予算特別委員会速記録第二号

   午後四時二分開議

○服部副委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 鈴木あきまさ委員の発言を許します。

○鈴木(あ)委員 都議会自由民主党を代表いたしまして総括質疑を行います。
 初めに、平成二十二年度予算について伺います。
 今回の予算は、財政の健全性を堅持した上で、現在と将来に対し都がなすべき役割をしっかりと果たすものとなっています。これは、予算編成過程でのさまざまな取り組みはもとより、これまでの堅実な財政運営の積み重ねが結実したものと考えます。
 まず、施策面ですが、二十二年度予算では、現在のみならず、将来の東京が直面する課題にもしっかりと対応をしています。とりわけ目につくのは、投資的経費を、昨年度比で一般歳出の伸び率一・九%を上回る四・七%とし、石原都政初となる八千億円台とするなど、公共事業を積極的に推進しているところです。
 そこで、今回の予算で公共事業をどのように充実させたのか、まずお伺いをいたします。

○村山財務局長 平成二十二年度予算におきましては、公共事業の分野において、東京の将来を展望し、都市基盤の整備を着実に進めることといたしております。具体的には、渋滞解消や環境面で高い事業効果を発揮する東京外かく環状道路の整備に七十七億円、区部環状、多摩南北方向の道路などの骨格幹線道路の整備に千百二十二億円、あかずの踏切を除却する鉄道の連続立体交差の推進に五百四億円などでございます。
 同時に、現下の経済情勢を踏まえまして、事業そのものが持つ本来の効果に加えて、中小企業の受注機会の拡大や雇用創出といった効果をあわせ持つ事業を積極的に推進しております。具体的には、教育や医療施設などの計画的な改修に八百三十六億円、道路、河川などの良好な維持管理に四百億円、病院や社会福祉施設、学校の耐震化に百九十七億円を計上いたしております。
 このように、今回の予算は、東京の将来をしっかりとつくっていくという点と、それに経済波及効果という二つの点に意を用いて、公共事業に積極的に取り組む予算となっております。

○鈴木(あ)委員 限られた財源を有効に活用するためには、幾重にも効果が及ぶ施策を行うことが重要です。知事は就任以来、環境や医療、福祉分野なども含め、こうした施策を次々と打ち出してまいりました。
 さて、これらの投資的経費の財源として大きな役割を果たすのは都債であります。都債については、知事就任以来、発行を抑制し、特に十七年度から二十年度においては、一千億円から二千億円台に抑えてきました。今回、二十一年度の最終補正後の都債発行額は五千二百二十五億円、また、二十二年度予算案では同じく四千七百八十六億円となっており、一転して都債の発行がふえています。
 これについては、財政健全化の観点から、先日の財政委員会で我が党の菅委員が質疑を行いましたが、知事が行ってきた都債の発行抑制が、こうした厳しい財政環境での都債の活用を可能にしたものと考えております。
 知事が行った都債発行抑制の効果について改めてお伺いをするとともに、この間、どのように都債発行について取り組んできたか、お伺いをいたします。

○村山財務局長 都債の発行額を石原知事就任の前と後で比較いたしますと、平成四年度から十一年度までは、年平均の発行額が七千六百億円でございました。これに対して、知事が最初に予算を編成した十二年度から二十年度までの年平均発行額は三千百億円となっておりまして、四割の水準まで大幅に圧縮をされております。
 仮に、知事就任の後も、それ以前の年平均発行額七千六百億円を続けていたとした場合の公債費を試算いたしますと、二十二年度予算では実に二千六百三十億円ふえてしまいまして、七千四百八十億円の公債費というレベルになっていたことになります。逆にいえば、この間の都債発行を抑制してきたことが、現在と今後の都財政に多大の負担軽減効果をもたらしているということになります。
 このような都債発行の抑制を可能にしたのは、一つは、都債を主な財源とする投資的経費の水準を是正したことでありまして、もう一つは、財源対策として手当てする特別な起債の発行を抑えてきたことでございます。
 まず、投資的経費の方でございますけれども、知事就任以前は、バブル経済崩壊後の国の経済対策にいわばつき合う形で、都財政の身の丈を超えた公共事業を実施した結果、普通会計決算ベースで最大二兆円を超えておりました。知事就任後は、これを六千億円台の水準まで大幅に是正をいたしまして、以後、財政の健全化の進捗に見合うペースで、徐々に増額させてきております。
 また、特別な起債であります減収補てん債につきましては、平成四年度から十一年度にトータル一兆四千二百億円を発行いたしておりましたけれども、十二年度から十五年度までの、財政再建期間の当初の時期でございまして、大幅な財源不足があり、しかも厳しい財政環境下にあっても、四年間の発行額をわずか二百億円にとどめております。
 これらの都債発行抑制策により都債残高を圧縮し、その結果、公債費を縮減してきたということが、今日の都債発行余力と都財政の健全性をもたらした大きな要因の一つであるというふうに考えております。

○鈴木(あ)委員 今後とも財政の健全性を堅持していくためにも、将来の負担に配慮しながら都債を適切に活用していただきたいというふうに思います。
 財政の健全性を考える上では、都債とともに基金も忘れてはならないと思います。とりわけ景気の影響を受けやすい都財政にとって、基金の役割は非常に重要であります。
 平成十二年度予算では二百億円とほぼ底をつきかけていた基金残高を一兆円を超える額にまで確保し、今回の予算においては、大幅な税収減の中、その成果を活用して必要な施策を推進していることは、高く評価できるものであります。
 これは、知事就任以来の並々ならぬ努力の結果ではないかと考えております。このことについて明らかにしていくため、財政運営の主要な要素である都税や一般歳出と絡めながら、基金について議論をしてまいりたいと思います。
 まずは、二次にわたる財政再建推進プランの各期間における都税収入と一般歳出の増減率、さらに、その間の財源として活用可能な基金の残高の推移についてお伺いをいたします。

○村山財務局長 現在、お話にございましたように、都は一兆円を超える基金を確保できているわけでございますけれども、実は、このうち約五千八百億円は、二次にわたる、今お話しの財政再建期間中に蓄えたものでございます。
 まず、第一次プランの十二年度から十五年度までの四年間は大幅な財源不足を抱え、また、後半二年間は、税収が十三年度よりも四千億円以上それぞれ落ち込むという厳しい期間でございました。そうした中、徹底した事業の見直しを実施することにより、経費の削減を毎年度継続して行いまして、その結果、一般歳出の水準は、四年間で、清掃事業移管分を除いても約五千億円低下してございます。
 次の第二次プランの三年間でございますが、ここは税収が好転して、税収レベルが約一兆円上昇するという局面にございました。しかしながら、そういう中にあっても事業見直しの手綱を緩めることなく、歳出削減を継続して行った結果、一般歳出の水準を三年間で約二千五百億円低下させております。これにより、この期間中、基金を約五千二百億円増加させ、財政再建期間の終了時である十八年度末では、約六千六百億円の基金残高を確保することができたものでございます。

○鈴木(あ)委員 今の答弁で、税収が大きく増減する中、一般歳出はそれにもかかわらず一貫して抑制を維持してきたこと、こうした取り組みにより基金残高を増加させてきたことがよくわかります。
 そこで、基金残高の確保に向けたこれまでの取り組みについて、具体的にお伺いをいたします。

○村山財務局長 第一次プランの時期は税収の減、第二次プランの時期は税収の増、二次にわたる財政再建期というのは、都財政を取り巻く環境が非常に異なっていたわけでございますが、しかし、この間の財政運営の特徴は、こうした財政環境の相違にもかかわらず、一貫して財政再建プランに基づく徹底した事業見直しを実施し、八千億円の財源を生み出すとともに、一般歳出の水準も、身の丈に合ったレベルに是正するべく、継続した努力を行ってきた点にございます。
 今日、都財政が有する強固な財政力は、これを培う過程における、こうした一貫した堅実な財政運営が大きく貢献してきたものであるというふうに考えております。

○鈴木(あ)委員 一方、将来にわたり、より安定的に都の役割を果たしていくためには、法人事業税の暫定措置の即時撤廃が不可欠であり、知事と都議会が一体となり、引き続き強く訴えていく決意であることを改めて申し上げておきます。
 この議論を通じて、財政再建以来の知事の賢明な財政運営の努力が今まさに花を開き、また、将来に向けても着実な備えをしてきたことが具体的に明らかにされたのではないかと考えます。必要な施策を推進しながら財政の健全性を確保してきた知事に、今後の財政運営の考え方についてお伺いをいたします。

○石原知事 私が知事に就任しましたとき、調べてみたら、東京都の積立金は、つまり貯金は二百億でありまして、その数値を知ってぞっとしたのを覚えています。えらいとこへ嫁に来たなという気がしましたが、やっぱり財政に関する一番金目の問題というのは人件費なんですね。それと、それを係数にする人の数でありまして、ですから、就任以来、自民党、公明党、民主党、生活者ネット、共産党は全部反対だったみたいだけれども、議会の協力を得て財政再建をしてきました。人もふやさずに来ましたし、歳費もカットしました。
 私も昔おりました国会の、政党の政府にも、知事になってからたびたび建言しましたが、国は一向にこれをやりませんでしたね。今の政府も、やるかやらないか刮目しておりますが、とにかく役人の数を減らさない。それから、人事院勧告なるものをうまいぐあいに盾にして、人件費でも減らさない。そのていたらくが、結局、今日のあのめちゃくちゃな財政破綻を招いたわけでありますけれども、いずれにしろ、この結果、追い風、向かい風、これからどういう風が吹くか定かではありませんが、財政環境がどのような状況にあっても、一貫して堅持してきたこの財政運営というものを、これからもやっぱり堅持していかなくちゃならないと思っております。
 また、今回、大幅な税収減に直面する中にあっても、都民の期待にこたえ得る積極的な予算を編成できたのは、こうした努力を皆さんと一緒に積み重ねてきたからこそであると思っております。
 今後とも、引き続き堅実な財政運営に徹し、都がなすべき役割を将来にわたってしっかりと果たしていくべく、渾身の努力を続けていきたいと思っています。
 国のことに余計に口出すつもりはありませんが、結局、政府は今日に至っても、人を減らさない、歳費もカットしない、そして結局、その分を国債に回すという、今までと同じ非常に綱渡り的な、先が見えている財政運用しかしてないなという感じが否めません。こういったものを反面教師にして、都は都で、やはりこれから着実な財政の運営をしていくべきだと思っております。

○鈴木(あ)委員 東京都の財政の健全性をしっかりと保ちつつ、今、知事が申された、この国の活路を開くべく、世界に向けて東京の都市モデルをしっかりとつくっていく、ことしの予算をしっかり上げていかなければいけない、そんなふうにも考えております。
 一昨年の世界的な金融危機以降、東京都は、我が党の要望にこたえて、中小企業の資金繰りの危機的状況に機敏に対応した金融面でのセーフティーネット対策を的確に講じてまいりました。その中心的な柱となってきたのが平成二十年十月の経営緊急融資の創設であり、その後の数次にわたる補正予算により、融資枠を大幅に拡大してまいりました。
 また、都が昨年、東京都内の地域の金融機関と連携して独自に立ち上げた新たな保証つき融資制度の創設も、まさに我が党の要望にこたえたものであります。
 これらの融資制度を初めとして、都内中小企業の資金繰り支援のため、都はどのようにセーフティーネット支援に取り組んでいるのか、また、中小企業の資金繰りの円滑化のためにどのように役立っていると考えるのか、都の認識をお伺いいたします。

○前田産業労働局長 中小企業の資金繰りは厳しい状況が続いており、ご指摘のとおり、都においては、この間、セーフティーネットに重点を置いた金融支援を積極的に推進してまいりました。
 国の緊急保証制度に対応した制度融資の経営緊急では、平成二十年十月の制度開始から本年二月末までの保証承諾実績が八万二千七百二十五件、一兆七千八百三億円となっておりまして、運転資金等の確保とともに、既往債務の借りかえにより、中小企業の月々の返済負担の軽減に大きな効果を発揮してきました。
 また、昨年十月から取り扱いを開始いたしました、地域の金融機関と連携した新たな保証つき融資制度は、緊急保証制度をもってしても十分な資金調達が困難な企業を含みます多くの中小企業の小口の資金需要に、きめ細かくこたえております。取り扱いを開始している金融機関からも、取引先企業の資金調達の可能性を広げるものとして、高い評価を受けております。
 さらには、特に小規模企業者の資金調達の多様化を一層図るため、そうした企業が所有いたします工作機械や車両などの動産を担保として活用する機械設備担保融資の取り扱いを今月中にも開始する予定であります。
 今後も、こうした多様な融資を通じて、中小企業の資金繰りを支援してまいります。

○鈴木(あ)委員 適時適切に中小企業を支援する、こういった政策をしっかりと打っていかなければいけないと考えております。
 続いて、公共工事関連の予算執行についてお伺いをしてまいります。
 さきの質疑にあったように、公共工事は雇用創出などの副次的効果をもたらすものであり、二十二年度予算での充実は高く評価できるものであります。一刻も早く都民や中小企業が効果を享受できるよう、しっかりと取り組んでいただく必要があると考えております。この点につきましても見解を伺います。

○村山財務局長 お話のように、二十二年度予算におきましては、中小企業の受注や雇用の創出につながる公共事業関連経費を積極的に計上しているわけでございますが、今後大切なことは、この予算を切れ目なく円滑に執行していくことにより、都民や中小企業が予算の効果を速やかに、かつ継続的に実感として享受できるようにすることだというふうに思っております。
 このため、来年度におきましても、いわゆるゼロ都債、分離分割発注、中小企業を構成員とする共同企業体などを活用いたしまして、年間を通じた中小企業の受注機会を引き続き確保してまいります。
 四月一日付で発することを予定しております二十二年度予算の執行に関する通達におきましても、この旨を徹底いたしまして、各局と連携しながら迅速な対応を図り、都民の雇用や生活への不安の解消に向けまして全力で取り組んでまいります。

○鈴木(あ)委員 知事は、将来を見据えた緊急対策として、少子化対策を最重要課題に挙げております。少子化の進行により、労働力の減少や市場規模の縮小など、経済成長の基盤を失うばかりか、社会保障システムも崩壊の危機に直面し、我が国の未来の安心・安全な社会に暗い影を落としかねません。
 我が党は、こうした認識から少子・高齢化政策推進本部を立ち上げ、少子化の流れを反転させるため、早期に実施すべき緊急性の高い総合的な政策を、昨年十二月に中間の取りまとめとして知事に提言をさせていただきました。
 少子化の本質的な解決は国の責務ではありますが、子ども手当などの現金給付を強化するだけでは、少子化の流れを変えられるものではありません。少子化の大きな要因の一つには、子育て環境とともに、子どもが産まれると働き続けられない雇用環境にもあります。
 都は、少子化打破緊急対策において、働き方の改革に向けた東京モデル事業を盛り込んでいますが、この東京モデル事業の意義と具体的な内容について伺います。

○前田産業労働局長 少子化対策を進めるためには、仕事と出産や子育てが両立できる雇用環境の整備が重要です。
 これまで国は、育児休業法等の法整備や休暇取得率などの数値目標の設定を行い、企業の取り組みを促してはおりますが、実効性は十分に上がっておりません。例えば、第一番目のお子さんを出産する前後で退職する女性が六割以上もいるなど、雇用環境整備に向けた企業の取り組みが一層求められております。
 このため、都は、大企業の本社や中小企業が集積するこの東京の特性を生かし、来年度新たに、今ご指摘の東京モデル事業を実施することといたしました。都内の企業の働き方を変えていくためのモデルとなる、波及効果の高いプロジェクトを支援いたします。
 具体的には、大企業、中小企業が、自社にとどまらず取引先やグループ企業と取り組む在宅勤務の大規模な導入や勤務時間のフレックス化など、働き方の改革プロジェクトに対しまして、毎年度、最大一億円、最長三年間、助成を行います。
 さらに、この支援の過程で把握したすぐれた取り組みやその成果等は、都が随時公表していくことによりまして、ほかの都内企業に普及させていくとともに、国に対しまして、企業の先進的取り組みへの積極的な支援や両立支援に有効な仕組みの法制化など、抜本的対策をとるよう働きかけてまいります。
 これらを通じて、子育てしながら働き続けられるよう、東京から働き方の改革を推進してまいります。

○鈴木(あ)委員 欧米では、ワークライフバランスを推進する企業に多様で優秀な人材が集まり、企業業績を上げているとの認識が共有されていますが、日本では、まだこうした認識の共有が不十分です。都のモデル事業の成果を波及させ、こうした状況をまさに改革していくことを期待しております。
 また、社会的な認知度を高める上でも、都の果たすべき役割は大きいと考えております。個々の企業の地道な努力や工夫を束ねて、都が広く発信していくことにより、ワークライフバランス実現の大きな潮流を生み出すことができるのではないでしょうか。
 都は来年度、ワークライフバランスに関する社会機運の醸成を図るため、東京しごとの日を設定するとしていますが、その目的と仕組みについてお伺いいたします。

○前田産業労働局長 安心して子どもを産み育てられる社会にするためには、働く方々の仕事と生活がともに充実し、ワークライフバランスが実現していることが不可欠であり、これは企業の発展という観点からも極めて重要だと考えます。
 近年、事業主と従業員がともにワークライフバランスを理解するきっかけとするため、ご家族の職場訪問等を受け入れる、いわゆるファミリーデーなどを行う企業がふえておりまして、実際にこうした取り組みにより、企業内、社内で部下や同僚の生活を配慮し合うようになるなど、仕事と生活が両立しやすい職場づくりに効果を上げております。
 そこで、都は来年度から、ワークライフバランスを普及していくためのさまざまな取り組みの一つとして、東京しごとの日、仮称でございますが、八月に設定いたします。この東京しごとの日には、都庁や多くの企業において、従業員のご家族や子どもさんたちの職場訪問や仕事見学の受け入れ等を実施するほか、この都庁舎においてイベントも開催したいと考えております。
 こうした取り組みを行うに当たっては、都庁内はもとより、産業界、労働界と連携し、マスコミ等の協力もいただきまして、企業や都民に広く参加を呼びかけていくことにより、ワークライフバランスを推進する大きなムーブメントをつくり出していきたいと思っております。

○鈴木(あ)委員 八月に設定されるこの東京しごとの日、これを、ワークライフバランスを推進する大きなムーブメントが本当にここから始まっていくという意味で、ぜひ意味ある日にしていただきたいというふうに思っております。
 私も先日、ワークライフバランスフェスタ東京二〇一〇認定式に出席をしてまいりましたが、大田区の株式会社妙徳、あるいは株式会社とらうべというものが認定をされまして、企業経営者は、従業員が仕事と生活、子育てを両立できる職場をまさに売りとしておりました。こうした企業を都からPRすることも重要ですが、取り組みの成果を上げている中小企業に何らかのインセンティブを与えるということも、ぜひ今後検討していただきたいというふうに思っております。ぜひ民間企業や地域としっかりと連携を図って取り組みを進めるよう要望します。
 続いて、小児医療体制についてお伺いをしてまいります。
 都はこれまでも、身近な地域で小児救急診療を受けられる体制の支援や二十四時間三百六十五日の入院診療を行う救急医療など、小児救急医療体制の確保に取り組んでまいりました。
 このたび打ち出した子ども救命センターは、生命の危機を伴う重篤な小児救急患者に対する医療体制の一層の充実を図る非常に有効な取り組みと考えます。
 子どもは、軽微な疾患が原因であっても、高熱やけいれんなどで病状が進行し、一気に重篤化する可能性があるといわれています。次代を担う子どもの命を救う最後のとりでとして機能することを強く期待しております。
 安心できる医療を提供するためには、子ども救命センターの高度な医療機能に加えて、これを核として、医療機関が相互に連携するネットワークの構築が重要であり、こうした取り組みを進めるべきでありますが、まず所見を伺います。

○安藤福祉保健局長 都は来年度、子ども救命センターを都立小児総合医療センターなど四カ所に設置いたしますとともに、このセンターを中核として都内全域を四つのブロックに分け、地域の医療機関相互の連携のためのネットワークを構築いたします。
 このため、医療機関や区市町村等の参加を得て、新たに設置する小児救急医療対策協議会で連携のあり方などについて協議を行いますとともに、ブロックごとの部会を設け、地域の医療資源の実情に応じた具体的な取り組みを進めてまいります。

○鈴木(あ)委員 次に、地域医療の拠点としての公社病院についてお伺いいたします。
 財団法人東京都保健医療公社には、現在六つの地域病院があり、地域の中核病院として、地域医療の確保を図る使命を負っております。
 都は、都立病院の再編整備を着実に進めてきておりますが、公的医療の一翼を担う公社病院においても、地域の医療ニーズに的確に対応した医療機能の一層の充実を図り、地域の期待にさらにこたえていく必要があると考えます。
 こうした観点から、公社病院において、今後どのような取り組みを進めていこうとしているのかお伺いいたします。

○中井病院経営本部長 公社病院では、東京都の医療課題や地域の医療ニーズを踏まえ、医療機能の向上に積極的に取り組んでまいります。
 具体的には、東部地域病院において、がん医療体制の充実を図るため、これまで行ってきた内視鏡治療の充実に加え、新たに外来化学療法を開始いたします。
 また、大久保病院では、言語聴覚士の配置や、平日における専門医の二十四時間配置など、脳卒中医療体制の強化を図ってまいります。
 さらに、荏原病院及び豊島病院においては、感染症緊急対応病床を各六十床整備し、強毒性の新型インフルエンザも想定した感染症対策の強化を行ってまいります。
 こうした各公社病院の個々の取り組みに加え、各都立病院、公社病院のそれぞれの強みを生かした医療連携を一層進め、都内の公的医療機能の充実と経営基盤の強化につなげてまいります。

○鈴木(あ)委員 厳しい医療環境の中で、公社病院が医療機能の向上に今後もしっかりと取り組んでいくよう求めておきます。ぜひ大きな成果につなげていただきたいと思います。
 さて、全国的な看護師不足の中で、公社病院においても、荏原病院や多摩南部地域病院では、看護師の不足から病棟を休止していると聞いております。地域医療の拠点としての役割を果たしていく上で、病床の確保は極めて重要です。
 看護師を確保し、早期に休止病棟を再開するべきと考えますが、取り組み状況と今後の見通しについてお伺いいたします。

○中井病院経営本部長 公社病院では、各病院での独自採用や面接を重視した採用試験の実施など採用方法の改善を図るとともに、二交代制勤務や育児短時間勤務制度など、働きやすい勤務環境づくりにも鋭意取り組んでまいりました。その結果、この一年間で、昨年度に比べて約一・四倍となる三百十人余りの看護要員を採用できる見込みとなっております。
 これにより、今年の夏までにはすべての公社病院で七対一看護体制に移行できる見通しであり、患者サービスの一層の向上や病院収支の改善が実現できるものと考えております。
 さらに、ただいまご指摘いただきました多摩南部地域病院及び荏原病院の病棟の休止でございますが、それぞれ一病棟が看護師の確保によって再開できる見込みとなっております。
 今後も、看護要員の一層の確保を図るなど、公社病院の医療体制の強化に努めてまいります。

○鈴木(あ)委員 先日のハイチやチリの巨大地震を見るまでもなく、人口が密集する東京において震災対策に集中的に取り組むことが、都民の安全・安心を確保し、首都東京の国際的な評価や信用力を高めるために急務となっております。
 都は、十八年度に木造住宅への耐震化助成を開始するとともに、十九年には耐震改修促進計画を策定し、耐震化に向けて取り組んでまいりました。
 耐震改修促進計画策定から三年が経過した現時点における、主な公共建築物や民間建築物の進捗状況についてお伺いいたします。

○河島都市整備局長 消防署など都が所有する防災上特に重要な建築物については、耐震化率が現在約九六%となり、建てかえ等を予定しているものを除き、来年度までに耐震化が完了する見込みでございます。
 また、都営住宅につきましては、耐震化整備プログラムに基づき計画的に進める中で、さらに取り組みを強化し、耐震診断につきましては、実施を一年早め、平成二十三年度までに完了させるとともに、平成二十七年度までに耐震化率九〇%の目標を達成すべく鋭意取り組んでおります。
 一方、民間建築物につきましては、緊急輸送道路沿道建物やマンション、整備地域内の木造住宅等に重点を置き、個別訪問による耐震化への働きかけや助成事業を初めとする財政支援など、重層的に施策を実施しておりますが、都の助成制度を活用して耐震改修や建てかえに至ったものは、平成二十年度までで木造住宅で百二十四件、マンションで一件でございまして、総じて民間建築物の耐震化は計画どおりに進んでいない状況にございます。

○鈴木(あ)委員 今答弁をいただきましたように、公共建築物については、計画に基づいて耐震化に取り組んでいることはわかりましたが、民間建築物については、計画どおりには進んでいないんですね。
 特に緊急輸送道路については、沿道建物の倒壊により道路が遮断された場合、広域的な救急活動が妨げられ、多くの都民を危険な状態にさらすことになると危惧いたしております。このような状況が放置されていることは許されず、沿道建物の耐震化は最優先で進めなければなりません。
 東京都はこのたび、緊急輸送道路沿道建物の耐震化を促進するため、今より踏み込んだ規制誘導策を検討するということでありますが、一刻も早く検討を進めていただきたいものだと考えております。
 そこで、今回の規制誘導策の検討内容と、いつごろまでに取りまとめるのかということについて伺います。

○河島都市整備局長 緊急輸送道路は、震災時の救援、救護活動を支えるとともに、復旧、復興のための動脈となるものでございまして、建物倒壊による道路閉塞を防ぐことは、多くの都民の生命、財産を守るため極めて重要でございます。
 都は、耐震診断費用の五分の四を補助する助成事業や低利融資制度など、他の地域に比べて手厚い財政支援を行うとともに、一千棟を超える沿道建物に対して、個別訪問により、直接、耐震化の早期実施を働きかけてまいりました。
 しかし、現在の法律では、既存の建物の耐震化は努力義務にとどまっておりまして、その実施は所有者の意思にゆだねられていることから、なかなか具体的な行動に結びつかず、これまでの取り組みだけでは目標の達成は困難でございます。
 耐震化を進めるためには、従来の普及啓発や支援策に加えまして、これまでより一歩踏み込んだ規制誘導策を構築し、各施策が一体となった取り組みを展開する必要がございます。
 そこで、建物の耐震化に関する取り組み状況の報告や耐震診断の実施を義務づけることなど、実効性のある施策の検討を専門家の意見を聞きながら鋭意進め、今後、年内を目途に方向性を取りまとめていきたいと考えております。

○鈴木(あ)委員 地震とともに、浸水被害も都民の脅威です。
 昨年の台風十八号の際には、これまでに取り組んできた護岸整備とあわせて、環状七号線地下調節池など、都内二十カ所の調節池がその効果を発揮し、河川からの溢水を未然に防止しました。
 しかし、近年、都においては、現在の整備水準である一時間五〇ミリを超えるような降雨が大幅に増加しているとの報告もあります。東京の治水安全度を高めるためには、現在進めている一時間五〇ミリ整備のスピードアップを図るべきです。
 そこで、中小河川整備のより一層の推進に向けた具体的な取り組みについてお伺いいたします。

○道家東京都技監 都は、水害から都民の命と暮らしを守るため、これまで河川の拡幅や調節池、分水路の整備など一つ一つの対策を着実に積み重ね、中小河川の一時間五〇ミリ降雨に対する治水安全度を七五%まで高めてまいりました。
 平成二十二年度は、近年水害が発生した神田川や鶴見川等、二十五河川で延長二・二キロメートルの拡幅などの整備を着実に進めるとともに、古川と白子川においては、これに加え、河川や道路の地下空間を活用し、調節池を整備してまいります。
 また、新たに着手する入間川分水路や妙正寺川の鷺の宮調節池、善福寺川調節池についても、用地の取得を要しない河川沿いの公共空間を活用した整備を行い、五〇ミリ対策のさらなるスピードアップを図ってまいります。
 今後とも、安全で安心なまち東京の実現を目指し、さまざまな工夫を重ね、河川の整備に全力で取り組んでまいります。

○鈴木(あ)委員 次に、廃棄物対策について伺ってまいります。
 近年、中国やインドを初めとする新興国の経済成長に伴い、世界の天然資源消費量が急増しております。その一方で、石油や各種金属などの採掘量は、近い将来、ピークを超えて減少に転じるともいわれております。このような背景から、国際金融危機で一たんは下落した資源の価格は、再び上昇に転じる動きを見せております。もはや、天然資源を安価に調達できる時代ではありません。
 我が国経済の持続可能な発展のためには、国が責任ある外交政策をもって、いわゆる資源外交を進めることが必要ですが、それとともに、省資源化と廃棄物の循環的利用により資源を効率的に使うことがますます重要になってきております。
 このような中、都は、本年二月に、新たな東京都廃棄物処理計画の策定について廃棄物審議会に諮問しました。
 都はこれまで、二回の廃棄物処理計画を策定し、廃棄物を適正に処理するとともに、資源を適切に循環利用していく社会への変革に取り組んでまいりましたが、まずは、これまでの計画と、それに基づく施策の推進により、どのような成果が得られたのかお伺いいたします。

○有留環境局長 現行の廃棄物処理計画では、最終処分量の削減を大きな目標として、廃棄物の発生抑制、リサイクルの推進、適正処理の確保などを施策の柱として掲げております。
 計画期間をあと一年残しておりますが、廃プラスチック埋め立てゼロを目指す協定を事業者と締結するなどにより、最終処分量は、目標どおり三五%の削減が達成される見込みでございます。
 また、適正処理の確保につきましては、関東甲信越、静岡、福島を含む二十九の都県市で組織する産廃スクラムの広域的取り組みを強化したことなどによりまして、この地域内の不法投棄件数は約六割減少しております。
 さらに、先月には、新たに構築した第三者評価制度によりまして、産業廃棄物処理業者の百八十三社を優良事業者として認定するなど、現計画は着実に成果を上げてきております。

○鈴木(あ)委員 これまでの計画によって埋立処分量が大きく減少するなど、二十一世紀最初の十年間で循環型社会に向けた基礎づくりができつつあると、今、答弁の中で感じました。
 しかしながら、平成二十年に策定された東京都環境基本計画で掲げている、気候危機と資源制約の時代に立ち向かう新たな都市モデルの創出という目標には、まだまだ道のりは遠いように感じました。今世紀半ばには、世界の人口は九十億人を超え、発展途上国の経済は大きく成長すると予測されております。そうなれば、天然資源の枯渇と地球温暖化という二つの危機がいよいよ深まってくることは明らかです。
 そのような時代に立ち向かうには、次の廃棄物処理計画は、こうした観点から、低炭素社会の構築と循環型社会の構築を一体に進めるということを基本として策定するべきだと考えますが、見解を伺います。

○有留環境局長 地球温暖化と資源の枯渇という二つの危機を克服していくことは喫緊の課題でありまして、その解決のためには、低炭素社会と循環型社会の構築に向けた施策を統合的に推進していくことが重要でございます。
 都は、昨年設置した新たな3R戦略のための専門家会議から、天然資源の採取、温室効果ガスの排出、廃棄物の最終処分の三つの削減を同時に進め、持続可能な資源利用を目指すべきとの提言をいただきました。
 この提言を踏まえながら、先月設置した廃棄物審議会で議論を深め、リサイクルによる温室効果ガス削減効果の見える化や、金属資源の循環利用促進策など、東京をより先進的な環境都市へと導く施策を構築できるよう、次期廃棄物処理計画の策定に向け、精力的に取り組んでまいります。

○鈴木(あ)委員 知事は、二つの危機、地球環境の危機を訴えるときに、あす地球が滅びようとも私はきょうリンゴの木を植えるんだというような言葉をよく使われますけれども、私はそのときに「風と共に去りぬ」という映画をよく思い出すんですね。ビビアン・リーが丘の上のもとで、トゥモロー・イズ・アナザーデーというふうに訴えるんですけれども、あした必ずまた新しい日がやってくるように、地球環境、この地球が破滅する時計をとめるためには、国民一人一人の確固たる意思と着実な行動が求められているのではないか。そのためにも、東京都が先頭に立って、低炭素、循環型社会に向けた明確なメッセージを全国に発信してもらいたい。そのように考えております。
 次に、市街地整備について伺います。
 来年度の政府予算案では、公共事業関係費を一八%も削減した上で、さまざまな補助金や交付金を社会資本整備総合交付金という名のもとに一元化いたしました。
 現政権は、事業仕分けにおいて、現場の実態を全く無視して、まちづくり関連事業の実施は各自治体または民間の判断に任せるという結論を出したわけであります。しかし、社会資本整備総合交付金の実態は、従来の補助金や交付金を単に足し合わせただけのものでして、これをどのように使うかという道筋も示されておらず、国家が責任を持って国土の基盤づくりを進めていくという意思がみじんも感じられません。
 市街地整備事業の多くは国の補助金の導入を前提として進めており、補助金の削減は事業実施に多大な影響を与えるのではないかと危惧いたしております。
 そこで、来年度の市街地整備事業の予算も、仮に公共事業関係費と同程度削減された場合に、どのような影響が生じるのかお伺いいたします。

○河島都市整備局長 都内で実施されております区画整理及び再開発など、いわゆる市街地整備事業の来年度予算の国費要望額は合わせて約三百億円でございまして、国の公共事業関係費の予算案と同様に一八%削減されるとすると、約五十四億円の国費が不足することになります。
 事業への影響につきまして、都施行の市街地整備事業を例に試算いたしますと、国費の今後の必要額約七十四億円に対しまして約十三億円の不足となります。
 この場合、事業進捗をおくらせないとするならば、事業資金の追加借り入れなどが必要となり、その元金に加え利息の負担も生じます。
 他方、事業期間を延伸するならば、権利者への仮移転補償費等が増額となってしまいます。その結果、事業収支の悪化や長年かけて築いてきた権利者との信頼関係を損ねることにつながりかねません。

○鈴木(あ)委員 今答弁いただいたように、市街地整備事業に大きな影響が生じるということはわかりましたが、来年度まで一カ月を切ったこの時点においてなお、事業推進に不可欠な社会資本整備総合交付金の制度内容は全く不透明な状況であるわけです。
 一例として、都施行事業への影響について答弁がありましたけれども、市街地整備事業は、都施行だけではなくて、区、市や民間事業者も施行者となって積極的に進められており、予算削減の影響は多くの事業に及ぶと考えるわけであります。
 そこで、市街地整備事業を進めている区や市は、この状況をどのように受けとめているのか、その辺をお伺いいたします。

○河島都市整備局長 政府の予算案が昨年末発表されたことを受けまして、都は、本年二月に、区画整理や再開発など市街地整備事業をみずから施行しております都内十八の区市町にアンケートを実施いたしました。
 アンケートでは、国の予算案に対する受けとめ方、国費が削減された場合の影響などについて質問したところ、対象となる区市町のすべてから回答がございました。
 それによれば、すべての区市町が国の予算案に不安を感じているとともに、国費を導入している区市からは、削減された場合には、事業期間の延伸やそれに伴う事業収支の悪化にとどまらず、事業規模を見直さざるを得ないといった回答が寄せられました。

○鈴木(あ)委員 今、区市は本当に心配しているんですよ。民主党の皆さん、本当にしっかり考えてもらわないと困りますよ。
 これまで市街地整備事業は、自民党政権のもとに……
   〔発言する者あり〕

○服部副委員長 静かに、静粛に。きちんと聞きなさい。

○鈴木(あ)委員 安定的な財源が確保されて、きめ細かな事業制度に基づき補助金や交付金が投入され、円滑に進められてきたわけであります。
 ところが、現政権は、自治体や民間の判断に任せるといいながら、中身の希薄な政権運営を続けようとしているわけであります。このままでは、継続中の事業ですら補助金や交付金の大幅な削減ないしは廃止を余儀なくされ、事業そのものが立ち行かなくなるおそれがあるわけです。長年かけて事業に取り組んできた関係者にとっては、まさに青天のへきれきであり、こうした事態には毅然とした態度が必要です。
 そこで、市街地整備事業の交付金の確保に向け、都はどのように取り組んでいくのか伺います。

○河島都市整備局長 市街地整備事業は、国際競争力の強化や防災性の向上など、首都東京の都市づくりに大きな役割を果たしておりまして、今後とも積極的に事業を推進する必要がございます。
 しかし、来年度の政府予算案では、市街地整備事業に充当されてきたこれまでの補助金は、他の補助金等と合わせて社会資本整備総合交付金に一本化されることとなりましたが、その運用方法等については、いまだ明らかにされておりません。
 仮に必要な交付金が確保されなければ、事業期間の延伸などにより、事業収支の悪化や権利者の生活再建にも大きな支障が生じると考えられます。
 都としてはこれまでも、関係区市町と、国に対して要望を行ってまいりましたが、なお一層連携を強めて、事業推進に必要な国費を確保するよう強く求めてまいります。

○鈴木(あ)委員 東京の都市づくりに責任のある立場から、都は、区市町や民間事業者とより一層連携を強めて、市街地整備の財源確保に取り組むよう求めておきます。
 東京の最大の弱点である交通渋滞を解消し、東京がさらに機能的で魅力的な都市として成熟を遂げるためには、幹線道路ネットワークの整備や連続立体交差事業などを、重点的にスピードを上げて実施することが重要です。私が党はこれまでも、幾度となく東京の道路整備の重要性を主張してまいりました。
 そこで、東京の道路整備の取り組みと整備効果についてお伺いをいたします。

○道家東京都技監 これまで都は、外環など首都圏三環状道路や、都市の骨格を形成する区部環状、多摩南北、区部多摩を結ぶ東西の幹線道路の整備、連続立体交差事業などを重点的に実施してまいりました。
 あわせて、だれもが安全で安心して利用できる快適な歩道や自転車走行空間の確保、無電柱化、街路樹の充実などにも積極的に取り組んでおります。
 その整備効果でありますが、首都高速中央環状新宿線は、三号渋谷線から四号新宿線までの区間が今月二十八日に開通し、新宿線が整備される前と比較しますと、首都高速東京線のピーク時における渋滞長が半減いたします。
 また、今回の開通によるCO2の削減効果は、山手線内の半分の面積に相当する森林が吸収する年間約三万四千トンにも及びます。
 平成十八年に全線開通した環状第八号線では、杉並区四面道交差点から北区岩渕町までの所要時間が、従来の七十分から三十分に大幅に短縮され、その経済効果は年間三百億円と試算されております。
 また、平成二十年に開通いたしました練馬区内の補助第一三三号線では、並行する生活道路の交通量が四割も減少いたしました。
 さらに、歩道の整備や無電柱化、街路樹の充実などにより、安全で快適な歩行空間を創出し、成熟した都市にふさわしい、緑豊かで景観にもすぐれた道路空間の形成を図っております。
 このように、道路整備によって東京の交通渋滞緩和や環境改善、地域の安全性や快適性の向上などの効果が着実にあらわれております。

○鈴木(あ)委員 次に、連続立体交差事業についてお伺いをいたします。
 都内にはいまだ約千百四十カ所の踏切が残されており、その四分の一は、いわゆるあかずの踏切です。こうした踏切は、交通渋滞や市街地の分断による都市の活力の低下を招く要因となっております。
 鉄道の連続立体交差化は、複数の踏切を一挙に除去し、渋滞解消や地域の一体性を高める非常に効果の高い事業です。
 昨年十二月には、JR中央線三鷹-国分寺間で踏切が除去され、本年二月には、西武池袋線石神井公園駅付近の上り線が高架化されました。
 そこで、中央線と西武池袋線の事業効果についてお伺いをいたします。

○道家東京都技監 連続立体交差事業は、お話のとおり極めて効果の高い事業であり、都が事業主体となり、道路整備の一環として実施しております。
 JR中央線では、昨年十二月に三鷹-国分寺間を高架化し、十三カ所の踏切をすべて除却したことにより、踏切による交通渋滞や地域分断が解消いたしました。
 武蔵小金井駅付近では、小金井街道踏切において、最大五百三十メートルありました渋滞が解消するとともに、南口では、駅前広場の整備や再開発事業などにより、安全でにぎわいのあるまちづくりが進められております。
 西武池袋線石神井公園駅付近では、本年二月に上り線を高架化したことにより、富士街道ではピーク時に五十二分もあった遮断時間が三十五分に減少し、交通渋滞が緩和いたしました。また、連立事業にあわせて実施された北口再開発事業や、富士街道を初め周辺道路の整備により、利便性や防災性が向上するなど、地域のまちづくりの促進が図られております。

○鈴木(あ)委員 このように、交通渋滞の解消や安全性、利便性の向上、地域のまちづくりに寄与する連続立体交差事業を一層推進していくべきと考えますが、今後の取り組みについてもお伺いをいたします。

○道家東京都技監 これまでJR中央線など三十四カ所で事業を実施してきており、三百十一カ所の踏切を除却してまいりました。現在、七路線八カ所で事業を進めており、平成二十七年度までにさらに九十五カ所の踏切を除却する予定でございます。
 京浜急行本線・空港線では、本年五月に京急蒲田駅付近の延長六キロメートルの上り線全区間を高架化いたします。JR中央線では、平成二十二年度末までに西国分寺-立川間を高架化し、この区間にある五カ所の踏切をすべて除却いたします。また、京王線や西武新宿線などの新規箇所につきましても、事業化に向けて取り組んでまいります。
 今後とも、必要な財源の確保に努めるとともに、地元区市や鉄道事業者と連携し、連続立体交差事業を一層推進してまいります。

○鈴木(あ)委員 一方、平成二十二年度の政府予算案では、道路関係予算が大幅に削減しており、東京の道路整備に与える影響が大変危惧されております。
 そのような状況においても、道路整備の着実な推進に向け、知事の決意についてお伺いをいたします。

○石原知事 東京の最大の弱点であります交通渋滞を解消し、東京と日本の持つ可能性、潜在力をさらに引き出すために、外環など三環状道路を初め、幹線道路ネットワークや連続立体交差などの早期整備が絶対に不可欠であると思います。
 このため、都は、来年度予算において、厳しい財政環境が見込まれる中にあっても、時は金なりという論点に立って、東京の現在と将来に対して都がなすべき役割を積極的に果たすべく、投資的経費を四・七%伸ばすなど積極予算を編成してまいりました。
 一方、国は、来年度の公共事業関係予算を大幅に削っておりますが、東京の、この首都東京の道路整備は事業効果が極めて高く、都市の機能や利便性を向上させるだけではなくて、還流性が非常に強くて、ケインズの論を引くまでもありませんが、経済全体を活性化させ、国際競争力を高め、その効果は全国にあまねく還流するものでありまして、財源を集中的に投入し、整備を一層加速していかなければならないと思います。
 東京の道路整備の効果と必要性を正当に評価し、必要な財源を確実に配分するように国に対して強く求めるとともに、日本を牽引する首都東京の道路整備を積極的に推進してまいります。
 道路にも確かにいろいろな問題がありますが、日本は既に方程式もできているわけですから、コスト・アンド・ベネフィットのあの方程式にのっとった有効性、つまりプライオリティーの問題だと思います。

○鈴木(あ)委員 今、知事からも力強い答弁をいただきました。
 外環については、知事の指導力により、約四十年間凍結されていた事業がようやく本格的に動き出したわけであります。交通渋滞の解消も環境改善効果も、路線がつながることによって一層効果を発揮するわけですので、東名高速以南も含め、早期に全線開通に取り組むよう要望して、次の質問に移ります。
 水道局は新しい経営プランにおいて、株式会社である東京水道サービスを活用した新たな国際貢献の取り組みを打ち出しました。日本経済の活性化にもつながる可能性があり、我が党では大変注目をいたしております。
 先日の代表質問でも、この取り組みをぜひ成功させるべきとの質問を行い、知事からは、経済活性化のためにも、東京の技術力を世界に示すとの力強い答弁をいただいたところであります。
 東京水道サービスは、一体的事業運営体制のもとで、水道局のパートナーとして重要な業務を着実に履行していると伺っております。しかし、海外での事業展開は、同社にとっても、また局にとっても初めてのことと思います。
 そこで、海外展開に当たって、東京水道の強みはどこにあるのか具体的に伺います。

○尾崎水道局長 当局は、世界有数規模の水道事業体であり、長い年月にわたり蓄積した高いレベルの技術と、経験豊富ですぐれた人材を有しております。これまで、こうした技術と人材を活用したハード、ソフト両面での取り組みにより、戦後八〇%を超えていた漏水率を三・一%まで低減させてまいりました。また、どのような原水水質にも対応できる浄水処理技術や高度な水質管理を確立しております。
 東京水道サービスは、昭和六十二年の設立以来、東京水道の技術を受け継いだ技術者によって管路の維持管理業務を担うなど、長年にわたり世界に誇る東京水道事業を支えてきた実績があります。さらに、浄水場の運転管理を着実に履行するなど、局とともに水道事業における基幹的業務を担っております。
 こうした東京水道の強みを生かすことにより、水分野における海外展開を十分果たせると考えております。

○鈴木(あ)委員 ただいま局長からも答弁いただきまして、東京水道が海外にも十分通用する技術とノウハウを持っている。そのように私も確信をしているところでございます。
 ところで、水道局は、情報の相互共有などを目的に、株式会社産業革新機構と協定及び覚書を今月の八日に締結したとのことです。海外展開には、カントリーリスクを初め、多くのリスクがあります。局を補完、代行する監理団体として、海外事業に失敗し、本業に影響することがあってはなりません。
 何よりも大切なことは、綿密な情報収集により、相手のニーズや実情を踏まえ、事業収支計画や事業リスクを把握した上で対策を講じることだと思いますが、具体的にはどのように進めていくのか伺います。

○尾崎水道局長 海外展開に当たり、カントリーリスクのほか、さまざまな事業リスクに対応しつつプロジェクトを推進していくためには、事前に十分な情報収集を行うとともに、国や民間などのさまざまな専門機関のノウハウを活用していく必要があります。
 このため、当局と水道サービスから構成される海外事業調査研究会におきまして、商社やメーカーといった民間企業等との意見交換を行うなど、国内外の情報を収集してまいります。さらに、アジア諸国を中心にミッション団を派遣し、ニーズや実情について幅広く把握してまいります。
 また、専門機関の活用の一環として、三月八日、当局は、株式会社産業革新機構との間で相互協定及び覚書を締結いたしました。同機構は、政府及び民間が出資する株式会社であり、ファイナンスにおいて約八千億円の政府保証枠を有しております。
 今後、同機構を活用し、情報収集のほか、東京水道サービスとも連携して、合弁会社を設立する際の手法やプロジェクトファイナンスの評価を行う仕組みづくりについて検討してまいります。
 こうした取り組みにより、今後想定されるプロジェクトの内容を踏まえてビジネスモデルをカスタマイズするなど、新たな国際貢献の取り組みを積極的に推進してまいります。

○鈴木(あ)委員 世界に冠たる東京の水道でございます。ぜひ新たな国際貢献ができるように期待をいたしております。
 次に、羽田空港へのアクセス交通の整備について伺います。
 いよいよ羽田空港の国際線ターミナル、新滑走路の供用まであと半年余りとなってまいりました。この秋からは、アジアはもとより、ヨーロッパ、北米など、多くの国々との間で人、物の交流が活発となり、羽田空港がまさに日本の表玄関となるものと考えております。
 羽田空港への公共交通機関としては、京浜急行線と東京モノレールの二路線があり、新駅の整備や京急蒲田駅の改良が行われています。
 一方、道路は、首都高速道路や環状八号線が利用できるものの、国道三五七号線については川崎方面と結ばれていないなど、ネットワークとしては完成していません。
 世界に向けての羽田空港の拠点性を生かすためには、広域幹線道路など羽田空港へのアクセス道路の充実を図るべきと考えますが、現在の取り組みについてお伺いをいたします。

○河島都市整備局長 再拡張、国際化により飛躍的に向上する羽田空港の機能を十二分に発揮させるためには、空港と連結する広域幹線道路などの整備が極めて重要でございます。
 このため、羽田空港への主要なアクセス道路となる首都高速中央環状線につきましては、今月二十八日に新宿線が開通するほか、品川線では、都みずからも事業者となって、平成二十五年度の開通に向け整備を鋭意進めております。
 また、環状八号線や第一京浜に残された踏切などを除却する京浜急行本線・空港線の連続立体交差事業を推進しております。
 国道三五七号につきましては、大井ふ頭で環状七号線との立体交差化が進められているほか、東京港トンネル部では、今年度の取りつけ部の工事に引き続き、来年度には本体工事に着手することとなっておりまして、多摩川トンネル部につきましても事業着手を国に働きかけてまいります。
 都は今後とも、国や地元区などと連携を図りまして、羽田空港へのアクセス機能のさらなる強化に向けて積極的に取り組んでまいります。

○鈴木(あ)委員 空港周辺の交通アクセスの向上が今後スピードを上げて向上するよう、国に引き続き力強く働きかけていただきたいと思います。私どもも努力をしてまいりたいと思っております。
 一方、空港連絡バスは、多くの荷物を携えた国内外の旅行者にとって、宿泊するホテルに直結するなど利便性がすぐれていることから、羽田空港と都内の二十を超える地区や各拠点との間で運行されております。
 しかしながら、バスは都心部側ではどうしても交通渋滞による遅延を生じてしまいます。こうしたことから、都は、最先端の情報通信技術を活用した公共車両優先システム、いわゆるPTPSによるバス交通の円滑化に向けた施策に取り組むとのことですが、どのように進めていくのかお伺いをいたします。

○河島都市整備局長 公共交通優先システム、いわゆるPTPSは、対象となるバスを路上の機器が感知し、その情報を受けた交通管制センターが青信号の時間を調整することなどによりまして、バスの通過を優先させる仕組みでございます。本システムの導入により、混雑する区間でのおくれをなくし、利便性を向上させることができます。
 本年十月の羽田空港再拡張、国際化により、空港連絡バスの利用者の増加が予想されますが、これにあわせて、運行本数が多く、導入の効果が見込まれる新宿駅周辺、臨海副都心、区部東部の環状七号線に本システムを導入する予定でございます。
 今後とも、これらの取り組みの効果を検証しながら、順次、対象地区の拡大を図ってまいります。

○鈴木(あ)委員 次に、羽田空港の跡地利用についてお伺いをします。
 羽田空港に隣接した跡地約五十三ヘクタールは、空港の沖合移転以来の経過によって生じた広大な土地であるわけです。
 一昨年三月に、国、都、地元区により構成される羽田空港移転問題協議会、いわゆる三者協が基本計画を策定して土地利用の方向性が示されましたが、生まれ変わる羽田空港の機能を十分に生かしていくためには、空港に隣接した跡地を有効に使っていくことが求められております。
 そこで、まず、羽田の国際化の進展に伴い、跡地にどのような機能を導入すべきと都は考えているのか、お伺いをいたします。

○河島都市整備局長 跡地は羽田空港に隣接する希少な空間であることから、跡地利用に当たりましては、空港機能をサポートするとともに、空港の持つポテンシャルを有効に活用することが重要でございます。
 三者協で策定した跡地利用基本計画では、三つのゾーンに区分して、市街地近接ゾーンには文化・交流機能、産業支援機能を、国際線地区隣接ゾーンには国際交流機能、商業機能を、B滑走路隣接ゾーンには空港連携機能をそれぞれ誘導することとしております。
 特に国際線旅客ターミナルビルの目の前に位置する国際線地区隣接ゾーンでは、深夜早朝時間帯の国際線利用者用の宿泊施設など、羽田の国際化に伴って求められる機能の導入を図ってまいります。

○鈴木(あ)委員 新滑走路が十月に供用開始となり、国際拠点空港としての役割が高まっていく中で、将来を見据えた跡地利用をできるだけ早期に具体化をしていく必要があります。
 大分、今の計画、ちょっと盛りだくさんというところがございますが、今後、松原区長も大変努力をされておりますので、ぜひその辺のところも、要望、思いというものを受けとめていただければな、こんなふうに思っております。
 都は、跡地利用についてどのように具体化しようとしているのか、お伺いをいたします。

○河島都市整備局長 都は、国や地元区とともに、新滑走路等が供用開始される本年十月までに、羽田空港跡地まちづくり推進計画を策定する予定でございます。
 策定に当たっては、空港と隣接し、水辺にも開かれた立地を生かした魅力とにぎわいのあるまちとすること、必要となるインフラを明らかにして着実に整備できるようにすること、段階的なまちづくりを進め、必要なところから早期に事業化できるようにすることなどを考慮してまいります。
 その後、この推進計画を踏まえて、国や地元区など関係機関と連携して、必要な都市計画を決定することなどにより、個々の事業の具体化を図ってまいります。

○鈴木(あ)委員 大田区では、跡地活用に向けて基金を積んで、その主体性を示しておりますが、跡地活用、その取得に当たっては財政支援をしてほしい、こんな要望もあります。
 次に、羽田空港周辺地域のまちづくりについてお伺いをいたします。
 羽田空港周辺は、これまで空港の拡充に伴い、地域を取り巻く環境が大きく変化する中で、航空機燃料譲与税等を財源として、地元大田区により道路、公園が整備されるとともに、騒音対策として、国からの助成により住宅の防音工事が進められるなど、空港と調和して地域の発展が図られてまいりました。
 本年十月、再拡張、国際化が実現し、発着回数が大幅にふえるなど、空港機能が強化されることとなりますが、同時に、騒音対策はもとより、空港を生かし、支えるべく、周辺地域のまちづくりもより進めていかなければなりません。そのためにも、国や都、地元区がそれぞれの役割をしっかりと果たして進めていくことが必要であると考えます。
 都は、空港周辺地域のまちづくりにどのように取り組むのか、お伺いをいたします。

○河島都市整備局長 跡地利用の基本的な視点のうち、空港を生かすこと、空港と連携することの二点につきましては、羽田空港周辺地域のまちづくりにおきましても共通する重要な考え方でございます。
 このため、空港に近接する地区では、計画的な土地利用転換などにより、空港との近接性を生かした空港関連産業などの集積拠点を形成するなど、さらなる発展を図ることが求められます。
 例えば、羽田旭町地区内では、大規模工場跡地において物流機能を導入する民間のまちづくりが進められており、都と区が連携してその適切な誘導に取り組んでおります。
 都としては、今後とも、地域のまちづくりを積極的に進めている地元大田区とともに、こうした取り組みを一層進め、周辺地域のまちづくりを促進してまいります。

○鈴木(あ)委員 それでは、産業振興について伺ってまいります。
 東京には、高度に発達した都市機能、個性豊かなまち並み、すぐれた技術、技能や人材の集積など、豊富な社会資源が存在しております。こうした資源を最大限に活用することにより、産業振興を図っていくことが重要であります。
 まず、都市機能の面では、先ほど触れたとおり羽田空港発着枠が大幅に拡大され、公共交通の運行時間帯の拡大など、空港アクセスも大幅に向上し、今後、アジアを中心に多くの旅行者が東京に訪れることが見込まれております。
 そこで、深夜早朝便で訪れる旅行者への対応を含め、今後、観光振興の観点から、具体的にどのように受け入れ体制を強化していくのか、お伺いをいたします。

○前田産業労働局長 羽田空港の再拡張、国際化により、アジアを中心に多くの外国人旅行者が訪れることが見込まれますことから、受け入れ体制整備を一層充実させることが必要であります。
 このため、羽田空港におきましては、観光情報センターを新しい国際線ターミナルビルに移設し、案内窓口に、従来からの英語に加えまして、新たに中国語、韓国語で対応できるスタッフを配置いたします。
 さらに、深夜早朝便の就航に伴い、営業時間を夜十一時まで一時間延長するとともに、深夜早朝も利用可能な施設などの情報を民間企業と連携して提供するなど、旅行者の利便性を高めるため、観光案内機能の充実強化を図ってまいります。
 こうした対応に加えて、羽田空港以外でも多言語表記による案内標識の増設や、飲食店に対する外国語メニューの普及によりまして言葉の壁を低くするなど、外国人旅行者が東京の観光を楽しめる環境づくりを推進してまいります。

○鈴木(あ)委員 アジア地域の羽田空港への就航については、中国、韓国等、従来より就航してきた近距離エリアに加え、新たに東南アジア地域に対して、航空当局の協議で運行を認める合意がなされました。
 このような追い風を着実に外国人旅行者誘致の促進に結びつけていくためには、特にアジア地域に対して、より戦略的な観光プロモーションを実施していくべきだと考えますが、今後の取り組みについてお伺いをいたします。

○前田産業労働局長 お話のように、羽田空港については、アジア地域を中心に増便が確実なものとなっており、この機会を逃さず、外国人旅行者の誘致に取り組むことが重要であります。
 都はこれまでも、羽田空港の国際化を見据え、既に中国、韓国などに対しまして、その旅行事業者を招聘するとともに、現地の有力な旅行雑誌に東京の最新観光情報を掲載するなど、旅行目的地としての東京の魅力をPRしてまいりました。
 来年度は、羽田空港への新たな就航が見込まれ、旅行者拡大が期待できるシンガポール、タイなどの東南アジア地域につきましても、旅行博への出展や現地旅行会社に対する直接的な働きかけの機会を活用し、まずは旅行商品造成を促進するなど、旅行者誘致の取り組みを推進してまいります。
 さらに引き続き、市場、マーケットをめぐる新たな好材料や成長動向などを勘案しながら、アジア地域に対するプロモーションを積極的に進めてまいります。

○鈴木(あ)委員 これは観光産業の振興にとって千載一遇のチャンスでありますので、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 続いて、商店街の活性化について伺います。
 地域の消費生活を支え、地域コミュニティの核として重要な役割を担ってきた商店街は、まさに地域商業の核であり、また、地域の魅力と活力を生み出す源でもあります。
 商店街の活性化については、我が党の商店街振興議連の強い要望を受け、新・元気を出せ商店街事業により強力に支援し、年々バージョンアップしてまいりました。
 こうした流れを受け、国においても、ハード整備費等に対し、五億円を上限に事業費の三分の二を補助する中小商業活力向上事業が自民党政権時代に実施されております。国として大きな前進でありますが、三分の一の負担といっても、商店街にとってはかなりの額となります。区市町村も財政状況が厳しい折、なかなか独自に支援に踏み出せないところも多いと聞いております。
 都は、来年度から新たに中小商業活力向上施設整備費補助事業を実施し、こうした区市町村を支援することとしておりますが、本事業の意義及び具体的内容について伺います。

○前田産業労働局長 商店街が行いますアーケードや街路灯の設置、ICカードの導入などのハード整備につきましては、総事業費が多額となることから、区市町村としてもなかなか支援に踏み出せないということも事実であります。
 そこで、国が最大で三分の二を補助する中小商業活力向上事業の商店街負担分に対して区市町村が独自に支援する場合、その区市町村の支援額の二分の一を都が補助することで、区市町村の商店街に対する支援を後押ししてまいります。
 これにより、商店街の負担も軽減されることから、施設整備に取り組みやすくなり、商店街の活性化はもとより、魅力あるまちづくりに貢献できると考えております。
 今後とも、区市町村の主体的な取り組みを強力に支援することで、商店街のにぎわいの創出を図ってまいります。

○鈴木(あ)委員 都においては、特定施策推進型商店街事業で実施している街路灯のLED化を望む商店街がまだ数多くあると聞いています。ぜひ国の事業も活用して、多くの商店街の要望にこたえていただきたいと思います。
 商店街とともに東京の産業を支えているのは、そこで働くすぐれた技術を持つ人材です。しかし、後継者難などで技術承継がなかなか進まないといった声も聞かれます。
 例えば、知事がよくご存じの大田区の岩井製作所の社長は、金属の声も聞き分けられる旋盤加工の達人でありまして、後継者はいないが、自分の技術は必ずこの地域に残したいとかねてから話しておられます。
 都は、来年度からものづくり技術承継事業に取り組むとしておりますが、まず、都内中小企業の技術承継の状況について、どのように認識しているのか。それと、あわせて、このものづくり技術承継事業の課題について一緒にお伺いをしたいと思います。

○前田産業労働局長 都の中小製造業を対象とした調査によりますと、従業員三人以下の小零細企業の約八割が技術承継に課題があるといたしまして、また、約半数の企業は自分の代で廃業すると回答しております。これら廃業予定の企業の中には、お話しいただきました岩井製作所のように、原子炉の制御シリンダーを寸分の狂いもなく切削するたくみの技術を有している方も多くおられ、このままでは東京の産業基盤を揺るがしかねません。
 また、これもお話しをいただきましたが、自分は廃業するが、何とか技術は後輩に残し、ものづくり産業の活性化に役立てたいと考えていらっしゃる企業の経営者も多くいらっしゃいます。
 都としては、東京にとってかけがえのない高度な技術の承継は、個別企業における対応だけでは限界があり、社会全体で取り組むべき課題であると認識し、来年度、ものづくり技術承継事業を実施することといたしました。
 このものづくり承継事業では、業界団体が実施主体となり、その道でたくみとも呼べる技術者が現場実態に即した実践指導を行うこととしております。
 具体的には、都内各地域にある三十七の工業会が加入している東京工業団体連合会を通じて、傘下の工業団体がみずから取り組む技術承継につきまして、その経費の一部を都と区市町村が協調して支援を行うというものでございます。
 さらに、各工業団体が地域の実情に応じた技術承継のための事業計画が策定できますよう、同連合会がアドバイスを行う仕組みを構築いたしました。
 これらの支援を通じまして、東京のものづくり産業の基盤強化を図ってまいります。

○鈴木(あ)委員 すぐれた技術が円滑に継承されていくには、担うべき若手の人材の確保も大切です。現在、我が国は、いまだ長引く景気低迷により、大手企業を初め、採用を手控える企業がある中、中小企業にとっては若手人材を確保する好機とも考えられます。しかし、中小企業には人材を募集するノウハウが少ないなど、求める人材が確保できない。私の地元の大森工場協会などでは、最近は人材を中国の大連に求めているというような現実もあるわけでございます。
 こうしたことから、都は、ものづくり中小企業の人材確保に、より一層の支援が必要だというふうに考えておりますが、所見を伺います。

○前田産業労働局長 お話のように、中小企業では、採用ノウハウの不足や若者の中小企業に対する理解不足などによりまして、人材の確保がままならないのが現状であります。
 このため都では、中小企業の経営者や採用担当者を対象としたセミナーの開催や、採用実務マニュアルの配布により採用ノウハウを習熟していただくとともに、「輝く技術 光る企業」と題しました企業の紹介冊子やホームページにより、ものづくり中小企業で働くことの魅力を発信してまいりました。
 さらに、今年度からは、就職活動に臨む学生さんなどを対象に、ものづくり現場で働く技術者の熱き思いに触れ、その魅力を実感する仕事体験ツアーを実施するなど、中小企業の人材確保に向け戦略的に取り組んできております。
 来年度、平成二十二年度は、この仕事体験ツアーの実施回数を倍増し、中小企業の魅力についての理解者をふやすために、新たに保護者や教員を招いたツアーを実施いたします。さらに、ものづくり中小企業を対象とした就職フェアもあわせて開催いたします。
 こうした取り組みを通じ、次代のものづくり基盤技術を支える人材の確保を強力に支援してまいります。

○鈴木(あ)委員 私が今までお伺いをしたこれらの施策が、元気を出せ町工場、元気を出せ工業と、こういうような体系的な、まさにこの施策、ことしのその施策が始まる第一歩というように、ぜひしっかり取り組んでもらいたいというふうに思っております。
 次代の産業も、技術、技能の下支えなくしては育ちませんので、中長期的な産業振興の観点からも一層の支援を強く要望しておきます。
 次に、農業の振興についてお伺いをいたします。
 都民の食を支える東京の農業も重要な産業であり、地域の活性化には欠かせません。近年、輸入食品の農薬混入などを契機に、都民の食の安全・安心に対する関心が高まっております。今こそこうした関心の高まりを生かし、安全・安心な都内産農産物の認知度を高めていくチャンスだと私は考えます。
 しかし、都内産の農産物は直売が主体であり、都民の中には、東京で農業が行われていることや、都内産農産物が販売されていることを知らない方も多いようです。都内産農産物のよさ、おいしさを都民に知ってもらうことは、農業振興につながり、ひいては農地の保全にも結びつくものだと考えております。
 都内産農産物を都民に理解してもらうためには、都はどのような取り組みをしていくのか、お伺いをいたします。

○前田産業労働局長 東京には、東京ウド、あるいは東京しゃもといった、そのほかにも多くありますが、多くの安全・安心のブランド農産物があり、都内のレストランなどには、こうした食材を使った有名な人気店もございます。また、都内各地には、地元産の食材を使用した飲食店も数多くあります。
 今後は、こうした都内産農産物の魅力をさらに広く都民に知っていただく必要があります。
 そこで、都は、来年度開始いたします食の安全・安心地産地消拡大事業の中で、都内産の食材を積極的に使用していただいている飲食店を、東京地産地消応援店として百店選定いたします。応援店には目印の看板を設置するとともに、直売所マップを配布するなど、連携して都内産農産物のよさをPRしてまいります。
 また、一般都民や調理師による都内産食材を使用した料理コンクールを開催し、創意工夫を凝らした料理を紹介するなど、都内産農産物の魅力を広く発信していきます。
 こうした取り組みにより、新鮮で安全・安心な都内産農産物の理解の促進に一層努めてまいります。

○鈴木(あ)委員 安全・安心に対する関心は学校給食においても高まっており、学校給食へ安全・安心な都内産農産物を供給拡大していくことが農業振興の観点からも注目されております。
 農地がある市町村部では、地元の農業関係の団体と連携して地場産の野菜等の学校への供給が進んでいますが、農地の少ない区部では都内産食材を手に入れるのは容易ではなく、まだまだ使っていただける余地があると思われます。
 このような区部の小中学校に対する都内産食材の供給について、今後どのように拡大していくのか、伺います。

○前田産業労働局長 都は、平成二十年度から、農地の少ない区部の小中学校を対象に地産地消給食導入事業を実施しております。平成二十年度の都内産農産物の供給実績は、二十五校に、学校平均で年約四十回、約十二トン、これは供給実績でございました。実施校からは、さらにふやしたい、周辺の学校からも導入したいと要望をいただいておりますが、生産量が少ないこともありまして、そのすべてにこたえることは難しい状況にございます。
 そこで、食の安全・安心地産地消拡大事業の中で、八王子市大谷町の未利用の都有地を活用し、平成二十三年度から学校給食用に農産物を生産することとしております。供給量は現在の約三十倍となる見込みでありますが、都内のすべての公立小中学校の給食での学校使用量から見れば、まだまだ十分とはなりません。
 こうしたことから、この事業の着実な推進をきっかけに、多くの農業者の自主的取り組みへと発展させ、学校給食への供給拡大と東京農業のさらなる振興につなげてまいります。

○鈴木(あ)委員 都内産食材を使った学校給食を食べながら食材について学習をすることで、子どもたちの東京農業への理解が深まり、農業者の生産意欲がさらに向上することを期待します。
 続いて、豊洲新市場についてお伺いをいたします。
 本会議代表質問において、豊洲移転に関する予算審議に当たって、川井幹事長から、移転反対の主張に対する我が党の考え方と、政治責任を果たす重みについて指摘をいたしました。予算特別委員会では、これを踏まえ、現在地再整備の困難性と移転の必要性について明らかにしていきたいと思います。
 かつて取り組んだ再整備がとんざする中で、市場業界は、もはや整備に待ったなしの築地市場の将来を真剣に考え、豊洲への移転を選択いたしました。その後、施設計画においても、細部に至るまで業界と都で一つ一つ議論を積み重ね、大変なまさに労力と時間をかけて今日まで内容を詰めてきております。
 さきの参考人招致において、業界代表の方は、わかっていただきたい、再整備はどうやっても無理だ、市場がだめになってしまう、机上の議論ではできるといわれるが、現実に働く一万四千人の納得は得られないと真剣に訴えておられました。
 民主党は、いまだ確たる証拠も示さぬまま、再整備の再検討を主張しておりますが、業界の悲痛な声に民主党は何も感じないのでしょうか。現場で働く方々の大多数が豊洲移転で合意していることの重みを認識した上で議論すべきであります。
 本来、卸売市場は生鮮食料品を安定供給するための、いいですか、この業務用の施設なんですよ。築地市場は、昨今、マスコミでも頻繁に取り上げられ、観光目的の来場者が多数訪れるようになっていますが、あくまで生鮮食料品の流通拠点としての卸売市場の役割を第一に考え、その機能を将来にわたって維持発展させていくために何が最善であるかという、その視点こそが重要であります。まるで観光施設であるかのような主張が民主党の質問でもありましたが、それにこだわって整備がおくれ、市場機能の強化が果たせないようでは本末転倒であります。
 そこで、都民に生鮮食料品を安定供給する上で、築地市場はどのような役割を果たしているのか、また、現下の流通環境の中で、時代の要請を受け、かつ将来にわたってその機能をより確かなものにするために、築地の再整備という選択肢はあり得るのか、それとも豊洲への移転によってのみ可能なのか、お伺いをいたします。

○岡田中央卸売市場長 築地市場は、水産で国内最大、青果で都内二番目の取扱数量でございまして、国内外の産地から多種多様な生鮮食料品を大量に集荷し、取引を行い、小分けした上で、迅速に小売店、飲食店等の幅広い顧客に販売してございます。こうした機能によりまして、都民の豊かな食生活を支える重要な役割を担っておりますが、近年、産地からは、鮮度、品質を保つコールドチェーンの保持や、大型トラックによりスムーズに搬入できる荷おろし場所などの確保、小売店や飲食店からは、店舗別の仕分けスペースの確保などへの早急な対応が求められております。
 築地での再整備につきましては、敷地が狭隘であり、営業を継続しながらの工事となることから、現実的には不可能でございます。あえて温度管理が徹底できる閉鎖型施設、物流効率化のための待機駐車場や十分な荷さばき場など、これからの市場に不可欠な新しい機能を盛り込んだ計画を策定したといたしましても、売り場等の基幹施設を一体的に配置することができません。
 このため、施設の重層化が必要となり、荷の搬出入や場内搬送に時間がかかりまして、短時間に大量の荷をさばく市場としての基本的な機能が阻害され、使い勝手が極めて悪い施設配置にならざるを得ないと考えております。
 一方、豊洲新市場は約四十ヘクタールの広い敷地を有しておりまして、施設を閉鎖型として品質、衛生管理の高度化を図るとともに、待機駐車場や荷さばき場を十分に確保するなど、時代の変化に十分対応できる規模と機能を備えた新たな基幹市場として整備するものでございます。
 このように、現在地再整備では、流通環境の変化に対応して市場機能の強化を図ることができず、将来にわたり生鮮食料品の安定供給を図り、都民の食生活を支えていくためには、豊洲新市場の整備が不可欠と考えております。

○鈴木(あ)委員 一月二十六日に行われた経済・港湾委員会の参考人招致において、築地での再整備を主張する業界関係者が、長くて八年ぐらいでできる、もうすぐ案ができ上がると話しておられました。また、報道によりますと、二月十八日には、二十一世紀築地プロジェクトチームにより、晴海の土地を活用し、五年から八年程度で再整備ができるという案が公表されたとのことですが、本当にこのような主張のように短期間で可能なのでしょうか。経済・港湾委員会でも四名の方を参考人としてお招きをしておりますので、ぜひ出席して議論をさせていただきたいと考えております。
 かつての再整備は、施設の仮移転をめぐる対立などから、本体工事に着手できぬまま停止しました。また、実際の整備においては、環境アセスメントなど必要な手続や施設設計等の準備作業も必要であり、この期間も含め、現実的にかかる期間をきっちりと把握し、これを前提とした上で議論すべきであります。
 そこで、仮に築地で再整備を行う場合、建設工事に着手するまでにどのような手続や作業が必要で、それらにどれぐらいの期間がかかるのか、具体的に伺います。

○岡田中央卸売市場長 仮に築地での再整備を行う場合、基本構想、基本計画、基本設計及び実施設計を、業界との協議、調整を行いながら取りまとめ、施設整備の内容を具体的に確定させていく必要がございます。これらの作業とあわせ、築地の再整備は敷地面積が二十ヘクタール以上の規模となることから、環境影響評価条例に基づきまして、通常の事業段階環境影響評価に加えまして、計画段階での環境影響評価の手続が必要となります。
 晴海で行う工事につきましても、敷地面積が十ヘクタール以上となることから、環境影響評価を行う必要がございます。
 また、築地は過去に都市計画決定がなされておりますが、晴海につきましては、仮移転期間によりまして、新たに都市計画決定の手続が必要となります。
 豊洲新市場の基本構想から基本設計相当策定までの実績、あるいは他の大規模施設の事例から、期間は五年半程度はかかると考えてございます。
 こうした手続や作業に着手する前には、業界との合意が当然必要になりまして、かつての再整備では、築地市場の一部機能を大井に分散させることを内容といたしました昭和五十七年の第三次東京都卸売市場整備計画以来、再整備の議論が本格化いたしました。昭和六十一年に現在地再整備を決定するまでに約四年の期間を要してございます。
 また、平成八年に現在地再整備の工事が中断し、平成十三年に豊洲地区への移転が決定するまでに約五年の期間を要してございます。
 業界の多くは移転整備を切実に望んでいることから、合意は到底得られないものと考えておりますが、仮に、業界との合意形成を含めた工事着手までの期間を想定いたしますと、少なくとも十年程度はかかると見込まれます。
 このほかにも、築地及び晴海の工事は三千平米以上の土地の改変となるため、環境確保条例、土壌汚染対策法に基づきまして、土地利用の履歴により、土壌汚染調査が求められます。
 また、築地での工事には、文化財保護法に基づきまして、埋蔵文化財に対する試掘調査が必要となる可能性があります。これらの調査期間によりまして、今申し上げました、少なくとも十年に加えまして、さらに全体工期が長期化することが想定されます。

○鈴木(あ)委員 そもそも、業界が移転で一致協力し準備を進めている中、やすやすと方向転換に合意が得られるとは思えません。業界調整だけでも相当な期間がかかることになります。大井移転の議論から現地での再整備のとんざを経て豊洲移転が決定されるまで、二十年もの歳月が費やされたわけであります。今、再整備の議論に立ち戻ることは、先日業界から出された声明にあるように、まさしく築地を再び泥沼の中に陥れるものです。この発言を私たちは重く受けとめなければなりません。
 老朽化した施設がもうもたないのは明らかであり、業界内の意見対立も深まるばかりです。このような状態が続くようでは、築地から産地や顧客が離れ、廃れてしまいます。現実を踏まえた上で早急に移転整備を進めるべきです。
 続けて、財政面からも伺います。
 民主党は、移転の問題を考える上で最も重要となる業界の大多数の意見に取り合おうともせず、強引に再整備を再検討せよと繰り返すだけで、みずからのプランを示すこともせず、このたび発表された二十一世紀プロジェクトチームの現在地再整備案を支持しているわけでもないように感じます。責任ある対応をみずから示そうともいたしておりません。
 中央卸売市場は、市場業者からの使用料収入を財源に市場整備や業務運営を行っているのであり、豊洲への移転整備についても、市場業者の意見や意向を十分に踏まえる必要があります。今回の豊洲関連予算案が万一通らないようなことがあれば、政治への不信、不満が噴出をして、業界全体が混迷するのは火を見るより明らかです。
 先日も、わずかな地震で崩落事故が発生しましたが、築地市場は既に老朽化が限界に来ており、仮に大事故などが起これば、市場業務に甚大な支障が生じ、都民生活に深刻な影響を与えることになります。この現実を直視すべきであります。
 このような市場業者の意見や意向、築地市場の厳しい現状を踏まえると、我が党としては、豊洲新市場の関連予算案を認めない理屈はなく、まして、ましてや否決するなどとは断じて許されるものではないと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。
   〔発言する者あり〕

○服部副委員長 ちょっと静かに聞きなさい。真剣に質疑しているんだから。

○石原知事 築地の移転問題で……
〔「委員長、指名したのか、ちゃんと」と呼ぶ者あり〕

○服部副委員長 石原知事、さっき指名したでしょう。何を聞いてたんだ。

○石原知事 しっかり見てろよ。築地の移転でいろいろ主張されておりますが、そもそもこの都庁舎も、有楽町から、先年、新宿に移転し、築地市場が七十年前に日本橋から移転したように、重要な施設というものは、時代の変遷とともにイノベーションの進展によって拠点が移っていくのが一種の歴史の必然だと思います。
 現在地再整備は、平成三年から八年の六年に及んで四百億という膨大な経費を投じて実施しましたが、結局とんざし、完全にむだになりました。その後もさまざまな検討を行い、経済性も考え、最も合理的な選択として、最終的に豊洲移転を決定したわけであります。
 ところが、豊洲に高濃度の土壌汚染が見つかり、私自身もびっくりしました。土壌汚染については、昨日、実験の中間報告がまとまり、最高権威の学者の方々による日本の先端技術を活用した土壌汚染の大部分に用いられる技術、工法の有効性が確認されました。六月末にはすべての実験の結果が出ます。汚染というバリアが取り除かれた暁に、民主党には移転に反対する理由が一体どこにあるんでしょうかね。
 それにもかかわらず、論拠もなく豊洲移転の予算を否決した場合、業界は移転のともしびが消えたものと考えて、これまで豊洲移転に向けて努力してきた業界に大きな混乱が生じ、今後の協力も得られず、新市場整備自体が私は瓦解するんじゃないかと思います。
 結果として、地震により屋根が崩落するなど、築地の現状がこのまま放置されることになります。老朽化はさらに進行し、大事故、震災などによるリスクが高まり、衰退はだれの目にも明らかになるでしょう。築地の現状を冷静に考えれば、一刻も早く豊洲地区への移転を進めるべきであると思います。
 それから、築地は有力な観光資源という論もありました。これはナンセンスでありまして、築地の第一義はあくまでも生鮮食料品の流通機構であります。パリもかつて、非常に有名な観光地の一つでありました、あの中央市場を地方に移しました。ほかへ移しました。そして、その跡は立派な美術館が建って、違った意味での大きな観光のメッカになっております。
 それから、これは民主党の方々、私は確かな仄聞ですけれども、お調べになった方がいいと思いますが、民主党の上層部では、築地が移転した後、あそこに病院のクラスターをつくって、一種の特恵国にして、日本の今の法律ではできない手術であったり投薬したりする、そういうゾーンにしようという案があるそうですよ。

○鈴木(あ)委員 いたずらに結論を先延ばすことなく、土壌汚染問題を解決した上で、議論を尽くして、豊洲へと移転すべく結論を出すことこそ、私たち都議会の責任だと考えております。
 次に、幼稚園就園奨励特別補助の質問に移らせていただきます。
 改めて、この補助制度が創設されるまでの経過を明らかにしながら、質問をさせていただきます。
 現在、幼稚園の保護者負担軽減策としては、国と都、区市町村の補助制度がありますが、民主党政権になり、国の幼稚園就園奨励費補助が、子ども手当の創設を理由に見直されました。
 そこでまず、今回減額された、年収三百六十万円を超え六百八十万円以下の世帯の階層に対する補助単価が、国の予算編成の過程でどのように変更されたのか、また、この所得階層における補助対象の人数はどれぐらいいるのか、伺います。

○秋山生活文化スポーツ局長 国の幼稚園就園奨励費補助は、区市町村が保護者の所得状況に応じて保育料等を軽減する場合に、その経費の一部を補助する制度でございますが、国の前政権による平成二十二年度予算の概算要求では、補助対象となります四つの区分の所得階層のすべてで補助単価を約六%引き上げる予定となっておりました。
 ところが、新政権になりまして出し直しをされました概算要求では、子ども手当の支給を踏まえ、低所得者への給付の重点化を図るという理由から、年収三百六十万円を超え六百八十万円以下の世帯である第四階層についてのみ補助単価が六割減額され、最終的な政府予算案では、減額幅が縮小し、三割の減額となりましたが、それでも一万八千六百円という大きな負担が残ることとなってしまいました。
 このような経緯のもとで補助単価が設定されたものでございまして、お尋ねの、唯一削減の対象となりました第四階層の人数は、都が実施している補助事業の実績をもとに推計いたしますと、約七万五千人となりまして、都の補助対象者全体の約七割にも相当する規模となっております。

○鈴木(あ)委員 負担増額は一万八千円、対象人数は全体の約七割とのことですが、かなりの世帯がこの経済状況下でダブルパンチに見舞われることになります。多くの保護者、幼稚園関係者から、何とかしてほしいとの強い要望が相次ぎ、我が党は昨年の第四回定例会で、すべての世帯において負担増とならない配慮を求める意見書を国に提出すべく尽力しましたが、残念ながら民主党の反対で採択できませんでした。
 その後、我が党は、保護者負担の激変緩和の必要性を予算要望し、また、政府案が出されると、すぐに私立幼稚園連合会からも、国の理不尽な制度変更に対する怒りのこもった緊急要望が出されました。
 これらの要望を受け、都は緊急的、臨時的措置として、負担増額の三分の二に相当する一万二千四百円を補助する幼稚園就園奨励特別補助を追加要求し、我が党もそれを後押ししました。
 ところが、これまで何ら行動を起こさなかった民主党が、突然、国が削減した補助額の全額を都で穴埋めするよう、復活要望したのです。民主党のマニフェストの欠陥のしりぬぐいをなぜ都に押しつけてくるのか、最終局面でのこの行動は到底理解できません。
 そこで、現場を預かる立場から伺いますが、都は、補助対象者の約七割が属するこの所得階層の保護者の方々の暮らしぶりをどのようにとらえ、どのような考え方で三分の二を補助することとしたのか、伺います。

○秋山生活文化スポーツ局長 文部科学省の平成二十年度子どもの学習費調査によれば、私立幼稚園保護者世帯の年収を階層別に見ますと、先ほどの第四階層にほぼ一致する四百万円から六百万円未満が最も多く、約三五%を占めております。
 都内の私立幼稚園の平均保育料でございますが、約三十一万円でございまして、このほかに、これは全国平均の数字になりますけれども、通園費や学用品、制服代などが約十二万円かかることから、この第四階層にとっては、国と都の補助金が支給されても、依然として負担感が強く、特に年収三百六十万円に近い世帯には影響が非常に大きく、深刻なものと理解をしております。
 また、私立幼稚園関係者からは、保護者の平均年収はおおむね五百万円前後だと思われ、平均以下の世帯にとっては現行の保育料はかなり負担が重いという、現場感覚を踏まえた声も寄せられているところでございます。
 一方、総務省の平成十九年就業構造基本調査によりますと、東京では、夫婦と六歳未満の子どもから成る世帯数を妻の年齢別に見ますと、三十歳代が約四分の三を占めておりまして、幼稚園児が含まれると考えられるこの世帯を支援することは、少子化対策の面からも大きな意味があるというふうに考えております。
 次に、補助額を三分の二とした理由でございますが、国の制度変更による保護者の負担増につきましては、本来国の責任において是正すべきものであり、負担増をすべて都民の税金で補うことや、都が従来から実施している経常的な補助制度の中で補うことに関しては、都民の理解を得ることは難しいものというふうに考えております。
 こうしたことから、都は、国の制度の改善を求めつつ、一方で、保護者負担軽減の緊急性、重要性にかんがみ、補助対象人数や補助単価の整合性、都の財政状況も勘案しながら、臨時的な措置として、負担増分の三分の二を補助することといたしました。

○鈴木(あ)委員 三十代半ばといえば、二人目の子どもを産むかどうか迷う世代であり、少子化打破の視点からも、補助対象者の大多数を占めるこの階層への十分な配慮が必要です。今回の都の補助制度は暫定的な措置であり、本来は国において是正を図るべきです。
 代表質問において、都は制度改善を国に要望するとの答弁をいただいたところでありますが、都としては、私立幼稚園における保護者負担軽減策の実施に当たり、どのようなことを重視すべきと考えるのか、お伺いいたします。

○秋山生活文化スポーツ局長 国は、今回の制度変更に当たり、予算総額を前年度とほぼ同額とした上で、低所得者への補助単価を増額して給付を重点化したために、対象人数が最大である第四階層に大幅な負担増を招く結果となってしまったものでございます。
 都としては、もちろん低所得者の負担軽減も重要ではございますが、教育費への負担感が強く補助対象者も多い階層に対しても配慮し、政策効果が十分に発揮できるような制度とすべきものというふうに考えております。
 こうした考えから、都の制度では、これまでも、国のように階層別の補助単価の差を大きくせず、さらに、第四階層より所得の高い世帯にも第五階層を設けて補助することによりまして、比較的フラットな形での補助単価を設定しているところでございます。
 先ほどご答弁申しました幼稚園保護者世帯の収入状況や幼稚園関係者の声を踏まえますと、東京におきましては、年収五百万円台が一つのメルクマールになるのではないかというふうに考えておりまして、今後、このような観点から、国に、第四階層を分割することとあわせまして、補助対象であるすべての保護者について負担が軽減されますよう、制度の改善を強く要望してまいります。

○鈴木(あ)委員 そもそも民主党政策集INDEX2009では、子ども手当の導入とともに、五歳児の就学前教育の無償化を推進し、さらに漸進的に無償化の対象を拡大するといっていました。それにもかかわらず、なぜ私立幼稚園に通う世帯、しかもこの所得階層のみに負担増を求めるのか、説明も一切なく、全く理解できません。まさに民主党政権の混乱ぶりを象徴する出来事でもあります。
 都議会民主党はこのことをよく認識し、国に対して意見するなど、地方議会としての役割を果たすよう強く求めておきます。
 さて、都議会自民党は、子どもの体力低下問題に強い関心を持っています。昨年の予算特別委員会でも子どもの体力向上について質疑し、体力の現状に警鐘を鳴らしたところですが、今年度の体力テストの結果も全国平均を大きく下回る結果となり、東京都における子どもの体力低下は極めて深刻な問題であります。
 東京都の子どもの体力低下の背景や原因には、東京都の子どもを取り巻く環境、遊び、ライフスタイルの変化など、さまざまな要因が複雑に絡み合っていると考えられます。
 体力低下は、その子ども自身の将来の健康的で幸せな人生に影響を与えるばかりではなく、生活習慣病や医療費の増加等、目に見えない社会基盤にも影響を与えかねません。首都東京が活気にあふれ、活力ある都市として成長を続けていくためには、元気に運動やスポーツに親しみ、だれにも負けない体力や気力を持ち合わせた人間を育成していくことが大切だと思います。
 そこで、子どもの体力向上について知事の所見をお伺いします。

○石原知事 東京の子どもの体力水準が極めて低いことは、これはまさにゆゆしき問題であると思います。これでは、スポーツの世界でも活躍する選手は出てこないんじゃないかと。
 子どもが人生を強い人間として生き抜いていくその力の土台は、やはり体力にあり、体力また気力をつくるということでもありますが、健全な肉体を育て脳幹を鍛えることで、みずからを律する強い心や、どのような事態にも対応できる柔軟でしたたかな精神が培われていくものであります。
 子どもにとってスポーツというのは、健全な肉体をつくるだけではなく、そこに健全な精神を涵養していく点で非常に大事な人間鍛錬の方法だと考えております。
 IOCのロゲ会長も、日本に限らず、最近の若者は、ヨーロッパでもスポーツをしなくなったと嘆いておりましたが、まさに同じ悩みを日本も抱えているわけでありまして、ゆえにも日本の将来を託せる人間として、強靱な肉体とこらえ性のある子どもを育てなければならないと考えております。
 達成感、人生の達成感はいろいろな達成感がございますが、私、やっぱりスポーツのすばらしさというものを感じましたのは、先般の東京マラソンでも一番感動的だったのは、日本の選手がトップで入ってきた、そんなことじゃないんですね。七時間の限界ぎりぎりで走ってきて、収容されずに何とかゴールインした人たちが、みんな着がえの部屋で泣いている、自己満足で。これは本当に美しい光景でありました。それはやっぱり子どもにも敷衍して考えるべき、私たちの一つの行政としての責任の形だと思っております。

○鈴木(あ)委員 体力の向上と精神の鍛錬は密接に関連しているものです。ともにしっかり鍛える必要があると私も感じております。
 以前の子どもたちは、暗くなるまで外で遊んで走り回り、心身ともにたくましく育っていたものです。私は、この要因は日常生活にあると考えております。
 そもそも人間は歩くことが基本であり、成長過程においてたくさん歩くことによって土踏まずが形成され、背骨を初めとした骨格がしっかり形成されるものであります。ところが、最近は、元気に走り回っている子どもの姿がめっきり少なくなりました。
 東京都には、幼児期から高校生に至るまで約百四十万人の児童生徒が学校に通っています。これほど多くの集団の体力を底上げしていくことは並大抵のことではありません。問題を解決していくためには、目標を明確に定め、具体的な対策を講じることが大切です。
 都教育委員会は、子供の体力向上推進本部を設置したと聞いていますが、子どもの体力向上に向けた今後の方向性とスケジュールについてお伺いいたします。

○大原教育長 お話のとおり、東京都の子どもの体力は全国平均を大きく下回っており、その全国平均も、戦後、体力のピークであったとされます昭和五十年代の子どもと比べれば、現在は大きく低下しております。
 子どもの体力向上は一朝一夕に解決できる問題ではありませんことから、子供の体力向上推進本部を設置いたしまして、東京の子どもたちの体力を、三年後には全国平均にまで、十年後には昭和五十年代の水準にまで向上させることを目標としております。
 今後は、家庭や地域に子どもの体力向上の必要性を認識していただくとともに、関係する部局とも密接な連携を図り、子どもの運動、スポーツ環境を整備することや、適切な運動指針やプログラムを構築することを進めるなど、多角的、総合的できめ細かな対策が必要であると考えております。
 そこで、今後十年間を三つの期間に分けまして、平成二十二年度から二十四年度までを第一期とし、各学校の体力向上に向けた個別の取り組みを開始し、東京都の子どもの体力を全国平均にまで向上させたいと考えております。次に、平成二十五年度から二十七年度までを第二期といたしまして、第一期の取り組みの検証を踏まえた新たな施策を展開するとともに、平成二十八年度から三十年度までを第三期といたしまして、十年後の到達目標達成に向けた総仕上げを行っていく考えでございます。

○鈴木(あ)委員 三十年前の子どもの水準にまで体力を向上させていく明確な目標を示されましたが、そのためには総合的に取り組みを展開する必要があります。学校はもちろん、保護者、地域関係者や関係機関をも巻き込み、都においても横断的に施策を展開していくことが大切です。
 一方、三年後には全国平均値まで子どもの体力を向上させていくのであれば、今すぐにでも始められる対策については、すぐにでも実行に移していくことが大切です。
 そこで、子どもの体力向上に向けた、都教育委員会における平成二十二年度の具体的取り組みについて伺います。

○大原教育長 平成二十二年度につきましては、全公立小学校、中学校、高等学校、特別支援学校を対象に、体力テストの結果を踏まえた一校一取り組み運動を展開します。
 小学校においては、こうした取り組みに加えまして、すべての学級で一学級一実践運動を実施してまいります。
 また、すぐれた実践を行った学校については広く顕彰いたしますとともに、家庭と連携を図り、親子で外遊びに取り組むことを目的とするモデル事業や、子どもたちに運動の機会とそして時間を確保することを目的とした部活動のモデル事業を、それぞれ小学校十校ずつで行います。
 さらに、中学二年生による東京駅伝大会を今年度に引き続き来年度も開催して、体力向上に向けたムーブメントを醸成してまいります。
 加えて、子どもたちの生活に関する実態調査や、校庭の芝生化が与える教育的効果に関する専門的な調査研究を実施するなどしてまいります。
 都教育委員会は、平成二十二年度をいわば体力向上元年と位置づけまして、子どもの体力を向上させるさまざまな取り組みを推進してまいります。

○鈴木(あ)委員 ぜひ教育委員会が率先して子どもの体力向上に取り組んでほしいと思います。
 来週三月二十一日には、初の試みである区市町村対抗の中学生東京駅伝大会が晴海ふ頭で行われます。二千人以上の中学生が集まることになり、現在、どの自治体も盛り上がっています。こうした前向きな取り組みにより、それぞれの自治体が子どもの体力向上の必要性を感じ、三年後の東京国体や子どもの体力向上に向けて大きなムーブメントとなっていくことを期待いたしております。
 それでは、がん対策についてお伺いいたします。
 毎年三万人もの都民ががんで亡くなっており、都民の死亡原因のトップを占めています。今や男性の二人に一人、女性の三人に一人ががんにかかっているといわれ、今後、高齢者の増加により、ますます都民のがん医療に対するニーズが高まってきます。
 都民の不安を取り除き、適切ながん医療が受けられるよう、全国を先導してがん治療対策に取り組むべきと考えますが、知事の決意を伺います。

○石原知事 がんは、現代社会を生きる我々の健康に重大な脅威を与えております。しかし、専門家にいわせると、人間は高齢になり尽くした最後は、体ががん化して死ぬんだという人もおりますが、いずれにしろ、それはそうにしても、がんの発生をできるだけ早く抑止し、抑えていくということが、私たちの寿命のためには必要だと思います。
 都民の不安を解消するためにも、予防や早期発見の取り組みを強化するとともに、広く都民が最高水準の医療を受けられる体制を整えていかなければならないと思います。
 都は、国指定の拠点病院や都独自の認定病院により、放射線療法、化学療法の推進など、都全体のがん診療水準の向上に努めております。
 さらに、新しい試みとして、都内の医療機関が共通して使用できる東京都医療連携手帳の開発を進め、医療現場の力を結集したがん医療を実現していきたいと思っております。
 今後も、都民の命を守るために、がんとの闘いに全力を挙げてまいります。

○鈴木(あ)委員 私の質問は終わります。(拍手)

○服部副委員長 鈴木あきまさ委員の発言は終わりました。
 この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩をいたします。
   午後六時十二分休憩

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