予算特別委員会速記録第三号

○酒井委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。
 これより付託議案の審査を行います。
 第一号議案から第二十九号議案までを一括して議題といたします。
 昨日に引き続き総括質疑を行います。
 斉藤あつし委員の発言を許します。

○斉藤委員 それでは私からは、まず最初に、障害者福祉施設のサービス推進費について伺います。
 サービス推進費、多分聞きなれない言葉で、お初の方もいらっしゃるかもしれませんが、昭和のころからサービス推進費というのは、当時、民間と、そして公設の福祉施設というのは大変収入の差が大きくて、民間の施設というのは大変厳しい運営を迫られていた。そのときに、その格差を埋めるべく制度として東京都がつくったのがこのサービス推進費で、いわゆる民間の施設に対する補助金でございます。で、いろいろな制度改正の中で、最初の趣旨から少し変わりまして、今は、より望ましいサービス水準を維持するためのお金、収入として、そしてまた、より努力をして、よりレベルの高いサービスをつけ加えた施設に対して出される補助の制度となっています。これがサービス推進費です。
 去年の暮れからことしの頭にかけて、これの再構築ということで施設とのやりとりが東京都の方とありまして、今その周知の期間に入って、このサービス推進費の再構築ということが、今この時期、いろいろな施設の方に説明がなされているところです。
 今回、再構築については、精神障害者施設やNPOも対象にできるということで、これは大変喜ばしいことなんですね。また、そのほかの変更内容については請求資料の中に載っております。
 今回伺う点なんですけれども、この再構築の経過と、それによって、平成二十二年度はまだサービス推進費は据え置きなんですが、二十三年度から実際にこれが実行されるんですけれども、この再構築によってどのくらい対象施設がふえるのか、また予算総額がどう変化するのか、そこをまず伺います。

○安藤福祉保健局長 障害者施設のサービス推進費は、サービス水準の向上を図るため、国制度の自立支援給付費に都独自に加算を行うものでありますが、現行の国制度との整合を図るために再構築を行うことといたしました。
 昨年十月から、身体、知的、精神障害者の施設の多くが加盟いたします東京都社会福祉協議会の障害者福祉連絡会に設置をされました民間社会福祉施設サービス推進費補助に関する委員会と協議を重ね、十二月二十八日に合意に達しまして、都において再構築案を取りまとめたところであります。
 再構築に当たりましては、現在都がサービス推進費により直接補助している二百五十七施設のほか、区市町村を通じて補助しておりますNPO法人等の施設が約百九十施設、これまで補助の対象としていない約五十施設を含め、検討の対象といたしました。
 再構築後のサービス推進費等の予算総額は、現在補助を受けている施設をもとに推計をいたしますと、ほぼ同水準と見込んでおりますが、新たに補助対象となる施設があることや、新設などによる規模の増加に応じて予算総額も変動すると思っております。

○斉藤委員 施設ごとの部分でいえば、ほぼ同水準というご答弁なんですね。
 この再構築の説明の中で作成された資料が各施設に渡されたんですが、これは、十二月二十八日、昨年十二月に作成されたこの資料、四ページの中に、こういうくだりがあるんですね。国費を加えて試算すると、全体の約九五%の二百四十六施設が増収もしくは二〇%以内の減収におさまるとあるんです。増収施設は、全二百五十七カ所のうちどのくらいあるのか。一方で減収施設も、マイナス二〇%以内であれば、マイナス一%のところもあれば、マイナス二〇%というところもあって、かなりの違いです、これは。施設側から見れば全然これは違うことです。
 したがって、減収施設の中で減収比率で分けた場合に、その施設の分布というのは、つまり、マイナス一%の施設とかの減り幅が小さいところはどのくらいで、大きいマイナス二〇%ぐらいになるような施設はどのくらいあるのか、そこを伺います。

○安藤福祉保健局長 国の給付費にサービス推進費を加えた施設の収入額を試算いたしますと、増収となる施設が全体の六〇%となっております。減収となる施設のうち、一〇%以下の減収が全体の二三%、一〇%を超え二〇%以下が一三%、二〇%を超える施設が四%となっております。

○斉藤委員 実際に分布については、ある程度推計ができているということなんですね。
 しかしながら、実は今回、いろいろな民間の施設の方から私、問い合わせを受けまして、今回ちょっとこの中で取り上げたんですけれども、つまり、説明の中で、増収する施設もありますけれども、マイナス二〇%の施設もありますよ、でも、それぞれどのくらいあるかということは全くわからないで説明があって、増収の施設は何%、減収だけれどもその幅が小さい施設は何%というふうに、普通の資料だったら書くと思うんですよ。それを、増収とマイナス二〇%まで一緒くたにされて書いているものですから、見ている側は不安になっちゃったわけです。合意の中身が云々ではなくて、説明されている中で、ふっと持ち帰って見てみたら、この説明、何だという話になっちゃうのは当たり前かと私は思うんですね。
 しかも、これを見ていると、東京都の方の理解は、マイナス二〇%ぐらいの減収というのは、そんなに問題がない数字だというふうに東京都自身が認識をしているように見えるんですね。ところが、施設側から見れば、昔に比べて、かなり施設としての融通がきくようになったといっても、百万、二百万ぐらい下がっただけで、その日の夜勤の体制なんかで人件費として確保する関係上、どうしても必要になってきたりするわけです。そうすると、百万、二百万の差だってはっきりさせてくれよというのが正直なところだと思います。その部分で不安が皆さんから出たんじゃないかと私は思っています。
 一方で、これは国の制度なので別の制度ではありますけれども、今、介護職員処遇改善助成金、ニュースにもなっていましたけれども、老人の施設も出ていますけれども、いわゆるヘルパーさんの給与が低いから上乗せをしましょうねということで、報酬単価に障害者施設の場合は二、三%上乗せして人件費に使ってくださいとやっているわけですよ。でもって、なおかつ、東京都も国も、福祉の現場は大変だから、人がいないから、失業者の雇用先として福祉施設で働いてねといって、行政一丸となって進めています。ですから、そのときに、雇用するための財源になるお金が施設側が欲しいのは当たり前なんですよ。
 ところが、補助を変更して、しかもマイナス二〇%ぐらい減っても大丈夫みたいな書き方で理解されていたら、それはどういう話なんだと。自分たちが雇用をやってねというふうにいっている一方で、マイナス二〇%ぐらい減っても大丈夫でしょうみたいなことをいわれちゃったら、それはちょっと混乱するんじゃないか。そんなことでいろいろな意見をいただいたというものです。
 実際、マイナス二〇%は、増額とともにくくられるほど、かわいらしい減額じゃないと思いますし、現下の状況では、やはり相応の経営改善をしなきゃいけない。
 ぜひとも東京都の認識について、マイナス二〇%、問題のない範囲という減額というふうに考えているのかどうか、その認識について伺います。

○安藤福祉保健局長 今回の再構築によりまして、比較的軽度の利用者が多い施設などにおきましては減少となることがあるために、再構築後の施設運営に配慮し、減少による影響を緩和するための経過措置を行うこととしております。
 サービス推進費は、重度の方の受け入れや短期入所の実施など、施設の努力に応じて補助額がふえる仕組みであります。また、国の給付費制度についても同様の考え方が取り入れられております。
 施設が経過措置期間中にこうした取り組みを実施することによりまして増収を図ることは可能であり、安定的な施設運営が確保されるものと考えております。

○斉藤委員 それでは、同じくサービス推進費の中でちょっと説明があったのが、都外施設の話も出てくるんですね。都外施設の方からも、ちょっと心配なのでというふうなご意見をいただいているんです。
 というのは、今回、都外施設のサービス推進費についても--入所施設メニュー選択式加算、障害者等雇用加算、医療的ケア充実加算、特定疾患等対応加算という四つの加算のメニューがあるんですが、それについて、それは都内施設のみという明記がされています。
 都外施設というのは、古くから、東京都内に施設が足りなくなったときに、いろいろな地方の自治体にお願いをして、都内の市区町村のバックアップで施設をつくって、今、全国で四十四カ所、三千五百十三人が、青森とか山梨とか千葉とか、いろいろなところにいらっしゃる。これは東京都の都民でありますから都外施設ということになるんですが、都外施設は対象外ですよというふうに資料に書いてあるんですね。その部分で不安になっているみたいなところがあるんですが、実際にこれを対象外とする理由は何でしょうか。

○安藤福祉保健局長 これまでも、都内施設と都外施設とでは加算項目の適用に違いがございますが、今回の再構築でもその取り扱いは基本的には変更してございません。具体的には、障害者等雇用加算、医療的ケア充実加算、特定疾患等対応加算は一部名称を変更するなどしておりますが、引き続き都内施設のみを対象としております。
 なお、今回新たに設けた入所施設メニュー選択式加算について申し上げますと、地域において在宅の障害者を支援する取り組みなどを評価するものであり、この趣旨からも都内施設のみを対象といたしたものでございます。

○斉藤委員 名称変更などがあって、ちょっとわかりづらかったというふうな感じなんでしょうか。
 実は私、これを質問したのは、簡単に説明があって理解できる部分、多分にあるんですが、やっぱり都外施設というのは、今まで遠方にあっても、東京都の方がつくって、地元ではいろいろな若い人の雇用にもなって、お互いのメリットがあった部分でつくられてきた。ただ、いかんせん距離がありますから、ふだんきちんと東京都とつながっているという実感がないと、やっぱり、よりどころとして非常に不安なわけですね。今回、その部分で、資料のところでそういった書き方がされてしまうと、やっぱり心配であるというところが一番話の重要なところじゃないかと思います。まさに物心両面で東京都がサポートをしているという姿勢が大事だと思います。今までの過去の知事も皆さん、応援をしてまいりました。
 そこで、改めて伺いたいんですが、今後の都外施設の具体的支援内容についてどのように考えているか、お聞かせください。

○安藤福祉保健局長 都外施設は、都内施設と同様に、入所支援を必要とする障害者に安定した生活の場を提供してございます。
 このため、一定のサービス水準を確保するための基本補助や、最重度の障害者への支援を評価する加算を引き続き実施するとともに、今回新たに設けた地域生活困難者を受け入れた場合の加算についても適用してまいります。
 また、大規模改修等を行う場合の施設整備費補助についても、これまでどおり行ってまいります。
 なお、今回のサービス推進費の再構築に当たりましては、都外施設を対象に説明会を開催し、意見交換等を行ってまいりました。
 今後も、計画的に職員が施設を訪問し、施設運営や利用者支援の実情の把握に努めて、質の高い安定した運営が図られますよう支援をしてまいります。

○斉藤委員 これは都外施設も、また都内の施設もそうです、以前よりも経営の自由度が上がりました。もちろん、お金のストックもできるようになりました。ただ、労働集約型産業ですので、あくまでやっぱり現金がなければ、そして人材がいなければ、その人材に払うお金がなければ経営に不安が出てしまうというのは当然だと思います。この部分をしっかり担保していただけるよう、経過期間中に、ぜひ局長、いろいろ皆さんの施設への経営のアドバイス、もしくは補助の制度の説明、きちんとされるようお願いいたします。
 それでは、最後に障害者の施設等の整備について。
 私の地元の小平市の親御さんからも以前からよくいわれています、親亡き後の障害児の生活の不安、安心して生活できる場所の確保、非常に切実に思う方がいらっしゃいます。ぜひともそういった施設、施設に限りません。住まいという部分もあります。
 今現在、東京都が考えている障害者の入所施設、どういうものか伺うとともに、数の確保について所見を伺います。

○安藤福祉保健局長 入所施設に対しましては、最重度の障害者や重複障害者など、専門的支援が真に必要な障害者の利用ニーズにこたえるとともに、地域で生活する障害者への支援である日中活動の場の提供やショートステイの実施などの機能を持つことを期待しております。
 入所定員につきましては、東京都障害福祉計画において、平成十七年十月一日現在の定員数を維持することとしておりまして、地域での生活が可能な入所者についてグループホームへの地域移行を積極的に進めつつ、真に入所が必要な重度者の施設での受け入れを促進しております。
 また、居住環境の改善等を目指し、既存の施設の定員を見直すとともに、都内で入所施設が未設置の地域での整備を進めているところであります。

○斉藤委員 ぜひとも親御さんの安心のためにも、施設整備、頑張っていただきたいと思います。
 特に今、不動産景気の方が悪くなった関係で、なかなか土地を持っていても投資をする先の部分で不安がある、アパート経営の部分でもちょっと心配があるという方に、高専賃とか有料老人ホームを建ててその経営をしてもらうというのは、地域貢献も含めて、地主さんにとって大変魅力があるものになっているというふうに聞いております。
 高齢者の方は大分そういったのが進んでいるんですが、大規模マンションがつくれないような土地を持っている方にはぜひ、障害者のグループホームとかそういったものに投資をするということは、これは使う側にとっても、オーナーさんにとってもいいメリットがあります。ぜひ今の景気のピンチをこういった施設の方のチャンスに変えて、いろいろな部分で地域にそういった生活の場をつくっていただくよう、福祉保健局も支援をしていただきたいと思います。質問にしようと思ったんですが、時間の関係もありますので要望して、市場の方に移りたいと思います。
 それでは、きのうも議論になりました豊洲市場移転の関係です。
 来年度、豊洲の関係予算については千二百六十億円の用地予算が計上されております。この第一回定例会にこの当初予算が入るというタイミングは、きのうの質問にもありました、処理の実験も途中だし、また、財務局の評価はまだしばらくお願いできる様子でもないし、処理費用についても、まだ余りにもはっきりしないし、ですから、そういう点では余りいいタイミングじゃないと私は思っております。
 これはちょっと知事に伺いたいんですけれども、そもそもなぜ二十二年度当初予算にこの千二百六十億円を入れたのか、お考えを伺います。

○石原知事 日本の国力の象徴は技術力だと思います。その日本人が日本の最高水準の科学技術を信じないで、一体どういう活路があるのでしょうか。
 土壌汚染については、実験の中間報告がまとまり、最高権威の学者の方々による日本の先端技術を活用した、土壌汚染の大部分に用いられる技術、工法の有効性が確認されました。現に、それを駆使して土壌の汚染を除去しつつあります。中間報告もありました。
 土壌汚染は必ずきれいになるだろうと、それを想定して用地費を組んでおくのは、行政として当たり前の姿勢だと思っております。

○斉藤委員 なるほど、知事の考えはわかりました。
 ちょっとこの後は細かくなりますので、事務的に伺いたいと思います。
 それで、千二百六十億円の今回の積算根拠、これを伺います。
 ちなみに、この価格、実際に購入するときも変わらないような価格なのか、そしてまた、今後購入予定の土地についての平均土地単価、幾らになるか、ここを伺います。

○岡田中央卸売市場長 豊洲新市場予定地の用地購入予算は、豊洲地区におきます過去の土地取引額を基準に、各年の公示地価の変動率による時点修正などを勘案し積算したものでございます。
 実際の用地の購入に際しましては、売買契約締結時点での適正な価格を評定するため、土地鑑定や、必要に応じまして東京都財産価格審議会へ付議するなどの手続を経て購入してまいります。
 なお、予算計上した平均の平米単価でございますが、五十五万円でございます。

○斉藤委員 それでは、さらに価格、そしてまたお金と契約について、ちょっと掘り下げてみます。
 土壌汚染のある土地を購入するに当たって、土壌汚染対策費をどのように反映するつもりなのでしょうか。また、この千二百六十億円という積算の中には反映されているのでしょうか。ここを伺います。

○岡田中央卸売市場長 豊洲新市場予定地の用地購入予算は、豊洲地区における過去の土地取引額を基準に、各年の公示価格の変動率による時点修正等を勘案して積算したものでございます。
 土壌汚染対策に対します東京ガス株式会社の負担につきましては、今後協議を進めてまいります。
 したがいまして、予算計上に当たりましては、用地購入費と土壌汚染対策費とは関係するものではございません。

○斉藤委員 土壌汚染対策費はこれから、別ということですね。
 それでは、豊洲地区について、一万八千本のくいの話がきのう出ました。地下埋設物も存在しますが、その処理費用は用地の購入に当たってどのように反映されていくのか、都の新たな負担となるのか、そこを伺います。

○岡田中央卸売市場長 新市場予定地におきますコンクリートの基礎ですとか、くいなどの地下埋設物につきましては、都と民間地権者で締結いたしました豊洲新市場予定地内に残置される地下埋設物の取り扱いに関する協定書というのがございまして、その中で取り扱いが定められております。
 この協定書におきましては、都が東京ガス株式会社から用地を購入する価格から、残置されます地下埋設物の撤去費相当額を差し引くこととされております。したがいまして、地下埋設物の撤去費相当額は同社の負担で賄われるものでございまして、都の負担は生じません。
 なお、二十二年度予算の用地購入費予算におきましては、この協定書に基づきまして、地下埋設物の撤去費相当額二十五億円を差し引いた金額を計上してございます。

○斉藤委員 それでは、くいの処理費二十五億円は考えなくていい、既に差し引かれているということですね。
 それでは、もうちょっと聞きます。
 豊洲地区の土壌汚染処理については、過去に都と民間地権者との間でどのような取り決めを行っているのか、土地売買契約書等に定めているのか、ここを確認いたします。

○岡田中央卸売市場長 新市場予定地におきます土壌汚染の処理につきましては、土地の売買契約書ではなく、平成十四年に都と東京ガス株式会社を含めました民間地権者との間で締結いたしました豊洲地区開発整備に係る合意、そして、合意に当たっての確認などにおきまして、その取り扱いを定めてございます。
 これらの合意文書においては、土壌汚染処理について、各地権者が環境確保条例に基づき、従前の所有地に対しまして責任を持って土壌汚染にかかわる調査を行い、汚染が判明した場合には必要な処理対策を実施することと定めてございます。

○斉藤委員 じゃ、ここで少しパネルを使って聞きます。(パネルを示す)今、売買契約書の中には土壌汚染処理については入っていないということでございました。
 では、ちょっと詳しく伺います。
 過去のケースです。過去四回、売買をこの土地に関してはしているんですが、東京鉄鋼埠頭株式会社から平成十六年に一回売買されています。平成十八年になってからもう一回、東京鉄鋼埠頭株式会社から東京都に売買されています。
 このときの契約書においては、地下埋設物の処理等や土壌汚染の調査等という項目はないのか。今の答弁だと、ないような感じにとれますが、ないのか。仮に、もしもあったら内容を披瀝していただきたいと思います。

○岡田中央卸売市場長 ご答弁申し上げます。
 都が平成十六年五月及び十八年十一月に、お話の東京鉄鋼埠頭株式会社との間で土地売買契約を締結してございます。十六年五月の契約書には地下埋設物の処理等という項目がございまして、同社がみずからの負担で、くい及びその他障害物を撤去し、埋め戻しの上、整地することが規定されてございます。
 次に、土壌汚染の調査等という項目がございまして、同社がみずからの負担で土壌調査を実施すること、土壌調査の結果、規制基準が定められている物質が基準を超えて検出された場合につきましては、汚染土壌対策の計画を策定し、これを実施するとともに、その費用を負担することが規定されてございます。
 また、瑕疵担保責任という項目がございまして、都が、本件土地に危険物の埋蔵その他隠れた瑕疵があったときにつきましては、同社に対して損害賠償請求ができること、あるいは契約解除できること、そして、都が契約解除する場合には損害賠償を求めることができること、さらに、その請求といったようなものは、瑕疵を知ったときから一年以内に行わなければならないことなどが規定されております。
 一方、平成十八年十一月の契約書につきましては、地下埋設物の取り扱い等という項目がございまして、豊洲新市場予定地内に残置される地下埋設物の取り扱いに関する協定書に基づくということが規定されております。
 なお、土壌汚染の調査及び瑕疵担保に関する規定は置かれてございませんが、これは、平成十四年に都と民間地権者との間で締結いたしました、先ほどご説明いたしました合意において、地下埋設物や土壌汚染などの隠れた瑕疵につきましては東京ガス株式会社が負担することになっているという規定があるために置かれていないものでございます。

○斉藤委員 今いったとおり、平成十六年の最初の、東京鉄鋼から買ったときにはちゃんと細かい規定が書いてあります。さっき、土壌汚染処理については別だからと、売買契約書は余り関係ないようなことをいっていますが、ある程度やっぱり、汚染の原因者に対して責任を問うためには、売買契約書の中に当然書いてあることが、買う側の方の利益として大事だから書いてあるんです。したがって、これは書いた方がいいわけです。書かないときは、その分の責任が買い主の方にも来てしまうということですから。
 それでは、同じように伺います。
 保留地売買が二回あります。これは、東京ガスと換地をした後に、換地をした区画整理事業施行者が、等価交換ですね、東京ガスの土地を持ちまして、その持った土地を今度は東京都に売却をしているのが、平成十八年二月と十八年十一月にあるんですね。
 同じように聞きます。こちらの中での、地下埋設物の処理等や土壌汚染の調査等という項目があるのかないのか。あれば内容を披瀝してほしいということ。瑕疵担保についても同じでございます。よろしくお願いします。

○岡田中央卸売市場長 お話の平成十八年二月及び十一月に、都は、売り主である東京都との間で、保留地を購入する土地売買契約を締結してございます。
 この二つの契約書には、地下埋設物の処理など、また土壌汚染の調査等という項目はございません。このことは、先ほどもご説明申し上げましたけれども、平成十四年に都と東京ガスを含めます民間地権者との間で締結した合意におきまして、地下埋設物や土壌汚染などの隠れた瑕疵につきましては東京ガス株式会社が負担することとなっているためでございます。
 なお、この契約書の八条には瑕疵担保責任の項目がございまして、売り主である都は、本件土地に隠れた瑕疵があっても、その責めを負わないものとするとの規定がございます。

○斉藤委員 第八条についての話が今ありましたが、つまり、これをまとめると、売った側の方には、隠れた瑕疵があっても、つまり、さっきいった、わかっているくいとかの瑕疵はともかくとして、隠れたそれ以外の瑕疵があっても、その責任を負わない。売る側はそれを負わない。全部東京都が負うかもしれないというふうに理解できるんですが、売り主には免責されているわけです、ということがわかりますよね。つまり、この区画整理事業については負担を求めないということです。
 さらに聞きます。では、保留地の売買契約書を見て、平成十四年の合意文書を参照することができるのでしょうか。私はその契約書を見た中で、詳しくないのでわからないんですけれども、契約書を幾ら見ても、平成十四年の合意書が存在することが、売買契約書を見る限りではわからないんです、この保留地については。どういうふうにそれはたどり着けばいいんでしょうか。ぜひとも教えてください。

○岡田中央卸売市場長 同じご答弁になってしまいますけれども、保留地の売買契約書というものは、平成十四年に、先ほど申し上げましたけれども、都と東京ガス株式会社を含めた民間地権者との間で締結した合意におきまして、地下埋設物とか土壌汚染などの隠れた瑕疵については、これは東京ガス株式会社が負担することとなっている。これを前提としてなっていますものですので、先ほどの豊洲地区開発整備に係る合意といった文書に係る、そういった記載はされていないわけでございます。

○斉藤委員 合意文書に係る記載というのは、売買契約書の中には記載が全くないということですね。
 そうすると、私なんかは、どうやってその契約書を見て、どこの書類を参照にしていいかわかりません。さっきいった十八年十一月の二回目の東京鉄鋼からの売買のところには、どの書類を見ろというのがちゃんと書いてあるわけです。しかも、ご丁寧に、最初の東京鉄鋼の売買契約書には、どこを参照しろとかいうふうに書かずに、具体的な処理の費用は売り主の鉄鋼が持てということも書いてあるんです。必要だから書いてあるし、それがなかったら問題が生じる。少なくとも買い主の方の不利になるということがあるから、わざわざ契約書に書いてあるんです。
 ところが、保留地になると、全く書いていないどころか、売り主の免責だけ書いてあるんです。これでどうやって--では、今までの鉄鋼は何だったのか。しかも、鉄鋼なんて単価がもっと安いんですね、保留地に比べて。その上でさらに費用負担まで求められているのが明確に書いてあるわけです。だけど、保留地になると免責だけ。どうしてこんな違いがあるのか。とても、契約の部分でやっていて、どういう意味か全くわかりません。
 それで、この二つの保留地売買において、隠れた瑕疵、これはだれが負担をするのか。今のお話だと東京ガスっぽく聞こえるんですけれども、東京ガスでよろしいのか、そこを伺います。

○岡田中央卸売市場長 二つの保留地にかかわります売買契約書には、その第八条に瑕疵担保責任の項目がございまして、売り主である都は、本件土地に隠れた瑕疵があったとしても、その責めを負わないものとするとの規定がございます。
 一方、この売買契約書とは別に、何度も申し上げますけれども、平成十四年に都と東京ガス株式会社を含めた民間地権者との間で締結いたしました豊洲地区開発整備に係る合意、あるいは豊洲新市場予定地内に残置されます地下埋設物の取り扱いに関する協定書などにおきまして、土壌汚染ですとか残置されます地下埋設物についての取り扱いを定めております。
 したがいまして、保留地における土壌汚染や地下埋設物などのいわゆる隠れた瑕疵につきましては、これらの取り決めに基づきまして、従前の土地所有者、すなわち東京ガス株式会社が負担することとなってございます。
 同社は、環境確保条例に基づきまして都に汚染拡散防止計画を提出いたしまして、土壌の汚染対策を行い、平成十九年に条例上の手続を完了している、こういうことになってございます。

○斉藤委員 ということは、東京ガスが負担をするというふうなことで載っているというふうに聞こえます。そうしたら、何で今さら協議だ何だというふうにいっているのか、ちょっと私は理解ができません。
 では、確認しますけれども、この契約書というのは、鉄鋼の売買のときには細かく書いてありました。この部分は逆に余計なことを書いてあるのであって、保留地売買についての契約書は、非常にあっさり免責のことしか書いていないですけれども、これで十分だと、鉄鋼のときの契約書の方がむしろちょっとやり過ぎであって、保留地売買のやつは十分だというふうなことで認識していいのか、そこを確認します。

○岡田中央卸売市場長 保留地に関します契約書ということにつきましては、何度もいいますように、別途定めをしてあるわけでございまして、このことを前提にした上で二つの売買契約書ということは締結されておるわけでございまして、そういう意味から申し上げますと、適正なものであると認識してございます。

○斉藤委員 少しまとめますと、では、四つの契約書、鉄鋼の方の売買については、鉄鋼の会社の方がやるということがわかっているわけです、一回目の部分。二回目については、十八年の協定書の方の中身を参照しろと書いてありますので、それを見ればいいんです。ただし、このときは、くいの処理については書いてありますけれども、あとのことについては協議みたいな形になっているわけですね。しかも、保留地については全く何も記載がない。したがって、普通に契約書だけ見ていたら、何を参照にしていいかわからないという状態です。
 つまり、最初の鉄鋼の売買については、すんなり契約書として格好がついていますけれども、少なくともその後については、協議するのはわかっていても、東京ガスというふうにいい切るというのは、ちょっと僕は早計ではないかと思います。いい切るのであったら、何でむしろ協議なのかと。そういったちょっと基本的な疑問に立ち返ってしまうんですけれども、そこについてはいかがでしょうか。

○岡田中央卸売市場長 基本的にではございますが、十七年と十八年の保留地及び十八年の鉄鋼埠頭の契約ということにつきましては、例えば、地下埋設物の処理の問題あるいは土壌汚染の問題につきましては、十四年のときの協定があるわけでございまして、それに基づいて東京ガス株式会社が処理をするという形になってございますものですので、それをもとにして契約書ができているということでございます。
 なお、鉄鋼埠頭の最初のところにつきましては、協定上は、既に十四年の協定ということはできているわけでございますから、本来ならば規定の必要はなかったということでございますけれども、換地前の区画を購入するということがあったものですので、念のためそういった条項を入れることが必要であったということで入れていたということでございます。
 なお、十六年の最初のときの、今お話しの鉄鋼埠頭の地下埋設物については、そのときは、いわゆる地下埋設物の別途の協定書、これがまだできておりませんでしたもので、その協定が必要であったということでございます。
 基本的には、十四年の協定書において合意があって、その考え方ができているわけですので、その合意があるということですので、例えば土壌汚染の考え方といったようなものについては、別に契約書に入れておく必要がないということでございますけれども、最初のところの鉄鋼埠頭については、地下埋設物については別途協定がなかったために入れていた。あるいは土壌汚染については、必要はなかったんですが、換地前の区画を購入するために、念のために入れていたということになっておるわけでございます。

○斉藤委員 最後に、念のためといっていましたね。念のため入れるのが当然です。買う方としてはなるべく節約をしたい。売る方になるべくそういうことはお願いしておきたい。そういう中で書くのが当然でありますから、念のため入れたと。
 では、さっきの表を見たときに、一番最後の鉄鋼が買ったところについては、さらに、この十八年の協定書を見ろと書いてあります。これは、でも同時に、保留地売買のところには書かなくてもいいことなんでしょうか。念のため書いてもいいじゃないですか、それは。それは、あくまでどういうことを参照にするかということを知るためにはあっていい話なのに、その部分は要らないということでよろしいのでしょうか。(「かんで含めるように優しく教えてあげなきゃだめだよ」と呼ぶ者あり)それはありがたいですね。

○岡田中央卸売市場長 先ほど申し上げましたけれども、どこまで書くかということでございますけれども、基本的には、何度も申し上げますが、協定書があるので、それは関係者間でやっているわけですので、協定書に基づいて処理をするということがわかっているわけですが、契約締結をするときに改めてその規定を盛り込む必要はないという形になっているのかと思います。
 ただ、十八年のときになっていることにつきましては、改めて丁寧に説明したものというふうに、その規定理由につきましてはなっているというふうに考えてございます。

○斉藤委員 なるほどね。
 結局、それ、東京ガスの方の負担だというんですね。
 恐らく平成十四年のころには、環境確保条例の部分で設定をされた部分で処理をするというふうに書いてありました。しかしながら、今回、いろいろな、ベンゼン四万三千倍とかがわかっているというのは、環境確保条例を超えてやった部分についてでありますから、このあたりについては、多分この後、ほかの議員からも質問があると思うんですけれども、今、話を伺っていて思ったんですが、結局、市場長は東京ガスの負担だと。
 いいですか、だからこれは、さっきいった、かんで含めるようにいってほしいんです、都民に対してですね。東京ガスの負担だというふうにとれるようにも聞こえるんですけれども、この土壌汚染処理は。千二百六十億円のやつも、きっとその理屈でいうと。それでよろしいんですか。

○岡田中央卸売市場長 ここはちょっと重要なところですので、かんで含めるといいますか、丁寧に説明をさせていただければと。
 十四年及び十七年の協定書というのがあるんですが、それに基づきまして、先ほどございましたように、環境確保条例に基づいて東京ガスが東京都に計画を出して対策を講じるという合意になっていますので、それに基づきまして東京ガスは対策を講じたわけでございます。
 これは東京ガスとの合意のもとといった手続でございまして、十九年に環境確保条例の手続を完了している。これは東京都に対して完了届を出してございまして、一応、条例上の手続は完了している、こういうことになっているわけでございます。
 それでは、先生がおっしゃいました、これからの土壌汚染対策についての負担の問題ということにつきましては、これは、平成二十年に都が行った詳細な土壌汚染調査によりまして、操業に由来する高濃度の汚染物質の存在が確認された。このことを受けまして、都が実施する土壌汚染対策の経費の一部負担について、改めて協議の申し入れを行ったものでございまして、現在、例えば百十七条に基づく調査結果ですとか、そういったことについて話し合いを行っております。
 今後も東京都は、土壌汚染対策の詳細な内容ですとか、現在実施しております実験の結果などについて説明を行いまして、これらを踏まえましてさらに協議を進めてまいりたい、このように考えてございます。

○斉藤委員 環境確保条例しかなかったころにつくって、環境確保条例に基づいた処理は東京ガスということだということです。
 実際には、都が今、調査している部分というのは、環境確保条例からさらに上乗せをした部分ですから、その部分がどうなるかということは全く未知数というふうな感じですね。
 そして、なおかつ、特に保留地については、まあ、保留地ということはあっても、直接、保留地の売買においては東京ガスという名前は全く出てこないという状態ですから、その部分でさかのぼるということはできない。売買契約書で原因者にさかのぼるということはできません。
 もう一つ、東京ガスの方からの視点で考えてみるんですが、こういった場合に、知事の会見もそうなんですけれども、東京ガスとの協議ということの話がよく出ます。で、今、お話を聞いていると、何となく東京ガスに負担させるべきというふうに聞こえるんですけれども、ご存じのように、平成十二年の六月に東京ガスは、弊社豊洲用地への築地移転にかかわる御都のお考えについてという質問書を東京都に出すとともに、広く広報しています。
 その中では、東京ガスみずからリスクについて言及して、弊社としては基本的に、これは市場はということなんでしょう、市場は受け入れがたいところでありますとして、工場跡地であり、埋設物と土壌改良に多額の費用がかかる等の意見を示しておりました。
 また、その後、四万三千倍のベンゼンが調査で出るわけなんですが、このときの後の平成二十年の六月二十七日の東京ガス株式会社本社での定時株主総会でも、個人投資家の、東京ガスの工場跡地からベンゼンなどが基準値を大幅に超えて有害物質が出ていると報道がされて、大変株主として心配をしているけれども、大丈夫かという旨の質問がありました。
 それに対して、社長から指名された担当役員より、満座の株主の前で、東京都の指導のもとで的確に処理をしているので問題はないという旨の答弁をしているんですね。
 ですので、これはつまり、株主の前で、いや、うちの負担になることはないんだと、大丈夫、もうやることはちゃんとやっているんだから大丈夫だということをいっているんですね。
 つまり、株主に対して責任があるわけです。我々東京都が都民に責任があるのと一緒のように、向こうは株主に対して責任があるから、そんな、後でまた追加で負担をさせてくれということは、必要があれば、それなりの防御線を張る話であって、満座の株主の前で説明するというのは、大丈夫だということだったんです。
 実際にこの流れの中で、平成十二年六月に、そんな心配をしているということを、株主のためにも東京ガスがいっているにもかかわらず、東京都はその進言をある意味封じ込めてしまって、土地売買に走っています。
 そして、今になってから東京ガスに社会的責任をというふうにお願いしているというのは、東京ガスからしてみれば、そのときに心配したじゃないか、リスクがあると心配して、自分たちは書類まで出したじゃないかと。だけれども、そのときには自分たちの意見は全部通らなくて、今度は、責任があるからお金出しなさいといわれれば、東京ガスとしても、それこそ追加で費用負担を行ったときに、株主を初め、関心が持たれるのは必至な事項になってしまうんじゃないか。
 私から見れば、東京ガスの方が全額出すようなことはまずないだろうと思っています。これはあくまで私見です。
 そして、現在、東京ガスと今、協議をしているということですが、じゃ、いつまでにまとめるのか。そもそもまとめることはできるのか、見通しについて、ご答弁可能な範囲で所見を伺います。

○岡田中央卸売市場長 ご答弁する前に一つ確認をさせていただきたいんですが、先生の、保留地については土壌汚染対策は東ガスはやらないのではないかというようなご質問だったのかと思うんですけれども、これについては、新市場予定地全域について東京都が土壌汚染対策をし、そこの部分につきましては東ガスから負担をいただくという形で申し入れをしていますので、そういう意味では、保留地部分につきましても東ガスに負担分をいただくという考え方でお話をさせていただいているということでございます。
 それから、平成十二年のときに東ガスさんからそういう申し入れがあったとかどうかということでございますが、その後の経緯をごらんいただきたいと思います。
 平成十三年の段階では、都と東京ガスとの間で基本合意を結んで、今後話し合いをしていきましょうというような話をしているわけでして、十四年の段階では、東京ガスさんも入れた地権者の間でいわゆる合意ができ、十七年のときには、さらに土壌汚染対策についての上乗せについての取り決めもしているという形になって、さらに十九年の段階で、いわゆる土壌汚染対策についての完了が出ているという形でございますので、当初はどうであったかということはともかくとして、十三年以降、市場が豊洲に移るということで、東京ガスさんとの間で合意ができて話を進めてきているということだろうと考えております。
 それから、ご質問の、それでは、今やっております東京ガスとの話し合いということでございますけれども、どうなっているのかということにつきましては、先ほどもご説明をさせていただきましたけれども、現在話し合いを詰めておりまして、例えば実験の結果などにつきましても、これらを踏まえてさらに協議を進めていきたいというふうに思っていまして、都としては、今後、東京ガスとの間の話し合いを終えた上で用地を購入していきたい、こういうふうに思ってございます。

○酒井委員長 斉藤あつし委員の発言は終わりました。(拍手)

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