東京都議会予算特別委員会速記録第七号

平成二十年三月二十六日(水曜日)
第十五委員会室
   午後二時四十六分開議
 出席委員 三十九名
委員長三宅 茂樹君
副委員長小磯 善彦君
副委員長川井しげお君
副委員長大沢  昇君
理事野島 善司君
理事高橋かずみ君
理事曽根はじめ君
理事藤井  一君
理事山下 太郎君
理事田中  良君
遠藤  守君
米沢 正和君
西岡真一郎君
田中たけし君
早坂 義弘君
高橋 信博君
原田 恭子君
尾崎 大介君
上野 和彦君
吉倉 正美君
谷村 孝彦君
村上 英子君
鈴木あきまさ君
串田 克巳君
吉原  修君
今村 るか君
斉藤あつし君
泉谷つよし君
増子 博樹君
野上 純子君
東村 邦浩君
菅  東一君
矢島 千秋君
古館 和憲君
三原まさつぐ君
林田  武君
酒井 大史君
大山とも子君
吉田 信夫君

欠席委員 なし

 出席説明員
知事石原慎太郎君
副知事谷川 健次君
副知事菅原 秀夫君
副知事山口 一久君
副知事猪瀬 直樹君
警視総監矢代 隆義君
教育長中村 正彦君
知事本局長大原 正行君
青少年・治安対策本部長久我 英一君
東京オリンピック招致本部長荒川  満君
総務局長押元  洋君
財務局長村山 寛司君
主税局長熊野 順祥君
生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君
都市整備局長只腰 憲久君
環境局長吉川 和夫君
福祉保健局長安藤 立美君
病院経営本部長秋山 俊行君
産業労働局長佐藤  広君
中央卸売市場長比留間英人君
建設局長道家 孝行君
港湾局長斉藤 一美君
会計管理局長三枝 修一君
消防総監小林 輝幸君
交通局長島田 健一君
水道局長東岡 創示君
下水道局長前田 正博君
選挙管理委員会事務局長梶原 康二君
人事委員会事務局長矢口 幸一君
監査事務局長白石弥生子君
労働委員会事務局長有留 武司君
収用委員会事務局長中田 清己君

本日の会議に付した事件
付託議案の審査(決定)
・第一号議案 平成二十年度東京都一般会計予算
・第二号議案 平成二十年度東京都特別区財政調整会計予算
・第三号議案 平成二十年度東京都地方消費税清算会計予算
・第四号議案 平成二十年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計予算
・第五号議案 平成二十年度東京都母子福祉貸付資金会計予算
・第六号議案 平成二十年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
・第七号議案 平成二十年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
・第八号議案 平成二十年度東京都農業改良資金助成会計予算
・第九号議案 平成二十年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
・第十号議案 平成二十年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
・第十一号議案 平成二十年度東京都と場会計予算
・第十二号議案 平成二十年度東京都都営住宅等事業会計予算
・第十三号議案 平成二十年度東京都都営住宅等保証金会計予算
・第十四号議案 平成二十年度東京都都市開発資金会計予算
・第十五号議案 平成二十年度東京都用地会計予算
・第十六号議案 平成二十年度東京都公債費会計予算
・第十七号議案 平成二十年度東京都多摩ニュータウン事業会計予算
・第十八号議案 平成二十年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算
・第十九号議案 平成二十年度東京都病院会計予算
・第二十号議案 平成二十年度東京都中央卸売市場会計予算
・第二十一号議案 平成二十年度東京都都市再開発事業会計予算
・第二十二号議案 平成二十年度東京都臨海地域開発事業会計予算
・第二十三号議案 平成二十年度東京都港湾事業会計予算
・第二十四号議案 平成二十年度東京都交通事業会計予算
・第二十五号議案 平成二十年度東京都高速電車事業会計予算
・第二十六号議案 平成二十年度東京都電気事業会計予算
・第二十七号議案 平成二十年度東京都水道事業会計予算
・第二十八号議案 平成二十年度東京都工業用水道事業会計予算
・第二十九号議案 平成二十年度東京都下水道事業会計予算
・第百三十一号議案 平成二十年度東京都一般会計補正予算(第一号)

 第一号議案、第十二号議案、第二十一号議案及び第二十七号議案に対する編成替えを求める動議の提出理由説明
・曽根はじめ君

 討論
・増子 博樹君
・林田  武君
・古館 和憲君
・野上 純子君
・原田 恭子君

○三宅委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。
 これより付託議案の審査を行います。
 第一号議案から第二十九号議案まで、及び第百三十一号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、既に質疑を終了いたしております。
 ただいま第一号議案、第十二号議案、第二十一号議案及び第二十七号議案に対し、古館和憲委員外三名から編成替えを求める動議が、また、第一号議案及び第二十号議案に対し、西岡真一郎委員外九名から付帯決議案が、また、第百三十一号議案に対し、遠藤守委員外二十三名から付帯決議案がそれぞれ提出されました。
 案文はお手元に配布してあります。
 案文の朗読は省略いたします。

第一号議案 平成二十年度東京都一般会計予算、第十二号議案 平成二十年度東京都都営住宅等事業会計予算、第二十一号議案平成二十年度東京都都市再開発事業会計予算及び第二十七号議案 平成二十年度東京都水道事業会計予算の編成替えを求める動議
 第一号議案平成二十年度東京都一般会計予算については、知事は、これを撤回し、別記要領により速やかに編成替えをするよう求めるとともに、関連する第十二号議案平成二十年度東京都都営住宅等事業会計予算、第二十一号議案平成二十年度東京都都市再開発事業会計予算及び第二十七号議案平成二十年度東京都水道事業会計予算についても併せて編成替えの上、再提出することを求める。
 右の動議を提出する。
  平成二十年三月二十六日
(提出者)
 古館和憲 曽根はじめ 大山とも子 吉田信夫
予算特別委員長殿

     記
一般会計
 歳入
1 分担金及負担金、繰入金等を九十八億四千百万円減額する。
2 使用料及手数料を四十三億三千七百万円減額する。
3 国庫支出金を百六十一億六千八百万円減額する。
4 都債を六百九十三億一千二百万円減額する。
 歳出
1 総務費を三十一億一千二百万円減額する。
(1) 電子都庁の実現は段階的に行うべきであるため、電子都庁の推進経費の三分の一を削減し、十三億一千二百万円を減額する。
(2) 同和対策事業が終了しているため、事実上、同和対策事業として残されている経費四百万円を削除する。
(3) 飲食接待が多く含まれているため、知事等交際費の二分の一を削減し、一千万円を減額する。
(4) 知事等の海外出張費は豪華過ぎるため、二分の一を削減し、八百万円を減額する。
(5) 事業計画が示されず積算根拠や他の人材育成事業経費との関連が不明確な基金積立金等であるため、アジア大都市ネットワーク21の経費七十三億円を減額する。
(6) 横田基地の軍民共用化を推進するための経費七千四百万円を削除する。
(7) 横田基地の全面返還を推進するため、七千四百万円を計上する。
(8) オリンピック招致をてこに大型開発による環境破壊をもたらすものであり、都民合意も得られていないため、オリンピック招致事業経費二十五億八千百万円を削除する。
(9) 招致賛成世論が高まらない中、なりふりかまわず人、物、金を投入するため、オリンピックムーブメントの推進経費十八億円を削除する。
(10) 民間資金が十分集まらないための穴埋め的性格の予算であるため、特定非営利活動法人東京オリンピック招致委員会事業費補助経費十二億三千七百万円を削除する。
(11) 危険であり、三宅村の負担も重いため、オートバイレースによる島しょ振興経費一千万円を削除する。
(12) 多摩地域の市町村での施策の一層の推進に寄与するため、市町村総合交付金百億円を増額する。
(13) 平成十九年度で終了する三宅島への特別交付金を継続するため、三宅島災害復旧・復興特別交付金十億円を計上する。
(14) 島しょ地域の産業・観光振興等を図るため、財団法人東京都島しょ振興公社貸付等の経費一千万円を増額する。
(15) 臨海地域における地震被害の調査・対策のため、液状化・側方流動被害想定調査経費として、四千万円を計上する。
(16) 長周期地震動による超高層ビル等の被害の調査・対策のため、長周期地震動被害対策経費として、一億円を計上する。
2 生活文化スポーツ費を四十九億三千九百万円増額する。
(1) 調査、普及啓発活動の充実等を行うため、男女平等施策の経費六千二百万円を増額する。
(2) 原油高騰対策、敬老入浴、低所得者入浴や親子の触れ合いの場を広げるための補助を行うため、公衆浴場活性化支援事業を創設する経費として、七億四千四百万円を計上する。
(3) 増加・多様化・複雑化する消費者相談に対応するため、消費生活総合センターの運営経費一億三百万円を増額する。
(4) 多摩消費生活センターにおける商品テスト・直接相談を再開するため、消費生活総合センターの運営経費四千百万円を増額する。
(5) 東京都平和の日記念行事を充実するため、「東京都平和の日」記念行事等の経費三千四百万円を増額する。
(6) 「東京都平和記念館(仮称)」の建設凍結を解除し、建設に向けた準備を開始するため、建設準備経費として、一千万円を計上する。
(7) 都内在住・在勤の六十五歳以上の高齢者に芸術鑑賞への補助を行うため、東京都シルバーエイジ芸術鑑賞補助事業経費として、一千六百万円を計上する。
(8) 新進音楽家の登用の道を開き、都民が身近に音楽に接する機会を増やすため、フレッシュ名曲コンサート事業経費七千五百万円を増額する。
(9) 子どものための体験型プログラムを拡充するため、子ども向け舞台芸術参加・体験プログラム事業経費三千五百万円を増額する。
(10) 小中学生などに対する音楽鑑賞教室をアウトリーチ活動など体験型も加えた事業として実施するため、音楽鑑賞教室の事業経費として、一億円を計上する。
(11) 恒常的にスポンサーを持たない在京オーケストラに運営費の補助を行うため、運営費補助経費として、五億円を計上する。
(12) 財団法人東京都交響楽団の演奏活動の拡充を図るため、財団法人東京都交響楽団助成経費五億円を増額する。
(13) トーキョーワンダーサイトは、都民の文化・芸術分野での要望にこたえていないため、三億六千五百万円を削除する。
(14) 都民の文化・芸術分野での要望にこたえ、多方面にわたる文化・芸術活動を広く支援する仕組みを創設するため、都民の文化・芸術総合支援事業経費として、三億六千五百万円を計上する。
(15) 都立の文化施設を充実させるため、運営費・収蔵等の経費二十三億二千百万円を増額する。
(16) 「武蔵野の森総合スポーツ施設」の建設凍結を解除し、多摩地域の都立総合スポーツ施設建設に向け、地元市との調整や都民ニーズの調査などを行うため、武蔵野の森総合スポーツ施設建設準備経費として、一千万円を計上する。
(17) 老朽化した都立のスポーツ施設の改修・改築を促進するため、改修・改築の経費八千八百万円を増額する。
(18) 各種スポーツ大会補助等の経費三億円を増額する。
3 都市整備費を百十六億八千二百万円減額する。
(1) 東京の一極集中による温暖化、防災などの危機的状況を打開するため、持続可能な都市づくりに向けた基礎調査費として、一千万円を計上する。
(2) 持続可能な都市づくりを都民参加で進めるため、都民会議の設置経費として、五百万円を計上する。
(3) 上目黒一丁目地区プロジェクトは、「先行まちづくりプロジェクト」として実施する都有地の民間活用プロジェクトであるため、八百万円を削除する。
(4) 首都圏メガロポリス構想は、超高層ビルと大型幹線道路中心に推進するものであるため、首都圏メガロポリスの圏域づくり推進事業費六百万円を削除する。
(5) 都市再生ステップアッププロジェクトは、民間プロジェクトにリンクした複数の都有地の活用による開発を進めるものであるため、一千万円を削除する。
(6) アジア大都市ネットワーク21共同事業は、中小型ジェット機を開発する内容であり、本来都の仕事ではないため、二百万円を削除する。
(7) 過大な水需給計画に基づく八ッ場ダムなどの建設に伴う周辺対策のためのものであるため、利根川・荒川水源地域対策基金の事業費負担金等六億六千万円を削除する。
(8) 外郭環状道路の本体及び上部道路に関する調査であるため、外環に係わるまちづくりに関する調査費三千六百万円を削除する。
(9) 羽田空港の整備事業は本来国の責任で行う事業であり、しかも横田基地については、軍民共用化のためのものでもあるため、東京における航空機能に関する調査費三千万円を削除する。
(10) 渋谷駅周辺地区は、都市再生緊急整備地域に指定され、その計画の策定経費であるため、渋谷地区都市基盤整備計画策定調査費三千三百万円を削除する。
(11) JR品川駅周辺の計画策定のための調査であるため、品川駅周辺整備計画策定調査費二千万円を削除する。
(12) 臨海地域に自動車交通を集中させ、大気汚染など環境悪化を招く大型幹線道路優先の調査であるため、都市高速道路晴海線に関する調査費三千万円を削除する。
(13) 晴海のオリンピックスタジアムへの観客輸送のためのLRT、BRTの導入を目指す調査であるため、東京臨海地域における公共交通検討調査費四千万円を削除する。
(14) 首都高速道路株式会社への出資金は、浪費型投資のものであるため、首都高速道路整備事業出資金の二分の一を削減し、四十七億六百万円を減額する。
(15) 臨海高速鉄道の大崎延伸に伴う工事費は、本来JRが負担すべきものであるため、東京臨海高速鉄道株式会社経営基盤強化のための出資金十七億二千三百万円を削除する。
(16) 羽田空港の整備事業は、本来国の責任で行う事業であるため、羽田空港再拡張事業費百八十五億七千万円を削除する。
(17) 東京駅東西自由通路の建設費は、本来JR及び周辺企業が負担すべきものであるため、都市再生交通拠点整備事業費二億三千四百万円を削除する。
(18) 各自治体のミニバス事業の支援を行うために地域密着型ミニバス事業の運営費助成制度を創設するため、五億円を計上する。
(19) 多摩地域の格差のひとつであるシルバーパスの利用を多摩都市モノレールに拡大するため、五億円を計上する。
(20) 外環道と中央道を接続する中央ジャンクション整備を前提とした、ジャンクション周辺を市街地整備の手法による開発を進めるものであるため、中央ジャンクション周辺のまちづくり推進調査費三千万円を削除する。
(21) 住民の反対がある駅前開発が推進されているため、財団法人東京都新都市建設公社助成費の二分の一を削減し、三億八千万円を減額する。
(22) 臨海開発のための道路建設であり、本来開発者が負担すべきものであるため、臨海都市基盤関連街路の整備費十八億八千百万円を削除する。
(23) 巨額の税金投入と住環境破壊をもたらす都市再開発事業であるため、都市再開発事業会計支出金百二十八億四千万円を削除する。
(24) 大企業奉仕の大規模開発であるため、汐留地区の土地区画整理事業費八十二億一千九百万円を削除する。
(25) 大企業奉仕の大規模開発であるため、秋葉原地区の土地区画整理事業費三十七億八千八百万円を削除する。
(26) 環境破壊をもたらす開発であるため、南山東部地区の土地区画整理助成費一億九千七百万円を削除する。
(27) 環境破壊をもたらす開発であるため、坂浜平尾地区の土地区画整理事業費三千三百万円を削除する。
(28) 都道建設のための都営住宅の再編であるため、都市づくりと連携した都営住宅再編整備の推進経費六億八千二百万円を削除する。
(29) 瑞江駅西部地区を含む六地区の土地区画整理事業を拡充するため、区画整理事業費八十五億七千六百万円を増額する。
(30) 防災密集地域再生促進事業を拡充するため、事業費十一億八千五百万円を増額する。
(31) 都の助成要件を満たしていない木造戸建住宅の耐震診断に対する助成制度を創設するため、十億円を計上する。
(32) 都の助成要件を満たしていない木造戸建住宅の耐震補強工事に対する助成制度を創設するため、五十億円を計上する。
(33) 木造共同賃貸住宅の耐震診断に対する助成制度を創設するため、五億円を計上する。
(34) 区市等で行われている木造住宅リフォーム事業の支援のため、一億円を計上する。
(35) 新規に都営住宅一千戸を建設し住宅の困窮者に対応するため、都営住宅等事業会計繰出金百億円を増額する。
(36) 都営住宅の家賃減免制度を平成十一年度の水準に戻すため、都営住宅等事業会計繰出金八億五千万円を増額する。
(37) 都営住宅におけるエレベーターを五十基分追加設置するため、都営住宅等事業会計繰出金十五億五千万円を増額する。
(38) 高い家賃負担に苦しむ生活困窮世帯への生活応援家賃助成事業を創設するため、百二十億円を計上する。
(39) 区市町村と連携したマンション対策を推進するため、都内すべてのマンションの実態調査を実施する経費として、六億円を計上する。
(40) マンション対策を推進するため、都庁舎にマンション相談室を開設する経費として、一億円を計上する。
4 環境費を百三十三億五千百万円増額する。
(1) 複数の開発による影響も含めた環境の総合的事前アセスメント制度を創設するため、調査経費として、一千万円を計上する。
(2) 環境科学研究所の公社への委託を中止するため、環境科学研究所の公社への委託費七億五千九百万円を削除する。
(3) 環境科学研究所を直営とし、ヒートアイランド現象の解明など調査研究を拡充するため、八億四千五百万円を計上する。
(4) 超高層ビルや道路からの二酸化炭素の排出量規制のための調査を実施するため、調査対策経費として、三千万円を計上する。
(5) ヒートアイランド現象の特性を把握するため、気象観測のメトロスを復活する経費として、三千万円を計上する。
(6) 屋上緑化、保水性舗装などによるヒートアイランド対策を拡充するため、対策経費四千二百万円を増額する。
(7) 都の施設への太陽光パネル設置等による新エネルギー利用を都が率先して推進する事業を拡充するため、推進経費一億五百万円を増額する。
(8) 保全緑地の公有化の拡充のため、百億円を増額する。
(9) 保存樹林地等公有化貸付資金制度を復活するため、三十億円を計上する。
(10) 自然林全体の管理ができるよう、地元管理事務所と連携し山林・農地を守る自然保護員を三名増員するため、一千三百万円を増額する。
(11) 非飛散性アスベスト建材の解体時飛散防止対策を継続・拡充するため、三千五百万円を増額する。
5 福祉保健費を五百六十六億四千六百万円増額する。
(1) 二次救急医療機関が重症救急患者の受入れを充実させるために行う医師確保を支援する救急医療体制緊急強化事業を創設する経費として、一億八百万円を計上する。
(2) 小児休日・全夜間診療事業を拡充するため、小児初期救急対応支援加算を創設する経費として、二億四千万円を増額する。
(3) 小児ドクターカーを配備拡充するため、八千万円を増額する。
(4) 周産期・産科医療の危機打開のため、二次救急医療機関における緊急受入れ体制整備に対して補助を行う周産期連携病院事業を創設するため、三億八千三百万円を計上する。
(5) 公立病院の医療水準を充実するため、公立病院運営費補助経費一億九千百万円を増額する。
(6) 国の療養病床削減方針の下で現行病床数を維持するため、療養病床緊急支援運営費補助経費として、十億五千万円を計上する。
(7) 在宅がん患者の緩和ケア支援体制を構築する在宅緩和ケア推進モデル事業を創設するため、一千二百万円を計上する。
(8) がん対策推進条例の策定を検討するための経費として、百万円を計上する。
(9) 地域リハビリテーション支援センターの相談体制などの機能を強化するため、一億二千万円を増額する。
(10) 不足している看護師の養成を強化するため、閉校した豊島看護専門学校の再開及び北多摩看護専門学校の定員減分を復元させるための準備経費として、五百万円を増額する。
(11) 小児科医師・産科医師、地域医療などを志望する学生への奨学金制度を創設するため、二千四百万円を計上する。
(12) 離職している医師を登録して再就職支援するドクターバンクを創設するため、二千万円を計上する。
(13) 都職員として医師を雇用し、医師不足が特に深刻な地域の医療機関に派遣するドクター・プール制度を創設する経費として、七千五百万円を計上する。
(14) 保健師、食品衛生監視員などの配置を増員し、保健所のサービスを充実するため、一億五千三百万円を増額する。
(15) 若年フリーターやネットカフェ難民などの健康診断事業を行う保健所、区市町村などを支援するための若年者健康診断事業を創設するため、二億円を計上する。
(16) 難病相談・支援センターの専門相談員を増員するため、九百万円を増額する。
(17) インターフェロン以外の治療やB型ウイルス肝炎についても助成対象に加え、ウイルス肝炎医療費助成を拡充するため、六億六百万円を増額する。
(18) 原子爆弾被爆者健康指導委託事業費を平成九年度と同水準に戻すため、百万円を増額する。
(19) 乳幼児医療費助成制度における所得制限を撤廃するため、一億八千三百万円を増額する。
(20) 小学一年生から中学三年生までの医療費無料化を実施するため、十四億四千二百万円を計上する。
(21) ひとり親家庭等医療費助成を自己負担なしの制度に戻すため、二億六千四百万円を増額する。
(22) 六十五歳から六十九歳までの高齢者に対し、医療費窓口負担のうち一割分を助成する制度を創設するため、四十億五千六百万円を計上する。
(23) 心身障害者(児)医療費助成を自己負担なしの制度に戻すため、十九億八千八百万円を増額する。
(24) 国民健康保険料(税)の均等割額を引き下げるため、区市町村及び国民健康保険組合に対して補助を行う国民健康保険料(税)軽減補助の創設経費として、六十七億五千万円を計上する。
(25) 後期高齢者医療制度における低所得者の保険料負担を軽減するため、東京都後期高齢者医療広域連合に対して補助する経費として、十五億円を計上する。
(26) 生活保護世帯の小中学生に支給されている健全育成費の対象に高校生を追加するため、三千万円を増額する。
(27) 未帰島被災者の生活支援を継続するため、三宅島被災者帰島応援手当として、二千二百万円を増額する。
(28) ノンステップバスを増やし、だれにも乗り降りしやすいバス整備事業を助成する経費三億六千六百万円を増額する。
(29) 平成十九年度に廃止された、だれにも乗り降りしやすいタクシー整備事業の助成を再開するため、五百万円を計上する。
(30) 都と企業、障害者団体等による「ユニバーサルデザイン推進協議会」を設置するため、五百万円を計上する。
(31) 身近な地域できめ細かいサービスを提供する住民参加型団体に対する地域福祉推進事業補助を拡充するため、二億二百万円を計上する。
(32) 介護保険料の減免を実施する区市町村に対する補助制度を創設するため、二十四億五千万円を計上する。
(33) 介護保険利用料の減免を実施する区市町村に対する補助制度を創設するため、二十億円を計上する。
(34) 在宅の重度要介護高齢者へ手当を支給する制度を創設するため、三十六億円を計上する。
(35) 住民税課税者に対し、所得に応じた三千円のシルバーパスを新設する経費として、三十億円を増額する。
(36) 認知症高齢者グループホームの利用促進を図るため、家賃の助成制度を創設する経費として、二億四千万円を計上する。
(37) 職員の確保・定着を促進し、利用者サービス向上を図るための特別養護老人ホーム人件費補助制度を創設する経費として、二十二億三千万円を計上する。
(38) 妊婦健診助成制度を創設するため、三十九億四千万円を計上する。
(39) 病児保育施設の運営費を補助する病児保育促進支援事業を創設するため、四千五百万円を計上する。
(40) 「子どもの事故防止対策委員会」を設置して原因分析、予防対策の検討・普及啓発などに取り組む医療機関に対して補助を行う子どもの事故防止対策推進補助を創設する経費として、一千二百万円を計上する。
(41) 母子家庭高等技能訓練促進費を拡充し、資格取得の学費を補助するため、二億六千四百万円を増額する。
(42) 私立保育園等に対する民間社会福祉施設サービス推進費補助を拡充するため、十二億五千万円を増額する。
(43) 住民税非課税者に対し、障害者自立支援法による定率負担をすべての在宅サービスで無料化する利用者負担減免を実施するため、七億二千万円を計上する。
(44) 重度心身障害者手当の所得制限を撤廃するため、九億円を計上する。
(45) 心身障害者福祉手当を精神障害者にも支給するため、九億三千万円を計上する。
(46) 盲導犬の餌代の補助を復活し、盲導犬の飼育費を助成するため、百万円を計上する。
(47) 在宅酸素濃縮装置の電気代補助制度を創設するため、一億三千万円を計上する。
(48) 東京都障害者差別禁止条例の策定を検討するため、百万円を計上する。
(49) 障害者が身近な地域でスポーツに親しむことができる条件を整備するための「障害者スポーツ振興計画」を検討・策定する経費として、五百万円を計上する。
(50) 輸入食品に対する監視体制を強化するため、輸入食品監視班を増やす経費として、三千六百万円を増額する。
(51) 子どものインフルエンザ予防接種を促進するため、助成制度の創設経費として、二億円を計上する。
(52) 待機者解消を目指し、特別養護老人ホームの整備を促進するため、七十三億七千六百万円を増額する。
(53) 小規模多機能施設などの地域密着型サービスを整備促進するため、三億七千五百万円を増額する。
(54) 特別養護老人ホームや老人保健施設が民家等を活用した「地域サテライトケア」を実施するための施設整備費等に対する補助制度を創設する経費として、七千五百万円を計上する。
(55) 老人保健施設の整備を促進するため、四十二億七千五百万円を増額する。
(56) 認可保育所の整備を促進するため、区市町村、社会福祉法人に対する用地費助成制度を創設する経費として、二十五億円を計上する。
6 産業労働費を四百四十七億四千七百万円増額する。
(1) 区部の産業支援拠点である地方独立行政法人都立産業技術研究センターの臨海部での整備を中止するため、二十一億一千三百万円を削除する。
(2) 地方独立行政法人都立産業技術研究センターは、地方独立行政法人から都の直営に変更して存続させるため、運営費五十二億一千万円を削除する。
(3) 地方独立行政法人都立産業技術研究センターを都の直営に変更して存続させるため、五十億円を計上する。
(4) 地方独立行政法人都立産業技術研究センターの改修を進めるため、二千万円を増額する。
(5) 中小企業振興条例の策定に向けた調査、検討を行うため、一千万円を計上する。
(6) 工業集積地域のものづくり支援事業を発展させ、新工業集積地域活性化事業第二期事業として継続するため、五億円を計上する。
(7) 商工指導所を再開し、調査・研究や経営相談活動等を開始するため、一億七千万円を計上する。
(8) 技術・経営の専門家を派遣して、中小企業等に対する技術、マーケティング、資金調達など操業支援の相談に応じるインキュベーションマネージャー派遣事業を創設するため、一億円を計上する。
(9) 買いたたき・不当廉売・差別対価などの実態を把握するため、下請け取引緊急Gメンを創設する経費として、一億八千万円を計上する。
(10) ものづくりの人材育成に取り組む区市町村を補助するため、三千万円を計上する。
(11) 中小企業が開発した製品の販路拡大を支援するため、「東京ブランド」認証制度を創設する経費として、二千万円を計上する。
(12) 多摩地域の産業クラスターを支援する多摩地区産業交流拠点整備の準備のため、二千万円を計上する。
(13) 工場アパートの建設、工場建て替え中の一時移転の支援などに取り組む区市町村を支援する区市町村直営工場アパート建設補助経費として、二億円を計上する。
(14) 省エネ、騒音・排気などの環境改善に取り組む工場を支援する工場環境保全事業助成制度を創設するため、一億円を計上する。
(15) 商店街の空き店舗を活用した起業、開業への家賃補助、経営相談などの支援を行うため、商店街の空き店舗活用事業を創設する経費として、一億八千万円を計上する。
(16) 自ら作成した商店街振興プランに基づく事業を進める区市町村を支援するため、商店街総合活性化支援事業を創設する経費として、五億円を計上する。
(17) 商店街の中で選定された個々の店舗の改装支援を実施するため、個店支援事業を創設する経費として、一千万円を計上する。
(18) 区市町村が補助している商店街街路灯の修理費・電気料金の二分の一を補助するための制度を創設する経費として、三億円を計上する。
(19) 温暖化ガスの大幅な削減を実現するため、商店街の省エネ化事業を支援するエコ商店街支援事業を創設するため、五億円を計上する。
(20) 地域経済への影響の著しい大型店・駅ナカ店舗について調査、対策を進めるため、大型店・駅ナカ店舗対策事業を創設する経費として、二千万円を計上する。
(21) 中小企業の女性事業主、家族従業者の労働・生活の実態調査費として、二千万円を計上する。
(22) 商店街の要求にこたえ、新・元気を出せ!商店街事業を拡充するため、五億円を増額する。
(23) 地域資源活用プロジェクトを拡充するため、四千万円を増額する。
(24) 中小企業制度融資貸付金を増額し、資金調達が困難な企業が利用できる超低金利の融資ができるよう、預託原資を四百億円増額する。
(25) 原油・原材料の高騰による影響の大きい商工業者を支援するため、一億円を計上する。
(26) 東京の農業を東京の基幹産業と位置付け、農業振興条例を策定するため、一千万円を計上する。
(27) 農漁業者等に対する原油・肥飼料高騰対策支援事業を創設するため、一億円を計上する。
(28) 増加する就農希望者への助成支援事業を創設するため、一千万円を計上する。
(29) 都立職業能力開発センターの市場化テストを中止するため、一億五千五百万円を削除する。
(30) 求職者への公共職業訓練等を拡充するため、一億八千五百万円を増額する。
(31) 若年者を採用した中小企業に対する助成を行うことにより、若年者雇用の促進を図るため、若年者雇用促進事業を創設する経費として、二十二億五千万円を計上する。
(32) 企業に労働法などを徹底するためのセミナーを拡充するため、一千万円を増額する。
(33) 労働関係法の基礎的知識の普及啓発を図り、様々なメディアを利用した雇用ルールの普及キャンペーンを行うため、一億円を増額する。
(34) 働いても生活保護水準以下の生活を強いられている実態や違法・脱法の雇用実態について調査するため、ワーキングプア等実態調査費として、二千万円を計上する。
(35) 日雇派遣労働者の違法・脱法の雇用実態、生活実態を調査するため、日雇派遣労働者実態調査費として、二千万円を計上する。
(36) 雇用保険のない零細業者や不安定雇用労働者が失業したときのための生活つなぎ資金無利子融資を創設する経費として、十億円を計上する。
7 土木費を五百三十一億二千九百万円減額する。
(1) 多摩地域の市町村が施行する生活密着型土木事業を促進するため、三十億円を増額する。
(2) 骨格幹線道路整備事業は自動車交通量と環境破壊を増大させるため、骨格幹線道路整備費(債務負担行為を除く)の四分の一を削減し、二百三十二億九千二百万円を減額する。
(3) 首都高速中央環状品川線の街路整備は、本来首都高速道路株式会社の事業として実施すべきものであり、七十八億二千六百万円を削除する。
(4) 国道の建設は国の負担で賄われるべきであり、国直轄事業負担金三百十四億一千九百万円を削除する。
(5) 路面補修のサイクルを早めるため、路面補修費十億円を増額する。
(6) 歩道整備を促進するため、三十億円を増額する。
(7) 土砂災害緊急対策を推進するため、石積擁壁の安全対策費十億円を増額する。
(8) 河川海岸費のうち国の負担で賄われるべき国直轄事業負担金百五億五千九百万円を削除する。
(9) 都市型水害などにより、中小河川の改修が急がれるため、二十億円を増額する。
(10) 江東内部河川の整備を促進するため、十億円を増額する。
(11) 高潮防御対策を促進するため、二十億円を増額する。
(12) 公園霊園費のうち国の負担で賄われるべき国直轄事業負担金三十億三千三百万円を削除する。
(13) 地球温暖化対策のため、都立公園整備費百億円を増額する。
8 港湾費を百八十四億五千三百万円減額する。
(1) 東京港臨海道路(Ⅱ期)工事の都受託事業は中止し、国直轄事業負担金五十二億二千四百万円を削除する。
(2) 港湾費のうち国の負担で賄われるべき国直轄事業負担金五十六億五千九百万円を削除する。
(3) 廃棄物及び残土処分量の大幅減少に対し、過大となっている新海面処分場の建設費六十億三千万円を削除する。
(4) 臨海副都心へのアクセス道路建設であり、新木場・若洲線・若洲橋整備費十六億九千万円を削除する。
(5) 原油・原材料高騰に伴う物価安定対策補助を含めるものとして、離島航路貨物運賃補助を拡充するため、一億円を増額する。
(6) 三宅島伊ヶ谷漁港を定期就航可能となるよう改修するため、五千万円を増額する。
9 教育費を二百九十五億九千三百万円増額する。
(1) 小学一、二年生を三十人規模学級へ移行するため、五十八億二千八百万円を計上する。
(2) 栄養教諭を計画的に任用するため、一億五千七百万円を増額する。
(3) 夜間中学校の教員を増員するため、八千八百万円を増額する。
(4) 小中学校に専任司書を配置できるよう区市町村を支援するため、二十億円を計上する。
(5) 小中学校の安全確保に向け、警備員、用務員等を増配置するため、区市町村支援費用二億円を計上する。
(6) 公立小中学校の耐震化を促進するため、区市町村への助成制度を創設する経費として、三十六億六千六百万円を計上する。
(7) 小学校の専科教員を増配置するため、六億六千二百万円を増額する。
(8) 公立小中学校の冷房化を促進するため、区市町村への助成制度を創設する経費として、四十九億二千万円を計上する。
(9) 養護教諭の複数配置を拡大するため、六千七百万円を増額する。
(10) 小中学校の特別支援コーディネーターを全校に専任配置するため、二十億二千四百万円を計上する。
(11) 学校経営支援センターの管理・運営は、都教育委員会による都立学校の管理、統制の強化を図るものであり、認められるものではないため、七億一千六百万円を削除する。
(12) 都立学校の学校事務職員を増員するため、十五億九百万円を増額する。
(13) 夜間定時制高校の募集を再開するため、二億七千八百万円を計上する。
(14) 都立高校生への就学援助制度を創設するため、二十六億七千二百万円を計上する。
(15) 都立高校図書館の蔵書を充実するため、図書購入費一億九千七百万円を増額する。
(16) エンカレッジ高校の教員を増配置するため、五千七百万円を増額する。
(17) 都立高校の部活動費を平成十一年度の水準に戻すため、三億九千五百万円を増額する。
(18) 都立学校の用務員の民間委託を中止し、今年度末定年退職者を新規に用務員に採用する経費として、六千百万円を計上する。
(19) 特別支援学校のスクールバスを増車するため、三億六千五百万円を増額する。
(20) 特別支援学校の重度重複学級を増設するため、九億八千六百万円を増額する。
(21) 八王子養護学校の寄宿舎を存続するため、六千八百万円を計上する。
(22) 特別支援学校の特別支援コーディネーターを専任配置するため、一億四百万円を増額する。
(23) 一斉学力テストの実施と公表を中止するため、児童・生徒の「確かな学力」の定着と伸長事業費五千四百万円を削除する。
(24) 都立高校にスクールカウンセラーを増配置するため、一億七千二百万円を増額する。
(25) 都立高校にスクールソーシャルワーカーを配置するため、六千六百万円を計上する。
(26) 都立図書館を充実するため、資料購入費二億円を増額する。
(27) 都立図書館司書を新規に採用するため、三千六百万円を増額する。
(28) 中央図書館の分野ごとのレファレンスサービスを継続するため、レファレンス機能の縮小となるワンストップレファレンスを中止し、改修費四億五千二百万円を削除する。
(29) 必要な改修を早急に行うため、都立学校の改修費二十億三千七百万円を増額する。
(30) 特別支援学校の新設及び普通教室を増改築するため、二十億円を増額する。
10 学務費を七十四億七千四百万円増額する。
(1) 私立学校経常費補助を拡充するため、四十七億円を増額する。
(2) 私立高等学校等特別奨学金補助を拡充するため、十四億七千八百万円を増額する。
(3) 私立幼稚園等園児保護者負担軽減事業費補助を拡充するため、四億八千七百万円を増額する。
(4) 私立幼稚園教育振興事業費補助を拡充するため、八億九百万円を増額する。
11 警察費を八億円増額する。
(1) 歩車分離式信号を百機増設するため、四億円を増額する。
(2) 信号機を百機増設するため、四億円を増額する。
12 消防費を十六億一千二百万円増額する。
(1) 現場到着時間の短縮のための救急車増車に伴う増員のため、六億六千万円を増額する。
(2) 救急車を更に十台増車するため、二億四千万円を増額する。
(3) 特別区消防団員の費用弁償を更に増額するため、七億一千二百万円を増額する。
13 諸支出金を一千七百二十四億四千四百万円減額する。
(1) オリンピック招致をてこに大型開発を進めるためのため込みであり、東京オリンピック開催準備基金積立金一千億円を削除する。
(2) 財政調整の必要に備えるため、財政調整基金積立金五百四十二億四千四百万円を増額する。
(3) 社会資本等整備のための積立ては、過大な積み増しをせず、計画的・段階的に行うものであるため、社会資本等整備基金積立金一千二百五十億円を減額する。
(4) 八ッ場ダム水源施設分担金については、過大な水需給計画に基づきダム開発を進めるためのものであるため、十六億八千八百万円を削除する。
都営住宅等事業会計
 歳入
1 使用料及手数料を八億五千万円減額する。
2 一般会計からの繰入金を百二十四億円増額する。
 歳出
1 都営住宅等事業費を百十五億五千万円増額する。
都市再開発事業会計
 収入
1 一般会計からの支出金を百二十八億四千万円削除する。
 支出
1 資本的支出を百二十八億四千万円減額する。
水道事業会計
 収入
1 一般会計からの支出金を十六億八千八百万円減額する。
 支出
1 資本的支出を十六億八千八百万円減額する。

   付帯決議案の提出について
第一号議案 平成二十年度東京都一般会計予算
 右議案に付する付帯決議案を別紙のとおり東京都議会会議規則第六十五条の規定により提出します。
  平成二十年三月二十六日
(提出者)
 西岡真一郎  尾崎 大介  今村 るか
 斉藤あつし  泉谷つよし  増子 博樹
 酒井 大史  大沢  昇  山下 太郎
 田中  良
予算特別委員長殿

第一号議案 平成二十年度東京都一般会計予算に付する付帯決議案
1 都民の安心・安全を守るために、旧耐震基準の木造住宅やマンションなどの耐震診断・耐震改修を進めるよう、更に踏み込んだ施策の展開を図ること。また、テロや大規模災害の際の危機管理上欠かせない施設である知事公館の機能と役割に十二分に配慮すること。
2 低所得者生活安定化プログラムをより効果的に実施するためにも、対象者の正確な実態を把握するとともに、対象者の拡大や期間の延長など、施策の充実・強化を図ること。
3 小児科や産科の病院勤務医師不足に対し、手厚い支援を実施すること。特に小児救急に関しては、医療クラークの導入、トリアージの実施、軽症患者の診療体制構築など、重点的に取り組むこと。
4 介護人材不足、介護事業所の赤字構造改善のため、国に対し、大都市の状況にも対応した介護保険の見直しを強く求めるとともに、都としての支援策を早急に検討・実施すること。

   付帯決議案の提出について
第二十号議案 平成二十年度東京都中央卸売市場会計予算
 右議案に付する付帯決議案を別紙のとおり東京都議会会議規則第六十五条の規定により提出します。
  平成二十年三月二十六日
(提出者)
 西岡真一郎  尾崎 大介  今村 るか
 斉藤あつし  泉谷つよし  増子 博樹
 酒井 大史  大沢  昇  山下 太郎
 田中  良
予算特別委員長殿

第二十号議案 平成二十年度東京都中央卸売市場会計予算に付する付帯決議案
1 豊洲新市場の用地取得については、少なくとも土壌汚染対策法と同等以上の調査を実施した上で、万全の土壌汚染対策を講ずること。
2 築地市場の移転については、東京都が責任をもって、関係者に対して、誠意ある説明を行い、理解を得るとともに、土壌汚染問題の解決や関係者の理解がないまま、築地市場の強引な移転を行わないこと。

   付帯決議案の提出について
第百三十一号議案 平成二十年度東京都一般会計補正予算(第一号)
 右議案に付する付帯決議案を別紙のとおり東京都議会会議規則第六十五条の規定により提出します。
  平成二十年三月二十六日
(提出者)
 遠藤  守  米沢 正和  田中たけし
 早坂 義弘  高橋 信博  上野 和彦
 吉倉 正美  谷村 孝彦  村上 英子
 鈴木あきまさ 串田 克巳  吉原  修
 野上 純子  東村 邦浩  小磯 善彦
 三宅 茂樹  菅  東一  矢島 千秋
 三原まさつぐ 林田  武  野島 善司
 高橋かずみ  藤井  一  川井しげお
予算特別委員長殿

第百三十一号議案 平成二十年度東京都一般会計補正予算(第一号)に付する付帯決議案
1 今回の追加出資は、預金者や融資先中小企業の保護のためにやむを得ざるものと判断したものであり、今回限りの措置であること。したがって、更なる追加出資は許されないこと。
2 都は、新銀行東京が、今回追加出資する四百億円の資本を毀き損そんさせることのないよう、適切な監視に努めること。
3 都は、新銀行東京の再建計画が円滑かつ効果的に実行されるよう体制を整備すること。具体的には、新銀行東京の経営の支援及び監視のための専門組織を設けること。

○三宅委員長 本動議及び本付帯決議案をあわせて議題といたします。
 この際、編成替えの動議の趣旨説明のため発言を求められておりますので、これを許します。
 曽根はじめ理事。

○曽根委員 日本共産党を代表して、ただいま提出いたしました第一号議案、平成二十年度東京都一般会計予算外三会計予算の編成替えを求める動議について、提案理由の説明を行います。
 今、都民の暮らしと営業は、貧困の深刻化と社会的格差の広がり、庶民大増税と社会保障の連続改悪などによって、かつてない深刻な状況に追い込まれており、都政が都民の暮らしと福祉を守るために全力を尽くすことが強く求められています。
 ところが、石原都政は、来年度の都税収入が大幅に伸びているのに、福祉保健費も教育費も、今年度予算よりも減額になっています。中小企業対策予算に至っては、石原都政就任の一九九九年度と比べて六割にまで減っています。
 その結果、福祉や教育、中小企業対策など切実な都民要望は顧みられず、都政の緊急の課題となっている貧困の打開策や少子高齢化社会への対応を初め、地球温暖化対策、地震に強いまちづくりなどの予算も限られ、本格的な対応にはほど遠いものとなっています。
 その一方で、来年度の投資的経費は七年ぶりに七千億円台に達し、経常的経費に含まれる投資予算を含めた投資型の経費は、羽田空港再拡張への無利子貸付などへの大盤振る舞いにより、バブル前の水準の二倍、一兆円を超えています。さらに、主にオリンピックやインフラ整備につぎ込む投資型のため込みだけで一兆六千億円、投資を中心とした借金のための減債基金などを加えると、二兆九千億円という史上最高のため込みが行われています。
 我が党は、過去最高の都税収入を切実な都民要望の実現に活用することを目指して、二〇〇八年度予算案を次の五つの柱に基づき組み替えるよう提案するものです。
 今回の提案は、基本的に一般会計にとどめ、特別会計などは最小限にしました。組み替え規模は一般会計の五・八%、実際の施策で見れば三・五%にとどめられていますが、これによって百八十九項目の切実な都民要望が実現できます。この方向こそ、都民の願いにこたえるものと確信するものです。
 以下、予算組み替えのポイントについて説明いたします。
 第一は、貧困と格差拡大を是正し、都民生活を守るため、低所得世帯への生活応援家賃助成事業の創設、ワーキングプアや日雇い派遣労働者実態調査、都営住宅の新規建設再開、高校生への就学援助創設などに取り組みます。
 また、制度融資の拡充、新・元気を出せ商店街支援事業拡充など、中小企業予算を増額します。
 第二に、高齢者の福祉の拡充、安心して子育てできる東京を目指し、シルバーパスに三千円パス導入、介護保険料、利用料の減免補助を創設、特別養護老人ホームの人件費補助創設と整備促進などで高齢者福祉の充実を図ります。
 中学三年生までの医療費無料化、小児科、産科医師を目指す学生への奨学金制度、十四回まで妊婦健診無料化、認可保育所の整備促進に向けた用地費助成の創設など、子育て支援を強めます。
 第三に、三十人学級を小学一、二年生から実施し、小中学校の冷房化促進支援事業、私学助成の拡充など、行き届いた教育を進めます。
 東京平和祈念館や武蔵野の森総合スポーツ施設の建設準備を進めるなど、都民要望に積極的にこたえます。マンション相談室、地域密着型ミニバスへの支援、輸入食品監視体制強化などの切実な要望にもこたえます。
 第四に、地球環境を守り、地震に強い、だれもが安心して住み続けられる東京のため、木造住宅耐震診断と補強助成、小中学校の耐震化促進助成制度の創設、救急車の増車、消防団員活動費の増額などを進め、都民の安全を守ります。
 開発を抑制し、都立公園の整備など、ヒートアイランドと地球温暖化の二つの温暖化対策を進め、持続可能な東京を目指します。
 第五に、オリンピック招致をてこにした大型開発への投資を抜本的に見直し、三環状道路、羽田空港再拡張、都市再生や臨海副都心開発など、浪費型の予算三千九百九十七億円余りを削減し、新たな都債発行額を六百九十三億円抑制します。
 以上の見直しにより生み出された一般財源二千九百九十四億円を組み替え予算の財源といたしました。この結果、一般会計予算の規模は六兆七千五百六十四億円となります。
 各委員の皆さんの賛同をお願いして、提案説明といたします。(拍手)

○三宅委員長 説明は終わりました。

○三宅委員長 これより討論を行います。
 順次発言を許します。
 増子博樹委員。

○増子委員 私は、都議会民主党を代表して、本委員会に付託された、新銀行東京に四百億円の追加出資を求める第百三十一号議案、平成二十年度東京都一般会計補正予算について反対、その他の議案には賛成の立場から討論を行います。
 まず、第一号議案、平成二十年度東京都一般会計予算案について申し上げます。
 本予算案は、過去最高額である堅調な都税収入を受け、前年度比三・八%増、六兆八千五百六十億円の規模となりましたが、政策的経費である一般歳出は一・八%増の四兆四千百三十七億円にとどまっています。
 原油価格の高騰や米国経済の先行き不透明感による日本経済への影響、平成二十一、二十二年度合わせて六千億円を超えると予測される地方法人特別税制度による大きな減収、オリンピック招致や八千億円を超える社会資本更新経費といった東京の将来需要などに配慮しつつ、都民生活が直面する課題に適切に対応する予算編成とされています。
 こうした予算編成については一定の評価をするものですが、一方では、長期にわたった緊縮予算へのなれや内部努力に伴う定数削減、職員のモラールの低下による企画力や執行力の低下が懸念されます。
 また、私たちが以前から求めてきた、本当に震災に強い東京を目指す震災対策の促進や、自立支援策である低所得者生活安定化プログラムの充実、小児科医を初めとする医師不足対策などの取り組みは十分とはいえず、現代の貧困についての調査や、社会で生きる力をつけるメディアリテラシー教育への取り組みなども見過ごされています。
 引き続き、社会経済状況が変化する中でも、都政に求められる課題や都民ニーズに積極的に対応されるよう求めるものです。
 次に、予算の各分野について申し上げます。
 まず、震災対策についてです。
 昨年度に創設された木造戸建て住宅の耐震診断、耐震改修の実績は、耐震診断が予算八百件に対して五百五十一件、耐震改修は予算四百八十件に対してわずか二十二件でした。事業の立ち上げ初年度ということ、耐震診断、耐震改修の助成制度を持たない区があったことを考えれば、この低い利用実績もやむを得ない面があったことは事実です。
 今年度も、予算ベースでは耐震診断千五百件、耐震改修五百件の目標に対し、九月末までの半年間の利用実績は、耐震診断三百四十九件、耐震改修は三十一件にとどまっています。二十年度予算では、今年度と同規模の耐震診断千五百件、耐震改修五百件が予算措置されており、来年度以降はさらなるスピードアップも計画されていますが、民主党がこれまで何度も指摘してきたとおり、このままのペースでは、平成二十七年度までに住宅の耐震化率を九〇%以上とする目標の達成は極めて困難です。
 特に耐震改修に対する助成制度の一層の利用を促進するため、耐震改修を受けた結果、耐震基準を満たさない住宅がどの程度あり、それらの住宅の所有者がなぜ耐震改修に踏み切れないのかを把握し、分析した上で、対象の拡大や助成限度額の引き上げなど、都独自の助成制度としての抜本的かつ効果的な改善に努めていくことを強く求めておきます。
 また、来年度からは、新たにマンションの耐震改修費用に対する助成が始められますが、木造戸建て住宅の耐震化に対する取り組みと同様に、制度の改善に努めながら事業を進めていくことを求めます。
 次に、医療、福祉について申し上げます。
 昨年は、次々と起きた介護保険に関連した事件から、介護人材の不足、介護事業者の低い採算性、介護従事者の低い報酬など、東京における問題点が鮮明になった年でした。こうした中で迎える平成二十年度の緊急の取り組み、未曾有の高齢社会における生活の安心、安定につなげる中期的な取り組み、いずれにおいてもまだまだ先が長いといわざるを得ません。
 全国最下位である介護保険施設の整備、低い報酬にあえぐ自立支援法の事業者、どちらも安定した運営の見通しが立たなければ、新規参入者はふえません。また、地価などの物件費とともに人件費も高い東京では、既存法人も新たな事業展開をする体力が弱いことが課題です。地域生活基盤の整備促進、介護従事者の適切な給与水準確保に必要な対策を求めるものです。
 病院勤務医師の激務緩和、負担軽減は、待ったなしの状況です。総括質疑でも求めた救急医療についての詳細な調査、そして、多摩で起きた二つの残念な事例の背景についての詳しい調査を早急に行うよう求めます。
 さらに、民主党が提案しました医療クラーク、トリアージの導入、そして、これにあわせたプライマリーケアの提供について、しっかりとした取り組みを求めておきます。
 特に子どもについては、救急患者の〇・六%は重症であるといわれています。一部の非常識な例は別として、親に病院に行く行かないという判断を求めるよりは、手おくれにさせないために診察できる体制の整備を考えていただきたいと強く申し上げておきます。
 最後に、食品の原産地表示について申し上げます。
 膨大な消費量を占める都で義務化されれば、都内向けだけを別に生産することも現実的でないため、全国に大きな影響を与えます。当然、コスト増につながりますので、安い食品を必要とする東京の消費者、疲弊した経済に苦しむ地方の消費者に与える影響についても十分考慮する必要があります。
 安全のために必要なことは実施すべきですし、食品衛生法では、輸入業者の営業停止、禁止処分もできますから、危険な食品を流通させないためには、こうした処分をちゅうちょせず行う必要もあります。しかし、安心のためには高いコストをいとわない消費者もいることは事実ですが、行政としては、安全と安心を区別し、高い安心料を負担する気も負担能力もない消費者がたくさんいることに常に注意を払わなくてはなりません。発生するメリットとデメリットを明確にして一般都民に知らせ、その上で幅広い議論をすべきです。
 さらに、加工食品原料の原産地表示まで義務化している国はなく、安易に義務化すれば、非関税障壁ととらえられる可能性もあります。
 このように、法令で義務として課すべき事柄かどうか、食品の生産、加工、流通過程、多様な消費者のニーズ、そして諸外国との関係といった客観的事情を幅広く冷静に吟味し、故意の混入や特殊な事故への対策と、関係者の努力で回避できる事態を区別して考えるべきであると申し上げておきます。
 次に、第二十号議案、平成二十年度中央卸売市場会計予算案について申し上げます。
 豊洲新市場の整備に関しては常任委員会において詳しく取り上げてきましたが、この間行われている施設計画の見直しが、卸と売買参加者に有利に働いているといった声が仲卸の人たちなどから多く聞かれます。しかもこの間、猪瀬副知事が、おすし屋さんはイオンに行ってネタを買えばいいとその存在意義を否定するかのような発言をしていることが、仲卸の人たちの不信感をますます深める結果となっています。
 築地市場の移転問題については、東京都が責任を持って関係者に対して誠意ある説明を行い、理解を得るとともに、土壌汚染問題の解決や関係者の理解がないまま築地市場の強引な移転を行わないことを強く要望しておきます。
 また、豊洲新市場の用地取得については、少なくとも土壌汚染対策法と同等以上の調査を実施した上で、万全な対策を講じていくことを求めるものです。
 最後に、第百三十一号議案、平成二十年度一般会計補正予算案について申し上げます。
 私たち都議会民主党は、新銀行東京への四百億円の追加出資について、まず結論ありきではなく、本会議や予算特別委員会、各常任委員会において、この間、真摯に議論を積み重ねてきました。
 しかしながら、今日まで、石原知事並びに関係局長、さらには新銀行東京からは、追加出資に賛成し得る納得のできる答弁が得られたとはいえません。よって、私たち都議会民主党は、都民からの信託を受けている責任政党として、新銀行東京への追加出資については反対という結論に至りました。
 そもそも新銀行東京は、石原知事のトップダウンでつくられた銀行です。このことは、石原知事が幾ら否定しようが、多くの都民、マスコミが石原銀行と認識していることに象徴されるように、否定しがたい事実です。 
 石原知事は、旧経営陣に責任を転嫁し、発案当時のマスタープランが過大であったことや、スコアリングモデルを初めとしたビジネスモデルが破綻したことの責任についても、一切認めようとはしませんでした。また、旧経営陣の任命責任を初め、金融情勢全般の判断を見誤った責任や、経営の悪化に対して迅速に対策を講じてこなかった責任など、その責任を十分に自覚してきたかどうかについても、明確にお答えいただけませんでした。
 石原知事は、新銀行の経営が行き詰まった場合、既存融資先一万三千社を初めその取引先、従業員、家族などの関係者に重大な影響を及ぼしかねないと盛んに強調していますが、同じ理由で他の金融機関から出資を求められたらそれに応じるのかという私たちの質問には、ノーと明確に答弁しています。
 したがって、石原知事がいうところの既存融資先一万三千社を初め、その取引先、従業員、家族云々というのは全くの詭弁であり、結局は自分がつくった銀行だけに税金をつぎ込むという、まさに石原知事のメンツのためだけの追加出資といわざるを得ません。
 また、再建計画で想定している健全ご返済先九千社が引き続き新銀行東京の取引先となり得るかどうかの確証もない中で、新銀行マスタープランで定めていた融資メニューごとの、あるいは年度ごとの融資件数と金額の目標が明らかにされないようであっては、再建計画がうまくいっているのかさえ検証することができません。
 確かに、原油高の影響などによる製造コストの上昇や、株安を初めとする消費者心理の低迷などにより、中小企業を取り巻く状況は、今後、ますます厳しくなることが予想されます。しかし、既に死に体同然の新銀行東京が、今後、これらの中小企業の期待にどれほどこたえられるのかは極めて疑問です。
 私たちは、都民に一番負担の少ない形で新銀行から撤退する方法を早急に検討すべきだと主張してきましたが、日銀考査の結果や金融庁の検査を踏まえ、東京都や新銀行東京が本気になって受け皿機関を模索することなどが求められています。
 また、新銀行東京に四百億円を投入するよりは、例えば年間十五万件、二兆円の保証承諾を行っている制度融資の中で工夫を凝らし、赤字企業や債務超過企業への資金供給をさらに充実させていくとともに、金融機関の中小企業への貢献度などを評価し、公開する、金融アセスメント制度などを進めていくことの方がより効果的であると考えています。
 最後に、都議会自由民主党及び都議会公明党が提案している付帯決議案について申し上げます。
 私たちは、平成十五年十二月九日の都議会本会議において、石原知事みずからが、税を再び投入することは考えていないし、その可能性はないと答弁していたにもかかわらず、この約束が既にほごにされたこと、また、平成十六年三月三十日に都議会本会議で付された付帯決議、都においても、新銀行の目的を達成するため、経営全般にわたり適切な監視に努めること、などといった約束が十分に果たされてこなかったことを踏まえれば、自公提案の付帯決議の内容は極めて不十分であり、賛同しがたいことを申し上げて、私たちの討論を終わります。(拍手)

○三宅委員長 林田武委員。

○林田委員 私は、東京都議会自由民主党を代表し、本特別委員会に付託された議案中、第一号議案、平成二十年度一般会計予算については原案に賛成、その他の知事提出の議案については全議案賛成の立場から、また、日本共産党から提出された予算の編成替えを求める動議に反対する立場から討論を行います。
 知事は、本予算案を「十年後の東京」の実現に向けた取り組みを加速させるとともに、いかなる状況変化の中でも、その取り組みを支え得る持続可能な財政基盤を築き上げる予算と位置づけ、編成されました。
 また、我が党の要望や政策を十分に踏まえて、将来の東京を見据えた先進的な取り組みや都民生活が直面している諸課題に正面から取り組むとともに、財政基盤の強化にも十分な目配りをきかせたバランスのとれた内容となっています。
 それでは、本予算案の各分野の重要事項について申し上げます。
 初めに、財政基盤の強化について申し上げます。
 都財政は、財政再建を達成し、新たなステージの第一歩を踏み出したところですが、このところの景気の減速傾向や、法人事業税の暫定措置による減収などの外部環境の変化を見れば、都財政は既に分岐点に差しかかっているといっても過言ではありません。
 こうした中、本予算案には、将来の需要を見据えた基金の積み立てなど、財政基盤を強化するための取り組みが盛り込まれ、過去最高水準の都税収入が見込まれる中にあっても、財政規律を堅持し、今後の需要に対応できるようになっております。基金の積極的な活用は、中長期的な財政運営の安定化に資する取り組みとして高く評価できるものです。
 今後の都財政には、高齢化の進展による社会保障費や社会資本ストックの更新経費など、膨大な財政需要が待ち受けており、中長期的な視点を持ってさらなる財政基盤の強化に取り組まれるよう求めます。
 次に、都税収入について申し上げます。
 二十年度の税収は、十九年度最終補正後と比べて〇・三%増の五兆五千九十七億円と過去最高の水準を見込んでいます。しかし、その中身を見ると、個人都民税の税源移譲の平年度化の増収による部分が大きく、基幹税目である法人二税は一・六%の減に転じています。
 都税収入の頭打ち傾向が強まる中で、徴収率の一層の向上を図るため、区市町村と協力しながら地道な努力をさらに重ねていただくことを要望いたします。
 次に、歳出について申し上げます。
 初めに、都民生活の安全を確保する取り組みです。
 テロや組織犯罪への脅威、子どもをねらった凶悪事件の多発など、犯罪が多様化、悪質化する中、安全・安心に対する都民の要望は高まるばかりです。また、頻発する都市型水害や緊急な対策が求められている都市圏の直下型地震に対しても、迅速かつ的確な備えが必要です。
 本予算案には、最先端技術を用いたテロ、組織犯罪への対策や地域の防犯力を高める取り組み、緊急輸送道路沿いの建物やマンションの耐震化助成など、都民の生命と財産を守るための積極的な取り組みが盛り込まれております。これらは、我が党がこれまで強く要望してきた事項であるとともに、都民の切なる願いに的確にこたえるものであります。
 次に、まちづくりについて申し上げます。
 道路などの都市基盤の整備は、産業の活性化や国際競争力の強化に欠かせないだけではなく、都市環境の改善や防災機能の向上などを通じて都民生活の質の向上に大きく寄与するものであります。
 本予算案には、区部環状、多摩南北方向の道路の整備、東京港の物流機能の強化、鉄道連続立体交差化の推進など、幅広い内容が盛り込まれており、投資的経費は前年度予算と比較して五・九%の増と、七年ぶりに七千億円を超える高い水準となっています。このことは、我が党が強く要望している都市インフラの拡充を積極的に推し進めるものとして、高く評価いたします。
 次に、福祉、医療の充実について申し上げます。
 少子高齢化が急速に進展し、所得格差の是正が喫緊の課題となる中、子育て世帯や高齢者などの多様な福祉ニーズに対応することが求められています。
 本予算案には、社会全体で子育てを支援する環境づくりや、今後、計画的な整備が必要な地域ケア体制、介護人材の育成、確保に対する対策を盛り込むとともに、努力しているにもかかわらず低所得の状況から抜け出せない人々への支援を開始するなど、きめ細やかな福祉施策が示されています。
 また、母子、小児医療体制の整備や、がん診療水準の向上への取り組み、医師、看護師等の医療人材確保対策など、都民が直面する医療課題にも的確に対応しています。その結果、目的別予算の福祉と保健は、金額、構成比とも過去最大の水準となりました。
 なお、ここで、認証保育所について一言申し上げます。
 今回の認証取り消し処分に際して、都が、我が党の緊急要望も踏まえ、現在の利用者が不利益をこうむらないようきめ細かな素早い対応を行ったことは評価いたします。
 そもそも認証保育所は、大都市特有の保育ニーズに的確に対応しており、今後ともその拡充が求められておりますが、都民の期待を裏切ることのないよう、事業者に対する指導も徹底していくべきであることを申し添えておきます。
 次に、中小企業への支援について申し上げます。
 中小企業は、アジア諸都市の台頭による国際競争の激化や、少子高齢化の進展による人材確保難など、難しい課題に直面しております。
 こうした中、本予算案には、中小企業に対する制度融資の充実や技術支援、地域中小企業応援ファンドなどの取り組みが盛り込まれております。また、ものづくり人材の育成や、若年者や女性、高齢者に対する就業支援など、産業を担う人材を育成する観点からの施策も充実を図っています。
 このほか、観光まちづくりの推進など、観光産業の振興策も盛り込まれ、東京の産業力の強化に向けてさまざまな施策の展開を図っています。東京の活力の向上、魅力の発信のために欠かせない対応であり、力強い取り組みを求めます。
 次に、環境対策について申し上げます。
 快適な都市環境の実現は、都民の切実な願いであると同時に、次の世代に対する我々の責務であります。
 本予算案には、二年目を迎えるカーボンマイナスと緑の東京の十年プロジェクトの多岐にわたる施策が予算化されています。今年度の施策の立ち上げに引き続き、来年度は世界をリードする環境対策の定着と加速化が重要となってまいりますので、確実かつ迅速な事業執行を求めておきます。
 次に、教育、スポーツの振興について申し上げます。
 質の高い教育は社会発展の原動力であります。本予算案にもあるように、学校教育のさらなる充実を目指して、学力の向上や教育環境の整備に取り組むとともに、教員の指導力向上に力を入れていただきたいと思います。
 また、本予算案には、二〇一六年のオリンピック招致活動の本格化に向けて、さまざまな団体と連携したオリンピックムーブメントの推進などの取り組みも盛り込まれています。先日開催された東京マラソンの盛況に見られる都民、国民のスポーツへの関心の高まりを、ぜひともオリンピック招致機運の盛り上げにつなげていくよう、意欲的な取り組みを期待いたします。
 最後に、新銀行東京への追加出資に関する平成二十年度補正予算案について申し上げます。
 新銀行東京につきましては、四年前、当時の貸し渋りや貸しはがしなどが横行する厳しい経済環境の中で事業存続の危機に瀕していた中小企業を救済するために提案され、我が党は、健全経営の確保などを求めながら賛成したものであります。それだけに、今回の経営状況に至ったということは、まことに残念であります。
 この責任については、当時の旧経営陣の責任は重大なものでありますが、東京都においても、大株主として、これまでの監視責任を厳しく問われざるを得ません。当然、我々議会側としても大いに責任を感ずるものであります。
 しかし、この危機に瀕した新銀行をなすすべもなく破綻に追いやった場合、中小企業や預金者へ甚大な影響をもたらします。このため、今回の追加出資議案に対して、我が党は党内の合意形成のため、総会等で何度も議論を重ねてまいりました。そして、これまでの質疑において、追加出資の必要性や再建計画の実現可能性等、追加出資議案の根幹にかかわる部分をただしてまいりました。
 特に重要な点は、新銀行東京と現に取引を行っている一万三千もの中小企業の方々をどうやって支援していくかであります。この中には五千六百三十五社の赤字、債務超過企業が含まれており、これらの企業は、新銀行の融資が絶たれた場合、他の金融機関からの融資を受けられない可能性が高くなっております。その場合は、そこで働く従業員とその家族、取引先などに重大な影響が及ぶことは明らかであり、このようなことは断じて生じさせてはなりません。
 このように、我が党は、追加出資議案の問題点を追及するとともに、現に取引を行っている中小企業の方々への影響が最小限となる方法を模索し、苦渋の選択として新銀行東京への追加出資に賛成する道を選んだ次第であります。
 しかし、無条件で追加出資を認めるわけではありません。我が党では、追加出資が今回限りの措置であること、今回追加出資をする四百億円の資本を結果的に毀損させないよう適切な監視に努めること、新銀行東京の再建に向けた取り組みが円滑かつ効率的に実行されるよう体制を整備すること、具体的には新銀行東京の経営の支援及び監視のための専門組織を設けることを盛り込んだ付帯決議を付して賛成することとしたものであります。
 追加出資はこれが最後です。都民から最後のチャンスが与えられたものとして、ぜひ新銀行東京を立て直し、中小企業のお役に立つ銀行になるよう全力を尽くしていただきたいと思います。
 日本共産党は、この出資をどぶに捨てるものと発言いたしましたが、従業員や家族とともに血のにじむような努力をしている中小企業の支援を本当に願っているのか、疑問だといわざるを得ません。
 我が党は、責任政党として大所高所に立ち、苦渋の選択を行いましたが、これまで以上に注意深く監視するとともに、全力で再建を支援していくことを表明して、討論を終わります。(拍手)

○三宅委員長 古館和憲委員。

○古館委員 日本共産党を代表して、第一号議案、平成二十年度一般会計予算案及び第百三十一号議案、平成二十年度一般会計補正予算案、すなわち新銀行東京に対する四百億円の追加出資案外十三議案に反対し、日本共産党提案の予算組み替え動議に賛成する立場から討論を行います。
 初めに、一般会計予算案についてです。
 日本共産党は、本会議及び予算特別委員会、常任委員会での質疑を通じて、知事が提案した来年度予算について質疑を重ね問題点を明らかにしてまいりました。
 その第一は、都税の大幅な増収が見込まれているにもかかわらず、これを極力都民のために使おうとしていないことです。
 今、たび重なる庶民増税と社会保障の負担増、さらには、国の構造改革路線に基づく賃金引き下げと非正規雇用の拡大などにより、貧困と格差が深刻化しています。さらに、昨年来の物価高騰も追い打ちをかける中で、東京都が、都民の暮らしと福祉を守る立場で来年度予算を編成することが強く求められているのです。
 しかも、二〇〇八年度の都税収入は過去最高の五兆五千億円が見込まれ、予算規模は六兆八千五百六十億円に達します。これは、石原知事が就任した一九九九年度予算と比べ五千五百八十億円の増額、また、知事が予算を編成した二〇〇〇年度と比べ八千六百九十億円も増額となっています。今こそ、多くの切実な都民要望にこたえるべきです。
 しかし、石原知事が提案した予算案は、第一に、福祉保健費も教育予算も今年度予算より減額され、中小企業対策費も一九九九年度と比べて六割に減らされるなど、都民の暮らしと福祉の充実に背を向けるものとなっております。
 日本共産党は、貧困と格差の是正を進めるために、都が経済給付の充実と所得の再配分の強化に乗り出すことを求めましたが、石原知事はこれを認めず、昨年の知事選挙で公約した中学三年生までの医療費無料化についても予算化することを拒んだことは、公約を棚上げするものであり認められません。また、知事が撤回した個人住民税減税のかわりに具体化されたワーキングプア対策などの低所得者生活安定プログラムも、三年間の期限つきで、中身も相談や貸し付けが中心という不十分なもので、さらなる拡充を求めたことについてもこたえようとしませんでした。低所得者のための都営住宅の新規建設もゼロにしたままであります。
 第二に、大幅に伸びた税収が、専らオリンピックをてこにした大型開発とインフラ整備のための基金のため込みに使われていることであります。
 日本共産党は、来年度予算案が、オリンピックをてこにした三環状道路などの大型開発には惜しげもなく予算をつぎ込むものとなっており、投資的経費が七年ぶりに七千億円台に乗せられ、本来国の責任で行うべき羽田空港再拡張のための無利子貸付など、経常的経費に含まれる投資型経費と合わせると、バブル前の二倍の一兆円を超える規模にまで膨れ上がるものであることを厳しくただしました。
 また、大幅な税収を専ら開発のための基金に積み立てるものとされ、来年度の基金残高が、三千億円のオリンピック準備基金に加えインフラ整備のための基金を合わせて七千億円に達し、これに過去の借金の返済に充てるための減債基金を含めると、二年間の二・六倍の過去最高額の二兆九千億円ものため込みが行われることになることを明らかにして、ため込みを改め、都民要望の実現に使うことを求めましたが、都がこれを拒んだことは、逆立ちした石原知事の都政運営をあらわにするものであります。
 これに対し、日本共産党が提案した予算組み替え動議は、予算の五・八%を動かすことで、貧困と格差に苦しむ都民の暮らしと営業を守る施策を大きく充実するものであります。すなわち、オリンピックをてこにした大型開発への投資や、インフラ整備のための基金の見直しによって生み出した財源二千九百九十四億円を、低所得者世帯への生活応援家賃助成事業の創設、制度融資の拡充など中小企業対策の予算の増額、シルバーパスへの三千円パスの導入、後期高齢者医療の保険料軽減補助の創設、中学三年生までの医療費無料化、小学一、二年生からの三十人学級の実施、木造住宅耐震補強の助成、都立公園の整備など二つの温暖化対策などに使うものです。
 都民の要望にこたえるものと確信するものであります。各会派のご賛同をお願いするものであります。
 次に、一般会計補正予算案、新銀行東京に対する四百億円の追加出資についてです。
 本予算案は、事前の提案説明もなく、第一回定例会開会日の二月二十日に突如発表、提出されたものであり、予算の編成手順を全く無視した異例なものであります。しかも、都のやり方は、四百億円の追加出資の根拠も再建計画の基礎的情報も明らかにせず、予算の承認だけを一方的に求めるという議会制民主主義をないがしろにしたものであり、この点だけをとっても認められるものではありません。
 そもそも新銀行東京は、石原知事と知事の側近の大塚元出納長らによって密室での作業で計画されたものです。日本共産党は、銀行業は本来自治体が手を出すべきものではないこと、新銀行東京が中小企業に役立つものとならないこと、計画は机上のプランであり一千億円の出資金を失うものとなりかねないことを指摘し、政党として唯一反対し、繰り返しその撤退を求めてまいりました。
 結果は、我が党が指摘したとおりになって、新銀行東京は一千億円以上の赤字を抱え、都の一千億円の出資金は文字どおりどぶに捨てられた結果になりました。
 石原知事が、自民党、民主党、公明党の三党などの賛成のもと、新銀行東京に乗り出した責任は重大であります。ところが、知事は、破綻の責任を挙げて新銀行東京の旧経営陣に押しつけてきたのです。責任逃れに終始してきた姿は見苦しいというしかありません。
 しかし、質疑を通じて浮き彫りになったことは、破綻の責任が、知事のいうように旧経営陣にあるのではなく、知事側近が取り仕切ってつくり上げたマスタープランを旧経営陣に押しつけてきたことにあったことであります。
 都は、当初、三年後も赤字とされていた計画を五十四億円の黒字に書きかえ、実現不可能な目標の上に立って、ずさんな融資で不良債権の山をつくらせた上、リスク商品の購入で損失を出し、過大な投資による高過ぎる営業コストで赤字を拡大してきたのであります。我が党は、このことを、旧執行役の証言や、都と新銀行東京のやりとりを記録したブリーフィングメモに基づいて明らかにしたところであります。
 知事側近が中心になってまとめた新銀行東京の調査報告書では、当初盛り込まれるはずだった都のマスタープランの問題点と都の責任が削除されたことも報道されています。知事と側近による責任逃れは絶対に許されるものではありません。
 さらに、四百億円の追加出資の根拠となっている再建計画については、知事と担当局は具体的情報をほとんど示せませんでした。知事が四百億円の追加出資までして銀行を存続させる最大の理由としたものは、現に新銀行東京から融資を受けている中小企業を守ることでしたが、これも、他の銀行以上に貸しはがしをして、まじめに仕事をしている中小企業を破綻に追い込むことも明らかになったのです。再建計画は基本的にリスクの高いファンド事業などを中心に据えるもので、もはや存続の意義は全くありません。
 また、我が党は、自己資本比率四%を達成させるためには、四百億円どころかわずか三億円で済むことも明らかにするとともに、預金と中小企業への貸し付けを基本的に保護しながら、銀行業から撤退することが可能であることを具体的プランで提示したところであります。四百億円の追加出資を行う必要など全くありません。
 今、四百億円の追加出資に反対する都民の声が急速に広がっています。東京都に寄せられている都民の声のうち、八割以上が税金投入に反対を表明しており、日本共産党が行った二回のシール投票で、千七百三十一人の方が投票され、うち千五百三十三人、八九%の人が反対を表明するに至っているのです。マスコミの世論調査でも、七割を超える人が反対の意思を示しております。六つの全国紙のすべてが社説で取り上げ、新銀行東京の撤退や税金投入に反対する論調を掲げたことも、都政史上見られなかったものであり事の重大性を示しているものであります。
 一千億円の税金をどぶに捨てた責任は挙げて知事にあるのです。それでもなお四百億円の追加出資を行うというなら、知事を辞任し、選挙で都民の審判を受けるべきであり、これこそ都民多数の声であることを重ねて強調するものであります。
 また、今こそ、都議会のチェック機能が都民から期待されているときはありません。新銀行東京の設立に賛成した政党も都民世論に従うべきです。追加出資に反対することこそ、議会制民主主義を全うする道です。これまでの石原知事の新銀行東京をめぐる言明と約束がすべて破られてきたことから見ても、与党がどのような付帯決議をつけようが、それは、守られる保障は全くありません。追加出資に賛成する自民党、公明党両党は都民の厳しい批判を免れないことを指摘しておくものであります。
 なお、日本共産党は、議案審査に当たり、特別委員会の設置など徹底審議の保障、新銀行東京の調査報告書本文の提出などを提案しましたが、自民党、公明党の反対で実現に至らなかったこと、本予算特別委員会における参考人招致の提案が、自民党、民主党、公明党の各党の反対で否決されたことを厳しく批判をして、討論を終わります。(拍手)

○三宅委員長 野上純子委員。

○野上委員 都議会公明党を代表して、本委員会に付託された第一号議案、平成二十年度東京都一般会計予算ほかに賛成、第百三十一号議案、平成二十年度東京都一般会計補正予算(第一号)に付帯決議をつけて賛成、共産党の編成替えに反対する立場から討論を行います。
 まず最初に、新銀行東京の追加出資について申し上げます。
 この問題に対しては、我々都議会そして知事にも当事者として重大な責任があり、したがって都議会公明党は、その責任を強く自覚し、先送りや一時しのぎ、責任転嫁に終始することもなく、あくまでも都民の負担を最小限に抑えることを原則に審議してまいりました。
 この問題への対処は、当初から、預金保険法に基づく破綻処理、金融庁の認可による事業清算、そして追加出資による事業継続の三つの選択肢に限られていました。
 しかし、預金保険法に基づく破綻処理は債務超過が前提であり、現状では選択できません。しかし、仮に破綻処理をするとなると、およそ四百七十億円にも上る全国初のペイオフの発生、整理回収機構に債権が移ることによる数千社に上る中小企業の倒産が予測され、都民に与えるマイナスの影響ははかり知れません。
 また、金融庁の認可による清算処理も預金者保護が条件であり、預金の払い戻しに備えて、都は一千億円を準備しなくてはならないことが予算特別委員会の質疑で明らかとなりました。さらに、過去の資産処理の事例から、融資のいわゆる焦げつきが融資残高の五割に達し、これもおよそ一千億円の損失につながることが明白であります。
 都民の負担を最小限に抑えるとの我々の原則に照らせば、こうした選択を行うことは不可能であります。加えて、清算処理は協力銀行の存在が不可欠であり、打診を続けたものの、残念ながらいまだ確保に至っておりません。結局、追加出資を認めるか否決するかの二者択一しか残されていない状況となってしまったわけでございます。
 昨日の予算特別委員会締めくくり総括質疑で明らかになったとおり、追加出資を行わず事業を継続した場合、今年度末の決算の認定が不可能となり、それは正常な監査が行われないことも意味するため、事実上の破綻状態となることは明らかであります。
 法に基づく破綻処理、あるいは清算処理であるならば、不十分であるとはいえ、事態の発生を予測し事前の準備が可能でありますが、突然の破綻状態への突入は、発生する事態への対処はすべて後追いになり、被害の範囲と程度は全く予測不能であります。コントロールが不可能な事態に追い込む選択をとることはできません。
 その反面、追加出資を認めるためには、四百億円の根拠と再建計画の信頼性の確認が不可欠であります。都議会公明党は、本会議代表質問を皮切りに、予算特別委員会の代表総括質疑、締めくくり総括質疑で都の見解をただしてまいりました。
 答弁では、四百億円の根拠として、非期待損失に備えて百二十五億円、金利や株価の変動への備えとして四十五億円、ファンド投資へのリスクヘッジとして百億円など、積算の根拠が示されました。また、再建計画の信頼性についても、収益率が高く設定された理由として、金利の低い大企業向け融資が減り金利が比較的高い中小企業向け融資に特化する傾向にあること、資金調達コストについても預金金利を一%以下に抑えることが明らかにされ、計画の信頼性についても説明がなされ、一定程度理解したところであります。
 もちろん、こうした答弁だけでは重大な決定を行うには不十分であります。さらに都民に対する責任を明確にするため、以下の付帯決議を付することといたしました。
 その第一は、今回の追加出資は、預金者と融資先の中小企業を保護するためのやむを得ざる措置であり、再びの出資は認められないこと。
 第二には、追加出資する四百億円は断じて毀損させてはならないこと。
 そして、第三は、再建計画の円滑かつ着実な実行のため、都の支援体制、監視体制を専門組織として設置することであります。
 繰り返しになりますが、今回の新銀行東京の問題は、旧経営陣の責任はもちろんありますが、我々都議会と知事の責任も重大であります。そうした責任を自覚するならば、発生する事態が全く予測不能になるような選択はできません。追加出資をやむを得ざる選択として認める議会の意思を体して、知事並びに理事者は結束して新銀行の再建に取り組み、必ず都民負担を最小限に抑えることを強く要請いたします。
 具体的には、議会に対して四半期ごとの新銀行の経営状況を報告することを義務づけ、議会の監視機能を強く発揮できる環境を整備すべきであります。同時に、今回の追加出資に対する都民の理解を得る努力として、都の広報紙などを通じ、なぜ追加出資が必要か、あるいは、ほかの選択肢は選べなかったのか、理由等を詳細かつ丁寧に説明すべきであります。
 新銀行問題の解決に向けて都の最大限の努力を求め、その他の事項について申し上げます。
 平成二十年度の一般会計予算案は、歳出総額が六兆八千五百六十億円、このうち一般歳出は四兆四千百三十七億円と三年連続して増加しており、「十年後の東京」の実現に向けた先進的な取り組みを着実に推進しているほか、都民生活の安全確保や低所得者対策、子育て環境の向上、中小企業支援など、都民生活が直面する課題に適切に対応しています。
 特に、福祉と保健の分野は八千百九十九億円、一般歳出に占める割合も一八・六%で、いずれも過去最高となっており、我が党が一貫して主張している福祉施策の充実がしっかりと図られているものです。
 また、今年度からは、我が党が提案し、都が全国に先駆け導入した新たな公会計制度を活用した事務事業評価を予算に反映しています。これにより、施策の充実、見直し、再構築を進め、マネジメントサイクルの確立がなされているところは評価できるものです。
 さらに、三年間で四千人の定数削減を目標に掲げる行財政改革実行プログラムの二年目の対応として、二十年度は職員定数を千百二人削減するなど、さらなる内部努力を行っています。
 こうした取り組みにより、引き続き効率的な行財政運営が図られるよう強く求めて、討論を終わります。(拍手)

○三宅委員長 原田恭子委員。

○原田委員 都議会生活者ネットワークを代表し、第百三十一号議案、平成二十年度東京都一般会計補正予算(第一号)に反対し、その他、知事提出議案のすべてに賛成する立場で討論します。
 二月二十日、知事の施政方針の中で新銀行東京への四百億円の追加出資の突然の提案があり、その後、簡単な再建計画書、予算特別委員会の前日に調査報告書の概要版が出され、審議に入りました。
 石原知事二期目の選挙の公約実現のために血税一千億円を出資して設立された新銀行東京は、民間が貸さないような中小零細企業向けの無担保・無保証融資であるところから不良債権が大量に発生し、当初計画の開業三年で単年度黒字どころか、ことし三月期の累積損失は一千十六億円と、出資した一千億円が一日一億円の割合で消えてしまいました。
 知事の責任ある言葉として、追加出資はしないと明言してきたにもかかわらず、突如として四百億円の巨額の税の投入を提案するなど、論理的にも道徳的にも許されるものではありません。ここに至って、事業の失敗を、みずからが招いた経営陣に転嫁し、四百億円もの税の再投入を図る神経には驚くばかりです。新銀行の提案者である知事の責任は重大であり、それを容認してきた都議会の責任も問われています。
 今回、参考人招致も、詳細な調査報告書も提出させることができなかった議会の審議には、多くの都民が納得していません。どのような付帯決議をつけたところで、それが何の保障にもならないことは、新銀行設立時の付帯決議がほごにされたことでも明らかです。
 基本的に、税金については、使い道を明らかにできないような支出はすべきではありません。生活者ネットワークは、新銀行の追加出資には絶対反対です。
 一方、平成二十年度予算は、好調な税収入の伸びを受けて、前年度比三・八%増の六兆八千五百億円の大型予算となりました。都は、「十年後の東京」の実現に向けた取り組みを加速させるとともに、いかなる状況の変化のもとでも、その取り組みを支え得る持続可能な財政基盤を築き上げる予算と位置づけていますが、三環状道路などの道路建設事業、オリンピック関連経費など、知事の関心の高いばらまき的事業が幅をきかしています。
 しかし、これまで堅調に推移してきた都の税収は、原油高や円高、法人事業税の移譲などの影響で、十九年度をピークに先行き不透明な状況になってきています。新銀行東京やオリンピック招致など、選挙公約実現のために都民の貴重な税金をばらまき続けることは、いかに人気のある知事といえども、もはや都民の理解を得られるものではありません。
 温暖化対策、低所得者対策、消費者相談窓口の充実、未来ある子どもたちの教育など、都民の生活からの要求にこたえる都政運営が求められているのです。地域自治体との連携で、事業が円滑にかつ効果的に行われることを要望し、都議団生活者ネットワークを代表しての討論といたします。(拍手)

○三宅委員長 以上をもちまして討論は終了いたしました。

○三宅委員長 これより採決を行います。
 初めに、古館和憲委員外三名から提出されました第一号議案、第十二号議案、第二十一号議案及び第二十七号議案に対する編成替えを求める動議を一括して採決いたします。
 本動議は、起立により採決いたします。
 本動議に賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○三宅委員長 起立少数と認めます。よって、本動議は、いずれも否決されました。

○三宅委員長 次に、第百三十一号議案を採決いたします。
 初めに、付帯決議案について、起立により採決いたします。
 遠藤守委員外二十三名から提出されました付帯決議を本案に付することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○三宅委員長 起立多数と認めます。よって、本案に、遠藤守委員外二十三名から提出されました付帯決議案を付することに決定いたしました。
 次に、本案について、起立により採決いたします。
 本案は、ただいまの付帯決議を付して原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○三宅委員長 起立多数と認めます。よって、第百三十一号議案は、お手元配布の付帯決議を付して原案のとおり決定いたしました。

○尾崎委員 ただいま廃棄されました我が党の意見は、少数意見として留保いたします。

○三宅委員長 ただいま尾崎委員から、少数意見として留保したい旨の発言がありましたが、本件は、会議規則第六十七条第一項の規定により、二名以上の賛成者を必要といたします。
 尾崎委員の発言に賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○三宅委員長 賛成者二名以上であります。よって、本件は、少数意見として留保されました。
 なお、少数意見報告書は、議長に提出いたしますので、速やかに委員長までご提出願います。

○大山委員 ただいま廃棄されました我が党の意見は、少数意見として留保いたします。

○三宅委員長 ただいま大山委員から、少数意見として留保したい旨の発言がありましたが、本件は、会議規則第六十七条第一項の規定により、二名以上の賛成者を必要といたします。
 大山委員の発言に賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○三宅委員長 賛成者二名以上であります。よって、本件は、少数意見として留保されました。
 なお、少数意見報告書は、議長に提出いたしますので、速やかに委員長までご提出願います。

○三宅委員長 次に、第一号議案を採決いたします。
 初めに、付帯決議案について、起立により採決いたします。
 西岡真一郎委員外九名から提出されました付帯決議を本案に付することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○三宅委員長 起立少数と認めます。よって、本案に、西岡真一郎委員外九名から提出されました付帯決議を付することは否決されました。
 次に、本案について、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○三宅委員長 起立多数と認めます。よって、第一号議案は、原案のとおり決定いたしました。

○大山委員 ただいま廃棄されました我が党の意見は、少数意見として留保いたします。

○三宅委員長 ただいま大山委員から、少数意見として留保したい旨の発言がありましたが、本件は、会議規則第六十七条第一項の規定により、二名以上の賛成者を必要といたします。
 大山委員の発言に賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○三宅委員長 賛成者二名以上であります。よって、本件は、少数意見として留保されました。
 なお、少数意見報告書は、議長に提出いたしますので、速やかに委員長までご提出願います。

○三宅委員長 次に、第二十号議案を採決いたします。
 初めに、付帯決議案について、起立により採決いたします。
 西岡真一郎委員外九名から提出されました付帯決議を本案に付することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○三宅委員長 起立少数と認めます。よって、本案に、西岡真一郎委員外九名から提出されました付帯決議を付することは否決されました。
 次に、本案について、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○三宅委員長 起立多数と認めます。よって、第二十号議案は、原案のとおり決定いたしました。

○大山委員 ただいま廃棄されました我が党の意見は、少数意見として留保いたします。

○三宅委員長 ただいま大山委員から、少数意見として留保したい旨の発言がありましたが、本件は、会議規則第六十七条第一項の規定により、二名以上の賛成者を必要といたします。
 大山委員の発言に賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○三宅委員長 賛成者二名以上であります。よって、本件は、少数意見として留保されました。
 なお、少数意見報告書は、議長に提出いたしますので、速やかに委員長までご提出願います。

○三宅委員長 次に、第六号議案、第十二号議案、第十五号議案、第十七号議案から第十九号議案まで、第二十一号議案から第二十五号議案まで、及び第二十七号議案を一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○三宅委員長 起立多数と認めます。よって、第六号議案、第十二号議案、第十五号議案、第十七号議案から第十九号議案まで、第二十一号議案から第二十五号議案まで、及び第二十七号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。

○大山委員 ただいま廃棄されました我が党の意見は、少数意見として留保いたします。

○三宅委員長 ただいま大山委員から、少数意見として留保したい旨の発言がありましたが、本件は、会議規則第六十七条第一項の規定により、二名以上の賛成者を必要といたします。
 大山委員の発言に賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○三宅委員長 賛成者二名以上であります。よって、本件は、少数意見として留保されました。
 なお、少数意見報告書は、議長に提出いたしますので、速やかに委員長までご提出願います。

○三宅委員長 次に、第二号議案から第五号議案まで、第七号議案から第十一号議案まで、第十三号議案、第十四号議案、第十六号議案、第二十六号議案、第二十八号議案及び第二十九号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○三宅委員長 異議なしと認めます。よって、第二号議案から第五号議案まで、第七号議案から第十一号議案まで、第十三号議案、第十四号議案、第十六号議案、第二十六号議案、第二十八号議案及び第二十九号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査は終了いたしました。

○三宅委員長 なお、委員会審査に関する委員長の口頭報告につきましては、理事会にご一任願いたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○三宅委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○三宅委員長 この際、石原知事から発言の申し出がありますので、これを許します。

○石原知事 ただいまは、平成二十年度予算案をご決定いただきまして、まことにありがとうございました。
 これまでの審議の過程で賜りました貴重な意見、提言、また、ただいま決定されました付帯決議につきましては、十分尊重させていただき、今後の都政運営に万全を期してまいりたいと思います。
 委員長初め委員の皆様の熱心なご審議に対し、心より感謝申し上げます。
 ありがとうございました。

○三宅委員長 発言は終わりました。
 この際、私からも一言ごあいさつを申し上げます。
 本委員会は、二月二十八日に発足して以来、平成二十年度予算につきまして、連日、長時間にわたりさまざまな角度から大変精力的に審査を重ねてまいりました。
 今回の予算は、「十年後の東京」の実現に向けた取り組みを加速させるとともに、いかなる状況変化のもとでも、その取り組みを支え得る持続可能な財政基盤を築くものとなっております。
 このような位置づけのもと、都民生活が直面する課題にいかに適切に対応するかを審査する極めて重要な意味を持つ予算特別委員会であり、活発かつきめ細かい質疑が行われました。特に、新銀行東京に対する出資については、徹底的に議論が尽くされたことに敬意を表する次第であります。
 本日、最終日を迎えるに当たり、三副委員長を初め理事並びに委員の皆様方のご理解、ご協力に心から感謝を申し上げる次第であります。
 また、石原知事を初め理事者の皆様方におかれましても、連日、長時間にわたる質疑にもかかわらず、真摯な姿勢でご答弁をいただき、改めて御礼を申し上げる次第でございます。
 審査の過程で提起されました問題点や意見などにつきましては、今後の都政運営に十分に反映していただき、都民の期待にこたえられますよう切にお願い申し上げます。
 最後に、本委員会における審査の成果が、必ずや将来の都政運営に大きく貢献することを確信いたしまして、私のあいさつとさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時五十九分散会

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