予算特別委員会速記録第四号

○鈴木(貫)副委員長 次いで、大山とも子委員の発言を許します。
   〔鈴木(貫)副委員長退席、委員長着席〕

○大山委員 まず、原発に関する知事の姿勢についての問題です。知事に伺いますから、ちゃんと答弁よろしくお願いいたします。
 福島の原発事故で明らかになったことは、原発が一たん暴走を始めたら、周辺の地域社会を丸ごと存続の危機に追い込んでいくばかりか、放射能を世界じゅうにばらまき、将来にわたって、国民に重大な影響を与えるものだということです。この過酷な事故は、政府や東京都のオリンピック申請ファイルがいっているように、収束に向かうどころか、収束への展望さえ見出しておらず、こんな危険なものはない、これが大多数の被災者、国民、都民の実感であると思います。
 ところが、知事は、我が党の代表質問に対し、原発について、山の上にあったらあんな被害は起こらずに済んだ、海浜を立地として構えることが誤りだったという答弁を行い、昨日は、本委員会で、極端なことをいうと、東京湾につくってもいい、千葉県の鋸山の頂点にでもつくったらいいとまでいいました。驚くべき暴言です。
 仮にも、重大事故が起これば、それこそ日本の心臓部が壊滅的打撃を受けます。あなたの無責任な暴言を都民は絶対に許さないでしょう。この場で都民及び千葉県民に謝罪し、発言の撤回を行うべきです。お答えください。

○石原知事 相変わらずですな、共産党というのは。人のいったことを意識的に曲解し、デマゴーグを世間に振りまくというのは、あなた方の本家のロシアでも、ご同僚たちが独裁支配している隣のシナでももう通用しませんよ。私は一つの文明論をいっただけでありまして、これについて何の釈明もしませんし、一つの論として申し上げたことで、それについて謝罪するつもりは毛頭ありません。

○大山委員 答えに窮すると、いつでも悪罵を投げつける、そういう状況ですよね。どんな技術も絶対安全ということはないんです。事故の確率は、自動車事故や飛行機事故よりもはるかに低いですけれども、原発事故は、一たび発生したら、地域社会、さらには日本社会全体に取り返しのつかない事態を引き起こすことを私たちは今経験しているんです。
 昨日の発言は、知事がどういい繕おうと、それから開き直ろうと、許されないものです。いっていいことと悪いこともわからないんですか。
 知事は、よくいいますけれども、フランスは事故がないといいますが、フランスでこれまで重大な事故がなかったのは、日本のように地震、津波が頻発していないことが幸いしているんです。地震国日本では、山でも海でも、どこにつくっても、地震による重大事故の危険は避けられません。したがって、日本の方がフランスより重大事故が発生する確率が高い。要は確率の問題なんです。
 そもそも原発に……(石原知事「津波の問題なんだよ」と呼ぶ)じゃあ、知事、そんなこというんだったら、津波で壊れたんだ、地震ではない、そういう証明があるんですか。
 もう一回いいますよ。津波で壊れたって、津波だといいますけれども、津波で壊れたもので、地震ではびくともしなかったという証明があるんですか。(発言する者あり)知事に聞いてるんですよ。

○秋山知事本局長 政府の調査や報道ベースによりますと、知事が今いいましたとおり、津波によって全電源喪失をしたこと、これが事故の大きなきっかけであるというふうに理解をしております。

○大山委員 国会の中でのやりとりでも、地震で壊れなかったという証明はできていないんですよ。それぐらいちゃんと自覚しておいてください。
 そもそも、単に立地の問題では片づけられない異質の危険があるんです。
 知事に聞きますよ。我が党はこれまで、知事に何回となく、原発で一たん重大事故が発生し、放射性物質が外部に放出されると、もはやそれを完全に抑える手段が存在しないという事実に対する認識をただしてきました。
 ところが、知事は、この質問に対して、答えません。もしくは、根拠も示さず、否定してきました。完全に抑える手段を持っているというんだったら、きょうこそ、フランスでは事故は起きていないなどというものではなくて、科学的な根拠を示してください。
   〔秋山知事本局長発言を求む〕
〔大山委員「知事です、知事に聞いてるんです」と呼ぶ〕

○秋山知事本局長 これまでの知事の議会答弁並びに記者会見で、るる知事からご説明をさせていただいておりますが、あくまで今回の原発事故は、管理の問題であって、それぞれの立地ごとに、地勢学的条件を考慮するのは当然のことであって、日本の誇る技術を活用しながら対策を講じ、その上で原子力を有効に活用することは可能だという趣旨の答弁、記者会見など何度も繰り返しておるところでございます。

○大山委員 立地の問題じゃない。そして、知事は、大体自分がいったことにも、自分で答えられないわけですよね。困りますよ、それでは。立地の問題じゃないんです。
 私たちが聞いているのは、原発は安全だという根拠を示してください、知事がそういうんだったら根拠を示してくださいって、そういっているんです。しかし、今回も、原発は安全だという根拠を示すことはできないわけです。
 もちろん私も、技術の進歩を否定するわけではありません。しかし、一たび原発事故で放射能が外部に漏れ出したら、それを抑える手段、技術をいまだ人類は手に入れていないんです。これが重い現実じゃないですか。(石原知事「そんなことわかり切ってるよ」と呼ぶ)それだったら、それでいえばいいじゃないですか。手に入れてないというんだったらちゃんと答弁してくださいよ、そんなやじじゃなくて。手に入れていないんですね、知事。

○秋山知事本局長 先ほどからご答弁申し上げてますとおり、管理の問題であって、地勢学条件を考慮するのは当然のことでございます。日本の誇る技術を活用しながらやっていくということで、手に入れた入れない、イエス、ノーというような趣旨では、知事の方は発言もしておりません。

○大山委員 知事、やじじゃなくて、ちゃんとマイクがあるんですから、知事に聞いてるんですから、知事が答えてください。根拠を示してください。

○石原知事 今、本部長も説明しましたとおり、私の発言を正確にトレースして理解をしていただきたい、日本語がわかるならば。

○大山委員 結局、根拠を示せないわけですよね、安全だという。
 先月の末、名古屋大学が主催した震災一年のシンポジウムで、特別講演に立ったドイツの世界的核物理学者、ハンスペーター・デュール氏は、原子力エネルギーには一〇〇%反対しています、こう切り出したそうです。そして、最悪の事故に至る確率がゼロでなく、結果が受け入れがたいものであるなら、迷わずノーといわなければなりません。こう訴えました。知事、この発言の重みをしっかり認識していただきたいと思います。
 核分裂の威力を知り尽くした世界的核物理学者だからこそ、それがいかに制御しがたいか骨身にしみているんじゃないでしょうか。あなたは、何を聞いても、その根拠を示してくださいといっても、まともに答えられません。
 たしか昨年の四月一日、知事は記者会見で原発について問われ、僕は余り知らないんですよ、原発のこと、こう答えました。そのとおりだと思います。それなのに、知事は、管理さえしっかりやれば、原発は安全であるかのようにいい張っているんです。無責任ですよ。都民の皆さんの原発ノーの運動が大きく広がっています。知事は、無責任な原発必要論、安全論を振りまくのはやめるべきことを強く申し述べておきます。
 次に、低線量の放射能による内部被曝についてただしたいと思います。
 私のもとに、小学生を含む二人のお子さんを持つお母さんからの手記が寄せられていますので、その一部を紹介します。
 三月十五日、東京も高濃度の放射能に襲われた日、私は自分の無知から、子どもをいつもどおり、マスクも帽子もつけず登校させました。下校後には習い事にも行かせました。その後、東京もかなり汚染されていたことを知り、私は何度自分を責めたでしょう。これから日本の農業は一体どうなってしまうんだろうと悲壮感に包まれました。放射能の影響について、だれのいっていることが正しいのかもわかりません。ただ、危険かもしれないというのであれば、極力それを子どもから避けてやりたいと思うのです。ドイツの基準が四ベクレルだと知れば、目安にしたくなります。こんなに振り回されている母親を愚かだと笑いますか。
 知事は、低線量の放射能による内部被曝に心を痛めているこうしたお母さんたちの思いをどう受けとめますか。知事、答えてください。知事ですよ。
   〔杉村福祉保健局長発言を求む〕
   〔大山委員「知事です。知事です」と呼ぶ〕

○石原知事 子を持つ親としてのセンチメントにかまけた心配はよくわかります。

○大山委員 知事ね、よくわかる、よくわかるということだったら、本当にそれをしっかり受けとめてくださいよ。(石原知事「受けとめてるよ」と呼ぶ)受けとめたら、ちゃんと、どうしたらこの不安を取り除くことができるのかということを実践しないとだめじゃないですか。
 内部被曝の原因の多くを占める食べ物から取り込む放射線量をいかに抑えるかが行政に鋭く問われています。
 そこでお聞きします。国や都が今やっている検査体制や頻度で、基準を超える食品をすべて排除できるんですか。

○杉村福祉保健局長 食品につきましては、暫定規制値を超える農産物等が流通しないよう、生産地での検査結果に基づき、出荷制限等を実施する仕組みを国がきちっと構築をしております。
 また、国の研究機関では、生産地における検査の効果を検証するため、流通段階で検査を行っておりまして、二月末現在、千百四十七件の結果が公表されております。
 都におきましては、これに加えまして、都民の食の安全・安心を確保するため、小売店に流通する食品について、都民が日常的に摂取する野菜類や、また子どもが継続的に摂取する乳製品などを中心としてモニタリング検査を独自に実施しており、これまでに実施をしました四百八十八の検体から、暫定規制値を超える放射性物質は検出されておりません。
 国の発表によれば、国や地方自治体等において、これらを含めて、これまでに十二万件を超える食品が検査をされておりまして、暫定規制値を超えたものにつきましては、速やかに出荷や流通が停止をされております。
 このように、生産段階、流通段階それぞれで検査が行われておりまして、食品の安全は確保されているというふうに認識をいたしております。

○大山委員 食品の安全が確保されている、こういう認識だということですけれども、余りにも現実を無視したものです。
 日本人の主食であります米の放射能測定は、産地では十五ヘクタールに一カ所にすぎません。野菜などは種類によって、ホウレンソウならホウレンソウ、一自治体一検体、こういう検査です。東京都は、市場に出回っている食品については、今年度じゅうに五百検体を検査するという程度のものです。これで食の安全・安心が確保できるとでもいうんでしょうか。
 例えば、昨年十一月に、福島県知事がお米について安全宣言をしました。その五日後にセシウムが検出されました。昨年六月には、パリのシャルルドゴール空港で、日本から輸入したお茶からキログラム当たり千三十八ベクレルのセシウムが検出されました。こうした例が絶えません。
 都が実施している流通食品の検査では、暫定基準値を超えるものは出ていませんけれども、国の検査で二月三日に、つい最近ですね、都内スーパーで売っていた栃木県産の原木シイタケから、キログラム当たり六百ベクレルの放射性セシウムが検出されています。今、国や都が実施している程度の検査では、基準を超えた食品が幾らでもすり抜けるんです。これが現実ではありませんか。
 例えば、毎日食べるお米です。東京大学アイソトープ総合センター長の児玉教授にお聞きしました。セシウムの稲への移行は、田んぼに入っている落ち葉や枯れ草、そういうものについたセシウムが、夏の間に落ち葉が分解するわけですね。そういうときにセシウムが出てくる。だから、予測が難しい上に、田んぼによって状態が違うんですね。ですから、詳細に測定しなければわからない、そうおっしゃってました。にもかかわらず、十五ヘクタールに一カ所の検査で安全だといえるんでしょうか。稲と田んぼのセシウムの関係をそこまでちゃんと調べた上で物をいっていらっしゃるんですか。

○杉村福祉保健局長 今、お米の問題で、十五ヘクタールに一カ所と、一点というお話がございましたけれども、この米の検査につきましては、単に十五ヘクタールということではございませんで、二段階で、収穫前、収穫後の段階できちっと検査をするということが確立されております。
 まず、予備調査をやりまして、予備調査で異常があったところについては二段階で実施をすると、そういうルールができておりまして、通常の品目よりも入念に調査をすることといたしております。
 したがって、単に十五ヘクタールに一カ所というのは、非常に誤解を生む発言ではないかというふうに考えております。

○大山委員 主食のお米ですから、きちんとやらなきゃいけないんです。しかし、今の予備調査と十五ヘクタールに一カ所だって、田んぼ一枚ごとに違うわけですよ。山の方にある田んぼ、それから平地にある田んぼ、全く条件が違うし、山の間に、谷戸地のようなところにあるところだって、こっちの田んぼと先の方の田んぼでは、葉っぱの入りぐあいも違うだろうし、そういう状況があるわけですよね。ですから、きちんと詳細にやらなきゃいけない、そういうことなんです。
 都民の不安はそれでは解消しません。国に盲従するんじゃなくて、またお金かけたくないという立場ではなくて、都民の内部被曝を可能な限り減らすという立場で、お米の全品検査を生産地で実施するよう国に要望すべきです。
 この全品検査ということについて、空港の所持品検査のように、十五秒で三十キロの米袋、それごと、測定限界値がキログラム当たり十ベクレルで検査できる機器が開発されて、五月には発売されるんです。お米の全品検査は可能です。生産地でやるというのは可能です。検査機器は日々進歩しています。ですから、きちんと国に、これも東京都からもいっていただきたいと思っています。
 今、東京都は、今の検査頻度で十分、安全は担保されている、そのように認識をいっていますけれども、海外では、日本の食料をそう見てはいません。海外で日本からの輸出食品をどう扱っているか、東京都はご存じでしょうか。
 私、調べてみました。三月九日時点の輸入規制措置、例えば韓国では、日本の七つの県について、野菜などの輸入を停止しています。中国は、十の都県、東京都も含めて、すべての食品を輸入停止にしています。ブルネイでも、八都県のすべての食品を輸入停止。クウェートは、四十七都道府県すべての食品を輸入停止。アメリカは、それぞれの県によって食品の種類は違いますけれども、八県の食品を輸入停止しています。日本の生産者は、今、輸出できなくて困っているんです。
 この各国の輸入規制について、知事はどう思いますか。

○杉村福祉保健局長 日本の食品の基準値については、もう既にさまざまなところで公表されておりますけれども、諸外国と比較して最も厳しい基準値が、暫定規制値が現在ございます。また、四月からは、それに加えてより厳しい基準値が策定をされて、そこに基づいて検査をする、そういうことで全く問題はないものというふうに考えております。

○大山委員 幾ら基準が厳しくても、頻度がまばらだったら、どんどんすり抜けていくんですよ。そういうことですよ。幾つもの国が日本の食品を輸入停止にする。日本の検査体制を信頼していないからです。都民のためにも、生産者のためにも、抜本的な検査体制の拡充を国に求め、東京都としても流通食品の検査体制の抜本拡充を行い、日本の食品はちゃんと検査して、この値です、こう胸を張っていえるようにすべきことを重ねて申し述べておくものです。
 よく風評被害といいますけれども、はからないことが風評被害につながるんです。はかって明らかにして、生産者の被害に対しては、政府と東電の責任で補償することです。
 子どもたちが毎日過ごしている保育園や学校、公園の放射線の量はどうなっているんだろう、子どもたちが遊んでも大丈夫だろうか、都民の皆さんは心配しています。
 放射能は、食べ物だけではなくて、空気や土壌を通じても体内に入ってくるからです。子どもの放射線の影響は、大人の三倍から十倍といわれているわけですね。このため、各地域でたくさんの市民が独自の測定運動を続け、区市町村の測定器の貸し出しは何カ月も先まで予約でいっぱい、そんな状況です。だからこそ、都内の区市町村や近隣の県、政令市などでも、国のガイドラインにとどまらない独自の放射線測定を行って、より厳しい除染基準を設けているんです。
 ところが、東京都はどうでしょう。本会議で、我が党の調査で、水元公園の落ち葉を含む土壌がキログラム当たり最高二万三千ベクレルを超えているところがあることを指摘し、対策を求めたことに対し、都は、国のガイドラインに基づき、測定する必要がないし、除染の必要がないといい張って、全体の中での位置づけなしに断片的な数値を発表することは無用な混乱を招くとまで述べました。都内の区市町村や近隣の県、政令市と比べても、その硬直ぶりは際立っています。
 局所的に高い濃度の土は、水元公園だけではありません。プリントがありますので見てください。これですね。局所的に高い土は、我が党の調査では、例えば都立東綾瀬公園、足立区ですね。そこでは一万二千ベクレルを超えるところがありました。
 江戸川の土手下、これは高目です。河川敷駐車場で一万二千ベクレル。土手下の河川敷で一万三千ベクレル。また、土手下の住宅と隣接する地点で、最高二万ベクレルを超えるところがありました。土手下には、保育園、幼稚園、学校、病院もあります。東部地域だけではありません。臨海部のお台場でも一万ベクレルを超えるところが発見されているんです。私たちだけでなく、多くの区も、住民の皆さんも測定しています。
 都は、こうした測定も無用な混乱を招く、そういうんでしょうか。

○大野環境局長 まず、都内の全般的な状況についてもう一度復習させていただきますけれども、これは文部科学省が東北から関東全域をはかっています。その中でも明らかなように、関東地方の中でも、東京は非常に低い状況にあります。高くありません。その上で、東京の中では比較的高い東部の三区についてはかったということでございます。
 きょう急遽発表していただいた共産党の資料でございますけれども、きょうの発表を拝見しますと、今回の調査結果から、都内でも比較的高濃度な汚染が一定の広がりを持っていると考えられるというふうに書かれておりまして、あたかも都内が広域的に汚染されているかのような発表をされております。
 しかし、この面的な汚染につきましては、環境省が調査のガイドラインを出しておりまして、そこでは、地域の代表的なポイントを選ぶために、くぼ地とか花壇とか草地とか建物の近くは避けるというふうになっております。
 しかし、共産党がきょう発表された調査ポイントを見ますと、まさに草地とかくぼ地とか、こういうものを選んでおりまして、広域的な広がりを把握するためには全くふさわしくないと、そういうポイントを選んでおります。
 しかも、このようにして選ばれたポイントの中でも、一応、面的な汚染の基準となっているといわれている高さ一メーターで〇・二三マイクロシーベルトというのを超えているのはわずか四ポイントしかありません。しかも、これは、我々が前からもうそこにあるというふうにいっている区部の東側の一部の地域です。
 それから、ベクレルについても、前も八千ベクレルというお話をされておりますけれども、これは前から本会議でもご答弁しましたが、八千ベクレルという数値は、これは焼却灰の埋立処分をする作業者の方が、一日八時間二百五十日の労働時間の半分、つまり年千時間を焼却灰の近くで作業する、この場合の基準なんです。ですから、これを市街地のごく局所の汚染と比べることは全く意味を持たないということであります。

○大山委員 あなたたちは本当に調べもしないで、どうしてそういうことがいえるんですか。
 今も環境局長、いいましたけれども、キログラム当たり二万三千ベクレルと、廃棄物の指定基準の八千ベクレル、比較することは適切ではない、そういいましたね。
 しかし、一キログラム当たりセシウムが二万三千ベクレルというと、約一・六キログラムの土ですよ。(実物を示す)このぐらいですよ。これは汚染されていない土ですが、セシウムがキログラム当たり二万三千ベクレルの土がこれぐらいあるだけで、放射線障害防止法に基づく放射線管理区域以外では扱ってはならないとされている基準を超えてしまいます。原子力施設ならば、外部に持ち出してはいけないとして、放射性物質の核種に応じた取り扱い、管理が必要とされるレベルなんです。
 そういうものが子どもたちが日常的に遊んでいる、そういう公園に点在しているんですよ。それでも問題ない、そういい張るんですか。

○大野環境局長 これも本会議で申し上げましたけれども、国が除染の長期的な目標としている年間一ミリシーベルトというのは、毎時〇・二三マイクロシーベルトの放射線量を五千二百五十六時間浴び続けた場合に初めて一ミリシーベルトを超えるというものでございます。
 今もお話がございましたように、都内の場合には、こうした面的なものはございません。存在しているのは、あくまでも局所的なものでありますから、そこにつきましては、そもそも滞在時間が短いと。それから、少し離れれば、我々の調査では六十センチぐらい離れれば二十分の一ぐらいになると、そういうものでございますので、これが直ちに都民の健康に問題を引き起こすものではないということでございます。

○大山委員 私たちは局所的な汚染をいっているんです。つい最近出た、この環境省の放射性物質による局所的汚染箇所への対処ガイドライン、これだって局所的な汚染を早く見つけなさい、そう書いてあるじゃないですか。
 私は、今、環境局が発言しましたけれども、そういう安全側に立たない無責任ともいえる立場にどうして固執するのか、環境省に問い合わせをしましたよ。環境省は、外部被曝しか考えていない、内部被曝は考えていないというんです。これでは環境局に話してもしようがありません。
 東京都では、子どもたちの内部被曝を避けるために何をなすべきかを考えている方はどなたですか。その方が答えてください。いいですか。担当の方は、放射線障害防止法を読んだことがありますか。一万とか二万ベクレルの土がこれぐらいあるだけで、管理区域以外に持ち出してはならないんです。公園や学校などにあってはならないんですよ。こういう危険なものが、どこにどれぐらいあるかどうかも調べなくても構わない、そういうのでしょうか。答えてください。

○大野環境局長 もちろん、放射能の問題というのは初めて直面したものでございますから、いろんな不安があるのは当然だと思います。その不安をどうやって解消していくかというためには、この前もご答弁したように、正確に冷静に考える必要があるということでございます。
 一般の公衆の場合の年に一ミリシーベルトというのはどういうことかと申しますと、これは、生まれてから七十五歳まで生きていくと、その間に毎年一ミリシーベルト浴びたとしても、それが許容できるリスクの範囲におさめようということで、その場合に設定されたものでございます。
 したがいまして、毎年毎年一ミリシーベルトということじゃなくて、これは五年間にわたって平均が一ミリシーベルトというふうになっています。しかも、これは一ミリシーベルトまで持っていくのは長期的な目標であるというふうにされております。
 こういう有害な物質というのは、もちろん放射能以外にもたくさんあるわけでございますが、例えばベンゼンとか、そういう大気汚染物質と違いますのは、放射能の場合には、一回放出されましたら、それが次々に新たに放出されてくるという状況にはございません。
 したがって、これは物理的に、あるいは自然的に減衰していきます。現に、この一年間で二〇%程度減衰しておりますし、さらに今後一年間で二〇%ぐらい減衰していきます。それで、四年後にはさらに半分になるということでございますので、そうした状況を見ながら、落ちついて冷静に対処することが必要であると、このように考えております。

○大山委員 正確になんてよくいえますよ、調査もしないで。大体、なるべく少なくする、それは、これから医療の放射能を受けることだってあるわけですよ。だから、なるべく少なくするというのが基本じゃないですか。
 知事、そもそも福島原発事故までは、IAEAの国際的基準に基づき、一キログラム当たり百ベクレルを超える場合は、低レベル放射性廃棄物処分場に封じ込めてきたんですよ。それが二万三千ベクレル、その辺にあっても問題ないという感覚は、子どもたちを低線量の内部被曝から守るべき立場の者としては、あってはならないと思います。そういう土が風で巻き上げられて飛び散って、呼吸とともに取り込んだり、子どもは遊んでたって泥んこになりますよ。手だって汚くなる。それをなめたりしますよ。ですから、日本の調査、研究者でも、一日に数十ミリグラムは土を飲み込んでいる、こういう調査があるんです。私たちの調査では、こういう土があちこちで放置されているんです。
 知事にお聞きします。あなたは、子どもたちがそんな場所で転げ回って遊んでいても構わないというんでしょうか。仮に、あなたがそうであっても、ほとんどのお母さんたちは、子どもたちをそんな場所で遊ばせたくない、調べてほしい、取り除いてほしいと訴えているんですよ。この声に背を向けるんでしょうか。知事、答えてください。
   〔大野環境局長発言を求む〕
〔大山委員「知事、答えてください」と呼ぶ〕

○大野環境局長 今、放射能については、できるだけ少なくするべきであるというお話がございました。これは、有害物質がございますが、有害物質の中には、この線より上ならば危ないけれども、この線より下ならば安全であるという閾値というのがございます。その閾値がないものがございます。(発言する者あり)もちろん、だから放射能もそうです。
 しかし、それ以外に、例えば燃料に含まれるベンゼンでありますとか、あるいは魚の焼け焦げであるとか、そういうものがございます。ゼロリスクを求めるならば、これを全く、魚を食べないとか、そういうことになるわけでございますが、実際にできません。したがって、実際には、ほとんど安全と考えるレベルに設定をして、それまでは許容するということになります。
 そうした観点から、我々としては、一生の影響を考えつつ、冷静に対応してまいりたい、このように思っております。

○大塚委員長 大山とも子委員の発言は終わりました。(拍手)

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