東京都議会予算特別委員会速記録第五号

   午後三時三十二分開議

○大塚副委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 花輪ともふみ理事の発言を許します。

○花輪委員 まず、先ほど川井先生からもお話がありましたが、AED、自動体外式除細動器、このことで、交通局の方が、ちょうどこの建物の下の都庁前駅というんですか、あそこの駅で人命救助をされたという大変うれしいニュースがありました。私たちも大変うれしかったですし、恐らく一番うれしいのは、命が助かった本人と、またご家族の皆さんかと思います。
 まず、そのときの状況についてご説明をいただければと思います。

○松澤交通局長 本年三月十六日午後一時半ごろでございますが、大江戸線の都庁前駅のコンコースで年配の男性が倒れていると駅事務室に通報がございまして、副所長以下四名が現場に急行したところ、呼吸が停止し、意識不明の状態でございました。
 直ちに人工呼吸及び心臓マッサージを開始するとともに、駅に備えつけのAED、今お話ありましたように自動体外式除細動器ですが、これを使用いたしまして救命措置を続けるうちに息を吹き返したものでございます。
 その後、消防署の救急隊が到着しまして、病院に搬送されましたが、お客様は幸い命に別状はなく、現在治療中とのことでございます。

○花輪委員 この方々は、ふだんからいろいろなそういう緊急事態のトレーニングを受けていらっしゃって、それをまじめにやっていらっしゃったと思いますし、また、こういう本当に緊急事態のときに機転がきくというんですか、それで、あそこにAEDがあった、とりに行こうといってやったことだと思います。
 こうやって本当に頑張ったときには、成果というか、こういう本当によいことが起きたときには表彰なんかも考えた方がいいんじゃないかと思うんですが、そのあたりはどのようにお考えでしょうか。

○松澤交通局長 今回の人命救助につきましては、地下鉄事業に従事する者といたしまして当然の責務ではございますが、冷静に救命措置を行い、お客様の命を救ったことは他の職員の模範となる立派な行動、このように考えております。
 このため、近々、まず交通局として四名の功績をたたえ、表彰する予定でございます。

○花輪委員 すばらしい対応だと思います。ぜひしっかりと表彰してあげていただければと思います。
 次に、このAEDなんですが、私も、もしかしたら、こういう仕事をして、公明党さん、自民党さん、また会派、そういう仲間たちがAEDのことについて質問をされたりしているから、あれがAEDなのか--例えば都庁の建物の一階にあったりとか、二階にあったりとか、また外で見たときに、あそこにもAEDがあるなというふうに気づいたりします。
 しかし、こういう仕事をしているからこそ気づきますが、あれがAEDで、どんなものかというのがわかりますが、もし、私、そういう仕事をしていなかったら、あれが何なのかわからなかったかもしれない、目の前に倒れている人がいても、あれを使えば何とかなるかもしれない、そんな発想にならなかったかもしれないと思うんです。ですから、やっぱりこういうものはしっかりと普及とか啓発をしていかなければいけないと思います。
 それで、今、東京都内でどれだけのAEDを使って命が救われたような方がいるか、その辺の数字はお持ちでしょうか。

○関口消防総監 先ほど交通局長の答弁にございましたとおり、都営大江戸線の都庁前駅構内におきまして、六十歳代の男性が倒れ、駆けつけた駅員四名により、心臓マッサージと、駅に設置してありますAEDを用いての除細動が実施され、救急隊到着前に呼吸、脈拍が回復した事例がございます。
 一般市民がAEDを使用できるようになった平成十六年七月以降、現在までに、東京消防庁管内で救急隊到着前に都民等がAEDを使用いたしました事例は十三件で、このうち、呼吸または脈拍が回復いたしました件数は五件であります。

○花輪委員 五件もあったということを聞いて、すごいなと思います。これからも、各局、各所管でこのAEDの普及と啓発、それぞれに努めていただきたく、これは要望しておきます。
 続きまして、外郭団体について質問をさせていただきます。
 石原都政になってから、監理団体改革を初めとして、団体改革、一生懸命やられている、そのことは私も率直に評価をしたいと思います。
 まず、確認の意味で、これまでの監理団体改革の取り組みの状況と具体的な成果についてご答弁をお願いします。

○高橋総務局長 石原知事就任以降、監理団体改革実施計画及び第二次都庁改革アクションプランにおきまして、団体の統廃合や都財政支出、職員数の削減等具体的な目標を設定いたしまして、徹底した進行管理を行うなど、取り組みを実施してまいりました。
 この結果、団体数は、平成十一年度では六十四団体ございましたが、二十一団体削減し、現在四十三団体となっております。また、都財政支出は、平成十一年度予算の二千七百四十一億円に対しまして、平成十七年度予算におきましては一千四百三十六億円の削減を行っております。さらに、団体の職員につきましても、平成十一年度の職員数九千五百五十二人に対しまして平成十七年度は二千五百二十五人の削減を行うなど、監理団体改革実施計画及び第二次都庁改革アクションプランの目標の数値をすべて超過をして達成しております。

○花輪委員 この改革の流れの中で、まず団体数も減らしてきた、そして財政支出も減らしてきた、また職員の数も減らしてきた、その目標を達成されたということでございます。ご苦労さまでございました。そういうことは本当に評価をさせていただきたいと思います。
 次に行って、これまでの努力についてはよくわかったんですが、やっぱり世の中の流れが変わってきていまして、例えば指定管理者制の導入、こういうものが出てきたりとか、監理団体、報告団体を取り巻く環境というのは大きく変わってきていると思います。
 これまでは団体数を減らすとか職員数を減らす、都の財政支出を減らす、そういう意味での改革を進めてきたわけですが、これからはやはりもう一歩進んでいただいて、本当に行政として、または行政の外郭団体として何をやるべきか、民でやるべきものか、または今までどおり外郭団体がやるべきものか、またその責任の所在はどこに置くのか、そのことも含めてしっかりとした改革の必要性があると思います。
 今後の外郭団体の改革についてどのようなお気持ちがあるか、そのあたりをご答弁お願いします。

○高橋総務局長 昨年の十一月に策定いたしました行財政改革の新たな指針でお示しをしておりますとおり、指定管理者制度の導入など監理団体を取り巻く環境の変化を踏まえまして、改めて監理団体ごとの存在意義を検証し、団体のあり方や事業について見直しをした上で、民間企業並みの効率的経営のもと、公共性を発揮し、都民に一層貢献する団体へと引き続き改革をしてまいります。

○花輪委員 次に、外郭団体の情報公開についてお尋ねをしたいと思います。
 我が党の佐藤議員も一般質問の中で質問させていただきました。東京都住宅供給公社は随分と情報公開も進んでいまして、契約状況なんかもインターネットを通じて公表したりしているようでございます。これからは、今の監理団体改革、一区切りついたところで情報公開についていま一度しっかりと進めていく、見直しをしていく、そのあたりも必要かと思いますが、局長の見解をお伺いいたします。

○高橋総務局長 監理団体につきましては、これまで都に準じた情報公開要綱を全団体で整備させるとともに、経営状況、経営評価に関しまして毎年度都議会へ報告、公表を行うなど、情報公開の都独自の取り組みを推進してきております。
 このうち、契約に関する情報につきましては、取引条件など団体経営と密接な関連があり、一律に情報公開の対象とすることは困難なため、その範囲、内容は各団体の自主的な判断により決定すべきものではありますが、今後とも、可能な限り情報公開が行われるよう各団体に働きかけてまいります。
 一方、報告団体でございますが、これにつきましては、基本的には各団体が自主的な経営を行っております。各団体の情報公開につきましても、それぞれの経営責任のもとで判断すべきというふうに考えております。

○花輪委員 監理団体については、可能な限り情報公開が行われるように各団体に働きかけていく、報告団体については、それぞれの経営責任のもとで判断すべき、そういうご答弁でした。
 それでは、一つ報告団体について伺いたいんですが、例えば我が党の代表質問のときに柿沢政調会長の方から、新銀行東京のATMについて情報公開を求めたらば、残念ながらその経営上の問題だからといって答えていただけなかった。また、首都圏新都市鉄道、これはつくばエクスプレスです、この長期収支を明らかにしてくださいといっても、残念ながらこの長期収支については把握をしていない、そういうご答弁でした。
 新銀行東京については一千億円のお金が東京都から入っています。また、つくばエクスプレスについては、東京都の出資金は三百二十七億円、そして貸付金は一千二百六十五億円です。合わせれば一千五百億円ぐらい入っているわけですね、東京都のお金が。特にこのつくばエクスプレスは、私はその必要性について否定するものではありませんが、経営については、これからもしっかりと見届けていかないといけない、そういう団体だと思います。
 しかし、この団体は、去年春にですか、監理団体から報告団体に移ってしまった、だからこの情報もなかなか出てこないんじゃないか、そんなこともあるわけですが、私は、今の新銀行にしてもつくばエクスプレスにしてもこれだけたくさんのお金が東京から入っているのであれば、もうちょっと積極的に経営の監視について進めていくべきではないか、そんなふうに思うんですが、総務局長のご答弁をお願いします。

○高橋総務局長 報告団体につきましては、各団体がみずからの経営責任と判断のもとに経営方針を決定する団体でございまして、所管局が事業執行を進める中で適切に団体を指導しております。
 報告団体のうち、都の出資割合が一定以上の団体等につきましては、詳細な経営状況につきまして都議会へご報告をさせていただくとともに、補助金等を交付している団体につきましては、監査委員による監査結果を公表するなど、都として必要な情報の把握、公表を行っております。
 お話の団体につきましては、所管局におきまして報告を受けるとともに、株主としての権利を適切に行使するなど、団体指導上問題ないものと考えております。

○花輪委員 団体指導上問題ないという答弁でしたが、やはり一千億円、一千五百億円というお金が入っている、そういう会社の経営状況がわからない、または把握していない、これでは困るわけです。ぜひしっかりと経営監視を強めていただく、そのことは要望しておきます。お願いします。
 次に、個別の問題に移っていきたいと思います、外郭団体の。
 まず、水道局関係の外郭団体についてお尋ねをしたいと思います。
 このことは去年の決算委員会、公営企業会計決算特別委員会でも触れさせていただきました。若干重なるところもあって、その決算委員会を聞いていた方はまた同じことをやっているのかと思われる方もいるかもしれませんが、ちょっとご容赦いただきながら聞いていただきたいと思います。
 まず、東京水道サービス株式会社という外郭団体がありますが、これは何をしている会社でしょうか。

○御園水道局長 東京水道サービス株式会社は、水運用や浄水場及び給水所等の運転管理、送配水管等の調査、診断業務、監理監督業務など水道施設の管理に関する基幹的な業務を代行、補完している会社でございます。
 この会社は、昭和六十二年の設立以来、都の水道システムに関する専門的知識と高度な技術を駆使いたしまして、これらの業務を確実に実施しているところでございます。

○花輪委員 それでは、この会社が平成十六年度の会社の売り上げに占める割合のうち、水道局からの契約の割合というのは一体どのくらいあるのか、また、そのうち随意契約の比率、入札をしない特命随意契約の比率、こういうものは何%ぐらいあるのか、また、常勤役員が何人で、そのうち東京都のOBが占めるのは何人か、このご答弁をお願いします。

○御園水道局長 平成十六年度の東京水道サービス株式会社の売り上げに占める当局からの契約の割合は九四%であり、特命随意契約率は九八%となっております。
 また、常勤の役員は三名でございまして、そのうち都のOB職員は二名でございます。

○花輪委員 この水道サービス株式会社さんは、ほとんどが東京都からの売り上げに頼っていて、その契約のうちほとんどが随意契約ということがわかりました。九八%が東京都からの特命発注ということです。OBの方も三人中二人行っていらっしゃるということでした。
 では、この随意契約をしている業務のうち、金額の大きいものから三つ、どんな仕事か、また幾らぐらいの契約か、ご答弁をお願いします。

○御園水道局長 平成十六年度に東京水道サービス株式会社に特命随意契約で委託した業務のうち、金額が大きいものの上位三件は、配水管や附属設備の現況調査等を行う管路診断業務委託単価契約が十三億一千五百万円、多摩地区の浄水所、給水所等の水道施設の運転管理及び運用管理等を行う多摩地区水道施設運転管理等業務委託が十一億七千八百万円、多摩地区において配水管や附属設備の現況調査等を行う多摩地区管路診断業務委託単価契約は五億二千万円であります。
 いずれも、水道施設の管理に関する根幹的業務を代行、補完するものでございます。

○花輪委員 随意契約で十億円を超えるようなものがあるということ自体がまずびっくりするわけですが、では、なぜこれらの業務を随意契約としなければいけないのでしょうか、ご答弁をお願いします。

○御園水道局長 管路診断業務は、配水管等の施設について、水道供給をしながら断水、濁水等を生じさせることなく調査し、そのデータを総合的に分析評価して、当局が行う管路の補修、取りかえ等に関して提言を行うものでございます。
 また、多摩地区水道施設運転管理等業務は、広範囲に点在する二百十一カ所に上る膨大な多摩地区の浄水所、給水所等の水道施設を一体的、広域的に運用管理するものでございます。
 これらはいずれも安全でおいしい水を安定的に供給するための重要な業務であり、その履行に当たっては、都の水道システムに関する専門的知識や高度な技術が必要不可欠であります。東京水道サービス株式会社はこうした要件を備えており、高度で広域な業務を適切に履行できる唯一の企業であることから、同社に特命随意契約をしているものでございます。

○花輪委員 次に、随意契約をしている委託業務の予定価格、皆さんが持っていらっしゃった予定価格と実際の契約額との比率、これは何%だったでしょうか。要は、決定率は何%だったでしょうか。

○御園水道局長 平成十六年度において東京水道サービス株式会社と特命随意契約をした委託業務全体の予定価格と当初契約金額との比率は、九九・三%でございます。

○花輪委員 九九・三%という数字でした。これは、予定価格というのは事前か事後に公表されているんでしたっけ。お答えをお願いします。

○御園水道局長 入札予定価格は、事前に明らかになることによりまして落札価格の高どまりなど競争性を阻害する可能性が大きいことや、事後においても同様な契約が続く場合には予定価格の類推が可能であることから、物品購入や業務委託については公表しておりません。こうしたことは、随意契約についても同様でございます。

○花輪委員 今、高どまりするから、するといけないから、予定価格については事前、事後とも公表しないというふうなお話がありました。九九・三%が高どまりをしているかしていないか、これはだれが聞いても高どまりだと思うと思います。
 私、思うんです、これが例えば入札で百万円のものがあって、百二十万円の契約もあり、八十万円の契約もある、だから合わせたら一〇〇%になるんだよというような話があるのであれば、この九九・三%というのも、まああり得る話かなと思いますが、そうではなくて、一〇〇%を超えてしまったら契約にならないような、そういうものがどうっと積み上げられてきて九九・三%ということは、ほとんどがこの一〇〇%に近い数字ではないかというふうに思うわけです。ここには残念ながら競争が働いているとは全く思えないわけですね。何で九九・三%と、その数字になるのか私には理解できないし、超能力者のような人がいるのかどうかもしれない、そんなようなことも思ったりするわけです。
 実は、先ほど来、水道サービスはレベルも高いし、責任体制もあるし、水道事業を任せられる唯一の会社だというふうにおっしゃっていました。ただ、日本には水道事業を担っている会社というのはたくさんあって、大きな冠たる、例えば日立とかクボタとか荏原とか、そういうような本当に大きな会社が、もしかしたら水道局さんの売り上げよりも大きな売り上げを上げているような、そういう世界に冠たる会社がこの水道の事業なんかをやっていたりするわけですよ。ですから、そういうところを入札に参加をさせるなり、具体的にそういうところなのかどうかもわかりませんが、要は民間を入れることによって競争原理を働かせていく、そういう努力をするべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○御園水道局長 ただいま随意契約の決定率が高いというお話がございましたが、特命随意契約の予定価格も、競争入札と同様に積算基準等に基づき適正に算定をしております。
 随意契約は、競争入札とは異なりまして、相手から見積もりを徴した上で、予定価格の範囲内で契約金額を決定するものであります。相手方の見積価格が予定価格を超えていた場合は、減価交渉を行い、契約金額を決定するため、結果として予定価格と契約価格の差が出ないケースも多くございます。
 次に、競争入札の導入についての質問でございますが、当局では、これまでも随意契約について見直しを行ってきたところであり、第三セクターへの発注案件も含め、今後とも受託市場の動向等を勘案し、民間にできるものは民間にゆだねるなど、適宜適切に見直しを行ってまいります。
 しかしながら、現在、東京水道サービス株式会社に発注している業務は、運用管理に高度な技術や管理能力が強く求められているとともに、民間事業者への監督、指導業務など民間事業者からの独立性が必要でございます。
 こうした業務につきましては、本来、水道事業者がその責任のもと、直接実施するのが原則でございますが、効率性や柔軟性を考慮し、特命随意契約をしているものでございます。
 今お話しのような、メーカーはポンプ--優秀なメーカーがあるとおっしゃいましたが、ポンプの制御などでは高い技術を有しているメーカーも確かにございますが、東京のような広域的な施設の総合的な管理運用は経験や実績が浅く、競争入札によりメーカーなどの民間事業者に委託することは、現時点では困難であると考えております。
 東京水道サービス株式会社は、首都東京の水道事業全般にわたるノウハウを有している唯一の事業者であり、都が経営にしっかりと関与できることから、今後とも同社を活用することで水道事業の安定性、安全性を確保してまいります。

○花輪委員 平成十二年ぐらいからですか、多摩の水道の一元化をどんどんどんどん進めるようになってきた、それまでは多摩の水道の委託事業に当たっては民間の会社も入っていた、民間の会社も委託を受けていた、そんな話を聞きます。なぜ、民間が入っていたんだけれども、いつの間にか今は東京水道サービスがやるようになっちゃったんでしたっけ。

○御園水道局長 多摩地区におきましては、従来、おおむね市町域単位で行われておりました小規模施設の運転管理について民間事業者に委託をしておりました。一方で、比較的大規模なものは直営で管理もしくは東京水道サービス株式会社へ委託しておりました。しかし、給水安定性と効率性の向上を図るため、市町域を超えた浄水所、給水所などの運転管理の集中化を進めるとともに、一体的な運用を図るため、平成十三年度に多摩水道管理室を設置いたしました。
 横浜市の規模を上回る大規模な多摩地区の水道を一体的、広域的に運用管理できるのは、当局職員と同程度の水道事業全般にわたるノウハウや技術力を有する東京水道サービス株式会社だけであることから、同社に一括で特命随契をすることといたしました。

○花輪委員 昔は民間に委託をしていたわけです。それが同程度の能力、ノウハウを持つのは東京水道サービスしかいないということで、東京水道サービスにここ何年間かでどんどん一元化をしてきているわけですが、では当時、平成十二年当時ですが、民間に競争入札で仕事を出していたんではないかというふうに思いますが、一体競争入札で仕事を出していたのは何件ぐらいあって、また、もし随意契約があれば随意契約の件数も教えてください。そして、落札率は随契の場合は何パーだったのか、また競争入札を民間にしていた場合は何パーだったのか、お答えいただけますか。

○御園水道局長 平成十二年度以前の水道施設運転管理業務委託の発注方法は、競争入札による場合と特命随意契約による場合がございます。
 このうち、平成十二年度におきましては、競争入札は七件で、平均落札率は九六・三%、また特命随意契約は二件で、平均決定率は九九・九%であります。
 なお、特命随意契約により契約したものは、大規模かつ一体的な運用管理が必要な二件であり、その他のものは競争入札により契約をしております。

○花輪委員 要は、今水道サービスに随契で出している仕事、もともとは民間が競争入札でやっていたときもあるわけです。競争入札でやっているときには落札率は、これは安いとはいえませんが九六・三%、それでも随契の九九・九%と比べれば三・六%も違うわけです。一億円であれば三百万円、十億円であれば三千万円以上の金額の差が出てくるわけです。競争入札をする場合には、営業費も必要になってきますね。随契の場合は営業費は余り必要ありません。今まで民間がやっていた仕事を一元化の名のもとにどんどんと水道サービスがとっていく。そして、今まで競争入札だったものが随意契約になっていく。やっぱりこれはどこかおかしい気が私はいたします。どこかに競争を入れる、そういう努力というのが必要だと思うんですよ。
 住宅供給公社が都営住宅の管理、これをずっとしてきました。指定管理者制度が導入をされました。今までは、ああいう都営住宅のようなところを管理するのはなかなか民間の不動産屋さんじゃ無理だろう、やっぱり住宅供給公社しかできないんじゃないか、そんなふうにいっていた時代もあるかもしれません。ところが、この指定管理者制度の導入とともに、それじゃ一回公募して、できるかどうか、民間でもやってくれる業者がいるかどうか聞いてみようじゃないか。その公募の結果、住宅供給公社が仕事はとりました。しかしながら契約率は、北区の方では前に比べて八六%まで落ち、多摩の方では前に比べて八四%までコストダウンになったわけですね。
 このように、ここしかできないんじゃないか、都の外郭団体しかできないんじゃないかというところでも、勇気を出して民間に仕事を出してみる、そういうことによって、これはこれだけコストダウンになるのであれば、競争原理が働くのであれば、またサービスの向上につながるのであれば、私はこういうことでどんどんやっていった方がいいんじゃないかと思います。
 改めてお伺いしますが、この水道事業のいわゆる委託についても競争原理を導入するべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○大塚副委員長 御園水道局長。--答弁をお願いします。

○御園水道局長 ただいま理事から、競争入札を実施して民間企業に委託した方がよいとのお話がございましたが、東京水道サービス株式会社に委託することによりまして、一体的、広域的な運用管理をすることが可能となり、多摩地区全域で給水安定性が格段に向上するとともに、平成十三年度は前年度と比べて約七千万円の効率化を図ることができております。
 当局ではこれまでも随意契約について見直しを行ってきておりますけれども、しかしながら、現在、東京水道サービス株式会社に発注している業務は、先ほどお答えしましたように運用管理に高度な技術や管理能力が強く求められているとともに、民間事業者への監督指導など、民間事業者からの独立性が必要であります。こうした業務については、本来、水道事業者がやるものでありますけれども、そういう実力を備えた東京水道サービス株式会社に委託をしているものでございます。

○花輪委員 私、秋の決算のころに、秋川のポンプ所を見学をさせていただきました。そこは、昼間は五人の方がいて、夜には四人体制でやっている。昼間の五人のときには所長さんは東京水道サービスの方、そしてもう一人水道サービスの方がいて、残りの三人は民間に再委託をしているという話でした。夜は、一人が水道サービスさんで、残った三人は民間に再委託をしているということでした。
 結局、水道サービスさんじゃない、その下請さんが仕事をやっているというわけですが、ちなみに、水道サービスからこのような形で民間会社に再委託をしている、そういう契約の金額と件数についてお伺いをいたします。

○御園水道局長 東京水道サービス株式会社が民間会社に委託している件数と金額でございますが、同社では、経営の効率化を図るため、作業や補助的業務につきまして外注化を行っております。平成十六年度の委託契約等の件数は九十一件であり、その金額は二十四億二千万円でございます。

○花輪委員 水道サービスさんから民間へ仕事が再委託されているわけですが、その業務委託の件数が九十一件、金額が二十四億円ということがわかりました。
 では、その委託契約のうち競争入札をしているものは何件で、随意契約は何件ですか。

○御園水道局長 東京水道サービス株式会社が平成十六年度に行った委託契約等九十一件のうち、競争入札によるものは二十二件であり、随意契約によるものが六十九件でございます。

○花輪委員 再委託においても、まことに随意契約の件数が多いことがわかりました。
 それでは、その再委託をしている随意契約のうち、金額の大きい順に上から三つ、仕事がどんな仕事か、また金額的にはどのくらいの金額か、ご答弁をお願いします。

○御園水道局長 平成十六年度に東京水道サービス株式会社が随意契約で委託した業務のうち、金額が大きいものの上位三件は、管路調査作業補助業務の委託が、五者を対象といたしまして合わせて八億五千二百万円、計画排水作業補助業務の委託が、五者を対象として合わせて一億三千三百万円、管路調査図面作成作業の委託が、四者を対象として合わせて一億二千三百万円でございます。

○花輪委員 ここに東京都監理団体指導監督基準というのがあるんですが、第五のところで、外部委託については競争入札によることを原則とし、コストの縮減に努めることというふうに書いてあります。水道サービスさんも監理団体の一つです。外部委託、再委託については競争入札が原則かと思われます。
 なぜ、今のような仕事が、委託金では九億円という金額も出てきましたが、随意契約でなければいけないんでしょうか。その理由を伺います。

○御園水道局長 東京水道サービス株式会社が外注化している業務は、実際に通水している水道施設の調査や操作を行うものであり、同社が、発足当初から長年にわたって、こうした作業にかかわる協力会社を指導育成し、一体となって業務を行ってまいりました。こうしたことから、その実績があり、履行が確実なこれらの会社と随意契約をしております。

○花輪委員 先ほど、管路調査作業補助業務委託契約九億円、五者と契約しているといいました。排水作業の補助業務については一億円、五者と契約しているといいました。管路調査図面作成業務については一億円、四者と契約をしているといいました。
 要は、さっきの管路調査業務には、五者、仕事をする人たちがいるわけです。排水のところにも、五者、仕事をする人たちがいるわけです。こういう間で入札があったって、いいわけじゃないですか。今までは、そこしかない、そこしかない、水道サービスしかないというから、特命だといってきたわけです。今度は、水道サービスの先では、同じ仕事をやれる会社が幾つもある。にもかかわらず、これを特命随意契約にしている。私は、これはどう考えてもおかしいと思うんですが、もう一度ご答弁をお願いします。

○御園水道局長 これらの業務につきましては、協力会社の規模では、都内全域について一社でカバーできないことから、複数の業者を活用していると聞いております。
 監理団体の外部委託については、従来から、都の基準に従い、競争入札を原則としてコストの縮減に努めるよう指導してきております。

○花輪委員 東京都から水道サービスに流れる契約は随意契約、水道サービスからその下請さんの民間企業へ流れる契約も随意契約、どこにも競争原理が働いていません。
 ところで、お尋ねしますが、この水道サービスさんの再委託契約先には都の幹部職員のOBの方はいるのでしょうか。いるとすれば、一体何人ぐらいいるのでしょうか。そして、東京水道サービスに在籍経験がある方がいるのでしたらば、その人数もお願いします。

○御園水道局長 東京水道サービス株式会社が業務委託を行っている民間事業者には、十七名の当局管理職OBが在職していると聞いております。このうち、同社に在職経験のある者は三名であると聞いております。

○花輪委員 委託先には十七人の管理職の方々、OBの方、幹部職員の方々が行っていらっしゃるということでした。
 では、改めてお伺いしますが、随意契約、要は水道サービスさんから随意契約で仕事をもらっている、そういう民間企業には、都の管理職のOBの方々は何人ぐらい行っていらっしゃるんですか。

○御園水道局長 東京水道サービス株式会社が随意契約を行っている民間事業者には、十四名の当局管理職OBが在職していると聞いております。
 当局管理職OBの民間会社への再就職については、局の退職者が在職中に培った知識や経験を社会的に有効活用する観点から行われているものと考えております。

○花輪委員 水道局から水道サービスへ、水道サービスから民間企業へ、契約は随意契約、そこには、それぞれ東京都の幹部職員の方々の天下りが行っている。やっぱりこれは都民の方の批判には耐えられないんじゃないかと思いますよ。ちゃんと指導をしていくべきだと思います。
 改めて、局長、私は今のままでいいとは思わない。これは直すべきだと思います。競争を用いる、そういう契約をしっかりやっていくべきだと思います。改めて局長の答弁をお願いします。

○御園水道局長 当局では、公共性を確保しつつ、直営に比べ効率的な業務執行が可能であり、首都東京の水道事業全般にわたるノウハウを有している唯一の事業者である東京水道サービス株式会社に事業運営上重要な業務を担わせ、局と一体的な運営を行うこととしております。同社につきましては、従来より、都の基準に従い、契約方法なども含め指導を行ってきております。
 今後は、局の業務を代行、補完する監理団体として、出資割合を引き上げることにより経営にしっかり関与し、会社を指導するとともに、経営情報の公開などを積極的に進め、透明性を確保してまいります。

○花輪委員 例えばフランスの水道なんかは、これは聞いた話なんですが、セーヌ川を挟んで右と左で、それぞれ別の会社に配水の仕事をしていただいているという、そんな話も聞いたことがあります。(「花輪さん、行っておいでよ」と呼ぶ者あり)見てきた方がいいね。
 ぜひそのあたりも入れながら、今後の水道事業のより効率的な運営に当たっていただければと思います。
 続きまして、下水道局の第三セクターである東京都下水道サービス株式会社についてお尋ねいたします。
 東京都下水道サービス株式会社とは一体どんな仕事をしている会社でしょうか。ご答弁をお願いします。

○前田下水道局長 東京都下水道サービス株式会社は、増大する下水道施設等の維持管理業務の効率的な執行を図るとともに、局組織の肥大化を防ぎ、きめ細かな都民サービスを維持することを目的として、都及び民間企業の資金、技術を導入し、局事業を補完、代行するために、昭和五十九年に設立いたしました。これまでも、下水道事業を補完、代行する団体として、局事業の意義と局との連携の重要性を十分認識して、委託業務を確実に実施してまいっております。
 主な業務といたしましては、局からの受託事業でございます、局が直営で行っております水処理業務と密接不可分である汚泥処理業務などを円滑に実施しております。

○花輪委員 それでは、東京都下水道サービス株式会社さんの会社の売り上げに占める東京都の発注分の割合はどのくらいでしょうか。

○前田下水道局長 先ほどご答弁いたしましたように、東京都下水道サービスは、局事業を補完、代行する団体として設立されております。平成十六年度の同社の売上高は七十五億一千四百万円でございます。下水道局との契約分は、その約九〇%の六十七億九千八百万円でございます。

○花輪委員 ここも九割方が東京都の仕事だということがわかりました。
 下水道局から東京都下水道サービス株式会社に出している仕事のうち、随意契約で委託をしている、そんな仕事の割合、件数をご答弁お願いします。

○前田下水道局長 東京都下水道サービス株式会社は、局職員が直営で行う水処理業務と密接に連携する必要がある汚泥処理業務など、同社以外では確実に実施できない事業を実施しております。平成十六年度決算においては、当局から同社に委託した六十五件、総金額七十一億円はすべて随意契約でございます。

○花輪委員 すべて、一〇〇%が随契だということがわかりました。
 それでは、平成十七年度現在、常勤役員がその会社には何人いて、そのうち都のOBは何人か、ご答弁をお願いします。

○前田下水道局長 平成十七年度現在、常勤役員三名でございます。いずれも都OBでございます。

○花輪委員 常勤役員三人中三人が都のOBであることがわかりました。
 それでは、下水道局から東京都下水道サービス株式会社への随意契約の中で、金額の大きなものから三件、上から、どんな業務か、金額は幾らか、ご答弁をお願いします。

○前田下水道局長 平成十六年度に下水道局が東京都下水道サービス株式会社に随意契約したものの中で金額の大きい上位三案件は、順に申し上げますと、南部スラッジプラント管理業務委託十二億一千六百万円、砂町水処理センター汚泥処理管理業務委託八億九千万円、森ケ崎水処理センター汚泥処理管理業務委託六億八千四百万円でございます。いずれもすべて、局が直営で行う水処理業務と密接不可分でございます汚泥処理業務もしくはこれに関する委託でございます。いずれのセンターの規模も、都市の規模といたしましては百万人の規模に匹敵するほどの大規模な事業でございます。

○花輪委員 ここでも、十二億円、八億円、六億円という随意契約が並んでおります。なぜ、これは随意契約にしなければいけない仕事なのか、もう一度改めてご答弁いただけますか。

○前田下水道局長 随意契約についてのお尋ねでございますが、東京都下水道サービス株式会社は、局の主要な維持管理業務を委託するために設立した団体でございます。また、委託している汚泥処理業務は、局職員が直営で行う水処理業務と密接に連携する必要があるなど、東京都の水環境を守るための非常に重要な事業でございますし、当局事業との一体的な執行が必要な業務でございます。このようなことから、同社以外では確実な実施が確保できない業務であり、随意契約により行うこととしております。

○花輪委員 それでは、局のこの随意契約の中で、局が予定をしている予定価格と実際契約された金額、そのトータルは何%でしょうか。

○前田下水道局長 平成十六年度の実績でございますが、東京都下水道サービス株式会社と随意契約した委託業務全体の予定価格と当初契約金額との比率は、九九・〇四%でございます。

○花輪委員 ここも九九%を超える契約率となっています。
 改めてお伺いしますが、契約に関する予定価格、事前、事後に公表しているんでしたっけ。

○前田下水道局長 都では、業務委託については、予定価格の公表は事前、事後とも実施しておらず、東京都下水道サービス株式会社との契約はすべて業務委託契約でございますので、同様に実施しておりません。

○花輪委員 どうやら、ここにも超能力者がいるのかもしれません。
 ところで、東京都下水道サービス株式会社が、これも先ほどの水道サービスさんと一緒で、民間企業に再委託をしている仕事がたくさんあると思いますが、十六年度に民間に出した契約のうち、入札でやったものが何件か、随意契約でやったものが何件か、お伺いいたします。

○前田下水道局長 東京都下水道サービス株式会社が民間に出した契約についてでございますけれども、東京都下水道サービス株式会社は都の監理団体の一つでございますので、指導基準に基づき、外部委託については競争入札によることを原則としております。しかし、各施設における個別の設備に関する固有の技術の保持、特許、著作権の使用などといった事情がある場合には、随意契約により契約していると聞いておりまして、平成十六年度の東京都下水道サービス株式会社から民間に委託しました契約件数九十七件のうち、入札は七件、随意契約は九十件でございます。

○花輪委員 ここでも圧倒的に随意契約ばかりだということがわかりました。
 では、この下水道サービスさんから民間企業に再委託をしている、その随意契約中、金額の大きなものを上から三つ挙げてください。どんな仕事か。

○前田下水道局長 先ほど申し上げました随意契約の内容でございますけれども、ご説明に加えまして、高度な技術力を要する、あるいは、規模が我が国の中でも非常に大きな規模になるとか、いろいろ特殊事情がございまして、結果のような数字になっております。
 平成十六年度の随意契約の中で金額の多い上位三案件については、順に、中川建設発生土改良プラント、これは我が国でも初期に設置したものでございます。管理業務委託二億三千二百万円。葛西事業所保全点検作業一億四千万円、南部資源化センター汚泥処理施設保全点検委託一億三千九百万円であり、いずれも当局から委託した汚泥処理業務等に付随したものでございます。

○花輪委員 要は、ここも二億円、一億円、一億円と、非常に大きな金額が随意契約で出されているわけです。都から下水道サービスへ随契、そして下水道サービスから民間へ随契、ここにも、どこにも競争原理は残念ながら働いておりません。
 ところで、東京都下水道サービス株式会社の契約先に局の幹部職員のOBの方々は何人、再就職されていますか。

○前田下水道局長 東京都下水道サービス株式会社が契約した民間会社に、平成十八年二月一日現在、十三名が就職していると聞いております。

○花輪委員 十三名の方が民間の方へ再就職されているということです。先ほどの水道サービスのときと全く一緒ですが、都から下水道サービスへ、下水道サービスから民間へ、仕事はどこにも競争原理が働かない仕組みになっている。そして、そこには天下りが行っている。これもやはり都民の理解を得られないのではないか、私はそういうふうに思います。
 やはり、こういう契約にもっと競争原理がしっかりと働くような、そういう仕組みづくりをするべきだと思いますが、ご答弁をお願いします。

○前田下水道局長 冒頭、東京都下水道サービスの設立の趣旨をご説明しましたように、局組織の肥大化を防止し、さらに効率的な事業執行に大いに貢献していると私は思っております。
 東京都下水道サービス株式会社は、局事業を補完、代行する団体として、局からの受託事業を主要事業とすることを目的として設立したものでございます。
 これまでも、効率的な事業執行を図るため、下水道局では、民間企業の活用が可能な分野については積極的に行ってきたところでございます。東京都下水道サービス株式会社に委託している業務は、都の下水道事業の運営と密接な関連を有し、かつ都の十分な指導監督のもとに執行される必要がございまして、いわゆる競争原理が働かない業務でございます。そこで、地方公営企業法施行令に基づき、競争入札に適さないものとして、すべて随意契約をしているところでございます。
 東京都下水道サービス株式会社に対しましては、これまでも、十分な効率的な運営を行うよう指導してまいりましたが、今後も経営にしっかり関与し、適切に指導してまいります。

○花輪委員 最終的にはみんな民間がやっているわけですよね。民間の幾つもある会社を、皆さんが随契だといって選んでやっているわけです。そういうところをしっかりと競争が働くように、業者がいないわけじゃないんですよ、私はそれをしっかりとやるべきだと思います。

○前田下水道局長 先ほど申し上げましたように、一つ一つの個別の事業については民間企業で十分できるところでございますが、それらを束ねまして運営、管理する、あるいは、水の処理と極めて密接な関係がございますので、これを総合的に運転、管理する、この組織はございません。東京都下水道サービスだけでございます。

○花輪委員 今は私、下水道サービスさんから先に民間委託することの話に移っているんです。ですから、要は、百歩譲って、下水道サービスしかできないだろうといったとしても、その先の民間の会社というのが幾つも幾つもあるわけですよ。そこにまで随契ばっかりで仕事を出す必要はないんじゃないかと私は思いますという話をさせていただきました。
 これまで、外郭団体の改革についていろいろとお話をさせていただきました。先ほどのATMの話でいえば、新銀行東京の問題、または長期収支の話であれば、つくばエクスプレスの問題、たくさんのお金を東京都は財政支出しているけれども、余り経営情報が明らかにされないという、こういう問題もありましたし、今のように、天下りや随意契約の問題、こういうことも今質問をさせていただきました。
 ここで知事にお尋ねいたします。今のさまざまの議論を聞いていただいて、やっぱり監理団体改革について、また外郭団体改革について、どのように新たな決意を思われたか、ご答弁をお願いします。

○石原知事 議員と水道局長、下水道局長の応答を聞いていますと、ちょっとコンセプトにずれがあるような気がするんですね。法律ではそれは許容されているようでありますけれども、現実に広範囲、複合的な水道事業、下水道の運用事業をやる会社は民間にはないんですよ。クボタとか、荏原はね、要するに水道事業、下水道事業に必要な部品は世界的なレベルでつくっておりますけれども、ここに要するに広範囲な水道、下水道の運用事業ということを委託するわけには、それはとてもいきません。
 それから、天下りの問題が出ましたけれども、これはほかの外郭団体の天下りと違いまして、かなり専門性を持った人たちでありますし、つまり、二次就職というんでしょうか、その人たちの技術性というものを活用するためにも、やっぱり受け皿は私は必要だと思います。
 それから、二次就職によって、やっぱり人件費を圧縮することで合理化もやっておりまして、そういう点で、私は下水道事業、水道事業というのは、ちょっとほかの事業と違って、非常に複合性の多い、特殊性の多い事業であるということ、そしてまた、現況において、外部監査でも幾つか指摘がありましたけれども、人事などについては合理化の余裕がまだありますが、しかし、相対的に、世界の中で、日本の中で、東京の水道あるいは下水道事業というのは非常に画期的なことをやっていると思います。現に、お金を払って買う水と同じようなものを、直接に個別の建物が引く水に関しては、東京水という形でキャンペーンしておりますけれども、そういう実態である、そういうレベルであるということもご認識いただきたいと思います

○花輪委員 水道サービスも下水道サービスもなければならない存在だと。なくてもいいとは私はいいません。だけど、その先がね、民間企業で、先ほど知事は聞いていたかどうか知りませんけれども、同じ仕事で五社も四社もある、そういうようなところも競争入札なしで随意契約で仕事を出している。どこにもやはり競争原理がきいていない、この部分はやっぱり問題だと思いますよ。
 千円、二千円の契約じゃなくて、何十億円という、そういう大きな金額なんですよ。ぜひそのあたりも、知事にもご理解をいただければというふうに思います。
 続きまして、人口減少社会についてお尋ねをいたします。
 まず、東京における人口構成について伺います。
 二〇〇〇年から二〇二〇年まで、この東京の人口がどのように変化をしていくとお考えでしょうか、ご答弁をお願いします。

○高橋総務局長 昨年の国勢調査の速報値をもとに試算したものでございますが、東京都の総人口は、平成二十七年の一千二百七十三万人をピークに、以後減少し、平成三十二年には一千二百六十六万人となります。
 これを年齢三区分別に見てみますと、十四歳以下の年少人口は、平成二十二年に百四十五万人でピークを迎え、以後減少に転じて、三十二年には百三十七万人となります。十五歳以上六十四歳以下のいわゆる生産年齢人口は、平成十七年が八百八十四万人でピークとなり、以後減少し、三十二年には八百二十五万人となります。六十五歳以上の老年人口は、平成十二年以降一貫して増加を続け、三十二年には三百四万人になると予測をしております。

○花輪委員 日本全国的にいうと、昨年あたりから人口減少社会に入ったという話でしたが、東京都はそれから少しおくれて、二〇一五年が人口のピークになるということでした。そして、今後、六十五歳以上の老年人口もどんどんふえていく、そんなことのご答弁がありました。
 じゃ、これから高齢者がどんどんふえていくとすると、やはり社会福祉関係費の費用も伸びていくのではないかと思いますが、そのあたりの伸びをどのように予想されているでしょうか、お伺いをいたします。

○平井福祉保健局長 ただいま総務局長から答弁がございましたように、平成三十二年の老年人口は三百四万人と予測しておりまして、平成十七年と比較して約三九%の増加となります。
 社会保障制度につきましては、現在、国においてもさまざまな検討が行われておりまして、確定的に申し上げることは困難でございますが、現行制度を前提とした場合、都における介護保険や老人医療などの社会福祉関係費の伸びは、高齢者の増加にほぼ比例するものと考えているところでございます。

○花輪委員 高齢者の増加にほぼ比例ということでいいますと、三九%増加ということでしたから、例えば平成十七年度のベースで見ると、社会福祉の関係費が六千百五十八億円ぐらいだと、二千四百億円ぐらいは伸びるのかな、そんなことを想像させていただくわけですが、十年後に来る人口減少の社会、そのころには、ちょうど高度経済成長のころにつくったさまざまな道路やインフラ整備、橋など、こういうものを更新する時期が来るというふうに聞いております。
 一体このあたりの更新をする費用というのはどのくらいかかるんでしょうか。例えば、普通に一本橋をつくるよりも、一・五倍か二倍ぐらい費用がかかるというような話もありますが、そのあたりはいかがでしょうか、ご答弁をお願いします。

○岩永建設局長 道路にかかる橋梁の更新につきましては、現在の交通の流れを維持するための仮橋の設置や既存橋梁の撤去などが必要となりまして、新設より多額の費用がかかります。
 ちなみに、これまで行ってきました橋梁事業におきましては、更新時の事業費は、新設時に比べ、おおむね二倍以上でございます。

○花輪委員 おおむね二倍というご答弁でした。これから、都市の更新に対して多額の費用がかかるんだろうな、そんなことが想像できるわけです。
 東京都が管理をしている橋梁は、千二百三十八の橋があって、長さでいうと七十キロメートルあるというような話を聞きました。十年後の二〇一六年前後には、設置後、更新時期といわれる四十年を迎える、そういう橋が全体の七五%以上になるという、そんな話もお伺いをしております。
 こういうのを一斉に更新をしてしまうと、莫大な費用がかかってしまって大変なことになりますので、こういうものをどういう形で対処していこうとしているのか、そのあたりのお考えをお聞かせください。

○岩永建設局長 橋梁など道路施設の多くは、東京オリンピックから高度経済成長期にかけて建設されたことから、今後十数年のうちに一斉に更新時期を迎え、短期間に膨大な事業費が必要となります。このため、資産運用の手法を活用いたしまして、効果的、効率的な事業実施を可能とする道路アセットマネジメントの考え方を導入し、経費の最小化と投資効果の最大化を図る、いわゆる予防保全型の道路管理に転換してまいります。
 具体的には、これまで行ってまいりました点検結果に基づく劣化予測と、最新の耐久性向上技術によって橋梁を長寿命化し、投資の平準化と総事業費の縮減を図ってまいります。

○花輪委員 社会資本といえば、橋だけではなくて、道路もあったり、トンネルもあったり、川もあったりします。さまざまな施設の更新時期がやってくるわけです。しかし、そのための財源が必要だなと思っても、人口減少社会になると、今度は財源不足にもなってくるんではないか。人も減ってくるから、税収もなかなか伸びないんではないか、そんなふうに思うわけですが、そのあたりはいかがでしょうか、財務局長。

○谷川財務局長 長期的視点に立って考えた場合、人口減少社会の到来は、東京においても避けることのできない流れでございます。そこでは、都税収入につきましても、大幅な伸びは期待できないものと考えております。
 今後の財政運営に当たりましては、このような状況を踏まえまして、財政構造改革を進めることにより、新たな施策の展開に必要な財源を確保することが重要であると考えております。

○花輪委員 二〇一五年以降お年寄りがふえてきて、社会保障費がやはり上がってくる、道路や橋などのインフラ整備の更新期が来る、だけど税収はなかなか伸びないという時代になってまいります。
 道路なんかの社会資本整備がまちづくりにとって欠かせないということは当然であります。今、計画をされているさまざまなインフラ整備の計画については、粛々と整備を行ってもらいたくお願いします。
 しかし、一方では、今までの答弁にあるように、人口減少社会の到来に伴って、財政上の制約や、新たな行政需要の増大などの大きな課題が目前に迫っていることも確かだと思います。
 これを考えた場合、これからの新たに発想するような道路、または橋などの社会資本整備においては、今のようなこの社会経済状況の変化、人口減少社会というものを十分踏まえた上で、その必要性を判断すべきと考えますが、いかがでしょうか。

○梶山都市整備局長 道路、橋梁や公園、緑地などの社会資本整備は、国際都市としての競争力を高め、質の高い都民生活を実現する上で必要不可欠なものでございます。
 このため、都市計画道路の優先度を明らかにした整備方針や、民間活力の活用を盛り込んだみどりの新戦略ガイドラインなどを策定いたしまして、計画的、効率的な都市基盤の整備を進めていくこととしております。
 今後とも、人口減少社会の到来など、社会経済情勢の変化を見きわめながら、事業のさらなる重点化や、整備水準の工夫や、新たな技術開発によるコスト縮減などを推進し、必要な社会資本について着実に整備してまいります。

○花輪委員 それでは、オリンピックについて伺います。
 ただいまは人口減少社会のことについていろいろと伺いました。一九六四年、日本は高度経済成長期でした。人口も経済も右肩上がりでした。人も物もふえる時代でした。二〇一六年、都は人口減少社会に入って、人口も経済も右肩下がりの時代になることが予想されているようです。
 我が会派は、先日の決議において賛成をさせていただきました。その後、次の日の新聞を見させていただきまして、知事の発言で、いろんな議論を重ねることで、反対した人も含めて、それならやろうとなればいいと話していたという、そんな記事がありました。これを見て、あっ、さすが知事だな、これからも議論をちゃんとしていってくれるんだろうな、そんなふうにうれしく思いました。
 そんなことも含めて質問をさせていただきたいと思います。
 (資料を示す)こんな地図を前にいただきました。十キロ圏で円がかいてあるわけです。これを見ますと、本当に東京って、結構いっぱい運動のための施設、スペースがあるんだな。また、この円の外にも、ここにかいてありますが、スタジアムなんかは横浜や埼玉の方にも随分あるんだな、そんなふうに思ったわけです。
 では、ここに印がつけてあるようなそういう施設のうち、オリンピックがあったとして、そのまま使える施設はどのくらいで、改修をしなければいけない施設はどのくらいで、または新規に建てる、建て直さなければいけない、そういう施設は一体どのくらいなんでしょうか。

○山口知事本局長 東京ドームや日本武道館、東京国際フォーラムなど、現状のまま使用できると思われる施設もございますが、国立霞ヶ丘競技場など建てかえが必要な施設もございます。
 さらに、後利用の予定の立たない施設や原状回復が求められる会場については、仮設も必要であり、いずれも現在、検討しているところであります。

○花輪委員 検討中とのことでした。
 続きまして、都において想定をしている二〇一六年のオリンピック東京大会、開催規模から、各競技における施設の収容人員の最低の見込みはどのくらいと想定をしていらっしゃるでしょうか。

○山口知事本局長 現在、二〇一六年大会の競技施設の条件は、国際競技連盟からまだ提示されてございません。アテネ大会では、陸上競技場七万二千席、競泳プール一万一千五百席、バスケットボール会場一万九千席、バレーボール会場一万三千二百席の観客席を用意したと聞いております。
 競技施設につきましては、六月三十日に提出する開催概要計画書において二十八競技の競技場を明記することとなっておりまして、観客席数を含めまして、現在、検討しているところでございます。

○花輪委員 現在、検討中とのご答弁でした。
 続きまして、これも新聞記事なんですけれども、知事の発言が新聞記事に載っていますが、新しいスタジアムができたら、今までと比べるととんでもなくでかいぞとなれば、意欲も出てくる、物を見せなければだめだよ、そんなような新聞記事がありました。
 先ほども、お台場の方に、海が三方向を囲んでいる、そんなスタジアムというような話もありましたから、そのあたりにスタジアムができるのかもしれませんが、今のところ、今までと比べるととんでもなくでかいスタジアムというのは、どのくらいの大きさを想定されて、そしてどのあたりにおつくりになるおつもりなんでしょうか。

○山口知事本局長 メーンスタジアムの規模につきましては、仮設席も含めまして、アテネ大会では七万二千席の観客席を用意し、二〇一二年のロンドン大会では八万席を予定していると聞いております。
 メーンスタジアムの規模及び設置場所については、現在、検討しているところでございます。

○花輪委員 検討中とのことでした。
 今までと比べるととんでもなくでかいスタジアムというのがどのくらいの大きさかというのが、私もよくわかりませんが、例えば横浜の日産スタジアムですと七万二千席、埼玉スタジアムは六万三千、味の素スタジアムは五万、この地図に表記をされているそういう中でも、これだけ立派なスタジアムがあるわけです。
 二〇〇八年用のIOCの基準ですと、スタジアムは六万席あればいいと。アテネでは、今ご答弁にありました七万二千席あればいいということでした。この数字を見ても、この程度でいいのかなと思います。見たこともないような、とんでもなくでかいものというのは、私は余り考えなくてもいいのではないか、そんなふうに思いますので、一言申し上げておきます。
 続きまして、招致費用についてお尋ねをいたします。
 当然国際的な都市間競争に勝ち残るためには、綿密な計画と招致機運の盛り上げ、さまざま必要になることと思います。それは、ぜひオリンピック憲章や各倫理規程の遵守をもって取り組んでいただきたい、そんなふうに思いますが、冬季オリンピックを開催した長野は二十八億円をかけたり、二〇一二年の夏季オリンピックのロンドンは六十億円、決勝で敗れたパリは三十六億円、そのような招致費用をかけているというふうに聞いております。
 今後の見通しとして、東京都は幾らぐらいの招致費用を見込んでいらっしゃるでしょうか。

○山口知事本局長 招致費用につきましては、プレゼンテーションの実施や広報・PRなどに要する経費等が含まれております。現在、具体的な招致活動の内容について検討しているところであり、全体の招致費用をお示しする段階にはございませんが、オリンピック憲章及び国際オリンピック委員会倫理規程を遵守し、招致活動を行ってまいります。

○花輪委員 これも明らかにはなりませんでした。
 続きまして、大会の運営費についてお尋ねをいたします。
 東京オリンピックの運営については、知事は、日本が誇るITなどの高度技術と長い歴史が培ってきた独自の文化、そして日本人ならではのホスピタリティーを融合して、唯一無二の東京オリンピックを実現したいとも語っていらっしゃいます。これから、さまざまな会議などでこれを積み上げていくことと思います。
 そういう中で、例えば最近開催されたオリンピックの大会運営費を見てみますと、アテネでは、会場周辺の警備費なんかも含めますと、治安対策費も含めると四千十六億円、シドニーなどでは二千七百三十億円かかったというふうに考えています。
 東京で開催された場合のオリンピックの大会運営費はどのくらいを算定されているでしょうか。

○山口知事本局長 六月にJOCに提出する開催概要計画書には、財政計画として、大会運営費や資金の調達方法などを盛り込むこととなっており、現在、これらの事項について検討しているところでございます。
 参考として申し上げますと、これまでに招致に成功した各都市のIOCに提出した立候補ファイルによりますと、大会運営費の見込み額として、アテネでは約一千八百億円、北京では一千九百億円、ロンドンでは約二千八百億円となっております。

○花輪委員 検討中とのことでした。
 次は、オリンピックの総経費についてお尋ねいたします。
 今まで、このオリンピックを、よりよいオリンピックにするためには、各競技施設の選手村やメディア施設など、そういうものもたくさんつくらなければいけないし、道路などのインフラ整備、そういうものの費用も必要でしょう。今いった大会運営費なども必要になってくるというふうに思います。
 民主党としましても、オリンピックを理由とした過大な社会資本投資を行わない、招致と開催に伴う財政的見通しについて明らかにすべきと申し入れてきましたが、今のところ明らかにされていません。ぜひこれらを合算した、いわゆるオリンピックに係る総経費を幾らぐらいと想定されているか、ご答弁をお願いします。

○山口知事本局長 オリンピックに関する経費としまして、先ほどご答弁したとおり、大会運営費のほかに、オリンピック関連施設に係る整備費、開催に必要なインフラに係る整備等がございます。これらの経費につきましては、競技計画や運営計画などの検討段階に応じて算定していくものであり、現在はお示しできません。

○花輪委員 お示しができないということでした。
 実は、きょう、ずっと聞いてきた数字というのは--札幌とか、または福岡、そういうところが明らかにしていた数字とか状況について実は今お尋ねをしてきました。例えば、札幌なんかは非常に詳しく、これはあくまでも机上計算だとした上で、どのくらいの開催費用がかかるのか、招致費用がかかるのか、また、インフラ整備費用がかかるのか、そういうことも含めて試算を出して、全体総額のうち、ここでは一兆八千億円と見込んでいますが、そのうち市が負担をするのは一体どのくらいなのか、そういうことも非常に具体的にあらわして、市民の皆さんへということで意見を聞いております。
 その中では、例えばIOCの基準は、例えばさっきの施設の大きさにしても、陸上競技場だったらばこのくらいだよ、アテネのときは七万二千だったよ、札幌では七万ぐらいの施設を用意するよ、それにかかる整備費は幾らだよということを数字であらわしたりしております。
 また、九州においても、これは九州福岡のオリンピック招致推進委員会というところが出した資料のようですが、詳しくこんな資料が出ていまして、ここには、例えばホッケー会場は屋外でやるけど、新設でやるよとか、またはメーンスタジアムは新設でつくるよとか、また、今使える新市民体育館は新設だよ、また既存でやるのは国際センター、マリンセンター、そういうところでやるんだよと。いわゆるどこが新設で、どういうスポーツをやるか、どういう競技をやるか、どこには新しくつくるか、そういうことも含めてしっかりと明らかにしているわけです。
 私は、ぜひできるだけの数字をなるべく早く明らかにしていただいて、それで都民に対して示して、アンケートかなんかをとった方がいいんではないか、そんなふうに思うんですが、いかがでしょうか。

○山口知事本局長 先ほどもお話ししましたように、オリンピック招致を成功させていくためには、招致活動の各段階において適宜適切な内容の情報を提供し、都議会はもとより、都民、国民のご理解とご協力を得ていくことが重要であると考えております。
 現時点において都民へのアンケートを行うことは考えておりませんが、今後とも、都民の提案については、幅広く求めてまいりたいと考えております。
 なお、北京やロンドンでは、IOCによる正式立候補都市五都市としての承認を受けた前後にアンケートを実施したと聞いております。

○花輪委員 アンケートは現時点では考えていないというご答弁でした。
 お祭りは華やかで楽しいものです。私も、アテネオリンピックが開催される、実は前日までアテネに行っておりました。空は青くて、乾いた風は本当に心地よかったです。太陽も本当に気持ちよかった。町は盛り上がっていましたね。本当にお祭りムード一色でした。私も浮き浮きしました。オリンピックを観戦できない自分のスケジュールをうらみました。
 確かにオリンピックはすばらしいし、楽しいイベントです。しかし、だからといって、細かいことは気にするなといって、まあ、ええじゃないかええじゃないか、踊らにゃ損々ということでみんなを巻き込んでいって、祭りが終わったら、こんなにかかりましたという請求書が出されてしまっては、これはたまったものではありません。
 だからこそ、私は、なるべく早い段階で、皆さんに、都民に、なるべく多くの情報を明らかにして、数字も明らかにして、そして意見を聞くアンケートをとる、こういうことが大事だといわせていただいているんです。
 四月の立候補表明までこれがもし無理なのであれば、六月の詳しい概要計画書が出たあたりで、しっかりとアンケートをとるべきだと思いますが、いま一度ご答弁をお願いします。

○山口知事本局長 先ほどもお話ししましたように、招致活動は各段階で適宜適切にしていきたいと思っておりまして、現時点において都民のアンケートを行うことは考えておりませんが、都民の提案については幅広く求めていきたいと考えております。

○花輪委員 この時点でアンケートをとるというふうにはなかなかいえないかもしれませんが、ぜひとる方向で進んでいっていただければと、これは要望をさせていただきます。
 次は、平和の祭典オリンピックについて伺います。
 オリンピックを招致するに当たっては、やはりオリンピック憲章にあるような、そういう平和の推進ということもしっかりと世界にアピールしていかなければいけないというふうに思います。
 知事の平和の祭典に対する、オリンピックに対する決意をお伺いいたします。

○石原知事 お答えの前に、アンケートの問題ですけどね、皆さん、最近の選挙で、まさに都民のアンケートによって選ばれた議員さんじゃないですか。その議会が圧倒的多数で基本的には合意してくださった。私は、これは非常に大きな力だと思います。これから先、個々の問題について必要があれば、アンケートも考えてまいりますけれども。
 それから、オリンピックについての決意でありますけれども、あなたのおっしゃるとおり、オリンピックは確かにスポーツの祭典、平和の祭典ではありますが、かつてそうじゃなかったことがありますね。ヒトラーが、第二次大戦の前に、国威発揚のために、民族の祭典と称してオリンピックをやった。これは、かなり従来のオリンピックと性格の違うものでしたな。それから、モスクワのオリンピックは、その寸前に、事もあろうか、ソビエトがアフガンに侵入しまして、結局、世界じゅうがボイコットして、共産圏の国だけが賛成した。
 間もなく北京でオリンピックが行われますけれども、私は、これはかなりやっぱり性格の違うオリンピックになるんじゃないかと懸念しております。最近の報告でも、過去一年間で、去年一年間、大小無数、年間三万七千回の暴動が起こっているそうですよ。これは要するに外務省のリポートですが、そういう国がごくごく数年先にオリンピックを開催する。このオリンピックの性格も、本当にあなたがおっしゃるとおり、まさに平和の祭典になってくれればいいですが、わけのわからぬ軍備拡張をしている中国の、そうこういっているものの、違った形で示される大会になったらかなわぬなと思っております。
 いずれにしろ、東京は東京なりに成熟した機能を持っておりまして、今まで何度も申し上げてきましたけれども、こういうやっぱり成熟した、しかも、日本人が失いつつありますけれども持っている独特の感性、メンタリティー、つまりホスピタリティーというものを、オリンピックを契機として世界にアピールしていくということは、私は、単に東京のためだけではなしに、日本にとって非常に大きな意義があると思っております。

○花輪委員 終わります。(拍手)

○大塚副委員長 花輪ともふみ理事の発言は終わりました。

ページ先頭に戻る