予算特別委員会速記録第二号

   午後五時四十分開議

○松村副委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 大山とも子委員の発言を許します。

○大山委員 私は、保育園の問題について質疑します。
 ことしも認可保育園に申し込みながら不承諾となった多くの保護者が集団で各地域で不服審査請求をしています。不承諾になったお母さんは、足りなかった点数を分析しながら、自分が悪かったと落ち込んでいます。認証保育所に一年間預けていたお母さんは、ことしも認可保育園に入れませんでした。これから働きたい保護者には、かなりハードルが高くなっています。そもそも保育園が足りないこと自体が出産後の就職、復職の壁を大きくしているのです。
 我が党は、認可保育園に申し込みながら入れなかった子供の人数についての調査結果を三月三日に公表しましたけれども、一部の自治体の入園申込者数に、認可保育園からほかの認可保育園への転園希望者などが含まれていたことが判明したため、再度調査しました。
 その結果、認可保育園に申し込みながら入れなかった子供は、十八区二十五市三町で約二万四千人となりました。関係者の皆様におわびして訂正させていただきます。
 しかし、二万人を超える子供たちが認可保育園に申し込みながら入れない状況になっているということは極めて重大です。
 知事は、待機児を四年間でゼロにするといいました。まず、目標についてです。現在進行中の保育計画には、二〇一〇年度から二〇一四年度まで、五年間の目標を設定しています。保育計画では、都における潜在的ニーズ量は、就学前児童人口の四四%となっています。この四四%というのは、どのような根拠で、何人になりますか。

○川澄福祉保健局長 東京都保育計画で示した潜在的な保育のニーズ量四四%という数字ですが、平成二十年度に各区市町村が、ゼロ歳児から五歳児の保護者を対象に実施した調査の結果に基づいて算出したものでございます。
 保育計画を策定した平成二十一年一月一日の就学前児童人口は約五十九万四千人であり、これに四四%を掛けると約二十六万人になります。

○大山委員 そのときの潜在的ニーズ量というのは、現在もしくは一年以内というものですから、待機児をなくそうと思えば、本来だったら、少なくても就学前人口の四四%、その当時で二十六万人の保育サービスを整備することが必要だったわけです。
 ところが、今の保育計画では、二〇一五年四月までに五年間で三万五千人分ふやして二十二万八千五百人分にする計画ですから、二十六万人には三万一千五百人分足りません。目標がそもそも都民ニーズに合っていないということなんです。二〇一五年四月には二十二万八千五百人に、五年間で三万五千人分ふやすという目標を算出した根拠は何でしょうか。

○川澄福祉保健局長 都は、平成十八年度に策定した「十年後の東京」計画において、当時五千人いた待機児童の解消に取り組んでいく方針を盛り込みました。この目標を達成するため、平成二十年度からの保育サービス拡充緊急三か年事業では、三年間で定員一万五千人分整備することを目標に掲げ、実績としましては目標を大幅に超える二万四千六百十三人分整備いたしました。
 東京都保育計画は、こうした取り組み実績や区市町村における取り組み計画等を勘案し、平成二十二年度から五年間で、保育サービスを三万五千人分整備することとしたものでございます。
 その後、目標を前倒しし、平成二十二年度からの少子化打破緊急対策では、三カ年で二万二千人分、「二〇二〇年の東京」アクションプログラムでは、二十四年度からの三カ年で二万四千人分の整備を目標にしております。

○大山委員 つまり、実績にあわせて目標を設定したということですね。せっかくニーズ調査をして、その当時必要な保育サービス量は約二十六万人と把握したのに、東京都の整備目標は、必要保育サービス量である二十六万人とはかけ離れた二十二万八千五百人分を目標にしました。目標自体が待機児を解消するものとはなっていなかったといわざるを得ません。
 ニーズ調査は重要です。ところが、ニーズ調査だけでは、必要な量ははかれないということが、私、世田谷区の目標の決め方を伺ってよくわかりました。
 世田谷区は、今後十年間程度は就学前人口がふえる、もしくは横ばいとなる予測であること、認可保育園の申し込みがこの間ずっと急増していること、そしてニーズ調査、この主に三つの要素で、現在、整備されている約一万三千人分を二〇一八年度までに二万人にふやすということを決めました。毎年千四百人分が整備目標です。ですから目標達成するために一生懸命頑張っておられました。
 福祉保健局の資料でも、この間、就学前人口はふえています。認可保育園への申込者数もふえていて、就学前人口に占める申込率も毎年上がっています。申込率は、二〇〇五年と二〇〇六年、これは〇・三%の増加でしたけれども、昨年度と今年度は一・三%上がっています。つまり就学前人口もふえ、そのうちの申込率も上がっているということなんですね。
 知事、待機児ゼロというんだったら、目標は、就学前人口の将来予測、認可保育園申込者数の増加状況、そして、ニーズ調査などを加味して設定することが必要なんじゃないんですか。知事、答弁してください。

○川澄福祉保健局長 現在、区市町村では、来年四月の子ども・子育て支援新制度の施行に向け、必要な保育サービス量を算出するためのニーズ調査を実施しておりまして、これを踏まえまして、都は来年度、都全体で必要な保育サービスの目標を策定いたします。

○大山委員 私が知事に聞いたのは、待機児ゼロを四年間でやります、そのようにはっきりと公約をして、なおかつ基本的な目標の設定の仕方、だからこそ舛添知事に伺ったんです。どうですか。(川澄福祉保健局長発言を求む)いいです、知事に聞いているんです。ちょっとね、これは本当に、きちんとゼロにしたい、それが多くの皆さんの願いなわけですから、ちゃんと答えてもらいたいと思います。きちんと目標を立てて、長期計画と四年間でどこまでやるのかを明らかにする。そうすることで、都民は見通しを持てるし、少子化をこれ以上進めないためにも、働きたい人が誰でも働ける社会をつくるために重要なんです。
 舛添知事、ちゃんとこの目標を明確にしてもらいたいと思います。
   〔川澄福祉保健局長発言を求む〕

○松村副委員長 知事、どうですか。

○川澄福祉保健局長 知事の公約では、四年間で待機児をゼロにするということでございます。その公約を実行するために、我々は工程表をつくります。その工程表で明らかにしてまいります。

○大山委員 基本的なことぐらいね、やはり知事に答えてもらいたいものです。
 多くの保護者は、その総量をきちんと目標に持つということと、多くの保護者は認可保育園に入園することを望んでいます。保護者自身が、どうして認可保育園を整備してほしいのかという理由を幾つか挙げています。
 一つは、就学まで安心して通いたいということなんですね。そしてもう一つは、二歳も超えれば、保護者は園庭が欲しいと思っています。この時期は、運動量を確保して活発な遊びを通して心身がバランスよく育つ必要があることが多くの研究によって明らかにされているからなんですね。
 あるお母さんは、いつでも外に出られる、午後も夕日を浴びながらいっぱい活動できる環境が欲しいです、こう話しておられます。また、認可は保育料が応能負担で、家庭の所得によって排除されることがなく、全ての家庭に開かれており、第二子以降の軽減も大きいことが保護者の安心と安定につながります、こう述べています。
 また、現在、全国の自治体が保育のニーズ調査をしています。結果をネットで公開している五区一市のものを見てみました。そうしましたら就学前の子供を持つ保護者の、定期的に利用したい保育教育事業は何ですかという問いに、認可保育園と答えたのは、あきる野市は四五・八%、品川区は、三歳未満は五三・七%、三歳以上は四一・五%、江東区は四五・八%、港区は四四・三%、文京区は七三・五%などなんですね。認証保育所への希望は、少ないところは二%、多いところでも二一%ですから、認可保育園への入園が大きな要求といえます。
 知事ね、知事は、本会議で、利用者のニーズに合わせて、こう答弁されました。認可保育園に入りたい、これが利用者のニーズなんです。知事、保護者の願いを実現するには、この総量の中に占める認可保育園を中心に増設することが求められますが、知事、どうですか。
   〔川澄福祉保健局長発言を求む〕

○松村副委員長 知事、答弁求められていますが。
   〔発言する者多し〕

○松村副委員長 ご静粛にお願いします。

○川澄福祉保健局長 待機児童ゼロを実現していくためには、やはり多様な保育サービスを拡充していくことが必要だというふうに思っております。したがいまして、多様な保育サービスを拡充する区市町村に対しまして、我々は積極的に支援をしてまいります。

○大山委員 総量はいいんですよ。と同時に、中心に据えるべきものは認可保育園でしょうということをいっているわけですね。
 この間の保育施設整備の状況、見たらどうでしょうか。二〇一〇年四月から二〇一三年四月までに、保育サービスの総量は二万九千八百二人分増加しています。そのうち認可保育園が二万二百二十五人分ですから、約七割は認可保育園で整備しているんですね。保育の受け入れ量をふやそうとしたら、認可保育園をふやすのが一番の近道なんです。
 知事に伺いますけれども、待機児の受け入れ能力、保護者の要求の大きさ、質の高い認可保育園を中心に整備していくというこの流れを--今東京はその流れなんですよ、それを大きくしていくことが求められているんじゃないでしょうか。知事、いかがですか。
   〔川澄福祉保健局長発言を求む〕

○松村副委員長 知事に答弁求められていますが。
   〔発言する者多し〕

○川澄福祉保健局長 先ほども答弁したとおり、待機児童ゼロを実施していくためには、やはり多様なサービスをきちっとやっていくということが必要だというふうに思っております。

○大山委員 認証保育所やほかのを否定していないじゃないですか、認可保育園を中心に据える、そして東京の今のこの間の増設も、認可保育園が中心だったではないかというのを今いったではありませんか。
 しかもね、知事は、二〇〇七年十二月六日の参議院厚生労働委員会で、認可外保育園への補助を求める質問に、安全性など保育所の一定の福祉の水準が保つための基準に補助を与えるというのが国の方針だと述べて、認可外の保育所が認可されるようにいろんな支援をしたい、こう答えているんですね。
 そして、知事自身、みずから子供を預ける親の立場からもといって、認可保育園を求めているんですね、この二〇〇七年の十二月六日の参議院の厚生労働委員会。数をふやすことと同時に進めていかなければならないこと、それは質の拡充です。質を保つためには、子供たちが一日の大半の時間を過ごす保育園の環境は重要な要素です。
 ところが、重要な要素の一つである園庭が軽視されている、最近の傾向なんです。園庭は、子供たちの活発な運動を保障するためにも、情緒の安定にも、自然に親しむためにも重要なものです。だからこそ、東京都の条例では、二歳以上一人当たり三・三平米以上の園庭を求めています。
 知事は、保育園の園庭の役割についてどう考えていますか。

○川澄福祉保健局長 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では、園庭もしくは近隣で代替できる公園等があることが求められております。
 その役割として、国の保育指針では、戸外は子供にとって思い切り全身を動かして遊ぶことのできる空間であり、自然の不思議さやおもしろさに満ち、子供に多くの興味や関心を抱かせることから、保育所の園庭だけでなく、公園や広場など自然環境の豊かな場所に出かけ、戸外で遊ぶことの心地よさを十分に味わうことができるようにすることと述べられております。

○大山委員 戸外で思い切り体を動かして遊ぶことが大切であり、自然は子供に多くの興味や関心を抱かせることにつながる。だからこそ園庭が求められているわけですね。もちろん園庭があっても散歩には行きます。それは、散歩はそれぞれに狙いがあるからなんです。
 ところが東京都は、条例で、代替できる公園等があればよいということにしてしまったために、最近、整備されているところは、認可保育園でも園庭がないところ、もしくは園庭だけでは面積が基準に満たないところが多くなってしまっています。
 認証保育所は、福祉保健局、十一年の十月の調査で、園庭がないところが八一・三%です。ですから、園庭がないところが多くなると、どうなっているのか調べました。
 皆さんにお配りしましたけれども、これ目黒区にある認可保育園ですけれども、向かい側の公園を園庭のように使ってきました。四十年以上。ところが、この数年の間に、近所に無認可保育園一カ所、認証保育所二カ所、認可保育園が三カ所できて、園庭がないこれらの保育園が同じ公園を使うようになりました。ここですね、青いところです。(パネルを示す)この半径二百メートル、半径四百メートルとありますけれども、大体歩いて子供たちの足でも五分かかるかな、五分から十分かかるかというところですね。
 ところが、そうやってふえたために、この一つの公園に、少ないときでも、というか日常的には二、三園が重なるというのが通常なんです。多いときには、六園の子供たちが公園にいることがあるんですね。
 ですから、近所の親子が遊びに来ても、子供たちが多いときには遊べないから帰ろうかということになっちゃうし、それから(発言する者あり)あるんです。その公園は、広いわけではなくて、縦三十五メートル、横二十メートル程度の広さです。それでも、この公園では、幼児は思い切り走れたし--以前はね、以前は思い切り走れたし、鬼ごっこもできたし、ボール遊びもできました。しかし、今は、小さい子がいますから、ぶつかったら大変ですから、鬼ごっこもできません。ブランコをこいでいるところに、ほかの園の子供が近づいてきて冷やっとすることも多いし、それから駆けっこしながらぶつかってしまって気まずい思いをする。だから、けがだとかが非常に心配なんだということなんですよね。
 知事、伺いますけれども、園庭がない保育園がふえたために、人生の基礎をつくる重要な乳幼児期に、体を動かして思い切り遊ぶことが保障できなくなっているんです。決してよい状況ではないと思いますけれども、どうですか。知事、いかがですか。

○川澄福祉保健局長 園庭の確保が望ましいのは当然でございますけれども、最近の認可保育園でも、四割は代替施設ということになっております。それだけ確保が厳しくなってきているということだろうと思います。
 それから、先ほど代替の話がありましたけれども、これはもともと、国の方の認可基準の方で決められているものでございまして、特に、東京が特段の制度を決めているというわけではございません。

○大山委員 いいですか、認証保育所の八割が園庭がない。そして、今、最近数年の間につくったところは六割が園庭がない保育園、だから、どうなるか、今まで、一つの園がなかった、この園だけがなかったということだったら、向かい側の公園を園庭がわりに使えますよ。しかし、その園庭がない保育園が、ここまでたくさんふえている中で、公園が一つしかないんです。三十五メートルと二十メートルぐらいですよね。だから園庭がない保育園がふえたら、今みたいにとても危険なことだとか、それからけがだとかがとても心配な状況になっているんです。
 保育園はそうやって、国の段階から、代替施設でいい、しかし、同じ幼児期を保障する幼稚園の設置基準はちゃんと必置ではないですか。代替施設でいいなんていうところはありませんよ、基準にはなっていませんよ。同じ幼児ですよ。
 園庭は運動量の問題だけではありません。園庭があれば、少しの時間でも、夕方でも、外に出ることができます。また、知事が厚生労働大臣だったときに告示した保育所保育指針の厚労省が出している解説書には、子供は、水の冷たさや砂のざらざら感、泥のぬめりなど、土や水の素材に触れ、全身でその感触を楽しみます、乳児のころからこうした感触を十分に味わい、諸感覚を働かせていくことが子供の感性を育んでいきます、こう書いてあります。
 園庭なら、砂場でも思い切って、水もたくさん使って泥んこ遊びもできます。友達と大きな砂山をつくって、トンネルつくって、まだまだ遊びたい、しかしご飯だというときに、ご飯を食べてからまた続きをやることもできるんです、園庭だったら。それから、土の築山がある保育園に行ったときに、その土が黒光りしているんですね。どうして黒光りしているんですかといったら、子供たちが水をじゃあじゃあ流してつるつるにして、そこを滑っているというのですね。こんなことは園庭がなければできないことなんです。
 知事が厚生労働大臣だったときに告示をした保育指針で、保育指針を実現しようと思ったら、園庭のある保育園を最大限つくっていくことが必要なんじゃないんでしょうか。知事、知事が厚生労働大臣だったときに告示をした--今までは告示じゃなかったでしょう、告示をした、その格上げをした保育指針、この実現のためには最大限園庭をつくる、それが子供たちの遊びも保障する、成長発達も保障するということじゃないんでしょうか。保育指針を実現するということなんじゃないんでしょうか。
   〔川澄福祉保健局長発言を求む〕

○松村副委員長 これは舛添知事でしょう。
   〔発言する者多し〕

○川澄福祉保健局長 園庭の確保が望ましいのは当然でございます。しかし、児童の福祉を保障するには、地域事情等により園庭が確保できない場合でも保育所を設置していくことが必要でございます。そのため、保育所の認可基準では、公園など園庭にかわるべき場所でも認めているというふうに認識しております。

○大山委員 今、代替施設で、代替の屋外で、公園で認める、それがふえてきたっていうのは、いまだかつてない状況なんですよ。そういうことになったらどうなるのかということを今いっているわけですね。だから最大限園庭を確保することが必要じゃないかということなんですよ。ですから、園庭は敷地内が原則であるということを貫くべきだということを強く申し述べておきます。
 だからこそ、園庭もあって、保育園のために設計された園舎を基本とするべきなんですね。そのためには、思い切って土地を確保することです。
 知事は、我が党の代表質問に、都有地に限らず国有地、民有地等も含めた広範な土地活用策について検討するチームを関係部局により設置することを指示したと答弁していますけれども、具体的にどのようなメンバーで、どのようなことを検討するんでしょうか。
   〔中井財務局長発言を求む〕

○松村副委員長 これは知事でしょう、知事答弁だから。
   〔発言する者多し〕

○中井財務局長 検討チームは、福祉インフラ整備に関係する知事本局、財務局、福祉保健局、都市整備局の部長級で構成し、そのもとに、課長級の作業チームを設置することといたしました。オブザーバーとして、総務局や公営企業局も参加して、既に第一回検討会を先週三月六日に開催しております。

○大山委員 土地活用策について検討するチームを設置することは前に進めるためには重要です。区市町村がより活用しやすいようにするための知恵を出してほしいと思います。
 知事は、都有地について、もういいところはないというような弱気な発言もしていますけれども、そうでもありません。昨年の第三回定例会のときには、財務局と公営企業三局の普通財産となっている五百平米から一万平米の土地の所在地と面積を調査しました。この四局だけでも二百カ所以上の都有地の所在地が明らかになりました。
 私たちは、それぞれどういう状況になっているのかというのを調べています。例えば、この写真、真ん中に--これは葛飾の。このプリントも配ってあります。葛飾の西水元二丁目の都有地で、見たとおり空き地になっています。この地域は認可保育園が一カ所しかないんです。ちょうどいい場所です。この写真も、次の写真もリストにあった土地です。このほかにも更地二カ所、平置きの駐車場になっているところもあります。
 今回、現時点で、二〇二〇年までに施設等の利用が終了予定の財産を出してもらいました。それぞれどこにあって、利用が可能かどうか調べましたが、そこでも、職員住宅の跡地などは十分活用可能です。
 現在は、各局の行政財産になっているものでも探せばいろいろあります。例えば、墨田児童相談所と警視庁の宿舎が廃止になりましたけれども、今後、取り壊して普通財産につけかえるというのですね。ですから、こうやって現在は行政財産になっているところも探せばあるんです。墨田児相の地元区は、保育園も含めた子育てセンター的なところができたらと要望しているんです。
 知事、知事に伺いますけれども、調べる前から、いいところはないなどと弱気なことをいわないで、今紹介したように、土地もたくさんあるわけですから、最大限保育園や特養ホームなどに活用する方向で洗い出す、それが重要ではないでしょうか。知事どうですか。

○中井財務局長 ただいまの写真につきましては、地図もございませんので、また、個別の物件について、この場で一つ一つコメントするのもまたいかがなものかというふうに思いますので、一般論として申し上げますが、都有地について、一見未利用なように見える土地であっても、実際これまでも、平成十五年から福祉インフラ整備事業を始めて土地の洗い出しをし、それを区市町村に情報提供しているわけでございまして、そういった中では、区市町村の方で活用ということについて前向きにならないというような物件もございますし、また、道路計画等があって、長期的には貸し付けることがふさわしくないというような土地もございます。また、地元区市町村との関係で、他の用途に使いたいという区市町村の意向から、そういった方向で調整をしているというようなものもございますので、一見あいているようでもなかなかそう簡単なものではないということがございます。
 私どもとしましては、先ほども申し上げましたが、福祉インフラ事業に活用できる可能性があるものについては、従前から積極的に区市町村に情報提供しているところでございます。また、行政財産であったものが、その用途が終了して普通財産に切りかわるというものについては、当然のことながら、積極的に活用を図るということで、これまでも取り組んでいるところでございます。

○大山委員 一見未利用に見えるけれども、この辺だったら、地元の人たちもここを使いたい……(「どこだよ」と呼び、その他発言する者あり)葛飾の西水元ですよ。だから福祉インフラだって……
   〔発言する者多し〕

○松村副委員長 ご静粛にお願いします。。

○大山委員 この予算特別委員会の資料でも出してもらいましたけれども、ここのところ福祉インフラの活用も進んでるじゃありませんか。と同時に、今、一見都有地かわからないところも、それから行政財産となっているところだって、さっき墨田児相の跡といいましたけれども、そういうところがあるんですよ。だから、ちゃんと洗い出す、それが重要なんです。
 私の地元の新宿区では、児童相談センターが戸山三丁目から北新宿に引っ越しましたから、その跡地が、一時保護所とともにあります。地下鉄副都心線の西早稲田駅のすぐ上です。エレベーターをおりたらすぐ改札です。ところが、児相センターの建物は、本庁舎の建てかえのための仮庁舎として使うというんですね。一時保護所の建物は倉庫として使うというんです。仮庁舎はともかくとして、倉庫だったら、このように、(パネルを示す)児童相談センターの敷地というのは、障害者センターも含めて広いんですよ。
 ですから、倉庫だったら児相センターの、別にプレハブを建ててでも十分可能ではないでしょうか。また、同一の敷地にあるというか、あった、こっちの障害者センター、これは、障害者センターはありますけれども、肢体不自由者更生施設は、もう既に移転しています。地元区議会でも、我が党の議員が、保育園も特養ホームもつくることができる、こういう広い土地です。ぜひ活用を求めたところ、区は検討したい旨の答弁をしています。区から要望があれば、直ちに協議に入ってください。どうですか。

○中井財務局長 児童センターがあったこの建物敷地でございますが、たしか今、職員共済組合がこの中央の二つの棟に、都庁の改修のために今仮にこちらに移っているという状況でございます。図の左端のところに、ここに保育施設はどうかということでございますが、ここは耐震基準を全く満たしていないということで、人の立ち入りを禁止しているという状況でございます。また、右側についても同様でございます。
 この建物につきましては、先ほど申し上げましたとおり、今職員共済組合が入っておりますが、職員共済組合も都庁舎の改修が終わる平成三十二年には、こちらに戻ってまいりますので、その後は、ここは除却するという方針で考えております。
 したがいまして、例えば、耐震基準を、耐震化、耐震補強すればいいじゃないかといっても、たかだか数年のために、それだけのコストをかけて工事をするというのはいかがなものかということで、ここについては、そういった福祉インフラ事業として使うことは考えていないというところでございます。

○大山委員 今、庁舎の建てかえで、仮庁舎として使っているところはともかくということなんですよ。耐震基準を満たしていないから倉庫に使うというわけでしょう。だから、その耐震基準を満たしていないところは、肢体不自由者更生施設も既に移転しているわけですね。ですから、倉庫に使うという、例えば一時保護所の跡、それは除却して使えるし、それから肢体不自由者更生施設も既に移転していますから、そのまま建物を使うというんじゃなくて、除却したり、それから基本設計したり、実施設計したりするには一定の時間がかかりますから、そのもっと前に、あく前に、除却する前にきちんと区と相談をする、地元区の要望があれば、ちゃんと直ちに工事に入れるように、効率的にやるというのが重要なんですよ。区も検討をしたいといっているわけですね。
 都有地の貸付料についても、施設立地の実情の調査分析をするなど、多角的な視点から検討していく、こう答弁していますけれども、どういう立場で、どういう方向で検討していくんですか。

○中井財務局長 都有地の貸付料等のあり方の検討に当たっては、福祉インフラに活用可能な未利用地の都有地が、区部東部、北部や、多摩西部に偏在していること、地域間で土地価格に大きな差があること、施設整備を行う民間事業者の公平性を図る必要があることなど多くの課題がございます。検討チームではこうした課題を踏まえ、施設立地の実情等について調査を行った上で検討を進めていくこととしております。

○大山委員 都有地が、今、区部東部や北部、それから多摩西部に偏在しているとか、土地の価格に大きな差があるとか、民間事業者間の公平性だとか、そんな発想ではなかなか前には進みません。
 私たちは、都有地だけで考えているわけではありません。都有地も、国有地も、民間の土地の活用も大いにやるべきだといっているんです。都有地、国有地が適切な場所にない自治体のために、私たちは民有地を取得する場合の補助条例を提案しました。そうやって都有地、国有地それから民有地とも活用できるようにすべきなんです。そうすれば不公平はなくなります。
 少子高齢社会対策が喫緊の課題ですし、安心して預けられる保育園をふやすことは少子化を防ぐためにも大いに有効です。しかも、認可保育園に申し込んで入れないということは、保育に欠ける子は保育所で保育しなければならないと児童福祉法でなっているわけですから、児童福祉法に違反している、そういう状況です。
 保育の実施義務は区市町村ですが、児童福祉法はその二条で、「国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う」、国や東京都の責任も明確に位置づけています。いかに土地を、都有地も、国有地も、民有地も活用するかという観点で、前向きに総合的に検討するべきだということを要望しておきます。
 監理団体の土地についても、可能なものは、福祉施設整備に活用することが必要ではないでしょうか。どうですか。

○中西総務局長 監理団体の土地を活用した福祉施設の整備については、団体の経営上の判断や事業動向などを踏まえながら、今後庁内に設置した検討チームにおいて検討してまいります。

○大山委員 庁内に設置した検討チームで検討するんだということなんですけれども、東京都の監理団体はいろいろあります。東京都が監理している団体ですから公共性があります。その中でも、土地を活用しやすいのは、住宅供給公社です。住宅供給公社が、住宅供給公社住宅、これを建てかえるときに、保育園など福祉施設をつくることが可能だと思いますけれども、いかがですか。

○藤井東京都技監 これまでも既に、公社は団地の建てかえにより創出した用地を活用いたしまして、高齢者施設や子育て支援施設等の誘致に取り組んでおります。例えば、この四月に開設予定の向原住宅では、認可保育所、小規模多機能型居宅介護事業所等を設置することとしております。
 今後、公社は、庁内に設置された検討チームの検討結果も踏まえつつ、適切に対応することとしております。

○大山委員 東京都住宅供給公社は、二〇一一年に、少子高齢対策事業の方針を出しました。その中には、東京都の施策と当社の役割として、建てかえにより創出した用地を活用することにより、地元区市と連携して、保育所等の子育て支援の施設の誘致を進めていくことがはっきり書かれています。
 今、答弁された向原住宅、そして烏山住宅でも、少子高齢対策事業のモデル事業として取り組んで、ことし四月にオープンするわけですね。この住宅供給公社が、ことし一月に出した公社一般賃貸住宅の再編整備計画です。平成二十六年度から四十年度までの計画期間の取り組みというのが書かれています。具体的に団地名を挙げて、建てかえする住宅が二十団地、それから集約的建てかえをするのが五団地です。合計二十五団地もあるんですね。
 建てかえなどで創出した土地を有効に活用するためにも、地元自治体と直ちに協議に入るべきではないでしょうか。

○藤井東京都技監 本年一月に策定いたしました住宅供給公社の公社一般賃貸住宅の再編整備計画におきまして、再編整備を推進する中で、用地を創出し、サービスつき高齢者向け住宅の整備、地域の魅力の向上や活性化に資する施設の整備など、東京都の政策を踏まえたまちづくりに取り組んでいくというふうに定めてございます。実施に当たっては、関係自治体等と協議した上で進めるということになってございます。

○大山委員 少子高齢対策事業の方針が具体化できるように、都も積極的に取り組んでもらいたいと思います。
 国有地についてです。国有地についてですけれども、(資料を示す)これは、ことしの二月末現在の今後売却等予定の国家公務員宿舎です。知事がおっしゃっているようにいい場所にあります。二十三区だけでも十七区に百十四カ所あります。私の地元、新宿にも十三カ所あります。貴重なまとまった土地をぜひ活用しようではありませんか。
 知事は、国有地について、国のどこの部局と交渉して、どういう回答を得たんでしょうか。代表質問のときにも伺いましたけれども、ちょっとはっきりしませんでした。きょうはきちんと答えてください。

○舛添知事 今、大山とも子委員がおっしゃったように、国家公務員の宿舎というのは非常に一等地にある国有地であります。そのため先般、厚生労働省と協議を行いまして、先方からは、保育所等の整備を進めるために、国有地を十分活用してほしいと、そういう話がありました。
 既に現在活用している区や市もありますし、今後の具体的な活用方策につきましては、先日設置しました土地活用検討チームにおいて検討するよう既に指示をしております。

○大山委員 私も、直接厚労省にも、財務省にも聞きましたけど、変化があるかといったら今までどおりだということなんですね。しかし、今までどおりでは使いにくいから、改善することが必要だから、知事も、国に話に行ったわけですよね。
 国有地の活用を進めることに関して重要なことはやはり地代です。高くて、世田谷区などは法人が借りられるように、年間一千万円も支援している状況です。無償もしくは知事が発言しているように、大幅に低廉な地代での提供が必要です。国に対して、一回だけでなく二回、三回と粘り強く、強く求めて、ぜひ低廉な値段での提供を実現しようではありませんか。知事、どうですか。

○川澄福祉保健局長 都はこれまで、国有地を活用した社会福祉施設の整備が進むよう、土地の貸付料の減額や、利用可能な国有地情報の早期提供などを国に提案要求しており、今後とも強く求めてまいります。

○大山委員 先ほど述べたとおり、児童福祉法からいっても、保育に欠ける子を保育園で保育できない事態を生み出していることの国の責任も重大です。東京都も、そして国の責任も重大です。国に対して、国の責任でもあるこの状況を解消するために、国有地を無償で貸与するよう、そして低廉な値段で貸与できるように、さらに要望していってほしいということと同時に、国が低廉な地代にするまでは、東京都が区市町村を支援することもあわせて要望しておきます。
 公立保育園への改修、改築経費また整備費への補助の要望というのは、公立保育園の整備費、運営費が一般財源化されてもなお、区市町村の一貫した根強い要望となっています。
 現在のように、大量に、緊急に、質を保ちながら増設を進めようとするときには、区市町村が直接整備して運営することが一番の早道です。しかし、公立保育園への整備費も運営費も財源が不十分なまま一般財源化されてしまったために、公立保育園の民営化が急速に進められて、各地で保育現場に混乱が起こって、結局そのしわ寄せは子供たちに行くわけです。待機児ゼロを掲げるなら、区市町村が公立保育園をつくれるように都として補助するべきですが、いかがですか。
   〔川澄福祉保健局長発言を求む〕

○松村副委員長 舛添知事……(発言する者あり)都の補助のあり方については舛添知事じゃないんですか。
   〔発言する者多し〕

○川澄福祉保健局長 都は、保育の実施主体である区市町村が保護者のニーズを踏まえ、認可保育所や認証保育所、家庭的保育など多様な保育サービスを拡充できるよう、既にさまざまな支援を行っております。
 公立保育所の整備費につきましては、平成十八年度に区市町村へ税源移譲されており、都として補助を行うことは考えておりません。

○大山委員 全く何をいってるんでしょうか。一般財源化されたために公立保育園の整備ができない、多様どころか選択肢を減らしてしまったということではないでしょうか。今、大量に、そして緊急に、そして質も保って保育園をつくっていくというときには直接つくるのが一番早道なんです。
 公立保育園の整備にもきちんと補助をしてほしいということと同時に、認可保育園の増設は、次代を担う子供たちの心身の健やかな成長を保障することはもちろんのこと、地域経済を温めて保育士などの新たな雇用を……

○松村副委員長 終わってください。

○大山委員 生み出していくという点からも一石二鳥、三鳥ということですので……
   〔発言する者多し〕

○松村副委員長 大山委員、発言を終わってください。

○大山委員 求めて終わります。

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