予算特別委員会速記録第五号

○斉藤委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。
 これより付託議案の審査を行います。
 第一号議案から第二十七号議案までを一括して議題といたします。
 この際、部局別質疑について申し上げます。
 去る三月十四日に、議長を通じ各常任委員長に依頼してありました部局別質疑につきましては、お手元配布のとおり報告がありました。ご了承願います。
 これより締めくくり総括質疑を行います。
 順次発言を許します。
 増子博樹理事の発言を許します。

○増子委員 それでは、都議会民主党の締めくくり総括質疑を行わせていただきます。
 まずは、中小企業支援について伺います。
 都議会民主党では、百社を超える都内中小企業の皆さんから、事業実態を聞くアンケート形式でのヒアリングを行ってきました。また、追加のヒアリングも予定をいたしております。
 経営上の課題としては、多くの企業が受注量の減少や利益率の低下を挙げていました。こうした課題の解決に向けて、多摩地域の企業からは、それぞれ技術を持つ企業同士をマッチングさせ、仕事をふやすことが重要であるとした意見をいただきました。
 東京においては、中小ものづくり企業が連携し、付加価値の高い製品づくりを行う取り組みとして、航空宇宙部品を開発するアマテラスや、深海探査機開発を目的として産学公金が連携した「江戸っ子一号」プロジェクトなどの活動が知られ、広がりを見せています。東商における企業連携の実態調査報告においては、連携推進にはマッチング機会の提供などの支援策が必要で、外部のコーディネーターの役割が大きいとも述べています。
 都内経済の活性化を図るためには、新製品、新技術開発や販路拡大などの経営成果をもたらすような、都内中小企業の異業種間の連携や、産学公金の連携による取り組みをより促していくべきと考えますが、見解を伺います。

○中西産業労働局長 高度な技術を有する中小企業が、業種の異なる中小企業と交流したり、大学や研究機関と連携して、すぐれた製品を生み出すことは、東京の産業の活性化にとって重要でございます。
 このため、都は、産業技術研究センターにおいて異業種交流の取り組みを支援しており、現在、三百二十二の中小企業が参加し、二十三のグループが活動しております。
 また、多摩地域においては、都が産学公金のネットワークをつくり、共同開発の立ち上げから事業化までを支援しておりますが、現在、ここに七百六十五の企業や団体が参加し、二十七の開発プロジェクトが活動しております。
 今後とも、こうした取り組みを通じまして、中小企業の経営向上につながる連携活動を支援してまいります。

○増子委員 企業の開業率が高まれば経済成長も進展するため、需要と雇用を拡大するベンチャー企業に対する支援が、より重要となっています。
 多摩地域のベンチャー企業からは、都の支援に関して、企業が大きくなるまでに苦しい時期がある、資金面などの悩みがある企業が多いのではないか、サポーターとして投資をしてほしいとの要望をいただきました。
 また、区部の企業からは、起業の相談を受けるが、まだオフィスが足りない、要件は少ない方がいい、スタートアップして三年までが大変、企業支援で、交通アクセスのよいオフィススペースで、さまざまなビジネスの集まる集積地があれば、強力な創業支援になるとの要望をいただきました。
 ベンチャー企業の成長を後押しするには、出資による資金供給を行うことや、インキュベーション施設については要件緩和を行い、柔軟に対応することなど、その支援の幅を広げていくことが必要と考えますが、見解を伺います。

○中西産業労働局長 創業間もないベンチャー企業が、資金を確保し、経営を軌道に乗せることができるよう、都はこれまでも、ファンドを設立し、資金と経営の両面から支援を行ってまいりました。
 本年一月には、新たに成長分野のものづくり企業を育成するベンチャーファンドを立ち上げ、将来性のある企業への支援を引き続き実施してまいります。
 また、創業者の事業の発展を促すためには、インキュベーション機能の充実が重要でございます。このため、新年度より、インキュベーションHUB推進プロジェクトを実施し、複数のインキュベーション施設が協力し、創業の段階に応じたサポートを一体的に行う取り組みを支援してまいります。

○増子委員 景気に持ち直しの動きがある中、中小企業が抱える課題に都としてしっかり取り組むことが、都内経済全体を成長の軌道に乗せていく上で必要と考えます。
 昨年十一月、経済産業省と公正取引委員会から、年末の金融繁忙期に向けた下請取引の適正化の要請があり、都においても、下請センター東京における各種取り組みが行われています。
 今回、区部の製造業者から、取引先のお客様に下請法を守ってほしいとの訴えがありました。下請企業の取引などを初めとする諸問題へのきめ細やかな対応と解決に向けた支援が期待されています。都の見解を伺います。

○中西産業労働局長 下請取引について、都は、中小企業振興公社に下請センター東京を設置してございまして、取引上のさまざまな苦情や紛争等に関して、専門相談員や弁護士が対応し、具体的な解決策を提示いたしますとともに、取引適正化相談員が中小企業を巡回し、相談に応じております。
 また、同センターは、裁判外紛争解決手続、いわゆるADRの機能を有しており、調停による簡易で迅速な紛争解決も図っております。
 今後とも、こうした取り組みを通じまして、下請取引の適正化を推進してまいります。

○増子委員 経営資源が限られる都内中小企業にとって、知的財産戦略のアドバイスを行う知的財産総合センターの存在は大きいと考えます。独自の技術や主力製品を持った中小企業が、商機を広げたいと考える上で、センター事業の強化が必要です。
 区部の製造業者からは、知財センターの広報強化が必要だ、結構知られていないというものや、多様な相談への対応を、助成率のアップがあると助かる、成果商品による知的財産活用の展示があるとわかりやすいといった要望もありました。
 都内中小企業が知的財産戦略を行っていく上で、費用や実務の負担が重くなっていくことが予想されます。こうした中で、要望などにあるような、知的財産をより活用していくための支援拡充が必要と考えますが、都の見解を伺います。

○中西産業労働局長 都は知的財産総合センターにおきまして、企業での知的財産実務の経験を持つ相談員によるアドバイスやセミナーの開催により、さまざまな情報提供を行ってまいりました。また、アジア地域の知的財産の制度に詳しい専門家を配置するなど、体制の充実を図ってまいりました。
 新年度は、海外での実用新案権の取得経費を助成対象に追加いたします。また、国際的に広く通用する技術を持つ中小企業について、複数の国での知的財産権の取得や、維持管理に要する経費を一体的に助成する事業を開始いたします。
 こうした取り組みを通じて、中小企業の知的財産の保護と活用を促進してまいります。

○増子委員 製品設計などの支援を行う産業技術研究センターにおいて、多摩地域の製造業者の3Dプリンターを使って製品試作を行った都内ベンチャー企業の新たな扇風機が好調な売れ行きを伸ばすなど、技術支援は中小企業の支え手になっています。
 区部の製造業者からは、西が丘時代から利用しているが、製品機能をはかる上で工夫して試験を行っていただいたり、以前はできなかった検査を機材導入によって行ってもらった、試作試験などが幅広くできるよう、今後も産業技術センターの機材の拡充を、あるいは、簡易機材の貸し出しがあるとよいなどの感想、要望がありました。
 今後も、都内中小企業のニーズに対応した技術支援、試験機材の充実によって、研究、新製品開発を後押ししていくべきと考えます。見解を伺います。

○中西産業労働局長 新製品の開発に取り組む中小企業の高度で多様なニーズにこたえるため、産業技術研究センターでは、昨年度の本部移転に合わせまして、利用の多い高速造形機や安全性などの製品評価を行います試験機器について、最新鋭の機種を大幅に増設いたしました。
 また、今年度は、同センター内に広域首都圏輸出製品技術支援センターを開設いたしまして、海外規格に対応する新たなサービスを実施しております。
 今後とも、中小企業のニーズを踏まえて、ハード、ソフトの両面から技術支援の充実を図ってまいります。

○増子委員 多くの都内中小企業は、都が力を入れる支援として金融支援策の強化を求めています。具体的には、低金利や融資条件の緩和、書類の簡素化、融資のスピード化など、融資における改善策を挙げています。
 金融円滑化法の終了に伴い、より支援の充実が求められる中で、金融機関は中小企業の経営の向上に配慮し、県の中小企業振興施策に協力するよう求めるとした、愛知県中小企業振興条例において示されている考え方を浸透させることが重要と考えています。
 東京においては、中小企業のメーンバンクに都市銀行が多いという特色があります。
 また、法終了後に、格付の引き下げが必要となった中小企業への都市銀行の対応としては、債権回収に向けた姿勢が強い印象を受けるとした調査結果があることから、中小企業の経営改善に向けた支援が急がれます。
 円滑化法終了後も、将来性ある都内中小企業の資金繰りを支え、経済の活性化を図っていくことが重要であり、都市銀行を初めとした金融機関にどのように協力を求めていくのか、都の見解を伺います。

○中西産業労働局長 金融円滑化法が今月末で終了する中、厳しい経営環境にある中小企業が、経営改善を進める過程で資金繰りを確保できるよう、都は制度融資におきまして、特別借りかえ融資の新設や経営力強化融資の拡充など、さまざまな金融支援策を行うこととしております。
 三月の特別借りかえ融資の取扱開始に当たりましては、制度の周知を図るため、金融機関向けの説明会を開催し、積極的な活用について協力要請を行いました。
 また、都市銀行を初めとするすべての取扱金融機関に対しまして、中小企業への円滑な資金供給に向けた協力を改めて文書により要請いたしました。
 今後とも、金融機関の協力を得ながら、中小企業の資金繰り支援に努めてまいります。

○増子委員 平成二十三年から二十四年度にかけて、都営住宅の建てかえ基本設計が一円や十円で落札されてきました。都民が生活を営むために建設される公営住宅が、果たしてこの価格で設計できるのでしょうか。ダンピング受注ではなどの大変疑問もあり、契約を採用した都は、都民に対して、品質確保も含めた説明責任を行っていく必要があります。
 また、都内企業からは、我々中小企業は利益を出すことに四苦八苦している、原因は設計料単価が低いことにある、近年、国交省で告示一五号を定めたが、実勢は、その単価の二分の一程度である、姉歯事件の反省により設計料が確立されたはずなのに、何の意味もないとの意見をいただいております。
 設計入札においては、適正な報酬算定も含めて、価格のみでなく、品質も重視したシステムを導入すべきと考えますが、見解を伺います。

○中井財務局長 設計業務の委託においては、国の告示等を踏まえ、適切に予定価格を算定しているところであります。
 基本設計には、建物についての知見や計画についてのノウハウが求められることから、品質の確保に向けて、価格だけでなく、設計者の技術力や経験、その他の条件を総合的に考慮して委託先を選定することが重要であると考えております。
 このため、比較的高度な技術力を有する施設の設計については、都が提示する課題に対し、最もすぐれた提案を行った者を設計者として選定するプロポーザル方式を平成十八年から導入しており、都営住宅の基本設計においても、今年度後半から適用することといたしました。
 今後も、プロポーザル方式等の手法を積極的に活用し、質の高い公共建築物の整備に向けて取り組んでまいります。

○増子委員 工事以外にも、入札契約制度の改善などは、不断の努力が求められていると思いますので、よろしくお願いします。
 ほかに、都内中小企業からの要望としては、特区や高齢者向け住宅対策の推進、アスベスト、PCB廃棄へのさらなる支援、法人税や相続税、固定資産税の減免などの声がありました。私たちや都は、都内企業や都民から、さまざまなご意見やご要望を聞きながら、都内経済の活性化や都民福祉のさらなる向上に向けて取り組んでいかなければならないというふうに思っております。
 次に、救急医療について伺います。
 都は、救急搬送時間の短縮を図るため、救急車の増車を進めるとともに、救急医療の東京ルールを開始し、搬送先の医療機関がなかなか決まらない患者を、地域の医療機関が協力連携して迅速に受け入れる体制を構築するなどの対応を行ってきました。
 一方、過去五年間の救急搬送の実態を見ますと、救急搬送時間は、残念ながら、平成十九年度の四十六・二分から、年々少しずつ伸びており、平成二十三年度では、五十一・六分となっているのが実情です。
 東京消防庁の救急隊も、治療に当たる医療機関も、日々懸命に努力していただいていることは十分に理解をいたしております。
 搬送時間の延伸は全国的な傾向でもありますが、都が迅速適切な救急医療の確保のため、平成二十一年に開始した東京ルールの取り組みと成果について、まず伺います。

○川澄福祉保健局長 東京ルールでは、地域の救急医療機関が相互に連携協力して、救急患者を迅速に受け入れられるよう、ネットワークの核となる地域救急医療センターを七十八施設指定するとともに、二次保健医療圏ごとに、すべての救急医療機関が参加する地域救急会議を設置しております。
 また、圏域内では受け入れが困難な場合に、搬送先の調整を行う救急患者受け入れコーディネーターを、東京消防庁に配置しているところでございます。
 こうした取り組みの結果、ルール開始前と比べ搬送先の選定が困難な事例の発生割合は減少し、圏域内での受け入れ率も四九%から八一%に上昇しております。
 また、東京消防庁救急相談センター、シャープ七一一九への救急相談の実績も大幅に増加し、救急搬送患者に占める軽症者の割合は減少しているところでございます。

○増子委員 東京消防庁管内の救急隊の搬送人員を見ますと、平成十七年をピークとして、平成二十一年にかけては約六十四万件から約五十八万件へと減少しましたが、平成二十一年以降は再び増加に転じ、平成二十三年は過去二番目に多い搬送人員となっています。
 年齢別では、六十歳を超える方々が約半数を占め、七十歳以上の高齢者は救急搬送人員の伸びが顕著になっています。平成二十二年は、記録的な猛暑、続く二十三年夏も、東日本大震災に伴う電力不足への対応等により、熱中症患者が増加し、また、冬場は、インフルエンザやノロウイルスが流行しました。こうした状況が、特に影響を受けやすい高齢者の搬送件数が増加した要因の一つではないかと考えております。
 救急患者の受け入れを確実なものとするため、救急医療体制の充実を図る必要があると考えますが、今後の取り組みについて伺います。

○川澄福祉保健局長 都は、高齢化の進展等を踏まえ、昨年七月、救急医療対策協議会に対し、社会構造の変化に対応する都の救急医療体制のあり方について諮問を行いました。
 協議会では、地域により東京ルール対象案件の件数や発生割合の差が拡大していることや、救急患者の入院期間の長期化などの課題も取り上げ、東京ルールの安定運用に向けた方策や、高齢者等を地域で支える医療と福祉の連携強化などについて議論をしているところでございます。
 都としては、今後、協議会からの答申や診療報酬制度等との整合性も踏まえながら、関係機関とも十分協議し、救急医療体制の見直しについて検討してまいります。

○増子委員 今後は高齢者も急増するため、救急搬送の需要はさらにふえ、救急搬送時間もさらに延びることが懸念されます。
 私は、東京ルールの実施などの施策とともに、救急隊の増強も必要ではないかと考えているところですが、東京消防庁も、限られた予算の中でふやす努力をされていることは、よく理解をしているつもりであります。
 そこで、過去三年間の救急隊の整備状況と、今後の東京消防庁の取り組みについて伺います。

○北村消防総監 東京消防庁では、平成二十二年度と平成二十三年度に各二隊、平成二十四年度には三隊、計七隊の救急隊を増強配備いたしました。
 さらに、平成二十五年度予算においても、新たに一隊の整備を提案しております。
 今後とも、救急隊の整備については、救急需要の推移や配置状況、財政状況等を総合的に考慮してまいります。

○増子委員 総務省消防庁の定める消防力の整備指針には、救急自動車の項目があって、十五条として、人口十五万を超える市町村にあっては五台に人口十五万を超える人口についてのおおむね人口六万ごとに一台を加算した台数を基準として、当該市町村の昼間人口及び一世帯当たりの人口、救急業務に係る出動の状況等を勘案した数とすると書かれています。
 仮に、私なりに東京消防庁管内の人口だけを考慮して計算すると約二百二十台ということになりますが、より人口が多いと考えられる昼間人口で計算すると約二百六十台ということになります。もちろん、ほかにも勘案すべき事項がありますが、今後も、現在の二百三十六隊、新年度に一隊を加えると二百三十七隊、これよりも一隊でも多く救急隊の整備に取り組んでいただきたいということを要望いたしておきます。
 次に、都立病院における後発医薬品の使用について伺います。
 ジェネリック医薬品、後発医薬品は、先発医薬品と治療学的に同等であるものとして製造販売が承認され、一般的に開発費用が安く抑えられることから、先発医薬品に比べて薬価が安くなっています。このため、後発医薬品の普及は、患者負担の軽減、医療保険財政の改善に資するものと考えられますが、平成二十三年九月の薬価調査に基づく集計値によると、日本では後発医薬品の数量シェアは二二・八%であり、欧米諸国と比較して普及が進んでいません。
 その理由の一つに、医療関係者の間で、後発医薬品の品質や情報提供、安定供給に対する不安が払拭されていないということが挙げられます。こうした状況を踏まえ、厚生労働省では、平成二十四年度までに後発医薬品の数量シェアを三〇%以上にするという目標を掲げています。
 そこで、都立病院における後発医薬品の導入はどのような実績になっているのか、また、これまでどのようにふえてきているのか伺います。

○塚田病院経営本部長 都立病院の後発医薬品の購入実績は、平成二十三年度、約十九億二千百万円であり、この五年間で約二・六倍に増加しております。数量ベースでは、平成二十三年度末の採用後発医薬品数は千五百六十三品目であり、この五年間で約一・八倍に増加しております。
 また、都立病院は高度専門医療を提供していることなどから、内服薬、注射薬、造影剤等の医薬品全体に占める後発医薬品の割合は、金額ベースで一一・二%、数量ベースでは一七・七%であります。

○増子委員 外来での院外処方が進んでいる都立病院では、院外の調剤薬局においても、後発医薬品の使用促進が図られているのではないかと思いますが、調剤薬局における後発医薬品の使用状況について伺います。

○塚田病院経営本部長 都立病院の平成二十三年度における院外処方せんの発行率は、約七七・五%となっております。
 平成二十四年度に、後発医薬品の使用促進に向けた診療報酬改定が行われ、後発医薬品の調剤割合が高い保険薬局に対する加算が増額されました。
 また、医療機関に対しては、個々の処方薬ごとに、後発医薬品への変更を認めない場合に、処方せんの所定の欄に印をつけ、医師の署名または押印を行うこととされました。
 厚生労働省の平成二十四年度後発医薬品の使用状況調査結果概要(速報)では、平成二十四年四月分の後発医薬品の調剤率は二八・〇%となっており、前年同月と比較して四ポイント増加しております。

○増子委員 それでは、都立病院における後発医薬品の使用促進に向けた具体的な取り組みについて伺います。

○塚田病院経営本部長 後発医薬品の導入は、患者の自己負担軽減と医薬品調達コスト削減に大きな効果があることから、都立病院では、経営目標の一つに後発医薬品採用率を定め、使用促進を図ってまいりました。
 新薬は、最大で二十五年間の特許期間がございます。また、都立病院は高度専門医療を提供するため、新たに開発された抗がん剤などを多く使用しております。こうした状況にはございますが、患者サービスの向上等を図るため、引き続き後発医薬品の採用を積極的に進めてまいります。

○増子委員 ありがとうございます。今、積極的にというお話がありましたが、最近、保険者が、差額通知事業などというのを始めているところが多くて、広がりつつはありますけれど、この後発医薬品の利用促進については、都立病院のリーダーシップをぜひ期待しておきたいと思います。
 次に、子育て支援について伺います。
 先月、杉並区で、子どもが認可保育所に入れなかったことについて、保護者の方々が行政不服審査法に基づく異議申し立てを区に対して行ったことが報道で取り上げられました。これに対応するため、杉並区は、待機児童ゼロを達成し、保育を希望する保護者の不安を解消するため、待機児童対策緊急推進プランを策定するとともに、このプランに基づく対策を推進するための補正予算を編成しました。こうした区の迅速な対応は評価したいと思います。
 東京都も、待機児童解消のため、認可保育所を初め都独自の認証保育所などの認可外保育施設の整備も進めているところであり、来年度からは、新たに小規模保育の整備に着手しようとしているところです。
 これに対して、さきの報道では、認可保育所でなければ、認証保育所などの認可外保育施設では適正な保育が受けられないかのような誤解を与える取り上げ方がなされていますが、私は、これは正確な報道ではない、いえないと思っておりますので、そのような観点から、待機児童の解消について、幾つか質問をいたします。
 最近、幾つかの自治体で、認可保育所の利用を求める人たちが異議申し立てを行っていますけれど、利用者が認可保育所を希望する理由は何だと思われますでしょうか、所見を伺います。

○川澄福祉保健局長 保育サービスの整備状況は地域によって異なっておりますが、東京都全体で見ると、平成二十四年四月一日現在、認可保育所は千八百五十五カ所、定員は約十八万七千人であるのに対し、認証保育所は、駅の近くを中心に六百五十二カ所、定員は約二万二千人となっております。
 こうした中で、保護者は、自宅からの距離、通勤時間や勤務形態に合った開所時間、保育内容、保育料、兄弟と同じ施設に通わせたいなど、さまざまな要素を考慮して保育サービスを選択していると認識しております。

○増子委員 今ご答弁いただいたように、いろんな理由があるんでしょうけれども、その中の保育料についても、やっぱり保育所の選択肢の一つであると考えられるというふうに、私も思います。
 認可保育所と認証保育所の保育料の差についての所見を伺いたいと思います。

○川澄福祉保健局長 認可保育所の利用料につきましては、国は、利用者の所得に応じ、三歳未満の場合は無料から上限十万四千円、三歳以上の場合は無料から上限十万一千円まで、八段階の徴収基準を定めております。
 民間認可保育所の運営に必要な人件費や保育の実施及び保育所の管理に要する経費につきましては、この基準に基づく利用料を除いた額を公費で負担することとしております。
 区市町村は、この基準額も勘案しながら利用料を定めることとなっておりますが、都内のほとんどの区市町村は、独自の判断で認可保育所の利用者負担を国基準より低く設定し、おおむね半分程度の金額に抑えているところでございます。
 一方、認証保育所につきましては、国の最高基準より一段階低い、三歳未満八万円、三歳以上七万七千円を上限に、事業者が利用料を設定しているところでございます。

○増子委員 区市町村の判断ということではありますけれど、認可保育所の保育料は、認証保育所に比べて安くなっているのではないかなというふうに私も感じます。
 認可保育所と認証保育所の基準は基本的に変わらないにもかかわらず、保護者の方々が認可保育所の利用を希望する一番大きな理由は、今ご答弁いただいた中での保育料の差ということになるのかなというふうに思いますが、例えば、認証保育所は認可保育所よりも園庭が狭いのに保育料は高いといったことなどに保護者の方は不満を持ち、そのために、認可保育所の方が絶対にいい、そう思ってしまうのではないかと思います。
 杉並区の待機児童対策緊急推進プランでは、認証保育所も含めた認可外保育施設の保育料補助制度について、認可保育料等との均衡等を考慮した見直しを図るとともに、新たに第三子以降に係る認可外保育施設の保育料の原則無料化を行う拡充を行い、認可外保育施設をより一層利用しやすい環境づくりを図るとしています。
 一般的に、認証保育所は認可保育所に比べると保育料が高いという現状の中、利用者負担軽減の補助を行っている区市町村は何カ所ぐらいあるのか伺います。

○川澄福祉保健局長 二十二区十七市町が、認証保育所の利用者に対し補助を行っているところでございます。

○増子委員 二十二区十七市町ということで、すべての区市町村では実施されていないということが今のご答弁でもわかりました。
 また、補助を実施しているとはいっても、補助額は自治体によってかなりのばらつきがあるようですから、利用者負担軽減補助があってもなお、認可保育所と比べると高額の負担をしている保護者もたくさんおられると思います。
 ところで、認可保育所と認証保育所の運営に当たって、都、国、区市町村は、事業者に対してどのような支援を行っているのか伺います。

○川澄福祉保健局長 民間認可保育所の運営費に係る基本的な経費につきましては、国の徴収基準に基づく利用料を除いた額を保育所運営負担金として公費で負担しており、その負担割合は、国二分の一、都四分の一、区市町村四分の一となっております。
 区市町村は、このほかに、独自の判断で実施している利用料の負担軽減分を負担しております。
 また、都は、社会福祉法人立の保育所に対し、民間社会福祉施設サービス推進費を補助しているところでございます。
 認証保育所につきましては、認可保育所運営負担金に準じて定めた金額を、都と区市町村で補助しております。

○増子委員 わかりました。認可保育所と認証保育所での保護者負担の格差是正について、十四日の総括質疑において、認可との保育料負担の格差をなくすために保護者に対する補助を所得に応じて行うべきではないかという質問がありました。それに対して、都として実施する考えはございませんという、明確に否定する答弁がありました。
 ただ、認可と認証に対する補助額の違いは、国が認証保育所を認めない、応分の負担をしようとしないことが一番の原因だと私も思っていますが、東京都として、認可保育所と認証保育所の補助の違いをなくす努力が必要ではないかなと思います。保護者負担の軽減については、認可保育所の保育料についても、保育の実施主体である区市町村が、議会の議決を経て、それぞれ設定するものなので、東京都が直接実施することが困難だということは理解ができます。
 ただ、例えば認証保育所事業者の運営費補助などを引き上げて、事業者の収益を改善させることで、間接的に事業者が設定する利用料金の引き下げが図られるということも考えられるのではないかなと思っております。
 これは個人的な意見かもしれませんが、将来的には、片方が応能、片方が応益という、その仕組み自体も議論の余地があるのかなと思っておりますし、どうしても、ポイントの高い方は認可に入りやすいというような流れに多分なっているはずなんで、そうすると、そのポイントと所得の関係も研究課題かなということも申し上げておきます。
 認証保育所を利用する保護者の負担する保育料の軽減に向け、都の支援を検討していただくよう要望しておきます。
 次に、国は、子ども・子育て関連三法に基づく小規模保育等に対する給付制度を地域型保育給付として創設し、早ければ平成二十七年度からの制度移行へ向けた制度の検討を行っていますが、具体的な基準が、まだ明らかになっていません。
 都は、この制度移行に向けて、来年度から二年間、定員六人以上十九人以下の小規模保育、東京スマート保育の整備を進めようとしています。
 一方、国は現在、複数の保育ママが共同で最大十五名の子どもを預かって家庭的保育を行うグループ型小規模保育事業というのを実施しています。この事業は、保育所がバックアップするとはいえ、あくまで保育ママですから、そのまま基準を横引きすることはできませんが、こうした事業が検討材料になるという、自治体というか、そういうのもあるかなと思います。
 そういう意味では、国の小規模保育の基準が示されないと、それまでの間、東京スマート保育を実施しようとする区市町村が、もしかしたら、なかなか出てこないのかなということも、少し危惧をしています。
 区市町村が円滑に東京スマート保育事業を開始できるよう、都の支援が必要と考えますが、所見を伺います。

○川澄福祉保健局長 平成二十七年度に開始を予定している国の新制度では、小規模保育の施設設備等の基準について、区市町村が条例で定めることとされていることから、今回、都が始める小規模保育事業におきましても、今後の条例化を見据え、区市町村が地域の実情に応じて独自に基準を定めて実施できる仕組みとしております。
 既に都は、区市町村の所管部署に本事業の内容について説明を行っており、今後とも、円滑に取り組むことができるよう支援してまいります。

○増子委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 この東京スマート保育は、ゼロ歳児から二歳児を対象としていますけれど、三歳になって以降の受け皿というのも必要と考えています。地域によっては、幼稚園も含め、三歳以上の保育サービスが不足しているところもあります。私の地元もそうです。
 そういう意味では、本会議の一般質問では、三歳児以上の児童の保育について、安心こども基金の活用に加え、区市町村や施設整備を行う事業者の負担を軽減する都独自の補助制度や、未利用都有地の貸し付けなどを通じて、区市町村が地域の実情に応じて行う認可保育所、認定こども園、定期利用保育などの整備を支援すると答弁をされていらっしゃって、それはぜひやっていただきたいと思っておりますが、先ほどもいいましたように、地域によっても、やっぱり実情がいろいろあるので、もしかしたら小規模保育においても、三歳以降も引き続き利用したいという希望も将来あるかもしれません。そういったときに受け入れられるようなことも、将来検討すべきかなということも意見として申し上げておきたいと思います。
 次に、教育施策について伺います。
 私たち都議会民主党はこれまで、地域の教育力低下が教育における重大な問題の一つととらえ、新しい公共型社会の実現などといったコミュニティの再生を図っていかなければならないことや、地域の教育力を発揮できる社会づくりを訴えてきました。そして、学校教育が担う役割として、小中学校における学校支援ボランティア推進協議会の取り組みなどの一層の普及や、教員自身が地域の活動に入り込み、つながりをつくっていくことの取り組みを求めてきました。
 核家族化の進展や共働き世代の増加など、家庭の教育力の低下がいわれる中、子どもたちの豊かな成長のためには、地域が持つ教育力を活用していくことが今まさに求められていると思いますが、都教育委員会における地域の教育力向上に向けた今後の取り組みについて見解を伺います。

○比留間教育長 子どもたちが、変化が激しく先行きが不透明な社会をたくましく生き抜く力を身につけるためには、地域の教育力を活用し、地域全体で子どもをはぐくむことが重要であります。
 都教育委員会が推進する学校支援ボランティア推進協議会事業では、地域住民等が、これまでの経験を生かして授業や行事に参加し、放課後子ども教室推進事業では、放課後や休日に学習やスポーツの指導などを行っております。地域住民のこうした活動は、地域貢献への意欲を高め、より質が高く、幅の広い教育の提供につながります。
 都教育委員会は、これらの事業に対し、地域住民の参加の拡大を図るとともに、子どもとの接し方や安全管理などの研修を実施し、一人一人の知識や能力を高めることによって、地域の教育力を向上させてまいります。

○増子委員 二月に策定された東京都教育ビジョン(第三次)(仮称)では、道徳心や社会性を身につける教育の推進として、家庭や地域社会との連携を図りながら、集団宿泊生活やボランティア活動、自然体験、文化芸術に触れるなどの豊かな体験を通して、子どもの内面に根差した道徳性をはぐくむことが重要としています。
 道徳教育は、このように地域と連携し、地域の行事などへの参加など、教室内での机上の学習だけでなく、体験活動を重視したものを行っていくべきと考えます。それを通して社会貢献意識がはぐくまれ、そのように育った子どもが大人になり、地域の子どもたちへの教育を行っていくという好循環のサイクルをつくることが重要と考えます。
 そこで、来年度において、小中学校の道徳教育の充実をどのように図っていくのか伺います。

○比留間教育長 児童生徒一人一人を社会の責任ある一員に育てるためには、小中学校の段階から、社会に貢献しようとする意欲や態度をはぐくんでいくことが必要であり、地域と連携した奉仕活動や体験活動との関連を図りながら、道徳の指導を充実していくことが求められております。
 そのため、都教育委員会では、社会の一員としての自覚や社会貢献意識を培うことができる都独自の道徳教育教材集を作成し、都内公立小中学校の全児童生徒に配布することといたしました。
 さらに、地域での活動と関連を図った道徳教育の実践例を各学校に周知するなどして、体験と授業での学びを結びつけた道徳教育の一層の充実を図ってまいります。

○増子委員 都立高校においては、地域と連携しながらボランティア活動を行うなどの教科「奉仕」があります。現在、教科「奉仕」が必修化され六年がたちますが、高校のある地域の防災機関や消防署、社会福祉協議会などと連携した災害ボランティアというテーマでの活動や地域の清掃活動など、地域と連携したさまざまな取り組みが行われています。
 このように、教科「奉仕」の活動が生徒や教員と地域の人々とのつながりをつくる機会となり、同時に、生徒一人一人の社会貢献意識をはぐくむことによって、私たちの目指す新しい公共型社会などの共生社会を担う人づくりに大きく寄与するものと考え、今後、さらに内容の充実を図っていくことが重要であると考えています。
 来年度に、都教育委員会は、道徳教育推進校として十二校を指定し、教科「奉仕」と連携した新たな取り組みを展開していくようですが、今後の取り組みについて伺います。

○比留間教育長 都教育委員会は、平成十九年度に教科「奉仕」を必修化し、体験活動を通して社会貢献意識や自己肯定感を涵養してまいりました。
 一方、都市化や少子化が進み、地域社会における人間関係も希薄化する中、高校生に自立心や社会性が十分身についていない現状が見られます。
 こうしたことから、生徒が人間としてのあり方、生き方について自覚を深め、道徳的実践力を高めることを目的とし、体験による実践と授業での学びを一体化できるよう、教科「奉仕」に道徳の内容を加えることといたしました。
 このため、来年度、推進校十二校を指定し、都独自の道徳教材を活用した授業や効果的な指導方法等の研究を行います。
 また、推進校の実践に基づく指導資料集の配布などにより、その成果を普及し、平成二十六年度から全都立高校で、これは仮称でございますが、「道徳・奉仕」の授業を展開してまいります。

○増子委員 ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 イギリスでは、大学に進む前の一年間、ボランティア活動などの人生経験を積ませることで、正規の教育だけでは得られないものを補うギャップイヤーという制度があります。
 その制度は、国内でも幾つかの大学で取り入れており、例えば秋田の国際教養大学では、合格から入学までの期間を有効活用するギャップイヤー制を、二〇〇八年から九月入学に定員十名という枠で取り入れています。その目的は、合格後、入学までの五カ月間を活用し、さまざまな社会活動や国際貢献活動に参加して、その経験を糧に、九月からの学業に生かしてもらうこととされています。
 例えば、カンボジアに行って、日本語と英語の教員助手を務め、途上国の貧困を体験してきたり、北海道の農場で働く体験をしてきたりするなどの事例があり、そのような学生たちは、結果として、明確な目的意識を持って大学に入学するという効果があらわれているようです。その活動が評価され、入学後の活動報告を他の学生たちに向けて行うことで単位も与えられます。
 ちなみに、二〇一一年からは、さらに合格発表の時期を早めて、前年の十一月とし、有意義な社会体験を積む期間を約十カ月にまで伸ばしています。
 首都大学東京でも、このような若者の社会活動や国際貢献活動の機会を提供し、大学にその社会経験を有益な形で還元した場合には、単位認定や奨学金の優遇措置を図るといった制度を今後検討すべきと考えますが、見解を伺います。

○笠井総務局長 若者が国際貢献など、さまざまな活動に参加して、その経験を将来に生かすことは重要でございます。
 首都大学東京では、都庁やその関係団体、企業など、大都市東京の現場体験を通じて問題意識を醸成し、学生の主体的に取り組む力を養成するため、現場体験型インターンシップを開学時から導入しております。
 また、平成十八年度より、独立行政法人国際協力機構が実施いたします青年海外協力隊に参加する学生に対し、単位認定する仕組みも設けております。
 今後も、首都大学東京の学生による多様な社会活動への取り組みを、都として支援してまいります。

○増子委員 ご努力は評価したいと思います。いろんな事例を参考にしながら、さまざまな検討をしてほしいと思いますし、できれば、奨学金の優遇措置のようなことも検討していただければありがたいなと思っております。
 次に、児童生徒の学力向上について伺います。
 初めに、学習意欲の向上という観点から伺います。
 学力向上には、学習への意欲を沸き立たせていくことが基本であり、大変重要と考えます。そして、学習意欲の喚起には、何のために学ぶのか、どのような目的で、将来どのように役立たせるのかといった、児童生徒の個々に、みずからの生き方のデザイン、キャリアデザインを描かせることが必要と考えます。そのような学習意欲につながるという意味でも、キャリア教育を今後一層推進させ、目標を持たせて学習する目的を明確にさせる意識づけが重要と考えます。
 都教育委員会は、来年度、小中学校におけるキャリア教育の新たな取り組みを行っていくようですが、今後の取り組みの展開について伺います。

○比留間教育長 児童生徒が将来自立した社会人として成長していくためには、キャリア教育を通して、一人一人が自己の長所や適性を理解し、みずからの意思で未来を切り開いていく力を身につけていくことが大切であります。
 都教育委員会は、こうした力をはぐくむための具体的な指導方法等を示した都独自の手引書を来年度作成し、都内公立小中学校全教員に配布することにより、各学校における体系的、計画的なキャリア教育を推進してまいります。
 また、児童生徒が実社会で働いている人々から学ぶことは、将来の進路に関する理解を深めるとともに、現在、学校で学んでいることの有用性に気づくことにつながることから、企業や大学等の外部人材の効果的な活用方法を研究するモデル事業を、都内十地区において実施し、その研究成果を広く普及してまいります。

○増子委員 ぜひさまざまな取り組みをしていただきたいと思います。
 一方、都立高校では、企業、NPOと連携した社会的、職業的自立を支援する新たな取り組みを検討中のようですが、専門高校とは異なって、普通科高校はなかなか明確な目標を見出しづらいという点がありますので、しっかりと生徒にキャリアデザインを描けるようなプログラムをつくっていただくように要望しておきます。
 次に、学力向上について、基礎学力の定着という観点から伺います。
 今日の知識基盤社会に求められるのは、狭義の知識や技能のみならず、みずから課題を見つけ考える力、柔軟な思考力、身につけた知識や技能を活用して複雑な問題を解決する力などであり、OECDによる国際的な生徒の学習到達度調査、PISA調査によってはかられるPISA型学力は、その一つの参考にすべきモデルとして取り上げられています。
 しかし一方で、小中学校において、その活用力を身につける段階までに至らないほど基本的学力が身についていないという深刻な状態があり、都教育委員会の役割として、まずはそこに着手することが求められます。
 さきの総括質疑でもありましたが、来年度新たに予定している学力向上パートナーシップ事業が、そうした学習におくれがちな児童生徒に対しての取り組みと伺っています。
 そこで、今後どのように進めていくのか、改めて見解を伺います。

○比留間教育長 学力向上パートナーシップ事業は、区市町村教育委員会と連携して、都内八カ所に、中学校一校とその近隣の小学校二校程度から成る重点地区を指定し、基礎的、基本的事項の定着が必要な児童生徒に対する効果的な指導方法の開発等を行うものでございます。
 重点地区においては、特に学力向上を図る教科を絞り込み、恒常的に授業改善を行うとともに、家庭との連携による学習習慣の確立を図るなどして、児童生徒の学力を向上させてまいります。
 都教育委員会は、この事業の成果等を全公立小中学校に普及し、東京都全体の学力の向上、底上げを図ってまいります。

○増子委員 学習におくれがちな児童生徒への支援が軌道に乗り、学力の底上げが進んできた後には、知識の活用力といったPISA型学力や、発見から新たな問いが生まれ、その問いを追求していくことで新たな発見へと到達する探求型の学習などを指導方法として検討し、受け身の知識習得ではなく自立した学びにつなげる学習環境を、都教育委員会として構築していかれるように要望をいたします。
 次に、都立高校における基礎学力の定着に向けた取り組みについて伺います。
 平成二十三年度の都立高校白書では、近年入学した学生には、高校卒業時に習得すべき学力が備わっていますかという質問では、備わっている、多少備わっているの合計が二七・五%、余り備わっていない、備わっていないは二八・八%となり、基礎的、基本的学力が未定着なまま高校を卒業している実態があるようです。
 したがって、高校が責任を持って高校生の学力を保障する体制をとらなければならないと考えます。そのためにも、各都立高校が到達度を定量的にはかる共通テストを導入し、その基準に達しない生徒にはしっかりフォローを行っていくような体制を構築すべきと考えます。
 なお、ことし一月には、中央教育審議会の専門部会でも、高校生に基礎学力を身につけさせるため、高等学校学習到達度テスト(仮称)を導入する方向性を示しています。このような状況の中、都教育委員会において、都立高校における学力スタンダードを策定すると聞いていますが、その目的について伺います。

○比留間教育長 都立高校には多様な生徒が入学しており、生徒一人一人が将来の夢を実現できるよう、学力を確実に定着させることが求められております。そのため、各学校は、教員間の共通理解のもと、到達目標を明確に示し、組織的に指導することが重要であることから、都教育委員会は、生徒が卒業するまでに身につけるべき学力の目標を明確にするために、都立高校学力スタンダードを策定いたします。
 各学校は、この都立高校学力スタンダードを基準に、学校の設置目的や生徒の実態に応じて自校の目標を設定し、到達状況を的確に把握して、到達するまで繰り返し指導するなど、きめ細かな指導を組織的に行い、生徒一人一人の学力の向上を図ってまいります。

○増子委員 ぜひ全体像が把握できるようにお願いしたいと思います。
 最後に、学力向上という点から、特に理数教育の向上について伺います。
 小学四年生と中学二年生に相当する年齢の子どもを対象とした四年に一度行われる世界的な学力調査、国際数学・理科教育動向調査、TIMSSというんだそうですが、この結果が昨年の十二月に公表され、日本の順位は、小四、中二ともに五位以内で、前回調査と同様でしたが、小学生の得点が上昇したことがわかりました。
 一方、東京都においては、昨年実施された全国学力・学習状況調査の結果で、中学理科が全国平均より〇・九ポイント下回っているという状況です。また、TIMSSと同時に行われた学習意欲などに関する調査では、日本は国際平均より学習意欲が低い傾向が続いています。このまま児童生徒の学習意欲が低い状況が続けば、将来のすぐれた研究者や技術者を多く輩出することは難しくなるのではないかと考えます。
 観察、実験機器の整備を進めることもさることながら、児童生徒の理数教育に対する意欲をかき立てるような教員の指導力向上が重要となってきます。
 そこで、都教育委員会は来年度から、理数教育の推進として新たな事業を展開するようですが、児童生徒の学習意欲と学力の向上という観点から、どのように教員の指導力を高めていくのか伺います。

○比留間教育長 都教育委員会が今年度実施をいたしました理科教育に関する調査では、小学校で約八割、中学校で約四割の教員が、観察や実験など、理科の指導に関して課題や不安を抱えていることが明らかとなりました。
 このため、都教育委員会は、理科を得意としない小学校教員や、自己の専門分野以外の力量を高めようとする中学校理科教員を対象とした研修などを、来年度八講座から三十七講座に拡大をいたします。また、小学校教諭採用予定者に対して、理科実験に関する基礎的な指導方法等を高めるための講座も充実してまいります。
 今後とも、都教育委員会は、児童生徒一人一人が、理数に対する興味や関心を持ち、観察や実験に積極的に取り組むことができるよう、教員の指導力を高めてまいります。

○増子委員 理科を得意としない小学校教員を対象にするということですけれど、そもそも理科に限らず、その他の教科の基礎的な指導力が不足しているのではないかという懸念もあります。そこはしっかり把握していただいて対応をお願いしておきたいと思います。
 また、指導には、教員だけでなく、大学や民間団体などから外部講師として活用することで、一層子どもたちや教員にとっても、よい刺激になると考えられますので、ぜひまた、そちらの検討もお願いをいたしておきたいと思います。
 それでは次に、新しい公共について伺います。
 私たち都議会民主党は、これまで代表質問を初めさまざまな質疑の中で、日本の成熟した社会における新たな社会の形として、新しい公共の重要性を説き、東京都における新しい公共型社会の実現に向けた取り組みの推進を求めてきました。また、民主党の綱領にも、互いの多様性を認めながら、すべての人に居場所と出番がある共生社会の実現を目指すため、新しい公共を進めることを掲げています。
 都市の特徴としての新しい信頼関係に基づく人間関係が形成され、NPOやボランティア団体など、さまざまな公共サービスを担う主体が生まれることにより、地域の課題解決能力の向上による地域の活性化が図られる社会が、これからの目指すべき社会のあり方と考えます。
 都は、平成二十三年度から二カ年で、多様な担い手から成る新しい公共の体制を構築し、新しい公共の拡大と定着を図ることを目的とした新しい公共の場づくりのためのモデル事業を行ってきましたが、これまでの実績について伺います。

○小林生活文化局長 国からの新しい公共支援事業交付金を活用した新しい公共の場づくりのためのモデル事業では、これまで三回の公募を行ってきました。都や区市町村とNPO等が協働して行う地域の諸課題解決に向けた先進的な取り組みとして選定された事業の総数は三十八件となっております。
 具体的には、里山の保全、再生への取り組みや、地域住民が利用しながら河川などの自然を守る活動、農産物の生産、販売等を通じて、団塊の世代の活動やつながりの場を生み出す事業などに対して助成を行っておりまして、二カ年度の助成額の合計は約三億六千万円となっております。

○増子委員 これまで三回の募集を行ってモデル事業の取り組み支援を行ってきたということですが、モデル事業終了後の来年度はどのような取り組みを行っていくのか伺います。

○小林生活文化局長 モデル事業終了後は、国が定めたガイドラインに基づいて、新しい公共支援事業運営委員会が第三者評価を行い、事業の効果を検証する予定でございます。都は、その評価結果を報告書として取りまとめ、国に提出するとともに、ホームページなどを通じて、都民に対して公表をいたします。
 また、モデル事業の取り組みから得られた成果や課題等を広く共有することを目的に、都民を初め行政やNPO関係者向けの報告会の開催を予定しております。

○増子委員 従来、主として行政が担ってきた公共サービスが、多様な主体がかかわることで、きめ細かなサービスが提供され、社会が豊かになる。これが新しい公共型社会の姿です。都は、このような社会の中で担う役割や立場を理解し、また意識改革を行って、新しい公共型社会の実現に向けた取り組みを行っていかなければならないと考えます。
 新しい公共支援事業自体は、平成二十三年度から二十四年度までの時限事業ですが、公共サービスを提供する多様な主体が、それぞれ自立した活動を行い、社会全体で社会的課題の解決を目指すための土俵づくりを行うというコンセプトのもと、都は新しい公共の担い手となるNPO等に対する支援を講じていくべきと考えますが、見解を伺います。

○小林生活文化局長 都はこれまでも、NPO等の自主性を尊重しつつ、東京都社会福祉協議会が運営する東京ボランティア・市民活動センターを通じて、研修の実施や相談対応を行うなど、NPO等の組織運営力の向上に取り組んでまいりました。また、庁内各局や区市町村に対して、行政とNPO等との協働事例に関する情報提供を行うとともに、連絡会や講座を開催するなど協働への取り組みを働きかけております。
 今後は、今回のモデル事業の成果等の情報提供も含め、これらの取り組みを通じて課題解決に向けたさまざまな活動をしているNPO等を支援してまいります。

○増子委員 ぜひさらなる推進をお願いしておきたいと思います。
 それでは次に、帰宅困難者対策について伺います。
 先日、国が南海トラフ地震の被害想定を公表しました。道路や鉄道施設も被害を受けるため、首都圏でも帰宅困難者が発生する見通しです。
 都は、この四月から帰宅困難者対策条例を施行します。これについては、さきの我が党の本会議質問で、副知事時代に帰宅困難者対策協議会の座長を務めた猪瀬知事から、行政、企業、住民それぞれが利害や事情を抱えていても、責任を全うすることで壁を突破し、解決していくとの決意が示されました。
 こうした全国に先駆けた取り組みを推進するため、対策の進捗状況を確認いたしたいと考えます。
 震災が発生した場合に、外出中や移動中の人たちが駅に滞留するとともに、朝夕の出勤帰宅時には、多くの通勤客などが集中することによって、駅構内などでの集団転倒や、建物からの落下物による被害など、二次災害の危険が及びます。そこで、できるだけ駅構内の安全な場所や周辺施設で待機できる体制整備をしていかなければなりません。
 平成十九年より、都は、区市町村、周辺事業者など参加のもと、駅前滞留者対策協議会をつくり、対策を推進してきました。都内では、東京駅や新宿駅、渋谷駅を初めとした大規模ターミナル駅のほか、港区では、田町駅、浜松町駅、六本木駅など、乗りかえ駅において協議会を設置し、取り組みを進めていますが、設置を検討中とする自治体もあるなど、まだ十分な状況ではないと考えております。
 都内の駅前滞留者対策協議会の設置の状況について、都はどのように見ているのか、また、課題は何か見解を伺います。

○笠井総務局長 多数の帰宅困難者の発生が想定されるターミナル駅周辺におきまして、都内では、山手線の主要駅を中心に、合計十七の駅前滞留者対策協議会が既に立ち上がっております。
 今後は、山手線のターミナル駅から放射状に伸びる路線における協議会の設置が重要であると考えております。こうした駅が所在する自治体の中には、協議会の設置を検討しているところもありますが、立ち上げに伴うノウハウの不足とともに、地域の状況を踏まえた構成員の役割分担などのルールづくりが課題であると聞いております。
 このため、都は、区市町村や既設の協議会から成る連絡会議を創設し、先行事例の共有化を図ってまいります。そしてこの会議を活用し、地域のルールづくりなど、さまざまな課題について議論を深めることにより、協議会の新規創設も含めた駅前滞留者対策を推進してまいります。

○増子委員 ぜひスピードアップして対応していただけるとありがたいと思います。
 都営交通においては、新宿駅や飯田橋駅、新橋駅、青山一丁目駅などで鉄道事業者の立場で、その他のターミナル駅ではバス事業者として、駅前滞留者対策に取り組む立場にあります。今後、新たな協議会が設置される場合は、日暮里・舎人ライナーにおける対応も必要になると考えます。
 都交通局における駅前滞留者対策の推進に向けた取り組みの状況について見解を伺います。

○中村交通局長 交通局ではこれまで、地域の駅前滞留者対策協議会に参画するとともに、協議会や関係自治体等と連携して、駅における利用者の避難誘導やバスによる輸送等の訓練を行ってまいりました。
 また、東京都帰宅困難者対策条例に基づき、一時滞在施設が開設されるまでの間、都営地下鉄各駅において帰宅困難者を一時的に保護することとしております。
 このため、都営地下鉄にとどまると推定される約五万人を対象に、まず、昨年五月までに、飲料水、防寒用ブランケット、簡易マットを配備し、さらに、昨年十月には、携帯用トイレ、簡易ライトを追加し、全駅での備蓄を完了いたしました。

○増子委員 都は、帰宅困難者対策として、最低でも九十二万人分の一時滞在施設が必要と試算をしています。しかしながら、確保した施設数は、約七万人分を収容できる都関連施設と少数の民間施設にとどまります。これは、不特定多数の帰宅困難者を受け入れること、施設で負傷した場合の責任問題にちゅうちょする企業が多いからということもいわれています。
 民間との協力のもとで、帰宅困難者対策を進めるための今後の大きな課題が、この一時滞在施設をいかに確保するかです。こうした視点から、昨年の予算議会において、都議会民主党は、都が一時滞在施設の指定推進や備蓄強化、避難時の安全確保の責任、補償といった帰宅困難者対策の環境整備に主体的に取り組むべきと訴えました。
 都は、新年度から、一時滞在施設の確保に向けてどのように取り組んでいくのか伺います。

○笠井総務局長 行き場のない帰宅困難者を受け入れる一時滞在施設を確保するためには、都立施設の活用はもとより、民間事業者の協力が不可欠でございます。
 そのため、都は、一時滞在施設の確保に向け帰宅困難者を受け入れる協定を、区市町村との間で締結した民間事業者に対し、備蓄品購入費の六分の五を国と連携して負担する新たな補助制度を創設するほか、区市町村との連絡を確保するための無線機の配備への補助も実施いたします。
 さらに、関係各局とも連携し、備蓄倉庫設置に伴う都市開発諸制度や税制度の活用など、さまざまな対策を講じることとしております。
 こうした官民連携の取り組みにより、今後も帰宅困難者対策を加速してまいります。

○増子委員 四月から民間損害保険会社が、自治体向けに帰宅困難者を受け入れる施設を対象にした帰宅困難者対策保険を販売しますが、一時滞在施設の指定推進に資する、こうした民間の取り組みを活用することも必要です。
 帰宅困難者対策の推進を図るため、保険加入における区市などへの助成を検討するなど、都は民間施設において、一時滞在施設の設置を促す環境整備を進めていくべきと考えますが、見解を伺います。

○笠井総務局長 先般、損害保険会社が開発した保険は、一時滞在施設として協力いただく民間事業者に対し、一定震度の地震を観測した際に保険金を支払うというものであり、事業者の負担軽減につながることが期待されます。
 このため、都は、民間事業者を初め区市町村や関係団体などに対し、帰宅困難者対策ポータルサイトや防災ツイッターなどを活用して普及広報してまいります。
 行政の施策にとどまらず、民間における創意工夫の取り組みを広く発信することにより、一時滞在施設の確保を着実に進めてまいります。

○増子委員 都は、国や経済団体、鉄道事業者、自治体とともに、首都直下地震帰宅困難者等対策協議会において議論を進め、一時滞在施設の確保及び運営のガイドラインなどを策定しました。
 ガイドラインにおいては、施設の確保、運営に関する行政の支援策として、施設管理者が責任を負えない場合もあるといった留意事項についても普及啓発に努めるとし、課題を認識しながらも対策の推進を促しています。
 民間施設に一時滞在施設の指定を求めるのであれば、民間事業者が帰宅困難者を安心して一時滞在施設に受け入れることができるよう、発災時の損害賠償責任が事業者に及ばない制度を国として早期に実現させることが必要と考えますが、首都直下地震の切迫性を考慮すると、都としても、できることはやるべきです。
 こうした民間事業者の負担軽減に向けた取り組みを進め、一時滞在施設への協力を促すべきと考えますが、見解を伺います。

○笠井総務局長 一時滞在施設の管理者の責任につきましては、法律などの全国共通の制度により対応すべきものであることから、都は、発災時の損害賠償責任が事業者に及ばない制度の創設を、昨年十一月、提案要求し、現在、国において検討しているところでございます。
 しかしながら、制度構築には、一定の時間を要することが想定され、都といたしましても、帰宅困難者等対策協議会において取りまとめたガイドラインにおいて、施設内の安全点検用チェックリストの作成など、善管注意義務を果たす上での留意事項を示したところでございます。
 国への働きかけに加え、民間事業者にガイドラインを周知することにより、一時滞在施設の確保に向けた理解と協力を促進してまいります。

○増子委員 四月以降には、国の首都直下地震の想定見直しも公表される予定です。減災に向けた社会全体の取り組みを推進するため、諸課題の解決に向けたさまざまな働きかけをしていただいて、都民の安全・安心を確保していただきたいと考えます。
 次に、道づくり、まちづくりということで伺いたいと思います。
 首都高速中央環状線、東京外かく環状道路、首都圏中央連絡自動車道の三環状道路の整備率はいまだ五九%であり、この整備は、都政の重要課題です。都は、「二〇二〇年の東京」へのアクションプログラム二〇一三で、三年後の整備率を八五%、二〇二〇年の姿として、三環状が完成し、都心への流入交通を迂回させることで交通事情を大きく改善するとしています。
 整備によってどのような交通の変化が見込まれるのか具体的にお答えください。

○飯尾都市整備局長 具体的な例で申し上げますと、外環が開通すれば、関越道から東名高速の間の移動時間がこれまでの約六十分から約十二分に短縮されます。
 また、環状八号線や首都高速三号線などを利用していた通過交通が外環に転換することによりまして渋滞の緩和が図られます。
 加えて、二酸化炭素が年間約三十万トン削減されるなど、環境の改善が図られます。
 今後も、東京を環境にも優しく国際競争力のある都市へと再生していくため、首都圏三環状道路の整備を推進してまいります。

○増子委員 三環状道路の整備が進めば、かなりの交通がそちらに回るということが確認できました。
 また、整備した三環状を最大限に活用するための料金体系による誘導のほか、最先端の情報通信技術を用いて、渋滞解消や交通事故の抑制を目指す交通システムであるITSの活用を図っていくことも必要です。
 都は、ITSの活用によって渋滞を解消するとしていますが、どのように取り組むのか伺います。

○樋口青少年・治安対策本部長 都は、警視庁、東京国道事務所と連携し、用地買収などを伴わずに、既存の道路空間を活用した即効性のある渋滞対策事業をハイパースムーズ作戦と銘打って推進しております。この作戦の中で、交通量を予測して、最適な信号制御を行う需要予測信号制御やルート別の混雑状況、所要時間等を表示する交通情報板などのITSを活用した取り組みも行っております。
 その結果、渋滞の著しい三十路線全体で、混雑時の通行時間が、平成二十年度から四年間で一二・三%削減されるという効果を得ております。
 今後もこうした成果を踏まえ、需要予測信号制御や交通情報板等のITSをさらに活用するなどして即効性のある渋滞対策を推進してまいります。

○増子委員 ITSは、一九九五年の横浜会議で日本人研究者の提唱により、世界じゅうで使われる言葉になったと聞いています。そのITSの世界会議が、ことし十月に東京において開催予定であり、この世界会議に向けた取り組みが、平成二十五年度予算案にも計上されております。世界各国から産学官の第一線で活躍する方々が集まるこの世界会議は、都が最先端の取り組みを紹介する絶好の機会と考えます。
 そこで、都は、ITS世界会議においてどのような取り組みを行うのか伺います。

○樋口青少年・治安対策本部長 首都東京の交通を支える警視庁交通管制センターや新交通システム「ゆりかもめ」の中央指令室などに、世界各国からの参加者を実際に案内し、高度な交通管制技術を世界にアピールいたします。
 また、震災時のドライバーの安全や緊急車両の円滑な通行を確保するため、交通規制や通行実績等の情報を電子地図上に一元化して、警察、消防、自衛隊等の防災機関だけでなく、広くドライバー等にも提供する仕組みを、都は、民間団体、研究機関等と連携し、国に先駆けて研究しておりますが、その実用化に向けて、目指す姿を世界会議の場で実演等で示すこととしております。
 都は、世界会議を契機にして、産業界、学界、行政の連携を一層強化するとともに、ITSを活用した、平時のみならず災害時も含めた交通対策を推進してまいります。

○増子委員 ただいまの答弁にもありました、これを契機としてというところで、これが大切だと思いますが、一過性のもののイベントではなくて、継続的に取り組まれるということだと思いますので、まさにこれが契機となった交通の最適化に資する新たな技術や、交通対策への取り組みが生まれるような取り組みをぜひ行っていただきたいと要望しておきたいと思います。
 東京都では、おおむね十年間に優先的に整備する路線を選定する事業化計画を定めてきており、昭和五十六年に第一次事業化計画、平成三年には第二次事業化計画を定め、平成十六年三月には、現行の第三次事業化計画を定めています。計画期間は平成二十七年度で終了となりますが、都内の都市計画道路の整備率はまだ六割程度です。第三次事業化計画以降においては、優先整備路線の適切な選定はもちろん、都市計画決定から長期間を経てなお未着手となっている路線については、今後とも必要性が認められるかどうかを真摯に検討し、調査を進めていただきたいと考えております。
 東京の将来像を見据えた新たな都市計画道路の整備方針の策定に向けた都の取り組みについて伺います。

○飯尾都市整備局長 都市計画道路は、都市活動を支える基本的な都市基盤でございまして、効果的、計画的に整備を進めていく必要がございます。都は、平成二十七年度に策定予定の新たな都市計画道路の整備方針の調査検討に着手いたしました。その中でミッシングリンクの解消、区部と多摩地域の連携強化、首都直下地震への備え、広域的な産業交流の活性化など、さまざまな課題への対応を検討してまいります。
 来年度の早い時期に、学識経験者で構成する委員会や、区部及び多摩地域のそれぞれについて地元自治体を含めた検討会を設置いたしまして、都市計画道路の整備方針について検討を進めてまいります。

○増子委員 三環状道路の完成やITS技術の進展などによる道路交通の効率化、円滑化の進捗が期待され、さらに都市計画道路の整備についても、来年度の早い時期に、委員会や検討会を設置して、平成二十七年以降の整備方針について検討を進めるとのことでした。
 方針の策定に当たっては、従来から時代状況を踏まえたり、次世代の要請にこたえるべく、見直し、検証が行われてきたものと思います。現行の区部の整備方針では、四つの基本目標が定められており、その中には、価値観の多様化、精神的な豊かさへのニーズの高まりなどから、今後の東京の道路整備においては、快適性やゆとりを感じることができる都市空間としての機能がこれまで以上に重視されるようになってきていますと書かれております。
 現行計画では、環境や暮らしなどの基本目標について、整備効果を検証することとなっていますが、どのように検証を行っていくのか伺います。

○飯尾都市整備局長 現行の整備方針では、お話の優先整備路線の整備効果につきまして、活力、安全、環境、暮らしの四つの基本目標を設定しております。この目標ごとに、例えば、活力の分野では、道路ネットワークの充実等による平均旅行速度の向上などの指標を、また環境の分野では、植樹帯の設置による緑の創出効果などの指標をそれぞれ定めており、これらを用いて検証することとしております。

○増子委員 四つの基本目標について、今後検証していくということですけれど、快適性やゆとりが創出されているかどうか、しっかりと確認をしていただきたいと思います。
 東京都が平成十二年に策定した東京構想二〇〇〇では、水と緑に囲まれた魅力ある都市空間を形成すると題して、大規模公園の整備と並び幹線道路の項を起こして、外かく環状道路の整備による自動車交通の円滑化を初め、他の幹線道路ネットワークの整備やTDM施策の効果を生かし、環状七号線、環状八号線で極力車線を減じるなど、ゆとりのある歩行空間の創出とともに、緑の軸を形成するという戦略が記され、既にこうした既存ストックの質向上にも言及をしています。
 私は、環七、環八に加えて、他の都道の中にも、将来的には、車線を減じて中央に樹木などの大きな街路樹を配置するなど、新たに価値の高い都市空間が創造できるものがあるとも考えますので、そういった点もぜひ検討してほしいと思っております。
 私の地元、文京区に播磨坂という名前で親しまれている桜の名所があります。播磨坂は、実は関東大震災の帝都復興計画で線が引かれ、戦災復興計画に引き継がれた幻の都市計画道路環状三号線の一部であります。今日、都市計画に理解がなかった知事とされている当時の安井誠一郎知事は、回顧録「東京私記」、ご自分で書いたものですが、計画を握りつぶした、いろいろな建設計画が持ち出されたが、すべて抑えてしまい、余り見ばえのしない復旧に精を出してもらったと、ご本人が書いておられます。
 敗戦直後のこうした時代において、復興事業による区画整理が当初の計画の五分の一にまで減らされる中、文京区小石川のこの一帯は、復興事業の着手が早かったため実施され、周辺の区画もすっきりと整っています。区画整理事業の内容と区移管の経緯について伺います。

○飯尾都市整備局長 お話の播磨坂を含む文京区小石川周辺は、戦災によって九割以上が焼失いたしましたことから、都は四十七ヘクタールの区域を復興土地区画整理事業として施行いたしました。幅員四十メートルの環状三号線を初めとする道路、公園等の整備、整然とした街区の形成を図ることで、文教の地にふさわしい現在のまち並みの礎を形成したものでございます。本事業は、昭和二十三年度に事業着手し、昭和五十八年度の事業完了に伴いまして、環状三号線の道路管理を区に引き継いだものでございます。

○増子委員 まさに、復興と呼ぶにふさわしい事業が実施された結果、四百六十メートルほどの坂道は幅員四十メートルで、昭和三十五年に若木が植えられ、現在では立派に育った美しい並木を今に映しています。(パネルを示す)これが今そうなんですけれど、ちなみに、ここで文京さくらまつりというお祭りが行われていまして、きのうオープニングだったのですが、これが四月七日まで行われています。中央帯は、最初できたときは二メートルしかなかったんですが、文京区がその後十メートルに広げて、小石川をイメージした、これもちょっとおもしろいんですが、(パネルを示す)これ中央分離帯の中なんですけれども、傾斜なものですからこういったことができるんだと思いますけれど、こういうせせらぎもつくって、遊歩道のように整備して、真ん中もずっと桜があって、このときはまだ人が少ないですけれども、このあと花見客でいっぱいになるわけですが、こういうことをやって、平成八年には手づくり郷土賞ということで国土交通大臣の表彰を受けています。
 ぜひ皆さんに一度歩いていただきたいと思いますが、なだらかな坂道に、ほどよい湾曲があって、大変美しい街路であることを実感していただけると思いますし、私は、この道は、まちと一体となって機能している、道づくり、まちづくりの成功例だというふうに思っております。
 播磨坂は、環状三号線の、この前後の区間が整備されていないために、交通量も多くなく、車線を減らして中央に遊歩道を設けることができました。
 復興計画当時の街路断面図というのが、手書きに近い古い資料なのですが、(パネルを示す)これがありまして、これを見ると、一番下の五十メートル道路が一番この播磨坂に近いと思いますけれど、中央に植樹帯があって、両側に並木を配した歩道があって、これ、幅員五十メートルとして描かれています。先ほどの播磨坂が、実はこれに一番近い形、四十メートルですけれども、これが半世紀のときを超えて、この計画にかなり近い姿となったということで、そういう意味では、このとおりの、それこそ道ができれば、それはそれは美しい道路だったと思いますけれども、これは、区画整理事業に尽力した方々、また、道路行政関係者の見識と努力、桜並木に憩い親しんできた地元の方、どれが欠けてもなし得なかったことだと思います。
 近年行われる街路整備では、例えば、本委員会の初日で大塚たかあき委員が取り上げた環状二号線の地上部街路は、街区再編まちづくり制度の適用が予定されています。緑豊かな街路樹やその他の機能面とあわせ、沿道のまちと一体としてにぎわいを創出できる道路空間をつくるプランが検討されており、今後はこのような街路が着実にふえていくものと考えられます。こうした配慮がされてこなかった既存の道路においても、播磨坂のように中央帯に歩道まで整備することはなかなか難しいかもしれませんが、状況に応じて質を高めていくことは、街路整備の今後のあり方として必要なことではないかと思います。
 知事が先日の本委員会で言及された高速道路は、もちろん機能美も持ち合わせた重要な都市基盤であります。一方で、まち中の街路は、自然とそぞろ歩きたくなるような、そして五十年、百年後に、すばらしいストックを残してくれたなと感謝されるような美しいものにしていくことをぜひ考えていただきたいと思いますが、美しさや快適性に配慮する、そういった質の高い道路づくりについて、これは知事にお聞かせいただきたいと思います。

○猪瀬知事 増子理事おっしゃるとおり、きれいなまち並みが実現できるのが一番いいと思います。そして、播磨坂も歩いたことがあります。とてもいいところです。
 今、東京駅の前から行幸通りというのが皇居につながっていまして、ご存じのようにイチョウ並木がきれいで、そして石張りの舗装になっております。そういう美しい景観というものは大事なんですが、それからあと、新橋と虎ノ門を結ぶ環状二号線、これは新しく地上部が広いので、これ、緑豊かにしたいと思っているところです。
 問題は、都心の中心である皇居周辺ですね。この景観が統一されていない。例えば、銀座から晴海通りを日比谷の方に向かうと、日比谷交差点まではスズカケの並木道なんですが、日比谷交差点を過ぎると、左側はユリノキで桜田門まで行きます。そして右側は皇居側で、シダレヤナギなんです。
 そういう意味で、景観の統一というのは一番大事なんですが、なぜそれができていないかというと、本来、東京都は、東京都の都市計画に基づいて、その景観を統一する権限を持っているんですが、都心では国道が都道と入り乱れている。日本橋からずっと国道一号が来て、そして皇居の近くを通って桜田門から外に行きますね。それから、さらに国道二〇号が半蔵門まで行って、新宿通りになって甲州街道へ行きます。そうすると、内堀通りの半分、南側は国道になっている。北側は都道になっている。あとは外堀通り、環状三号、四号、五号、六号、七号、八号、全部都道なんですが、そういうことで、本来は、維持管理だけでも東京都にやらせてもらいたいということで、地方分権改革推進委員会ができたときに、その問題が提起されたんですね。あるいは国道二四六は、少なくとも維持管理は東京都にやらせろということで問題提起したんですが、地方分権委員会が、民主党政権に変わったあとになくなっちゃったんです。実は東京都の建設局もそういう協議を国交省の地方整備局と始めたところだったんですね。今、それはさたやみになっていますから、新たにもう一度、国道を東京都に移管、あるいは維持管理だけでも移管すると。そういう問題を進めることによって、美しいまち並みをつくっていきたいと、こういうふうに思っています。

○増子委員 ありがとうございました。
 ちなみに私の地元の本郷通りも、東大の農学部のところで急に国道から都道に変わるんですけれども、そういった意味では、確かに知事おっしゃるとおり、まずそういう管理の統一ということも大切だと思いますし、せっかくですから、知事在任中にぜひ将来の東京の美しい姿を描いていただければありがたいなと思って要望いたしておきたいと思います。
 それでは、次に、ちょっと一転して豊洲の土壌汚染対策になります。
 さきの代表総括で、市場長は、自然由来の物質がある区画では、土壌汚染対策法に基づく区域指定は残ると答弁していましたが、指定区域に生鮮食料品を扱う施設を設置することを懸念する声があることを踏まえ、都民とのリスクコミュニケーションをさらに深めていく必要があります。
 その上で、あえて一般論で伺いますが、改正土壌汚染対策法によって、工場の廃止時だけでなく、三千平米以上の土地改変時においても調査の契機に加えられるとともに、かつて、指定区域と呼ばれていたものは、要措置区域と形質変更時要届け出区域とに区分されました。
 そこで、要措置区域と形質変更時要届け出区域との違いは何か。土壌汚染対策法改正前の約七年間と改正後の二年間で、都内ではどの程度、区域指定されているのか伺います。

○大野環境局長 平成二十二年四月に改正されました土壌汚染対策法におきましては、要措置区域は、汚染された地下水の飲用や汚染土壌の直接摂取のおそれがあり、汚染の除去等の措置が必要な区域とされております。これに対しまして、形質変更時要届け出区域は、汚染された地下水や土壌の摂取による健康被害が生じるおそれがないため、汚染の除去等の必要がない区域とされております。ただ、掘削等を行う際には、汚染拡散防止の観点から、あらかじめ届け出が必要な区域となっております。
 この区域指定の件数でございますが、二つの区域に区分される法改正前の七年間の指定区域が百六件でございまして、区分された法改正後から平成二十四年三月末までの二年間で、要措置区域が二十三件、形質変更時要届け出区域が百三十六件となっております。

○増子委員 豊洲地区は形質変更時要届け出区域ですけれど、都内で形質変更時要届け出区域が指定されているのは、法改正後の二年間で百三十六件と、法に基づく調査の契機が拡大されたことで、今後、都内で指定されるケースはますますふえるものと考えます。
 豊洲新市場予定地では、自然由来の物質による指定区域は解除されずに残るということになりますが、残された汚染が本当に自然由来であり、食の安全・安心という観点からも問題がないということを都民に理解してもらえるよう、引き続き努力していく必要があります。
 そこで、私は、それぞれ残された汚染がなぜ自然由来と判断できるのかについて、専門家の具体的な見解について、ホームページ等で公表するだけにとどまらず、市場関係者などを含めた協議会を初めとする都民とのリスクコミュニケーションを深めていくべきだと考えますが、これまでの取り組みを含めて見解を伺います。

○塚本中央卸売市場長 土壌汚染対策工事においては、さまざまな機会を通じて情報提供や説明を行い、市場関係者や都民などの理解を得ながら進めていくことが重要でございます。
 これまで、工事に際して行った各種調査結果などについて、もととなるデータとあわせて図面等でわかりやすく整理し、公表してまいりました。その際、お話のように、専門家の見解も必要に応じて掲載して、理解しやすいよう工夫しているところでございます。
 また、昨年七月と本年一月には、市場関係者や都民代表、学識経験者などで構成する、土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会を開催し、工事の進捗状況や仮設土壌処理プラントでの処理結果などを示し、学識経験者の委員から解説をいただきながら、情報の共有を図るとともに、意見の交換を行いました。
 今後とも、引き続き、こうした情報提供などを行うとともに、二年間モニタリングの期間中や開場後においても、適宜、協議会を開催するなど、きめ細やかな取り組みを行うことで、安全・安心について、市場関係者や都民の理解を得るよう努めてまいります。

○増子委員 自然由来といえども汚染が残置される、残るということを前提に、しっかりとした対策を示すべきであって、こうした観点から、昨年の締めくくり総括質疑でも、液状化対策や地下水の管理などについても質問してきました。
 東日本大震災を受けて、液状化現象が見られた豊洲地区でも液状化対策を強化していく必要があるのは当然のことです。
 そこで、東日本大震災を踏まえて、新たに追加された災害対策の具体的な内容について、液状化対策も含めて伺います。

○塚本中央卸売市場長 豊洲新市場の整備に当たっては、東日本大震災における埋立地などでの建物被害状況を踏まえ、建物下についても、砂ぐい締め固め工法などの地盤改良工事を実施し、基礎の安全性を高めることといたしました。
 また、電力会社からの送電停止に備え、隣接する地域冷暖房施設からも受電できるよう、電力の二系統化を図ることに加えまして、管理施設棟に設置する非常用発電設備の能力増強や受変電設備の不燃化など、設備機器の防災性を向上させたところでございます。このように、震災時においても、生鮮食料品の安定供給ができるよう、豊洲新市場の災害対応力を一層強化してまいります。

○増子委員 ぜひしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 次に、地下水の管理についてですが、二十五年度予算案では、地下水管理施設整備工事関連として一億四千百七十五万円が計上されていますが、地下水管理では、毛細管現象による地下水の上昇を防ぐためには、砕石層の厚さを調整することも必要であると述べ、六街区では必要な対策が行われてきました。
 そこで、昨年の答弁の確認ですが、五街区、七街区についても沈下が起きていないのかを確認し、沈下が確認されたのであれば、六街区と同様、必要に応じて砕石層の厚さなどを調整するなど対策を検討すべきだと考えます。いつごろ沈下の有無を確認するのかも含めて見解を伺います。

○塚本中央卸売市場長 地下水管理では、毛細管現象による地下水の上昇を防ぐため、厚さ五十センチメートルの砕石層を設けることとしております。五街区及び七街区におきましては、対策工事の進捗を踏まえ、昨年十月から盛り土にくいを設置し、その高さを継続的に計測することで地盤の状況を確認していますが、二月末時点において、地盤に沈下の傾向は見られておりません。
 こうしたことから、七街区では、既に沈下が完了しているものと判断し、従来どおり、砕石層の高さをAP二・五メートル以上、層の厚さを五十センチメートルを確保していくこととしております。
 五街区につきましては、道路計画高を考慮して、盛り土の高さをAP六・五メートルからAP八・〇メートルに高くしましたことから、将来の沈下の影響を考えまして、砕石層の上端がAP二・五メートルとなるように、砕石層を五十センチメートルから最大九十センチメートルの厚さで施工してまいります。

○増子委員 自然由来による指定区域は残るといっても、操業由来による指定区域は確実に対策を実施し、都民の安全・安心を確実に確保していく必要があります。
 指定区域の解除のためには、土壌汚染対策工事後、地下水のモニタリングで二年間連続して汚染物質が基準以下になることが前提となりますが、地下水のモニタリングはいつごろ始まる予定なのか。また、代表総括において、東京都は操業由来による指定区域については、二年間のモニタリングを実施した上で解除すると答弁していましたが、いつごろ操業由来による指定区域が解除される予定なのか、あわせて伺います。

○塚本中央卸売市場長 お話の二年間モニタリングは、操業に由来する汚染土壌と汚染地下水の対策が完了した後に、市場施設の施工状況も配慮しながらモニタリング用の井戸を設置し、開始してまいります。このモニタリングは、地下水に汚染が生じていない状態を二年間継続することで終了し、指定区域を解除してまいります。

○増子委員 地下水のモニタリングがいつごろ始まるのかわからないという答弁でしたが、自然由来であっても操業由来であっても、汚染が残っていれば地下水の移動によって汚染が検出されるということも考えられます。
 一方、昨年の締めくくり総括質疑の中で、東京都は、開場後にも、地下水の水位や水質のモニタリングを確実に行うと答弁していましたが、私は少なくとも地下水から二年間連続して汚染物質が基準以下になるなど、土壌汚染対策法の指定区域の解除レベルの安全・安心を確保すべきだと考えますが、見解を伺います。

○塚本中央卸売市場長 土壌汚染対策工事においては、操業に由来する汚染土壌はすべて掘削除去し、汚染地下水も浄化処理を確実に行い、指定区域を解除してまいります。
 自然由来の物質に対しましては、ガス工場操業地盤面から下二メートルの土壌を、汚染の有無にかかわらず、すべてきれいな土と入れかえ、その上にきれいな土で二・五メートル盛り土するなど、法の求める対策を上回る二重、三重の封じ込めを行うことで、市場用地の安全・安心を確保してまいります。
 万が一、モニタリング結果から、状況の確認や対策の検討を行う必要が生じた場合には、専門家の知見もいただきながら、市場関係者や都民の安心や理解が得られるよう適切な対応に努めてまいります。いずれにしましても、地下水については二年間、環境基準以下となることを目指してまいります。

○増子委員 指定区域については、すべての汚染が土壌汚染対策法の解除レベルで除去されることを強く求めるものです。
 さて、今回、豊洲新市場の開場時期が一年延期となったのは、土量の増加などによって土壌汚染対策が終了しなかったからであり、このことは、豊洲新市場の施設の建設工事は汚染の処理を完了した上で実施することという平成二十四年度予算案での付帯決議第二項に基づくものと考えます。
 そこで私は、この付帯決議については、平成二十五年度においても引き続き確実に守られるものと考えていいのか、汚染の処理が完了したことをどのように確認した上で施設建設を行うのか、あわせて見解を伺います。

○塚本中央卸売市場長 来年度の市場施設の建設に当たりましては、平成二十四年度予算の付帯決議を十分に尊重し、操業に由来する汚染土壌と地下水の汚染物質を確実に除去し、技術会議において、客観的なデータをもとに汚染処理が完了したことを確認したところから、建物を支えるくい打ち工事などに着手してまいります。

○増子委員 最後に、世界に誇る築地市場が豊洲に移転するに当たり、東京都は、豊洲地区の安心・安全の確保を初め、日本の食文化、市場と取引の独自性、効率性など、改めて世界にアピールしていく必要があります。昨年十一月二十八日より、中央卸売市場では、市場の認知と理解促進を目的とした新たなプロジェクトとして、「TOKYO ICHIBA PROJECT」を始動しています。
 私は、東京の中央卸売市場が、食の安心・安全はもとより、だれからも愛され、より身近に感じてもらえるよう、シンポジウムや公開討論会を開催するなど、都民の声を幅広く聞く場を設けていくべきだと考えますが、見解を伺います。

○塚本中央卸売市場長 市場そのものの機能、役割や、豊洲新市場の施設内容やその魅力に対する幅広い理解を促進していくためには、一方的な情報の発信だけではなく、ご指摘のとおり、多くの声を聞くことが重要であると考えております。
 特に、豊洲新市場は、築地市場のように、国内外から幅広く支持される食文化の拠点としていく必要もございます。このため、豊洲新市場を含めまして、東京の中央卸売市場が、都民、国民、さらには世界の多くの方々から愛され、身近に感じてもらえるよう、広報イベントに参加型の要素を取り入れるほか、ツイッターを初めとするSNSを活用するなど、双方向のコミュニケーションを積極的に図ってまいります。

○増子委員 ありがとうございました。
 それでは次に、東京湾の放射性物質について伺います。
 昨年の一月十五日に、NHKで「知られざる放射能汚染 海からの緊急報告」と題する放送があり、福島原発事故で関東平野に降下した放射性物質が、最終的に東京湾に流れ込んでいるとされました。また、専門家は、セシウムを含む川の水は、東京湾に流れ込む際に、海水とまじり合う地点で凝集し、泥とともにだんご状態になって海底に沈むとしていました。
 都議会民主党は、放映後すぐに東京都にヒアリングを行うとともに、迅速な対応を求め、国に対しても、東京湾や河口付近の調査を行うように求めました。衝撃的な内容であり、都民の中には、東京湾の魚は危ない、東京湾や東京の河川の河口付近は高濃度に汚染されていると強く印象に残っている方も多いと思います。
 番組中では、二年二カ月後をピークとして十年間は続くとされていました。漁業者への影響はもちろんのこと、釣りを楽しむ人の間でも、東京湾で釣った魚を食べても大丈夫なのかどうか、不安は払拭されていません。
 そこで、最近の状況について何点か確認しておきたいと思います。
 産業労働局は、都内農林水産物等の放射性物質を検査し、その結果を公表しています。水産物について最新の調査結果を見ると、ND、つまり検出限界以下が多く、検出されたものでも十ベクレル未満に満たない状況で、水産物の放射性セシウムの基準値であるセシウム134と137の合計で百ベクレルを大きく下回っているようです。
 そこで、改めて確認いたしますが、福島原発事故による放射性物質放出以降の東京湾の水産物の放射性物質検査結果はどのようになっているか伺います。

○中西産業労働局長 都は、都内産水産物の安全・安心の確保と風評被害防止の観点から、都内の漁業者が漁獲し、食品として流通する水産物について放射性物質検査を実施しております。
 具体的には、原発事故発生直後からの計画的な検査に加え、状況に応じた緊急的な検査に取り組むなど、適時適切な対応を行ってまいりました。
 東京湾については、平成二十三年八月から、アナゴ、スズキ、シジミ等を対象として検査を実施し、この三月十四日までに二十四検体の検査を行ったところでございます。検査結果は、いずれも食品衛生法で定めます放射性物質の基準値を大きく下回っており、そのすべてを公表しております。

○増子委員 今お答えいただきましたように、東京湾の水産物の放射性物質は基準値を大きく下回っていて、その結果も公表していただいているということですが、なかなか都民の皆さんには伝わっていないのが現状かと思います。
 東京湾の魚が安全であるということを多くの都民が確認できることは、漁業の安定につながるものと考えます。そこで、計画した魚種以外でも、漁業者が漁獲した水産物の検査を実施するとともに、この放射性物質検査を継続していくことが大切ではないかと考えますが、見解を伺います。

○中西産業労働局長 都内産水産物の検査に当たりましては、国の方針に基づき、漁獲量や漁の時期、生息域等を考慮した上で魚の種類等を決定し、計画的に行っております。さらに、隣接県で放射性物質濃度の高い魚が確認された場合や、流通上検査の必要性が生じた場合等には、臨機応変に対応しているところでございます。引き続き国の動向を注視しながら、検査を実施してまいります。

○増子委員 冒頭申し上げた番組では、河口で急速に凝集し、こう固まるんですね。沈殿するとされ、実際に国が行っている調査でも、福島、宮城、新潟などの河口沖の海底土からセシウム134と137が検出されており、東京湾内においても検出されております。
 そこで確認しますが、東京湾における海域モニタリング調査では、どのようになっているか伺います。

○大野環境局長 ことし一月に国が公表しました隅田川、荒川、旧江戸川の各河川の河口沖における海底土から検出されたセシウム134と137の合計値は、一キログラム当たり十ベクレル未満から四百四十ベクレルまでの間でありまして、調査開始以来おおむね横ばいで推移をしております。なお、国が広域的な調査結果として昨年十二月にまとめました東京湾を含む九都県の水環境におけるモニタリング調査結果の概要におきましても、河口沖など沿岸における底質のセシウムは、同様に全体としておおむね横ばい、または減少傾向にございまして、また、河川よりも低い水準であるとしております。

○増子委員 では次に、河川の状況について伺いたいと思いますが、都内の底地を流れる感潮河川では、流れが緩慢で泥が堆積するため、東京都建設局が河川のしゅんせつを行っていると思います。都は、平成二十三年度末から、このしゅんせつ工事に先立ち、表層と深さ〇・五メートル地点のしゅんせつ土を採取し、検査しているとのことです。番組で放映された近畿大学等の調査では、河口から八キロ付近の値が最も高くなっていました。
 そこで、感潮河川で行われたしゅんせつ土の検査結果について伺います。

○村尾東京都技監 都では、河川工事などから発生するしゅんせつ土について、平成二十四年三月から放射性物質の調査を実施しており、結果の概要をホームページで公表しております。
 いわゆる感潮区間における河川のしゅんせつ工事は、この間、隅田川や中川など、八河川十カ所で実施しております。検出されたセシウム134及び137の合計値は、しゅんせつ土一キログラム当たり十ベクレル未満から四百五十ベクレルの間であり、都が測定した八河川については河口沖における国の公表数値と同程度でございました。
 なお、隅田川の河口から九キロメートル付近では二百十九ベクレル、中川の河口から十キロメートル付近では四百二十ベクレルでした。引き続き、しゅんせつ工事の実施に合わせ、放射性物質の調査を実施してまいります。

○増子委員 冒頭申し上げましたその番組放映時には、海や湖沼の放射性物質の調査は行われておらず、空白でありましたけれど、私たちが国に緊急提案した東京湾内の海底土検査で把握ができました。不安や疑問を払拭するためには、状況を把握して結果を明らかにするとともに、都民にしっかりと情報を届けてこそ生きてくるものと考えます。
 こうした調査は、二年や三年で終了すべきものではなく、環境中での動静を長期間補捉していくことが必要です。引き続き調査を行うとともに、検査結果に基づいて、積極的な広報を行ってはどうかと考えますが、都の見解を伺います。

○大野環境局長 都では、平成二十四年一月に都議会各会派の要請を受けまして、二月一日に国に対し東京湾などにおける放射性物質の調査について提案要求を行い、二月十七日には一回目の調査が実施されました。以降国は、東京湾などにおけます放射性物質の調査を、総合モニタリング計画に位置づけて実施しておりまして、こうした調査は、今後も、国の責任において、広域的かつ継続的に実施していくことが必要でございます。
 このため、都は、昨年度の国への提案要求におきましても、東京湾などにおける放射性物質の調査を今後も継続して実施するよう強く働きかけを行いました。
 また、都民に対しましては、都のホームページから、放射性モニタリング調査の結果を初め、空間放射線量や食品の測定結果など、さまざまなデータが入手できるように、総合的な情報を提供しております。

○増子委員 安全であれば、伝わってこそ安心が得られるということだと思いますので、都民に対する適切な情報提供をお願いしておきます。
 次に、外郭団体改革について伺います。
 私たちの質問に対して、東京都は、包括外部監査によって平成十一年度の導入以来三十三の監理団体のうち二十一団体が受けたという答弁ですが、平成十一年度からこれまでの間、包括外部監査を受けていない団体が十二あるということが裏返しということだと思いますが、報告団体も含めて、包括外部監査を受けていない外郭団体に、外部専門員によるチェック機能を働かせるための仕組みが必要であると考えますが、東京都の見解を伺います。

○笠井総務局長 都は、包括外部監査の結果を重く受けとめ、監査結果を速やかにホームページに掲載するとともに、監査報告書を送付するなど、監査対象となっていない外郭団体に対しても監査内容が行き渡るように周知しております。
 例えば、公益通報制度の整備や災害発生時におけるBCPの策定など、他の団体にも共通して当てはまる重要な監査結果につきましては、周知に加えて積極的な改善を促すなど徹底を図っております。
 こうした取り組みにより、監査を受けていない団体についても、外部監査の視点が行き届くものと認識をしております。今後も、外部監査によるチェックを団体運営のさらなる適正化に生かしてまいります。

○増子委員 公益通報制度など一部で横ぐしが刺されているとはいうものの、監査報告書を送付するだけでどのぐらいの効果があるのかなという思いもあります。
 さて、包括外部監査によらずとも、東京都では毎年の取り組みとして、監理団体の経営目標の達成状況、経営実績及び経営目標の設定状況を公表しています。目標の設定状況を見ると、前年度の実績を下回る目標を設定していたり、一見すると首をかしげたくなるような目標も見られます。民間発想を取り入れるという監理団体の目標としては、レベルが低いようにも思われます。
 東京都の指定管理者制度では、指定管理者の選定や管理運営状況の評価に対して外部委員の評価を取り入れており、また、他の自治体では、監理団体の経営評価に外部委員を活用している事例も見られます。前年度を下回る目標の設定を含め、各監理団体の経営目標はどのような過程で策定されるのか、監理団体改革推進委員会も含め、策定過程において、外部委員によるチェック機能の強化によって、適切な経営目標、評価を促すべきと考えますが、見解を伺います。

○笠井総務局長 経営目標の設定に当たりましては、団体が設定した目標案の内容や水準の妥当性などにつきまして、所管局や私ども総務局と十分に協議をし、最終的には、副知事をトップとする監理団体改革推進委員会において確定をしております。
 お話にありました前年度実績を下回る目標につきましては、施設改修に伴う集客数の減少など、客観的かつ合理的な理由がある場合にのみ例外として認めるもので、基本的には前年度を上回る水準での目標となるように指導いたしております。
 さらに、都民目線で公平、妥当なものになるように、平成十三年度の制度導入以来、目標や評価の概要を毎年議会へ報告をしております。一例を挙げれば、その審議の中で、都民によりわかりやすい公表内容とすべきではないかというご意見をいただき、それをもとに、評価結果や目標設定について、理由を明記するなどの改善を図ってまいりました。
 今後も、経営評価制度を有効に活用し、監理団体が都民に一層貢献できる団体となるよう努めてまいります。

○増子委員 副知事をトップとする監理団体改革推進委員会では、いわば都庁の後輩が都庁の先輩を評価するということですから、限界があるかなとも思いますので、ぜひとも外部委員の活用を検討していただきたいと思います。
 また、外郭団体の障害者雇用率の達成状況が極めて低いことも気になります。監理団体が経営目標を立てる際の視点は、都民・利用者の視点、財務の視点、内部管理の視点の三つがあり、現在はこれに加えて環境配慮行動の視点がありますが、私はこの特出しの視点を公益的な視点として、監理団体の経営目標を定める必要があるものと考えます。
 例えば、監理団体で法定雇用率を達成しているのは、平成二十四年六月一日現在、障害者雇用状況をハローワークに提出している二十四団体のうち、わずか七団体。昨年の田の上いくこ議員の質問時より一団体、一昨年の淺野克彦議員の質問時より三団体ふえていますが、極めて少ない状態です。
 未達成の監理団体は、不足する障害者数一人につき月額五万円を納付することになりますが、東京都の監理団体として、社会通念上、当然守られるべき法律上の要請にこたえられないのであれば、その達成状況を評価の一つとすることは極めて有効かつ意義のあることと考えます。
 また、東京都が出資をしている報告団体についても、法定雇用率に達していない団体が散見されることからも、東京都は、株主として報告団体に対しても積極的に働きかけていくべきだと考えますが、あわせて見解を伺います。

○笠井総務局長 監理団体や報告団体を含め、すべての事業主において障害者雇用を推進していくことは重要でございます。
 障害者雇用に関しましては、国が障害者の雇用の促進等に関する法律に基づき厳格な指導を行っております。具体的には、実雇用率の低い事業主には、雇い入れ計画の作成命令や適正実施勧告、特別指導を行い、なお雇用が進まなければ、企業名を公表いたしております。
 都といたしましては、このような法の趣旨を十分に踏まえた上で、各団体が障害者雇用を積極的に進めていくべきと考えますが、とりわけ都政のパートナーである監理団体に対しましては、ハローワークなど関係機関とも連携を図りながら、それぞれの実情に応じた取り組みの強化を働きかけてまいります。

○増子委員 それはぜひ頑張っていただきたいと思いますが、ただ、二十四団体中七団体という現実ですから、この法定雇用率を達成できるように、より実効性のある仕組みづくりが必要かなと、そちらも求めておきたいと思います。
 さて、いわゆる天下りについて、私は、東京都の再就職が、国の早期退職の勧奨を受けていわゆる渡りを繰り返すものではないこと、既に東京都は一部の報告団体を除き、報告団体、監理団体での退職金が廃止されていることを踏まえて質問いたします。
 現在、東京都は、都の幹部職員の退職後の再就職の状況について、一元的に把握、管理して、ホームページにも公表しているところですが、私はこれをさらに拡大すべきと考えます。
 都庁OBで退職後三年あるいは五年がたっていようと思われる人の中にも、東京都の監理団体や報告団体に名を連ねている人がいます。また、東京都は以前から、退職後二年間は、退職前五年間に従事していた職務に関する営業活動を行わないという基準を設け、誓約書をとるなどして対応してきましたが、裏を返せば退職後二年以降は、こうした規制は対象外になるものと認識をいたしております。
 私は、職業選択の自由にも配慮しながら、東京都職員の再就職が都民の誤解を招かないよう、退職初年度の就職先だけでなく、その後の幅広い再就職情報の収集、公開に努めるべきと考えますが、見解を伺います。

○笠井総務局長 都は、退職管理の適正化の観点から、幹部職員全員につきまして、退職直後の再就職状況を一元的に把握、管理して公表いたしております。
 一方、退職後、監理団体、報告団体等に就職した幹部職員が、別の団体に再就職をする場合、出資者などの立場から、都が協議や相談を受けることもございますが、最終的には、各団体と当該個人との間で決定されております。
 こうした情報の把握におきましては、退職直後の再就職状況の場合とは異なり、各団体や当該個人からの情報提供が必要となりますが、今後はこのような点も考慮しながら、可能な限り再就職状況の透明化に努めてまいります。

○増子委員 可能な限り透明化に努めていくというご答弁をいただきました。これまでも透明化、頑張ってこられたことも知っております。今後、ぜひ、さらなる取り組みを期待いたしたいと思います。
 その他外郭団体には、契約の情報公開などさまざまな課題がありますが、猪瀬知事のもと、都民によるチェック機能が働く制度が構築されることを強く要望いたしまして、都議会民主党を代表しての締めくくり総括質疑を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)

○斉藤委員長 以上で、増子博樹理事の発言は終わりました。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
   午後二時五十七分休憩

ページ先頭に戻る