予算特別委員会速記録第三号

○宇田川委員長 高橋信博理事の発言を許します。
   〔委員長退席、中屋副委員長着席〕

○高橋委員 それでは、私の方は大きく三つ、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック開催について、そして多摩地域の振興について、それから産業振興について伺います。
 昨年九月、アルゼンチンのブエノスアイレスで開催されましたIOCの総会におきまして、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック競技大会の開催都市が東京に決定いたしました。
 私は、東商ホールで多くの方々とともに現地に熱い声援を送りました。ロゲ会長が東京をコールしたあの瞬間、心の底から沸き上がってきたあの感動は、今でも鮮明によみがえってまいります。二〇一六年の東京招致に失敗しましたが、その失敗の経験を生かし、オールジャパンで取り組んだ成果だと思っております。
 二〇二〇年の大会は、都民、国民はもとより、世界中の多くの人々を魅了する、史上最高の大会にしていかなければなりません。同時に、二〇二〇年に向けて、あるいは二〇二〇年を契機として、都政のさまざまな課題を前進させ、東京をさらに活力ある都市として発展させる絶好の機会としていかなければなりません。
 そこで、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックの開催に関連して何点か質問してまいります。
 まず初めに、都市外交、アジア大都市ネットワーク21の活用、海外の諸都市との交流について伺います。
 二〇一八年平昌、二〇二〇年東京と、アジアでオリンピックが続き、これから世界の注目がアジアに、より一層集まってまいります。この機会を捉えまして、アジアの諸都市が、スポーツや文化はもちろんのこと、それ以外のさまざまな分野でも連携して、アジアのさらなる発展につなげていくことが最も重要であると考えます。
 東京都はこれまで、危機管理や感染症対策など、都市に共通する課題をともに解決するとともに、東京と日本の今後の発展のために、アジア大都市ネットワーク21の取り組みを推進してまいりました。
 ここで、アジア大都市ネットワークの紹介をさせていただきますが、アジア大都市ネットワーク21とは、アジアの首都及び大都市が連携を強化することによりまして、国際社会におけるアジア地域の重要性を高めるとともに、危機管理、環境対策、産業振興などの各都市の共通の課題に共同して取り組み、その成果をアジア地域の繁栄と発展につなげていこうという都市レベルの国際的ネットワークであります。
 その会員都市としては、バンコク、デリー、ハノイ、ジャカルタ、クアラルンプール、マニラ、ソウル、シンガポール、台北、ヤンゴンと、最近加入いたしましたロシアのトムスク、ウランバートルの十三都市であります。
 先日、このアジア大都市ネットワーク21の話題は、去る二月の三日から七日ですけれども、廃棄物のリサイクル研修、五都市から集まりまして、十五人が参加したということです。バンコク、マニラ、シンガポール、デリー、ウランバートルの五都市が参加して、廃棄物のことにつきまして情報や意見交換をしているところでございます。
 オリンピック・パラリンピック開催を見据え、アジアの連携を強める今、アジア大都市ネットワーク21をこれまで以上に活性化して、アジアの諸都市との都市外交を前進すべきと考えます。
 ところで、PM二・五で、一日平均一立方メートル当たり七十マイクログラムが暫定の国の基準でありますが、世田谷で先月の二十七日には、一時間当たりそれを超える百二マイクログラムありました。そしてまた、二十六日には、福島県や新潟県で注意喚起がございました。こういう都市の問題、ウランバートルにしましても、大気汚染の問題、石炭をたくさん使う、そのアジアの大都市の発展途上で、経済の発展に伴って、いろいろな大気汚染、越境汚染について問題があります。
 その点につきまして、平成十二年から、石原知事が提唱しましたアジア大都市ネットワーク21で、こういういろんな共通の問題を、そして、北京市なんですけれども、北京市としても、ぜひとも東京の支援を受けたいと私は思っております。
 国は国でいろいろありますけれども、それは国に任せておいて、そして、舛添知事は、北京やソウルとは国とは一味違う都市外交ができる、私は中韓両国とは行き来が多く両国の政府高官レベルにも友人がたくさんいるということで、産経新聞に、都市外交に意欲を示すというようなことが出ております。
 そういうことを踏まえて、私としては、オリンピックを契機に、北京市も参加してもらって、一緒になってこの問題を解決する。それは東京にとってどんなにいいことかというと、オリンピックをやることによってアジアの諸都市が協力してあげれば、また来てくれるわけでございますので、そういうことを考えて、舛添知事の所見を伺いたいと思います。

○舛添知事 高橋理事のアジア外交にかける熱い思いを拝聴いたしました。
 おっしゃるように、世界人口の六割を占める成長著しいアジアは、東京、そしてまた日本にとって極めて重要な地域と考えております。アジアの大都市が、共通する課題、今、PM二・五の話が出ましたけれども、その社会経済の発展を目指すということは大変有意義であると思っております。
 東京はオリンピック・パラリンピックを二〇二〇年に開きますので、それを契機に、アジアの一員として、この地域の連帯を強めるというのは大変結構だと思いますし、そういう意味で、アジア大都市ネットワーク21を活用して、感染症の問題もありますし、その他、幅広い問題にこれは対応していくことができるというふうに考えておりますし、もちろんスポーツの交流を含めて、いろんな層の交流ができると思っておりますので、北京の問題も、いろいろ難しい問題はあると思いますけれども、都市外交という観点からアプローチしてみたいと思っております。

○高橋委員 ぜひ、舛添知事のリーダーシップで東京都を引っ張っていただいて、国が何といおうと、東京都は、都市同士でやるわけですから、頑張っていただきたいと思います。
 次に、外国人旅行者の誘致について伺います。
 国は、ビザ発給要件の一層の緩和などに取り組み、オリンピック・パラリンピックが開催される二〇二〇年までに訪日外国人旅行者数を二千万人にするということを目標にしています。この動きと軌を一にして、都も外国人旅行者誘致にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 そのためには、外国からの旅行者が快適に東京での滞在を楽しめるよう、外国語が話せる観光ボランティアを育成することや、Wi-Fiに無料で接続できる環境を整えることは大変重要でございます。東京での滞在が好印象であれば、また来たいという思いにもつながりますし、家族や友人にも伝えたくなると思います。
 また、情報の発信も大変重要でございます。さきの本会議の代表質問に対して、都は、海外に向けて東京を幅広くアピールするキャンペーンを展開すると答弁していますが、こうした取り組みはぜひ進めていただきたい。同時に、旅行者が必要な情報を容易に入手できるインターネットの有効な活用についても考えていただきたいと思います。
 近年、旅行者はインターネットから情報を入手することが多いと聞きます。自国の言葉で東京の観光情報を手に入れることができれば、東京に対する親しみが湧き、訪問してみたいという気持ちが高まると思います。また、実際に都内で町歩きを楽しむ際にも便利でございます。東京の観光公式サイトでは、多摩や島の自然を満喫する観光ルートなど、東京の旅の魅力や旅行中の移動に必要な交通情報を英語や中国語などで見ることができます。
 このような、インターネット上の観光情報の多言語化を一層進めるべきと考えますが、今後の都の取り組みについて伺います。

○塚田産業労働局長 さまざまな国から旅行者を誘致するとともに、東京を訪れた旅行者の滞在中の利便性を向上させるためには、インターネットを通じた多言語での観光情報の発信が有効であります。
 このため都は、東京の観光公式サイトにおいて、東京の魅力や観光のモデルコース、交通機関の利用方法や緊急時の連絡先など、旅行に必要な情報を八つの言語で提供してまいりました。来年度はこれに加え、急増しているタイからの旅行者に対応し、タイ語のウエブサイトを作成いたします。
 また、訪日旅行者数の増加にあわせて、フェイスブックで使用する言語を三言語から十一言語に拡充するなど、SNSを通じた情報発信力の強化にも取り組んでまいります。

○高橋委員 ただいまの答弁のように、外国人が東京の観光情報を入手しやすくなるよう、多言語での情報発信力を強化して、外国人旅行者誘致につなげていただきたいと思います。
 次に、二〇二〇年東京大会における新規競技種目について伺います。
 現在、ソチではパラリンピックの熱戦が繰り広げられておりますが、先日閉幕いたしましたオリンピックを含め、多くの都民、国民がテレビの前などで観戦し、アスリートたちの姿に感動し、元気をもらっていることと思います。これだけオリンピック・パラリンピックに関心を寄せ、盛り上がっている国は、世界の中でもほかにないのではないでしょうか。
 その日本国民に、とりわけ人気のあるスポーツの一つが野球であります。オリンピック競技としては、二〇一二年のロンドン大会において正式競技から外れてしまい、このままでは、日本で行われる二〇二〇年大会の野球競技を見ることができず、まことに残念なことだと感じております。オリンピックでの野球の復活を望む声は非常に多く、我が国で広い世代に人気のある野球、ソフトボールが開催されれば、大会は大いに盛り上がることは間違いありません。
 そこで、今後、二〇二〇年大会に向けて、競技の追加、見直しなどはどのようにして行われるのか伺います。

○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長
IOCのオリンピック憲章では、開催都市の決定までに、その大会での実施競技を決めることとしておりまして、二〇二〇年の東京大会につきましては、既に競技数の上限である二十八競技が決定されております。
 一方、報道によりますと、IOCのバッハ会長は、今後の実施競技につきまして柔軟な発言をしております。
 現在、IOCでは、十二月に予定されております臨時総会に向けまして、実施競技のあり方を含むオリンピックの諸改革について検討が始まっております。今後のこうしたIOCの議論を注視してまいりたいと思います。

○高橋委員 多くの都民、国民が、オリンピックで野球、ソフトボールの熱戦が繰り広げられ、間近で観戦できることを期待しているはずでございます。ぜひ二〇二〇年の東京で、正式競技として復活してほしいと強く望んでおります。
 次に、聖火リレーについて伺います。
 東京オリンピックは、一九六四年でございました。今から五十年前、ここに(資料を示す)東京一九六四という五十年前の、これは私が持っているんですけれども、私が高校三年で、舛添知事が高校一年でございます、この中に、聖火リレーコースというのがこういうふうにあります。ここに書いてあります。これによりますと、聖火リレーは、日本国内のみならず、全世界の注目が集まるオリンピック・パラリンピックにおける最も象徴的なイベントであります。
 そのため、聖火は被災地だけではなく、全都道府県、日本全国をできる限り広くリレーし、聖火リレーを通じて、オールジャパンで二〇二〇年大会を迎える姿を世界に発信すべきであると考えます。
 一九六四年東京大会では、日本全国を四つのコースでつないで、まずギリシャから始まりまして、鹿児島に来て、そこから千歳に来て、それから、南から二コース、北から二コース、四コースでございます。
 東京に入るには、甲府、横浜、浦和、千葉の各方面から、四方面から入ってきました。最終的には、開催地である東京に聖火が集められました。このうちの甲府方面からのコースでは、私の地元である小平市を初め、多摩地域を通ってリレーがつながれていきました。聖火ランナーに大変多くの人々が感動し、当時、高校生であった私の心にも、あのときの感動が深く刻まれております。六年後の二〇二〇年大会においても、全国民の思いがこもった聖なるともしびを、ぜひとも全東京、オール東京、東京に迎えたいと思います。
 多摩地域を初め、都内各地で聖火をつなぐことで感動を分かち合い、東京全体を心を一つにできる聖火リレーにすべきと考えますが、所見を伺います。

○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長
一九六四年の東京大会における聖火リレーは、都内を広くリレーし、全都的に大会開催に向けた意識の高揚を図ることができました。二〇二〇年東京大会におきましても、全国はもとより、都内で広く聖火リレーをつないでいきますことは、都民、国民の心を一つにし、大会機運を醸成するために極めて重要であると考えております。
 都といたしましては、コース選定など、計画段階での調整を積極的に行うとともに、実施に当たりましての地元自治体との調整、沿道のセキュリティー確保などに万全を期してまいります。
 今後、組織委員会と連携を図りながら、多摩地域の方々を初め、より多くの都民が参加し、東京都全体で大きな感動を共有できる聖火リレーとなるよう、全力で取り組んでまいります。

○高橋委員 ぜひ全都道府県を通過するコース、私たち都議会も全道府県にお願いに行っているわけですので、オールジャパンでこの実現がしたわけですので、ぜひとも全都道府県を通過するコースにしてもらいたいと思います。
 さきの本会議代表質問におきまして、我が党からの多摩地域を初め全国自治体に事前合宿を誘致すべきとの主張に対しまして、事前合宿の誘致に意欲ある自治体を積極的に支援するとの答弁をいただきました。ぜひとも事前合宿とあわせて、聖火リレーについても多摩地域で行われるようにし、多摩全域でオリンピックムーブメントを広げていただきたいと強く要望いたします。オール東京で、ぜひ全区市町村を回れるようにお願いしたいと思います。
 次に、多摩地域の振興について伺います。
 多摩地域の人口は四百十九万人で、この規模は、四国四県の総人口を上回る大きさとなっております。こうした大規模な人口集積を有する多摩地域の発展は、東京の発展、さらには首都圏全体の発展のためにも非常に重要であります。
 舛添知事は、選挙期間中に、多摩地域に数多く足を運び、また、就任早々に、多摩担当の副知事として秋山副知事を選任するなど、多摩地域の振興に前向きな姿勢を示しております。ぜひ積極的に推進してほしいものです。期待しております。
 さて、多摩地域と一口にいっても、そのエリアは非常に広く、また特徴も違います。一口に北多摩、南多摩、西多摩といいますが、例えば北多摩の中で見ても、西部、南部、北部では町の様子がそれぞれ異なっております。防災拠点や商業、業務機能が集積した都市があり、玉川上水や豊かな湧水などの美しい水環境があり、農地と融合した風情もある景観があるなど、多彩な魅力を持っております。
 多摩全域に目を向ければ、森林を初めとする自然資源やものづくり産業の集積など、さらなる発展を支える、より多くの可能性も見出せます。舛添知事には、こうした可能性を最大限に引き出し、地域が直面する少子高齢化や産業の空洞化などの課題を乗り越えて、多摩の都民が安全に安心して暮らせるよう、しっかりとかじ取りを要望します。
 まず、多摩振興のさらなる推進に向けた知事の所見を伺います。

○舛添知事 高橋理事ご指摘のように、私は今回、選挙期間中、数多く多摩の各地を回りました。また、先般の大雪への対応を通じまして、交通インフラがちょっと欠けているなと。それから、自然災害への備えももう少しやらないといけないと。そういう多摩地域の現場が抱える課題を実感いたしました。
 行政において何よりも大事なことは、常に第一線の現場に目を向けて、現場のニーズ、現場の実情に合った施策を展開して、住民の負託に応えることだと思っております。
 これから現場をさらに見させていただきまして、地元の市町村の意見もお伺いしながら、少子高齢化、産業、防災、交通など、さまざまな観点から多摩地域の強み、さらに課題をこの目で確かめていきたいと思っています。その上で、現場に根差した実効性のある対策を講じて、多摩地域の持つ潜在的な力を最大限に引き出していきたいと思っております。
 多摩に暮らす方々が、ここに住んでよかったなと、そう実感していただけるような魅力にあふれる多摩地域を実現するべく、知事として全力を挙げたいと思います。
 例えば、西武線でも池袋線と新宿線、先ほどおっしゃったように、多摩の中でもさまざまあるということでありますので、そういう細かい点にまで注意を払って、多摩の振興のために努力していきたいと思っております。

○高橋委員 舛添知事に、多摩を重視する姿勢を明確に示していただきました。
 西武新宿線の話がありましたけれども、多摩は、いろいろ有機的な連携をする必要があるということで、多摩の南北、道路はいいんですけど、当然当たり前なんですけど、多摩の鉄道、特に武蔵野線がありますけれども、JRと私鉄、なかなかかみ合っていないんですよ。新しいレールとレールをつなげるのは大変なことですけれども、地下に武蔵野線が通っていて、上に西武線が通っているわけですから、それと駅を一緒にすることによって--武蔵野線というのは、埼玉から神奈川まで行く線です。例えば、府中の多摩総合に行くのに、西武沿線の人は一々バスに乗っていくわけですよ。そうすると、JR武蔵野線を通って、駅が一緒になっていれば、今一緒にできるわけですので、そういうことを考えていただきたいなと思います。
 次に、多摩地域の総合的な交通インフラ整備について伺いますけれども、先ほど申しましたとおり、多摩地域は、北多摩、南多摩、西多摩と特性が違います。それぞれの特性を捉えてしっかり整備していただけたらなと思っております。
 多摩地域が持つ潜在能力を最大限に引き出し、さらに発展させていくためには、これらの都市を有機的に連結し、人や物の流れを整理して発展を促す一体となった総合的な交通インフラの整備が必要不可欠なんです。
 舛添知事も、就任後、東京の最大の問題は交通体系とか、道路交通網を含めての整備がないとか、そういうことがないと三多摩の発展はない、多摩の発展は東京の発展なりと発言されているとおり、多摩地域は二十三区に比べて、交通インフラが脆弱な状況にあります。
 一言に多摩地域の交通と申しましても、自動車、バス、鉄道、自転車など、さまざまな形態がありますが、これらの移動手段が相互に連携し合い、強靱なネットワークを形成することで初めて多摩地域の潜在能力が最大限に引き出されるものと考えております。
 これまでも都は、こうした交通インフラの整備を着実に進めてきましたが、例えば都市計画道路については、三次にわたる事業化計画に基づき、多摩南北五路線の整備を積極的に進めるなど、着実に整備は進められてきましたが、整備率はまだまだ六割程度にとどまっており、いまだ志半ばとなっております。
 一方、鉄道に目を向けると、多摩都市モノレールなどの整備によりまして、以前に比べると利便性は高まっているものの、東西方向の鉄道ネットワークに対し、南北方向の移動を支える鉄道ネットワークは圧倒的に不足しており、交通不便地区が多く残されたままとなっております。
 また、区部と多摩を結ぶ東西方向のネットワークについても、朝夕ラッシュ時の混雑は目に余るものがあり、既設路線の混雑緩和など、快適な利用空間の創出にも取り組んでいただかなくてはなりません。
 さらには、舛添知事が積極的に取り組むと発言している自転車利用環境の整備のほか、鉄道ネットワークを補完するバス路線の整備など、多摩地域における交通インフラ整備は多くの課題を抱えているといえます。
 そこで、今後の多摩地域における総合的な交通インフラ整備について、都の見解を伺います。

○藤井東京都技監 多摩地域が有する潜在能力を最大限に引き出すためには、交通インフラの整備を推進いたしまして、人、物の円滑な流れを確保していくことが重要でございます。
 道路につきましては、次期事業化計画の策定に向けた検討を進め、渋滞の解消や都市間連携の強化、安全で快適な道路空間の確保などに資する道路ネットワークの計画的な形成を図ってまいります。
 鉄道につきましては、多摩都市モノレールの延伸やJR中央線の複々線化なども含め、来年度、都における鉄道ネットワークのあり方につきまして委員会を設置いたしまして、調査検討をしてまいります。
 さらに、鉄道やバスの有機的な連携などを含め、総合的な交通政策に取り組み、魅力や活力に満ちた多摩地域の実現に向けて、全力を挙げて取り組んでまいります。

○高橋委員 次に、ホームドアの設置について伺います。
 交通政策の推進には、交通インフラ整備だけではなく、既に利用されている公共交通に対するバリアフリーの取り組みも大変重要であります。
 二十六年度の予算には、ホーム柵等整備促進事業に対する予算が計上されております。本事業の意義と来年度の取り組みについて伺います。

○藤井東京都技監 総合的な交通政策に取り組む上で、公共交通の安全度を高めることは一つの重要な要素でございます。
 このため、都は、利用者数十万人以上の駅を優先して、これまで試行的に行ってまいりましたホームドアの設置に関する費用に対する補助制度を本格実施することといたしました。
 来年度につきましては、京王井の頭線吉祥寺駅、JR京浜東北線大井町駅及び西武池袋線池袋駅の三駅におきまして、ホームドア整備に対する補助を予定しております。

○高橋委員 多摩の交通ネットワークを考えるとき、道路や鉄道に加え、空路も重要な要素と考えます。首都圏には羽田、成田がありますが、多摩を含む西部地域には空港がありません。多摩から羽田、成田に行く時間のロスは膨大なものであります。
 一方、横田基地には本格的な滑走路があり、ビジネスジェットはもちろん、民航機の発着にも活用できます。横田を活用すれば、多摩地域の利便性の向上ばかりではなく、道路や鉄道網と相まって、多摩に新しい交通ネットワークをつくり出すことができ、横田を多摩振興の核として、産業などの活性化にもつながってまいります。
 今回、東京オリンピック・パラリンピックの開催が決まりました。例えば、臨時便、チャーター便の受け入れなど、多くの来訪者を受け入れることも考えられます。
 この横田基地につきましては、ただ多摩の基地ではありません。首都圏三千六百万人の、首都圏三空港必要な三番目の空港でありますので、世界どこへ行っても空港は三つあるわけでございます。そして、多摩は人口四百十九万人、四国には四つ空港がありますけれども、それよりも多くても一つもないんです。これは山梨県を初め、神奈川県、埼玉県、圏央道のところを通じて来られるわけですので、大きくこの首都圏の西部地域の発展につながるわけですので、ぜひともよろしくお願いします。
 ただ、問題は、空域の返還がないとだめなわけです。ぜひ空域の返還を戻していただきたいと、そのように要望しておきます。(「だめだよ、高橋さん、質問しなきゃ」と呼ぶ者あり)済みません、多摩地域の発展……(発言する者あり)飛ばします。ありがとうございました。
 次に、農業振興について伺います。
 東京の農業は、都市部から山村、島しょに至るまで、特色ある農業が営まれており、その中で、施設整備を進めることによりまして、経営力向上を目指す意欲ある農業者も数多くいます。
 我が党では、東京の農業を担う生産者と意見交換を行ってまいりましたが、若手農業者を中心に、新たな施設を整備するため、補助事業の活用を考えているが、事業の対象を広げるなどの対応ができないのかといった声も聞かれます。
 そこで、都はこうした農業者に対して、どのように対応していくのか伺います。

○塚田産業労働局長 都はこれまで、経営力向上に取り組む意欲的な農業者を対象に、パイプハウス等の生産施設や農産物加工施設などの整備を、さまざまな事業により支援してまいりました。
 一方、近年、経営改善に向けた農業者の取り組みも多様化しており、よりきめ細かな支援が必要となっております。
 そこで、来年度から、都市農業経営パワーアップ事業では、より多くの農業者に対する支援が可能となるよう、最低事業費を五百万円から二百万円に引き下げます。
 また、これまでグループを対象としていた山村・離島振興施設整備事業では、単独の農業者も補助対象とし、より使いやすい採択要件といたします。
 今後とも、農業者の積極的な取り組みに対して、支援策の充実を図ってまいります。

○高橋委員 農産物の価格の低迷が続く中、安定した農業経営を確保していくには、生産施設等の整備が不可欠であります。今後も農業者の声に耳を傾け、積極的な支援をお願いいたします。
 次に、水産業の振興について伺います。
 東京では、奥多摩から伊豆諸島、小笠原諸島まで、水産業が地域の基幹産業として営まれておりますが、この水産業を将来につなげていくには、水産資源を有効に活用していくことが重要であります。特に島しょ地域の広大な海には、豊かな水産資源が存在しているものの、サバやムロアジなど、出荷コストが高いことなどから十分に活用されていない資源があります。
 また、多摩川のアユは、昨年、六百万尾を超える遡上があったものの、数多く設置されている堰に行く手を阻まれ、その大半が中下流域に滞留しております。
 都は、先月公表いたしました水産業振興プランの中間のまとめで、今後、低未利用水産資源の有効活用を積極的に推進していくとしておりますが、どのように資源を有効活用していくのか、所見を伺います。

○塚田産業労働局長 持続可能な水産業の実現には、低未利用の水産資源の付加価値を高め、有効に活用することが重要であります。
 そこで都は、島しょ地域において、漁業協同組合等が加工品の開発や販路開拓などに取り組む際に、専門家を活用する経費を助成しております。
 さらに、来年度からは、学校給食への加工品の導入に成功している八丈島漁協女性部が持つノウハウを他の島へ広めて、加工の取り組みを拡大してまいります。
 また、多摩川では、中下流で滞留しているアユを捕獲し、上流で有効活用する手法を開発いたします。これにより、下流の漁協はアユの販売が可能となる一方で、上流の漁協では釣り人の増加が期待できることになります。
 こうした取り組みにより、水産資源の有効活用を進め、水産業の振興を図ってまいります。

○高橋委員 ぜひ多摩川のアユをよろしくお願いいたします。
 次に、高齢者の就業について伺います。
 健康で元気な高齢者が増加する中で、高齢者に身近な地域での就業機会を提供しているシルバー人材センターの就業機会をさらに拡大していくことが必要でございます。例えば、少子高齢化や核家族化が進む中、子育てや高齢者の生活支援、孤立防止など、各地域が抱える問題があります。こうした地域の課題に対応するために、シルバー人材センターの力を活用すれば、高齢者の就業機会の拡大にもつながります。
 都は、シルバー人材センターの就業機会の拡大にどのように取り組んでいくのか伺います。

○塚田産業労働局長 働く意欲のある高齢者が増加する中、シルバー人材センターの役割は高まっており、その会員が就業する機会を拡大していくことが必要であります。
 少子高齢化など社会状況の変化に伴って生じる課題の中には、高齢者の知識や経験を生かせる分野も多いことから、来年度、地域のニーズを踏まえ、仕事の開拓を支援いたします。具体的には、都内五十八地区のシルバー人材センターの事業活動を支援している東京しごと財団が各センターと連携して、高齢者の見守りなど地域の課題を解決する事業を企画、提案し、市区町村等からの新たな受注につなげてまいります。
 また、こうした事業化された好事例を取りまとめ、発信することにより、他の地域にも同様の事業を波及させ、就業機会の一層の拡大を図ってまいります。

○高橋委員 ぜひ、地域が直面するさまざまな課題の解決に、高齢者の力を生かせるよう取り組みをお願いいたします。
 また、就業機会の拡大とあわせて、それを担う会員の拡大も必要です。団塊の世代が六十五歳を迎え、地域に活動の場を移しつつあるこの時期を捉えて、会員をふやすための取り組みを行い、センターの活動をさらに活性化すべきです。
 また、センターによっては、会員活動の場である施設が老朽化していたり、スペースが限られるため、新たな活動が制約されるケースもあります。施設が整備されることによって、就業機会の拡大につながるものと考えます。
 会員拡大の取り組みや会員活動の拠点となる施設の整備など、シルバー人材センターへの支援を強化すべきと考えますが、見解を伺います。

○塚田産業労働局長 高齢者の多様な就業ニーズに応えるため、地域における就業の受け皿であるシルバー人材センターの活動をさらに活性化させていくことが必要であります。
 このため、都では来年度から、PR活動等の経費を助成し、センターの活動内容を広く周知することにより、団塊の世代を主要な対象とした会員拡大を支援いたします。
 また、作業場や研修室など会員活動の拠点となる施設を整備する市区町村に、二千万円を上限として、その経費の三分の二を助成し、会員の就業機会の拡大に結びつけてまいります。
 こうした取り組みにより、シルバー人材センターの活動を活発にし、地域における高齢者の就業を推進してまいります。

○高橋委員 次に、観光振興についてなんですけれども、観光振興につきましては、観光立国としての日本の首都東京として、いかに魅力的なサービスを提供できるようにするか、日本ならではの伝統文化、超近代的な都市としての機能性を整備することは、日本国としての国家利益にも貢献できるはずであります。
 観光振興につきましては、オリンピックを控えまして、直前にやるのではなく、日ごろから観光振興全て--この東京オリンピックが成功するかしないかは、外国の方、あるいは日本中の方がいかに動いてくれるかということにかかっております。
 私が今回質問したのは、人が集まっていただける、そして多摩の核、そして首都圏の核として、横田基地の軍民共用化ということも強くいってまいりました。そういうことを踏まえて、統合型リゾート、IRとか、横田の軍民共用化とか、まだまだいろいろ課題とか問題はありますけれども、こういうことは、やはりオリンピック以後の東京のことも考えていかなきゃいけないので、オリンピックは、ただただそこが目的地ではなくて、そこから先の東京をどうするかということにかかっているわけでございますので、そういうことを踏まえまして、最後に舛添知事の思いをぜひ語っていただきたいと思います。
 それをもちまして、私の質問を終わりにしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○舛添知事 今、高橋理事がおっしゃいましたように、あくまで二〇二〇年は、一つのゴールでありますけれども、そこで終わらず、二十年後、三十年後、五十年後、東京都の百年の大計を目指して大きな改革をやらないといけないというふうに思っておりますので、ぜひ都議会の皆さんと協力しながら、そして協議を重ねながら、さらに東京を世界一すばらしい町にしたい、そう思っております。

○中屋副委員長 高橋信博理事の発言は終わりました。(拍手)

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