予算特別委員会速記録第四号

○村上副委員長 門脇ふみよし副委員長の発言を許します。
   〔村上副委員長退席、委員長着席〕

○門脇委員 医療、スポーツ振興、特に東京マラソン、そして、海外都市交流、交通政策等についてお伺いいたします。時間が不足いたしましたら、通告内容の一部を割愛することをお許しいただきたいと思います。
 この定例会でも、救急や救命医療のことについては各会派から質問が行われています。その救命救急センターの整備のことでありますけれども、設置数について、かつて国は、百万人に一カ所を単位に整備を図ることとしておりました。しかし、現在は、救急搬送の増加や重篤な患者を二十四時間受け入れる施設の必要数については、地域によって状況が異なることから、都道府県の医療計画、東京都でも間もなく答申がされますけれども、必要数を整備することといたしております。
 さて、五年前のことになりますけれども、東京大学医学部鉄門記念講堂でシンポジウムが開催されました。タイトルは、東京都の医療崩壊を防ぐにはで、知事も覚えていらっしゃると思いますけれども、東京都の救急医療の取り組みについてプレゼンテーションをされました。また、このときは、都立墨東病院救命救急センター部長の、あの濱邉さんでありますけれども、東京ERでの経験と題したお話もありました。
 私、毎日、区議会のときからホームページを更新しておりますけれども、当日の自分のホームページを改めて見てみたんですが、第二部では、ディスカッションで、参加メンバー全員が、救急医療のあるべき姿、よりよき医療のためにのテーマで積極的にお話をされました。
 私は、この日、正直なところ少し疲れていたんですが、百五十分間の間、吸い込まれるように報告、発言を聞き、パワーポイントを見詰めていました。講演後、当時の猪瀬副知事と五分ほど立ち話をさせていただきましたけれども、参考になる内容を伝えていただいたように記憶をいたしております。最近は医療問題について調査研究を進める時間が多いのですけれども、今回のシンポジウムは大変に勉強になりましたと自分自身で書かせていただいております。
 また、平成二十一年の一般質問では、私は、都内の医療機関の整備が順調に進み、救命救急センターとして遜色のない病院になった場合には、都としても救命救急センターとして認めていただく考えがあるかどうかお伺いをいたし、答弁は、当時の安藤福祉保健局長、現副知事だったと思いますけれども、その際、救命救急センターと同等の能力や体制を有する病院は、それにふさわしい役割を担うことが望ましいと答弁がありました。
 当時、都内には二十三カ所の救命救急センターが整備をされておりましたけれども、この間、質問の後、都内での救命救急センター整備状況について、まずお伺いいたします。

○川澄福祉保健局長 平成二十二年に独立行政法人国立国際医療研究センター病院と国立大学法人東京大学医学部附属病院を、平成二十四年に東京都済生会中央病院を救命救急センターとして新たに指定いたしました。これにより、都内の救命救急センターは平成二十一年当時より三カ所ふえ、現在二十六カ所となっております。

○門脇委員 二十六カ所ということでありますから、今はそういう基準はないんですけど、当時の国の百万人に一人という基準からすれば、東京の特殊性ということはありますけれども、一千三百万人ですから、ちょうど倍の第三次医療機関が整備をされたことになります。
 質問の後、今、局長がおっしゃっていただいた三カ所を指定していただいたことは、とてもありがたいことだと思いますし、それぞれの病院は懸命に頑張っております。
 私は一昨年の夏に、一週間ほどですが、今お話のあった病院の一つであります国立国際医療研究センター病院に気管支炎を治すために入院をいたしておりました。とはいっても、手術をしたわけではありませんので、時間のあるときは病院の中を視察というと格好いいんですけれども、見て回っておりました。
 救命救急センターの入り口にも何度も行きましたけれども、最高で六台の救急車がとまっておりました。東京消防庁の隊員の皆さんともお話をさせていただきましたし、医師やナースや技師の皆さんも本当に現場で頑張っていると感じた一週間でした。
 余談ですけれども、先ほど挙げていただいた三つの病院ですけれども、国立国際医療研究センター病院の最寄り駅は若松河田、そして、東京都済生会中央病院の最寄り駅は赤羽橋、そして東京大学医学部附属病院の最寄り駅は本郷三丁目、いずれも都営大江戸線の駅であります。
 ところで、現在、私の地元である杉並区には、救命救急センターは整備をされておりません。救命救急センターは二次保健医療圏を基本として整備をするものではないことは、よく承知をいたしておりますけれども、同じ二次保健医療圏である新宿区には、東京医科大学病院、東京女子医科大学病院、そして、先ほど答弁のあった、二十二年から独立行政法人になりました国立国際医療研究センター病院が整備をされております。
 また、隣の圏域、北多摩南部だったと思いますけれども、杏林大学医学部付属病院、ここには国が指定をいたしております高度救急医療センターも併設をしてもらっております。そして、武蔵野赤十字病院があります。
 杉並区の救命救急患者は、実際には他の区や市の病院に運ばれております。これも平成二十一年の一般質問で明らかにしたことです。私は、このこと自体を問題にしているわけではありませんけれども、少し見方を変えれば、北側の練馬区、南側の世田谷区も同じような状況でありまして、この三区の人口の合計は二百万人を超えています。
 そこで、救命救急センターの指定に当たっては、地域性なども十分に検討すべきであると考えていますけれども、東京都ではどのような考えに基づき指定をしているのか、改めてお伺いをいたします。

○川澄福祉保健局長 救命救急センターにつきましては、集中治療室等の施設設備や、必要な診療科目に対応する人員配置など、重症患者を受け入れるための体制や能力を有することを指定要件としております。
 都では、申請を受けた病院の施設設備等を確認するため、実地調査を行うとともに、三カ月間の試行期間を設け、重症患者の受け入れ実績を確認した上で指定しております。その際には、地域の状況等についても勘案しているところでございます。

○門脇委員 救命救急センター、もしくは周産期母子医療センター、救急医療における、いわば最後のとりでであり、引き続きこのセンターの整備に取り組んでいただきたいと思います。
 そして、救命救急センターを支えるのは、地域の中核病院を中心とした医療連携体制であります。
 二十三区西部保健医療圏には、十月現在、一万五百三十八床のベッドがあります。この圏域の杉並区内に、立正佼成会附属佼成病院が来年九月に新しく開院をいたします。環状七号線に面した好立地で、病床数は三百四十であります。また、杉並区の医療基盤をつくってきたという意味では欠かすことのできない河北総合病院が増床することになっていて、これを加えますと杉並区では四百の病床がふえることになります。このことについて、そこで生活をされ働いている皆さんにとっては大きな朗報であろうと思います。
 一つの医療圏のことを紹介しましたが、こうした医療資源を活用し、救急医療体制を充実するためには、今申し上げた地域の中核病院を中心とした二次救急医療がそれぞれの強みを生かし、連携して救急医療の強化に取り組むべきと考えますが、東京都のお考えをお伺いいたします。

○川澄福祉保健局長 地域の救急医療機関が、それぞれの専門性や特色を生かしながら、連携して救急医療に取り組むためには、まず、医療機関相互に顔の見える関係を構築することが必要であります。
 このため、都では、地域救急会議をすべての二次保健医療圏に設置しております。地域救急会議では、圏域内のすべての二次救急医療機関が一堂に会し、地域の特性を踏まえた救急医療の連携強化について検討を行っており、区市町村の福祉部門、警察等もメンバーとなり、情報の共有化を図っているところでございます。

○門脇委員 ありがとうございます。引き続き、二次救急医療機関の連携を強化して、ぜひ救急医療体制をさらに充実していただきたいと思います。
 私もこれまで、都議会議員にならせていただいてから八年間、三次救急のことを中心に取り組まさせていただいてまいりましたが、やはり地域医療を中心的に担っているのは二次救急病院です。現在、杉並区内には七つの二次救急病院がありますが、例えば、名前は申し上げませんが、区南部地域にある病院は、ベッド数は五十以下でありますけれども、救急車の年間搬送数が千を超えている、頑張っているところもあります。
 このような医療機関を応援していただきたいと思いますし、これは私の少し考え過ぎかもしれないんですけれども、これは民主党政権であるとか、自民党政権であるとかということではなく、国の意向として、百床以下の病院については、どうも整理統合というものを進めているような気がしないでもありません。
 もちろん、そのことも必要性はあると思いますけれども、やはり地域で頑張っている二次救急病院、ぜひ東京都もいろんな形で支えていただきたいと思います。
 さて、先ほど述べましたように、立正佼成会附属佼成病院は、緩和ケア病床をビハーラ病床と名づけ、新規開院に伴って、現在の十二床を二十床に増床するそうであります。ビハーラとは、もともと立正佼成会は法華経を基盤とする在家仏教集団でありますから、宗教用語で安らぎの場、休養の場という意味だそうであります。この病院の基本理念である真観、真というのは真という字と、それから観は歌舞伎を観賞するの観と書きますけれども、これは正しく診て、正しく手当てをするということだそうですが、そのことと通ずることだと思います。
 これまでも私たち都議会民主党は、緩和ケアの充実について繰り返し質問をしてきました。がんと診断されれば、だれしも、まさか自分がと驚き、いわゆるがん告知、同時に大きな苦しみを抱えることになろうかと思います。患者が抱える身体的、精神的な苦痛の軽減を図ることは、患者の療養生活の質を高めるためにも最も大切なことであり、すべての患者ががんの早期から、診断、治療、在宅療養などさまざまな場面で緩和ケアを受けられる体制を整備していくべきだと思います。
 緩和ケアというと、ホスピスというか末期的なイメージもなくはないんですけれども、やはり早期から対応するというのががんの緩和ケアの基本であります。そうした意味からも、緩和ケア病床がふえることは喜ばしいことですし、さらにふやしていただきたいと思っております。特に、佼成病院は新規開院では全体では七床減るのですが、ケア病床は、先ほど申しましたように八床ふやしていただくということであります。
 今後、都民の二人に一人ががんにかかると推測される中で、緩和ケア病棟の必要性も高まると思います。
 そこで、緩和ケア病棟の整備について都の基本的な取り組みをお伺いいたします。

○川澄福祉保健局長 都は、緩和ケア病棟の整備を進めるため、平成五年度から緩和ケア病棟の新築、改修工事や、ベッド、浴槽などの整備に対して補助を行ってきました。
 現在、都内には二十二施設、四百十六床の緩和ケア病床が整備されており、今後とも、本事業により緩和ケア病棟の整備を支援してまいります。

○門脇委員 がんになっても安心して療養生活を送るためには、緩和ケア病棟などハード面の整備に加えまして、医師、看護師など医療従事者に対する緩和ケア研修や、患者家族の相談支援体制などソフト面の整備も重要であります。引き続き、ハード、ソフト両面から緩和ケアの充実に向けて取り組んでいただくよう要望いたしまして、次の質問に移ります。
 東京マラソンについてであります。
 二月二十四日、晴天のもと、都心を三万七千人近いランナーが駆け抜けました。私もスタート、そして、有明のフィニッシュで観戦いたしましたが、大いに盛り上がりを見せた、にぎわいも感じました。
 ただ、私は、申しわけないのですが、七回の大会ともに、スタートするすべてのランナーをお見送りした後、はとバスで東京ビッグサイトに移動して間もなく、車いすランナーのトップの方がフィニッシュするのでそれをお祝いし、それから制限時間である七時間いっぱいに帰ってくる市民ランナーを出迎えるので、申しわけないのですが、沿道百七十万人の皆さんの熱烈な応援は見ていませんというか、見ることができません。
 しかし、フィニッシュ地点では、お帰りなさい、お疲れさまでしたと声をかけさせていただくと、市民ランナーが皆さん手を振ってこたえてくれました。どちらが激励されているのかわからないくらいであります。
 さて、現在五都市だったと思います、WMM、ワールドマラソンメジャーズに加入して初めての大会となり、昨年からその数がかなりふえて世界七十カ国の国でテレビ放映をされるなど、脚光を浴びる中、無事終了いたしました。
 私は、多くの方の思いと同様、この東京マラソンの成功が、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京招致に向けた最大級の活動といえるのではないかと思います。ぜひ招致をしたいところであります。
 知事は、昨年の大会ではランナーとして初完走をされておりますが、今回はスターターを務め、ツイッターで約束をされたように、最初から最後のランナーが出るまで手を大きく振って見送っておられました。そして、フィニッシュでは、マラソン男子及び女子の優勝者に金メダルを授与して、私も表彰台の後ろで拝見をいたしておりました。
 また、沿道の、浅草などの拠点を視察し、ランナーとハイタッチをして応援するなど、いわば大会会長の立場で熱心に終日行動されたそうですけれども、東京マラソン二〇一三の率直な感想、今まで一部答弁もありますけれども、改めてお伺いしたいと思います。

○猪瀬知事 ことしの東京マラソンでは、晴天で、スターターを務めましたが、三万六千人以上が全部この前を通り過ぎるのに二十分以上かかるんですね。日本人は明るい。何となく日本人は暗いと思う人がいるかもしれないが、こんなに日本人は明るいんだなというのは、色とりどりのウエアとコスチューム、すごい楽しそうに手を振るんですね。
 僕はフィニッシュ地点の近くでファミリーランといって、二キロぐらいです。小学生と保護者のペア、それから被災地から来ていただいて、そういう家族もいまして、ファミリーランというのは親子で走るんですけど、これがまた、小学生が結構速い。二キロですけれども、息がはあはあして。小学生がキロ六分ぐらいで走るんですね。僕でも、幾ら走っても、遅い方でした。
 そういうこともあって、いろいろやりまして、一万人のボランティア、百七十万人の観衆、そして三万六千人以上のランナー、みんなが一つになる、こういう大きな祭典、東京マラソンは本当にすばらしいなと改めて思いました。
 そして、ワールドマラソンメジャーズに今回入れたわけですね。ロンドン、ベルリン、シカゴ、ボストン、ニューヨーク、そして東京、六大メジャーズ。そうすると、世界から二時間四分台の選手も参加してきます。招待選手のレベルが上がり、大会記録も更新されました。
 そして、ホスピタリティーあふれる温かい心で活動し大会を支えたボランティア、この人たちの力。前にも述べましたが、三万六千人の荷物を全部、ホテルのクロークのサービス以上に、またちゃんと仕分けして返す。そして、倒れたランナー、心拍停止、二人いたけれども、AEDでランナーや沿道の人が助けて、二人、生き返った。だれも死んでいない。すごいことです。
 こういう温かい気持ちのこもった運営能力を世界に示すことができたと思いますが、ことし、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック開催都市が決定する年でありますから、この開会式のときに、スタート地点で埼玉県知事、神奈川県知事、千葉県知事も駆けつけて東京招致宣言を行い、東京招致PRに力を注いだと、こういうことになります。
 この勢いをオリンピック・パラリンピック東京招致につなげたい。自信を持って、すばらしい東京都民だと思いますので、ぜひとも、ここでオリンピック・パラリンピックを開きたいなと、あのマラソンを見ながら本当に思いました。このマラソンの百倍ぐらいの規模になりますからね。すばらしいことです。
 以上です。

○門脇委員 今お話の中にもありましたけれども、ワールドマラソンメジャーズ、もちろんアジアでは初めてでありますけれども、わずか六回の開催の中で、これほどの国際的な地位を確立し、文字どおり世界最高峰の位置づけを得たことは、私も第一回からかかわらせていただいた一人として、本当にすばらしいことだと思います。国外からも、注目度も違ってきているのではないかと思いますし、先ほどお話ししましたように、テレビ中継も、たしか昨年は三十数カ国だったと思いますが、ことしは七十カ国にふえております。
 同時に東京マラソンの開催というのは、当然、観光振興にも大きな役割が期待をされておりますけれども、今回の外国人ランナーの状況と今後の対応について興味がございますので、お伺いをいたします。

○細井スポーツ振興局長 今回の大会では、外国人のランナーの参加者が約三千人となりまして、これまでの最高でございます。東京マラソンは、ランナーばかりでなく、ボランティア、沿道の観衆など国内外から大勢の集客をもたらしまして、東京の観光振興にも大きく寄与しているところでございます。
 今後も、東京の魅力やホスピタリティーのすばらしさを世界に発信するため、ホームページの充実やほかのメジャー大会との連携を強めるなど、海外PRも強化し、スポーツツーリズムの推進を図ってまいります。

○門脇委員 そうですね。またぜひお願いしたいと思います。
 しかし、これはもう皆さん方、私たちもよくわかっていることですけれども、今回の大会でも、ある意味、うれしい悲鳴という部分ではありますけれども、エントリーしている抽せん倍率で十倍を超えております。ここ数年、高倍率の傾向が強くて、最初のときが、雨風強い第一回目でありましたけれども、三・数倍から、五、七、九と上がってきまして、今回は十倍を超えました。
 こういったことについての対応、対策というものについて、現在も一部やられていることは承知しておりますけれども、お伺いをいたします。

○細井スポーツ振興局長 お話のとおり、マラソンの申込者が多数いることから、二年前の法人化を契機に、年一回のマラソン大会だけでなく、年間を通じた多彩なランニングイベントを開催いたしまして、三万六千人という定員の制約から、参加できなかった多くのランナーのニーズにこたえているところでございます。
 また、チャリティー制度として、寄附への賛同者は抽せんによらず東京マラソンに参加できるよう、先着三千人の枠を設けております。
 今後とも、外国人を含め、多くの方から賛同が得られるよう工夫を重ねまして、寄附文化のさらなる醸成を図り、魅力ある大会としてまいります。

○門脇委員 今の細井局長の答弁には期待をしておりますし、それぞれ工夫を凝らした方法に効果があることは間違いがありません。
 ただ、しつこいようなんですけれども、できれば、二〇二〇年、東京オリンピック・パラリンピック招致ができればのことでありますけれども、しかも今回、WMMに加盟したこともありますから、参加者五万人の大祭典に成長すれば、それは大変に喜ばしいことではないかと思います。
 もちろん、ランナーの待機スペースのことなど簡単に解決をするとは考えておりませんが、しかし、他のWMMマラソンのように複数地点からスタートして、そして途中で合流してフィニッシュに向かうという方法などもあるかと思います。警視庁など関係機関との調整というものも重要だと思っておりますけれども、今から検討していただきたいと要望いたします。
 次に、アジネット21のことを中心としてお伺いをいたします。
 このネットワークでは、これまで、産業、環境、危機管理、文化、スポーツ等の幅広い分野の共同事業に取り組み、着実に成果を重ねてきたと思っております。
 私は、一昨年のちょうどこの予算特別委員会ではこの問題を取り上げまして、特にそのときは東京都交響楽団など、文化、音楽などの視点から質問させていただきました。
 ところで、昨年の六月のシンガポール総会では、平成十三年、二〇〇一年でありますけれども、このネットワーク創立後初めてとなる新規加入都市として、モンゴルのウランバートルと、ロシアのトムスクが加入し、会員都市が十三都市に拡大をされました。私はロシアのトムスクというのはよく知らなかったんですけれども、このパンフレットを見ますと、人口が百五万人で、これはちょっと位置づけがどの辺かというのはなかなかいいづらいところなんですけれども、ここを加えたと。ネットワークが設立されて十年以上が経過、総会開催都市が一巡するという、まさに新しいステージに向かう時期にふさわしい出来事ととらえております。
 そこで、新たな会員都市二都市、今申し上げた二つの都市、アジア大都市ネットワーク21にどのような影響をもたらしたのか、今後の取り組みとあわせてお伺いをいたします。

○前田知事本局長 ウランバートル、トムスク、この二つの都市は、既に参画する共同事業を決定いたしまして、早速、東京が開催いたします水道事業研修に参加しております。また、トムスクが学生の交流・育成プログラムを提案するなど、他の会員都市との協力や交流も開始されているところでございます。
 この二つの都市は、ともに豊富な天然資源を有するとともに、若年人口比率が高いなど、大きな成長が期待されるという共通点を持っております。
 今後、この高いポテンシャルを生かしまして、資源エネルギー、若者の交流など新たな課題にも対応しながら、共同事業等の成果を充実させまして、アジアの一層の発展につなげてまいりたいと思います。

○門脇委員 引き続き、新しい二つの都市が加盟したことをきっかけとして、拡大充実を図っていただきたいと思います。
 ただ、やはりこのアジア大都市ネットワーク21という名称のとおり、これは余談ですが、先日の東京マラソンのフィニッシュ地点で猪瀬知事と少しお話を歩きながらですがいたしましたけれども、やはりちょっと気になるのは、中国の首都、北京市のことであります。中国は、ご承知のとおり、アメリカに続く世界第二の経済大国になっておりますけれども、その中国の首都である北京市、平成十七年だったと思いますけれども、脱退、離脱をしたままになっております。
 私が把握をしている、知り得ている情報では、北京が当時、アジネットを離脱、脱退した直接の理由は、次期総会開催都市をめぐる台湾、台北とのあつれきであって、日本や東京の外交関係が、あるいはその不手際などが影響したわけではないということであります。
 しかし、中国と台湾の今日的な関係というものは極めて良好になっております。ちょっといろいろきょう申し上げようと思ったんですけれども、時間がありませんので、一部省略をいたしますけれども、かつて考えられなかったような、例えば、今、台湾の政権政党は中国国民党でありますけれども、その国民党の幹部が中国、北京に行って、中国共産党の幹部から大歓迎を受けると。与党ならまだわかるんですけれども、野党の民主進歩党、民進党の幹部が中国に行って、中国共産党から大歓迎を受けるという時代でありますし、また、台湾の貿易高の第一位は中国、第二位は我が国、日本であります。
 ですから、いろいろな問題はあると思います。特に日中間には尖閣の問題があります。私は、この尖閣諸島のことについては、日本固有の領土であることは歴史的にも国際的にも間違いがないという考えは一ミリも動きませんけれども、しかし、だからこそ、国と国とではなく、都市間交流の機会というものが私はこれからあってもいいと思いますし、きのう、おとといも、この委員会で出ておりましたけれども、例えばPM二・五のことについて、残念ながら、北京市からは今のところ答えはないということであります。(猪瀬知事「全人代やっているからね」と呼ぶ)そうですね。まあ全人代は国全体ですけど、北京人代もやっているんでしょう。
 それで、もう一つは、やっぱり、その北京の復帰、再加入ということは、これからいろいろ政治的な判断も必要だと思いますけれども、一昨年、私、東京都議会の、東京都とそれから北京市の、これは議会同士ですから、こちらは都議会、向こうは北京人代であります。人民政府ではありませんけれども、私、不肖団長で行かせていただきましたし、この会場にも団員の方、何名もいらっしゃいます。
 そのときに、北京人代の秘書長が、私、この問題をお伝えいたしましたところ、北京の人民政府に伝えたいということをいわれておりました。これについては、本会議場での正式な報告もいたしております。今後、いろいろ難しい問題はあろうかと思いますけれども、検討していただきたいと思います。
 それから、もう一点、近年の事業展開の中で私が注目をしているのは、会員都市間の経済交流の取り組みであります。
 アジアの大きな経済成長はASEANからインドに至るアジア南東から西南地域中心に展開をされていくことになるでしょう。ASEANの人口は約六億人、それから、インドの人口は十二億人、合計で十八億人もの人口を抱える巨大市場は他に例を見ないものであります。
 いろいろ、東京で開催される展示会であるとか、見本市であるとかありますけれども、アジア大都市ネットワーク21会員間の経済交流について、外国での実施状況を伺うとともに、当該年度、新年度の展開についてお伺いをいたします。

○前田知事本局長 平成二十二年の東京総会におけます共同宣言を踏まえまして、アジアの大都市間の経済交流を開始しております。
 一昨年十一月、これはソウルで開催された低炭素グリーン成長博覧会にアジアゾーンを設置し、東京も出展いたしました。
 今年度は、先月、インドのデリーで開催されました見本市に参加し、東京の中小企業七社の先進的な技術を紹介するとともに、会員都市の産業や投資環境等をPRしております。合計百十六件の商談が実施され、今後の成果が期待されるところでございます。
 さらに、来年度ですけれども、秋に予定されているハノイ総会及び日越、日本とベトナムの交流四十周年とも連動して、ハノイの見本市にアジアゾーンを展開いたします。東京を含むアジアの企業や産業を相互に紹介し、成長著しいASEANの活力を取り込みながら、都市間の経済交流を促進してまいります。

○門脇委員 ありがとうございます。今お話の中にもありましたように、ことしは日越、日本とベトナムの国交を樹立してから四十周年、それから、日本ASEAN友好協力四十周年という絶好のタイミングであります。ぜひ、東京の中小企業の海外展開や各都市間の企業交流が成功するよう、成果を目指して取り組んでいただきたいと思います。
 それでは、最後の質問になりますけれども、交通局に三問通告をさせていただいておりますが、残りは二分を切りましたので、局長、大変申しわけございませんが、三つの中で、新年度から開設が予定されておりますお客様センターの設置のことについて、これは四月から新しくオープンをするようでございます。都営交通のサービス向上というのは大変重要なことでありますけれども、この概要についてお答えをいただきたいと思います。

○中村交通局長 交通局では、これまで地下鉄、バス、都電などの事業ごとにお客様から寄せられる質問や意見などを、本庁や各事業所等で分散して受け付けておりました。
 今回設置いたします都営交通お客様センターでは、これらの窓口を集約いたしまして、ワンストップで迅速に対応することにより、お客様の利便性の向上を図ってまいります。
 また、センターでは、お客様の意見、要望等をデータベース化いたしまして、それを活用することにより、さらなるサービス向上に役立ててまいります。

○門脇委員 ありがとうございます。一点に絞らせていただきまして大変失礼をいたしました。
 いずれにいたしましても、公共交通でありますから、利用者、利便者、このサービス向上を最も大切なこととしてお願いをさせていただき、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)

○斉藤委員長 以上で、門脇ふみよし副委員長の発言は終わりました。

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