予算特別委員会速記録第二号

   午後六時四十六分開議

○藤井副委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 東村邦浩理事の発言を許します。

○東村委員 それでは、最初に、平成二十二年度の都財政並びにこの予算、そしてこれまでの財政改革について何点か質問いたします。
 知事は平成十一年の就任以来、最初に手をつけられたのが公認会計士などの包括外部監査、これを導入されました。そして十二年五月には、機能するバランスシートを初めて全国に先駆けて東京都に導入されたわけでございます。
 そして私は、十三年、この議会に来させていただきまして、十四年の予算委員会だと思いますが、あのときに初めて、東京都に企業会計並みの複式簿記と発生主義会計を導入すべきだということを強く知事に迫りました。財務局長はできないという答弁でしたが、当初、本当に先見の明を持たれていた知事が、これをやることは急務だということをおっしゃいまして、この十四年の五月に記者会見をし、東京都に複式簿記・発生主義会計を導入するという決断をされました。それから三年という本当に短い期間でしたが、東京都の職員の方の英知と努力によって、平成十八年度から全国に先駆け、国もやらない中、複式簿記と発生主義会計が東京都に導入されたわけでございます。
 特に減価償却や金利という考え方、さらには日常の業務からコスト意識を芽生えさせていく、こういう大きな発想の転換により、十八年度から、この東京都にバランスシートと行政コスト計算書、そしてキャッシュ・フロー計算書が導入されたわけでございます。
 その改革の第一番目は、マクロの改革をされた。その一つとして、バランスシートの作成によって、今まで表に出てこなかった隠れ借金、約一兆一千億にも上る隠れ借金が表に出てまいりました。具体的には、減債基金の積立不足や他会計からの借入金、通常これは相殺されますから、なかなか出てこなかったんですが、バランスシート上出てきた。さらには、多摩ニュータウンの事業の欠損金、これなんかも表に出てくることになりました。こういう表に出てきたおかげで、行政は一つ一つそれを解消していこうという努力をされ、十九年度にはこの隠れ借金もほとんどゼロになったわけでございます。
 また、従来、減価償却という考え方がなかった。例えば建物を更新するときにも、お金が足りなければ、そのときに都債を発行していた。それでは財政が本当に健全に運営できるのかという大きな疑問があったわけでございますが、この減価償却によって、事前に、どれだけ何年後に維持更新するためのお金が必要かという発想の転換ができ、前の段階で積み立てていく。つまり、五年後に維持更新しなければならなければ、五年前からこれを積み立てていく、こういった発想をし、この社会資本等整備基金を四千五十七億積み立ててまいりました。特に十八年度は、活用可能な基金が六千六百二十億しかなかったのが、一兆三千億まで伸びたのは、この社会資本整備の積立金が行われたことだと私は思っております。
 知事の本当にこの十年間の財政再建、中には、運がよかったからだ、景気が回復してきたからだという人がいるかもしれません。でも、私は、運もリーダーの力だと思っております。運がなければ部下もついてまいりませんから、まさにこれも実力の一つだと思っていますが、何よりも具体的な改革をやって、これだけは恐らくだれにもまねできない、だれからも指さされないだけの改革を私はやったと思います。
 そこでまず、都の会計制度に複式簿記・発生主義会計を導入し、こういったマクロ的観点から都の財政を大きく変えてきた知事の思いを冒頭伺いたいと思います。

○石原知事 専門家の東村さんにお褒めいただくと大変汗顔の至りでありますが、実は私もあなたの職業につかんと欲して、ほかの大学へ行くつもりでいたんですけれども、おやじが死にまして家運が傾きまして、おやじの先輩にいわれて違う大学へ行きました。公認会計士になれといわれて、そのつもりでおりましたが、半年勉強しましたけれども、とても私の及ばない学問であきらめましたが、そういう点で、私は日本の歴代の総理大臣はそう偉いと思わないけれども、公認会計士の先生を見ると、この人は偉い人だなと思うんです。(笑声)
 今おっしゃっていただきましたこと、とても私にとってうれしいことですが、案外この問題というのは政治家はむとんちゃくでして、勉強、不勉強の人、たくさんいますけれども、財政というのは本当に、国にとっても地方自治体にとっても、とても大切なものですが、その根幹というものを規制する会計制度について疑義を抱く人というのはいないんですね。
 私はあなたにもいろいろご相談しましたが、新しい会計制度を東京が取り入れて、いろいろ成果は上がったと思います。今、民主党が事業仕分けなんということをやっていますが、あんなものは、会計制度がきちっとしていれば、財務諸表が出てきちっと、せずに済むことでありますけれども。
 私がやったことの中で自分でも最も自負し得るものは、会計制度を変えたことですが、それを評価してくれたのはたった一人、政治家で。中曽根康弘さんだけでしたな。そういう点は非常に残念といえば残念なんですね。
 今、専門家というご指摘をしましたが、とにかく財政再建のために先進国でこれをやっていないのは日本だけでありますから、それをまず東京でやろうということでやりました。おかげさまで、皆さんの賛同を得て財政再建ができたわけでありまして、これを踏まえて、これからもすべきことをやっていきたいと思っております。

○東村委員 今、マクロ的な観点から話をしたんですが、もう一つ大事なことは、ミクロ的な観点、各局の事業一つ一つについて、今度はバランスシートと行政コスト計算書、そしてキャッシュ・フロー計算書を活用して、費用対効果という観点から一つ一つの事業を検証していかなきゃいけない。そして、事業を評価して、むだをなくしていくことが急務でございます。
 そこで、今後、ミクロ的な観点から、こういった新たな公会計制度をどのようにして活用していくのか、財務局長にお伺いしたいと思います。

○村山財務局長 今、東京都は事務事業評価制度に取り組んでいるわけでございますけれども、今後、評価対象をさらに拡大するなど、制度を定着させる段階から、次のステップに発展させていこうという段階でございます。その際には、お話の新しい公会計制度のミクロの視点での活用がポイントになると考えております。
 例えば個々の事業を評価する際に、その時点におけるコストのみならず、その事業を実施することが将来の東京都の資産や負債にどう影響が及ぶかといった、より複眼的に事業の効果、問題点を検証していくことが重要でございまして、その上では、新しい公会計手法のミクロ面での活用が不可欠の課題となります。
 こうした観点に立ちまして、新しい公会計手法のミクロ視点からの多面的な活用方法を今後検討いたしまして、東京都が実施しております一つ一つの施策が都民にとって一層役に立つものになるように、この事務事業評価の取り組みを一層積極的に推進してまいります。

○東村委員 まさにおっしゃったように、今時点でどうかという判断も大事なんですが、例えばこれを十年間やった場合、どれだけ効果が違うのか、例えば土地一つとって、売却した方がいいのか、定借にした方がいいのか、こういう判断も、金利やさまざまな要素を加味して政策的な判断ができる。そういう意味で、ぜひともこういうミクロの観点で--事業仕分けは私は否定はしないんですけれども、事業仕分けの大前提は、先ほど知事がおっしゃったように、財務諸表の数値がきちっとそろっていて、その上で初めて事業仕分けは生きると思うんですね。そうしないと、主観的な判断でしかこの事業仕分けができない。これは新潟県でも横浜市でもずっとおっしゃっていましたけれども、こういう意味での事業仕分けをやることは重要だと思いますが、大前提はそういった財務諸表を活用することだということをどうかご理解いただきたいと思います。
 その上で、今、国は、東京都に先を越されたものですから、どうも東京都の方式をなかなか活用しようとしない。自分たちもしようとしないけれども、全国の自治体にも、東京都の方式じゃなくて、総務省が考えた方式をやりなさいと。これは実は、知事がもう既に十二年のときにやられた機能するバランスシートと同じなんですね。複式簿記・発生主義会計でなくて、機能するバランスシートよりも、はっきりいって劣った制度でございまして、これを全国の自治体に今押しつけています、総務省は。
 私は何を危惧しているかといいますと、先ほど知事がくしくもおっしゃっていました、世界は、国際公会計基準にのっとって複式簿記・発生主義会計をほとんどの国が、ベトナムですらやり始めました。やっていないのは日本だけなんです。そういう中で、相変わらずこういう総務省方式を自治体に押しつけて、国も改革をしない、こういう大きな問題がございます。
 ぜひとも、この複式簿記・発生主義会計のメリットと、国際公会計基準とこの総務省方式は乖離しているんだということを全国に発信すべきだと思うんですね。
 そういう意味で、知事が大阪府と共同で、この複式簿記・発生主義会計の導入に向けたプロジェクト、これを立ち上げられました。こういったところでどんどんこういう発信をして、全国の自治体をリードしていくべきだと思いますが、会計管理局長の見解を聞きたいと思います。

○新田会計管理局長 本プロジェクトは、都の支援によりまして、大阪府が東京都方式に準じた複式簿記の導入準備に本格的に着手することとなりましたことから、この機をとらえまして、複式簿記・発生主義会計の全国的な導入を促進するため、さまざまな取り組みを大阪府と東京都が共同して展開していこうというものでございます。
 我が国の公会計制度の現状を見ますと、現行の官庁会計では必ずしも十分な説明責任を行政が果たしていない点、あるいはご指摘のように、総務省の公会計モデルが国際公会計基準からかけ離れておりまして、全国標準とはなり得ないことなどの課題がございます。
 こうした課題の解決に向けまして、今後、大阪府とプロジェクトの具体的な内容を協議してまいりますが、例えば有識者による検討や全国自治体アンケートによって課題を解明し、公会計のあるべき姿を明らかにする白書の作成などを通しまして、複式簿記・発生主義会計の利点を全国に発信してまいりたいと考えております。

○東村委員 ぜひとも東京から発信して、できるならば国を変えなきゃいけないと思いますので、また力強い知事のリーダーシップをお願いしたいと思います。
 さて、今回の都の予算というのは、本当に税収が大幅に減る中において、福祉と保健の予算、保健、いいかえれば医療の予算、福祉と医療の予算は、構成比とそして金額においても過去最高になりました。
 ただ、都がこういう話をすると、共産党さんは相変わらず、まともにそういうことをとらえようとされないで、本会議の代表質問でまたこういうことをおっしゃっていました。本会議に提出されている来年度予算案も、全体としては都民の願いとはかけ離れたものですと。教育庁予算はこの十二年間で最低に減らされました、福祉保健局予算は増額されたとはいえ、安心こども基金など、そのほとんどは国の事業を予算化したものにすぎません、緊急雇用創出事業についても、都独自の事業は、充実どころか廃止するものになっているではありませんかとか、こういう本当に斜めに見た質問をされております。
 そこでまず、教育庁に、この教育予算は十二年間で最低といわれていますけれども、これについて教育長、どうでしょうか。

○大原教育長 教育庁予算はその約九割が給与関係費でございまして、基本的には児童生徒の数に連動して増減する構造となっております。したがいまして、毎年度変動する教育庁予算額の総額だけを比較して、教育施策が充実したとか後退したとかということを論ずるのは意味がないと思います。
 具体的に数字を申し上げますと、過去十二年間における教育庁の当初予算額の最高額は平成十一年度の八千三百六十億円であり、平成二十二年度の七千六百四十九億円は、これと比較をいたしますと七百十一億円減少しています。
 この要因でございますけれども、児童生徒の数の減少に伴う教員数の減少、それから教員の大量退職、大量採用による教員の平均年齢の若年化に伴いまして人件費単価が下がったこと、こういったことによりまして、給与関係費はこの間、この二つを比較いたしますと、五百六十二億円減少しています。
 また、文化スポーツ関連経費や高等専門学校の運営経費につきましては、現在はよその局に事業移管をされておりまして、これで百六十七億円の影響がございます。
 この二つを合算しただけで、七百二十九億円になりまして、先ほど申し上げました七百十一億円の減少額というのを上回る数字になります。つまり、給与関係費や他局移管経費を除いた経費で見ると、平成二十二年度は平成十一年度よりも十八億円増加していることになります。
 したがいまして、教育庁予算の総額だけを比較して、この十二年間で最低に減らされたという単純な批判は全く当たらないと考えております。

○東村委員 確かに、教育庁の予算の九割は学校の先生のお給料なんですね。それを考えれば、そのときの生徒児童数によって変動するのは当たり前の話であって、それを除いた、多い給与関係費や他局移管費を除いた経費で見ると、二十二年度はむしろふえている、こういうことが明らかになったわけであります。
 それでは、福祉保健の予算について、これは安心こども基金など、そのほとんどは国の事業を予算化したものにすぎない、こう切り捨てられましたけれども、福祉保健局長、いかがでしょうか。

○安藤福祉保健局長 平成二十二年度福祉保健局予算案のうち、国の基金事業にかかわる新規事業を差し引きました場合の予算額は八千二億円で、平成二十一年度当初予算と比べて、百七十三億円、二・二%の増となります。
 したがいまして、国基金事業にかかわる新規事業を除いたとしても、政策的経費である一般歳出で過去最高額を確保しております。

○東村委員 明快に答えていただきました。百七十三億、二・二%、国基金事業を除いてもふえる、そして、政策的経費である一般歳出の中に占めるこの金額は過去最高だということが明らかとなりました。
 さらに、もう一つ聞きたいと思います。
 緊急雇用創出事業についても、都独自の事業は充実どころか廃止をしている、こういわれていますけれども、産業労働局長、どうですか。

○前田産業労働局長 緊急雇用にかかわる都独自の区市町村補助事業は、平成二十年十月の東京緊急対策Ⅱにおいて打ち出した、国に先駆けた取り組みであり、雇用情勢が急激に悪化する中、失業者に対して迅速に雇用の場を提供する役割を果たしたものです。
 その後、平成二十一年に入りまして創設した国の交付金による基金事業は、各自治体の声を反映し、事業の実施要件が順次緩和されるなど、制度の改善が図られてきており、また、基金の規模についても大幅に拡充しております。
 こうしたことから、来年度の緊急雇用創出事業は、安定的な財源が確保された基金を活用して実施するものです。平成二十二年度の雇用創出事業全体の予算額は、本年度の百三億円の一・八倍に当たる百八十六億円を計上しておりまして、今年度を大幅に上回る事業規模により積極的に雇用創出に取り組んでまいります。
 このように、今年度と来年度の緊急雇用創出事業につきましては、事業総体で比較すべきであり、パーツのみをとらえて論ずることは、木を見て森を見ないようなもので、ご批判は当たらないと思います。

○東村委員 はっきりいわせてもらいます。緊急雇用というのは、本来は、これはまず国がやらなきゃいけないんです。それを今まで先行して都がやってきたわけです。今回、その都の部分について基金が使えるようになったわけですから、それは当然、国の基金が使えれば国の基金にゆだねた方がいいわけであって、全体を見て緊急雇用事業と考えなきゃいけない。それを、さっきおっしゃったように、森を見ないで木だけ見て、そこだけあげつらうというのは、これは本当に、真正面に都の予算を見ていないとしか私はいいようがないと思います。
 はっきりいわせていただいて、今回六千億という税収が減っているんです。この減っている中で、都が将来と現在を見て予算を組んでいるということは、これは本当に評価しなきゃいけないことで、私は当局の本当に並々ならぬ努力というのは、これは多くの人が知っていただきたいと思います。大いに私は評価したいと思いますし、ぜひともこれをしっかりと執行して、都民生活を改善できるように努力していただきたいことを申し上げたいと思います。
 次いで、築地市場の移転再整備について何点か申し上げたいと思います。
 この二十一世紀プロジェクト案では、現在地再整備の前提として、晴海仮移転というものを取り上げております。そこで、この晴海仮移転について何点か指摘をしたいと思います。
 まず、利用できる用地が限られている。それは、今の豊洲に比べれば、当然晴海の方が狭いわけですから、これを一体的に配置することはできないわけでありまして、我々も実は当初、白紙に戻して検討しようということで、晴海の市場を使えないかということで、これに似た取り組みをしている大阪の中央卸売市場を視察してきました。
 いわれたのは、立体的に配置するのは、市場にとってもダメージ以外何でもない、こんな大変なものはないといわれました。大阪は場所がないから、あそこでやむを得ず立体的にやったけれども、絶対にこういうことはやっちゃいけないということを、むしろ市場関係者の人がみんな口をそろえておっしゃっておりました。
 さらに、かつて晴海地区は、ここは清掃工場を建設する際に、地域の住民が大反対運動を起こしたんですね。紛糾したわけでございます。仮移転といっても、ここにつくるということは、なかなか住民合意を得るのは私は大変だと思いますし、先ほど自民党さんの質問で、環境影響評価、土壌汚染対策をつくって、合意できるまで五年かかるし、今から取り組んでみても、少なくとも着手まで十年はかかる。私は議員をやめているということをおっしゃった人もぽろっといらっしゃいましたけれども、十年かかる。着手までです。完成じゃありません、着手に十年かかる。
 さらに、市場機能が確保できないことに加え、移転経費が二重になるわけです。行くだけじゃなくて、行って帰ってこなきゃいけない。二回経費を払わなきゃいけない。こういう問題があるということで、恐らくこれは市場業界の合意は困難だろうと思います。
 その上で、費用の問題が出てくるわけであります。昨年の予算委員会では、豊洲移転と築地の再整備、どっちがお金がかかって、都民の税金はどっちが負担しなきゃいけないかという議論が行われました。そのときは、豊洲移転は築地市場の現在地を売却するから、この売却収入を確保することで都民の負担はない、むしろ現在地で再整備した場合には売却収入が見込めず、九百億円不足する、これは新たに都民の税金を投入しなきゃいけないんだ、こういう話がありました。
 そこで、この築地市場の売却収入が見込まれない晴海仮移転の再整備案、この問題でございますが、移転費用、借地費用、建設費用など、新たな事業費の増加が見込まれるわけでありますが、これを市場会計の財源で賄えるのか、明確に答えていただきたいと思います。

○岡田中央卸売市場長 昨年の予算特別委員会におきまして、新市場に必要な機能を盛り込みまして、環状二号線の計画を踏まえ、現在地再整備の事業費を試算いたしますと、築地市場跡地の売却収入が見込めないため、財源が九百億円不足するとご説明申し上げました。
 仮に市場外に仮移転先を求めた場合、仮設建設費、借地料等が発生いたしまして、事業費が増大する要素となります。
 一方、仮移転先の敷地の規模によりましては、施工計画の見直しによりまして、事業費が減少する要素も考えられますが、一般的には減要素が増要素を九百億円以上上回ることは想定しがたいことから、中央卸売市場会計の財源で賄うことはできないと考えます。

○東村委員 今、明確に中央卸売市場会計の中で賄うことはできないと。先ほど、中央卸売市場会計で賄えなくても、一般会計から持ってこいという話がありましたけれども、何で特別会計を設けているかという本当の根本的なことをわからないでやっている議論だと私は思いました。
 そういう中で、もう一つお聞きしたいんですが、晴海から仮移転してまた戻ってくる、今度は築地での再整備の問題ですが、築地市場というのは今、水産と青果の総合卸売市場であります。業界が一体となって築いてきました。私も二回ほど視察に行きました。朝早く行きまして、当初私も疑問を持っていて、青果と鮮魚を分けられないのかといったら、それは無理だといわれました。さまざまな連携をとってやってきたんだから、これは今までの歴史を簡単に崩すわけにはいかないといわれました。
 そこで、二十一世紀プロジェクトが発表した現在地再整備では、先ほど晴海のときもいいましたけれども、青果を二階にするという案が出てまいりました。これは業界の合意が得られるのでしょうか、答えていただきたいと思います。

○岡田中央卸売市場長 築地市場で再整備を行う場合には、敷地が狭隘なため、売り場、バースなどの基本施設を平面配置することができず、重層化せざるを得ません。このため、荷の搬送車両が、深夜から早朝にかけまして限られたスロープに集中することによりまして、混雑や待ち時間が発生するなど、物流効率が著しく低下いたします。その結果、極めて使い勝手の悪い市場となりまして、一階と比べ、上層階に配置される業界は著しく不便を強いられることになります。
 さらに、重層化による構内道路や待機駐車場などを施設内に取り込まざるを得ず、建設費が増大しまして、市場業者の負担がふえることになります。
 こうしたことから、業界の合意を得ることは極めて困難であると考えます。

○東村委員 業界の合意を得ることは極めて困難である、この案はちょっと厳しいという話がありましたが、もう一つ、三月三日の日本経済新聞にこういう記事が出ておりました。それは、築地市場の一部には、太平洋戦争後に洗濯工場が設けられた時期があった、こう記されていますが、築地における戦前からの土地利用の履歴を明らかにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○岡田中央卸売市場長 東京都が昭和三十三年から三十八年にかけまして編さんいたしました東京都中央卸売市場史によりますと、築地市場の開場につきましては、本場を築地海軍省用地跡に設置するものとした、そうした記載がございます。また、本場の用地内には、海軍省技術研究所、海軍大学校、海軍軍医学校、その他海軍施設があったと書かれてございます。
 さらに、同市場史によりますれば、昭和二十年十二月十日からは、進駐軍の接収指令がございまして、青果部仲卸売り場全部、二千三百二十二坪でございますが、これが接収された。そして、同所は直ちにランドリーに改造されたとの記載がございまして、この接収は昭和三十年三月三十一日に解除されたと書かれてございます。

○東村委員 これは海軍の技術研究所、大学校、医学学校等があった、また、それ以外の軍事施設があった、さらには進駐軍、米軍、アメリカ軍のランドリー工場があったと記載がされている。当然ランドリー工場ですから、薬品を使っているわけであります。
 私の地元八王子でも、繊維関係のさまざまな技術をやっていた学校跡地が、今回土壌汚染で改良して、そして新たな学校として生まれ変わりましたし、マンションなんかの下にも化学薬品等が使われていて、土壌改良しなきゃいけなかった、土壌汚染対策をしなければいけなかったと。そういうことを考えれば、当然、この米軍のランドリー工場、薬品を使っていた、土壌が汚染されている可能性があると考えられます。
 仮に築地市場を建てかえる場合、改正された土壌汚染対策法に基づき、どういった手続をとることになるのか、具体的に回答を求めたいと思います。

○有留環境局長 改正土壌汚染対策法及び環境確保条例では、仮に、築地市場における土地利用の履歴等の調査の結果、過去に有害物質の使用等が確認された場合、当該有害物質による土壌汚染の状況を調査し、その結果の報告を求めることとなります。

○東村委員 こういうことだと、結局、築地市場も、土壌汚染が確認された場合には豊洲新市場と同様の手順を踏まなければならない。時間がかかるし、結局は土壌汚染対策をしなければならない、そういうことが考えられるわけであります。
 さらに、この築地市場については、老朽化という大きな限界があるわけであります。いろんなところで話がもう出ておりますが、昨年十一月に、震度二の地震で天井から鉄製のガラリが落下をした。これは長さ一メートル、大変危険なわけでありまして、さらに十二月には、大雨の影響で十五センチのひさしコンクリートが崩落したと。私は、アスベストのところでなくてよかったなと思います。あれが落下をしていたら大変なことになっていたなと。もうこの築地市場の移転という問題については、そして再整備という問題については、一刻の猶予もないと思うわけであります。
 そのためには、何よりも円滑に進めていかなきゃいけないんですが、この市場業者をいかに支援していくか。多くの市場業者の一番の悩みは、やはり経済的な問題なんですね。この経済的問題を考えてあげなければいけない。
 都は、二十六年度の開場を前提に--市場業者の厳しい経営状況、ただでさえ厳しい中でこの不況でございます。経済的に大変厳しくて、移転したらもう、はっきりいって続けられないという人も中にはいらっしゃると思います。こういった人たちの気持ちをよくそんたくして、経済的な負担を軽減する支援策を都は検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○岡田中央卸売市場長 長引く景気の低迷によりまして、多くの市場業者の経営は悪化しております。移転に係ります経費の増大は、市場業者にとって大きな不安材料となっております。
 このような状況にありまして、新市場への移転を円滑に進めるためには、個々の市場業者が持つ課題や厳しい経営実態を把握した上で、実態に即した適切な支援策が必要であると認識しております。
 そのため、現在、水産及び青果の仲卸業者に対しまして個別面談を実施し、個々の経営の実態や支援策に対する要望などの実態把握に努めております。
 今後も、市場業者との個別面談を順次実施するとともに、これら把握した実態を支援策検討の基礎資料として活用いたしまして、市場業者の厳しい経営状況に配慮した支援策となるよう検討してまいります。

○東村委員 今、本当に、くしくもおっしゃっていただきました、水産及び青果の仲卸業者に対して、まず個別面談を実施している。一人一人の会社において、状況が私は全く違うと思います。こういった状況を一つ一つ酌み取っていただきながら、どうこういった経済的負担を支援していくのかということを都は考えていただければと思います。やはりそこが一番根本じゃないでしょうか。
 そういう意味で、これから大事なことは、こういった市場業者の一人一人の経済的、また経営的な状況、置かれている立場、こういうことをしんしゃくするとともに、やはり都民が安心して、口から食べる食べ物でございますから、食の安全・安心を確保し、そして新しい市場に行っても、本当にすばらしいといってもらえるために、第一にやらなきゃいけないのが食の安全であり、そして、この安全を確保するための無害化をする土壌汚染対策だと思っております。二十六年の開場に向けた知事の決意を最後にお伺いしたいと思います。

○石原知事 おっしゃるとおり、私たちの生命的な存在というものを確保するための要因は幾つかありますけれども、やっぱり日々口にする食品というものの安全性は、もう絶対的に必要だと思います。
 ということで、今の築地の施設の老朽化も踏まえて、幾つかご指摘がありましたけれども、そういった危険性というものを除去するためにも、一刻も早く豊洲に移ろうということでしたが、豊洲にああいうふうな、はるかに数値を超える、基準値を超える汚染物質が見つかったために、私たちも一瞬腰を抜かしましたが、しかしやっぱり、日本の技術というものを信頼すれば何とかなるんじゃないかと思って、その筋の人たちにいろいろお尋ねしました。
 既にこういったケースについて対処した事例があるということで、それをそのまま豊洲へ持ってくるわけにもいきませんから、同じ方法でさらに進んだ方法があるならば、それを駆使して、大きなバリアになっております危険物質というものを除去するということの検討を、日本の最高権威であります学者の先生たちにチームを組んでいただきましてお諮りしたわけであります。
 そして、予想よりも安価に、完璧というか、非常に有効な技術があり得るということで、それを今実施して、昨日も発表しましたように大きな成果を得たわけでありますから、こういったものを踏まえて、私たちは一刻も早く築地の危険性というものを除去するためにも、豊洲に移転をすることで都民の食の安全というものを確保していきたいと思っております。

○東村委員 それでは、次に多重債務者対策について伺いたいと思います。
 けさのNHKのニュース「おはよう日本」でも、改正貸金業法、つなぎ資金が借りられないという報道がなされていました。そこで、何点か伺いたいと思います。
 まず、これから資料を使いますが、出所を明らかにしなければならないので、この資料は、金融庁の貸金業制度に関するプロジェクトチームの事務局会議の資料、これをきょう使わせていただきたいと思います。平成二十一年十二月二十一日の資料でございまして、一部、その後変化をしたデータ、二月十日現在の更新されたデータを加味して使いたいと思います。
 さまざまこの中で出てくるアンケートの数字は、平成十九年、二十年、二十一年とアンケート調査をされた結果の数字だということも、まず冒頭、一言申し上げたいと思います。
 まず、この改正貸金業法のきっかけになった最高裁の判例、二〇〇六年、平成十八年でございますが、一月に、利息制限法を超える部分については、借り手が任意で支払ったと認められない場合、過払い金を返還できるという最高裁の判例ができました。これを受けて大きく変わってきたわけでありますが、この年の二〇〇六年十二月に、多重債務者の救済措置として貸金業法が改正されました。
 幾つかありますけれども、主な内容は大きく二つあると思います。
 一つは上限金利、年率二九・二%を二〇%にする。つまり、グレーゾーン金利といわれているものを撤廃するということでございます。これは、調べたら先進国では日本だけだそうです。
 また二つ目は、借入額を年収の三分の一以内にするということです。これは総量規制と呼ばれていまして、これが主に盛り込まれました。私は、これができたときに、これはすばらしいなと、当初は本当に心の底から思いました。
 あれから何年かたちました。完全実施がことしの六月だそうでございます。さまざまな問題が浮かび上がってまいりました。きょうのNHKのニュースでも取り上げられていましたが、第一番目が、過払い金返還請求の問題でございます。これは、だれのための返還かということをそもそも考えなきゃいけない。過払いしたのは多重債務者ですから、本来、全額本人に戻ってしかるべきなんですが、なかなかそういう現状にない。
 この四年間で過払いを返還した額は幾らか調べたところ、全貸金業者が返還した過払いの返還額は、約二兆二千億円だということがわかりました。四年間で二兆二千億の過払い金が返還されたんです。そして、このうち弁護士や司法書士が請求した過払い金というのは約八〇%です。
 ここにありますように(パネルを示す)、この過払い金の返還請求はだれがやったかというグラフなんですが、青い部分が自分で請求した部分なんです。これが大体一九・五%あります。赤い部分、これが弁護士、司法書士が過払い金を返還させるために手続をした、この部分です、これが八割あります。したがって、単純に八〇%で掛けると約一兆七千億円、四年間で一兆七千億円。
 この弁護士、司法書士の報酬総額、これも金融庁に提出された資料から持ってきたんですけれども、サンプルを、どれだけ手数料が取られたかということを分布にしてあります。縦軸が弁護士費用の総額、横軸が過払い金請求額。中にはひどいのがありまして、四百万の過払い金請求に、弁護士の手数料は二百三十万というのがありました。
 こういう分布を統計的な式に入れて調べたところ、大体三一%から三五%となりました。三五%とした場合、どれくらいの額になるかというと六千億です。六千億の新たなビジネスが生まれたわけなんです。すべての弁護士が悪いとは私はいいません。一部の弁護士、一部の司法書士がこういう六千億の市場に参入をしてきました。
 だから、皆さん、最近テレビでコマーシャルをやっているのをご存じでしょうか。そして、電車のつり革広告に、こういった過払いを、やりますよという広告が出ています。広告料を出しても、それだけの見返りがあるのが、この過払い金請求の実態なんです。
 私は何がいいたいかというと、都は現在、消費生活総合センターと貸金業対策室で、この過払いの問題、多重債務者の問題を扱っています。
 例えば消費生活総合センターでは、東京モデルと称して、債務整理、生活再建、再発防止までやっています。この専門相談窓口はどこがやっているかというと、弁護士会と司法書士会に委託をしているんです。そして、生活再建については、生活サポート基金という、元生活者ネットワークの代表をやられていた藤田さんという方がやられていますけれども、ここに委託をされているんですね。
 貸金業対策室はというと、都知事の登録業者の苦情相談については行政指導や立入検査をやっていますが、やはり過払い請求や個別の債務整理は、弁護士会、司法書士会に委託をしています。
 この弁護士会、司法書士会に委託をしたときに、きちっと東京の場合は手数料が決まっているといわれました。幾らか調べたら、過払い金請求の場合、交渉で返ってきても二一%です。訴訟の場合は二五・二%。確かに、先ほどの三一%から三五%より低いですけれども、それでも二〇%以上かかっているわけなんです。
 ただ、これは仕事ですから仕方がないと思います。私は、弁護士、司法書士がもうけているのを追及しようということじゃなくて、何がいいたいかというと、先ほど冒頭いいました、だれのための返還か。それは、過払いした人が、本来全額戻ってきて生活再建に役立てなきゃいけないんです。にもかかわらず、七割しか返ってこない、八割しか返ってこないと、こういう実態があります。
 現在、ADRという制度があります。裁判外の紛争手続、第三者的にこれを解決する手続があります。国の国民生活センターがこのADRを取得して、広域性、重大性、複雑性の案件がある場合にはここが扱うと。また、東京都の中小企業振興公社が、下請の紛争分野のを解決するためにADRを取得されています。
 そこで、今後、このADRの活用はどんどん広がっていくと予想されます。改正貸金業法が完全実施されれば、今みたいな裁判事例というのも大幅に減ってくるはずです。そうなったときに、都の消費生活総合センターが、これらのADRの機関と連携をとりながら過払い金返還請求の問題に取り組んであげれば、安い手数料で、多くが苦しんでいる多重債務者に戻ることになる、こう考えるんですけれども、いかがでしょうか。

○秋山生活文化スポーツ局長 多重債務問題に関します裁判外紛争解決手続を担う、いわゆるADR機関でございますけれども、ただいまご指摘ございましたとおり、都内には国民生活センターなどはございますけれども、過払い金返還請求につきましては、多くの場合、訴訟手続でないと解決しにくいというのが実は現状の実態でございまして、いずれのADRも、過払い金返還請求には現状対応していないというふうに聞いております。
 消費生活総合センターにおきましては、ADR機関がこのような実態にあることや、相談員が本人にかわって過払い金返還請求を行うことはできませんので、そういったことから、先ほどの法律専門家などに相談をつないでいく東京モデルを活用するなど、他機関との連携によりまして、相談者が適切な解決を得られるよう対応しているところでございます。
 ただ、国におきまして、金融分野において新しいADR制度の創設をしようという流れの中で、現在検討が進められているというふうに聞いておりますので、このような国の動向について注視してまいりたいと思っております。

○東村委員 現在、国もそういった金融分野のADR機関の創設を考えているそうですから、ぜひともそういうのができた暁には、都がそういうところと連携して、やはり少しでも多くの金額が多重債務者に戻るということがいいわけですから、この取り組みをしていただきたいと思います。
 その上で、もう一つ大事なことは、実はこの表なんですけれども、多重債務者が過払い金返還請求後、どういう行動をとっているか。請求前、この青がヤミ金で、赤が知人、友人に借りているグラフなんですが、結局、過払い金返還請求後も、ヤミ金の率はちょっと減っていますけれども、赤の知人から借りる率もちょっと減っていますけれども、ほとんど行動が同じ。つまり同じことを繰り返している。
 したがって、先ほど生活サポート基金という話をしました。元代表の藤田さんが相談員で一生懸命やられているんですけれども、この生活サポート基金というのは、生活相談や家計簿をつくるところまでは一生懸命教えてくれるんです、家計簿をつくるところまで。
 問題は、同じ行動を繰り返す人はカウンセリングをしなきゃいけないということなんです。特に、職員がカウンセリングするのではなくて、やっぱり臨床心理の専門家、臨床心理士などが本格的なカウンセリングをやって、二度と借りないようにするという行動を起こさせなきゃいけないわけなんですね。そこに力を入れるべきなんですけれども、ぜひともこういった臨床心理士を活用した本格的なカウンセリング体制を整備すべきだと思いますが、見解を求めます。

○安藤福祉保健局長 現在、都では、心の悩みや経済問題などに対応している各相談機関、窓口等が連携協力いたしまして、カウンセリングなど相談内容に応じて、適切な窓口に確実につなぐ取り組みを行っております。
 多重債務者生活再生事業というものを行っておりますけれども、そこにおきましては、例えばギャンブルへの強い依存傾向がある場合などには、臨床心理士等が配置されております精神保健福祉センター等を紹介することとしております。
 さらに、相談技術の向上、専門機関との連携による相談体制の充実を図るために、今後、臨床心理士等を講師として、本事業の相談員に対する精神保健研修の開催等について検討してまいります。

○東村委員 まず第一歩だと思います。よく踏み込んでいただいたと思います。
 相談員が本当にどこに紹介していいかということをまず根本的にわからないと、そこで終わってしまうわけですから、相談員の方に、臨床心理士の方が講師となって研修会をやってくださる、これがまず第一歩ですけれども、ここから進むと思います。その上で、将来的には、こういった都としてのカウンセリング体制、しっかりつくっていただきたいと思います。
 二点目の問題として、先ほどいいました総量規制の問題、年収の三分の一以上、超えた部分については借りられないという問題です。これも金融庁の資料なんですが、この棒グラフで二〇〇八年と二〇〇九年、赤いところですが、これが実は、今、消費者金融で借りている人で年収の三分の一を超えている人なんです。わかりますかね。
 実態として、今借りている人で既にもう年収の三分の一を超えている人が、赤いグラフで五二・八%いる。これが六月から施行されたら、完全実施されたら、この五二・八%の人たちは、今借りている消費者金融からも借り入れられなくなるんです。どこに行くかということが問題になるんですけれども、こういう利用者が、今、消費者金融で借りている人が一千万人いるそうです。五二・八%ということは、五百万人が、まず消費者金融から借り入れられない。
 じゃ、借りなきゃいいじゃないかというんですけれども、これが今、国の考え方なんです。でも、借りるところがないから消費者金融で借りている。こういう人はどこに移るかというと、明々白々で、このグラフを見ていただければわかると思います。黄色が二〇〇八年で、黒が二〇〇七年ですけれども、希望どおり借りることができたという人は、ヤミ金との接触率なんです、ヤミ金に流れている人はやっぱり低いです。ところが、希望額が借り入れられなかった、借り入れを断られた、保証人や担保を求められたという人は、これだけヤミ金と接触しているんです。
 つまり、この五百万人以上の、今、消費者金融で借りていて年収の三分の一以上の人、この人たちは、消費者金融から、今度完全施行されたら断られます、違反になりますから。どこへ行くかというと、ヤミ金に流れるんです。これが、これからの大きな問題なんですね。
 この前、金融庁のPTの証言に、東京都のトイチ業者からお金を借りている人が出席して証言した中に、実は東京都のトイチ業者はヤミ金融だと、こういう証言をしたんです。正確な表現じゃないでしょうけれども、恐らくいいたかったのは、トイチ登録しているところに借りに行ったら、ヤミ金まがいの率を請求されたということなんです、利息を。ヤミ金まがいの利息を請求された。
 昔、トイチ業者を徹底して東京都はチェックしていただきましたけれども、まず、何よりもヤミ金問題で一番最初やらなきゃいけないのが、このトイチ、十日でという意味じゃないです。東京都の登録一回目の業者をトイチ業者というんですけれども、今。この東京都の登録一回目の業者、これがどうなっているかというのを実態把握する必要があるんですね。
 そこで、この実態把握の状況や行政指導の状況について、産業労働局長に伺いたいと思います。

○前田産業労働局長 東京都は、都知事登録業者に対しまして、東京都に寄せられる苦情相談、あるいは他の自治体など関係機関からの情報を活用して随時の立入検査を行い、実態把握に努めております。
 立入検査時には、例えば貸付条件表の不掲示、身分証明書の不携帯などに対する行政指導を行うほか、違法行為が見られる貸金業者に対しては、速やかに厳正な行政処分を行っております。あわせて警視庁に情報提供するなど、関係機関と連携して取り組んでおります。
 違反内容が特に重い者に対して、平成十九年度は百六十五者、二十年度は百十六者、二十一年度は、この二月末までですけれども七十二者に対して、登録取り消し処分を行いました。この登録取り消し処分を行った者のうち、今、先生お話ありましたが、新規登録業者は約八割を占めております。

○東村委員 東京都は、本当によくやっていただいていると思います。
 国というのは法改正を行うだけで、実際、やっぱりこういった現場を預かるのは都道府県なんですね。そこで、このような総量規制など、改正貸金業法の完全施行によってさまざまな影響が出るということをぜひとも国に伝えていただきたいと思いますが、局長、いかがでしょうか。

○前田産業労働局長 改正貸金業法は段階的に施行されておりまして、ただいま委員からお話ありました総量規制、金利の引き下げ等につきましては、本年六月までに完全施行が予定されております。
 都としては、これまでも国に対して、地方自治体の立場から、都における貸金業者の実態等を説明しております。例えば、登録業者の特徴であるとか苦情相談とか行政処分の状況などでございますが、中に、登録業者の特徴として、財産的基礎要件の段階的引き上げなど、今回の法改正による参入規制の強化による登録業者の激減があるということも報告しております。また一方で、安易に開業して経営に行き詰まり、時期を置かずに違法行為に走る登録業者が多いということも説明しております。
 そのほか、苦情相談としては、詐欺的行為、高金利、債務整理というものが多い。また、東京都の都知事登録業者は、ダイレクトメールや雑誌広告等を通じて全国の顧客を勧誘しているため、都外からの苦情相談が多いということもございます。
 また、行政処分としては、先ほど申し上げましたが、出資法を超える高金利、違法な取り立て行為ということの取り消し処分などでございます。
 一方、現在、国におきましては、改正貸金業法附則第六十七条に定めております、改正後の規定を円滑に実施するために講ずべき施策の必要性の有無についての検討を行うため、貸金業制度に関するプロジェクトチームが設置されております。
 都としては、こうした国の検討の動きを見守っていくとともに、引き続き貸金業者の実態等を国に伝えてまいります。

○東村委員 都については、先ほどのように、かなり徹底してやっていただいているんですが、このトイチ以外に、いわゆるヤミ金という問題があるんですね。これは、ぜひとも都が警視庁と十分に連携をとって取り締まり体制を強化していただきたいと思います。
 石原知事にも、亀井金融大臣が弟分だと聞いていますので、ぜひともこういった実態を亀井金融大臣にも伝えていただいて、十分検討していただきたいと、こういうことを伝えていただければと思います。(発言する者あり)ぜひともよろしくお願いいたします。
 次いで、新銀行東京についてお伺いしたいと思います。
 スコアリングモデルについて、まず冒頭お聞きしたいと思うんですが、いろんなところで、スコアリングモデル自体がとんでもないという話があるんですけれども、このスコアリングモデルの活用というのは、実は大手の銀行もかなりやっておりました。
 例えば三井住友銀行はやっておりまして、十八年度に初めて、ポートフォリオの質に重点を置こうということで経営判断をして、取り組み額を前年比約八千億減らしているんです。また、三菱東京銀行も実施をしていて、十九年度に、この中身を変えようということでモデル審査を変更しました。こういう、実際はやっているんだけれども、状況を見ながら経営判断をやっているんですね。経営判断をしてスコアリングモデルをやるかやらないか、続けるか、中身を変えるか、量だけじゃなくて質に重点を置くのかと、こういうことを実際にやり始めております。
 金融庁も、実はスコアリングモデルを活用した商品による融資を推奨していたんですけれども、当初十五年から十八年まで実績報告を求めていた。ところが、十九年四月以降は、金融機関に対して、画一的な取り組みになりかねないということで報告をとることをやめたんです。つまり、金融庁はここで、どうも十九年四月以降はかじを切ったようなところがあるんですね。
 こういうことを考えたら、他行もやっているし、金融庁も当初は推奨していたと。ところが、状況を見ながら、これは余り推奨したら危ないなということで経営判断をして、質に重点を置いたりして変えていったんですね。私はまさに、このスコアリングモデルそのものがけしからぬという話があるんですけれども、これはやはり、そのときの経営者が状況を見きわめながらスコアリングモデルというのを判断しなきゃいけない、そういうものだと思います。
 そこで、新銀行東京の経営悪化の原因が、スコアリングモデル導入そのものではなくて、私は、むしろそのときの経営判断にあったのではないかと、このように思うんですけれども、いかがでしょうか。

○前田産業労働局長 スコアリングシステムは、今お話ありましたように、当時は、公的機関等によりその活用が推奨され、メガバンクを初め多くの金融機関が採用しておりました。
 しかし、新銀行東京が外部の弁護士に依頼した調査報告書によれば、遅くとも平成十八年八月時点において、想定デフォルト率と実績デフォルト率との間に大幅な乖離が生じる結果となっており、融資審査においてスコアリングシステムが想定どおりの機能を発揮できなかったといたしまして、こうした運用が、新銀行東京で想定を大幅に上回るデフォルトが発生する結果となる融資等が行われた原因の一つであると認められると指摘しております。
 スコアリングシステムは、あくまでツールの一つでありまして、それをどう使いこなしたかというところに問題の本質があると考えます。

○東村委員 私もそのとおりだと思うんです。こういうその時々の状況を判断するのがやはり経営者なわけでありまして、その辺のところを見誤ったというのが一つの原因じゃないかと思っております。
 もう一つ、新銀行特別委員会で、ちょっと発言を聞いていて理解しがたかったし、これはこのままほうっておくわけにはいかないなと思うのが一つありました。
 それは、民主党の議員が発言された、新銀行東京が今リスケジュールという条件緩和をしております。これが、まるで貸しはがしを行っているのと同じであるかのようだと、こういう発言がありました。私は逆じゃないかと思ったんですけれども、そのときに答弁に立たれた都の職員の方も、かなり怒りを覚えられて感情的にいわれたので、具体的に理路整然と切り返していなかったものですから、ぜひとも局長にもう一度、このリスケジュールをすることがまるで貸しはがしだなんて、こういうことをいっているのは全然逆じゃないかと私は思うんですけれども、これについて見解を求めたいと思います。

○前田産業労働局長 一般的に貸しはがしというのは、銀行などの金融機関が融資先に対しまして、返済期限の前であるにもかかわらず、貸出金の一括返済を迫るなどの強引な回収を行うことを指しております。
 一方、新銀行東京のリスケジュールですけれども、新銀行東京は、リスケジュール実行後も、定期的な訪問や資金繰り状況の聞き取りなどにより、取引先企業の経営の実態を適切に把握するとともにアドバイスを行うなど、その取引先の支援をしております。貸しはがしというような主張は全く誤りです。

○東村委員 私も聞いていて誤りじゃないかと思ったんですが、意味があるんだったら、またちょっと特別委員会でじっくりお話を聞きたいと思います。
 その上で、もう一つ話をしたいと思います。
 それは共産党の主張で、今までは一貫して、直ちに清算しなさいという、こういう話だったんです。ところが今度、新銀行特別委員会で段階的清算論というのを主張され始めました。共産党さんは、段階的何とかというのを大変お好きな政党さんでございまして、綱領でも段階的革命論を唱えられておりますけれども、この段階的清算というのは、いまいち私、理解ができなくて、これは非現実的だと。まあ、すぐ清算するよりはましかもしれませんが、段階的清算というのは非常に非現実的だと思うんですけれども、これについて、局長いかがですか。

○前田産業労働局長 これまで、本会議、常任委員会、特別委員会を通じまして繰り返しご説明しておりますが、新銀行東京は、二千億円を超える預金を有するとともに、ほかの金融機関では支援が難しい、多くの赤字、債務超過先を含む中小零細企業を支援しております。
 また、新銀行東京を利用なさっていただいている取引先の従業員やその家族まで含めると、関係者は十万人に及びます。
 清算すべきという主張は、多くの関係者の生活を無視した議論であります。仮に段階的にということであっても、こうした関係者への影響を回避することはできないと、こういうふうに考えます。

○東村委員 まさに、本当に非現実的だと私は思います。
 その上で、今やらなきゃいけないのは、新銀行東京の企業価値を高めることなんです。これをまずやらなきゃいけない。ようやく、この平成二十二年三月期決算の第三クオータリーの決算で、当期利益が黒字基調となってまいりました。今度は、業務純益を黒字化することが企業価値を上げることになると思います。そのためには、さまざまな戦略を考えていかなきゃいけない。
 そういった意味で、都は、経営支援と経営監視という二つの部門を持っていますから、この両輪でぜひとも支援をしながら、また監視をしながら、新銀行東京が一日も早く企業価値を上げて、業務純益で黒字になったこのタイミングで、公明党が一貫して主張してきた、四百億を保全するための業務提携もしくは回収するための譲渡、こういった手続をしていただきたい。このことを強く要望して、次の質問に移ります。
 次いで、待機児童問題について質問いたします。
 この待機児童問題は、その本質として、受け皿をつくるということはまず大事なことなんですが、しかし、受け皿をつくるだけがすべてじゃない。受け皿を幾らつくっても、待機児童は私はゼロにはならないと思っています。なぜか。
 それは、一つは仕事に対する考え方の変化なんです。仕事をしながら子育てをしていくという両立ということが、今大きなベースになってまいりました。つまり、男性も女性も、仕事を続けながらキャリアアップをしていきたい、結婚しても家庭に入るだけがすべてじゃない、こういう考え方の人がもう随分ふえてきました。これは否定してはいけないと思いますし、現実だと思います。これをしっかりととらえている中で受け皿をつくる。つくればつくるほど、今度は潜在的な需要を私は掘り起こしてくるんじゃないかと思っているんですね。したがって、だから待機児童はなかなかゼロにならない。確かに、経済的な理由というのはありますけれども、これは一時的なものだともいわれております。
 そういう中で、本来、ゼロ歳から二歳児というものは、親が手元で育てることが大事だと、この前、保育園の園長さんたちの勉強会に行ったときに、預かっている保育園の園長さんたちもそうおっしゃっておりました。データとしても、ゼロ歳から二歳児を親が手元で育てた子どもは、親が抱き締めて育てた子どもは、切れる子どもが少ないという統計的なデータも出ております。他方、優しさと忍耐力がつくと。(発言する者あり)今、保育園に預けて抱き締めているといっていますけれども、中には、保育ママを自分のお母さんだと勘違いしている子どもも出始めてきている、こういう実態もあるんです。
 そういう中で、他方、親も優しさと忍耐力がつくんです。ここが大事なんです。今、親が社会的に問題を起こしていますけれども、親も、子どもを抱き締めながら、本当に苦労しながら育てることによって、優しさと忍耐力がつく。幼児には、親心をはぐくむという役割があるわけなんです。この親心で人間社会が一つになるわけです。
 「逝きし世の面影」というベストロングセラーになった本がありますけれども、渡辺京二さんという人が書いている本なんですが、江戸の終わりから明治の初めに来たヨーロッパやアメリカの人が、江戸の町を見て驚き、感嘆し、うらやましがった日本の美しさとは何か。それは、武士の品格でもなく、儒教的な秩序でもなく、だれもが赤子を抱いている貧しくても幸せそうな人々の姿だったと記載がされております。欧米人はこの日本の姿を見て、地上の楽園と記しているんです。
 そういう中で、国も保育指針においてようやく、親を育てなきゃいけないということで、保育園が親を育てなさいということが保育指針の中に入りました。
 そこでお聞きしたいんですが、ゼロ歳から二歳児は親が手元に育て、それによってはぐくまれる親心の必要性、さらにはこういった環境を整備していくことの必要性について、まず知事の見解を求めたいと思います。

○石原知事 今おっしゃったことは、育児、それからしつけ、教育の本当に本質的な問題だと思います。特に私は、東京都下の公立の幼稚園から、大学は数知れていますけれども、最高責任者、幼稚園の園長さんから保育所の所長さん、小学校の校長、大学の学長まで集まる、年に一回あるんですが、そこで、あなた方が教育の場の最高責任者として繰り返しいっていただきたいことは、子どもの教育、しつけの最高責任者は、先生でない、学長でもない、あくまで親だということを、とにかく口酸くいってくれということを繰り返しいっております。
 そういう中で、特に幼い子どもの育児ということでありますけれども、今もちょっとおっしゃいましたが、やっぱり血の通った人間の間というのは、これはとっても本質的に大事なものでして、それは要するに、どれほど技術もある、誠意もある他人の施設に預けても、それはしょせん託児でしかないわけですね。それを否定するつもりはございませんけれども、戦後のやっぱり日本の家庭の態様が変わってきた。欲望というものの変化から、結局若い人が親と一緒に住まなくなった。本当は、親子三代、昔みたいに住んでいれば、こんな問題は発生しなかったと思うんですけれども、そういう家族の態様というのが崩れてきてしまったということがやっぱり否めないと思います。
 いずれにしろ、乳幼児の育て方は、人によって価値観も考え方も違うでしょうが、やっぱり親の責任だと思います。それから間近な人間の責任だと思います。いかに高額の料金を払っても、それにすべてを託すということそのものが人間的に間違いだと私は思います。
 そういった意味で、ハウジングの問題もありますけれども、これは本当に国家の存亡、民族の存亡にかかわる問題ですから、多角的に、重層的に本気で考えていかないと、下手すると、この国は衰弱の一途をたどるんじゃないかという感じがいたしますな。

○東村委員 そういう意味で、このゼロ歳から二歳児を親が手元で育てていくためには、やはり安心して産休や育児休業がとれるような社会をつくらなければならないんです。
 しかし、実際は、育児休業を取得した期間と、お父さん、お母さんが自分がとりたいと思う期間に、どうしてもギャップがございます。この割合が、福祉保健局の調査で七割あると出ております。
 その理由の一つとして、希望の時期に保育園に入れないからと、これがまず入ってくるんです。それから、長く仕事から離れていると仕事についていけなくなるから。よくわかります。職場全体が長期間の育児休業をとりづらい雰囲気だからと。こういうところが理由として挙がっているわけですから、ここから変えていかなければならないわけなんですね。
 したがって、中には、育児休業を早目に切り上げて職場復帰しないと、ついていけないし、保育園に入れないということで切り上げていく。そうすると、また待機児童が増加して、さらには子育ての仕方、働き方も変わってきてしまうと。こういった社会矛盾が今起こっております。
 都は、育児休業を安心して取得できるように、何よりも、ワークライフバランスを推進している、一生懸命これに取り組んでいる企業をまず支援することから始めなきゃいけないと思うんです。核をつくることによって、どんどんどんどん広げていくことが大事だと思います。
 そこで、安心して育児に専念したいという希望を持った人たちが、希望する期間、育児休業が取得できるように、今都が行っております育児休業応援助成金の支給要件を工夫しなきゃいけないと思うんですね。そして、企業に対する支援策というものを新たに検討していくべきだと思うんですが、産業労働局の見解を求めたいと思います。

○前田産業労働局長 育児休業応援助成金は、従業員が育児休業を取得し職場に復帰できますよう、企業が代替要員に要した経費の一部を助成するものでございます。より多くの方が育児休業を取得できるようにするため、来年度から要件を緩和いたします。
 対象となる育児休業取得期間を、現行の一年以上から六カ月以上にすることによりまして、短期の育児休業取得も可能となるものです。また、一年以上の育児休業取得者については、従来どおり対象となります。
 特に一年以上の長期取得者の方については、企業はその間、長期間にわたる代替要員の確保が必要となります。このため、ご希望があれば、しごとセンターにおきまして代替要員の紹介を行います。さらに、長期の育児休業を含めまして、本人の希望する期間で取得できることが重要であることを企業に対する説明会等で積極的にPRしてまいります。
 こうした支援を通じて、従業員が働きながら育児をしやすい職場環境の整備を図ってまいります。

○東村委員 今、局長の方から、新たに、一年以上の長期取得の場合には、企業は長期間にわたって代替要員の確保が必要になる、だから、希望があれば、しごとセンターから代替要員の紹介を行うと、ここまで踏み込んでいただきました。これは非常に中小企業にとってもありがたい話でありまして、ぜひともこれを行っていただきたいと思います。
 その上で、どうしても長い間休んでいると、自分のキャリアがどんどんどんどん落ちていくんじゃないかと、復帰しても仕事についていけないんじゃないかと不安になるわけなんですね。こういった長期間のブランクを穴埋めするためのキャリアアップの仕組みというものをやはり考えてあげなきゃいけないと。
 そこで、こういったキャリアアップを現に行っている企業をさらに支援して、取り組みを行っていく必要があるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

○前田産業労働局長 東京ワークライフバランス認定企業の中には、育児休業中の社員の方々の不安を軽減するような取り組みを行っている企業がございまして、都は、このような取り組みをホームページ等で紹介することにより、他の企業に普及啓発し、取り組みを促進しております。
 また、労働相談情報センターで行っている中小企業の両立支援推進責任者向けの研修では、休業中の情報提供、キャリアアップや休業前後の面談制度等、復職支援について説明し、導入を呼びかけております。
 今後、東京ワークライフバランス認定企業の中で、育児休業中の社員の復職支援に実践的なノウハウを有する企業と連携した研修カリキュラムを作成いたしまして、研修内容の充実を検討してまいります。

○東村委員 ぜひともこういったカリキュラムを多くの企業に普及できるような取り組みを今後行っていただきたいと思います。
 さらに、復帰したときに大事なことは、三歳未満の子どもを抱えていると、どうしても少しでも早く家に帰りたい、短時間勤務を希望したり、残業を免除してもらいたいと、こういう声があるわけです。一見、わがままに見えるかもしれませんけれども、ここをやらないと、なかなか安心して子育てもできないわけでありまして、こういったことについて、この六月から育児休業法が改正になります。そして、本人が希望すれば、その希望を企業が受け入れなければならないと、こういう義務化になるわけであります。
 そこで、都は、育児休業者が復帰しやすくなるための短時間勤務が取得できる、また促進できるような新たな取り組みを行っていくべきだと思うのですが、いかがでしょうか。

○前田産業労働局長 平成二十二年六月三十日施行の改正育児・介護休業法では、今お話がありましたように、三歳までのお子さんを養育する労働者が希望すれば短時間勤務を利用できますが、同時に、従業員の方々の利用を促進するような支援が必要でございます。
 都では、来年度から、育児短時間勤務制度を六カ月以上継続してご利用される従業員がいる企業に対しまして、利用者一人当たり三十万円の助成金を設けまして、制度の利用を促進することとしております。
 この助成金の活用で従業員の育児短時間勤務の利用が進み、育児休業後の働き方の選択肢が広がることで、育児休業者が復帰しやすい職場環境の整備につながるものと考えております。

○東村委員 まさに、短時間勤務を希望する人を促進するように助成金制度もつくっていくと、こういう話でございますので、これを実効性あるものにしていただきたいと思います。
 あわせて、今、認可保育園、特に私立の認可保育園の園長さんたちも随分、さまざまなこういう両立支援の問題にも必死になって考えてくださっておりますし、その中でいろんな課題も浮き彫りになってきていると。
 昔と違って、今非常に問題となっているのが、発達障害児の問題だといっていました。保育園で、発達障害児の問題が非常にこれから大きな問題になってくると。三カ月、そして三歳、就学前健診とあるんですけれども、健診のときに医師から、おたくのお子さんは少し発達障害がありますよと、こういうことを親におっしゃる。でも、親は、なかなかやっぱり受け入れられないんです。特に就学前にそんなことをいわれたら、なかなか受け入れられない。そして、その結果を保護者は園の方にも当然伝えません。そうすると子どもが置き去りになる。
 さらに、保育士は、子どもを見ていると、経験から、ちょっと違うなということは大体わかるんです。わかるんですけれども、かつて、それをいえば、親から、何で専門家でないあなたにわかるのといわれてトラブルになったと。したがって、なかなか、そういうことをわかっていても、そういった対応ができない。
 この発達障害を持ったお子さんに早い段階から対応できるプログラムがあれば、少しでもいい方向に変わっていくんですね。これを放置すればするほど問題が大きくなってくる。小学校に行って、普通クラスに入ればまた対応ができない、こういう問題が出てまいります。
 現在、都が発達障害のお子さんを早い段階から発見するモデル事業というのをやっているんですけれども、これが一段落してまいりました。
 そこで、こういったモデル事業の成果を活用して、何よりも臨床心理士という専門家、これを活用して、保育園を巡回してもらって、集団で遊んでいる現場を見てもらい、あ、違うなとわかれば、そこでその子を本当にどうなのかという対応をしていただいて、できれば臨床心理士が保護者に話をしていただいて理解を求めて、そして、その子を少しでも早い段階からケアできる、こういった体制を行っていくべきだと思いますが、福祉保健局長の見解を聞きたいと思います。

○安藤福祉保健局長 都では、発達障害児者に対する有効な支援手法の確立を図るためのモデル事業を平成十九年度から実施しておりまして、今年度は五つの区市で取り組んでおります。
 お話の臨床心理士等による保育所への巡回指導につきましては、五区市のうち二区で実施をしておりまして、保育士による早期の気づきや支援力の向上、さらには保護者への働きかけなどに効果を上げております。
 したがいまして、今後、モデル事業の成果の普及を図るために、区市町村の支援機関に臨床心理士等の専門職員を配置し、保育所への巡回指導を行うなど、発達障害の早期発見、早期支援の取り組みに対して、来年度から新たな支援を行ってまいります。

○東村委員 ぜひともこれをすべての区市に広げていただきたい、このように思うわけであります。
 もう一つ、大きな問題がアレルギー児童への対応なんです。今、福祉保健局も統計的なデータを出していますが、三歳児の三人に一人が何らかのアレルギーを持っているんですね、今のお子さん。特に深刻なのが食物アレルギー。この食物アレルギーが保育園で一番問題となります。
 今、都は、サービス推進費の補助で、アレルギー対応の加算をしています。しかし、アレルギー食をつくるということに関して加算をしてくれているんですが、一番大事なのは食事の時間なんです。小さい子どもは、隣の子どものおわんがおいしそうだったら、ついそちらから手を出して、とって食べちゃう。これでよく食物アレルギーの問題が起きているんです。そこに必ずといっていいほど、保育士の先生か、まただれかをつけなければ、危なくて仕方ない。
 食物アレルギーの子がふえればふえるほど保育士を配置しなきゃいけないという問題があるんですけれども、なかなかこういうところまで東京都は見てくれないという声がありましたので、やはりこういうところもよく目を配っていただいて、こういう細かいところが本当に大事でありまして、アレルギーの問題というのはこれからばかにならないので、ぜひともこういう対応のところも見てもらいたいということを強く要望して、次は児童虐待の問題に移りたいと思います。
 本年一月、江戸川区で小学校一年生の児童が親から虐待を受けて亡くなりました。二月には福岡県で、三歳の女の子が親から暴行を受けて亡くなりました。三月には奈良県で、五歳の男の子が約二カ月にわたって親から十分な食事を与えられずに餓死をしました。五歳児の男の子の体重は六キログラムだったそうです。三月七日、つい先日、大阪府で一歳十カ月の女の子が親から暴行を受け、あごの骨を骨折したがゆえに、寝ていて物が通らなくて、結局、窒息死で亡くなりました。体重六キロです。立て続けに、本年に入って四回、児童虐待が起こっております。悲しい事件です。残念です。
 国は、児童虐待防止法、児童福祉法を改正し、児童相談の第一義的な窓口は区市町村の子ども家庭支援センターだと位置づけました。そして、専門性の高い困難事例については児童相談所で受ける、こういう仕組みをつくりました。
 その以降、平成十八年からも、虐待対応件数は減るどころかふえております。十八年は三万七千三百二十三件、平成十九年度には四万六百三十九件、平成二十年度には四万二千六百六十二件と、拡大の一途をたどっております。
 今回の事件に関して、江戸川区は死亡事件検証報告というのを出しました。江戸川区と江戸川区の教育委員会が作成したものでありますが、報告書によると、児童死亡のおよそ四カ月前には、子ども家庭支援センターが児童相談所に文書で情報提供をしていたとあります。これに対して、都の対応や都の問題点についての記述はありません。
 現在、都は福祉保健局において、児童福祉審議会の部会でこれを検証し、教育庁も各学校に、この関係機関同士で情報の周知徹底を図るように文書を配布しております。
 しかしながら、この江戸川区の事件でわかったことは、学校、子ども家庭センター、児童相談所、この三つすべてが対応していたんです。対応していて亡くなったというところに大きな問題があるわけなんです。したがって、この死亡した児童や家庭状況についての判断と分析と情報伝達、こういった三つに不手際があったと私は思うわけであります。結果的に、組織があって、組織としてこの児童を死亡させてしまったという最悪の事態になったわけであります。
 そこで、教育委員会として今回の事態をどう認識し、今後どう変えていくのか、本気になって答えていただきたいと思います。

○大原教育長 今回の事態は、大切な子どもの生命が虐待により失われたという極めて重大な事件であると受けとめております。
 都教育委員会はこれまで、人権教育の実践的な手引である人権教育プログラムの中に、登校時の健康観察の場面や、授業や給食の場面など、子どもたちの日常生活の中から児童虐待を早期に発見するためのチェックリストを掲載して、その活用を図ってまいりました。
 今回の事件を受けまして、学校が虐待への認識や感度を一層高める必要があると考え、このチェックリストに関係機関への継続的な情報提供という観点を加えまして、新たに作成、配布し、周知徹底を図ってまいります。
 また、関係機関はもとより、学校として虐待にかかわる情報の共有を徹底し、組織として児童虐待に対応できるようにするために、来年度から、都内の公立学校の管理職や教員を対象とする研修を一層充実してまいります。
 このような取り組みを通して、各学校が児童虐待への対応を適切に行えるように、都教委として十分指導してまいります。

○東村委員 ぜひとも、一つはこのチェックリストに関係機関への継続的な情報提供をするという項目を加えて、新たに作成して、これを配布して、そして周知徹底を図っていく。研修も充実していくといっていますが、ぜひとも、これ、研修を、形だけのものじゃなくて、実効性あるものにしていただきたい、このように思っております。
 今回の検証報告書では、家庭支援センターの現状認識そのものが甘く、そのまま甘い情報が児童相談所に上げられて、結果的に児童相談所もこれを見逃してしまったという、構造的に二重にミスがあったわけでございます。
 江戸川区の場合は、新聞報道によると、児童福祉の専門家が家庭支援センターにいなかった。実際、東京二十三区、そして三多摩を調べてみると、区市町村の相談職員は今五百三十五名おります。しかしながら、児童福祉の専門家は百四十二名、現実に児童福祉の専門家が配置されていない家庭支援センターがあるわけであります。
 そこで、こういったことをもう二度と起こさないという観点から、子ども家庭支援センターすべてに児童相談の専門家を配置して、専門性を高めていくべきだと考えますが、福祉保健局、いかがでしょうか。

○安藤福祉保健局長 都では、区市町村が設置をしております子ども家庭支援センターの専門性強化のため、平成二十年度から、弁護士や精神科医などをスーパーバイザーとして活用するための支援を行っております。
 また、センターに、児童相談の専門職であります児童福祉司任用資格者の配置を進めるために、今年度から区市町村職員を対象とした育成研修を実施しております。
 さらに、こうした職員の増配置や、心理的ケアへの対応ができる心理専門支援員の配置を促進するため、包括補助による支援を行っております。
 こうした事業を通じ、これまで以上にセンターの専門性強化を図ってまいります。
 また、ただいまお話がありましたように、現在、児童福祉審議会におきまして、専門部会による検証を行うこととしておりまして、原因の究明を開始しましたが、現在は専門部会の委員による調査や関係機関のヒアリングを行っているところであります。
 また同時に、都の各児童相談所で、子ども家庭支援センターなど地域の関係機関から情報提供のあったすべての相談事例について、改めて現在の状況を確認するなど、再点検を行ったところであります。
 今後、専門部会の提言を踏まえまして、再発防止に取り組んでまいります。

○東村委員 養成研修を実施しているとか、包括補助で心理専門家の支援の配置を促進しているとかというのも本当に大事なことなんですが、やはり、現在配置されていないところがあれば、東京都が乗り込んでいって、早く設置しなさいよということをぜひともやっていただきたいと思います。またこういうことを繰り返さないということが何よりも大事なことですので、よろしくお願いいたします。
 さらに、身近な窓口となる子ども家庭支援センターの専門性とともに、保護した子どもの今度は安全性というものも大事なわけであります。一時保護所が満杯であれば、子どもの安全性という部分も非常に危険になるわけでありまして、今、東京都の現状を調べたときには、児童相談所の一時保護所が常に満員であると聞いております。この状態を改善しなければ、子どもの安全性は担保されません。
 そこで、ぜひとも福祉保健局として、都として、一時保護所を増設していただきたい、このように考えるのですが、いかがでしょうか。

○安藤福祉保健局長 都では、一時保護需要の増加に対応するために、これまでも受け入れ定員をふやしてまいりましたが、平成二十年度は、一時保護所を一カ所新設いたしまして、定員を百六十八名といたしました。
 また、保護すべき子どもが一時的に集中し、定員を超える際には、緊急対応の居室での保護や、児童養護施設等への保護委託を行うなど、子どもの速やかな安全確保に努めているところでありますが、今後も、平成二十二年度に実施設計を行います墨田児童相談所の移転改築にあわせまして一時保護所を開設するとともに、老朽化いたしました立川児童相談所一時保護所の移転改築を行いまして、一時保護所の拡充と環境整備を進めてまいります。

○東村委員 ぜひとも速やかに一時保護所を開設して、できればさらなる拡充をお願いしたい、このように要望しておきます。
 次いで、環境政策について質問いたします。
 いよいよこの四月から、大規模事業所に対するキャップ・アンド・トレードが開始されます。都はこれまで、義務の対象となる事業所に対して、説明会による制度内容の周知、ヘルプデスクによる個別相談など、着実に準備をしてまいりました。全国の先陣を切って導入する制度でございます。制度をしっかりと理解していただくことが重要であり、改めて削減義務の履行方法について確認をしたいと思います。
 パネルを使いたいと思います。都の制度は、五年間で削減計画期間中の削減義務量の達成を求めてまいります。対象となる東京都の千四百の事業所の平均の基準排出量を調べたところ、大体平均で一万トンだということがわかりました。
 したがって、この一万トンを一つ今回の例として質問したいと思いますが、この事業所が八%の削減義務を負う場合、年間の削減義務量は八百トン、つまり年間九千二百トン以内に抑えなければならないんです。しかしながら、これは五年というスパンで、九千二百トンを五年間抑えればいい。つまり、四万六千トン五年間で抑えればいい。逆をいえば、四千トン五年間で削減しなければならないということです。
 こうやって毎年毎年、経済状況によって当然でこぼこがあるわけであります。五年間で四千トンを削減しなければならないということなんですが、実はここに落とし穴がありまして、万が一、五年間で削減できない場合には、当然、罰金と氏名を公表します。そして、知事による命令不足量、義務不足量の一・三倍を、これは都がほかのところから調達をしてきます。調達をしたコストを、今度は削減できなかった会社に請求をすることになるんです。ここが大きなポイントなんです。
 この場合、まだ市場価格が出ておりませんから、市場の相対取引がありませんから、具体的な価格はありませんけれども、仮に太陽光発電によるグリーンエネルギー証書を活用したと想定すると、CO2一トン当たり、最も高い値段でも一万五千円です。四千トン掛ける一・三倍に一万五千円を掛けると七千八百万円になる。五年間、この排出量を約束したとおり四千トン削減できなかった場合には、七千八百万円支払わなければならない。
 こういうことが意外にまだ知られていないわけでありまして、こういう厳しい状況に直面するんだよということを早い段階から周知しなきゃいけないし、計画的に削減義務を求めていく必要があると思いますが、都の見解を求めたいと思います。

○有留環境局長 対象事業所の義務履行期間は五年間ですが、本制度では、毎年度、事業所ごとに取り組み状況の報告と公表を求めており、これによって計画的な削減を推進していく仕組みとなっております。
 整理期間内にも義務を履行せず、また知事の措置命令にも従わない場合、最終的に事業所に知事の調達費用を請求することになりますが、その価格は現時点では未定でございます。
 一方、省エネ対策の実施は、確実に光熱費削減につながるものであり、初めから排出量取引に依存するのではなく、設備更新、運用の両面から、計画的な削減対策を進めることが事業所にとってもメリットになります。
 例えば基準排出量一万トンの事業所は、通常、年間三億円から四億円程度の光熱費を負担していますが、八%の削減義務を履行し、五年間で四千トンを削減すれば、合計一億円を超えるコスト削減効果を生み出せます。
 今後とも、都は、対策事例集の作成、講習会、テナント向けセミナーの開催等により、計画的な省エネ対策を推進してまいります。

○東村委員 ぜひとも、一億円削減できるということですから、こういうメリットもあるから早くやりなさいよと。そうすれば後で痛い思いにならないわけでありますので、こういった周知をお願いしたいと思います。
 次に、基準排出量の変更について質問したいと思います。
 基準排出量というのは、先ほど述べましたように非常に大事な部分でありまして、削減義務量を決定する上で算定基礎になるわけなんですが、取り組み前の過去の三年間の平均値を選択できるわけなんですね。しかし、先ほどもでこぼこがありましたように、事業所の経済活動は毎年毎年変動しています。したがって、事業所の床面積の増減などがあった場合には、やはり柔軟に変更できる仕組みとすることが私は必要なんじゃないかと思います。
 事例でいいますと、電力を多く消費する施設であるデータセンターというのがあります。この大規模なデータセンターの再編整備が今どんどん進んでいます。再編すれば、逆にエネルギーが少しでも少なくなるわけです。省エネになるわけですから、むしろ再編した方がいいということで、今、再編、統合が進んでいるわけですけれども、どうしても統合すればサーバーの受け入れ台数が増加します。そうすると、一事業所当たりの電力使用量も上昇します。
 こういった受け入れサーバーの大幅な増減があった場合、基準排出量を変更することは可能なのか、これについて答弁を求めたいと思います。

○有留環境局長 基準排出量は、平成十四年度から十九年度までのいずれか連続する三カ年度の平均値で算定しますが、どの三カ年とするかは事業所による選択が可能であり、過去の削減努力が考慮される仕組みとなっております。
 また、この基準排出量は、床面積の増減、用途変更、設備の増減等が発生し、その結果、排出量の増減が基準排出量の六%以上となる場合には、都への申請に基づき変更することが可能でございます。
 データセンターでサーバー台数の増減があった場合には、設備の増減に該当するものとして、新たに増設または撤去したサーバーの電力容量の合計値が変更条件に該当すれば、基準排出量が変更されることになります。

○東村委員 この条件に該当すれば、基準排出量が変更になると。
 その上で、もう一つお聞きしたいんですが、ちょっといいましたけれども、データセンターの最近の動向は、小規模から大規模への集約と、もう一つ、企業内からデータセンター事業者への集約という、今二つの流れがあります。このデータセンターの集約は、東京全体、ひいては日本全体のエネルギー削減メリットが期待できるわけなんですね。他方、集約すると、当たり前の話ですが、一事業所当たりの削減対策量が大きくなります。負担がふえるわけです。
 全体で考えれば削減できるけれども、集約すると負担がふえる、こういう相矛盾した問題が出てくるんですが、エネルギー削減のメリットと、他方、事業所が大規模化することによる削減量の増大という課題、これに今後、都は取り組んで、全体として環境対策ができるような仕組みをぜひともつくっていただきたい、このように考えるのですが、環境局長に答弁を求めまして、私の質問を終わりたいと思います。

○有留環境局長 データセンターは、高度情報化社会に不可欠なインフラとして、ますますその役割は重要化しており、集約化など効果的な活用により、社会全体におけるCO2量の総量削減につなげていくことが重要でございます。
 都の総量削減義務制度は、エネルギー使用量の大きい事業所にひとしく削減対策の実施を求める制度でありまして、データセンター事業所側でも、都制度の導入を契機に、高効率空調設備の導入等の取り組みが始まっております。
 都は今後、データセンター事業所の関係団体等とも連携しまして、集約化等による効果の把握と検証を行うとともに、データセンター事業所、情報機器メーカー、ユーザー等、関連するあらゆる主体の取り組みによる省エネ対策の推進を誘導してまいります。

○藤井副委員長 東村邦浩理事の発言は終わりました。(拍手)

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