東京都議会予算特別委員会速記録第五号

○三宅委員長 原田恭子委員の発言を許します。

○原田委員 総括質疑の最後です。
 新銀行について、これまでの質疑を聞き、素直な、率直な意見も含めて質問させていただきます。
 新銀行への四百億円の増資が二月二十日の施政方針で提案され、同じ日、再建計画が出されました。内部調査の報告が出たのは三月十日、予算審議の前日です。そもそも提案の順序そのものが違っており、調査の結果も、概要版という大変誠意のない対応です。概要版でない調査報告書の提出を求めましたが、係争を理由に、知事も局長も、仕方がないと認めています。都民の立場に立てば、石原知事は、もっと工夫して公開をするよう強く銀行側に要請してしかるべきです。
 四百億円という金額は、私の住んでいる多摩市の年間予算とほぼ同じだということを知事はご存じでしょうか。私たちは、四百億円の重みをしっかりと受けとめ、真摯な議論をしたいと考えております。
 三月十一日の予算特別委員会の後、石原知事は報道陣に、あの程度の議論で都民に十分な理解をというのはほど遠いと発言されたようですが、その真意についてお伺いします。

○石原知事 新銀行東京の調査報告では、これは概略でありますけれども、しかし、経営悪化を招いた原因については、本質的に相当程度明らかになったと思います。旧経営陣の責任については、新銀行東京自身が行うべきものであると思っております。
 今後、専門家による検討が進んでいくと思いますが、法的追及の可能性などの理由によりまして、新銀行東京は調査内容の公表はできないと判断したと聞いております。都としても、本日佐藤局長が説明をした理由によりまして、銀行のこの判断を尊重することとし、今後の銀行側の対応を注視していきたいと思っております。

○原田委員 あの程度の議論で都民に十分な理解をというのはほど遠いということは、結局、議会の方への資料提供というのが不十分だという思いもあったからの発言じゃないでしょうか。どうですか。

○石原知事 私は、概略でないほうの資料も目を通しましたけれども、それはなお、概略と違ってディテールについても述べておりますが、しかし先ほど申しましたように、これからの銀行側のこの問題に対する対処、つまり訴訟というものを含めましても、今それを発表することは適当でないということならば、それを了としないわけにいかないということでございます。

○原田委員 私は、今回の四百億円の増資の提案は、唐突な提案過程、短い期間での審議、その上、不十分な討議資料、こんな中で結論を出すということは大変難しく、都民に十分な理解を得ることはできないと強く感じております。
 そして、調査報告を受け取って驚いたことは、八カ月もかけての調査であるにもかかわらず、わずか九ページという簡単なものであること、さらに調査委員会が津島氏を含めたたった三人で行われたということです。津島氏は、新銀行の代表取締役ですから、もともと新銀行を立ち上げたときの本部長であり、新銀行のスキルやマスタープランそのものを否定する立場でない人であることは確かです。
 調査報告は、旧経営陣、特に代表執行役の責任追及に終始しています。責任を一人に押しつけて、知事の責任を回避していく構造が、だれの目にも明らかに見えています。客観的な調査に基づいての議論をしていくべきであり、ここは金融庁の査定という、客観的な査定を要請していくしかないと考えますが、知事の見解を伺います。

○佐藤産業労働局長 調査委員会は、昨年七月に前の代表であります森田氏を委員長にスタートし、そのメンバーは、執行役一名、さらに弁護士という職業一名を加えて、三名の委員で設置をされて調査が始まったわけであります。そういう意味では、公平性は担保されているというふうに考えておりますし、その後、津島現代表が委員長を引き継いできたという経過でございます。
 調査に当たりましても、会議等の記録ですとか調査や、仁司元代表など旧経営陣や職員へのヒアリングを実施して、調査委員会としては一つ一つの事実を積み上げて、責任を持ってまとめたものであるというふうに考えております。
 この報告を受けて、銀行は、今後、信頼できる専門家に任せるなどして、法的責任追及も含めまして、さらに調査を進めていくというふうにしております。
 なお、銀行の行政上の監督庁、金融庁でありますので、指導監督は金融庁の判断で適切に行われるものと考えております。

○原田委員 客観的な調査というのは必要だという意味でのご提案なんです。結局、マスタープランをつくった人、本当に設立当初からかかわった方が、まさに自分たちのつくったスキルやプランを否定する立場でないというのは当然なんです、その前にもいいましたけれども。そういう中で、都民が納得するということでいうと、やっぱり第三者的な目を入れた調査報告書じゃなければいけないと思っております。
 いろんな意味で、いい分はこの委員会で随分聞きました。しかし、やっぱり都民の納得を得るためには、本当にフェアな、外から見ても、なるほど、これは第三者の意見だというような、報告書だというようなちゃんとした実態報告書というのは出すべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○佐藤産業労働局長 先ほどご答弁申し上げましたとおり、我々は公平な調査が行われたと思っておりますので、そのようなことは考えておりません。

○原田委員 そういうような対応を聞く都民は、皆さん納得することができるかどうか、大変私は疑問だと思います。そういう意味では、ぜひもっと資料を提供して、そしてまた、豊洲でも立ち上げましたけれども、専門家会議を立ち上げたり、いろんな手があると思います。いろんな意味で、その妥当性を客観的に見える資料をぜひ提示していただきたいと、私、これは要望しておきます。
 次に、再建計画です。
 新銀行の再建計画は、当然のことながら新銀行の体制、仕組みの検証から来ていると考えています。その道筋をはっきり示すことから、再建計画の妥当性が担保されてくるはずです。しかし、その明確な説明がなされていません。
 新銀行を評価するに当たっての一番のポイントは、本当に中小企業支援になっているかの検証です。その上に立って、どこを踏まえ、どこを変更しての再建計画であるか、その点お答えください。

○佐藤産業労働局長 新銀行東京、これまで赤字や債務超過に陥っている中小企業に対しましても、できる限りの支援を行ってきております。たびたびのお話で恐縮ですが、こういう中で九千社にも上る企業が業績を回復させてきております。
 再建計画は、このような資金繰りに窮する中小企業への支援継続、これを目的として策定をされております。加えまして、ファンドを通じたベンチャー企業への出資、これも多くは中小企業でありますけれども、また、中小企業振興公社など都の機関と連携をした、従来よりも充実した中小企業支援を行ってまいります。
 また一方で、経費につきましては、一店舗への集約、また人員体制の大幅な見直しなどで徹底した執行体制の見直しをすることとし、経費の削減を図っていく計画となっております。こうした取り組みを着実に進めることで、経営再建を確たるものとしていきたいと思います。

○原田委員 中小企業支援やベンチャー支援などは、リスクが伴う融資とされています。スコアリングモデルに依存し過ぎの反省が出ていますが、先ほどご答弁があった体制の縮小の中で、どのように従来より充実した体制をとれるのか、お伺いします。

○佐藤産業労働局長 これまで旧経営陣のもと、スコアリングモデルの過信があり、定性チェックを軽視した審査が行われており、このことが対象事業者の正確な財務状況や営業実態の把握を妨げまして、デフォルトの拡大につながったわけであります。
 再建計画では、これらの問題点を踏まえまして、新たに審査体制の充実を図っていくということとしております。
 具体的には、企業の財務状況のみならず、代表者の個人資産をも考慮した債務者実態に基づく審査を基本といたしまして、取扱商品、サービス、会社の将来性等も審査項目としております。
 加えまして、ベンチャーキャピタルやノンバンク等提携先の審査力を活用いたしまして、客観かつ効果的な審査体制を構築することとしております。また、審査能力の高い人材を審査部門に重点的に配置するなど、審査体制の充実強化を図ってまいります。

○原田委員 優秀な人材、審査能力の高い人材、そういうことの確保というのは、この前の、新銀行を立ち上げるときもいわれていました。いわゆる目ききが必要だという話はされていましたけれども、このような状況になったときに、果たして優秀な人材が来るか。そしてまた、大変、今、佐藤局長がおっしゃった理想的な体制をきちっとつくることができるか、大変疑問に感じます。
 リスク回避のシステムとして、統合リスク管理委員会、監査委員会、社外取締役、有力保証会社と連携した適正なリスク管理など、最初のプランには多角的に準備していたはずなんですが、一体どこが機能しなかったとお考えなんでしょうか。その反省をもとに、新たなリスク管理システムをお伺いします。

○佐藤産業労働局長 新銀行東京では、取締役会を頂点にいたしまして、監査委員会が執行体制を監査をし、その執行体制の健全性を確保するために、統合リスク管理委員会が設置をされております。このリスク管理体制によりまして、経営の透明性、健全性、信頼性等の安定的な確保を図ることとしておりました。
 しかしながら、旧経営陣が主宰をした統合リスク管理委員会では、デフォルト発生額が利息収入を上回る深刻な状況にあることなどを議論しながら、監査委員会、また取締役会に対する説明は極めて不十分なものであったことが、調査報告で明らかになりまして、設立当初想定をされたリスク管理体制が十分機能したとは考えられません。
 今後、新銀行東京では、委員会設置会社を継続しつつも、統合リスク管理委員会を中心に、それぞれの権限と役割を明確に区分しつつ、相互牽制を働かせることで適切なリスク管理体制を構築することとしております。

○原田委員 東京都がかかわってつくった銀行、一千億円を出資して失敗したあげくの四百億円の追加出資をすることでは、都民の信頼が大きく揺らいでいます。知事は、自分が社長ならもっと大きな銀行にしていると自信を持っておられるようですが、再建を目指す銀行に対して、知事及び東京都はどのようにかかわっていくのか、お伺いします。

○佐藤産業労働局長 都は、これまでも新銀行東京の経営について、必要な情報の入手に努めますとともに、意見表明を行うなど、経営の大枠を監視をしてまいりました。
 しかし、銀行法により会計帳簿等の閲覧が制限されるなど、監視に制約があったことは否めません。
 今後、都では金融庁とも十分に連携を図りつつ、積極的な経営監視に努めますとともに、事業面におきましても、都や中小企業振興公社、また産業技術研究センター等関連団体との連携を強化するほか、都としてできる限りのさまざまな支援を行いまして、新銀行東京の再建を確たるものとしてまいります。

○原田委員 いろいろ言葉はしっかりと踊っているようですが、それがどういう形で具体的なものになっているか、なかなかイメージがつかない、そんな印象があります。
 知事は、初日の答弁に対して、私一人が発想して行政が動くわけではない、事業を一存で進めてきたことは全くないと答弁しました。これは、トップダウンという話の中でのお話でしたけれども、しかし、現実に選挙の公約に掲げ、その知事が当選したことにより、行政がその実現に向けて走ったということは事実です。
 知事は、旧経営陣が物をいわせない強権体質であったと非難していますが、都庁内が物をいえぬ側近政治になっていることは、全く同じではありませんか。これが新銀行の失敗の原因であり、銀行経営の責任は執行役にあるとしても、知事の政治的責任は免れません。知事の政策ギャンブルは、二度は許されないことを肝に銘じるべきだと思いますが、知事の見解を伺います。

○石原知事 私は、あくまでも選挙で選ばれた知事でございまして、決して独裁者ではございません。いかに公約に何を掲げようと、私の独断で事が成るものでは決してありません。行政の組織というのは、そんな簡単なものじゃありません。
 しかし、新銀行東京が設立の志に反してこのような経営状態に陥り、追加出資が必要な事態に立ち入ったことは、まことに残念でありますし、ざんきしております。
 ゆえにも、私の政治責任は、この報われない中小企業のためにつくった銀行をあくまでも存続し、再生、再建していくことだと思っております。

○原田委員 私がいいたいことは、組織というのは人で動くということなんです。
 ですから、その組織の人たちが生き生きと動けるような体制を、トップは考えていかなければならないということだと思います。
 それで、仁司さんの、いわゆる旧経営陣の体制というのが、やっぱり非常に強権的だったというようなお話が組織をだめにしたというようなところでありますけれども、結局、やっぱりトップに立つ人は強力なリーダーシップを発揮しなければならないという立場にあるわけですから、自分が自覚するかしないかにかかわらず、そのリスクは持っているわけです。
 ですから、絶えずトップの座の人は、そのところに心がけていかなきゃならない。周りの人がどういうふうに考え、どんな考えを持っているのかというのを絶えず考えなければならない。そんな組織じゃないといけないというふうに思っております。
 そういう意味では、本当に絶えず、指導的な立場の人はそういうような気配りを周りにしていかなければならない。いろんな人たちがいろんな意見を持っている。その人たちがちゃんと意見をいって、リスクを回避するような体制をつくっていかなければならない、そう思うわけです。
 そういう意味で、組織づくりは人づくりということもありますので、仁司さん一人、トップの座で苦労したということもあると思います。ですから、私は、旧経営陣の話もきちっと聞いていくことが必要ではないかと考えます。
 次に、消費者行政についてお伺いします。
 緩やかな景気回復の基調をたどっているとはいえ、地方財政は必ずしも豊かでなく、厳しい財政の上の削減を余儀なくされている自治体が多い。その中で削減の対象になっている一つが、消費者行政です。
 東京都は、消費者行政の予算を堅持し、専門の相談員を充実させていることは評価したいと思います。消費者の権利を守るための仕事は、まさに市民の生活を守る仕事であり、市民生活に密着した相談業務が生命線です。
 東京都は、消費者の相談は電話相談が多いということで、立川にある消費者センターの相談業務を引き揚げました。今後は、市区町村が相談の窓口を設置して対応していく流れになるという方向性も示しています。市区町村での消費者の相談窓口の設置状況と、都の市区町村の消費者相談窓口への支援について、お伺いします。

○渡辺生活文化スポーツ局長 区市町村の消費者相談窓口は、平成十九年四月一日現在、島しょと檜原村を除く二十三区二十六市三町において設置されております。
 また、区市町村の消費者相談窓口への支援につきましては、都は、これまでもさまざまな取り組みを行ってきております。具体的には、都と区市町村の情報の共有化を図るため、毎月、情報連絡会を開催するとともに、相談処理に必要な最新情報を随時、年間百件以上でございますが、実務メモとして提供しております。
 加えて、平成二十年度には、相談対応に必要な情報の提供や交換を効率よく行えるよう、紙ベースの情報をデータベース化いたしまして、検索可能な情報として提供する消費生活相談支援サイトの運用を開始いたします。今後とも、区市町村の相談業務が充実するよう支援してまいります。

○原田委員 国では、消費者行政の一元化の組織体制の選択肢として、消費者庁構想にあるような独立官庁型、公正取引委員会のような行政委員会、内閣府国民生活局に関した省庁に勧告権限を付与し、既存組織の強化を図る考えを挙げています。こうした国の消費者行政の一元化に向けた動きに対し、都の見解をお伺いします。

○渡辺生活文化スポーツ局長 国は、消費者行政の一元化を目指し、現在、組織のあり方について検討を進めておりますが、都としては、複雑多様な消費者問題に迅速かつ適切に対処できる体制を整えるべきだと考えております。
 また、法令や制度の見直しに当たりましては、消費者行政の現場を支える地方自治体がその業務を円滑に行えるよう、十分な配慮がなされるべきと考えております。
 都は、これまでも国に対し積極的に提案要求を行ってきておりまして、昨年の七月には、特定商取引法に基づく電話勧誘販売と通信販売に関する大臣権限を知事に移譲する政令改正を実現いたしました。今後とも消費者行政の充実を求め、国に対して積極的に働きかけてまいります。

○原田委員 ぜひ頑張ってください。
 消費者契約法の改正により、昨年六月から、消費者被害の未然防止、拡大防止のため、内閣総理大臣の認定を受けた適格消費者団体が、悪質な勧誘行為や不当な契約事項の差しとめを求める訴訟を提起できる、消費者団体訴訟制度がスタートしました。既に全国で五つの消費者団体が認定を受けていますが、適格消費者団体が消費者団体訴訟制度を活用して消費者の安全を守るために、地方自治体が保有する消費者からの相談情報の提供を求めています。この点に関し、都はどのように認識し対応しているのか、お伺いします。

○渡辺生活文化スポーツ局長 悪質事業者から都民を守るためには、消費者団体訴訟制度が果たす役割は大きいというぐあいに認識しております。このため、都では昨年八月に消費者団体訴訟制度連絡会を設置し、首都圏において活動実績のある二つの適格消費者団体と区市町村の代表等と、意見交換や協議を行っております。
 また、適格消費者団体が差しとめ請求権を行使するに当たりまして、必要とする都や区市町村の消費生活相談情報を提供できるよう、覚書の締結を進めているところでございます。今後ともこの制度が有効に機能するよう、適格消費者団体を支援してまいります。

○原田委員 消費者行政が生活者の視点に立って展開されるためには、ご答弁のように、国、自治体、消費者の信頼できる関係づくりが求められます。消費者の意見に耳を傾け、都民の立場に立った信頼される消費者行政が必要です。
 今、消費者の関心が最も高いのは、食の安全です。表示の偽装や農薬混入に焦点が当たっています。
 BSEも忘れてはならない問題です。国は、全頭検査を必要としないとしていますが、多くの自治体が全頭検査を継続する意向を発表しています。東京都も早急に態度を明確化すべきと考えますが、見解を伺います。

○安藤福祉保健局長 国は、生後二十カ月以下の牛の検査費用補助を本年七月末で終了することとしておりますけれども、その時点までは、これまでと同様に、すべての牛についてBSE検査を実施していくことに変わりはございません。
 本年八月以降の検査につきましては、既に昨年第二回定例会でお答えしたとおり、今後の状況を踏まえ、適切に対応してまいります。

○原田委員 次に、子どもの放課後対策です。
 子どもを取り巻く状況は悪化し、保護者が就労等で家庭にいない子どもだけでなく、子ども全体の放課後対策の必要性はますます高くなっています。
 地域では、従来の福祉保健局の学童クラブに加え、教育庁の放課後子ども教室と二つの施策が並行して実施され、その事業の根拠、指導員、参加方法などの基準、それに伴う国の基準も乖離しています。既に実施している自治体では、さまざまな問題が生じています。きめ細かな対応が求められるこの分野こそ、基礎自治体への権限と財源の移譲を実現し、自治体の現状に合った対策が展開できるよう強く求めるものです。
 国は、七十一人以上の規模の学童クラブについて、平成二十二年度以降補助金を廃止する方針です。都内では、七十一人以上の学童クラブが三百以上、約二割になりますが、あります。二千二百以上の待機児がいるといわれています。
 そこで、大規模学童クラブ、待機児学童解消に対する都の取り組みをお伺いします。

○安藤福祉保健局長 子どもたちが放課後に安全で健やかに過ごせる場といたしまして、学童クラブは大変重要でございますけれども、大規模クラブや待機児童の解消が課題となっております。このため、今年度こうした課題を抱えております区市町村を対象にヒアリングを実施し、解決へ向けた計画の策定などの取り組みを促しているところでございます。
 さらに、来年度は新規開設する際の補助対象を、株式会社やNPO法人等に広げる区市町村に対しまして支援することといたしております。

○原田委員 特別支援教育も本格的実施となり、障害のある子どもも地域の学校で一緒に学ぶ教育が始まり、小中学校では教師の研修も行われています。
 全学童の受け入れを対象としている放課後子ども教室は、コーディネーターや安全管理員などに、障害児理解をテーマとした研修が実施されています。放課後子ども教室の実施状況と課題についてお伺いします。

○中村教育長 放課後子ども教室は、ことしの二月現在、三十八区市町村、四百八十カ所で実施しております。本事業は、実施初年度でございまして、現在、課題の把握に努めているところでございますけれども、中で幾つかの区市町村からは、教室運営にかかわる人材の安定的確保、あるいは下校時の安全確保などに課題があるというふうに聞いております。
 教育委員会では、現場のコーディネーター、小学校長、放課後児童指導員等、それぞれの立場からの意見を聞くとともに、現地調査や教室を対象にいたしました実態調査を行っているところでございまして、今月中に結論を取りまとめます。

○原田委員 放課後児童クラブでは、障害児対応の指導員が配置されています。しかし、放課後子ども教室には、障害児対応の指導員は配置されていません。しかも、放課後子ども教室はボランティアの方の参加が多く、障害のある子どもの安全確保には負担が大きいのが現状です。
 都は、国に対して、障害児の受け入れ促進につながるバリアフリー化や介護への補助等の条件整備を行うよう、強く要望したと聞いていますが、都も、学童クラブと同様、指導員の配置ができるよう支援すべきと考えますが、見解を伺います。

○中村教育長 本事業は、各教室の状況に応じまして、区市町村がそれぞれの判断で障害に理解のある安全管理員をふやすなど、障害児の受け入れに対応しております。
 また、都教育委員会といたしまして、安全管理員やボランティアなどを対象に、障害児も含め適切な対応が図れるよう、教室運営、子ども理解、障害児理解等をテーマといたしました研修を実施しております。
 平成二十年度もこうした取り組みを充実させるとともに、障害児受け入れの先進的な取り組み事例などの情報提供を行いまして、区市町村を支援してまいります。

○三宅委員長 原田恭子委員の発言は終わりました。(拍手)
 以上をもちまして付託議案に対する総括質疑は終了いたしました。

○三宅委員長 次に、部局別質疑について申し上げます。
 部局別質疑は、本委員会設置要綱の定めるところにより、各常任委員会の調査をもってこれにかえることとなっておりますので、所定の手続を議長に申し入れます。ご了承願います。
 各常任委員長に申し上げます。
 部局別質疑に関する調査報告書は、三月十九日の午後五時までに提出されますよう、特段のご配慮をお願いいたします。
 なお、来る三月二十五日については、締めくくり総括質疑を行っていただきます。
 また、三月二十六日に予定しております討論などの委員会運営につきましては、理事会にご一任願いたいと思います。ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午前四時二十二分散会

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