予算特別委員会速記録第三号

○山下委員長 泉谷つよし副委員長の発言を許します。

○泉谷委員 まず、都営住宅についてご質問いたします。
 昨今の経済状況から、リストラあるいは残業代のカットなど、日々の暮らしに窮する世帯がふえています。特に住居費がかさむ二十三区では、その傾向は顕著であります。どうにかしてこの住居費を抑え込めないだろうか、そんな思いから都営住宅に応募する人が急増しているのだと思います。
 本来、東京都はあらゆる施策において、都民に対し平等でなければならないということは当たり前のことです。しかし、事都営住宅に目を向けますと、それは夢物語のようです。
 私の地元豊島区を例に挙げて恐縮ですが、先日、東京都よりいただいた資料によれば、豊島区の人口は二十六万人ですが、都営住宅の空き家募集はわずか十戸の募集でありました。それに対し応募者数は八百七十九人でありました。倍率にすると何と八十七・九倍の狭き門です。別のいい方をしますと、希望者のわずか一%しか入居できない状況なのでございます。
 この状況について、都はどのような認識を持っているのかお伺いいたします。

○河島東京都技監 都営住宅は都民の住宅セーフティーネットの中核でございまして、市場において自力では適切な水準の住宅を確保することが困難であるなど、住宅に困窮する都民を対象として、公営住宅法等に基づき整備し供給するものでございます。
 今後、人口減少社会の到来が見込まれていることなどから、都営住宅については新規に建設を行わず、既存ストックを適切に維持更新しながら有効に活用することを基本としております。こうした観点に立って、年間七千戸程度の空き家住宅の入居募集を行っております。
 募集に当たっては、公正な方法として公募による選定を原則としておりまして、これに加え、高齢者や子育て世帯など特に居住の安定を図る必要がある都民に対し優先入居を実施するなど、真に住宅に困窮する都民に都営住宅を公平かつ的確に供給するよう努めております。
 都営住宅は都内各地に約二十六万戸あり、空き家住宅の募集における応募倍率は地区によりさまざまであり、利便性が高く建築後の年数が浅い住宅では応募倍率が高くなる一方、倍率が低い住宅もございます。応募者それぞれがみずからの選択に基づいて行った応募の結果が倍率にあらわれているものと認識しております。

○泉谷委員 今、市場において住宅の確保が困難な都民を対象として供給といわれましたが、豊島区では現に希望者の約九九%が入居できない状況では、セーフティーネットの中核という概念はもはや破綻しているのではないかと思います。また、地区によりさまざまという答弁でしたが、二十三区ではどこでも倍率が高く、その施策は公平とはいえないと思っております。
 続きまして、公営住宅法では、低所得者で住まいに困窮する者に住宅を提供するという目的がありますが、住まいに困窮する都民が増加するに当たり、今、先ほど説明したように、希望しても入居できないという状況のもとで、この状況を打破するのに有効な手だては何だと思いますか。都の見解をお伺いいたします。

○河島東京都技監 今後、高齢化が急速に進行する中で、民間賃貸住宅に居住する単身高齢者などが増加していくと見込まれております。こうした状況に対し、適切な対応を図っていくことが必要と考えております。
 都は、高齢者を初め住宅に困窮する都民の居住の安定を確保するため、都営住宅などの公共住宅のストックを有効に活用するとともに、高齢者に対して入居制限を行わない民間賃貸住宅の供給を促進するなど、民間住宅も含めた重層的な住宅セーフティーネット機能の構築を図っております。
 このような住宅政策の推進を基本としながら、福祉部門等と連携協力して、都民の居住の安定確保に取り組んでいくことが重要と認識しております。

○泉谷委員 都営住宅などの公共住宅ストックの有効活用や入居制限を行わない民間賃貸住宅の供給といいますが、公共住宅のストックが実際にあるのか、また、民間賃貸住宅の供給といわれても、家賃補助などをしない限り、希望者はそこへ目を向けることはありません。
 次に、最近、東京都は都営住宅の建てかえを順次行っております。その新築物件の都営住宅にめでたく入居できた、つまり高い競争率をくぐり抜けた選ばれた世帯がどのぐらい優遇されているかを検証していきます。
 直近の例でいいますと、二〇〇九年に勝どき五丁目第二都営住宅が建築されておりますが、この都営住宅の敷地坪数と建築費用がどのぐらいかかったのか、また、その地域における三DKの分譲マンションにおける市場価格はどのぐらいであるのか質問いたします。

○河島東京都技監 勝どき五丁目第二アパートの敷地面積は約二千七百四十平方メートルでありまして、坪数でいいますと約八百三十坪でございます。また、同アパートは十四階建て、二百三十一戸でございまして、建設費用は約十八億六千万円でございます。
 分譲マンションの価格につきましては、勝どき五丁目第二アパートの近傍にあるマンションの物件情報によると、専用面積が約六十平方メートルの三DKの価格は約四千二百万円となっております。

○泉谷委員 また、全体で見ますと、都営住宅に入居された方の平均居住年数はどのぐらいになるかお聞きいたします。

○河島東京都技監 平成二十二年三月末の都営住宅入居世帯の平均居住年数は、約二十二年でございます。

○泉谷委員 今ご説明がありましたように、勝どき五丁目第二都営住宅は約八百三十坪、土地だけでも、少なく見積もっても一坪二百万、それ以上だといわれております。土地だけでも何十億にもなりますし、それに建築費十八億六千万、これに管理費や税金を加えたら五十億円近くなるかもしれません。それを二百三十一世帯の人たちだけが享受することになるのです。
 ちなみに、平均居住年数は約二十二年ということでしたが、私の周りで、都営住宅に入居してみずからそこを出て民間に移り住むという人は、ほとんど見たことも聞いたこともございません。大抵、お亡くなりになるか、老人ホームへ入居するか、そこにいられなくなる外圧的要因でいなくなるわけでございます。
 一方、勝どき五丁目第二アパート近くにある分譲マンションは、三DKで約四千二百万ということです。普通、若い人たちはローンを組んで入居しますので、大体今は三十五年ローン、金利は固定で二・五%平均でローンを払いますと、約八千万払うことになります。
 そう考えますと、その入居した人たちは約八千万円いただいたのと同じことになります。資産が残るという方もいるかもしれませんが、その間の固定資産税や、三十五年もたてばマンションの建物の価値はなくなり、居住権だけが残ることになります。余りの差に愕然とします。
 これでも、希望者が全員入居できるのであれば、都営住宅をどんどんつくって、豊島区でいえば八百七十九人全員が入居できれば、それは不公平だとは思いませんが、わずか一%しか入れない、その人たちのためだけに、そういったものが使われるというのは、不公平といっても過言ではありません。
 それは、そのほか、南青山一丁目、成城八丁目、上北沢、百人町など数を挙げれば切りがありません。今後建てかえ計画が数多くありますが、こんな不平等な制度は変えなければならないと考えますが、いかがでしょうか。もしそれが当たり前だというのであれば、その根拠をお示しください。

○河島東京都技監 都営住宅は、市場において、先ほども申し上げましたが、自力では適切な水準の住宅を確保することが困難な都民を対象として、低廉な家賃で供給する住宅でありますので、都営住宅の入居者と市場で住宅を購入できる都民の住宅確保に要する負担額を比較して公平性を議論することはなじまないものと考えます。
 都営住宅の募集に当たっては、高齢者や障害者など特に居住の安定を図る必要がある世帯に対し優先入居制度を実施するなど、真に住宅に困窮する都民に公平かつ的確に都営住宅を供給するよう努めているところでございます。
 今後とも、こうした都民の住宅セーフティーネットとしての機能を適切に保持するため、老朽化した都営住宅の建てかえを推進してまいります。

○泉谷委員 今説明いただきましたが、現状の認識ができていないと思います。多くの住宅の確保が困難な都民に広く援助する施策になっていません。希望する人のほとんどが入れないということは、そういう都民に広く援助する施策にはなっていません。都営住宅に偏重した政策の転換を図り、家賃補助を中心とした政策をとり、より多くの都民を助けるべきだと思います。
 次に、都営住宅の移管についてお伺いします。
 二十三区では、昭和六十一年以降、二百五十八棟、九千三百七十二戸が東京都から二十三区へ移管されております。残り一万八千九百戸の移管対象住宅があります。移管をスムーズに行い、地域の実情に合った方策をとるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○河島東京都技監 都は、都営住宅につきまして、おおむね百戸程度までの団地を対象として区への移管を推進しております。このため毎年度、区に対して意向調査を行い、個別に協議を重ねるとともに、各区の要望に応じて移管する住宅の修繕工事を実施するなど、受け入れやすい条件の整備に努めております。
 また、少子高齢化が進行する中で、区が移管にあわせて住宅の建てかえを行い、福祉施設等を併設できる仕組みというものがございますが、これの活用など、区の施策の推進に寄与する対応も行っております。
 今後とも、区の意向や地域の実情を踏まえながら、都営住宅の移管の推進に取り組んでまいります。

○泉谷委員 また、都は、定期借地権を利用して、南青山一丁目プロジェクトや港南四丁目プロジェクトに引き続き、民間のノウハウを活用してまちづくりを推進するため、勝どき一丁目プロジェクトを進めてまいりましたが、その課題と今後の展望についてお伺いいたします。

○河島東京都技監 都は、老朽化した都営住宅の建てかえに伴い創出した用地を活用し、定期借地権による民間活用プロジェクトの実施に取り組んでおります。
 この民間活用プロジェクトは、都民の貴重な財産である都有地を活用することから、少子高齢化への対応や環境負荷の低減など、都の施策目的の実現や地域の課題解決に寄与するよう実施していくことが必要でございます。
 こうしたプロジェクトを進める上での主な課題としては、プロジェクトに参画する民間事業者の知恵や創意工夫を十分に引き出して、より質の高い成果を生み出すこと、公共への貢献とともに民間事業者の事業採算性の確保がなされることなどが挙げられます。
 今後とも、これらの課題への対応を図りながら民間活用プロジェクトを推進してまいります。

○泉谷委員 今お話がありましたように、単なる建てかえをするのではなく、民間を活用したこういったプロジェクトをこれからも推進していただければと思っております。
 続きまして、分譲マンションについてお伺いいたします。
 平成に入り、東京都では、マンション住民の人口が急速に増加しております。計画道路の着工により拡幅工事が行われれば、必ずその沿道にはマンションが建設されます。
 東京都では、区分所有による共同住宅をマンションと定義し、平成二十年末で百四十六万戸強でしたが、二十二年末での都内のマンションの総戸数は何戸でしょうか。また、その中で築四十年以上のマンションは何戸あるのか、お伺いいたします。

○河島東京都技監 国土交通省の住宅着工統計等による平成二十二年末時点の都内分譲マンションの総戸数は約百五十一万六千戸でございまして、そのうち築四十年以上のマンションは約四万四千戸でございます。

○泉谷委員 現在のマンション総戸数は百五十一万六千戸ということは、一戸建て住宅が減少する中、二年間で五万六千戸余りもふえ、その比率は二十三区の住宅の七割以上となっております。もはや二十三区における住宅政策の中心はマンション問題となるのではないかと思います。
 また、一方、築四十年以上のマンションは四・四万戸もあるということでしたが、毎年一年ごとに劣化していくわけですから、四十年以上経過したマンションは年々増加し、それに伴い居住者の高年齢化も進行していきます。そのため、東京都はようやく建てかえの重要性を認識してきました。
 その上で、都は建てかえに際してのプロセスや手法などを説明したガイドブックを作成し、管理組合に情報提供するとともに、市区と連携してきました。しかし、一向に建てかえは進んでいないように感じられます。ここ五年間で建てかえられたマンションは何件あるか、お伺いします。

○河島東京都技監 平成十八年度から平成二十二年度の五年間に都が把握する建てかえが完了した都内分譲マンションの件数は、耐震偽装問題に伴う建てかえを除きますと二十一件でございます。そのうちマンション建替え円滑化法に基づくものが十五件、市街地再開発事業などにより建てかえを完了したものが六件でございます。

○泉谷委員 都内でこの五年間でわずか二十一件ということでありますので、余りにも少な過ぎます。建てかえは区分所有者の合意のもとで進められますが、三十歳で購入した人でも、四十年たてば七十歳を超え、建てかえに際し新たなローンを組むことは非常に困難です。東京都が主体となった建てかえスキームのアイデアを提案することが必要だと思います。
 次に、東京都は昭和五十六年以前に建てられたマンションに耐震アドバイザーの派遣や耐震診断、改修費用の助成に二億二千六百万の予算を組んでいますが、現在、昭和五十六年以前に建てられたマンションのうち耐震診断が未実施のマンションは、二十二年末でどのぐらいあるのでしょうか。
 また、耐震診断を行った結果、耐震基準を満たさないマンションがどの程度あり、それらのマンションが万が一の場合、東京都としてはどのような被害を想定しているのか、お伺いいたします。

○河島東京都技監 助成を受けずに耐震診断を実施する場合もございますので、分譲マンション全体について耐震診断等の実態を把握することは困難でございますが、都が助成をしたマンションは平成二十一年度末時点では百九十棟、約一万二千戸ございます。
 なお、国が二十年度に実施した全国調査によれば、耐震診断が未実施のマンションは全体の七五・三%、耐震診断を実施したもののうち基準を満たさないものが一二・二%となっております。
 また、都では分譲マンションに限定した被害の想定というものは行っておりません。

○泉谷委員 国の調査で、耐震診断の未実施が七五・三%、また基準を満たさないものがそのうち一二・八%ということでしたが、未実施の七五・三%の中にも基準を満たさないマンションは数多くあり、これを把握せずに東京の安全を守れるとは思いません。
 また、都は、分譲マンションの被害想定はしていないということでありますが、阪神大震災のときの被害を見ても、神戸で七十棟全壊しているわけです。被害想定をしていないということは、危機管理ができていないといわざるを得ません。
 次に、建築基準法で耐震基準が初めて改正されました昭和四十六年以前に建てられたマンションは四万八千五百戸あり、建てかえる必要があると私は考えていますが、東京都の見解は、耐震性は個々に異なるため、個別に耐震診断を行い、耐震性を確認した上で、必要に応じて耐震改修等の適切な措置を講じていく必要があると考えています。
 では、昭和四十六年以前に建てられたマンションの実態についてどうなっているのか、お伺いします。

○河島東京都技監 先ほどの質問の答弁で、私、いい間違えたところがあったようでございますので、ちょっと訂正をさせていただきたいと思います。
 国が二十年度に実施した全国調査によれば、耐震診断が未実施のマンションは全体の七五・三%で、耐震診断を実施したものは約二五%あるわけですが、その中で基準を満たさないものが、私、一二・二%と申し上げたのはちょっと間違えで、一二・八%でございます。訂正をさせてください。
 それから、ただいまの質問でございますが、分譲マンションの耐震化は管理組合の主体的な取り組みにゆだねられているために、都がお尋ねのようなマンション個々の耐震性について把握するということは困難でございます。
 耐震性は建物ごとに異なることから、マンションの耐震化を進めるには、まず管理組合が耐震診断を行い、耐震性能を正確に把握することが必要であります。マンションは建物規模が大きく、被災時の影響が広く及ぶ一方、権利者も多く、耐震化に向けた合意形成が難しいなどの特有の課題がございますので、分譲マンションについては、地域を限定せず、都の全域において国や区市と連携し耐震診断費用の三分の二を補助するなど、管理組合の自主的な取り組みを都としても支援しているところでございます。

○泉谷委員 先ほど、都内の分譲マンション全体についての耐震診断の実態の把握は困難ということでしたが、阪神大震災では、神戸にあった千四百五十棟のうち、全壊したマンションは七十棟、そのうち四十六年以前に建てられたマンションは六十九棟であります。
 それであるならば、昭和四十六年以前に建てられたマンションだけでもアンケート調査を行い、今どうなっているのか、しっかりと把握しない限り、地震が起きたときに、そのマンションが倒壊して生活道路がなくなったり、あるいは物資を運ぶ道が閉ざされたり、そういったことがあると思います。ですから、しっかりそういったところを把握しなければならないと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、介護保険制度の公表制度についてお伺いいたします。
 介護サービス情報の公表制度は、保険利用者や家族はもちろん、ケアマネジャーも調査結果を一切見ていない、訪問調査を受けるだけ時間のむだといわれています。すべての介護保険事業者が毎年受けなければならない。内容は、職員数や勤務体系を表記する基本情報と、介護や運営状況を見る調査情報の二本立てで、調査情報は、都の指定調査機関から派遣される調査員が事務所に来訪し聞き取り調査を行います。
 平成二十年十月に開催された十九年度決算特別委員会第二分科会の高齢社会対策部長答弁で、二人のうち--今は調査員一人になっておりますが--一人は必ずケアマネジャー相当の人が来訪して調査を行うと、そのような回答がありましたが、実際何件か回り調査員に聞くと、調査員養成研修を受けただけということで全く介護に対する知識がない、そういった人たちが来訪していたということが判明いたしました。これは答弁と異なると思われますが、実態はどうだったのか、お伺いいたします。

○杉村福祉保健局長 介護サービス情報の公表制度は、介護保険法に基づく国の制度でございまして、事業者に年一回、サービス内容等の情報の公表を義務づけるものであり、事業所に対する訪問調査を経て公表する仕組みでございます。
 平成二十年度までの調査におきましては、介護保険法施行規則等に基づき、調査員二名以上で行い、うち一名は、介護支援専門員、調査対象サービスの実務経験者、もしくは第三者サービス評価の評価経験者を充てることとしておりました。お話のございました過去の答弁は、この旨を正しく説明したものでございます。
 なお、都は、調査員の資質向上を図るため、年一回、全調査員を対象にフォローアップ研修を実施いたしております。

○泉谷委員 今そのような答弁でしたが、数回のそういった研修で介護全体を把握するなんていうことは、できるとは到底思えません。単なるお金稼ぎのためにそういうところに訪問調査をしている。全く、介護サービス情報の公表制度は、何の役にも立たない制度を、ただ単に事業者にお金などを取り立てるためにやっているだけの、仕事づくり、アリバイづくりをするものにほかなりません。
 ですから、長妻大臣が就任した直後に、この制度は取りやめると。訪問調査はやめる、事業者からお金を取るというのはやめるというようになりました。この制度では、公表方法が稚拙で、調査用紙をそのままネットに載せただけなので、まず事業者間の比較ができません。利用者の選択に活用するという目的からほど遠いのであります。
 第一に、利用者の実態調査を行ったところ、どのようにしてその介護施設なり、あるいは介護事業者を選んでいるかといえば、知り合いのケアマネジャーに聞いたり、また、歩いたときに目に入る一番近いところであるということを事業所選択の判断材料としていること、それを把握しているのでしょうか。その見解をお伺いいたします。

○杉村福祉保健局長 先ほども申し上げましたように、介護サービス情報の公表制度は、介護保険法に基づきます国の制度でございまして、現在もまだ継続をいたしております。
 今お話がございましたシステムは、国が定めた全国統一のものでございまして、都は再三、国に対し、利便性の向上の観点から、利用者や家族が自分のニーズに合った事業所を容易に選択できるよう、検索機能の充実を図るなど、公表システムの改善を求めております。
 これを受けまして、国におきましては、平成二十四年度から検索機能や画面表示を工夫するなど、利活用促進に向けた改善が図られる予定と聞いております。今後とも、国に対しまして、より利用しやすい制度となるよう改善を求めてまいります。

○泉谷委員 先ほどもいいましたが、この制度は、二年後、訪問調査を廃止にするといっております。しかし、制度は残すといっております。どのような制度になるかお伺いいたします。

○杉村福祉保健局長 介護サービス情報の公表制度の見直しは、利用者の立場に立って必要な情報が公表されることを基本としつつ、事業者等の負担を軽減する観点から行うと聞いております。
 具体的には、事業者に対する訪問調査につきましては、一年に一回の調査の義務づけを廃止し、都道府県が必要があると認める場合にのみ行うこととし、事業者の負担となっていた手数料については、廃止する方向で検討されております。

○泉谷委員 介護サービスの評価事業には、このほか、福祉サービス第三者評価があります。これは東京都が行うものですが、受審率は低調であります。そこで、東京都における介護保険分野の福祉サービス第三者評価制度の受審率と、それにかかる東京都の費用についてお伺いします。

○杉村福祉保健局長 都は、事業者のサービスの質の向上に向けた取り組みを促すとともに、利用者のサービス選択のための情報提供を目的といたしまして、福祉サービス第三者評価を推進いたしております。
 平成二十一年度の介護保険分野における第三者評価の受審率は、施設系サービスが五六・七%、在宅系サービスが七・四%、平均一〇・三%であり、受審件数は九百五十三件となっております。
 なお、この第三者評価の受審率について、事業所数の割合で見ますと、事業所数の約五割を占めている訪問介護事業所や居宅介護支援事業所における受審率は低くなっているものの、特別養護老人ホームについて見ますと、約八割の施設が第三者評価を受審いたしております。
 都は、第三者評価の受審を促進するため、介護保険事業者に対しまして受審費の助成を行っておりまして、平成二十一年度の受審費補助の実績は、合計で約三億一千四百万円となっております。

○泉谷委員 今、特別養護老人ホームの受審率八割というお答えがありましたが、これは東京都が費用を全額負担しているのであって、そのようにすればほかの事業所も、ここに在宅系が今、七・四%とありましたが、費用を全額負担してくれるんであればやるという事業者は非常に多い。
 だけども、そのようになっていない。莫大な費用がかかるということで、この制度が認知されない、また広がっていかない、そのように考えております。
 また、なぜこの評価制度があっても利用者に使われていないのか。それは、特別養護老人ホームなど介護基盤が少なく、利用者に選択の余地がないからであります。今後、急速な高齢化社会を目前にして、どのように対処していくのか、お伺いいたします。

○杉村福祉保健局長 お話しの福祉サービス第三者評価につきましては、利用者のサービス選択のための情報提供だけではございませんで、事業者のサービスの質の向上に向けた取り組みを促進するということが大きな目的となっております。
 評価結果につきましては、福祉サービスの情報提供を総合的、一体的に提供する、とうきょう福祉ナビゲーションにおきまして、評価結果も踏まえた事業者のサービス改善の取り組みなどもあわせて提供いたしております。
 平成二十一年度における当サイトのアクセス数は年間約三十万件となっており、多くの都民に利用されております。
 また、介護基盤の整備につきましてお話がございましたが、平成二十一年度から二十三年度までを計画期間とする東京都高齢者保健福祉計画におきまして、保険者である区市町村が今後の要介護認定者数の見込み等に基づき推計した介護サービス量を踏まえ、都において特別養護老人ホーム、認知症高齢者グループホーム等の必要なサービス量を定めております。
 先ほど選択の余地がないというお話がありましたので、少し具体的にいわさせていただきますと、特別養護老人ホームについていえば、今年度末の整備見込みは三万七千百八人で、計画に対する達成率は九七・一%でございます。
 また、認知症高齢者グループホームにつきましても、本年二月一日には五千五百五十四人と大幅に増加しており、平成二十三年度末の整備目標の六千二百人分について十分達成する見込みでございます。
 このほか小規模多機能型居宅介護拠点の整備、ケアつき住宅なども積極的に整備を進めておりまして、訪問介護など在宅サービスについても充実を図っております。したがいまして、選択の余地がないということについては、当たらないと考えております。

○泉谷委員 今ご答弁いただきましたけれども、先ほど当サイトのアクセス数は約三十万件となり都民の多くの人に利用されているという話もありましたが、それは、都民が見ているのではなく事業者が見ているのであって、一般の都民はほとんど見ていないという調査結果が出ております。(「どこの調査だよ」と呼ぶ者あり)私が調査しました。
 また、いろいろな介護の選択の余地がないことに対しましても、ただいま答弁をいただきましたが、特別養護老人ホームは、豊島区でも千人以上の人が待っていて、あいたらすぐそこに入らなければならないということで、ほかに余地がないということであって、それが、四つ全部あいててどこにでも行けるというような選択の余地ではなくて、あいたら必ずそこに入らないと、ほかには入れませんよということなので、東京都の認識は大いに間違っているということを主張いたしまして、質問を終わらせていただきます。(拍手)

○山下委員長 泉谷つよし副委員長の発言は終わりました。
 この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。
   午後五時五十九分休憩

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