、港区、新宿区、品川区、目黒区、世田谷区、渋谷区、豊島区、板橋区、そして大田区、この九つの沿線の首長さんが、都と国交省に、早く着手してもらいたい、こういう要望をしているんです。ぜひ夏の、夏になるんでしょうか最終報告、今回は第一ラウンドでありますので、政治家舛添要一知事のリーダーシップを私は期待をしていきたい、このように思いますので、よろしくお願いいたします。
知事、やっぱり鉄道が重要な施設につながっていないというのは、知事、北九州ご出身だから、例の北九州モノレールでわかると思います。私も仕事の関係で五年ほど博多にいました。北九州小倉にも何遍も行きましたけれども、ご案内にならない方いらっしゃると思いますけれども、かつて北九州モノレールは、JR小倉駅、新幹線がとまりますけれども、そこと結びついていなかったんです。約四百メートルでありました。開業から十三年たって、ようやくこの四百メートルが結ばれたわけであります。その経済的損失ですとか、人の行き来の問題とか、非常に不便だということは、北九州生まれの、育ちの知事ですからわかると思います。これは空港じゃないんです。新幹線駅とモノレールが結びついていないだけで、かなりの経済的な損失があったのだと思います。
今回の問題は、羽田空港と最も近いJRの駅、この接続の問題ですので、しっかりとやっていただきたいと思います。
時間がなくなりました。最後に、福祉保健関係の質問をします。
私は、長らくがん対策、これを人生のライフワークとしてまいりました。
都立駒込病院、ここで今、血液のがんといわれている白血病、これに対してさまざまな取り組みが行われております。一般のがんは、五年生存率、現在六割まで回復しておりますけれども、血液のがんといわれる白血病の五年生存率は、おおむね四割弱となっております。この白血病等に有効な治療法として、造血幹細胞移植という移植がございます。駒込病院は、その拠点病院に、全国で五つの中の一つに選ばれました。
これまでの取り組みと、そしてこの医療を担うのは何といっても人材、マンパワー、この取り組みを強化していくことが重要と思いますけれども、あわせて病院経営本部長、答弁いただきたいと思います。
○醍醐病院経営本部長 駒込病院におきましては、昭和六十一年に第一例目として血縁者間の骨髄移植を実施して以来、末梢血幹細胞移植や臍帯血移植にも取り組み、疾病の種類や治療ステージに応じた適切な移植医療を患者に提供しております。
平成二十五年度に実施をしましたこれら造血幹細胞移植は百九例でございまして、全国でも有数の症例数となっております。中でも、約五割を占める非血縁者間の骨髄移植は、合併症が起こる頻度や重症度が高いため、より高度な治療技術を必要としております。
移植の実施に当たりましては、大量の抗がん剤を使用するなど、つらい治療に臨む患者の精神面のサポートを重視し、医師、看護師、薬剤師に加え、移植コーディネーター、臨床心理士など多職種による先進的で全人的なチーム医療を実践しているところでございます。
それから、人材の育成についてでございますが、造血幹細胞移植の提供体制を推進するためには、移植に携わる医療人材の育成が急務でございます。
特に主治医となる血液内科医には、腫瘍から免疫までの幅広い分野の知識、経験とともに、あらゆる臓器に及ぶ合併症への対応など、高い専門性が要求されます。
そこで、駒込病院におきましては、医師に対する一年間の移植医療研修を実施し、他病院の若手医師を受け入れ、育成を行っております。
また、患者と骨髄バンク等関係機関との調整を図る重要な役割を担う造血細胞移植コーディネーターは全国で二十名程度と数が少ないことから、駒込病院を中心に勉強会等を開催し、育成に貢献しているところでございます。
今後とも、こうした取り組みを一層推進し、造血幹細胞移植医療のリーディングホスピタルとして充実を図ってまいります。
○小磯副委員長 遠藤守委員の発言は終わりました。(拍手)
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