東京都議会予算特別委員会速記録第三号

   〔委員長退席、高島副委員長着席〕

○高島副委員長 山下太郎副委員長の発言を許します。
 なお、田中良理事より関連質疑の申し出がありました。
 本件は、予算特別委員会実施要領第七項の規定に基づき、質疑委員の持ち時間の範囲内で認めることになっております。
 田中良理事の関連質疑を認めます。
 田中理事に申し上げます。発言は、山下副委員長の質疑の持ち時間の範囲内となっておりますので、あらかじめご了承願います。

○田中委員 二期八年の石原都政の最大の特徴の一つは、知事の庁外スケジュールの多さです。三期目に臨もうとしている知事の政治姿勢の基本にかかわる問題だと思うので、庁外日程管理についてただしてまいりたいと思います。
 きのうに引き続いて、吉兆会合について伺います。
 繰り返しますけれども、週刊誌で報じられているのは承知していますけれども、我々は会合出席者より直接の証言を得た上でただしているんですね。
 知事に献金をするために五百万円を用立てたという人の証言があるわけですが、この人のいい分だけをうのみにしてはいけないと私は思いますよ。だから一方の知事に聞いているわけなんです。けんかに例えてみれば、両者のいい分を聞かなきゃ、何が事実か判断できないというのと同じことなんですね。
 したがって、知事が感情的になる必要など全くなく、事実を淡々とお答えいただければよいことでありまして、むしろ、何もやましいことはなかったということを証明する機会として答えていただければよいんです。
 きのうの答弁では、長年の友人である糸山さんを信用し、糸山さんがセットされた宴会に出席をされたということでありました。しかし、我々が得た証言では、そこに同席をし、知事がお礼をした水谷さんは建設業者、もう一人の方は霊園の開発業者でした。
 そして、実は、三男の当選祝いという名目だけで水谷さんが出席したわけではありません。ここで肝心なことは、水谷さんは、知事も来るから来ないかと糸山さんから誘われたということをはっきりと証言しているんですね。つまり、知事ありきの主体の会食であって、その支払いは、結果、糸山さんが払っただけで、糸山さんは吉兆の請求書を水谷さんに払わせようとしたということは、きのう述べたとおりなんですね。
 知事は、都の事業の発注者であって、許認可権を持つ立場であります。そういう立場にある知事が、だれの主催で、何の目的で、同席のメンバーはどういう人たちが来て、支払いはどうするのか、こういった基本的なことを確認せずに接待の場に出かけていくということは、これは場合によっては刑法上の問題が生ずるおそれがあるんですね。
 つまり、庁外が多い知事の、その庁外スケジュールの決定管理に私は重大な問題があると思っているんです。それが、そもそもあらぬ誤解を受ける原因になっているというふうに思うんです。
 そこで、伺いますけれども、それでもご自身の行動に全く問題なしというふうにお考えなのか。また、庁外日程管理を主に担当している特別秘書の業務に対して、何らの問題意識も持たないのか、いかがですか。
   〔傍聴席にて発言する者あり〕
   〔発言する者あり〕

○石原知事 私の庁外でのアポイントメントは、特別秘書等にスケジュールを打ち明けて、その上で私が決めます。これは、私は私なりの常識で採択しているわけでありまして、息子の当選祝いをするから出てこいということで、そのときに協力してくださった方々も数人来られるということで、私はお礼を兼ねて出向きました。
 相手が何をしている人かというのはさっぱりわかりませんし、これは週刊誌からの要するに情報ですけれども、水谷なる人物は、その後、あなたに聞かれたか、だれに聞かれたか知りませんが、石原は私が何をしている人間か知らないようだなといったそうでありまして、それは週刊誌に出ていましたな。私は、そのもう片方の方が何をしているか、これは全く知りません。
 ということで、私は、呼ばれたから出かけて、礼をしに行ったんで、これはやっぱり私の親としての礼節だと思いますし、それが非常識であり、法に触れかねない、要するに行動とは私はとても思えません。

○田中委員 週刊誌で喧伝されている浅薄不確実きわまりない情報をただ仄聞しているというわけではないんですね。
 繰り返しますけれども、水谷さんは建設業者、もう一人の方は霊園の開発業者なんですね。建設業者や霊園の開発業者の方々と同席をし、知事が支払いをせずに接待を受けるということは、世間の目から見てどのように映るかという問題なんですね。ともに会食をすれば、互いの仕事内容について当然話題にもなるでしょう。水谷さんの証言によりますと、実際、霊園に関することも話題になったそうですね。何事かは知りませんけれども、知事に頼み事もなされたという証言なんですね。
 総務局の法務部に確認をいたしましたけれども、純粋な法律の解釈として示された資料を見る限りにおいては、場合によっては刑法上の問題に抵触する可能性がないとはいえない状況だったとはっきり見てとれるわけなんですね。
 これまでのような庁外のスケジュールのあり方、庁外スケジュール管理のあり方を当然として、首長多選の領域に入るともいわれている三期目に臨むという知事の政治姿勢の危険性をあえて指摘をさせていただきたいと思います。
 さて、この吉兆において、知事に現金が渡されたのではないかということが疑惑としてマスコミで報じられています。
 我々は会合出席者から、知事に渡すから五百万円を用意するよう糸山さんの秘書からいわれ、会合の当日、現金を用意し、港区の糸山タワーに持っていったという証言を得ているんですね。その現金が、この吉兆で、知事と糸山さんの二人きりのときに受け渡しをされたのではないかという疑いが報じられています。
 そこで、伺いますけれども、知事は現金の受け渡しはなかったと、こう否定されていらっしゃるわけですが、そうあってほしいと思いますが、しかし、多くのマスコミ報道で都政に対する信頼が失われたのは事実なんですね。
 かつては誤報には直ちに反応した知事が、今回はここまでいわれていながら、音なしの構えというのは何でなんでしょうか。知事に関してこのようなことが報道されるということは、知事個人の問題にとどまらず、都政に対しても不信の目を向けられるということでもあるんですね。これを正すために、もし知事への献金として五百万円用立てたというこの人の証言がうそならば、まさに浅薄不確実な情報を喧伝している証言の当事者を告発をするべきではないんですか。なぜ名誉毀損で訴えないんですか。(発言する者あり)
 また、これを吉兆疑惑として報じているマスコミに対しても、なぜ抗議をしないんでしょうか。
 もし仮に糸山さんが都知事の名前を使ってお金集めをしていたということならば、知事に対する信頼を損ねるということになるわけですから、もしこういうことであったならば、これにももちろん毅然として対応するべきではないのかと思うんですね。
 知事が会合に出席した証言者に対して、あるいは疑惑と報道するマスコミに対して、さらには長年の友人とされる糸山さんに対して、公に事実確認を求めたり、あるいは名誉毀損など法的手段をもって毅然とした対応をされないということが、かえって政治不信を深めさせている原因ではないかと、こういうふうにも考えられるわけなんです。
 なぜ対応されないのか、知事にお答えをいただきたいと思います。いかがですか。
   〔傍聴席にて発言する者あり〕
   〔発言する者あり〕

○石原知事 興奮しないでください。
 いわれのない疑惑があるから、潔白を証明しろというのは、これは筋違いじゃないでしょうか。疑惑をいうなら、まず疑惑の中身を民主党自身が証明されたらいいじゃないですか。週刊誌が取り上げた根拠のない情報を頼りに何をいってみても、空虚に聞こえるだけですよ。ゴシップ記者じゃあるまいし、公党としての品格を私は疑わざるを得ない。
 ご指摘の疑惑など一切ございません。これは……
   〔発言する者多し〕

○高島副委員長 静かに。静かに。
 どうぞ。

○石原知事 これは、糸山さんに招かれて、糸山さんの主催する席に私がお礼に参上しただけのことでありまして、そこに初めて私が行った。水谷さんなり、霊園経営業者ですか、その人の名前を失念しましたけれど、その人と糸山さんとの金銭関係は私は全く知りませんし、これは糸山氏の問題であって、私が関与する問題じゃない。
 私は、糸山さんにそのことをただしました。彼は、全くそんなことはないといいました。それをさらに確認されたいんなら、糸山氏自身にあなたがお聞きになったらいい。それもすべき調査の一つじゃないでしょうか。

○田中委員 質問にお答えになってはいただけないようですけれども(「答えているじゃないか」と呼び、その他発言する者あり)週刊誌をもとにして私は質問したのではなくて、一方の当事者の発言、例えば水谷氏はこういっているんですよ、その日にお金持ってこいといわれた、五万や十万ならおめでとうと持っていくが、催促されて持っていくものじゃないし、おかしなこといわれるなと、糸山さんが知事に何かお願いしているかなという思いもあったんですと。これは一部ですよ。我々は何時間もお話を聞いていますよ。だから、仄聞していっているとかという問題でない、片方のいい分だけうのみにできないから、知事にお尋ねをしているんでね。(発言する者あり)
 お答えいただけないようですが、もしお気持ちがあれば毅然とした対応をされることを望みます。
 以上です。
   〔傍聴席にて発言する者あり〕

○高島副委員長 計測をとめてください。計測をとめてください。
 ちょっと傍聴の議員さんも含めてお話をしますけれども、発言者といろいろと、両方いろいろと議論しているのは構わないんだけど、答弁者がしゃべっているときにはなるべくいわないように、ひとつお願いをしたいと思っております。
 やっぱり節度ある委員会運営をさせていただきたいと思いますから、ここの席にいる私の指示に従っていただきたい。
 それでは計測を始めてください。

山下委員 それでは、私からは、「十年後の東京」についてお伺いをしていきたいというふうに思います。
 この「十年後の東京」を検証する上で、東京構想二〇〇〇の政策指標の照合が必要とされますが、いまだに公表をされていません。
 都は、我が党の代表質問において、東京構想二〇〇〇をどう検証し、反映するのかと質問したにもかかわらず、ただ、やってます、やってますからと答弁をし、結局、外部に進捗状況などを示してこなかったのは、開かれた都政に背を向けたものとしか考えられません。
 政策指標の経過の公表を求めるものですが、見解を伺います。

○山口知事本局長 東京都は、平成十二年に策定いたしました東京構想二〇〇〇において政策指標をお示ししましたが、これは構想策定当時における目指すべき政策の目標数字を具体的に示すため、一つの試みとして設定したものでございます。
 その後、構想に示されたさまざまな取り組みなどによりまして、それを戦略的に実施していくため、進捗状況などの検証を踏まえて、現在は重要施策、重点事業による先駆的な政策展開を図っているところでございます。
 この重要施策、重点事業を毎年度検証、改定し、これを公表していくことで、政策に対する検証、評価と政策目標の設定をさらに的確に行っております。

○山下委員 ただいまのご答弁の中で、主に最後の部分ですが、重要施策、重点事業を、毎年とおっしゃったかと思いますが、検証、改定し、これを公表していくことで、政策に対する検証、評価と政策目標の設定をさらに的確に実施するということだったというふうに思います。
 これを、私の曲解であれば訂正をしていただきたいと思いますが、都民から見れば、この重点施策、あるいは重点事業を、あれがなくなったからだめだったとか、これは続いているからよかったんだと、都の事業から毎年、翌年に確認をして判断を示さなければいけないのか、そういった作業をしなきゃいけないのかというふうに、今の最後の部分のご答弁は私にはとれたんですが、訂正があれば訂正をしていただきたいと思います。

○山口知事本局長 今の重要施策、重点事業につきましては、戦略的に優先順位をつけて、その順位をつけた事業について、現在はそれを三カ年のローリングをかけて、検証で見直しながら、翌年度、翌年度、それをローリングしていく政策になっておりますから、そこで今、副委員長おっしゃったように、これを毎年度検証して、改定して、次の重点事業でやっていくものでございます。

○山下委員 私が、冒頭に質問をさせていただいたのは、そういったことを公表して、議論の中に入れていただきたいと。要するに今、我々が、都民から--議会だけじゃなくて、我々が、都民が見たときに、しっかりと、東京都がこういうふうに物事を考えているんだよというのをお示しをいただきたいというふうな質問で、その私の質問に対してそういったご答弁で、私の疑問が今、生まれたものですから、質問させていただいた次第でございます。
 時間も、関連質疑が入った関係で短くなっておりますので、次の質問、まだしっかりやりますから、じっくり聞いていただければというふうに思います。
 政策によっては、地域ごとに適したものが講じられる必要があるため、かつての東京構想二〇〇〇では九つ、多摩の将来像二〇〇一でも四つのエリアを設定し、地域の将来像を描いてこられたと思います。
 今回の「十年後の東京」には地域区分がございません。地域区分を行わなかった理由を教えていただければと思います。

○山口知事本局長 今回策定いたしました「十年後の東京」は、東京をさらに機能的で魅力的な都市につくりかえていくため、緑化の推進や集中的な耐震化対策など、都全域を視野に八つの目標を掲げまして、都市戦略として策定したものでございまして、エリアの区分は示してございません。
 しかし、多摩シリコンバレーの形成、それから都心部における面的な無電柱化など、地域特性を踏まえた特色ある政策を各分野で掲げております。

○山下委員 今、ご答弁もいただきました、例えば私なんかは北多摩北部地域の清瀬というところに住まっておりますけれども、今の中で私が伺いたかったのは、答弁にもありましたシリコンバレー化する、多摩でいえばですね、そういったことがあるんですが、そういう流れの中で、じゃ、北多摩北部とはいいませんが、多摩の中のこのエリア、一つはわかったです、シリコンバレー化すると、大きな目標はわかったんですが、「十年後の東京」というふうに銘を打たれているわけですから、じゃ、多摩のここのエリアはどうするんだというところが私には見えてこない。そういう気持ちを持ったものですから、こういう質問をさせていただいたというふうに、しっかり申し上げておきたいというふうに思います。
 今後、ぜひ地域を示していただいて、この地域はこうなる、十年後こうなるというのも示していただきたいと申し上げておきます。
 青島前都知事は、東京が成熟社会を迎えたとして、生活都市東京構想を策定いたしましたが、この過程で、公募都民や区市町村長、財界人、在日外国人などの生活都市東京を考える会を招集し、東京像や政策の方向を検討いたしました。
 東京構想二〇〇〇では都民から、多摩の将来像二〇〇一でも市町村や多摩地域の都民から意見を聞いています。
 知事が、私に似た姿勢で強い友人であると評したリビングストン市長のロンドンプランでも、何回にもわたり関係団体やロンドン市民との協議を行い、それらの意見を取り入れて計画化を図っています。
 では、なぜ、この「十年後の東京」では、外部の有識者や都民の皆さんから意見を聞く機会を設けなかったのか、伺います。

○山口知事本局長 今回の「十年後の東京」でございますが、まず、東京の近未来像について、都の基本的な考え方を都市戦略で示したものでございます。
 策定に当たりましては、都政モニターアンケートの結果、あるいは予算編成におきます区市町村からの要望を踏まえるだけでなく、これまでの都議会での議論や、学識経験者や民間事業者の意見を聞きながら検討を進めてきております。
 今後、「十年後の東京」の実現には、美しい景観の創出や緑化の推進を初め、都民、区市町村、民間事業者、NPOなど東京を支える多様な主体との協働が欠かせません。このため、政策展開を具体化する段階におきましても、さまざまな方からの意見反映に努めてまいります。

○山下委員 私が、都民の意見を広く聞く機会というのはなかったんですかという問いに対して、今現在はまだそういうことは行っていないと、これから聞くという意思があるということでよろしいですか。(「そんなことはない、聞いているよ、ちゃんと」と呼ぶ者あり)聞く範囲のことを申し上げています。

○山口知事本局長 策定に当たりましては、先ほど申しましたように、さまざまな分野のご意見を聞いて、ここまでつくってきたものでありまして、むしろこれから実施するに当たりまして、さまざまな主体、都民、区市町村、民間事業者、NPOなど、行政だけでなく、さまざまな主体と協働でやるものですから、それの実施に当たりましては、その段階でも意見の反映に努めていきますというご答弁でございます。

○山下委員 そもそも都は、オリンピックをてこに都市を変革する、二〇一六年の東京の将来像を明らかにするとしましたが、これは、私から見れば、今後の十年間の東京の改修計画の一覧を公表したにすぎないのではないかと考えています。
 都の、これは知事も何か一部、もしかしたら訂正があったら後で触れていただければと思いますが、どこかの場面で知事もそういった趣旨の発言を、もしかしたら、されたんではないかなと。(石原知事「そういった趣旨とは何だよ、はっきりいってくれ」と呼ぶ)はっきり申し上げますと--ちょっと今の形はおかしいと思いますが、「十年後の東京」の改修計画、こういった部分について、知事がどこかの場面で、マスコミの前でしょうか、私も確証がありませんので申し上げられませんけれども(発言する者あり)そういう発言もあったやに伺っております。
 都の「今後の財政運営の指針」では、新規事業や必要に応じて既存事業に終期を設定すると述べていますが、「十年後の東京」では、それぞれ事業の終期が設定をされていませんが、明確な理由をお答えください。

○山口知事本局長 たびたびのご答弁ですけれども、「十年後の東京」は、二〇一六年、すなわち十年先の東京の近未来図と、その実現に向けた政策展開の方向性を示す、いわゆる都市戦略として策定したものでありまして、いわゆる事業計画ではございません。
 お話しの「今後の財政運営の指針」に示されました終期の設定は、具体的な事業を対象とするものでございまして、「十年後の東京」に対しては当てはまらないと考えております。

○山下委員 当てはまらないというふうにおっしゃいますが、私が思うにそもそも「十年後の東京」とうたわれてお出しになっているわけですから、十年後の東京はこうなりますよというふうにおっしゃっているというふうに考えます。
 その実現のためには、具体的な事業を積み重ねていくという作業があるんだというふうに思います。このままでは、今の答弁、確かに繰り返しの部分が多くありましたが、私が本当に十年後、今描いているものが完成するのか、そういった東京になるのか、現時点においては何も今まだ、質問をまだしますけれども、明確なものが得られていないという段階においては、疑問だとしかいいようがないということだけはあえて申し上げておきます。
 続いて伺いますが、知事いわく、「十年後の東京」を東京の可能性を具体的な政策の方向として示した近未来図であると述べていらっしゃいますが、具体的なものであるとするならば、その財政的な裏づけも、これもやはり示していかなければならないというふうに当然私は考えるんですが、その財政的裏づけをここで明確にしていただければと思います。

○山口知事本局長 「十年後の東京」でございますけれども、これは先ほどいいましたように、将来の目指す東京の姿と、それに向けました政策の展開の方向を示す都市戦略でございますから、個々の事業の実施計画ではございません。
 具体的な事業費につきましては、今後、この実現に向けた重要施策、重点事業の取り組みにおきまして、政策展開の具体化を図る中で明らかになっていくものでございます。
 なお、実効性の担保につきましては、地球温暖化対策推進基金など三つの新しい基金の創設や、組織横断型の戦略会議における検討によりまして、実現の確保をしていくつもりでございます。

○山下委員 要は、私が今の質問で伺いたかったのは、「十年後の東京」に必要な総事業費というものは一体どれぐらいなんだろうかなと、そういう意味合いで質問をさせていただいて、ご答弁に繰り返しの部分もありましたが、そういったご説明がありました。
 要は、これから計算というか、これからいろいろやっていくんだということだろうというふうに私は考えています。
〔石原知事「十年までの総事業費なんて、だれだって考えられない」と呼び、その他発言する者あり〕

○山下委員 現時点において、総事業費が……(発言する者あり)ぜひ聞いていただきたいのですが、総事業費が示されないということで……
   〔傍聴席にて発言する者あり〕
   〔発言する者あり〕

○山下委員 それでは十年後に向けた八つの目標というものを掲げている……
   〔傍聴席にて発言する者あり〕
   〔発言する者多し〕

○高島副委員長 計測を、計測をとめてください。
 申しわけないけれども、まあどちらもそうなんだけど、傍聴人同士も、いさかいじゃないけど、議論はきちっと良識を守ってよ。(発言する者あり)どちらも。委員長がしゃべっているんだから。わかった。それから、理事者も、ちゃんと私が発言してから答えてください。よろしいですか。そんな熱くならないで、冷静にいきましょう、冷静に。よろしいかしら。
 はい、計測を始めて。

○山下委員 もう一回質問の冒頭から参りますけれども、現時点で総事業費が示されないということであれば、それでは十年後に向けて目標を八つ、この中では定められているというふうに思いますが、その中の一つ、水と緑の回廊で包まれた美しい東京を復活させるというふうにあります。この目標は、私も別に何も反対するものではなくて、実現をぜひしていただければ、それが一番ありがたいことだと、すばらしいというふうに思っていますが、これも先ほどの繰り返しになりますが、この目標をも実現するためには一体幾らかかるのか。もちろん細かな数字じゃなくて結構なんですよ。こういう目標で、例えば先ほどの終期の問題でもそうですけれども、いつまでに、幾らかかって、どういう計画でやるのかというものをお示しをいただけてない今の計画に、私は質問しているわけです。
 そういった観点から、この目標を実現するために一体幾らかかるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

○山口知事本局長 同じ答弁で大変申しわけないんですけれども、これは個々の事業の実施計画ではございませんので、具体的な事業費につきましては、今後、この実現に向けた重要施策、重点事業等の取り組みにおきまして、政策展開の具体化を図る中で明らかとなるものでございます。

○山下委員 同じご答弁をいただけると、していただいているというふうに思えば、まだ八つ残っている中で一個ずつ、じゃあこれはどうなのかと伺っていきたい気持ちはやまやまですが、これを全部伺っても、答弁は同じ、これからというふうなことでしょうから、これ以上伺いませんが、私がここで明確に申し上げておきたいのは、今、先ほどの総事業費もそうですけれども、事業費、具体的、個別な八つの目標ですよ、目標に掲げている、それよりさらに細かい話をしているのではないのです。目標に八つ掲げていて、それを実現するためにどうするんだという、その事業費を具体的に実際的にどうするんだというものに対してお答えをいただけなかったということに関しては、今現在においてはないんだろうなというふうに推測をさせていただいています。
 総事業費も示していただいておりません。そして、具体的な事業費もお示しをしていただけないこの状況の中で、これはまさに私から見れば絵にかいたもちだというふうに思います。知事は以前、この定例会の中でしたが、批判した抽象的なマニフェストと、これでは全く一緒だと私は逆に申し上げたいというふうに思います。
 本当に知事のおっしゃるように具体的な近未来図であるとするならば、これらの事業を執行する上でも、具体的な実施計画を示す必要があると思いますが、知事のお考えをお聞かせいただければと思います。

○石原知事 これは、十年一昔という言葉がありますけど、英語ではワンディケードといいますが、大体それが一区切りなわけです。ですから、十年先の、要するに近未来どうなるかという想定で、しかも、要するに実現、今の都市力をもってすればできることを何項目か挙げました。現に、例えば国がやっていないC型肝炎対策などは、予算を組んで始まっていますよ。そういったものも、ピラミッドをつくるみたいにいろんなところから一つ一つずつ足をつくっていくわけです。
 ですから、これは国会の問題になるかもしれないけど、あなた方の取り次いで、やっぱり、オリンピックが果たしてIOCで勝てるかどうかわかりませんが、一応それを想定して、東京の一番ネックである三環状を完成しよう。だったら、要するに中央環状、これは変な形で凍結されたわけですから、計画路線にのせなくちゃいけない。この努力というのは、これは国会の仕事なんですよね。これはやっぱり民主党に協力してもらいたいし、しかも、その一つ、前提になるオリンピックも、これはやっぱり私たちも北京のオリンピックに協力しようと思っていますが(資料を示す)これ、おたくの民主党の議員さんも入っていて、きょうどこか経済団体の前で、北京オリンピックを--心情はわかりますよ、この人たち。わからないではないけど、あなた方はやっぱり、オリンピックについても民主党というのは一体どういう足並みなのか。これだってやっぱり東京に響いてくる一つの前提なんですよ。(「関係ないだろう」と呼ぶ者あり)いや、関係ないことないですよ。だから、民主党のオリンピックに対する足並みというのは一体どうなのかも、それがわからぬと、私たち、三環状をオリンピックを名目に進める迫力にならないじゃないですか。しかし、いろんなものを地ならししながら、どっちから石を一段二段積んでいくか知らぬけど、戦略というのはやっぱり、いきなりばかっとできるものじゃない。行政というのはそんな簡単なものじゃない。それをひとつ考えて質問していただきたい。

○山下委員 私、なるほど、今の知事のご答弁を伺って、私が伺いたかったのは--まあ最後の部分、若干答弁いただいたというふうに思いますが、具体的な実施計画を示す必要があるんじゃないですか、ご答弁をお願いしますと伺っているんです。それに対して今知事は、いろいろもろもろありましたが、民主党の議員がこんなことをやって、オリンピックどうなんだ、そんなこと聞いてないんですよ、知事。そんなこと聞いてないんです。私が質問をさせていただいていることに対して、知事はぜひその質問に対してのご答弁をいただきたいと思います。(「答えてるよ」と呼び、その他発言する者あり)
 もう一回、いいですか、もう一度申し上げます。もう一度申し上げますが、具体的な実施計画を示す必要があるのではないんでしょうか。どう思いますか。

○石原知事 それは当然、当たり前のことじゃないですか。大きなスキーム、戦略をつくって、それを実現していくには、いろんな戦術というものが構築されて戦略が完結していくわけです。だから、今申し上げたように、要するにあの中の一つの項目である、これからの要するに住みやすい東京、健康も含めて、C型肝炎なんていうのも着手しているじゃないですか。これから先、例えば緑の回廊をどこから先につくっていくかという問題はやっぱり区市町村と話し合いでしょうよ。これは戦術ですよ。しかし、それは大きな戦略がなかったら、どこの区市町村も物をいわないし、話も聞かないじゃないですか。物はやっぱりそういうふうに構造的にできているんですから、それを考えて質問してください、あなた。

○山下委員 いいですか、知事、もちろん知事だけじゃないと思いますが、いろんな方の力があって、十年後の東京はこうなりますよという絵をかかれたわけですよね、知事が。で、おっしゃるとおり、これからやらなきゃいけない作業もいっぱいあると思うんです。それは私もよく理解できています。理解しているつもりです。でも、明らかにここにオープンにしたもののレベルが、現段階において我々にとって何のチェックのしようもないものじゃないんでしょうかと、そういう観点で、裏づけはどこにあるんですかというふうに伺っているわけであります。
 では--いや、待ってください、待ってください。答弁されますか。じゃあお願いします。

○山口知事本局長 先ほどのお話ですけれども、要は実効性をどう担保するかでございますけれども、それはさまざまなやり方があると思います。今回、十年後の都市戦略を示したのは、その戦略に基づいて、先ほどご答弁しましたように、予算サイドからすれば、地球温暖化対策基金を初め、新たに三つの基金を創設することによって、財政の実効性を担保しようとする考え方。もう一つは、組織については、今までの都庁の、組織横断的に戦略会議をつくって、その改革でやっていきましょうと。それから、毎年度組みます重点、重要事業につきまして、ローリングして具体化を図っていこうということでございます。

○山下委員 最後に一言だけ申し上げます。
 今後この計画がどうなっていくのか、我々は厳しくチェックしていくことを申し上げ、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)

○高島副委員長 山下太郎副委員長及び田中良理事の発言は終わりました。

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