予算特別委員会速記録第三号

○東村副委員長 高椙健一委員の発言を許します。
   〔東村副委員長退席、委員長着席〕

○高椙委員 皆様、お疲れさまでございます。本日のトリを務めさせてもらいます自由民主党の高椙健一でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 本定例会において、新しい知事、舛添知事のもと、平成二十六年度予算案が提出されました。今回の予算案は、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催準備や災害対策など、喫緊の課題に対応した予算案であると思います。
 一方、こうした数年にわたる行政需要に的確に対応していくためには、都の事務事業について、今まで以上に無駄を排し、効率的、効果的に事業を実施していく必要があります。そのためにも、都議会とともにチェック機能の一つである監査委員の役割は、ますます重要になってくると考えられます。
 そこで最初に、監査委員の監査について質問をさせていただきます。
 本定例会初日に行われた我が党の高橋かずみ監査委員からの監査報告では、例年見られる工事の積算誤りや補助金の過大交付などに加え、都における災害対策をテーマに、災害直後の応急対策業務における問題点を指摘するなど、いわゆる都民の安全・安心に係る監査を実施した点が特徴的であると感じました。
 監査において、予算の効率的な執行という経済性の観点からの検証が必要であることはいうまでもありませんが、高度防災都市づくりや老朽インフラ対策が求められている今、都民の安全・安心という観点からの検証も重要だと考えます。
 今回の監査委員報告においても、都民の安全・安心の観点からも重点的に監査をしていく必要があるとの認識が示されていますが、今後、平成二十六年の監査では具体的にどのように実施していくのかお伺いします。

○松井監査事務局長 都市インフラが老朽化し更新時期を迎える中、平成二十四年十二月に笹子トンネルの事故が発生するなど、道路や橋梁などの安全管理について関心が高まっております。
 都はこれまでも、各局におきまして必要な維持補修を行うとともに、中長期の計画を策定するなどの対策を講じておりますが、監査委員といたしましても、こうした社会的に関心の高い課題に対応していくことが重要だと認識しております。
 毎年策定しております監査基本計画では、適宜、監査委員として必要と考えるテーマを重点監査事項として定め、各局横断的に監査を実施しておりますが、本年は、道路、橋梁、上下水道施設、港湾施設などの土木構造物の維持管理を重点監査事項として設定いたしました。
 監査に当たりましては、道路等のインフラ施設における保守点検、維持補修、計画修繕などの状況を詳細に把握し、都民の安全・安心の観点から重点的に検証してまいります。

○高椙委員 橋梁や高速道路などの老朽化したインフラの計画的、効率的な維持更新は待ったなしの課題です。我が党の政策集においても、東京を世界で一番の都市にするプログラムの一つとして、老朽インフラ対策の推進を掲げております。
 監査事務局においても、各局が行う都市インフラの保守点検、維持補修などの対策について、都民の安全・安心を確保するという観点からしっかりチェックを行っていただきたいと存じます。
 次に、環境問題、アスベスト対策についてお伺いします。
 アスベストは、かつては耐火材や断熱、保温材等として多くの建設資材等に使われてきました。しかし、アスベストは静かなる時限爆弾といわれるように、吸入後、数十年も経過してから中皮腫や肺がん等を引き起こすこともある有害性の高い物質であります。
 現在、アスベストの製造、使用は禁止されていますが、国は、建築物の解体現場からアスベスト飛散防止対策を強化することを目的に、昨年六月、大気汚染防止法を改正し、この六月に施行が予定されております。
 この改正にあわせて、東京都環境確保条例の改正案が都議会に提案されています。工事施工者が安い費用で工事を請け負わされ、アスベストを飛散させては、都民や工事作業者の健康は守れません。
 そこで、都のアスベスト対策について、改めて確認のため質問いたします。
 まず、都内のアスベスト除去工事の届け出件数及び今後の見込みはどうなっているのか、また、これまでの都内解体工事現場からアスベストが飛散する事例はあったのか、さらに、条例改正で対策をどのように充実させていくのか伺います。

○長谷川環境局長 アスベストが使われていた建築物の解体工事は、現在、都内で全解体工事の約一割、年間一千二百件前後あり、平成五十年ごろまでは同様な件数で推移していくと見込まれております。
 都は環境確保条例で、工事前のアスベストの有無の把握と工事前、工事中、工事後の大気中のアスベスト測定を義務づけており、近年確認された飛散事例はございません。
 今回の条例改正案では、大気汚染防止法の改正とあわせて、工事の届け出義務者を施工者から発注者へ変更し、契約上優位な立場にある発注者の責任を明確にして、工事の一層の適正な実施を図ることとしております。
 あわせて、規則等の見直しを行い、濃度測定結果や作業内容の記録と保存を工事施工者に求めるなどにより、事業者がアスベスト対策に関する説明責任を適切に果たせるようにしてまいります。

○高椙委員 今後、建築物のアスベスト除去工事は数十年以上続くということなので、アスベストが飛散することがないよう長期にわたって取り組んでいくことが求められます。
 また、個々の解体現場においては、かつてはアスベストを除去せず封じ込めや囲い込みで対応したところもあります。施工業者はこのようなケースも把握し、まずはアスベストの有無を再度見きわめた上で、確実にアスベスト対策を行うことが必要であります。
 さらに、小規模の建築物は短期間で工事が終わることから、届け出をせずに工事をしてしまうということがないようにしなければなりません。
 アスベストを含有する建築物の解体工事の届け出受理や指導は、都と区市で分担して行っていると聞いています。都民の不安を払拭していくためには、多くの現場に直面する区市の役割がますます重要になってくると思います。
 そこで、今後、区市に対してどのように支援していくのかお伺いします。

○長谷川環境局長 解体工事の届け出受理や指導は、二十三区では区が、多摩地域では建築物の規模により都と市で分担して実施しており、ご指摘のとおり区市の役割は大変重要でございます。
 都はこれまで、区市の担当者に対し、マニュアルの整備や説明会などにより、アスベストの測定法や使用されやすい場所と、その見分け方などの具体的なノウハウを提供し、飛散防止策を事業者に適切に指導できるよう支援をしてまいりました。
 近年、区市の中には、ベテラン職員が退職する一方で新たな採用が少ないなど、専門技術の維持継承が難しくなっているところもございます。このため、都は来年度から新たに、アスベストに関する専門知識を持った職員が現場での測定や立入検査に同行するなどにより、区市への技術的な支援を強化してまいります。
 今後とも、区市とともにアスベスト飛散防止対策の一層の徹底に努めてまいります。

○高椙委員 今の答弁にあったように、区市では職員の専門性の継承が困難になっていることも事実であります。
 建築物の解体工事において、周辺住民や工事作業員の健康を守るためには、アスベストの飛散防止を徹底することが何よりも重要であります。
 そのためには、区市の職員が届け出の窓口や実際の工事現場において発注者や工事施工者に対して適正な指導ができるよう、都が区市をしっかりと支援していただくことを要望して、次の質問に移らせていただきます。
 次は、消防団についてお伺いします。
 自然災害が発生した場合、まず重要となってくるのは、被災者を速やかに救出するとともに、地域住民の方を適切に避難誘導することであります。自衛隊や警察、消防も発災直後から体制を整え、現地に赴きますが、真っ先に現地に入り活動を開始できるのは、地域を熟知し、住民と密着する消防団であります。昨年の伊豆大島における土砂災害での消防団による献身的な活動は、多くの皆さんの記憶に新しいところでございます。
 現在、多摩地域の多くの市町村は消防事務を東京消防庁へ委託している一方、消防団については各市町村で運営されております。消防団が活動するときには、市町村や東京消防庁と連絡、調整を行う必要がありますが、その連絡に消防無線を使用している消防団は、平成二十八年五月までにデジタル化に対応した機材へ更新しなければなりません。
 こうした通信設備を初め、消防団の資器材については、市町村ごとの財政力の違いもあって、配備状況に差があります。私も従来から、消防団の資器材を充実させるべく、都に対して支援を求めてまいりました。来年度、我が党からの強い要望に応え、資器材整備に対する予算が計上されました。
 そこで、来年度、都は、多摩・島しょ地域の消防団に対して資器材整備に対する支援をどのように行い、地域防災力のかなめである消防団の機能向上を図るのかお伺いいたします。

○中西総務局長 来年度、都は、多摩・島しょ地域の消防団に対し、救助、救命用機材等の整備及び通信機器整備に対する支援を行ってまいります。
 救助、救命用機材については、委員ご指摘のとおり、市町村ごとに整備状況に差があり、また地域特性に応じて必要とされる資器材も異なります。このため、まずは各市町村からヒアリングを行い、地域特性や機材の状況等を把握した上で、各市町村の状況に応じた支援を行ってまいります。
 また、通信機器については、来年度、東京消防庁で消防無線のデジタル化に向けた試験運用が予定されていますが、これに対応する通信機器を市町村が配備する場合には財政的な支援を行ってまいります。
 今後とも、こうした取り組みを通じて、地域防災力のかなめである消防団の機能向上に努めてまいります。

○高椙委員 今年度も、市町村が消防団のために行う安全靴や簡易救助資器材に対し、都として全額補助するなど、都の積極的な支援は大変評価しております。来年度も市町村の実情に即した支援を行っていただくようお願いいたします。
 次に、公立小中学校の特別教室の冷房化について伺います。
 過日、本会議において我が党の代表質問に答え、特別教室の冷房化について、防音のため窓があけられないなど、早急に教育環境の整備が必要な教室を対象として、新たに市区町村への補助を行うことをご答弁いただきました。
 あわせて、普通教室についても、我が党の求めに応じて都独自の冷房化補助を平成二十二年度から実施した結果、今年度末で冷房化率が一〇〇%となる見込みもご答弁いただいております。
 普通教室については、都が補助制度を設けて市区町村の取り組みを後押しする以前は、地域ごとに冷房化の状況がばらついておりましたが、これまでの都の取り組みにより、全市区町村の冷房化率が一〇〇%と足並みがそろったことに大きな意味がございます。
 私の地元多摩地域でも、教育環境の整備は重要な課題です。今回補助の対象となる教室では、既に冷房化が進んでいる市町村もあれば、まだ冷房化が進んでいない市町村もあるということですが、その実態をお伺いいたします。

○比留間教育長 多摩・島しょ地域の三十九市町村では、今回の冷房化補助の対象となる音楽室、視聴覚室、図書室及びパソコン教室の冷房化の実施状況はさまざまでございます。
 三市二町六村で既に冷房化が完了している一方で、冷房化率が七〇%台以下の市町村も相当数存在をいたします。

○高椙委員 近年の夏の猛暑を考えると、冷房化は都内の全ての地域に共通の問題であり、地域によって整備状況にばらつきがある状況を早急に解消すべきとの考えから、我が党は、特別教室の冷房化についても、都の取り組みを先導してまいりました。
 今回の支援策により、区市町村の財政負担はどの程度軽減するのかお伺いいたします。

○比留間教育長 今回の特別教室の冷房化に対する支援策は、国が定めた単価により算出した工事費、いわゆる国庫補助基本額のうち六分の三を起債で賄い、残り六分の二を国が、六分の一を都が補助いたしますとともに、国庫補助基本額を超える実工事費の二分の一につきましても都が補助するものでございます。
 この財政措置により、実工事費が国庫補助基本額の範囲内であれば、工事年度における区市町村の負担は生じず、国庫補助基本額を超える場合でも、負担額はその差額の二分の一にとどまることになります。

○高椙委員 今回の特別教室冷房化補助が、区市町村にとって自己負担を上回る大きな支援となることがわかりました。
 一方、区市町村にとって冷房化を進める上で財政負担が大幅に軽減されているとはいえ、財源をみずから確保しなければならないという問題が残っていることを見落としてはなりません。
 我が党が求めている特別教室の冷房化を円滑に進めるためには、各区市町村においても必要な予算の確保が進むように、事業所管局である教育庁の積極的な働きかけが求められると思います。
 今後の補助事業の進め方について、教育長の見解をお伺いします。

○比留間教育長 今回新たに補助対象とした小中学校の特別教室の冷房化が着実に推進されるよう、区市町村の冷房化の状況を踏まえ、助言や技術的支援を行うなど、きめ細かい対応を行ってまいります。
 都教育委員会として、区市町村が計画的に特別教室の冷房化を進め、早期に良好な教育環境を整備できるよう最大限支援してまいります。

○高椙委員 公立小中学校の施設は、各区市町村が地域の実情、特性等を踏まえ、計画的に整備を行っております。
 しかし、教育環境の整備について、地域によって大きなばらつきがあることは好ましいことではございません。次代を担う東京の子供たちが、より良好な環境で教育を受けられることは全ての都民の願いです。そのために都として果たす役割は大変大きなもので、ぜひその役割をしっかりと果たすことを求めて次の質問に移らせていただきます。
 予告の順番を変えて、次に、治安対策について述べさせてもらいます。
 次に、多摩地域の治安対策についてお伺いいたします。
 都内の治安は、刑法犯認知件数が十一年連続で減少するなど、確実に改善していることがうかがえます。しかし、多摩地域においては、刑法犯認知件数こそ減少しているものの、行財政改革に伴う交番の統廃合により、交番の数そのものが減少し、住民の不安感を増幅させているほか、都の補助事業の対象となっている防犯カメラも、区部に比べ申請が少ないなど、治安対策が置き去りにされているように感じます。
 都は今回、防犯カメラの設置に対する補助事業に、新たに通学路のメニューを追加しました。地域の安全・安心の確保に万全を尽くそうという都の姿勢は評価できますが、一方で、治安対策に地域的な濃淡があってはなりません。
 知事は、かねてから二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック競技大会の各国の選手団の事前合宿を多摩地域に誘致する旨を明らかにされております。実現すれば大変すばらしいことであると思いますが、そのためには、何よりも地域の安全・安心が重要であることはいうまでもありません。
 そこで伺います。多摩地域の治安対策についてどのように考えているのか、知事の所見をお伺いします。

○舛添知事 世界で最も安全で安心な東京を実現するためには、四百万人の人々が暮らし、区部の一・九倍もの面積を有する多摩地域を初め、島しょ地域や区部などそれぞれの地域の特性を踏まえた切れ目のない治安対策が不可欠でございます。
 都は、区部と同様に、多摩地域におきましても警視庁や市区町村などと連携し、防犯カメラの設置に対する財政支援や防犯ボランティアの育成など、防犯に関する地域の力を高めるためのさまざまな取り組みを、地域の意見を聞きながら着実に進めてまいりました。
 安全・安心は都市の礎でありまして、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック競技大会の東京招致を実現する原動力ともなりました。都は、先ほど高椙委員がおっしゃったように、この事前合宿、キャンプを含め、五十六年ぶりに東京で開催されるこの大会を、史上最高の大会として成功させ、世界で最も安全・安心な東京を実現していかなければなりません。
 そのために、引き続き地域の実情に応じたきめの細かい治安対策に全力で取り組んでまいります。

○高椙委員 先ほど近藤議員からの質問もございました。私は、多摩地域だけのことを申し上げたいとは思いません。東京全体を安心・安全の町にしなければ、外国の選手団、またお客さんを温かく迎えることは、安心して迎えることはできないわけでございます。
 そういった意味で、知事には、東京全体を安心・安全の町にしていただきたくお願いを申し上げておきます。
 次に、農業振興についてお伺いします。
 最近では、地域の農産物や加工品などのブランド化に向けた取り組みが全国的に活発になっています。
 私の地元を例にとりますと、国分寺市においても、江戸時代から続く伝統野菜で都内有数の生産量を誇る東京ウドや、細身で街路樹に適した司シルエットというもみじなどは人気があり、市内でもたくさん生産されております。
 産地間競争に勝ち、農業者の収益を向上させていくためには、消費者ニーズを捉えた新たな商品開発やPR活動など、ブランド化に向けて付加価値を高める戦略が重要だと思います。
 そこで、都は、ブランド化に取り組む農業者に対してどのような支援を行っていくのか、お伺いします。

○塚田産業労働局長 農産物のブランド化を図るためには、開発から生産、販売に至るきめ細かな支援が必要であります。
 都は、試験研究機関で消費者ニーズに対応した新品種や加工品の開発に取り組むとともに、高品質な農産物を安定的に生産する技術を確立し、農業者への普及に努めております。
 これに加え、今年度からは、販路開拓やPR戦略など、個々の農業者のニーズに対応した専門家を派遣する事業を開始し、ブランド化に向けた助言を行っております。
 来年度からは、こうした助言内容の実現に向けて経費面から支援する農業経営サポート事業を開始し、販路開拓のための商談会やイメージアップのためのキャラクター製作など、ブランド力向上に取り組む農業者を積極的に支援してまいります。

○宇田川委員長 挙手を願います。

○高椙委員 ブランド化に取り組む農業者に対して、引き続き積極的な支援をお願いいたします。
 また一方で、こうした農産物を消費者に広く提供することが農業振興にもつながる重要な取り組みと考えます。
 そこで、次に、地産地消の推進についてお伺いいたします。
 東京では、新鮮で安全・安心な農産物が生産されており、直売所やスーパーでの地元農産物の販売や学校給食への導入が行われています。昨今、こうした地産地消が、農業振興はもとより、地域の活性化や食育の面からも注目されております。また、最近では、都内の飲食店等での都内産農林水産物の使用も進んでおり、都もこれらの飲食店等を登録し、ガイドブックによりPRすることで地産地消を進める取り組みを行っています。
 農家は、一生懸命、若い人から高齢者の方まで、インターネット等を通じていっぱい都内の飲食店等に情報を提供しながら売り込みを行っているんですね。こういった一生懸命の態度で農家の方が取り扱っている農産物、この地産地消をガイドブックで東京都に取り上げてもらっております。
 私の地元の国分寺市や国立市にも、市内でとれたウドやトマトなどの食材を使用する登録店がございます。ガイドブックを見れば、地元の食材を楽しむことができる店がすぐわかり、大変すばらしい取り組みと評価しています。一般質問でございました清水議員のトウキョウXも載っていますよ。
 今後、さらにこの取り組みを拡充していく必要があると考えますが、これまでの成果と今後の展開についてお伺いをいたします。

○塚田産業労働局長 都は、地産地消を進めるため、都内産農林水産物を積極的に使用する飲食店について、とうきょう特産食材使用店として登録する制度を実施しております。これまで、和食のみならず、洋食や中華等の幅広いジャンルの飲食店を合計で二百二十三店登録しており、ガイドブックや都のホームページ等でPRしております。
 今後とも、まだ登録店のない区や市を中心に積極的に募集を行うなど、登録店をふやす取り組みを進めてまいります。
 また、来年度は、島しょ地域での地産地消を推進するため、島の特徴ある食材やメニューを提供する飲食店等を対象とした島しょ版の新たな登録制度を構築し、地元の観光の活性化にも結びつくよう、積極的なPRを図ってまいります。

○高椙委員 この取り組みは、東京の農業の活性化にもつながりますので、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックも見据えながら、さらなる施策展開を図っていくことを期待しております。
 次に、創業者支援についてお伺いをいたします。
 これまた私の地元多摩地域は、すぐれた人材の宝庫であり、さまざまな分野の経験、知識豊かな人たちが集い、地域のための活動を活発に行っています。(「都議会議員の品格があるよ、多摩地域は」と呼ぶ者あり)ありがとうございます。
 最近では、現場をリタイアしたシニア層や、出産、子育てのために一時離職した女性を中心に(発言する者あり)地域の課題解決や魅力アップにつながる……

○宇田川委員長 ご静粛に。

○高椙委員 新たなビジネスを起こそうという動きもふえており、こうした取り組みを後押ししていくべきと考えます。
 これから起業を目指そうとする人は、まず、経営に必要な基本的な知識やノウハウをしっかりと学ぶ必要があります。しかし、学んだことをいざ実践しようとしても、資金繰りなどで壁に突き当たり計画の見直しが必要となったり、開業場所の確保や営業許可の取得が思うようにいかなかったりして、結局は諦めてしまうことも少なくありません。
 このようなときに、課題や悩みを相談し、状況に応じてきめ細かくアドバイスを受けられる仕組みがあれば、起業する人の数はさらにふえていくものと考えます。
 都は、創業を希望する人に対するセミナー等を実施していますが、こうした実態を踏まえて、さらに充実した支援を行っていくべきと考えますが、見解をお伺いします。

○塚田産業労働局長 都は、中小企業振興公社においてTOKYO起業塾を実施し、創業希望者のニーズや段階に応じたセミナーを開催しており、来年度は受講後の確実な起業に向けた相談体制を強化いたします。
 具体的には、まず、公社内に専用の窓口を新たに設置し、常駐の相談員を配置して修了生の個別の相談に応じてまいります。これにより起業に向けた取り組みの進捗状況をきめ細かく把握し、相談内容に適した支援メニューへの橋渡しや、会社設立手続などの実務的なサポートを行います。
 また、事業計画の策定、見直しや最適な開業場所の選定、開業に必要となる許認可の取得などの課題に対しては、専門家によるアドバイスを行ってまいります。
 こうした取り組みを通じて創業希望者の起業を着実に支援し、都内における創業の一層の促進を図ってまいります。

○高椙委員 多摩地域は、都内の製造品出荷額の半分以上を占めるなど、数多くのものづくり企業が集積しており、私の地元にも多彩なデザインの腕時計を製作し、自社ブランドでの販売に果敢に挑戦する、すばらしい企業がございます。
 しかしながら、売れる商品を生み出すことは、すぐれた技術を持ったものづくり企業であっても、なかなか難しいのが現状です。アイデアはあるが売れるかどうかわからないといった声も耳にします。みずからの力で売れる商品をつくり、そして販売できる中小企業をふやしていくことは、多摩地域を初めとした東京のものづくり活性化に大きく貢献するものと考えます。
 そのためには、マーケティングや製品開発、販売戦略等のさまざまなノウハウをきめ細かく継続的にアドバイスしていくことが効果的であると考えますが、この取り組みについてお伺いします。

○塚田産業労働局長 すぐれた技術を有する都内中小企業の競争力を一層強化するためには、市場のニーズを的確に捉えた製品を企画し、それを販売に結びつけていくことが重要であります。
 そのため、都は、中小企業が製品の企画開発から販路開拓に至る一連の知識やノウハウを習得できるよう、講座や実習、専門家のアドバイスを組み合わせて支援する製販一体型新製品開発支援事業を実施しております。
 来年度は、対象企業の数をふやすとともに、区部に加え、新たに多摩地域において事業を開始いたします。また、製品化に向けて重要なポイントとなる試作品の完成度を上げるため、3Dプリンター等による製作実習の回数をふやすなど、支援内容の充実を図ります。
 こうした取り組みにより、新製品の開発とその事業化を目指す中小企業を支援し、産業の活性化につなげてまいります。

○高椙委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 若干時間を残しておりますが、先ほど知事にご答弁いただきました防犯問題につきまして、もう一度知事のご意見もいただけたらと思っておりますので、再度よろしくご答弁のほどお願い申し上げます。

○舛添知事 私は、東京の魅力の一つは、治安対策がしっかり行き届いているというふうに思っております。かつてニューヨークのマンハッタンを東から西まで、夜中にアメリカ人の友達と二人で歩いたことがあります。絶対大丈夫だから歩こうといって歩いたんですけれども、やっぱり生きた心地がしませんでした。
 今度、新宿の歌舞伎町もぜひ視察したいと思っておりますけれども、新宿、夜中に高椙先生と二人で歩いてもほぼ安全だというふうに思います。若い女性でも安全だと、こういう安心できる町というのは、大都会の中で、世界の中でも非常に珍しいと思います。これをしっかり守っていく。
 そして、最近、吉祥寺であるとか三多摩地域においても非常に恐ろしい殺人事件が起こっております。ですから、二十三区のみならず、先ほど来申し上げておりますように、多摩地域も含めて全東京でやっぱり治安対策をしっかりやっていかないといけないと思っています。
 防犯カメラその他もしっかり設置をする。それから、ただ人員をカットすればいいんじゃなくて、警察や消防、都民の安全を守る、必要なところに私はきちんと財源を充てて人をふやすべきだと思っております。そして、自助、共助、公助で、まずみずからが、それぞれの自分たちの住んでいる町を守っていくんだと。
 先ほど渋谷の商店街の話をしましたら、きたしろ先生から港区でもやっているよというようなお話がございましたので、各地域でそういうボランティアの活動があると思いますので、ぜひ、まず私たちは、自分たちの町を守っていくと。そして、みずからが守り、町で共助で守り、そして最後は公助だと、そういう思いで世界一安全な都市東京をつくっていきたいと思います。
 これは、ただ、知事だけの力でできるものではありません。都議会の皆さん方としっかりと協議をしながら、特に財源の裏打ちがないといけません。この財源は、お金は天から降ってくるわけでありません。きょうのさまざまな答弁で、あたかもお金が天から降ってくるかのようなことを前提にしたご質問がございましたけれども、私は、納税者が都民であって、その都民がしっかりと支払っていただく税金をいかに優先順位をつけて、そして、いかに無駄にしないで使うかということがなければ、納税者に対する説明ができません。
 政治の最大の役割は優先順位をつけてやることだ。お金が無尽蔵にあれば政治は必要ではありません。ないからこそ、それにしっかりとこの道筋をつける。それは都議会と都知事とともにしっかりとやっていくと、そういう決意を述べまして、ぜひとも世界一すばらしい都市を目指したいと思いますので、都議会の皆さん方のご協力をお願いいたします。ありがとうございます。

○高椙委員 知事、ありがとうございました。一緒に安心・安全のすばらしい東京をつくってまいりましょう。終わります。(拍手)

○宇田川委員長 高椙健一委員の発言は終わりました。
 以上で、本日予定しておりました質疑は全て終了いたしました。
 なお、あすは、午前十一時から理事会を控室一で、また、午後一時から委員会を本委員会室で開会いたしますので、よろしくお願いをいたします。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後八時四十六分散会

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