予算特別委員会速記録第三号

   午後三時二十八分開議

○石川副委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 長橋桂一委員の発言を許します。

○長橋委員 これから質問をさせていただきます。
 初めに、公共交通、特にバス事業についてお伺いをしてまいりたいと思います。
 交通局は、二〇一一年で創業百周年を迎えるということであります。明治四十四年の東京市電気局から始まって百周年。いよいよ百周年に向けて本格的に準備を進める、イベントもやると聞いておりますので、楽しみにしたいと思いますが、そういう中で、交通局長がある雑誌にこのように書いておりました。地下鉄副都心線、昨年六月に開業しましたが、それで都内の主要な鉄道網は概成されたと、これからはバスの復権を目指すと、力強いバスの復権について述べられておりました。
 そこで、都バスの復権の取り組みについて伺います。
 都バスは一日五十七万人が利用しております。そういう中で、五十七万人ですけれども、年々、最盛期は百三十万人いたのが、利用者が五十七万人に漸次減ってきた。確かに鉄道網の整備が進んだことによって減少の一途をたどってきたわけでありますけれども、ここに来てわずかながら増加に転じて、経常損益も黒字に転じたということでございます。
 私の地元の都バスの池86系統、これが副都心線の開通で減便されてしまった。ところが、それを使う高齢者の方、日中不便になって困ると、こういうことが相次いだものですから、交通局に申し入れをしましたら、交通局が改めて実態調査をしましたら、昼間はそんなに減らなかったということで、四月から増便をまたするということでございます。
 そこで、利用客の減少、これはわかるわけでありますが、こういった高齢者の方々に対してはきめ細かな配慮が必要だと、こういうふうに思うわけであります。また、渋滞があると、いつ来るんだろうか、こういう心配もありますし、また上屋、ベンチなどの、乗りやすさ、そういったことも必要であろうかと思いますが、まず利便性、快適性について、交通局はどのように考えているか伺います。

○金子交通局長 交通局では、便利で快適な都営バスを目指して、お客様のニーズに合わせたダイヤの見直しを行うとともに、車両や施設の改善などを進めてまいりました。
 車両につきましては、高齢者や障害者を初め、だれもが安心して利用できるよう、更新する車両のすべてをノンステップ車両としておりまして、現在、全車両の約八割がノンステップ車両となっております。
 また、停留所には上屋やベンチを設けるとともに、バス待ちのお客様に接近情報を提供するバス接近表示装置の設置を進めております。
 今後とも、こうした取り組みをさらに推し進め、都営バスの利便性、快適性の向上に努めてまいります。

○長橋委員 今、停留所の上屋、ベンチ、接近表示を進めていくということであります。私もこういった課題についてはたびたび要望を受けてまいりました。
 ところが、歩道が狭い、地下埋設物がある、または路上に停留所以外の障害物というか施設があるとできないと、こういうご回答が相次ぐわけでありますけど、そういったところも、交通局長、知恵と工夫を働かせてぜひやってもらいたい。よろしくお願いします。これは要望だけにしておきます。
 次に、都バスが昨年の四月から観光路線バスというのを運行を開始したと聞きました。東京の下町ルートであるそうでありますけれども、初めて東京を訪れた方でも、通常の料金二百円で観光バスに乗れる。一日乗り放題でも五百円、PASMOもオーケー、シルバーパスもオーケーと、こういうことでございます。さらには、その観光路線バスには、外国人にもわかるように英語、韓国語、中国語案内放送を行っているということであります。
 先日、「るるぶ」という、東京都交通局が恐らく監修したんだと思いますけれども、丸ごと都バスの案内でございます。中を見ると都バスの旅がおもしろいと書いてありました。確かにおもしろかったと思います。また、先週末には都営バスでめぐる春の旅という番組がありました。これも私、見ましたけれども、これもおもしろかったです。
 そういうことで見ますと、東京をめぐる見どころ、数多く紹介をしているわけでありまして、この観光路線バス、民間も走らせておりますけれども、都もやっている。ぜひこれをもっともっとPRすれば、いわゆるマイカーからバスへ転換する、環境にも配慮できるんじゃなかろうかと思うんですけども、この観光路線バス、もっともっとPRすべきでありますが、いかがでしょうか。

○金子交通局長 都営バスは、東京の観光やまち歩きにも便利な公共交通機関でございまして、これまでも沿線の魅力を紹介する情報誌「乗り隊歩き隊」を発行するなど、PRに努めてまいりました。
 ご指摘のありました旅行情報誌は昨年の末に発行されたものでございますが、当局が企画、監修をいたしまして、観光路線バスを初めとした都営バス路線の沿線にございます都内のさまざまな見どころなどを詳しく紹介する内容となっております。
 今後は、インターネットを活用した海外への情報提供なども予定しておりまして、観光客を含め多くの方にご利用いただけるよう、関係機関と連携して積極的なPR活動に取り組んでまいります。

○長橋委員 次に、都バスの環境対策について伺います。
 都営バスは都内最大のバス事業者でありますから、先導的な取り組みをすることも重要であります。
 現在、ハイブリッドバスの導入を進めています。聞きますと、今年度は経営計画で示した十台の導入を大幅にふやして四十三台を前倒しで導入すると。評価をするところであります。
 昨日、ハイブリッドよりもさらに低公害の次世代型バス、この実用化の話がありました。IPTバスということであるそうでありますけれども、来年度、具体的にどう取り組むのか伺います。

○金子交通局長 お尋ねの低公害バスは、国土交通省が中心となりまして開発いたしましたIPTハイブリッドバスでございますが、このバスは、搭載しているバッテリーに、地上の給電設備から急速充電を行いまして、電気モーターのみで走行することが可能でございます。CO2の排出量を大幅に削減し、音も静かといった特色を持つ次世代型の低燃費の低公害バスでございます。
 平成二十一年度にはこのバスの実証運行が計画されていることから、当局もこれに協力し、都心から臨海部へ向かう一般のバス路線で二週間程度、営業運行をする予定でございます。
 今後とも、次世代の低公害車両の実用化に向けて、関係機関の取り組みに積極的に協力してまいります。

○長橋委員 今、局長がご答弁いただいたバスは、実は羽田空港の巡回バス、それから、昨年行われた洞爺湖サミットで実用、実験といいますか、されたと。今度、交通局は料金を取って一般の都民に乗っていただくということでありますので、ぜひ私も乗らせていただきたいと思っております。
 交通局の最後に、交通局の最重要課題は何か、これは当然、安心・安全の確保でございます。交通局のホームページに報告をされている、これがホームページの安全報告書でございますけれども、これを見ますと、事故の発生件数、国への報告を要する事故は十一件、このように報告されておりますけれども、有責事故、いわゆる報告を要しない有責な事故、軽微な事故、これを含めると四百件を超えているということでございます。
 なお聞きますと、この有責事故、件数は毎年多少増減はある。十八年度から十九年度はかなり減らしたけれども、おおむね減っていないと、こういうことでございます。最近の傾向は、高齢者の方が多く利用されますので車内の転倒事故、それから、自転車が今度車道にも走るようになったので二輪車との接触事故、こういうのがふえていると聞きますけれども、一年三百六十五日、四百件ということでありますので、これはもう少し努力をしなきゃいけないんじゃないかなと思うわけであります。
 都内の道路は、道路混雑、渋滞、また違法駐車も多く、ドライバーにとっては大変厳しい環境であるのはわかりますけれども、利用者を安全に目的地に運ぶのが第一の使命であるわけでありまして、交通局はこれまでも乗務員に対する教育をもちろん行っていると思いますけれども、この事故件数を減らすには新たな取り組みが必要だ。いかがでしょうか。

○金子交通局長 交通局ではこれまでも、バスの乗務員に対して安全意識の徹底、基本動作の確実な励行などを指導してまいりましたが、今般、各営業所で実施しております安全研修の内容を大幅に見直し、充実強化を図ったところでございます。
 また、運行の状況を映像で記録するドライブレコーダーを営業車両の一部に搭載し、記録した運行中の映像を安全研修や日常の乗務員の指導、教育に活用しております。
 さらに、運転中の乗務員の目の動きや車両の運行状況、周囲の状況などを細部まで記録できる運転訓練車をこのたび導入して、新年度から乗務員個人個人の運転特性に応じたきめ細かな指導に活用してまいります。
 これらに加えまして、厳正な点呼、定期的な安全推進運動の実施なども徹底し、さらに安全・安心な都営バスを目指してまいります。

○長橋委員 運転訓練車を導入するということでありますので、ぜひ頑張っていただきたい。ともかくバスの復権に向けて交通局の一層の取り組みを求めたいと思います。
 次に、災害対策について伺います。
 ことしの一月二十三日に池袋で池袋駅周辺混乱防止対策訓練がございました。私も最初から参加をさせていただきましたが、当日は雨が降る中の訓練でありましたが、四千五百人を超える方が参加をいたしまして、避難誘導、時差帰宅訓練、こういうのが行われました。
 昨年十月の国の防災会議では、首都直下型地震が発生した場合、発災直後の一斉帰宅によって大混乱が起きると。それは具体的にいいますと、都心部の道路を中心に、一平方メートル当たり六人以上の満員電車の状態になって、結果、一斉帰宅が起きると雪崩現象が起きるということであります。さらには、トイレや休憩所の不足、避難所の運営など、さまざまな面で混乱が起きるということでありまして、その対策として時差帰宅、時間を分けて帰宅する必要性をここでは述べているわけであります。今回の池袋駅周辺での訓練で、この一斉帰宅を抑制するために時差を設けて分散して帰る、帰宅をする、こういう訓練を初めて実施をしたと聞いております。
 そこで、時差帰宅、池袋で初めて、これをほかのターミナル駅でも訓練に導入すべきと考えますが、いかがでしょうか。

○中田総務局長 駅に滞留していた人が一斉に帰宅した場合、ご指摘のように集団転倒、転ぶということですけれども、こういった二次災害が発生するおそれがございます。これを回避することに加えまして、救急車や消防車など緊急車両の通行を確保する上でも、時差帰宅は重要でございます。
 このため、委員が今いいましたように、一月下旬ですけれども、池袋駅周辺の訓練では、発災当日における時差帰宅訓練を試行し、帰宅開始時期をだれがどのような情報に基づいて判断すべきかなど、具体的な課題が浮き彫りにされました。
 今後、都は、時差帰宅訓練の結果を検証するとともに、課題への対応策を明らかにし、他のターミナル駅の訓練にも時差帰宅の実施を働きかけてまいります。

○長橋委員 非常に大事な、現実的な訓練ですので、ぜひほかの駅でもやっていただきたいと思います。
 次に、同じく池袋の訓練では、豊島区は区内で携帯電話を持つ人に情報をメールで配信するエリアメール、これが初めて行われたそうでございます。震災が起きたときに、電話は通信規制により通話ができなくなる、しにくくなるということでございますので、メールの有効性というのが大変な通信手段となるわけであります。
 今回活用したエリアメール、これは私が持っている携帯電話のメールとは違って、メールアドレスを登録する必要がない。区市町村単位で一斉に配信ができる。外出先で大地震が起きたときに、地震情報だけじゃなくて家族との安否確認、その地域の情報など、自動的にメールで受け取ることができるということでありますので、そのメールを受ければ落ちついて行動ができるのではなかろうかと思うわけであります。このエリアメール、震災時には特に有効な情報手段であると思います。
 だけれども、このエリアメールが一部の事業者の機種しか使えない、こういうふうにも聞きました。そこで、このエリアメールの導入、ぜひ全事業者に広げていただきたい。そして他の区市町村にも広げるべきと考えますが、いかがでしょうか。

○中田総務局長 エリアメールは、一般のメールに優先して配信され、通信の混雑によるおくれがほとんどないため、地震発生直後の迅速な情報提供に活用できます。また、大雨により避難勧告を出す場合など、防災行政無線放送が聞き取りにくい場所への情報提供手段としても有効であり、今後、都は、エリアメールの導入と災害時における活用を区市町村に対して働きかけてまいります。
 現在、エリアメールサービスにつきましては、一部の事業者しか提供していないため、携帯電話の標準機能として付加するよう、他の通信事業者に対しても要請してまいります。

○長橋委員 道理で、私もこの訓練に参加したけども、私の携帯電話には入らなかったと、こういうことであります。今度は私の携帯電話にも入ると。一部の事業者、一つしかやっていない、こういうことでありますので、ぜひ積極的に働きかけていただきたいと思います。
 さて、この訓練、ことしは池袋と品川ですか、やられたと。去年は新宿等でやられた。合計四つ、この訓練が行われてきました。来年また二つやると。合計六つのターミナル駅でこの滞留者訓練をやると聞いております。
 これまでは、地元の協議会、ご苦労して協議会を立ち上げて訓練をしてきたわけでありますが、それぞれ個々にやっていたわけでありまして、これを、首都直下型地震が起きると池袋だけ震災が起きるわけじゃないわけです。東京全体が震災を受けるわけでありまして、そうするとこういう訓練を今度は各駅同時にやる、そして駅同士でまた連携をする、こういった訓練に発展をさせていくことが大事じゃないかなと思うわけであります。
 そこで、今度は同じ日になるべく多くの協議会が連携して訓練を行った方が、より現実的ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○中田総務局長 駅周辺の混乱防止を図るためには、これまでの取り組みをさらに発展させ、ご指摘のように、各駅の協議会が連携して現実に即した訓練を実施することが重要でございます。
 今後、都は、各協議会が連携して実践的な訓練を同一日に実施できるよう、各協議会を初め地元の事業者及び区市に働きかけてまいります。

○長橋委員 ぜひ発展させて取り組んでいただきたい。また、繰り返し行うことが大事であります。池袋はまた来年もやると、こういっておりますので、来年度もやると。ぜひご支援をお願いしておきたいと思います。
 次に、知事にお伺いをしたいと思います。今後の都市づくりについてであります。
 現在、国では、社会資本整備審議会、ここで新しい時代の都市計画はいかにあるべきか、こういうことについて審議をされています。ことしの六月を目途に都市政策の中長期ビジョンを策定して、その後、新たな都市計画制度の検討を行い、答申をすると。新たな都市計画制度をつくるという方向で動いているということであります。
 この中長期ビジョンを策定している都市政策の基本的な課題と方向検討小委員会がことしの一月に行われました。そこで、今後の都市政策の基軸となる考え方、方向について論点が整理をされています。
 さまざまな論点について整理をされているんですけれども、その中に、都市の国際競争力の強化が必要であると、こういうふうにあります。国際的な都市間競争を勝ち抜くためには、特に東京圏は、我が国全体の成長の原資であるから、特別な対応が必要である、一応国はこういうふうにいっているんです。この委員会でその資料として紹介されているのが、IMDという、スイスにある国際経営開発研究所、こういう研究所があるんですが、ここが毎年、各国の国際競争力の調査をしている。世界の先進五十五カ国、地域の順位を決めているわけでありまして、過去二十年間調査をし続けてきている。
 それで、二〇〇八年度、これは直近なんです。二〇〇八年度は日本は二十二位なんです。ところが、このIMDが調査を始めた一九八九年から五年間は、日本はずっと一位をキープしてきた。ところが、その後どんどんどんどん順位を落として、最近では、一九九八年以降ずっと二十位前後を推移しているということであります。
 世界の三大都市といわれるニューヨーク、ロンドン、東京の中で、まちを更新するスピードが遅いんじゃないか、東京はこのようにもいわれています。特に、IMDの調査の中で、二〇〇〇年以降、特に低下傾向にあるのが、政府の効率性が低下傾向にあるそうであります。
 そこで、知事はよく、政府には、日本全体を文明工学としてとらえ、大都市の意味合いを正確に認識する意欲や意識が見られないとか、東京には本当の意味での都市計画がなかったとか、たびたび発言されていますし、また、東京の一極集中という批判に対しては、東京ほど便利な首都はない、非常にコンパクトで機能的なまち並みは外国には余りない、このようにもいわれているわけであります。
 そこで、知事、首都の発展が国力につながるとたびたび知事は発言されておりますけれども、世界の中で、オリンピックを目指す東京として、東京ならではのまちづくりはどのように考えるのか、その思いをちょっとお聞かせいただきたいと思います。

○石原知事 ご指摘のように、敗戦の荒廃の後、残念ながら、焦土と化した東京の再建のための都市計画というのは、あったようでなかった、実はなかったと思うんですね。その結果、まち並みは不整備のままに今日に至っているわけで、部分部分にはかなり現代的で機能的なところもありますけれども、全体を眺めると、私は--だから都市計画局というのはやめた方がいいんじゃないかと、都市整備局に名前を変えました。それぐらいいらいらしたものもございますが、しかし、それでもなお、やっぱり社会全体の動きの中で、これだけ集中、集積が進んでしまい、これは過度ともいえるぐらい集中、集積が進みまして、ある部分は非常に便利でありますけれども、同時に、その集中、集積の荷物を背負い切れない部分もありまして、例えばこのモータリゼーションの時代の環状線というものの不整備というのは、かつての時代のある知事の責任でしょうけれども、しかも、それが歴代知事がかわってもなお、四十年間凍結されたままで来たというのも、これはどこの責任というんでしょうか、国全体、都全体の責任だと思います。
 そういう中で、とにかく再整備ということから始めて、機能的な都市をつくりたいと思っておりますけれども、いずれにしろ、グローバル化が進展する中で、我が国の国際的競争力を強化するには、首都機能を担っておりますこの東京、これが国の政治、経済、文化を先導しているわけでありまして、さらに機能的で魅力のある都市につくりかえていくというのは、これは本当に至難ではありますけれども、やらなくちゃいけない仕事と思います。
 このため、三環状道路を初めとする骨格的な幹線道路の整備、羽田空港におけるさらなる国際化の進展、物流の効率化、これは、海のアクセスも非常に大事でありますから、何で東京湾にある至近の距離の三つの港がばらばらに機能してたか本当に今までわからないところですけれども、やっと川崎、横浜に話しかけて、これは本当に瞬間的に合意ででき上がりました。そういった陸海空の広域ネットワークを再構築していく必要があると思います。
 また、海外の諸都市に類を見ないほど、非常に、特に電車はそうでありますが、この機能が集中した都心部の都市再生を積極的に進めまして、国際的な金融機能というものは、これは何もべらぼうな大きな施設が要るわけじゃありませんし、ITの時代に、本当にコンパクトなキャパシティーで済むことですけれども、これを日本に誘致し切れない、どんどんどんどんそういう機能がほかの国に取られているというのも、これは東京の努力というか、やっぱり政府の努力が足りないんじゃないか、世界の動きに非常に国が鈍いんではないかという感じがいたしますが、いずれにしろ、こういったものを含めて、商業、文化、居住機能なども充実した多様な魅力をさらに備えたエリアに再生していきたいと思っております。
 環境の世紀のトップランナーを目指して、世界に先駆けてこれからの東京を低炭素型都市へと転換するとともに、緑豊かで美しいまち並みの形成に取り組むなど、世界の範となる魅力とにぎわいを備えた環境先進都市の姿をつくった上で、内外にも発信していきたいと思います。
 それでもなお、先ほど申しましたが、イギリスの有力誌によれば、住んでいて気持ちのいい住みやすいまちの三番目に入っていることは、今、委員ご指摘の二十何番目に比べてどういう指数の違いがあるんでしょうか、決してこの「モノクル」誌の評価に安住することなく、私たち、こういう努力をしていきたいと思います。

○長橋委員 今、知事から思いを聞かせていただきました。日本の顔は東京です。東京の顔は石原知事。今、石原知事のご答弁を聞いて、都市整備局長にお伺いをいたします。
 今後、今、知事がご答弁された成熟した都市として発展し続けていくことが大事でございます。インフラや施設の更新、これは必要不可欠でありますが、現在、都市づくりビジョン、来年度改定をすると聞いておりますが、都市整備局長、どういう都市づくりを進めていくのか、課題について伺います。

○只腰都市整備局長 これからの都市づくりでございますが、更新時期を迎えている都市施設あるいは市街地の再整備を進めまして、あわせまして地球温暖化や人口減少など新たな時代の変化を踏まえまして、都市の再構築を進めることが重要というふうに考えてございます。
 具体的に申し上げますと、経済活力の向上はもとより、都市開発の機会をとらえた環境負荷の低減、また、建築物の耐震化など安全・安心の確保に加えまして、豊かな緑や景観の創出を進めていく必要がございます。
 現在、都は、こうした課題への対応を盛り込んだ都市づくりビジョンの改定に取り組んでおります。来年度の早い時期には改定案を公表し、新たな時代の要請や都民ニーズに的確かつ迅速に対応した今後の都市づくりの方向を明らかにしてまいります。

○長橋委員 都市整備局の顔は只腰局長でございます。ぜひ都市づくりビジョン、知事の思いも込めて改定をしていただきたいと思います。
 時間がありませんので、次に、更新を迎えたというキーワードがありましたので、特にマンション対策、私、これが更新を迎えた東京のまちの中で大きな課題であろうかと思います。
 都内のマンションは百四十万戸、四世帯に一世帯はマンション住民であります。そういう中で、旧耐震基準のマンションは二十二万戸あるということでありまして、四月から都市整備局にマンション課ができます。そういう意味では、このマンション対策が進むと期待をしているわけでありますが、全国で初めてマンション課をつくるということでありますし、また、さらには、東京都は平成二十七年度までに住宅の耐震化を九〇%にすると、マンションもできるのか、こういうことでありますので、マンションの耐震化に向けては、去年から始まりましたけれども、なかなか進んでいない。どう進めていくのか、本格的に進めていくべきだと思うんですが、局長の答弁を求めます。

○只腰都市整備局長 マンションの耐震化、今、委員からご指摘ございましたように、喫緊の課題でございます。耐震改修助成事業を開始しました平成二十年度は、今年度でございますが、八百戸、来年度、二十一年度は二千戸を計画してございます。
 都はこれまで、耐震診断・改修助成や普及啓発活動に取り組んでまいりましたが、区分所有者間の合意形成の一層の促進を図るため、平成二十一年度から、管理組合に専門家を派遣する際に助成する耐震アドバイザー派遣事業を新設いたします。
 今後とも、区市や関係団体と密接に連携し、マンションの耐震化を強力に推進してまいります。

○長橋委員 ぜひ、よろしくお願いをいたします。
 次に、区部の霊園の再生事業について伺いたいと思います。
 区部霊園の再生事業、霊園は豊島区に二つございます。二十三区の中で四つのうち二つが豊島区にあるんですけれども、そこで、私は、平成十四年のときに、この区部霊園の全面公園化は厳しいんじゃないか、困難じゃないかということで、霊園と公園の共存化を大前提に、新しい霊園のビジョンを都民に示すべきだ、このように提案をいたしました。
 その年の平成十四年十二月五日に公園審議会から答申がありまして、霊園と公園が共存とした空間として再生する、この画期的な答申が出たわけであります。以来、六年間が経過をいたしました。時間がないので--青山霊園と谷中霊園については再生事業を進めているわけでありますが、私の地元の染井霊園と雑司ケ谷霊園、これについては、青山、谷中霊園を継承して、実施に向けて検討していく、こういうことを聞いております。
 ところが、都立霊園、私も何回も行っていますけれども、大変すばらしいところで、憩いの場所であるわけでありまして、染井霊園、雑司ケ谷霊園、ここには夏目漱石、岡倉天心などのお墓もあって、また、霊園の中には大きな樹木があって、豊かな資源があるということでありまして、地元の皆さんには散策や休憩の場所として大変に親しまれているわけであります。
 そこで、染井霊園と雑司ケ谷霊園の再生事業についてはこれからということでありますが、これからですけれども、都民に親しまれる取り組みは今からでもできるんじゃなかろうかと思いますが、いかがでしょうか。

○道家建設局長 まず、都立霊園は、都民の共有の貴重な財産として、墓参者や墓参以外の目的で訪れる都民も快適に利用できるよう管理することが重要でございます。雑司ケ谷霊園や染井霊園では、園内を気持ちよく散策することができるよう園路の補修やトイレの改修、思い出ベンチ等の設置などの維持管理を行っております。
 また、著名人の墓所を訪ね、先人をしのぶことができるよう墓所の位置を示したリーフレットを作成し、希望者の方々に配布して活用していただいているところでございます。
 今後とも、これら霊園が広く都民に親しまれるような取り組みを進めてまいります。

○長橋委員 今、パネルを見ていただいて、お手元には写真を配っておりますが、染井霊園、この入り口ですけれども、すばらしい桜の木があります。きのうのパネルと比べてわかりやすいわけであります。
 染井霊園のある駒込は、かつては染井村と呼ばれていまして、ソメイヨシノはここにあった植木職人が開発した。ソメイヨシノ発祥の地でございます。全国で最も有名な桜がソメイヨシノ。毎年三月に行う桜の開花予想、これはソメイヨシノを基準にして気象庁が発表している。
 地元では本当に有名なソメイヨシノによるまちおこしを進めているわけであります。例えば、地域の活性化へ向けて、地元の町会や商店街でソメイヨシノ桜祭り、いろいろな地域で桜祭りがあると思いますが、ソメイヨシノ桜祭り。
 また、この三月に、豊島区のこのすぐ近くに区立公園をオープンする。染井吉野桜公園という区立公園がオープンする。
 そこで、地元は、そこの公園と--そこには小学校も近くにある。道路の並木にも桜がある。で、終点がこの染井霊園であります。そこで、そこを結んだ桜の回廊をつくろう、こういう地元のまちおこしがあるわけであります。
 そこで、染井霊園に美しく咲くソメイヨシノが、昼だけじゃなくて、夜も含めて美しく見たい、こういうことでありまして、霊園の入り口にあるソメイヨシノをぜひ夜間は照明してくれないかと、地元から強い要望があります。こうした地元の取り組みに対して、建設局長、ご答弁をお願いします。

○道家建設局長 染井霊園は、ただいま委員がパネルでお示しの入り口付近のソメイヨシノを初めとして、約百本のソメイヨシノを植樹するなど、緑豊かで風格のある霊園でございまして、近隣の方々の散策や休憩にも利用され、特に桜の季節などには多くの都民が訪れております。
 霊園では、ソメイヨシノの健全な育成に努めるとともに、町会などが中心となって行うソメイヨシノを活用した地域活性化の取り組みとの連携について、静かで落ちついた霊園の雰囲気に配慮しながら準備を行っているところでございます。
 今後とも、霊園本来の機能を踏まえながら適切な管理運営に努めてまいります。

○長橋委員 やるということでございますので、やるとどうなるか。(パネルを示す)これは六義園の桜でありますが、ソメイヨシノはやったことがないのでわかりませんけど、六義園はこのようになる。都立庭園、公園では六義園、浜離宮、神代植物園でやっている。都立霊園は初めて。余り明るくしないように、適度な明るさでやっていただきたいと思います。
 霊園については、以上でございます。
 時間がございません。最後に、私はもう何回も何回も取り上げてきました発達障害者支援について伺います。
 自閉症、発達障害、平成十七年から世田谷区でモデル事業がスタートしました。今年度から、世田谷の一区から五区に拡大をして、早期発見、早期対応の支援手法の開発に取り組んでおります。発達障害者支援は、就学前にいかに早く発見して医療や療育につなげていくかが最も大事であります。
 そこで、いつまでもモデルじゃなくて、東京全体に広めるべきだ、これはもうずっと私がいい続けているわけでありますし、就学前に早く発見するには、就学時健診の前にもう一回健診をやるべきだ、こういうことで、世田谷なんかはやっているわけでありますが、そこで、現在のモデル事業、これを早く他の区市町村に普及をさせていく、区市町村だけじゃなくて関係機関、障害者を抱える保護者にも伝えていく、これが重要であろうかと思いますが、あわせて答弁をお願いします。

○安藤福祉保健局長 都は、お話しのモデル事業について、四歳六カ月児の発達、発育相談の実施、保育士など支援者向けの対応の手引や保護者のための家族支援プログラムの作成など、早期発見、早期療育の支援手法の開発を行っております。
 来年度は引き続き本事業を実施していくとともに、その成果を普及させるため、これまでの取り組みの評価を行った上で、すべての区市町村を対象として、具体的な支援のノウハウに関する研修を実施いたします。
 次いで、都は、発達障害者支援センター等におきまして、本人、家族に対する相談を実施するとともに、区市町村や関係機関に対しまして専門的な指導助言を行っております。
 来年度は、区市町村職員等の相談対応能力の向上を図るため、具体的な事例に基づいて、発達障害者への支援のポイントなどをわかりやすく解説するハンドブックを新たに作成し、区市町村や医療機関などに活用を働きかけてまいります。
 あわせて、一般の方に発達障害への理解を深めていただくための普及啓発活動にも鋭意取り組んでまいります。

○長橋委員 そういうふうな答弁がありました。ぜひ、再び申し上げますけれども、世田谷区は四・六歳児健診をやっている。こういうことを、検証を早くして早期発見に取り組んでいただきたい。
 私がずっと訴えてきまして、都立大塚病院に小児精神科外来ができます。ことし秋にできるということを答弁で聞いてまいりました。私の地元の方々に、ことしの秋にできますよと、こういうことでございます。
 大塚病院の中にできるんじゃなくて、大塚病院の敷地の中に、別棟でできるわけであります。今、工事が進んでおります。地元の方からは物すごい期待がある。秋にできるということは、じゃ、いつから予約できるんですか、こういう話が聞こえるわけであります。私もいつから予約できるといいたいんだけれども、いえない。病院経営本部長、この開設はいつなのか、明確に答弁していただくとともに、当然、できるわけですから、地元の人たちにパンフレットもつくるんであろうかと思うわけであります。
 また、この名称も、小児精神科外来というのは、どうも敷居が高いんです。そういった意味で、パンフレットを作成する--当然、パンフレットをつくって予約を受け付けて、オープンと、こういうことでありますから、そのパンフレットの中身についても、梅ケ丘に行って予約がなかなかできない、そういう中でできますので、そういったオープンの日、そしてパンフレットの中身、もろもろ含めて最後、ご答弁いただいて、終わりたいと思います。

○中井病院経営本部長 大塚病院小児精神科外来でございますが、梅ケ丘病院が小児総合医療センターに移転統合する、これに伴いまして、主に区部のニーズにこたえるために開設するものでございます。
 その開設時期でございますが、移転統合に先立ちまして、二十一年十月一日に予定をさせていただいております。
 また、予約のお話ございましたが、予約につきましては、今後、医師等の専門スタッフを交えて開設準備を進めていく中で、梅ケ丘病院からの患者さんの引き継ぎなど、さまざまな課題を整理した上で予約の開始日を決定してまいりますが、予約をする患者さんの時間的余裕にも十分配慮させていただきまして、判断、周知を行ってまいりたいというふうに考えております。
 それから、利用者の方々の利便性についても十分配慮する必要があろうかと考えております。この新たな別館におきましては、CTやMRIなどの大型の検査機器を必要とする検査以外は、受け付けから検査、診療、会計に至るまで、基本的なことはこの外来別館の中で完結できるよう設計をしているところでございます。
 また、案内用のパンフレットの件でございますが、ご指摘のとおり、作成に当たりましては、単に診療科の案内ということではなくて、非常にわかりやすく親しみやすいものにしていきたいというふうに考えております。お子さんの発達障害などの診療を行いますとか、あるいは発達を援助し、社会性を広げるためのデイケアを行う施設ですといったような形でわかりやすい表現をさせていただき、それとともに地元自治体や医師会など関係機関にも十分周知をしてまいりたいというふうに考えております。

○石川副委員長 長橋桂一委員の発言は終わりました。(拍手)

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