予算特別委員会速記録第四号

○東村副委員長 柴崎幹男委員の発言を許します。
   〔東村副委員長退席、中屋副委員長着席〕

○柴崎委員 今定例会、初めての予算特別委員会、この質疑の機会をいただきましたことに感謝をしながら質問、提案をさせていただきます。
 私は、去る二月二十三日に開催されました、ことしで第八回目となりました東京マラソン二〇一四に参加いたしまして完走することができました。きょうは完走のメダルを持参してまいりましたけれども--したがいまして、東京マラソンに参加した感想を踏まえながら質問させていただきたいと思います。
 今回、私自身、九回目のフルマラソンの挑戦なんですが、久しぶりということもありまして、練習不足もありまして、大変不安でございました。当日は三万六千名と例年どおり多くの参加者がある中で、都議会自民党の先生方が多数応援に駆けつけていただきまして(「公明党も行ったよ」と呼ぶ者あり)はい、公明党の先生方もいらっしゃいました。大変心強く感じたところでありました。今回は、舛添都知事がソチ・オリンピック閉会式にご出席のため、知事の号砲のもとでというわけにいきませんでしたが、気持ちよくスタートを切らせていただきました。
 ところで、スタート会場に入るところでは、セキュリティーチェックが強化されておりまして、ゲート式の金属探知機をくぐり、そして手荷物検査を受けました。こうした状況はこれまでにない取り組みだと聞いておりますが、やはり危機管理体制は極めて重要であります。
 昨年のボストンマラソンでの爆発テロ事件は記憶新しいところでありますが、ここまで大きな大会となれば至極当然なことと思います。しかし、規制エリアへの入場の時点で参加者が滞留してしまいまして、かなり時間がかかりました。これは今後に向けて、ぜひ改善が必要だと強く感じた次第でございます。
 ともあれ、無事にスタートを切ることができ、途中、品川で折り返しがあるんですけれども、私は西新橋のあたりで、今回、トップランナーたちが白バイを追い越すような勢いで、すごいスピードで音を立てながら走ってきたものですから、私も立ちどまりまして、思わず自分で持参いたしましたカメラでシャッターを切った次第でございます。
 また、銀座の目抜き通りや浅草の雷門、まさに東京の観光名所をめぐるコースであると実感をいたしました。そして、何よりも途切れることのない沿道からの熱い熱い声援、応援を受けながら走るだいご味は忘れられません。翌日は足が痛くて医者に行きましたが、やはり今になってみますと、来年もまた走りたいな、参加したいな、こんな思いでいっぱいでございます。
 レース中、一定の距離ごとに設置されている給水、給食所、ここでは水分補給をし、またバナナなどをいただきながら、何とか走り続けたわけであります。しかし、やはり浅草から銀座に戻るちょうど二十五キロメートルあたり、このあたりから腰は痛くなりまして、膝には力が入らなくなって、休みをとりながら走った次第でございました。途中、沿道からも、楽しんで走れとか温かい声援をいただいたり、アイシング用スプレーを吹きつけていただくなど、本当に沿道の皆様と一体となってゴールまでたどり着けたような気がいたします。記録的にも四時間四十三分台と、自分でも思った以上の記録で大変満足のいく結果となりました。
 平成十九年に始まった東京マラソンが、今や、ワールドマラソンメジャーズの一つとして開催されるまでに成長いたしました。
 そこで、第八回目となりました東京マラソン二〇一四の特色と成果を伺います。

○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長
東京マラソン二〇一四は、良好なコンディションのもと、三万六千人のランナー、百六十三万人に上る観衆、そして一万一千人ものボランティアに支えられまして、まさに東京が一つになり、大いに盛り上がりました。
 ワールドマラソンメジャーズの大会として二年目を迎え、外国からの参加者が初めて五千人を超えました。国際色豊かな大会のもと、世界トップレベルの選手が参加いたしまして、ハイレベルなレースが繰り広げられ、男女合わせて七人が、これまでの大会記録を上回るなど好成績をおさめました。
 また、委員ただいまご指摘いただきましたように、昨年四月のボストンマラソン爆弾テロ事件を受けまして、スタート及びフィニッシュ会場に金属探知機を導入したほか、町会などと連携をいたしまして、コース沿道の警戒に当たるなど警備体制の強化を図り、安全・安心な大会として成功させることができました。

○柴崎委員 ただいまのご答弁にありましたように、確かに東京マラソンのグレードがアップをしております。銀座、そして浅草など観光名所をめぐるコースであることや、先ほどもお話しいたしましたように、今回は、二時間五分台で走る海外の有力選手と一緒に我々一般ランナーも参加できることも、大変な魅力につながっております。
 毎年、申込者が殺到し、抽せん倍率が十倍を超える状況が注目度の高さをあらわしております。本大会では、この注目度を活用して、十万円以上の寄附をしていただいた方が先着順で参加できるチャリティー制度を導入しております。
 そこで、東京マラソン二〇一四のチャリティーの状況と今後の取り組みについて伺います。

○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長
ロンドンやニューヨークなどの海外のメジャー大会では、多くのランナーがチャリティーを目的として参加しております。東京マラソンにおきましても、スポーツを通じて社会貢献につなげていくため、我が国で初めて本格的なチャリティー制度を二〇一一大会から導入いたしました。
 寄附金は、被災地三県の育英事業を初めとしまして、障害者アスリートへの理解促進や難病と闘う子供と家族の支援など、十二種類の事業のうち寄附者が指定する活動に充てられます。
 今回、チャリティーランナーには、過去最高の二千五百九十三人の応募があり、二億六千万円以上の寄附金が寄せられました。今後も、東京マラソンのチャリティー制度を広くPRいたしまして、より多くの方々から寄附への賛同が得られるよう努めてまいります。

○柴崎委員 この寄附が震災復興を初めとするさまざまな支援や社会貢献につながることによりまして、今自分にできることは何か、人それぞれに思いを持って賛同してくれるものと思います。
 あわせて、今回チャリティーで参加した方は、ゼッケン番号の色がたしかゴールドだったと思うんですけど、それと更衣室が別になっていたような気がいたしております。
 そこで、例えばチャリティーで参加した方のゴール後に特別の休憩所を設けるなど、ある意味、いわゆる一般でご参加いただいた方との差別化を図る、こんなことも検討してもいいのではないかな、こんなふうに思うわけでございます。いずれにしても、寄附をしやすい環境づくりが大切であります。ぜひとも賛同者がふえるよう取り組んでいただきたいと思います。
 さて、知事は、今回、ソチ・オリンピックの閉会式に出張されておりまして、残念ながら東京マラソンには立ち会うことができませんでした。しかしながら、これまでの東京マラソンを見聞きして、そのすばらしさはよくご存じかと思います。
 このたび知事は、世界的イベントである東京マラソンを開催する都市の首長に就任されたわけでありますが、このマラソンを糧として、平成三十二年に開催されます二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会にどのようにつなげていくのか、知事のご見解をお伺いいたします。

○舛添知事 東京マラソンは、今、柴崎幹男委員がご説明いただきましたように、三万六千人の国内外からのランナー、そして沿道を埋めつくす観衆、ボランティアが一体となりまして、まさに東京が一つになります国際的なスポーツの祭典として、すっかり定着いたしました。
 今回、残念ながら立ち会うことができませんでしたけれども、東京マラソンを通じた都市の高揚感、また、ホスピタリティーにあふれる大会運営に、以前から大きな関心を寄せております。一万人以上のボランティアが集まり、学生、沿道の企業や地元の方々なども参加して大会を支えております。ソチでもきちんと報道を入手しまして、ああ、うまくやっているなと、よかったなと、そういう思いで見ておりました。また、警視庁、東京消防庁、医療関係者、地元町会など、多くの関係者が心を一つにしながら、安全・安心な大会運営に万全を期しております。
 この東京マラソンで培いました経験や実績、特にボランティアの方々がしっかりやられた。ソチもボランティアの方々に支えられましたので、そういう経験なども生かしながら、史上最高のオリンピック・パラリンピックの実現につなげてまいりたいと思っております。

○柴崎委員 世界中が注目し、人々に喜びや感動をもたらす史上最高のオリンピック・パラリンピックの開催に向けて、ぜひとも知事が先頭になって取り組んでいただきますことを要望いたします。
 続きまして、東京の事業者数四十九万社のうち九九%を占めます中小企業の振興についてお伺いしたいと思います。
 まず、創業支援についてお聞きいたします。
 都の統計調査を見ますと、都内事業所の開業率は二・三%で、廃業率の七・五%を大きく下回っております。成長分野の産業を育て、将来にわたる発展を実現するためには、創業を目指す人への支援に行政がより一層力を注ぎ、数多くの起業家を輩出していかなければなりません。
 東京には、企業の本社や大学、研究機関が集中し、すぐれた人材が数多く集まっております。しかし、そこから起業を目指すケースはまだ少なく、せっかくの才能や技術が新しいビジネスの創出には十分につながっておりません。
 最近は、情報通信技術の進展などにより、コストや時間をかけずに素早く起業できる環境となっております。起業家として有望な人材を集め、アイデアの実現に向けて全力を投入できる場と密度の濃い支援があれば、相乗効果も生まれ、短い期間で起業に向けたスタートが切れるのではないかと考えます。
 都は来年度、新たな創業支援施設を開設するとのことですが、その具体的な内容についてお伺いいたします。

○塚田産業労働局長 都は来年度、すぐれた人材の起業に向けた取り組みを強力に後押しするため、新たなインキュベーション施設を土地信託ビルのコスモス青山内に開設いたします。
 この施設では、独創的な事業プランを持つ個人やグループに、共同利用型のオフィスと宿泊滞在可能な部屋を貸し出すとともに、起業経験者や投資家などによる実践的な支援プログラムを提供いたします。また、入居者同士の学び合いや活発な意見交換ができるよう、いつでも自由に交流できるラウンジを用意いたします。さらに、大手企業や投資会社への事業提案の機会を数多く設け、これを効果的に行うためのミーティングルームも整備いたします。
 こうした取り組みにより、ビジネスプランの早期実現と、その後のネットワークづくりを支援してまいります。

○柴崎委員 東京の特性や創業環境の変化を踏まえた、これまでにない新しいタイプの創業支援施設だと思います。積極的な支援を展開していくことを大いに期待をしております。
 次に、都内におけるものづくり産業の集積確保に向けた取り組みについてお伺いいたします。
 都内のものづくり産業の強みは、すぐれた技術を有する中小製造業が数多く集積していることでございます。しかし、こうした中小製造業は、工場近隣の住宅地化など周辺環境が変化する中、地域住民の生活に配慮しながら操業を続けることに非常に苦労をしております。また、老朽化した工場の改築や改修をしたいと思っても、その間の操業をどう確保するのかも頭の痛い問題であります。
 こうしたことから、引き続き都内で操業を続ける意思があっても、結局のところ、工場を売り払い、他県に移転してしまう例が後を絶ちません。
 都は、こうした中小製造業の悩みをしっかりと受けとめ、東京の産業集積を確保する取り組みを積極的に進めていく必要があります。
 都は来年度から、都内ものづくり企業立地継続支援事業を開始するとのことですが、この事業では、具体的にどのような支援を実施していくのか伺います。

○塚田産業労働局長 来年度から開始する都内ものづくり企業立地継続支援事業では、現地での操業継続のための取り組みや、都内での工場の移転に対し、幅広い支援を実施いたします。
 具体的には、地球環境に配慮して行う防音、防臭等のための工場の改修費や、改修中に貸し工場などに一時移転する場合の賃借料、設備等の輸送費などについて助成を行います。また、現在地を引き払い、都内の別の地域に移転する場合にも、設備等の輸送費などを助成いたします。
 これらについて、都と区市町村が連携して、三百七十五万円を上限に経費の四分の三を助成いたします。
 こうした取り組みにより、中小製造業の都内での操業継続を積極的に支援し、産業集積の確保を図ってまいります。

○柴崎委員 厳しい操業環境の中で頑張っている都内の中小製造業が、今後も安心して地域で操業していくことができるよう、都はしっかりと支援をしていただくことを強く要請いたします。
 次に、中小企業にとりまして、日々の資金繰りは経営を維持していく上で最も大きな悩みであります。私も当選以来、本会議や委員会質疑の中で取り上げてまいりました。そして、先日の本会議での我が党の代表質問でも、中小企業の資金ニーズに応える金融支援について質疑がありました。
 例えば、私の地元の零細企業の社長さんからは、金融機関が借入金の返済期間の延長を認めてくれたが、追加の運転資金が借りられずに困っている、こんな話を聞くわけであります。また、毎月毎月、売り上げの入金よりも諸経費の支払いが先に到来するために、この間の資金繰りが本当に厳しいという切実な声もお聞きいたしております。
 このような現場の厳しい実情に目を配り、特に中小零細企業に手厚い支援策を講じていくことが求められております。
 さきの本会議では、特別借換融資の制度拡充や小規模企業向けのつなぎ融資メニューを創設するとの答弁がありました。これらについて、具体的にどのような支援を行うのかお伺いいたします。

○塚田産業労働局長 特別借りかえ融資は、昨年三月の中小企業金融円滑化法終了への緊急対応として実施してまいりましたが、これまでに二千件を超える利用があるなど、事業者の高いニーズを踏まえ、来年度も継続して実施いたします。
 また、融資条件を緩和し、既存債務の借りかえにとどまらず、当面の事業運営に必要な新たな資金を上乗せして融資することで、経営改善に取り組む事業者への支援を強化いたします。
 さらに、小規模事業者の日々の資金繰り支援として、原則三営業日以内での迅速な保証審査により、三百万円までの小口資金を調達できる新たなつなぎ融資メニューを設け、都が信用保証料の二分の一を補助いたします。
 こうした取り組みにより、都内中小企業が安定的な経営を行えるよう、資金面からの支援の充実を図ってまいります。

○柴崎委員 次に、都市基盤整備についてお伺いいたします。
 初めに、道路整備についてであります。
 まず、外環の地上部街路、いわゆる外環ノ2についてお尋ねをいたしたいと思います。
 外環道、この関越道から東名高速道路に至る約十六キロメートルにつきましては、一昨年の九月から、東名ジャンクション予定地で着工式が行われました。いよいよ、東京オリンピック・パラリンピック開催の平成三十二年完成に向けて動き出したところでございます。昭和四十一年に高架方式で外環道が都市計画決定されてから、五十年近くを費やしているわけであります。
 平成十一年に、当時の石原都知事が、もっとも当時は高架で計画をされていたこの外環道でありますが、やはり影響を受けると思われる、ちょうど町なかを通る格好になっております練馬区の上石神井の町を視察に訪れました。この視察をしていただき、当時は国交大臣もたしかご一緒だったと思いますが、こうした中で、平成十九年四月に、この外環道の地下方式ということで、都市計画の変更がなされたわけであります。
 一方では、この外環ノ2につきましては、外環とともに、やはり昭和四十一年、都市計画道路ネットワークの一部として都市計画決定をされたわけであります。しかしながら、都市計画の取り扱いがいまだ定まっておらず、都市計画に伴う建築の規制などにより、周辺まちづくりの進展が長期にわたって制約を受けております。
 こうした中で、外環ノ2は、交通の円滑化はもとより、地域住民の暮らしを支える重要な道路と考えております。
 都はこれまで、地域住民の声を聞きながら検討を進めてきているとのことでありますが、私の地元練馬区における取り組み状況について、まずお伺いをいたします。

○藤井東京都技監 外環の地上部に計画されている道路につきましては、お話にもありましたとおり、平成十九年に、高速道路の外環を地下方式に変更した際、関係区市などから出された要望を踏まえまして、現在、広く意見を聞きながら、整備のあり方などにつきまして検討を進めております。
 練馬区間につきましては、これまで寄せられた地域住民の方からの意見などを踏まえまして検討した結果、防災性や交通安全性の向上、広域道路ネットワークの形成などの観点から、この道路の必要性が改めて明らかとなりました。
 このため、昨年十二月、検討のステップを一歩進め、具体の整備イメージを複数案作成、公表いたしまして、先月までに説明会とオープンハウスを計十二回開催するなど、地域住民の方の意見把握に努めております。

○柴崎委員 今回、検討のステップを一歩進めまして、あり方の複数案を公表し、そして説明会やオープンハウスを十二回開催するなど、丁寧に住民意見を聞きながら検討しているとのことでありまして、高く評価をするところであります。
 聞くところによりますと、延べ約四百五十人もの来場があり、活発な意見が出されたとのことでありますが、この説明会やオープンハウスでは、どのような意見が寄せられているのか、具体的にお伺いいたします。

○藤井東京都技監 説明会とオープンハウスでは、道路の必要性につきまして、練馬区西部地域の南北道路は明らかに不足、首都直下地震への備えのために早期完成を望む、高速道路が地下化されたのだから地上部の道路を廃止すべきなどの意見がございました。
 また、整備のイメージにつきましては、将来世代のためにも幅の広い道路にすべき、幅員四十メートルでは地域分断や歩行者の横断が心配、歩行者と自転車の通行空間を分離すべきなどの意見がございました。

○柴崎委員 今のご答弁にありましたが、反対の意見もあるようでありますが、地域の現状としては、南北方向の道路がないため、地域の住民が生活する上で危険を感じたり、不便を強いられることを反映した声が多数寄せられております。
 また、地元からは、説明会では反対者の声が大きく、自由な質問がしづらい、あるいは賛成の人はそもそも質問しないという意見も聞いております。早期整備を望む多くの人の声なき声、いわゆるサイレントマジョリティーにも配慮すべきと考えます。
 一方で、外環ノ2の計画線にかかっている権利者からは、生活再建のためにも早く結論を出してほしい、こういった声もかなり聞こえております。
 本年二月、地元練馬区においても、今後の取り組み方針を定め、早期整備を都に対して要請したとのことであります。
 これらも含めて、今後どのように取り組むのかお伺いいたします。

○藤井東京都技監 練馬区は、本年二月、外環ノ2に関する今後の取り組み方針を策定いたしまして、重要な都市計画道路であるとの認識のもと、歩行者や自転車の快適な通行空間の確保などに配慮いたしまして、早期整備を図るよう都に求めております。
 今後、都は、地域住民の方の意見や練馬区の意向を踏まえまして、この道路の都市計画の方針を早急に取りまとめてまいります。

○柴崎委員 地元の意向なども踏まえまして、早急に方針を定めるように要請いたします。
 また、外環ノ2の整備を契機とした、特に上石神井周辺まちづくり協議会は平成十三年に設立されまして、もう既にことしで十三年目を迎えるわけであります。こうした各駅でのまちづくり協議会が極めて活発に今、活動しているところでございます。こうしたそれぞれ地元の地域のまちづくりの機運の高まりが、今まさにスタートし、成熟しているところでございます。
 こうした中で、西武新宿線の井荻駅から東伏見駅間の連続立体交差化についても検討を進めるように強く要望いたしまして、次の質問に移ります。
 続きまして、港湾整備についてお伺いいたします。
 第八次改訂港湾計画について伺います。
 東京港は、十五年連続コンテナ取扱量全国一の実績のある、首都圏四千万人の生活と産業を支える極めて重要な物流拠点であります。また、昨年は、世界最大級のクルーズ客船が初入港し、臨海副都心に新客船ふ頭の整備も計画されるなど、クルーズ船の寄港増加も期待されております。
 さて、その東京港では、十年後の東京港の将来像を見据えて、第八次改訂港湾計画の改定作業が進んでいると仄聞いたしております。私が思うに、東京港は、世界でもまれに見る、大都市と港湾が一体化した港であります。今後、この港で物流機能の拡充や客船受け入れ体制の整備を進めていくことはもちろんでありますが、さらに東京港を、東京の新たな魅力の創出を初め、東京の発展に積極的に生かし、世界一の都市となるために寄与させていくという視点が重要であると考えます。
 そこで、都の港湾政策の基本となる港湾計画において、東京港の将来的なビジョンとして、こうした視点を示していくべきと考えます。ご見解をお伺いいたします。

○多羅尾港湾局長 港湾計画の改定に当たっては、物流のみならず、都市の発展に重要な要素である観光、環境、安全、さらにオリンピック・パラリンピック開催という新たな五つの観点から検討を進め、東京港が大都市東京の活力や魅力の向上に寄与する港となるよう取り組んでまいります。
 具体的には、既存施設の再構築による物流機能の拡充や、新客船ふ頭の建設を初めとするMICE、国際観光拠点機能の強化を図るとともに、このたび事業着手が決定した東京港の新たな基幹道路となる臨港道路南北線の整備を着実に進めていきます。
 こうした施策を体系化して、平成二十六年夏を目途に計画を改定し、都市機能と港湾機能とが有機的に結合した、世界に誇る都市型総合港湾を目指して、東京港の港づくりを推進してまいります。

○柴崎委員 答弁にありました臨港道路南北線は、我が党もその実現に向けて、三年にわたりまして支援をしてまいりました。物流はもとより、オリンピック・パラリンピックにも極めて重要な役割を果たすので、大変喜ばしいことであります。
 また、都心に隣接した貴重な空間である東京港を、さまざまな観点から東京の発展に生かしていこうとしていることが理解できました。今後、さらに検討を重ね、まさに世界に誇る都市型総合港湾として港づくりを進めていってほしいと思います。中でも今回、私は、特に観光、環境に力を入れていく必要があると考えております。港湾計画という総合的なビジョンを策定するこの機会に、東京港の水辺空間の魅力を、ベニスのように国際的に高く評価されるよう、さらにレベルアップする新たな方向性を描いていくことが重要ではないかと思います。
 そこで、東京港の水辺空間の魅力を生かした取り組みを進めていくべきと考えます。ご所見をお伺いいたします。

○多羅尾港湾局長 第八次改訂港湾計画では、東京港の水辺空間を三つに区分し、それぞれの特徴を生かした取り組みを進めていきます。
 具体的には、運河沿いの水際をキャナルウオークラインとし、通勤、通学など都民の生活に溶け込み、背後の町と一体となった潤い、にぎわいを創出していきます。また、比較的静穏な水域の水際をシーサイドアミューズラインとし、ボートやカヌーなどマリンレジャーなどに活用していきます。
 さらに、羽田空港周辺など広大な水域を望む水際をハーバービューラインとし、往来する船舶や航空機など、世界とつながる東京を実感できる眺望空間を創出いたします。
 こうした取り組みに加え、自然の豊かさを身近で感じられる浅場、海浜等の整備を積極的に進め、東京港の水辺空間の魅力を一層高めてまいります。

○柴崎委員 水辺空間の魅力向上に向けて、新たな視点により検討が進められているということが今わかりました。
 都はこれまでも、運河を再生し、にぎわいを創出する運河ルネサンス、これに取り組んでまいりました。今後は、新たな港湾計画のもと、これまで以上に、観光、環境の分野において積極的な取り組みを進め、大都市東京の港湾にふさわしい魅力的なエリアを創出すべきであると考えます。
 さて、物流機能の強化は、東京港にとって何よりも重要なことだと思います。物流構造は時代とともに変化をしております。
 東京港の中には、老朽化した施設や利用の低下した施設なども見受けられるために、港の施設の利用状況の変化などに対応していくことが必要であります。
 そこで、今ある物流施設を生かしながら、的確に機能更新を進めていくことが重要であると考えます。ご見解をお伺いいたします。

○多羅尾港湾局長 スペースの限られた東京港においては、施設の利用状況の変化や船舶の大型化など時代の要請に応えて、利用者のニーズに合った施設とするために、既存施設をリニューアルしていくことが重要でございます。このため、中央防波堤外側コンテナふ頭の整備を着実に進め、これを種地といたしまして、現在の主力ふ頭である大井・青海コンテナふ頭の再編や岸壁の増深を進めてまいります。
 また、将来のコンテナ貨物の増加に対応するため、大井水産物ふ頭の用途を変更し、新たなコンテナふ頭として計画に位置づけるとともに、日本で最初のコンテナふ頭である品川ふ頭は、老朽化対策にあわせ、コンテナヤード拡張などを加味した計画とするなど、物流機能の強化に向けた取り組みを進めてまいります。

○柴崎委員 幅広い視点から考えられていることがわかりました。息の長い施策もあるかと思いますが、今後は計画に位置づけたものは着実に実現していくよう具体的な取り組みを進めていくべきであると考えます。
 第八次港湾計画の改定について、代表的な視点についてお伺いしてきましたが、これ以外にも、東京港の持つ重要性や魅力については多様なものがあります。それぞれの分野について、港と大都市が共生、発展するよう十分に検討を行い、世界に誇る都市型総合港湾東京港、これをぜひ大いにアピールをしていっていただきたいと思います。
 そして、港湾についてはこの程度にいたしまして、実は午前中、私、母校の卒業式に行ってまいりました。そしたら残念なことに校門の前でこんな紙を配っている方々がいらっしゃいます。いまだにいらっしゃいます。卒業生、在校生、教職員、保護者の皆さん、誰にも立たない、歌わない自由があります、君が代を歌わない自由があります、こんな紙をいまだに高校の卒業式の正門の前で配っている。(「どこの高校ですか」と呼び、その他発言する者あり)私の母校ですよ、きょう行ったのは。こんなことが行われているなんていうのは驚きました。
 以前はかなり近くの高校でもやっていた、こんな風景を見たわけでありますが、まさにこんなことが行われるなんていうのは夢にも思いませんでした。(「どこの高校なんだ」と呼ぶ者あり)やはり、ぜひ公立学校、都立学校、私の母校であります、きょう、大泉高校ですが、やはりぜひともこうした点、こういったものを配布しないような、そういうことを、なかなかこれは難しい部分があるのかもしれません。まあしかしながら、こんなことが、正門で配られることはぜひとも今後やめていただきたい、そんな思いでいっぱいでございます。
 もし、こうしたことにつきまして、ご答弁いただけるのであればお願いしたいと思います。

○比留間教育長 今お話のございました卒業式におけるこうした行為につきまして、東京都教育委員会としては、この間、入学式、卒業式あるいは周年行事、こうした儀式的な行事においては、きちんと国旗を掲揚し、国歌を斉唱するように全力を挙げて取り組んでまいりました。
 この点につきましては、この間の長い取り組みによりまして一定の成果が出てきているというふうに感じておりますが、ただいま委員がご指摘ございましたように、校門の外で配っているというようなお話もございまして、私どもとしては、引き続き努力をしてまいりたいというふうに考えております。よろしくお願いします。

○柴崎委員 時間でございますので、これで私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)

○中屋副委員長 柴崎幹男委員の発言は終わりました。

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