予算特別委員会速記録第六号

平成二十一年三月二十五日(水曜日)
第十五委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 三十八名
委員長服部ゆくお君
副委員長増子 博樹君
副委員長石川 芳昭君
副委員長三宅 茂樹君
理事串田 克巳君
理事大山とも子君
理事藤井  一君
理事鈴木 一光君
理事大沢  昇君
理事田中  良君
伊藤 興一君
伊藤まさき君
松葉多美子君
きたしろ勝彦君
鈴木 隆道君
高木 けい君
西岡真一郎君
石森たかゆき君
高橋 信博君
鈴木あきまさ君
高橋かずみ君
吉原  修君
斉藤あつし君
野上 純子君
東村 邦浩君
長橋 桂一君
崎山 知尚君
大西由紀子君
岡崎 幸夫君
清水ひで子君
東野 秀平君
田島 和明君
山田 忠昭君
馬場 裕子君
曽根はじめ君
山下 太郎君
酒井 大史君
吉田 信夫君

 欠席委員 一名

 出席説明員
知事石原慎太郎君
副知事谷川 健次君
副知事菅原 秀夫君
副知事山口 一久君
副知事猪瀬 直樹君
警視総監米村 敏朗君
教育長大原 正行君
知事本局長吉川 和夫君
青少年・治安対策本部長久我 英一君
東京オリンピック・パラリンピック招致本部長荒川  満君
総務局長中田 清己君
財務局長村山 寛司君
主税局長熊野 順祥君
生活文化スポーツ局長秋山 俊行君
都市整備局長只腰 憲久君
環境局長有留 武司君
福祉保健局長安藤 立美君
病院経営本部長中井 敬三君
産業労働局長佐藤  広君
中央卸売市場長比留間英人君
建設局長道家 孝行君
港湾局長斉藤 一美君
会計管理局長三枝 修一君
消防総監小林 輝幸君
交通局長金子正一郎君
水道局長東岡 創示君
下水道局長今里伸一郎君
選挙管理委員会事務局長矢口 貴行君
人事委員会事務局長中村 晶晴君
監査事務局長白石弥生子君
労働委員会事務局長関  敏樹君
収用委員会事務局長野口  孝君

本日の会議に付した事件
付託議案の審査(決定)
・第一号議案 平成二十一年度東京都一般会計予算
・第二号議案 平成二十一年度東京都特別区財政調整会計予算
・第三号議案 平成二十一年度東京都地方消費税清算会計予算
・第四号議案 平成二十一年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計予算
・第五号議案 平成二十一年度東京都母子福祉貸付資金会計予算
・第六号議案 平成二十一年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
・第七号議案 平成二十一年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
・第八号議案 平成二十一年度東京都農業改良資金助成会計予算
・第九号議案 平成二十一年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
・第十号議案 平成二十一年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
・第十一号議案 平成二十一年度東京都と場会計予算
・第十二号議案 平成二十一年度東京都都営住宅等事業会計予算
・第十三号議案 平成二十一年度東京都都営住宅等保証金会計予算
・第十四号議案 平成二十一年度東京都都市開発資金会計予算
・第十五号議案 平成二十一年度東京都用地会計予算
・第十六号議案 平成二十一年度東京都公債費会計予算
・第十七号議案 平成二十一年度東京都多摩ニュータウン事業会計予算
・第十八号議案 平成二十一年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算
・第十九号議案 平成二十一年度東京都病院会計予算
・第二十号議案 平成二十一年度東京都中央卸売市場会計予算
・第二十一号議案 平成二十一年度東京都都市再開発事業会計予算
・第二十二号議案 平成二十一年度東京都臨海地域開発事業会計予算
・第二十三号議案 平成二十一年度東京都港湾事業会計予算
・第二十四号議案 平成二十一年度東京都交通事業会計予算
・第二十五号議案 平成二十一年度東京都高速電車事業会計予算
・第二十六号議案 平成二十一年度東京都電気事業会計予算
・第二十七号議案 平成二十一年度東京都水道事業会計予算
・第二十八号議案 平成二十一年度東京都工業用水道事業会計予算
・第二十九号議案 平成二十一年度東京都下水道事業会計予算

 第一号議案、第十二号議案、第二十一号議案及び第二十七号議案に対する編成替えを求める動議の提出理由説明
・大山とも子君

 討論
・吉原  修君
・馬場 裕子君
・東野 秀平君
・清水ひで子君
・大西由紀子君

○服部委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。
 これより付託議案の審査を行います。
 第一号議案から第二十九号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、既に質疑を終了いたしております。
 ただいま第一号議案、第十二号議案、第二十一号議案及び第二十七号議案に対し、清水ひで子委員外三名から編成替えを求める動議が提出されました。
 案文はお手元に配布してあります。
 案文の朗読は省略いたします。

第一号議案 平成二十一年度東京都一般会計予算、第十二号議案 平成二十一年度東京都都営住宅等事業会計予算、第二十一号議案 平成二十一年度東京都都市再開発事業会計予算及び第二十七号議案 平成二十一年度東京都水道事業会計予算の編成替えを求める動議
 第一号議案平成二十一年度東京都一般会計予算については、知事は、これを撤回し、別記要領により速やかに編成替えをするよう求めるとともに、関連する第十二号議案平成二十一年度東京都都営住宅等事業会計予算、第二十一号議案平成二十一年度東京都都市再開発事業会計予算及び第二十七号議案平成二十一年度東京都水道事業会計予算についても併せて編成替えの上、再提出することを求める。
 右の動議を提出する。
  平成二十一年三月二十五日
(提出者)
 清水ひで子 曽根はじめ 大山とも子
 吉田 信夫
予算特別委員長殿

     記
一般会計
 歳入
1 分担金及負担金、繰入金等を三百五十一億一千九百万円増額する。
2 使用料及手数料を六億五千百万円減額する。
3 国庫支出金を二百七十八億五千二百万円減額する。
4 都債を八百七十億二百万円減額する。
 歳出
1 総務費を六十四億二千四百万円増額する。
(1) 豪華過ぎるため、知事等の海外出張費を削減し、八百万円を減額する。
(2) 横田基地の軍民共用化を推進するための経費七千七百万円を削除する。
(3) 大型開発と環境破壊をもたらし、都民合意も得られていない招致から撤退すべきであり、オリンピック・パラリンピック招致事業経費五億九千四百万円を削除する。
(4) 招致賛成世論が高まらない中、なりふりかまわず人、物、金を投入する、オリンピックムーブメントの推進経費十九億七千万円を削除する。
(5) 民間資金が集まっていないための穴埋め的性格の予算であり、特定非営利活動法人東京オリンピック・パラリンピック招致委員会事業費補助経費六億五千三百万円を削除する。
(6) 招致決定は未確定であり、予算計上の必要がない、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会(仮称)の設立準備等の経費十四億一千四百万円を削除する。
(7) 危険であり、三宅村の負担も重く災害からの復興にも役立たないため、オートバイレースによる島しょ振興経費一千万円を削除する。
(8) 多摩市町村での施策の一層の推進に寄与するため、市町村総合交付金百億円を増額する。
(9) 平成十九年度で終了した三宅島への特別交付金を復活するため、三宅島災害復旧・復興特別交付金十億円を計上する。
(10) 島しょ地域の産業・観光振興を図るため、財団法人東京都島しょ振興公社への貸付等の経費一千万円を増額する。
(11) 臨海地域における地震被害の調査・対策のため、液状化・側方流動被害想定調査経費として、四千万円を計上する。
(12) 長周期地震動による超高層ビル等の被害の調査・対策のため、長周期地震動被害対策経費として、一億円を計上する。
2 生活文化スポーツ費を三十九億一千七百万円増額する。
(1) 男女平等に係る調査、普及啓発活動などを行うため、男女平等施策の経費六千万円を増額する。
(2) 公衆浴場振興や、低所得者への入浴券、触れ合いの場を広げる事業などに補助を行うため、公衆浴場活性化支援事業を創設する経費として、七億九百万円を計上する。
(3) 多様化・複雑化する消費者相談事業の充実のため、消費生活総合センターの運営経費八千八百万円を増額する。
(4) 多摩消費生活センターの機能を強化するため、商品テスト、直接相談を再開する経費として、四千五百万円を増額する。
(5) 東京都平和の日記念行事を充実するため、「東京都平和の日」記念行事等の経費三千四百万円を増額する。
(6) 「東京都平和祈念館(仮称)」の建設凍結を解除し、建設に向けた準備を開始するため、建設準備経費として、一千万円を計上する。
(7) 高齢者の芸術鑑賞の機会を豊かなものにするため、六十五歳以上の高齢者に割引制度を行うため、東京都シルバーエイジ芸術鑑賞補助事業経費として、一千六百万円を計上する。
(8) 新進音楽家の登用の道を開くため、また身近なホールでの鑑賞機会を増やすためフレッシュ名曲コンサート事業経費七千五百万円を増額する。
(9) 子どものための体験型プログラム等を拡充するため、子ども向け舞台芸術参加・体験プログラム事業経費三千五百万円を増額する。
(10) 小中学生などに音楽鑑賞の機会を提供する音楽鑑賞教室を、体験型も加えた事業として実施するため、音楽鑑賞教室の事業経費として、一億円を計上する。
(11) 恒常的にスポンサーを持たない在京オーケストラに運営費の補助を行うため、運営費補助経費として、五億円を計上する。
(12) 財団法人東京都交響楽団の演奏活動の拡充を図るため、財団法人東京都交響楽団助成経費三億五千万円を増額する。
(13) トーキョーワンダーサイトは、都民の文化・芸術分野を広く支援する仕組みに転換するため、三億六千三百万円を削除する。
(14) 都民の文化・芸術分野での要望にこたえ、多方面にわたる文化・芸術活動を広く支援する仕組みを創設するため、都民の文化・芸術総合支援事業経費として、三億六千三百万円を計上する。
(15) 若手芸術家育成を含め、都立の文化施設を充実させるため、運営費・収蔵等の経費十億円を増額する。
(16) 老朽化した都立体育施設の改修・改築を促進するため、改修・改築の経費五億九千五百万円を増額する。
(17) 都民のスポーツへの多様な活動に広く助成するため、三億円を計上する。
3 都市整備費を四百十三億二千六百万円減額する。
(1) 東京の一極集中による温暖化、防災などの危機的状況を打開するため、持続可能な都市づくりに向けた基礎調査費として、一千万円を計上する。
(2) 持続可能な都市づくりを都民参加で進めるため、都民会議の設置経費として、五百万円を計上する。
(3) 首都圏メガロポリス構想は、超高層ビルと大型幹線道路を中心に推進するものであるため、首都圏メガロポリスの圏域づくり推進事業費六百万円を削除する。
(4) 過大な水需給計画に基づく八ッ場ダムなどの建設を進めるためのものであるため、利根川・荒川水源地域対策基金の事業費負担金等六億三千三百万円を削除する。
(5) 羽田空港の整備事業は、本来、国の責任で行う事業であり、しかも横田基地については、軍民共用化を進めるものでもあるため、東京における航空機能に関する調査費三千万円を削除する。
(6) 外かく環状道路の本体及び上部道路に関する調査であるため、外環に係わるまちづくりに関する調査費二千七百万円を削除する。
(7) 渋谷駅周辺地区は、都市再生緊急整備地域に指定され、その計画の策定経費であるため、渋谷地区都市基盤整備計画策定調査費九百万円を削除する。
(8) 都市再生緊急整備地域に指定されているJR品川駅周辺の計画策定のための調査であるため、品川駅周辺交通基盤整備計画策定調査費二千万円を削除する。
(9) 晴海・築地間の晴海線延伸のための調査であり、自動車交通の集中、環境悪化を招くものであるため、都市高速道路晴海線に関する調査経費三千万円を削除する。
(10) オリンピックメインスタジアムへの観客輸送手段のための公共交通検討の調査であるため、東京臨海地域における公共交通検討調査費三千万円を削除する。
(11) 都営地下鉄と東京メトロとの統合を視野に入れた社会資本等整備基金積立金への計上をやめるため、三十七億八千九百万円を削除する。
(12) 首都高速道路株式会社への出資金は、本来、会社が自力で調達すべきものであるため、首都高速道路整備事業出資金百三十六億一千八百万円を削除する。
(13) 羽田空港の整備事業は、本来、国の責任で行う事業であるため、羽田空港再拡張事業費百九十四億六千万円を削除する。
(14) 東京駅東西自由通路の建設費は、本来、開発利益を受けるJR及び周辺企業が負担すべきものであるため、東京駅東西自由通路の整備費二億五千八百万円を削除する。
(15) 東京都豪雨対策基本方針に基づき、豪雨災害に備えた治水対策を進めるため、総合治水対策事業経費二千七百万円を増額する。
(16) 各自治体のミニバス事業の支援を行うために地域密着型ミニバス事業の運営費助成制度を創設するため、五億円を計上する。
(17) 上目黒一丁目地区プロジェクトは、「先行まちづくりプロジェクト」として実施する都有地の民間活用プロジェクトであるため、調査費一千二百万円を削除する。
(18) 都市再生ステップアッププロジェクトは、民間プロジェクトにリンクした複数の都有地の活用による開発を進めるものであるため、二千万円を削除する。
(19) 外かく環状道路本体及び上部道路に関する調査費であるため、中央ジャンクション周辺地区のまちづくり推進調査費二千万円を削除する。
(20) 臨海開発のための道路建設であり、本来、開発者が負担すべきものであるため、臨海都市基盤関連街路の整備費十四億四千九百万円を削除する。
(21) 大企業奉仕の大規模開発であるため、汐留地区及び秋葉原地区の土地区画整理事業費五十億九千百万円を削除する。
(22) 環境破壊をもたらす開発であるため、坂浜平尾地区の土地区画整理事業助成費三千二百万円を削除する。
(23) 環境破壊をもたらす開発であるため、南山東部地区の土地区画整理事業助成費二億八千七百万円を削除する。
(24) 住民合意の無い駅前開発や温浴施設の建設が推進されているため、財団法人東京都新都市建設公社助成費の二分の一を削減し、三億五千万円を減額する。
(25) 巨額の税金投入と住環境破壊をもたらす都市再開発事業であるため、都市再開発事業会計支出金二百八十八億五千六百万円を削除する。
(26) 都営住宅の新規建設より、建て替えに合わせた都市計画道路を優先させるものであるため、都市づくりと連携した都営住宅再編整備の推進経費二十一億円を削除する。
(27) 瑞江駅西部地区を含む五地区の土地区画整理事業を拡充するため、区画整理事業費五十五億三千二百万円を増額する。
(28) 防災密集地域再生促進事業を拡充するため、事業費十二億一千七百万円を増額する。
(29) 都の助成要件を満たしていない木造戸建住宅の耐震診断に対する助成制度を拡充するため、十億円を計上する。
(30) 都の助成要件を満たしていない木造戸建住宅の耐震補強工事に対する助成制度を拡充するため、五十億円を計上する。
(31) 木造共同賃貸住宅の耐震診断に対する助成制度を創設するため、五億円を計上する。
(32) 区市等で行われている木造住宅リフォーム事業の支援のため、一億円を計上する。
(33) 新規に都営住宅一千戸を建設し住宅の困窮者に対応するため、都営住宅等事業会計繰出金百二十五億円を増額する。
(34) 都営住宅の居住者の安心のために常勤管理人を配置するため、都営住宅等事業会計繰出金四億円を増額する。
(35) 都営住宅におけるエレベーターを五十基分追加設置するため、都営住宅等事業会計繰出金十五億五千万円を増額する。
(36) 高い家賃負担に苦しむ若者・子育て世帯への家賃助成を行うため、東京都若者家賃助成事業費六十三億六千万円を計上する。
(37) マンション対策を推進するため、マンション相談室の開設費一億円を計上する。
4 環境費を八十三億一千五百万円増額する。
(1) 環境科学研究所の公社への委託を中止するため、委託費七億八千三百万円を削除する。
(2) 環境科学研究所を都の直営とし、地球温暖化・ヒートアイランド現象の解明など調査研究を拡充するため、七億八千三百万円を計上する。
(3) 複数の開発による影響も含めた環境の総合的事前アセスメント制度を創設するため、調査経費として、一千万円を計上する。
(4) 超高層ビルや道路からの二酸化炭素の排出量規制を目的とした調査を実施するため、調査対策経費として、三千万円を計上する。
(5) ヒートアイランド現象の特性を把握するため、気象観測のメトロスを復活する経費として、三千万円を計上する。
(6) 屋上緑化、保水性舗装などによるヒートアイランド対策を拡充するため、対策経費四千二百万円を増額する。
(7) 都の施設への太陽光パネル設置等による新エネルギー利用を都が率先して推進する事業を拡充するため、推進経費一億五百万円を増額する。
(8) 保全緑地の公有化の拡充のため、五十億円を増額する。
(9) 保存樹林地等公有化貸付資金制度を復活させるため、三十億円を計上する。
(10) 希少野生動植物指定のための調査研究や保護に関する都民啓発用パンフレット作成のための経費として、五千万円を増額する。
(11) 自然林全体の管理ができるよう、地元管理事務所と連携して山林・農地を守る自然保護員を三名増員するため、一千三百万円を増額する。
(12) 非飛散性アスベスト建材の解体時飛散防止対策を継続・拡充するため、三千五百万円を増額する。
5 福祉保健費を八百六十億九千八百万円増額する。
(1) 小児休日・全夜間診療事業を拡充するため、小児初期救急対応支援加算を創設する経費として、二億四千万円を増額する。
(2) 小児ドクターカーの配備を拡充するため、八千万円を増額する。
(3) 公立病院の医療水準を充実するため、公立病院運営費補助経費一億九千百万円を増額する。
(4) 国の療養病床削減方針の下で現行病床数を維持するため、療養病床緊急支援運営費補助経費として、十億五千万円を計上する。
(5) 在宅がん患者の支援体制を構築するため、在宅緩和ケア推進モデル事業を創設する経費として、一千二百万円を計上する。
(6) がん対策推進条例の策定を検討するため、百万円を計上する。
(7) 地域リハビリテーション支援センターの相談体制などの機能を強化するため、一億二千万円を増額する。
(8) 不足している看護師の養成を強化するため、都立看護専門学校の定員を増やすための準備経費として、五百万円を増額する。
(9) 離職している医師を登録して再就職を支援するドクターバンク制度を創設するため、二千万円を計上する。
(10) 保健師、食品衛生監視員などの配置を増やし、保健所のサービスを充実するため、一億五千三百万円を増額する。
(11) 原子爆弾被爆者健康指導委託事業費を平成九年度と同水準に戻すため、百万円を増額する。
(12) 乳幼児医療費助成制度における所得制限を撤廃するため、三億五千六百万円を増額する。
(13) 小中学生の通院医療費を無料化するため、一億四千万円を計上する。
(14) ひとり親家庭等医療費助成制度を自己負担なしの制度に戻すため、二億六千四百万円を増額する。
(15) 六十五歳から六十九歳までの高齢者に対しては医療費窓口負担のうち一割分を助成して自己負担を二割とし、七十五歳以上の高齢者に対しても一割を助成して自己負担なしとする制度を創設するため、三百三十三億三千三百万円を計上する。
(16) 心身障害者(児)医療費助成制度を自己負担なしの制度に戻すため、二十九億六千六百万円を増額する。
(17) 国民健康保険料(税)の均等割額を引き下げるため、区市町村及び国民健康保険組合に対する国民健康保険料(税)軽減補助として、三十八億七千四百万円を計上する。
(18) 後期高齢者医療制度における低所得者の保険料負担を軽減するため、東京都後期高齢者医療広域連合に対する補助経費として、十億円を計上する。
(19) 生活保護世帯の小中学生に支給されている健全育成費の対象に高校生を追加するため、三千万円を増額する。
(20) 未帰島被災者の生活支援を継続するため、三宅島被災者帰島応援手当として、二千九百万円を増額する。
(21) ノンステップバスを増やすため、だれにも乗り降りしやすいバス整備事業費三億六千百万円を増額する。
(22) だれにも乗り降りしやすいタクシー整備事業を再開するため、五百万円を計上する。
(23) 都と企業、障害者団体等による「ユニバーサルデザイン推進協議会」を設置するため、五百万円を計上する。
(24) 身近な地域できめ細かいサービスを提供する住民参加型団体を対象とする地域福祉推進事業補助を拡充するため、一億九千八百万円を増額する。
(25) 生活困窮者に対する生活応援手当を創設するため、六十億円を計上する。
(26) 介護保険料の減免を実施する区市町村に対する補助制度を創設するため、二十四億七千万円を計上する。
(27) 介護保険利用料の減免を実施する区市町村に対する補助制度を創設するため、二十億円を計上する。
(28) 在宅の重度要介護高齢者に対して手当を支給する制度を創設するため、三十六億円を計上する。
(29) 住民税課税者に対して所得に応じた三千円のシルバーパスを新設し、多摩都市モノレール及びゆりかもめをパス適用の対象とする経費として、三十八億円を増額する。
(30) 認知症高齢者グループホームの利用促進を図るため、家賃の助成制度を創設する経費として、二億四千万円を計上する。
(31) 職員の確保・定着を促進し、利用者サービス向上を図るための特別養護老人ホーム人件費補助制度を創設する経費として、十四億九千六百万円を計上する。
(32) 「子どもの事故防止対策委員会」を設置して原因分析、予防対策の検討・普及啓発などに取り組む医療機関に対して補助を行うため、子どもの事故防止対策推進補助を創設する経費として、一千二百万円を計上する。
(33) ひとり親家庭の就労支援に向け、資格取得の学費を補助するため、母子家庭高等技能訓練促進費二億六千四百万円を増額する。
(34) 私立保育所に対する民間社会福祉施設サービス推進費補助を拡充するため、十二億五千万円を増額する。
(35) 出産援助金を創設するため、十億三千八百万円を計上する。
(36) 住民税非課税者に対し、障害者自立支援法による定率負担をすべての在宅サービスで無料化する利用者負担減免を実施するため、七億二千万円を計上する。
(37) 重度心身障害者手当の所得制限を撤廃するため、九億円を計上する。
(38) 心身障害者福祉手当を精神障害者にも支給するため、九億三千万円を計上する。
(39) 盲導犬のえさ代の補助を復活し、盲導犬の飼育費を助成するため、百万円を計上する。
(40) 在宅酸素濃縮装置の電気代補助制度を創設するため、一億三千万円を計上する。
(41) 要約筆記者派遣事業を存続するため、四百万円を計上する。
(42) 障害者差別禁止条例の策定を検討するため、百万円を計上する。
(43) 障害者が身近な地域でスポーツに親しむことができる条件を整備するための「障害者スポーツ振興計画」を検討・策定する経費として、五百万円を計上する。
(44) 子どものインフルエンザ予防接種を促進するため、助成制度を創設する経費として、二億円を計上する。
(45) 待機者解消を目指し、特別養護老人ホームの整備を促進するため、四十八億九百万円を増額する。
(46) 特別養護老人ホーム建設のための用地取得助成を存続するため、十八億八千九百万円を計上する。
(47) 小規模多機能型施設などの地域密着型サービスを整備促進するため、二億五千六百万円を増額する。
(48) 特別養護老人ホームや老人保健施設が民家等を活用した「地域サテライトケア」を実施するための施設整備費等に対する補助制度を創設する経費として、七千五百万円を計上する。
(49) 老人保健施設の整備を促進するため、施設整備費補助費四十億二千万円を増額する。
(50) 認可保育所の整備を促進するため、区市町村、事業者に対する用地費助成制度を創設する経費として、五十億円を計上する。
(51) 認可保育所の整備を促進するため、区市町村、事業者の施設整備費の負担を軽減する補助制度を拡充するため、五億五千四百万円を増額する。
6 産業労働費を百六十三億四千万円増額する。
(1) 地域の金融機関と連携した新たな金融支援策は、株式会社新銀行東京も対象となり、乱脈経営による不正融資を防止できない制度であるため、三百億円を削除する。
(2) 金融不況の下で、資金繰りに苦しむ中小零細企業を救済するため、中小企業制度融資の預託原資三百億円を増額する。
(3) 区部の産業支援拠点である地方独立行政法人都立産業技術研究センターの臨海部での整備を中止するため、三十億三千五百万円を削除する。
(4) 地方独立行政法人都立産業技術研究センターを地方独立行政法人から都の直営に戻して存続させるため、運営費五十二億六千五百万円を削除する。
(5) 地方独立行政法人都立産業技術研究センターを都の直営に戻して存続させるため、五十億円を計上する。
(6) 地方独立行政法人都立産業技術研究センターの改修を進めるため、二千万円を増額する。
(7) 中小企業振興条例の策定に向けた調査・検討を行うため、一千万円を計上する。
(8) 工業集積地域の活性化、先端技術などの技術開拓、人材確保、技術継承など、都内製造業を総合的に支援するため、元気を出せ!ものづくり支援事業を創設する経費として、五十億円を計上する。
(9) 商工指導所を再開し、調査・研究や経営相談活動等を開始するため、一億七千万円を計上する。
(10) 多摩地域の産業クラスターを支援する多摩地区産業交流拠点整備の準備を進めるため、二千万円を計上する。
(11) 中小企業が開発した製品の販路拡大を支援するため、東京ブランド認証制度を創設する経費として、二千万円を計上する。
(12) 買いたたき・不当廉売・差別対価などの実態を把握し、改善するため、下請け取引緊急調査隊を創設する経費として、一億八千万円を計上する。
(13) 自ら作成した商店街振興プランに基づく事業を進める区市町村を支援するため、商店街総合活性化支援事業を創設する経費として、五億円を計上する。
(14) 商店街の中で選定された個々の店舗の改装支援を実施するため、個店支援事業を創設する経費として、一千万円を計上する。
(15) エコ商店街支援、空き店舗支援、街路灯補助、商店街の負担軽減、制度の複数回利用を可能にするなど使い勝手を改善するため、新・元気を出せ!商店街事業費三十億円を増額する。
(16) 商店街の省エネ化、廃油活用、廃棄物リサイクルなどを支援するエコ商店街支援事業を創設するため、五億円を計上する。
(17) 商店街の街路灯の省エネ化を進めるため、商店街街路灯エコ切替え支援事業を創設する経費として、三千万円を計上する。
(18) 消費税ゼロデーに取り組む商店街を支援するため、二千万円を計上する。
(19) 地域経済への影響の著しい大型店・駅ナカ店舗について調査・対策を進めるため、大型店・駅ナカ店舗対策事業を創設する経費として、二千万円を計上する。
(20) 自営・中小企業の女性事業主、家族従業者の労働・生活の実態調査費として、二千万円を計上する。
(21) 貸し渋り・貸しはがしに対する相談窓口を設置するため、一億円を計上する。
(22) 増加する就農希望者への助成支援事業を創設するため、一千万円を計上する。
(23) 東京の農業を東京の基幹産業と位置付け、農業振興条例を策定するため、一千万円を計上する。
(24) 農林漁業の担い手を育成する事業を創設するため、一億円を計上する。
(25) 都が直接実施する緊急雇用対策を拡充するため、延べ二十万人の雇用経費として、四十億円を増額する。
(26) 区市町村と連携した緊急雇用対策を拡充するため、延べ三十万人分の雇用経費として、三十億円を増額する。
(27) 求職者への公共職業訓練等を拡充するため、五億円を増額する。
(28) 若年者雇用の促進を図るため、若年者を採用した中小企業に対して助成を行う若年者雇用促進事業を創設する経費として、二十二億五千万円を計上する。
(29) 企業に労働法などを徹底するためのセミナーを拡充するため、一千万円を増額する。
(30) 労働関係法の基礎的知識の普及啓発を図るため、様々なメディアを利用した雇用ルールの普及キャンペーンを行う経費として、一億円を増額する。
(31) 派遣労働者等の雇い止め等に関する街頭労働相談の拡充や実態調査を行うため、二千万円を計上する。
(32) 働いても生活保護水準以下の生活を強いられている実態や違法・脱法の雇用実態について調査するため、非正規雇用者等の働く貧困層の実態調査費として、二千万円を計上する。
7 土木費を七百六十六億一千三百万円減額する。
(1) 骨格幹線道路整備事業は自動車交通量と環境破壊を増大させるため、骨格幹線道路の整備費(債務負担行為を除く)の二分の一を削減し、四百九十六億二百万円を減額する。
(2) 首都高速道路中央環状品川線の街路整備は、本来、首都高速道路株式会社の事業として実施すべきものであり、三十六億三千五百万円を削除する。
(3) 国道の建設は、本来、国の負担で賄われるべきであり、国直轄事業負担金二百四十四億八千七百万円を削除する。
(4) 道路の路面補修サイクルを早めるため、路面補修費十億円を増額する。
(5) 多摩地域を中心に歩道整備を促進するため、十億円を増額する。
(6) 石積擁壁の安全対策を促進するため、十億円を増額する。
(7) 河川海岸費のうち国の負担で賄われるべき国直轄事業負担金百五億五千九百万円を削除する。
(8) 中小河川の整備を拡充するため、二十億円を増額する。
(9) 江東内部河川の整備を促進するため、十億円を増額する。
(10) 高潮防御対策を促進するため、二十億円を増額する。
(11) 公園霊園費のうち国の負担で賄われるべき国直轄事業負担金十三億三千万円を削除する。
(12) 地球温暖化対策のため、都立公園整備費五十億円を増額する。
8 港湾費を二百九十七億二千二百万円減額する。
(1) 東京港臨海道路(Ⅱ期)工事の都受託事業は中止し、国直轄事業負担金六十七億六千二百万円を削除する。
(2) 臨海副都心へのアクセス道路建設である新木場・若洲線、若洲橋の整備費十六億二千百万円を削除する。
(3) 港湾費のうち国の負担で賄われるべき国直轄事業負担金百十億七千三百万円を削除する。
(4) 廃棄物の埋立処分量は大幅に減少しており、計画の見直しが必要である新海面処分場の建設費百四億一千六百万円を削除する。
(5) 離島航路貨物運賃補助を拡充するため、一億円を増額する。
(6) 三宅島の伊ヶ谷漁港を定期就航可能となるよう改修するため、五千万円を増額する。
9 教育費を二百三十一億二千九百万円増額する。
(1) 小学校一、二年生を三十人規模学級へ移行するため、五十八億六千七百万円を計上する。
(2) 栄養教諭を計画的に任用するため、一億五千四百万円を増額する。
(3) 夜間中学校の教員を増員するため、四千七百万円を増額する。
(4) 小中学校に専任司書を配置できるよう区市町村を支援するため、十五億七千二百万円を計上する。
(5) 小中学校の警備員、用務員等を増配置するため、区市町村支援費用二億円を計上する。
(6) 小学校の専科教員を増配置するため、六億四千六百万円を増額する。
(7) 小中学校の冷房化を促進するため、区市町村への助成制度を創設する経費として、三十三億二千万円を計上する。
(8) 養護教諭の複数配置を拡大するため、九千三百万円を増額する。
(9) 小中学校の特別支援コーディネーターを計画的に専任配置するため、二十億六千六百万円を計上する。
(10) 小中学校の給食費を引き下げるため、区市町村支援費用十五億二百万円を計上する。
(11) 学校経営支援センターは、都教育委員会による都立学校の管理統制の強化を図るものなので廃止し、管理・運営費七億百万円を削除する。
(12) 学校経営支援センター設置に伴い削減された都立学校の学校事務職員を増員するため、八億五千二百万円を増額する。
(13) 募集停止となっている夜間定時制高校の募集を再開するため、二億七千二百万円を増額する。
(14) 夜間定時制高校の生徒への給食費補助制度を創設するため、一億四千三百万円を計上する。
(15) 都立高校の図書館の蔵書を充実するため、図書購入費一億八千七百万円を増額する。
(16) エンカレッジ高校の教員を増配置するため、五千六百万円を増額する。
(17) 都立高校の部活動費を拡充し、部活動に関わる個人負担を軽減するため、二億円を増額する。
(18) 都立高校の用務員の民間委託の拡大を中止し、新規に用務員を採用する経費として、三千七百万円を計上する。
(19) 特別支援学校のスクールバスを増車するため、二億五千二百万円を増額する。
(20) 特別支援学校の重度重複学級を増設するため、十億八千百万円を増額する。
(21) 八王子特別支援学校の寄宿舎を復活させるため、七千百万円を計上する。
(22) 特別支援学校の特別支援コーディネーターを専任配置するため、八千万円を増額する。
(23) 永福学園及び青峰学園の自立活動担当教諭を基準どおり配置するため、一億九千八百万円を増額する。
(24) 都立高校にスクールカウンセラーを増配置するため、一億六千万円を増額する。
(25) スクールソーシャルワーカーを増配置するため、四千五百万円を増額する。
(26) 都立図書館を充実するため、資料購入費一億五千万円を増額する。
(27) 都立図書館司書を新規に採用するため、三千六百万円を増額する。
(28) 必要な改修を早急に行うため、都立学校の改修費二十五億四千三百万円を増額する。
(29) 特別支援学校の新設及び普通教室を増改築するため、二十億円を増額する。
10 学務費を二百四十二億七千二百万円増額する。
(1) 公立大学法人首都大学東京において、低所得世帯の学生を対象とした授業料免除制度を創設するため、運営費交付金四千六百万円を増額する。
(2) 幼稚園を始めとする私立学校経常費補助を拡充するため、四十七億円を増額する。
(3) 私立高等学校等特別奨学金補助を拡充するため、十五億一千百万円を増額する。
(4) 私立幼稚園等園児保護者負担軽減事業費補助を拡充するため、四億八千七百万円を増額する。
(5) 私立幼稚園教育振興事業費補助を拡充するため、八億二千百万円を増額する。
(6) 高校生向け給付制奨学金制度を創設するため、百六十七億七百万円を計上する。
11 警察費を三億六千万円増額する。
(1) 歩車分離式信号を百基増設するため、一億六千万円を増額する。
(2) 信号機を百基増設するため、二億円を増額する。
12 消防費を十四億九千六百万円増額する。
(1) 現場到着時間の短縮のための救急車増車に伴う増員のため、六億六千万円を増額する。
(2) ハイパーレスキュー隊を増強するため、二億四千万円を増額する。
(3) 救急車を更に十台増車するため、二億四千万円を増額する。
(4) 特別区消防団員の費用弁償を更に増額するため、三億五千六百万円を増額する。
13 諸支出金を一千三十億七千六百万円減額する。
(1) オリンピック・パラリンピック招致をてこに大型開発を進めるための積立てであり、東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金積立金一千億円を削除する。
(2) 社会資本等整備のための積立ては、過大な積み増しをせず、計画的・段階的に行うものであり、社会資本等整備基金積立金への計上をやめるため、十八億九千七百万円を削除する。
(3) 八ッ場ダム水源施設分担金については、過大な水需給計画に基づきダム開発を進めるものであるため、十一億七千九百万円を削除する。
都営住宅等事業会計
 歳入
1 一般会計からの繰入金を百四十四億五千万円増額する。
 歳出
1 都営住宅等事業費を百四十四億五千万円増額する。
都市再開発事業会計
 収入
1 一般会計からの支出金を二百八十八億五千六百万円削除する。
 支出
1 資本的支出を二百八十八億五千六百万円減額する。
水道事業会計
 収入
1 一般会計からの支出金を十一億七千九百万円減額する。
 支出
1 資本的支出を十一億七千九百万円減額する。

○服部委員長 本動議をあわせて議題といたします。
 この際、編成替え動議の趣旨説明のため発言を求められておりますので、これを許します。
 大山とも子理事。

○大山委員 日本共産党を代表して、ただいま提出いたしました第一号議案、平成二十一年度東京都一般会計予算外三会計予算の編成替えを求める動議について、提案理由の説明を行います。
 かつてない深刻な不況と大企業による身勝手な雇用破壊が都民生活を直撃しているもとで、東京都がやらなければならないことは、都民の雇用と暮らし、福祉を守ることを最重点に据え、本格的な高齢社会への対応、安心して子育てできる思い切った支援、行き届いた教育の実現、中小企業振興、地球温暖化防止、震災対策などの充実のために全力を尽くすことです。
 石原知事が提案した来年度予算案は、かねてから都民が求め、日本共産党が提案、要望してきた緊急の雇用、中小企業対策や福祉施策がある程度盛り込まれていますが、今日の深刻な事態と都の財政から見れば、極めて不十分なものです。
 加えて、特別養護老人ホームの用地費助成の廃止や三つの都立病院の廃止が盛り込まれるなど、都民の切実な要望に背を向け、切り捨てを進めるものとなっています。
 その一方、税収減といいながら、首都高速道路中央環状品川線を初めとする投資的経費が五年連続で増額され、オリンピック基金が来年度も一千億円積み立てられるなど、オリンピックをてことした浪費を引き続き進めるものとなっています。
 したがって、私たちはオリンピックより都民の暮らし、福祉、雇用を最優先にして予算を組み替えました。組み替えの規模は、歳出の削減額が三千四百三十五億円余で、石原知事提案の予算案六兆五千九百八十億円のわずか五・二%の範囲ですが、百七十六項目の新規及び拡充の提案をすることができました。
 今回の組み替えは、都政として、都民の切実かつ緊急の課題に思い切って取り組むものとしました。とりわけ高齢者の分野では、年金はふえないにもかかわらず介護保険料や後期高齢者医療制度の保険料は年金から天引きされ、高齢者の暮らしはますます苦しくなっています。そんな中、高齢者医療費無料化を計画的に進めるため、七十五歳以上の高齢者医療費負担を無料化する等の予算を計上しました。
 また、保育園待機児の急増が明らかとなっている現在、一刻も早く受け入れ体制を整えることが求められています。保育園待機児解消のための緊急対策として、認可保育所の整備促進のための用地費助成を創設するため、五十億円計上いたしました。さらに、不況で苦しむ都内製造業者を元気にするものづくり支援事業の創設で、五十億円計上しました。
 このほか、延べ百万人分の緊急雇用、若年者を雇用した中小企業に助成を行うなど若年者雇用の促進、公私立高校生へ給付制の奨学金制度の創設、新・元気を出せ商店街事業や制度融資の大幅拡充、公立小中学校の三十人学級に踏み出す予算、都営住宅の新規建設一千戸の再開、特別養護老人ホームの用地費助成も存続させます。
 これらを含め、不況に苦しむ都民生活や中小零細企業の営業に対する緊急支援対策、高齢者が大切にされる社会を目指した支援、待ったなしの子育て支援や行き届いた教育のための予算、地球温暖化防止や耐震の対策の拡充で、安全な東京のための施策を盛り込んでいます。
 これらの施策を実現するための財源は、オリンピック基金一千億円と、ばらまきともいえるオリンピック招致活動経費や、オリンピックをてこに進めている大型開発への投資を抜本的に見直し、外環道など三環状道路、羽田空港再拡張、都市再生や臨海副都心開発など浪費型の予算三千四百三十五億円余を削減し、不足分は財政調整基金四百五十六億円余等を充てました。
 したがって、組み替え後の予算規模は六兆五千百七十六億円となります。同時に、新たな都債発行額を八百七十億円抑制することができました。
 委員各位のご賛同をお願いいたしまして、提案説明といたします。

○服部委員長 説明は終わりました。

○服部委員長 これより討論を行います。
 順次発言を許します。
 清水ひで子委員。

○清水委員 日本共産党を代表して、第一号議案、平成二十一年度一般会計予算外十一議案に反対し、第一号議案、第十二号議案、第二十一号議案及び第二十七号議案の編成替えを求める動議に賛成する立場から討論を行います。
 初めに、知事提案の予算についてです。
 都民生活がこれほど破壊され、痛みが激しくなっている今、東京都が最重点に取り組むべきことは、オリンピック招致ではありません。何よりも都民の雇用と暮らしを守り、福祉を充実することです。同時に、将来を展望し、本格的な少子高齢社会への対応、行き届いた教育の実現、中小企業振興、地球温暖化対策などの充実を進めることです。
 ところが、石原知事が提案した予算案は、都民が求め、日本共産党が提案、要望してきた緊急の雇用、中小企業対策や福祉施策がある程度盛り込まれているものの、今日の深刻な事態に対応するものとはいえず、都の財政力から見ても極めて不十分です。東京都は、今年度と比べて七千五百億円の税収減となることを強調しています。しかし、今年度予算で三千六百億円も基金をため込むようなことをやらなければ、予算編成への影響は限定的なものにすぎません。
 日本共産党は、こうした事実や、減収とはいえ都税収入は石原知事就任時の一・二倍も確保され、都民施策のために自由に使える基金が一兆六千億円も積み立てられていることからも、都民の要望にこたえることは十分に可能であることを明らかにしました。
 日本共産党は、この立場から、本会議、予算特別委員会、常任委員会を通して、逆立ちした税金の使い方の転換と都民要望の実現を求めて、質疑を行いました。この中で、離職者のための都営住宅の一時利用、土日電話相談窓口の開設などが約束されました。しかし、高齢者への経済的給付や後期高齢者医療制度の保険料引き下げ、介護保険料の値下げなどのための財政支援などを求めたことに対して、知事が、国の責任で対応すべきものなどと拒否したことは、都民福祉、とりわけ高齢者に冷たい石原都政の姿を改めて示すものとなりました。
 日本共産党は、本予算特別委員会で、とりわけ緊急焦眉の課題について取り上げ、知事の姿勢をただしました。
 火災で十人の高齢者が亡くなられた群馬県の出来事は、国の構造改革路線のもとで、福祉の分野で貧困ビジネスが横行していることを示したものであり、日本共産党は、都外だけでなく東京都内においても同様の施設が存在することを明らかにしました。この背景には、国が構造改革の名のもとに福祉に対する公的責任を投げ出したことがあります。同時に、石原都政が福祉の切り下げを進め、特別養護老人ホーム整備を高齢者人口比で全国四十一位に後退させるなど、高齢者福祉を切り下げてきたことを指摘しなければなりません。
 こうした事態を踏まえて、日本共産党は、東京都が特別養護老人ホームの用地費助成の今年度限りでの廃止をやめ、特別養護老人ホームの整備を二倍、三倍へとふやすよう求めたことは当然です。
 石原知事が、都立病院改革マスタープランに基づいて、八王子、清瀬小児病院、梅ケ丘病院の三つの都立小児病院を廃止する条例を提案したことに対し、お母さん方による都庁前の座り込み抗議が行われるなど、広範な都民の反対が急速に広がりました。
 日本共産党は、都が八王子小児病院廃止後の受け皿の一つとしている東京医大八王子医療センターが、小児病床増設を含む新病棟の開設を来年度見送りすることを決めていたことを明らかにするなど、都立小児病院廃止は、ただでさえ病院が少ない多摩地域に、小児医療、周産期医療の広大な空白をつくり出すことを明らかにしました。三病院の廃止の道理のなさが都民の前に明らかにされ、都民の怒りの声が広がる中で、厚生委員会の採決は、反対六、賛成七という僅差になりました。三病院は存続させるべきものであり、我が党は、廃止条例を廃案とするため最後まで奮闘する決意を表明するものです。
 どの子にもわかる教育を実現する上で、三十人学級は不可欠です。日本共産党は、独自に全国調査を行った結果を示して、少人数学級を実施した県で、学習面、生活面の両方で効果が上がっていることを明らかにするとともに、財政的にも今年度の教育予算を確保するだけで、小学校低学年で三十人学級に踏み出せることを指摘しました。
 質疑を通じて、東京都が四十人学級にしがみつく本音は、教育にお金をかけたくないということが浮き彫りになりました。三十人学級に直ちに踏み出し、全国で唯一、少人数学級を実施していないなどという恥ずかしい事態から抜け出すべきことを、強く求めておくものです。
 質疑を通じて、知事のトップダウン事業のゆがみと破綻も改めて浮き彫りになりました。東京都が押しつけた過大な計画と乱脈融資によって経営破綻した新銀行東京は、昨年十二月期の中間決算で破綻債権が百六十三億円に膨らみ、信金保証に至っても、その三割が焦げついていることが明らかになりました。
 こうしたもとで石原知事が提案した金融支援条例は、質疑を通じて、不良債権や信金保証のつけかえが可能であり、新銀行東京救済の道を開くものであることが浮き彫りになりました。
 昨日の当委員会では、我が党が入手した開示資料と調査によって、条例策定に当たって、東京都が業界団体とは一度も相談しなかったのに、新銀行東京に融資の保証を受けていた特定の金融機関と協議を行い、スキームの内容を相談していたことを明らかにしました。都は、条例の策定に当たって意見交換した金融機関名すら都議会にはひた隠しにしています。ところが、新銀行東京と関係の深い金融機関には事前に詳細まで示していたことは、断じて許されるものではありません。
 また、日本共産党が、金融支援条例には新銀行東京や乱脈融資救済につながる抜け道があることを示したのに対し、都側は、意図するものではないなどと繰り返すだけでした。しかし、このやりとりの中で、新銀行東京救済につながる可能性を認める発言をしたことは重大です。しかも、保証機関をつけるかどうかなどの制度の根本問題を含め、基本的制度設計はほとんど、検討中、これから協議するなどと繰り返すばかりだったことは、まだ制度設計も満足にできていない欠陥条例であることを浮き彫りにしました。
 このような知事への白紙委任ともいうべき条例と予算を可決することは、都議会史上汚点を残すものであることを厳しく指摘するとともに、金融支援条例の制定は断じて認めるべきではないことを申し述べるものです。
 産業労働局長が、新銀行東京破綻の責任をめぐる質疑の中で、新銀行東京のマスタープランは都の発案であったことや、それを押しつけたことを認めた上、事もあろうに、都からどのような圧力がかかったとしても自分としてはできないということで、業務の変更や身を引くなり判断するのが経営者の判断すべきことといい放ったことは、許されざる暴言です。東京都の圧力を認めたことの重大性とともに、上に立つ者がどんなにひどい指示をしようが、責任はすべて目下の人間の責任に押しつけるというモラルの破壊が都政で進行していることを示すものといわざるを得ません。発言は撤回すべきです。
 今、深刻な中小零細企業の経営支援のために必要なことは、資金支援だけではなく、経営の活性化策とあわせた総合的な支援策です。中小企業診断士などの専門家と地域金融機関による経営診断、診断に基づく再建策の策定、その再建策に基づく東京都や区市町村の支援のシステムをつくり、その上で必要な資金支援を地銀協会や信金協会、信組協会などの協力を得て進めることこそ重要であることを指摘しておくものです。
 最後に、二〇一六年東京オリンピック招致が都政の各分野に深刻なゆがみをもたらしていることも浮き彫りになりました。
 ことし二月に招致委員会がIOCに提出した立候補ファイルは、メーンスタジアムや選手村などの用地費が計上されていなかったり、新規建設の辰巳屋内水泳場を既存施設の改修とするなど、いかにして経費を安く見せるかに腐心した、ごまかしだらけの計画にほかなりません。
 大会施設の建設費は、我が党の試算では一兆円を超える規模となります。インフラ整備も、知事がオリンピックまでに整備すると表明している一兆六千億円の外かく環状道路が計上されていません。これも我が党の試算では、オリンピックをてことした大型開発の経費は七兆円を超え、大会施設整備費を合わせた経費は九兆円を超えることになります。招致経費も、盛り上がらない世論対策として、区市町村への一千万円のばらまきやテレビ広告やオリンピックムーブメントなど膨らみ続けています。しかも、オリンピックに関連する委託契約が電通によってほぼ独占されていることは質疑で明らかにしました。
 このようなやり方が、都民の支持を受けられる道理はありません。立候補ファイルは、世論調査について、国民の支持七〇%、都民の支持六九%という数字を提示していますが、これは東京オリンピックのオフィシャルパートナーであるヤフーの子会社が行ったインターネットの有償調査であり、客観性、公正性に疑問があり、不適格なものといわざるを得ません。現実の世論の支持は厳しく、「報道二〇〇一」の最近の世論調査でも、オリンピック賛成は五五・二%にすぎません。オリンピックに毎年一千億円も積み立てるお金があるのなら、暮らし、福祉に回してほしいという都民の声に真摯に耳を傾けるべきです。実際に、二月に東京都に寄せられた都民の声では、今、日本全体が不況、不景気で大変なのに知事はオリンピック、オリンピックと浮かれている。オリンピック招致には莫大なお金がかかる、そのお金を雇用や医療に使えばいいとの声が寄せられています。
 日本共産党が提案している予算組み替え動議は、オリンピック招致をてこにした開発への投資や基金へのため込みを見直すことで財源を確保し、七十五歳以上の高齢者医療費の無料化や、保育園待機児解消、元気を出せものづくり支援、三十人学級など、都民要望の実現や地球温暖化対策などに踏み出すことを求めるもので、都民の切実かつ緊急の課題にこたえるものと確信するものです。
 各会派のご賛同をお願いし、討論を終わります。(拍手)

○服部委員長 吉原修委員。

○吉原委員 私は、東京都議会自由民主党を代表いたしまして、本特別委員会に付託された議案中、第一号議案、平成二十一年度一般会計予算については原案に賛成、その他の知事提出議案については全議案賛成の立場から、また日本共産党から提出された予算の編成替えを求める動議に反対する立場から、討論を行います。
 知事は、本予算案を、日本経済が危機に直面する中にあって、短期、中長期的両面から、都政が今日なすべき役割を確実に果たすことによって、都民へ安心をもたらし、希望を指し示す予算と位置づけ、編成されました。
 本予算は、これまでの質疑から明らかになったとおり、厳しい経済環境にあっても我が党の要望を十分に踏まえ、都民の不安に対する迅速な対応や危機克服への新たな活力を生み出す先駆的取り組み、東京の将来をつくる中長期的取り組みなど、都政が取り組むべき課題への対応に重点的に財源を振り向けた積極的な予算となっており、都民の負託に十分こたえる内容であると考えます。
 それでは、本予算案の各分野の重要事項について申し上げます。
 初めに、財政基盤の強化について申し上げます。
 都税収入の大幅減少など都財政を取り巻く環境が厳しさを増している中、本予算案では、基金や起債余力など、これまでの間、培ってきた都財政の対応力を十分に活用し必要な財源をしっかりと確保しています。同時に、財政調整基金など、今後の財源として活用可能な基金については残高を極力維持するなど、今後の厳しい経済状況に対する備えについても、目配りをきかせています。
 このような不透明な時期だからこそ、日本の経済を牽引する東京において思い切った施策の展開が求められます。そして、それを支える都財政の基盤強化は、引き続き都政の最重要課題の一つであり、今後とも、さらなる努力を重ねていただきたいと思います。
 次に、都税収入について申し上げます。
 二十一年度の都税収入は六年ぶりに減少し、前年度に比べて七千五百二十億円減の四兆七千五百七十七億円を見込んでいます。厳しい経済環境のもと、基幹となる法人二税の伸びを期待するのは厳しい状況にありますが、都税確保に向けた取り組みを積み重ねるとともに、都財政に大きな影響を与えている法人事業税の暫定措置を直ちに撤廃させるべく、鋭意努力をするよう強く求めておきたいと思います。
 なお、環境減税や耐震化促進税制などの新たな政策減税は、施策促進や都民負担軽減を図る観点から我が党が強く求めていた事項であり、高く評価するものであります。
 次に、歳出について申し上げます。
 初めに、都民生活の安全・安心を確保する取り組みです。深刻な経済危機や社会全体を覆う閉塞感の中、都民は多くの不安を抱えています。こうした都民の不安に対し、今年度、都は二度にわたる補正予算を編成し、迅速な対応を行ってきました。
 本予算には、もう一段の積極的な取り組みとして、急速に悪化する雇用環境へのきめ細かい支援策や、救急医療体制の整備、新型インフルエンザ対策、大地震に備えるための耐震改修促進策など、都民生活の安全・安心を確保するための取り組みが十分なスケールを備え、盛り込まれております。中でも、急速に悪化する雇用環境については、今年度、二度にわたる補正予算を編成し、緊急雇用対策として、雇用を取り巻くさまざまな課題に先手を打って対応いたしました。
 本予算案には、雇用対策のさらなる充実を図るべく、区市町村と連携した雇用創出や非正規の正規雇用化などの施策が盛り込まれており、着実な実行を求めるものであります。
 次に、まちづくりについて申し上げます。
 道路などの都市基盤の拡充は都市の利便性を向上させるだけでなく、産業の活性化や国際競争力の向上にもつながるものです。
 本予算案には、区部環状、多摩南北方向の道路や首都高速道路の整備、東京湾の国際競争力の強化、鉄道連続立体交差化の推進など都市基盤の拡充につながる幅広い施策が盛り込まれています。その結果、投資的経費は前年度に比べて六・二%増の七千七百七十一億円と、五年連続の増加となっています。こうした都市インフラの拡充は、素直に現実を見れば、産業力強化や国際競争力の向上はもとより、都市環境の改善や防災機能の向上にもつながり、景気対策としても有効に機能していることがわかるはずであります。
 しかるに、日本共産党は、相変わらずハード整備を悪者扱いするキャンペーンを行っています。我が党は、このような偏った主張を続ける日本共産党の姿勢を厳しく批判するものであります。
 次に、福祉、医療について申し上げます。
 福祉や医療のサービスを安定的に提供するためには、それに携わる質の高い人材を確保し、育成することが重要になります。また、所得格差の拡大が社会問題化する中で、意欲を持ちながら困窮から抜け出せない方々への支援など、セーフティーネットの整備の重要性は、これまで以上に高まっています。
 本予算案には、医療人材や介護人材の確保に向けた取り組みの強化や、意欲ある低所得者の方々への支援、高齢者が地域で安心した暮らしを送るための体制整備、待機児童解消に向けた取り組みなど、あらゆる世代が必要とする福祉施策が盛り込まれています。
 また、我が党の強い要望を踏まえ、中学三年生までの医療費助成の事業拡大に係る経費についても計上されました。都民が安心して子どもを産み育て、自立した生活を送れるよう、東京の特性を踏まえた福祉と医療のさらなる充実を要望いたします。
 次に、中小企業対策について申し上げます。
 都内の中小企業は、現下の極めて厳しい経営環境の中にあって、技術の高度化や人材育成など多くの経営課題を抱え、都の支援の一層の充実が求められています。
 本予算案には、制度融資の充実など資金繰りの支援、区部と多摩の産業支援拠点の整備、ものづくり人材の育成などさまざまな側面から、中小企業への支援が盛り込まれています。
 とりわけ、我が党の提案を受けて発案された地域の金融機関と連携した新たな支援、いわゆる中小企業金融支援条例については、厳しい経済状況に直面する中小零細企業の資金調達を支援するものであり、その意義や必要性は極めて大きいものであります。
 本定例会の議論を通じて、融資条件の具体的設定、損失の抑制など、今後取り組むべき課題も明らかになってきましたが、ますます厳しくなる経済情勢のもと、資金繰りに苦しむ中小零細企業への支援は、一刻の猶予も許されません。ぜひとも、本支援策の早期実現に向けて全力で取り組んでいただきたい。我が党としても、全面的な協力を惜しみません。
 しかるに、共産党は、仮定にすぎない金融機関による融資制度の悪用の危険性を殊さら誇張し、あるいは、条例にも予算案にも記載がないにもかかわらず、金融機関への資本注入などの経営支援につながるおそれがあると曲解して、本支援策に反対しています。
 先日の予算特別委員会代表質問では、ありもしない事例を持ち出し、本支援策が、融資が焦げついた経営破綻企業への融資を都の税金で穴埋めするものだなどと主張していましたが、全く的外れな批判であります。そもそも、融資が焦げついた経営破綻企業に金融機関が新規融資を行うことなどあり得ません。ありもしないそのような行為が、あたかも日常的に繰り返されるかのように語り、本支援策を批判することは、まさに意図的な誹謗中傷であります。今必要なのは、疑いを前提にした後ろ向きの議論ではなくて、多くの中小零細企業が待ち望んでいる今回の支援策を、一刻も早く実行することであります。
 次に、環境対策について申し上げます。
 本予算案には、大規模事業所に対するCO2削減義務化に向けた取り組みや、低炭素型社会への転換を加速するための都民、民間事業者への支援策など、地球温暖化対策における都の先導性を示す施策が、多岐にわたり計上されています。快適な都市環境を次の時代に引き継ぐためにも、緑の東京十年プロジェクトや自動車公害対策など生活環境改善の取り組みとあわせ、着実な事業執行を求めるものであります。
 次に、豊洲新市場について申し上げます。
 新市場予定地の土壌汚染については、専門家会議、技術会議から安全宣言を出していただいたことに加え、知事からの安全を揺るぎないものとしていくとの答弁により、都民の安全も確かなものになったと考えています。今後必要なことは、この対策がきちんと実施されるかを議会としてチェックし、さらには首都圏三千三百万人を支える新しい市場の機能や将来像について、建設的に議論していくことです。いたずらに都民、市場関係者の不安をあおることは、厳に慎むべきです。
 築地市場は、施設の老朽、狭隘化が著しく、鉄道輸送時代の施設構造のため、大型トラックや買い出し人の駐車スペースなどが不足し、物流の変化に対応できず、品質管理や衛生面でも課題を抱え、取扱量は年々減少しております。いまだ築地で再整備を主張する声が一部にありますが、かつて工事に着手したものの、営業を行いながらの再整備は困難として断念した経緯から、不可能なことは明らかであります。豊洲への移転は、長い年月をかけて関係者間で議論を重ね決定したものであり、後ろ向きの議論に終始するばかりでは何一つ問題は打開できません。
 豊洲新市場は、約四十ヘクタールの敷地を有し、築地市場が抱える課題を大幅に改善し、この先五十年以上にわたり使い続けていく首都圏の基幹市場として、今後の時代の変化にも対応できる規模と機能を備えています。市場業界の大多数からも建設推進が強く求められており、今後、万全な土壌汚染対策を確実に実施した上で、一日でも早く豊洲新市場を開場できるよう、全力で整備に取り組むことを強く要望いたします。
 次に、教育、スポーツの振興について申し上げます。
 本予算案には、学校教育のさらなる充実に向け、学力向上や教育環境の整備のための取り組みが盛り込まれています。また、教育現場の多様な課題に対応するため、外部人材の活用を促進するための支援策も計上されており、現場のニーズにきめ細かくこたえるものとして積極的に評価するものです。
 二〇一六年のオリンピック・パラリンピック招致活動は、これからが正念場であります。このたび、衆参両議院においても、五輪招致決議が採択されました。平和や環境などの人類共通の開催理念に加え、約三兆円の経済効果が見込まれ、景気浮揚や雇用確保を初め多様な波及効果をもたらすことなど、国の内外に強くアピールし、招致機運のさらなる醸成に向けて力の入った取り組みを期待いたします。我が会派も、知事とともに先頭に立って取り組んでいく決意であります。
 最後に、昨日も質疑のあった石神井川への汚水流出事故について申し上げます。
 これまで対応を怠ってきたことは、まことに遺憾でありますが、最も重要なのは、全庁全局それぞれが情報のパイプを詰まらせないこと、何よりも、再発防止と今後に向け一丸となって抜本的対策を早急に講じていくことであります。問題は、何が起きたのかではなく、どういう対処をしていくのかということが重要であります。ぜひ、住民の視点に立って対応されることを強く求めておきます。
 以上、平成二十一年度予算に関連し申し上げました。東京都議会自由民主党は、都政における責任政党として、都民の安全と安心を確保し、豊かさを実感できる都政にするため、今後も石原知事と手を携え、邁進することを申し上げ、討論を終わります。(拍手)

○服部委員長 馬場裕子委員。

○馬場委員 私は、都議会民主党を代表して、本委員会に付託されました第一号議案、平成二十一年度東京都一般会計予算から第二十九号議案まで、賛成の立場から討論を行います。
 まず、第一号議案、平成二十一年度東京都一般会計予算について述べます。
 本案の予算規模は、急速な景気悪化により、前年度比三・八%減の六兆五千九百八十億円となりましたが、政策的経費である一般歳出は、前年度比二・九%増の四兆五千四百二十二億円を確保しております。
 世界同時不況の影響を受けた景気後退と法人事業税国税化により、法人二税を初めとした都税全体が大幅な減収になったにもかかわらず、雇用や中小企業経営に対する支援策を強化するとともに、救急、周産期医療や新型インフルエンザ対策など喫緊の重要課題にも手だてを講じるなど、都民生活を守り、未来の東京を築いていく姿勢を打ち出した予算編成は評価できます。
 しかし、相次ぐ中小企業の倒産、地価の大幅な下落にも示されているように、経済状況はますます悪化してきています。今後も世界的な金融情勢などの動向次第では、さらに景気が下振れるリスクがあり、都財政を取り巻く環境はより一層厳しさを増す可能性があります。
 残された財政対応力によって今後の事態に対処するとともに、都民の不安感を解消し、安心・安全を守るため、都政をより一層効率的、効果的に運営していかなければなりません。同時に、持続可能な都財政の確立に向けて、国からの税財源の移譲や法人事業税国税化の廃止を強く押し進めるよう求めるものです。
 次に、予算の各分野について申し上げます。
 まず、雇用、自立支援対策についてです。
 私たち都議会民主党は、ことし一月の復活予算要求でも、また本会議の代表質問などにおいても、緊急雇用対策のさらなる積み増しや正社員化の促進、公共職業訓練の拡大、あるいは非正規労働者の雇用環境の改善に取り組む中小企業への支援拡充など、求めてきました。
 特に、当委員会においては、住居を失った不安定就労、失業者に対しては、まずは居住の場が確保されなければ就職活動も始まらないとの認識から、都営住宅の活用などの積極的な対応を求めてきました。同時に、ホームレス生活が長引くと自立も困難となり、生活保護に頼らざるを得なくなることから、都の生活安定化総合対策事業での住所要件の緩和など、幅広い低所得者対策を求めてきました。
 今後の厳しい雇用情勢を踏まえ、引き続き施策の充実に努めるとともに、私たちが求めてきた施策についても早急に実施、拡大するよう求めるものです。
 次に、中小企業対策についてです。
 中小企業に対する資金供給の必要性が高まる中、中小企業支援を目的に設立された新銀行東京は、みずからの経営再建を果たすことが最大の使命と化してしまい、もはやその存在意義は失われています。
 本委員会でも、人事や経営などについて石原知事の監視責任をただしてきましたが、重要な時期に適切な対応がなされたとはとてもいえません。今後、時間がたてばたつほど新銀行の赤字は拡大し、都民の税金が毀損していくことが懸念されます。株式売却あるいは事業譲渡なども含めて、新銀行から早期撤退することを改めて求めるものです。
 また、本案には地域の金融機関と連携した中小企業支援策に三百億円の予算が措置されています。しかし、連携先金融機関として新銀行が対象になるかどうかも含め、いまだ制度設計の詳細がわかりません。
 今後の制度設計に当たっては、借りかえの防止やデフォルトの抑制策など、制度の詳細を詰めるとともに、金融機関別の融資実績などの情報公開を積極的に行うことを求めるものです。あわせて、連携対象となる金融機関から新銀行を除外するなど、都民の理解と納得が得られる制度となるよう強く求めるものです。
 さらに、中小企業制度融資については、既存基金の活用などにより、利率の低下に取り組むとともに、利子補給などの財政出動も含めた新たな支援策を検討するよう強く求めるものです。
 次に、防災まちづくりについてです。
 二十一年度予算案では、耐震改修促進事業に百六十一億円が計上されており、二十年度予算の三十九億円から百二十二億円の増、約四倍と大幅に引き上げられています。私たちがこれまで何度も求めてきた内容がある程度反映されており、一定の評価はできます。
 しかし、問題は、周知のとおり、耐震化のための助成制度を使ってもらえるかどうかです。都民や事業者のニーズを適切に酌み取り、創意工夫を凝らして予算を着実に執行するよう求めます。
 また、制度の創設から四年目を迎える木造住宅の耐震化助成については、木造住宅密集地域のうち、特に危険度が高いとして整備地域に選定されている地域の住宅が対象になっています。その一方には、地震に関する地域危険度測定データで建物倒壊危険度や火災危険度が高い地域であるにもかかわらず、整備地域から漏れている地域もあります。このような地域の木造住宅にも対象を拡大するよう強く求めるものです。
 次に、医療について申し上げます。
 昨年の秋、都立墨東病院のケースが大きく報道されたことを受け、二十一年度予算では、医師、看護師不足で危機に瀕してきた救急、周産期医療に対し、現場の負担軽減策、限られた医療資源を有効に活用して急場をしのいでいくための対策が数多く盛り込まれました。真に現場の負担を軽減し、人手をふやし、救急、周産期医療の立て直し、充実につながるよう取り組まれることを求めるものです。
 その上で、二次救急医療機関に軽症患者が集中している現状に対する対策についても、夜間診療を行おうとする開業医への補助、医師数が特に不足している地域への開業誘導策などについても、都が率先して取り組まれるよう求めるものです。
 また、適切な転院先が見つからない、在宅療養への不安など、患者、家族の悩みを解消していくため、地域クリティカルパスの普及、転退院調整の支援に取り組むこと。さらに、女性医師確保策の一つとして、職場環境の整備に加えて、保育所確保のため、保育手当を支給する病院に対し補助する院内保育、事業所内保育の補助対象を拡大して医師の就業継続を支援するような保育所にも補助するなど、速効性のある対策を実施するよう求めておきます。
 次に、オリンピックについて申し上げます。
 民主党は、都が二〇一六年にオリンピックを招致すると宣言してから、その理念は世界平和の希求に重点を置くものとし、平和都市の広島、長崎と連携すべきと訴えてきました。
 この平和のとうとさを訴える大会コンセプトは、招致委員会が行った世論調査でも一位に位置づけられ、改めて都民が求めている理念であることが再認識されました。
 都は、今回初めて立候補ファイルの中で、広島、長崎での事前キャンプなどを実施する考えを示しましたが、東京オリンピックの聖火リレーにおいて、オリンピアの火と反核悲願の象徴である広島の平和の灯やギリシャ・オリンピアの丘で採火された長崎の誓いの火と結び、平和の希求を世界に発信していくことを求めるものです。
 次に、監理団体について申し上げます。
 都の監理団体は、採算性や市場性を欠く、公共性の高い分野のサービスを都にかわって行うこととされている団体です。これまでの監理団体改革では、団体数を三十三団体に半減させてきましたが、団体の存在意義の検証や各事業の再度見直しなど、まだまだ取り組むべき諸課題が残されています。
 今回、東京都道路整備保全公社による駐車場事業や東京都新都市建設公社が保有するビルの管理業務、温泉施設の管理運営の委託をめぐって活発な議論を行いましたが、今後も都民の目線から見た監理団体改革が必要です。特に、行財政改革実行プログラムの最終年度を終えたため、今後の行財政改革の方向性を示し、引き続き監理団体改革を推進していくことを求めるものです。
 次に、第二十号議案、平成二十一年度東京都中央卸売市場会計予算に係る築地市場の移転問題について述べます。
 東京都は、築地市場の豊洲への移転を進めるために、昨年七月の専門家会議及び本年二月の技術会議の提言を踏まえ、豊洲地区の土壌汚染対策に取り組まれています。
 しかし、専門家会議の絞り込み調査の結果、不透水層が検出されない地点が見つかるなど、豊洲地区の土壌汚染は不透水層の下にまで拡大しているおそれがあることが判明しました。
 いうまでもなく、豊洲地区の安全は確保されているとはいえません。仮に安全宣言をするのであっても、地下水のモニタリングを二年間実施するなど、より着実な対策を講じていく必要があります。
 一方で、現在でも多くの都民が現在地再整備を求めております。再三申してまいりましたが、東京都は、まず豊洲への移転ありきという姿勢を改め、現在地再整備についても議論の俎上にのせることを改めて検討すべきです。
 そして、築地市場の移転問題について、シンポジウムや公開討論会の開催、あるいは関係団体からの要請があれば積極的に対応するなど、東京都として説明責任を果たしていくことを強く求めておきます。
 以上で私たちの討論を終わります。(拍手)

○服部委員長 東野秀平委員。

○東野委員 私は、都議会公明党を代表して、本委員会に付託された第一号議案、平成二十一年度東京都一般会計予算外二十八議案に賛成し、共産党提案の編成替え動議に反対する立場から討論を行います。
 平成二十一年度の一般会計当初予算案は、都税が過去最大の七千五百二十億円の減収となり、予算規模が前年度に比べて三・八%も減少する中、政策的経費である一般歳出は逆に二・九%伸ばしています。都財政を取り巻く環境が急激に厳しくなったにもかかわらず、二十一年度予算を積極果敢な予算とすることができたのは、都が公明党と手を携え、これまで堅実な行財政運営を行い、積極的に基金の積み立てを行ってきたたまものであることを改めて申し上げたいと思います。
 もし共産党の主張のように、基金を積み立てることなく、毎年の予算を使い切ってしまえば、今回のような積極予算が編成できませんでした。共産党は先行きのことを何ら考えずに、その場しのぎの聞こえのいいことばかり主張していますが、それは最終的に都民に迷惑をかけることが今回明らかとなりました。
 さて、二十一年度予算についてですが、まず雇用対策について申し上げます。
 都は、公明党の要望を受け、区市町村と連携し、緊急雇用対策を実施するとともに、本格的な雇用に向けても、若年層や女性、高齢者、障害者など、それぞれのニーズに応じた雇用就業支援を積極的に進めることとしており、評価できるものであります。
 さらに、昨日の締めくくり総括質疑で明らかになったように、我が党の主張を受け、職業訓練を、平成二十年度の約六倍の七千人を超える規模を実施し、開始時期も四月に前倒し、毎月募集するとしたことは高く評価するものであります。
 次に、中小企業支援について申し上げます。
 中小企業制度融資の拡充や技術支援、人材育成など、中小企業への多面的な支援が着実に実施されることを望みます。特に、地域の金融機関と連携した新たな金融支援策の実施におくれが生じれば、その影響は懸命に努力をしている中小零細企業を直撃します。これを実施する条例案について、新銀行東京への税金投入が目的であるように曲解し、反対している共産党の主張は、都内中小零細企業が直面している危機的状況を何ら顧みない無責任な発言であることを付言いたします。
 一方、医療や福祉などの分野でも積極的な施策の展開が求められています。
 まず、医療体制の整備についてですが、大都市特有の膨大な医療需要を踏まえ、救急搬送体制の強化に向けた新たな東京ルールを実施することとしています。都民の一層の理解を促し、このルールの確実な運用を望みます。
 安全で安心できる周産期医療体制においては、どのような状況においても重篤な妊婦を受け入れるスーパー総合周産期センターを新たに三病院体制で整備したことは高く評価するものであります。
 また、地域周産期医療を充実させるために、公明党の主張を受け、新たに実施される医師奨学金制度により確保される産科、小児科医師を周産期連携病院に配置することとしたことに対しても評価するものであります。ただ、二十三区に比べ格差のある多摩地域のNICU病床の整備については、重要な課題であり、積極的に取り組むことを都に強く要望するものであります。
 がん対策では、緩和ケア研修やがん検診、そして公明党の主張を受け実施する休日、夜間のがん相談の支援や家族交流室の整備などについても大いに前進することができました。
 次に、子育て家庭への支援について申し上げます。
 公明党は、これまでも実効性の高い少子化対策を主張してきました。中でも、都が中学三年生まで医療費助成の拡充に踏み切ったことは大きな成果であります。
 次に、高齢者支援については、シルバーパスの負担軽減措置の継続は、高齢者の社会参加に資するものであります。また、在宅医療についても、在宅医療サポート介護支援専門員の養成など、高齢者を地域全体で支える取り組みも進めていくこととしており、その着実な実施を期待するものです。
 高齢者支援に関連して、高齢者施設の静養ホームたまゆらの火災事故について意見を申し述べます。
 この事故は、先週の十九日、群馬県渋川市の高齢者施設静養ホームたまゆらで起きた火災事故で、七名の都民を含む十人の入居者がお亡くなりになりました。まことに痛ましい事故であり、心からご冥福をお祈りいたします。
 たまゆらは、主として生活保護受給者を対象とした有料老人ホームということですが、県に必要な届け出を出しておらず、群馬県も、利用者に施設を紹介した区もその実態を十分に把握していませんでした。このような施設の利用に当たっては、福祉事務所が紹介している場合が多いとのことですが、そうであれば安全確保は当然のことであります。また、こうした未届け施設をやむを得ず紹介する場合は、必ず現地確認するなど、施設実態を十分に把握するよう区市に対する指導を強力に行っていくべきであります。
 このような事故に都民が再び巻き込まれることのないよう強く要望しておきます。
 次に、障害者への支援について申し上げます。
 まず、発達障害者対策については、幼児期から成人期までの各ライフステージに対応した有効な支援手法の開発や普及啓発など、日常生活を支援する取り組みの充実が図られています。また、全国に先駆けて盲ろう者支援センター事業が開始されます。いずれも公明党が従来から強く要望してきたものであり、高く評価いたします。
 環境の分野では、公明党が要望している公立小中学校の運動場芝生化事業が着実に実施されており、評価するものです。また、大規模事業所に対するCO2の排出削減義務と排出量取引制度の導入に向けて、いよいよ本格的に動き出します。
 また、自動車の分野においては、公明党の主張を受け、電気自動車の普及のために短時間で充電できる設備の補助を行うこととしたことは、評価するものであります。地球温暖化対策のさらなる推進を要望します。
 次に、新銀行東京については、最終決算において純資産が計画を上回るなど、四百億円の追加出資は毀損されない見通しにありますが、今後、目標達成のため、都は適切な経営監視と支援に努めるとともに、引き続き旧経営陣の責任の追及についても都民が納得いく形での決着を強く求めるものであります。
 また、築地市場の移転問題については、我が党内でもPTで議論し、現地調査や関係団体との意見交換を行ってきました。それを踏まえ、全体の事業費や市場業者の使用料、さらには再整備工事の安全性など、総合的に判断した結果、築地での再整備は都民に多大な負担をかけることになるという結論に達しました。
 共産党や民主党は、いたずらに都民の不安をあおり、本質を欠いた議論に終始していますが、豊洲における汚染土壌処理の方法や施工技術の問題は、高度に科学的な専門的な内容であり、その分野の科学的知見を有する専門家の判断にゆだねるべきであります。
 今後、都としては、都民や市場業者の皆様に不安を与えないよう、情報開示をしっかりとするとともに、新市場計画の実施に万全を期することを要望するものであります。
 平成二十一年度は、二〇一六年東京オリンピック・パラリンピック招致に向けた総仕上げとなる年であります。招致実現に向け、今まで以上に国内世論を盛り上げ、子どもたちに夢と希望を与えるためにも、総力を挙げて招致レースを勝ち抜いてまいりたいと思います。
 以上の点を踏まえ、本予算の成立を強く望むとともに、執行に当たってはより一層都民の期待と負託にこたえられるよう全力を尽くすべきであると申し上げます。
 最後に、共産党の編成替え動議について一言申し上げます。
 共産党の編成替えを求める動議では、財政調整基金を新たに四百億円以上も取り崩すこととしています。共産党の政策を見る限り、この取り崩しは平成二十一年度だけで済むものではありません。このことは、現行の経済状況を全く無視したものであり、共産党の政策が将来にわたって継続できないことを自分で認めているようなものであります。都政の将来を見通すことすらせず、選挙目当てのアリバイづくりとしかいえません。余りにも無責任であり、議会運営を混乱させるだけの無意味な動議であるとしておきます。
 以上を申し上げまして討論を終わります。(拍手)

○服部委員長 大西由紀子委員。

○大西委員 私は、都議会生活者ネットワークを代表して、当委員会に付託された第一号議案、平成二十一年度東京都一般会計予算を含む知事提出の議案に、予算の包括性の観点から賛成し、討論を行います。
 好景気に支えられて財政再建に一息ついたのもつかの間、世界をかけめぐる経済不況と法人事業税の暫定措置によって、都税収入は前年度比一三・六%減と、単年度過去最大の下げ幅を示し、平成二十一年度予算規模は六兆五千九百八十億円で、五年ぶりの減となりました。
 予算規模が減に転ずる中で、都民へ安心をもたらし、希望を指し示す予算として、緊急雇用対策、中小企業支援、周産期医療、新型インフルエンザ対策や温暖化対策、耐震化などの都市づくり、インフラ整備など、都が取り組むべき課題への対応に財源を重点的に振り向けたとしていますが、税収回復の見通しが立たない中で金融庁から改善命令が出された新銀行東京、築地市場の移転問題、オリンピック招致など、大きな課題を抱えながらの今後の都政運営は、予断を許しません。
 以下、差し迫った課題について申し上げます。
 急激な景気悪化で職を解かれ、住まいを追われるなど、多くの人々の生活に影響が出ていることに対し、国は定額給付金をばらまき、補正予算を組み、さらに都も緊急雇用対策を次々に打ち出しました。しかし、旧来型の公共事業前倒しの域を出ず、その効果については疑問を呈せざるを得ません。
 短期間のアルバイト的な仕事では、救済にすらならないことは明らかです。派遣切りになった人々が単年度の臨時雇用では、次には臨時切りとなることを恐れるのは当然です。つなぎ雇用ではなく、今後の生活支援につながるものとなるよう、都や自治体の施策を点検していくことを求めておきます。
 また、中小企業支援については、新たに都と地域金融機関の連携による金融支援が提案されており、制度融資でも救済できない中小零細企業を支援するとしています。しかし、本条例で都民が最も心配するのは、危機にある新銀行東京救済のための新たな税金投入が行われるのではないかということです。真に中小零細企業のために必要というのであれば、新銀行東京をその対象としないことを明記すべきであったと申し上げておきます。
 資金繰りに苦しむ中小企業に対しては、一時しのぎの融資だけでは本当の再建にはなりません。少子高齢化、環境重視に社会が変化している今、産業構造も大変革する必要があります。近年、企業は即戦力を求め、若い人たちが技能を身につける機会が減少して、派遣社員やアルバイトを余儀なくされてきましたが、大企業が採用を控えている今、それを逆手に若い人々に技術を伝承するなど、中小企業が人材育成を進めるチャンスととらえ、そこに支援を行うことが重要です。
 これまでのスピード重視、効率重視の人間の尊厳を無視した働き手ではなく、働くことに喜びと希望の持てる人間を育てる教育に重点を置くべきと考えます。
 また、子育て世代の家計は非常に厳しくなっており、子どもを預けて働きたいと思う人が急激に増加しているにもかかわらず、保育園はその需要に全く追いついていません。妊婦の死亡事件を受けて、周産期医療体制は緊急に整備に取りかかっていますが、安心して子どもを産み育てるためには、その先の保育の充実も欠かせません。都は、区市町村の子育て支援基盤整備にさらなる支援を行うべきと考えます。
 さらに、親の失業などで就学の継続が困難になる子どもたちがふえることが想定されますが、奨学金制度など、子どもの自立を支援する制度のさらなる拡充が必要です。
 若者、子どもに希望が持てる施策を示すと同時に、これまで社会を支えてきた高齢者の方々への細やかな施策も今、求められています。
 先日の群馬県の高齢者施設の火災では、十人もの方が亡くなられましたが、その多くが東京からの入居者であったことで、他県に頼る高齢者のセーフティーネットの危うさが浮き彫りになりました。まさに現代版うば捨て山ではないかと思います。
 東京の高齢化率は、団塊世代が六十五歳以上となる二〇一五年には二四・二%、二〇二五年には二六・三%と予測され、率では全国平均を下回っています。しかし、高齢者数としては二〇〇五年から二〇二五年の二十年間で百万人以上ふえることになり、中でも単身高齢者が急増するといわれています。
 住まいはすべての人にかかわる問題ですが、高齢化の急速な進展を考えたとき、特に高齢者の居住の安全確保は地域ケアの課題もあわせて大きな問題です。
 本格的な高齢社会の到来に備え、高齢者が地域社会の中で生き生きと暮らすことができる環境の整備が、これまで以上に重要になってくるものと考えます。
 安全と安心の確保は、都民が行政に期待する最も大きな価値です。都は、都民の求めるニーズを十分に把握することが重要であり、そのために常に施策に対して都民意見を問うことが求められています。
 現在行われているパブリックコメントの中には、アリバイづくりのための名ばかりパブリックコメントというようなものもあり、まずはパブリックコメントの総合サイトをつくって、現在のパブリックコメントの状況をいつも都民にわかるようにするとともに、制度化に向けての検討を早急に開始すべきです。
 都民の生活に直結する課題への十分な目配りと財源配分を求めるとともに、貴重な財源が有効に使われるよう要望して生活者ネットワークの意見とします。以上です。(拍手)

○服部委員長 以上をもちまして討論は終了いたしました。
 この際、議事の都合により暫時休憩いたします。
   午後二時五分休憩

   午後二時四十六分開議

○服部委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 これより採決を行います。
 初めに、清水ひで子委員外三名から提出されました第一号議案、第十二号議案、第二十一号議案及び第二十七号議案に対する編成替えを求める動議を一括して採決いたします。
 本動議は、起立により採決いたします。
 本動議に賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○服部委員長 起立少数と認めます。よって、本動議は、いずれも否決されました。

○服部委員長 次に、第一号議案、第十二号議案、第十五号議案、第十七号議案から第二十二号議案まで、第二十四号議案、第二十五号議案及び第二十七号議案を一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○服部委員長 起立多数と認めます。よって、第一号議案、第十二号議案、第十五号議案、第十七号議案から第二十二号議案まで、第二十四号議案、第二十五号議案及び第二十七号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。

○清水委員 ただいま廃棄されました我が会派の意見は、少数意見として留保いたします。

○服部委員長 ただいま清水委員から、少数意見として留保したい旨の発言がありましたが、本件は、会議規則第六十七条第一項の規定により、二名以上の賛成者を必要といたします。
 清水委員の発言に賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○服部委員長 賛成者二名以上であります。よって、本件は、少数意見として留保されました。
 なお、少数意見報告書は、議長に提出いたしますので、速やかに委員長までご提出願います。

○服部委員長 次に、第二号議案から第十一号議案まで、第十三号議案、第十四号議案、第十六号議案、第二十三号議案、第二十六号議案、第二十八号議案及び第二十九号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本件は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○服部委員長 異議なしと認めます。よって、第二号議案から第十一号議案まで、第十三号議案、第十四号議案、第十六号議案、第二十三号議案、第二十六号議案、第二十八号議案及び第二十九号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査は終了いたしました。

○服部委員長 なお、委員会審査に関する委員長の口頭報告につきましては、理事会にご一任願いたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○服部委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○服部委員長 この際、石原知事から発言の申し出がありますので、これを許します。

○石原知事 ただいまは、平成二十一年度予算案を決定いただきまして、まことにありがとうございました。
 これまでの審議の過程でいただきました貴重なご意見、提言等につきましては、十分に尊重させていただき、今後の都政運営に万全を期してまいりたいと思います。
 委員長初め委員の皆様の熱心なご審議に対し、心より感謝申し上げます。
 ありがとうございました。

○服部委員長 この際、私からも一言ごあいさつを申し上げます。委員長としてごあいさつを申し上げます。
 本委員会は、二月二十六日に発足以来、平成二十一年度予算につきまして、連日、長時間にわたりさまざまな角度から精力的に審査を重ねてまいりました。
 限られた時間でありましたが、都政の諸課題に深く踏み込んだ、極めて有意義で実りのある質疑、議論が尽くされましたことに心から敬意を表しますとともに、感謝申し上げます。
 特に、今回の予算は、日本経済が危機に直面する中にあって、短期、中長期両面から都政が今日なすべき役割を確実に果たすことによって、都民へ安心をもたらし、希望を指し示すものとなっております。
 このような位置づけのもと、都政が取り組むべき課題への対応にいかに重点的に財源を配分するかを審査する極めて重要な意味を持った予算特別委員会でありました。
 本日、最終日を迎えるに当たり、三副委員長を初め理事並びに委員の皆様のご理解、ご協力に心から感謝を申し上げます。
 また、石原知事を初め理事者の皆様には、連日、長時間にわたる質疑にもかかわらず、極めて真摯な姿勢でご答弁をいただき、改めてお礼を申し上げます。
 審査の過程で提起されました問題点や意見などにつきましては、今後の都政運営に十分に反映していただき、都民の期待にこたえられるようお願い申し上げます。
 最後に、本委員会における審査の成果が必ずや将来の都政運営に大きく貢献することを確信いたしまして、私のあいさつとさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時五十三分散会

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